問題作成プログラム、問題作成装置及び問題作成方法
【課題】本発明は、問題どうしの関係を考慮して問題を作成することができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する判定ステップと、前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する加工ステップと、加工された第2の素材を含む問題を作成する問題作成ステップと、前記判定ステップ、加工ステップ、問題作成ステップと同様に、前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、比較結果に基づいて第1の素材を加工して問題を作成するステップと、を含む問題作成プログラムを提供する。
【解決手段】複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する判定ステップと、前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する加工ステップと、加工された第2の素材を含む問題を作成する問題作成ステップと、前記判定ステップ、加工ステップ、問題作成ステップと同様に、前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、比較結果に基づいて第1の素材を加工して問題を作成するステップと、を含む問題作成プログラムを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、問題を作成するための問題作成プログラム、問題作成装置及び問題作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
問題を作成する方法としては、問題の提供者が問題を作成する場合と、問題作成装置が自動的に問題を作成する場合と、が挙げられる。問題の提供者は、例えば教科書や過去の問題を参照し、質問内容及び解答を考えて問題を作成する。一方、問題作成装置が問題を作成する方法が、例えば特許文献1〜3に開示されている。特許文献1では、学習対象となる文字列が装置に入力されると、装置は文字列を品詞分解して解析を行い、特定の品詞の単語を空白に置換して穴埋め問題を作成する。特許文献2では、ハイパーテキスト形式で記述されたテキストデータから、アンカータグに挟まれている用語を抽出し、抽出した用語と問題を生成するための定型文とを組み合わせることで問題を作成する。特許文献3では、特許文献2と同様にアンカータグに挟まれている用語を抽出し、抽出した用語を空白に置換して穴埋め問題を作成する。
【0003】
このように作成された問題は、例えば記憶装置に蓄積される。問題の提供者は、学習の到達度を測るために、記憶装置から複数の問題を選択してテストを作成し解答者に提供する。複数の問題を含むテストは、表示装置に表示されるか、印刷装置により紙に出力されるなどして解答者に提供される。
【特許文献1】特開平6-95583号公報
【特許文献2】特開平11-212440号公報
【特許文献3】特開2000-267553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のように解答者に提供される複数の問題においては、問題どうしの関係が考慮されていない。そのため、ある問題の解答が、別の問題の問題文に含まれてしまう事態が発生する。これにより、解答者は、ある問題の解答が分からない場合でも別の問題を参照することにより解答することができてしまう。
例えば、上記の特許文献1から3の問題作成装置は、各問題をそれぞれ独立に作成するのみであり、問題どうしの関係を考慮していない。一人の問題の提供者が複数の問題を一度に作成する場合には、問題どうしの関係を考慮して各問題を作成することができるかもしれない。しかし、見落としが発生する場合もあり、確実に問題どうしの関係を考慮できない場合もあり得る。さらに、複数の問題の提供者が問題を提供し合う場合には、問題どうしの関係を考慮することが困難である。また、記憶装置から複数の問題を無作為に選択してテストを作成する場合には、問題どうしの関係が考慮されない。
【0005】
このような方法で複数の問題が解答者に提供されると、解答者はある問題の解答を別の問題から取得することができ、解答者の学習の到達度を正確に測ることができない。
そこで、本発明は、問題どうしの関係を考慮して問題を作成することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する、コンピュータが実行する問題作成プログラムを提供する。問題作成プログラムは、以下のステップを含む。
・複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定ステップ。
・前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工ステップ。
・加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成ステップ。
・前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定ステップ。
・前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工ステップ。
・前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成ステップ。
【0007】
このように判定及び加工を経て問題を作成することで、第1の問題が1つの素材により構成されている場合には、第1の素材から作成された第1の問題に対する第1の解答が、第2の素材から作成された第2の問題に現れてしまうのを防ぐことができる。これにより、解答者が、第1の問題に対する解答が分からない場合に、第2の問題により解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。さらに、1つの問題が第1及び第2の素材を含み複数の素材から構成されている場合にも、第1の解答及び第2の解答がその問題中に現れてしまうのを防ぐことができる。なお、第2の問題に対する第2の解答が、第1の問題又は第2の問題そのものに現れてしまうことを防ぐことができることも同様である。
【0008】
さらに、上述の問題作成プログラムでは、第2の素材に第1の解答が含まれている場合には上述のように第2の素材を加工して問題を作成する。逆に、第1の素材に第2の解答が含まれている場合には上述のように第1の素材を加工して問題を作成する。つまり、与えられた第1の素材及び第2の素材を用いて問題を作成する。よって、素材を一から新たに作り直したり、別の素材を新たに選び直したりする必要がなく、効率良く問題を作成することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、問題どうしの関係を考慮して問題を作成することができる技術を提供するができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<言葉の定義>
実施形態で用いる素材、問題、素材及び問題の形式について以下に説明する。
1つの「素材」は、解答者が解答を導き出すための本体を含み、少なくとも1つの解答が存在する。素材は、例えばテキストデータ、画像データ、音声データ及び/またはその組み合わせにより作成される。素材のコンテンツとしては、文字列、化学式、数式、図形、写真、音声などが挙げられる。
【0011】
「問題」は、1又は複数の素材から構成される。また、問題とは、少なくとも素材どうしで一の素材に他の素材の解答が含まれているか否かの判定が行われたデータを言う。問題は、素材と同様に、例えばテキストデータ、画像データ、音声データ及び/またはその組み合わせにより作成され、文字列、化学式、数式、図形、写真、音声などのコンテンツを含む。
【0012】
「素材及び問題の形式」としては次の2つの例が挙げられる。第1の例は、素材及び問題が、解答を導き出すための本体と、解答が挿入されるべき解答箇所と、を含むいわゆる穴埋め形式である。第2の例は、素材及び問題が解答を導き出すための本体のみからなる形式である。以下の実施形態では、第1の例を採り挙げて本発明に係る問題作成装置を説明するが、第2の例についても本発明を適用可能である。
【0013】
<第1実施形態例>
(1)全体構成
図1は、第1実施形態に係る問題作成装置1を含む問題作成システムの一例である。問題作成装置1と複数の端末2(2a、2b、2c・・・)とが、ネットワーク3を介して接続されている。問題作成装置1は問題を作成し提供する装置である。端末2は問題作成装置1が作成した問題の提供を受ける装置である。図1の場合、例えば、端末2が所望の問題数の問題を問題作成装置1に要求すると、問題作成装置は所望の問題数の問題を作成して端末2に提供する。
【0014】
(2)問題作成装置のハードウェア構成
図2は、問題作成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。問題作成装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Memory)12、HDD13(Hard disk drive)、入力I/F(InterFace)14、出力I/F15、通信I/F16、ドライブ17及びバス18を有している。
【0015】
ROM12は、CPU10に問題作成を実行させるための問題作成プログラム及びその他各種制御プログラムなどを記憶している。
HDD13は、複数の素材を記憶している。図2では、HDD13が問題作成装置1に内蔵されている場合を示しているが、外付けのHDDであっても良い。
RAM11:ROM12内の問題作成プログラム及びHDD13内の素材を一時的に記憶する。
【0016】
CPU10は、ROM12に記憶されている問題作成プログラムに基づいて、HDD13に記憶されている素材をRAM11に一時的に記憶させ、RAM11上で素材を加工して問題を作成する。また、CPU10は、後述の入力装置20から入力された解答に基づいて正解又は不正解を決定しても良い。
出力I/F15は、CPU10が作成した問題を出力装置21に供給する。出力装置21としては、表示装置及びスピーカなどが挙げられる。
【0017】
入力I/F14は、入力装置20から入力操作を受け付け、バス18を介してCPU10に操作信号を供給する。入力装置20としては、例えば、キーボード、マウスなどのポインティングデバイス、一組のタッチペン及びタッチペンから手書き入力を受け付けるタブレットからなる手書き入力装置が挙げられる。
通信I/F16は、例えばネットワーク3上の外部DB22と通信を行い、外部DB22に記憶されている素材をRAM11に読み出す。
【0018】
ドライブ17は、光ディスクなどの記録媒体23が装着されており、記録媒体23からのデータの読み出しを行う。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、MO(Magneto Optical disk)、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM(DVD−Random Access Memory)、BD(Blue-ray Disc)、半導体メモリなどが挙げられる。図2では、ドライブ17が問題作成装置1に内蔵されている場合を示しているが、外付けのドライブであっても良い。
【0019】
なお、問題作成装置1には、図2の出力I/F15、出力装置21、入力I/F14及び入力装置20は必ずしも必要では無い。例えば、問題作成装置1は、CPU10が作成した問題を通信I/F16及びネットワーク3を介して端末2に送信するようにしても良い。端末2には、上記入力装置20及び出力装置21と同様の装置が設けられており、出力装置は問題を出力し、入力装置は入力操作を受け付ける。入力装置が受け付けた入力操作に基づいて、端末2、問題作成装置1又は解答を受け取った添削者が解答を添削する。
【0020】
(3)問題作成装置の機能構成
図3は、問題作成装置1の機能構成を示すブロック図である。問題作成装置1のCPU10は、受付部30、選択部31、特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35を含む。問題作成装置1のHDD13は素材記憶部36を含み、問題作成装置1のRAM11は素材リスト37を含む。なお、外部DB22に素材が記憶されている場合、外付けのHDDに予め素材が記憶されている場合などには、受付部30は必ずしも必須ではない。また、特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35が素材記憶部36内から素材を読み出し各種処理を行う場合は、素材リスト37は必ずしも必須ではない。
【0021】
問題作成装置1が図4に示すテストを作成する場合を例に挙げて各機能構成について以下に説明する。図4は、問題作成装置が作成するテストの一例である。図4に示すテストには、複数の問題が含まれている。各問題の形式は、解答を導き出すための本体と、解答が挿入されるべき解答箇所と、を有するいわゆる穴埋め形式である。例えば、図4の(問題1)の場合、“は、武家政権である鎌倉幕府の初代将軍である。”が本体であり、“[ A ]”が解答箇所である。
【0022】
(3−1)受付部
受付部30は、入力装置20から入力I/F14を介して素材を受け付ける。また、受付部30は、外部DB22及び各端末2等から通信I/F16を介して素材を受け付けても良い。なお、素材は、素材の提供者によって作成されても良いし、問題作成装置1の別途の機能部又は端末2の機能部によって自動的に作成されても良い。機能部が自動的に素材を作成する方法としては、例えば、各種教材や辞書等の文字列において、品詞を解析して所定の品詞に対応する語句を解答箇所とする方法が挙げられる。また、HTML(HyperText Markup Language)、SGML(Standard Generalized Markup Language)及びXML(Extensible Markup Language)等の構造化言語により記述された各種教材や辞書等において、アンカータグにより挟まれた語句を解答箇所とする方法が挙げられる。
【0023】
(3−2)素材記憶部
素材記憶部36は、受付部30が受け付けた複数の素材を記憶する。図5は素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例である。素材記憶部36は、例えば分野ID、素材ID及び素材を対応付けて記憶しており、分野ごとに複数の素材を記憶している。各素材は穴埋め式で構成されており、解答者が解答を導き出すための本体と、解答が挿入されるべき解答箇所と、解答箇所及び本体を区切るための区切りマークと、を含む。区切りマークとしては、一例として“[ ]”が用いられている。図5に示す素材の場合、解答箇所には解答が挿入されており、解答箇所及び解答は区切りマークにより挟まれている。例えば、図5の素材ID1001では、“武家政権である鎌倉幕府の初代将軍である。”が本体であり、区切りマーク“[ ]”により囲まれた部分が解答箇所であり、解答箇所に入力されている“源頼朝”が解答である。ここでは、区切りマークとして“[ ]”を用いたが、区切りマークはこれに限定されない。その他の区切りマークとしては、例えばカンマ、コロン、セミコロン、&、#などが挙げられる。
【0024】
図5では、1つの素材には1つの文章が含まれているが、2つ以上の文章が含まれていても良い。また、素材はテキストに限定されないため、素材が文章、音声、数式、化学式、図面及び表等の組み合わせにより構成されていても良い。
(3−3)選択部
まず、選択部31は、入力装置20から入力I/F14を介して、又は端末2から通信I/F16を介して、問題作成の要求、所望の分野及び所望の問題数を受け付ける。選択部31は、受け付けた所望の分野及び所望の問題数に基づいて、素材記憶部36から素材を選択する。例えば、選択部31は、所望の分野を特定し、所望の分野の素材から問題数に相当する素材を任意に選択する。あるいは、選択部31は、選択すべき素材の指定を受け付け、指定された素材を選択しても良い。選択部31は、選択した素材により後述の素材リスト37を作成する。選択部31は、各素材にリストIDを初期値+1から順に付す。初期値は例えば“0000”に設定されているものとし、素材には“0001”から順にリストIDが付される。ここでは、一例として、所望の分野として鎌倉時代の歴史を受け付け、所望の問題数として50問を受け付けているものとする。なお、鎌倉時代の歴史は、分野ID=B001であるものとする。
【0025】
(3−4)素材リスト
素材リスト37は、選択部31が選択した50問の素材を一時的に記憶する。図6は素材リストの一例である。各素材にはリストIDが初期値+1から順に付けられている。素材リスト37は、例えばリストID、素材ID及び素材を対応付けて記憶している。素材リスト37に記憶された素材は、後述の処理を経て加工されて問題となる。
【0026】
(3−5)特定部
特定部32は、素材リスト37内の複数の素材において、解答者が解答を導き出すための本体と、を区切りマークに基づいて特定する。本実施形態では、解答箇所に解答が含まれるため、特定部32は、区切りマークに基づいて本体のみならず解答も特定する。特定部32は、例えば図7に示すように本体及び解答を特定した結果を素材リスト37に格納する。図7は、各素材における本体及び解答を示す一覧である。図7では素材の欄は省略したが、図6のリストID、素材ID及び素材に加えて、本体及び解答が対応付けて記憶される。
【0027】
本体と解答箇所とが一体であるいわゆる穴埋めの形式の素材であっても、区切りマークを用いれば素材において本体及び/又は解答を容易に特定し、一方の素材の解答が他方の素材の本体に含まれているか否かを判定することができる。
(3−6)判定部
判定部33は、素材リスト37内の複数の素材のうち第1の素材と、複数の素材のうち第1の素材とは異なる第2の素材と、について一方の解答が他方の本体に含まれているか否かを判定する。このとき、判定部33は、特定部32が特定した本体及び解答に基づいて判定を行う。つまり、第1の素材についての解答である第1の解答と、第2の素材の本体と、を比較し、第1の解答が第2の素材の本体に含まれているか否かを判定する。逆に、第2の素材についての解答である第2の解答と、第1の素材の本体と、を比較し、第2の解答が第1の素材の本体に含まれているか否かを判定する。
【0028】
例えば、判定部33が、リストID=0001の第1の素材と、リストID=0002の第2素材と、を比較する場合について説明する。判定部33は、特定部32の特定結果に基づき、第1の素材の第1の解答である“源頼朝”が、第2の素材の本体である“1192年、源頼朝は”及び“に任命された”に含まれるか否かを判定する。ここで、第1の解答である“源頼朝”は、第2の素材の本体である“1192年、源頼朝は”に含まれている。逆に、判定部33は、第2の素材の解答である“征夷大将軍”が、第1の素材の本体である“武家政権である鎌倉幕府の初代将軍である。”に含まれるか否かを判定する。ここで、第2の解答は第1の素材の本体には含まれていない。
【0029】
判定部33は、このような第1の素材と第2の素材との判定を全ての素材どうしについて行う。つまり、複数の素材のそれぞれを次々に第1の素材とし、複数の素材のうち第1の素材以外の素材のそれぞれを次々に第2の素材とし、第1の素材と第2の素材とを判定する。これにより、複数の素材の任意の組み合わせ全てについて、他の素材の解答が一の素材に含まれているか否か及びその逆を判定することができる。
【0030】
判定部33は、判定結果を例えば図6に示す素材リスト37に追加する。図8(a)、(b)は、素材リスト37に判定結果が追加される様子を示す一覧である。図8(a)、(b)に示すように、各リストID、素材ID及び素材に、判定結果が対応付けられている。判定結果には、どの素材のどの解答が、別の素材の本体に含まれているかが記述される。この判定結果から、例えば、リストID=0003の素材の本体には、リストID=0010の素材の解答である“壇ノ浦”が含まれていることが分かる。
【0031】
なお、判定結果は1つとは限らず、2つ以上ある場合もある。例えば、図8(a)が、リストID=0004の素材と、リストID=0001〜0015の素材と、を判定した結果であるとする。次に、リストID=0004の素材と、リストID=0015の素材と、を判定すると、図8(b)に示すように判定結果が図8(a)よりも増加する。つまり、リストID=0004の素材の本体には、リストID=0001の素材の解答である“源頼朝”のみならず、リストID=0015の素材の解答である“源範頼”も含まれている。
【0032】
(3−7)加工部
加工部34は、判定結果に基づいて各素材を加工する。第2の素材の本体に第1の素材の解答である第1の解答が含まれている場合、第2の素材中の第1の解答を第1代替データにより置換する。又は第2の素材中の第1の解答に第1代替データを上乗せする。第1代替データとは、第1の解答の代替となるデータである。第1代替データには、解答欄データや装飾データが含まれる。解答欄データとしては、空欄や1組の括弧など解答欄、空欄及び1組の括弧内に各種番号を付した解答欄などが挙げられる。装飾データとしては、網がけや塗りつぶしなどが挙げられる。第2素材中の第1の解答を第1代替データにより置換した場合には、第2の素材中に解答が残らない。一方、第2素材中の第1の解答に第1代替データを上乗せした場合には、第2の素材中に解答が残っているが、第1代替データが例えば最前面のレイヤーに表示されていてその背面にある第1の解答を視認することができない。
【0033】
同様に、第1の素材の本体に第2の素材の解答である第2の解答が含まれている場合、第1の素材中の第2の解答を第2代替データにより置換する。第2代替データとは、第2の解答の代替となるデータであり、上述と同様に解答欄データ及び装飾データを含む。
このように一の素材の本体に含まれる他の素材の解答を代替データにより置換又は上乗せすることで、他の素材の解答のヒントを一の素材により与えないように素材を加工することができる。
【0034】
次に、図9を用いて具体的に素材の加工の様子を説明する。図9(a)、(b)は、加工部34により素材が加工される様子を示す素材リストの一例である。まず、加工部34は、図9(a)に示すように、例えば判定結果に基づいて一の素材中において他の素材の解答を特定する。加工部34は、例えばリストID=0003の素材の本体において、“壇ノ浦”を特定する。“壇ノ浦”は、リストID=0003のレコードにおいて、判定結果の“解答”の欄に示すように、別の素材の解答である。加工部34は、“壇ノ浦”を区切りマーク“[ ]”で囲み、素材の本体と区別する。同様の処理をその他の素材についても行う。
【0035】
次に、加工部34は、一の素材中において特定した別の素材の解答を、代替データにより置換又は別の素材の解答に代替データを上乗せする。例えば図9(b)に示すように、代替データとして、空欄に仮番号を付した解答欄データを用いる。仮番号とは、後述の問題作成部35において解答番号が付与されるまでの仮の番号を意味する。仮番号は特に限定されないが、ここでは仮番号として、仮(i)、仮(ii)、仮(iii)・・・を用いている。なお、区切りマークは、解答とともに代替データにより置換又は上乗せされても良い。あるいは、区切りマークは、解答が代替データにより置換又は上乗せされる際に削除されても良い。加工部34が各素材に施した加工は、図9(b)に示すように素材リスト37に記憶される。さらに、加工部34は、仮番号と判定結果とを対応付けて素材リスト37に記憶させる。
【0036】
なお、図9(a)の処理は必須ではなく、区切りマークを施すことなく、判定結果に基づいて即座に素材を加工するようにしても良い。
また、一の素材中に他の素材の解答が含まれていない場合、加工部34は一の素材を加工しない。一の素材が他の素材の解答を含まない場合には、一の素材を加工することなくそのまま問題とすることができる。
【0037】
(3−8)問題作成部
問題作成部35は、加工部34が加工した素材を含む問題を作成する。問題作成部35は、一の素材において、一の素材に対する解答が挿入されるべき解答箇所を代替データにより置換又は上乗せする。
ここで、図9(a)、(b)等に示すように、本実施形態では、解答箇所には区切りマーク及び解答の組み合わせが挿入されている。よって、本実施形態では、一の素材において、一の素材に対する解答を代替データにより置換又は上乗せする。代替データは前述と同様の定義である。このとき、問題作成部35は解答番号が付された解答欄データを代替データとして用いる。これにより、解答者は、解答番号に基づいて所定の箇所に解答を記入することができる。なお、解答番号とは、各解答箇所に付す番号である。なお、区切りマークは、解答とともに代替データにより置換又は上乗せされても良いし、あるいは、解答が代替データにより置換又は上乗せされる際に削除されても良い。
【0038】
また、問題作成部35は、各リストIDごとに問題番号を付与する。問題番号とは各問題ごとに付す番号である。さらに、問題作成部35は、加工部34が付した仮番号を判定結果に基づいて解答番号に変更する。一の素材をAとし他の素材をBとすると、ここで言う仮番号とは、一の素材A中に含まれる、他の素材Bの解答bに付された番号である。また、ここでいう解答番号とは、前記他の素材Bにおいて、前記他の素材Bの解答bに付された番号である。仮番号を解答番号に変更するとは、一の素材Aに、他の素材Bの解答bが含まれている場合、前記仮番号を前記解答番号に変更することを言う。
【0039】
問題作成部35が各素材に施した加工は、図10(a)、(b)に示すように素材リスト37に記憶される。図10(a)、(b)は、問題作成部35により素材が加工される様子を示す素材リストの一例である。図10(a)に示すように、問題作成部35は、各リストIDごとに問題番号(1)、(2)、(3)・・・を付している。また、問題作成部35は、各素材の解答を代替データにより置換する。代替データには、解答番号(a)、(b)、(c)・・・が付された解答欄データが用いられている。例えば、図10(a)においてリストID=0003の素材の解答である“平氏”は(c)が付された解答欄データにより置換されている。区切りマーク“[ ]”は“平氏”とともに解答欄データにより置換されるか、削除される。
【0040】
さらに、問題作成部35は、仮(i)、仮(ii)、仮(iii)・・・の仮番号を、解答番号に変更する。例えば、図10(a)においてリストID=0002の素材の本体に含まれる“源頼朝”には仮(i)が付されている。ここで、判定結果を参照すると、“源頼朝”はリストID=0001の素材の解答である。さらに、リストID=0001の素材では、“源頼朝”には解答番号(a)が付されている。そこで、問題作成部35は、仮(i)の仮番号を(a)の解答番号に変更する。
【0041】
このように、一の素材についての解答と、他の素材に含まれている一の素材の解答と、が一致することを、解答番号及び問題番号などの参照記号を用いて示す。よって、解答者は、解答番号及び問題番号などの参照記号を参照することで、一の素材についての解答と、他の素材に含まれている一の素材の解答と、が同じであることを把握することができる。例えば、一の素材に他の素材の複数の解答が含まれており、この複数の解答を解答欄などの代替データに置換すると、一の素材中の解答欄が複数になり、問題として意味をなさなくなる場合がある。このような場合でも、他の素材の解答と同一であることに基づいて、着目している問題に対する解答を導き出すことができる。
【0042】
なお、一の素材に他の素材の解答が含まれていない場合、一の素材は加工されず、問題作成部35は、加工されていない一の素材をそのまま問題とすることができる。
また、本実施形態では、1つの素材から1つの問題を作成するが、複数の素材を組み合わせて1つの問題を作成しても良い。
(4)処理の流れ
次に、図11、図12A〜図12B、図13A〜図13Cを参照し、問題作成装置1が実行する処理について説明する。
【0043】
(4−1)メイン処理
図11は、問題作成装置1のCPU10が実行するメイン処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば問題作成の要求を問題作成装置1が受け付けると、以下の処理が開始される。
ステップ1:CPU10は、問題作成の要求を受け付けると、まず判定処理を実行する。CPU10は、判定処理では、複数の素材の中から2つずつ素材を採り上げ、一方の素材の解答が他方の素材の本体に含まれているか否かを判定する。
【0044】
ステップ2:CPU10は、判定処理が終了すると、問題作成処理を実行する。CPU10は、問題作成処理では、判定処理での判定結果に基づいて、素材の加工を行い問題を作成する。
(4−2)判定処理
(i)判定処理の全体処理
図12A〜図12Bは、問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず図12Aを用いて判定処理の全体処理について説明する。
【0045】
ステップS100:選択部31は、入力装置20から入力I/F14を介して、又は端末2から通信I/F16を介して、所望の分野及び所望の問題数を受け付ける。
ステップS101:選択部31は、所望の分野及び所望の問題数分の素材を素材記憶部36から選択する。
ステップS102:選択部31は、選択した各素材にリストIDを初期値+1から順に付け素材リスト37を作成する。
【0046】
ステップS103:判定部33は、第1リストIDを初期値である“0000”に設定する。第1リストIDとは、素材リスト37内の複数の素材のうちいずれかである第1の素材を特定するためのリストIDである。
ステップS104:判定部33は、第1リストIDをインクリメントする。判定部33は、例えば現在の第1リストIDに“1”を加算する。現在の第1リストIDが“0002”の場合、インクリメント後には第1リストIDは“0003”となる。
【0047】
ステップS105:特定部32は、素材リスト37内において第1リストIDに基づいて第1の素材を特定する。さらに、特定部32は、第1の素材について、解答者が解答を導き出すための本体と、解答と、を特定する。本実施形態の場合、特定部32は、素材には本体及び解答が含まれるため、本体及び解答を区切りマークに基づいて特定する。
ステップS106:特定部32により本体及び解答の特定が行われると、処理Aが実行される。処理Aでは、素材リスト37内の複数の素材から第2の素材が特定され、第1の素材と第2の素材とが比較され、一方の解答が他方の本体に含まれているか否かが判定される。ここで、第2の素材とは、複数の素材のうち、第1リストIDで特定された第1の素材以外の素材を言う。
【0048】
ステップS107:処理Aの終了後、判定部33は、第1リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。最終のリストIDとは、第1リストIDが“0001”から順に、問題数に相当する回数だけインクリメントされたときのリストIDである。具体的には、最終のリストIDは、素材リスト37内の最終の素材に付けられたリストIDを言う。問題数が50問である場合は、最終のリストIDは“0050”となる。
【0049】
第1リストIDが最終のリストIDである場合は、判定処理を終了しメイン処理に戻る。一方、第1リストIDが最終のリストIDでない場合は、ステップS104に戻り、判定部33は第1リストIDをインクリメントする。
(ii)判定処理内の処理A
次に、図12Bを用いて処理Aについて説明する。
【0050】
ステップS110:判定部33は、第2リストIDを初期値である“0000”に設定する。第2リストIDとは、素材リスト37内の複数の素材のうち、第1リストIDで特定された第1の素材以外の第2の素材を特定するためのリストIDである。
ステップS111:判定部33は、第2リストIDをインクリメントする。判定部33は、例えば現在の第2リストIDに“1”を加算する。
【0051】
ステップS112:判定部33は、第2リストIDと第1リストIDとが同じであるかを判定し、これらのリストIDが同じである場合はステップS111に戻り第2リストIDをさらにインクリメントする。一方、これらのリストIDが異なる場合は、ステップS113に進む。この処理により、第2の素材として、第1の素材以外の素材を抽出可能となる。
【0052】
ステップS113:特定部32は、素材リスト37内において第2リストIDに基づいて第2の素材を特定し、第2の素材について本体及び解答を特定する。
ステップS114:判定部33は、第1の素材についての解答である第1の解答と、第2の素材の本体と、を比較し、第1の解答が第2の素材の本体に含まれているか否かを判定する。なお、逆に、判定部33は、第2の素材についての解答である第2の解答と、第1の素材の本体と、を比較し、第2の解答が第1の素材の本体に含まれているか否かを判定しても良い。
【0053】
ステップS115:判定部33は、第1の解答が第2の素材の本体に含まれている場合、素材リスト37に判定結果を格納する。
ステップS116:判定部33は、第2リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。最終のリストIDとは、第2リストIDが“0001”から順に、問題数に相当する回数だけインクリメントされたときのリストIDである。具体的には、最終のリストIDは、素材リスト37内の最終の素材に付けられたリストIDを言う。
【0054】
第2リストIDが最終のリストIDである場合は、処理Aを終了し判定処理に戻る。一方、第2リストIDが最終のリストIDでない場合は、ステップS111に戻り、判定部33は第2リストIDをインクリメントする。
ステップS110〜ステップS116の処理により、素材リスト37内のいずれかの第1の素材と、素材リスト内の第1の素材以外の全ての第2の素材と、を比較し判定することができる。さらに、ステップS103〜ステップS107の処理により、素材リスト37内の全ての素材同士について、一の素材以外の他の素材の解答が、一の素材に含まれているか否かを判定することができる。
【0055】
(4−3)問題作成処理
図13A〜図13Cは、問題作成装置1のCPU10が実行する問題作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下において、リストIDを初期値に設定する処理、リストIDをインクリメントする処理、リストIDを最終のリストIDと比較する処理は、ステップS103、S104及びS107と同様の処理であるので説明を簡略化する。
【0056】
(i)ステップS200〜S205
まず、図13Aを用いてステップS200〜S205について説明する。
ステップS200:加工部34は、リストIDを初期値に設定し、かつ仮番号(L)を初期値に設定する。仮番号(L)とは解答番号が付与されるまでの仮の番号であり、初期値として例えば仮番号(0)が設定される。
【0057】
ステップS201:加工部34はリストIDをインクリメントする。
ステップS202、S203:加工部34は素材リスト37において該当するリストIDの素材を特定する。加工部34は、特定された素材についての判定結果を参照し(S202)、該当する素材の本体に他の素材の解答が含まれている場合は、仮番号(L)をインクリメントする(S203)。該当する素材の本体に他の素材の解答が含まれていない場合は、ステップS205に進む。
【0058】
ステップ204:加工部34は、該当する素材の本体に他の素材の解答が含まれている場合、該当する素材中の他の素材の解答を代替データにより置換する。又は加工部34は、該当する素材中の他の素材の解答に代替データを上乗せする。なお、加工部34は、空欄に仮番号(L)を付して代替データとする。
ステップS205:加工部34は、リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。
【0059】
リストIDが最終のリストIDである場合は、ステップS206に進む。一方、加工部34は、リストIDが最終のリストIDでない場合は、ステップS201に戻り、リストIDをインクリメントする。
上記ステップS200〜S205の処理により、該当の素材において、他の素材の解答を代替データにより置換又は上乗せすることで他の素材の解答が隠される。よって、他の素材の解答のヒントを与えないように該当の素材を加工することができる。
【0060】
(ii)ステップS206〜S213
次に、図13Bを用いてステップS206〜S213について説明する。
ステップS206:問題作成部35は、リストID、問題番号(M)、解答番号(N)を初期値に設定する。問題番号(M)とは各問題ごとに付す番号であり、解答番号(N)とは各解答箇所に付す番号である。問題番号(M)及び解答番号(N)の初期値としては例えば問題番号(0)及び解答番号(0)が設定される。
【0061】
ステップS207、S208:問題作成部35は、リストIDをインクリメントするとともに(S207)、問題番号(M)をインクリメントする(S208)。
ステップS209:問題作成部35は、該当するリストIDの素材に問題番号を付与する。
ステップS210:問題作成部35は、該当の素材中の解答箇所について、解答番号が付与されていない解答箇所があるか否かを判定する。解答番号が付与されていない解答箇所がある場合はステップS211に進む。そうでない場合はステップS213に進む。
【0062】
ステップS211:問題作成部35は、解答番号(N)をインクリメントする。
ステップS212:問題作成部35は、該当の素材において、該当の素材に対する解答が挿入されるべき解答箇所を、代替データにより置換又は上乗せする。なお、問題作成部35は、空欄に解答番号(N)を付して代替データとする。
ステップS213:問題作成部35は、リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。リストIDが最終のリストIDである場合は、ステップS214に進む。一方、問題作成部35は、リストIDが最終のリストIDでない場合は、ステップS207に戻り、リストIDをインクリメントする。
【0063】
上記ステップS206〜S213の処理により、該当の素材において、該当の素材の解答を代替データにより置換又は上乗せし、素材を問題として加工することができる。
(ii)ステップS214〜S219
次に、図13Cを用いてステップS214〜S219について説明する。
ステップS214:問題作成部35は、リストIDを初期値に設定する。
【0064】
ステップS215:問題作成部35は、リストIDをインクリメントする。
ステップS216:問題作成部35は、該当の素材が、仮番号を含む代替データを有するか否かを判定する。該当の素材が、仮番号を含む代替データを有する場合は、ステップS218に進む。そうでない場合はステップS217に進む。
ステップS217:問題作成部35は、リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。リストIDが最終のリストIDである場合は、問題作成ルーチンを終了しメイン処理に戻る。そうでない場合は、ステップS215に戻り、リストIDをインクリメントする。
【0065】
ステップS218:問題作成部35は、同一の解答を有する他の素材の解答番号を取得する。つまり、問題作成部35は、該当の素材に含まれている他の素材の解答について、他の素材において付された解答番号に取得する。
ステップS219:問題作成部35は、該当の素材に含まれている他の素材の解答に付された仮番号を、他の素材の解答に付された解答番号に変更する。
【0066】
(5)作用効果
このように判定及び加工を経て問題を作成することで、一の問題が1つの素材により構成されている場合には、一の素材から作成された一の問題に対する解答が、他の素材から作成された他の問題に現れてしまうのを防ぐことができる。これにより、解答者が、一の問題に対する解答が分からない場合に、他の問題により解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。さらに、一の問題が複数の素材から構成されている場合にも、複数の素材の複数の解答がその問題中に現れてしまうのを防ぐことができる。
【0067】
よって、解答者が、ある問題に対する解答が分からない場合に、他の問題又はその問題中を参照することで解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。問題の提供者は、解答者の正確な学力を把握することができる。解答者もまた、自身の本来の学力では解答することが出来ないであろう問題や間違うであろう問題を把握することができる。
さらに、一の素材に他の素材の解答が含まれている場合には上述のように一の素材を加工して問題を作成する。つまり、与えられた素材を用いて問題を作成する。よって、素材を一から新たに作り直したり、別の素材を新たに選び直したりする必要がなく、効率良く問題を作成することができる。
【0068】
また、本実施形態では、素材記憶部36に予め複数の素材を用意しておき、選択部31は、1つ又は複数の問題を作成するための複数の素材を選択をする。あらかじめ素材を蓄積しておけば、問題が必要となったときに素材を新たに作成せずとも、蓄積された素材を用いて問題を作成することができる。
<第2実施形態例>
前述の第1実施形態例では、素材記憶部36に少なくとも2以上の素材が予め記憶されている。この素材記憶部36から、問題数に相当する素材を選択部31が選択して、判定・加工・問題作成が行われる。一方、第2実施形態例は、素材記憶部36に1つの新たな素材が書き込まれる度に、判定・加工・問題作成が行われる。
【0069】
第2実施形態例における全体構成及び問題作成装置のハードウェア構成は第1実施形態例と同様であるので説明を省略する。
(1)問題作成装置1の機能構成
問題作成装置1の機能構成を示すブロック図は第1実施形態の図3と同様である。
受付部30は、新たな素材を受け付けると、新たな素材を素材記憶部36に書き込む。受付部30は、選択部31に新たな素材を受け付けた旨の通知を行う。なお、選択部31は、問題作成の要求及び所望の問題数を受け付け、かつ受付部30から新たな素材を受け付けた旨の通知を受け取ると、素材記憶部36に書き込まれた新たな素材を取り出す。選択部31は、取り出した新たな素材を素材リスト37に追加する。
【0070】
なお、選択部31は、さらに所望の分野を受け付けても良い。素材記憶部36に書き込まれた最新の素材が所望の分野の素材である場合には、最新の素材を取り出す。そうでない場合は、選択部31は、所望の分野の素材を新たに受け付けるまで待機する。
特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35は、新たな素材と、既に素材記憶部36に記憶されているそれぞれの素材と、を比較し、判定・加工・問題作成を行う。既に素材記憶部36に記憶されている素材とは、新たな素材が素材記憶部36に追加される前に素材記憶部36に記憶されている素材を言う。
【0071】
(2)処理の流れ
メイン処理及び問題作成処理は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。以下に、判定処理について説明する。
(i)判定処理の全体処理
図14A〜図14Bは、問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず図14Aを用いて判定処理の全体処理について説明する。
【0072】
ステップS300:選択部31は、入力装置20から入力I/F14を介して、又は端末2から通信I/F16を介して、所望の問題数を受け付ける。
ステップS301:選択部31が受付部30から新たな素材を受け付けた旨の通知を受け取ると、ステップS302に進む。そうでない場合はステップS300に戻り、選択部31は、受付部30が新たに素材を受け付けるまで待機する。
【0073】
ステップS302:選択部31は、素材リスト37の最終のリストIDを取得する。ここで、素材リスト37内の各素材に、リストIDが例えば“0001”、“0002”、“0003”、というように順に付けられているとする。最終のリストIDとは、素材リスト37内の最終の素材に付けられたリストIDを言う。
ステップS303:選択部31は、取得した最終のリストIDに“1”をインクリメントする。
【0074】
ステップS304:選択部31は、新たな素材と、インクリメント後の最終のリストIDと、を対応付けて素材リスト37に追加する。
ステップS305:判定部33は、第1リストIDを最終のリストIDに設定する。ここで、第1リストIDとは、新たな素材を特定するためのリストIDである。
ステップS306:特定部32は、素材リスト37内において第1リストIDに基づいて、新たな素材である第1の素材を特定する。さらに、特定部32は、第1の素材について、解答者が解答を導き出すための本体と、解答と、を区切りマークに基づいて特定する。
【0075】
ステップS307::特定部32により本体及び解答の特定が行われると、処理Bが実行される。処理Bでは、まず、素材リスト37内に既に記憶されている素材から第2の素材が特定される。次に、新たな素材である第1の素材と、第2の素材と、が比較され、一方の解答が他方の本体に含まれているか否かが判定される。ここで、第2の素材とは、新たな素材が素材記憶部36に追加される前に素材記憶部36に記憶されている素材のいずれかの素材を言う。
【0076】
ステップS308:処理Bの終了後、判定部33は、第1リストIDが所望の問題数に相当するリストIDであるかを判定する。ここで、第1リストIDはステップS305において最終のリストIDに設定されている。最終のリストIDが所望の問題数に相当するリストIDである場合には、素材リスト37には問題数に相当する素材が記憶されており、所望の問題数の問題を作成可能な状態となっている。
【0077】
(ii)判定処理内の処理B
次に、図14Bを用いて処理Bについて説明する。
ステップS310:判定部33は、第2リストIDを初期値である“0000”に設定する。第2リストIDとは第2の素材を特定するためのリストIDである。
ステップS311:判定部33は、第2リストIDをインクリメントする。
【0078】
ステップS312:特定部32は、素材リスト37内において第2リストIDに基づいて第2の素材を特定し、第2の素材について本体及び解答を特定する。
ステップS313:判定部33は、第1の素材についての解答である第1の解答と、第2の素材の本体と、を比較し、第1の解答が第2の素材の本体に含まれているか否かを判定する。逆に、判定部33は、第2の素材についての解答である第2の解答と、第1の素材の本体と、を比較し、第2の解答が第1の素材の本体に含まれているか否かを判定する。
【0079】
ステップS314:判定部33は、第1の解答が第2の素材の本体に含まれている場合、あるいは、第2の解答が第1の素材の本体に含まれている場合、素材リスト37に判定結果を格納する。
ステップS315:判定部33は、第2リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。第2リストIDが最終のリストIDである場合は、処理Bを終了し判定処理に戻る。そうでない場合は、ステップS311に戻り、判定部33は第2リストIDをインクリメントする。
【0080】
なお、新たな素材が素材記憶部36に書き込まれた時点で、素材記憶部36に他の素材が記憶されていない場合もあり得る。その場合には、ステップS312において第2の素材の本体及び解答が特定できない。そのため、ステップS313においてNoの判定がなされ、さらにステップS315においてYesの判定がなされ、判定処理に戻る。
(3)作用効果
第2実施形態では、新たな素材を受け付ける度に、新たな素材と、既に受け付けている素材と、を比較し、判定・加工・問題作成を行う。
【0081】
全ての素材の受け付けを終了してから、全ての素材どうしについて解答が素材に含まれているか否かを判定するよりも、素材を受け付ける度に判定を行う方が処理を時間的に分散することができる。
例えば、所望の問題数が“4”であり、素材リスト37に例えば3つの素材(素材1、素材2、素材3)が順に記憶され、新たな素材が4つめの素材(素材4)として素材リスト37に追加されたとする。
【0082】
所望の問題数に相当する4つの素材が揃ってから各素材どうしを比較して判定した場合には、判定の終了時間は次の通りである。なお、判定は組み合わせは次の12通りである。
(a)素材1の解答と素材2〜4の本体との判定の3通り。
(b)素材2の解答と素材1,3〜4の本体との判定の3通り。
【0083】
(c)素材3の解答と素材1〜2,4の本体との判定の3通り。
(d)素材4の解答と素材1〜3の本体との判定の3通り。
1通りの判定に要する時間をΔtとすると、上記12通りの判定には12×Δtの時間を要する。よって、新たな素材4が追加された時点をt1とすると、判定の終了時間はt1+12×Δtとなる。
【0084】
一方、新たな素材が追加される度に各素材どうしを比較して判定した場合には、判定の終了時間は次の通りである。新たな素材が追加されるまでに既に素材リスト37に記憶された素材どうしについては、判定が終了している場合を考える。つまり、既に素材1〜3の素材どうしについては判定が終了している。そのため、新たな素材が追加された後には、次の判定のみを行えばよい。
【0085】
(e)新たな素材4の解答と素材1〜3の本体との判定の3通り。
(f)新たな素材4の本体と素材1〜3の解答との判定の3通り。
よって、新たな素材4が追加された時点をt1とすると、判定の終了時間はt1+6×Δtとなる。このように、新たな素材が追加されてから全ての素材+について判定するよりも、新たな素材が追加される度に判定を行う方が、新たな素材を受け付けてから問題が完成するまでの待ち時間を短縮することができる。問題数が多くなればなるほど処理が分散され、待ち時間の短縮効果が大きくなる。
【0086】
<第3実施形態例>
第3実施形態例では、第1実施形態例及び第2実施形態例を組み合わせる。問題作成装置1は、素材記憶部36から複数の素材を選択し、複数の素材どうしについて判定を行う。さらに、問題作成装置1は、素材記憶部36に1つの新たな素材が書き込まれる度に判定を行う。問題作成装置1による問題作成が開始された時に、所望の問題数に相当する素材、所望の分野の素材及び指定された素材が、まだ素材記憶部36に記憶されていない場合に有効である。
【0087】
第3実施形態例における全体構成、問題作成装置のハードウェア構成及び機能構成は第1実施形態例と同様であるので説明を省略する。
選択部31は、所望の問題数に相当する素材を素材記憶部36から選択する。このとき、素材記憶部36に記憶されている素材の素材数が、所望の問題数に到達していないとする。あるいは、素材記憶部36には、所望の分野における素材の素材数が、所望の問題数に到達していないとする。あるいは、素材記憶部36には、指定された素材がまだ記憶されていないとする。そこで、選択部31は、素材記憶部36内の全ての素材、所望の分野の全ての素材又は指定された素材のうち記憶されている素材を、素材記憶部36から取り出し、素材リスト37を作成する。特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35は、素材リスト37内の全ての素材について判定・加工・問題作成を行う。
【0088】
受付部30が新たな素材を受け付け、素材記憶部36に新たな素材が書き込まれると、選択部31は新たな素材を素材記憶部36から取り出し、素材リスト37に追加する。なお、新たな素材が、所望の分野の素材でない場合、指定された素材でない場合などは、受付部30はさらに新たな素材を待機する。特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35は、新たな素材と、既に素材記憶部36に記憶されているそれぞれの素材と、を比較し、判定・加工・問題作成を行う。
【0089】
問題作成装置1は、問題数が所望の問題数に到達すると処理を終了する。
処理の流れは第1実施形態及び第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
判定・加工・問題作成が可能な素材について処理を行っておき、所望の新たな素材が追加される度に新たな素材と既存の素材とについてさらに処理を行う。よって、第2実施形態と同様に処理を分散させることができる。
【0090】
<その他の実施例>
(1)変形例1
第1実施形態例では、素材記憶部36から所望の問題数に相当する複数の素材が選択され、複数の素材の任意の組み合わせ全てについて判定が行われる。しかし、選択された複数の素材を、少なくとも2つの素材を含む複数の素材群に分け、素材群ごとに判定を行って問題を作成しても良い。
【0091】
例えば、選択部31が所望の問題数として80問を受け付けたとする。また、予め、素材群を構成する素材の素材数が20問と設定されているとする。なお、素材群は少なくとも2以上の素材を含むものとする。選択部31は、素材記憶部36から80問の素材を取り出し、素材群の素材数の設定に基づいて、取り出した80問の素材を20問毎の4つの素材群に分ける。選択部31は、各素材群を構成する素材が明確になるように素材リスト37を作成する。例えば、選択部31は、各素材群ごとにそれぞれ別の素材リストを作成する。又は、選択部31は、各素材群を識別するための素材群IDと素材とを対応付けた素材リストを作成する。
【0092】
特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35は、素材群ごとに判定・加工・問題作成を行う。つまり、特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35は、一の素材群に含まれる素材どうしについて、一の素材に対する解答が他の素材に含まれているか否かを判定し、判定結果に基づいて20問の問題を作成する。4つの素材群についてそれぞれ判定・加工・問題作が行われることで合計80問の問題が作成される。
【0093】
なお、異なる素材群に含まれる素材どうしについては判定・加工・問題作成は行われない。
判定を行う素材数が多い場合、ある素材に別の複数の素材に対する複数の解答が含まれることとなる場合がある。このような場合に、別の素材の解答が現れないようにある素材を加工して問題を作成すると、問われている内容を把握できなくなってしまう。上記の通り、判定を行う範囲を限定することで、問われている内容を把握できるように問題を作成することができる。
【0094】
なお、素材群を構成する素材の素材数は予め設定されている必要は無い。例えば、選択部31が、分ける素材群の数、あるいは1つの素材群を構成する素材数を受け付けても良い。
(2)変形例2
上記実施形態では、素材は、解答者が解答を導き出すための本体と、解答と、解答及び本体を区切る区切りマークである“[ ]”と、を含む穴埋め形式で構成されている。穴埋め形式の素材の構成はこれに限定されず、例えば次のような構成も可能である。
【0095】
(a)
図15は素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例である。素材記憶部36は、例えば分野ID、素材ID及び素材を対応付けて記憶している。素材は、本体と、解答と、区切りマークと、を含む。区切りマークは、区切りマークの開始位置を示す“&”の記号と、解答の文字数と、区切りマークの終了位置を示す“;”の記号と、からなる。例えば、素材ID=1002の素材を参照すると、区切りマークは“&5;”である。よって、区切りマーク“&5;”の位置が解答が挿入されるべき位置であり、解答として“&5;”以降の5文字の“征夷大将軍”が挿入されるべきであること分かる。
【0096】
(b)
図16は素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例である。素材記憶部36は、例えば分野ID、素材ID、素材、解答欄ID及び解答を対応付けて記憶している。素材は、本体と、解答欄IDと、区切りマークと、を含む。区切りマークとしては、一例として“[ ]”が用いられており、解答欄IDは区切りマークにより挟まれている。例えば、素材ID=1002の素材を参照すると、解答欄IDの“A1002”が区切りマークの“[ ]”により挟まれている。また、解答欄IDの“A1002”と、解答である“征夷大将軍”とが対応付けられている。よって、素材ID=1002の素材において、“A1002”の位置には、解答として“征夷大将軍”が挿入されるべきであること分かる。
【0097】
なお、ここでは、解答欄IDと解答とを対応付けているが、各解答を識別可能な識別子であれば解答欄IDに限定されない。
また、素材記憶部36には、素材と素材に対する解答とが別々に対応付けられて記憶されているため、特定部32は本体のみ特定すれば良く、素材に対する解答を特定する必要がない。
【0098】
(c)
図17(a)、(b)は素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例である。素材記憶部36は、上記実施形態と同様に例えば分野ID、素材ID及び素材を対応付けて記憶している。ただし、図17(a)の素材ID=2003の素材に示すように、解答の格納場所を示すURL(Uniform Resource Locator)が区切りマークにより挟まれている。また、図17(b)に示すように、URL1には、素材ID=2003の素材に対する解答が格納されている。なお、ここでは解答の格納場所をURLとしたが、格納場所を示すアドレス等であれば良くURLに限定されない。
【0099】
(3)変形例3
上記実施形態及び変形例1では、穴埋め形式である第1の例で構成された素材を用いて本発明を説明した。以下に、解答を導き出すための本体のみからなる第2の例で構成された素材を用いて本発明を説明する。全体構成及びハードウェア構成は同様であるので説明は省略する。
【0100】
問題作成装置1が図18に示すテストを作成する場合を例に挙げて本変形例を説明する。図18は、問題作成装置が作成するテストの一例である。図18に示すテストには、複数の問題が含まれている。各問題は解答を導き出すための本体のみからなり、図18に示すように例えば疑問文で構成されている。
(a)
図19は問題作成装置1の機能構成を示すブロック図である。図19に示す機能構成は第1実施形態の図3に示す機能構成と比較して特定部が設けられていない。後述の図20に示すように素材は本体のみからなるため、素材において本体及び解答を特定する特定部が必要ではない。受付部30の構成は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0101】
(a−1)素材記憶部
図20は、素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例である。素材記憶部36は、例えば分野ID、素材ID、本体のみからなる素材及び解答を対応付けて記憶している。
(a−2)選択部、素材リスト
選択部31は、問題作成の要求、所望の分野及び所望の問題数を受け付けると、これらに基づいて素材記憶部36から素材を選択する。選択部31は、選択した素材により図21に示す素材リスト37を作成する。図21は素材リストの一例である。素材リスト37は、例えばリストID、素材ID、素材及び解答を対応付けて記憶している。
【0102】
(a−3)判定部
判定部33は、素材リスト37内の複数の素材のうち第1の素材と、複数の素材のうち第1の素材とは異なる第2の素材と、について一方の解答が他方の本体に含まれているか否かを判定する。このとき、判定部33は、素材リスト37を参照し、第1の素材と第2の素材とを比較する。例えば、リストID=0001の素材と、リストID=0002の解答と、を比較する。
【0103】
判定部33は、判定結果を素材リスト37に追加する。図22は、判定結果が追加された素材リスト37の一例である。素材リスト37では、各リストID、素材ID、素材及び解答に、判定結果が対応付けられている。
(a−4)加工部
加工部34は、一の素材の本体に含まれる他の素材の解答を代替データにより置換又は上乗せする。図23は、加工部34により加工された素材を示す素材リストの一例である。代替データとして、空欄に仮番号を付した解答欄データを用いている。仮番号は特に限定されないが、ここでは仮番号として、仮(i)、仮(ii)、仮(iii)・・・を用いている。
【0104】
なお、一の素材中に他の素材の解答が含まれていない場合、加工部34は一の素材を加工しない。一の素材はそのまま問題とすることができる。
(a−5)問題作成部
問題作成部35は、各リストIDごとに問題番号を付与する。さらに、問題作成部35は、加工部34が付した仮番号を判定結果に基づいて問題番号に変更する。つまり、一の素材に、他の素材の解答が含まれている場合、一の素材中において、他の素材の解答に付された仮番号を、他の素材に付された問題番号に変更する。
【0105】
図24(a)、(b)は、問題作成部35により素材が加工される様子を示す素材リストの一例である。図24(a)に示すように、問題作成部35は、各リストIDごとに問題番号(1)、(2)、(3)・・・を付している。
さらに、問題作成部35は、仮(i)、仮(ii)、仮(iii)・・・の仮番号を、問題番号に変更する。例えば、図24(a)においてリストID=0002の素材の本体に含まれる“源頼朝”には仮(i)が付されている。ここで、判定結果を参照すると、“源頼朝”はリストID=0001の素材の解答である。さらに、リストID=0001の素材には問題番号(1)が付されている。そこで、問題作成部35は、仮(i)の仮番号を(1)の問題番号に変更する。
【0106】
(b)処理の流れ
上記機能構成で説明した点以外の処理は第1実施形態と同様であるので、処理の流れの説明は省略する。
(4)変形例4
上記実施形態例では、問題作成装置1が各機能部を有しており、素材から問題を作成している。しかし、各端末2が、問題作成装置1と同様のハードウェア構成及び機能構成を有し、素材から問題を作成しても良い。例えば、端末2は、受付部30、選択部31、特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35等の機能部を有する。
【0107】
また、前記各機能部が、問題作成装置1及び端末2のいずれかに設けられており、問題作成装置1及び端末2が協働して素材から問題を作成しても良い。例えば、受付部30及び選択部31が端末2に設けられ、特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35が問題作成装置1に設けられていても良い。端末2から複数の素材が問題作成装置1に送信され、問題作成装置1は送信された複数の素材から問題を作成する。
【0108】
(5)変形例5
上記実施形態例では、1つの素材から1つの問題を作成するだけでなく、複数の素材を組み合わせて1つの問題を作成しても良い。この場合、選択部31は、所望の問題数とともに、組み合わせる素材の組み合わせ数を受け付け、所望の問題数及び組み合わせ数から素材記憶部36から取り出す素材の素材数を演算する。素材の組み合わせ数は予め設定sれていても良い。
【0109】
(6)変形例6
上記実施形態例では、選択部31は、所望の問題数及び所望の分野を受け付ける。しかし、これらの受け付けは必須ではなく、選択部31が任意に所望の問題数及び/又は所望の分野を選択し、素材記憶部36から素材を選択しても良い。
(7)変形例7
上記実施形態例では、一の素材中に他の素材の解答が含まれる場合は、前記他の素材の解答を、仮番号を付した解答欄データにより置換又は上乗せする。さらに、仮番号は、他の素材の解答に付された解答番号又は他の素材に付された問題番号に変更される。しかし、一の素材中の他の素材の解答に対して、最終的に前記解答番号又は問題番号などの参照記号が付与されれば良く、仮番号の付与は必須ではない。
【0110】
さらに、一の素材中の他の素材の解答に対して、他の素材に関連した参照記号が付される必要はない。例えば、一の素材中の他の素材の解答は、単に空欄、一組の括弧、網掛け及び塗りつぶしなどの代替データにより置換又は上乗せされても良い。また、代替データに番号を付す場合は、他の素材に関係なく順に番号を付与しても良い。
(8)変形例8
上記実施形態例の図12A〜図12B、図14A〜図14Bに示す判定処理では、特定部32は2つの素材ごとに本体及び解答を特定し、素材どうしを判定している。しかし、まず特定部32が全ての素材について本体及び解答の特定を行った後、2つの素材ごとに判定を行うようにしても良い。
【0111】
(9)変形例9
上記第1実施形態では、複数の素材の全てについて判定を行った後に、素材を加工し問題を作成している。しかし、複数の素材のうち任意の2つの素材について判定を行った後、引き続いてこの2つの素材を加工し、この処理を全ての組み合わせについて行うことで問題を作成しても良い。つまり、2つの素材の組み合わせ毎に、判定とともに加工を行っても良い。
【0112】
(10)
前述した問題作成装置が執行する問題作成方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、MO(Magneto Optical disk)、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM(DVD−Random Access Memory)、BD(Blue-ray Disc)、半導体メモリを挙げることができる。前記コンピュータプログラムは、前記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0113】
以上の実施形態及及びその他の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<付記>
(付記1)
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する、コンピュータが実行する問題作成プログラムであって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工ステップと、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成ステップと、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工ステップと、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成ステップと、
を含む問題作成プログラム。
【0114】
1つの素材は、解答者が解答を導き出すための本体を含み、少なくとも1つの解答が存在する。問題は1又は複数の素材から構成される。素材及び問題は、例えばテキストデータ、画像データ、音声データ及び/またはその組み合わせにより作成される素材及び問題のコンテンツとしては、文字列、化学式、数式、図形、写真、音声などが挙げられる。
素材及び問題の形式としては次の2つの例が挙げられる。第1の例は、素材及び問題が、解答を導き出すための本体と、解答が挿入されるべき解答箇所と、を有するいわゆる穴埋め形式である。第2の例は、素材及び問題が解答を導き出すための本体のみからなる形式である。
【0115】
第1の素材の解答である第1の解答が第2の素材の本体に現れている場合、第1の解答が現れないように加工された第2の素材を問題とする。第2の解答が現れていない第1の素材と、第1の解答が現れていない第2の素材と、を組み合わせて1つの問題としても良い。第2の解答が現れていない第1の素材とは、第2の解答が現れないように加工された第1の素材である。第1の解答が現れていない第2の素材についても同様である。
【0116】
第1の解答が第2の素材に現れないように第2の素材を加工する処理としては、例えば、第2の素材の本体に含まれる第1の解答を、空欄及び括弧などで置換し、第1の解答を第2の素材の本体から削除する処理が挙げられる。また例えば、第1の解答を第2の素材の本体に残したまま、網掛け、塗りつぶしなどの装飾要素を第1の解答上に上乗せすることにより解答者が視認できないように覆う処理が挙げられる。第2の解答と第1の素材とを比較して第1の素材を加工し、問題を作成する場合も前述と同様である。
【0117】
このように判定及び加工を経て問題を作成することで、第1の問題が1つの素材により構成されている場合には、第1の素材から作成された第1の問題に対する第1の解答が、第2の素材から作成された第2の問題に現れてしまうのを防ぐことができる。これにより、解答者が、第1の問題に対する解答が分からない場合に、第2の問題により解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。さらに、1つの問題が第1及び第2の素材を含み複数の素材から構成されている場合にも、第1の解答及び第2の解答がその問題中に現れてしまうのを防ぐことができる。なお、第2の問題に対する第2の解答が、第1の問題又は第2の問題そのものに現れてしまうことを防ぐことができることも同様である。
【0118】
さらに、上述の問題作成プログラムでは、第2の素材に第1の解答が含まれている場合には上述のように第2の素材を加工して問題を作成する。逆に、第1の素材に第2の解答が含まれている場合には上述のように第1の素材を加工して問題を作成する。つまり、与えられた第1の素材及び第2の素材を用いて問題を作成する。よって、素材を一から新たに作り直したり、別の素材を新たに選び直したりする必要がなく、効率良く問題を作成することができる。
【0119】
(付記2)
前記複数の素材のそれぞれを次々に前記第1の素材とし、前記複数の素材のうち前記第1の素材以外の素材のそれぞれを次々に前記第2の素材とした場合について、前記第1判定ステップ、前記第1加工ステップ、前記第1問題作成ステップ、前記第2判定ステップ、前記第2加工ステップ及び前記第2問題作成ステップを実行する繰り返しステップをさらに含む、付記1に記載の問題作成プログラム。
【0120】
複数の素材の任意の組み合わせ全てについて、一の素材に、他方の素材の解答が含まれているかいないか及びその逆を判定して問題を作成する。よって、解答者が、ある問題に対する解答が分からない場合に、解答のヒントを与えてしまうことを防ぐことができる。例えば、1つの問題が1つの素材から構成されている場合には、他の問題を参照することで解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。1つの問題が複数の素材から構成されている場合には、その問題中又は他の問題を参照することで解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。問題の提供者は、解答者の正確な学力を把握することができる。解答者もまた、自身の本来の学力では解答することが出来ないであろう問題や間違うであろう問題を把握することができる。
【0121】
(付記3)
前記複数の素材に新たな1の素材が追加されると、前記新たな素材を前記第1の素材とし、前記複数の素材のそれぞれの素材を次々に前記第2の素材として、前記第1判定ステップ、前記第1加工ステップ、前記第1問題作成ステップ、前記第2判定ステップ、前記第2加工ステップ及び前記第2問題作成ステップを実行する繰り返しステップをさらに含む、付記2に記載の問題作成プログラム。
【0122】
例えば、前記複数の素材の任意の組み合わせについては既に判定・加工・問題作成が完了している場合に、複数の素材に新たな素材が追加されたとする。この場合、新たな素材と複数の素材のそれぞれとを比較して判定・加工・問題作成を行う。
(付記4)
素材を記憶する素材記憶手段に1つの新たな素材が書き込まれる度に、前記新たな素材を前記第1の素材とし、既に素材記憶手段に記憶されているそれぞれの素材を次々に前記第2の素材として、前記第1判定ステップ、前記第1加工ステップ、前記第1問題作成ステップ、前記第2判定ステップ、前記第2加工ステップ及び前記第2問題作成ステップを実行する繰り返しステップをさらに含む、付記1に記載の問題作成プログラム。
【0123】
新たに受け付けた素材の解答が、既に受け付けている素材の本体に現れているか否かを、新たに素材を受け付ける度に判定する。あるいは、既に受け付けている素材の解答が、新たに受け付けた素材の本体に現れているか否かを、新たに素材を受け付ける度に判定する。
全ての素材の受け付けを終了してから全ての素材同士について解答が素材に含まれているか否かを判定するよりも、素材を受け付ける度に判定を行う方が処理を時間的に分散することができる。よって、最終の素材を受け付けてから問題が完成するまでの待ち時間を短縮することができる。
【0124】
(付記5)
少なくとも2つの素材を記憶している素材記憶手段から、前記複数の素材を選択する選択ステップをさらに含む、付記1に記載の問題作成プログラム。
素材記憶手段に予め複数の素材を用意しておき、1つ又は複数の問題を作成するための複数の素材を選択をする。あらかじめ素材を蓄積しておけば、問題が必要となったときに素材を新たに作成せずとも、蓄積された素材を用いて問題を作成することができる。なお、問題作成プログラムが素材の選択入力を受け付けても良いし、問題作成プログラムが任意に問題を選択しても良い。
【0125】
(付記6)
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれていない場合、前記第1加工ステップでは前記第2の素材を加工せず、前記第1問題作成ステップでは前記非加工の第2の素材を含む問題を作成し、及び/又は、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれていない場合、前記第2加工ステップでは前記第1の素材を加工せず、前記第2問題作成ステップでは前記非加工の第1の素材を含む問題を作成する、付記1に記載の問題作成プログラム。
【0126】
判定の結果、第2の素材が第1の解答を含まない場合には、第2の素材を加工することなくそのまま問題とすることができる。同様に、第1の素材が第2の解答を含まない場合には、第1の素材を加工することなくそのまま問題とすることができる。
(付記7)
前記第1の素材及び前記第2の素材は、解答を導き出すための本体と、それぞれの素材の解答が挿入されるべき解答箇所と、前記本体及び前記解答箇所を区切るための区切りマークと、を含み、
前記第1判定ステップでは、
前記第2の素材に含まれる本体を前記区切りマークに基づいて特定し、
前記特定した本体と前記第1の素材の解答とを比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定し、
前記第2判定ステップでは、
前記第1の素材に含まれる本体を前記区切りマークに基づいて特定し、
前記特定した本体と前記第2の素材の解答とを比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する、
付記1に記載の問題作成プログラム。
【0127】
区切りマークは、本体と解答箇所とを区切るための、例えばカンマ、コロン、セミコロン、&、#などの記号あり得る。本体と解答箇所とが一体であるいわゆる穴埋めの形式である場合であっても、区切りマークに基づいて第1の素材及び第2の素材において本体を容易に特定し、それぞれの本体及び解答の比較を行うことができる。
(付記8)
前記第1加工ステップでは、前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第2の素材中の前記第1の解答を、前記第1の解答の代替となる第1代替データにより置換又は前記第1代替データを上乗せする加工を行い、
前記第2加工ステップでは、前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第1の素材中の前記第2の解答を、前記第2の解答の代替となる第2代替データにより置換又は前記第2代替データを上乗せする加工を行う、付記1〜7のいずれかに記載の問題作成プログラム。
【0128】
代替データには、解答欄データや装飾データが含まれる。解答欄データとしては、空欄や1組の括弧など解答欄、空欄及び1組の括弧内に各種番号を付した解答欄などが挙げられる。装飾データとしては、網がけや塗りつぶしなどが挙げられる。素材中の解答を代替データにより置換した場合には、素材中に解答が残らない。一方、素材中の解答に代替データを上乗せした場合には、素材中に解答が残っているが、代替データが例えば最前面のレイヤーに表示されていて解答者はその背面にある解答を視認することができない。
【0129】
このように一の素材の本体に含まれる他の素材の解答を代替データにより置換又は上乗せすることで、他の素材の解答のヒントを一の素材により与えないように問題を作成することができる。
(付記9)
前記第1代替データは、前記第1の素材についての解答である前記第1の解答と、前記第2の素材に含まれている前記第1の解答と、が一致することを示す参照記号を含み、及び/又は、
前記第2代替データは、前記第2の素材についての解答である前記第2の解答と、前記第1の素材に含まれている前記第2の解答と、が一致することを示す参照記号を含む、付記8に記載の問題作成プログラム。
【0130】
代替データである参照記号は、穴埋め形式である第1の例及び第2の例において例えば次のように利用され得る。
第1の例の場合、素材は、解答を導き出すための本体と、解答が挿入されるべき解答箇所と、を有する穴埋め式で構成されている。参照記号は例えば解答番号である。第1の素材の解答が挿入される解答箇所には第1の解答番号が付された第1の解答欄が設けられており、第1の解答欄には第1の解答が挿入される。第2の素材の本体に第1の解答が含まれている場合、第2の素材中の第1の解答は、参照記号として第1の解答番号が付された代替データにより置換又は上乗せされる。
【0131】
第2の例の場合、素材は解答を導き出すための本体のみからなる。参照記号は例えば問題番号である。第1の素材及び第2の素材にはそれぞれ問題番号が付されており、例えば第1の素材には第1の問題番号が付されている。第2の素材に第1の素材についての第1の解答が含まれている場合、第2の素材中の第1の解答は、参照記号として第1の問題番号が付された代替データにより置換又は上乗せされる。
【0132】
よって、解答者は、解答番号及び問題番号などの参照記号を参照することで、第1の素材についての第1の解答と、第2の素材中の第1の解答と、が同じであることを把握することができる。例えば、一の素材に他の素材の複数の解答が含まれており、この複数の解答を解答欄などの代替データに置換すると、一の素材中の解答欄が複数になり、問題として意味をなさなくなる場合がある。このような場合でも、他の素材の解答と同一であることに基づいて、着目している問題に対する解答を導き出すことができる。
【0133】
(付記10)
前記複数の素材を、少なくとも2つの素材を含む複数の素材群に分ける素材群形成ステップと、
前記判定ステップでは各素材群ごとに前記判定を行い、
前記問題作成ステップでは各素材群ごとに問題を作成する、付記1に記載の問題作成プログラム。
【0134】
例えば、1つの素材から1つの問題を作成し、合計で問題を80問作成する場合、問題となり得る80問の素材を20問毎に4つの素材群に分ける。一の素材群に含まれる素材どうしについて、一の素材に対する解答が他の素材に含まれているか否かを判定し、判定結果に基づいて20問の問題を作成する。4つの素材群についてそれぞれ判定・加工・問題作を行うことで合計80問の問題を作成する。なお、異なる素材群に含まれる素材どうしについては判定を行わない。判定を行う素材数が多い場合、ある素材に別の複数の素材に対する複数の解答が含まれることとなる場合がある。このような場合に、別の素材の解答が現れないようにある素材を加工して問題を作成すると、問われている内容を把握できなくなってしまう。上記の通り、判定を行う範囲を限定することで、問われている内容を把握できるように問題を作成することができる。
【0135】
(付記11)
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する問題作成装置であって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定手段と、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工手段と、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成手段と、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定手段と、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工手段と、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成手段と、
を含む問題作成装置。
【0136】
(付記12)
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する問題作成方法であって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工ステップと、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成ステップと、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工ステップと、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成ステップと、
を含む問題作成方法。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】第1実施形態に係る問題作成装置1を含む問題作成システムの一例。
【図2】問題作成装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【図3】問題作成装置1の機能構成を示すブロック図。
【図4】問題作成装置が作成するテストの一例。
【図5】素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例。
【図6】素材リストの一例。
【図7】各素材における本体及び解答を示す一覧。
【図8】(a)素材リスト37に判定結果が追加される様子を示す一覧(1)。
【0138】
(b)素材リスト37に判定結果が追加される様子を示す一覧(2)。
【図9】(a)加工部34により素材が加工される様子を示す素材リストの一例(1)。 (b)加工部34により素材が加工される様子を示す素材リストの一例(2)。
【図10】(a)問題作成部35により素材が加工される様子を示す素材リストの一例(1)。
【0139】
(b)問題作成部35により素材が加工される様子を示す素材リストの一例(2)。
【図11】問題作成装置1のCPU10が実行するメイン処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図12A】問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャート(1)。
【図12B】問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャート(2)。
【図13A】問題作成装置1のCPU10が実行する問題作成処理の流れの一例を示すフローチャート(1)。
【図13B】問題作成装置1のCPU10が実行する問題作成処理の流れの一例を示すフローチャート(2)。
【図13C】問題作成装置1のCPU10が実行する問題作成処理の流れの一例を示すフローチャート(3)。
【図14A】問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャート(1)。
【図14B】問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャート(2)。
【図15】素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例。
【図16】素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例。
【図17】素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例。
【図18】問題作成装置が作成するテストの一例。
【図19】問題作成装置1の機能構成を示すブロック図。
【図20】素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例。
【図21】素材リストの一例。
【図22】判定結果が追加された素材リスト37の一例。
【図23】加工部34により加工された素材を示す素材リストの一例。
【図24】問題作成部35により素材が加工される様子を示す素材リストの一例。
【符号の説明】
【0140】
1:問題作成装置
2:端末
3:ネットワーク
10:CPU
11:RAM
12:ROM
13:HDD
14:入力I/F
15:出力I/F
16:通信I/F
17:ドライブ
18:バス
20:入力装置
21:出力装置
22:外部DB
23:記録媒体
30:受付部
31:選択部
32:特定部
33:判定部
34:加工部
35:問題作成部
36:素材記憶部
37:素材リスト
【技術分野】
【0001】
本発明は、問題を作成するための問題作成プログラム、問題作成装置及び問題作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
問題を作成する方法としては、問題の提供者が問題を作成する場合と、問題作成装置が自動的に問題を作成する場合と、が挙げられる。問題の提供者は、例えば教科書や過去の問題を参照し、質問内容及び解答を考えて問題を作成する。一方、問題作成装置が問題を作成する方法が、例えば特許文献1〜3に開示されている。特許文献1では、学習対象となる文字列が装置に入力されると、装置は文字列を品詞分解して解析を行い、特定の品詞の単語を空白に置換して穴埋め問題を作成する。特許文献2では、ハイパーテキスト形式で記述されたテキストデータから、アンカータグに挟まれている用語を抽出し、抽出した用語と問題を生成するための定型文とを組み合わせることで問題を作成する。特許文献3では、特許文献2と同様にアンカータグに挟まれている用語を抽出し、抽出した用語を空白に置換して穴埋め問題を作成する。
【0003】
このように作成された問題は、例えば記憶装置に蓄積される。問題の提供者は、学習の到達度を測るために、記憶装置から複数の問題を選択してテストを作成し解答者に提供する。複数の問題を含むテストは、表示装置に表示されるか、印刷装置により紙に出力されるなどして解答者に提供される。
【特許文献1】特開平6-95583号公報
【特許文献2】特開平11-212440号公報
【特許文献3】特開2000-267553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のように解答者に提供される複数の問題においては、問題どうしの関係が考慮されていない。そのため、ある問題の解答が、別の問題の問題文に含まれてしまう事態が発生する。これにより、解答者は、ある問題の解答が分からない場合でも別の問題を参照することにより解答することができてしまう。
例えば、上記の特許文献1から3の問題作成装置は、各問題をそれぞれ独立に作成するのみであり、問題どうしの関係を考慮していない。一人の問題の提供者が複数の問題を一度に作成する場合には、問題どうしの関係を考慮して各問題を作成することができるかもしれない。しかし、見落としが発生する場合もあり、確実に問題どうしの関係を考慮できない場合もあり得る。さらに、複数の問題の提供者が問題を提供し合う場合には、問題どうしの関係を考慮することが困難である。また、記憶装置から複数の問題を無作為に選択してテストを作成する場合には、問題どうしの関係が考慮されない。
【0005】
このような方法で複数の問題が解答者に提供されると、解答者はある問題の解答を別の問題から取得することができ、解答者の学習の到達度を正確に測ることができない。
そこで、本発明は、問題どうしの関係を考慮して問題を作成することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する、コンピュータが実行する問題作成プログラムを提供する。問題作成プログラムは、以下のステップを含む。
・複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定ステップ。
・前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工ステップ。
・加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成ステップ。
・前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定ステップ。
・前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工ステップ。
・前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成ステップ。
【0007】
このように判定及び加工を経て問題を作成することで、第1の問題が1つの素材により構成されている場合には、第1の素材から作成された第1の問題に対する第1の解答が、第2の素材から作成された第2の問題に現れてしまうのを防ぐことができる。これにより、解答者が、第1の問題に対する解答が分からない場合に、第2の問題により解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。さらに、1つの問題が第1及び第2の素材を含み複数の素材から構成されている場合にも、第1の解答及び第2の解答がその問題中に現れてしまうのを防ぐことができる。なお、第2の問題に対する第2の解答が、第1の問題又は第2の問題そのものに現れてしまうことを防ぐことができることも同様である。
【0008】
さらに、上述の問題作成プログラムでは、第2の素材に第1の解答が含まれている場合には上述のように第2の素材を加工して問題を作成する。逆に、第1の素材に第2の解答が含まれている場合には上述のように第1の素材を加工して問題を作成する。つまり、与えられた第1の素材及び第2の素材を用いて問題を作成する。よって、素材を一から新たに作り直したり、別の素材を新たに選び直したりする必要がなく、効率良く問題を作成することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、問題どうしの関係を考慮して問題を作成することができる技術を提供するができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<言葉の定義>
実施形態で用いる素材、問題、素材及び問題の形式について以下に説明する。
1つの「素材」は、解答者が解答を導き出すための本体を含み、少なくとも1つの解答が存在する。素材は、例えばテキストデータ、画像データ、音声データ及び/またはその組み合わせにより作成される。素材のコンテンツとしては、文字列、化学式、数式、図形、写真、音声などが挙げられる。
【0011】
「問題」は、1又は複数の素材から構成される。また、問題とは、少なくとも素材どうしで一の素材に他の素材の解答が含まれているか否かの判定が行われたデータを言う。問題は、素材と同様に、例えばテキストデータ、画像データ、音声データ及び/またはその組み合わせにより作成され、文字列、化学式、数式、図形、写真、音声などのコンテンツを含む。
【0012】
「素材及び問題の形式」としては次の2つの例が挙げられる。第1の例は、素材及び問題が、解答を導き出すための本体と、解答が挿入されるべき解答箇所と、を含むいわゆる穴埋め形式である。第2の例は、素材及び問題が解答を導き出すための本体のみからなる形式である。以下の実施形態では、第1の例を採り挙げて本発明に係る問題作成装置を説明するが、第2の例についても本発明を適用可能である。
【0013】
<第1実施形態例>
(1)全体構成
図1は、第1実施形態に係る問題作成装置1を含む問題作成システムの一例である。問題作成装置1と複数の端末2(2a、2b、2c・・・)とが、ネットワーク3を介して接続されている。問題作成装置1は問題を作成し提供する装置である。端末2は問題作成装置1が作成した問題の提供を受ける装置である。図1の場合、例えば、端末2が所望の問題数の問題を問題作成装置1に要求すると、問題作成装置は所望の問題数の問題を作成して端末2に提供する。
【0014】
(2)問題作成装置のハードウェア構成
図2は、問題作成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。問題作成装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)11、ROM(Read Only Memory)12、HDD13(Hard disk drive)、入力I/F(InterFace)14、出力I/F15、通信I/F16、ドライブ17及びバス18を有している。
【0015】
ROM12は、CPU10に問題作成を実行させるための問題作成プログラム及びその他各種制御プログラムなどを記憶している。
HDD13は、複数の素材を記憶している。図2では、HDD13が問題作成装置1に内蔵されている場合を示しているが、外付けのHDDであっても良い。
RAM11:ROM12内の問題作成プログラム及びHDD13内の素材を一時的に記憶する。
【0016】
CPU10は、ROM12に記憶されている問題作成プログラムに基づいて、HDD13に記憶されている素材をRAM11に一時的に記憶させ、RAM11上で素材を加工して問題を作成する。また、CPU10は、後述の入力装置20から入力された解答に基づいて正解又は不正解を決定しても良い。
出力I/F15は、CPU10が作成した問題を出力装置21に供給する。出力装置21としては、表示装置及びスピーカなどが挙げられる。
【0017】
入力I/F14は、入力装置20から入力操作を受け付け、バス18を介してCPU10に操作信号を供給する。入力装置20としては、例えば、キーボード、マウスなどのポインティングデバイス、一組のタッチペン及びタッチペンから手書き入力を受け付けるタブレットからなる手書き入力装置が挙げられる。
通信I/F16は、例えばネットワーク3上の外部DB22と通信を行い、外部DB22に記憶されている素材をRAM11に読み出す。
【0018】
ドライブ17は、光ディスクなどの記録媒体23が装着されており、記録媒体23からのデータの読み出しを行う。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、MO(Magneto Optical disk)、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM(DVD−Random Access Memory)、BD(Blue-ray Disc)、半導体メモリなどが挙げられる。図2では、ドライブ17が問題作成装置1に内蔵されている場合を示しているが、外付けのドライブであっても良い。
【0019】
なお、問題作成装置1には、図2の出力I/F15、出力装置21、入力I/F14及び入力装置20は必ずしも必要では無い。例えば、問題作成装置1は、CPU10が作成した問題を通信I/F16及びネットワーク3を介して端末2に送信するようにしても良い。端末2には、上記入力装置20及び出力装置21と同様の装置が設けられており、出力装置は問題を出力し、入力装置は入力操作を受け付ける。入力装置が受け付けた入力操作に基づいて、端末2、問題作成装置1又は解答を受け取った添削者が解答を添削する。
【0020】
(3)問題作成装置の機能構成
図3は、問題作成装置1の機能構成を示すブロック図である。問題作成装置1のCPU10は、受付部30、選択部31、特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35を含む。問題作成装置1のHDD13は素材記憶部36を含み、問題作成装置1のRAM11は素材リスト37を含む。なお、外部DB22に素材が記憶されている場合、外付けのHDDに予め素材が記憶されている場合などには、受付部30は必ずしも必須ではない。また、特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35が素材記憶部36内から素材を読み出し各種処理を行う場合は、素材リスト37は必ずしも必須ではない。
【0021】
問題作成装置1が図4に示すテストを作成する場合を例に挙げて各機能構成について以下に説明する。図4は、問題作成装置が作成するテストの一例である。図4に示すテストには、複数の問題が含まれている。各問題の形式は、解答を導き出すための本体と、解答が挿入されるべき解答箇所と、を有するいわゆる穴埋め形式である。例えば、図4の(問題1)の場合、“は、武家政権である鎌倉幕府の初代将軍である。”が本体であり、“[ A ]”が解答箇所である。
【0022】
(3−1)受付部
受付部30は、入力装置20から入力I/F14を介して素材を受け付ける。また、受付部30は、外部DB22及び各端末2等から通信I/F16を介して素材を受け付けても良い。なお、素材は、素材の提供者によって作成されても良いし、問題作成装置1の別途の機能部又は端末2の機能部によって自動的に作成されても良い。機能部が自動的に素材を作成する方法としては、例えば、各種教材や辞書等の文字列において、品詞を解析して所定の品詞に対応する語句を解答箇所とする方法が挙げられる。また、HTML(HyperText Markup Language)、SGML(Standard Generalized Markup Language)及びXML(Extensible Markup Language)等の構造化言語により記述された各種教材や辞書等において、アンカータグにより挟まれた語句を解答箇所とする方法が挙げられる。
【0023】
(3−2)素材記憶部
素材記憶部36は、受付部30が受け付けた複数の素材を記憶する。図5は素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例である。素材記憶部36は、例えば分野ID、素材ID及び素材を対応付けて記憶しており、分野ごとに複数の素材を記憶している。各素材は穴埋め式で構成されており、解答者が解答を導き出すための本体と、解答が挿入されるべき解答箇所と、解答箇所及び本体を区切るための区切りマークと、を含む。区切りマークとしては、一例として“[ ]”が用いられている。図5に示す素材の場合、解答箇所には解答が挿入されており、解答箇所及び解答は区切りマークにより挟まれている。例えば、図5の素材ID1001では、“武家政権である鎌倉幕府の初代将軍である。”が本体であり、区切りマーク“[ ]”により囲まれた部分が解答箇所であり、解答箇所に入力されている“源頼朝”が解答である。ここでは、区切りマークとして“[ ]”を用いたが、区切りマークはこれに限定されない。その他の区切りマークとしては、例えばカンマ、コロン、セミコロン、&、#などが挙げられる。
【0024】
図5では、1つの素材には1つの文章が含まれているが、2つ以上の文章が含まれていても良い。また、素材はテキストに限定されないため、素材が文章、音声、数式、化学式、図面及び表等の組み合わせにより構成されていても良い。
(3−3)選択部
まず、選択部31は、入力装置20から入力I/F14を介して、又は端末2から通信I/F16を介して、問題作成の要求、所望の分野及び所望の問題数を受け付ける。選択部31は、受け付けた所望の分野及び所望の問題数に基づいて、素材記憶部36から素材を選択する。例えば、選択部31は、所望の分野を特定し、所望の分野の素材から問題数に相当する素材を任意に選択する。あるいは、選択部31は、選択すべき素材の指定を受け付け、指定された素材を選択しても良い。選択部31は、選択した素材により後述の素材リスト37を作成する。選択部31は、各素材にリストIDを初期値+1から順に付す。初期値は例えば“0000”に設定されているものとし、素材には“0001”から順にリストIDが付される。ここでは、一例として、所望の分野として鎌倉時代の歴史を受け付け、所望の問題数として50問を受け付けているものとする。なお、鎌倉時代の歴史は、分野ID=B001であるものとする。
【0025】
(3−4)素材リスト
素材リスト37は、選択部31が選択した50問の素材を一時的に記憶する。図6は素材リストの一例である。各素材にはリストIDが初期値+1から順に付けられている。素材リスト37は、例えばリストID、素材ID及び素材を対応付けて記憶している。素材リスト37に記憶された素材は、後述の処理を経て加工されて問題となる。
【0026】
(3−5)特定部
特定部32は、素材リスト37内の複数の素材において、解答者が解答を導き出すための本体と、を区切りマークに基づいて特定する。本実施形態では、解答箇所に解答が含まれるため、特定部32は、区切りマークに基づいて本体のみならず解答も特定する。特定部32は、例えば図7に示すように本体及び解答を特定した結果を素材リスト37に格納する。図7は、各素材における本体及び解答を示す一覧である。図7では素材の欄は省略したが、図6のリストID、素材ID及び素材に加えて、本体及び解答が対応付けて記憶される。
【0027】
本体と解答箇所とが一体であるいわゆる穴埋めの形式の素材であっても、区切りマークを用いれば素材において本体及び/又は解答を容易に特定し、一方の素材の解答が他方の素材の本体に含まれているか否かを判定することができる。
(3−6)判定部
判定部33は、素材リスト37内の複数の素材のうち第1の素材と、複数の素材のうち第1の素材とは異なる第2の素材と、について一方の解答が他方の本体に含まれているか否かを判定する。このとき、判定部33は、特定部32が特定した本体及び解答に基づいて判定を行う。つまり、第1の素材についての解答である第1の解答と、第2の素材の本体と、を比較し、第1の解答が第2の素材の本体に含まれているか否かを判定する。逆に、第2の素材についての解答である第2の解答と、第1の素材の本体と、を比較し、第2の解答が第1の素材の本体に含まれているか否かを判定する。
【0028】
例えば、判定部33が、リストID=0001の第1の素材と、リストID=0002の第2素材と、を比較する場合について説明する。判定部33は、特定部32の特定結果に基づき、第1の素材の第1の解答である“源頼朝”が、第2の素材の本体である“1192年、源頼朝は”及び“に任命された”に含まれるか否かを判定する。ここで、第1の解答である“源頼朝”は、第2の素材の本体である“1192年、源頼朝は”に含まれている。逆に、判定部33は、第2の素材の解答である“征夷大将軍”が、第1の素材の本体である“武家政権である鎌倉幕府の初代将軍である。”に含まれるか否かを判定する。ここで、第2の解答は第1の素材の本体には含まれていない。
【0029】
判定部33は、このような第1の素材と第2の素材との判定を全ての素材どうしについて行う。つまり、複数の素材のそれぞれを次々に第1の素材とし、複数の素材のうち第1の素材以外の素材のそれぞれを次々に第2の素材とし、第1の素材と第2の素材とを判定する。これにより、複数の素材の任意の組み合わせ全てについて、他の素材の解答が一の素材に含まれているか否か及びその逆を判定することができる。
【0030】
判定部33は、判定結果を例えば図6に示す素材リスト37に追加する。図8(a)、(b)は、素材リスト37に判定結果が追加される様子を示す一覧である。図8(a)、(b)に示すように、各リストID、素材ID及び素材に、判定結果が対応付けられている。判定結果には、どの素材のどの解答が、別の素材の本体に含まれているかが記述される。この判定結果から、例えば、リストID=0003の素材の本体には、リストID=0010の素材の解答である“壇ノ浦”が含まれていることが分かる。
【0031】
なお、判定結果は1つとは限らず、2つ以上ある場合もある。例えば、図8(a)が、リストID=0004の素材と、リストID=0001〜0015の素材と、を判定した結果であるとする。次に、リストID=0004の素材と、リストID=0015の素材と、を判定すると、図8(b)に示すように判定結果が図8(a)よりも増加する。つまり、リストID=0004の素材の本体には、リストID=0001の素材の解答である“源頼朝”のみならず、リストID=0015の素材の解答である“源範頼”も含まれている。
【0032】
(3−7)加工部
加工部34は、判定結果に基づいて各素材を加工する。第2の素材の本体に第1の素材の解答である第1の解答が含まれている場合、第2の素材中の第1の解答を第1代替データにより置換する。又は第2の素材中の第1の解答に第1代替データを上乗せする。第1代替データとは、第1の解答の代替となるデータである。第1代替データには、解答欄データや装飾データが含まれる。解答欄データとしては、空欄や1組の括弧など解答欄、空欄及び1組の括弧内に各種番号を付した解答欄などが挙げられる。装飾データとしては、網がけや塗りつぶしなどが挙げられる。第2素材中の第1の解答を第1代替データにより置換した場合には、第2の素材中に解答が残らない。一方、第2素材中の第1の解答に第1代替データを上乗せした場合には、第2の素材中に解答が残っているが、第1代替データが例えば最前面のレイヤーに表示されていてその背面にある第1の解答を視認することができない。
【0033】
同様に、第1の素材の本体に第2の素材の解答である第2の解答が含まれている場合、第1の素材中の第2の解答を第2代替データにより置換する。第2代替データとは、第2の解答の代替となるデータであり、上述と同様に解答欄データ及び装飾データを含む。
このように一の素材の本体に含まれる他の素材の解答を代替データにより置換又は上乗せすることで、他の素材の解答のヒントを一の素材により与えないように素材を加工することができる。
【0034】
次に、図9を用いて具体的に素材の加工の様子を説明する。図9(a)、(b)は、加工部34により素材が加工される様子を示す素材リストの一例である。まず、加工部34は、図9(a)に示すように、例えば判定結果に基づいて一の素材中において他の素材の解答を特定する。加工部34は、例えばリストID=0003の素材の本体において、“壇ノ浦”を特定する。“壇ノ浦”は、リストID=0003のレコードにおいて、判定結果の“解答”の欄に示すように、別の素材の解答である。加工部34は、“壇ノ浦”を区切りマーク“[ ]”で囲み、素材の本体と区別する。同様の処理をその他の素材についても行う。
【0035】
次に、加工部34は、一の素材中において特定した別の素材の解答を、代替データにより置換又は別の素材の解答に代替データを上乗せする。例えば図9(b)に示すように、代替データとして、空欄に仮番号を付した解答欄データを用いる。仮番号とは、後述の問題作成部35において解答番号が付与されるまでの仮の番号を意味する。仮番号は特に限定されないが、ここでは仮番号として、仮(i)、仮(ii)、仮(iii)・・・を用いている。なお、区切りマークは、解答とともに代替データにより置換又は上乗せされても良い。あるいは、区切りマークは、解答が代替データにより置換又は上乗せされる際に削除されても良い。加工部34が各素材に施した加工は、図9(b)に示すように素材リスト37に記憶される。さらに、加工部34は、仮番号と判定結果とを対応付けて素材リスト37に記憶させる。
【0036】
なお、図9(a)の処理は必須ではなく、区切りマークを施すことなく、判定結果に基づいて即座に素材を加工するようにしても良い。
また、一の素材中に他の素材の解答が含まれていない場合、加工部34は一の素材を加工しない。一の素材が他の素材の解答を含まない場合には、一の素材を加工することなくそのまま問題とすることができる。
【0037】
(3−8)問題作成部
問題作成部35は、加工部34が加工した素材を含む問題を作成する。問題作成部35は、一の素材において、一の素材に対する解答が挿入されるべき解答箇所を代替データにより置換又は上乗せする。
ここで、図9(a)、(b)等に示すように、本実施形態では、解答箇所には区切りマーク及び解答の組み合わせが挿入されている。よって、本実施形態では、一の素材において、一の素材に対する解答を代替データにより置換又は上乗せする。代替データは前述と同様の定義である。このとき、問題作成部35は解答番号が付された解答欄データを代替データとして用いる。これにより、解答者は、解答番号に基づいて所定の箇所に解答を記入することができる。なお、解答番号とは、各解答箇所に付す番号である。なお、区切りマークは、解答とともに代替データにより置換又は上乗せされても良いし、あるいは、解答が代替データにより置換又は上乗せされる際に削除されても良い。
【0038】
また、問題作成部35は、各リストIDごとに問題番号を付与する。問題番号とは各問題ごとに付す番号である。さらに、問題作成部35は、加工部34が付した仮番号を判定結果に基づいて解答番号に変更する。一の素材をAとし他の素材をBとすると、ここで言う仮番号とは、一の素材A中に含まれる、他の素材Bの解答bに付された番号である。また、ここでいう解答番号とは、前記他の素材Bにおいて、前記他の素材Bの解答bに付された番号である。仮番号を解答番号に変更するとは、一の素材Aに、他の素材Bの解答bが含まれている場合、前記仮番号を前記解答番号に変更することを言う。
【0039】
問題作成部35が各素材に施した加工は、図10(a)、(b)に示すように素材リスト37に記憶される。図10(a)、(b)は、問題作成部35により素材が加工される様子を示す素材リストの一例である。図10(a)に示すように、問題作成部35は、各リストIDごとに問題番号(1)、(2)、(3)・・・を付している。また、問題作成部35は、各素材の解答を代替データにより置換する。代替データには、解答番号(a)、(b)、(c)・・・が付された解答欄データが用いられている。例えば、図10(a)においてリストID=0003の素材の解答である“平氏”は(c)が付された解答欄データにより置換されている。区切りマーク“[ ]”は“平氏”とともに解答欄データにより置換されるか、削除される。
【0040】
さらに、問題作成部35は、仮(i)、仮(ii)、仮(iii)・・・の仮番号を、解答番号に変更する。例えば、図10(a)においてリストID=0002の素材の本体に含まれる“源頼朝”には仮(i)が付されている。ここで、判定結果を参照すると、“源頼朝”はリストID=0001の素材の解答である。さらに、リストID=0001の素材では、“源頼朝”には解答番号(a)が付されている。そこで、問題作成部35は、仮(i)の仮番号を(a)の解答番号に変更する。
【0041】
このように、一の素材についての解答と、他の素材に含まれている一の素材の解答と、が一致することを、解答番号及び問題番号などの参照記号を用いて示す。よって、解答者は、解答番号及び問題番号などの参照記号を参照することで、一の素材についての解答と、他の素材に含まれている一の素材の解答と、が同じであることを把握することができる。例えば、一の素材に他の素材の複数の解答が含まれており、この複数の解答を解答欄などの代替データに置換すると、一の素材中の解答欄が複数になり、問題として意味をなさなくなる場合がある。このような場合でも、他の素材の解答と同一であることに基づいて、着目している問題に対する解答を導き出すことができる。
【0042】
なお、一の素材に他の素材の解答が含まれていない場合、一の素材は加工されず、問題作成部35は、加工されていない一の素材をそのまま問題とすることができる。
また、本実施形態では、1つの素材から1つの問題を作成するが、複数の素材を組み合わせて1つの問題を作成しても良い。
(4)処理の流れ
次に、図11、図12A〜図12B、図13A〜図13Cを参照し、問題作成装置1が実行する処理について説明する。
【0043】
(4−1)メイン処理
図11は、問題作成装置1のCPU10が実行するメイン処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば問題作成の要求を問題作成装置1が受け付けると、以下の処理が開始される。
ステップ1:CPU10は、問題作成の要求を受け付けると、まず判定処理を実行する。CPU10は、判定処理では、複数の素材の中から2つずつ素材を採り上げ、一方の素材の解答が他方の素材の本体に含まれているか否かを判定する。
【0044】
ステップ2:CPU10は、判定処理が終了すると、問題作成処理を実行する。CPU10は、問題作成処理では、判定処理での判定結果に基づいて、素材の加工を行い問題を作成する。
(4−2)判定処理
(i)判定処理の全体処理
図12A〜図12Bは、問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず図12Aを用いて判定処理の全体処理について説明する。
【0045】
ステップS100:選択部31は、入力装置20から入力I/F14を介して、又は端末2から通信I/F16を介して、所望の分野及び所望の問題数を受け付ける。
ステップS101:選択部31は、所望の分野及び所望の問題数分の素材を素材記憶部36から選択する。
ステップS102:選択部31は、選択した各素材にリストIDを初期値+1から順に付け素材リスト37を作成する。
【0046】
ステップS103:判定部33は、第1リストIDを初期値である“0000”に設定する。第1リストIDとは、素材リスト37内の複数の素材のうちいずれかである第1の素材を特定するためのリストIDである。
ステップS104:判定部33は、第1リストIDをインクリメントする。判定部33は、例えば現在の第1リストIDに“1”を加算する。現在の第1リストIDが“0002”の場合、インクリメント後には第1リストIDは“0003”となる。
【0047】
ステップS105:特定部32は、素材リスト37内において第1リストIDに基づいて第1の素材を特定する。さらに、特定部32は、第1の素材について、解答者が解答を導き出すための本体と、解答と、を特定する。本実施形態の場合、特定部32は、素材には本体及び解答が含まれるため、本体及び解答を区切りマークに基づいて特定する。
ステップS106:特定部32により本体及び解答の特定が行われると、処理Aが実行される。処理Aでは、素材リスト37内の複数の素材から第2の素材が特定され、第1の素材と第2の素材とが比較され、一方の解答が他方の本体に含まれているか否かが判定される。ここで、第2の素材とは、複数の素材のうち、第1リストIDで特定された第1の素材以外の素材を言う。
【0048】
ステップS107:処理Aの終了後、判定部33は、第1リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。最終のリストIDとは、第1リストIDが“0001”から順に、問題数に相当する回数だけインクリメントされたときのリストIDである。具体的には、最終のリストIDは、素材リスト37内の最終の素材に付けられたリストIDを言う。問題数が50問である場合は、最終のリストIDは“0050”となる。
【0049】
第1リストIDが最終のリストIDである場合は、判定処理を終了しメイン処理に戻る。一方、第1リストIDが最終のリストIDでない場合は、ステップS104に戻り、判定部33は第1リストIDをインクリメントする。
(ii)判定処理内の処理A
次に、図12Bを用いて処理Aについて説明する。
【0050】
ステップS110:判定部33は、第2リストIDを初期値である“0000”に設定する。第2リストIDとは、素材リスト37内の複数の素材のうち、第1リストIDで特定された第1の素材以外の第2の素材を特定するためのリストIDである。
ステップS111:判定部33は、第2リストIDをインクリメントする。判定部33は、例えば現在の第2リストIDに“1”を加算する。
【0051】
ステップS112:判定部33は、第2リストIDと第1リストIDとが同じであるかを判定し、これらのリストIDが同じである場合はステップS111に戻り第2リストIDをさらにインクリメントする。一方、これらのリストIDが異なる場合は、ステップS113に進む。この処理により、第2の素材として、第1の素材以外の素材を抽出可能となる。
【0052】
ステップS113:特定部32は、素材リスト37内において第2リストIDに基づいて第2の素材を特定し、第2の素材について本体及び解答を特定する。
ステップS114:判定部33は、第1の素材についての解答である第1の解答と、第2の素材の本体と、を比較し、第1の解答が第2の素材の本体に含まれているか否かを判定する。なお、逆に、判定部33は、第2の素材についての解答である第2の解答と、第1の素材の本体と、を比較し、第2の解答が第1の素材の本体に含まれているか否かを判定しても良い。
【0053】
ステップS115:判定部33は、第1の解答が第2の素材の本体に含まれている場合、素材リスト37に判定結果を格納する。
ステップS116:判定部33は、第2リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。最終のリストIDとは、第2リストIDが“0001”から順に、問題数に相当する回数だけインクリメントされたときのリストIDである。具体的には、最終のリストIDは、素材リスト37内の最終の素材に付けられたリストIDを言う。
【0054】
第2リストIDが最終のリストIDである場合は、処理Aを終了し判定処理に戻る。一方、第2リストIDが最終のリストIDでない場合は、ステップS111に戻り、判定部33は第2リストIDをインクリメントする。
ステップS110〜ステップS116の処理により、素材リスト37内のいずれかの第1の素材と、素材リスト内の第1の素材以外の全ての第2の素材と、を比較し判定することができる。さらに、ステップS103〜ステップS107の処理により、素材リスト37内の全ての素材同士について、一の素材以外の他の素材の解答が、一の素材に含まれているか否かを判定することができる。
【0055】
(4−3)問題作成処理
図13A〜図13Cは、問題作成装置1のCPU10が実行する問題作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下において、リストIDを初期値に設定する処理、リストIDをインクリメントする処理、リストIDを最終のリストIDと比較する処理は、ステップS103、S104及びS107と同様の処理であるので説明を簡略化する。
【0056】
(i)ステップS200〜S205
まず、図13Aを用いてステップS200〜S205について説明する。
ステップS200:加工部34は、リストIDを初期値に設定し、かつ仮番号(L)を初期値に設定する。仮番号(L)とは解答番号が付与されるまでの仮の番号であり、初期値として例えば仮番号(0)が設定される。
【0057】
ステップS201:加工部34はリストIDをインクリメントする。
ステップS202、S203:加工部34は素材リスト37において該当するリストIDの素材を特定する。加工部34は、特定された素材についての判定結果を参照し(S202)、該当する素材の本体に他の素材の解答が含まれている場合は、仮番号(L)をインクリメントする(S203)。該当する素材の本体に他の素材の解答が含まれていない場合は、ステップS205に進む。
【0058】
ステップ204:加工部34は、該当する素材の本体に他の素材の解答が含まれている場合、該当する素材中の他の素材の解答を代替データにより置換する。又は加工部34は、該当する素材中の他の素材の解答に代替データを上乗せする。なお、加工部34は、空欄に仮番号(L)を付して代替データとする。
ステップS205:加工部34は、リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。
【0059】
リストIDが最終のリストIDである場合は、ステップS206に進む。一方、加工部34は、リストIDが最終のリストIDでない場合は、ステップS201に戻り、リストIDをインクリメントする。
上記ステップS200〜S205の処理により、該当の素材において、他の素材の解答を代替データにより置換又は上乗せすることで他の素材の解答が隠される。よって、他の素材の解答のヒントを与えないように該当の素材を加工することができる。
【0060】
(ii)ステップS206〜S213
次に、図13Bを用いてステップS206〜S213について説明する。
ステップS206:問題作成部35は、リストID、問題番号(M)、解答番号(N)を初期値に設定する。問題番号(M)とは各問題ごとに付す番号であり、解答番号(N)とは各解答箇所に付す番号である。問題番号(M)及び解答番号(N)の初期値としては例えば問題番号(0)及び解答番号(0)が設定される。
【0061】
ステップS207、S208:問題作成部35は、リストIDをインクリメントするとともに(S207)、問題番号(M)をインクリメントする(S208)。
ステップS209:問題作成部35は、該当するリストIDの素材に問題番号を付与する。
ステップS210:問題作成部35は、該当の素材中の解答箇所について、解答番号が付与されていない解答箇所があるか否かを判定する。解答番号が付与されていない解答箇所がある場合はステップS211に進む。そうでない場合はステップS213に進む。
【0062】
ステップS211:問題作成部35は、解答番号(N)をインクリメントする。
ステップS212:問題作成部35は、該当の素材において、該当の素材に対する解答が挿入されるべき解答箇所を、代替データにより置換又は上乗せする。なお、問題作成部35は、空欄に解答番号(N)を付して代替データとする。
ステップS213:問題作成部35は、リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。リストIDが最終のリストIDである場合は、ステップS214に進む。一方、問題作成部35は、リストIDが最終のリストIDでない場合は、ステップS207に戻り、リストIDをインクリメントする。
【0063】
上記ステップS206〜S213の処理により、該当の素材において、該当の素材の解答を代替データにより置換又は上乗せし、素材を問題として加工することができる。
(ii)ステップS214〜S219
次に、図13Cを用いてステップS214〜S219について説明する。
ステップS214:問題作成部35は、リストIDを初期値に設定する。
【0064】
ステップS215:問題作成部35は、リストIDをインクリメントする。
ステップS216:問題作成部35は、該当の素材が、仮番号を含む代替データを有するか否かを判定する。該当の素材が、仮番号を含む代替データを有する場合は、ステップS218に進む。そうでない場合はステップS217に進む。
ステップS217:問題作成部35は、リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。リストIDが最終のリストIDである場合は、問題作成ルーチンを終了しメイン処理に戻る。そうでない場合は、ステップS215に戻り、リストIDをインクリメントする。
【0065】
ステップS218:問題作成部35は、同一の解答を有する他の素材の解答番号を取得する。つまり、問題作成部35は、該当の素材に含まれている他の素材の解答について、他の素材において付された解答番号に取得する。
ステップS219:問題作成部35は、該当の素材に含まれている他の素材の解答に付された仮番号を、他の素材の解答に付された解答番号に変更する。
【0066】
(5)作用効果
このように判定及び加工を経て問題を作成することで、一の問題が1つの素材により構成されている場合には、一の素材から作成された一の問題に対する解答が、他の素材から作成された他の問題に現れてしまうのを防ぐことができる。これにより、解答者が、一の問題に対する解答が分からない場合に、他の問題により解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。さらに、一の問題が複数の素材から構成されている場合にも、複数の素材の複数の解答がその問題中に現れてしまうのを防ぐことができる。
【0067】
よって、解答者が、ある問題に対する解答が分からない場合に、他の問題又はその問題中を参照することで解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。問題の提供者は、解答者の正確な学力を把握することができる。解答者もまた、自身の本来の学力では解答することが出来ないであろう問題や間違うであろう問題を把握することができる。
さらに、一の素材に他の素材の解答が含まれている場合には上述のように一の素材を加工して問題を作成する。つまり、与えられた素材を用いて問題を作成する。よって、素材を一から新たに作り直したり、別の素材を新たに選び直したりする必要がなく、効率良く問題を作成することができる。
【0068】
また、本実施形態では、素材記憶部36に予め複数の素材を用意しておき、選択部31は、1つ又は複数の問題を作成するための複数の素材を選択をする。あらかじめ素材を蓄積しておけば、問題が必要となったときに素材を新たに作成せずとも、蓄積された素材を用いて問題を作成することができる。
<第2実施形態例>
前述の第1実施形態例では、素材記憶部36に少なくとも2以上の素材が予め記憶されている。この素材記憶部36から、問題数に相当する素材を選択部31が選択して、判定・加工・問題作成が行われる。一方、第2実施形態例は、素材記憶部36に1つの新たな素材が書き込まれる度に、判定・加工・問題作成が行われる。
【0069】
第2実施形態例における全体構成及び問題作成装置のハードウェア構成は第1実施形態例と同様であるので説明を省略する。
(1)問題作成装置1の機能構成
問題作成装置1の機能構成を示すブロック図は第1実施形態の図3と同様である。
受付部30は、新たな素材を受け付けると、新たな素材を素材記憶部36に書き込む。受付部30は、選択部31に新たな素材を受け付けた旨の通知を行う。なお、選択部31は、問題作成の要求及び所望の問題数を受け付け、かつ受付部30から新たな素材を受け付けた旨の通知を受け取ると、素材記憶部36に書き込まれた新たな素材を取り出す。選択部31は、取り出した新たな素材を素材リスト37に追加する。
【0070】
なお、選択部31は、さらに所望の分野を受け付けても良い。素材記憶部36に書き込まれた最新の素材が所望の分野の素材である場合には、最新の素材を取り出す。そうでない場合は、選択部31は、所望の分野の素材を新たに受け付けるまで待機する。
特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35は、新たな素材と、既に素材記憶部36に記憶されているそれぞれの素材と、を比較し、判定・加工・問題作成を行う。既に素材記憶部36に記憶されている素材とは、新たな素材が素材記憶部36に追加される前に素材記憶部36に記憶されている素材を言う。
【0071】
(2)処理の流れ
メイン処理及び問題作成処理は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。以下に、判定処理について説明する。
(i)判定処理の全体処理
図14A〜図14Bは、問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず図14Aを用いて判定処理の全体処理について説明する。
【0072】
ステップS300:選択部31は、入力装置20から入力I/F14を介して、又は端末2から通信I/F16を介して、所望の問題数を受け付ける。
ステップS301:選択部31が受付部30から新たな素材を受け付けた旨の通知を受け取ると、ステップS302に進む。そうでない場合はステップS300に戻り、選択部31は、受付部30が新たに素材を受け付けるまで待機する。
【0073】
ステップS302:選択部31は、素材リスト37の最終のリストIDを取得する。ここで、素材リスト37内の各素材に、リストIDが例えば“0001”、“0002”、“0003”、というように順に付けられているとする。最終のリストIDとは、素材リスト37内の最終の素材に付けられたリストIDを言う。
ステップS303:選択部31は、取得した最終のリストIDに“1”をインクリメントする。
【0074】
ステップS304:選択部31は、新たな素材と、インクリメント後の最終のリストIDと、を対応付けて素材リスト37に追加する。
ステップS305:判定部33は、第1リストIDを最終のリストIDに設定する。ここで、第1リストIDとは、新たな素材を特定するためのリストIDである。
ステップS306:特定部32は、素材リスト37内において第1リストIDに基づいて、新たな素材である第1の素材を特定する。さらに、特定部32は、第1の素材について、解答者が解答を導き出すための本体と、解答と、を区切りマークに基づいて特定する。
【0075】
ステップS307::特定部32により本体及び解答の特定が行われると、処理Bが実行される。処理Bでは、まず、素材リスト37内に既に記憶されている素材から第2の素材が特定される。次に、新たな素材である第1の素材と、第2の素材と、が比較され、一方の解答が他方の本体に含まれているか否かが判定される。ここで、第2の素材とは、新たな素材が素材記憶部36に追加される前に素材記憶部36に記憶されている素材のいずれかの素材を言う。
【0076】
ステップS308:処理Bの終了後、判定部33は、第1リストIDが所望の問題数に相当するリストIDであるかを判定する。ここで、第1リストIDはステップS305において最終のリストIDに設定されている。最終のリストIDが所望の問題数に相当するリストIDである場合には、素材リスト37には問題数に相当する素材が記憶されており、所望の問題数の問題を作成可能な状態となっている。
【0077】
(ii)判定処理内の処理B
次に、図14Bを用いて処理Bについて説明する。
ステップS310:判定部33は、第2リストIDを初期値である“0000”に設定する。第2リストIDとは第2の素材を特定するためのリストIDである。
ステップS311:判定部33は、第2リストIDをインクリメントする。
【0078】
ステップS312:特定部32は、素材リスト37内において第2リストIDに基づいて第2の素材を特定し、第2の素材について本体及び解答を特定する。
ステップS313:判定部33は、第1の素材についての解答である第1の解答と、第2の素材の本体と、を比較し、第1の解答が第2の素材の本体に含まれているか否かを判定する。逆に、判定部33は、第2の素材についての解答である第2の解答と、第1の素材の本体と、を比較し、第2の解答が第1の素材の本体に含まれているか否かを判定する。
【0079】
ステップS314:判定部33は、第1の解答が第2の素材の本体に含まれている場合、あるいは、第2の解答が第1の素材の本体に含まれている場合、素材リスト37に判定結果を格納する。
ステップS315:判定部33は、第2リストIDが最終のリストIDであるかを判定する。第2リストIDが最終のリストIDである場合は、処理Bを終了し判定処理に戻る。そうでない場合は、ステップS311に戻り、判定部33は第2リストIDをインクリメントする。
【0080】
なお、新たな素材が素材記憶部36に書き込まれた時点で、素材記憶部36に他の素材が記憶されていない場合もあり得る。その場合には、ステップS312において第2の素材の本体及び解答が特定できない。そのため、ステップS313においてNoの判定がなされ、さらにステップS315においてYesの判定がなされ、判定処理に戻る。
(3)作用効果
第2実施形態では、新たな素材を受け付ける度に、新たな素材と、既に受け付けている素材と、を比較し、判定・加工・問題作成を行う。
【0081】
全ての素材の受け付けを終了してから、全ての素材どうしについて解答が素材に含まれているか否かを判定するよりも、素材を受け付ける度に判定を行う方が処理を時間的に分散することができる。
例えば、所望の問題数が“4”であり、素材リスト37に例えば3つの素材(素材1、素材2、素材3)が順に記憶され、新たな素材が4つめの素材(素材4)として素材リスト37に追加されたとする。
【0082】
所望の問題数に相当する4つの素材が揃ってから各素材どうしを比較して判定した場合には、判定の終了時間は次の通りである。なお、判定は組み合わせは次の12通りである。
(a)素材1の解答と素材2〜4の本体との判定の3通り。
(b)素材2の解答と素材1,3〜4の本体との判定の3通り。
【0083】
(c)素材3の解答と素材1〜2,4の本体との判定の3通り。
(d)素材4の解答と素材1〜3の本体との判定の3通り。
1通りの判定に要する時間をΔtとすると、上記12通りの判定には12×Δtの時間を要する。よって、新たな素材4が追加された時点をt1とすると、判定の終了時間はt1+12×Δtとなる。
【0084】
一方、新たな素材が追加される度に各素材どうしを比較して判定した場合には、判定の終了時間は次の通りである。新たな素材が追加されるまでに既に素材リスト37に記憶された素材どうしについては、判定が終了している場合を考える。つまり、既に素材1〜3の素材どうしについては判定が終了している。そのため、新たな素材が追加された後には、次の判定のみを行えばよい。
【0085】
(e)新たな素材4の解答と素材1〜3の本体との判定の3通り。
(f)新たな素材4の本体と素材1〜3の解答との判定の3通り。
よって、新たな素材4が追加された時点をt1とすると、判定の終了時間はt1+6×Δtとなる。このように、新たな素材が追加されてから全ての素材+について判定するよりも、新たな素材が追加される度に判定を行う方が、新たな素材を受け付けてから問題が完成するまでの待ち時間を短縮することができる。問題数が多くなればなるほど処理が分散され、待ち時間の短縮効果が大きくなる。
【0086】
<第3実施形態例>
第3実施形態例では、第1実施形態例及び第2実施形態例を組み合わせる。問題作成装置1は、素材記憶部36から複数の素材を選択し、複数の素材どうしについて判定を行う。さらに、問題作成装置1は、素材記憶部36に1つの新たな素材が書き込まれる度に判定を行う。問題作成装置1による問題作成が開始された時に、所望の問題数に相当する素材、所望の分野の素材及び指定された素材が、まだ素材記憶部36に記憶されていない場合に有効である。
【0087】
第3実施形態例における全体構成、問題作成装置のハードウェア構成及び機能構成は第1実施形態例と同様であるので説明を省略する。
選択部31は、所望の問題数に相当する素材を素材記憶部36から選択する。このとき、素材記憶部36に記憶されている素材の素材数が、所望の問題数に到達していないとする。あるいは、素材記憶部36には、所望の分野における素材の素材数が、所望の問題数に到達していないとする。あるいは、素材記憶部36には、指定された素材がまだ記憶されていないとする。そこで、選択部31は、素材記憶部36内の全ての素材、所望の分野の全ての素材又は指定された素材のうち記憶されている素材を、素材記憶部36から取り出し、素材リスト37を作成する。特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35は、素材リスト37内の全ての素材について判定・加工・問題作成を行う。
【0088】
受付部30が新たな素材を受け付け、素材記憶部36に新たな素材が書き込まれると、選択部31は新たな素材を素材記憶部36から取り出し、素材リスト37に追加する。なお、新たな素材が、所望の分野の素材でない場合、指定された素材でない場合などは、受付部30はさらに新たな素材を待機する。特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35は、新たな素材と、既に素材記憶部36に記憶されているそれぞれの素材と、を比較し、判定・加工・問題作成を行う。
【0089】
問題作成装置1は、問題数が所望の問題数に到達すると処理を終了する。
処理の流れは第1実施形態及び第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
判定・加工・問題作成が可能な素材について処理を行っておき、所望の新たな素材が追加される度に新たな素材と既存の素材とについてさらに処理を行う。よって、第2実施形態と同様に処理を分散させることができる。
【0090】
<その他の実施例>
(1)変形例1
第1実施形態例では、素材記憶部36から所望の問題数に相当する複数の素材が選択され、複数の素材の任意の組み合わせ全てについて判定が行われる。しかし、選択された複数の素材を、少なくとも2つの素材を含む複数の素材群に分け、素材群ごとに判定を行って問題を作成しても良い。
【0091】
例えば、選択部31が所望の問題数として80問を受け付けたとする。また、予め、素材群を構成する素材の素材数が20問と設定されているとする。なお、素材群は少なくとも2以上の素材を含むものとする。選択部31は、素材記憶部36から80問の素材を取り出し、素材群の素材数の設定に基づいて、取り出した80問の素材を20問毎の4つの素材群に分ける。選択部31は、各素材群を構成する素材が明確になるように素材リスト37を作成する。例えば、選択部31は、各素材群ごとにそれぞれ別の素材リストを作成する。又は、選択部31は、各素材群を識別するための素材群IDと素材とを対応付けた素材リストを作成する。
【0092】
特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35は、素材群ごとに判定・加工・問題作成を行う。つまり、特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35は、一の素材群に含まれる素材どうしについて、一の素材に対する解答が他の素材に含まれているか否かを判定し、判定結果に基づいて20問の問題を作成する。4つの素材群についてそれぞれ判定・加工・問題作が行われることで合計80問の問題が作成される。
【0093】
なお、異なる素材群に含まれる素材どうしについては判定・加工・問題作成は行われない。
判定を行う素材数が多い場合、ある素材に別の複数の素材に対する複数の解答が含まれることとなる場合がある。このような場合に、別の素材の解答が現れないようにある素材を加工して問題を作成すると、問われている内容を把握できなくなってしまう。上記の通り、判定を行う範囲を限定することで、問われている内容を把握できるように問題を作成することができる。
【0094】
なお、素材群を構成する素材の素材数は予め設定されている必要は無い。例えば、選択部31が、分ける素材群の数、あるいは1つの素材群を構成する素材数を受け付けても良い。
(2)変形例2
上記実施形態では、素材は、解答者が解答を導き出すための本体と、解答と、解答及び本体を区切る区切りマークである“[ ]”と、を含む穴埋め形式で構成されている。穴埋め形式の素材の構成はこれに限定されず、例えば次のような構成も可能である。
【0095】
(a)
図15は素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例である。素材記憶部36は、例えば分野ID、素材ID及び素材を対応付けて記憶している。素材は、本体と、解答と、区切りマークと、を含む。区切りマークは、区切りマークの開始位置を示す“&”の記号と、解答の文字数と、区切りマークの終了位置を示す“;”の記号と、からなる。例えば、素材ID=1002の素材を参照すると、区切りマークは“&5;”である。よって、区切りマーク“&5;”の位置が解答が挿入されるべき位置であり、解答として“&5;”以降の5文字の“征夷大将軍”が挿入されるべきであること分かる。
【0096】
(b)
図16は素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例である。素材記憶部36は、例えば分野ID、素材ID、素材、解答欄ID及び解答を対応付けて記憶している。素材は、本体と、解答欄IDと、区切りマークと、を含む。区切りマークとしては、一例として“[ ]”が用いられており、解答欄IDは区切りマークにより挟まれている。例えば、素材ID=1002の素材を参照すると、解答欄IDの“A1002”が区切りマークの“[ ]”により挟まれている。また、解答欄IDの“A1002”と、解答である“征夷大将軍”とが対応付けられている。よって、素材ID=1002の素材において、“A1002”の位置には、解答として“征夷大将軍”が挿入されるべきであること分かる。
【0097】
なお、ここでは、解答欄IDと解答とを対応付けているが、各解答を識別可能な識別子であれば解答欄IDに限定されない。
また、素材記憶部36には、素材と素材に対する解答とが別々に対応付けられて記憶されているため、特定部32は本体のみ特定すれば良く、素材に対する解答を特定する必要がない。
【0098】
(c)
図17(a)、(b)は素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例である。素材記憶部36は、上記実施形態と同様に例えば分野ID、素材ID及び素材を対応付けて記憶している。ただし、図17(a)の素材ID=2003の素材に示すように、解答の格納場所を示すURL(Uniform Resource Locator)が区切りマークにより挟まれている。また、図17(b)に示すように、URL1には、素材ID=2003の素材に対する解答が格納されている。なお、ここでは解答の格納場所をURLとしたが、格納場所を示すアドレス等であれば良くURLに限定されない。
【0099】
(3)変形例3
上記実施形態及び変形例1では、穴埋め形式である第1の例で構成された素材を用いて本発明を説明した。以下に、解答を導き出すための本体のみからなる第2の例で構成された素材を用いて本発明を説明する。全体構成及びハードウェア構成は同様であるので説明は省略する。
【0100】
問題作成装置1が図18に示すテストを作成する場合を例に挙げて本変形例を説明する。図18は、問題作成装置が作成するテストの一例である。図18に示すテストには、複数の問題が含まれている。各問題は解答を導き出すための本体のみからなり、図18に示すように例えば疑問文で構成されている。
(a)
図19は問題作成装置1の機能構成を示すブロック図である。図19に示す機能構成は第1実施形態の図3に示す機能構成と比較して特定部が設けられていない。後述の図20に示すように素材は本体のみからなるため、素材において本体及び解答を特定する特定部が必要ではない。受付部30の構成は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0101】
(a−1)素材記憶部
図20は、素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例である。素材記憶部36は、例えば分野ID、素材ID、本体のみからなる素材及び解答を対応付けて記憶している。
(a−2)選択部、素材リスト
選択部31は、問題作成の要求、所望の分野及び所望の問題数を受け付けると、これらに基づいて素材記憶部36から素材を選択する。選択部31は、選択した素材により図21に示す素材リスト37を作成する。図21は素材リストの一例である。素材リスト37は、例えばリストID、素材ID、素材及び解答を対応付けて記憶している。
【0102】
(a−3)判定部
判定部33は、素材リスト37内の複数の素材のうち第1の素材と、複数の素材のうち第1の素材とは異なる第2の素材と、について一方の解答が他方の本体に含まれているか否かを判定する。このとき、判定部33は、素材リスト37を参照し、第1の素材と第2の素材とを比較する。例えば、リストID=0001の素材と、リストID=0002の解答と、を比較する。
【0103】
判定部33は、判定結果を素材リスト37に追加する。図22は、判定結果が追加された素材リスト37の一例である。素材リスト37では、各リストID、素材ID、素材及び解答に、判定結果が対応付けられている。
(a−4)加工部
加工部34は、一の素材の本体に含まれる他の素材の解答を代替データにより置換又は上乗せする。図23は、加工部34により加工された素材を示す素材リストの一例である。代替データとして、空欄に仮番号を付した解答欄データを用いている。仮番号は特に限定されないが、ここでは仮番号として、仮(i)、仮(ii)、仮(iii)・・・を用いている。
【0104】
なお、一の素材中に他の素材の解答が含まれていない場合、加工部34は一の素材を加工しない。一の素材はそのまま問題とすることができる。
(a−5)問題作成部
問題作成部35は、各リストIDごとに問題番号を付与する。さらに、問題作成部35は、加工部34が付した仮番号を判定結果に基づいて問題番号に変更する。つまり、一の素材に、他の素材の解答が含まれている場合、一の素材中において、他の素材の解答に付された仮番号を、他の素材に付された問題番号に変更する。
【0105】
図24(a)、(b)は、問題作成部35により素材が加工される様子を示す素材リストの一例である。図24(a)に示すように、問題作成部35は、各リストIDごとに問題番号(1)、(2)、(3)・・・を付している。
さらに、問題作成部35は、仮(i)、仮(ii)、仮(iii)・・・の仮番号を、問題番号に変更する。例えば、図24(a)においてリストID=0002の素材の本体に含まれる“源頼朝”には仮(i)が付されている。ここで、判定結果を参照すると、“源頼朝”はリストID=0001の素材の解答である。さらに、リストID=0001の素材には問題番号(1)が付されている。そこで、問題作成部35は、仮(i)の仮番号を(1)の問題番号に変更する。
【0106】
(b)処理の流れ
上記機能構成で説明した点以外の処理は第1実施形態と同様であるので、処理の流れの説明は省略する。
(4)変形例4
上記実施形態例では、問題作成装置1が各機能部を有しており、素材から問題を作成している。しかし、各端末2が、問題作成装置1と同様のハードウェア構成及び機能構成を有し、素材から問題を作成しても良い。例えば、端末2は、受付部30、選択部31、特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35等の機能部を有する。
【0107】
また、前記各機能部が、問題作成装置1及び端末2のいずれかに設けられており、問題作成装置1及び端末2が協働して素材から問題を作成しても良い。例えば、受付部30及び選択部31が端末2に設けられ、特定部32、判定部33、加工部34及び問題作成部35が問題作成装置1に設けられていても良い。端末2から複数の素材が問題作成装置1に送信され、問題作成装置1は送信された複数の素材から問題を作成する。
【0108】
(5)変形例5
上記実施形態例では、1つの素材から1つの問題を作成するだけでなく、複数の素材を組み合わせて1つの問題を作成しても良い。この場合、選択部31は、所望の問題数とともに、組み合わせる素材の組み合わせ数を受け付け、所望の問題数及び組み合わせ数から素材記憶部36から取り出す素材の素材数を演算する。素材の組み合わせ数は予め設定sれていても良い。
【0109】
(6)変形例6
上記実施形態例では、選択部31は、所望の問題数及び所望の分野を受け付ける。しかし、これらの受け付けは必須ではなく、選択部31が任意に所望の問題数及び/又は所望の分野を選択し、素材記憶部36から素材を選択しても良い。
(7)変形例7
上記実施形態例では、一の素材中に他の素材の解答が含まれる場合は、前記他の素材の解答を、仮番号を付した解答欄データにより置換又は上乗せする。さらに、仮番号は、他の素材の解答に付された解答番号又は他の素材に付された問題番号に変更される。しかし、一の素材中の他の素材の解答に対して、最終的に前記解答番号又は問題番号などの参照記号が付与されれば良く、仮番号の付与は必須ではない。
【0110】
さらに、一の素材中の他の素材の解答に対して、他の素材に関連した参照記号が付される必要はない。例えば、一の素材中の他の素材の解答は、単に空欄、一組の括弧、網掛け及び塗りつぶしなどの代替データにより置換又は上乗せされても良い。また、代替データに番号を付す場合は、他の素材に関係なく順に番号を付与しても良い。
(8)変形例8
上記実施形態例の図12A〜図12B、図14A〜図14Bに示す判定処理では、特定部32は2つの素材ごとに本体及び解答を特定し、素材どうしを判定している。しかし、まず特定部32が全ての素材について本体及び解答の特定を行った後、2つの素材ごとに判定を行うようにしても良い。
【0111】
(9)変形例9
上記第1実施形態では、複数の素材の全てについて判定を行った後に、素材を加工し問題を作成している。しかし、複数の素材のうち任意の2つの素材について判定を行った後、引き続いてこの2つの素材を加工し、この処理を全ての組み合わせについて行うことで問題を作成しても良い。つまり、2つの素材の組み合わせ毎に、判定とともに加工を行っても良い。
【0112】
(10)
前述した問題作成装置が執行する問題作成方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、MO(Magneto Optical disk)、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM(DVD−Random Access Memory)、BD(Blue-ray Disc)、半導体メモリを挙げることができる。前記コンピュータプログラムは、前記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0113】
以上の実施形態及及びその他の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<付記>
(付記1)
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する、コンピュータが実行する問題作成プログラムであって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工ステップと、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成ステップと、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工ステップと、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成ステップと、
を含む問題作成プログラム。
【0114】
1つの素材は、解答者が解答を導き出すための本体を含み、少なくとも1つの解答が存在する。問題は1又は複数の素材から構成される。素材及び問題は、例えばテキストデータ、画像データ、音声データ及び/またはその組み合わせにより作成される素材及び問題のコンテンツとしては、文字列、化学式、数式、図形、写真、音声などが挙げられる。
素材及び問題の形式としては次の2つの例が挙げられる。第1の例は、素材及び問題が、解答を導き出すための本体と、解答が挿入されるべき解答箇所と、を有するいわゆる穴埋め形式である。第2の例は、素材及び問題が解答を導き出すための本体のみからなる形式である。
【0115】
第1の素材の解答である第1の解答が第2の素材の本体に現れている場合、第1の解答が現れないように加工された第2の素材を問題とする。第2の解答が現れていない第1の素材と、第1の解答が現れていない第2の素材と、を組み合わせて1つの問題としても良い。第2の解答が現れていない第1の素材とは、第2の解答が現れないように加工された第1の素材である。第1の解答が現れていない第2の素材についても同様である。
【0116】
第1の解答が第2の素材に現れないように第2の素材を加工する処理としては、例えば、第2の素材の本体に含まれる第1の解答を、空欄及び括弧などで置換し、第1の解答を第2の素材の本体から削除する処理が挙げられる。また例えば、第1の解答を第2の素材の本体に残したまま、網掛け、塗りつぶしなどの装飾要素を第1の解答上に上乗せすることにより解答者が視認できないように覆う処理が挙げられる。第2の解答と第1の素材とを比較して第1の素材を加工し、問題を作成する場合も前述と同様である。
【0117】
このように判定及び加工を経て問題を作成することで、第1の問題が1つの素材により構成されている場合には、第1の素材から作成された第1の問題に対する第1の解答が、第2の素材から作成された第2の問題に現れてしまうのを防ぐことができる。これにより、解答者が、第1の問題に対する解答が分からない場合に、第2の問題により解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。さらに、1つの問題が第1及び第2の素材を含み複数の素材から構成されている場合にも、第1の解答及び第2の解答がその問題中に現れてしまうのを防ぐことができる。なお、第2の問題に対する第2の解答が、第1の問題又は第2の問題そのものに現れてしまうことを防ぐことができることも同様である。
【0118】
さらに、上述の問題作成プログラムでは、第2の素材に第1の解答が含まれている場合には上述のように第2の素材を加工して問題を作成する。逆に、第1の素材に第2の解答が含まれている場合には上述のように第1の素材を加工して問題を作成する。つまり、与えられた第1の素材及び第2の素材を用いて問題を作成する。よって、素材を一から新たに作り直したり、別の素材を新たに選び直したりする必要がなく、効率良く問題を作成することができる。
【0119】
(付記2)
前記複数の素材のそれぞれを次々に前記第1の素材とし、前記複数の素材のうち前記第1の素材以外の素材のそれぞれを次々に前記第2の素材とした場合について、前記第1判定ステップ、前記第1加工ステップ、前記第1問題作成ステップ、前記第2判定ステップ、前記第2加工ステップ及び前記第2問題作成ステップを実行する繰り返しステップをさらに含む、付記1に記載の問題作成プログラム。
【0120】
複数の素材の任意の組み合わせ全てについて、一の素材に、他方の素材の解答が含まれているかいないか及びその逆を判定して問題を作成する。よって、解答者が、ある問題に対する解答が分からない場合に、解答のヒントを与えてしまうことを防ぐことができる。例えば、1つの問題が1つの素材から構成されている場合には、他の問題を参照することで解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。1つの問題が複数の素材から構成されている場合には、その問題中又は他の問題を参照することで解答を導き出してしまうことを防ぐことができる。問題の提供者は、解答者の正確な学力を把握することができる。解答者もまた、自身の本来の学力では解答することが出来ないであろう問題や間違うであろう問題を把握することができる。
【0121】
(付記3)
前記複数の素材に新たな1の素材が追加されると、前記新たな素材を前記第1の素材とし、前記複数の素材のそれぞれの素材を次々に前記第2の素材として、前記第1判定ステップ、前記第1加工ステップ、前記第1問題作成ステップ、前記第2判定ステップ、前記第2加工ステップ及び前記第2問題作成ステップを実行する繰り返しステップをさらに含む、付記2に記載の問題作成プログラム。
【0122】
例えば、前記複数の素材の任意の組み合わせについては既に判定・加工・問題作成が完了している場合に、複数の素材に新たな素材が追加されたとする。この場合、新たな素材と複数の素材のそれぞれとを比較して判定・加工・問題作成を行う。
(付記4)
素材を記憶する素材記憶手段に1つの新たな素材が書き込まれる度に、前記新たな素材を前記第1の素材とし、既に素材記憶手段に記憶されているそれぞれの素材を次々に前記第2の素材として、前記第1判定ステップ、前記第1加工ステップ、前記第1問題作成ステップ、前記第2判定ステップ、前記第2加工ステップ及び前記第2問題作成ステップを実行する繰り返しステップをさらに含む、付記1に記載の問題作成プログラム。
【0123】
新たに受け付けた素材の解答が、既に受け付けている素材の本体に現れているか否かを、新たに素材を受け付ける度に判定する。あるいは、既に受け付けている素材の解答が、新たに受け付けた素材の本体に現れているか否かを、新たに素材を受け付ける度に判定する。
全ての素材の受け付けを終了してから全ての素材同士について解答が素材に含まれているか否かを判定するよりも、素材を受け付ける度に判定を行う方が処理を時間的に分散することができる。よって、最終の素材を受け付けてから問題が完成するまでの待ち時間を短縮することができる。
【0124】
(付記5)
少なくとも2つの素材を記憶している素材記憶手段から、前記複数の素材を選択する選択ステップをさらに含む、付記1に記載の問題作成プログラム。
素材記憶手段に予め複数の素材を用意しておき、1つ又は複数の問題を作成するための複数の素材を選択をする。あらかじめ素材を蓄積しておけば、問題が必要となったときに素材を新たに作成せずとも、蓄積された素材を用いて問題を作成することができる。なお、問題作成プログラムが素材の選択入力を受け付けても良いし、問題作成プログラムが任意に問題を選択しても良い。
【0125】
(付記6)
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれていない場合、前記第1加工ステップでは前記第2の素材を加工せず、前記第1問題作成ステップでは前記非加工の第2の素材を含む問題を作成し、及び/又は、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれていない場合、前記第2加工ステップでは前記第1の素材を加工せず、前記第2問題作成ステップでは前記非加工の第1の素材を含む問題を作成する、付記1に記載の問題作成プログラム。
【0126】
判定の結果、第2の素材が第1の解答を含まない場合には、第2の素材を加工することなくそのまま問題とすることができる。同様に、第1の素材が第2の解答を含まない場合には、第1の素材を加工することなくそのまま問題とすることができる。
(付記7)
前記第1の素材及び前記第2の素材は、解答を導き出すための本体と、それぞれの素材の解答が挿入されるべき解答箇所と、前記本体及び前記解答箇所を区切るための区切りマークと、を含み、
前記第1判定ステップでは、
前記第2の素材に含まれる本体を前記区切りマークに基づいて特定し、
前記特定した本体と前記第1の素材の解答とを比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定し、
前記第2判定ステップでは、
前記第1の素材に含まれる本体を前記区切りマークに基づいて特定し、
前記特定した本体と前記第2の素材の解答とを比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する、
付記1に記載の問題作成プログラム。
【0127】
区切りマークは、本体と解答箇所とを区切るための、例えばカンマ、コロン、セミコロン、&、#などの記号あり得る。本体と解答箇所とが一体であるいわゆる穴埋めの形式である場合であっても、区切りマークに基づいて第1の素材及び第2の素材において本体を容易に特定し、それぞれの本体及び解答の比較を行うことができる。
(付記8)
前記第1加工ステップでは、前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第2の素材中の前記第1の解答を、前記第1の解答の代替となる第1代替データにより置換又は前記第1代替データを上乗せする加工を行い、
前記第2加工ステップでは、前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第1の素材中の前記第2の解答を、前記第2の解答の代替となる第2代替データにより置換又は前記第2代替データを上乗せする加工を行う、付記1〜7のいずれかに記載の問題作成プログラム。
【0128】
代替データには、解答欄データや装飾データが含まれる。解答欄データとしては、空欄や1組の括弧など解答欄、空欄及び1組の括弧内に各種番号を付した解答欄などが挙げられる。装飾データとしては、網がけや塗りつぶしなどが挙げられる。素材中の解答を代替データにより置換した場合には、素材中に解答が残らない。一方、素材中の解答に代替データを上乗せした場合には、素材中に解答が残っているが、代替データが例えば最前面のレイヤーに表示されていて解答者はその背面にある解答を視認することができない。
【0129】
このように一の素材の本体に含まれる他の素材の解答を代替データにより置換又は上乗せすることで、他の素材の解答のヒントを一の素材により与えないように問題を作成することができる。
(付記9)
前記第1代替データは、前記第1の素材についての解答である前記第1の解答と、前記第2の素材に含まれている前記第1の解答と、が一致することを示す参照記号を含み、及び/又は、
前記第2代替データは、前記第2の素材についての解答である前記第2の解答と、前記第1の素材に含まれている前記第2の解答と、が一致することを示す参照記号を含む、付記8に記載の問題作成プログラム。
【0130】
代替データである参照記号は、穴埋め形式である第1の例及び第2の例において例えば次のように利用され得る。
第1の例の場合、素材は、解答を導き出すための本体と、解答が挿入されるべき解答箇所と、を有する穴埋め式で構成されている。参照記号は例えば解答番号である。第1の素材の解答が挿入される解答箇所には第1の解答番号が付された第1の解答欄が設けられており、第1の解答欄には第1の解答が挿入される。第2の素材の本体に第1の解答が含まれている場合、第2の素材中の第1の解答は、参照記号として第1の解答番号が付された代替データにより置換又は上乗せされる。
【0131】
第2の例の場合、素材は解答を導き出すための本体のみからなる。参照記号は例えば問題番号である。第1の素材及び第2の素材にはそれぞれ問題番号が付されており、例えば第1の素材には第1の問題番号が付されている。第2の素材に第1の素材についての第1の解答が含まれている場合、第2の素材中の第1の解答は、参照記号として第1の問題番号が付された代替データにより置換又は上乗せされる。
【0132】
よって、解答者は、解答番号及び問題番号などの参照記号を参照することで、第1の素材についての第1の解答と、第2の素材中の第1の解答と、が同じであることを把握することができる。例えば、一の素材に他の素材の複数の解答が含まれており、この複数の解答を解答欄などの代替データに置換すると、一の素材中の解答欄が複数になり、問題として意味をなさなくなる場合がある。このような場合でも、他の素材の解答と同一であることに基づいて、着目している問題に対する解答を導き出すことができる。
【0133】
(付記10)
前記複数の素材を、少なくとも2つの素材を含む複数の素材群に分ける素材群形成ステップと、
前記判定ステップでは各素材群ごとに前記判定を行い、
前記問題作成ステップでは各素材群ごとに問題を作成する、付記1に記載の問題作成プログラム。
【0134】
例えば、1つの素材から1つの問題を作成し、合計で問題を80問作成する場合、問題となり得る80問の素材を20問毎に4つの素材群に分ける。一の素材群に含まれる素材どうしについて、一の素材に対する解答が他の素材に含まれているか否かを判定し、判定結果に基づいて20問の問題を作成する。4つの素材群についてそれぞれ判定・加工・問題作を行うことで合計80問の問題を作成する。なお、異なる素材群に含まれる素材どうしについては判定を行わない。判定を行う素材数が多い場合、ある素材に別の複数の素材に対する複数の解答が含まれることとなる場合がある。このような場合に、別の素材の解答が現れないようにある素材を加工して問題を作成すると、問われている内容を把握できなくなってしまう。上記の通り、判定を行う範囲を限定することで、問われている内容を把握できるように問題を作成することができる。
【0135】
(付記11)
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する問題作成装置であって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定手段と、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工手段と、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成手段と、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定手段と、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工手段と、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成手段と、
を含む問題作成装置。
【0136】
(付記12)
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する問題作成方法であって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工ステップと、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成ステップと、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工ステップと、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成ステップと、
を含む問題作成方法。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】第1実施形態に係る問題作成装置1を含む問題作成システムの一例。
【図2】問題作成装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【図3】問題作成装置1の機能構成を示すブロック図。
【図4】問題作成装置が作成するテストの一例。
【図5】素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例。
【図6】素材リストの一例。
【図7】各素材における本体及び解答を示す一覧。
【図8】(a)素材リスト37に判定結果が追加される様子を示す一覧(1)。
【0138】
(b)素材リスト37に判定結果が追加される様子を示す一覧(2)。
【図9】(a)加工部34により素材が加工される様子を示す素材リストの一例(1)。 (b)加工部34により素材が加工される様子を示す素材リストの一例(2)。
【図10】(a)問題作成部35により素材が加工される様子を示す素材リストの一例(1)。
【0139】
(b)問題作成部35により素材が加工される様子を示す素材リストの一例(2)。
【図11】問題作成装置1のCPU10が実行するメイン処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図12A】問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャート(1)。
【図12B】問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャート(2)。
【図13A】問題作成装置1のCPU10が実行する問題作成処理の流れの一例を示すフローチャート(1)。
【図13B】問題作成装置1のCPU10が実行する問題作成処理の流れの一例を示すフローチャート(2)。
【図13C】問題作成装置1のCPU10が実行する問題作成処理の流れの一例を示すフローチャート(3)。
【図14A】問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャート(1)。
【図14B】問題作成装置1のCPU10が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャート(2)。
【図15】素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例。
【図16】素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例。
【図17】素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例。
【図18】問題作成装置が作成するテストの一例。
【図19】問題作成装置1の機能構成を示すブロック図。
【図20】素材記憶部36が記憶している複数の素材の一例。
【図21】素材リストの一例。
【図22】判定結果が追加された素材リスト37の一例。
【図23】加工部34により加工された素材を示す素材リストの一例。
【図24】問題作成部35により素材が加工される様子を示す素材リストの一例。
【符号の説明】
【0140】
1:問題作成装置
2:端末
3:ネットワーク
10:CPU
11:RAM
12:ROM
13:HDD
14:入力I/F
15:出力I/F
16:通信I/F
17:ドライブ
18:バス
20:入力装置
21:出力装置
22:外部DB
23:記録媒体
30:受付部
31:選択部
32:特定部
33:判定部
34:加工部
35:問題作成部
36:素材記憶部
37:素材リスト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する、コンピュータが実行する問題作成プログラムであって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工ステップと、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成ステップと、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工ステップと、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成ステップと、
を含む問題作成プログラム。
【請求項2】
素材を記憶する素材記憶手段に1つの新たな素材が書き込まれる度に、前記新たな素材を前記第1の素材とし、既に素材記憶手段に記憶されているそれぞれの素材を次々に前記第2の素材として、前記第1判定ステップ、前記第1加工ステップ、前記第1問題作成ステップ、前記第2判定ステップ、前記第2加工ステップ及び前記第2問題作成ステップを実行する繰り返しステップをさらに含む、請求項1に記載の問題作成プログラム。
【請求項3】
少なくとも2つの素材を記憶している素材記憶手段から、前記複数の素材を選択する選択ステップをさらに含む、請求項1に記載の問題作成プログラム。
【請求項4】
前記第1の素材及び前記第2の素材は、解答を導き出すための本体と、それぞれの素材の解答が挿入されるべき解答箇所と、前記本体及び前記解答箇所を区切るための区切りマークと、を含み、
前記第1判定ステップでは、
前記第2の素材に含まれる本体を前記区切りマークに基づいて特定し、
前記特定した本体と前記第1の素材の解答とを比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定し、
前記第2判定ステップでは、
前記第1の素材に含まれる本体を前記区切りマークに基づいて特定し、
前記特定した本体と前記第2の素材の解答とを比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する、
請求項1に記載の問題作成プログラム。
【請求項5】
前記第1加工ステップでは、前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第2の素材中の前記第1の解答を、前記第1の解答の代替となる第1代替データにより置換又は前記第1代替データを上乗せする加工を行い、
前記第2加工ステップでは、前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第1の素材中の前記第2の解答を、前記第2の解答の代替となる第2代替データにより置換又は前記第2代替データを上乗せする加工を行う、請求項1〜4のいずれかに記載の問題作成プログラム。
【請求項6】
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する問題作成装置であって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定手段と、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工手段と、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成手段と、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定手段と、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工手段と、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成手段と、
を含む問題作成装置。
【請求項7】
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する問題作成方法であって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工ステップと、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成ステップと、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工ステップと、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成ステップと、
を含む問題作成方法。
【請求項1】
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する、コンピュータが実行する問題作成プログラムであって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工ステップと、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成ステップと、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工ステップと、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成ステップと、
を含む問題作成プログラム。
【請求項2】
素材を記憶する素材記憶手段に1つの新たな素材が書き込まれる度に、前記新たな素材を前記第1の素材とし、既に素材記憶手段に記憶されているそれぞれの素材を次々に前記第2の素材として、前記第1判定ステップ、前記第1加工ステップ、前記第1問題作成ステップ、前記第2判定ステップ、前記第2加工ステップ及び前記第2問題作成ステップを実行する繰り返しステップをさらに含む、請求項1に記載の問題作成プログラム。
【請求項3】
少なくとも2つの素材を記憶している素材記憶手段から、前記複数の素材を選択する選択ステップをさらに含む、請求項1に記載の問題作成プログラム。
【請求項4】
前記第1の素材及び前記第2の素材は、解答を導き出すための本体と、それぞれの素材の解答が挿入されるべき解答箇所と、前記本体及び前記解答箇所を区切るための区切りマークと、を含み、
前記第1判定ステップでは、
前記第2の素材に含まれる本体を前記区切りマークに基づいて特定し、
前記特定した本体と前記第1の素材の解答とを比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定し、
前記第2判定ステップでは、
前記第1の素材に含まれる本体を前記区切りマークに基づいて特定し、
前記特定した本体と前記第2の素材の解答とを比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する、
請求項1に記載の問題作成プログラム。
【請求項5】
前記第1加工ステップでは、前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第2の素材中の前記第1の解答を、前記第1の解答の代替となる第1代替データにより置換又は前記第1代替データを上乗せする加工を行い、
前記第2加工ステップでは、前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第1の素材中の前記第2の解答を、前記第2の解答の代替となる第2代替データにより置換又は前記第2代替データを上乗せする加工を行う、請求項1〜4のいずれかに記載の問題作成プログラム。
【請求項6】
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する問題作成装置であって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定手段と、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工手段と、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成手段と、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定手段と、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工手段と、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成手段と、
を含む問題作成装置。
【請求項7】
それぞれが解答を有する複数の素材から1又は複数の問題を作成する問題作成方法であって、
複数の素材のうち第1の素材についての解答である第1の解答と、前記複数の素材のうち前記第1の素材とは異なる第2の素材と、を比較し、前記第1の解答が前記第2の素材に含まれているか否かを判定する第1判定ステップと、
前記第2の素材に前記第1の解答が含まれている場合、前記第1の解答が、前記第2の素材に現れないように前記第2の素材を加工する第1加工ステップと、
加工された第2の素材を含む問題を作成する第1問題作成ステップと、
前記第2の素材についての解答である第2の解答と、前記第1の素材と、を比較し、前記第2の解答が前記第1の素材に含まれているか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1の素材に前記第2の解答が含まれている場合、前記第2の解答が、前記第1の素材に現れないように前記第1の素材を加工する第2加工ステップと、
前記加工された第1の素材を含む問題を作成する第2問題作成ステップと、
を含む問題作成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2010−32746(P2010−32746A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194465(P2008−194465)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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