説明

基地局及び無線通信方法

【課題】無線リソースの消費を抑制しつつ、適切なタイミングで受信チャネル品質を取得し得る基地局及び無線通信方法を提供する。
【解決手段】基地局100は、移動局に対して上りリンク物理共有チャネル(PUSCH)を割り当てるPUSCHスケジューラ111と、上りリンク物理共有チャネルが割り当てられた場合、移動局200Aに対してCQIの報告を要求するCQI報告制御部107と、移動局200Aから送信されたCQIの報告を取得するCQI管理部121とを備える。CQI報告制御部107は、移動局200Aによる前回のCQIの送信からの経過時間が第1の閾値を超えた場合、移動局200Aに対してCQIの報告を要求する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局における受信チャネル品質の報告を当該移動局に対して要求する基地局及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)において標準化されているLong Term Evolution(LTE)では、無線通信システムが利用する周波数帯域(システム帯域)内の受信チャネル品質の周波数選択性を考慮して、送信タイミング(Transmission Time Interval)毎、つまりサブフレーム毎に、当該サブフレームにおいて用いられる周波数リソースのブロック(RB)を割り当てる周波数スケジューリングが適用されている(例えば、非特許文献1)。周波数スケジューリングの適用によって、無線通信システムの容量を大幅に増大することができる。
【0003】
周波数スケジューリングを適用する場合、基地局(eNB)は、接続中の移動局(UE)における受信チャネル品質の周波数選択性を判定するために、システム帯域が分割されたサブバンド毎の受信チャネル品質(sub-band CQI)を各移動局から受信する。基地局は、移動局による受信チャネル品質の送信方法として、「周期送信」と「非周期送信」(Aperiodic CQI)との何れかを選択できる。
【0004】
周期送信では、受信チャネル品質は、L3シグナリングによって指定された上りリンク物理制御チャネル(PUCCH)を用いて、周期的に送信される。一方、非周期送信では、基地局は、下りリンク物理制御チャネル(PDCCH)を用いたL1シグナリングによって、受信チャネル品質の送信を移動局に任意のタイミングで指示する。移動局は、基地局によって指定された上りリンク物理共有チャネル(PUSCH)を用いて、全サブバンドの受信チャネル品質を1回のみ送信する。
【0005】
周期送信の場合、全サブバンドの受信チャネル品質を送信するためには、割当ビット数の関係から複数回の送信タイミングに跨った送信が必要となるが、非周期送信の場合、全サブバンドの受信チャネル品質を1回の送信タイミングにおいて送信できるため、フェージングなどによって受信チャネル品質が急激に変動する場合でも、当該変動への追従性が良好である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TS 36.300 V10.3.0, 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 10)、2011年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の受信チャネル品質の非周期送信には、次のような問題があった。すなわち、非周期送信の場合、基地局による受信チャネル品質の取得には、下りリンク物理制御チャネル及び上りリンク物理共有チャネルの両方向における無線リソースが用いられるため、受信チャネル品質の取得に関する無線リソースの消費が増大する問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、無線リソースの消費を抑制しつつ、適切なタイミングで受信チャネル品質を取得し得る基地局及び無線通信方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴は、移動局(移動局200A, 200B)における受信チャネル品質(CQI)の報告を前記移動局に対して要求する基地局(基地局100)であって、前記移動局に対して上りリンク物理共有チャネル(PUSCH)を割り当てるチャネル割当部(PUSCHスケジューラ111)と、前記チャネル割当部によって前記上りリンク物理共有チャネルが割り当てられた場合、前記移動局に対して前記受信チャネル品質の報告を要求する報告制御部(CQI報告制御部107)と、前記移動局から送信された前記受信チャネル品質の報告を取得する受信チャネル品質管理部(CQI管理部121)とを備え、前記報告制御部は、前記移動局による前回の受信チャネル品質の送信からの経過時間が第1の閾値を超えた場合、前記移動局に対して前記受信チャネル品質の報告を要求することを要旨とする。
【0010】
本発明の第2の特徴は、移動局における受信チャネル品質の報告を前記移動局に対して要求する無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記無線通信システムが、前記移動局に対して上りリンク物理共有チャネルを割り当てるステップと、前記上りリンク物理共有チャネルが割り当てられた場合、前記移動局に対して前記受信チャネル品質の報告を要求するステップと、前記移動局が前記受信チャネル品質の報告の要求に基づいて、前記受信チャネル品質を前記無線通信システムに送信するステップと、前記移動局から送信された前記受信チャネル品質の報告を取得するステップとを備え、前記受信チャネル品質の報告を要求するステップでは、前記移動局による前回の受信チャネル品質の送信からの経過時間が第1の閾値を超えた場合、前記移動局に対して前記受信チャネル品質の報告を要求することを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の特徴によれば、無線リソースの消費を抑制しつつ、適切なタイミングで受信チャネル品質を取得し得る基地局及び無線通信方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基地局100の機能ブロック構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る基地局100による移動局200AへのCQIの報告要求動作フロー(その1)を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基地局100による移動局200AへのCQIの報告要求動作フロー(その2)を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る基地局100によるCQI報告用閾値の設定動作フローを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る上りリンク及び下りリンクのベアラ数またはPUSCHの無線リソースブロック(RB)使用率と第2の閾値とを対応付けるテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0014】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0015】
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システムの全体概略構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る無線通信システムは、Long Term Evolution(LTE)方式を採用しており、コアネットワーク50、基地局100(eNB)及び移動局200A, 200B(UE)を含む。
【0016】
基地局100は、コアネットワーク50に接続されている。基地局100は、セルC1を形成し、移動局200A及び200BとLTE方式に従った無線通信を実行する。
【0017】
本実施形態では、基地局100は、移動局200A(または移動局200B、以下同)における受信チャネル品質、具体的には、Channel Quality Indicator(CQI)の報告を移動局200Aに対して要求する。特に、本実施形態では、基地局100は、移動局200Aに対して、システム帯域が分割されたサブバンド毎のCQIであるsub-band CQIの非周期送信(Aperiodic CQI)を要求する。
【0018】
(2)基地局の機能ブロック構成
次に、本実施形態に係る無線通信システムの機能ブロック構成について説明する。具体的には、基地局100の機能ブロック構成について説明する。図2は、基地局100の機能ブロック構成図である。
【0019】
図2に示すように、基地局100は、送信バッファ101、PDSCHスケジューラ103、送信データ生成部105、CQI報告制御部107、制御情報生成部109、PUSCHスケジューラ111、信号多重部113、信号送信部115、信号受信部117、信号分離部119及びCQI管理部121を備える。
【0020】
送信バッファ101は、下り方向、つまり基地局100から移動局200Aに向けて送信されるデータを格納する。送信バッファ101は、移動局200Aと設定されたベアラ毎にQueueを設定し、移動局200A向けの送信データを格納するとともに、当該送信データの滞留量を管理する。
【0021】
PDSCHスケジューラ103は、移動局200Aに対して下りリンク物理共有チャネル(PDSCH)を割り当てる。
【0022】
送信データ生成部105は、送信バッファ101に格納された送信データのチャネル符号化やデータ変調を実行し、信号多重部113に出力される送信データを生成する。
【0023】
CQI報告制御部107は、送信バッファ101からベアラ毎の送信データの滞留量を示す情報を取得し、滞留データのある移動局をCQIの報告対象とする。CQI報告制御部107は、CQIの報告対象となった移動局に対して、前回のCQIの報告からの経過時間を管理する。
【0024】
具体的には、CQI報告制御部107は、PUSCHスケジューラ111によってPUSCHが移動局200Aに割り当てられた場合、移動局200Aに対してCQIの報告を要求する。また、CQI報告制御部107は、移動局200Aによる前回のCQIの送信からの経過時間が第1の閾値を超えた場合、移動局200Aに対してCQIの報告を要求する。
【0025】
CQI報告制御部107は、移動局200AにCQIの報告を要求すると判定した場合、CQIの報告要求を下りリンク物理制御チャネル(PDCCH)に含めるように制御情報生成部109に通知する。
【0026】
また、CQI報告制御部107は、移動局200AにPUSCHが割り当てられていない場合であって、移動局200Aによる前回のCQIの送信からの経過時間が第2の閾値を超えた場合、移動局200Aに対してCQIの報告を要求することができる。
【0027】
なお、CQI報告制御部107は、基地局100が形成するセルC1の混雑度に基づいて第2の閾値を変化させてもよい。具体的には、CQI報告制御部107は、セルC1の混雑度が上昇するに連れて、第2の閾値を長くする。セルC1の混雑度は、後述するように、上りリンクまたは下りリンクの設定ベアラ数などに基づいて決定することができる。
【0028】
制御情報生成部109は、PDCCHのチャネル符号化やデータ変調を実行する。また、制御情報生成部109は、PUSCH用のリソースの割当てを通知する制御信号(UL grant)を生成し、CQI報告制御部107からの通知に基づいて、CQIの報告要求を示すビットをONとする。
【0029】
なお、移動局200Aは、UL grantを受信した場合、指定されたトランスポートブロックサイズ(TBS)及び変調符号方式(MCS)により、送信データを生成し符号化及びデータ変調を実行する。また、移動局200Aは、CQIの報告を要求されている場合には、CQIを生成し、指定されたPUSCHの無線リソースブロックに送信データと多重する。このとき、所定の条件を満たせば、上り方向における滞留データ量の情報(BSR)も多重する。
【0030】
PUSCHスケジューラ111は、移動局200Aに対してPUSCHを割り当てる。本実施形態において、PUSCHスケジューラ111は、チャネル割当部を構成する。上述したBSRは、PUSCHスケジューラ111に通知される。PUSCHスケジューラ111は、通知されたBSRに基づいて、PUSCHのスケジューリング対象とする移動局を決定する。
【0031】
信号多重部113は、送信データ生成部105及び制御情報生成部109から出力されたデータを多重し、多重した信号を信号送信部115に出力する。
【0032】
信号受信部117は、受信した信号を信号分離部119に出力する。信号分離部119は、信号受信部117から出力された信号を、上りデータ、BSR及びCQIに分離する。
【0033】
CQI管理部121は、信号分離部119によって分離されたCQIを管理する。本実施形態において、CQI管理部121は、移動局200Aから送信されたCQIの報告を取得する受信チャネル品質管理部を構成する。CQI管理部121が取得した移動局200AのCQIは、PDSCHスケジューラ103に通知され、PDSCHのスケジューリングに用いられる。
【0034】
(3)基地局の動作
次に、本実施形態に係る無線通信システムの動作について説明する。具体的には、基地局100による移動局200Aへの受信チャネル品質(CQI)の報告要求の動作について説明する。
【0035】
(3.1)動作例1
図3は、基地局100による移動局200AへのCQIの報告要求動作フロー(その1)を示す。図3に示すように、基地局100は、上りリンクにおける共有チャネル(UL-SCH)を送信するために、PUSCHを移動局200A(UE)に割り当てる(S10)。
【0036】
基地局100は、PUSCHを割り当てた移動局200Aが第1所定条件に合致するか否かを判定する(S20)。なお、第1所定条件は、以下に示す6つの何れかに該当する場合に満たされる。
【0037】
(1)前回CQI報告を指示してからの経過時間が第1の閾値を超えていない場合
(2)ハイブリッドARQによる再送の場合
(3)PUSCHを送信するサブフレームがSounding Reference Signalを送信するサブフレームと一致する場合
(4)割り当てられた無線リソースブロック(RB)数が一定数以下になる場合、及び/またはPUSCHの送信に用いるMCSが一定値以上の場合
(5)当該移動局に特定の無線ベアラが設定されている場合
(6)当該移動局と同期状態が確立されていない場合
なお、(1)については、通信開始時も含め、Random Access手順の起動時には、Msg 3のCRCが確認されるまで経過時間は計測せず、Msg 3のCRCが確認された時点から経過時間をカウントアップする。
【0038】
(2)については、具体的には、PDCCHによりPUSCHの送信RBを再指定するAdaptive再送の場合が該当する。CQIの多重により、UL-SCHの符号化率が高くなることに起因する受信誤りを回避するためである。
【0039】
(3)及び(4)についても、CQIの多重により、UL-SCHの符号化率が高くなることに起因する受信誤りを回避するためであり、特に割り当てリソースが小さく、CQIを多重することによって符号化率が大きく変化するからである。
【0040】
(5)については、音声呼など、CQIの多重によるUL-SCHの受信誤りを抑えたい場合があるためである。或いは、特定の無線ベアラが設定されている場合以外については、CQIの送信を要求しないようにしてもよい。
【0041】
第1所定条件に合致しない場合、基地局100は、移動局200Aに対してCQIの報告を要求する(S30)。一方、第1所定条件に合致する場合、基地局100は、移動局200Aに対してCQIの報告を要求しない(S40)。
【0042】
(3.2)動作例2
図4は、基地局100による移動局200AへのCQIの報告要求動作フロー(その2)を示す。図4に示すように、基地局100は、前回CQIの報告を移動局200Aに要求してからの経過時間が第2の閾値を超えたか否かを判定する(S50)。
【0043】
当該経過時間が第2の閾値を超えた場合、基地局100は、移動局200Aが第2所定条件に合致するか否かを判定する(S60)。なお、第2所定条件は、以下に示す3つの何れかに該当する場合に満たされる。
【0044】
(1)当該移動局に特定の無線ベアラが設定されている場合
(2)下りリンクにおける全ての論理チャネルの合計データ滞留量が一定値以下の場合
(3)当該移動局と同期状態が確立されていない場合
第2所定条件に合致しない場合、基地局100は、移動局200Aに対してCQIの報告を要求する(S70)。一方、第1所定条件に合致する場合、基地局100は、前回CQIの報告要求からの経過時間をリセットする(S80)。
【0045】
(3.3)動作例3
図5は、基地局100によるCQI報告用閾値の設定動作フローを示す。図5に示すように、基地局100は、セルC1内の移動局に対して設定されている上りリンクのベアラ数を取得する(S110)。同様に、基地局100は、セルC1内の移動局に設定されている下りリンクのベアラ数を取得する(S120)。さらに、基地局100は、PUSCHの無線リソースブロック使用率を取得する(S130)。
【0046】
次いで、基地局100は、取得した上りリンク及び下りリンクのベアラ数、またはPUSCHの無線リソースブロック使用率に基づいて、前回CQIの報告を移動局200Aに要求してからの経過時間の判定に用いられる第2の閾値を決定する(S140)。
【0047】
具体的には、CQIの報告要求の総数は、下りリンクのベアラ数に比例すると考えられるため、下りリンクのベアラ数に応じて、CQIの報告要求の総数を制御すればよい。さらに、上りリンクの混雑度は、上りリンクのベアラ数に比例すると考えられるため、上りリンクのベアラ数に応じて、CQI報告要求の総数(つまり、上りリンクのオーバヘッドになるCQIの報告と対応する)を制御すればよい。
【0048】
また、PUSCHの無線リソースブロック使用率は、例えばサブフレーム当たりの平均値を用いることができる。なお、上りリンクの混雑度は、PUSCHの無線リソースブロック使用率に比例すると考えられるため、PUSCHの無線リソースブロック使用率に応じてCQIの報告要求の総数(つまり、上りリンクのオーバヘッド)を制御すればよい。
【0049】
図6は、上りリンク及び下りリンクのベアラ数またはPUSCHの無線リソースブロック(RB)使用率と第2の閾値とを対応付けるテーブルの一例を示す。図6に示すように、基地局100は、上りリンク及び下りリンクのベアラ数またはPUSCHの無線リソースブロック(RB)使用率(N0〜N2など)に応じた第2の閾値(TThreshold2,0〜TThreshold2,3)を決定する。なお、上述したように、当該ベアラ数または無線リソースブロック使用率が高くなるに連れて、第2の閾値も大きくなることが好ましい。
【0050】
(4)作用・効果
基地局100によれば、CQI報告制御部107は、PDSCHスケジューラ103によってPUSCHが割り当てられた場合、移動局200Aに対してCQIの報告を要求する。そして、CQI報告制御部107は、移動局200Aによる前回のCQIの送信からの経過時間が第1の閾値を超えた場合、移動局200Aに対してCQIの報告を要求する。
【0051】
このため、CQIが非周期的に送信されるAperiodic CQIの場合でも、PUSCHのみ、つまり、上り方向のみにおける無線リソースが用いられるため、基地局100は、無線リソースの消費を抑制しつつ、適切なタイミングで移動局200AからCQIを取得し得る。
【0052】
本実施形態では、CQI報告制御部107は、移動局200AにPUSCHが割り当てられていない場合であって、移動局200Aによる前回のCQIの送信からの経過時間が第2の閾値を超えた場合、移動局200Aに対してCQIの報告を要求する。このため、基地局100は、無線リソースの消費を抑制しつつ、一定の周期で移動局200AからCQIを取得し得る。
【0053】
本実施形態では、CQI報告制御部107は、基地局100が形成するセルC1の混雑度に基づいて、具体的には、セルC1の混雑度が上昇するに連れて、第2の閾値を長くすることができる。このため、セルC1の混雑度が高い場合には、無線リソースの消費をさらに抑制しつつ、制御上必要な最低限のCQIを移動局200Aから取得し得る。
【0054】
(5)その他の実施形態
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
【0055】
例えば、上述した実施形態では、CQI報告制御部107は、基地局100が形成するセルC1の混雑度に基づいて、具体的には、セルC1の混雑度が上昇するに連れて、第2の閾値を長くしたが、このような制御は一例であり、必ずしもこのような制御をしなくても構わない。例えば、図5及び図6に示したように、上りリンクまたは下りリンクのベアラ数、或いはPUSCHの無線リソースブロック使用率に基づいて第2の閾値を制御してもよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、移動局200Aによる前回のCQIの送信からの経過時間が第2の閾値を超えた場合、移動局200Aに対してCQIの報告を要求したが、移動局200Aによる前回のCQIの送信からの経過時間が第2の閾値を超えない場合に、移動局200Aに対してCQIの報告を要求しても構わない。
【0057】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0058】
50…コアネットワーク
100…基地局
101…送信バッファ
103…PDSCHスケジューラ
105…送信データ生成部
107…CQI報告制御部
109…制御情報生成部
111…PUSCHスケジューラ
113…信号多重部
115…信号送信部
117…信号受信部
119信号分離部
121CQI管理部
200A, 200B…移動局
C1…セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局における受信チャネル品質の報告を前記移動局に対して要求する基地局であって、
前記移動局に対して上りリンク物理共有チャネルを割り当てるチャネル割当部と、
前記チャネル割当部によって前記上りリンク物理共有チャネルが割り当てられた場合、前記移動局に対して前記受信チャネル品質の報告を要求する報告制御部と、
前記移動局から送信された前記受信チャネル品質の報告を取得する受信チャネル品質管理部と
を備え、
前記報告制御部は、前記移動局による前回の受信チャネル品質の送信からの経過時間が第1の閾値を超えた場合、前記移動局に対して前記受信チャネル品質の報告を要求する基地局。
【請求項2】
前記報告制御部は、前記移動局に前記上りリンク物理共有チャネルが割り当てられていない場合であって、前記移動局による前回の受信チャネル品質の送信からの経過時間が第2の閾値を超えた場合、前記移動局に対して前記受信チャネル品質の報告を要求する請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記報告制御部は、前記基地局が形成するセルの混雑度に基づいて前記第2の閾値を変化させる請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記報告制御部は、前記セルの混雑度が上昇するに連れて、前記第2の閾値を長くする請求項3に記載の基地局。
【請求項5】
移動局における受信チャネル品質の報告を前記移動局に対して要求する無線通信システムにおける無線通信方法であって、
前記無線通信システムが、前記移動局に対して上りリンク物理共有チャネルを割り当てるステップと、
前記上りリンク物理共有チャネルが割り当てられた場合、前記移動局に対して前記受信チャネル品質の報告を要求するステップと、
前記移動局が前記受信チャネル品質の報告の要求に基づいて、前記受信チャネル品質を前記無線通信システムに送信するステップと、
前記移動局から送信された前記受信チャネル品質の報告を取得するステップと
を備え、
前記受信チャネル品質の報告を要求するステップでは、前記移動局による前回の受信チャネル品質の送信からの経過時間が第1の閾値を超えた場合、前記移動局に対して前記受信チャネル品質の報告を要求する無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−46249(P2013−46249A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182922(P2011−182922)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】