可動家具部の押出器
【課題】
【解決手段】
本発明は家具ベースの閉端位置から可動家具部を排出させる押出器に関する。この押出器は、特に電動モータである電気駆動装置によって駆動される第1押出レバーと、第1押出レバー(2)から離れており、第1押出レバー(2)が駆動装置によって駆動されたときに離れるように第1押出レバーに機械的に連結されている第2押出レバー(3)を含んでいる。
【解決手段】
本発明は家具ベースの閉端位置から可動家具部を排出させる押出器に関する。この押出器は、特に電動モータである電気駆動装置によって駆動される第1押出レバーと、第1押出レバー(2)から離れており、第1押出レバー(2)が駆動装置によって駆動されたときに離れるように第1押出レバーに機械的に連結されている第2押出レバー(3)を含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動押出レバーを有した押出器を備え、家具本体の閉端位置から可動家具部を排出させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、この種の装置は実質的に押出器のみで成り、モータ駆動押出レバーが閉端位置の可動家具部に緩やかに当接するものであった。よって、この種の装置は、家具本体内に非常に限定された程度(奥行き)しか押し込むことができず、あるいは全く押し込めない状態で家具本体に搭載されている可動家具部に対して限定的に利用が可能なものであった。この種の可動家具部の例には家具扉および家具フラップ板および家具本体よりもずっと奥行きが短い引出部が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって本発明の目的はその利用性を拡張させることができるこの種の装置の開発である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は「請求項1」の特徴を有した装置によって達成される。
【0005】
押出レバーに対して作用する作動力伝達手段の提供によって、排出作業中に、可動家具部と押出レバーとの間の間隙を越えて押出レバーによって発揮される作用力は可動家具部に伝達される。よって「請求項1」の装置は家具扉および家具フラップ板並びに家具本体よりも奥行きがずっと短い引出部の排出に適している。
【0006】
好適には、閉端位置に存在する可動家具部の排出のみを行う装置が提供される。好適には、作動力伝達手段は押出レバーによって排出方向(装置が搭載された状態で家具本体から離れる方向)に発揮された作用力のみが可動家具部に伝達されるように設計されている。
【0007】
このような設計は、可動家具部の閉端位置にて押出レバーが緩く当接する停止手段を作動力伝達手段に備えさせることで達成される。
【0008】
さらに、またはそれに代えて、可動家具部の閉端位置で可動家具部に緩く当接するタペットを作動力伝達手段に備えさせることもできる。
【0009】
これに関して、排出完了後にタペットを元に戻す設計が必要となる。この設計は、タペットを作用力保存手段(好適にはバネ)によって押出レバーの方向(すなわち装置が搭載された状態で家具本体内への方向)にプレストレス状態にしておくことで達成される。
【0010】
タペットの確実な移動を達成するため、作動力伝達手段にタペットを溝に沿ってガイドするハウジングを備えさせる。
【0011】
特に単純な設計では、停止手段はタペット上で固定され、あるいはタペット上に提供され、好適には実質的に直角にタペットから突き出させる。
【0012】
押出レバーによって作用力を可動家具部に対して直線的以外にも伝達するなら、タペットを曲がったハウジング内でガイドできるように十分にフレキシブルな状態で提供することが有利である。
【0013】
好適には、押出器の押出レバーは排出過程において一方の動端位置から他方の動端位置にまで限定された角度を回動して移動できるように提供される。本発明の装置は、押出器が家具本体に設置されているとき、回動全般を通じて押出レバーが可動家具部と離間していることが非常に重要である。いずれにしろ本発明は全押出し過程の一部をカバーした後に押出器が可動家具部に当接状態にて家具本体内に配置されるようにも利用できる。この場合、作動力伝達手段は押出レバーの全回動を可動家具部の排出に利用させることができる。
【0014】
可動家具部の大きさと、排出力の程度によって、排出プロセスの完了後にも可動家具部が自動引き込み機構の作用(例えば自動閉鎖機能)領域内に存在することがある。この場合、家具本体と可動家具部との間に形成された間隙でユーザが妨害し、可動家具部を手動で開けることができるように所定の停止時間が必要である。待ち時間が経過した場合にのみ、押出レバーと作動力伝達手段はそれらの開始位置に戻る。
【0015】
本発明の1好適実施例では、好適には調整可能な奥行き停止手段が作動力伝達手段に提供される。設置時と製造時の許容誤差はこの種の奥行き停止手段を介して補われる。これでタッチラッチ作動である場合には十分な起動通路がモータ駆動押出レバーに提供され、家具の前方パネルは均等に閉鎖する。
【0016】
タッチラッチ作動時に家具本体内での可動家具部の閉端位置にてユーザによって起動される可動家具部の押し込み操作あるいは押出器の開ループまたは閉ループである制御手段による押し込み操作の機能が提供される。この押し込み操作は作動力伝達装置によって押出レバーに伝達でき、押出レバーの位置をモニターする測定手段(例えば回転式電位差計)によって検出される。このように作動する押出器は、例えばAT413472B(特に4ページのパラグラフ3から7、7ページのパラグラフ4と5、8ページのパラグラフ6、およびそれらに関連する図面)にて開示されている。よってその詳細は省略する。
【0017】
その最も単純な形態では奥行き停止手段はバネ緩衝器を含む。調節能力を付与するため、作動力伝達手段は、好適にはセットネジであるが、調節式停止要素を介してバネ緩衝器と相互作用することができる。
【0018】
本発明は、家具本体と、ここで解説する例示的実施態様の装置と共に家具本体に移動式に搭載された可動家具部(特に家具フラップ板または家具扉)とを備えた家具にも関する。
【0019】
1好適実施態様では、ハニカム構造のプレートとして少なくとも一部に提供された家具本体の少なくとも1つの側壁と、そのハニカム構造プレートの少なくとも一部に提供された作動力伝達手段とが提供される。この場合、作動力伝達装置のタペットは追加のガイド手段を必要とせずにハニカム構造プレートを貫通することができる。いずれにしろ、ハニカム構造プレートの前方領域に提供され、そこを通じてタペットが側壁から出ることができるその穴部によってガイド効果が得られる。
【0020】
本発明は上述の実施態様の1つによる装置に適しており、停止手段と、停止手段に連結され、ハウジング内でガイドされるタペットとを有した作動力伝達装置の提供にも関する。
【0021】
好適には、作用力保存手段(好適にはバネ)が発揮する作用力に逆らってハウジングから部分的に出ることができるタペットが提供される。
【0022】
本発明のさらなる利点と詳細は添付図面およびそれら図面の説明から得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1a】作動力伝達手段の斜視図と分解図である。
【図1b】作動力伝達手段の斜視図と分解図である。
【図2a】2つの異なる作動位置に存在する本発明の装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図2b】2つの異なる作動位置に存在する本発明の装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図3】図2(a)と図2(b)が関与する家具の斜視図である。
【図4】図3で図示されている家具の背面図である。
【図5a】その支持部への搭載前後の押出器の斜視図である。
【図5b】その支持部への搭載前後の押出器の斜視図である。
【図6a】本発明の装置を取り付けた家具の斜視図と、家具本体が部分的に外れている状態の家具の平面図と、それらの一部詳細図である。
【図6b】本発明の装置を取り付けた家具の斜視図と、家具本体が部分的に外れている状態の家具の平面図と、それらの一部詳細図である。
【図6c】本発明の装置を取り付けた家具の斜視図と、家具本体が部分的に外れている状態の家具の平面図と、それらの一部詳細図である。
【図7】本発明の装置を備えた別家具の斜視図である。
【図8】図7で図示する家具の背面斜視図である。
【図9】図7と図8に関連する断面図である。
【図10a】図7から図9で図示する家具の例示的操作手順である
【図10b】図7から図9で図示する家具の例示的操作手順である
【図10c】図7から図9で図示する家具の例示的操作手順である
【図10d】図7から図9で図示する家具の例示的操作手順である
【図10e】図7から図9で図示する家具の例示的操作手順である
【図11a】本発明の装置を備えた家具の部分斜視図である。
【図11b】本発明の装置を備えた家具の部分斜視図である。
【図12a】本発明の別実施例による装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図12b】本発明の別実施例による装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図12c】本発明の別実施例による装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図12d】本発明の別実施例による装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図12e】本発明の別実施例による装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図13a】本発明の装置のさらに別な例示的実施例を図示する。
【図13b】本発明の装置のさらに別な例示的実施例を図示する。
【図13c】本発明の装置のさらに別な例示的実施例を図示する。
【図13d】本発明の装置のさらに別な例示的実施例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1aは作動力伝達手段の1実施例の構造を示す。タペット5が溝19内でガイドされているハウジング7が図示されている。タペット5はハウジング7から部分的に出ることができ、この実施例では停止手段4に一体的に接続されている。ハウジング7は特に図1bで示すようにベースプレート7’とカバー7”とを含む。カバー7”はタペット5上に配置された停止手段4を移動させるスロット12を有している。作用力は作用力保存手段6(本例の場合は螺旋バネ)がタペット5をハウジング7に戻すようにタペット5と停止手段4とに作用力保存手段6により適用される。作用力保存手段6は支持要素13上に搭載され、タペット5に連結されている。タペット5はこの場合にはその後端に作用力保存手段6の端部を受領する凹部14を有している。
【0025】
図2aは可動家具部9が外された状態の家具の家具本体8を示す。本発明による装置1の家具本体8の後壁15での配置が図示されている。図2aで図示するように可動家具部9(蝶番17のみが図示)はその閉端位置にて家具本体8上に配置される。図示のようにタペット5は完全にハウジング7内に位置しており、停止手段4は後方の位置にあり、押出器2の押出レバー3に当接している。
【0026】
図2bは可動家具部9(図2bでは図示せず)が押し出されている様子を示す。タペット5はハウジング7から最大限に排出されている。これは押出レバー3と停止手段4との相互作用による。図2aと図2bで示すように、押出レバー3は限定された角度内で回動できるように搭載されている。つまり、排出動作は図2aの回動位置から図2bの回動位置への回動で提供される。
【0027】
図3は家具本体8と可動家具部9(ここで可動家具部9は家具扉)とを備えた家具を図示する。家具本体8の仕切り板11はその背後に設置された押出器2を遮蔽する遮蔽板である。この仕切り板11は図2aと図2bでは図示されていない。
【0028】
図4は図3に関連する背面図である。仕切り板11の背後の押出器2は後壁15が外されているために可視状態である。仕切り板11はハウジング7が通過する凹部を有する。
【0029】
図5aと図5bは押出器2が作動力伝達手段のためのソケットを側部に有した支持部10に固定されている状態を示す。
【0030】
図6aは可動家具部9が排出された状態である家具を図示する。可動家具部9は約10°(蝶番17の自動閉鎖領域を越えた開きに対応)で開いている。タペット5がハウジング7内に引き入れられると、可動家具部9は開かれるか閉じられるまでその位置に残る。図6aは家具本体8が、作動力伝達手段のハウジング7を遮蔽するベース部18をカバーするベース領域に提供されている状態を示す。装置1を明示するため、このカバーベース部18は先の図面には図示されていない。
【0031】
図7は家具本体8と可動家具部9とを備えた別の家具を図示しており、本実施例では折畳み式フラップ板である。可動家具部9はこの場合は図7で示す位置にあり、ユーザによって家具本体8から離された状態にある。タペット5はまだハウジング7内に戻されていない。この実施例では装置1は蝶番17の自動的に閉鎖される領域を越えて可動家具部9を押してはいない。このためタペット5がハウジング7内に戻される前に一定の待ち時間が提供されている。
【0032】
図8は、家具本体8の両側に搭載された本発明の実施例による2体の装置1を示している。
【0033】
図9は図7と図8に対応する状況を示している。押出器2の押出レバー3は最大限に回動しており、作動力伝達手段の停止手段4を最大限に移動させている。この結果、タペット5はハウジング7から最大限に移動している。可動家具部9はユーザによってさらに開けられている。
【0034】
図10aから図10eは図7から図9で図示する家具での完全な移動手順の例を示している。図10bでは特に、本実施例においては押出器2の押出レバー3は可動家具部9の閉端位置では作動力伝達手段の停止手段4にまだ当接していないことを示している。
【0035】
図10eは完全に開端位置にある可動家具部9を図示している。
【0036】
図11aは流し台ユニットとして具現化されている家具本体8を図示しており、2つの家具部9は引出しであり、可動式に搭載されている。本発明の装置1は下方可動家具部9に関連して提供されている(図11b参照)。
【0037】
図11bは押出レバー3による可動家具部9に対する作用力が、本実施例では直線的ではなく横方向にずれて伝達される状態を示している。このように装置1をパイプ20に対して横方向に取り付けることができるが、可動家具部9への押出力は中央に適用できる。この目的のため、タペット5(図11aと図11bでは図示せず)は、部分的に曲がったハウジング7内でガイドできるように十分にフレキシブルである。
【0038】
図12aから図12eは側壁の一部がハニカム構造のプレート21(片側の側壁のみを図示)である家具本体8を図示する。この実施例では押出器2と作動力伝達手段の大部分が仕切り板11の背後に設置されている。押出レバー3から可動家具部9へ作用力を伝達するためのタペット5は、本実施例では側壁の凹部または側壁内のハニカム構造プレート21として具現化されている部分に配置されている。この場合はタペット5をその全長にわたってガイドする必要がない。ガイド効果は、単に押出器2付近でハウジング7を通じて提供され、そして、ハニカム構造プレート21の前方領域に配置され、タペット5が側壁から出ることができる穴部を通っても達成できる。
【0039】
作動力伝達手段の奥行き停止手段22は図12eで図示されており、図13aから図13dで詳しく示されている。本実施例では奥行き停止手段はバネ緩衝器23(停止手段4に対して静止状態でハウジング7に設置されている)と停止手段4に配置された調節式停止要素24(本例ではセットネジ)を有している。この実施例では調節式停止要素24の突出部はエッジキーに変更できる。これによって停止の奥行きをセットできる。
【0040】
図面は家具扉、折畳み式フラップ板または引出しとして可動家具部9の1実施例を示しているだけであり、本発明の装置を上方回動や上方折畳みにも利用できる。
【0041】
図面の押出器2を家具本体8または可動家具部9に設置した感知要素(図示せず)によって起動できる。当業者であれば承知する電力供給線等のその他の起動技術も図示されていない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動押出レバーを有した押出器を備え、家具本体の閉端位置から可動家具部を排出させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、この種の装置は実質的に押出器のみで成り、モータ駆動押出レバーが閉端位置の可動家具部に緩やかに当接するものであった。よって、この種の装置は、家具本体内に非常に限定された程度(奥行き)しか押し込むことができず、あるいは全く押し込めない状態で家具本体に搭載されている可動家具部に対して限定的に利用が可能なものであった。この種の可動家具部の例には家具扉および家具フラップ板および家具本体よりもずっと奥行きが短い引出部が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって本発明の目的はその利用性を拡張させることができるこの種の装置の開発である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は「請求項1」の特徴を有した装置によって達成される。
【0005】
押出レバーに対して作用する作動力伝達手段の提供によって、排出作業中に、可動家具部と押出レバーとの間の間隙を越えて押出レバーによって発揮される作用力は可動家具部に伝達される。よって「請求項1」の装置は家具扉および家具フラップ板並びに家具本体よりも奥行きがずっと短い引出部の排出に適している。
【0006】
好適には、閉端位置に存在する可動家具部の排出のみを行う装置が提供される。好適には、作動力伝達手段は押出レバーによって排出方向(装置が搭載された状態で家具本体から離れる方向)に発揮された作用力のみが可動家具部に伝達されるように設計されている。
【0007】
このような設計は、可動家具部の閉端位置にて押出レバーが緩く当接する停止手段を作動力伝達手段に備えさせることで達成される。
【0008】
さらに、またはそれに代えて、可動家具部の閉端位置で可動家具部に緩く当接するタペットを作動力伝達手段に備えさせることもできる。
【0009】
これに関して、排出完了後にタペットを元に戻す設計が必要となる。この設計は、タペットを作用力保存手段(好適にはバネ)によって押出レバーの方向(すなわち装置が搭載された状態で家具本体内への方向)にプレストレス状態にしておくことで達成される。
【0010】
タペットの確実な移動を達成するため、作動力伝達手段にタペットを溝に沿ってガイドするハウジングを備えさせる。
【0011】
特に単純な設計では、停止手段はタペット上で固定され、あるいはタペット上に提供され、好適には実質的に直角にタペットから突き出させる。
【0012】
押出レバーによって作用力を可動家具部に対して直線的以外にも伝達するなら、タペットを曲がったハウジング内でガイドできるように十分にフレキシブルな状態で提供することが有利である。
【0013】
好適には、押出器の押出レバーは排出過程において一方の動端位置から他方の動端位置にまで限定された角度を回動して移動できるように提供される。本発明の装置は、押出器が家具本体に設置されているとき、回動全般を通じて押出レバーが可動家具部と離間していることが非常に重要である。いずれにしろ本発明は全押出し過程の一部をカバーした後に押出器が可動家具部に当接状態にて家具本体内に配置されるようにも利用できる。この場合、作動力伝達手段は押出レバーの全回動を可動家具部の排出に利用させることができる。
【0014】
可動家具部の大きさと、排出力の程度によって、排出プロセスの完了後にも可動家具部が自動引き込み機構の作用(例えば自動閉鎖機能)領域内に存在することがある。この場合、家具本体と可動家具部との間に形成された間隙でユーザが妨害し、可動家具部を手動で開けることができるように所定の停止時間が必要である。待ち時間が経過した場合にのみ、押出レバーと作動力伝達手段はそれらの開始位置に戻る。
【0015】
本発明の1好適実施例では、好適には調整可能な奥行き停止手段が作動力伝達手段に提供される。設置時と製造時の許容誤差はこの種の奥行き停止手段を介して補われる。これでタッチラッチ作動である場合には十分な起動通路がモータ駆動押出レバーに提供され、家具の前方パネルは均等に閉鎖する。
【0016】
タッチラッチ作動時に家具本体内での可動家具部の閉端位置にてユーザによって起動される可動家具部の押し込み操作あるいは押出器の開ループまたは閉ループである制御手段による押し込み操作の機能が提供される。この押し込み操作は作動力伝達装置によって押出レバーに伝達でき、押出レバーの位置をモニターする測定手段(例えば回転式電位差計)によって検出される。このように作動する押出器は、例えばAT413472B(特に4ページのパラグラフ3から7、7ページのパラグラフ4と5、8ページのパラグラフ6、およびそれらに関連する図面)にて開示されている。よってその詳細は省略する。
【0017】
その最も単純な形態では奥行き停止手段はバネ緩衝器を含む。調節能力を付与するため、作動力伝達手段は、好適にはセットネジであるが、調節式停止要素を介してバネ緩衝器と相互作用することができる。
【0018】
本発明は、家具本体と、ここで解説する例示的実施態様の装置と共に家具本体に移動式に搭載された可動家具部(特に家具フラップ板または家具扉)とを備えた家具にも関する。
【0019】
1好適実施態様では、ハニカム構造のプレートとして少なくとも一部に提供された家具本体の少なくとも1つの側壁と、そのハニカム構造プレートの少なくとも一部に提供された作動力伝達手段とが提供される。この場合、作動力伝達装置のタペットは追加のガイド手段を必要とせずにハニカム構造プレートを貫通することができる。いずれにしろ、ハニカム構造プレートの前方領域に提供され、そこを通じてタペットが側壁から出ることができるその穴部によってガイド効果が得られる。
【0020】
本発明は上述の実施態様の1つによる装置に適しており、停止手段と、停止手段に連結され、ハウジング内でガイドされるタペットとを有した作動力伝達装置の提供にも関する。
【0021】
好適には、作用力保存手段(好適にはバネ)が発揮する作用力に逆らってハウジングから部分的に出ることができるタペットが提供される。
【0022】
本発明のさらなる利点と詳細は添付図面およびそれら図面の説明から得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1a】作動力伝達手段の斜視図と分解図である。
【図1b】作動力伝達手段の斜視図と分解図である。
【図2a】2つの異なる作動位置に存在する本発明の装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図2b】2つの異なる作動位置に存在する本発明の装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図3】図2(a)と図2(b)が関与する家具の斜視図である。
【図4】図3で図示されている家具の背面図である。
【図5a】その支持部への搭載前後の押出器の斜視図である。
【図5b】その支持部への搭載前後の押出器の斜視図である。
【図6a】本発明の装置を取り付けた家具の斜視図と、家具本体が部分的に外れている状態の家具の平面図と、それらの一部詳細図である。
【図6b】本発明の装置を取り付けた家具の斜視図と、家具本体が部分的に外れている状態の家具の平面図と、それらの一部詳細図である。
【図6c】本発明の装置を取り付けた家具の斜視図と、家具本体が部分的に外れている状態の家具の平面図と、それらの一部詳細図である。
【図7】本発明の装置を備えた別家具の斜視図である。
【図8】図7で図示する家具の背面斜視図である。
【図9】図7と図8に関連する断面図である。
【図10a】図7から図9で図示する家具の例示的操作手順である
【図10b】図7から図9で図示する家具の例示的操作手順である
【図10c】図7から図9で図示する家具の例示的操作手順である
【図10d】図7から図9で図示する家具の例示的操作手順である
【図10e】図7から図9で図示する家具の例示的操作手順である
【図11a】本発明の装置を備えた家具の部分斜視図である。
【図11b】本発明の装置を備えた家具の部分斜視図である。
【図12a】本発明の別実施例による装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図12b】本発明の別実施例による装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図12c】本発明の別実施例による装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図12d】本発明の別実施例による装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図12e】本発明の別実施例による装置を備えた家具本体の部分斜視図である。
【図13a】本発明の装置のさらに別な例示的実施例を図示する。
【図13b】本発明の装置のさらに別な例示的実施例を図示する。
【図13c】本発明の装置のさらに別な例示的実施例を図示する。
【図13d】本発明の装置のさらに別な例示的実施例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1aは作動力伝達手段の1実施例の構造を示す。タペット5が溝19内でガイドされているハウジング7が図示されている。タペット5はハウジング7から部分的に出ることができ、この実施例では停止手段4に一体的に接続されている。ハウジング7は特に図1bで示すようにベースプレート7’とカバー7”とを含む。カバー7”はタペット5上に配置された停止手段4を移動させるスロット12を有している。作用力は作用力保存手段6(本例の場合は螺旋バネ)がタペット5をハウジング7に戻すようにタペット5と停止手段4とに作用力保存手段6により適用される。作用力保存手段6は支持要素13上に搭載され、タペット5に連結されている。タペット5はこの場合にはその後端に作用力保存手段6の端部を受領する凹部14を有している。
【0025】
図2aは可動家具部9が外された状態の家具の家具本体8を示す。本発明による装置1の家具本体8の後壁15での配置が図示されている。図2aで図示するように可動家具部9(蝶番17のみが図示)はその閉端位置にて家具本体8上に配置される。図示のようにタペット5は完全にハウジング7内に位置しており、停止手段4は後方の位置にあり、押出器2の押出レバー3に当接している。
【0026】
図2bは可動家具部9(図2bでは図示せず)が押し出されている様子を示す。タペット5はハウジング7から最大限に排出されている。これは押出レバー3と停止手段4との相互作用による。図2aと図2bで示すように、押出レバー3は限定された角度内で回動できるように搭載されている。つまり、排出動作は図2aの回動位置から図2bの回動位置への回動で提供される。
【0027】
図3は家具本体8と可動家具部9(ここで可動家具部9は家具扉)とを備えた家具を図示する。家具本体8の仕切り板11はその背後に設置された押出器2を遮蔽する遮蔽板である。この仕切り板11は図2aと図2bでは図示されていない。
【0028】
図4は図3に関連する背面図である。仕切り板11の背後の押出器2は後壁15が外されているために可視状態である。仕切り板11はハウジング7が通過する凹部を有する。
【0029】
図5aと図5bは押出器2が作動力伝達手段のためのソケットを側部に有した支持部10に固定されている状態を示す。
【0030】
図6aは可動家具部9が排出された状態である家具を図示する。可動家具部9は約10°(蝶番17の自動閉鎖領域を越えた開きに対応)で開いている。タペット5がハウジング7内に引き入れられると、可動家具部9は開かれるか閉じられるまでその位置に残る。図6aは家具本体8が、作動力伝達手段のハウジング7を遮蔽するベース部18をカバーするベース領域に提供されている状態を示す。装置1を明示するため、このカバーベース部18は先の図面には図示されていない。
【0031】
図7は家具本体8と可動家具部9とを備えた別の家具を図示しており、本実施例では折畳み式フラップ板である。可動家具部9はこの場合は図7で示す位置にあり、ユーザによって家具本体8から離された状態にある。タペット5はまだハウジング7内に戻されていない。この実施例では装置1は蝶番17の自動的に閉鎖される領域を越えて可動家具部9を押してはいない。このためタペット5がハウジング7内に戻される前に一定の待ち時間が提供されている。
【0032】
図8は、家具本体8の両側に搭載された本発明の実施例による2体の装置1を示している。
【0033】
図9は図7と図8に対応する状況を示している。押出器2の押出レバー3は最大限に回動しており、作動力伝達手段の停止手段4を最大限に移動させている。この結果、タペット5はハウジング7から最大限に移動している。可動家具部9はユーザによってさらに開けられている。
【0034】
図10aから図10eは図7から図9で図示する家具での完全な移動手順の例を示している。図10bでは特に、本実施例においては押出器2の押出レバー3は可動家具部9の閉端位置では作動力伝達手段の停止手段4にまだ当接していないことを示している。
【0035】
図10eは完全に開端位置にある可動家具部9を図示している。
【0036】
図11aは流し台ユニットとして具現化されている家具本体8を図示しており、2つの家具部9は引出しであり、可動式に搭載されている。本発明の装置1は下方可動家具部9に関連して提供されている(図11b参照)。
【0037】
図11bは押出レバー3による可動家具部9に対する作用力が、本実施例では直線的ではなく横方向にずれて伝達される状態を示している。このように装置1をパイプ20に対して横方向に取り付けることができるが、可動家具部9への押出力は中央に適用できる。この目的のため、タペット5(図11aと図11bでは図示せず)は、部分的に曲がったハウジング7内でガイドできるように十分にフレキシブルである。
【0038】
図12aから図12eは側壁の一部がハニカム構造のプレート21(片側の側壁のみを図示)である家具本体8を図示する。この実施例では押出器2と作動力伝達手段の大部分が仕切り板11の背後に設置されている。押出レバー3から可動家具部9へ作用力を伝達するためのタペット5は、本実施例では側壁の凹部または側壁内のハニカム構造プレート21として具現化されている部分に配置されている。この場合はタペット5をその全長にわたってガイドする必要がない。ガイド効果は、単に押出器2付近でハウジング7を通じて提供され、そして、ハニカム構造プレート21の前方領域に配置され、タペット5が側壁から出ることができる穴部を通っても達成できる。
【0039】
作動力伝達手段の奥行き停止手段22は図12eで図示されており、図13aから図13dで詳しく示されている。本実施例では奥行き停止手段はバネ緩衝器23(停止手段4に対して静止状態でハウジング7に設置されている)と停止手段4に配置された調節式停止要素24(本例ではセットネジ)を有している。この実施例では調節式停止要素24の突出部はエッジキーに変更できる。これによって停止の奥行きをセットできる。
【0040】
図面は家具扉、折畳み式フラップ板または引出しとして可動家具部9の1実施例を示しているだけであり、本発明の装置を上方回動や上方折畳みにも利用できる。
【0041】
図面の押出器2を家具本体8または可動家具部9に設置した感知要素(図示せず)によって起動できる。当業者であれば承知する電力供給線等のその他の起動技術も図示されていない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ駆動押出レバーを有した押出器を備え、家具本体の閉端位置から可動家具部を排出させる装置であって、前記押出レバー(3)によって発揮される作用力が前記家具本体(8)の本装置(1)に搭載された前記可動家具部(9)に伝達されるように前記押出レバー(3)に対して作用する作動力伝達手段が提供されており、前記可動家具部(9)はその閉端位置で押出レバー(3)から離れて提供されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
作動力伝達手段は、押出レバー(3)によって押出方向に発揮された作用力のみを可動家具部(9)に伝達するように設計されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
作動力伝達手段は、可動家具部(9)の閉端位置にて押出レバー(3)が緩く当接する停止手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
作動力伝達手段は、可動家具部(9)の閉端位置で前記可動家具部(9)に緩く当接するタペット(5)を備えていることを特徴とする請求項2または3記載の装置。
【請求項5】
タペット(5)は、好適にはバネである作用力保存手段(6)によって押出レバー(3)の方向にプレストレス状態であることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】
作動力伝達手段は、タペット(5)を溝(19)に沿ってガイドさせるハウジング(7)を備えていることを特徴とする請求項4または5記載の装置。
【請求項7】
停止手段(4)はタペット(5)上で固定され、好適には実質的に直角に前記タペット(5)から突き出ていることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
タペット(5)は曲がったハウジング(7)内で十分ガイドされるようにフレキシブルであることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
好適には調整可能である奥行き停止手段(22)が作動力伝達手段に提供されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
奥行き停止手段(22)はバネ緩衝器(23)を含んでいることを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項11】
作動力伝達手段は好適にはセットネジである調節式停止要素(24)を介してバネ緩衝器(23)と相互作用することを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項12】
家具本体と、請求項1から11のいずれかに記載の装置(1)を利用することで特徴付けられる、前記家具本体に移動式に搭載された特に家具フラップ板または家具扉である家具部とを備えていることを特徴とする家具。
【請求項13】
家具本体(8)の少なくとも1つの側壁がハニカム構造のプレート(21)として少なくとも一部に提供されており、作動力伝達手段が前記ハニカム構造プレート(21)の少なくとも一部に提供されていることを特徴とする請求項12記載の家具。
【請求項14】
停止手段(4)と、該停止手段(4)に連結され、ハウジング(7)内でガイドされるタペット(5)とによって特徴付けられる請求項1から11のいずれかに記載の装置のための作動力伝達手段。
【請求項15】
タペット(5)は、好適にはバネである作用力保存手段(6)が発揮する作用力に逆らってハウジング(7)から部分的に出ることができることを特徴とする請求項14記載の作動力伝達手段。
【請求項1】
モータ駆動押出レバーを有した押出器を備え、家具本体の閉端位置から可動家具部を排出させる装置であって、前記押出レバー(3)によって発揮される作用力が前記家具本体(8)の本装置(1)に搭載された前記可動家具部(9)に伝達されるように前記押出レバー(3)に対して作用する作動力伝達手段が提供されており、前記可動家具部(9)はその閉端位置で押出レバー(3)から離れて提供されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
作動力伝達手段は、押出レバー(3)によって押出方向に発揮された作用力のみを可動家具部(9)に伝達するように設計されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
作動力伝達手段は、可動家具部(9)の閉端位置にて押出レバー(3)が緩く当接する停止手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
作動力伝達手段は、可動家具部(9)の閉端位置で前記可動家具部(9)に緩く当接するタペット(5)を備えていることを特徴とする請求項2または3記載の装置。
【請求項5】
タペット(5)は、好適にはバネである作用力保存手段(6)によって押出レバー(3)の方向にプレストレス状態であることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】
作動力伝達手段は、タペット(5)を溝(19)に沿ってガイドさせるハウジング(7)を備えていることを特徴とする請求項4または5記載の装置。
【請求項7】
停止手段(4)はタペット(5)上で固定され、好適には実質的に直角に前記タペット(5)から突き出ていることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
タペット(5)は曲がったハウジング(7)内で十分ガイドされるようにフレキシブルであることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
好適には調整可能である奥行き停止手段(22)が作動力伝達手段に提供されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
奥行き停止手段(22)はバネ緩衝器(23)を含んでいることを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項11】
作動力伝達手段は好適にはセットネジである調節式停止要素(24)を介してバネ緩衝器(23)と相互作用することを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項12】
家具本体と、請求項1から11のいずれかに記載の装置(1)を利用することで特徴付けられる、前記家具本体に移動式に搭載された特に家具フラップ板または家具扉である家具部とを備えていることを特徴とする家具。
【請求項13】
家具本体(8)の少なくとも1つの側壁がハニカム構造のプレート(21)として少なくとも一部に提供されており、作動力伝達手段が前記ハニカム構造プレート(21)の少なくとも一部に提供されていることを特徴とする請求項12記載の家具。
【請求項14】
停止手段(4)と、該停止手段(4)に連結され、ハウジング(7)内でガイドされるタペット(5)とによって特徴付けられる請求項1から11のいずれかに記載の装置のための作動力伝達手段。
【請求項15】
タペット(5)は、好適にはバネである作用力保存手段(6)が発揮する作用力に逆らってハウジング(7)から部分的に出ることができることを特徴とする請求項14記載の作動力伝達手段。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図10d】
【図10e】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図10d】
【図10e】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【公表番号】特表2010−518293(P2010−518293A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549740(P2009−549740)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国際出願番号】PCT/AT2007/000563
【国際公開番号】WO2008/098267
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(597140501)ジュリウス ブルム ゲゼルシャフト エム.ビー.エイチ. (122)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国際出願番号】PCT/AT2007/000563
【国際公開番号】WO2008/098267
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(597140501)ジュリウス ブルム ゲゼルシャフト エム.ビー.エイチ. (122)
【Fターム(参考)】
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