説明

差圧弁及び空気バネ式懸架装置

【課題】差圧弁が開く時の差圧のばらつきを小さくする。
【解決手段】差圧弁1、2は、弁体6と、流体が通過できる円状断面のポート5bを有するバルブシート5と、バルブシート5に押し付ける方向に弁体6を付勢するスプリング4と、スプリング4と弁体6との間に介挿されるスプリング受け部20と、を備える。スプリング受け部20が、弁体6の軸に沿って、弁体6に向かって突出して当接する突出部分20a、又は、弁体6が、弁体6の軸に沿って前記スプリング受け部20に向かって突出して当接する突出部分を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差圧弁及びその差圧弁を備える空気バネ式懸架装置に関する。特に空気バネ式懸架装置は、車両において用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、鉄道車両の空気バネ式懸架装置に設けられる従来の差圧弁を例示する。空気バネ式懸架装置は、鉄道車両の車軸を懸架する左右の第一空気バネと第二空気バネを有する。差圧弁は、第一と第二空気バネの圧力差(即ち差圧)に応じて両者を連通し、第一空気バネと第二空気バネのうち正常な空気バネの空気を空気漏れした空気バネへと導き、車体が大きく傾かないようにする。
【0003】
この従来の差圧弁は、第一と第二空気バネの差圧が、差圧弁のスプリングの荷重によって決まる所定値よりも小さい場合、弁体がバルブシート(又は弁座)に着座して閉じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−120723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の差圧弁において、スプリングの軸が弁体の軸から外れる場合やスプリングが当接する面が弁体の軸に垂直な方向からずれる場合など寸法公差が生じる場合において、弁体がバルブシートに与える荷重が場所に依存して不均一になることがある。即ち、弁体からバルブシートに掛かる荷重が軸対称でなくなることがある。このような場合、差圧弁が開く時の差圧がばらつくという問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みて、差圧弁が開く時の差圧のばらつきを小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様に係る差圧弁は、弁体と、流体が通過できる円状断面のポートを有するバルブシートと、前記バルブシートに押し付ける方向に前記弁体を付勢するスプリングと、前記スプリングと前記弁体との間に介挿されるスプリング受け部と、を備える。前記弁体に加わる前記バルブシート側の流体圧とこれと反対側の流体圧との差圧が所定値より大きい場合に、前記弁体が前記バルブシートから離れる。前記弁体と前記スプリング受け部のうち一方が、前記弁体の軸に沿って他方に向かって突出して当接する突出部分を有する。
【0008】
さらに、前記弁体と前記スプリング受け部のうち前記他方が、前記突出部分を収容する凹部を備えてもよい。
【0009】
また、本発明の別の態様に係る差圧弁は、弁体と、流体が通過できる円状断面のポートを有するバルブシートと、前記バルブシートに押し付ける方向に前記弁体を付勢するスプリングと、前記スプリングと前記弁体との間に配置されるボールと、を備える。前記弁体に加わるバルブシート側の流体圧とこれと反対側の流体圧との差圧が所定値より大きい場合に、前記弁体が前記バルブシートから離れる。前記弁体は、前記弁体の軸上に位置する凹部を有する。前記ボールは前記弁体の前記凹部に配置され、前記スプリングは前記ボールを介して前記弁体を付勢する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、スプリングの付勢力によってスプリング受け部から弁体に掛かる荷重ひいては弁体からバルブシートに掛かる荷重が、軸対称になり、又、軸周りの円周方向において均一になる。このため、差圧弁が開く時の差圧のばらつきが減少する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る空気バネ式の懸架装置を示す概略図である。
【図2】実施形態に係る差圧弁ユニットの一部断面図である。
【図3】弁体とスプリング受け部の構成の第一例を示す断面図である。
【図4】弁体とスプリング受け部の構成の第二例を示す断面図である。
【図5】弁体とスプリング受け部の構成の第三例を示す断面図である。
【図6】弁体とスプリング受け部の構成の第四例を示す断面図である。
【図7】弁体とスプリング受け部の構成の第五例を示す断面図である。
【図8】弁体とスプリング受け部の構成の第六例を示す断面図である。
【図9】弁体とスプリング受け部の構成の第七例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1のように、本実施形態において、差圧弁ユニット10は4点支持方式の空気バネ式の懸架装置に設けられている。空気バネ式懸架装置は、車両の車軸を懸架する左右の第一と第二空気バネ11、12と、第一と第二空気バネ11、12の圧力差(差圧)に応じて両者を連通する差圧弁ユニット10とを備える。車両は、例えば鉄道車両であるが、これに限定されない。高さ調整弁13は、第一と第二空気バネ11、12に導かれる空気圧を調整し、車両の車高を調整する。
【0013】
差圧弁ユニット10は、第一と第二空気バネ11、12の一方が空気漏れした場合、第一、第二空気バネ11、12のうち正常な空気バネの空気を空気漏れした空気バネへと導き、車体が大きく傾かないようにする。
【0014】
図2は、本実施形態に係る差圧弁ユニット10の一部断面図である。差圧弁ユニット10は一対の差圧弁1、2を備える。差圧弁1と差圧弁2は同じ構造を有している。差圧弁1(又は差圧弁2)は、連通路3と、スプリング4と、バルブシート5と、弁体6とを備える。
【0015】
連通路3は、差圧弁1(又は差圧弁2)が開いた場合に左右に配置された第一と第二空気バネ11、12を連通できる。スプリング4は、スプリング受け部20を介して、略円筒形状の弁体6を付勢してバルブシート5に押し付ける。バルブシート5は、略円筒形状であり、円環状の凸部5aを弁体6側の端部に備え、また、空気(流体)を流通できるポート5bを内部に備える。ポート5bは、軸方向に垂直な円状の断面を有する空気通路である。
【0016】
中空のキャップ(蓋)41は、差圧弁1(又は差圧弁2)の中空の円筒形の後部42に結合される。流体圧としての第一空気バネ11の空気圧P1(又は第二空気バネ12の空気圧P2)は、中空のキャップ41と差圧弁1(又は差圧弁2)の中空の後部42を介して、スプリング4が設置されるバネ室43に導かれる。さらに、空気圧P1(又は空気圧P2)は、弁体6の孔6aを介して連通路3に導かれる。
【0017】
弁体6は、シリンダ部40内で摺動し、第一と第二空気バネ11、12の連通を許可又は禁止する。弁体6は軸対称な形状を有し、弁体6の軸60の方向は弁体6の摺動方向に略一致する。バルブシート5に対して弁体6が着座する場合、差圧弁1(又は差圧弁2)が閉じる。バルブシート5から弁体6が離れると、差圧弁1(又は差圧弁2)が開く。なお、弁体6のバルブシート5側の端部に配置されるシール部材50は、バルブシート5の円環状の凸部5aに押し付けられた場合に、バルブシート5のポート5bを密閉する。
【0018】
シール部材50は、弁体6の本体部分6cの軸60の方向の端部に埋め込まれて嵌合している。シール部材50は、樹脂(ゴム)からなる軸対称な略円板状の部材であり、シール部材50の軸と弁体6の軸60は略一致している。例えば、樹脂は、NBR(ニトリルゴム)である。弁体6の本体部分6cは、銅などの金属からなり、シール部材50は、弁体6の本体部分6cに焼き付けられている。
【0019】
弁体6は、スプリング4が設置されるバネ室43と連通路3を連通する孔6aを有する。さらに、弁体6は、バルブシート5側に空気通路6b(又は切欠き)も有する。空気通路6bは、バルブシート5から弁体6が離れた場合に、バルブシート5のポート5bを介して連通路3同士を連通する。
【0020】
差圧弁1の弁体6は、弁体6を閉じ側に付勢する第一空気バネ11の空気圧力P1を受ける閉じ側受圧面8と、弁体6を開き側に付勢する第二空気バネ12の空気圧力P2を受ける開き側受圧面9とを有する。同様に、差圧弁2の弁体6は、弁体6を閉じ側に付勢する第二空気バネ12の空気圧力P2を受ける閉じ側受圧面8と、弁体6を開き側に付勢する第一空気バネ11の空気圧力P1を受ける開き側受圧面9とを有する。
【0021】
差圧弁1の弁体6において第一空気バネ11の空気圧力P1を受ける閉じ側有効受圧面積と、第二空気バネ12の空気圧力P2を受ける開き側有効受圧面積とは等しく、バルブシート5内のポート5bの断面積A3となる。同様に、差圧弁2の弁体6において第二空気バネ12の空気圧力P2を受ける閉じ側有効受圧面積と、第一空気バネ11の空気圧力P1を受ける開き側有効受圧面積とは等しく、バルブシート5内のポート5bの断面積A3となる。なお、弁体6のバルブシート5側の空気通路6b(又は切欠き)の存在によって、バルブシート5の円環状の凸部5aより外側に位置した部位に作用する開き側と閉じ側の圧力は互いに相殺される。
【0022】
差圧弁1において、弁体6を閉じ側(バルブシート5側)に付勢する力はスプリング4の付勢力Fと第一空気バネ11の圧力P1による付勢力P1×A3の和となる。一方、弁体6を開き側(スプリング4側)に付勢する力は第二空気バネ12の圧力P2による付勢力P2×A3となる。従って、P2×A3>F+P1×A3になると差圧弁1が開く。弁体6が開く第一と第二空気バネ11、12の差圧ΔP(=P2−P1)は、F/A3(定数)となる。このため、差圧ΔPが所定値F/A3を超える場合、差圧弁1が開き、弁体6の空気通路6bに空気が流れて、第二空気バネ12の高い圧力P2は第一空気バネ11へと導かれる。一方、差圧ΔPが所定値F/A3より小さい場合、弁体6がバルブシート5に着座して差圧弁1は閉じている。
【0023】
差圧弁2において、弁体6を閉じ側に付勢する力はスプリング4の付勢力Fと第二空気バネ12の圧力P2による付勢力P2×A3の和となる。一方、弁体6を開き側に付勢する力は第一空気バネ11の圧力P1による付勢力P1×A3となる。従って、P1×A3>F+P2×A3になると差圧弁2が開く。弁体6が開く第一と第二空気バネ11、12の差圧ΔP(=P1−P2)は、F/A3(定数)となる。このため、差圧ΔPが所定値F/A3を超える場合、差圧弁2が開き、弁体6の空気通路6bに空気が流れて、第一空気バネ11の高い圧力P1は第二空気バネ12へと導かれる。一方、差圧ΔPが所定値F/A3より小さい場合、弁体6がバルブシート5に着座して差圧弁2は閉じている。
【0024】
次に、図3を参照して、弁体6とスプリング受け部20の構成の第一例について説明する。スプリング受け部20は、本体部20bから弁体6の軸60に沿って弁体6に向かって延びる突出部分20aを有する。弁体6は、スプリング4が設置されるバネ室43の底面となる端面6fを有する。突出部分20aは、弁体6の略軸上で端面6fに当接するため、スプリング受け部20から弁体6に掛かる荷重ひいては弁体6からバルブシート5に掛かる荷重が、弁体6の軸60に関して軸対称になり、又、軸60の周りの円周方向において均一になる。従って、弁体6からの荷重が、バルブシート5の円環状の凸部5aに対して場所に依存せず均一に加わるため、差圧弁1(又は差圧弁2)が開く時の差圧がばらつかなくなる。
【0025】
また、突出部分20aは、弁体6側とバネ室43側の両側に有してもよい。この場合、スプリング受け部20の向きが関係なくなるので、差圧弁ユニット10の組立性が向上する。
【0026】
図4を参照して、弁体6とスプリング受け部20の構成の第二例について説明する。弁体6は、円板状のスプリング受け部20に向かって、弁体6の軸60に沿って延びる突出部分6gを有する。突出部分6gは、弁体6の略軸上でスプリング受け部20に当接するため、スプリング受け部20から弁体6に掛かる荷重ひいては弁体6からバルブシート5に掛かる荷重が、弁体6の軸60に関して軸対称になり、又、軸60の周りの円周方向において均一になる。
【0027】
図5を参照して、弁体6とスプリング受け部20の構成の第三例について説明する。スプリング受け部20は、弁体6の軸60に沿って弁体6に向かって延びる円錐状部分20cを突出部分として有する。円錐状部分20cの先端は、弁体6の略軸上で端面6fに当接するため、スプリング受け部20から弁体6に掛かる荷重ひいては弁体6からバルブシート5に掛かる荷重が、弁体6の軸60に関して軸対称になり、又、軸60の周りの円周方向において均一になる。
【0028】
図6を参照して、弁体6とスプリング受け部20の構成の第四例について説明する。弁体6は、円板状のスプリング受け部20に向かって、弁体6の軸60に沿って延びる円錐状部分6hを突出部分として有する。円錐状部分6hは、弁体6の略軸上でスプリング受け部20に当接するため、スプリング受け部20から弁体6に掛かる荷重ひいては弁体6からバルブシート5に掛かる荷重が、弁体6の軸60に関して軸対称になり、又、軸60の周りの円周方向において均一になる。
【0029】
図7を参照して、弁体6とスプリング受け部20の構成の第五例について説明する。スプリング受け部20は、本体部20bから弁体6の軸60に沿って弁体6に向かって延びる突出部分20aを有する。弁体6は、バネ室43の底面となる端面6fにおいて、弁体6の軸上に位置する凹部6iを有する。突出部分20aの先端は、凹部6iの底に当接する。突出部分20aが凹部6iに嵌ることにより、スプリング受け部20は弁体6の軸60に対して垂直方向に動かないように位置決めされる。突出部分20aは、弁体6の略軸上で弁体6に接するため、スプリング受け部20から弁体6に掛かる荷重ひいては弁体6からバルブシート5に掛かる荷重が、弁体6の軸60に関して軸対称になり、又、軸60の周りの円周方向において均一になる。
【0030】
図8を参照して、弁体6とスプリング受け部20の構成の第六例について説明する。スプリング受け部20は、本体部20bから弁体6の軸60に沿って、且つ弁体6とスプリング受け部20の本体部20bとの間に配置される球形のボール20dを突出部分として有する。ボール20dは、スプリング受け部20の本体部20bに形成された円錐状の凹部20eに配置される。弁体6は、バネ室43の底面となる端面6fにおいて、弁体6の軸上に位置する円錐状の凹部6jを有する。ボール20dは、円錐状の凹部6jの側面に円環状の接触部を有して当接する。スプリング4は、スプリング受け部20のボール20dを介して弁体6を付勢する。スプリング受け部20から弁体6に掛かる荷重が、軸60の周りの円周方向において均一になる。このようにボール20dが円錐状の凹部6jに嵌ることにより、スプリング受け部20は弁体6の軸60に対して垂直方向に動かないように位置決めされ、さらに、弁体6からバルブシート5に掛かる荷重が、弁体6の軸60に関して軸対称になり、又、軸60の周りの円周方向において均一になる。
【0031】
図9を参照して、弁体6とスプリング受け部20の構成の第七例について説明する。スプリング受け部20は、弁体6の軸60に沿って弁体6とスプリング4の間に配置されてスプリング受け部20を兼ねた球形のボール20fとして形成される。弁体6は、バネ室43の底面となる端面6fにおいて、弁体6の軸上に位置する円錐状の凹部6jを有する。ボール20fは、円錐状の凹部6jの側面に当接する。ボール20fは、円錐状の凹部6jの側面に円環状の接触部を有して当接する。スプリング4は、ボール20fを介して弁体6を付勢する。スプリング受け部20から弁体6に掛かる荷重が、軸60に関して円周方向において均一になる。このようにボール20fが円錐状の凹部6jに嵌ることにより、スプリング受け部20は弁体6の軸60に対して垂直方向に動かないように位置決めされ、さらに、弁体6からバルブシート5に掛かる荷重が、弁体6の軸60に関して軸対称になり、又、軸60の周りの円周方向において均一になる。
【0032】
次に、本実施形態の作用効果について述べる。本実施形態によると、差圧弁1、2において、スプリング受け部20が、弁体6の軸60に沿って弁体6に向かって突出して当接する突出部分20a、又は、弁体6が、弁体6の軸60に沿ってスプリング受け部20に向かって突出して当接する突出部分6gを有する。なお、突出部分には、円錐状部分20c、6hやボール20d、20fも含まれる。従って、寸法公差があっても、スプリング4の付勢力が、スプリング受け部20、又はスプリング受け部20を兼ねるボール20fを介して弁体6に軸対称に軸周りの円周方向において均一に与えられる。さらに、弁体6からバルブシート5に掛かる荷重も弁体6の軸60に関して軸対称で円周方向において均一になる。この結果、弁体6からの荷重が、バルブシート5の円形のポート5bの縁(円環状の凸部5a)に対して場所に依存せず均一に加わるため、差圧弁1(又は差圧弁2)が開く時の差圧がばらつかなくなる。
【0033】
また、弁体6は、突出部分20aを収容する凹部6iと、又は、球形のボール20d、20fを収容する円錐状の凹部6jを備える。これにより、突出部分20aが凹部6iに、ボール20d、20fが円錐状の凹部6jに嵌ることにより、スプリング受け部20又はスプリング受け部20を兼ねたボール20fは弁体6の軸60に対して垂直方向に動かないように位置決めされる。この結果、より確実に、弁体6からバルブシート5に掛かる荷重が弁体6の軸60に関して軸対称で軸60の周りの円周方向において均一になる。
【0034】
空気バネ式懸架装置は、差圧弁1、2に連通する第一空気バネ11と第二空気バネ12とを備える。第一空気バネ11の空気圧P1と第二空気バネ12の空気圧P2の一方は、差圧弁1、2の弁体6に加わるバルブシート5側の流体圧(空気圧)であり、他方は、差圧弁1、2の弁体6に加わるバルブシート5側とは反対側の流体圧(空気圧)である。バブルシート5を均一に押し付けることができ開く時の差圧のばらつきが小さな差圧弁1(又は差圧弁2)を使用することで、第一と第二空気バネ11、12の一方の流体(空気)が漏れた場合には、第一と第二空気バネ11、12のうち正常な空気バネの流体(空気)を空気漏れした空気バネへ導く。
【0035】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。例えば、上記の実施形態において、空気圧は流体圧の一種として示されたもので、差圧弁に導入される流体圧を油圧等として差圧弁を利用することもできる。
【符号の説明】
【0036】
1、2 差圧弁
3 連通路
4 スプリング
5 バルブシート
5a 凸部
5b ポート
6 弁体
6a 孔
6b 空気通路
6c 本体部分
6g 突出部分
6h 円錐状部分
6i 凹部
6j 凹部
10 差圧弁ユニット
11 第一空気バネ
12 第二空気バネ
20 スプリング受け部
20a 突出部分
20b 本体部
20c 円錐状部分
20d ボール
20e 凹部
20f ボール
50 シール部材
60 弁体の軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体と、
流体が通過できる円状断面のポートを有するバルブシートと、
前記バルブシートに押し付ける方向に前記弁体を付勢するスプリングと、
前記スプリングと前記弁体との間に介挿されるスプリング受け部と、を備え、
前記弁体に加わるバルブシート側の流体圧とこれと反対側の流体圧との差圧が所定値より大きい場合に、前記弁体が前記バルブシートから離れ、
前記弁体と前記スプリング受け部のうち一方が、前記弁体の軸に沿って他方に向かって突出して当接する突出部分を有することを特徴とする差圧弁。
【請求項2】
前記弁体と前記スプリング受け部のうち前記他方が、前記突出部分を収容する凹部を備えることを特徴とする請求項1に記載の差圧弁。
【請求項3】
弁体と、
流体が通過できる円状断面のポートを有するバルブシートと、
前記バルブシートに押し付ける方向に前記弁体を付勢するスプリングと、
前記スプリングと前記弁体との間に配置されるボールと、を備え、
前記弁体に加わるバルブシート側の流体圧とこれと反対側の流体圧との差圧が所定値より大きい場合に、前記弁体が前記バルブシートから離れ、
前記弁体は、前記弁体の軸上に位置する凹部を有し、
前記ボールは前記弁体の前記凹部に配置され、前記スプリングは前記ボールを介して前記弁体を付勢することを特徴とする差圧弁。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の前記差圧弁と、
前記差圧弁に連通する第一空気バネと第二空気バネと、を備え、
前記第一空気バネの空気圧と前記第二空気バネの空気圧の一方は、前記差圧弁の前記弁体に加わる前記バルブシート側の流体圧であり、他方は、前記差圧弁の前記弁体に加わる前記バルブシート側とは前記反対側の流体圧であることを特徴とする空気バネ式懸架装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−202520(P2012−202520A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69656(P2011−69656)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】