説明

少なくとも1つの機械を制御する装置

本発明は、駆動装置と、安全周辺コンポーネントと、機械の制御部と、安全制御部とを備える、産業用ロボットなどの少なくとも1つの機械を制御する装置および方法に関する。このとき安全制御部は、それぞれの機械制御部よりも上位のアクセス権を機械駆動装置と安全周辺装置の両方に有している。それにより、できる限り簡単にコンフィギュレーションされるべき、動作制御ループへの安全制御ループの組み込みが実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の接続装置を介して駆動工学部材と接続された機械制御部と、第1の安全接続装置を介して安全制御部と接続された安全周辺コンポーネントとを備える、駆動工学部材を通じて作動する産業用ロボットのような少なくとも1つの機械を制御する装置に関する。さらに本発明は、ロボット制御部と、安全制御部と、安全周辺コンポーネントとを備える、駆動工学部材を通じて作動する産業用ロボットのような少なくとも1つの機械を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
安全工学に関わる装置は、工学設備の稼動時に発生する危険を最低限度まで抑える機能を有している。このような最低限度の標準化は、たとえば欧州規格EN954−1によって与えられており、そこでは動作安全性が高まるにつれて安全工学コンポーネントが1から4までの安全性カテゴリーに分類されている。本発明は、特に、少なくとも安全性カテゴリー3を満たす、すなわち少なくとも単一故障安全性を保証する、安全性コンポーネントないし安全性機能を対象とするものである。
【0003】
このような安全コンポーネントの一例は、2つのコンポーネントの間の安全接続を成立させる安全バスである。「安全」という表現は、駆動機能との関連においては、故障発生時に規格EN954−1に基づくリスク分析に対応するカテゴリーの要求事項を満たしている方法を意味している。このような「安全」の定義は、自動化ソリューションに該当するあらゆるコンポーネントに適用可能であり、すなわち「工学部材」、「制御部」、「接続部」、「出入力部」にも適用可能である。
【0004】
工学設備の稼動中における安全な進行を保証するために、動作制御部の安全性工学上の監視、および場合により動作進行への安全性工学上の介入が必要となる。このとき、動作制御ループとは切り離された安全制御ループが用いられるのが通常であり、安全性関連の部位でこれら両方の制御ループが組み合わされている。一例として、安全制御ループに緊急停止スイッチが組み込まれていてよく、これが操作されると、通常は電力供給部の開閉器の切換によって、工学設備の駆動装置の安全な停止が強制される。
【0005】
工学設備が、互いに独立して反応する複数の機械、たとえばロボットを含んでいる場合、1つの機械で安全工学上の問題が生じたときに、設備全体を安全停止させるのは望ましくない。他方、複数の機械が複合体として反応する場合、1つの機械の故障は、たとえば隣接する他の機械にとっても安全性のリスクを引き起す可能性がある。
【0006】
このような問題を取り除くために、設備全体の上位に位置し、安全工学上の事象が起こると論理演算またはアルゴリズムを通じて、安全性を脅かされている機械に安全機能を割り当ててこれを安全動作モードへ移行させる動作制御ループおよび安全制御ループが知られており、それに対して、他の脅かされていない機械は通常動作のまま保たれる。このような設備全体の上位に位置するシステムは、それぞれの設備の安全の必要性に厳密に照準を合わせており、このことは比較的複雑な、ただし個別コンポーネントに合わせて不変に適合化された回路ロジックをもたらす。設備がわずかに変更されただけで、たとえば個々の機械の配置が変えられただけで、既存の安全性システムだけでは十分でなくなる場合さえある。こうした理由から、特に1つの複合体として働く産業用ロボットにおいては、いっそうフレキシブルで容易にコンフィギュレーション可能な安全性システムが望ましい。なぜならその場合、個別ロボットの機能が短い期間のあいだに変わる可能性があり、ないしは追加のロボットが使われ始める可能性があるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし複数のロボットが複合体として協働する場合、システム全体の機能面の安全性は与えられないのが通常である。なぜなら、たとえば1つのロボットの機能不良のせいで、複合体の残りのロボットについても新たな不具合の発生原因が生じる可能性があるからである。こうした新たな不具合の発生原因は、個別ロボットの安全性要求では想定されておらず、特に、このようなロボットのシステムにはたとえば個々のロボットの個数、機能、設置場所などについて自由度が高いために、予見可能でもない。
【0008】
実際の現場で知られている従来技術の安全制御部では、ロボットにはロボット制御部と安全周辺コンポーネントと駆動工学部材とが付属している。ロボット制御部と駆動工学部材の間には接続部があり、この接続部を介して駆動データが交換される。安全周辺コンポーネントと駆動工学部材の間には、必然的に、安全工学で構成された所定の接続装置が設けられている。安全周辺コンポーネントは、安全な出入力部を介して、これから切り離されて配置された外部の安全制御部と接続されている。安全周辺コンポーネントと駆動工学部材の間の不変に設定された安全接続に基づき、安全性関連の特性は確固として定まっており、容易に変更したり、個別的なコンフィギュレーションに合わせて適合化することはできない。安全制御部は、安全周辺コンポーネントを介して迂回しなければ、駆動工学部材へ働きかけることができない。
【0009】
本発明の課題は、前述した欠点を回避しながら、特に変化する安全性要求に合わせたフレキシブルで容易にコンフィギュレーション可能な適合化を可能にする、特に産業用ロボットなどの1つの機械または複数の機械の複合体の安全制御をする装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるとこの課題は、冒頭に述べた種類の装置において、安全周辺コンポーネントが安全制御部を介して駆動工学部材と接続されていることによって解決される。上の課題を解決するために、冒頭に述べた方法において、安全性関連の事象が安全周辺コンポーネントを通じて検出され、安全周辺コンポーネントで検出された事象が信号として安全制御部へ伝送され、安全制御部はこの信号を評価するとともに、評価に依存して安全性関連の制御信号を駆動工学部材へ直接転送することが意図される。
【0011】
それに応じて1つの好ましい方法の実施形態は、安全制御部が安全性関連の制御信号を安全周辺コンポーネントを迂回したうえで駆動工学部材へ直接転送することを意図しており、このことは、安全出入力インターフェースを介して行われるのが好ましい。
【0012】
本発明により、(内部の)安全周辺コンポーネントと駆動工学部材との間の従来の固定的な接続が、追加の安全制御部を介しての自由に定義可能な接続に変えられるので、安全周辺コンポーネントと駆動工学部材の間で交換される安全性関連の情報やデータを安全制御部を介して進行させ、これによって評価し、介入することができる。
【0013】
接続装置は、特に安全接続装置として、通常はバスシステムによって具体化されるが、あるいは原則としてこれ以外のやり方で構成されていてもよく、特に、その他の配線による非安全接続装置として構成されたり、あるいは無線式に構成されていてもよい。
【0014】
このように、それぞれ個別に構成された機械制御部に加えて安全制御部も、それぞれの機械駆動装置だけでなく個々の機械の安全周辺コンポーネントへのアクセス権を有しており、それに伴って、安全周辺コンポーネントで具体化される安全性機能へのアクセス権を
有している。それにより本発明では個々の機械の本質安全性と、上位に位置するシステム安全性との間の機能的な分離が実現される。標準化されている安全性機能は、許可スイッチの外部操作が行われる、または行われない、安全な停止、安全な減速、低い速度での安全な運動、および/または絶対位置の安全な占拠を含むことができる。これに加えて、上に挙げた安全性機能またはそれ以外の安全性機能のいくつかを安全制御部それ自体で論理的に定義し、それぞれの機械駆動装置へのアクセスを通じて直接実行可能であってよい。このような安全性機能は、本発明によると、個々の機械の本質安全性を高めるためばかりでなく、システム安全性を高めるのにも貢献することができる。
【0015】
安全制御部は、それぞれの機械の制御部に対して、それぞれの安全性コンポーネントや駆動装置に対する上位のアクセス権を有している。そのようにしてのみ、システム全体の安全な動作を実現することができる。このとき安全制御部は、必要に応じて、安全制御部と接続された1つ、複数、または全部の機械の安全性機能へアクセスすることができる。このような安全性階層の導入は、本発明によると、それぞれの危険の発生源に近い場所で安全性機能が組み込まれることにつながり、それにより、システム変更に合わせた大幅に簡素な安全制御部の適合化が可能となる。
【0016】
安全制御部によるそれぞれの安全周辺コンポーネントおよび駆動装置の制御は、安全接続を介して行われる。そのために安全制御部の接続部は、それぞれの機械の安全周辺コンポーネントおよび駆動装置と固定的に配線されていてよく、安全性を保証するために、これらの配線は少なくとも多チャンネルで構成されていなくてはならない。このような接続部も、安全制御部自体と安全接続されていなくてはならず、このことは、たとえば安全フィールドバスを通じて具体化することができる。
【0017】
安全制御部とそれぞれの安全周辺コンポーネントないし駆動装置との間の接続が安全バスシステムを介して行われていれば、簡単なやり方で安全性標準が達成され、ケーブル配線コストが最低限に抑えられる。安全バスを通じての安全周辺コンポーネントないし駆動装置の作動は、安全インターフェースを介して行わなくてはならない。
【0018】
本発明による装置の1つの好ましい実施形態では、安全周辺コンポーネントは安全制御部を介してロボット制御部と接続されていることが意図される。
【0019】
好ましい発展例では、安全周辺コンポーネントは安全制御部だけを介して駆動工学部材とロボット制御部の両方と接続されていることが意図される。さらに、駆動工学部材と安全制御部の間の接続は第2の安全接続装置を介して行われ、特に、第1の安全接続装置と第2の安全接続装置は固定的で冗長的な配線として施工されており、および/または第1の安全接続装置と第2の安全接続装置は安全インターフェースを介して通じていることが意図されていてよい。
【0020】
ロボット制御部は別の通信経路を介して安全制御部と接続されているのが好ましい。これを介して、コンフィギュレーションないしエラー診断をするために必要なデータの交換を行うことができる。それが安全性関連のデータである場合、第2の通信経路は、安全フィールドバスのような安全接続部としても製作されているのがよい。安全制御部はロボット制御部の制御キャビネットに空間的に統合されていてよく、あるいは別案として、自立したコンポーネントとして制御キャビネットの外部に配置されていてもよい。
【0021】
上述した安全バス接続は、たとえば緊急停止スイッチ、許可スイッチ、光学式通過センサといった別の安全性関連コンポーネントと安全制御部との接続を成立させるために、本発明に基づいて拡張可能である。この場合にも本発明の利点が生かされる。すなわち、たとえばただ1つの機械を備える任意の工学設備に任意の安全対策を施すことができ、設備
安全性ロジックの適合化を、機械制御部やそれによって制御される安全周辺装置から切り離して行うことができる。すなわち安全性関連の操作装置は、本発明によれば、個々の機械の本来の安全周辺装置から接続解除することが可能である。
【0022】
さらに、安全制御部は別の安全接続装置を介して上位に位置するセル安全制御部と接続されていることが意図されていてよい。好ましい発展例では、安全制御部は自由にプログラミング可能なように製作されており、特に、安全制御部はそれぞれの安全性機能を制御するために機械の配置、機能、個数に応じてコンフィギュレーション可能な非物理的な機能構成要素を有していることが意図される。
【0023】
このようなSPS(メモリプログラマブルコントロール)は、その内部に設けられているアプリケーションプログラムによって、新たな安全コンポーネントや新たな安全性要求事項に合わせた既存の安全システムの適合化を、できる限り簡単かつ低コストに行うという利点を提供する。このとき本発明によれば、それぞれの機械の新たな安全性機能も、既存の安全周辺コンポーネントに設けられていない新たなプログラムモジュールによって具体化することができ、そのようにして動作安全性を高めることができる。ただしこのようなプログラムモジュールは、安全上の理由により、利用者にはアクセスが可能ではない、アプリケーションプログラムからは切り離された動作プログラムに格納されているのがよい。
【0024】
本発明による方法の1つの発展例は、特にロボットのように複数の機械が使用される場合、上位に位置するセル安全制御部が追加の安全性関連の信号を複数の機械の安全制御部へ送信し、特に、安全制御部の安全性関連の信号はそれぞれの機械のロボット制御部、安全周辺コンポーネント、および/または駆動工学部材により、安全な状態を導入するために他の制御部よりも、特に上位に位置するセル安全制御部よりも、優先して処理されることを意図している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、図面を参照しながら、好ましい実施形態を使って本発明について詳しく説明する。
【0026】
図1は、安全制御部S1と、安全周辺コンポーネントA2、駆動装置A3、および任意選択でロボットのロボット制御部A1との間に安全配線を備えている、本発明による装置の第1の態様のブロック図を示している。本発明によると、好ましくは自由にコンフィギュレーション可能な安全制御部S1は、ロボットの制御キャビネットE0に組み込まれているか、または自立的にこれと接続可能である。安全制御部S1は、固定的に配線された第1の安全接続装置V3を介して、安全周辺コンポーネントA2と接続されている。さらに安全制御部S1は、固定的に配線された第2の安全接続装置V5を介して、駆動工学部材A3と接続されている。安全周辺コンポーネントA2と駆動工学部材A3の間には、直接の安全接続は存在しておらず、そのような接続を好ましくは全面的に省略することさえできる。補足として、安全制御部S1は安全接続装置V4を介して、または非安全接続装置V2を介して、ロボット制御部A1と接続されていてよい。さらに、ロボットを作動させるために、ロボット制御部A1と駆動工学部材A3の間に接続装置V1が必要である。ただし、この接続V1は非安全工学で施工されていてよい。安全接続装置V3を介しての安全周辺コンポーネントA2と安全制御部S1との図示している直接の接続は、ロボット制御部A1と安全周辺コンポーネントA2の間の追加の安全接続装置で置き換えられていてもよいであろう。その場合、安全接続装置V4を介しての安全制御部S1とロボット制御部A1の間の接続が必要である。それにより、ロボット制御部A1を介しての安全制御部S1と安全周辺コンポーネントA2の間の間接的な接続が成立し、安全接続装置V5を省略することができる。
【0027】
図2は、安全制御部S1と、安全周辺コンポーネントA2、駆動工学部材A3、および任意選択でロボット制御部A1との間に安全バスシステムの形態の接続装置V2、V3、V5による接続装置を備えている、本発明による装置の第2の態様のブロック図を示している。安全制御部S1は、安全接続装置V6を介して、安全出入力インターフェースS2と接続されている。さらに安全出入力インターフェースS2は、安全周辺コンポーネントA2および駆動工学部材A3を安全制御部S1とつないでいる。安全周辺コンポーネントA2は、第1の安全接続装置V3を介して、安全出入力インターフェースS2に接続されている。駆動工学部材A3は、第2の安全接続装置V5を介して、安全出入力インターフェースS2に接続されている。この態様においても、安全周辺コンポーネントA2と駆動工学部材A3の間に直接の安全接続は成立しておらず、そのような接続を好ましくは全面的に省略することさえできる。補足として、やはり安全制御部S1は安全接続装置V4を介して、または非安全接続装置V2を介して、ロボット制御部A1と接続されていてよい。さらに、ロボットを作動させるために、ロボット制御部A1と駆動工学部材A3の間に接続装置V1が必要である。ただし、この接続装置V1は非安全工学で施工されていてよい。安全接続装置V3からV6による安全な出入力インターフェースS2を介しての安全周辺コンポーネントA2と安全制御部S1との図示している直接の接続は、ロボット制御部A1と安全周辺コンポーネントA2の間の追加の安全接続装置で置き換えられていてもよいであろう。その場合、安全接続装置V4を介しての安全制御部S1とロボット制御部A1の間の接続が必要である。それにより、ロボット制御部A1を介しての安全制御部S1と安全周辺コンポーネントA2の間の間接的な接続が成立し、安全接続装置V3およびV6を省略することができる。
【0028】
図3は、上位に位置するセル安全制御部を備える、本発明による複数の装置のブロック図を示している。図示した例では、3つのロボットが1つの共通のセル安全制御部S6につながれている。ロボット制御ユニットE01からE03は、図3では、図1に示す態様を例にとって図示されている。しかしながらこれに準拠する仕方で、ロボット制御ユニットE01からE03は図2に示す第2の態様に基づいて構成されていてもよい。当然ながら、図1に示す態様のロボット制御ユニットが、図2に示す態様のロボット制御ユニットと任意に組み合わされていてもよい。各々のロボット制御ユニットE01からE03は、独自の安全接続装置V7を介して、上位に位置するセル安全制御部S6と通信する。
【0029】
本発明によるすべての態様、および実施例として図示していない態様において、本発明による安全制御部S1は、上位のシステム安全性を創出するために安全性コンポーネントを有しており、このような安全性コンポーネントは、システムのそのつどの安全性要求に合わせた簡単で低コストな適合化を可能にするために、好ましい実施形態では自由にコンフィギュレーション可能である。このような安全性コンポーネントは、たとえば自由にプログラミング可能なモジュールのような、非物理的な機能インターフェースを有することができる。
【0030】
接続装置V3によって具体化される、本発明に基づいて設けられるロボットの安全周辺コンポーネントA2との安全通信経路によって、安全制御部S1はそれぞれの安全性機能にアクセスすることができる。さらに、接続装置によって構成されるロボットの駆動ユニットA3との安全通信経路を通じて、他の安全性機能が安全制御部S1の安全周辺コンポーネントA2に格納されていてよい。このような安全性機能はプログラミング可能なプログラムモジュールとして存在することができ、利用者は安全上の理由からこれにアクセスできないのが望ましい。
【0031】
安全制御部S1の安全バス接続装置V3およびV5は、別の安全性コンポーネントS3の入力部ないし出力部のための安全な通信経路をつくるために、任意に拡張可能である。
これは安全性機能を発動させるためのスイッチやセンサ、たとえば緊急停止スイッチ、許可スイッチ、光学式通過センサ、防護扉などであってよい。
【0032】
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、ロボットのロボット制御部A1と安全制御部S1との間に別の通信経路V2が設けられている。このようにして、これら両方のコンポーネントの間での動作データの交換が可能となる。それが安全性関連のデータである場合、これは安全接続装置V4であるのがよく、たとえば安全バスであるのがよい。
【0033】
図1と図2に示す本発明の実施形態は、図3に示すように本発明の好ましい別の実施形態における任意数のロボットの代表として、ただ1つのロボットを制御する役目を果たすものである。当然ながら本発明の利点は、特に複合体として働くロボットの数が多いときに顕在化し、ないしは、ロボットの複合体を拡張もしくは別様に配置しようとするために、システムに対する安全性要求が変化するときに顕在化する。複数のロボットを備える1つの好ましい実施形態では、それぞれのロボットの個々のコンポーネントと付属の安全制御部S1との接続は、図1または図2に示すのと同じやり方で行われる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】安全制御部と、安全周辺コンポーネント、駆動装置、および任意選択でロボットのロボット制御部との間に安全配線を備える、本発明による装置の第1の態様を示すブロック図である。
【図2】安全制御部と、安全周辺コンポーネント、駆動装置、および任意選択でロボット制御部との間に安全バスシステムによる接続を備える、本発明による装置の第2の態様を示すブロック図である。
【図3】上位に位置するセル安全制御部を備える、本発明による複数の装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0035】
A1 ロボット制御部
A2 安全周辺コンポーネント
A3 駆動工学部材
E01−E03 ロボット制御ユニット
S1 安全制御部
S2 出入力インターフェース
S3 安全性コンポーネント
V1−V7 接続装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続装置(V1)を介して駆動工学部材(A3)と接続されたロボット制御部(A1)と、第1の安全接続装置(V3;V6)を介して安全制御部(S1)と接続された安全周辺コンポーネント(A2)とを備える、駆動工学部材(A3)を通じて作動する産業用ロボットのような少なくとも1つの機械(1)を制御する装置において、前記安全周辺コンポーネント(A2)は前記安全制御部(S1)を介して前記駆動工学部材(A3)と接続されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記安全周辺コンポーネント(A2)は前記安全制御部(S1)を介して前記機械制御部(A1)と接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記安全周辺コンポーネント(A2)は前記安全制御部(S1)だけを介して前記駆動工学部材(A3)および前記機械制御部(A1)の両方と接続されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記駆動工学部材(A3)と前記安全制御部(S1)の間の接続は第2の安全接続装置(V5)を介して行われることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の安全接続装置(V3;V6)と前記第2の安全接続装置(V5)は固定的かつ冗長的な配線として施工されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の安全接続装置(V3,V4)と前記第2の安全接続装置(V5,V6)は安全インターフェース(S2,S4)を介して通じていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記機械制御部(A1)は別の通信経路(V2,V4)を介して前記安全制御部(S1)と接続されていることを特徴とする、前記請求項のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記別の通信経路(V4)は安全接続部として施工されていることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の接続部(V1)は前記安全接続部のうち少なくとも1つ(V5)または前記別の通信経路(V4,V2)またはV5−V6−V4を介して通じていることを特徴とする、前記請求項のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記安全制御部(S1)は別の安全接続装置(V7)を介して上位に位置するセル安全制御部(S3)と接続されていることを特徴とする、前記請求項のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記安全制御部(S1)は自由にプログラミング可能なように製作されていることを特徴とする、前記請求項のうちいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記安全制御部(S1)は、前記機械(1)の配置、機能、個数に依存して利用でき、そのつどの安全性機能を制御するために呼出し可能である、プレコンフィギュレーション可能で非物理的な機能構成要素を有していることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
それぞれ機械制御部(A1)と、安全制御部(S1)と、安全周辺コンポーネント(A
2)とを備える、駆動工学部材(A3)を通じて作動する産業用ロボットのような少なくとも1つの機械(1)を制御する方法において、
安全性関連の事象が前記安全周辺コンポーネント(A2)を通じて検出され、
前記安全周辺コンポーネント(A2)で検出された事象が信号として前記安全制御部(S1)へ伝送され、
前記安全制御部(S1)は当該信号を評価するとともに、評価に依存して安全性関連の制御信号を前記駆動工学部材(A3)へ直接転送することを特徴とする方法。
【請求項14】
前記安全制御部(S1)は安全性関連の前記制御信号を前記安全周辺コンポーネント(A2)を迂回したうえで前記駆動工学部材(A3)へ直接転送することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記安全制御部(S1)は安全性関連の前記制御信号を安全な出入力インターフェース(S2)を介して、特に前記安全周辺コンポーネント(A2)を迂回したうえで前記駆動工学部材(A3)へ転送することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
上位に位置するセル安全制御部(S3)が追加の安全性関連の信号を複数の前記機械(1)の前記安全制御部(S1)へ送信することを特徴とする、請求項13から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記安全制御部(S1)の安全性関連の前記信号はそれぞれの前記機械(1)の前記機械制御部(A1)、前記安全周辺コンポーネント(A2)、および/または前記駆動工学部材(A3)により安全状態を導入するために他の制御部よりも、特に上位に位置する前記セル安全制御部(S3)よりも、優先して処理されることを特徴とする、請求項13から16までのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−522116(P2009−522116A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547883(P2008−547883)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/012345
【国際公開番号】WO2007/076939
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(598057361)クーカ・ロボター・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (16)
【氏名又は名称原語表記】KUKA ROBOTER GMBH
【Fターム(参考)】