説明

垂木固定金物及び小屋組構造

【課題】垂木の軸方向、水平方向、及び回転方向の変位を効果的に支持してせん断耐力を向上させて、小屋組の水平面剛性を効果的に向上させる垂木固定金物を提供する。
【解決手段】屋根勾配に沿って配置される垂木13を垂木支持用の横架材14に緊結固定する垂木固定金物10であって、垂木13の側面に沿って配置される第1プレート部15と、これの一辺部15aから垂直に折れ曲がって設けられ、横架材14の上面に沿って配置される第2プレート部16と、第1プレート部15の一辺部15aと垂直な他辺部15bから第1プレート部15と垂直に設けられると共に、第2プレート部16よりも垂直下方に延設する下方延設部分17aを備え、下方延設部分17aが横架材14の正面に沿って配置される第3プレート部17とからなる。各プレート部15,16,17には、垂木13や横架材14に向けてビス18を取付けるための取付け穴19が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂木固定金物及び小屋組構造に関し、特に、屋根勾配に沿って配置される垂木を、棟木、母屋、桁等の垂木支持用の横架材に緊結固定するための垂木固定金物、及び該垂木固定金物を用いた小屋組構造に関する。
【背景技術】
【0002】
垂木は、例えば木造住宅建築物において、屋根勾配に沿って配置されて屋根下地を支える斜材であり、屋根を支える骨組構造である小屋組において、屋根勾配と垂直な横方向に設置された棟木、母屋、桁等の横架材によって支持されて、屋根の勾配方向に流すように取り付けられる。また垂木は、屋根面の構造安定性に寄与するものであり、横架材との交差接合部分における垂木の固定度を確保することは、小屋組に高い構造安定性を得る上で重要である。
【0003】
一方、建物の小屋組の水平面剛性を上げるための方法として、従来より小屋組の水平面に火打ち梁、火打ち金物、合板等の耐力補強部材を配置する方法が採用されてきたが、近年、建物の室内空間の有効利用を図るために吹き抜け部を設ける構造や、建物の意匠性に配慮した勾配天井を設ける構造等、小屋組に水平面が形成されない空間構成が増えてきている。このような空間構成では、火打ち梁や火打ち金物は露出することになるため、用いることは適切でない。
【0004】
したがって、火打ち梁や火打ち金物を用いることなく小屋組の水平面剛性を向上させる工夫が種々検討されており、横架材に垂木彫りを施してこの垂木彫りに垂木を落し込んだり、隣接する垂木の間隔部分に転び止めを追加配置することにより垂木の固定度を高める一般的な方法の他、例えば強風で屋根面と共に垂木が吹き上げられないようにするために用いられていたあおり止め用の接合金具を、より強固且つ取り扱いやすい構造に形成して使用する方法も開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−156425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の接合金具では、小屋組に水平面剛性をバランス良く付与するのに効果的な強度を垂木と横架材との各交差接合部分に得ることができなかった。すなわち、垂木の横架材への固定度を高めてせん断耐力を向上させ、小屋組に高い水平面剛性を付与するには、垂木の軸方向、水平方向、及び回転方向の変位を抑制することが重要であり、特に回転方向の変位(垂木の転倒)の抑制は重要な要素となるが、特許文献1に記載の接合金具によれば、垂木の軸方向や水平方向の力には対応することが可能であるが、回転方向の力には十分に対応することができず、特に垂木と横架材との各交差接合部分において、接合金具を垂木の片面のみに取り付けた場合には、小屋組に高い水平面剛性を付与することは困難である。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、垂木の横架材への各交差接合部分に多くの手間を要することなく容易に取り付けることができると共に、垂木の軸方向、水平方向、及び回転方向の変位を効果的に支持してせん断耐力を向上させることにより、小屋組の水平面剛性を効果的に向上させることのできる垂木固定金物及び該垂木固定金物を用いた小屋組構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、屋根勾配に沿って配置される垂木を、棟木、母屋、桁等の垂木支持用の横架材に緊結固定するための垂木固定金物であって、前記垂木の側面に沿って配置される第1プレート部と、該第1プレート部の一辺部から垂直に折れ曲がって設けられ、前記横架材の上面に沿って配置される第2プレート部と、前記第1プレート部の一辺部と垂直な他辺部から前記第1プレート部と垂直に折れ曲がって設けられると共に、前記第2プレート部よりも垂直下方に延設する下方延設部分を備え、当該下方延設部分が横架材の正面に沿って配置される第3プレート部とからなり、前記第1プレート部、前記第2プレート部、及び前記第3プレート部の下方延設部分には、前記垂木や横架材に向けてビス、釘等の緊結部材を取り付けるための取付け穴が各々形成されている垂木固定金物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0008】
また、本発明の垂木固定金物は、所定の形状に裁断された1枚の金属プレートを折り曲げ加工して形成することが好ましい。
【0009】
さらに、本発明の垂木固定金物は、前記第1プレート部と前記第2プレート部とが垂直に折れ曲がって連設する前記第1プレート部の一辺部の中央部分には、当該一辺部と垂直に交差する線分を折れ曲がり角部の外側から内側に向けて押し出した形状の略三角形断面を備える補強凸部が、前記第1プレート部と前記第2プレート部に跨って前記折れ曲がり角部の内側に突出して設けられていることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、上記いずれかに記載の垂木固定金物を用いて前記垂木を前記垂木支持用の横架材に緊結固定して構成される小屋組構造であって、前記垂木と前記横架材との交差接合部分において、前記第1プレート部を前記垂木の一方の側面に沿って配置し、前記第2プレート部を前記横架材の上面に沿って配置し、前記第3プレート部の下方延設部分を前記横架材の正面に沿って配置した状態で、前記垂木及び横架材に向けて前記取付け穴に緊結部材を各々打ち込んで取り付けることにより、前記垂木を前記横架材に緊結固定する小屋組構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の垂木固定金物、又は該垂木固定金物を用いた小屋組構造によれば、垂木の横架材への各交差接合部分に垂木固定金物を多くの手間を要することなく容易に取り付けることができると共に、垂木の軸方向、水平方向、及び回転方向の変位を効果的に支持してせん断耐力を向上させることにより、小屋組の水平面剛性を効果的に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の好ましい一実施形態に係る垂木固定金物10は、図1及び図2に示すように、例えば木造住宅建築物の屋根11の小屋組12を構成する垂木13を、屋根勾配と垂直な横方向に設置した棟木14a、母屋14b、桁等14cの垂木支持用の横架材14に支持させつつ屋根勾配に沿って配置する際に、垂木13の軸方向、水平方向、及び回転方向の変位を効果的に支持してせん断耐力を向上させることにより、小屋組12の水平面剛性をバランス良く向上させることができるように、垂木13と横架材14との各交差接合部分に取り付けて用いられるものである。ここで、垂木13は、屋根勾配に沿って配置されて屋根下地が取り付けられる斜材であり、屋根11を支える骨組構造である小屋組12において横架材14によって支持されて、屋根11の勾配方向に流すようにして横方向に所定間隔をおいて複数取り付けられるものである。
【0013】
そして、本実施形態の垂木固定金物10は、屋根勾配に沿って配置される垂木13を、棟木14a、母屋14b、桁14c等の垂木支持用の横架材14に緊結固定するための金物であって、垂木13の側面に沿って配置される第1プレート部15と、この第1プレート部15の一辺部15aから垂直に折れ曲がって設けられ、横架材14の上面に沿って配置される第2プレート部16と、第1プレート部15の一辺部15aと垂直な他辺部15bから第1プレート部15と垂直に折れ曲がって設けられると共に、第2プレート部16よりも垂直下方に延設する下方延設部分17aを備え、当該下方延設部分17aが横架材14の正面に沿って配置される第3プレート部17とからなり、且つ第1プレート部15、第2プレート部16、及び第3プレート部17の下方延設部分17aには、垂木13や横架材14に向けてビス、釘等の緊結部材18を取り付けるための取付け穴19が各々形成されている。
【0014】
また、本実施形態の垂木固定金物10は、好ましくは第1プレート部15、第2プレート部16、及び第3プレート部17を展開した形状を備えるように所定の形状に裁断された、例えば厚さが1〜5mm程度の1枚の金属プレートを折り曲げ加工して形成されている。
【0015】
さらに、本実施形態の垂木固定金物10は、第1プレート部15と第2プレート部16とが垂直に折れ曲がって連設する第1プレート部15の一辺部15aの中央部分には、当該一辺部15aと垂直に交差する線分X−X(図3(e),(f)参照)を折れ曲がり角部20の外側から内側に向けて押し出した形状の略三角形断面を備える補強凸部21が、第1プレート部15と第2プレート部16に跨って折れ曲がり角部20の内側に突出して設けられている。
【0016】
図3(a)〜(g)にも示されるように、第1プレート部15は、例えば縦30〜150mm、横30〜150mm程度の大きさの矩形平面形状を備える部分であって、その下辺を一辺部15aとして、当該一辺部15aから垂直に折り曲げられて第2プレート部16が延設している。また一方の側辺を一辺部15aと垂直な他辺部15bとして、当該他辺部15bから垂直に折り曲げられて第3プレート部17が延設している。さらに、第1プレート部15には、穴径が例えば1〜10mm程度の大きさの取付け穴19が、3箇所に開口形成されていると共に、一辺部15aと他辺部15bとの接合角部と対角に位置する角部分15cは、斜めに面取りされている。
【0017】
第2プレート部16は、例えば横幅30〜150mm、突出長さ20〜100mm程度の大きさの矩形平面形状を備える部分であって、第1プレート部15の一辺部15aから垂直に折り曲げられるようにして突出配置される。また、第2プレート部16には、穴径が例えば1〜10mm程度の大きさの取付け穴19が、3箇所に開口形成されていると共に、先端両側の角部分16aは、斜めに面取りされている。さらに、本実施形態では、第2プレート部16と第1プレート部15との折り曲げ角部20となった第1プレート部15の一辺部15aの中央部分には、当該折り曲げ角部20の内側に突出して、略三角形断面を備える、例えば底部の折り曲げ角部20に沿った幅が5〜100mm程度、底部の折り曲げ角部20からの突出長さが4〜40mm程度、高さが10〜100mm程度の大きさの三角錐形状の補強凸部21が、第2プレート部16と第1プレート部15とに跨がるようにして設けられている。
【0018】
第3プレート部17は、例えば底辺20〜100mm、高さ60〜300mm程度の大きさの縦長矩形形状の上半部分の側辺が、斜めに切り取られた斜辺17bとなっている平面形状を備える部分であって、斜辺17bと反対側の辺部を第1プレート部15の他辺部15bとの接合辺として、第1プレート部15に対して垂直に折り曲げられた状態で設けられている。第3プレート部17が斜辺17bと反対側の辺部を介して第1プレート部15に垂直に折り曲げられて接合されていることにより、第3プレート部17は、第2プレート部16に対しても垂直に配置されることになる。また第3プレート部17の斜辺17bよりも下方部分は、第2プレート部16から垂直下方に延設して下方延設部分17aを構成することになる。さらに、第3プレート部17の下方延設部分17aには、穴径が例えば1〜10mm程度の大きさの取付け穴19が、2箇所に開口形成されていると共に、下端両側の角部分17cは、斜めに面取りされている。
【0019】
上述の構成を備える本実施形態の垂木固定金物10を用いて垂木13を横架材14に緊結固定して小屋組12を形成するには、緊結すべき垂木13と横架材14との各交差接合部分において、図1に示すように、垂木固定金物10の第1プレート部15を垂木13の一方の側面に沿って配置し、第2プレート部16を横架材14の上面に沿って配置し、第3プレート部17の下方延設部分17aを横架材14の正面に沿って配置した状態で、垂木13や横架材14に向けて各取付け穴19に釘やビス等の緊結部材18を各々打ち込んで取り付けることにより、垂木13を横架材14に緊結固定する。これによって、各交差接合部分において垂木13と横架材14とが容易且つスムーズに緊結固定されると共に、各交差接合部分において垂木13と横架材14とが強固且つ安定した状態で緊結された小屋組構造が形成されることになる。
【0020】
そして、本実施形態によれば、垂木固定金物10を垂木13の横架材14への交差接合部分に多くの手間を要することなく容易に取り付けることができると共に、垂木13の軸方向、水平方向、及び回転方向の変位を効果的に支持して、屋根11のせん断耐力を向上させることにより、小屋組12の水平面剛性を効果的に向上させることができる。すなわち、本実施形態によれば、垂木固定金物10は、上述のように、第1プレート部15、第2プレート部16、及び第3プレート部17の下方延設部分17aを各交差接合部分における垂木13の一方の側面、横架材14の上面、及び横架材14の正面に沿って配置して、垂木13や横架材14に向けて各取付け穴19に緊結部材18を各々打ち込むだけの簡易な作業によって、多くの手間を要することなく、スムーズに垂木13と横架材14とを緊結固定することが可能になる。また、第1プレート部15、第2プレート部16、及び第3プレート部17は、互いに垂直に配置された状態で交差接合部分の各面に取り付けられるので、これらが一体となって軸方向、水平方向、及び回転方向の変位を強固に支持することができると共に、各交差接合部分において垂木13の片面のみに垂木固定金物10を取り付けた場合であっても、充分な強度を発揮することが可能になる。
【0021】
さらに、本実施形態によれば、垂木固定金物10は、風圧力による軒先の吹き上げにも対応できる性能を持ち合わせることで、従来の吹き上げ対応金物を省略することが可能になり、金物の費用及び取り付け手間の削減が可能になる。さらにまた、せん断耐力の向上により、設計の自由度及び品確法における構造等級の上位等級確保等が見込めるようになると共に、特に勾配天上部分など、従来の屋根構造ではなし得なかった豊かな空間の実現も容易になる。
【0022】
また、第1プレート部15と第2プレート部16に跨って、三角断面を備える補強凸部21が折れ曲がり角部20の内側に突出して設けられているので、垂木13の回転方向の変位をさらに強固に支持することが可能になる。
【0023】
図4は本発明の他の実施形態に係る垂木固定金物22を示すものである。この垂木固定金物22は、第1プレート部15、第2プレート部16、及び第3プレート部17の角部分が面取りされていないが、上記実施形態の垂木固定金物10と略同様の構成を備えている。図4の垂木固定金物22もまた、1枚の金属プレートを折り曲げ加工して形成されると共に、第2プレート部16と第3プレート部17が垂直に交差するように対向する部分は、溶接等によって接合されている。さらに、第3プレート部17の斜めに切り取られた斜辺17bには、補強リブ23が、第3プレート部17から垂直外側に帯状に折り曲げて設けられている。これらによって補強されて、図4の垂木固定金物22は、軸方向、水平方向、及び回転方向の変位をさらに強固に支持することが可能になる。また、補強リブ23は、斜辺17bから垂直外側に帯状に折り曲げられた形状の他、図5(a)〜(c)に示すように、垂直内側に折り曲げた形状、外側に略180度折り返した形状、内側に略180度折り返した形状等、種々の形状のリブとして設けることが可能である。
【0024】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、垂木と横架材との交差接合部分において、垂木固定金物を垂木の両面に挟む込むようにして取り付けることもでき、この場合には、互いに対称な逆形状の一対の垂木固定金物を使用する。また、垂木固定金物は、小屋組の水平面において用いることもでき、水平面のとれない小屋組の例えば勾配天上部分に垂木固定金物を用い、水平面には、火打ち梁等の従来の耐力補強部材を取り付けて、小屋組の剛性を向上させることもできる。さらに、小屋組の水平面部分に火打ち梁の取り付けと垂木固定金物の片面取り付けを行い、勾配天上部分には垂木固定金物の両面取り付けを行って、バランスの良い剛性面を得るようにすることもできる。全面水平面の小屋組構造であっても、角部分等に部分的に用いる火打ち梁等には反力が集中し、梁の破壊等の不具合が考えられるが、本発明の小屋組構造では、垂木と横架材との各交差接合部分に垂木固定金物を取り付けることにより、反力がバランス良く分散して、構造体の破壊を効果的に回避することが可能になる。さらにまた、本発明の垂木固定金物は、下屋においても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係る垂木固定金物を用いて垂木が固定される小屋組を、垂木と横架材との交差接合部分における垂木固定金物の取り付け状況と共に示す説明図である。
【図2】本発明の好ましい一実施形態に係る垂木固定金物の斜視図である。
【図3】本発明の好ましい一実施形態に係る垂木固定金物の、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は底面図、(f)は背面図、(g)は(a)のA−Aに沿った断面図である。
【図4】本発明の好ましい他の実施形態に係る垂木固定金物の斜視図である。
【図5】(a)〜(c)は、補強リブの他の形状を例示する部分斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
10,22 垂木固定金物
11 屋根
12 小屋組
13 垂木
14 垂木支持用の横架材
15 第1プレート部
15a 第1プレート部の一辺部
15b 第1プレート部の他辺部
16 第2プレート部
17 第3プレート部
17a 第3プレート部の下方延設部分
18 緊結部材
19 取付け穴
20 折れ曲がり角部
21 補強凸部
23 補強リブ
X−X 第1プレート部の一辺部と垂直に交差する線分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根勾配に沿って配置される垂木を、棟木、母屋、桁等の垂木支持用の横架材に緊結固定するための垂木固定金物であって、
前記垂木の側面に沿って配置される第1プレート部と、該第1プレート部の一辺部から垂直に折れ曲がって設けられ、前記横架材の上面に沿って配置される第2プレート部と、前記第1プレート部の一辺部と垂直な他辺部から前記第1プレート部と垂直に折れ曲がって設けられると共に、前記第2プレート部よりも垂直下方に延設する下方延設部分を備え、当該下方延設部分が横架材の正面に沿って配置される第3プレート部とからなり、前記第1プレート部、前記第2プレート部、及び前記第3プレート部の下方延設部分には、前記垂木や横架材に向けてビス、釘等の緊結部材を取り付けるための取付け穴が各々形成されている垂木固定金物。
【請求項2】
所定の形状に裁断された1枚の金属プレートを折り曲げ加工して形成される請求項1に記載の垂木固定金物。
【請求項3】
前記第1プレート部と前記第2プレート部とが垂直に折れ曲がって連設する前記第1プレート部の一辺部の中央部分には、当該一辺部と垂直に交差する線分を折れ曲がり角部の外側から内側に向けて押し出した形状の略三角形断面を備える補強凸部が、前記第1プレート部と前記第2プレート部に跨って前記折れ曲がり角部の内側に突出して設けられている請求項1又は2に記載の垂木固定金物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の垂木固定金物を用いて前記垂木を前記垂木支持用の横架材に緊結固定して構成される小屋組構造であって、前記垂木と前記横架材との交差接合部分において、前記第1プレート部を前記垂木の一方の側面に沿って配置し、前記第2プレート部を前記横架材の上面に沿って配置し、前記第3プレート部の下方延設部分を前記横架材の正面に沿って配置した状態で、前記垂木及び横架材に向けて前記取付け穴に緊結部材を各々打ち込んで取り付けることにより、前記垂木を前記横架材に緊結固定する小屋組構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−100323(P2007−100323A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−288446(P2005−288446)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【Fターム(参考)】