可搬便器
【課題】汚物受けの容量を便器外郭の高さ調節を容易に行うことができる可搬便器を提供する。
【解決手段】床上に配置される台座2と、台座2単独で支持される便器外郭3と、便器外郭3の内側に設けられる汚物受け6を備える。台座2と便器外郭3が台座2の平面視中央部と便器外郭3の底部中央部を接続する中央連結部31を介して接続される。中央連結部31に便器外郭3の台座2に対する高さを変更するための高さ調節手段32が設けられる。中央連結部31内に汚物受け6の下部が配置される。
【解決手段】床上に配置される台座2と、台座2単独で支持される便器外郭3と、便器外郭3の内側に設けられる汚物受け6を備える。台座2と便器外郭3が台座2の平面視中央部と便器外郭3の底部中央部を接続する中央連結部31を介して接続される。中央連結部31に便器外郭3の台座2に対する高さを変更するための高さ調節手段32が設けられる。中央連結部31内に汚物受け6の下部が配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高さ調節自在の便器外郭を備えた可搬便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、老人、身体障害者、病人等が利用する介護用の便器として、設置位置を容易に変更できる可搬便器が利用されている。
【0003】
例えば特許文献1に示される可搬便器は、汚物受けを収納する便器外郭と、便器外郭の両側に取り付けられる脚体とを備えている。各脚体は便器外郭に対して上下位置調節可能に取り付けられ、これによって便器外郭の高さを利用者の体格等に応じて調節できるようになっている。
【0004】
ところで、特許文献1に示される可搬便器は便器外郭の高さを調節するにあたって、各脚体の上下位置を夫々調節する必要がある。また、可搬便器を水平にするには、各脚体の高さ調節量を一定にする必要がある。このため、便器外郭の高さを調節するのに手間と時間を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−206694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、便器外郭の高さ調節を容易に行うことができる可搬便器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明の可搬便器は、床上に配置される台座と、この台座単独で支持される便器外郭と、この便器外郭の内側に設けられる汚物受けを備え、前記台座と便器外郭が前記台座の平面視中央部と前記便器外郭の底部中央部を接続する中央連結部を介して接続され、この中央連結部に前記便器外郭の台座に対する高さを変更するための高さ調節手段が設けられ、前記中央連結部内に前記汚物受けの下部が配置されたことを特徴とする。
【0008】
また、前記中央連結部は、前記台座の平面視中央部から上方に向けて突出する支持筒と、前記便器外郭の下面中央部から下方に向けて突出する接続筒部を備え、前記支持筒に前記接続筒部が上下位置調節可能に嵌まり込み、前記接続筒部の内側に前記汚物受けが配置されることが好ましい。
【0009】
また、前記便器外郭の上面部に便器外郭内に通じる上開口が形成され、この上開口から前記便器外郭内に収納される前記汚物受けが、便容器と、この便容器が収納される防汚容器とで構成され、前記便容器の上開口縁部に外方に突出して前記防汚容器の上縁部上に載置される便容器被載置部が形成され、前記防汚容器の上開口縁部に前記便容器被載置部よりも外方に突出して前記便器外郭の上開口の縁部上に載置される防汚容器被載置部が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明にあっては、便器外郭の高さ調節を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態の可搬便器の斜視図である。
【図2】便蓋を閉じ位置に配置した際の可搬便器の斜視図である。
【図3】図1において便座の図示を省略した図である。
【図4】可搬便器の側面断面図である。
【図5】可搬便器の正面断面図である。
【図6】支持筒の斜視図である。
【図7】可搬便器の後側から見た拡大斜視図である。
【図8】可搬便器の一部破断した斜視図である。
【図9】便器外郭の斜視図である。
【図10】可搬便器の便器外郭と台座の接続部分を示す一部破断した斜視図である。
【図11】便器外郭の前側上端部分を示す側面断面図である。
【図12】台座の斜視図である。
【図13】(a)〜(c)は便器外郭の高さ調節の際の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。図1に示されるように、本実施形態の可搬便器1は、床上に配置される台座2と、台座2単独で支持される便器外郭3と、便器外郭3の後端部に左右軸回りに回動自在に連結される、便座4及び便蓋5と、便器外郭3の内側に設けられる汚物受け6を備えている。なお、前記「左右軸回り」とは、回転軸方向が左右方向と平行であることを意味する。
【0013】
可搬便器1は、便器外郭3の後端部上に立設される背もたれ7と、便器外郭3の左右両側端部に立設される高さ調節可能な肘掛け8を備えた、椅子型の便器となっている。また、可搬便器1は、トイレットロール9を支持するためのペーパーホルダー10もしくはペーパーハンガー11を備えており、これらペーパーホルダー10もしくはペーパーハンガー11は便器外郭3に着脱自在に取り付けられている。また、可搬便器1は、各構成部品をポリプロピレン等の合成樹脂を用いて形成することで軽量化を図っており、容易に移動できるようになっている。
【0014】
図9に示されるように、便器外郭3は、便器上面部を構成する上外郭体12と、便器外周面部を構成する下外郭体13を有している。
【0015】
図5等に示されるように、下外郭体13は上外郭体12を受ける浅底容器状の受部14と、受部14の底部中央から下方に突出する円筒状の接続筒部15で構成されている。上外郭体12はその周縁部が受部14の周縁部上に載置され、この状態で下外郭体13に取り付けられている。
【0016】
図9に示されるように、上外郭体12の上面の左右方向中央部には下方に凹没した凹没部16が形成されている。また、上外郭体12の平面視における中央位置には凹没部16の底部中央を上下に貫通する上開口17が形成されている。
【0017】
汚物受け6は、上開口17を介して、図4等に示されるように便器外郭3内に収納されている。汚物受け6は、屎尿を受ける便容器19と、便容器19が収納される防汚容器20とで構成された二重容器からなる。図4中21は用便後における便容器19の上開口を閉塞する容器蓋であり、容器蓋21は用便時に便容器19から取り外される。なお、取り外した容器蓋21は、図4に二点鎖線で示すように台座2上に起立させることができる。
【0018】
防汚容器20の上縁部には外方に突出した防汚容器被載置部22が周方向の全長に亘って形成されている。防汚容器20は上開口17を介して便器外郭3内に出し入れ可能に挿入されている。
【0019】
防汚容器20は、防汚容器被載置部22を便器外郭3の上開口17の周縁部を含む凹没部16の底部上に載置することで懸架されている。この懸架状態では、防汚容器20の下部が便器外郭3の接続筒部15内に配置される。
【0020】
防汚容器被載置部22の内周縁部は外周部よりも一段凹んだ便容器載置部23となっている。
【0021】
便容器19の上縁部には外方に突出した便容器被載置部24が周方向の全長に亘って形成されている。便容器19は防汚容器20内に上方から出し入れ可能に挿入されている。便容器19は、便容器被載置部24を防汚容器20の便容器載置部23の内周部上に載置することで、防汚容器20に懸架され、便容器19の下部は接続筒部15内に配置されている。便容器19の上端部には便容器19の左右両端部間に跨る吊手26(図3参照)が左右軸回りに回動自在に取り付けられている。吊手26を把持することで防汚容器20から便容器19を容易に出し入れできる。
【0022】
また、前記防汚容器被載置部22の外周部は、図11に示されるように便容器被載置部24よりも外方に突出すると共に一段上方に位置している。
【0023】
図12に示されるように、台座2は、床上に配置される台座本体27を備えている。台座本体27は上方に開口する台座筒部28を有し、台座筒部28の下端部には外方に突出して床に直接接地される接地部29が形成されている。接地部29は台座筒部28の前端部を除く外周に亘って形成され、便器外郭3を台座2によりバランス良く支持できるようになっている。接地部29の後端部には複数のキャスター30が設けられ、このキャスター30を利用して可搬便器1を床上で走行することができる。
【0024】
図4等に図示されるように台座2と便器外郭3は台座2の平面視中央部と便器外郭3の底部中央部を接続する中央連結部31のみを介して接続されている。中央連結部31には便器外郭3の台座2に対する高さを変更するための高さ調節手段32が設けられており、この高さ調節手段32により、便器外郭3の高さを利用者の体格等に応じて変更することができる。
【0025】
図12のように台座2は、平面視中央部に便器外郭3を支持する支持筒33を備えている。支持筒33は台座筒部28と同心で台座筒部28の底部から上方に向けて突出した状態で台座本体27に取り付けられている。
【0026】
台座筒部28とこの内側に配置された台座筒部28の間には、平面視円環状で上方に開口する筒部挿入溝34が形成されている。図4に示されるように筒部挿入溝34には便器外郭3の接続筒部15がスライド自在に挿入されている。この接続筒部15は支持筒33の外側に上下位置調節可能に嵌まり込んでいる。そして、これら接続筒部15、支持筒33及び台座筒部28により、台座2と便器外郭3を連結する中央連結部31が構成されている。
【0027】
図9に示されるように、接続筒部15の下端部内周面には、接続筒部15の周方向に伸びるリブ35が形成されている。リブ35は、接続筒部15の周方向の同位置に上下方向に等間隔で複数条形成され、これら複数条のリブ35からなるリブ群36が、接続筒部15の周方向に等間隔で複数群形成されている。図示例では、上下二条のリブ35からなるリブ群36が三群形成されており、これらリブ35は支持筒33に対してスライドするスライド部となる。
【0028】
一方、図6に示されるように、支持筒33の外周面において各リブ群36に対応する箇所には、支持筒33の周方向に沿って蛇行しつつ上下に伸びる蛇行溝37が形成されている。
【0029】
各蛇行溝37は、支持筒33の周方向に伸びる多数の横溝38と、上下に隣接する横溝38の長さ方向の端部同士を接続する接続溝39とで構成されている。各接続溝39は外方から見て千鳥状に配置され、最上段の接続溝39を除く各接続溝39は、その上端が一段上の接続溝39の下端が接続される横溝38の端部と反対側の端部に接続されている。
【0030】
図13(a)に示すように便器外郭3を正面に向けた状態では、図10のように各リブ群36のリブ35は対応する蛇行溝37の横溝38の長さ方向の中央部に挿入される。このうち、同一のリブ群36に属して上下に隣接するリブ35は、一条の横溝38を介して上下に並ぶ横溝38に配置されている。各リブ35の上面が対応する横溝38の上方部に当接することで、便器外郭3の接続筒部15は台座2の支持筒33に支持されている。
【0031】
台座2と便器外郭3を連結する中央連結部31には、便器外郭3を正面に向けた状態で便器外郭3が支持筒33に対して回動することを規制するためのロック部材40が着脱自在に取り付けられている。
【0032】
図12に示されるように、台座筒部28の内周面後端部には、前方及び上方に開口する下凹欠部41が形成されている。図10のように、下凹欠部41には、上方から前記ロック部材40が左右方向の移動が規制された状態で出し入れ可能に嵌め込まれている。
【0033】
図7に示されるように、便器外郭3の受部14の外周面において下凹欠部41と周方向における同位置には、後方及び下方に開口する上凹欠部42が形成されている。上凹欠部42の下端部には、下凹欠部41に嵌め込んだロック部材40の上端部が左右方向の移動が規制された状態で嵌め込まれている。これにより便器外郭3が支持筒33に対して回動することが規制されている。つまり、ロック部材40、下凹欠部41、及び上凹欠部42により、便器外郭3の支持筒33に対する回動を規制するロック手段が構成されている。
【0034】
ロック部材40の上端部には台座筒部28よりも後方に突出する操作部43が形成されている。操作部43を上方に持ち上げることで、ロック部材40を下凹欠部41及び上凹欠部42から容易に引き出すことができ、これにより前記ロックを解除することができる。
【0035】
本実施形態では、前記ロック手段、各蛇行溝37、及び各リブ35により、前記高さ調節手段32が構成されている。高さ調節手段32により、便器外郭3を台座2に対して上昇させるには、例えば以下のように行う。
【0036】
まず、ロック部材40を下凹欠部41から引き出して、前記ロック部材40による便器外郭3の回動規制を解除する。次に、図13(a)のように正面を向いた便器外郭3を支持筒33を中心に回動して、図13(b)のように便器外郭3を斜め前方に向ける。なお、この際の便器外郭3の回動方向は、各リブ35を一段上の横溝38に連通させる接続溝39側にスライドさせる方向である。これにより、各リブ35は挿入された横溝38に沿って接続溝39に対応する端部まで移動する。
【0037】
次に便器外郭3を持ち上げて、各リブ35を接続溝39を介して上段の横溝38に移動し、続いて便器外郭3を前記回動とは逆方向に回動して正面に向け、各リブ35を対応する横溝38の長さ方向の中央部に配置する。これにより、便器外郭3は一段上昇する。なお、便器外郭3を複数段上昇させる場合は、同様の作業を繰り返し行えばよい。すなわち、この場合は、便器外郭3を、図3(a)、図3(b)、図3(c)に示される順序で回動させる。また、便器外郭3を台座2に対して下降させるには、前記上昇時とは逆に便器外郭3を動かせばよい。
【0038】
そして、上記のように便器外郭3を台座2に対する高さを変更した後、ロック部材40を上記のように下凹欠部41及び上凹欠部42に挿入し、便器外郭3の支持筒33に対する回動を規制する。これにより、便器外郭3は所望の高さで固定される。
【0039】
図8に示されるように、便器外郭3は、凹没部16の底面部の後端部上に設けられた連結体44を有している。連結体44には便座4及び便蓋5が回動自在に取り付けられている。連結体44は便器外郭3に着脱自在に取り付けられ、便座4及び便蓋5を取り付けたまま便器外郭3から取り外せるようになっている。
【0040】
次に便座4について説明する。なお、以下の便座4の説明では、特に記載する場合を除き、図1のように便座4を便器外郭3上の使用位置に配置した際における方向を基準にして説明する。
【0041】
便座4は、平面視環状で中央に前後に長い略楕円形状の便座開口45が形成された座部48と、座部48から後方に突出した便座被連結部46を有している。便座被連結部46は、連結体44の前部に形成された便座連結部47(図8参照)に左右軸回りに回動自在に連結されている。便座4は、図1のように前方に倒して防汚容器20の防汚容器被載置部22(図3参照)に載置した使用位置から、便器外郭3の後端部上に起立させた非使用位置までの範囲で回動できるようになっている。なお、使用位置の便座4は便器外郭3に載置されるものであってもい。また、非使用位置における便座4は、背もたれ7又は便器外郭3のいずれかで支持される。
【0042】
図11のように便座4の座部48はその周方向に直交する断面形状が下方に開口する略逆U字状に形成されている。座部48の内周面を構成する内周部49は、周方向の全長に亘って便座4外周面を構成する外周部23よりも下方に突出し、この突出部分により筒状の屎尿漏れ防止部50が形成されている。
【0043】
前記使用位置に配置された便座4は、前記防汚容器20の防汚容器被載置部22の外周部上に載置され、便容器19の便容器被載置部24の上方に配置される。この使用位置に配置された便座4の屎尿漏れ防止部50は、便容器19の上開口縁部の内面に沿って配置されて、便容器19の上開口縁部とこの上方の便座4との間を覆う。このため、屎尿漏れ防止部50により、屎尿が、便座4や便容器19の内側から、便容器19の上開口縁部とこの上方に配置される便座4との間に至ることを防止でき、結果、防汚容器被載置部22や外部に屎尿が漏れ出すことを防止できる。
【0044】
また、便蓋5は前記使用位置に配置された便座4を上側から覆う。便蓋5の外周縁部は下方に突出した垂下部51となっている。便座4を覆う位置に配置された便蓋5の垂下部51は、前記防汚容器20の防汚容器被載置部22における、使用位置の便座4よりも外側位置に載置される。このため、垂下部51によっても屎尿漏れを防止することができる。
【0045】
以上説明した本実施形態の可搬便器1は、台座2と便器外郭3が台座2の平面視中央部と便器外郭3の底部中央部を接続する中央連結部31のみを介して接続されている。そして、中央連結部31に便器外郭3の台座2に対する高さを変更するための高さ調節手段32が設けられている。このため、便器外郭3の高さを調節するにあたって、台座2と便器外郭3を単独で連結する中央連結部31に設けられた高さ調節手段32のみを調節するだけでよく、手間と時間がかからない。また、便器外郭3に設けられた汚物受け6は、台座2と便器外郭3の中央部同士を連結する中央連結部31内に配置される。このため、便器外郭3をコンパクトに保ちつつ汚物受け6の容量を大きくできる。なお、便容器19及び防汚容器20の夫々の下部は、便器外郭3を上昇させた際にも支持筒3内に位置してもよいし、この際に支持筒3よりも上方に位置してもよい。
【0046】
また、本実施形態の中央連結部31は、台座2の平面視中央部から上方に向けて突出する支持筒33と、便器外郭3の下面中央部から下方に向けて突出する接続筒部15を備え、この支持筒33に接続筒15部が上下位置調節可能に嵌まり込んでいる。このようにすると、前記中央連結部31を簡単に可搬便器1に設けることができる。なお、中央連結部31としては本実施形態のものに限られるものではなく、適宜設計変更可能である。
【0047】
また、本実施形態では、便容器19の上開口縁部に外方に突出して防汚容器20の上縁部上に載置される便容器被載置部24が形成されている。また、防汚容器20の上開口縁部には、外方に突出して便器外郭3の上開口17の縁部上に載置される防汚容器被載置部22が形成されている。そして、防汚容器被載置部22は便容器被載置部24よりも外方に突出している。このため、仮に便座4や便容器19の内側から防汚容器被載置部22側に屎尿が漏れ出たとしても、防汚容器被載置部22により、前記屎尿が便器外郭3の上開口17から便器外郭3内に侵入することを防止できる。また、この場合、前記屎尿が、高さ調節手段32が設けられて比較的掃除がし難い中央連結部31に侵入することを防止できる。
【符号の説明】
【0048】
1 可搬便器
2 台座
3 便器外郭
6 汚物受け
17 上開口
31 中央連結部
32 高さ調節手段
33 支持筒
35 接続筒部
【技術分野】
【0001】
本発明は高さ調節自在の便器外郭を備えた可搬便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、老人、身体障害者、病人等が利用する介護用の便器として、設置位置を容易に変更できる可搬便器が利用されている。
【0003】
例えば特許文献1に示される可搬便器は、汚物受けを収納する便器外郭と、便器外郭の両側に取り付けられる脚体とを備えている。各脚体は便器外郭に対して上下位置調節可能に取り付けられ、これによって便器外郭の高さを利用者の体格等に応じて調節できるようになっている。
【0004】
ところで、特許文献1に示される可搬便器は便器外郭の高さを調節するにあたって、各脚体の上下位置を夫々調節する必要がある。また、可搬便器を水平にするには、各脚体の高さ調節量を一定にする必要がある。このため、便器外郭の高さを調節するのに手間と時間を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−206694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、便器外郭の高さ調節を容易に行うことができる可搬便器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明の可搬便器は、床上に配置される台座と、この台座単独で支持される便器外郭と、この便器外郭の内側に設けられる汚物受けを備え、前記台座と便器外郭が前記台座の平面視中央部と前記便器外郭の底部中央部を接続する中央連結部を介して接続され、この中央連結部に前記便器外郭の台座に対する高さを変更するための高さ調節手段が設けられ、前記中央連結部内に前記汚物受けの下部が配置されたことを特徴とする。
【0008】
また、前記中央連結部は、前記台座の平面視中央部から上方に向けて突出する支持筒と、前記便器外郭の下面中央部から下方に向けて突出する接続筒部を備え、前記支持筒に前記接続筒部が上下位置調節可能に嵌まり込み、前記接続筒部の内側に前記汚物受けが配置されることが好ましい。
【0009】
また、前記便器外郭の上面部に便器外郭内に通じる上開口が形成され、この上開口から前記便器外郭内に収納される前記汚物受けが、便容器と、この便容器が収納される防汚容器とで構成され、前記便容器の上開口縁部に外方に突出して前記防汚容器の上縁部上に載置される便容器被載置部が形成され、前記防汚容器の上開口縁部に前記便容器被載置部よりも外方に突出して前記便器外郭の上開口の縁部上に載置される防汚容器被載置部が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明にあっては、便器外郭の高さ調節を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態の可搬便器の斜視図である。
【図2】便蓋を閉じ位置に配置した際の可搬便器の斜視図である。
【図3】図1において便座の図示を省略した図である。
【図4】可搬便器の側面断面図である。
【図5】可搬便器の正面断面図である。
【図6】支持筒の斜視図である。
【図7】可搬便器の後側から見た拡大斜視図である。
【図8】可搬便器の一部破断した斜視図である。
【図9】便器外郭の斜視図である。
【図10】可搬便器の便器外郭と台座の接続部分を示す一部破断した斜視図である。
【図11】便器外郭の前側上端部分を示す側面断面図である。
【図12】台座の斜視図である。
【図13】(a)〜(c)は便器外郭の高さ調節の際の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。図1に示されるように、本実施形態の可搬便器1は、床上に配置される台座2と、台座2単独で支持される便器外郭3と、便器外郭3の後端部に左右軸回りに回動自在に連結される、便座4及び便蓋5と、便器外郭3の内側に設けられる汚物受け6を備えている。なお、前記「左右軸回り」とは、回転軸方向が左右方向と平行であることを意味する。
【0013】
可搬便器1は、便器外郭3の後端部上に立設される背もたれ7と、便器外郭3の左右両側端部に立設される高さ調節可能な肘掛け8を備えた、椅子型の便器となっている。また、可搬便器1は、トイレットロール9を支持するためのペーパーホルダー10もしくはペーパーハンガー11を備えており、これらペーパーホルダー10もしくはペーパーハンガー11は便器外郭3に着脱自在に取り付けられている。また、可搬便器1は、各構成部品をポリプロピレン等の合成樹脂を用いて形成することで軽量化を図っており、容易に移動できるようになっている。
【0014】
図9に示されるように、便器外郭3は、便器上面部を構成する上外郭体12と、便器外周面部を構成する下外郭体13を有している。
【0015】
図5等に示されるように、下外郭体13は上外郭体12を受ける浅底容器状の受部14と、受部14の底部中央から下方に突出する円筒状の接続筒部15で構成されている。上外郭体12はその周縁部が受部14の周縁部上に載置され、この状態で下外郭体13に取り付けられている。
【0016】
図9に示されるように、上外郭体12の上面の左右方向中央部には下方に凹没した凹没部16が形成されている。また、上外郭体12の平面視における中央位置には凹没部16の底部中央を上下に貫通する上開口17が形成されている。
【0017】
汚物受け6は、上開口17を介して、図4等に示されるように便器外郭3内に収納されている。汚物受け6は、屎尿を受ける便容器19と、便容器19が収納される防汚容器20とで構成された二重容器からなる。図4中21は用便後における便容器19の上開口を閉塞する容器蓋であり、容器蓋21は用便時に便容器19から取り外される。なお、取り外した容器蓋21は、図4に二点鎖線で示すように台座2上に起立させることができる。
【0018】
防汚容器20の上縁部には外方に突出した防汚容器被載置部22が周方向の全長に亘って形成されている。防汚容器20は上開口17を介して便器外郭3内に出し入れ可能に挿入されている。
【0019】
防汚容器20は、防汚容器被載置部22を便器外郭3の上開口17の周縁部を含む凹没部16の底部上に載置することで懸架されている。この懸架状態では、防汚容器20の下部が便器外郭3の接続筒部15内に配置される。
【0020】
防汚容器被載置部22の内周縁部は外周部よりも一段凹んだ便容器載置部23となっている。
【0021】
便容器19の上縁部には外方に突出した便容器被載置部24が周方向の全長に亘って形成されている。便容器19は防汚容器20内に上方から出し入れ可能に挿入されている。便容器19は、便容器被載置部24を防汚容器20の便容器載置部23の内周部上に載置することで、防汚容器20に懸架され、便容器19の下部は接続筒部15内に配置されている。便容器19の上端部には便容器19の左右両端部間に跨る吊手26(図3参照)が左右軸回りに回動自在に取り付けられている。吊手26を把持することで防汚容器20から便容器19を容易に出し入れできる。
【0022】
また、前記防汚容器被載置部22の外周部は、図11に示されるように便容器被載置部24よりも外方に突出すると共に一段上方に位置している。
【0023】
図12に示されるように、台座2は、床上に配置される台座本体27を備えている。台座本体27は上方に開口する台座筒部28を有し、台座筒部28の下端部には外方に突出して床に直接接地される接地部29が形成されている。接地部29は台座筒部28の前端部を除く外周に亘って形成され、便器外郭3を台座2によりバランス良く支持できるようになっている。接地部29の後端部には複数のキャスター30が設けられ、このキャスター30を利用して可搬便器1を床上で走行することができる。
【0024】
図4等に図示されるように台座2と便器外郭3は台座2の平面視中央部と便器外郭3の底部中央部を接続する中央連結部31のみを介して接続されている。中央連結部31には便器外郭3の台座2に対する高さを変更するための高さ調節手段32が設けられており、この高さ調節手段32により、便器外郭3の高さを利用者の体格等に応じて変更することができる。
【0025】
図12のように台座2は、平面視中央部に便器外郭3を支持する支持筒33を備えている。支持筒33は台座筒部28と同心で台座筒部28の底部から上方に向けて突出した状態で台座本体27に取り付けられている。
【0026】
台座筒部28とこの内側に配置された台座筒部28の間には、平面視円環状で上方に開口する筒部挿入溝34が形成されている。図4に示されるように筒部挿入溝34には便器外郭3の接続筒部15がスライド自在に挿入されている。この接続筒部15は支持筒33の外側に上下位置調節可能に嵌まり込んでいる。そして、これら接続筒部15、支持筒33及び台座筒部28により、台座2と便器外郭3を連結する中央連結部31が構成されている。
【0027】
図9に示されるように、接続筒部15の下端部内周面には、接続筒部15の周方向に伸びるリブ35が形成されている。リブ35は、接続筒部15の周方向の同位置に上下方向に等間隔で複数条形成され、これら複数条のリブ35からなるリブ群36が、接続筒部15の周方向に等間隔で複数群形成されている。図示例では、上下二条のリブ35からなるリブ群36が三群形成されており、これらリブ35は支持筒33に対してスライドするスライド部となる。
【0028】
一方、図6に示されるように、支持筒33の外周面において各リブ群36に対応する箇所には、支持筒33の周方向に沿って蛇行しつつ上下に伸びる蛇行溝37が形成されている。
【0029】
各蛇行溝37は、支持筒33の周方向に伸びる多数の横溝38と、上下に隣接する横溝38の長さ方向の端部同士を接続する接続溝39とで構成されている。各接続溝39は外方から見て千鳥状に配置され、最上段の接続溝39を除く各接続溝39は、その上端が一段上の接続溝39の下端が接続される横溝38の端部と反対側の端部に接続されている。
【0030】
図13(a)に示すように便器外郭3を正面に向けた状態では、図10のように各リブ群36のリブ35は対応する蛇行溝37の横溝38の長さ方向の中央部に挿入される。このうち、同一のリブ群36に属して上下に隣接するリブ35は、一条の横溝38を介して上下に並ぶ横溝38に配置されている。各リブ35の上面が対応する横溝38の上方部に当接することで、便器外郭3の接続筒部15は台座2の支持筒33に支持されている。
【0031】
台座2と便器外郭3を連結する中央連結部31には、便器外郭3を正面に向けた状態で便器外郭3が支持筒33に対して回動することを規制するためのロック部材40が着脱自在に取り付けられている。
【0032】
図12に示されるように、台座筒部28の内周面後端部には、前方及び上方に開口する下凹欠部41が形成されている。図10のように、下凹欠部41には、上方から前記ロック部材40が左右方向の移動が規制された状態で出し入れ可能に嵌め込まれている。
【0033】
図7に示されるように、便器外郭3の受部14の外周面において下凹欠部41と周方向における同位置には、後方及び下方に開口する上凹欠部42が形成されている。上凹欠部42の下端部には、下凹欠部41に嵌め込んだロック部材40の上端部が左右方向の移動が規制された状態で嵌め込まれている。これにより便器外郭3が支持筒33に対して回動することが規制されている。つまり、ロック部材40、下凹欠部41、及び上凹欠部42により、便器外郭3の支持筒33に対する回動を規制するロック手段が構成されている。
【0034】
ロック部材40の上端部には台座筒部28よりも後方に突出する操作部43が形成されている。操作部43を上方に持ち上げることで、ロック部材40を下凹欠部41及び上凹欠部42から容易に引き出すことができ、これにより前記ロックを解除することができる。
【0035】
本実施形態では、前記ロック手段、各蛇行溝37、及び各リブ35により、前記高さ調節手段32が構成されている。高さ調節手段32により、便器外郭3を台座2に対して上昇させるには、例えば以下のように行う。
【0036】
まず、ロック部材40を下凹欠部41から引き出して、前記ロック部材40による便器外郭3の回動規制を解除する。次に、図13(a)のように正面を向いた便器外郭3を支持筒33を中心に回動して、図13(b)のように便器外郭3を斜め前方に向ける。なお、この際の便器外郭3の回動方向は、各リブ35を一段上の横溝38に連通させる接続溝39側にスライドさせる方向である。これにより、各リブ35は挿入された横溝38に沿って接続溝39に対応する端部まで移動する。
【0037】
次に便器外郭3を持ち上げて、各リブ35を接続溝39を介して上段の横溝38に移動し、続いて便器外郭3を前記回動とは逆方向に回動して正面に向け、各リブ35を対応する横溝38の長さ方向の中央部に配置する。これにより、便器外郭3は一段上昇する。なお、便器外郭3を複数段上昇させる場合は、同様の作業を繰り返し行えばよい。すなわち、この場合は、便器外郭3を、図3(a)、図3(b)、図3(c)に示される順序で回動させる。また、便器外郭3を台座2に対して下降させるには、前記上昇時とは逆に便器外郭3を動かせばよい。
【0038】
そして、上記のように便器外郭3を台座2に対する高さを変更した後、ロック部材40を上記のように下凹欠部41及び上凹欠部42に挿入し、便器外郭3の支持筒33に対する回動を規制する。これにより、便器外郭3は所望の高さで固定される。
【0039】
図8に示されるように、便器外郭3は、凹没部16の底面部の後端部上に設けられた連結体44を有している。連結体44には便座4及び便蓋5が回動自在に取り付けられている。連結体44は便器外郭3に着脱自在に取り付けられ、便座4及び便蓋5を取り付けたまま便器外郭3から取り外せるようになっている。
【0040】
次に便座4について説明する。なお、以下の便座4の説明では、特に記載する場合を除き、図1のように便座4を便器外郭3上の使用位置に配置した際における方向を基準にして説明する。
【0041】
便座4は、平面視環状で中央に前後に長い略楕円形状の便座開口45が形成された座部48と、座部48から後方に突出した便座被連結部46を有している。便座被連結部46は、連結体44の前部に形成された便座連結部47(図8参照)に左右軸回りに回動自在に連結されている。便座4は、図1のように前方に倒して防汚容器20の防汚容器被載置部22(図3参照)に載置した使用位置から、便器外郭3の後端部上に起立させた非使用位置までの範囲で回動できるようになっている。なお、使用位置の便座4は便器外郭3に載置されるものであってもい。また、非使用位置における便座4は、背もたれ7又は便器外郭3のいずれかで支持される。
【0042】
図11のように便座4の座部48はその周方向に直交する断面形状が下方に開口する略逆U字状に形成されている。座部48の内周面を構成する内周部49は、周方向の全長に亘って便座4外周面を構成する外周部23よりも下方に突出し、この突出部分により筒状の屎尿漏れ防止部50が形成されている。
【0043】
前記使用位置に配置された便座4は、前記防汚容器20の防汚容器被載置部22の外周部上に載置され、便容器19の便容器被載置部24の上方に配置される。この使用位置に配置された便座4の屎尿漏れ防止部50は、便容器19の上開口縁部の内面に沿って配置されて、便容器19の上開口縁部とこの上方の便座4との間を覆う。このため、屎尿漏れ防止部50により、屎尿が、便座4や便容器19の内側から、便容器19の上開口縁部とこの上方に配置される便座4との間に至ることを防止でき、結果、防汚容器被載置部22や外部に屎尿が漏れ出すことを防止できる。
【0044】
また、便蓋5は前記使用位置に配置された便座4を上側から覆う。便蓋5の外周縁部は下方に突出した垂下部51となっている。便座4を覆う位置に配置された便蓋5の垂下部51は、前記防汚容器20の防汚容器被載置部22における、使用位置の便座4よりも外側位置に載置される。このため、垂下部51によっても屎尿漏れを防止することができる。
【0045】
以上説明した本実施形態の可搬便器1は、台座2と便器外郭3が台座2の平面視中央部と便器外郭3の底部中央部を接続する中央連結部31のみを介して接続されている。そして、中央連結部31に便器外郭3の台座2に対する高さを変更するための高さ調節手段32が設けられている。このため、便器外郭3の高さを調節するにあたって、台座2と便器外郭3を単独で連結する中央連結部31に設けられた高さ調節手段32のみを調節するだけでよく、手間と時間がかからない。また、便器外郭3に設けられた汚物受け6は、台座2と便器外郭3の中央部同士を連結する中央連結部31内に配置される。このため、便器外郭3をコンパクトに保ちつつ汚物受け6の容量を大きくできる。なお、便容器19及び防汚容器20の夫々の下部は、便器外郭3を上昇させた際にも支持筒3内に位置してもよいし、この際に支持筒3よりも上方に位置してもよい。
【0046】
また、本実施形態の中央連結部31は、台座2の平面視中央部から上方に向けて突出する支持筒33と、便器外郭3の下面中央部から下方に向けて突出する接続筒部15を備え、この支持筒33に接続筒15部が上下位置調節可能に嵌まり込んでいる。このようにすると、前記中央連結部31を簡単に可搬便器1に設けることができる。なお、中央連結部31としては本実施形態のものに限られるものではなく、適宜設計変更可能である。
【0047】
また、本実施形態では、便容器19の上開口縁部に外方に突出して防汚容器20の上縁部上に載置される便容器被載置部24が形成されている。また、防汚容器20の上開口縁部には、外方に突出して便器外郭3の上開口17の縁部上に載置される防汚容器被載置部22が形成されている。そして、防汚容器被載置部22は便容器被載置部24よりも外方に突出している。このため、仮に便座4や便容器19の内側から防汚容器被載置部22側に屎尿が漏れ出たとしても、防汚容器被載置部22により、前記屎尿が便器外郭3の上開口17から便器外郭3内に侵入することを防止できる。また、この場合、前記屎尿が、高さ調節手段32が設けられて比較的掃除がし難い中央連結部31に侵入することを防止できる。
【符号の説明】
【0048】
1 可搬便器
2 台座
3 便器外郭
6 汚物受け
17 上開口
31 中央連結部
32 高さ調節手段
33 支持筒
35 接続筒部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床上に配置される台座と、この台座単独で支持される便器外郭と、この便器外郭の内側に設けられる汚物受けを備え、前記台座と便器外郭が前記台座の平面視中央部と前記便器外郭の底部中央部を接続する中央連結部を介して接続され、この中央連結部に前記便器外郭の台座に対する高さを変更するための高さ調節手段が設けられ、前記中央連結部内に前記汚物受けの下部が配置されたことを特徴とする可搬便器。
【請求項2】
前記中央連結部は、前記台座の平面視中央部から上方に向けて突出する支持筒と、前記便器外郭の下面中央部から下方に向けて突出する接続筒部を備え、前記支持筒に前記接続筒部が上下位置調節可能に嵌まり込み、前記接続筒部の内側に前記汚物受けが配置されたことを特徴とする請求項1に記載の可搬便器。
【請求項3】
前記便器外郭の上面部に便器外郭内に通じる上開口が形成され、この上開口から前記便器外郭内に収納される前記汚物受けが、便容器と、この便容器が収納される防汚容器とで構成され、前記便容器の上開口縁部に外方に突出して前記防汚容器の上縁部上に載置される便容器被載置部が形成され、前記防汚容器の上開口縁部に前記便容器被載置部よりも外方に突出して前記便器外郭の上開口の縁部上に載置される防汚容器被載置部が形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可搬便器。
【請求項1】
床上に配置される台座と、この台座単独で支持される便器外郭と、この便器外郭の内側に設けられる汚物受けを備え、前記台座と便器外郭が前記台座の平面視中央部と前記便器外郭の底部中央部を接続する中央連結部を介して接続され、この中央連結部に前記便器外郭の台座に対する高さを変更するための高さ調節手段が設けられ、前記中央連結部内に前記汚物受けの下部が配置されたことを特徴とする可搬便器。
【請求項2】
前記中央連結部は、前記台座の平面視中央部から上方に向けて突出する支持筒と、前記便器外郭の下面中央部から下方に向けて突出する接続筒部を備え、前記支持筒に前記接続筒部が上下位置調節可能に嵌まり込み、前記接続筒部の内側に前記汚物受けが配置されたことを特徴とする請求項1に記載の可搬便器。
【請求項3】
前記便器外郭の上面部に便器外郭内に通じる上開口が形成され、この上開口から前記便器外郭内に収納される前記汚物受けが、便容器と、この便容器が収納される防汚容器とで構成され、前記便容器の上開口縁部に外方に突出して前記防汚容器の上縁部上に載置される便容器被載置部が形成され、前記防汚容器の上開口縁部に前記便容器被載置部よりも外方に突出して前記便器外郭の上開口の縁部上に載置される防汚容器被載置部が形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可搬便器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−152254(P2012−152254A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11589(P2011−11589)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(506218756)パナソニックエイジフリーライフテック株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(506218756)パナソニックエイジフリーライフテック株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
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