説明

収納家具

【課題】防虫性能の向上した収納家具を提供すること。
【解決手段】一端が開放されたキャビネット2の開放端に扉30が開閉自在に設けられ、開放端にパッキンが設けられ、扉は、キャビネットの開放端を覆う前板6と、前板の一端部にその長さ方向に沿って設けられた取っ手7とから構成され、取っ手は、取っ手本体7aと、取っ手本体の長さ方向の端面を覆うエンドキャップ10とから構成され、取っ手本体は、前板の表面側に配置される指かかり片8と、前板の裏面と裏面が略面一に配置される支持片9とを備え、支持片では、その裏面に、長さ方向の全長にわたって段部が設けられ、エンドキャップでは、段部に圧入可能であり、圧入により裏面が支持片の裏面と略面一に配置される係合ボス部が設けられ、扉を閉じた状態で、前板の裏面、取っ手の支持片の段部を除いた裏面、およびエンドキャップの係合ボス部の裏面が、パッキンに略面一で当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厨房装置や洗面化粧台などに用いられる収納家具に関する。
【背景技術】
【0002】
厨房装置や洗面化粧台などに用いられる収納家具における箱状のキャビネットに設けられた扉では、人が指をかけて扉を前後に操作し、開閉することができるようにした取っ手が設けられている。この取っ手の中には、扉の前板の表面側に突出せずに、前板の一端面に沿ってその長さ方向に取り付けられた、いわゆるライン取っ手と称されるものがある。
【0003】
下記特許文献1には、前板の端部の長手方向に向かって設けられるライン取っ手本体と、ライン取っ手本体の長手方向側の両端部に取り付けられ、その両端部を被覆するサイドキャップとから構成されるライン取っ手が記載されている。このライン取っ手では、サイドキャップが、サイドキャップと前板を接合する螺着片を備えることで、ライン取っ手本体は、サイドキャップのみを介して前板に取り付けられる。このため、ライン取っ手本体に前板との接合部を備える必要がなく、ライン取っ手本体をシンプルに構成することができ、製造コストを抑えることができる。
【0004】
また、上記ライン取っ手では、ライン取っ手本体の長手方向に溝部を設け、この溝部に挿嵌する突片を嵌合部としてサイドキャップに設け、突片を溝部内に挿嵌させることで、サイドキャップがライン取っ手本体を強固に保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−227378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたライン取っ手では、螺着片の背面側から螺着穴を介して前板に木螺子を螺着することによって前板上部への取り付けがなされるようにしている。このため、前板の側端部では、螺着片がその厚さ分前板の背面側に突出することとなり、扉を閉じた状態では、キャビネットとの間に隙間が生じ、埃や塵、また、害虫が侵入するおそれがある。
【0007】
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、密閉性に優れた収納家具を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の収納家具は、一端が開放された箱体であるキャビネットの開放端に扉が開閉自在に設けられ、開放端にパッキンが設けられた収納家具であって、扉は、キャビネットの開放端を覆う前板と、この前板の一端部にその長さ方向に沿って設けられた取っ手とから構成され、取っ手は、取っ手本体と、この取っ手本体の長さ方向の端面を覆うエンドキャップとから構成され、取っ手本体は、前板の表面側に配置され、人の手指をかけるための指かかり片と、前板の裏面と裏面が略面一に配置され、指かかり片を支持する支持片とを備え、支持片では、その裏面に、長さ方向の全長にわたってエンドキャップ取付用の段部が設けられ、エンドキャップでは、段部に圧入可能であり、圧入により裏面が支持片の裏面と略面一に配置される係合ボス部が設けられ、収納家具では、扉を閉じた状態において、前板の裏面、取っ手本体の支持片における段部を除いた裏面、およびエンドキャップの係合ボス部の裏面が、パッキンに略面一で当接することを特徴とする。
【0009】
この収納家具においては、支持片では、前板の裏面に沿って延びる取付片が設けられ、この取付片は、取っ手の長さ方向の端部以外の部分に配置され、取付片において取っ手が前板に取り付けられていることが好ましい。
【0010】
また、この収納家具においては、段部は、凹溝であり、支持片では、凹溝から前板の裏面側にかけての部分に面取り部が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の収納家具によれば、密閉性能の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の収納家具の一実施形態を示した斜視図である。
【図2】図1に示した収納家具を内側から示した要部斜視図である。
【図3】図1に示した収納家具における扉を表面側から示した斜視図と、その一端部を一部拡大して示した斜視図である。
【図4】図3に示した扉を裏面側から示した斜視図と、その一端部を一部拡大して示した斜視図である。
【図5】(a)(b)(c)は、それぞれ、図3および図4に示した扉の裏面図、そのA−A断面図、A−A断面の一端部を拡大して示した拡大断面図である。
【図6】図3に示した扉の取っ手を表面側から示した斜視図と、その長さ方向の一端部を拡大して示した斜視図である。
【図7】図6に示した取っ手を裏面側から示した斜視図と、その長さ方向の一端部を拡大して示した斜視図と、凹溝の拡大断面図である。
【図8】図7に示した取っ手を拡大して示した要部斜視図である。
【図9】(a)(b)は、それぞれ、図3および図4に示した扉の取っ手における長さ方向の端面に取り付けられるエンドキャップを異なる二方向から示した斜視図である。
【図10】取っ手の別の形態を前板と併せて裏面側から示した要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の収納家具の一実施形態を示した斜視図である。図2は、図1に示した収納家具を内側から示した要部斜視図である。
【0014】
収納家具1は、正面が、図1および図2に示したように物品収納用の開口となる矩形立体形状の箱体であるキャビネット2と扉30を備えている。キャビネット2は、左右一対の側板3と、側板3の上端縁に沿って2つの側板3間に配置された天板4と、側板3の下端部において2つの側板3間に配置された底板(図示せず)と、正面側の開放端2aに対向して側板3の後端部に配置された背板(図示せず)とから形成されている。背板は、2つの側板3、天板4および底板の内側に取り付けられている。
【0015】
図2に示したように、キャビネット2の開放端2aには、側板3、天板4、底板のそれぞれの前端面にその長さ方向に沿ってパッキン5が設けられている。パッキン5は、断面の外形が略半円状である中空の部材であり、軟質樹脂、ゴムなどから形成される。パッキン5は弾性を有しており、前方からの押圧によって変形可能とされることで、収納家具1内の密閉性を保ち、かつ埃や塵、また、害虫の侵入を抑制している。また、パッキン5は、扉30の開閉の際に、扉30がキャビネット2と衝突するのを緩衝する機能も兼ね備えている。
【0016】
また、収納家具1では、キャビネット2の開放端2aを覆うように、図1に示したように扉30が開閉自在に設けられている。扉30は、開き戸としての扉または引き出しの前面化粧板を形成するものであり、開放端2aを覆う木製などの前板6と、前板6の一端部である上端部にその長さ方向に沿って設けられた取っ手7とから構成される。収納家具1の使用者は、取っ手7に手を携えて扉30の開閉を行うことができる。
【0017】
図3は、図1に示した収納家具における扉を表面側から示した斜視図と、その一端部を一部拡大して示した斜視図である。図4は、図3に示した扉を裏面側から示した斜視図と、その一端部を一部拡大して示した斜視図である。図5(a)(b)(c)は、それぞれ、図3および図4に示した扉の裏面図、そのA−A断面図、A−A断面の一端部を拡大して示した拡大断面図である。
【0018】
また、図6は、図3に示した扉の取っ手を表面側から示した斜視図と、その長さ方向の一端部を拡大して示した斜視図である。図7は、図6に示した取っ手を裏面側から示した斜視図と、その長さ方向の一端部を拡大して示した斜視図と、凹溝の拡大断面図である。図8は、図7に示した取っ手を拡大して示した要部斜視図である。
【0019】
図3および図4に示したように、取っ手7は、アルミニウムなどの金属材料の押出成形された長尺の部材である取っ手本体7aと、エンドキャップ10とから構成されている。取っ手7の長さは、前板6の上端部の長さと一致している。取っ手本体7aは、前板6の表面側に配置され、人の手指をかけるための指かかり片8と、前板6の裏面側に配置され、指かかり片8を支持する支持片9とを備えている。エンドキャップ10は、取っ手本体7aの長さ方向の端部において、取っ手本体7aの左右両端面を覆うものである。図1および図2に示したように、前板6と取っ手7の高さの合計が、扉30の高さであり、側板3の高さと一致し、前板6と取っ手7でキャビネット2の開放端2aを覆っている。
【0020】
指かかり片8は、図6および図7に示したように、支持片9の上端部から前板6の表面側に延びる水平片11と、水平片11の先端部から支持片9と対向して下方に延びる垂れ片12とを有している。これらの水平片11および垂れ片12によって、指かかり片8は、断面形状が略L字型に形成されている。
【0021】
また、垂れ片12では、図5(c)に示したように、上端から下端にかけて表面13が支持片9側に向かって傾斜する傾斜面14が形成されている。このように、垂れ片12の表面13は傾斜面14とされているので、図1に示した収納家具1では、キャビネット2の斜め上から使用者が見た場合、垂れ片12があまり目立たないものとなり、前板6の上端面6aである化粧面が見えるようになっている。
【0022】
なお、図5(c)に示したように、垂れ片12の裏面15には、支持片9側に向かって湾曲して突出する膨出部16が設けられ、膨出部16の丸み形状によって人の手指が指かかり片8に柔らかく当たり、扉30の開閉操作を楽に行うことが可能となる。
【0023】
一方、支持片9は、図5(c)に示したように、上端部17から下端部18にかけて略平板状の形状を有している。支持片9の下端部18は、前板6の上端部上の裏面側に配置され、支持片9の裏面は、前板6の裏面と略面一に配置されている。支持片9の下端部18は、上端部17と比較すると、若干肉厚とされているが、厚さは最大でもおよそ4mm程度であり、前板6の厚さよりも薄くされている。したがって、支持片9の下端部18が配置された前板6の上端面6aである化粧面は、支持片9の下端部18を除いて露出している。このように、前板6の上端面6aである化粧面が取っ手7で覆われることなく、露出しているので、前板6の質感が生かされ、収納家具1の外観がより優れたものとなる。
【0024】
従来のいわゆるライン取っ手は、断面が弧状で、かつ上端部から下端部にかけて次第に肉厚になるように成形されていた。このため、室内の光源がどの位置にあっても、収納家具の近くに立つ使用者の目には、1本から複数本の光の映り込みによる筋が見えていた。この光の映り込みによる筋は、扉または引き出しにおいて取っ手の存在を目立たせるものであった。これに対し、支持片9は略平板状の形状を有しているので、光の映り込みによる筋の形成が軽減され、収納家具1の使用者に支持片9の存在も意識させることが少ない。
【0025】
また、図6、図7および図8に示したように、支持片9の裏面には、取っ手7の長さ方向に延びる、エンドキャップ10を取り付けるための段部19として凹溝20が形成されている。凹溝20は、支持片9の下端部18に配置されている。凹溝20の断面形状は、支持片9の裏面側の幅が狭く、奥側に向かうにつれて幅が広くなっている、断面略台形状とされている。凹溝20の深さは1.5mm程度とされている。凹溝20は、このように浅いため、支持片9の裏面において露出しても、図4に示したように、収納家具1の外観に及ぼす影響が小さく、凹溝20は目立ちにくくなっている。しかも、凹溝20は、図7の図中に拡大して示したように、略台形の角稜部に相当する部分21は円弧状に形成されている。このようにすることによって、使用者が取っ手7に触れた際の凹溝20の縁部による怪我のおそれが軽減され、凹溝20の存在が目立ちにくくなっている。
【0026】
また、図6、図7および図8に示したように、支持片9では、凹溝20から前板6の裏面側にかけての部分、具体的には、下端部18の裏面側に面取り部22が形成されている。面取り部22は、支持片9の裏面から表面側に向かって斜め下方に形成されている。
【0027】
そして、支持片9では、下端部18から前板6の裏面に沿って下方に延びる取付片23が設けられている。取付片23は、図5(a)に示したように、取っ手7の長さ方向の左右両端部以外に配置されている。そして、図4にも示したように、取っ手7は、取付片23においてネジなどの固着具31が取付片23側から前板6に向かってねじ込まれまたは打入されるなどして、前板6に取り付けられている。このような固着具31による取っ手7の取り付けのために、取付片23では、左右両端部に、固着具31を挿入可能とした円形の挿入孔32が設けられている。取付片23を介して取っ手7が前板6に取り付けられているため、前板6に対する取っ手7の取り付けは強固となっている。取付片23では、図8に示したように、左右両端部の下端角部に面取り部24が形成されている。面取り部24は、取付片23の左右両端部において内側に向かうように斜めに形成されている。なお、取っ手7の取り付けに用いられる固着具31は、ネジの他に、アンカー機能を有するものを採用することもできる。
【0028】
図9(a)(b)は、それぞれ、図3および図4に示した扉の取っ手における長さ方向の端面に取り付けられるエンドキャップを異なる二方向から示した斜視図である。
【0029】
エンドキャップ10は樹脂製であり、端面部25は、図6および図7に示した取っ手本体7aの長さ方向の左右両端面を覆う形状を有している。すなわち、エンドキャップ10の端面部25の形状は、断面略L字型の形状を有する指かかり片8と、指かかり片8が上端部に設けられた支持片9とから形成される端面形状に一致している。エンドキャップ10の上端部、すなわち、取っ手本体7aの指がかり片8と支持片9の上端部17に対応する端部には、取っ手本体7aの内側に嵌入する、断面略コ字状の保持部26が設けられている。保持部26は、端面部25から水平に突設されている。
【0030】
また、図9(a)(b)に示したエンドキャップ10では、図7に示した取っ手7の支持片9の裏面に形成された段部19としての凹溝20と断面形状が相補的な形状とされている、略平板状の係合ボス部27が設けられている。係合ボス部27は、エンドキャップ10の下端部、すなわち、取っ手本体7aの支持片9の下端部18に対応する端部に設けられており、保持部26と同じ側に端面部25から水平に突設されている。係合ボス部27は、図6および図7に示した取っ手本体7aの支持片9の裏面に形成された凹溝20に圧入可能とされている。
【0031】
このようなエンドキャップ10を取っ手本体7aに取り付ける際には、保持部26を指かかり片8と支持片9の上端部17とにより囲まれる領域の内側に嵌入し、係合ボス部27を支持片9の凹溝20に圧入する。保持部26および係合ボス部27を形成する樹脂材料が有する弾性によってエンドキャップ10は、取っ手本体7aの長さ方向の左右両端面部に強固に取り付けられ、取っ手本体7aの左右両端面を覆っている。取っ手本体7aが、前板6の長さに合わせて切断されたままの状態であっても、その長さ方向の左右両端面はエンドキャップ10によって美麗に納められる。
【0032】
凹溝20に圧入された係合ボス部27の裏面は、図4に拡大して示したように、取っ手本体7aの支持片9の裏面と略面一に配置される。このため、収納家具1では、図2に示したように、扉30を閉めたとき、キャビネット2の開放端2a側に位置するパッキン5は、前板6の左右両端部に位置する裏面と、取っ手本体7aの支持片9の凹溝20を除いた裏面と、係合ボス部27の裏面と略面一で当接する。支持片9には下端部18に面取り部22が形成されているが、面取り部22の大きさおよび傾斜はわずかであり、支持片9の凹溝20を除いた裏面とパッキン5の略面一の当接に特に支障はきたさない。このような前板6、支持片9および係合ボス部27の裏面とパッキン5との略面一の当接によって、収納家具1では、扉30を閉じた状態においてキャビネット2の開放端2aに隙間が形成されるのが抑制され、収納家具1の密閉性が高められる。
【0033】
また、収納家具1では、図5(a)に示したように、取付片23は、取っ手7の長さ方向の左右両端部以外に配置されているので、図2に示したように、取付片23が、前板6とパッキン5の間に介在することはない。このため、扉30を閉めた状態において前板6とパッキン5の間に取付片23に起因する隙間の発生がなく、収納家具1の密閉性が一層高められる。
【0034】
また、収納家具1では、図8に示したように、支持片9の下端部18において、凹溝20から前板6の裏面側にかけての部分に面取り部22が形成されているので、支持片9の下端部18には、金属材料を切削加工する際に生じるバリが残っていない。したがって、扉30を閉じたとき、支持片9の裏面との当接によって、パッキン5が傷つくなどのおそれが少ない。
【0035】
図10は、取っ手の別の形態を前板と併せて裏面側から示した要部斜視図である。図10において図6、図7および図8に示した取っ手7と同じ部位には同一の符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0036】
図10に示した取っ手28では、取っ手本体28aの段部19は、凹溝20ではなく、支持片9の下端部18においてその下端面まで一段下がって形成されている。このような段部19は、支持片9の裏面が前板6の裏面と略面一に配置されるように取っ手7が前板6の上端面に取り付けられると、前板6の上端面との間に溝状の凹部29を形成する。エンドキャップ10の係合ボス部27は、凹部29を形成する段部19に圧入され、係合ボス部27と、図9に示した保持部26とを形成する樹脂材料の弾性によって、エンドキャップ10は、取っ手28の長さ方向の左右両端面部に強固に取り付けられる。また、段部19に圧入された係合ボス部27の裏面は、取っ手本体28aの支持片9の裏面と略面一に配置される。
【0037】
なお、図10に示した取っ手28では、支持片9の下端部18の裏面側には面取り部22は形成されていない。したがって、図10に示した取っ手28が設けられた収納家具1では、図2に示したように、扉30を閉めたとき、パッキン5は、前板6の左右両端部に位置する前板6の裏面と、取っ手本体28aの支持片9の段部19を除いた裏面と、係合ボス部27の裏面と面一で当接する。このような前板6、支持片9および係合ボス部27の裏面とパッキン5との面一の当接によって、収納家具1では、扉30を閉じた状態においてキャビネット2の開放端2aに隙間が形成されるのがより一層抑制され、収納家具1の密閉性がより一層高められ、防塵および防虫性がさらに優れたものとなる。
【0038】
本発明は、以上の実施形態によって限定されるものではない。収納家具の種類、キャビネットの形状、構成および構造、また、扉の大きさや材質、構成および構造などの細部については様々な態様が可能である。また、本発明は、開き戸または引き出しのいずれのタイプの収納家具にも適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 収納家具
2 キャビネット
2a 開放端
5 パッキン
6 前板
7、28 取っ手
7a、28a 取っ手本体
8 指かかり片
9 支持片
10 エンドキャップ
19 段部
20 凹溝
22 面取り部
23 取付片
27 係合ボス部
30 扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開放された箱体であるキャビネットの開放端に扉が開閉自在に設けられ、前記開放端にパッキンが設けられた収納家具であって、
前記扉は、前記キャビネットの開放端を覆う前板と、この前板の一端部にその長さ方向に沿って設けられた取っ手とから構成され、
前記取っ手は、取っ手本体と、この取っ手本体の長さ方向の端面を覆うエンドキャップとから構成され、前記取っ手本体は、前記前板の表面側に配置され、人の手指をかけるための指かかり片と、前記前板の裏面と裏面が略面一に配置され、前記指かかり片を支持する支持片とを備え、
前記支持片では、その裏面に、長さ方向の全長にわたってエンドキャップ取付用の段部が設けられ、
前記エンドキャップでは、前記段部に圧入可能であり、圧入により裏面が前記支持片の裏面と略面一に配置される係合ボス部が設けられ、
前記収納家具では、前記扉を閉じた状態において、前記前板の裏面、前記取っ手本体の前記支持片における前記段部を除いた裏面、および前記エンドキャップの前記係合ボス部の裏面が、前記パッキンに略面一で当接する
ことを特徴とする収納家具。
【請求項2】
前記支持片では、前記前板の裏面に沿って延びる取付片が設けられ、この取付片は、前記取っ手の長さ方向の端部以外の部分に配置され、前記取付片において前記取っ手が前記前板に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の収納家具。
【請求項3】
前記段部は、凹溝であり、前記支持片では、前記凹溝から前記前板の裏面側にかけての部分に面取り部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の収納家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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