説明

安定なトリフルオロスチレン含有化合物、および高分子電解質膜におけるそれらの使用

構造(1a)または(1b)
【化1】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリールもしくは置換アリール基、または1〜8個の炭素原子のアルキルを含んでなる)を含んでなり;Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり;QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり;R基は過フッ素化または部分フッ素化アルキルを含んでなり、そして場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい)から選択され、nは(1a)については1または2であり、そしてnは(1b)については1、2、または3である)を含んでなるモノマー。これらのモノマーは、高分子電解質膜を製造する時に有用であるホモポリマーおよび共重合体の製造に使用される。これらの膜を含有する燃料電池などの電気化学セルもまた記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物および電解質としての電気化学セルでのその使用に、より具体的には燃料電池での電解質としての該化合物の使用に関する。本発明は、米国エネルギー省(U.S.Department of Energy)によって授与された契約(Contract)No.DE−FC04−02AL67606の下での政府支援を受けて行われた。
【背景技術】
【0002】
燃料電池およびリチウム−イオン・バッテリーなどの電気化学セルは公知である。操作条件に依存して、各タイプのセルは、それらに使用される電解質に特定セットの要件を課す。燃料電池については、これは、セルを作動させるために使用される水素またはメタノールなどの燃料のタイプと、電極を分離するために使用される膜の組成とによって典型的には決定される。燃料としての水素によって作動される、プロトン交換膜燃料電池は、より低純度のフィードストリーム、改善された電極動力学、その冷却を改善するための燃料電池スタックからのより良好な伝熱を活用するために現在用いられているものより高い操作温度で稼働させることができよう。廃熱もまた有用なやり方で利用される。しかしながら、現行の燃料電池が100℃より上で操作されることになる場合、それらは、有用なレベルのプロトン伝導性をサポートするためには、デュポン(DuPont)ナフィオン(Nafion)(登録商標)パーフルオロスルホン酸膜などの典型的なプロトン交換膜の十分な水和を維持するように加圧されなければならない。
【0003】
燃料電池およびリチウム−イオン・バッテリーなどの、最新世代の電気化学セルの性能を改善する新規な電解質を発見し、より低いレベルの水和で十分なプロトン伝導性を維持するであろう新規膜材料を開発するという継続的なニーズが存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様では、本発明は、構造1aまたは1b
【0005】
【化1】

【0006】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化(perfluorinated)または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなるモノマーを提供する。
【0007】
第2態様では、本発明は、構造2aまたは2b
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは2aについては1または2であり、そしてnは2bについては1、2、または3である)
を含んでなるホモポリマーを提供する。
【0010】
第3態様では、本発明は、
(b)構造3aまたは3bを含んでなる共重合体
【0011】
【化3】

【0012】
および
(c)構造4aまたは4bを含んでなる架橋共重合体
【0013】
【化4】

【0014】
(式中、3a、3b、4aまたは4bにおいて、
ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、
YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなり、
nは3aおよび4aについては1または2であり、そしてnは3bおよび4bについては1、2、または3であり、かつ、
x、m、およびwはモル分率であり、ここで、xは0.99〜0.05であり;3aおよび3bについてはmは0.01〜0.95であり、そしてx+m=1であり;4aおよび4bについてはm=0〜0.95であり、w=0.0001〜0.10であり、x+m+w=1である)
から選択されるポリマーを提供する。
【0015】
第4態様では、本発明は、
(a)構造2aまたは2bを含んでなるホモポリマー
【0016】
【化5】

【0017】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは2aについては1または2であり、そしてnは2bについては1、2、または3である)
(b)構造3aまたは3bを含んでなる共重合体
【0018】
【化6】

【0019】
および
(c)構造4aまたは4bを含んでなる架橋共重合体
【0020】
【化7】

【0021】
(式中、3a、3b、4aまたは4bにおいて、
ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、
YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなり、
nは3aおよび4aについては1または2であり、そしてnは3bおよび4bについては1、2、または3であり、かつ、
x、m、およびwはモル分率であり、ここで、xは0.99〜0.05であり;3aおよび3bについてはmは0.01〜0.95であり、そしてx+m=1であり;4aおよび4bについてはm=0〜0.95であり、w=0.0001〜0.10であり、x+m+w=1である)
から選択されたホモポリマーまたは共重合体から製造された高分子電解質膜を提供する。
【0022】
第5態様では、本発明は
(a)構造2aまたは2bを含んでなる共重合体から製造された膜
【0023】
【化8】

【0024】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは2aについては1または2であり、そしてnは2bについては1、2、または3である)、
(b)構造3aまたは3bを含んでなる共重合体
【0025】
【化9】

【0026】
および
(c)構造4aまたは4bを含んでなる架橋共重合体
【0027】
【化10】

【0028】
(式中、3a、3b、4aまたは4bにおいて、
ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、
YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなり、
nは3aおよび4aについては1または2であり、そしてnは3bおよび4bについては1、2、または3であり、かつ、
x、m、およびwはモル分率であり、ここで、xは0.99〜0.05であり;3aおよび3bについてはmは0.01〜0.95であり、そしてx+m=1であり;4aおよび4bについてはm=0〜0.95であり、w=0.0001〜0.10であり、x+m+w=1である)
から選択された高分子電解質膜を含んでなる触媒コート膜を提供する。
【0029】
第6態様では、本発明は、第1表面および第2表面を有する、高分子電解質膜を含んでなる膜電極アセンブリであって、該膜が
(a)構造2aまたは2bを有するホモポリマー
【0030】
【化11】

【0031】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは2aについては1または2であり、そしてnは2bについては1、2、または3である)、
(b)構造3aまたは3bを含んでなる共重合体、
【0032】
【化12】

【0033】
および
(c)構造4aまたは4bを含んでなる架橋共重合体
【0034】
【化13】

【0035】
(式中、3a、3b、4aまたは4bにおいて、
ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、
YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなり、
nは3aおよび4aについては1または2であり、そしてnは3bおよび4bについては1、2、または3であり、かつ、
x、m、およびwはモル分率であり、ここで、xは0.99〜0.05であり;3aおよび3bについてはmは0.01〜0.95であり、そしてx+m=1であり;4aおよび4bについてはm=0〜0.95であり、w=0.0001〜0.10であり、x+m+w=1である)
から選択されたホモポリマーまたは共重合体から製造される膜電極アセンブリを提供する。
【0036】
第6態様では、膜電極アセンブリは、多孔性支持体をさらに含んでなる高分子電解質膜を含んでなる。第6態様では、膜電極アセンブリは、膜の第1および第2表面上に存在する電気触媒コーティング組成物から製造された少なくとも1つの電極をさらに含んでなる。それはまた、少なくとも1つのガス拡散バッキングをさらに含んでなる。あるいはまた、膜電極アセンブリは、膜の第1および第2表面上に存在するガス拡散電極であって、ガス拡散バッキングと電気触媒含有組成物とから製造された電極とを含んでなるガス拡散電極をさらに含んでなる。
【0037】
第7態様では、本発明は、第1表面および第2表面を有する高分子電解質膜を含んでなる膜電極アセンブリを含んでなる、燃料電池などの電気化学セルであって、該膜が
(a)構造2aまたは2bを有するホモポリマー
【0038】
【化14】

【0039】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは2aについては1または2であり、そしてnは2bについては1、2、または3である)、
(b)構造3aまたは3bを含んでなる共重合体
【0040】
【化15】

【0041】
および
(c)構造4aまたは4bを含んでなる架橋共重合体
【0042】
【化16】

【0043】
(式中、3a、3b、4aまたは4bにおいて、
ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、
YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなり、
nは3aおよび4aについては1または2であり、そしてnは3bおよび4bについては1、2、または3であり、かつ、
x、m、およびwはモル分率であり、ここで、xは0.99〜0.05であり;3aおよび3bについてはmは0.01〜0.95であり、そしてx+m=1であり;4aおよび4bについてはm=0〜0.95であり、w=0.0001〜0.10であり、x+m+w=1である)
から選択されたホモポリマーまたは共重合体から製造される電気化学セルを提供する。
【0044】
第7態様では、本発明は、多孔性支持体をさらに含んでなる高分子電解質膜を含んでなる燃料電池を提供する。
【0045】
第7態様では、燃料電池は、高分子電解質膜の第1および第2表面上に存在する、電気触媒含有組成物から製造された少なくとも1つの電極、例えば、アノードおよびカソードをさらに含んでなる。それはまた、少なくとも1つのガス拡散バッキングをさらに含んでなる。あるいはまた、膜電極アセンブリは、膜の第1および第2表面上に存在するガス拡散電極であって、ガス拡散バッキングと電気触媒含有組成物から製造された電極とを含んでなるガス拡散電極をさらに含んでなる。
【0046】
第7態様では、燃料電池は、燃料をアノードに配送するための手段、酸素をカソードに配送するための手段、アノードおよびカソードを外部電気負荷に接続するための手段、アノードと接触した液体またはガス状態の水素またはメタノール、ならびにカソードと接触した酸素をさらに含んでなる。燃料は液体また蒸気相にある。幾つかの好適な燃料には、水素、メタノールおよびエタノールなどのアルコール、ジエチルエーテルなどのようなエーテルが含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
小さな分子である本発明のモノマーは、固体高分子電解質膜の製造において電解質として有用であるホモポリマーまたは共重合体を製造するために使用されてもよい。これらの高分子電解質膜は、燃料電池の構成要素である触媒コート膜を製造するために使用される。これらのホモポリマーまたは共重合体はまた、バッテリー、クロルアルカリ電池、電解セル、センサー、電気化学キャパシター、および改良電極などの、他の電気化学セルで電解質としても有用である。
【0048】
モノマー
本発明のモノマーは次の構造
【0049】
【化17】

【0050】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)を有する。
【0051】
幾つかの好適な過フッ素化アルキレン基Rは(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)を含んでなってもよい。典型的にはRは(CF(ここで、q=1〜4)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜4)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜2)を含んでなってもよい。R基は典型的には、そのそれぞれが部分フッ素化または過フッ素化されていてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、およびフェニルから選択される。より典型的にはR基はパーフルオロメチル、パーフルオロエチル、およびパーフルオロフェニルから選択される。典型的にはRをトリフルオロスチレン環と結び付ける基ZはS(スルフィド結合)またはSO(スルホン結合)である。典型的にはnは1である。
【0052】
A.モノマーの合成
【0053】
【化18】

【0054】
BrCSHがMeOH中KOHと反応させることによってカリウム塩へ変換された。真空乾燥された後、塩はDMSO中BrCFCFBrと反応して高収率でBrCSCFCFBrを与えた。Naでのスルフィネーション(sulfination)および次の塩素化は相当するフルオロスルホニルクロリドを生み出し、引き続くフッ素−塩素交換はフルオロスルホニルフルオリドBrCSCFCFSOFを与えた。
【0055】
【化19】

【0056】
バートン(Burton)の方法(Burtonら、JOC53、2714、1988)に従ったPd触媒作用でのBrCSCFCFSOFとCF=CFZnXとのカップリング反応は、結合生成物1a1を与え、それはBrで保護され、次に酸化されて相当するスルホンを形成することができた。スルホンのZnでの脱臭素化はモノマー1a2を与えた。
【0057】
トリフルオロスチレンおよび1,4−ビス(トリフルオロスチレン)などの他のモノマーは、バートンの方法に従った類似のやり方で製造された。あるいはまた、モノマーはブロモチオフェノールのナトリウムまたはカリウム塩とIRSOE(ここで、Eはイミダゾールなどの保護基である)との反応によって製造することができる。生じた生成物BrCSRSOEは、CF=CFZnXとのパラジウム触媒カップリング反応を受けてCF=CFCSRSOEを与える。
【0058】
ホモポリマーおよび共重合体
これらのモノマーは、次の手順を用いてホモポリマーおよび共重合体を製造するために使用される。1のホモ重合および共重合は、ニート重合、溶液重合、懸濁重合、またはエマルジョン重合によって行われてもよい。ルパゾール(Lupersol)(登録商標)11およびパーフルオロアシルペルオキシドなどの典型的な開始剤が懸濁重合または溶液重合に使用された。水系重合では、アルドリッチ、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Aldrich,Milwaukee,WI)から入手された過硫酸カリウム(KPS)および過硫酸アンモニウム(APS)などの無機ペルオキシドが開始剤として使用され、またはアンモニウムパーフルオロオクタノエートおよびフッ素化アルカンスルホネートなどのフッ素化有機塩もしくはドデシルアミン塩酸塩などの非フッ素化界面活性剤が界面活性剤として使用された。構造1で表されるモノマーは典型的には水系エマルジョン重合で使用された。ポリマーの分子量は、ハロカーボン、CHCl、フッ素化ヨウ化物および臭化物、MeOH、エーテルエステルおよびアルカンなどの連鎖移動剤の添加によって制御することができる。ポリマーは凝集によって単離された。ポリマーは高い熱安定性を有し、薄いフィルムへプレスされてもよい。ポリマーの幾つかはまた、トリフルオロトルエンおよび2,5−ジクロロトリフルオロトルエンなどのある種の溶媒に溶解されてもよい。薄いフィルムはまた、これらのポリマー溶液からキャスティングされてもよい。構造4を有するもののようなわずかに架橋したポリマーは、改善された機械的特性および減少した過剰水取り込みを有する。
【0059】
上記の手順によって形成された生成ホモポリマーは次の構造
【0060】
【化20】

【0061】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは2aについては1または2であり、そしてnは2bについては1、2、または3である)を有する。
【0062】
幾つかの好適な過フッ素化アルキレン基Rは(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)を含んでなってもよい。典型的にはRは(CF(ここで、q=1〜4)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜4)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜2)を含んでなってもよい。R基は典型的には、そのそれぞれが部分フッ素化または過フッ素化されていてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、およびフェニルから選択される。より典型的にはR基はパーフルオロメチル、パーフルオロエチル、およびパーフルオロフェニルから選択される。典型的にはRをトリフルオロスチレン環と結び付ける基ZはS(スルフィド結合)またはSO(スルホン結合)である。典型的にはnは1である。
【0063】
上記の手順を用いて形成された生成コポリマーは(b)構造3aまたは3bを含んでなる共重合体
【0064】
【化21】

【0065】
および
(c)構造4aまたは4bを含んでなる架橋共重合体
【0066】
【化22】

【0067】
(式中、3a、3b、4aまたは4bにおいて、
ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、
YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなり、
nは3aおよび4aについては1または2であり、そしてnは3bおよび4bについては1、2、または3であり、かつ、
x、m、およびwはモル分率であり、ここで、xは0.99〜0.05であり;3aおよび3bについてはmは0.01〜0.95であり、そしてx+m=1であり;4aおよび4bについてはm=0〜0.95であり、w=0.0001〜0.10であり、x+m+w=1である)から選択された構造で表される。好適な過フッ素化アルキレン基Rは(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)を含んでなってもよい。典型的にはRは(CF(ここで、q=1〜4)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜4)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜2)を含んでなってもよい。R基は典型的には、そのそれぞれが部分フッ素化または過フッ素化されていてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、およびフェニルから選択される。より典型的にはR基はパーフルオロメチル、パーフルオロエチル、およびパーフルオロフェニルから選択される。典型的にはRをトリフルオロスチレン環と結び付ける基ZはS(スルフィド結合)またはSO(スルホン結合)である。典型的にはnは1である。幾つかの好適な置換基Yは水素、塩素、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロブチル、パーフルオロメトキシ、および−CFCF(CF)OCFCFから選択される。典型的には、m、x、およびwはモル分率であり、ここで、構造3aまたは3bについてはmは0.1〜0.4であり、そしてxは0.9〜0.6であり、かつ、構造4aおよび4bについてはmは0.2〜0.6であり、xは0.4〜0.8であり、そしてwは0.002〜0.01である。
【0068】

ホモポリマーおよび共重合体は、それらの溶液から薄いフィルムへキャスティングすることができる。典型的には、テトラヒドロフラン、トリフルオロトルエンおよびそれらの混合物が溶媒として使用された。キャストフィルムは透明で、柔軟であった。フィルムはまた、200〜250℃で熱プレスすることによって製造されてもよい。フィルムは、MOH、MCO(ここで、M=Li、Na、KもしくはCsである)、またはMeOH、DMSOおよび水の混合物中のMOHなどの塩基で加水分解されてもよい。加水分解は典型的には室温〜150℃、より典型的には室温〜80℃で実施される。ポリマー塩のHNOなどの酸での処理はポリマー酸を与えた。本明細書で使用される特定の連結基Zは酸形にあるイオン交換ポリマーの増加した熱安定性を生み出すことが分かった。Q=Fの構造2、3および4で表されるポリマーは、CFSONHおよび塩基との反応によって相当するスルホンイミドに変換されてもよい。Q=NHの構造2、3および4で表されるポリマーは、RSOFおよび塩基との反応によって相当するスルホンイミドに変換されてもよい。
【0069】
スルフィド・ホモポリマー(Z=S)2aおよび2bまたは共重合体3aおよび3bは、CrOまたは過酸化水素を用いてスルホンポリマー(Z=SO)へ酸化されてもよい。
【0070】
上に特定されたホモポリマーおよび共重合体のアイオノマーは、改善された機械的特性および寸法安定性を有する高分子電解質膜を形成するために多孔性支持体へ吸収されてもよい。これらの膜は100℃より上の温度で操作することができる。アイオノマーは膜重量の5%〜99.9%、典型的には20〜98%、より典型的には50〜90%を有してもよい。
【0071】
多孔性支持体
膜の多孔性支持体は広範囲の構成成分から製造されてもよい。本発明の多孔性支持体は、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、それらの材料の共重合体などのような炭化水素から製造されてもよい。ポリクロロトリフルオロエチレンなどのパーハロゲン化ポリマーもまた使用されてもよい。熱および化学分解に対する耐性のために、支持体は好ましくは高度にフッ素化されたポリマー、最も好ましくは過フッ素化ポリマーでてきている。
【0072】
例えば、多孔性支持体用のポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはテトラフルオロエチレンと他のパーフルオロアルキルオレフィンとのもしくはパーフルオロビニルエーテルとの共重合体の微小孔性フィルムであることができる。支持体層としての使用に好適である微小孔性PTFEフィルムおよびシートは公知である。例えば、米国特許第3,664,915号明細書は、少なくとも40%空隙率を有する一軸延伸フィルムを開示している。米国特許第3,953,566号明細書、米国特許第3,962,153号明細書および米国特許第4,187,390号明細書は、少なくとも70%の空隙率を有する多孔性PTFEフィルムを開示している。
【0073】
あるいはまた、多孔性支持体は、平織り、バスケット織り、もじり織りなどのような様々な織り方を用いて織られた上に議論された支持体ポリマーの繊維から製造された布であってもよい。本発明の実施に好適な膜は、複合膜を形成するために多孔性支持体布を本発明の化合物でコーティングすることによって製造することができる。有効であるためには、コーティングは、支持体の内部孔のすみずみまで分配されるだけでなく両外面上にも存在しなければならない。これは、ポリマーまたは支持体に有害ではない、かつ、含浸条件下に支持体上にポリマーの薄い、均一なコーティングを形成することができる溶媒を用いて本発明の実施に好適なポリマーの溶液または分散系を多孔性支持体に含浸させることによって成し遂げられてもよい。溶液/分散系付き支持体は乾燥されて膜を形成する。必要ならば、イオン交換ポリマーの薄いフィルムは、大きな孔が含浸後の膜中に残っている場合に起こり得る膜を通る大きな流れを防ぐために、含浸した多孔性支持体の1面または両面に積層することができる。
【0074】
イオン交換ポリマーは膜内に連続相として存在することが好ましい。
【0075】
固体高分子電解質膜の他の形には、PTFE糸内蔵タイプとPTFEフィブリルが2000年燃料電池セミナー(Fuel Cell Seminar)(2000年10/30〜11/2、オレゴン州ポートランド(Portland,Oregon))抄録、23頁に開示されているようにイオン交換樹脂に分散されているPTFEフィブリル分散タイプとが含まれる。
【0076】
電気化学セル
図1に示されるように、燃料電池などの電気化学セルは、非統合膜電極アセンブリ(MEA)を形成するために少なくとも1つのガス拡散バッキング(GDB)(13)と組み合わせて触媒コート膜(CCM)(10)を含んでなる。触媒コート膜(10)は、上に議論されたイオン交換ポリマー膜(11)と電気触媒(electrocatalyst)コーティング組成物から形成された触媒層または電極(12)とを含んでなる。燃料電池は、液体もしくはガスのアルコール、例えばメタノールおよびエタノール;またはジエチルエーテルなどのようなエーテルなどの燃料のための入口(14)、アノード出口(15)、カソードガス入口(16)、カソードガス出口(17)、タイロッド(示されていない)とつなぎ合わされたアルミニウム末端ブロック(18)、シーリングのためのガスケット(19)、電気絶縁層(20)およびガス分配のための流れ場付きグラファイト・カレントコレクタ・ブロック(21)ならびに金めっきカレントコレクタ(22)をさらに備えている。
【0077】
燃料電池は、液体またはガス相にあってもよい、かつ、水素、アルコールまたはエーテルを含んでもよい燃料源を利用する。典型的には、メタノール/水溶液がアノード区画に供給され、空気または酸素がカソード区画に供給される。
【0078】
触媒コート膜(CCM)
上記のものに類似の電気触媒コーティング組成物を固体フッ素化高分子電解質膜上へ塗布するための様々な技法はCCM製造について公知である。幾つかの公知の方法には、吹き付け、塗装、パッチコーティングおよびスクリーン、デカル、パッドまたはフレキソ印刷が含まれる。
【0079】
本発明の一実施形態では、図1に示されるMEA(30)は、200℃未満、好ましくは140〜160℃の温度でガス拡散バッキング(GDB)をCCMと熱統合することによって製造されてもよい。CCMは、当該技術で公知の任意のタイプでできていてもよい。この実施形態では、MEAは、薄い触媒−バインダー層がその上に配置された高分子電解質(SPE)膜を含んでなる。触媒は担持されていても(典型的にはカーボン上に)担持されていなくてもよい。製造の一方法では、触媒フィルムは、カプトン(Kapton)(登録商標)ポリイミドフィルム(デュポン・カンパニー(DuPont Company)から入手可能な)などの平らな剥離基材上に触媒インクを薄く塗ることによってデカルとして製造される。インクが乾燥した後に、デカルは、加圧および加熱、引き続き剥離基材の除去によってSPE膜の表面に転写されて触媒層が制御された厚さおよび触媒分布を有して触媒コート膜(CCM)を形成する。あるいはまた、触媒層は、例えばフレキソ印刷などの印刷によって膜に直接付けられ、次に触媒フィルムは200℃以下の温度で乾燥される。
【0080】
膜電極アセンブリ
このように形成されたCCMは、次にGDBと組み合わせられてMEA(30)を形成する。MEAは、CCMおよびGDBを層状にし、引き続き全体構造を200℃以下、好ましくは140〜160℃の範囲の温度に加熱し、加圧することにより単一工程で統合することによって形成される。MEAの両側面は同じやり方で同時に形成することができる。また、触媒層およびGDBの組成物は、膜の反対側で異なることができよう。あるいはまた、膜電極アセンブリは、ガス拡散電極を高分子電解質膜の表面に隣接して置くことによって形成されてもよい。ガス拡散電極は、ガス拡散バッキングと電気触媒含有組成物から製造された電極とを含んでなる。電気触媒組成物は、組成物中にバインダーとして本発明のホモポリマーまたは共重合体を含んでなってもよい。
【0081】
本発明は次の実施例で例示される。
【実施例】
【0082】
面内導電率測定
膜の面内導電率は、電流が膜の平面に平行に流れる技法によって、制御した相対湿度および温度の条件下に測定する。4電極技法を、参照により本明細書に援用されるワイ.ソン(Y.Sone)ら著、J.Electrochem.Soc.、143、1254(1996年)による「4電極ACインピーダンス法によって測定されるようなナフィオン(登録商標)117のプロトン伝導性(Proton Conductivity of Nafion(R) 117 As Measured by a Four−Electrode AC Impedance Method)」という表題の論文に記載されたものと同じように用いる。図2について言及すると、4つの0.25mm直径白金ワイヤー電極を支持し、かつ、支える溝を含有する4つの平行な尾根(41)を有するように下方固定具(40)をアニールしたガラス繊維強化PEEKから機械加工する。2つの外側電極間の距離は25mmであるが、2つの内側電極間の距離は10mmである。膜のストリップを、10〜15mmの幅および外側電極をカバーし、そしてそれをわずかに越えて伸びるのに十分な長さにカットし、白金電極のトップ上に置く。底部固定具のそれに対応する適所に尾根を有する上方固定具(示されていない)をトップ上に置き、膜を押して白金電極と接触させるように2つの固定具を一緒に固定する。膜を含有する固定具を小さな圧力容器(圧力フィルター・ハウジング)に入れ、それを加熱用の温度自動調節される強制対流オーブンに入れる。容器内の温度を熱電対で測定する。水を較正ウォーターズ(Waters)515HPLCポンプ(ウォーターズ・コーポレーション、マサチューセッツ州ミルフォード(Waters Corporation,Milford,MA))から供給し、較正マスフロー・コントローラー(200sccm最高)から供給される乾燥空気と組み合わせてオーブン内部への1.6mm直径ステンレススチール・チューブのコイル内で水を蒸発させる。生じた加湿空気を圧力容器の入口へ供給する。容器内の全圧(100〜345kPa)を、出口の圧力制御レットダウン・バルブを用いて調節し、キャパシタンス・マノメーター(モデル280E、セトラ・システムズ社、マサチューセッツ州ボックスバーロウ(Setra Systems,Inc.,Boxborough,MA))を用いて測定する。温度の関数としての液体水の蒸気圧の表、2つの流速からのガス組成、容器温度、および全圧を用いて理想ガス挙動を仮定して相対湿度を計算する。図2について言及すると、固定具の下方および上方部のスロット(42)は、水蒸気との迅速な平衡のために膜への加湿空気のアクセスを可能にする。生じた電圧を内側2電極間で測定しながら、電流を外側2電極間に加える。内側2電極間のACインピーダンス(抵抗)の実数部Rは、ポテンシオスタット/周波数応答分析器(EISソフトウェア付きPC4/750TM、ガムリー・インスツルメンツ、ペンシルバニア州ワーミンスター(Gamry Instruments,Warminster,PA))を用いて1kHzの周波数で測定する。膜の導電率κを次に、
κ=1.00cm/(R×t×w)
(ここで、tは膜の厚さであり、wはその幅である(両方ともcm単位で))
のように計算する。
【0083】
実施例1
BrCSCFCFBrの合成
2Lフラスコに200.65g(1.01モル)の4−ブロモチオフェノールおよび600mLのメタノールを装入した。200mLの水中の77.6g(1.18モル)の水酸化カリウムの溶液をカニューレによって1.25時間にわたって4−ブロモフェノールの撹拌される溶液に加えた。生じた溶液を追加の4時間撹拌し、次にこの溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、得られた固体塩を140℃および0.1mmHg真空で4時間乾燥させた。塩を磨り潰し、さらに140℃および0.1mmHg真空で追加の1時間乾燥させた。乾燥させた塩を400mLのDMSOに窒素下に溶解させ、次に500g(1.92モル)のBr(CFBrおよび300mLのDMSOを含有する乾燥したフラスコ中へ2.5時間にわたって室温でゆっくり移した。生じた反応混合物を60℃で5時間、そして室温で一晩撹拌し、次に2Lの氷および水中へ希釈した。有機層を分離し、水性溶液を3×100mLの塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン抽出物を有機層と組み合わせ、3×200mLの水で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。濾過したCHCl生成物溶液をロータリーで濃縮して324.49g(88.56%収率)の粗生成物を茶色の液体として得た。19F NMR:−62.8(s,2F)、−85.6(s,2F)。
【0084】
実施例2
p−BrCSCFCFSONaの製造
機械撹拌装置および冷却器を備え付けた1Lの三口フラスコにN下、281.2mLの水、281mLのDMF、336.5gのNa(85%純度)および169.4gのNaHCOを装入した。324.5gのBrCSCFCFBrを加え、生じた混合物を60℃で3.5時間撹拌し、次に5℃に冷却した。1Lの酢酸エチルを加えて混合物を撹拌した後、液体層をデカントし、固形分を酢酸エチル(2×500mL)で洗浄した。濾液をデカントと組み合わせ、次に有機層を分離し、飽和NaCl(2×250mL)で洗浄し、濾過し、濃縮して329gの黄色固形分を与えた。19F NMR(DMF−d):−86.0(s,2F)、−127.9(s,2F)。
【0085】
実施例3
Br(C)−S−CFCFSOClの製造
冷却ジャケット付き3.0Lの三口丸底フラスコに、ゴム・セプタム中のフリット化スパージ管、ガラスシャフトの機械モーター、ベアリングおよびテフロン(Teflon)(登録商標)ブレード、ならびに温度計ウェル付き「Y」チューブ・アダプターおよびNバブラーにベントされるドライアイス冷却器をセットアップした。冷えた再循環浴を用いてフラスコを冷却し、それに760mLの脱イオン水、585mLの1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン(CFC−113)、および329.27gのBr(C)−S−CFCFSONaを装入した。撹拌される反応混合物に、118gの塩素ガスを10℃未満で40分間加える前に、Nをフリット化ガラス管によって30分間噴霧した。添加が完了した後、反応混合物を20℃に暖まらせ、3000mL分液ロートに移した。有機層を分離し、水層を2×100mLのCFC−113で洗浄した。CFC層を2×200mLの飽和NaCl溶液で洗浄した。すべての有機層の組合せをMgSO上で乾燥させ、濾過し、45〜50℃で濃縮して263.9gの黄色の硬いワックス状の固体を与えた。19F NMR(CDCl):−85.0(s,2F)、−102.3(s,2F)。
【0086】
実施例4
BrCSCFCFSOFの製造
オーブン乾燥したフラスコにN下、33.5g(0.0864モル)のp−Br−(C)−S−CFCFSOCl、80mLの乾燥アセトニトリルおよび7.92g(0.136モル)のKFを装入し、生じた混合物を60℃〜70℃で13時間撹拌した。反応混合物を濾過し、固形分をエーテル(2×100mL)で洗浄した。組み合わせた濾液を濃縮して30.53gの残留液体を与えた。19F NMR(CDCl):+46.4(s,1F)、−85.8(s,2F)、−104.8(s,2F)。
【0087】
実施例5
CF=CFCSCFCFSOFの製造
ゴム・セプタム、磁気撹拌バー、ベント付き連結管、および窒素パージ管バブラーにベントされるドライアイス冷却器を備え付けた1Lの二口フラスコに、45g(0.69モル)の酸洗浄Znおよび500mLのDMFを室温で装入した。CF=CFBrをガスとしてベント付き連結管によってゆっくり加え、ドライアイスでフラスコ中のZnおよびDMFの懸濁液へ凝縮させた。2mLの臭素の添加後に、発熱反応が起こり、混合物を室温で2時間撹拌し、その間ずっと99.1g(0.616モル)のCF=CFBrを加え、撹拌を65℃で1.5時間継続してCF=CFZnX溶液を与えた。
【0088】
オーブン乾燥した250mLの二口フラスコにN下、2.80gのPd(PPh、30mLの乾燥DMFおよび30.0gのBr−(C)−S−CFCFSOFを装入した。DMF中の142mLのCF=CF−ZnX溶液をフラスコ中へ移し、生じた反応混合物を70℃で7時間、そして室温で一晩撹拌し、次にドライアイス冷却した受器中へ71〜72℃および0.35mmHgで蒸留した。留出物を等容量の氷水に加え、有機層を下層として分離した。有機層を氷水で2回洗浄し、MgSO上で乾燥させた。MgSOの除去後に、液体を蒸留して0.636gのbp49〜51℃/0.22mmHgの物質および21.7gの生成物、bp62〜66℃/0.26mmHgを与えた。19F NMR:+44.2(s,1F)、−81.5(m,2F)、−98.9(dd,J=71.6Hz,J=37.7Hz,1H)、−111.5(s,2F)、−114.0(dd,J=109.3Hz,J=71.6Hz,1F)、−117.3(dd,J=71.6Hz,J=37.7Hz,1F)。−177.3(dd,J=109.3Hz,J=37.7Hz,1F)。H NMR:7.50(d,J=8.2Hz,2H)、7.32(d,J=8.2Hz,2H)。
【0089】
実施例6
CFBrCFBrCSOCFCFSOFの製造
30gのCF=CFCSCFCFSOFと80mLのCHClとの混合物に18gのBrをゆっくり加えた。添加が完了した後、反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に濃縮して液体残留物を与え、それを130mLの酢酸で希釈した。30gのCrOを室温(RT)で少しずつ溶液に加え、生じた混合物を室温で2日間撹拌した。反応混合物を400mLの氷水中へ注ぎ、濾過し、水で3回洗浄した。固体を150mLのCHClに溶解させ、水および食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。CHClの除去後に、残留固形分を得た。19F NMR:46.55(,1F)、−57.5(dd,J=173.4Hz,J=18.8Hz,1H)、−58.6(dd,J=170Hz,J=15.1Hz,1F)、−106.4(s,2F)、−110.3(s,2F)、−121.0(m,1F)。H NMR:7.95(d,J=8Hz,2H)、8.10(d,J=8.0Hz,2H)。
【0090】
実施例7
p−CF=CFCSOCFCFSOFの製造
150mLのエーテル中28gのZnの撹拌される懸濁液に、室温で30gのCFBrCFBrCSOCFCFSOFをゆっくり加えた。10分後に、発熱反応が起こり、反応混合物を35℃で4時間撹拌し、次に濾過して固形分を除去し、それをエーテルで洗浄した。濾液を1%HCl溶液、食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。エーテルの除去後に、21.3gの白色固体生成物を得た。19F NMR:+46.2(s,1F)、−93.3(dd,J=71.6Hz,J=33.9Hz,1F)、−106.2(s,2F)、−107.5(dd,J=107.5Hz,J=71.6Hz,1F)、−110.5(m,2F)、−178.1(dd,J=107.5Hz,J=33.9Hz,2F)。H NMR:8.12(d,J=7.8Hz,2H)、7.83(d,J=7.8Hz,2H)。
【0091】
実施例8
過硫酸カリウム(KPS)を使用するCF=CFCSCFCFSOFのホモ重合
ゴム・セプタム、N出口/入口およびバブラー付き冷水冷却器、磁気撹拌バー、ならびに熱電対を備え付けた250mLの三口丸底フラスコに、50mLの脱イオン水および4.8mLの20重量%パーフルオロオクタン酸アンモニウム(C8)水溶液を装入した。溶液にNを30分間バブリングさせ、次にN下に11g(30ミリモル)のCF=CFCSCFCFSOFをシリンジによってフラスコに加え、引き続き5分間超音波処理した。50℃に加熱した後、2mLの水中の40mgの過硫酸カリウム(KPS)を加え、生じた混合物を50℃で48時間撹拌し、次に追加の2mLの水中の40mgのKPSを加えた。混合物を14時間撹拌し続け、次に凍結させた。溶融後に、混合物を90℃で1.5時間15mLの10%HNOで処理し、次にRTに冷却した。生じた固形分を濾過し、水で3回洗浄し、真空/N下に105℃で4時間さらに乾燥させて9.9gのポリマーを与えた。ポリマーを60mLのTHFに溶解させ、次に400mLのMeOH中へ撹拌しながらゆっくり注いでポリマーを沈澱させ、それを濾過し、MeOHで洗浄し、真空オーブン中80℃で一晩乾燥させて8.7gのポリマーを与えた。ポリマーはTHFに可溶であり、そしてGPCはMw=2.06×10およびMn=4.98×10を示した。
【0092】
実施例9
ホモポリマーからの膜の製造
拡大PTFEフィルム(48mg)を、THF中の10%のCF=CFCSCFCFSOFのホモポリマーに室温で10分間浸漬させた。フィルムを取り出し、真空オーブン中70℃で40分間乾燥させた。127mgの複合フィルムを得た。フィルムを、MeOH/水/DMSO(4/5/1比)中の20%KOHに60℃で5時間浸漬させた。フィルムを取り出し、水で洗浄し、30mLの10%HNOに60℃で一晩浸漬させ、次に脱イオン水で洗浄した。紙タオルで乾燥させた後に、378mgのフィルムを得た。導電率を25%〜95%相対湿度で、120℃で測定した。
【0093】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】シングルセル・アセンブリの略図である。
【図2】面内導電率測定のための4電極セルの下方固定具の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造1aまたは1b
【化1】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなるモノマー。
【請求項2】
が(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)を含んでなる請求項1に記載のモノマー。
【請求項3】
が(CF(ここで、q=1〜4)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜4)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜2)を含んでなる請求項2に記載のモノマー。
【請求項4】
nが1であり、そしてZがSまたはSOである請求項1に記載のモノマー。
【請求項5】
次の構造2aまたは2b
【化2】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は、場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは2aについては1または2であり、そしてnは2bについては1、2、または3である)
を有するホモポリマー。
【請求項6】
が(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)を含んでなる請求項5に記載のホモポリマー。
【請求項7】
が(CF(ここで、q=1〜4)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜4)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜2)を含んでなる請求項6に記載のホモポリマー。
【請求項8】
nが1であり、そしてZがSまたはSOである請求項5に記載のホモポリマー。
【請求項9】
(b)構造3aまたは3bを含んでなる共重合体
【化3】


および
(c)構造4aまたは4bを含んでなる架橋共重合体
【化4】


(式中、3a、3b、4aまたは4bにおいて、
ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、
YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなり、
nは3aおよび4aについては1または2であり、そしてnは3bおよび4bについては1、2、または3であり、かつ、
x、m、およびwはモル分率であり、ここで、xは0.99〜0.05であり;3aおよび3bについてはmは0.01〜0.95であり、そしてx+m=1であり;4aおよび4bについてはm=0〜0.95であり、w=0.0001〜0.10であり、x+m+w=1である)
から選択される共重合体。
【請求項10】
が(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)を含んでなる請求項9に記載の共重合体。
【請求項11】
が(CF(ここで、q=1〜4)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜4)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜2)を含んでなる請求項10に記載の共重合体。
【請求項12】
Yが水素、塩素、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロブチル、パーフルオロメトキシ、および−CFCF(CF)OCFCFを含んでなり、そしてRが、そのそれぞれが部分フッ素化または過フッ素化されていてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、およびフェニルを含んでなる請求項9に記載の共重合体。
【請求項13】
がパーフルオロメチル、パーフルオロエチル、およびパーフルオロフェニルから選択される請求項12に記載の共重合体。
【請求項14】
nが1であり、そしてZがSまたはSOである請求項9に記載の共重合体。
【請求項15】
m、xおよびwがモル分率であり、構造3aまたは3bにおいてmが0.1〜0.4であり、そしてxが0.9〜0.6であり、かつ、構造4aまたは4bにおいてmが0.2〜0.6であり、xが0.4〜0.8であり、そしてwが0.002〜0.01である請求項9に記載の共重合体。
【請求項16】
【化5】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは2aについては1または2であり、そしてnは2bについては1、2、または3である)
(b)構造3aまたは3bを含んでなる共重合体
【化6】


および
(c)構造4aまたは4bを含んでなる架橋共重合体
【化7】


(式中、3a、3b、4aまたは4bにおいて、
ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は、場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、
YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなり、
nは3aおよび4aについては1または2であり、そしてnは3bおよび4bについては1、2、または3であり、かつ、
x、m、およびwはモル分率であり、ここで、xは0.99〜0.05であり;3aおよび3bについてはmは0.01〜0.95であり、そしてx+m=1であり;4aおよび4bについてはm=0〜0.95であり、w=0.0001〜0.10であり、x+m+w=1である)
から選択されたホモポリマーまたは共重合体から製造された高分子電解質膜。
【請求項17】
多孔性支持体をさらに含んでなる請求項16に記載の高分子電解質膜。
【請求項18】
が(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)を含んでなる請求項16に記載の高分子電解質膜。
【請求項19】
が(CF(ここで、q=1〜4)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜4)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜2)を含んでなる請求項18に記載の高分子電解質膜。
【請求項20】
Yが水素、塩素、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロブチル、パーフルオロメトキシ、および−CFCF(CF)OCFCFを含んでなり、そしてRが、そのそれぞれが部分フッ素化または過フッ素化されていてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、およびフェニルを含んでなる請求項16に記載の高分子電解質膜。
【請求項21】
がパーフルオロメチル、パーフルオロエチル、およびパーフルオロフェニルから選択される請求項20に記載の高分子電解質膜。
【請求項22】
nが1であり、そしてZがSまたはSOである請求項16に記載の高分子電解質膜。
【請求項23】
m、xおよびwがモル分率であり、構造3aまたは3bにおいてmが0.1〜0.4であり、そしてxが0.9〜0.6であり、かつ、構造4aまたは4bにおいてmが0.2〜0.6であり、xが0.4〜0.8であり、そしてwが0.002〜0.01である請求項16に記載の高分子電解質膜。
【請求項24】
(a)化学構造2aまたは2bを含んでなる膜
【化8】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは2aについては1または2であり、そしてnは2bについては1、2、または3である)、
(b)構造3aまたは3bを含んでなる膜、
【化9】


(c)構造4aまたは4bを含んでなる膜
【化10】


(式中、3a、3b、4aまたは4bにおいて、
ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、
YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなり、
nは3aおよび4aについては1または2であり、そしてnは3bおよび4bについては1、2、または3であり、かつ、
x、m、およびwはモル分率であり、ここで、xは0.99〜0.05であり;3aおよび3bについてはmは0.01〜0.95であり、そしてx+m=1であり;4aおよび4bについてはm=0〜0.95であり、w=0.0001〜0.10であり、x+m+w=1である)
から選択される高分子電解質膜。
【請求項25】
第1表面および第2表面を有する、高分子電解質膜を含んでなる膜電極アセンブリであって、該膜が
(a)構造2aまたは2bを含んでなるホモポリマー
【化11】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは2aについては1または2であり、そしてnは2bについては1、2、または3である)、
(b)構造3aまたは3bを含んでなる共重合体
【化12】


および
(c)構造4aまたは4bを含んでなる架橋共重合体
【化13】


(式中、3a、3b、4aまたは4bにおいて、
ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、
YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなり、
nは3aおよび4aについては1または2であり、そしてnは3bおよび4bについては1、2、または3であり、かつ、
x、m、およびwはモル分率であり、ここで、xは0.99〜0.05であり;3aおよび3bについてはmは0.01〜0.95であり、そしてx+m=1であり;4aおよび4bについてはm=0〜0.95であり、w=0.0001〜0.10であり、x+m+w=1である)
から選択されたホモポリマーまたは共重合体から製造される膜電極アセンブリ。
【請求項26】
前記高分子電解質膜が多孔性支持体をさらに含んでなる請求項25に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項27】
前記膜の第1および第2表面上に存在する電気触媒コーティング組成物から製造された少なくとも1つの電極をさらに含んでなる請求項25に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項28】
前記高分子電解質膜から離れた側面上の少なくとも1つの電極上に存在する少なくとも1つのガス拡散バッキングをさらに含んでなる請求項27に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項29】
前記膜の第1および第2表面上に存在するガス拡散電極であって、ガス拡散バッキングと電気触媒含有組成物から製造された電極とを含んでなる前記ガス拡散電極をさらに含んでなる請求項25に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項30】
が(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)を含んでなる請求項25に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項31】
が(CF(ここで、q=1〜4)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜4)、または(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜2)を含んでなる請求項30に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項32】
Yが水素、塩素、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロブチル、パーフルオロメトキシ、および−CFCF(CF)OCFCFを含んでなり、そしてRが、そのそれぞれが部分フッ素化または過フッ素化されていてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、およびフェニルを含んでなる請求項25に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項33】
がパーフルオロメチル、パーフルオロエチル、およびパーフルオロフェニルから選択される請求項32に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項34】
nが1であり、そしてZがSまたはSOである請求項25に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項35】
m、xおよびwがモル分率であり、ここで、構造3aまたは3bにおいてmが0.1〜0.4であり、そしてxが0.9〜0.6であり、かつ、構造4aまたは4bにおいてmが0.2〜0.6であり、xが0.4〜0.8であり、そしてwが0.002〜0.01である請求項25に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項36】
第1表面および第2表面を有する、高分子電解質膜を含んでなる膜電極アセンブリを含んでなる電気化学セルであって、該膜が
(a)構造2aまたは2bを含んでなるホモポリマー
【化14】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、かつ、
nは2aについては1または2であり、そしてnは2bについては1、2、または3である)、
(b)構造3aまたは3bを含んでなる共重合体
【化15】


および
(c)構造4aまたは4bを含んでなる架橋共重合体
【化16】


(式中、3a、3b、4aまたは4bにおいて、
ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなり、そしてR基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよい)から選択され、
YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなり、
nは3aおよび4aについては1または2であり、そしてnは3bおよび4bについては1、2、または3であり、かつ、
x、m、およびwはモル分率であり、ここで、xは0.99〜0.05であり;3aおよび3bについてはmは0.01〜0.95であり、そしてx+m=1であり;4aおよび4bについてはm=0〜0.95であり、w=0.0001〜0.10であり、x+m+w=1である)
から選択されたホモポリマーまたは共重合体から製造される電気化学セル。
【請求項37】
燃料電池である請求項36に記載の電気化学セル。
【請求項38】
前記高分子電解質膜が多孔性支持体をさらに含んでなる請求項37に記載の燃料電池。
【請求項39】
前記高分子電解質膜の第1および第2表面上に存在する電気触媒含有組成物から製造された少なくとも1つの電極をさらに含んでなる請求項37に記載の燃料電池。
【請求項40】
少なくとも1つのガス拡散バッキングをさらに含んでなる請求項39に記載の燃料電池。
【請求項41】
前記膜の第1および第2表面上に存在するガス拡散電極であって、ガス拡散バッキングと電気触媒含有組成物から製造された電極とを含んでなる前記ガス拡散電極をさらに含んでなる請求項37に記載の燃料電池。
【請求項42】
燃料をアノードに配送するための手段、酸素をカソードに配送するための手段、アノードおよびカソードを外部電気負荷に接続するための手段、アノードと接触した液体またはガス状態の水素またはメタノール、ならびにカソードと接触した酸素をさらに含んでなる請求項39に記載の燃料電池。
【請求項43】
燃料をアノードに配送するための手段、酸素をカソードに配送するための手段、アノードおよびカソードを外部電気負荷に接続するための手段、アノードと接触した液体またはガス状態の水素またはメタノール、ならびにカソードと接触した酸素をさらに含んでなる請求項41に記載の燃料電池。
【請求項44】
前記燃料がアルコールまたはエーテルである請求項37に記載の燃料電池。
【請求項45】
前記燃料がメタノールである請求項37に記載の燃料電池。
【請求項46】
前記燃料が水素である請求項37に記載の燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−537306(P2007−537306A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511336(P2007−511336)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020702
【国際公開番号】WO2005/113491
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】