説明

収穫作業車

【課題】 近年急増する夜間の収穫作業における作業性の向上を図れるようにする。
【解決手段】 車体前部の左右一方の位置に搭乗運転部3を形成し、車体前部の左右他方の位置に、収穫装置4を、その後上部に設定した揺動支点P1周りに昇降揺動可能に装備した収穫作業車において、搭乗運転部3に立設したフロントパネル42の前面における収穫装置4から離れた左右一方の位置に前照灯82を配備し、フロントパネル42の前面における前後方向視で収穫装置4と重合する左右他方の位置に、車体後方に向けて凹入する凹部52Aを形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前部の左右一方の位置に搭乗運転部を形成し、車体前部の左右他方の位置に、収穫装置を、その後上部に設定した揺動支点周りに昇降揺動可能に装備した収穫作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、サンデーファーマーの増加に伴って、夜間に収穫作業を行う割合も増加し、特に、麦の収穫のように収穫時期が集中する場合には、収穫作業が深夜にまで及ぶことが多くなっている。
【0003】
そこで、コンバインなどの収穫作業車においては、前照灯を、運転操作部(搭乗運転部)の前端に立設した前面パネル(フロントパネル)の内面部に、角筒状のブラケットを介して組み付けたものなどがある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第2599876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、収穫装置を、車体前面の全域又は略全域が収穫領域となるように前後方向視で搭乗運転部と重合させて、収穫作業時における収穫作物の走行装置による踏み倒しを防止する全面収穫仕様に構成する場合や、収穫装置を、前後方向視で搭乗運転部と重合しない回り刈り作業位置と、前後方向視で搭乗運転部と重合する中割り作業位置とに、左右方向に位置変更可能に構成する場合には、前後方向視で搭乗運転部と重合する収穫装置の重合部(例えば、収穫装置がコンバインの刈取搬送装置である場合は、右端に配備されたデバイダや引起装置、及び、その引起装置に対する伝動系など)が、左右方向視でフロントパネルと重合しないように、収穫装置をより車体前方側に配備して、フロントパネルとの接触を回避する必要がある。
【0005】
そのため、上記のように単にフロントパネルに前照灯を装備するだけの構成では、収穫装置の前端に配備されるデバイダとフロントパネルとの前後方向での離間距離が大きくなり、前照灯による収穫装置側の照明が収穫装置によって遮られ易くなって、収穫装置側に対する照明が不十分になることから、夜間での移動走行時や作業走行時における収穫装置側に対する視認性が低下し、夜間での走行性や作業性の低下を招くことになる。
【0006】
本発明の目的は、近年急増する夜間の収穫作業における作業性の向上を図れるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のうちの請求項1に記載の発明では、車体前部の左右一方の位置に搭乗運転部を形成し、車体前部の左右他方の位置に、収穫装置を、その後上部に設定した揺動支点周りに昇降揺動可能に装備した収穫作業車において、前記搭乗運転部に立設したフロントパネルの前面における前記収穫装置から離れた左右一方の位置に前照灯を配備し、前記フロントパネルの前面における前後方向視で前記収穫装置と重合する左右他方の位置に、車体後方に向けて凹入する凹部を形成してある。
【0008】
この構成によると、収穫装置を、その前後方向視でフロントパネルの前面と重合する左右一側部をフロントパネルの凹部に入り込ませた状態で配備することができ、これによって、収穫装置を、搭乗運転部と前後方向視で重合する全面収穫仕様に構成した場合や、前後方向視で搭乗運転部と重合しない回り刈り作業位置と、前後方向視で搭乗運転部と重合する中割り作業位置とに、左右方向に位置変更可能に構成した場合であっても、収穫装置とフロントパネルとを、車体の前後方向においてより接近させた状態で配備できるようになり、もって、収穫作業車としての全長を短くすることができる。
【0009】
又、収穫装置とフロントパネルとが前後方向で接近することで、フロントパネル前面の収穫装置から離れた位置に配備した前照灯による照明を、収穫装置によって遮られ難くすることができ、これによって、収穫装置側を明るく照明できるようになって収穫装置側に対する視認性が向上することから、夜間での移動走行時には、収穫装置側の路面状況や収穫装置と他物との位置関係などが把握し易くなって、収穫装置の他物との接触などを未然に回避できるようになり、又、夜間での作業走行時には、収穫装置とその周辺に位置する収穫作物との位置関係などが把握し易くなって、夜間作業時における条合わせなどが行い易くなり、又、走行装置による収穫作物の踏み倒しなどを回避し易くなる。
【0010】
従って、車体の小型化による操向性の向上や作業性の向上を図りながら、夜間での走行性や作業性の向上を図ることができる。
【0011】
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、前記前照灯として、上部側に配備される走行用と下部側に配備される作業用とを装備してある。
【0012】
この構成によると、移動走行時に収穫装置をより高い位置まで上昇させた場合であっても、走行用の前照灯による照明が収穫装置によって遮られ難くなり、走行用の前照灯による走行路面などに対する遠方照射を良好に行えることから、収穫装置側に対する視認性を確保できる。
【0013】
又、収穫装置を作業走行用の高さ位置まで下降させた作業走行時には、作業用の前照灯による収穫装置に対する近傍照射が良好に行われることから、収穫装置とその周辺に位置する収穫作物との位置関係などが更に把握し易くなる。
【0014】
従って、夜間での走行性や作業性の向上を更に図ることができる。
【0015】
本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記請求項2に記載の発明において、前記作業用の前照灯を、前記走行用の前照灯よりも前記収穫装置側に配置してある。
【0016】
この構成によると、走行用の前照灯を、その照明が収穫装置によって遮られ難くなるように、フロントパネルの前面における収穫装置からより離れた位置に配備するようにしても、夜間作業時には、作業用の前照灯によって収穫装置やその周辺に位置する収穫作物などを明るく照明することができる。
【0017】
従って、走行用の前照灯による遠方照射と作業用の前照灯による近傍照射とをより良好に行わせることができ、もって、夜間での走行性や作業性の向上を更に図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1には、水稲や麦などの収穫作物を収穫する収穫作業車の一例である3条収穫用のコンバインの全体右側面が、又、図2にはその全体平面が示されており、このコンバインは、角パイプなどで形成した車体フレーム1の下部に左右一対のクローラ式走行装置2を配備し、車体フレーム1の前部右上側に搭乗運転部3を形成し、車体フレーム1の前部左側に、収穫装置の一例である3条刈り仕様の刈取搬送装置(収穫装置の一例)4を、その後上部に設定した揺動支点P1を中心にした昇降揺動操作が可能となるように連結装備し、車体フレーム1の略左半部に、刈取搬送装置4から刈取穀稈を受け取って、その穂先側に対して脱穀処理を施すとともに、その脱穀処理で得られた穀粒などの処理物に対して選別処理を施す脱穀装置5を搭載し、車体フレーム1の略右半部に、脱穀装置5における脱穀・選別処理で得られた穀粒を貯留するグレンタンク6を搭載し、脱穀装置5の後部に、脱穀装置5から脱穀処理後の穀稈である排ワラを受け取って、その排ワラを長ワラのまま又は細断して機外に放出する排ワラ処理装置7を連結し、グレンタンク6に貯留した穀粒の機外への排出を可能にする穀粒排出装置8を装備して構成されている。
【0019】
図1〜12に示すように、車体フレーム1は、その右前部に確保した搭乗運転部形成領域の後半部にエンジン9が防振搭載され、その左側の前端部には、刈取搬送装置連結用の支持フレーム10が立設されている。
【0020】
支持フレーム10は、左側のクローラ式走行装置2の左右中央部上方に位置するように車体フレーム1に立設装備された支持台11、この支持台11に揺動支点P2を中心とした相対回動が可能となるように支持された支柱12、搭乗運転部3に隣接するように車体フレーム1に立設装備された支持ブラケット13、及び、支持台11と支持ブラケット13とにわたって架設された補強部材14、などを備えて構成されている。
【0021】
刈取搬送装置4は、支柱12及び支持ブラケット13に揺動支点P1周りに昇降揺動可能に支持された伝動ケース兼用の刈取フレーム15に、車体の走行に伴って収穫対象の植立穀稈を植え付け条ごとに梳き分けて梳き起こす4つのデバイダ16、条分けした植立穀稈を所定の刈取姿勢に引き起こす3つの引起装置17、引き起こした植立穀稈の株元側を切断するバリカン型の刈取装置18、及び、切断後の植立穀稈である刈取穀稈を刈取用の起立姿勢から脱穀用の横倒れ姿勢に姿勢変更しながら脱穀装置5に向けて搬送する穀稈搬送装置19、などを備えて構成され、車体フレーム1と刈取フレーム15とにわたって架設した昇降シリンダ20の伸縮作動で揺動支点P1周りに昇降揺動する。
【0022】
つまり、昇降シリンダ20の伸縮作動による刈取搬送装置4の昇降操作で、刈取搬送装置4の作業高さ位置と非作業高さ位置とにわたる対地高さの変更や、植立穀稈に対する刈り高さ調節などを行える。
【0023】
昇降シリンダ20には、作動油の供給による伸長作動で刈取搬送装置4を上昇させ、作動油の排出による収縮作動で刈取搬送装置4を下降させる単動型の油圧シリンダが採用されている。
【0024】
刈取フレーム15は、揺動支点P1を中心とする左右向きの支点フレーム部15A、支点フレーム部15Aの右端部位から前下方に向けて延出された前後フレーム部15B、前後フレーム部15Bの前端に連結された左右向きの動力分配フレーム部15C、動力分配フレーム部15Cから上方に向けて延出された縦フレーム部15D、及び、動力分配フレーム部15Cから前方に向けて延出するように配備された平面視フォーク状の分草フレーム部15E、などを備えて構成され、支点フレーム部15Aの左端部位が支柱12によって受け止め支持され、支点フレーム部15Aの右端部位が支持ブラケット13によって受け止め支持されている。
【0025】
支点フレーム部15Aには、エンジン9からの動力がベルトテンション式の刈取クラッチ21などを介して伝達される左右向きの入力軸22や〔図7、図10及び図11参照〕、入力軸22からの動力を穀稈搬送装置19に供給する出力軸23などが内装され〔図8及び図9参照〕、前後フレーム部15Bには、入力軸22に一対のベベルギヤ(図示せず)を介して連動連結された前後向きの中継軸24が内嵌され〔図5及び図12参照〕、動力分配フレーム部15Cには、中継軸24からの動力を刈取装置18などに分配する動力分配機構(図示せず)などが内装され、縦フレーム部15Dには、動力分配機構からの分配動力を引起装置17などに供給する伝動軸(図示せず)などが内装されている。
【0026】
刈取フレーム15は、その前後フレーム部15Bに昇降シリンダ20のピストンロッド20Aが連結ピン25を介して連結されており、刈取フレーム15には、その連結ピン25に備えた係止杆25Aとの係合で、連結ピン25を抜け止めして、その連結ピン25による前後フレーム部15Bとピストンロッド20Aとの連結状態を維持する抜止片15Fが装備されている〔図11及び図12参照〕。
【0027】
支柱12には、支点フレーム部15Aの左端部位を相対回動可能に固定する第1固定金具26がボルト連結され、又、刈取搬送装置4の浮上保持を可能にする保持具27が装備されている。保持具27は、その操作部27Aの左右向きの支軸27Bを支点にした揺動操作で、保持ブロック27Cが、支柱12の載置部分12aと支点フレーム部15Aの被載置部分15aとの間から外れた保持解除位置と、支柱12の載置部分12aと支点フレーム部15Aの被載置部分15aとの間に位置する浮上保持位置とに変位するように構成されている〔図5、図6及び図8〜10参照〕。
【0028】
支持ブラケット13には、支点フレーム部15Aの左端部位を相対回動可能に固定する第2固定金具28が、その前部に設けた左右向きの支軸29を支点にした開閉揺動操作が可能となるように連結され、又、その第2固定金具28を閉じ位置で固定保持する固定ピン30が着脱可能に装備されている〔図2、図3、図5及び図7〜9参照〕。
【0029】
この構成から、刈取搬送装置4を大きく浮上させて、保持具27の保持ブロック27Cを保持解除位置から浮上保持位置に変位させた後、刈取搬送装置4を下降させると、支柱12の載置部分12aに載置された保持ブロック27Cに、支点フレーム部15Aの被載置部分15aが載置されることになって、刈取搬送装置4が地上近くの高さ位置で浮上保持されるようになり、この浮上状態で、入力軸22に一体装備された刈取クラッチ21の出力プーリ21Aから伝動ベルト21Bを取り外した後、連結ピン25の係止杆25Aと抜止片15Fとの係合を解除し、連結ピン25を取り外して、連結ピン25による前後フレーム部15Bとピストンロッド20Aとの連結を解除し、かつ、固定ピン30を取り外して固定ピン30による支持ブラケット13に対する第2固定金具28の閉じ位置での固定保持を解除し、第2固定金具28を閉じ位置から開き位置に揺動操作することで、刈取搬送装置4を、搭乗運転部3に隣接する作業位置と、搭乗運転部3から車体左外方側に離れるメンテナンス位置とにわたる、揺動支点P2を中心にした左右方向への人為揺動操作を比較的簡単に行える。
【0030】
そして、刈取搬送装置4をメンテナンス位置に位置させることで、刈取装置18や穀稈搬送装置19などに対するメンテナンスを刈取搬送装置4の右側方や後方からも行えるようになり、又、搭乗運転部3と刈取搬送装置4の間に配備された操作系(図示せず)や伝動系(図示せず)などに対するメンテナンスが行い易くなり、結果、メンテナンス性の向上を図れるようになる。
【0031】
支柱12には、刈取搬送装置4のメンテナンス位置への到達に伴って、支持台11の所定位置に穿設した係止孔11aに落下挿通される係止ピン31が、上下方向への抜き差し操作が可能に装備されており、これによって、刈取搬送装置4をメンテナンス位置まで揺動操作したメンテナンス作業時には、刈取搬送装置4をメンテナンス位置にて保持することができる〔図5、図6、図8及び図9参照〕。
【0032】
図2〜4に示すように、刈取フレーム15の分草フレーム部15Eは、その左端部位に装備されるデバイダ16の先端が、左側のクローラ式走行装置2の左端位置よりも車体外方側に位置し、又、その右端部位に装備されるデバイダ16の先端が、右側のクローラ式走行装置2の右端位置と車体の左右方向で略同じ位置(同じ位置であってもよい)に位置するように、車体の左右方向において幅広に形成されている。
【0033】
つまり、刈取搬送装置4は、その右側方に既刈り領域が位置し、左側方に未刈り領域が位置する回り刈り作業や、その左右両側方に未刈り領域が位置する中割り作業などにかかわらず、左右のクローラ式走行装置2による植立穀稈の踏み倒しを招くことなく収穫作業を行える全面刈り仕様に構成されている。
【0034】
図1〜3及び図13に示すように、各デバイダ16の下端部には、分草フレーム部15Eの先端部に挿通連結される前後向きの連結杆16Aが装備され、それらの連結杆16Aのうち、左右両端に位置する連結杆16A及び中央左側に位置する連結杆16Aには、分草フレーム部15Eの下方に向けて延出する舟状に形成された板金製の接地体16Bが溶接装備されている。
【0035】
各接地体16Bは、予め設定した接地作業高さ位置まで刈取搬送装置4を下降させた際に得られる刈取搬送装置4の所定の接地姿勢において、その底面に備えた接地領域の全域が接地するように設定装備されている。
【0036】
図1、図11、図13〜15に示すように、車体フレーム1の前部には、刈取搬送装置4を作業高さ領域まで下降させた際に、刈取フレーム15の前後フレーム部15Bに装備した接当部材32を受け止めて、刈取搬送装置4の接地状態では、各接地体16Bが予め設定された比較的小さい接地圧で接地するように、刈取搬送装置4を上昇方向に向けて付勢する上昇付勢機構33が配備されており、これによって、刈取搬送装置4を作業高さ領域まで下降させた作業状態において、各デバイダ16の先端や接地体16Bが隆起物などに乗り上がるような状態になった場合には、そのときの接地反力が、上昇付勢機構33の付勢で軽減された刈取搬送装置4の接地圧を超えている間、上昇付勢機構33が隆起物などに沿って昇降するようになる。
【0037】
つまり、倒伏穀稈などの梳き起こしや引き起こしを良好に行えるようにするために、各デバイダ16の高さ位置をより低く設定した場合であっても、各デバイダ16が硬い隆起物などに突っ込む虞を回避できるようになり、又、圃場内に向けて降坂しながら植立穀稈を収穫する作業開始時においても、各デバイダ16が圃場に突っ込む虞を回避しながら、植立穀稈をより地面に近い位置から刈り取ることができるようになり、結果、倒伏穀稈に対する作業性が向上するとともに、作業の開始から良好な刈り取りを簡単に行える作業性のより優れたものにすることができる。
【0038】
特に、この構成では、刈取搬送装置4を地面から少し浮上させた状態で作業を行うようにすれば、各デバイダ16が圃場に突っ込む虞をより効果的に回避できるようになる。
【0039】
そして、この構成を全面刈り仕様の刈取搬送装置4と組み合わせたことで、例えば、中割り作業や穀稈の倒伏が激しい状態での作業のように作業地面の状態や条間などの視認が困難な場合であっても、各デバイダ16が圃場に突っ込む不都合や、植立穀稈をクローラ式走行装置2で踏み倒す不都合などを招くことなく、圃場の植立穀稈に対するどのような位置からでも、又、如何なる方向であっても良好に収穫作業を行えるようになり、作業性の向上を効果的に図れるようになる。
【0040】
ちなみに、接地反力による刈取搬送装置4の昇降時には、作動油に常時溶解している空気の析出や溶解で昇降シリンダ20が伸縮する。
【0041】
上昇付勢機構33は、間隔変更可能に対向配備される一対のバネ受け部材34,35、それらの間に介装された左右一対のコイルバネ36、一対のバネ受け部材34,35を間隔調節可能に抜け止め支持するねじ込み式で左右一対の支持ロッド37、及び、左右のコイルバネ36に巻き付け装着されたゴム製の泥除けカバー38、などを備えて構成され、車体フレーム1の前部に装備した支持台39と、その支持台39の上部から前上方向きの片持ち姿勢で延設された左右一対の支持杆40によって、前上方向きの片持ち姿勢で着脱可能に装備されている。
【0042】
そして、この構成から、上昇付勢機構33の上部にシム41を装備することや、そのシム41の厚みや枚数を変更することは当然のことながら、上昇付勢機構33と支持台39との間にシム41を介装することや、介装するシム41の厚みや枚数を変更することも可能となり、もって、オプション機器の追加装備などによる刈取搬送装置4の重量の変化などに対する上昇付勢機構33の付勢力の調節は、上昇付勢機構33の上部にシム41を装備することや、そのシム41の厚みや枚数を変更することで容易に対処でき、又、組み付け誤差やコイルバネ36の個体差などによる上昇付勢機構33の付勢力のバラツキは、上昇付勢機構33と支持台39との間にシム41を介装することや、介装するシム41の厚みや枚数を変更することで容易に対処できるようになっている。
【0043】
ところで、刈取搬送装置4を保持具27で浮上保持した場合には、刈取フレーム15の接当部材32が上昇付勢機構33から離間するようになっており、もって、刈取搬送装置4の作業位置とメンテナンス位置とにわたる左右揺動操作を、上昇付勢機構33の影響を受けることなく良好に行える。
【0044】
図1〜4に示すように、搭乗運転部3は、車体フレーム1の右側前端部に立設したフロントパネル(操縦パネルの一例)42に、十字揺動式で中立復帰型の操縦レバー(操作レバーの一例)43や表示パネル44などを配備し、搭乗運転部3と刈取搬送装置4とを隔てるように車体フレーム1に立設したサイドパネル45に、主変速レバー46や副変速レバー47などを配備し、エンジン9を覆うように車体フレーム1に装備したエンジンボンネット48の上端部に運転座席49を連結装備し、フロントパネル42とエンジンボンネット48との間に搭乗ステップ50を敷設して形成されている。
【0045】
図1〜4及び図16〜20に示すように、フロントパネル42は、車体フレーム1の右側前端部に立設された正面視略逆U字状のハンドルフレーム51に、その前面を形成するフロントカバー52、その背面を形成するリヤカバー53、及び、その上面を形成するトップカバー54などを備えて、その前面が側面視で略円弧形状となる中空に形成されており、トップカバー54における刈取搬送装置4に隣接する左側部位に表示パネル44が配備され、トップカバー54における刈取搬送装置4から離れる右側部位に操縦レバー43が配備されている。
【0046】
操縦レバー43は、ハンドルフレーム51に固定されたブラケット55、ブラケット55から前方に向けて延設された第1支軸56と第1係止ピン57、第1支軸56を支点にして左右揺動する左右揺動プレート58、左右揺動プレート58の下部に装備された前後向きの第1係合ピン59、第1支軸56に外嵌装備されるとともに第1係止ピン57と第1係合ピン59とに係合する第1捩りバネ60と第2捩りバネ61、左右揺動プレート58から左方に向けて延設された第2支軸62と第2係止ピン63、第2支軸58を支点にして前後揺動する前後揺動プレート64、前後揺動プレート64の下部に装備された左右向きの第2係合ピン65、第2支軸62に外嵌装備されるとともに第2係止ピン63と第2係合ピン65とに係合する第3捩りバネ66、及び、前後揺動プレート64から上方に向けて一体揺動可能に延設された操縦杆67、などによって構成されている。
【0047】
左右揺動プレート58は、左右の対応するクローラ式走行装置2に対する伝動状態の切り換えや制動力の調節を行うようにミッションケースに内装されたサイドクラッチ・ブレーキ(図示せず)や、左右のクローラ式走行装置2の間での伝動調節を行うようにミッションケースに内装された旋回補助クラッチ(図示せず)に対する作動油の流動を制御する制御弁からなる操向弁(図示せず)に、フロントパネル42の内部空間を通るプッシュプルワイヤ(操作ワイヤの一例)68を介して操作連係されている。
【0048】
第1捩りバネ60は、第1係合ピン59に対する作用で、左右揺動プレート58及び前後揺動プレート64を介して、操縦杆67を左右揺動方向での中立位置に復帰付勢し、第2捩りバネ61は、第1係合ピン59に対する作用で、左右揺動プレート58及び前後揺動プレート64を介して、操縦杆67を左右揺動方向における中立位置側の所定操作範囲内に復帰付勢する。
【0049】
前後揺動プレート64は、昇降シリンダ20に対する作動油の流動を制御する制御弁からなる昇降弁69に、フロントパネル42の内部空間を通るプッシュプルワイヤ(操作ワイヤの一例)70を介して操作連係されている。昇降弁69には、昇降停止用の「中立」位置、低速上昇用の「上昇1」位置、通常上昇用の「上昇2」位置、及び下降用の「下降」位置が備えられている。
【0050】
第3捩りバネ66は、第2係合ピン65に対する作用で、前後揺動プレート64を介して、操縦杆67を前後揺動方向での中立位置に復帰付勢する。
【0051】
この構成から、操縦レバー43を左右方向に揺動操作すると、その操作に基づく操向弁の油圧制御で、左右の両サイドクラッチ・ブレーキを伝動入りの非制動状態に切り換えるとともに、旋回補助クラッチを伝動状態に切り換えた直進状態、あるいは、左右いずれか一方のサイドクラッチ・ブレーキを伝動切りの非制動状態に切り換えるとともに、旋回補助クラッチを準伝動状態(半クラッチ状態)に切り換えた緩旋回状態と、左右いずれか一方のサイドクラッチ・ブレーキを伝動切りの制動状態に切り換えるとともに、旋回補助クラッチを非伝動状態に切り換えた急旋回状態とにわたる、操縦レバー43の左右方向での中立位置からの揺動操作量に応じた旋回状態を現出することができる。
【0052】
そして、例えば、第2捩りバネ61の作用で操縦レバー43が復帰する左右揺動方向における中立位置側の所定操作範囲を、サイドクラッチ・ブレーキが制動作用しない緩旋回領域とすれば、操縦レバー43に作用する付勢力の変化で、言い換えると、操縦レバー43を左右方向に揺動操作する際の操作荷重の変化で、サイドクラッチ・ブレーキが制動作用しない緩旋回状態と、サイドクラッチ・ブレーキが制動作用する急旋回状態との切り換わりを容易に把握できるようになる。
【0053】
一方、操縦レバー43を前後方向に揺動操作すると、その操作に基づく昇降弁69の油圧制御で、昇降シリンダ20を低速で伸長させて刈取搬送装置4を上昇させる低速上昇操作状態、昇降シリンダ20を通常速度で伸長させて刈取搬送装置4を上昇させる上昇操作状態、昇降シリンダ20を通常速度で収縮させて刈取搬送装置4を下降させる下降操作状態、及び、昇降シリンダ20の伸縮を阻止して刈取搬送装置4を昇降停止させる昇降停止状態を現出することができる。
【0054】
つまり、操縦レバー43の操作で刈取搬送装置4を低速上昇させることができ、又、刈取搬送装置4の下降操作状態では、前述した上昇付勢機構33の作用で、刈取搬送装置4が作業高さ領域まで下降した際の下降速度が低下することから、刈取搬送装置4の作業高さ領域での高さ調節操作が行い易くなる。
【0055】
図13に示すように、昇降弁69には、エンジン動力で駆動されるようにエンジン9に直付けされたギヤポンプ(油圧ポンプの一例)71からの作動油が供給され、昇降弁69と昇降シリンダ20とにわたる給排油路72には、流量調整弁73や下降速度設定用の速度制御弁74とともに、昇降弁69を下降状態に切り換えた際に、この昇降弁69を経由して供給されるギヤポンプ71からの作動油で開き操作されるパイロット操作式の逆止弁75が介装されている。
【0056】
つまり、給排油路72にパイロット操作式の逆止弁75を介装したことで、刈取搬送装置4を浮上停止させた際の荷重が、昇降弁69にはかからずに逆止弁75にかかるようになることから、刈取搬送装置4を浮上停止させた際の荷重が昇降弁69にかかる場合に比較して、操縦レバー43の人為操作による昇降弁69の作動切り換え操作を軽快に行える。
【0057】
昇降弁69は、流量調整弁73や速度制御弁74及び逆止弁75とともに、昇降用の油圧ユニット76としてユニット化された状態で搭乗ステップ50の下方に配備されている。
【0058】
つまり、昇降弁69などを、油圧ユニット76としてユニット化した状態で、運転座席49の下方に位置するエンジン9に直付けされたギヤポンプ71の近くに配備することで、昇降弁69や流量調整弁73などに対する個々の配管を行う必要がなく、又、ギヤポンプ71から油圧ユニット76にわたる供給油路77などの長さが短くなって、油圧配管の引き回しや固定に要する手間を削減できることから、昇降用の油圧配管構造における構成の簡素化を図ることができる。
【0059】
又、前述したように、操縦レバー43と昇降弁69との連係をプッシュプルワイヤ70で行うことから、昇降弁69を搭乗ステップ50の下方に配備しても、リンク機構で連係する場合に生じる構成の複雑化やリンク間のガタなどによる操作性の低下などを招くことがなく、しかも、搭乗ステップ50の下方の位置は、操縦レバー43から比較的に近い位置であることから、ワイヤ長が長くなることに起因した操作性の低下を回避できる。
【0060】
図1〜3、図16、図17及び図21に示すように、操縦レバー43と昇降弁69とを連係するプッシュプルワイヤ70は、搭乗ステップ50の右前端部に配備された走行用のクラッチペダル78との干渉を避けるために、クラッチペダル78のアーム部78Aに対して、左右方向に所定間隔を隔てて平行に配索されている。
【0061】
クラッチペダル78には、車体左前方側の降車位置からのクラッチペダル78の操作を可能にする操作レバー79が一体装備されており、これによって、降車位置からでも走行クラッチ(図示せず)の入り切り操作による発進・停止を行える。
【0062】
図1〜4、図16及び図17に示すように、フロントパネル42は、フロントカバー52及びトップカバー54における操縦レバー43の下方部位となる右側部位が前方に向けて膨出形成されることで、刈取搬送装置4から離れる右側部位に、その部位の内部空間を拡張する膨出部42Aを有するようになっており、この拡張した右側部位の内部空間を有効利用して、十字揺動式の中立復帰型に構成されることで嵩張るようになる操縦レバー43の揺動支点部43Aが内装されている。
【0063】
フロントパネル42における膨出部42Aの下部側には、2つのハロゲンバルブ80,81を上下に備える正面視縦長の楕円形に形成された2灯式の前照灯82が、刈取搬送装置4を移動走行用の高さ領域まで上昇させた場合であっても、上側のハロゲンバルブ80が、正面視において刈取搬送装置4の右端に位置するデバイダ16などによって覆われることのない高さ位置に位置するように、又、下側のハロゲンバルブ81が上側のハロゲンバルブ80よりも刈取搬送装置4に近づく右倒れ姿勢で、かつ、下側のハロゲンバルブ80が上側のハロゲンバルブ81よりも車体前方側に位置するように、更に、フロントパネル42の前端から前方に向けて膨出するように配備されている。
【0064】
上下の各ハロゲンバルブ80,81は、対応するマルチリフレクタ83,84に備えた複数の反射素子83A,84Aによって、その前方(車体右前方)の所定範囲への拡散照射と、その左前方(車体左前方)の所定範囲への拡散照射と、その前下方(車体前下方)の所定範囲への拡散照射とを行うように構成されている〔図1及び図2参照〕。
【0065】
下側のハロゲンバルブ81は、搭乗運転部3に備えた点滅切換スイッチ(図示せず)の操作で上下の各ハロゲンバルブ80,81を点灯させた状態において、刈取搬送装置4が移動走行用の高さ領域まで上昇操作された場合には、その移動走行用の高さ領域への刈取搬送装置4の到達に伴って開き操作される常閉スイッチ(図示せず)の作動で自動消灯され、かつ、下降操作で刈取搬送装置4が移動走行用の高さ領域から下降した場合には、常閉スイッチの作動で自動点灯するように構成されている。
【0066】
つまり、前照灯82は、上側のハロゲンバルブ80が走行用として機能し、下側のハロゲンバルブ81が作業用として機能するように構成されており、夜間の移動走行時には、移動走行用の高さ領域まで上昇操作された刈取搬送装置4によって光が部分的に遮られて照明が不均一になる下側のハロゲンバルブ81を消灯し、移動走行用の高さ領域まで上昇操作された刈取搬送装置4によって光が遮られ難い上側のハロゲンバルブ80のみを点灯させることから、車体前下方の走行路面への照射が強化された車体前方への遠方照射による広角照明を、移動走行用の高さ領域まで上昇操作された刈取搬送装置4によって大きく遮られることなく均一に行えるようになり、結果、車体前方の走行路面や刈取搬送装置4の前端に配備した各デバイダ16などに対する視認性が向上し、夜間での移動走行が行い易くなる。
【0067】
又、夜間の作業走行時には、上側のハロゲンバルブ80からの光で、車体前下方の走行路面への照射が強化された車体前方への遠方照射による広角照明を行いながら、下側のハロゲンバルブ81からの光で、各デバイダ16の先端部やその周辺への照射が強化された車体前方への近傍照射を行うことから、走行路面などに対する視認性が向上するとともに、各デバイダ16と刈取対象の植立穀稈との位置関係などが把握し易くなり、その結果、各デバイダ16を刈取対象の植立穀稈に対して適切に位置させる条合わせなどが行い易くなり、夜間の作業性が向上する。
【0068】
更に、夜間での作業走行時に、刈取搬送装置4において穀稈詰まりなどが生じた場合には、前照灯82による車体左前方への配光によって、刈取搬送装置4の作業位置とメンテナンス位置とにわたる揺動支点P2を中心にした左右揺動操作を簡単に行えるとともに、メンテナンス位置に位置する刈取搬送装置4に対する詰まり穀稈の除去などを容易に行えるようになり、結果、夜間作業時に発生する虞のある刈取搬送装置4での穀稈詰まりなどに対する適切なメンテナンス作業が行い易くなる。
【0069】
尚、刈取搬送装置4の昇降操作に連動して下方のハロゲンバルブ81を点滅させる構成に代えて、上下の各ハロゲンバルブ80,81に対する専用の点滅切換スイッチを設けて、夜間での移動走行や作業走行に応じた下側のハロゲンバルブ81の点滅を人為操作で行うようにしてもよい。
【0070】
図16及び図17に示すように、フロントカバー52は、左右のノブ付きボルト85によってハンドルフレーム51に簡易着脱可能に連結されており、操縦レバー43に接続されたプッシュプルワイヤ68,70の延びに対する調節や、前照灯82の各ハロゲンバルブ80,81の交換などを行う場合には、左右のノブ付きボルト85を操作して、フロントカバー52を取り外すようにすれば、リヤカバー53側に位置するプッシュプルワイヤ68,70の調節や、フロントカバー52側に位置するハロゲンバルブ80,81の交換などを、フロントカバー52の取り外しによって得られた広い開放空間から容易に行えるようになり、結果、フロントパネル42の内部空間に配備した各機器や各部品に対するメンテナンス性の向上を図れる。
【0071】
そして、前述したように、昇降弁69を備える油圧ユニット76を搭乗ステップ50の下方に配備し、かつ、操縦レバー43と操向弁や昇降弁69との連係をプッシュプルワイヤ68,70で行うことで、フロントパネル42の内部空間に、十字揺動式の中立復帰型に構成されることで嵩張るようになる操縦レバー43の揺動支点部43Aなどを内装し、又、フロントカバー52に前照灯82を装備するようにしながらも、操縦レバー43と昇降弁69との連係をリンク機構で行う場合に比較して、又、リンク機構による操縦レバー43と昇降弁69との連係を行い易くするために昇降弁69をフロントパネル42の内部空間に配備する場合に比較して、フロントパネル42を、その内部空間、特に足元側となる下方側の内部空間を極力狭くした前後方向での厚み寸法の小さいものに形成することができ、その分、搭乗運転部3での足元空間を広く確保することができて居住性の向上を図れるようになる。
【0072】
しかも、前述したように、刈取搬送装置4を浮上停止させた際の荷重が、パイロット操作式の逆止弁75にかかるように構成して、操縦レバー43の人為操作による昇降弁69の作動切り換え操作を軽快に行えるようにしたことで、操縦レバー43における第2支軸62から操縦杆67の上端にわたる長さを短くすることができ、その分、操縦レバー43の全体を、フロントパネル42の上部側に更に寄せた状態で配備することができて、その下方に配備された前照灯82との上下方向での重合をより確実に回避できることから、操縦レバー43及び前照灯82の組み付けやメンテナンスが行い易くなるとともに、操縦レバー43と前照灯82とが上下方向で重合することに起因したフロントパネル42の前後方向での厚み寸法が大きくなる不都合を確実に防止できる。
【0073】
図1〜4、図16及び図17に示すように、フロントカバー52は、前後方向視で刈取搬送装置4と重合する左側の下方の位置に、車体の後方に向けて凹入する凹部52Aが形成されており、この凹部52Aの凹入深さは、刈取搬送装置4の右端側に立設した縦フレーム部15Dの係入を許容し、刈取搬送装置4の昇降操作時における縦フレーム部15Dとの接触を回避する深さに設定されている。
【0074】
これによって、全面刈り仕様に構成した左右幅の広い刈取搬送装置4とフロントパネル42とを、車体の前後方向においてより接近させた状態で配備できるようになり、もって、車体の全長を短くしながら、より広い搭乗空間を確保できるようになり、結果、車体の大型化による操向性の低下や作業性の低下を回避しながら居住性の向上を図ることができる。
【0075】
又、刈取搬送装置4とフロントパネル42とが前後方向で接近することで、フロントパネル42に備えた前照灯82の上側のハロゲンバルブ80による遠方照射を、刈取搬送装置4の引起装置17などによって遮られ難い状態で良好に行うことができ、又、前照灯82の下側のハロゲンバルブ81による各デバイダ16やその周辺に位置する収穫作物などに対する近傍照射を良好に行うことができ、これによって、夜間においても、車体前方の路面状況や刈取搬送装置4と他物との位置関係、あるいは、刈取搬送装置4とその周辺に位置する収穫作物との位置関係などが把握し易くなり、夜間での移動走行時には、刈取搬送装置4の他物との接触などが回避し易くなり、又、夜間での作業走行時には、条合わせなどが行い易くなることから、夜間での走行性や作業性の向上を更に図れるようになる。
【0076】
図1〜4及び図16に示すように、フロントパネル42における右側面の上端部、刈取搬送装置4における左カバー86の上端部、脱穀装置5の上面左端部、及び、グレンタンク6の右側面上部のそれぞれにはウィンカー87が装備され、それらのウィンカー87は、脱穀装置5のウィンカー87とグレンタンク6のウィンカー87とが同じ高さ位置に位置するように、又、フロントパネル42のウィンカー87と左カバー86のウィンカー87とが、刈取搬送装置4を移動走行用の所定高さ位置まで上昇させた場合に同じ高さ位置に位置するように配置設定されている〔図4の(ロ)参照〕。
【0077】
〔別実施形態〕
【0078】
〔1〕収穫作業車としては、大豆や小豆などの豆類を収穫するように構成されたものであってもよく、又、人参や大根などの根菜類を収穫するように構成されたものであってもよい。
【0079】
〔2〕収穫装置4としては、搭乗運転部3と正面視で重合しない回り刈り作業位置と、搭乗運転部3と正面視で重合する中割り作業位置とに、車体の左右方向に位置変更可能に構成されたものであってもよい。
【0080】
〔3〕操縦パネル42としては、タワー状に立設される操縦塔や搭乗運転部3の左右一側方に配備されるサイドパネル45などであってもよい。
【0081】
〔4〕操作レバー43としては、昇降操作専用に構成された中立復帰型で前後揺動式のものや、操向専用に構成された中立復帰型で左右揺動式のものなどであってもよい。
【0082】
〔5〕操作レバー43で操作される制御弁としては操向弁などであってもよい。
【0083】
〔6〕操作ワイヤ68,70としてレリーズワイヤを採用するようにしてもよい。
【0084】
〔7〕前照灯82の構成としては種々の変更が可能であり、例えば、ハロゲンバルブ80,81に代えて、放電管を備えた高輝度放電灯(HID)、又は発光ダイオード(LED)などを装備するように構成してもよく、又、1灯式や3灯式以上のものに構成してもよく、更に、上下のバルブ80,81が左右方向や前後方向で同じ位置に位置するように構成してもよい。
【0085】
〔8〕前照灯82として走行用と作業用の複数を装備し、走行用の前照灯82を、フロントパネル42の上部に、刈取搬送装置4を移動走行用の高さ領域まで上昇させた場合であっても、正面視において刈取搬送装置4の右端に位置するデバイダ16などによって覆われることのない高さ位置に位置するように、又、作業用の前照灯82を、フロントパネル42の下部に、走行用の前照灯82よりも刈取搬送装置4に近い位置に位置するように配備してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】コンバインの全体右側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】刈取搬送装置のメンテナンス状態を示す要部の平面図
【図4】コンバインの正面図
【図5】刈取搬送装置の支持構造を示す要部の正面図
【図6】刈取搬送装置の左右揺動支点部の支持構造を示す要部の一部縦断左側面図
【図7】刈取搬送装置の左右揺動遊端部の支持構造を示す要部の縦断左側面図
【図8】刈取搬送装置の作業位置での固定状態を示す要部の平面図
【図9】刈取搬送装置の作業位置での固定解除状態を示す要部の平面図
【図10】刈取搬送装置の浮上保持構造を示す要部の縦断右側面図
【図11】刈取搬送装置の昇降構造を示す要部の縦断左側面図
【図12】刈取フレームと昇降シリンダの連結構造を示す要部の横断平面図
【図13】刈取搬送装置の昇降操作構造を示す油圧回路図
【図14】上昇付勢機構の正面図
【図15】上昇付勢機構の縦断正面図
【図16】操縦レバーや前照灯の配置などを示す要部の正面図
【図17】操縦レバーや昇降弁の配置などを示す要部の一部縦断左側面図
【図18】操縦レバーの構成を示す要部の縦断正面図
【図19】操縦レバーの構成を示す要部の縦断左側面図
【図20】操縦レバーの構成を示す要部の縦断右側面図
【図21】昇降弁の配置などを示す要部の横断平面図
【符号の説明】
【0087】
3 搭乗運転部
4 収穫装置
42 フロントパネル
52A 凹部
82 前照灯
P1 揺動支点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部の左右一方の位置に搭乗運転部を形成し、車体前部の左右他方の位置に、収穫装置を、その後上部に設定した揺動支点周りに昇降揺動可能に装備した収穫作業車であって、
前記搭乗運転部に立設したフロントパネルの前面における前記収穫装置から離れた左右一方の位置に前照灯を配備し、前記フロントパネルの前面における前後方向視で前記収穫装置と重合する左右他方の位置に、車体後方に向けて凹入する凹部を形成してある収穫作業車。
【請求項2】
前記前照灯として、上部側に配備される走行用と下部側に配備される作業用とを装備してある請求項1に記載の収穫作業車。
【請求項3】
前記作業用の前照灯を、前記走行用の前照灯よりも前記収穫装置側に配置してある請求項2に記載の収穫作業車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−117019(P2007−117019A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−315208(P2005−315208)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】