説明

天井下地構造体

【課題】野縁や野縁受けなどから構成される天井下地構造体の上を歩行可能な簡易な通路を短時間にかつ簡単に製作することが可能な天井下地構造体を提供する。
【解決手段】天井下地構造体10上の歩行路形成予定箇所を横断する各野縁受け13に保持金具16を装着し、歩行板20を構成する複数の板体21のリップ板21cを保持金具16の上に設けた係止部17のスリット(係止溝)19に差し込んで係止しながら送り出し、各板体21を継ぎ手部22で継ぎ足しながら歩行路形成予定箇所に歩行板20を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井下地構造体に関し、更に詳細には、天井裏、即ち天井下地構造体の上を点検者や作業者が歩行可能な通路を備える天井下地構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、鉄筋コンクリート造等の建築構造物における天井部には、該躯体天井部から所定の間隔を開けて天井下地構造体が設置されていることは既によく知られている。天井下地構造体は、特許文献1に開示されているように多数の野縁と多数の野縁受けとを格子状に組み立てることにより構成され、野縁受けは、躯体天井部に埋め込まれた取付けボルトとこの取付けボルトに取り付けられたハンガーとにより支持され、野縁は、野縁受けに固定クリップなどを用いて連結されている。天井パネルは、この天井下地構造体の野縁に取り付けられる。
【0003】
このように格子状に組み立てられた野縁と野縁受けとから構成される天井下地構造体の上、即ち所謂「天井裏」と称する空間には、電気設備のための電線、通信機器機のための通信ケーブル、或いは天井設置形の空調機など様々な設備や配線が設置されている。このような天井裏では、電線や通信ケーブルの修理及び変更、新たな電線や通信ケーブルの設置、或いはこれら電線、通信ケーブル又は様々な設備の点検のために、天井下地構造体の設置後に点検者或いは作業者が天井裏に入る必要があった。しかしながら、野縁及び野縁受けなどから構成される天井下地構造体では、一般的に、野縁に取り付けられた天井パネルに点検口を形成することはあっても、天井裏に点検者や作業者が入って天井下地構造体の上を歩き回れるような通路は形成されていない。
【0004】
そのため、上述した天井下地構造体を備える多く建築構造物では、天井裏に点検者や作業者が入って点検や作業をすることができないので、野縁に取り付けられている天井パネルの全部若しくは一部を外して天井裏を露出させて必要な点検や作業を行っていた。しかし、天井パネルを外して天井裏を露出させることによって天井裏に設備された電線や通信ケーブルの点検、変更或いは新設作業は、非常にコストが掛かると共に工期も長くなることから、特許文献2に開示されているように天井裏に簡易なキャットウオークと称する歩行路を形成する技術が提案された。特許文献2に開示されたシステム天井では、取付けボルトなどで支持された複数の下地バー間の上に断面コ字状の2本のC型鋼材を適宜の間隔で並行に配置し、これら2本の鋼材間に複数の吊り止め材を配置し、この吊り止め材の上に足場板を差し渡すものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−025271号公報
【特許文献2】実開平5−16925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2に開示されたシステム天井における歩行路(キャットウオーク)では、下地バーとC型鋼材、C型鋼材と吊り止め材、吊り止め材と足場板などは、相互に固定されているものではなく、そのためこのような天井下地構造体を備える建築構造物が地震などによる揺れを受けると、歩行路自体が分解して床に落下してくる危険がある。このような危険を回避するためにそれぞれの要素をボルトやナット、或いは溶接などを用いて固定するとなると非常に手間が掛かり、このような歩行路の形成に非常にコストが掛かってしまうという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、野縁や野縁受けなどから構成される天井下地構造体の上を歩行可能な簡易な通路を短時間にかつ簡単に製作することが可能な天井下地構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、建築構造物の躯体天井部に取り付けられた取付けボルトと、該取付けボルトに取り付けられたハンガーにより支持された野縁受けと、この野縁受けに連結された野縁とから構成される天井下地構造体であり、その特徴とするところは前記天井下地構造体上の歩行路形成予定箇所を横断する前記各野縁受けに装着される複数の保持金具と、一端部に継ぎ手部を備え、この継ぎ手部が他端部に嵌合して相互に接続可能な複数の細長い板体により構成された歩行板と、前記各板体に設けられた係止片と、この歩行板が前記保持金具の上部に載せられて通路とされるとき、前記各係止片に係合する、前記保持金具のそれぞれ上面に設けられた係止部とから構成され、前記各板体の前記係止片と前記保持金具の前記上面に設けられた前記係止部とが、前記板体をその長さ方向に移動可能にし、かつ幅方向及び上方向に係止し、前記歩行板が、前記各板体の前記各係止片を前記保持金具の前記係止部に係止させた状態で前記一端部の前記継ぎ手部を次の前記板体の前記他端部に順次嵌合して継ぎ足しながら繰り出して前記歩行路形成予定箇所の前記野縁受け上に設置されることにある。
【0009】
本発明に係る天井下地構造体の他の実施形態としては、前記保持金具が、断面逆U字形を呈し、その溝部に前記野縁受けを相対的に嵌合するように前記野縁受けの上部から装着される。
【0010】
本発明に係る天井下地構造体の他の実施形態としては、前記係止部が、前記保持金具の上面において前記野縁受けの長さ方向に形成された係入溝から構成されている。
【0011】
本発明に係る天井下地構造体の他の実施形態としては、前記板体が、細長い基板と、該基板の両側縁部から張り出した一対の脚板と、これら脚板の前記側縁部とは反対側の下端縁から相対向する方向に張り出したフランジ部とから構成され、前記フランジ部が、前記保持金具の上面に形成された前記係止部に係止する係止片である。
【0012】
本発明に係る天井下地構造体の他の実施形態としては、前記各板体の前記一端部に設けられた前記継ぎ手部が、前記板体の前記基板と前記両脚板の内面に取り付けられ、前記板体の前記一端部からその長さ方向外方に突出したコ字型継ぎ手から構成され、このコ字型継ぎ手が前記板体の前記他端に嵌合して継ぎ足されて前記歩行板となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の天井下地構造体によれば、歩行板が、相互に接続可能な複数の細長い板体により構成され、これらの板体を天井下地構造体上の歩行路形成予定箇所を横断する各野縁受けに装着された複数の保持金具上の係止部に係止させながら順次接続して形成し得るようにしたので、天井下地構造体に簡単に歩行板を設置することができる。その結果、短い工期でかつ安価なコストで天井支持構造体に歩行板を設置することができることから、点検者や作業者が天井裏に入って迅速に電線や通信ケーブルの点検、修復、変更、新設など各種の工事を行うことができる。
【0014】
また、本発明の天井下地構造体によれば、野縁受けに装着される保持金具は、断面逆U字形を呈し、その溝部に野縁受けを相対的に嵌合するように野縁受けの上部から装着するだけで取り付けられるので、保持金具を短時間にかつ多大な労力を必要とすることなく野縁受けに取り付けることができる。
【0015】
また、本発明の天井下地構造体によれば、保持金具の上面に形成された係止部が、保持金具の上面において野縁受けの長さ方向に形成された係入溝から構成されているので、係止部を簡単かつ安価に製作することができる。
【0016】
さらに、本発明の天井下地構造体によれば、板体が、細長い基板と、該基板の両側縁部から張り出した一対の脚板と、これら脚板の側縁部とは反対側の下端縁から相対向する方向に張り出したフランジ部とから構成され、フランジ部が、保持金具の上面に形成された係止部に係止する係止片であることから、複数の野縁受けの上に架け渡された歩行板が、保持金具に対して非常に安定して支持されているので、点検者や作業者が歩行板上を何らの不安もなく歩くことができる。
【0017】
さらに、本発明の天井下地構造体によれば、各板体の一端部に設けられた継ぎ手部が、板体の基板と両脚板の内面に取り付けられ、板体の前記一端部からその長さ方向外方に突出したコ字型継ぎ手から構成されているので、複数の板体を継ぎ足して歩行板を形成するとき、相互の接続が強固であるので、歩行板の強度が低下することがない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る天井下地構造体を概略的に示す斜視図。
【図2】天井下地構造体の野縁受けに装着された保持金具の係止部に歩行板を取り付ける状態を示す端面図。
【図3】複数の板体を接続した形成された歩行板を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の天井下地構造体を図に示される好適な一実施形態について詳細に説明する。本発明の一実施形態に係る天井下地構造体10は、図1に示されるように、建築構造物の躯体天井部(図示せず)に取り付けられた取付けボルト11と、該取付けボルト11に取り付けられたハンガー12と、該ハンガー12により支持された野縁受け13と、この野縁受け13に連結された野縁14とから構成されている。天井パネルPは、この野縁14にビスなどを用いて取り付けられる。
【0020】
野縁受け13は、通常、断面がコ字型の長尺材であり、ハンガー12のU字状受け部12aの溝部に嵌合されて支持される。ハンガー12は、その上部に形成されている取付け板12bの孔に取付けボルト11を相対的に挿通させるように該取付けボルト11に取り付けられ、取付けボルト11に螺合された2つのナット15で取付け板12bの下側締付け面と上側締付け面とから挟むように締め付けることで所定位置に固定される。このようにハンガー12で支持された野縁受け13には、歩行路形成予定箇所を横断する箇所に複数の保持金具16が装着される。この保持金具16は、断面逆U字形を呈し、その溝部16cに野縁受け13を相対的に嵌合するように野縁受け13の上部から装着される。
【0021】
すなわち、保持金具16は、間隔をあけて対向しかつほぼ並行に配置された細長い一対の側板16aを備え、これら側板16aの一方の端縁(上縁)間には上板16bが配置されている。この上板16bは、各側板16aに接続されており、これにより、保持金具16は、両側板16aの他方の端縁(下縁)側と長さ方向両端部側が開放した逆U字形となっている。両側板16aの間隔は、野縁受け13がその間の溝部16cに嵌合可能なように該野縁受け13の幅寸法より僅かに大きな寸法で形成されている。また、保持金具16の長さ方向一端部側(図1では保持金具16の右側)における両側板16aの一部は、上板16bに連接している上縁から自由端である下縁までの長さが他の部分より長い締結部16dとされ、この締結部16dの高さ、即ち上縁から下縁までの長さは少なくとも野縁受け13の高さより長い。そして、これら締結部16dにおいて、保持金具16が、図2に示されるように野縁受け13に装着されたとき、野縁受け13より下側に突出する部分には、締結ボルト挿通用の孔16eが形成されている。
【0022】
保持金具16の上板16bには、図1及び図2から明らかなように係止部17が取り付けられている。この係止部17は、一本の細長い帯板18から形成され、この帯板18が保持金具16における上板16bの上面にその長さ方向に沿って載せられ、帯板18の長さ方向中間部18aが上板16に溶接又はリベットなどで固定されている。帯板18の両端部18bは、保持金具16における上板16bの上面との間にスリット19を形成するように中間部18aに対し僅かに屈曲されている。このスリット19が、後述する歩行板20との係止溝として機能する。
【0023】
歩行路形成予定箇所を横断する複数の野縁受け13のそれぞれに装着された保持金具16の上には、複数の細長い板体21を接続して構成された歩行板20が載せられ、かつ前述した係止部17に係止されている。各板体21は、図1〜図3に示されるようにリップの付いた長尺なみぞ形材で構成されている。具体的には、各板体21は、通路面となる細長い基板21aと、その両側縁から基板21aに対してほぼ直角にかつ同方向に張り出した一対の脚板21bと、両脚板21bの縁部から相対向する方向にフランジ部として張り出した、基板21aにほぼ並行なリップ板21cとから構成されている。このリップ板21cが、保持金具16における上板16bの上面に取り付けられた係止部17のスリット19に入る係止片である。従って、帯板18の両端部18bが保持金具16における上板16aの上面との間に形成する隙間は、板体21におけるリップ板21cの厚さとほぼ同じか、それより僅かに大きい寸法とされると共に、帯板18の長さは、板体21の両脚板21bの相対向する内側面の距離より短く、かつ両リップ板21cの相対向する端縁間の距離より長い。また、この条件の下で、スリット19の奥行きは、リップ板21cが係止し得る長さとされている。
【0024】
各板体21の一端部には、上面部22aとその両側縁から該上面部22aに対してほぼ直角に張り出した側面部22bとから構成された継ぎ手部22を備えている。この継ぎ手部22は、1枚のアルミ板を曲げることにより一体に形成された所定長さ溝形材により構成されている。すなわち、この溝形材の約半分が板体21の一端部に嵌合され、その内面に溶接などの手段により取付けられている。そして、板体21の一端部から突出する溝形材の残余部分が継ぎ手部22として機能する。言い換えれば、継ぎ手部22の上面部22aは、板体21の一端部からその内方に延長し、基板21aの内面に密着して固着され、また、各側面部22bは、板体21の一端部からその内方に延長し、両脚板21bの内面に密着して固着されている。そのため、板体21の一端部から突出している継ぎ手部22は、当然に板体21の他端部に嵌合可能となる。
【0025】
この継ぎ手部22の各側面部22bには、連結用の孔23が形成され、他方、板体21の他端部における脚板21bにも、継ぎ手部22が板体21の他端部に嵌合されたときに側面部22bの孔23に対応する位置に連結用の孔24が形成されている。これにより、複数の板体21が、継ぎ手部22により接続されるとき、継ぎ手部22の側面部22bに形成された孔23と接続された板体21の他端部における脚板21bに形成されている孔24とが整合するので、重なり合ったこれらの孔23,24にボルト(図示せず)を通し、それにナットを螺合して締め付ける。これにより、接続された板体21が、簡単に抜けることはなく、相互の完全な連結を図ることができる。
【0026】
次に、前述した実施形態に係る天井下地構造体10において、特に歩行板20を形成する手順について説明する。本実施形態に係る天井下地構造体10を形成するとき、最初に、定法に従って、多数の野縁受け13が複数の取付けボルト11のそれぞれに固定されたハンガー12によって所定の高さ及び向きに支持され、これら野縁受け13に複数の野縁14がクリップ(図示せず)などを用いて連結される。このようにして多数の野縁受け13と多数の野縁14が格子状に組み立てられた後、歩行路を形成しようとする予定箇所を横断する各野縁受け13にそれぞれ保持金具16が装着される。保持金具16は、その溝部16c内に野縁受け13が相対的に嵌合するように各野縁受け13に被せられる。保持金具16は、このように野縁受け13に被せるだけで装着できるので、その作業は非常に簡単である。保持金具16は、野縁受け13に嵌合させておくだけでもよいが、念のため締結部16dの孔16eに締結ボルトを通し、反対側からナットを螺合して固定しておくことも好ましい。
【0027】
次いで、歩行板20を構成する1つの板体21が、野縁受け13の長さ方向に対して直交する方向に向けて配置され、継ぎ手部22の設けられていないその他端部が、1つの保持金具16の上の係止部17における両端側のスリット即ち係止溝19にリップ板即ち係止片21cを差し込んで係止するように保持金具16の上に乗せられる。これにより、板体21は、係止部17に対して板体21の長さ方向には動くが、上方向及び幅方向には係止されて動くことはない。そして、この板体21は、その他端部において両リップ板21cを係止部17の各スリット(係止溝)19に差し込んだ状態で歩行路形成予定方向に向かって押し出され、次の保持金具16に到達すると、その上板16bに設けられた係止部17の両端側のスリット19に両リップ板21cが差し込まれて係止される。1つの板体21の全長は、野縁受け13の間隔より若干長い長さとされている。従って、1つの板体21の移動先端である他端部が次の保持金具16の上に到達したところで、この板体21の一端部に設けられている継ぎ手部22を他の1つの板体21の他端部に差し込んで接続する。
【0028】
その後、接続した他の1の板体21を押し出し、この操作を繰り返す。これにより、作業者は、歩行路形成予定方向に自らが移動することなく、一箇所に留まって多数の板体21を順次接続しながら送り出して行くだけであるので、歩行板20の形成が非常に容易であり、歩行板20の設置に多数の作業者を必要とせず1人でも可能である。なお、接続された板体21どうしは、前述したように継ぎ手部22が、接続された板体21の他端部に差し込まれたとき、継ぎ手部22の孔23とこれに整合する板体21の脚板21bに形成された孔24に締結ボルトを通してナットを螺合することにより堅固に接続することができるが、このような締結は必須のことではない。
【0029】
以上説明したように、上記実施形態に係る天井下地構造体10によれば、歩行板20が、相互に接続可能な複数の細長い板体21により構成され、これらの板体21を天井下地構造体10上の歩行路形成予定箇所を横断する各野縁受け13に装着された複数の保持金具16上の係止部17に係止させながら順次接続して形成し得るようにしたので、天井下地構造体10に容易に歩行板20を設置することができる。これにより、短い工期でかつ安価なコストで天井支持構造体10に歩行板20を設置することができることから、点検者や作業者が天井裏に入って迅速に電線や通信ケーブルの点検、修復、変更、新設など各種の工事を行うことができる。
【0030】
また、本実施形態の天井下地構造体10によれば、該天井下地構造体を新設するときに、歩行路形成予定箇所を横断する野縁受け13に予め保持金具16を装着しておけば、電線や通信ケーブルの修理及び変更、新たな電線や通信ケーブルの設置、或いはこれら電線、通信ケーブル又は様々な設備の点検が必要となった際に、天井パネルPに形成した点検口の一箇所から複数の板体21を接続しながら送り出して歩行板20を形成することができるので、天井パネルPを外したりする必要なく当該点検等各種の作業を行うことができる。
【0031】
さらに、本実施形態の天井下地構造体10によれば、板体21が、細長い基板21aと、この基板21aの両側縁部から張り出した一対の脚板21bと、これら脚板21bの側縁部とは反対側の下端縁から相対向する方向に張り出したフランジ部とから構成され、フランジ部が、保持金具の上面に形成された係止部に係止するリップ板(係止片)21cであることから、複数の野縁受け13の上に架け渡された歩行板20が、保持金具16に対して非常に安定して支持されているので、点検者や作業者が歩行板20上を何らの不安もなく歩くことができる。
【符号の説明】
【0032】
10 天井下地構造体
11 取付けボルト
12 野縁受けハンガー
13 野縁受け
14 野縁
16 保持金具
16a 上板
16c 溝部
17 係止部
19 スリット(係止溝)
20 歩行板
21 板体
21c リップ板(係止片)
22 継ぎ手部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物の躯体天井部に取り付けられた取付けボルトと、該取付けボルトに取り付けられたハンガーにより支持された野縁受けと、この野縁受けに連結された野縁とから構成される天井下地構造体において、
前記天井下地構造体上の歩行路形成予定箇所を横断する前記各野縁受けに装着される複数の保持金具と、一端部に継ぎ手部を備え、この継ぎ手部が他端部に嵌合して相互に接続可能な複数の細長い板体により構成された歩行板と、前記各板体に設けられた係止片と、この歩行板が前記保持金具の上部に載せられて通路とされるとき、前記各係止片に係合する、前記保持金具のそれぞれ上面に設けられた係止部とから構成され、
前記各板体の前記係止片と前記保持金具の前記上面に設けられた前記係止部とが、前記板体をその長さ方向に移動可能にし、かつ幅方向及び上方向に係止し、
前記歩行板が、前記各板体の前記各係止片を前記保持金具の前記係止部に係止させた状態で前記一端部の前記継ぎ手部を次の前記板体の前記他端部に順次嵌合して継ぎ足しながら繰り出して前記歩行路形成予定箇所の前記野縁受け上に設置されることを特徴とする天井下地構造体。
【請求項2】
前記保持金具が、断面逆U字形を呈し、その溝部に前記野縁受けを相対的に嵌合するように前記野縁受けの上部から装着される請求項1に記載の天井下地構造体。
【請求項3】
前記係止部が、前記保持金具の上面において前記野縁受けの長さ方向に形成された係入溝から構成されている請求項1又は2に記載の天井下地構造体。
【請求項4】
前記板体が、細長い基板と、該基板の両側縁部から張り出した一対の脚板と、これら脚板の前記側縁部とは反対側の下端縁から相対向する方向に張り出したフランジ部とから構成され、前記フランジ部が、前記保持金具の上面に形成された前記係止部に係止する係止片である請求項1〜3のいずれかに記載の天井下地構造体。
【請求項5】
前記各板体の前記一端部に設けられた前記継ぎ手部が、前記板体の前記基板と前記両脚板の内面に取り付けられ、前記板体の前記一端部からその長さ方向外方に突出したコ字型継ぎ手から構成され、このコ字型継ぎ手が前記板体の前記他端に嵌合して継ぎ足されて前記歩行板となる請求項1〜4のいずれかに記載の天井下地構造体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−255308(P2010−255308A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106801(P2009−106801)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(598127871)有限会社 太田軽鉄 (3)
【出願人】(502230077)有限会社ウェイヴテック (3)
【Fターム(参考)】