説明

吸水体

【課題】 シートの食品接触面から水分を吸収することができる吸水体を提供する。
【解決手段】 ドリップシートは、上面シート2と、下面シート3と、これら上下面シート2,3の間に位置する吸水シート4とを含む。上面シート2は、透液可能な複数の開孔21が形成された開孔領域22と、開孔領域22の縦方向Y端部に位置する非開孔領域23とを含む。非開孔領域23の上面側には、これに重なる印刷シート5が一体的に積層されている。印刷シート5の上面側には、表示要素6として大葉のイラストが印刷されている。印刷シート5の周囲には、非表示部分25が設けられている。印刷シート5の上面側には、被覆シート7が一体的に積層され、印刷シート5および非表示部分25を覆っている。上面シート2と被覆シート7とは、非表示部分25において、ラミネート加工によって、水密に接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体を吸収可能な吸水体に関し、さらに詳細には、刺身を含む鮮魚切り身、肉等の食品をトレーに入れてこれら食品の水分を吸収することができるシート状の吸水体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、刺身等を載せる食品トレーにおいて、刺身等の下に敷く吸水体として、ドリップシートが知られている。例えば、特許文献1によれば、ドリップシートは、ラミネートされた合成樹脂フィルムを含み、このフィルムに刺身の付けあわせに用いられる大葉等の植物が印刷されている。このようなフィルムの下面には、刺身から出た水分を吸収する吸水体が貼り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3033287号公報(JP 3033287 U)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなドリップシートに用いられる合成樹脂フィルムは不透液性であり、刺身から出た水分は、フィルムの下面に取付けられた吸水体によって吸収される。しかしながら、フィルムを介して吸水体に水分が吸収される手段については記載されていない。
【0005】
この発明は、シートの食品接触面から水分を吸収することができる吸水体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上面シートと、前記上面シートの下面側に積層された吸水シートとを含むシート状の吸水体の改良に関わる。
【0007】
この発明は、前記吸水体において、前記上面シートは、透液可能な複数の開孔が形成された開孔領域と、非開孔領域とを含み、前記非開孔領域は、前記上面シートの上面側から視認可能な表示要素が位置する表示部分と、前記表示部分の周囲に設けられた非表示部分とを含み、前記上面シートの上下面のいずれかであって、少なくとも前記非開孔領域には、疎水性の被覆シートが重なって接合され、前記被覆シートと前記上面シートとは、前記非表示部分で水密に接合されることを特徴とする。
非表示部分は、表示部分を囲んで形成されるものである。また、被覆シートと上面シートとは、被覆シートまたは上面シートの端部に沿って水密に接合される場合と、これらシートの端部から離間して、その内側に形成される場合とを含む。
【0008】
この発明の実施態様のひとつとして、前記表示要素は、前記上面シートおよび前記被覆シートのいずれか一方に印刷によって形成される。
【0009】
他の実施態様のひとつとして、前記表示要素は、前記上面シートおよび前記被覆シートの間に位置する印刷シートに印刷によって形成される。
【0010】
他の実施態様のひとつとして、前記上面シートは、疎水性フィルムによって形成される。
【0011】
他の実施態様のひとつとして、前記上面シートと前記被覆シートとは、ラミネート加工によって接合される。
【0012】
他の実施態様のひとつとして、前記吸水シートの下面側に通気性の下面シートをさらに含む。
【0013】
他の実施態様のひとつとして、前記被覆シートは、前記非開孔領域および前記開孔領域に重なるととともに、前記開孔領域に重なる領域に透液可能な複数の開孔が形成される。
【0014】
他の実施態様のひとつとして、前記開孔領域における前記吸水体の厚さ方向における通気抵抗値が、少なくとも0.5以下とされる。
【発明の効果】
【0015】
この発明は上面シートと、上面シートに積層された吸水シートとを含み、上面シートには、透液可能な複数の開孔が形成された開孔領域と非開孔領域が形成されることとしたので、開孔を介して水分が吸水シートに吸収される。したがって、上面シートの上に食品を載せた場合には、吸水体の食品接触面から食品の水分を吸収可能である。また、非開孔領域に表示要素が位置する表示部分が形成され、表示部分の周囲の非表示部分で、表示要素を覆う被覆シートと上面シートとが水密に接合されることとしたので、表示要素と水分との接触を未然に防止し、水分によって表示要素が流出するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】吸水体の一例として示す第1の実施形態のドリップシートの平面図。
【図2】図1のII−II線拡大断面図。
【図3】図1の分解組立図。
【図4】第2の実施形態のドリップシートの平面図。
【図5】図4のV−V線拡大断面図。
【図6】図4の分解組立図。
【図7】第3の実施形態の使用例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
この発明の吸水体の一例として、食品トレー等の容器に敷かれ、刺身等の食品から流出する液体を吸収するドリップシートを用いる。図1および2は、第1の実施形態を示したものである。図1は、ドリップシート1の平面図、図2は、図1のII−II線拡大断面図、図3は、図1の分解組立図である。ドリップシート1は、縦方向Yおよび横方向Xを有し、ほぼ矩形を形成している。
【0018】
ドリップシート1は、横方向Xに離間して縦方向Yに延びる両側縁11,12と、縦方向Yに離間して横方向Xに延びる一端縁13および他端縁14とを有するとともに、上面シート2と、下面シート3と、これら上下面シート2,3の間に位置する吸水シート4とを含む。上下面シート2,3は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂によって形成された、疎水性フィルムを用いることができる。吸水シート4は、吸水性のパルプを含み、単位面積当たりの質量を約50g/mとされている。吸水シート4は、ドット、ストライプ、スパイラル、ジグザグ等のパターンに塗布されたホットメルト接着剤等の接着手段によって上下面シート2,3に接合されている。
【0019】
上面シート2は、透液可能な複数の開孔21が形成された開孔領域22と、非開孔領域23とを含む。開孔領域22と非開孔領域23とは、横方向Xに延びる仮想線26を介して隣接し、具体的には、開孔領域22は、両側縁11,12の一部、他端縁14および仮想線26によって画成され、非開孔領域23は、両側縁11,12の一部、一端縁14および仮想線26によって画成されている。この実施形態において、開孔領域22は、上面シート2の全面積の約60%とし、非開孔領域23は約40%としている。開孔領域22における開孔21の開孔率は約10%とされており、開孔21の直径は約0.9mmとされている。開孔21の縦方向Yおよび横方向Xのピッチは、それぞれ約2.5mmとされている。開孔21は、針穴加工によって形成することができ、上面シート2のみに形成することもでき、上面シート2と吸水シート4とを積層させてから形成することもできる。なお、開孔21は、上面シート2の上面から下面へ向かって開孔面積が狭くなるようにテーパ状に形成されていてもよい。
【0020】
非開孔領域23の上面側には、これに重なる印刷シート5が一体的に積層されている。印刷シート5の上面側には、表示要素6として大葉のイラストが印刷されている。印刷シート5は、両側縁11,12、一端縁13および仮想線26よりも縦方向Yおよび横方向X内側に位置し、言い換えれば、非開孔領域23よりも小さくされている。この印刷シート5によって、この発明の表示部分が形成され、印刷シート5の周囲には、上面シート2によって非表示部分25が設けられている。
【0021】
印刷シート5の上面側には、被覆シート7が一体的に積層されている。被覆シート7は、その大きさが非開孔領域23のそれと一致している。すなわち、被覆シート7は、両側縁11,12の一部、一端縁13および仮想線26によって画成された領域に一致する大きさを有している。したがって、この被覆シート7によって印刷シート5および非表示部分25が覆われる。被覆シート7は、ポリプロピレン等の合成樹脂によって形成された疎水性フィルムを用いることができ、被覆シート7の上面側から印刷シート5に印刷された表示要素6を視認できるように透明である。このような被覆シート7は、非表示部分25と重なる部分において、上面シート2と直接対向している。非表示部分25は、印刷シート5の周縁から少なくとも約1mm延出していることが好ましい。
【0022】
上面シート2と被覆シート7とは、非表示部分25において、ラミネート加工によって、水密に接合されている。具体的に、水密に接合された部分は、両側縁11,12、一端縁13および仮想線26に沿ってその内側に形成され、表示要素6の全周を囲うことができる。ラミネート加工としては、エキストルージョン、ドライラミネーション等、種々の加工方法を用いることができる。また、上面シート2と被覆シート7とを水密に接合することができれば、ラミネート加工による接合に限ることなく、その他の公知の技術を用いることができる。
【0023】
上記のような構成によれば、上面シート2には、開孔21を形成しているので、この開孔21を介して食品から流出したドリップが吸水シート4に吸収される。したがって、ドリップシート1の上面シート2に刺身等の食品を載せると、刺身等から流出したドリップを速やかに吸収することができる。開孔領域22の面積を非開孔領域23のそれよりも大きくしたので、吸収面積を大きくすることができ、より一層ドリップを速やかに吸収することができる。開孔領域22と非開孔領域23との面積比および開孔21の開孔率は、食品の種類・量等に応じて設計変更可能である。
【0024】
表示要素6は、非開孔領域23に形成されているので、開孔21から表示要素6へとドリップが直接接触することがない。また、表示要素6の周囲では、非開孔領域23において、上面シート2と被覆シート7とが水密に接合されているので、表示要素6の周囲からドリップが流入するのを防止することができる。表示要素6にドリップが接触することがないので、表示要素6が水溶性のインク、顔料等によって表示されている場合であっても、表示要素6がドリップによって流出するのを未然に防止することができる。なお、前記インク、顔料等の水溶性の材料を用いる場合には、それらが溶出した場合に備え、生理学的および化粧的に許容可能な材料を用いることが好ましい。
【0025】
表示要素6は、ドリップシート1の縦方向Yの一端縁13側に形成されているので、ドリップシート1の上に刺身等の食品を載せたときに、食品の周囲から表示要素6を視認し易くすることができる。表示要素6として大葉の図柄を用いた場合には、刺身の付け合せとしてユーザーに認識されるから、別途、大葉等の生鮮食品を付け合せる必要がない。この発明は、ドリップを吸収し、かつ、食品に彩を添えることができる吸水体を提供することができる。
【0026】
疎水性の下面シート3は、吸水シート4の下面に設けているので、吸水シート4で吸収されたドリップがドリップシート1から漏れるのを防止することができる。このような下面シート3は、完全に液を透過しないもののほか、刺身等の食品を載せた際の圧力によっては、液が透過しない程度のものであってもよい。さらに、下面シート3として、疎水性かつ通気性のシートを用いることができる。具体的には、下面シート3として、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(SMS)繊維不織布、開孔フィルム等を用いることができる。下面シート3を取付けない場合には、吸水シート4の下面から直接ドリップを吸収することができる。
【0027】
ドリップシート1は、略矩形にされているが、例えば、その全体または一部が表示要素6である大葉の形状にされていてもよい。また、被覆シート7から表示要素6が視認できれば、被覆シート7として着色されたシートを用いることもできる。
印刷シート5は、上面シート2の上面側に積層されているが、上面シート2の下面側に積層し、これを被覆シート7で覆ってもよい。この場合には、上面シート2と吸水シート4との間に、印刷シート5および被覆シート7が位置することとなる。
【0028】
(第2の実施形態)
図4〜6は、この発明の第2の実施形態を示す平面図であり、図4は、ドリップシート1の平面図、図5は、図4のV−V線拡大断面図、図6は、図4の分解組立図である。第2の実施形態では、被覆シート7が上面シート2とほぼ同形同大に形成されるとともに、表示要素6が被覆シート7に形成されていることを特徴とする。この特徴以外の構成は、第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と同様の構成要素については、第1の実施形態と同じ符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0029】
被覆シート7は、上面シート2とほぼ同形同大であるので、開孔領域22および非開孔領域23の全域を覆うようにして、上面シート2に重なっている。被覆シート7の下面、すなわち上面シート2と対向する面には、表示要素6が印刷によって形成されている。表示要素6は、非開孔領域23に重なる位置に形成されている。非開孔領域23において、表示要素6と重なる部分が表示部分24であり、表示部分24の周囲に第1実施形態と同効を奏する非表示部分25が設けられている。
【0030】
上面シート2と被覆シート7とは、その全域において第1実施形態で言及したパターン等のホットメルト接着剤等の接着手段によって互いに接合されている。また、非表示部分25において、上面シート2と被覆シート7とを水密に接合している。この接合方法は、第1の実施形態と同様である。この実施形態において、接合される部分は、表示要素6の周囲であって、非開孔領域23を画成する、両側縁11,12、一端縁13および仮想線26よりも内側に形成される。
【0031】
上面シート2と被覆シート7とは、互いに接合された状態において、開孔21が形成され、被覆シート7の開孔21に対応する位置には、開孔71が形成される。食品から流出したドリップは、被覆シート7の開孔71および上面シート2の開孔21を介して、吸水シート4に吸収される。したがって、上面シート2の全域に被覆シート7が一体的に積層された場合であっても、開孔21が塞がれてしまうことはなく、ドリップの吸収を妨げることがない。
【0032】
この実施形態において、表示要素6は被覆シート7に形成されているが、上面シート2に印刷等によって形成することとしてもよい。この場合には、表示部分24は、表示要素6が形成された部分と一致する。また、上面シート2と被覆シート7とを接合した後に、開孔21,71を同時に形成することができるが、これら開孔21,71を別々に形成した後、上面シート2と被覆シート7とを接合するようにしてもよい。さらに、上面シート2、被覆シート7および吸水シート4を一体的に積層させた後に、開孔21,71を形成することとしてもよい。開孔21からのドリップの流入を妨げないようにするために、開孔21と開孔71とは一致して形成されることが好ましい。
【0033】
表示要素6は、ひとつだけ形成されていてもよいし、2以上形成されていてもよい。また、開孔領域22と非開孔領域23とが、それぞれ一箇所ずつ形成されているが、これに限られることなく、これら領域がそれぞれ複数形成されていてもよい。例えば、縦方向Yに分離した開孔領域22の間に非開孔領域23が形成されるようにしてもよい。この場合には、ドリップシート1の中央近傍に非開孔領域23が位置し表示要素6の図形が表示される。ただし、これらいずれの場合においても表示要素6が形成された表示部分の周囲において上面シート2と被覆シート7とが水密に接合される。水密に接合される部分は、被覆シートの端部に沿って形成されても、端部から離間してその内側に形成されてもよい。
【0034】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、下面シート3として、通気性シートを用い、重ねた刺身の間にドリップシート1を挟む使用例について説明する。その他の構成については、第1および第2の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0035】
この実施形態では、図7に示したように、食品トレー10の上にドリップシート1を載せ、ドリップシート1の上に刺身11を載せ、さらに刺身11の上にドリップシート1および刺身12を載せている。すなわち、下層の刺身11の下だけでなく、上層の刺身12と下層の刺身11との間にもドリップシート1を配置させている。したがって、下層の刺身の上にはドリップシート1の下面シート3が接触されている。
【0036】
下面シートとして非通気性のシートを用い、これが刺身に直接接触した場合には、鮮度の低下等によって刺身が変色してしまう可能性があるが、下面シート3を通気性にすることによって、変色を防止することができる。また、上層と下層の刺身11,12の接触を、ドリップシート1で防ぐことで、これらが直接接触することによる変色等を防止することもできる。
【0037】
ドリップシート1の全体における通気性を確保するためには、上面シート2および吸水シート4、被覆シート7も通気性を有するようにすることができる。また、下面シート3として、通気性かつ疎水性を有するシートを用いることもできる。
【0038】
この実施形態において、ドリップシート1の少なくとも開孔領域22が位置する部分での通気抵抗を0.5よりも小さくなるようにしている。通気抵抗値は、Automatic Air−Permeability Tester(カトーテック社製 商品名「KES−F8−AP1」)を用いて測定した。具体的に、サンプル面積2π×10−4の面積に流量4cc/cm/secで定流量空気を放出および吸引し、排気3秒、吸気3秒の圧力損失を半導体差圧ゲージを用いて測定し、積分値を通気抵抗値とした。通気抵抗値は、表1に示す比較例および実施例1〜3のドリップシート1の開孔領域22が位置する部分からサンプルを採取し測定された。
【0039】
比較例および実施例1〜3において、ドリップシート1は、前述の第2の実施形態に示した構成を有するものを用いている。具体的には、ほぼ同形同大の被覆シート7と上面シート2とをラミネート加工によって接合して複合シートとするとともに、これら複合シートと下面シート3との間に吸水シート4が配置されている。被覆シート7の上面シート2と対向する面には、表示要素6が印刷によって形成されている。表示要素6は、上面シート2の非開孔領域23に形成され、非開孔領域23に隣接して開孔領域22が形成されている(図4〜6参照)。
【0040】
上面シート2および被覆シート7としてポリエチレンフィルムを用いている。比較例および実施例1〜3において、ラミネートされた状態における、これらシート2,7の厚さ寸法は約30μmとされている。下面シート3としては、厚さ寸法が約25μmのポリエチレン開孔フィルムを用いている。下面シート3は通気性を有するものである。吸水シート4としては、エアレイド法によって積層されたパルプを用いている。
【0041】
【表1】

【0042】
表1中の鮮度保持の試験は、以下の方法によっておこなった。鮮度保持は、鮮度チェッカー(QS−SOLUTION社製 K値測定機)を用いK値を測定した。試験は、ドリップシートに新鮮なマグロを載せ、密閉容器に入れて5℃の冷蔵庫で保存した。K値は、保存初日の核酸関連物質の量(K0)と、保存一日後の核酸関連物質の量(K1)とを測定し、K=K1−K0を得た。K値が10%以内であれば、鮮度が保持されている状態であると判断し記号○で示し、11〜15%であれば、鮮度がやや落ちている状態であると判断し記号△で示している。なお、16%以上であれば、鮮度が落ちている状態であると判断している。
【0043】
表1中、ドリップシート全体の質量、厚さ、密度のそれぞれは、被覆シート7、上面シート2、吸水シート4、下面シート3との全てが積層された状態であって、開孔領域22が形成された部分における数値を示している。また、質量(g/m)と記載されているのは、単位面積当たりの質量を表すものである。
【0044】
表1から、実施例1〜3であって通気抵抗値が0.2〜0.5の場合に、鮮度が保持される。この結果から、ドリップシート1の少なくとも開孔領域22が位置する部分において、その厚さ方向における通気抵抗値は、0よりも大きく0.5以下であり、好ましくは、0.1以上0.5以下とすることができる。なお、「0よりも大きい」とは、0を含まないことを意味する。
【符号の説明】
【0045】
1 ドリップシート(吸水体)
2 上面シート
3 下面シート
4 吸水シート
5 印刷シート
6 表示要素
7 被覆シート
21 開孔
22 開孔領域
23 非開孔領域
24 表示部分
25 非表示部分
71 開孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面シートと、前記上面シートの下面側に積層された吸水シートとを含むシート状の吸水体において、
前記上面シートは、透液可能な複数の開孔が形成された開孔領域と、非開孔領域とを含み、前記非開孔領域は、前記上面シートの上面側から視認可能な表示要素が位置する表示部分と、前記表示部分の周囲に設けられた非表示部分とを含み、
前記上面シートの上下面のいずれかであって、少なくとも前記非開孔領域には、疎水性の被覆シートが重なって接合され、前記被覆シートと前記上面シートとは、前記非表示部分で水密に接合されることを特徴とする前記吸水体。
【請求項2】
前記表示要素は、前記上面シートおよび前記被覆シートのいずれか一方に印刷によって形成される請求項1記載の吸水体。
【請求項3】
前記表示要素は、前記上面シートおよび前記被覆シートの間に位置する印刷シートに印刷によって形成される請求項1記載の吸水体。
【請求項4】
前記上面シートは、疎水性フィルムによって形成される請求項1〜3のいずれかに記載の吸水体。
【請求項5】
前記上面シートと前記被覆シートとは、ラミネート加工によって接合される請求項1〜4のいずれかに記載の吸水体。
【請求項6】
前記吸水シートの下面側に通気性の下面シートをさらに含む請求項1〜5のいずれかに記載の吸水体。
【請求項7】
前記被覆シートは、前記非開孔領域および前記開孔領域に重なるととともに、前記開孔領域に重なる領域に透液可能な複数の開孔が形成される請求項1〜6のいずれかに記載の吸水体。
【請求項8】
前記開孔領域における前記吸水体の厚さ方向における通気抵抗値が、少なくとも0.5以下とされる請求項1〜7のいずれかに記載の吸水体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−116457(P2011−116457A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109709(P2010−109709)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】