説明

収納システム

【課題】扉板のコストを低減しながら、各ユニットの外観が揃って見栄えがよくなる。
【解決手段】平面視五角形状のコーナーユニット10は、前面開口部16の一部に幕板12が取り付けられ、前面開口部16の残りの部分がコーナー扉板11が開閉自在とされる。平面視四角形状のサイドユニット10Aの前面開口部17にサイド扉板14が開閉自在に取り付けられ、コーナー扉板11とサイド扉板14の扉幅Nが同一とされ、且つコーナーユニット10に幕板12を設けたことで、正面視で、上記コーナーユニット10の幅Mがサイドユニット10Aの幅Mと同一となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納システムに関し、詳しくはコーナーユニットとサイドユニットとを
横方向に隣接配置する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、天袋として使用される収納システムは、部屋のコーナー部の側壁面と後壁面とに沿って配置される前方に開口した平面視五角形状のコーナーユニットと、コーナー部の後壁面と並行な壁面に沿って配置される前方に開口した平面視四角形状のサイドユニットとを横方向に隣接配置している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、コーナーユニットの前面開口部は後壁面に対して傾斜していて、部屋側に向かって正面向きとなるように斜めに配置されるため、サイドユニットのサイド扉板と同じ幅の扉板をコーナー扉板としてコーナーユニットの前面開口部に設けた場合、後壁面と直交する方向の正面視でコーナーユニットの幅がサイドユニットの幅よりも短くなり、外観が不揃いとなり、見栄えが悪くなるという問題がある。そこで、正面視でコーナーユニットの幅をサイドユニットと同一幅にしようとする場合は、コーナーユニットのコーナー扉板の幅をサイド扉板よりも幅広のものを用いなければならず、扉板の共用化ができず、コストが高くつくという問題が生じる。
【特許文献1】特許第2676834号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、扉板のコストを低減しながら、各ユニットの外観が揃って見栄えがよくなる収納システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために、本発明は、前面が開口した平面視五角形状のコーナーユニット10と前面が開口した平面視四角形状のサイドユニット10Aとが、平面視略L型に組み合わされた収納システムであって、
上記平面視五角形状のコーナーユニット10は、コーナー部2の側壁面3側に位置する一方の側板13の前端部を前面開口部16を挟んで対向する他方の側板15の前端部よりも前方に突出させることにより、前面開口部16がコーナー部2の後壁面4に対して傾斜しており、上記前方に突出している一方の側板13の前端部に、コーナー部2の後壁面4と平行に幕板12を取り付け、該幕板12にて前面開口部16の一部を覆うと共に、前面開口部16の残りの部分をコーナー扉板11にて開閉自在としてあり、
上記平面視四角形状のサイドユニット10Aの前面開口部17はサイド扉板14にて開閉自在とされ、上記コーナー扉板11とサイド扉板14の扉幅Nがそれぞれ同一幅とされ、且つ、コーナー部2の後壁面4に対して直交する方向から見てコーナーユニット10とサイドユニット10Aのユニット幅Mが同一幅となるようにコーナーユニット10の上記幕板14の幅寸法が設定されていることを特徴としている。
【0006】
このような構成とすることで、コーナーユニット10に幕板12を取り付けることで、コーナー扉板11の扉幅Nをサイド扉板14の扉幅Nと同一にした場合でも、後壁面4と直交する方向からみればコーナーユニット10のユニット幅Nとサイドユニット10Aのユニット幅Nとが同一幅に揃えられるようになり、外観が揃って見栄えがよくなると共に、扉板の共用化が可能となる。
【0007】
また上記コーナーユニット10及びサイドユニット10Aがそれぞれ天袋であり、コーナーユニット10下方の床側のコーナー部に、平面視でコーナーユニット10と相似形の平面視五角形状のTV台1が配置されるのが好ましく、この場合、天袋のコーナーユニット10と床のTV台1の正面形状がデザイン的に揃うようになり、部屋の外観向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、コーナーユニットの前面開口部の一部に幕板を設けることで、コーナー扉板とサイド扉板の扉幅を同一とした場合でも、正面視でコーナーユニットとサイドユニットのユニット幅が同一に揃えられ、結果、扉板のコストを低減しながら、各ユニットの外観が揃って見栄えがよくなるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0010】
本実施形態の収納システムは、図1に示すように、部屋のコーナー部2の側壁面3と後壁面4とに沿って配置される前方に開口した平面視五角形状のコーナーユニット10と、コーナー部2の後壁面4と並行な壁面に沿って配置される前方に開口した平面視四角形状のサイドユニット10Aとが横方向に隣接配置されている。なお図1中の30は小物ラックユニット、40はTV、45は中央側の収納ボックス、46は収納ラックである。
【0011】
上記平面視五角形状のコーナーユニット10は、図6に示すように、コーナー部2の側壁面3側の一方の側板13の前端部が他方の側板15の前端部よりも前方に突出することで前面開口部16が後壁面3に対して傾斜している。該一方の側板13の前端部には前面開口部16の一部を覆う幅Lの幕板12が取り付けられると共に前面開口部16の残りの部分にコーナー扉板11が開閉自在に取り付けられる。
【0012】
一方、上記平面視四角形状のサイドユニット10Aの前面開口部17には、サイド扉板14が開閉自在に取り付けられている。図6の18,19はサイドユニット10Aの両側板である。
【0013】
ここで本発明においては、図2に示すように、コーナー扉板11の扉幅M・高さとサイド扉板14の扉幅M・高さが同一とされており、且つ、コーナーユニット10に上記幕板12を設けることで、コーナー部2の後壁面4と直交する前方Aからみた正面視で、上記コーナーユニット10の幅M・高さがサイドユニット10Aの幅M・高さと同一となっている。
【0014】
しかして、コーナーユニット10に幕板12を取り付けることで、コーナー扉板11の幅Nをサイド扉板14と同じ幅Nにした場合でも、後壁面4と直交する前方Aからみた正面視でコーナーユニット10の幅M・高さとサイドユニット10Aの幅M・高さとを同一に揃えることができ、外観が揃って見栄えがよくなる。しかも扉板の共用化ができるため、コストを低減することができる。
【0015】
また本例では、図2に示すように、上記コーナーユニット10及びサイドユニット10Aがそれぞれ天袋であり、平面視五角形状のコーナーユニット10下方の床面に平面視五角形状のTV台1が配置され、平面視でコーナーユニット10の正面形状とTV台1の正面形状とが揃うように構成してある。
【0016】
TV台1は、図4に示すように、前面開口部6を扉20にて開閉するキャビネット本体5と、キャビネット本体5と隣接配置されるサイドキャビネット22と、上記キャビネット本体5のサイドキャビネット22側と反対側に配置される側板7と、側板7の上部からキャビネット本体5の上部及びサイドキャビネット22の上部に跨って覆うTV載置用の平面視略L型の天板9とで構成されている。天板9は平面視五角形部に隣接して平面視四角形部9Aが連続して形成されており、サイドキャビネット22の位置によって図5(a)又は(b)に示す天板9を選択して使用できる。図4中の41はTV用配線キャップが装着される配線切欠孔、20はフラップダウン扉、22aはサイドキャビネット22の扉である。本例では、側板7は化粧パネルとして機能する。
【0017】
このように、コーナーユニット10及びサイドユニット10Aがそれぞれ天袋であり、平面視五角形状のコーナーユニット10下方の床側のコーナー部にコーナーユニット10と相似形の平面視五角形状のTV台1が配置される。この五角形TV台1の天板9は五角形天板部9Aと四角形天板部9Bとが平面視略L型に連続して形成されている。五角形天板部9Aは、コーナー部2の直交する壁面3,4に沿う背部二辺9a,9bと、壁面3,4に対して傾斜した正面側に配置される前部斜辺9dと、前部斜辺9dの左右両側に位置する側部二辺9c,9eとを有する。四角形天板部9の一辺は、五角形天板部9Aの側部の二辺9eと同一幅で連なる。9hは背部辺、9gは側部辺、9fは前部辺である。これにより、図2に示すように、平面視でコーナーユニット10の正面形状とTV台1の正面形状とを揃えることが可能となり、天袋と床のTV台1とがデザイン的に揃うようになり、部屋の外観がより向上するものである。
【0018】
前記実施形態では部屋の右側のコーナー部2に配置される例を示したが、例えば、図3に示すように、収納システムを部屋の左側のコーナー部2に左右対称的に配置することもできる。この場合も図1、図2の場合と同様な利点が得られる。
【0019】
また前記実施形態では、収納システムとして天袋を例示したが、床面に設置されるTV台1や収納キャビネット等にも広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の収納システムの実施形態を説明する正面図である。
【図2】同上の収納システムの寸法を説明する平面図である。
【図3】図2と左右対称的に収納システムを配置した場合の説明図である。
【図4】同上の収納システムの下方に配置されるTV台の斜視図である。
【図5】(a)(b)は同上のTV台の天板の左仕様と右仕様の説明図である。
【図6】同上のコーナーユニットとサイドユニットの概略平面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 TV台
2 コーナー部
3 側壁面
4 後壁面
10 コーナーユニット
10A サイドユニット
11 コーナー扉板
12 幕板
13 一方の側板
14 サイド扉板
15 他方の側板
16 コーナーユニットの前面開口部
17 サイドユニットの前面開口部
L 幕板幅
M ユニット幅
N 扉幅


【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開口した平面視五角形状のコーナーユニットと前面が開口した平面視四角形状のサイドユニットとが、平面視略L型に組み合わされた収納システムであって、
上記平面視五角形状のコーナーユニットは、コーナー部の側壁面側に位置する一方の側板の前端部を前面開口部を挟んで対向する他方の側板の前端部よりも前方に突出させることにより、前面開口部がコーナー部の後壁面に対して傾斜しており、上記前方に突出している一方の側板の前端部に、コーナー部の後壁面と平行に幕板を取り付け、該幕板にて前面開口部の一部を覆うと共に、前面開口部の残りの部分をコーナー扉板にて開閉自在としてあり、
上記平面視四角形状のサイドユニットの前面開口部はサイド扉板にて開閉自在とされ、上記コーナー扉板とサイド扉板の扉幅がそれぞれ同一幅とされ、且つ、コーナー部の後壁面に対して直交する方向から見てコーナーユニットとサイドユニットのユニット幅が同一幅となるようにコーナーユニットの上記幕板の幅寸法が設定されていることを特徴とする収納システム。
【請求項2】
上記コーナーユニット及びサイドユニットがそれぞれ天袋であり、コーナーユニットの下方の床側のコーナー部に、平面視でコーナーユニットと相似形の平面視五角形状のTV台が配置されてなることを特徴とする請求項1記載の収納システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−119795(P2010−119795A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298702(P2008−298702)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】