天板及び天板付家具
【課題】天板の前縁や後縁にオプション部材を有効に取り付けることができ、デスクの機能も損なうことがないようにした、新たな天板を提供する。
【解決手段】天板本体2sの縁部2a、2bの近傍において、補助天板4や照明5等のオプション部材を下から止めるためのレールR1,R2を、天板幅方向に沿って天板本体2sの厚み内に設けたので、天板2の機能を損なうことなく、オプション部材の多様な取付態様を無理なく実現でき、同時に天板強度も有効に高めることが可能となる。
【解決手段】天板本体2sの縁部2a、2bの近傍において、補助天板4や照明5等のオプション部材を下から止めるためのレールR1,R2を、天板幅方向に沿って天板本体2sの厚み内に設けたので、天板2の機能を損なうことなく、オプション部材の多様な取付態様を無理なく実現でき、同時に天板強度も有効に高めることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々のオプション部材を所望の位置に適切に取り付け得るようにした天板及びこれを利用した天板付家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
天板にオプション部材を付帯させるようにしたものとして、特許文献1に示すもの等が知られている。
【0003】
このものは、脚を構成する枠材に、長手方向に沿ってレール溝を有するものを採用し、この枠材の長手方向所要箇所に取付具を介してオプション部材を取り付け、オプション部材をデスク上において利用できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3457182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1の枠材は、天板の後縁側には設けられているが、天板の前縁側には設けられていない。センター引出などと干渉してデスクの機能を損なうからである。したがって、天板の前縁側にはオプション部材を取り付けることができないという不具合があり、敢えてこれを実現すべく天板の前縁側に枠体を設けると、センター引出等が取り付けられなくなるという問題がある。
【0006】
また、オプション部材の基端取付具と枠体との間にさほど大きな取付面を確保できないので、取付状態の安定化を図ることも難しい。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、天板の前縁や後縁にオプション部材を有効に取り付けることができ、デスクの機能も損なうことがないようにした、新たな天板及びこれを利用した天板付家具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明の天板は、天板本体の縁部近傍において、オプション部材を下から止めるためのレールを、天板幅方向に沿って当該天板本体の厚み内に設けたことを特徴とする。
【0010】
このように構成すると、天板の前縁、後縁を問わずにオプション部材を取り付けるための構造を採用できるので、従来に比してより多様な取付態様を実現することができる。しかも、レールは天板本体の厚み内に設けてあるため、交叉する方向にセンター引出やPCハンガー等を、レールと干渉することなく取り付けることが可能であり、天板本来の機能を損なうことがない。さらに、オプション部材を取り付けるための基端取付部を天板の下面に密着させて取り付けることができるので、取付強度も有効に高めることがで、またレールが所要の強度を有することで、レールは天板本体を補強する役割も果たすことになる。そして、天板に付帯して使用される種々のオプション部材を、天板幅方向の適宜位置においてレールに取り付けることが可能になるとともに、クランプのように天板面を使用せずにオプション部材を取り付けられるので、作業面に影響を及ぼさない取付態様が実現可能となる。
【0011】
オプション部材の下方への脱落を防いで、確実な取付状態を得るためには、レールは、下向きに開口する連続溝状をなし、開口縁よりも内部が拡開した形状をなしていることが望ましい。
【0012】
レールによる取付位置を適切な位置に誘導したり、一又は複数のオプション部材を適切な位置や間隔で取り付けること等を容易にするためには、天板の前縁側又は後縁側にオプション部材の取付位置を一定ピッチに規制する取付構造をさらに有していることが望ましい。
【0013】
その取付構造としては、天板の前縁側又は後縁側に平行に設けられたスリット孔としておく態様が好適である。
【0014】
オプション部材の取付位置の多様化を具現したものとしては、レールを、天板本体の前縁近傍及び後縁近傍において対向するように平行に設けているものが挙げられる。
【0015】
この場合、天板やレールの強度を有効に高めるためには、前後のレール間に直接又は間接に密接させて天板本体に裏面補強部材を設けておくことが望ましい。
【0016】
特に、裏面補強部材が、天板本体の面板に対向する位置に配される面板を具備する場合には、天板本体の面板と裏面補強部材の面板との間にペーパーハニカム等の軽量芯材を挟み込むように介在させておくことが好適である。
【0017】
このような天板を利用した天板付家具の態様としては、天板の下面における前縁側にレールが備わるもの、後縁側にレールが備わるもの、又は前後両縁側にレールが備わるものが挙げられる。
【0018】
少なくとも天板の後縁側にレールを備えるとともに、その後縁側に背板が配される場合には、天板の後縁側に、当該天板との間にオプション部材を立ち上げるための間隙を設けておくことが有効である。
【0019】
特にこの場合には、背板にも、幅方向に沿ってレールを設け、天板のレール及び背板のレールの双方を利用してオプション部材を取り付け可能としていることが望ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上説明した構成であるから、天板の機能を損なうことなく、オプション部材を自由な位置に取り付ける構造を無理なく実現でき、同時に天板強度も有効に高め得るようにした新規有用な天板及び天板付家具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るデスクの斜視図。
【図2】同デスクを構成する天板の裏面斜視図。
【図3】図2の一部破断した分解図。
【図4】同天板の縦断面図。
【図5】同天板の脚への取付構造を示す斜視図。
【図6】同天板へのオプション部材の取付態様を示す斜視図。
【図7】同天板の前縁側のレールを利用してオプション部材を取り付ける態様を示す斜視図。
【図8】図7に対応した取付状態の部分断面図。
【図9】同天板の後縁側のレールを利用してオプション部材を取り付ける態様を示す斜視図。
【図10】図9に対応した取付状態の一部破断した斜視図。
【図11】同天板の前後両縁側のレールを利用してオプション部材を取り付ける態様を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、この実施形態の天板2を適用した天板付家具たるデスクを示している。このデスクは、左右に対をなす脚1の天板受1xに天板2を支持させ、脚1の後面間に補強を兼ねる背板3を取り付けたものである。
【0024】
そして、その天板2の肉厚内に、天板幅方向に沿ってレールR1,R2を構成するレール部材21、22を設け、このレール部材21,22のレール溝を天板下面側に開口させている。レール部材21,22は概略下向C字形をなし、開口縁21a、22aよりも内側が拡開している。
【0025】
図2は天板2の裏面を示す斜視図であり、図3はその一部破断した部分分解図、図4は縦断面図である。これらの図面に示されるように、天板2は、前縁及び後縁に下面側への折曲部20a、20bを形成した面板20と、それら前後の折曲部20a、20bの内側に一部差し込んだ状態で取り付けられて面板20を補強するための天板幅方向に沿った補強部材23,24と、これらの補強部材23,24に形成した取付面23a、24aに天板幅方向に沿って取り付けられるレール部材21,22と、面板20の左右の縁部に嵌め込まれる側枠材25と、補強部材23,24及び側枠材25の内側に裏面側に開口するように凹状に設けたパネル受23b、24b、25bと、面板26bの四辺に形成した差込片26aを前記パネル受23b、24b、25bに差し込んで取り付けられる裏面補強部材たる補強パネル26とから天板本体2sが構成される。
【0026】
側枠材25の裏面には2対のフック孔25a、25bが開口しており、これらのフック孔25a、25aは、図5に示すように天板2を脚1の天板受1xに載せ置いた際に当該天板受1xに設けた固定爪11及び可動爪12が差し込まれ、差込位置で可動爪12が固定爪11に対し相対移動することによって、各々がフック孔25a、25bに係り合い、天板2を脚1に固定するものである。
【0027】
補強部材23,24の裏面23c、24cには天板巾方向に沿って所定ピッチでスリット孔23d、24dが開口している。
【0028】
すなわち、天板2の裏面においては、面板20の折曲部20a、20bの裏面20a1、20b1と、補強部材23,24の裏面23c、24cと、側枠材25の裏面25cと、補強パネル26の面板26bとが略面一となるように設定してあり、全体として天板2の裏面すなわち下面を構成している。この中にあって、レール部材21,22を取り付けるべく、補強部材23,24に形成した取付面23a、24aはその裏面23c、24cよりも裏面視において低位置にあり、C字形をなすレール部材21,22を取り付けた状態で、レール部材21,22の開口を狭める部位に位置する縁部21a、22a(図4参照)が天板2の下面にほぼ合致するように当該天板2の厚み内に埋没して連続溝Sを下方に開口させるようにしている。
【0029】
図5に示すように、側枠材25の巾寸法d1は図1の脚1に設定された天板受1xの巾寸法d2に略対応させてあるので、この天板2を左右の脚1に取り付けた状態では、左右の脚1,1の内法間のほぼ全域に亘って天板2の前縁2a側の下面及び後縁2b側の下面に天板幅方向に沿ったレールR1,R2が下方に連続開口して存することとなる。
【0030】
なお、この実施形態では、図2に示す補強部材23,24と側枠材25との交叉部分の適宜箇所が溶接継手を介して接合されており、天板2の面板20と補助パネル26の面板26bとの間には、図4に示すようにペーパーハニカム等の軽量芯材Pが加圧接着加工によって充填されている。
【0031】
図6〜図11は、この天板2の利用の態様を示している。
【0032】
図6に示すものは、天板2の前縁2a側に位置するレールR1に補助天板4等のオプション部材を取り付ける態様と、天板2の後縁2b側に位置するレールR2に照明5等のオプション部材を取り付ける態様とを示している。
【0033】
図7は補助天板4をその取付部4aとともに示している。取付部4aは、ブラケット41と、このブラケット41の基端に設けた固定片42と、この固定片42に対して接離可能な可動片43とを備え、可動片43にはグリップ44aの付いたねじ軸44が付帯している。ブラケット41には上方に折り返した部分に天板裏面への当接面45が設定され、また斜め上方に延出させた先端に形成した取付板部46に補助天板4を固定している。そして、図中矢印で示すように固定片42及び可動片43をレールR1を構成するレール部材21の開口縁21aの内側に挿入し、その位置から可動片43を固定片42から離れる方向にスライドさせ、その位置でグリップ44aを操作して可動片43をブラケット41側に引き寄せることによって、図8に示すように当接面45を天板2の下面に当接させて可動片43を固定し、補助天板4を天板2の前縁2aに連続する位置に取り付け得るようにしたものである。グリップ44aを緩めれば、可動片43及び固定片42をレール部材21内に収容したままで、補助天板4の取付位置を図6に想像線で示すように天板幅方向に沿って変更することができ、また、可動片43を固定片42に近づく方向にスライドさせることによって、ブラケット41を補助天板4とともに再び天板2から簡単に取り除くことができる。
【0034】
図9は照明5等のオプション部材を取り付けるための取付部5aを示している。この取付具も、ブラケット51と、このブラケット51の一部に設けた固定片52と、この固定片52に対して接離可能な可動片53とを備え、可動片53にはレンチ等で操作可能なねじ軸54が付帯している。ブラケット51には上方に折り返した部分に天板下面への当接面55が設定され、上方に突出させた取付杆56を利用して照明5を取り付けるようにしている。そして、図中矢印で示すように固定片52及び可動片53をレールR2を構成するレール部材22の開口縁22aの内側に挿入し、その位置から可動片53を固定片52から離れる方向にスライドさせて、その位置でねじ軸54を操作し可動片53をブラケット51側に引き寄せることによって、図10に示すように天板当接面55を天板2の下面に当接させて可動片53を固定し、図6に示すように照明5を天板2の後縁2b側より上方に突出させて取り付け得るようにしている。この場合も、ねじ軸54を緩めることによって取付位置が巾方向に変更可能な点、レールR2から取り外せる点は上記と同様である。
【0035】
なお、このデスクは、図10に示すように天板2の後縁2b側に背板3を備え、天板2と背板3の間にオプション部材を立ち上げるための間隙δを設けていて、前記取付杆56はその間隙δから上方に立ち上がるようになっている。そして、背板3にも、幅方向に沿ってレールR3を設け、天板2のレールR2にブラケット51を取り付ける際にブラケット51の一部51zを背板3のレールR3内に差し込んで、これら両レールR2,R3を利用して各種のオプション部材を取り付け得るようにしている。このような取付構造によると、オプション部材の荷重が両レールR2,R3に分散支持されるので、照明以外に例えば棚などの比較的重量のあるオプション部材も有効に取り付けることができる。
【0036】
さらに、上述したようにこの実施形態のレールR1,R2は、天板2の肉厚内にあって天板下面から下方に突出していないので、図11に示すようにセンター引出6等をレール機構6rを介して天板下面に取り付ける場合にも、天板2の肉厚内に設けたレールR1,R2との干渉を避けた取り付け状態が実現可能となる。このレール機構6rは、引出6の左右を支持すべく一対のガイドレール6zを平行に保つ必要があるため、図3に示すスリット孔23d、24dを利用して天板2に取り付けるのが通常考えられるところであるが、少なくとも前後何れか一方を天板2の肉厚内に設けたレールR1,R2を利用して取り付けるようにしてもよいし、他の手段によって一対のガイドレール6z,6zの平行を維持できれば、天板2の肉厚内に設けたレールR1,R2のみによってこれらのガイドレール6z,6zを天板2に取り付けるようにしても構わない。これにより、天板巾方向へのセンター引出6の位置変更作業が格段に簡略になることが期待できる。
【0037】
また、前記スリット孔23d、24dは、レールR1,R2と併用することもできるし、単独使用も可能である。このようなスリット孔23d、24dを利用すれば、複数のオプション部材を間隔を保って取り付けられるし、天板両縁部にオプション部材を取り付ける場合にも、両端のスリット孔23d、24dを使用するだけで、天板2の端面に揃うようにオプション部材を取り付けることが可能となる。勿論、このようなスリットは、上記のように補強部材23,24に設ける以外に、レールR1,R2を構成するレール部材22それ自体に設けることも可能である。
【0038】
以上のように、この実施形態の天板2は、天板本体2sの縁部2a、2bの近傍において、補助天板4や照明5等のオプション部材を下から止めるためのレールR1,R2を、天板幅方向に沿って当該天板本体2sの厚み内に設けたものである。
【0039】
このように、天板2の前縁2a、後縁2bを問わずにオプション部材を取り付けることが可能となることで、従来に比してより多様なオプション部材の取付態様を実現することができる。しかも、レールR1,R2は天板本体2sの厚み内に設けてあるため、図11に示すように交叉する方向にセンター引出6や図示しないPCハンガー等を、レールR1,R2と干渉することなく取り付けることが可能であり、天板本来の機能を損なうこともない。さらに、図8や図10に示すように、オプション部材を取り付けるための基端取付部4a、5aは、当接面45,55を天板2の下面に密着させて取り付けることができるので、取付強度も有効に高めることができる。またレールR1,R2自体が所要の強度を有するので、レールR1,R2は天板本体2sを補強する役割も果たすことになる。そして、天板2に付帯して使用される種々のオプション部材を、天板幅方向の適宜位置においてレールR1,R2に取り付けることが可能になるとともに、クランプのように天板面を使用せずにオプション部材を取り付けられるので、作業面に影響を及ぼさない有効な取付態様が実現可能となる。
【0040】
また、レールR1,R2が、下向きに開口する連続溝状をなし、開口縁21a、22aよりも内部が拡開しているので、上述したような簡易な取付具4a、5aを利用して、開口縁21a、22aで適切な抜け止めを図るとともに、オプション部材の荷重を開口縁21a、22aを介してレールR1,R2に有効に支持させることができる。また、開口縁21a、22aによりレールR1,R2の開口が狭まることで、レール強度も有効に高めることができる。
【0041】
そして、天板2の前縁側又は後縁側にオプション部材の取付位置を一定ピッチに規制するスリット孔23d、24dによる取付構造をさらに有しているので、複数のオプション部材を取り付ける際に、その隙間を一定の間隔に維持し、見た目が揃った綺麗な取付状態に容易に整えることができる。また、天板2の両縁部にオプション部材を取り付ける場合にも、両端のスリット孔23d、24dを使用するだけで、天板2の端面に揃うようにオプション部材が取り付けられるため、オプション部材を天板巾方向にはみ出したりせず邪魔にならない取付状態も容易に得ることができる。勿論、この場合にも、見た目が揃った綺麗な取付状態が容易に得られることは言うまでもない。
【0042】
特に、そのような取付構造として、本実施形態は天板2の前縁側又は後縁側にスリット孔23d,24dを平行に設けているので、簡単な構造で天板巾方向の適宜位置にて上記の効果を有効に得ることができるとともに、オプション部材の位置変更機能なども有効に高めることが可能となる。
【0043】
具体的には、レールR1,R2を、天板本体2sの前縁2a近傍及び後縁2b近傍において対向するように平行に設けているので、天板2の前縁2a側にも後縁2b側にもオプション部材を取り付けることができ、また、前後のレールR1,R2を利用してセンター引出6や図示しないPCラック等の奥行きのあるオプション部材も有効に支持することができる。
【0044】
天板2のより具体的な構成としては、前後のレールR1,R2間に密接させて天板本体2sに裏面補強部材たる補強パネル26を設けているので、天板2の強度を更に高めるとともに、補強パネル26によって前後のレールR1,R2の平行を保ち、それらのレール強度も補強パネル26によって有効に高めることができる。
【0045】
特に、補強パネル26が、天板本体2sの面板20に対向する位置に配される面板26bを具備し、天板本体2sの面板20と補強パネル26の面板26bとの間にペーパーハニカム等の軽量芯材Pを挟み込むように介在させているので、軽量芯材Pの導入スペースを合理的に確保しつつ、天板2を重量化することなくその強度を有効に高めることができる。
【0046】
このように、本実施形態のデスクは、天板2の下面における前縁2a側及び後縁2b側にレールR1,R2が備わるため、天板2に付帯して使用される種々のオプション部材を多様なレイアウトで利用ことができ、執務に適した環境を有効に追求することができる。
【0047】
そして、天板2の後縁2b側にレールR2が備わり、且つその後縁2b側に背板3が配されることに鑑みて、天板2の後縁2b側に、当該天板2との間に間隙δを設けているので、天板2の後縁2b側にレールR2によってオプションを取り付け可能とした天板2の機能を有効に担保することができる。
【0048】
さらに、背板3にも、幅方向に沿ってレールR3を設け、天板2のレールR2及び背板3のレールR3の双方を利用してオプション部材を取り付け可能としているので、オプション部材の荷重が両レールR2,R3に分散支持されることになり、図6に示した照明5以外に、棚などの比較的重量のあるものも適切に支持することが可能となる。
【0049】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0050】
例えば、ブラケット等のレールへの取付構造は、図示しないが、ブラケットの基端に平面視において概略平行四辺形状をなす当て板を回転可能に設け、この当て板をレールの開口を通過させた後に回転させることによって、当て板をレール溝内の立壁に突き当て、その位置で当て板をねじ軸により引き寄せて、レールの開口縁に締着させるようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、レールの開口縁の上面を利用してブラケット等を挟み込むように取り付けているが、レール内の立壁を利用してブラケット等を固定する態様も可能である。
【0052】
さらに、上記実施形態では天板の前後両縁側にレールを設けているが、前縁側のみ、或いは後縁側のみにレールを設けても、上記に準じた作用効果を得ることができる。
【0053】
また、スリット孔をレールと併用する態様としては、上記実施形態のように天板の前後両縁にレール及びスリット孔を設ける態様以外に、天板の前縁側又は後縁側の一方にレール、他方にスリット孔を設ける態様、さらには天板の前後両縁にレール、何れか一方にスリット孔を設ける態様など、種々変形して実施することができる。
【0054】
勿論、オプション部材の取付位置を一定ピッチに規制する取付構造であれば、その形態はスリット孔に限られるものではない。
【0055】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0056】
2…天板
2s…天板本体
2a…前縁
2b…後縁
3…背板
4…オプション部材(補助天板)
5…オプション部材(照明)
6…オプション部材(センター引出)
20…面板
23d、24d…スリット孔
26…裏面補強部材(補強パネル)
26b…面板
P…軽量芯材
R1,R2、R3…レール
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々のオプション部材を所望の位置に適切に取り付け得るようにした天板及びこれを利用した天板付家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
天板にオプション部材を付帯させるようにしたものとして、特許文献1に示すもの等が知られている。
【0003】
このものは、脚を構成する枠材に、長手方向に沿ってレール溝を有するものを採用し、この枠材の長手方向所要箇所に取付具を介してオプション部材を取り付け、オプション部材をデスク上において利用できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3457182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1の枠材は、天板の後縁側には設けられているが、天板の前縁側には設けられていない。センター引出などと干渉してデスクの機能を損なうからである。したがって、天板の前縁側にはオプション部材を取り付けることができないという不具合があり、敢えてこれを実現すべく天板の前縁側に枠体を設けると、センター引出等が取り付けられなくなるという問題がある。
【0006】
また、オプション部材の基端取付具と枠体との間にさほど大きな取付面を確保できないので、取付状態の安定化を図ることも難しい。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、天板の前縁や後縁にオプション部材を有効に取り付けることができ、デスクの機能も損なうことがないようにした、新たな天板及びこれを利用した天板付家具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明の天板は、天板本体の縁部近傍において、オプション部材を下から止めるためのレールを、天板幅方向に沿って当該天板本体の厚み内に設けたことを特徴とする。
【0010】
このように構成すると、天板の前縁、後縁を問わずにオプション部材を取り付けるための構造を採用できるので、従来に比してより多様な取付態様を実現することができる。しかも、レールは天板本体の厚み内に設けてあるため、交叉する方向にセンター引出やPCハンガー等を、レールと干渉することなく取り付けることが可能であり、天板本来の機能を損なうことがない。さらに、オプション部材を取り付けるための基端取付部を天板の下面に密着させて取り付けることができるので、取付強度も有効に高めることがで、またレールが所要の強度を有することで、レールは天板本体を補強する役割も果たすことになる。そして、天板に付帯して使用される種々のオプション部材を、天板幅方向の適宜位置においてレールに取り付けることが可能になるとともに、クランプのように天板面を使用せずにオプション部材を取り付けられるので、作業面に影響を及ぼさない取付態様が実現可能となる。
【0011】
オプション部材の下方への脱落を防いで、確実な取付状態を得るためには、レールは、下向きに開口する連続溝状をなし、開口縁よりも内部が拡開した形状をなしていることが望ましい。
【0012】
レールによる取付位置を適切な位置に誘導したり、一又は複数のオプション部材を適切な位置や間隔で取り付けること等を容易にするためには、天板の前縁側又は後縁側にオプション部材の取付位置を一定ピッチに規制する取付構造をさらに有していることが望ましい。
【0013】
その取付構造としては、天板の前縁側又は後縁側に平行に設けられたスリット孔としておく態様が好適である。
【0014】
オプション部材の取付位置の多様化を具現したものとしては、レールを、天板本体の前縁近傍及び後縁近傍において対向するように平行に設けているものが挙げられる。
【0015】
この場合、天板やレールの強度を有効に高めるためには、前後のレール間に直接又は間接に密接させて天板本体に裏面補強部材を設けておくことが望ましい。
【0016】
特に、裏面補強部材が、天板本体の面板に対向する位置に配される面板を具備する場合には、天板本体の面板と裏面補強部材の面板との間にペーパーハニカム等の軽量芯材を挟み込むように介在させておくことが好適である。
【0017】
このような天板を利用した天板付家具の態様としては、天板の下面における前縁側にレールが備わるもの、後縁側にレールが備わるもの、又は前後両縁側にレールが備わるものが挙げられる。
【0018】
少なくとも天板の後縁側にレールを備えるとともに、その後縁側に背板が配される場合には、天板の後縁側に、当該天板との間にオプション部材を立ち上げるための間隙を設けておくことが有効である。
【0019】
特にこの場合には、背板にも、幅方向に沿ってレールを設け、天板のレール及び背板のレールの双方を利用してオプション部材を取り付け可能としていることが望ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上説明した構成であるから、天板の機能を損なうことなく、オプション部材を自由な位置に取り付ける構造を無理なく実現でき、同時に天板強度も有効に高め得るようにした新規有用な天板及び天板付家具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るデスクの斜視図。
【図2】同デスクを構成する天板の裏面斜視図。
【図3】図2の一部破断した分解図。
【図4】同天板の縦断面図。
【図5】同天板の脚への取付構造を示す斜視図。
【図6】同天板へのオプション部材の取付態様を示す斜視図。
【図7】同天板の前縁側のレールを利用してオプション部材を取り付ける態様を示す斜視図。
【図8】図7に対応した取付状態の部分断面図。
【図9】同天板の後縁側のレールを利用してオプション部材を取り付ける態様を示す斜視図。
【図10】図9に対応した取付状態の一部破断した斜視図。
【図11】同天板の前後両縁側のレールを利用してオプション部材を取り付ける態様を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、この実施形態の天板2を適用した天板付家具たるデスクを示している。このデスクは、左右に対をなす脚1の天板受1xに天板2を支持させ、脚1の後面間に補強を兼ねる背板3を取り付けたものである。
【0024】
そして、その天板2の肉厚内に、天板幅方向に沿ってレールR1,R2を構成するレール部材21、22を設け、このレール部材21,22のレール溝を天板下面側に開口させている。レール部材21,22は概略下向C字形をなし、開口縁21a、22aよりも内側が拡開している。
【0025】
図2は天板2の裏面を示す斜視図であり、図3はその一部破断した部分分解図、図4は縦断面図である。これらの図面に示されるように、天板2は、前縁及び後縁に下面側への折曲部20a、20bを形成した面板20と、それら前後の折曲部20a、20bの内側に一部差し込んだ状態で取り付けられて面板20を補強するための天板幅方向に沿った補強部材23,24と、これらの補強部材23,24に形成した取付面23a、24aに天板幅方向に沿って取り付けられるレール部材21,22と、面板20の左右の縁部に嵌め込まれる側枠材25と、補強部材23,24及び側枠材25の内側に裏面側に開口するように凹状に設けたパネル受23b、24b、25bと、面板26bの四辺に形成した差込片26aを前記パネル受23b、24b、25bに差し込んで取り付けられる裏面補強部材たる補強パネル26とから天板本体2sが構成される。
【0026】
側枠材25の裏面には2対のフック孔25a、25bが開口しており、これらのフック孔25a、25aは、図5に示すように天板2を脚1の天板受1xに載せ置いた際に当該天板受1xに設けた固定爪11及び可動爪12が差し込まれ、差込位置で可動爪12が固定爪11に対し相対移動することによって、各々がフック孔25a、25bに係り合い、天板2を脚1に固定するものである。
【0027】
補強部材23,24の裏面23c、24cには天板巾方向に沿って所定ピッチでスリット孔23d、24dが開口している。
【0028】
すなわち、天板2の裏面においては、面板20の折曲部20a、20bの裏面20a1、20b1と、補強部材23,24の裏面23c、24cと、側枠材25の裏面25cと、補強パネル26の面板26bとが略面一となるように設定してあり、全体として天板2の裏面すなわち下面を構成している。この中にあって、レール部材21,22を取り付けるべく、補強部材23,24に形成した取付面23a、24aはその裏面23c、24cよりも裏面視において低位置にあり、C字形をなすレール部材21,22を取り付けた状態で、レール部材21,22の開口を狭める部位に位置する縁部21a、22a(図4参照)が天板2の下面にほぼ合致するように当該天板2の厚み内に埋没して連続溝Sを下方に開口させるようにしている。
【0029】
図5に示すように、側枠材25の巾寸法d1は図1の脚1に設定された天板受1xの巾寸法d2に略対応させてあるので、この天板2を左右の脚1に取り付けた状態では、左右の脚1,1の内法間のほぼ全域に亘って天板2の前縁2a側の下面及び後縁2b側の下面に天板幅方向に沿ったレールR1,R2が下方に連続開口して存することとなる。
【0030】
なお、この実施形態では、図2に示す補強部材23,24と側枠材25との交叉部分の適宜箇所が溶接継手を介して接合されており、天板2の面板20と補助パネル26の面板26bとの間には、図4に示すようにペーパーハニカム等の軽量芯材Pが加圧接着加工によって充填されている。
【0031】
図6〜図11は、この天板2の利用の態様を示している。
【0032】
図6に示すものは、天板2の前縁2a側に位置するレールR1に補助天板4等のオプション部材を取り付ける態様と、天板2の後縁2b側に位置するレールR2に照明5等のオプション部材を取り付ける態様とを示している。
【0033】
図7は補助天板4をその取付部4aとともに示している。取付部4aは、ブラケット41と、このブラケット41の基端に設けた固定片42と、この固定片42に対して接離可能な可動片43とを備え、可動片43にはグリップ44aの付いたねじ軸44が付帯している。ブラケット41には上方に折り返した部分に天板裏面への当接面45が設定され、また斜め上方に延出させた先端に形成した取付板部46に補助天板4を固定している。そして、図中矢印で示すように固定片42及び可動片43をレールR1を構成するレール部材21の開口縁21aの内側に挿入し、その位置から可動片43を固定片42から離れる方向にスライドさせ、その位置でグリップ44aを操作して可動片43をブラケット41側に引き寄せることによって、図8に示すように当接面45を天板2の下面に当接させて可動片43を固定し、補助天板4を天板2の前縁2aに連続する位置に取り付け得るようにしたものである。グリップ44aを緩めれば、可動片43及び固定片42をレール部材21内に収容したままで、補助天板4の取付位置を図6に想像線で示すように天板幅方向に沿って変更することができ、また、可動片43を固定片42に近づく方向にスライドさせることによって、ブラケット41を補助天板4とともに再び天板2から簡単に取り除くことができる。
【0034】
図9は照明5等のオプション部材を取り付けるための取付部5aを示している。この取付具も、ブラケット51と、このブラケット51の一部に設けた固定片52と、この固定片52に対して接離可能な可動片53とを備え、可動片53にはレンチ等で操作可能なねじ軸54が付帯している。ブラケット51には上方に折り返した部分に天板下面への当接面55が設定され、上方に突出させた取付杆56を利用して照明5を取り付けるようにしている。そして、図中矢印で示すように固定片52及び可動片53をレールR2を構成するレール部材22の開口縁22aの内側に挿入し、その位置から可動片53を固定片52から離れる方向にスライドさせて、その位置でねじ軸54を操作し可動片53をブラケット51側に引き寄せることによって、図10に示すように天板当接面55を天板2の下面に当接させて可動片53を固定し、図6に示すように照明5を天板2の後縁2b側より上方に突出させて取り付け得るようにしている。この場合も、ねじ軸54を緩めることによって取付位置が巾方向に変更可能な点、レールR2から取り外せる点は上記と同様である。
【0035】
なお、このデスクは、図10に示すように天板2の後縁2b側に背板3を備え、天板2と背板3の間にオプション部材を立ち上げるための間隙δを設けていて、前記取付杆56はその間隙δから上方に立ち上がるようになっている。そして、背板3にも、幅方向に沿ってレールR3を設け、天板2のレールR2にブラケット51を取り付ける際にブラケット51の一部51zを背板3のレールR3内に差し込んで、これら両レールR2,R3を利用して各種のオプション部材を取り付け得るようにしている。このような取付構造によると、オプション部材の荷重が両レールR2,R3に分散支持されるので、照明以外に例えば棚などの比較的重量のあるオプション部材も有効に取り付けることができる。
【0036】
さらに、上述したようにこの実施形態のレールR1,R2は、天板2の肉厚内にあって天板下面から下方に突出していないので、図11に示すようにセンター引出6等をレール機構6rを介して天板下面に取り付ける場合にも、天板2の肉厚内に設けたレールR1,R2との干渉を避けた取り付け状態が実現可能となる。このレール機構6rは、引出6の左右を支持すべく一対のガイドレール6zを平行に保つ必要があるため、図3に示すスリット孔23d、24dを利用して天板2に取り付けるのが通常考えられるところであるが、少なくとも前後何れか一方を天板2の肉厚内に設けたレールR1,R2を利用して取り付けるようにしてもよいし、他の手段によって一対のガイドレール6z,6zの平行を維持できれば、天板2の肉厚内に設けたレールR1,R2のみによってこれらのガイドレール6z,6zを天板2に取り付けるようにしても構わない。これにより、天板巾方向へのセンター引出6の位置変更作業が格段に簡略になることが期待できる。
【0037】
また、前記スリット孔23d、24dは、レールR1,R2と併用することもできるし、単独使用も可能である。このようなスリット孔23d、24dを利用すれば、複数のオプション部材を間隔を保って取り付けられるし、天板両縁部にオプション部材を取り付ける場合にも、両端のスリット孔23d、24dを使用するだけで、天板2の端面に揃うようにオプション部材を取り付けることが可能となる。勿論、このようなスリットは、上記のように補強部材23,24に設ける以外に、レールR1,R2を構成するレール部材22それ自体に設けることも可能である。
【0038】
以上のように、この実施形態の天板2は、天板本体2sの縁部2a、2bの近傍において、補助天板4や照明5等のオプション部材を下から止めるためのレールR1,R2を、天板幅方向に沿って当該天板本体2sの厚み内に設けたものである。
【0039】
このように、天板2の前縁2a、後縁2bを問わずにオプション部材を取り付けることが可能となることで、従来に比してより多様なオプション部材の取付態様を実現することができる。しかも、レールR1,R2は天板本体2sの厚み内に設けてあるため、図11に示すように交叉する方向にセンター引出6や図示しないPCハンガー等を、レールR1,R2と干渉することなく取り付けることが可能であり、天板本来の機能を損なうこともない。さらに、図8や図10に示すように、オプション部材を取り付けるための基端取付部4a、5aは、当接面45,55を天板2の下面に密着させて取り付けることができるので、取付強度も有効に高めることができる。またレールR1,R2自体が所要の強度を有するので、レールR1,R2は天板本体2sを補強する役割も果たすことになる。そして、天板2に付帯して使用される種々のオプション部材を、天板幅方向の適宜位置においてレールR1,R2に取り付けることが可能になるとともに、クランプのように天板面を使用せずにオプション部材を取り付けられるので、作業面に影響を及ぼさない有効な取付態様が実現可能となる。
【0040】
また、レールR1,R2が、下向きに開口する連続溝状をなし、開口縁21a、22aよりも内部が拡開しているので、上述したような簡易な取付具4a、5aを利用して、開口縁21a、22aで適切な抜け止めを図るとともに、オプション部材の荷重を開口縁21a、22aを介してレールR1,R2に有効に支持させることができる。また、開口縁21a、22aによりレールR1,R2の開口が狭まることで、レール強度も有効に高めることができる。
【0041】
そして、天板2の前縁側又は後縁側にオプション部材の取付位置を一定ピッチに規制するスリット孔23d、24dによる取付構造をさらに有しているので、複数のオプション部材を取り付ける際に、その隙間を一定の間隔に維持し、見た目が揃った綺麗な取付状態に容易に整えることができる。また、天板2の両縁部にオプション部材を取り付ける場合にも、両端のスリット孔23d、24dを使用するだけで、天板2の端面に揃うようにオプション部材が取り付けられるため、オプション部材を天板巾方向にはみ出したりせず邪魔にならない取付状態も容易に得ることができる。勿論、この場合にも、見た目が揃った綺麗な取付状態が容易に得られることは言うまでもない。
【0042】
特に、そのような取付構造として、本実施形態は天板2の前縁側又は後縁側にスリット孔23d,24dを平行に設けているので、簡単な構造で天板巾方向の適宜位置にて上記の効果を有効に得ることができるとともに、オプション部材の位置変更機能なども有効に高めることが可能となる。
【0043】
具体的には、レールR1,R2を、天板本体2sの前縁2a近傍及び後縁2b近傍において対向するように平行に設けているので、天板2の前縁2a側にも後縁2b側にもオプション部材を取り付けることができ、また、前後のレールR1,R2を利用してセンター引出6や図示しないPCラック等の奥行きのあるオプション部材も有効に支持することができる。
【0044】
天板2のより具体的な構成としては、前後のレールR1,R2間に密接させて天板本体2sに裏面補強部材たる補強パネル26を設けているので、天板2の強度を更に高めるとともに、補強パネル26によって前後のレールR1,R2の平行を保ち、それらのレール強度も補強パネル26によって有効に高めることができる。
【0045】
特に、補強パネル26が、天板本体2sの面板20に対向する位置に配される面板26bを具備し、天板本体2sの面板20と補強パネル26の面板26bとの間にペーパーハニカム等の軽量芯材Pを挟み込むように介在させているので、軽量芯材Pの導入スペースを合理的に確保しつつ、天板2を重量化することなくその強度を有効に高めることができる。
【0046】
このように、本実施形態のデスクは、天板2の下面における前縁2a側及び後縁2b側にレールR1,R2が備わるため、天板2に付帯して使用される種々のオプション部材を多様なレイアウトで利用ことができ、執務に適した環境を有効に追求することができる。
【0047】
そして、天板2の後縁2b側にレールR2が備わり、且つその後縁2b側に背板3が配されることに鑑みて、天板2の後縁2b側に、当該天板2との間に間隙δを設けているので、天板2の後縁2b側にレールR2によってオプションを取り付け可能とした天板2の機能を有効に担保することができる。
【0048】
さらに、背板3にも、幅方向に沿ってレールR3を設け、天板2のレールR2及び背板3のレールR3の双方を利用してオプション部材を取り付け可能としているので、オプション部材の荷重が両レールR2,R3に分散支持されることになり、図6に示した照明5以外に、棚などの比較的重量のあるものも適切に支持することが可能となる。
【0049】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0050】
例えば、ブラケット等のレールへの取付構造は、図示しないが、ブラケットの基端に平面視において概略平行四辺形状をなす当て板を回転可能に設け、この当て板をレールの開口を通過させた後に回転させることによって、当て板をレール溝内の立壁に突き当て、その位置で当て板をねじ軸により引き寄せて、レールの開口縁に締着させるようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、レールの開口縁の上面を利用してブラケット等を挟み込むように取り付けているが、レール内の立壁を利用してブラケット等を固定する態様も可能である。
【0052】
さらに、上記実施形態では天板の前後両縁側にレールを設けているが、前縁側のみ、或いは後縁側のみにレールを設けても、上記に準じた作用効果を得ることができる。
【0053】
また、スリット孔をレールと併用する態様としては、上記実施形態のように天板の前後両縁にレール及びスリット孔を設ける態様以外に、天板の前縁側又は後縁側の一方にレール、他方にスリット孔を設ける態様、さらには天板の前後両縁にレール、何れか一方にスリット孔を設ける態様など、種々変形して実施することができる。
【0054】
勿論、オプション部材の取付位置を一定ピッチに規制する取付構造であれば、その形態はスリット孔に限られるものではない。
【0055】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0056】
2…天板
2s…天板本体
2a…前縁
2b…後縁
3…背板
4…オプション部材(補助天板)
5…オプション部材(照明)
6…オプション部材(センター引出)
20…面板
23d、24d…スリット孔
26…裏面補強部材(補強パネル)
26b…面板
P…軽量芯材
R1,R2、R3…レール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板本体の縁部近傍において、オプション部材を下から止めるためのレールを、天板幅方向に沿って当該天板本体の厚み内に設けたことを特徴とする天板。
【請求項2】
レールは、下向きに開口する連続溝状をなし、開口縁よりも内部が拡開している請求項1記載の天板。
【請求項3】
天板の前縁側又は後縁側にオプション部材の取付位置を一定ピッチに規制する取付構造をさらに有する請求項1又は記載の天板。
【請求項4】
前記取付構造が、天板の前縁側又は後縁側に平行に設けられたスリット孔である請求項3記載の天板。
【請求項5】
レールを、天板本体の前縁近傍及び後縁近傍において対向するように平行に設けている請求項1〜4記載の天板。
【請求項6】
前後のレール間に直接又は間接に密接させて天板本体に裏面補強部材を設けている請求項5記載の天板。
【請求項7】
裏面補強部材が、天板本体の面板に対向する位置に配される面板を具備し、天板本体の面板と裏面補強部材の面板との間にペーパーハニカム等の軽量芯材を挟み込むように介在させている請求項6記載の天板。
【請求項8】
請求項1〜7記載の天板を具備し、その天板の下面には前縁側若しくは後縁側又は前後両縁側にレールが備わることを特徴とする天板付家具。
【請求項9】
少なくとも天板の後縁側にレールを備えるとともに、その後縁側に背板が配される場合において、天板の後縁側に、当該天板との間にオプション部材を立ち上げるための間隙を設けている請求項8記載の天板付家具。
【請求項10】
背板にも、幅方向に沿ってレールを設け、天板のレール及び背板のレールの双方を利用してオプション部材を取り付け可能としている請求項9記載の天板付家具。
【請求項1】
天板本体の縁部近傍において、オプション部材を下から止めるためのレールを、天板幅方向に沿って当該天板本体の厚み内に設けたことを特徴とする天板。
【請求項2】
レールは、下向きに開口する連続溝状をなし、開口縁よりも内部が拡開している請求項1記載の天板。
【請求項3】
天板の前縁側又は後縁側にオプション部材の取付位置を一定ピッチに規制する取付構造をさらに有する請求項1又は記載の天板。
【請求項4】
前記取付構造が、天板の前縁側又は後縁側に平行に設けられたスリット孔である請求項3記載の天板。
【請求項5】
レールを、天板本体の前縁近傍及び後縁近傍において対向するように平行に設けている請求項1〜4記載の天板。
【請求項6】
前後のレール間に直接又は間接に密接させて天板本体に裏面補強部材を設けている請求項5記載の天板。
【請求項7】
裏面補強部材が、天板本体の面板に対向する位置に配される面板を具備し、天板本体の面板と裏面補強部材の面板との間にペーパーハニカム等の軽量芯材を挟み込むように介在させている請求項6記載の天板。
【請求項8】
請求項1〜7記載の天板を具備し、その天板の下面には前縁側若しくは後縁側又は前後両縁側にレールが備わることを特徴とする天板付家具。
【請求項9】
少なくとも天板の後縁側にレールを備えるとともに、その後縁側に背板が配される場合において、天板の後縁側に、当該天板との間にオプション部材を立ち上げるための間隙を設けている請求項8記載の天板付家具。
【請求項10】
背板にも、幅方向に沿ってレールを設け、天板のレール及び背板のレールの双方を利用してオプション部材を取り付け可能としている請求項9記載の天板付家具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−39397(P2013−39397A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−229474(P2012−229474)
【出願日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【分割の表示】特願2008−7364(P2008−7364)の分割
【原出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【分割の表示】特願2008−7364(P2008−7364)の分割
【原出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]