説明

壁面家具

【課題】壁面家具の側面と室内の側壁面との間に生じる隙間空間を隠して室内との一体感や高級感を向上させるとともに、この隙間空間を収納空間として容易に有効利用することができる壁面家具を提供する。
【解決手段】室内の壁面91に沿って設置される壁面家具11であって、壁面家具本体2と、壁面家具を室内に設置した状態で壁面家具本体2の左右の側面21のうち少なくとも片方の側面21と室内の側壁面92との間に形成される隙間空間90を正面視から隠す側扉3と、側扉3を前記壁面家具本体2の側面21の前縁付近に回動自在に連結する側扉取付部材(4,5)と、を備えた壁面家具とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の壁面に沿って設置される壁面家具に関する。詳しくは、背面を室内の壁面に近接させた状態で室内の壁面に沿って設置される壁面家具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、限られた室内空間を有効に活用して多くの物を収納することができる壁面収納が広く採択されるようになってきた。なかでも、大掛かりな工事等が不要で、既存の部屋等に据付けできる後付けタイプの壁面家具は特に人気が高い。
【0003】
このような壁面家具を室内の壁面(設置壁面)に沿って設置すると、通常、壁面家具の側面と室内の側壁面との間に隙間空間が生じていた。このような隙間空間が生じると、室内との一体感や、高級感を損なうことになり、好ましくなかった。
【0004】
この課題を解決するためには、設置する室内の壁面の幅に合わせて壁面家具の幅を設計すればよいが、フルカスタム対応となるため非常にコスト高になっていた。また、このようにして製造された壁面家具は、汎用性が低く、壁面の幅が異なる他の部屋に移動設置しずらいものであった。
【0005】
一方、特許文献1には、「逆凹状キャビネットの側方に、目隠し化粧側板を面一状態に延設した壁面家具。」が記載されている。そして、これによって「壁面家具側方の配線ケーブルを正面視から隠すことができ、インテリアデザインをより向上させることができる。」と記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2008−023229号公報(請求項5、図5、段落0018)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1記載の壁面家具は、あくまで配線ケーブルを正面視から隠すために目隠し化粧側板を設けたものであり、壁面家具の側面と室内の側壁面との間に生じる隙間空間を収納空間として積極的に利用することは考慮されていなかった。仮に、この隙間空間に物品を収納するとしても、収納しずらいばかりか収納物品を十分隠すことができず見栄えが悪くなっていた。
【0008】
通常、この隙間空間は縦長の空間であり、収納場所に困るスキー板やサーフボード等の長尺物品を収納するためなどに用いることができれば、大変便利である。
【0009】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、壁面家具の側面と室内の側壁面との間に生じる隙間空間を隠して室内との一体感や高級感を向上させるとともに、この隙間空間を収納空間として容易に有効利用することができる壁面家具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、室内の壁面に沿って設置される壁面家具であって、壁面家具本体と、壁面家具(又は壁面家具本体)を室内に設置した状態で壁面家具本体の左右の側面のうち少なくとも片方の側面と室内の側壁面との間に形成される隙間空間を正面視から隠す側扉と、側扉を壁面家具本体の側面の前縁付近に回動自在に連結する側扉取付部材と、を備えた壁面家具とした。
ここで、隙間空間は、設置壁面に対する壁面家具本体の設置場所によって、壁面家具本体の左右の側面のうち片方側にのみ形成される場合と、両方側に形成される場合がある。また、隙間空間が壁面家具本体の左右両方側に形成されている場合、壁面家具本体の左右の側面のうち片方側にのみ側扉が連結される場合と、左右の側面の両方側それぞれに左右の側扉が連結される場合がある。
【0011】
この壁面家具は、壁面家具本体の左右の側面のうち少なくとも片方の側面と室内の側壁面との間に形成される隙間空間を正面視から隠す側扉を備えているため、この隙間空間を隠して室内との一体感や高級感を向上させることができる。側扉の高さは壁面家具本体の高さと概ね同じ高さになる。
また、側扉を壁面家具本体の側面の前縁付近に回動自在に連結する側扉取付部材を備えているため、側扉が開き扉として開閉自在になり、この隙間空間を収納空間として有効利用することが容易になる。さらに、壁面の幅に合わせて設計された壁面家具よりも、他の部屋に移動設置させやすい壁面家具となる。
【0012】
側扉取付部材は、壁面家具本体の左右の側面のうち側扉が連結される側面に重ねた状態で脱着自在に取り付けられた縦長の支持板と、支持板の前縁に対して側扉を回動自在に連結する蝶番手段と、を有し、支持板は、その前縁が、壁面家具本体の左右の側面のうち側扉が連結される側面の前縁と概ね重なるように取り付けられた壁面家具とすることができる。
【0013】
この壁面家具は、側扉が連結されている支持板が、壁面家具本体の側面に脱着自在に取り付けられているため、必要に応じて、壁面家具の設置後に支持板を脱着することで側扉を取り外したり再度取り付けたりすることが容易になる。これによって、例えば、他の部屋に移動設置させやすい壁面家具となる。
【0014】
壁面家具の高さが2m以上であり、側扉が、上側扉と下側扉の上下に分割されている壁面家具としてもよい。
【0015】
この壁面家具は、高さが2m以上であるため隙間空間の高さも2m以上となり、収納場所に困るスキー板やサーフボード等の長尺物品をこの隙間空間に収納することができる。
また、隙間空間を正面視から隠す側扉の存在によって、収納された長尺物品を隠すことができ、壁面家具と室内との一体感や高級感を確保しやすい。
さらに、側扉が、上側扉と下側扉の上下に分割されていることによって、収納する物品の寸法(長さ)に応じて側扉を開閉すること(例えば、長さの短い物品は下側扉のみ開閉して出し入れする一方、長尺物品は下側扉と上側扉の両方を開閉して出し入れする。)が可能になり、隙間空間に物品を収納しやすくなる。
【0016】
このとき、支持板の表面に取り付けられ室内の側壁面に向かって延びる戸当りアームを備え、戸当りアームは、壁面家具本体の前面と側扉の表面とが概ね同一平面上に存在するように側扉を拡げた状態で、側扉の裏面に当接するものであり、戸当りアームと側扉の裏側にプッシュラッチ機構を割り振って取り付けた、壁面家具とすることが好ましい。
【0017】
この壁面家具は、戸当りアームと側扉の裏側にプッシュラッチ機構を割り振って取り付けてあることによって、通常時には側扉をロックしておくことができるため、収納されている長尺物品が倒れても側扉を内側から押し開きしにくくなり、安全な壁面家具となる。プッシュラッチ機構はロック機能付きのものが最適である。
また、戸当りアームを用いているため、長尺物品を収納する隙間空間を横方向に遮る面積が少なくて済み、戸当りアームが物品収納の邪魔になりにくい。
【0018】
このとき、戸当りアームが、室内の側壁面に向かって延びた状態から、支持板の表面に対して横倒自在に構成されている壁面家具とすることが好ましい。ここで、戸当りアームが、室内の側壁面に向かって延びた状態から、上方又は下方に向けて横倒自在に構成されていることが、より好ましい。
【0019】
この壁面家具は、長尺物品を出し入れする際に、戸当りアームを支持板の表面に横倒させることができるため、戸当りアームが長尺物品を出し入れする邪魔になりにくい。また、長尺物品を収納した後、戸当りアームを水平状態(室内の側壁面に向かって延びた状態)に戻せば、収納された長尺物品が側扉側に倒れたとしてもこれを支えることができ、より安全性が高まる。
【0020】
戸当りアームは、側扉の裏面に当接する当接面の先端が、側扉の幅の概ね半分の位置にくるような長さである壁面家具とすることも好ましい。
【0021】
この壁面家具は、より一層、戸当りアームが長尺物品を収納する際の邪魔になりにくい。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、壁面家具の側面と室内の側壁面との間に生じる隙間空間を隠して室内との一体感や高級感を向上させるとともに、この隙間空間を収納空間として容易に有効利用することができる壁面家具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図を用いて本発明の壁面家具を例示説明する。図1及び図2は本発明の第一実施形態の壁面家具を説明するための図であり、図3〜図5は同第二実施形態の壁面家具を説明するための図である。また、図6は従来の壁面家具(本発明における壁面家具本体に該当する)を説明するための図である。これらの図において、壁面家具が設置される室内は二点鎖線で表示してある。
本発明の壁面家具は、壁面家具本体と側扉と側扉取付部材とを備えているものである。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0024】
1.第一実施形態
図1は第一実施形態の壁面家具を設置した状態を示す斜視図であり、図2は図1の壁面家具において側扉を開いた状態を示す斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態の壁面家具11は、壁面家具本体2と側扉3と側扉取付部材(4,5)を備えている。また、側扉取付部材は、図2に示すように、支持板4(41,42)と蝶番手段5を有している。本実施形態では、左右対称構造の壁面家具を例示してあり、側扉3と側扉取付部材(4,5)は壁面家具本体2の左右にそれぞれ設けられている。
【0025】
[壁面家具本体]
壁面家具本体2は、壁面家具11の主要な収容部を構成する部分であり、種々の従来の壁面家具を壁面家具本体2として用いることができる。本実施形態では、図1及び図2に示すように大型テレビの収納空間20を備えた、正面視が矩形形状で高さが概ね2.2mの壁面家具本体2を用いている。壁面家具本体2の高さは、設置される壁面の高さよりも低い必要があり、壁面の高さに近いことが好ましい。この壁面家具本体2(従来の壁面家具)を、平面視コの字形状の室内の壁面91(設置壁面)に設置した状態を図6に示す。壁面家具本体2の幅が壁面91の幅よりも小さいため、壁面家具本体2の左右に縦長状の隙間空間90が生じていることがわかる。
【0026】
[側扉]
側扉3は、図1及び図2に示すように、壁面家具11(又は壁面家具本体2)を室内の壁面91(設置壁面)に設置した状態で、壁面家具本体2の左右の側面21のうち少なくとも片方の側面と室内の側壁面92との間に形成される隙間空間90を正面視から隠すものであり、隙間空間90が正面視から隠れるような形状および大きさである。具体的には、隙間空間90を正面視から見た形状とほぼ等しい縦長矩形の形状および大きさである。
本実施形態では、壁面家具本体2を設置壁面のほぼ中央部に位置させており、その左右両方に隙間空間90が形成されることから、これら左右両方の隙間空間90をそれぞれ覆うために壁面家具本体2の左右両方に側扉3を設けてある。
また、本実施形態では、側扉3が、上側扉31と下側扉32の上下に分割されている。下側扉32の高さは概ね1.8m、上側扉31の高さは概ね0.4mであり、ともに縦長矩形形状である。それぞれの側扉の幅は、壁面家具本体2の側面21とこれと対向する室内の側壁面92との間の距離より若干短い概ね0.2mである。
【0027】
[側扉取付部材]
側扉取付部材は、側扉3(31,32)を壁面家具本体2の側面21の前縁付近に回動自在に連結するためのものであり、本実施形態では、図2に示すように、壁面家具本体2の側面21に取り付けられた支持板4と支持板4の前縁に対して側扉3を回動自在に連結する蝶番手段5で構成されている。これらについて以下詳説する。
【0028】
支持板4は、壁面家具本体2の左右の側面21のうち側扉3(31,32)が連結される側面21に重ねた状態で脱着自在に取り付けられた縦長矩形形状の板状体である。本実施形態では、壁面家具本体2の左右の側面21の両方に側扉3(31,32)が連結されるため、支持板4も左右に取り付けられている。
本実施形態では、支持板4は上支持板41と下支持板42の上下に分割されている。上支持板41の高さは上側扉31の高さと同じ概ね0.4mであり、下支持板42の高さは下側扉32の高さと同じ概ね1.8mである。上支持板41と下支持板42の高さを合わせた支持板4の高さは壁面家具本体2の側面21の高さ(即ち、壁面家具本体2の高さ)と同じ概ね2.2mである。
また、支持板4(41,42)の表面(411,421)の幅(奥行き)は、壁面家具本体2の側面21の幅(壁面家具21の奥行き)の概ね1/3〜1/2の幅である。支持板4(41,42)の表面の幅は、壁面家具本体2の側面21の幅の半分以下であることが好ましい。これによって、支持板4の厚み相当分だけ収納スペースが広くなり、隙間空間90の広い範囲を収納スペースとして利用できる。
この支持板4(41,42)に、後述する蝶番手段5によって側扉3(31,32)が連結される。側扉3(31,32)が連結された支持板4(41,42)は、図1及び図2に示すように、その前縁が、壁面家具本体2の左右の側面21のうち側扉3(31,32)が連結される側面(本実施形態では左右の側面の両方)の前縁と重なるように、壁面家具本体2の側面21に取り付けられている。支持板4(41,42)は、複数個の取付ネジ420によって、壁面家具本体2の側面21に脱着自在に取り付けられている。壁面家具本体2の側面21には、取付ネジ420が螺合する固定穴(図示せず)が予め形成されている。
【0029】
蝶番手段5は、支持板4(41,42)の前縁に対して側扉3(31,32)を回動自在に連結するためのものである。蝶番手段5としては、種々の出願時公知手段およびこれらと均等な手段を用いることができる。具体的には、例えば、スライド蝶番やスプリング蝶番を用いることができる。本実施形態ではスライド蝶番を、上支持板41と上側扉31との連結に2個、下支持板42と下側扉32との連結に4個、それぞれ用いてある。
【0030】
上記第一実施形態の壁面家具11は、側扉3(31,32)で隙間空間90を隠して室内との一体感や高級感を向上させることができる。また、この隙間空間90を収納空間として有効利用することが容易である。
しかし、スキー板やサーフボード等の長尺物品を収納した場合、地震などでこの長尺物品が倒れて側扉3(31,32)を内側から押し開いてしまうことが考えられる。この課題は、以下説明する第二実施形態の壁面家具によって解決される。なお、スキー板やサーフボードは、通常、1.5〜2.0m程度の長さである。
【0031】
2.第二実施形態
以下、図3〜図5を用いて第二実施形態の壁面家具を説明する。図3は第二実施形態の壁面家具を設置した状態を示す図であって側扉を開いた状態を示す斜視図であり、図4は図3のP部を拡大した斜視図である。また、図5は図3の壁面家具において戸当りアームを支持板の表面に対して上方に向けて横倒した状態を示す斜視図である。なお、図4において、蝶番手段5は簡略的に表現してある。
【0032】
これらの図に示すように、本第二実施形態の壁面家具12は、壁面家具本体2と側扉3(31,32)と側扉取付部材(4,5)を備え、側扉取付部材は支持板4(41,42)と蝶番手段5を有している点では前述した第一実施形態のものと同じであるが、戸当りアーム6を備えている点で、第一実施形態のものとは異なる。なお、図3〜図5において、前述した第一実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
[戸当りアーム]
戸当りアーム6は、支持板4の表面から室内の側壁面92に向かって延びるように設置されている。そして戸当りアーム6は、壁面家具本体2の前面と側扉3の表面とが概ね同一平面上に存在するように側扉3を拡げた状態で、側扉3の裏面に当接するように支持板4の表面に固定されている。
本実施形態では、上側扉31の裏面(の下縁)と下側扉32の裏面(の上縁)の両方に戸当りアーム6が当接するように、幅広の当接面621を有する戸当りアーム6を上側扉31と下側扉32の境界付近に取り付けている。これによって、一個の戸当りアーム6で上側扉31と下側扉32の両方をカバーすることができる。
また、本実施形態では、支持板4(図4では41,42)の表面411,421に回動自在に固定される固定側61と、側扉3(31,32)の裏面に当接する当接面621を有する戸当り側62とからなる略L字型の戸当りアーム6を用いている。戸当りアーム6の長さ(戸当り側62の長さ)は、側扉3の裏面に当接する当接面621の先端が、側扉3(31,32)の幅の概ね半分の位置(箇所)に達するような長さである。
さらに、本実施形態では、戸当りアーム6の上下と、側扉31,32の裏側に耐震ロック機構の付いたプッシュラッチ装置を割り振って取り付けてある。具体的には、戸当りアーム6の先端部の上下に雌側片63をそれぞれ取り付け、この雌側片63の取り付け位置に対応する側扉31,32の裏側位置に雄側片64をそれぞれ取り付けてある。
【0034】
また、本実施形態では、図4に示すように、戸当りアーム6が、室内の側壁面に向かって延びた状態から、支持板(41,42)の表面に対して、上方に向かって横倒自在(跳ね上げ自在)に構成されている。具体的には、戸当りアーム6が水平方向から上方に向けて回動するように、戸当りアーム6の固定側61を上支持板41の表面411に板蝶番65で固定してある。これによって、戸当りアーム6が、上支持板41の表面411に対して、上方に向かって横倒自在(跳ね上げ自在)になっている。図5に、戸当りアーム6を支持板の表面に対して上方に向けて横倒させた状態(跳ね上げた状態)を示してある。
【0035】
この第二実施形態の壁面家具12は、長尺物品を出し入れする際に、戸当りアーム6を支持板4の表面に対して横倒させることができ、戸当りアーム6が長尺物品を出し入れする邪魔になりにくいものである。また、長尺物品を収納した後は、戸当りアーム6を水平状態に戻しておくことで、収納された長尺物品が倒れても、側扉3(31,32)が内側から押し開かれにくくなる。
【0036】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【0037】
例えば、上記実施形態では、側扉が上側扉と下側扉の上下に分割されていたが、一枚の側扉で構成してもよい。しかし、上側扉と下側扉の上下に分割した方が、コスト面や収納に便利であるため好ましい。また、上支持板と下支持板の上下に分割されていた支持板についても、同様に一枚の支持板で構成してもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、壁面家具本体に着脱自在な支持板と蝶番手段によって、側扉を壁面家具本体に取り付けたが、支持板を用いることなく、側扉を蝶番手段によって壁面家具本体に直接取り付けてもよい。しかし、壁面家具の設置後に側扉を取り外したり再度取り付けたりすることが容易になることから、着脱自在な支持板を用いることが好ましい。
【0039】
また、上記実施形態では、壁面家具本体の左右に生じる隙間空間の両方を覆うように側扉を左右に取り付けたが、一方の隙間空間のみに側扉を取り付けてもよい。しかし、室内との一体感や高級感を向上させるためには、隙間空間が左右に生じる場合には、左右両方に側扉を取り付けることが好ましい。
【0040】
また、第二実施形態では、戸当りアームが、室内の側壁面に向かって延びた状態から、支持板の表面に対して、上方に向かって横倒自在に構成したが、これに限定されず、室内の側壁面に向かって延びた状態で固定してもよい。しかし、長尺物品の出し入れのしやすさを考慮すると、横倒自在に構成することが好ましい。また、戸当りアームを、支持板の表面に対して、下方に向かって横倒自在に構成してもよい。
【0041】
また、第二実施形態では、戸当りアーム6の長さは、側扉の裏面に当接する当接面の先端が、側扉の幅の概ね半分の位置に達するような長さであったが、これに限定されず、当接面の先端が、側扉の外縁に達するような長さであってもよい。しかし、長尺物品を収納する際の邪魔になりにくさを考慮すると、側扉の幅の概ね半分の位置に達するような長さであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第一実施形態の壁面家具を設置した状態を示す斜視図である。
【図2】図1の壁面家具において側扉を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】第二実施形態の壁面家具を設置した状態を示す図であって、側扉を開いた状態を示す斜視図である
【図4】図3のP部を拡大した斜視図である。
【図5】図3の壁面家具において戸当りアームを支持板の表面に対して上方に向けて横倒した状態を示す斜視図である。
【図6】従来の壁面家具(本発明における壁面家具本体に該当する)を設置した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
11,12 壁面家具

2 壁面家具本体
21 側面

3 側扉
31 上側扉
32 下側扉

4 支持板(側扉取付部材)
41 上支持板
411 表面
42 下支持板
421 表面

5 蝶番手段(側扉取付部材)

6 戸当りアーム
621 当接面
63 雌側片(プッシュラッチ機構)
64 雄側片(プッシュラッチ機構)

90 隙間空間
91 壁面(設置壁面)
92 側壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の壁面に沿って設置される壁面家具であって、
壁面家具本体と、
壁面家具を室内に設置した状態で前記壁面家具本体の左右の側面のうち少なくとも片方の側面と室内の側壁面との間に形成される隙間空間を正面視から隠す側扉と、
この側扉を前記壁面家具本体の側面の前縁付近に回動自在に連結する側扉取付部材と、を備えた、
壁面家具。
【請求項2】
側扉取付部材は、
壁面家具本体の左右の側面のうち側扉が連結される側面に重ねた状態で脱着自在に取り付けられた縦長の支持板と、
この支持板の前縁に対して側扉を回動自在に連結する蝶番手段と、を有し、
前記支持板は、
その前縁が、壁面家具本体の左右の側面のうち側扉が連結される側面の前縁と概ね重なるように取り付けられた、
請求項1記載の壁面家具。
【請求項3】
壁面家具の高さが2m以上であり、
側扉が、
上側扉と下側扉の上下に分割されている、
請求項1又は2記載の壁面家具。
【請求項4】
支持板の表面に取り付けられ室内の側壁面に向かって延びる戸当りアームを備え、
この戸当りアームは、
壁面家具本体の前面と側扉の表面とが概ね同一平面上に存在するように側扉を拡げた状態で、側扉の裏面に当接するものであり、
前記戸当りアームと側扉の裏側にプッシュラッチ機構を割り振って取り付けた、
請求項2又は3記載の壁面家具。
【請求項5】
戸当りアームが、
室内の側壁面に向かって延びた状態から、支持板の表面に対して横倒自在に構成されている、
請求項4記載の壁面家具。
【請求項6】
戸当りアームは、
側扉の裏面に当接する当接面の先端が、側扉の幅の概ね半分の位置にくるような長さである、
請求項4又は5記載の壁面家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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