説明

実装基板

【課題】プリント基板の種類違いと電気部品の種類違いから、多種類の実装基板が製品される場合に、簡単な構造で容易な識別作業により多種類の実装基板を相互に識別し管理することができる、新規な構造の実装基板を提供すること。
【解決手段】プリント基板14,16には、複数の升目48a〜48hの少なくとも何れかをマークすることでプリント基板14,16の種類が特定される基板種類識別表示52を、シルク印刷により設ける一方、電気部品18には、光学読取コードによる部品種類識別表示34を設けて、基板種類識別表示52および部品種類識別表示34の組み合わせにより実装基板10,12の品番が特定されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に電気部品が実装された実装基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリント基板上にリレーやコネクタ等の電気部品が実装された実装基板が知られており、自動車用電気接続箱の内部回路等として広く用いられている。
【0003】
ところで、このような実装基板では、車種やグレード等の違いから、プリント基板自体の構成が異なったり、プリント基板の構成が同じでも、実装される部品の仕様が異なったりする場合があり、プリント基板の種類違いと電気部品の種類違いから、多種類の実装基板が製品として製造されることとなる。
【0004】
そこで、このような仕様の異なる多種類の実装基板に対して、各別の製品番号(品番)等の表示を付すことにより、仕様の異なる実装基板を相互に識別可能と為して製品を管理することが行われている。例えば、特開2000−40860号公報(特許文献1)や特開2001−223457号公報(特許文献2)には、品番等を示すラベルやバーコードシール等をプリント基板に貼付することにより、多種類の実装基板を識別する従来構造が説明されている。また、そのようなラベルやバーコードシールに代えて、プリント基板上にランドやシルク印刷等による升目状の表示領域を形成し、該表示領域の特定の升目に接着材を塗布することにより、種類の違いを表示する構造が提案されている。
【0005】
ところが、最終製品に対して、品番等を表示するラベルやバーコードシールを貼付する構造では、作業工程が増加すると共に、ラベルやバーコードの使用によりコストが嵩み、好ましくなかった。また、プリント基板上に設けた升目状の表示領域に接着材を塗布する方法でも、接着剤塗布という別の工程が必要となり作業が煩雑である。加えて、升目状の表示のみでは、表示できる情報量が限られており、特許文献2の表1に記載の如き品番対応表を別途作成して、対応表と照らし合わせながら品番を特定する必要があり、品番の特定作業が煩雑となる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−40860号公報
【特許文献2】特開2001−223457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、プリント基板の種類違いと電気部品の種類違いから、多種類の実装基板が製品される場合に、簡単な構造で容易な識別作業により多種類の実装基板を相互に識別し管理することができる、新規な構造の実装基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様は、電気部品がプリント基板に実装された実装基板において、前記プリント基板には、複数の升目の少なくとも何れかがマークされることで前記プリント基板の種類が特定されている基板種類識別表示が、シルク印刷により設けられている一方、前記電気部品には、光学読取コードによる部品種類識別表示が設けられており、前記基板種類識別表示および前記部品種類識別表示の組み合わせにより品番が特定されることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、電気部品に予め設けられたバーコード,QRコード(登録商標)等の光学読取コードを利用した部品種類識別表示と、プリント基板に設けられた基板種類識別表示と組み合わせることで、実装基板の品番管理を安価且つ容易に行うことができる。即ち、電気部品自体の識別用に予め設けられた部品種類識別表示と、プリント基板の基板種類識別表示とを組み合わせることで、仕様の異なるプリント基板に仕様の異なる電気部品が実装される複数種類の実装基板を相互に識別して、実装基板の品番を特定することが可能となる。その結果、従来必須とされていた実装基板の品番を示すバーコード等を廃止でき、実装基板用の品番バーコードの貼り付け工程等の工数削減や、製造コストの削減を達成できる。
【0010】
また、基板種類識別表示を、シルク印刷によって形成される複数の升目とマークとにより構成したことから、特別な工程を増やすことなく、既存のシルク印刷工程を利用して基板種類識別表示を簡単且つ安価に形成することができる。また、基板種類識別表示が升目表示とされていることにより、光学読取装置での機械読取も容易に行うことができる。その結果、基板種類識別表示と部品種類識別表示とを、何れも光学読取装置により容易に読み取ることが可能となり、実装基板の品番確認の作業が正確に、しかも、簡便且つスピーディーに行うことが可能となる。
【0011】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載の実装基板において、前記複数の升目のうちの少なくとも一つが着色により塗り潰されてマークされていることにより、前記基板種類識別表示が構成されているものである。
【0012】
本態様によれば、シルク印刷のみによって、基板種類識別表示を低コストに形成することができる。また、升目という簡単な形状が塗り潰されてマークされることによって、マークされた升目とマークの無い升目とが、明瞭なコントラストをもって区別され、基板種類識別表示が優れた視認性を備えることができる。それ故、目視確認時の作業性が向上され、また、機械による読み取りも正確に行わせることができる。その結果、部品種類識別表示を高精度に機械読取させることが可能となり、部品側の基板種類識別表示との組み合わせによる実装基板の品番の特定を有利に実行できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に従う実装基板によれば、電気部品側の部品種類識別表示と、プリント基板側の基板種類識別表示との組み合わせにより実装基板の品番を特定可能としたことにより、実装基板への品番バーコードの取付等が不要となり、品番管理を簡便且つ低コストに行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態としての実装基板を示す斜視図。
【図2】図1に示されたプリント基板とは別のプリント基板を用いた実装基板を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および図2に、本発明の一実施形態として、本発明の構成をそれぞれ備えた二種類の実装基板10,12の斜視図を示す。本実施形態においては、互いに構成の異なる二種類のプリント基板14,16に対して、図示しない電気部品としてのリレーおよびコネクタや、電気部品としてのヒューズモジュール18が実装されることにより、二種類の実装基板10,12が構成されている。
【0016】
ヒューズモジュール18は、何れも絶縁性の合成樹脂からなる、絶縁板20と、ヒューズ台座22と、ヒューズハウジング24とを有している。そして、これらの絶縁板20、ヒューズ台座22およびヒューズハウジング24に対して、複数のバスバー26が組み付けられて電気回路を構成することにより、ヒューズモジュール18が構成されている。なお、図示は省略するが、ヒューズハウジング24には複数のヒューズ装着部が形成されており、複数の別体のヒューズが装着可能とされている。
【0017】
複数のバスバー26は、プレス加工で打ち抜かれた金属板によって形成されており、複数の接続端子部28や、電源接続端子30、複数のヒュージブルリンク接続端子32、図示しない複数の音叉状端子が一体形成されている。バスバー26の各接続端子部28は、絶縁板20に形成された図示しない貫通孔を通じてプリント基板14,16側に突出されている。一方、電源接続端子30およびヒュージブルリンク接続端子32は、図1および図2に示されるように、バスバー26から切り起こされることにより、各接続端子部28とは反対側に突出して形成されている。また、詳細な図示は省略するが、バスバー26の各音叉状端子は、ヒューズハウジング24の図示しない複数のヒューズ装着部内にそれぞれ配置されている。
【0018】
ヒューズモジュール18の側面には、ヒューズモジュール18の種類を特定する光学読取コードによる部品種類識別表示34が設けられている。即ち、詳細な図示は省略するが、本実施形態においては、回路構成等の仕様が異なる図示しない複数種類のヒューズモジュール18が存在しており、部品種類識別表示34によって、このヒューズモジュール18が複数種類のヒューズモジュール18のうちの何れの種類のものであるかを特定できるようになっている。本実施形態の部品種類識別表示34においては、光学読取コードとして公知のバーコードが採用されており、この部品種類識別表示34を光学式読取装置等を用いて機械読取することにより、ヒューズモジュール18の部品番号(品番)やその他の識別情報が読取可能とされている。
【0019】
なお、部品種類識別表示34は、ヒューズモジュール18の側面を構成する絶縁板20の表面に、部品種類識別表示34が印刷されたシール36が貼り付けられることによりヒューズモジュール18の側面上に形成されている。また、このシール36上には、部品種類識別表示34と併せて、ヒューズモジュール18の識別コード又は部品番号等を示す電気部品番号名38が記載されており、電気部品番号名38を目視によって読み取ることによっても、このヒューズモジュール18が、複数種類のヒューズモジュール18のうち、何れの種類のヒューズモジュール18であるかを特定することができるようになっている。
【0020】
なお、図示しないリレーおよびコネクタとしては、複数の端子部を備えた従来公知のものが採用されている。
【0021】
図1および図2に示される二種類のプリント基板14,16は、何れも、紙フェノールやガラスエポキシ等の絶縁性基板に、図示しない銅箔等の導電材料によるプリント配線が設けられた構造とされている。なお、詳細な図示は省略するが、二種類のプリント基板14,16は、プリント配線の回路構成が互いに異なっており、プリント基板14,16には、このようなプリント配線の違い等に応じて、互いに異なる位置に複数のスルーホール40が貫設されている。
【0022】
プリント基板14,16の複数のスルーホール40のうちの一部は、ヒューズモジュール18の複数の接続端子部28が挿通される位置に貫設されており、これら複数のスルーホール40を含んで、ヒューズモジュール装着部42が構成されている。図1および図2から明らかなように、プリント基板14,16においては、それぞれ同じ位置にヒューズモジュール装着部42が設けられている。また、プリント基板14,16には、それぞれのプリント配線に応じた図示しないリレーやコネクタの配設位置に、それぞれ複数のスルーホール40を含んで構成されたリレー装着部44やコネクタ装着部46が複数形成されている。図1および図2から明らかなように、プリント基板14とプリント基板16では、リレー装着部44やコネクタ装着部46の形成個数や形成位置が互いに異なっている。また、図示は省略するが、プリント基板14,16の各スルーホール40の近傍には、白色のシルク印刷塗料を用いたシルク印刷によって、回路名等が表示されている。
【0023】
プリント基板14,16には、枠線によりそれぞれ正方形状に形成された複数(本実施形態においては、4個ずつが2列で8個)の升目48a〜48hが設けられている。これらの升目48a〜48hは、白色のシルク印刷塗料を用いたシルク印刷によって設けられており、各プリント基板14,16上における同一の位置に形成されている。そして、図1に示されたプリント基板14においては、複数の升目48a〜48hのうちの一つである升目48aが、シルク印刷による着色により升目48a内の領域全体を塗り潰されてマークされている。本実施形態においては、升目48aに設けられる塗り潰しからなるマーク50は、升目48a〜48hと同じく白色のシルク印刷塗料を用いたシルク印刷によって形成されており、升目48a〜48hのシルク印刷と同時に形成されるようになっている。また、図2に示されたプリント基板16においては、複数の升目48a〜48hのうち升目48hにマーク50が設けられることにより、升目48hがマークされている。即ち、本実施形態においては、プリント基板14,16に複数の升目48a〜48hが設けられると共に、複数の升目48a〜48hのうちの少なくとも一つが塗り潰されてマークされることにより、基板種類識別表示52が構成されている。そして、このような基板種類識別表示52によって、プリント基板14,16が、プリント配線の回路構成やリレー装着部44およびコネクタ装着部46の形成位置等が互いに異なる複数種類のプリント基板14,16のうち、何れの種類のプリント基板14,16であるかが特定されるようになっている。
【0024】
そして、本実施形態においては、図1および図2に示されるように、それぞれ異なる升目48a,48hにマークが施された基板種類識別表示52を有する二種類のプリント基板14,16に対して、同一の部品種類識別表示34を備えた同一種類のヒューズモジュール18、および、その他の図示しないリレー、コネクタ等の電気部品がそれぞれの位置に実装されることにより、二種類の実装基板10,12が構成されている。なお、プリント基板14,16に対するヒューズモジュール18等の実装は、具体的には、例えば以下のようにして行われる。即ち、ヒューズモジュール装着部42、リレー装着部44およびコネクタ装着部46の各スルーホール40に対して、それぞれ、ヒューズモジュール18の各接続端子部28や、図示しないリレーおよびコネクタの端子部が挿入され、各スルーホール40と半田付けされる。これにより、ヒューズモジュール18やリレーおよびコネクタがプリント基板14,16に対して固定的に実装されて、プリント基板14,16のプリント配線と相互に導通される。
【0025】
このようにして各プリント基板14,16にヒューズモジュール18等が実装されると、その後、例えば以下のようにして各実装基板10,12の品番の特定作業および確認作業が実施される。即ち、各実装基板10,12のヒューズモジュール18の部品種類識別表示34と、プリント基板14,16の基板種類識別表示52とを、それぞれ図示しない光学式読取装置等によって読み取り、部品種類識別表示34が有するヒューズモジュール18の品番等の情報から特定されるヒューズモジュール18の種類と、基板種類識別表示52における各升目48a〜48hにおけるマーク50の有無から特定されるプリント基板の種類を判別する。そして、公知の演算装置等によって、これらの部品種類識別表示34および基板種類識別表示52の情報の組み合わせから、ヒューズモジュール18とプリント基板14,16との組み合わせを判別して、実装基板10,12の品番が特定される。具体的には、例えば、図示しない演算装置のROMに、所定の演算プログラムと、部品種類識別表示34のバーコードパターンによって特定されるヒューズモジュール18の品番等の部品種類識別情報と、基板種類識別表示52の各升目48a〜48hにおけるマーク50の有無の情報によって特定される基板種類識別情報と、それら部品種類識別情報と基板種類識別情報の組み合わせから実装基板の品番を特定する品番対応表とを、予め格納する。そして、CPUに演算プログラムを実行させて、光学式読取装置により取得されRAMに一時的に記憶された部品種類識別情報と基板種類識別情報を、上述の品番対応表と照合させることにより、実装基板10,12の品番が特定される。
【0026】
以上のように、本実施形態によれば、プリント基板14,16に基板種類識別表示52を設けると共に、ヒューズモジュール18に設けられた部品種類識別表示34を利用して、これらを光学式読取装置によって読み取らせることにより、実装基板10,12の品番の特定が可能とされている。従って、従来必要とされていた、実装基板10,12の品番を特定するための特別のバーコード等が不要とされている。その結果、実装基板10,12に実装基板用の品番バーコードを貼り付ける工程等を削減することができ、実装基板用の品番バーコード等に要していた製造コストを削減することができる。
【0027】
また、本実施形態においては、部品種類識別表示34が光学読取コードとされると共に、基板種類識別表示52が、プリント基板14,16上に設けられた升目48a〜48hが塗り潰されてマークされる構成とされていることにより、ヒューズモジュール18およびプリント基板14,16の種類が、何れも機械による読み取りによって瞬時に判別可能とされている。その結果、これらの基板種類識別表示52および部品種類識別表示34の組み合わせにより決定される実装基板10,12の品番が、光学式読取装置等を用いて瞬時に特定可能とされている。従って、本実施形態によれば、従来の実装基板において行われた実装基板10,12の自体の品番を特定するためのバーコード等の貼付を不要としつつ、実装基板10,12の品番を、従来のバーコード等の読み取りと同様に、正確且つ迅速に実行することができる。
【0028】
特に、本実施形態においては、部品種類識別表示34が、ヒューズモジュール18の種類違いを特定するために予めヒューズモジュール18に設けられたバーコード等の公知の光学読取コードを利用して構成されていることから、部品点数やコストの増加を招くことなく部品種類識別表示34を設けることができる。また、部品種類識別表示34の読み取りを、公知の光学式読取装置を用いて、簡単に、且つ高精度に実行することができる。加えて、基板種類識別表示52が、升目48a〜48hが塗り潰されてマークされることにより構成されていることから、シルク印刷によりプリント基板14,16上にシンプル且つ明瞭な識別表示を安価且つ簡易に設けることができる。特に、基板種類識別表示52がこのような升目状とされていることから、番号等により表示されている場合に比して、基板種類識別表示52を公知の光学式の簡易な読取装置を用いてより簡単に判別することができる。また、このような升目48a〜48hを塗り潰す方式によるマークによれば、作業者が升目48a〜48hを目視した際にも、何れの升目48a〜48hにマークが施されているかを容易に認識することができる。従って、装置による読み取りだけでなく、作業者の目視によっても、プリント基板14,16の種類を容易に判別することが可能とされている。
【0029】
また、基板種類識別表示52を、シルク印刷により形成される升目48a〜48hと、同じくシルク印刷による塗り潰しによるマーク50との組み合わせとしたことにより、従来のプリント基板に対して回路名等を記載するために行われるシルク印刷と同様の工程によって、基板種類識別表示52を低コストに設けることができる。特に、プリント基板14,16上に印刷される回路名等と、升目48a〜48hの色および升目48a,48hをマークする塗り潰しの色を白色等の同一色で形成することによって、顔料や印刷工程の増加を招くことなく、回路名等と升目48a〜48hおよびマーク50とを、同じシルク印刷工程で効率良く形成することができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、実装基板10,12の品番を特定するために、プリント基板14,16の基板種類識別表示52と、ヒューズモジュール18の部品種類識別表示34とがそれぞれ確認されることから、実装基板10,12の品番の確認時において、ヒューズモジュール18とプリント基板14,16とが誤った組み合わせで実装されていないかどうかも同時に確認することができる。
【0031】
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、部品種類識別表示を構成する光学読取コードが一般的な一次元バーコードに限定されないのは勿論であって、例えば、QRコード(登録商標)等の小さな正方形を組み合わせてなるマトリクス型の二次元バーコードや、一次元バーコードを複数列重ねたスタック型の二次元バーコード等、各種の公知の光学読取コードが任意に採用可能である。なお、光学読取コードは、公知の光学式読取装置を用いて読み取り可能なものであれば、文字や数字、記号等であってもよい。
【0032】
また、上述の実施形態では、部品種類識別表示が設けられる電気部品としての一種類のヒューズモジュールと、二種類のプリント基板とを用いて、二種類の実装基板を識別する例を示したが、本発明によれば、複数種類の電気部品とプリント基板とをそれぞれ組み合わせることにより、より多種類の実装基板を識別管理することが可能である。このような場合にも、電気部品上に部品種類識別表示を、プリント基板上に基板種類識別表示を設けて、これらの情報を相互に組み合わせることによって、各実装基板の品番を容易に特定することができる。
【0033】
さらに、部品種類識別表示が設けられる電気部品は、ヒューズモジュールに限定されない。即ち、部品種類識別表示が設けられる電気部品としては、車種やグレード等により、要求される電流値等の仕様が異なる複数の種類違いが生じるものであれば、リレー、コネクタ、ヒューズや、それらがモジュール化されたもの等、実装基板に実装され得る各種の公知の電気部品が任意に採用可能である。なお、プリント基板に実装される複数の電気部品においてそれぞれ種類違いが生じる場合には、各電気部品にそれぞれ部品種類識別表示を設けて、更に多種類の実装基板の識別を行うことも可能である。
【0034】
また、上述の実施形態では、部品種類識別表示がヒューズモジュールの側面側に設けられていたが、部品種類識別表示を設ける具体的な位置等は、特に限定されない。例えば、部品種類識別表示をヒューズモジュール等の電気部品の上面に設けて、部品種類識別表示と、プリント基板の上面に設けられた基板種類識別表示とを、同一の向きから視認可能としてもよい。このような態様を採用することにより、例えば実装基板の上面側から、単一の光学式読取装置を用いて部品種類識別表示と基板種類識別表示とを同時に読み取ることが可能となる。
【0035】
さらに、基板種類識別表示を構成する升目および升目に施されるマークの色や形状、個数等は、特に限定されない。例えば、マークは、升目内に○印等の記号や数字等を表示する態様なども採用可能であるが、好適には、各升目は光学式読取装置等を用いて容易に識別可能な態様でマークされることが望ましい。
【符号の説明】
【0036】
10,12:実装基板、14,16:プリント基板、18:ヒューズモジュール(電気部品)、34:部品種類識別表示、48a〜48h:升目、50:マーク、52:基板種類識別表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品がプリント基板に実装された実装基板において、
前記プリント基板には、複数の升目の少なくとも何れかがマークされることで前記プリント基板の種類が特定されている基板種類識別表示が、シルク印刷により設けられている一方、
前記電気部品には、光学読取コードによる部品種類識別表示が設けられており、
前記基板種類識別表示および前記部品種類識別表示の組み合わせにより品番が特定される、
ことを特徴とする実装基板。
【請求項2】
前記複数の升目のうちの少なくとも一つが着色により塗り潰されてマークされていることにより、前記基板種類識別表示が構成されている請求項1に記載の実装基板。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−114252(P2012−114252A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262075(P2010−262075)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】