説明

家電機器

【課題】少ない消費電力量で多量の水を凝縮させること。
【解決手段】包装体内の蓄冷剤はペルチェ素子のオン状態でペルチェ素子の吸熱面から放熱面を通して熱が放出されることで固相となるものであり、通風路内を通過する空気が包装体に接触した場合に空気中の水分を凝縮させる。この包装体内の蓄冷剤はペルチェ素子がオン状態からオフ状態に切換えられた後から相転移する前までの蓄冷期間内に固相に維持されるものであり、蓄冷期間内には通風路内を通過する空気が包装体に接触した場合に空気中の水分を凝縮させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は家電機器に関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器にはペルチェ素子を用いて大気中の水分を凝縮させる構成のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−260188号公報
【特許文献2】特開2000−329441号公報
【特許文献3】特開2003−214781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の家電機器の場合にはペルチェ素子での消費電力量を考慮した場合に少量の水しか得ることができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施例の家電機器は、空気が通過可能な通風路を有する通風ケースと、前記通風ケースに設けられ冷気を蓄えることが可能な媒体が収納されたものであって前記通風路内を空気が通過する場合に当該空気が接触する包装体と、前記通風ケースに設けられ前記包装体内の媒体を冷却する冷却部材を備え、前記包装体内の媒体は前記通風路内を通過する空気が前記包装体に接触した場合に当該空気を冷却することで当該空気中の水分を凝縮させるものであるところに特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】実施例1を示す図(冷蔵庫の内部構成を示す断面図)
【図2】ミスト発生ユニットの内部構成を示す断面図
【図3】給水ユニットの内部構成を示す断面図
【図4】実施例2を示す図(洗濯機の内部構成を示す断面図)
【図5】実施例3を示す図(電気掃除機の内部構成を示す断面図)
【図6】実施例4を示す図(図3相当図)
【発明を実施するための形態】
【0007】
【実施例1】
【0008】
キャビネット1は、図1に示すように、使用者側である前面が開口するものである。このキャビネット1は外箱の内部に内箱を収納し、外箱および内箱相互間の隙間に断熱材を充填することから構成されたものであり、底壁と左側壁と右側壁と天壁と後壁を有している。このキャビネット1の内部には水平な上仕切壁2および水平な下仕切壁3が固定されている。上仕切壁2は合成樹脂製の板からなるものであり、下仕切壁3は合成樹脂製のケース内に固形状の断熱材を収納することから構成されている。
【0009】
キャビネット1内には、図1に示すように、冷蔵室4と野菜室5と冷凍室6が形成されている。これら冷蔵室4と野菜室5と冷凍室6のそれぞれは使用者側である前面が開口するものであり、冷蔵室4は上仕切壁2の上方に形成され、野菜室5は上仕切壁2および下仕切壁3相互間に形成され、冷凍室6は下仕切壁3の下方に形成されている。キャビネット1にはRドア7とVドア8とFドア9が装着されている。これらRドア7〜Fドア9のそれぞれは使用者が閉鎖状態および開放状態相互間で操作可能なものであり、Rドア7は冷蔵室4の前方に配置され、Vドア8は野菜室5の前方に配置され、Fドア9は冷凍室6の前方に配置されている。この冷蔵室4は貯蔵室に相当する。
【0010】
Vドア8は、図1に示すように、開放状態で野菜室5の前面を野菜室5内に対して食品を出し入れすることが可能に開放するものであり、Rドア7は開放状態で冷蔵室4の前面を冷蔵室4内に対して食品を出し入れすることが可能に開放する。この冷蔵室4はRドア7およびVドア8のそれぞれの閉鎖状態で野菜室5に通じるものであり、冷蔵室4および野菜室5のそれぞれはRドア7およびVドア8の双方の閉鎖状態で気密状態に閉鎖される。Fドア9は開放状態で冷凍室6の前面を冷凍室6内に対して食品を出し入れすることが可能に開放するものであり、Fドア9の閉鎖状態では冷凍室6の前面が気密状態に閉鎖される。
【0011】
キャビネット1内には、図1に示すように、ダクトカバー10が固定されている。このダクトカバー10は冷蔵室4および野菜室5の双方の後部に配置されたものであり、キャビネット1の後壁およびダクトカバー10相互間にはR冷気通路11が形成されている。このR冷気通路11は上下方向へ指向するものであり、1つの入口12と1つの最終出口13と複数の中間出口14を有している。入口12はR冷気通路11の下端部に形成されたものであり、野菜室5内に配置されている。最終出口13はR冷気通路11の上端部に形成されたものであり、冷蔵室4内に配置されている。複数の中間出口14のそれぞれは入口12および最終出口13相互間に形成されたものであり、冷蔵室4内に配置されている。このR冷気通路11は冷気通路に相当し、最終出口13および中間出口14のそれぞれは出口に相当する。
【0012】
R冷気通路11の入口12には、図1に示すように、Rファン装置15が固定されている。このRファン装置15はRファンモータの回転軸にRファンを固定してなるものであり、Rドア7およびVドア8のそれぞれの閉鎖状態でRファンモータが運転された場合にはRファンが回転することで冷蔵室4内および野菜室5内のそれぞれの空気がR冷気通路11の入口12に進入し、R冷気通路11の入口12に進入した空気がR冷気通路11内を上昇する。この空気の一部は複数の中間出口14のそれぞれから冷蔵室4内に放出され、複数の中間出口14の全てを通過した空気は最終出口13から冷蔵室4内に放出される。即ち、Rファン装置15は空気を冷蔵室4内と野菜室5内とR冷気通路11内で循環させるものであり、ファン装置に相当する。
【0013】
キャビネット1内には、図1に示すように、冷凍室6の後方に位置してF冷気通路16が形成されている。このF冷気通路16は入口17および出口18を有するものであり、入口17および出口18のそれぞれは冷凍室6内に配置されている。このF冷気通路16内にはFファン装置19が固定されている。このFファン装置19はFファンモータの回転軸にFファンを固定してなるものであり、Fドア9の閉鎖状態でFファンモータが運転された場合にはFファンが回転することで冷凍室6内の空気がF冷気通路16の入口17に進入する。この空気はF冷気通路16内を上昇し、F冷気通路16の出口18から冷凍室6内に放出される。即ち、Fファン装置19は空気を冷凍室6内およびF冷気通路16内で循環させるものである。
【0014】
キャビネット1には、図1に示すように、機械室20が形成されている。この機械室20はキャビネット1の外部に通じるものであり、機械室20内には冷凍サイクルのコンプレッサ21が固定されている。このコンプレッサ21はコンプモータを駆動源とするものであり、冷媒を吐出する吐出口および冷媒を吸込む吸込口を有している。このコンプレッサ21の吐出口には冷凍サイクルのコンデンサを介してRエバポレータ22およびFエバポレータ23が接続されている。これらRエバポレータ22およびFエバポレータ23のそれぞれはコンプモータが運転されている場合にコンプレッサの吐出口からコンデンサを通して冷媒が供給されるものであり、Rエバポレータ22を通過した冷媒およびFエバポレータ23を通過した冷媒のそれぞれはコンプレッサ21の吸込口に戻る。このRエバポレータ22はエバポレータに相当する。
【0015】
Rエバポレータ22は、図1に示すように、R冷気通路11内に固定されたものである。このRエバポレータ22はRファン装置15の運転状態で空気が供給されるものであり、Rファン装置15の運転状態でコンプレッサ21からコンデンサを通して冷媒が供給されている場合には空気から熱を奪うことでR冷気通路11の最終出口13および中間出口14のそれぞれから放出される空気を冷風化する。Fエバポレータ23はF冷気通路16内に固定されたものである。このFエバポレータ23はFファン装置19の運転状態で空気が供給されるものであり、Fファン装置19の運転状態でコンプレッサ21からコンデンサを通して冷媒が供給されている場合には空気から熱を奪うことでF冷気通路16の出口18から放出される空気を冷風化する。
【0016】
R冷気通路11内には、図1に示すように、水受け皿24が固定されている。この水受け皿24は上面が開口するものであり、Rエバポレータ22の下方に配置されている。このRエバポレータ22はRファン装置15の運転状態でコンプレッサ21からRエバポレータ22に冷媒が供給されているR冷却運転中に霜が付着し、Rファン装置15の運転状態でコンプレッサ21からRエバポレータ22に冷媒が供給されていないR除霜運転中に霜が溶けて水となるものであり、水受け皿22はR除霜運転中にRエバポレータ22から落下する水を受ける。
【0017】
R冷気通路11内には、図1に示すように、ミスト発生ユニット30が固定されている。このミスト発生ユニット30は水を電気分解することで過酸化水素を含む水を生成し、過酸化水素を含む水を霧化することで徐菌能力および脱臭能力のそれぞれを有するミストを生成するものであり、次のように構成されている。
【0018】
R冷気通路11内には、図2に示すように、Rエバポレータ22の下方に位置してタンク31が固定されている。このタンク31は中空な箱状をなすものであり、貯水部材に相当する。このタンク31には注水口32が固定されている。この注水口32は両端部のそれぞれが開口する筒状をなすものであり、タンク31内には注水口32を通して水が注入される。このタンク31は水を貯留するものであり、タンク31には溢水口33が固定されている。この溢水口33は両端部のそれぞれが開口する筒状をなすものであり、タンク31の水面が溢水口33に到達した場合にはタンク31内から溢水口33を通して水が溢れる。このタンク31は水受け皿24の上方に配置されたものであり、溢水口33から溢れた水は水受け皿24内に落下することで水受け皿24内に貯留される。即ち、溢水口33はタンク31の満杯の水面の高さ(二点鎖線参照)を決めるものである。
【0019】
タンク31内には、図2に示すように、陽極34および陰極35が固定されている。これら陽極34および陰極35は隙間を介して相互に対向するものであり、タンク31の満杯の水面に比べて低所に配置されている。これら陽極34および陰極35のそれぞれには給電棒36が接続されており、両給電棒36のそれぞれは電源回路に接続されている。この電源回路は商用交流電源を高圧の直流電源に変換するものであり、陽極34は給電棒36を介して電源回路のプラス端子に接続され、陰極35は給電棒36を介して電源回路のマイナス端子に接続されている。これら陽極34および陰極35は電源回路から高電圧が印加されることでタンク31内の水を電気分解するものであり、陰極35ではタンク31内の水が電気分解されることで過酸化水素が発生する。
【0020】
タンク31内には、図2に示すように、陽極34および陰極35相互間に位置して吸上げ棒37が固定されている。この吸上げ棒37は上下方向へ指向する柱状をなすものであり、吸上げ棒37の上端部はタンク31から上方に突出し、吸上げ棒37のうち上端部を除く残余部はタンク31内に配置されている。この吸上げ棒37は繊維を編むことなく絡みあわせることで成形された多孔質なものであり、タンク31内の過酸化水素を含む水を毛細管現象で下から上へ吸い上げる。
【0021】
タンク31には、図2に示すように、カバー38が固定されている。このカバー38はタンク31との間に空間状のミスト生成室39を形成するものであり、ミスト生成室39内には水平な振動板40が固定されている。この振動板40は吸上げ棒37の上端面に接触するものであり、タンク31内の過酸化水素を含む水は吸上げ棒37の上端面から振動板40に供給される。この振動板40は圧電素子を有するものであり、電源回路から電源が供給されることで20k〜10MHzの固有の周波数で振動する。この振動板40には複数の細孔が形成されている。これら複数の細孔のそれぞれは振動板40を上下方向に貫通するものであり、振動板40が固有の周波数で振動した場合には吸上げ棒37からの水が複数の細孔のそれぞれを通して下から上へ放出されることで過酸化水素を含むミストが生成される。即ち、カバー38とミスト生成室39と振動板40は超音波霧化装置を構成するものであり、超音波霧化装置は霧化装置に相当する。
【0022】
カバー38には、図2に示すように、ミスト放出口41が形成されている。このミスト放出口41はカバー38を上下方向へ貫通するものであり、吸上げ棒37の上方に配置されている。このミスト放出口41は振動板40の上方へ放出されたミストが通過するものであり、電源回路から陽極34と陰極35と振動板40のそれぞれに電源が供給されているミスト発生ユニット30の電気的なオン状態でRファン装置15が運転されている場合にはミスト放出口41から放出されたミストがR冷気通路11内を上昇する風に乗って搬送される。このミストはR冷気通路11の最終出口13および中間出口14のそれぞれから冷蔵室4内に供給されるものであり、冷蔵室4内にミストが供給された場合には冷蔵室4内および野菜室5内のそれぞれが過酸化水素の酸化力で徐菌および脱臭される。ミスト発生ユニット30は以上のように構成されている。
【0023】
R冷気通路11内には、図1に示すように、給水ユニット50が固定されている。この給水ユニット50はミスト発生ユニット30に比べて高所に配置されたものであり、水を落下させることでミスト発生ユニット30のタンク31内に電気分解用として注入する。この給水ユニット50は次のように構成されている。
【0024】
R冷気通路11内には、図3に示すように、合成樹脂製のケース51が固定されている。このケース51は前板と後板と天板と底板と左側板と右側板を有する中空な箱状をなすものであり、通風ケースに相当する。このケース51の後板には貫通孔状の窓部52が形成されており、窓部52内には冷却部材に相当するペルチェ素子53が固定されている。このペルチェ素子53は直流電源が印加されることで熱を吸収する平坦な吸熱面54および熱を放出する平坦な放熱面55を有するものであり、ペルチェ素子53の吸熱面54は前に向けて指向し、ペルチェ素子53の放熱面55は後に向けて指向している。
【0025】
ペルチェ素子53の吸熱面54には、図3に示すように、アルミニウム製の冷却板56が固定されている。この冷却板56は前後方向から見た場合の面積が吸熱面54に比べて小さく設定されたものであり、冷却板56の後面は吸熱面54の中央部で吸熱面54に面接触している。このペルチェ素子53の放熱面55にはフィンベース57が固定されている。このフィンベース57はアルミニウムを材料に成形されたものであり、放熱面55に面接触する板状をなしている。このフィンベース57はR冷気通路11内に配置されたものであり、フィンベース57には複数の放熱フィン58が固定されている。これら複数の放熱フィン58のそれぞれはR冷気通路11内でフィンベース57から突出するものであり、左右方向に配列されている。これら複数の放熱フィン58のそれぞれは隣接する放熱フィン58に隙間を介して対向するものであり、Rファン装置15の運転状態では放熱フィン58相互間の隙間を風が通過する。これら複数の放熱フィン58のそれぞれはアルミニウムを材料に成形されたものであり、ペルチェ素子53の放熱面55はフィンベース57から複数の放熱フィン58のそれぞれを通してR冷気通路11内に熱を放出する。
【0026】
ケース51内には、図3に示すように、固形状の断熱材59が固定されている。この断熱材59はケース51の材料に比べて高い断熱性能を有する合成樹脂からなるものであり、断熱材59には空間状の蓄冷剤収納室60が形成されている。この蓄冷剤収納室60内には合成樹脂製の蓄冷剤容器61が収納されている。この蓄冷剤容器61は固形状をなすものであり、包装体に相当する。この蓄冷剤容器61の後面は冷却板56に面接触するものであり、蓄冷剤容器61の後面の面積はペルチェ素子53の吸熱面54の面積に比べて小さく設定されている。
【0027】
蓄冷剤容器61内には媒体に相当する蓄冷剤が充填されている。この蓄冷剤は約99%の水に高吸水性樹脂(ポリアクリル酸ナトリウム)と防腐剤と形状安定剤を含ませることで組成されたものであり、蓄冷剤の融点は0℃〜−3℃の温度帯に設定されている。この蓄冷剤は蓄冷剤容器61および冷却板56を介してペルチェ素子53の吸熱面54に接触するものであり、ペルチェ素子53に直流電源が印加されたペルチェ素子53の電気的なオン状態ではペルチェ素子53の吸熱面54から放熱面55とフィンベース57と放熱フィン58のそれぞれを順に通してR冷気通路11内に熱が放出されることで冷却されて固相となる。
【0028】
断熱材59には、図3に示すように、通風路62が形成されている。この通風路62は上下方向へ指向する通路からなるものであり、通風路62の上面および下面のそれぞれは開口している。この通風路62は蓄冷剤収納室60内に通じるものであり、蓄冷剤容器61は通風路62内に露出している。この蓄冷剤容器61のうち通風路62内に露出する面を結露面63と称する。
【0029】
ケース51の左側板には給気口64が固定されている。この給気口64は左右方向へ指向する筒状をなすものであり、給気口64の右面は通風路62内に蓄冷剤容器61の結露面63より低所で接続されている。ケース51の天板には排気口65が形成されている。この排気口65は貫通孔からなる、通風路62の上面に接続されている。これら排気口65および給気口64は通風路62内に風を流すためのものであり、R冷却運転中および除霜運転中のそれぞれにはR冷気通路11内を下から上へ流れる空気が給気口64から通風路62内に進入し、通風路62内に進入した空気が通風路62に沿って下から上へ流れる。この通風路62に沿って下から上へ流れる空気は蓄冷剤容器61の結露面63に接触し、排気口65からR冷気通路11内に戻される。
【0030】
ペルチェ素子53は除霜運転が開始された場合に電気的なオフ状態からオン状態に切換えられるものであり、ペルチェ素子53のオン状態ではペルチェ素子53の吸熱面54が蓄冷剤容器61内の蓄冷剤から熱を吸収することで蓄冷剤容器60内の蓄冷剤が冷却されて固相となる。このペルチェ素子53のオン状態で除霜運転が行われている場合には冷蔵室4内および野菜室5内のそれぞれの空気が蓄冷剤容器61の結露面63に接触する。この空気はR冷却運転中の空気に比べて温度が高く、冷蔵室4内および野菜室5内のそれぞれの野菜等の食品からの水分を含んでおり、蓄冷剤容器61の結露面63に接触することで水分が凝縮し、結露面63で結露する。
【0031】
ペルチェ素子53はオフ状態からオン状態に切換えられたことを基準に予め決められた一定時間が経過した場合にオン状態からオフ状態に切換えられるものであり、ペルチェ素子53がオン状態からオフ状態に切換えられてから蓄冷剤容器61内の蓄冷剤が固相から液相に相転移する前までの蓄冷期間内には蓄冷剤容器61内の蓄冷剤が冷蔵室4内および野菜室5内のそれぞれの空気を結露させることが可能に冷却された状態にある。この蓄冷剤の蓄冷期間内に除霜運転が行われている場合には冷蔵室4内および野菜室5内のそれぞれの空気が蓄冷剤容器61の結露面63に接触することで結露する。
【0032】
ケース51の底板には、図3に示すように、排水口66が固定されている。この排水口66は上下方向へ指向する筒状をなすものであり、排水口66の上面は通風路62の下面に接続されている。この排水口66の下面はミスト発生ユニット30の注水口32に接続されており、蓄冷剤容器61の結露面63で結露した水は通風路62内を落下することで排水口66内に進入する。この排水口66内に進入した水は排水口66に沿って落下することでミスト発生ユニット30の注水口32からタンク31内に注入され、タンク31内に電気分解用の水として貯留される。
【0033】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
ペルチェ素子53のオン状態では蓄冷剤容器61内の蓄冷剤からペルチェ素子53の吸熱面54および放熱面55のそれぞれを通してR冷気通路11内に熱を放出することで蓄冷剤容器61内の蓄冷剤を固相としたので、ケース51の通風路62内を通過する空気が蓄冷剤容器61の結露面63に接触した場合に結露面63で空気中の水分が凝縮するようになる。しかも、ペルチェ素子51がオン状態からオフ状態に切換えられた後から相転移する前までの蓄冷期間内には蓄冷剤容器61内の蓄冷剤が固相に維持されるので、ケース51の通風路62内を通過する空気が蓄冷剤容器61の結露面63に接触した場合に結露面63で空気中の水分が凝縮する。このため、ペルチェ素子53の時間的に短いオン状態で多量の水が蓄冷剤容器61の結露面63で生成され、結露面63からミスト生成ユニット30のタンク31内に多量の水が注入されるので、少ない消費電力量で多量のミストを冷蔵室4内に放出できる。
【0034】
ケース51内に断熱材59を設けたので、ケース51の外部から蓄冷剤容器61を通して蓄冷剤容器61内の蓄冷剤に熱が伝わることが抑えられる。このため、ペルチェ素子51がオン状態からオフ状態に切換えられた後から相転移する前までの蓄冷期間が長くなるので、蓄冷剤容器61の結露面63からミスト生成ユニット30のタンク31内に注入される水の量が増える。
【0035】
蓄冷剤容器61のうちペルチェ素子53の吸熱面54の側の後面の面積をペルチェ素子53の吸熱面54に比べて小さく設定した。このため、蓄冷剤容器61内の蓄冷剤からペルチェ素子53の吸熱面54および放熱面55のそれぞれを通して熱が効率的に吸収される。しかも、蓄冷剤容器61内の蓄冷剤が温度差で対流するので、蓄冷剤の全体が固化するようになる。
【実施例2】
【0036】
外箱71は、図4に示すように、前板と後板と左側板と右側板と天板と底板を有する中空なものであり、外箱71の前板には貫通孔状の出入口72が形成されている。この外箱71の前板には蓋73が装着されている。この蓋73は閉鎖状態および開放状態相互間で使用者が操作することが可能なものであり、出入口72は蓋73の閉鎖状態で閉鎖され、蓋73の開放状態で開放される。この外箱71内には円筒状の水受槽74が固定されている。この水受槽74は衣類を洗濯するための水を受けるものであり、水受槽74の前面は開放され、水受槽74の後面は槽底板75で閉鎖されている。この水受槽74は槽に相当する。
【0037】
水受槽74には、図4に示すように、排水管76が固定されている。この排水管76は入口および出口を有するものであり、排水管76の入口は水受槽74の最底部に接続され、排水管76の出口は外箱71の外部に接続されている。この排水管76には排水弁77が介在されている。この排水弁77はモータを駆動源とするものであり、モータの回転量に応じて閉鎖状態および開放状態相互間で切換えられる。この排水弁77は閉鎖状態となることで水受槽74内から水が排出されることを不能にするものであり、開放状態となることで水受槽74内から排水管76を通して水が排出されることを可能にする。
【0038】
外箱71内には、図4に示すように、給水弁78が固定されている。この給水弁78は入口および出口を有するものであり、給水弁78の入口は水道の蛇口に接続され、給水弁78の出口は水受槽74に接続されている。この給水弁78は電磁ソレノイドを駆動源とするものであり、電磁ソレノイドの電気的なオフ状態で閉鎖状態となることで水道の蛇口から水受槽74内に水道水が注入されることを不能にし、電磁ソレノイドの電気的なオン状態で開放状態となることで水道の蛇口から給水弁78を通して水受槽74内に水道水が注入されることを可能にする。即ち、水受槽74は排水弁77の閉鎖状態で給水弁78が開放状態となることで水道水が貯留されるものであり、水受槽74内の水道水は排水弁77が開放状態となることで排水管76から排出される。
【0039】
水受槽74の槽底板75には、図4に示すように、洗濯モータ79が固定されており、洗濯モータ79の回転軸80は水受槽74内に挿入されている。この水受槽74内には円筒状のドラム81が収納されている。このドラム81は洗濯モータ79の回転軸80に固定されたものであり、ドラム81の後面は閉鎖され、ドラム81の前面は開放されている。このドラム81には複数の貫通孔82が形成されており、水道水は水受槽74内およびドラム81内相互間で複数の貫通孔82のそれぞれを通して流通可能にされている。このドラム81は蓋73の開放状態で外箱71の出入口72と水受槽74の前面とドラム81の前面のそれぞれを通して衣類が出し入れされるものであり、ドラム81の内周面には複数のバッフル83が固定されている。
【0040】
外箱71の底板には、図4に示すように、メインダクト84が固定されている。このメインダクト84は前後方向へ指向する筒状をなすものであり、メインダクト84の後面は開口している。このメインダクト84の前端部には筒状の入口85が固定されており、メインダクト84の入口85は前ダクト86を介して水受槽74内に接続されている。このメインダクト84の後端部にはファンケーシング87が固定されている。このファンケーシング87は貫通孔状の入口88および筒状の出口89を有するものであり、ファンケーシング87の入口88はメインダクト84内に接続され、ファンケーシング87の出口89は後ダクト90を介して水受槽74内に接続されている。
【0041】
ファンケーシング87には、図4に示すように、ファンモータ91が固定されている。このファンモータ91の回転軸にはファンケーシング87内に位置してファン92が固定されており、ファンモータ91の運転状態ではファン92が回転することで水受槽74内の空気が前ダクト86とメインダクト84とファンケーシング87と後ダクト90のそれぞれを順に通って水受槽74内に戻される。即ち、前ダクト86とメインダクト84とファンケーシング87と後ダクト90は水受槽74内の空気を水受槽74の外部を通して水受槽74内に戻す空気の循環通路を構成するものであり、ファンモータ91およびファン92は循環通路に沿って空気を流すファン装置に相当する。
【0042】
外箱1の底板には、図4に示すように、冷凍サイクルのコンプレッサ93が固定されている。このコンプレッサ93はコンプモータを駆動源とするものであり、冷媒を吐出する吐出口および冷媒を吸込む吸込口を有している。このコンプレッサ93の吐出口および吸込口相互間にはコンデンサ94とエバポレータ95が接続されており、コンプモータの運転状態ではコンプレッサ93の吐出口から吐出された冷媒がコンデンサ94およびエバポレータ95のそれぞれを順に通ってコンプレッサ93の吸込口に戻る。このコンデンサ94は加熱器に相当し、エバポレータ95は冷却器に相当する。
【0043】
コンデンサ94は、図4に示すように、メインダクト84内に固定され、エバポレータ95はメインダクト84内にコンデンサ94の前方に位置して固定されたものであり、ファンモータ91およびコンプモータのそれぞれの運転状態では水受槽74内の空気がエバポレータ95に接触することで冷風化され、冷風がコンデンサ94に接触することで温風化される。即ち、ドラム81内に水分を含んだ未乾燥の衣類が投入されている場合にはエバポレータ95が高温度で高湿度の空気を低温度で高湿度の空気に変換し、コンデンサ94が低温度で高湿度の空気を高温度で低湿度の空気に変換し、水受槽74内に低湿度で高温度の空気が注入されることでドラム81内の衣類の乾燥が促進される。
【0044】
外箱1の前板には、図4に示すように、操作パネル96が固定されており、操作パネル96にはスタートスイッチが装着されている。このスタートスイッチは使用者が操作することが可能なものであり、スタートスイッチが操作された場合には標準コースが開始される。この標準コースは洗濯工程とすすぎ行程と脱水行程と乾燥工程を順に行うものである。洗濯工程は水受槽74内に水を貯留した状態でドラム81を回転操作することでドラム81内の衣類を水で洗う工程であり、水受槽74内に洗剤が投入された状態で行われる。すすぎ工程は水受槽74内に水を貯留した状態でドラム81を回転操作することでドラム81内の衣類を水ですすぐ工程であり、脱水工程はドラム81を回転操作することでドラム81内の衣類から水分を遠心力で排出する工程であり、乾燥工程はファンモータ91およびコンプモータのそれぞれを運転状態とすることでドラム81内の衣類を温風で乾かす工程である。
【0045】
外箱1内には、図4に示すように、ミスト発生ユニット30が固定されている。このミスト発生ユニット30は空気の循環経路の外部に配置されたものであり、ミスト発生ユニット30のカバー38にはミスト放出パイプ97が固定されている。このミスト放出パイプ97は上下方向へ指向するものであり、ミスト放出パイプ97の下面はミスト発生ユニット30のミスト放出口41に接続され、ミスト放出パイプ97の上面は後ダクト90内に接続されている。このミスト発生ユニット30は乾燥工程でオン状態にされることでミスト放出口41からミスト放出パイプ97を通して後ダクト90内にミストを放出するものであり、ミスト発生ユニット30から後ダクト90内に放出されたミストは衣類を乾燥するための温風に乗って水受槽74内からドラム81内の衣類に供給されることでドラム81内の衣類を除菌および脱臭する。
【0046】
後ダクト90内には、図4に示すように、給水ユニット50が固定されている。この給水ユニット50はコンデンサ94に比べて空気の流れの下流側に配置されたものであり、乾燥工程で後ダクト90内を上昇する温風は給水ユニット50の給気口64から通風路62内に進入し、通風路62内に進入した温風は通風路62に沿って上昇することで排気口65から後ダクト90内に戻る。この温風は通風路62に沿って上昇するときに蓄冷剤容器61の結露面63に接触する。
【0047】
給水ユニット50のペルチェ素子53は乾燥工程が開始された場合に電気的なオフ状態からオン状態に切換えられるものであり、ペルチェ素子53のオン状態で乾燥工程が行われている場合には蓄冷剤容器61内の蓄冷剤からペルチェ素子53の吸熱面54と放熱面55とフィンベース57と放熱フィン58のそれぞれを順に通して後ダクト90内に熱が放出されることで蓄冷剤容器61内の蓄冷剤が固相となり、後ダクト90内の温風が蓄冷剤容器61の結露面63に接触することで結露する。ペルチェ素子53はオフ状態からオン状態に切換えられたことを基準に予め決められた一定時間が経過した場合にオン状態からオフ状態に切換えられるものであり、蓄冷剤容器61内の蓄冷剤はペルチェ素子53がオン状態からオフ状態に切換えられた後から液相に相転移する前までの蓄冷期間内には固相にある。この蓄冷期間内に乾燥工程が行われている場合には温風が蓄冷剤容器61の結露面63に接触することで結露する。
【0048】
給水ユニット50の排水口66は、図4に示すように、後ダクト90を貫通してミスト発生ユニット30の注水口32に接続されており、給水ユニット50の蓄冷剤容器61の結露面63で温風が結露することで結露面63に水が付着した場合には水が給水ユニット50の排水口66からミスト発生ユニット30の注水口32を通してタンク31内に注入され、タンク31内に電気分解用の水として貯留される。
【実施例3】
【0049】
掃除機ケース101は、図5に示すように、前端部にホースが接続されたものであり、ホースにはブラシが接続されている。この掃除機ケース101は中空なものであり、掃除機ケース101内には第1仕切板102と第2仕切板103と第3仕切板104が固定されている。これら第1仕切板102〜第3仕切板104のそれぞれは前後方向に相互に間隔を置いて平行に配列されたものであり、第1仕切板102および第2仕切板103相互間には第1フィルタ105が固定され、第2仕切板103および第3仕切板104相互間には第2フィルタ106が固定されている。第1フィルタ105は粉塵を捕捉するものであり、第1仕切板102および第1フィルタ105相互間には集塵室107が形成され、第1フィルタ105および第2仕切板103相互間には第1吸気室108が形成されている。第2フィルタ106は第1フィルタ105に比べて小さな粉塵を捕捉するものであり、第2仕切板103および第2フィルタ106相互間には第2吸気室109が形成され、第2フィルタ106および第3仕切板104相互間には第3吸気室110が形成されている。これら第2フィルタ106および第1フィルタ105のそれぞれはフィルタに相当する。
【0050】
掃除機ケース101内には、図5に示すように、第3仕切板104の後方に位置して第4仕切板111が固定されている。この第4仕切板111は第1仕切板102〜第3仕切板104のそれぞれに対して平行な縦下板部112と縦下板部112の上端部から前方へ突出する横板部113と横板部113の前端部から上方へ突出する縦上板部114を有するものであり、第2フィルタ106は第4仕切板111の横板部113および掃除機ケース101相互間に介在されている。この第4仕切板111および第3仕切板104相互間には第4吸気室115が形成され、第4仕切板111および第4仕切板111の後方の掃除機ケース101相互間には機械室116が形成されている。この機械室116内には送風機117が固定されている。この送風機117はモータの回転軸にファンを固定してなるものであり、掃除機ケース101には送風機117の後方に位置して複数の貫通孔からなる排気口118が形成されている。
【0051】
第1仕切板102には、図5に示すように、第1開閉弁119が固定され、第2仕切板103には第2開閉弁120が固定され、第3仕切板104には第3開閉弁121が固定されている。これら第1開閉弁119〜第3開閉弁121のそれぞれは電磁ソレノイドを駆動源とする電磁弁からなるものであり、電磁ソレノイドの電気的なオフ状態で閉鎖状態となり、電磁ソレノイドの電気的なオン状態で開放状態となる。
【0052】
集塵室107および第2吸気室109相互間は、図5に示すように、第1通風路122を介して接続されており、第1通風路122には第4開閉弁123が介在されている。この第4開閉弁123は電磁ソレノイドを駆動源とする電磁弁からなるものであり、電磁ソレノイドの電気的なオフ状態で閉鎖状態となり、電磁ソレノイドの電気的なオン状態で開放状態となる。第1吸気室108および第4吸気室115相互間は第2通風路124を介して接続されており、第2通風路124には第5開閉弁125が介在されている。この第5開閉弁125は電磁ソレノイドを駆動源とする電磁弁からなるものであり、電磁ソレノイドの電気的なオフ状態で閉鎖状態となり、電磁ソレノイドの電気的なオン状態で開放状態となる。
【0053】
掃除機ケース101内には、図5に示すように、第3通風路126が形成されている。この第3通風路126は第4仕切板111の横板部113の上方の空間を称するものであり、第4仕切板111の縦上板部114には第3通風路126内に位置して第6開閉弁127が固定されている。この第6開閉弁127は電磁ソレノイドを駆動源とする電磁弁からなるものであり、電磁ソレノイドの電気的なオフ状態で閉鎖状態となり、電磁ソレノイドの電気的なオン状態で開放状態となる。
【0054】
掃除機ケース101のホースには操作パネルが固定されており、操作パネルにはスタートスイッチおよび停止スイッチが装着されている。これらスタートスイッチおよび停止スイッチのそれぞれは使用者が操作可能なものであり、使用者がスタートスイッチを操作した場合には掃除モードとなる。この掃除モードが開始された場合には第4開閉弁123と第5開閉弁125と第6開閉弁127のそれぞれの閉鎖状態で第1開閉弁119と第2開閉弁120と第3開閉弁121のそれぞれが電気的なオフ状態からオン状態に切換えられることで開放状態となり、送風機117のモータが運転停止状態から運転状態に切換えられる。この送風機117のモータの運転状態では送風機117のファンが回転することで室内の空気がブラシおよびホースのそれぞれを順に通って集塵室107内に進入し、集塵室107内から第1吸気室108内と第2吸気室109内と第3吸気室110内と第4吸気室115内のそれぞれを順に通って機械室116内に進入し、機械室116内から排気口118を通して室内に放出される。この空気の経路は第1の経路に相当する。
【0055】
使用者が掃除モードで停止スイッチを操作した場合には除塵モードとなる。この除塵モードが開始された場合には第1開閉弁119と第2開閉弁120と第3開閉弁121のそれぞれがオン状態からオフ状態に切換えられることで閉鎖状態となり、第4開閉弁123と第5開閉弁125と第6開閉弁127のそれぞれがオフ状態からオン状態に切換えられることで開放状態となる。この除塵モードでは送風機117のモータが掃除モードから継続的に運転状態にされており、機械室116内の空気が「第3通風路126→第2吸気室109→第1通風路122→集塵室107→第1吸気室108→第2通風路124→第4吸気室115→送風機117→機械室116」の経路で掃除機ケース101内を循環する。この空気の経路は第2の経路に相当するものであり、第1開閉弁119と第2開閉弁120と第3開閉弁121と第4開閉弁123と第5開閉弁125と第6開閉弁127は第1の経路および第2の経路のうちから経路を選択する経路選択機構に相当する。
【0056】
除塵モードでの空気の流れは送風機117が第1開閉弁119〜第3開閉弁121のそれぞれの閉鎖状態で運転状態にされていることで発生する圧力差に起因するものであり、除塵モードでは空気が機械室116内から第3通風路126内に進入することで下から上に向けて上昇する空気の流れが発生する。この除塵モードは除塵モードが開始されたことを基準に予め決められた一定時間が経過した場合に終了するものであり、除塵モードが終了した場合には第4開閉弁123と第5開閉弁125と第6開閉弁127のそれぞれがオン状態からオフ状態に切換えられることで閉鎖状態となり、送風機117のモータが運転停止状態にされる。
【0057】
掃除機ケース101の機械室116内には、図5に示すように、ミスト発生ユニット30が固定されている。このミスト発生ユニットは除塵モードが開始された場合にオン状態となり、除塵モードが終了した場合にオフ状態となるものであり、除塵モードではミスト発生ユニット30のミスト放出口41から機械室116内にミストが放出される。このミストは機械室116内の風に乗って掃除機ケース101内を循環することで第1フィルタ105および第2フィルタ106のそれぞれに付着し、第1フィルタ105および第2フィルタ106のそれぞれを除菌および脱臭する。
【0058】
掃除機ケース101の機械室116内には、図5に示すように、給水ユニット50が固定されており、除塵モード中には機械室116内を上昇する風が給水ユニット50の給気口64から通風路62内に進入する。この通風路62内に進入した風は通風路62に沿って上昇することで排気口65から機械室116内に放出されるものであり、通風路62に沿って上昇するときに蓄冷剤容器61の結露面63に接触する。
【0059】
給水ユニット50のペルチェ素子53は除塵モードが開始された場合にオフ状態からオン状態に切換えられるものであり、除塵モードでペルチェ素子53がオン状態にされている場合には蓄冷剤容器61内の蓄冷剤からペルチェ素子53の吸熱面54と放熱面55とフィンベース57と放熱フィン58のそれぞれを順に通して熱が放出されることで蓄冷剤容器61内の蓄冷剤が固相となり、機械室116内の風が蓄冷剤容器61の結露面63に接触することで結露する。
【0060】
ペルチェ素子53は除塵モードが開始されたことを基準に予め決められた一定時間が経過した場合にオン状態からオフ状態に切換えられるものである。この一定時間は除塵モードが開始されてから終了するまでの所要時間に比べて短く設定されており、蓄冷剤容器61内の蓄冷剤はペルチェ素子53がオン状態からオフ状態に切換えられた後から液相に相転移する前までの蓄冷期間内に固相となる。この蓄冷期間内に除塵モードが継続している場合には機械室116内の風が蓄冷剤容器61の結露面63に接触することで結露する。
【0061】
給水ユニット50はミスト発生ユニット30に比べて高所に配置されたものである。この給水ユニット50の排水口66はミスト発生ユニット30の注水口32に接続されており、給水ユニット50の蓄冷剤容器61の結露面63で結露した水は給水ユニット50の排水口66からミスト発生ユニット30の注水口32を通してタンク31内に注入され、タンク31内に電気分解用の水として貯留される。
【実施例4】
【0062】
給水ユニット50のペルチェ素子53の吸熱面54には、図6に示すように、上下方向の上端部に位置して冷却板56が固定されている。この冷却板56には蓄冷剤容器61が接触しており、ペルチェ素子53のオン状態で通風路62内に下から上に向けて低温となる温度勾配が生成されるので、空気の流れが円滑になる。
【0063】
上記実施例1〜4のそれぞれにおいては、超音波霧化装置に換えて静電霧化装置を用いても良い。この静電霧化装置は保水部材および放電電極を有するものである。保水部材は合成樹脂製の繊維を編むことなく絡みあわせたフェルトからなるものであり、給水ユニット50から落下する水を保水する。放電電極は合成樹脂製の繊維およびカーボン繊維を相互に撚り合せて棒状に成形したものであり、導電性を有している。この放電電極は保水部材から水を吸い上げて保水するものであり、電源回路から保水部材を通して負の高電圧が印加されることで負に帯電し、負に帯電することでミストを発生する。この静電霧化装置の場合には保水部材が水を貯留する貯水部材に相当する。
【0064】
上記実施例1〜4のそれぞれにおいては、給水ユニット50の通風路62内に風を強制的に循環させる専用のファン装置を設けても良い。
上記実施例1〜4のそれぞれにおいては、冷蔵庫と洗濯機と電気掃除機以外の家電機器に本発明を適用しても良い。
【0065】
本発明のいくつかの実施例を説明したが、これらの実施例は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施例はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施例やその変形は発明の範囲や要旨に含まれると共に特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1はキャビネット、4は冷蔵室(貯蔵室)、11はR冷気通路(冷気通路)、12は入口、13は最終出口(出口)、14は中間出口(出口)、15はRファン装置(ファン装置)、22はRエバポレータ(エバポレータ)、31はタンク(貯水部材)、51はケース(通風ケース)、53はペルチェ素子(冷却部材)、54は吸熱面、55は放熱面、59は断熱材、61は蓄冷剤容器(包装体)、62は通風路、71は外箱、74は水受槽(槽)、94はコンデンサ(加熱器)、95はエバポレータ(冷却器)、101は掃除機ケース、105は第1フィルタ(フィルタ)、106は第2フィルタ(フィルタ)、117は送風機である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が通過可能な通風路を有する通風ケースと、
前記通風ケースに設けられ、冷気を蓄えることが可能な媒体が収納されたものであって前記通風路内を空気が通過する場合に当該空気が接触する包装体と、
前記通風ケースに設けられ、前記包装体内の媒体を冷却する冷却部材を備え、
前記包装体内の媒体は、前記通風路内を通過する空気が前記包装体に接触した場合に当該空気を冷却することで当該空気中の水分を凝縮させるものであることを特徴とする家電機器。
【請求項2】
前記冷却部材は、熱を吸収する吸熱面および熱を放出する放熱面を有するペルチェ素子からなることを特徴とする請求項1に記載の家電機器。
【請求項3】
前記包袋体は、前記ペルチェ素子の吸熱面の側に位置する面であって前記ペルチェ素子の吸熱面に比べて面積が小さな面を有していることを特徴とする請求項1・2のいずれかに記載の家電機器。
【請求項4】
前記包装体内には、前記媒体として相転移するための潜熱を利用して温度を維持する蓄冷剤が収納されていることを特徴とする請求項1・2のいずれかに記載の家電機器。
【請求項5】
前記通風ケースには、前記通風ケースの外部から前記包袋体に熱が伝わることを抑える断熱材が設けられていることを特徴とする請求項1・2・3・4のいずれかに記載の家電機器。
【請求項6】
前記包装体で凝縮した水を貯留する貯水部材を備えたことを特徴とする請求項1・2・3・4・5のいずれかに記載の家電機器。
【請求項7】
空気が通過可能な通風路を有する通風ケースと、
前記通風ケースに設けられ、蓄冷剤が収納されたものであって前記通風路内を空気が通過する場合に当該空気が接触する包装体と、
前記通風ケースに設けられ、熱を吸収する吸熱面および熱を放出する放熱面を有するものであって電気的なオン状態およびオフ状態相互間で切換えられるペルチェ素子を備え、
前記包装体内の蓄冷剤は、
前記ペルチェ素子のオン状態では前記ペルチェ素子の吸熱面から放熱面を通して熱が放出されることで前記通風路内を通過する空気が前記包装体に接触した場合に当該空気中の水分を凝縮させることが可能な温度の相となり、
前記ペルチェ素子がオン状態からオフ状態に切換えられた後から相転移する前までの蓄冷期間内には前記通風路内を通過する空気が接触した場合に当該空気中の水分を凝縮させることが可能なものであることを特徴とする家電機器。
【請求項8】
集塵用のフィルタが収納された掃除機ケースと、
前記掃除機ケース内に設けられた送風機と、
前記送風機が運転されている場合に空気を次の1)第1の経路および2)第2の経路を含む複数のいずれの経路で流すかを選択する経路選択機構と、
1)前記掃除機ケース外の空気を前記掃除機ケース内を通して前記掃除機ケース外に排出する第1の経路
2)前記掃除機ケース内の空気を前記掃除機ケース内で循環させる第2の経路
前記掃除機ケースに設けられ、空気が前記第2の経路で流れている場合に当該空気が通過可能な通風路を有する通風ケースと、
前記通風ケースに設けられ、冷気を蓄えることが可能な媒体が収納されたものであって前記通風路内を空気が通過する場合に当該空気が接触する包装体と、
前記通風ケースに設けられ、前記包装体内の媒体を冷却する冷却部材と、
前記掃除機ケースに設けられ、水を貯留する貯水部材と、
前記掃除機ケースに設けられ、前記貯水部材から水が供給されるものであって当該水を霧化することで空気が前記第2の経路で流れている場合の空気の流れにミストを放出する霧化装置を備え、
前記包装体内の媒体は、前記通風路内を通過する空気が前記包装体に接触した場合に当該空気を冷却することで当該空気中の水分を凝縮させるものであり、
前記貯水部材は、前記包装体で凝縮した水を貯留するものであることを特徴とする電気掃除機。
【請求項9】
衣類が投入される槽と、
前記槽が収納された外箱と、
前記外箱内に前記槽の外部に位置して設けられ、入口および出口を有するものであって当該入口および当該出口のそれぞれが前記槽に接続された循環通路と、
前記循環通路内に設けられ、前記槽内の空気を前記循環通路の入口から前記循環通路内に吸引すると共に前記循環通路内に吸引した空気を前記循環通路の出口を通して前記槽内に放出するファン装置と、
前記循環通路内に設けられ、前記循環通路内を流れる空気を冷却する冷却器と、
前記循環通路内に設けられ、前記冷却器が冷却した空気を加熱することで前記槽内の衣類を乾かすための温風を生成する加熱器と、
前記循環通路内に設けられ、前記加熱器に比べて空気の流れの下流側に配置されたものであって前記循環通路内を流れる空気が通過可能な通風路を有する通風ケースと、
前記通風ケースに設けられ、冷気を蓄えることが可能な媒体が収納されたものであって前記通風路内を空気が通過する場合に当該空気が接触する包装体と、
前記通風ケースに設けられ、前記包装体内の媒体を冷却する冷却部材と、
前記外箱内に設けられ、水を貯留する貯水部材と、
前記外箱内に設けられ、前記貯水部材から水が供給されるものであって当該水を霧化することで前記循環通路内にミストを放出する霧化装置を備え、
前記包装体内の媒体は、前記通風路内を通過する空気が前記包装体に接触した場合に当該空気を冷却することで当該空気中の水分を凝縮させるものであり、
前記貯水部材は、前記包装体で凝縮した水を貯留するものであることを特徴とするランドリー機器。
【請求項10】
食品を貯蔵するための貯蔵室を有するキャビネットと、
前記キャビネット内に前記貯蔵室の外部に位置して設けられ、入口および出口を有するものであって当該入口および当該出口のそれぞれが前記貯蔵室に接続された冷気通路と、
前記冷気通路内に設けられ、前記貯蔵室内の空気を前記冷気通路の入口から前記冷気通路内に吸引すると共に前記冷気通路内に吸引した空気を前記冷気通路の出口から前記貯蔵室内に放出するファン装置と、
前記冷気通路内に設けられ、前記冷気通路内を流れる空気を冷却する冷凍サイクルのエバポレータと、
前記冷気通路内に設けられ、前記冷気通路内を流れる空気が通過可能な通風路を有する通風ケースと、
前記通風ケースに設けられ、冷気を蓄えることが可能な媒体が収納されたものであって前記通風路内を空気が通過する場合に当該空気が接触する包装体と、
前記通風ケースに設けられ、前記包装体内の媒体を冷却する冷却部材と、
前記キャビネット内に設けられ、水を貯留する貯水部材と、
前記キャビネット内に設けられ、前記貯水部材から水が供給されるものであって当該水を霧化することで前記冷気通路内にミストを放出する霧化装置を備え、
前記包装体内の媒体は、前記通風路内を通過する空気が前記包装体に接触した場合に当該空気を冷却することで当該空気中の水分を凝縮させるものであり、
前記貯水部材は、前記包装体で凝縮した水を貯留するものであることを特徴とする冷蔵庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−202615(P2012−202615A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67742(P2011−67742)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】