説明

家具システム

【課題】執務空間において執務者同士が情報交換したり談話したりすることを好適に促進する。
【解決手段】執務空間に配設され、情報の保管及び取り出し機能、キッチン機能、並びに執務者同士の情報交換を促進する機能を執務空間内で提供するためのものであって、文書や書籍等または情報通信関連機器を収納する収納空間312、412を有する情報取出什器部3、4と、キッチン用の機器、用具または物品を収納する収納空間を有するキッチン什器部2と、執務者を対面させまたは隣り合わせるカウンターテーブルを有するカウンター什器部1とを具備し、前記情報取出什器部3、4の天板32、42、前記キッチン什器部2の天板22、並びに前記カウンター什器部1の天板12の高さ位置を略同一に設定している家具システムを構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、執務空間において執務者同士が情報交換したり談話したりすることを促進するための家具システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスでは、執務者の心身のリフレッシュを図り、執務者同士のコミュニケーションを円滑化する目的で、執務に専従するための執務空間とは別に、休憩室、喫茶室、談話室または喫煙室等の場を設けることが少なくない。また、それらの場を構築するための家具・什器類も市場に流通している(例えば、下記特許文献を参照)。
【特許文献1】特開2005−195310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、執務空間外に独立した休憩室、喫煙室等を設けると、執務者がついそこに長居をしてしまい業務能率が落ちるというようなことが起こり得る。また、特に喫煙室は、非喫煙者が使用することは殆どなく、喫煙者の間でだけ頻繁にコミュニケーションが発生し、喫煙者と非喫煙者との間では却ってコミュニケーションが欠乏する可能性もある。
【0004】
以上に鑑みてなされた本発明は、執務空間において執務者同士が情報交換したり談話したりすることを好適に促進することを所期の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するべく、本発明では、執務空間に配設され、情報の保管及び取り出し機能、キッチン機能、並びに執務者同士の情報交換を促進する機能を執務空間内で提供するためのものであって、情報の保管及び取り出し機能を具現するべく、文書や書籍等または情報通信関連機器を収納する収納空間を有する情報取出什器部と、キッチン機能を具現するべく、キッチン用の機器、用具または物品を収納する収納空間を有するキッチン什器部と、執務者同士の情報交換を促進する機能を具現するべく、執務者を対面させまたは隣り合わせるカウンターテーブルを有するカウンター什器部とを具備してなり、前記情報取出什器部の天板、前記キッチン什器部の天板、並びに前記カウンター什器部の天板の高さ位置を略同一に設定している家具システムを構成した。
【0006】
本家具システムを使用すれば、執務空間内に、執務者同士が情報交換したり談話したりするための場を構築することができる。即ち、情報取出什器部を利用して業務に関連する情報を取り出し、キッチン什器部を利用して飲み物や軽食等を用意し、それらをカウンター什器部に持ち込んで執務者間でコミュニケーションをとることが可能となる。各什器部の天板の高さを揃えているのは、各什器部の統一感の醸成だけでなく、各什器部を執務空間に配設した際の当該執務空間の見通しを確保して執務者の所在を視認しやすくする意図もある。
【0007】
執務空間に配設する見地から、床面から各什器部の天板の天板面までの高さは約1000mmに設定することが好ましい。この高さは、自席を立った執務者が気軽に立ち寄ることができ、立ったまま他の執務者と資料等を見ながらコミュニケーションをとるのに好都合な寸法である。また、執務者が原則立ったままで各什器部を利用することになるので、執務者がその場に不必要に長居してしまう不都合も避けられる。
【0008】
前記情報取出什器部、前記キッチン什器部及び前記カウンター什器部がそれぞれ、前記天板を載置した本体と、前記本体を支持する脚とを備えており、前記情報取出什器部の本体、前記キッチン什器部の本体、並びに前記カウンター什器部の本体の下縁の高さ位置を略同一に設定していれば、床面から本体の下縁までの間隙の大きさが統一され、執務空間の見通しの確保に資する。また、下方の間隙は蹴り込みの役目を果たすので、執務者が各什器部に大いに接近しても足元が妨げられないという効用もある。
【0009】
前記情報取出什器部の天板の前端面または後端面と、この情報取出什器部の本体の正面または背面との段差を約10mm以下に設定すれば、本体を大形化し、ひいては収納空間を十分に大きくとることが可能となる。
【0010】
前記キッチン什器部についても、天板の前端面または後端面と、本体の正面または背面との段差を約10mm以下に設定することが好ましい。
【0011】
前記情報取出什器部の天板、前記キッチン什器部の天板、並びに前記カウンター什器部の天板の前後幅を略同一に設定していれば、各什器部を並べ連ねるレイアウトがしやすくなり、使い勝手がよくなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、執務空間において執務者同士が情報交換したり談話したりすることを好適に促進できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の家具システムは、カウンター什器部たるカウンターテーブル1、キッチン什器部たるキッチン用収納家具2、情報取出什器部たるIT用収納家具3及び書棚4を具備してなる。
【0014】
カウンターテーブル1は、執務者同士の情報交換を促進する機能を具現するべく、執務者を対面させまたは隣り合わせることを可能とする什器である。図1ないし図3に示すように、カウンターテーブル1は、脚111に幕板112を架け渡すように装着してなる家具本体11に、天板12を載置して固定したものである。脚111は、左右に一対存在している。脚111は、円盤状のベース111aと、ベース111aの中心部から直立したパイプ状の脚柱111bとを要素とし、その脚柱111bが幕板112内に貫入して上端が天板12直下まで到達している。天板に12おける脚柱111bの直上の箇所には、天板12上と脚柱111b内とを連通する連通孔12aを形成し、カウンターテーブル1に付帯する照明器具13や小物用トレー14等の支柱131、141を連通孔12aから脚柱111b内に挿入して支持させ得るようにしている。このとき、照明器具13の給電コードも脚柱111b内に挿通して配線することができる。照明器具13や小物用トレー14等を設営しない場合には、天板12の貫通孔12aに目隠し蓋(図示せず)をしておく。
【0015】
家具本体11、換言すれば幕板112の正面及び/または背面には、略水平方向に延伸するレール113を埋設している。図4に示すように、レール113は、側断面視略コ字型をなすレール本体の下壁から上壁に向けて突片113aを立ち上げて開口幅を狭めているもので、その突片113aを利用してレール113に沿った任意の位置にオプション部材6を掛止可能となっている。
【0016】
図示例のオプション部材は、雑誌や薄型の書籍、文書等を保持することのできる書架(雑誌架)6である。図1及び図4に示すように、書架6は、やや後傾した面板61と、面板61の側縁から後方に屈曲した側板62と、面板61の上縁から後方に屈曲した上板63と、面板61の下縁から前方に屈曲した樋64とを備える。面板61には、無数の丸孔611を穿ってある。側板62は、略垂直な後縁をなす。上板63は、側板62の後縁よりも後方に延出し、その先端で下方に屈曲した掛止片631を形作っている。書架6を掛止するには、上板63の先端をレール113内に差し入れて掛止片631を突片113bに係合させた上、側板62の後縁を家具本体11の正面または背面に当接させるようにする。また、樋64は、その先端で上方に屈曲した落下防止片641を形作っている。雑誌等は、樋64及び面板61を介して立てかける。
【0017】
図3に示すように、家具本体11の脚111及び幕板112は、天板12の前後幅のちょうど中央に位置している。つまり、天板12は、家具本体11から前後に大きくオーバーハングしている。
【0018】
キッチン用収納家具2は、キッチン機能を具現するべく、キッチン用の機器、用具または物品を収納する収納空間212、213、214を有する什器である。図1、図5ないし図7に示すように、キッチン用収納家具2は、収納空間212、213、214を包有する家具本体21に、天板22を載置して固定したものである。家具本体21は、四隅を脚211で支持してある。家具本体21は、概略筐体状をなし、正面視側方(右方)部位に大形の空洞部212を開成しつつ、その他の部位に複数の抽斗部213及び戸棚部214を設けている。空洞部212は、例えば冷蔵庫、電子レンジ、給湯ポット、コーヒーメーカ、ドリンクサーバ、おしぼりを保温する保温機等の機器を設置するための場所であり、戸は存在しない。空洞部212の底壁には、床上に連通する配線口212aを形成しており、この配線口212aを利用して冷蔵庫等の給電コードを配線することができる。抽斗部213及び戸棚部214には、キッチンで必要となる食器類や布巾、常温保存可能な食品、調味料等を収納しておくことができる。
【0019】
家具本体21の背面には、略水平方向に延伸するレール215を埋設している。レール215は、カウンターテーブル1の家具本体11に埋設しているレール113と同等のものであり、このレール215に沿った任意の位置にオプション部材即ち書架6を掛止可能である。
【0020】
図7に示すように、天板22は、その後端面が家具本体の背面から若干(好ましくは、10mm以下の段差)後方にオーバーハングしている。家具本体21の天板22に接合する上縁近傍は凹んでおり、この凹陥216によって天板22の後端面周辺における下向面の露出範囲が前方に拡張している。並びに、天板22は、その前端面が家具本体21の正面から若干(好ましくは、10mm以下の段差)前方にオーバーハングしている。家具本体21の天板22に接合する上縁近傍は、抽斗部213の鏡板の表面や戸棚部214の戸板の表面よりも凹んでおり、この凹陥217によって天板22の前端面周辺における下向面の露出範囲が後方に拡張している。
【0021】
IT用収納家具3は、ディジタル情報の保管及び取り出し機能を具現するべく、情報通信関連機器を収納する収納空間312、313を有する什器である。図1、図8ないし図10に示すように、IT用収納家具3は、収納空間312、313を包有する家具本体31に、天板32を載置して固定したものである。家具本体は、四隅を脚311で支持してある。家具本体31は、正面視側方(右方)部位に大形の空洞部312を開成しつつ、その他の部位に戸棚部313を設けている。空洞部312は、プリンタやファクシミリ、光学ディスクドライブ等を設置するための場所であり、戸は存在しない。また、プリンタやファクシミリから排出される印刷紙等を取り出しやすくする目的で、天板32における空洞部312の直上の領域を切り欠いて空洞部312を上方にも開放している。戸棚部313には、コンピュータの本体やハードディスクドライブ等を収納しておくことができる。図示例では、戸棚部313は家具本体31の背面側に開口するものとし、開閉する戸板も背面側に存在している。空洞部312と戸棚部313とを隔てる隔壁には、両者を連通する配線口313bを形成しており、この配線口313bを利用してプリンタ等をコンピュータに接続するためのケーブルを配線することができる。尤も、隔壁自体をなくしてもよい。さらに、空洞部312及び/または戸棚部313の底壁には、床上に連通する配線口312a、313aを形成しており、この配線口312a、313aを利用して給電コードや通信ケーブルを配線することができる。加えて、天板32における戸棚部313の直上の箇所にも、天板32上と戸棚部313とを連通する配線口32aを形成しており、この配線口32aを利用してディスプレイ、キーボート、ポインティングデバイス(マウス、トラックパッド、他)等をコンピュータに接続するためのケーブルを配線することができる。これにより、コンピュータのディスプレイ、キーボート、ポインティングデバイス等を天板32上に配置可能になる。
【0022】
図10に示すように、天板32は、その後端面が家具本体31の背面から若干(好ましくは、10mm以下の段差)後方にオーバーハングしている。家具本体31の天板32に接合する上縁近傍は、戸棚部313の戸板の表面よりも凹んでおり、この凹陥314によって天板32の後端面周辺における下向面の露出範囲が前方に拡張している。並びに、天板32は、その前端面が家具本体31の正面から若干(好ましくは、10mm以下の段差)前方にオーバーハングしている。家具本体31の天板32に接合する上縁近傍は凹んでおり、この凹陥315によって天板32の前端面周辺における下向面の露出範囲が後方に拡張している。
【0023】
書棚4は、アナログ情報の保管及び取り出し機能を具現するべく、文書や書籍等を収納する収納空間412を有する什器である。図1、図11及び図12に示すように、書棚4は、収納空間412を包有する家具本体41に、天板42を載置して固定したものである。家具本体41は、四隅を脚411で支持してある。家具本体41は、概略筐体状をなし、正面側に開口する収納空間412内に棚板及び仕切板を配設してこれを複数の部分空間に区画している。
【0024】
図12に示すように、天板42は、その後端面が家具本体41の背面から若干(好ましくは、10mm以下の段差)後方にオーバーハングしている。家具本体41の天板42に接合する上縁近傍は凹んでおり、この凹陥413によって天板42の後端面周辺における下向面の露出範囲が前方に拡張している。
【0025】
カウンターテーブル1、キッチン用収納家具2、IT用収納家具3、書棚4のそれぞれの天板12、22、32、42の高さ寸法Hは、おしなべて(約1000mmに)揃っている。各家具1、2、3、4の天板12、22、32、42の前後幅寸法Wは互いに略等しく、各家具1、2、3、4の家具本体11、21、31、41の下縁の高さ、換言すれば床面Fと家具本体11、21、31、41との間隙の大きさLも揃っている。また、キッチン用収納家具2の家具本体21に設けたレール215の高さRは、カウンターテーブル1の家具本体11に設けたレール113の高さRに略一致している。
【0026】
本実施形態では、必要に応じて、上述の各天板付家具1、2、3、4の反使用端側にパネル5を設立することができる。図1及び図13に示すように、パネル5は、各家具1、2、3、4の倍程度の高さ寸法の概略板状体であり、下端部を接地部51として床面Fに接地するものである。被支持体5の接地部51には、アジャスタ511を設ける。但し、接地部51にアジャスタ511は必須でない。また、アジャスタ511をパネル5に対して着脱自在としてもよい。パネル5における各家具の天板よりも上方にある部位には、レール53を埋設している。レール53は、カウンターテーブル1やキッチン用収納家具2の家具本体11、21に埋設しているレール113、215と同等のものであり、このレール53に沿った任意の位置にオプション部材即ち書架6を掛止可能である。
【0027】
そして、パネル5における各家具の天板よりも若干下方にある部位に、突出部たる治具52を設けている。図14ないし図16等に示すように、この治具52は、パネル5の表面から略水平方向に突き出しており、その先端で上向きに凸な凸部521を形作っている。治具52は、弾性変形可能なものとすることができる。治具52は、パネル5から取り外せる部材であってもよく、取り外せないようにパネル5に一体化していてもよい。
【0028】
他方、各家具1、2、3、4の天板12、22、32、42の端面周辺の下向面には、パネル5から突き出した治具52を係合させる係合部121、221、321、421を予め設けておく。本実施形態では、この係合部121、221、321、421に、上向きに凹む凹部(または、凹溝)121a、221a、321a、421aを形成している。
【0029】
パネル5を設立するにあたっては、図14に示すように、パネル5を天板付家具1、2、3、4の反使用端側に臨ませ、パネル5をやや前傾させてその治具52を天板12、22、32、42の端面側から天板12、22、32、42下に潜り込ませる。しかる後、パネル5の下端部位を前方に押し込んでパネル5の姿勢を起こすように操作すると、図15または図16に示すように、治具52の凸部521が天板12、22、32、42の係合部121、221、321、421に形成された凹部121a、221a、321a、421aに挿入され、同時にパネル5の接地部51が床面Fに緊密に接地する。結果として、パネル5が天板付家具1、2、3、4に支持された状態になる。つまり、凸部521と凹部121a、221a、321a、421aとの凹凸係合を含む治具52と係合部12、22、32、42との係合、並びに接地部51と床面Fとの摩擦により、パネル5の倒伏が抑制される。この支持構造は、天板付家具1、2、3、4の自重及びパネル5の自重をうまく利用してパネル5を支持する点に特色がある。因みに、図14、図15はカウンターテーブル1にパネル5を取着する例を示し、図16はキッチン用収納家具2、IT用収納家具3または書棚4にパネル5を取着する例を示している。
【0030】
さらに、アジャスタ511を操作して被支持体5及び突出部52の高さ位置を上昇させるようにすれば、突出部52(及び、凸部521)が係合部121、221、321、421(及び、凹部121a、221a、321a、421a)により強く係合し、アジャスタ511もまた床面Fにより強く圧接する。ひいては、パネル5の支持構造の安定性が増す。このことは、凸部521と凹部121a、221a、321a、421aとの間にガタが存在する場合にも有効である。即ち、アジャスタ511の調整操作を通じてガタを解消することができる。
【0031】
パネル5を取り外したいときには、上記と真逆の手順を踏めばよい。即ち、(必要であればアジャスタ511を操作して被支持体5及び突出部52の高さ位置を下降させた後)設立しているパネル5の下端部位を後方に引き出してパネル5の姿勢を前傾させるように操作すると、パネル5の接地部51が床面Fから離れ、同時に治具52の凸部521が天板12、22、32、42の係合部121、221、321、421に形成された凹部121a、221a、321a、421aから脱出する。しかる後、パネル5を天板付家具1、2、3、4から引き離す。
【0032】
本実施形態によれば、執務空間に配設され、情報の保管及び取り出し機能、キッチン機能、並びに執務者同士の情報交換を促進する機能を執務空間内で提供するためのものであって、情報の保管及び取り出し機能を具現するべく、文書や書籍等または情報通信関連機器を収納する収納空間312、313、412を有する情報取出什器部3、4と、キッチン機能を具現するべく、キッチン用の機器、用具または物品を収納する収納空間212、213、214を有するキッチン什器部2と、執務者同士の情報交換を促進する機能を具現するべく、執務者を対面させまたは隣り合わせるカウンターテーブルを有するカウンター什器部1とを具備してなり、前記情報取出什器部3、4の天板32、42、前記キッチン什器部2の天板22、並びに前記カウンター什器部1の天板12の高さ位置Hを略同一に設定している家具システムを構成したため、執務空間内に、執務者同士が情報交換したり談話したりするための好適な場を構築することができる。即ち、情報取出什器部3、4を利用して業務に関連する情報を取り出し、キッチン什器部2を利用して飲み物や軽食等を用意し、それらをカウンター什器部1に持ち込んで執務者間でコミュニケーションをとることが可能となる。各什器部1、2、3、4の天板12、22、32、42の高さHが揃っていることから、各什器部1、2、3、4の統一感を醸成できるだけでなく、各什器部1、2、3、4を執務空間に配設した際の当該執務空間の見通しを確保でき、執務者の所在を視認しやすい。
【0033】
床面Fから各什器部1、2、3、4の天板12、22、32、42の天板面までの高さHを約1000mmに設定しているため、自席を立った執務者が気軽に立ち寄ることができ、立ったまま他の執務者と資料等を見ながらコミュニケーションをとるのに好都合である。また、執務者が原則立ったままで各什器部1、2、3、4を利用することになるから、執務者がその場に不必要に長居してしまう不都合も避けられる。
【0034】
前記情報取出什器部3、4、前記キッチン什器部2及び前記カウンター什器部1がそれぞれ、前記天板32、42、22、12を載置した本体31、41、21、11と、前記本体31、41、21、11を支持する脚311、411、211、111とを備えており、前記情報取出什器部3、4の本体31、41、前記キッチン什器部2の本体21、並びに前記カウンター什器部1の本体11の下縁の高さ位置Lを略同一に設定しているため、床面Fから本体31、41、21、11の下縁までの間隙の大きさLが統一され、執務空間の見通しの確保に資する。また、下方の間隙Lは蹴り込みの役目を果たすので、執務者が各什器部1、2、3、4に大いに接近しても足元が妨げられないという効用もある。
【0035】
前記情報取出什器部3、4の天板32、42の前端面または後端面と、この情報取出什器部3、4の本体31、41の正面または背面とのオーバーハングの段差を約10mm以下に設定しているため、本体31、41の大形化、ひいては収納空間312、313、412の大容量化が可能となる。
【0036】
前記キッチン什器部2についても、天板22の前端面または後端面と、本体21の正面または背面とのオーバーハングの段差を約10mm以下に設定しており、やはり本体21の大形化、ひいては収納空間212、213、214の大容量化が可能となる。
【0037】
前記情報取出什器部3、4の天板32、42、前記キッチン什器部2の天板22、並びに前記カウンター什器部1の天板12の前後幅Wを略同一に設定しているため、各什器部3、4、2、1を並べ連ねるレイアウトがしやすくなり、使い勝手がよくなる。
【0038】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。特に、上記実施形態では、各什器部が互いに別体をなしていたが、一の什器部と他の什器部とが一体化している態様を妨げない。よって、例えば、キッチン什器部と情報取出什器部とを一体化したり、カウンター什器部とキッチン什器部とを一体化したりすることも考えられる。
【0039】
その他各部の具体的構成は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態の家具システムを示す斜視図。
【図2】本実施形態におけるカウンター什器部を示す正面図。
【図3】同カウンター什器部の側面図。
【図4】同カウンター什器部の要部側断面図。
【図5】本実施形態におけるキッチン什器部を示す正面図。
【図6】同キッチン什器部の背面図。
【図7】同キッチン什器部の側面図。
【図8】本実施形態における情報取出什器部を示す正面図。
【図9】同情報取出什器部の背面図。
【図10】同情報取出什器部の側面図。
【図11】本実施形態における情報取出什器部を示す正面図。
【図12】同情報取出什器部の側面図。
【図13】本実施形態におけるパネルを示す正面図。
【図14】本実施形態におけるパネルの支持構造を示す要部側断面図。
【図15】同支持構造を示す要部側断面図。
【図16】本実施形態におけるパネルの支持構造を示す要部側断面図。
【符号の説明】
【0041】
1…カウンター什器部
11…本体
111…脚
12…天板
2…キッチン什器部
21…本体
211…脚
212、213、214…収納空間
22…天板
3、4…情報取出什器部
31、41…本体
311、411…脚
312、313、412…収納空間
32、42…天板
F…床面
H…天板の高さ
L…本体の下縁の高さ
W…天板の前後幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
執務空間に配設され、情報の保管及び取り出し機能、キッチン機能、並びに執務者同士の情報交換を促進する機能を執務空間内で提供するためのものであって、
情報の保管及び取り出し機能を具現するべく、文書や書籍等または情報通信関連機器を収納する収納空間を有する情報取出什器部と、
キッチン機能を具現するべく、キッチン用の機器、用具または物品を収納する収納空間を有するキッチン什器部と、
執務者同士の情報交換を促進する機能を具現するべく、執務者を対面させまたは隣り合わせるカウンターテーブルを有するカウンター什器部とを具備してなり、
前記情報取出什器部の天板、前記キッチン什器部の天板、並びに前記カウンター什器部の天板の高さ位置を略同一に設定している家具システム。
【請求項2】
床面から前記天板の天板面までの高さを約1000mmに設定している請求項1記載の家具システム。
【請求項3】
前記情報取出什器部、前記キッチン什器部及び前記カウンター什器部はそれぞれ、前記天板を載置した本体と、前記本体を支持する脚とを備えており、
前記情報取出什器部の本体、前記キッチン什器部の本体、並びに前記カウンター什器部の本体の下縁の高さ位置を略同一に設定している請求項1または2記載の家具システム。
【請求項4】
前記情報取出什器部の天板の前端面または後端面と、この情報取出什器部の本体の正面または背面との段差を約10mm以下に設定している請求項1、2または3記載の家具システム。
【請求項5】
前記キッチン什器部の天板の前端面または後端面と、このキッチン什器部の本体の正面または背面との段差を約10mm以下に設定している請求項1、2、3または4記載の家具システム。
【請求項6】
前記情報取出什器部の天板、前記キッチン什器部の天板、並びに前記カウンター什器部の天板の前後幅を略同一に設定している請求項1、2、3、4または5記載の家具システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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