説明

帯状体の巻取り方法及び装置

【課題】極めて簡単な機構でありながら、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯に抑えられて滑らず、巻取り中は巻芯が鼓状に撓むことなく、しかも巻き上がった巻回体を巻芯から抜く際には、巻芯と巻回体との間に隙間ができて容易に抜くことができるようにした画期的な帯状体の巻取り方法及び装置に関する。
【解決手段】割溝6によって分割された巻芯8に帯状体3を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体4となす帯状体の巻取り方法及び装置において、少なくとも一方の巻芯部21に形成された溝21bを介して割溝6に軸方向に針状体9を挿入し、帯状体3の巻取りに伴う締付け力により巻芯8が、割溝6が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体3を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体9を巻芯8から抜き取って巻芯8が撓むのを許容する構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、電解コンデンサ等のコンデンサやその他の巻回型の小型電子部品並びに小型から大型のリチウムイオン電池等の二次電池に代表される巻回体を製造するための帯状体の巻取り方法及び装置に係り、特に割溝によって分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法及び装置において、少なくとも一方の巻芯部に形成された溝を介して割溝に軸方向に針状体を挿入し、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容することによって、極めて簡単な機構でありながら、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯に抑えられて滑らず、巻取りの進行中は巻芯が鼓状に撓わまないようにし、しかも巻き上がった巻回体を巻芯から抜く際には、巻芯と巻回体との間に隙間ができて容易に抜くことができるようにした画期的な帯状体の巻取り方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電解コンデンサ等のコンデンサにおいては、リード端子付の正負の電極箔の間に剥離紙を介在させてこれらを帯状体として巻取り機の巻芯にかけて巻き取り、巻回体(通称「素子」と呼ばれる)を形成し、該巻回体に必要な電解液等を含浸させて後、これを組立機に送って組立てを行い、電子部品として製造しており、また小型から大型のリチウムイオン電池等の二次電池においても同様に、正負の電極箔の間に剥離紙を介在させて帯状体として、これを巻取り機の巻芯により巻き取り、後に電極を取り付けて二次電池の巻回体が形成されて、これら電子部品又は二次電池が製造されている。
【0003】
このような巻回体を製造するための帯状体の巻取り方法及び装置において、従来の巻取り機(図示せず)の巻芯1は、図28に示すように、割溝2によって第1巻芯部11と第2巻芯部12とに2分割されており、帯状体3の巻始め端部3aを割溝2に差し込んで第1の巻芯部11と第2の巻芯部12とにより挟んで巻取りを開始し、図示のように巻回体4が巻芯1の回りに形成されて行く。
【0004】
一方、巻芯1は超鋼製のものが一般に用いられるが、長さの割にその直径が小さいため、その曲げ強度はさほど大きくない。このため、帯状体3の巻取りが進行するに連れて巻芯1をその半径方向に締め付ける力が大きくなり、ついには図示のように帯状体3の幅方向の中央の部分が最も大きく撓み、帯状体3の巻始め端部3aを強く押し付けると共に、第1巻芯部11の外周面11aと第2巻芯部12の外周面12aと巻回体4の内周面4bとの間にも強い圧縮力が作用し、強力に締付けられ、結果として巻取りが終了する頃の巻回体4は、その幅方向の中央が窪んだ鼓状に形成されることになる。
【0005】
従来は、この状態から巻回体4の一端部4aを押圧部材(図示せず)により図中左方向に押して巻回体4を巻芯1から抜き取るわけであるが、上記のような理由から巻回体4は特に鼓状に形成されているため、抜取りが非常に困難であり、大きな抵抗力に抗して抜き取らなければならない。
この際、巻回体4を構成する帯状体3は、巻回体4としての外側の部分の巻芯1による拘束がほとんどないため、押圧部材によりその側面を押されると、外側に近い帯状体3が先行して移動し、中側に進むに従って帯状体3の動きは遅れることになり、帯状体3の層間にはずれが生じる。また巻芯1に近い部分では帯状体3は強い力で巻芯1により拘束されているため、押圧部材により押されることにより皺が生じたりする。
この帯状体3の層間のずれや皺が原因となって、不良品となることも多く、また不良品とならないまでも帯状体3の層間のずれにより摩擦が生じ、この摩擦により電極箔(図示せず)の表面に施された化成被膜(図示せず)が損傷し、この結果として電気的特性の劣る製品となるおそれがあった。
【0006】
上記のことは、小型電解コンデンサのような非常に小さな電子部品やこれ以外のかなり大きな電子部品、更には小型から大型の二次電池のような製品においても巻回体の巻取り方法及び装置における共通の問題であり、従来の技術では、この問題は大きな製造状の欠点とされていながら、解決手段はなかった。
【先行技術文献】
【0007】
【特許文献】
【特許文献】本願発明者及び本願出願人は、本願発明に関する特許文献を知らないので、その記載を省略する。
【0008】
【非特許文献】
【非特許文献】本願発明者及び本願出願人は、本願発明に関する非特許文献を知らないので、その記載を省略する。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、割溝の軸方向に針状体を挿入し、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
【0010】
また他の目的は、割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方の軸方向に形成された溝に針状体を挿入し、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
また他の目的は、巻芯に設けた溝に安定して針状体が挿入され、長い巻芯及び針状体であっても安定的に針状体を挿脱できるようにすると共に、針状体が巻芯の溝内に収まることによって帯状体の巻取りの開始の際にその巻始め端部の巻芯への差し込みを容易に行うことができるようにすることである。
【0011】
割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方の軸方向に形成された溝に一端に傾斜面が形成された針状体を挿入し、該針状体を巻芯に対してその回転方向に拘束することによって傾斜面の回転方向位置を一定に保つと共に、傾斜面に沿わせて帯状体の先端部を割溝に差し込んで巻取りを開始し、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
また他の目的は、針状体の巻芯に対する回転方向位置が常に一定で回転しないことにより針状体の先端の傾斜面の巻芯に対する回転方向位置も常に一定となることで、自動的に帯状体の巻始め端部を割溝に差し込む際に安定した極めて軽快な作業が行われ、帯状体の巻始め端部の差込みミス等の問題が生じないようにすることである。
【0012】
更に他の目的は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように割溝の軸方向に挿入される針状体と、該針状体を割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、巻回体の巻取り中は針状体の挿脱機構により針状体を割溝に挿入することで帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体の挿脱機構により針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容するように構成することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
【0013】
また他の目的は、割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方に軸方向の溝を形成し、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように溝を介して割溝に挿入される針状体と、該針状体を割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、巻回体の巻取り中は針状体の挿脱機構により針状体を溝に挿入することで帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体の挿脱機構により針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容するように構成することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
また他の目的は、巻芯に設けた溝に安定して針状体が挿入され、長い巻芯及び針状体であっても安定的に針状体を挿脱できるようにすると共に、針状体が巻芯の溝内に収まることによって帯状体の巻取りの開始の際にその巻始め端部の巻芯への差し込みを容易に行うことができるようにすることである。
【0014】
また他の目的は、割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方に軸方向の溝を形成し、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように溝を介して割溝に挿入され先端に傾斜面が形成された針状体と、該針状体を割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、該針状体を巻芯に対してその回転方向に拘束することによって傾斜面の回転方向位置を一定に保つように構成すると共に、傾斜面に沿わせて帯状体の先端部を割溝に差し込んで巻取りを開始するように構成し、巻回体の巻取り中は針状体の挿脱機構により針状体を溝に挿入することで帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体の挿脱機構により針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容するように構成することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
また他の目的は、針状体の巻芯に対する回転方向位置が常に一定で回転しないことにより針状体の先端の傾斜面の巻芯に対する回転方向位置も常に一定となることで、自動的に帯状体の巻始め端部を割溝に差し込む際に安定した極めて軽快な作業が行われ、帯状体の巻始め端部の差込みミス等の問題が生じないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
要するに本発明方法(請求項1)は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記割溝の軸方向に針状体を挿入し、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とするものである。
【0016】
また本発明方法(請求項2)は、割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方の軸方向に形成された溝に針状体を挿入し、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とするものである。
【0017】
また本発明方法(請求項3)は、割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方の軸方向に形成された溝に一端に傾斜面が形成された針状体を挿入し、該針状体を前記巻芯に対してその回転方向に拘束することによって前記傾斜面の回転方向位置を一定に保つと共に、前記傾斜面に沿わせて前記帯状体の先端部を前記割溝に差し込んで巻取りを開始し、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とするものである。
【0018】
また本発明装置(請求項6)は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように前記割溝の軸方向に挿入される針状体と、該針状体を前記割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、前記巻回体の巻取り中は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記割溝に挿入することで前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことをを特徴とするものである。
【0019】
また本発明装置(請求項7)は、割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方に軸方向の溝を形成し、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように前記溝を介して前記割溝に挿入される針状体と、該針状体を前記割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、前記巻回体の巻取り中は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記溝に挿入することで前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことをを特徴とするものである。
【0020】
また本発明装置(請求項8)は、割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方に軸方向の溝を形成し、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように前記溝を介して前記割溝に挿入され一端に傾斜面が形成された針状体と、該針状体を前記割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、該針状体を前記巻芯に対してその回転方向に拘束することによって前記傾斜面の回転方向位置を一定に保つように構成すると共に、前記傾斜面に沿わせて前記帯状体の先端部を前記割溝に差し込んで巻取りを開始するように構成し、前記巻回体の巻取り中は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記溝に挿入することで前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上記のように割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、割溝の軸方向に針状体を挿入し、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容するようにしたので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止できるという効果がある。
【0022】
また割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方の軸方向に形成された溝に針状体を挿入し、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容するようにしたので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止できるという効果がある。
また巻芯に設けた溝に安定して針状体が挿入され、長い巻芯及び針状体であっても安定的に針状体を挿脱できるという効果があると共に、針状体が巻芯の溝内に収まることによって帯状体の巻取りの開始の際にその巻始め端部の巻芯への差し込みを容易に行うことができるという効果がある。
【0023】
また割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方の軸方向に形成された溝に一端に傾斜面が形成された針状体を挿入し、該針状体を巻芯に対してその回転方向に拘束することによって傾斜面の回転方向位置を一定に保つと共に、傾斜面に沿わせて帯状体の先端部を割溝に差し込んで巻取りを開始し、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容するようにしたので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止できるという効果がある。
また針状体の巻芯に対する回転方向位置が常に一定で回転しないことにより針状体の先端の傾斜面の巻芯に対する回転方向位置も常に一定となることで、自動的に帯状体の巻始め端部を割溝に差し込む際に安定した極めて軽快な作業が行われ、帯状体の巻始め端部の差込みミス等の問題が生じないという効果が得られる。
【0024】
更には、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように割溝の軸方向に挿入される針状体と、該針状体を割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、巻回体の巻取り中は針状体の挿脱機構により針状体を割溝に挿入することで帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体の挿脱機構により針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容するように構成したので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止できるという効果がある。
【0025】
また割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方に軸方向の溝を形成し、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように溝を介して割溝に挿入される針状体と、該針状体を割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、巻回体の巻取り中は針状体の挿脱機構により針状体を溝に挿入することで帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体の挿脱機構により針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容するように構成したので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止できるという効果がある。
また巻芯に設けた溝に安定して針状体が挿入され、長い巻芯及び針状体であっても安定的に針状体を挿脱できるという効果があると共に、針状体が巻芯の溝内に収まることによって帯状体の巻取りの開始の際にその巻始め端部の巻芯への差し込みを容易に行うことができるという効果がある。
【0026】
また割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方に軸方向の溝を形成し、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように溝を介して割溝に挿入され一端に傾斜面が形成された針状体と、該針状体を割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、該針状体を巻芯に対してその回転方向に拘束することによって傾斜面の回転方向位置を一定に保つように構成すると共に、傾斜面に沿わせて帯状体の先端部を割溝に差し込んで巻取りを開始するように構成し、巻回体の巻取り中は針状体の挿脱機構により針状体を溝に挿入することで帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体の挿脱機構により針状体を巻芯から抜き取って巻芯が撓むのを許容するように構成したので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止できるという効果がある。
また針状体の巻芯に対する回転方向位置が常に一定で回転しないことにより針状体の先端の傾斜面の巻芯に対する回転方向位置も常に一定となることで、自動的に帯状体の巻始め端部を割溝に差し込む際に安定した極めて軽快な作業が行われ、帯状体の巻始め端部の差込みミス等の問題が生じないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1から図19は本発明の第1実施例に係り、図1は帯状体の巻取り装置の斜視図である。
【図2】帯状体の巻取り装置の分解斜視図である。
【図3】帯状体の巻取り装置の部分破断縦断面斜視図である。
【図4】巻回体の巻取り装置の部分破断縦断面拡大部分斜視図である。
【図5】帯状体の巻取り装置の縦断面図である。
【図6】帯状体の巻取り装置の部分拡大縦断面図である。
【図7】図6のVII−VII矢視拡大縦断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII矢視拡大縦断面図である。
【図9】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻芯への挿入状態を示す斜視図である。
【図10】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻芯への挿入完了状態を示す斜視図である。
【図11】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻芯への挿入完了状態を示す部分縦断面図である。
【図12】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻取り開始状態を示す斜視図である。
【図13】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻取り進行状態を示す斜視図である。
【図14】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻取りが終了し針状体及び回転支持体が引き抜かれ、巻回体が押し出される状態を示す斜視図である。
【図15】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻取りが終了し巻回体が巻芯から押し出された状態を示す斜視図である。
【図16】帯状体の巻始め端部が巻芯に差し込まれ、巻芯と針状体とにより軽く保持された状態を示す巻芯及び針状体の縦断面図である。
【図17】帯状体の巻取りが開始された状態を示す帯状体、巻芯及び針状体の縦断面図である。
【図18】帯状体の巻取りの進行状態において、針状体の存在により巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部が撓まない状態を示す帯状体、巻芯及び針状体の縦断面図である。
【図19】巻取りが完了した巻回体が巻芯にあり、針状体が引き抜かれて巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部が撓むのを許容する状態を示す巻回体、巻芯及び針状体の縦断面図である。
【図20】図20から図27は本発明の別実施例に係り、図20は本発明の第2実施例に係る巻芯の縦断面図である。
【図21】本発明の第3実施例に係る巻芯の縦断面図である。
【図22】本発明の第4実施例に係る巻芯の縦断面図である。
【図23】本発明の第5実施例に係る巻芯の縦断面図である。
【図24】本発明の第6実施例に係る巻芯の縦断面図である。
【図25】本発明の第7実施例に係る巻芯の縦断面図である。
【図26】本発明の第8実施例に係る巻芯の縦断面図である。
【図27】本発明の第9実施例に係る巻芯の縦断面図である。
【図28】従来例の帯状体の巻取り装置において、巻き取られた巻回体の締付け力により巻芯が鼓状に撓んだ状態を示す巻芯及び巻回体の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。なお、符号については、図28に示す従来例と同一の部品又は部分であって、変更の必要のないものについては、同一の符号を使用して説明する。
図1から図6において、本発明に係る帯状体の巻取り装置巻5は、割溝6によって第1巻芯部21と第2巻芯部22に2分割された巻芯8に帯状体3(図9から図13)を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体4(図13)となす帯状体の巻取り装置において、第1巻芯部21又は第2巻芯部22のいずれか一方又は双方に軸方向の溝21bを形成し、帯状体3の巻取り中に該帯状体3から巻芯8に作用する締付け力により該巻芯が、割溝6が塞がる程度までは撓まないように溝21bを介して割溝6に挿入される針状体9と、該針状体9を割溝6に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構10とを備え、巻回体4の巻取り中は針状体の挿脱機構10により針状体9を溝21bに挿入することで帯状体3の巻取りに伴う締付け力により巻芯8が、割溝6が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体3を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体の挿脱機構10により針状体9を巻芯から抜き取って巻芯8が撓むのを許容するように構成したものである。
【0029】
巻芯8は、基本的には従来例と同様であり、超硬等の極めて硬度の高い金属で製作されており、直径の割に長さが長く形成され、割溝6により縦方向に2分割されている。そして図中左側の先端部には、巻芯8の外径と同心の丸穴8aが図6における長さAの範囲において、図8に示すように形成され、該長さAの範囲から図中右側にかけては、次第に第1巻芯部21に向かって掘り下げるように傾斜して、丸穴8aが溝21bにつながり、それから右側の範囲には、長く同一深さの溝21bが、図7に示すように巻芯8の大径部8bの端部8cまで貫通して形成されている。なお、図示の実施例では第2巻芯部22には溝は全く形成されていない。
そして図7に示すように、この溝21bは、針状体9の直径の1/2から2/3が埋まる深さに設定されており、針状体9が溝21bに置かれた場合、針状体9の外周部9dは第1巻芯部21の割溝面21cから少し上まで、即ち割溝6の中心位まで突出し、針状体9の外周部9dと第2巻芯部22の割溝面22cとの間には、帯状体3の巻始め端部3aの厚みが入るだけの隙間Sが形成されるようになっている。
【0030】
図6において、巻芯8の図中左側の端部8dから長さAの範囲には、該巻芯の回転を自在に支持するための回転支持体13が嵌合するようになっており、回転支持体13の中心に同心で形成された固定軸13aが巻芯8の丸穴8aに回動自在に挿通され、該固定軸13aの周囲に形成された円環状の穴13bには、巻芯8の外径部8eが回動自在に挿通されるようになっている。そして固定軸13aの丸穴8aへの挿入を容易にするため、固定軸13aの先端には面取り13fが、巻芯8の丸穴8aには面取り8fが夫々施されている。
【0031】
図3及び図5において、巻芯8の大径部8bにはより大径のフランジ部8gが形成されており、該フランジ部において超硬製の巻芯8が溶接により大径部8bに固着されて一体化されており、大径部8b自体は加工の容易な鋼製であり、大径部8bには、該大径部が挿通され該大径部を回転方向に拘束する回転駆動体14に該大径部を固定するため、4本の止めねじ15が螺合する4つのめねじ穴8hが夫々形成されている。
【0032】
図1から図3及び図5において、針状体9は、断面円形に形成され、細く長ものであり、第1巻芯部21の溝21bに直径の1/2から2/3が埋まる程度に差し込まれ、該溝21bに対して挿脱自在に構成されている。
またその一端9aには、傾斜面9bが形成されており、図11に示すように、該傾斜面によって帯状体3の巻始めにおいてその巻始め端部3aを幅方向に円滑に差し込むことができるようになっている。
【0033】
針状体の挿脱機構10は、針状体9の他の一端9cが溶接により固着された挿脱駆動部16が図示しない他の機構により針状体9の長手方向に往復駆動されるようになっており、その回転方向には、板状の突起16aが、針状体9の巻芯8への挿入状態においては、回転駆動体14に形成された溝14aに嵌合することによって、拘束されるように構成され、針状体9の斜面9bが常に一定の方向を向くように構成されている。
【0034】
なお、巻芯8の回転駆動部14側には、巻回体4をその巻取り終了時に押し出すための押圧カラー18が巻芯8に摺動自在に装着されている。
【0035】
次に、図20から図27により、巻芯8に形成される針状体9用の溝21b等についての別実施例(第2実施例から第9実施例)について説明する。
図20に示す第2実施例では、巻芯8の割溝6はその直径の中心に形成されている点は図7に示す第1実施例と同様であるが、針状体9用の溝22bが第1巻芯部21の溝21bに加えて第2巻芯部22にも形成され、夫々同一の深さに設定されている点が異なる。
そしてこの第2実施例では、針状体9が溝21bに置かれた場合、針状体9は溝21bからかなり大きく突出し、その外周部9dは第2巻芯部22の溝22bにまで入り込んでおり、帯状体3の巻始め端部3aは針状体9の外周部9dと第2巻芯部22との間に形成された円弧状の隙間Sに挟み込むようになっている。
【0036】
図21に示す第3実施例では、巻芯8の割溝6がその直径の中心から少し上に偏心した位置に形成されている点が第1実施例とは異なり、その他は第1実施例と同様であり、針状体9用の溝21bは、第1巻芯部21にのみ形成されその深さや隙間Sも第1実施例と同様である。
なお、以上の実施例(第1実施例から第3実施例)では、針状体9の断面形状はすべて円形である。
【0037】
次に、図22に示す第4実施例では、巻芯8の割溝6がその直径の中心に形成されている点は、第1実施例と同様であるが、針状体9の断面形状が長方形である点が異なり、更にこれに合わせて第1巻芯部21に形成された溝21bの断面形状が長方形である点が異なる。また針状体9の外周部9dと第2巻芯部22の割溝面22cとの間に形成される隙間Sは第1実施例と同様である。
【0038】
図23に示す第5実施例では、巻芯8の形状は基本的に図21の第3実施例と同様であり、巻芯8の割溝6がその直径の中心から少し上に偏心した位置に形成されており、針状体9の断面形状が円形ではなく、外周部9dが平面にカットされている点が異なる。また外周部9dと第2巻芯部22の割溝面22cとの間に隙間Sが形成される点は図21の第3実施例と同様である。
なお、以上の実施例(第1実施例から第5実施例)では巻芯8の断面形状は、すべて円形である。
【0039】
次に、図24から図27において、巻芯8の断面形状が非円形の特殊形状の実施例について説明する。なお、これらの実施例に係る巻芯8は、小型電解コンデンサ等の非常に直径の小さい電子部品を製作するための帯状体3の巻取りに適したものである。
図24に示す第6実施例では、巻芯8は、基本的に断面が長方形(上下に円弧部がある。)に形成され、これは断面円形のものの図中左右両側面を平行にカットしたもので、上下方向の平行な側面8i,8jが形成されており、割溝6は巻芯8の直径の中心に形成され、針状体9は、巻芯8と同様に断面が基本的に長方形の非円形に形成され、これに合わせて針状体9用の溝21bも断面が基本的に長方形の非円形に形成されており、針状体9の外周部9dと第2巻芯部22の割溝面22cとの間には隙間Sが形成されている。
【0040】
図25に示す第7実施例では、巻芯8の断面形状は、図24の第6実施例と同様、基本的に断面が長方形(上下に円弧部がある。)に形成され、これは断面円形のものの図中左右両側面を平行にカットしたもので、上下方向の平行な側面8i,8jが形成されており、割溝6は巻芯8の直径の中心に形成され、基本的に断面長方形に形成されているが、針状体9用の溝21bは第1巻芯部21にのみ形成され、その断面形状は円形であり、針状体9もその断面が円形である点が第6実施例とは異なり、針状体9の外周部9dと第2巻芯部22の割溝面22cとの間には隙間Sが形成されている。
【0041】
図26に示す第8実施例では、巻芯8の断面形状は、図25の第7実施例同様、基本的に断面が長方形に形成され、これは断面円形のものの図中左右両側面を平行にカットしたもので、斜め方向の平行な側面8i,8jが形成されているが、割溝6が側面8i,8jに直角ではなく、約45°傾斜させて形成されている点が異なり、またこれに合わせて針状体9用の溝21bも変則的であり、割溝6に対しては非直角に、各側面8i,8jに平行に掘られている点が異なる。また針状体9の外周部9dと第2巻芯部22の割溝面22cとの間には隙間Sが形成されている。
【0042】
図27に示す第9実施例では、巻芯8の断面形状は、上記いずれの実施例とも異なり、基本的に菱形に形成されており、割溝6は、巻芯8の上下方向の中心に形成され、針状体9用の溝21bは第1巻芯部21にのみ形成されており、その深さ等は第1実施例と同様であり、針状体9の外周部9dと第2巻芯部22の割溝面22cとの間に隙間Sが形成されている点も第1実施例と同様である。
【0043】
次に、本発明に係る帯状体の巻取り方法について説明する。本発明に係る帯状体の巻取り方法(請求項1)は、割溝6によって複数に分割された巻芯8に帯状体3を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体4となす帯状体の巻取り方法において、帯状体3の巻取り中に該帯状体から巻芯8に作用する締付け力により該巻芯が、割溝6が塞がる程度までは撓まないように、割溝6の軸方向に針状体9を挿入し、帯状体3の巻取りに伴う締付け力により巻芯8が、割溝6が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体3を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体9を巻芯8から抜き取って巻芯8が撓むのを許容する方法である。
【0044】
また本発明に係る帯状体の巻取り方法(請求項2)は、割溝6によって第1巻芯部21と第2巻芯部22に2分割された巻芯8に帯状体3を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体4となす帯状体の巻取り方法において、帯状体3の巻取り中に該帯状体から巻芯8に作用する締付け力により該巻芯が、割溝6が塞がる程度までは撓まないように、第1巻芯部21又は第2巻芯部22のいずれか一方又は双方の軸方向に形成された溝21bに針状体9を挿入し、帯状体3の巻取りに伴う締付け力により巻芯8が、割溝6が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体3を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体9を巻芯8から抜き取って巻芯8が撓むのを許容する方法である。
【0045】
また本発明に係る帯状体の巻取り方法(請求項3)は、割溝6によって第1巻芯部21と第2巻芯部22に2分割された巻芯8に帯状体3を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体4となす帯状体の巻取り方法において、帯状体3の巻取り中に該帯状体から巻芯8に作用する締付け力により該巻芯が、割溝6が塞がる程度までは撓まないように、第1巻芯部21又は第2巻芯部22のいずれか一方又は双方の軸方向に形成された溝21bに一端に傾斜面9bが形成された針状体9を挿入し、該針状体を巻芯8に対してその回転方向に拘束することによって傾斜面9bの回転方向位置を一定に保つと共に、傾斜面9bに沿わせて帯状体3の巻始め端部3aを割溝6に差し込んで巻取りを開始し、帯状体3の巻取りに伴う締付け力により巻芯8が、割溝6が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体3を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体9を巻芯8から抜き取って巻芯8が撓むのを許容する方法である。
【0046】
本発明は、上記のように構成されており、以下その作用(第1実施例)について説明する。図9において、帯状体3の巻取りに当たっては、まず帯状体の巻取り装置5の回転駆動部14に対して、針状体9を針状体の挿脱機構10によって、巻芯8に矢印Bの如く挿通するのであるが、その際には、図3も参照して、挿脱駆動部16の突起16aが回転駆動部14の溝14aに入るようにして挿入する。これによって針状体9は、回転駆動部14により、その回転方向に拘束され、針状体9の傾斜面9bの回転方向位置が常に一定の方向を向くことになる。図9から図11においては、傾斜面9bは常に上方を向くように設定される。
【0047】
このとき、回転支持体13は巻芯8から外されており、帯状体3が張力をある程度かけられた状態で巻芯8の端部8dから割溝6に沿って差し込むことができる状態になっている。
そこで、図9において、帯状体3を矢印Cの如く水平方向に巻芯8の割溝6に差し込む。図10に示すように、帯状体3がある程度差し込まれると、やがてその側面3bが針状体9に接触する位置に達するが、針状体9の一端9aには傾斜面9bが形成されているため、図11及び図16にその断面を示すように、この傾斜面9bに沿って帯状体3は滑らかに押し上げられて針状体9の外周部9dと第2巻芯部22の割溝面22cとの間の隙間Sの中に入り込む。この際、隙間Sは帯状体3の厚みと略同一であるため、第2巻芯部22の割溝面22cと帯状体3と針状体9の外周部9dとの間にわずかな摩擦力が生じ、ここに帯状体3の巻始め端部3aは保持されることになる。
【0048】
そこで、図10に示すように、回転支持体13が矢印Dの如く巻芯8に装着され、図16に示すように、帯状体3は巻芯8の外径部8eのところでカットされるが、この際上記のように帯状体3の巻始め端部3aはわずかな摩擦力により巻芯8の第2巻芯部22と針状体9により保持されており、外れることはなく、これによって巻取りの準備が完了する。
【0049】
このようにして巻取りの準備が完了すると、図12及び図17に示すように、巻芯8が回転駆動部14により矢印Eの如く回転を開始する。これによって直ちに巻取りが開始され、その瞬間巻芯8には帯状体3の抵抗張力によって矢印F,Gの如き締付け力が生じ、第2巻芯部22の割溝面22cと針状体9の外周部9dとにより帯状体3の巻始め端部3aは押圧されてしっかりと保持されて滑ることがなく、巻取りが図13及び図18に示すように進行して巻取りが完了し、巻回体4が形成される。
このとき本発明の最大の特徴である針状体9の存在により、巻芯8の第1巻芯部21及び第2巻芯部22は、その割溝6が塞がる程度まで撓むことはできないため、帯状体3からの矢印F,Gの如き締付け力がいくら強くても、また巻芯8がいくら長くても巻芯8が鼓状に撓むことはなく、その結果巻回体4の幅方向の中央部が細くなって鼓状に変形すること(図28の従来例参照)はなく、平行な状態で巻取りが完了することになる。
【0050】
なお、巻芯8への針状体9の挿入は、巻かれる帯状体3の幅によりその挿入深さを変えればよく、針状体9は帯状体3の幅より少し広い位の深さまで挿入すればよい。このため、非常に狭い幅の帯状体3でも、また極めて広幅の帯状体3でも、針状体9の巻芯3への挿入深さを変えることにより巻き取ることが可能であり、非常に小型の電解コンデンサ等の電子部品から、極めて大型の二次電池等の巻回体4まで巻き取ることができる。
【0051】
巻取りが完了すると、帯状体3はカットされ、巻回体4には、図14及び図19に示すように、帯状体3の巻終り端部3cにテープ19が貼られ、巻回体4が完成し、巻回体4の巻芯8からの取り外し工程に入る。
【0052】
図14において、針状体の挿脱機構16が作動して、矢印Hの如く針状体9の挿脱駆動部16が巻芯8の回転駆動部14から引き抜かれ、針状体9はその全体が巻芯8から引き抜かれる。これによって巻芯8はその内部からの抵抗力がなくなるので、図19に示すように、矢印F,Gの如き締付け力により第1巻芯部21及び第2巻芯部22の撓みが許容される結果、割溝6がなくなる程度まで撓み、その結果巻回体4の内周面4bと巻芯8の外径部8eとの間には隙間S2が生じ、巻回体4は巻芯8から容易に抜け易い状態となる。
そこで、回転支持体13が巻芯8から矢印Iの如く外され、押圧カラー18が矢印Jの如く摺動して巻回体4を巻芯8から矢印Kの如く軽々と押し出すことができる。これによって巻回体4の帯状体3の層間においてずれが生じることがなく、帯状体3はその電極箔等に損傷が生ずることなく、巻芯8から取り外されることになる。そして1個の巻回体4の巻取りが完了する。
これによって、完成した巻回体4を構成する帯状体3の電極箔の化成被膜等に電気的特性を悪化させるような損傷が生ずることがなく、極めて電気的特性の優れた巻回体4を製造することができる。
【0053】
次に、図20から図27に示す本発明の別実施例(第2実施例から第9実施例)の作用については、基本的に第1実施例の作用と同一であるので、重複説明は省略するが、第2実施例から第5実施例については、第1実施例と同様な作用であり、第6実施例から第9実施例までは、巻芯8の断面が細長の形状であるため、帯状体3の電極箔に取り付けられているリード端子(図示せず)の厚さの分だけ巻回体4の一部が膨らむ現象を抑え、結果として断面が真円形に近い巻回体4を製造できる点で断面円形の巻芯8よりも有利である。このため、これらの実施例は特に小型の電解コンデンサ等の電子部品の巻回体4の巻取りに用いられ、その効果を発揮するものである。
【符号の説明】
【0054】
1 巻芯
2 割溝
3 帯状体
3a 巻始め端部
3b 側面
3c 巻終り端部
4 巻回体
4a 一端部
4b 内周面
5 帯状体の巻取り装置
6 割溝
8 巻芯
8a 丸穴
8b 大径部
8c 端部
8d 端部
8e 外径部
8f 面取り
8g フランジ部
8h めねじ穴
8i 側面
8j 側面
9 針状体
9a 一端
9b 傾斜面
9c 他の一端
9d 外周部
10 針状体の挿脱機構
11 第1巻芯部
11a 外周面
12 第2巻芯部
12a 外周面
13 回転支持体
13a 固定軸
13b 円環状の穴
13f 面取り
14 回転駆動体
14a 溝
15 止めねじ
16 挿脱駆動部
16a 突起
18 押圧カラー
19 テープ
21 第1巻芯部
21a 外周部
21b 溝
21c 割溝面
22 第2巻芯部
22a 外周部
22b 溝
22c 割溝面
A 範囲
B 矢印
C 矢印
D 矢印
E 矢印
F 矢印
G 矢印
H 矢印
I 矢印
J 矢印
K 矢印
S 隙間
S2 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記割溝の軸方向に針状体を挿入し、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とする帯状体の巻取り方法。
【請求項2】
割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方の軸方向に形成された溝に針状体を挿入し、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とする帯状体の巻取り方法。
【請求項3】
割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方の軸方向に形成された溝に一端に傾斜面が形成された針状体を挿入し、該針状体を前記巻芯に対してその回転方向に拘束することによって前記傾斜面の回転方向位置を一定に保つと共に、前記傾斜面に沿わせて前記帯状体の先端部を前記割溝に差し込んで巻取りを開始し、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とする帯状体の巻取り方法。
【請求項4】
前記巻回体は、リード端子付の電極箔及び該電極箔の剥離紙を同時に巻き取って形成される電子部品であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り方法。
【請求項5】
前記巻回体は、電極箔及び該電極箔の剥離紙を同時に巻き取って形成される二次電池であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り方法。
【請求項6】
割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように前記割溝の軸方向に挿入される針状体と、該針状体を前記割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、前記巻回体の巻取り中は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記割溝に挿入することで前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことをを特徴とする帯状体の巻取り装置。
【請求項7】
割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方に軸方向の溝を形成し、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように前記溝を介して前記割溝に挿入される針状体と、該針状体を前記割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、前記巻回体の巻取り中は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記溝に挿入することで前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことをを特徴とする帯状体の巻取り装置。
【請求項8】
割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部に2分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記第1巻芯部又は第2巻芯部のいずれか一方又は双方に軸方向の溝を形成し、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように前記溝を介して前記割溝に挿入されその先端に傾斜面が形成された針状体と、該針状体を前記割溝に挿入し又は抜き取る針状体の挿脱機構とを備え、該針状体を前記巻芯に対してその回転方向に拘束することによって前記傾斜面の回転方向位置を一定に保つように構成すると共に、前記傾斜面に沿わせて前記帯状体の先端部を前記割溝に差し込んで巻取りを開始するように構成し、前記巻回体の巻取り中は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記溝に挿入することで前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体の挿脱機構により前記針状体を前記巻芯から抜き取って前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことを特徴とする帯状体の巻取り装置。
【請求項9】
前記巻回体は、リード端子付の電極箔及び該電極箔の剥離紙を同時に巻き取って形成される電子部品であることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り装置。
【請求項10】
前記巻回体は、電極箔及び該電極箔の剥離紙を同時に巻き取って形成される二次電池であることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−20876(P2012−20876A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171103(P2010−171103)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000107240)ジェーシーシーエンジニアリング株式会社 (9)
【Fターム(参考)】