説明

平版インキ印刷方法

【課題】より広範囲の演色領域を表現することが可能な平版印刷方法の提供。
【解決手段】黄インキ、紅インキ、及び藍インキ、ならびに黒インキを使用する平版印刷において、周波数変調スクリーンの版を用いて印刷することを特徴とし、特定の基準濃度値で印刷した時、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)における色空間を、横軸a*を-120〜+120、縦軸b*を-120〜+120の範囲内の10ステップずつ、高さL*を0〜100の10ステップずつの区切りでスライスして表現した色再現領域によって定義される表現可能色数が、ISO規格のジャパンカラー準拠インキの1.4倍以上であって、更に濃度を上記範囲の1.3倍まで上げたときに、ジャパンカラー準拠インキを用いて同様に濃度を上げたときと比較して1.3倍以上の表現可能色数を有するインキを使用することを特徴とする平版インキ印刷方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、黄、紅、藍、墨のプロセス4色からなる平版印刷方法であって、ISO規格
のジャパンカラー準拠インキよりも再現可能な演色領域(ガモット)に優れ、更に、FM
スクリーン版との組み合わせ、且つ、濃度を上げることにより、より広い演色領域を再現
可能にする印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】

90年代より始まったIT革命は、印刷現場を取り巻く環境を著しくデジタル化の方向
へと導いてきており、このデジタル化によって、従来の印刷方式のワークフロー(撮影・
ポジ・スキャン・データ・デザイン・EPS・面付け・フィルム・刷版・印刷)が多段階
式過程であったのに対し、デジタルカメラによる撮影・DTP・CTP・印刷とその過程
を飛躍的に短縮することに成功した。それによって、入稿データの「RGB」化が標準化
しつつあり、取り扱われるデータがより色再現領域の広いものへとシフトしつつあるのが
現状である。

しかし、現在主流となっている黄、紅、藍、墨のプロセス4色(CMYK)からなる平
版オフセット印刷では、「RGB」として入稿されたデータを、より狭い色再現領域のC
MYKに色分解せざるを得ず、撮影段階の色空間の設定や、最終的な「RGB」から「C
MYK」への色変換が適切に行われないと色再現がうまくいかない等の問題も発生してい
る。その様な環境の中で、「標準化」ということが重要なポイントとなっており、「ジャ
パンカラー」も標準化の1つの手段として注目されている。

一方、黄、紅、藍、墨のプロセス4色からなる平版オフセット印刷では、減色混合によ
る色相となるため、色を重ねるごとに色相に濁りが生じ、必然的に色再現領域がRGBの
それよりも狭いものとなり、デジタルデータと印刷物との間の色再現性の差異が問題とな
っていった。各インキの印刷濃度を上げることで多少の色再現領域の拡大は可能であった
が、減色混合の限界である色相の濁りが再現できる演色領域を狭めていた。

これを解決する手段として、特許文献1では高彩度の印刷システムとして5〜7色のイ
ンキセットを使用する印刷方法が確立され、それぞれの特定した色相を持つインキセット
を用いる印刷方法として、プロセス4色に橙、緑を加えた6色(ヘキサクロム印刷)やプ
ロセス4色に橙、緑、紫を加えた7色(ハイファイ印刷)等が確立されている。また、ヘ
キサクロムインキに代表されるように、一次色のみならず、二次色、三次色の濁りを抑え
、色再現領域を広げる手段として一部の色に蛍光顔料を含有させる等の手法もとられるが
、印刷適性の劣化(転移不良、光沢低下等)や耐光性不足による印刷物の褪色等のデメリ
ットもある。更に、使用するインキの色数が6色、7色となり、印刷機の胴数が6胴以上
の高価な多色印刷機を必要とする事に加え、それと同数の多色分解した版数が必須条件と
なり、新たに始めるには巨額な設備投資と、色調管理の複雑化などで本システムを用いる
には限られた範囲に止まっている。
【特許文献1】特開2001-260516号公報 また、製版に関する技術としてコンタクトスクリーン時代から現在に至るまで、最も一般的に使用されているのが網点(ドット)の大小で色の濃淡を表現していた振幅変調スクリーニング(AMスクリーニング)である。AMスクリーニングの長所としては、ざらざらとした粒状感のない均一で美しい平網の再現と、自然な仕上がり、また、長年に渡る経験の蓄積から印刷したときの色調予測が容易であることが上げられる。しかしながら、スクリーン角度の存在による干渉モアレ、ロゼッタ模様等の発生が避けられないのが現状である。ロゼッタ模様に関してはスクリーン線数を上げれば解消に向かうが、むやみに線数を上げることは、網点のつぶれ等考慮すると実印刷に適していない。昨今では、CTPによる製版技術の進歩により、AMスクリーニングに対してより微細なドットをランダムに配置し、ドットの密度を変化させて色の濃淡を表現する周波数変調スクリーニング(FMスクリーニング)が増加しつつあり、AMスクリーンで問題となっていたモアレ、ロゼッタ模様の発生を抑制すると共に、高精細(微細)な表現が可能となってきたが、最終印刷物の色調予測が難しいこと、印刷標準化の為の条件詰めが必要であることなどの問題があった。 一方でFMスクリーニングは、インキ膜厚が薄膜化されることによって画像の鮮明性が向上し、色再現領域の向上が期待されているが、従来のプロセス4色とFMスクリーニングとの組み合わせではインキ自体の色再現可能領域が限られている(ベタ部の色再現性はAMスクリーニングと変わらない)為、その向上にも限界があった。また最近では、AMスクリーンとFMスクリーンの長所を組み合わせたハイブリットタイプのスクリーニングも増加傾向にある。
【特許文献2】特開平6− 234434号公報
【特許文献3】特開平7− 264402号公報
【特許文献4】特開平10−210292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】

本発明は、このような従来の技術における問題点を解決する為になされたものであり、
その課題とするところは、従来多く普及している4色印刷機を用いて、ISO規格のジャ
パンカラー準拠インキよりも再現可能な演色領域(ガモット)に優れる黄、紅、藍、墨の
プロセス4色からなる平版インキであって、更にFMスクリーン版との組み合わせ、且つ
、印刷濃度を上げることによって、より広い演色領域を再現可能にする印刷方法を提供す
ることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般的に、色再現領域を広げるためには、各色の理想的な分光反射率曲線に近づける必要がある。
すなわち、人が色を認識する波長領域は400nm〜700nmの光(この波長を可視光線という)において、黄インキでは、500nm〜700nmの波長領域での反射率が100%、400nm〜500nmの波長領域での反射率が0%であり、紅インキでは、400nm〜500nm、600nm〜700nmの波長領域での反射率が100%、500nm〜600nmの波長領域での反射率が0%であり、藍インキでは、400nm〜600nmの波長領域での反射率が100%、600nm〜700nmの波長領域での反射率が0%であることが理想であると言われている(理想のプロセスインキの分光反射率曲線を表7に示す)。
【0005】
しかし、現状使用されているプロセス4色からなる、黄、紅、藍、墨のオフセット印刷
用インキ組成物の反射スペクトルは理想の反射スペクトルとはかけ離れている。完全反射
しなければならない部分での不必要吸収があるためにインキの濁り成分が存在し、色再現
性を狭めている。


すなわち、本発明は、黄インキ、紅インキ、及び藍インキのうちいずれか2つ又は3つ
、ならびに黒インキを使用する平版印刷において、周波数変調スクリーン(FMスクリー
ン)の版を用いて印刷することを特徴とし、且つ、黄、紅、藍の各ベタ濃度値を、黄が1
.40〜1.44、紅が1.52〜1.56、藍が1.63〜1.67の範囲内(基準濃
度値とする)で印刷した時、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)における色空間を、横軸a*を−120〜+120、縦軸b*を−120〜+120の範囲内の10ステップずつ、高さL*を0〜100の10ステップずつの区切りでスライスして表現した色再現領域によって定義される表現可能色数が、ISO規格のジャパンカラー準拠インキの1.4倍以上であって、更に濃度を上記範囲の1.3倍まで上げたときに、ジャパンカラー準拠インキを用いて同様に濃度を上げたときと比較して1.3倍以上の表現可能色数を有するインキを使用することを特徴とする平版印刷方法に関するものである。
【0006】
また、本発明は、周波数変調スクリーニングによって得られるドットの直径が1〜50μmである上記平版インキ印刷方法に関するものである。
【0007】
また、本発明は、基準濃度値の各L*a*b*値が、
黄インキで、L*:87〜95、a*:−4〜−12、b*:90〜100
紅インキで、L*:50〜55、a*:75〜83、b*:−14〜−20
藍インキで、L*:52〜58、a*:−40〜−45、b*:−45〜−53
の範囲内にあり、上記インキの2色の刷り重ねの各L*a*b*値が、
紅インキ×黄インキの刷り重ねで、L*:51〜56、a*:65〜70、b*:56〜
61
藍インキ×黄インキの刷り重ねで、L*:47〜53、a*:−77〜−83、b*:
25〜32
藍インキ×紅インキの刷り重ねで、L*:23〜29、a*:28〜33、b*:−6
3〜−68
の範囲内になることを特徴とする上記記載の高彩度の色再現性に優れた平版インキ印刷方
法に関するものである。

さらに、これら(a)黄、(b)紅、(c)藍が、下記の反射率を有する上記印刷方法に関する。
(a)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたときに
、400nm〜480nmの波長領域が1〜20%、530nm〜700nmの波長領域
での反射率が90〜100%の反射スペクトルを有することを特徴とする黄色相化合物をインキの全重量に対して5〜15重量%含有する黄インキ。
【0008】
(b)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたとき
に、400nm〜500nmの波長領域での最大反射率が50%〜100%、500nm
〜560nmの波長領域での反射率が1〜20%、630nm〜700nmの反射率が9
0%〜100%の反射スペクトルを有することを特徴とする紅色相化合物をインキの全重量に対して15〜30重量%含有する紅インキ。
(c)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたときに
、400nm〜530nmの波長領域の反射率が50〜100%、600nm〜700n
mの反射率が1〜30%の反射スペクトルを有することを特徴とする藍色相化合物をインキの全重量に対して10〜25重量%含有する藍インキ。

【発明の効果】
【0009】
本発明が提供する平版インキ印刷方法を用いることにより、従来の黄、紅、藍、墨プロ
セス4色に加えて、橙、緑、紫等を加えた6色、7色印刷で表現していたRGBの色再現
領域を、黄、紅、藍、墨の4色で再現することが可能になる。更に、FMスクリーン版と
の組み合わせにより、従来のAMスクリーン版にて印刷した場合よりも広い色再現領域を
表現させることが可能になり、且つ、印刷物の濃度を上げることで、従来のプロセス4色
インキよりも、より広い色再現領域を再現することが可能になる。また、本発明では、印
刷物の色再現領域を向上させる手段として蛍光顔料を使用していないため、印刷適性、印
刷物の経時での褪色等を劣化させることなく、高彩度の印刷物を得ることができる。更に
は、FMスクリーンの特徴であるインキ膜厚の薄膜化、特にライト〜中間部の膜厚がAM
スクリーンと比較して薄膜になるため、セット、乾燥、裏移り性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】

次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0011】
本発明に使用するインキは、顔料と、合成樹脂、植物油、石油系溶剤とを必要に応じて
ステアリン酸アルミニウム、アルミキレート等のゲル化剤と共に加熱溶解したビヒクル成
分と、耐摩擦剤等の補助剤とからなる黄、紅、藍、墨の4色からなる平版インキである。

本発明において、「濃度値」とは、ISO規格のジャパンカラー標準用紙、例えば三菱
製紙(株)製「特菱アート両面四六版/110kg」に印刷し、黄、紅、藍の各色をグレ
タグマクベスD196濃度計にて測定した際の濃度値をいう。

色再現領域の表現方法としては、XYZ表色系(CIE1931表色系)、X1010Z1
0表色系(CIE1964表色系)、L*a*b*表色系(CIE1976)、ハンターLa
b表色系、マンセル表色系、L*u*v*表色系(CIE1976)等が挙げられる。L*a*b*表色系では、色相に関係なく比較できる明るさの度合いとして「明度」をL*で表現し、L*が大きくなるほど色が明るく、小さくなるほど暗くなることを示している。また、各色によって異なる「色相」をa*、b*の値で示し、a*は赤(+)から緑(−)方向、そしてb*は黄(+)から青(−)方向を示し、各方向とも絶対値が大きくなるに従って色鮮やかになり、0に近づくに従ってくすんだ色になることを示している。これによって一つの色を、L*、a*、b*を用いて数値化することが可能となる。
【0012】
また「明度」「色相」とは別に、鮮やかさの度合いを数値化する方法として「彩度(C
)」があり、以下の計算式にて求めることができる。
【0013】
【数1】

Cに関しても同様に、絶対値が大きくなるに従って色鮮やかになり、値が小さくなるにつ
れてくすんだ色になることを示している。
【0014】
一つの印刷物(印刷物以外のカラースペースも含む)で表現できる全ての色再現領域を
演色領域(ガモット)と呼ぶが、ガモットを表す最も簡便な方法として、a*を横軸、b*縦軸とした2次元空間に、単色ベタ部(黄、紅、藍)、及び、単色ベタ刷り重ね部(黄×紅、紅×藍、藍×黄)計6色のa*対b*の値を、プロットした六角形の面積で表現することが可能である。ガモットの面積が広い程、色再現領域が広いことを示している。本発明では、a*、b*の2次元だけではなく、明度「L*」も考慮した演色領域として、L*a*b*表色系における色空間(カラースペース)を、横軸a*を−120〜+120、縦軸b*を−120〜+120の範囲内の10ステップずつの区切りで表現し、高さL*を0〜100の10ステップずつの区切りでスライスして表現した最大6875色数を示す色再現領域を模式的に表現し、その再現色数が多い程インキが再現できる演色領域が広いことを数値で表現した。
【0015】
ジャパンカラーとは、ISO/TC130国内委員会が策定した印刷に関する標準色の
ことで、オフセット枚葉ジャパンカラー2001では、ISO12642パターン(92
8色、IT8とも言う)の測色値(L*a*b*値)をデータで示している。印刷条件は、
商業オフセット印刷に関する国際規格ISO12647−2の標準条件をもとに、日本国
内で普通に使われているインキ、印刷用紙(ジャパンカラー2001では4種類の用紙に
ついて決められている)を使用することで定義されている。一般的なジャパンカラー準拠
のインキを、ジャパンカラー標準用紙、例えば三菱製紙(株)製「特菱アート両面四六版
/110kg」に印刷した場合の黄、紅、藍、単色ベタ部のL*a*b*値、及びそれより
計算したC値は、黄インキで、L*:86、a*:−7、b*:92、C:92、紅インキで
、L*:45、a*:72、b*:−5、C:72、藍インキで、L*:54、a*:−36、b*:−49、C:61程度になるといわれている。
【0016】
本発明のインキは、黄が1.40〜1.44、紅が1.52〜1.56、藍が1.63
〜1.67の濃度範囲内(以下、「基準濃度値」とする。)であるときに単色及び各単色
の刷り重ねのL*a*b*表色系による色度、及びC値が、黄インキで、L*:87〜95、
好ましくは88〜93、a*:−4〜−12、好ましくは−5〜−10、b*:90〜10
0、好ましくは92〜98、C:92〜99、紅インキで、L*:50〜55、好ましくは51〜54、a*:75〜83、好ましくは76〜81、b*:−14〜−20、好ましくは−15〜−18、C:77〜83、藍インキで、L*:52〜58、好ましくは52〜57、a*:−40〜−45、好ましくは−41〜−44、b*:−45〜−53、好ましくは−46〜−51、C:62〜67、更には、紅インキ×黄インキの刷り重ねで、L*:51〜56、a*:65〜70、b*:56〜61、C:86〜93、藍インキ×黄インキの刷り重ねで、L*:47〜53、a*:−77〜−83、b*:25〜32、C:81〜87、藍インキ×紅インキの刷り重ねで、L*:23〜29、a*:28〜33、b*:−63〜−68、C:69〜75の範囲の表現可能色数を誇る。つまり、本発明のインキの組み合わせにより、ジャパンカラー準拠インキよりC値が大きく、高彩度の色再現性を誇る。
【0017】
さらに、本発明の特徴として、濃度を上げた際、従来インキと比較して高い色再現性を
有する。具体的には、基準濃度値の1.3倍まで上げた時、基準濃度値での表現可能数
の1.3倍以上もの高再現性を誇る。
【0018】
また、本発明では、従来のインキでは再現が困難であったRGBの「B(ブルーバイオ
レット)」の領域の再現可能色数が多くなるのも大きな特徴の一つとなる。つまり、L*
a*b*表色系における色空間を、横軸a*を−120〜+120、縦軸b*を−120〜+120の範囲内の10ステップずつ、高さL*を0〜100の10ステップずつの区切りでスライスして表現した色再現領域において、L*:10〜40、a*:40〜60、b*:−40〜−70の範囲の表現可能色数が従来インキよりも多くなる。
【0019】
本発明に用いられる黄顔料としては、ジスアゾイエロー系化合物、例えば、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、等であって、濃度値1.85〜1.90の範囲内で印刷した墨インキ上に、黄インキの濃度を1.40〜2.10の範囲で刷り重ねした場合のL*値が17を超えない透明性を有していれば、二次色、三次色の重ね刷りをした際の下刷りインキへの影響が少なく、良好な色再現領域を得ることができる。
更には、補色としてC.I.ピグメントイエロー83を上記黄顔料の全重量に対して0.5〜10重量%、好ましくは2〜5重量%加えて使用することも可能である。

紅顔料としては、ローダミンB、ローダミン3G、ローダミン6Gなどのローダミン系
染料のモリブデン、タングステン金属レーキ化合物、例えばC.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントバイオレット1等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0020】
藍顔料としては、フタロシアニン系化合物、例えばC.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4等が挙げられる。更には、補色としてC.I.ピグメントグリーン7を上記藍顔料の全重量に対して5〜15重量%、好ましくは8〜11重量%加えて使用することも可能である。
【0021】
本発明で使用する藍顔料である銅フタロシアニン系化合物は、結晶多型(同質異晶)を
示す物質であり、その結晶構造の違いによってα、β、γ、ε、π、τ、ρ、χ、R型などに分類されるが、結晶安定性、分散性が優れているβ型を使用することが好ましく、更には比表面積が74m2/g以上の微細なβ型銅フタロシアニンであることが好ましい。
【0022】
墨顔料としては、カーボンブラック、例えばC.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
【0023】
本発明に用いられる合成樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキ
ッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、石油樹脂変性アルキッド樹脂、ロジンエステル等
が考えられる。好ましくは、ロジン変性フェノール樹脂を使用する。ロジン変性フェノー
ル樹脂は、特に限定されないが、重量平均分子量1万〜30万のものを使用するのが好ま
しい。分子量1万以下ではインキの粘弾性が低下し、30万以上ではインキとしての流動
性が不十分となる。
【0024】
植物油としては、たとえばパーム核油、ヤシ油、綿実油、落花生油、パーム油、コーン
油、オリーブ油、亜麻仁油、コーン油、大豆油、サフラワー油、桐油等の植物油由来のも
のが例示できるとともに、それらの熱重合油および酸素吹き込み重合油なども使用できる
。また、本発明ではこれら植物油を単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いる
こともできる。
【0025】
また、インキに用いられる石油系溶剤は、芳香族炭化水素の含有率が1%以下でアニリ
ン点が75〜95℃好ましくは80〜95℃及び、沸点が260℃〜350℃好ましくは
280〜350℃の範囲にある石油系溶剤である。アニリン点が75%未満の場合には、
樹脂を溶解させる能力が高すぎる為、インキのセット性が遅くなり好ましくなく、また9
5℃を超える場合には樹脂の溶解性が乏しい為、光沢、着肉等が悪くなり好ましくない。
沸点が260℃未満の場合には、印刷機上でのインキ溶剤の蒸発が多くなり、インキの流
動性の劣化により、インキがローラー、ブランケット、版等への転移性が悪くなり好まし
くない。また、350℃を超える場合には、ヒートセット型のインキの乾燥が劣る為、好
ましくない。
【0026】
更に、本発明に使用する平版インキ組成物には、必要に応じてゲル化剤、顔料分散剤、
金属ドライヤー、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦向上剤、裏移り防止剤、非イオン系界
面活性剤、多価アルコールなどの添加剤を適宜使用することができる。
【0027】
本発明に使用するFMスクリーニングは、ランダム・スクリーニング又はストカスティ
ック・スクリーニングと呼ばれることもある。本発明でいうFMスクリーニングとは、ド
ットとドットの間隔すなわち周期性を変調すること、基本ドットを打つ頻度(ドットの密
度)により色の濃淡を表現する方法を指す。具体的には、クリスタル・ラスター・スクリ
ーニング法、ダイヤモンド・スクリーン法、クラス・スクリーニング法、フルトーン・ス
クリーニング法、ベルベット・スクリーニング法、アキュトーン・スクリーニング法、メ
ガドット・スクリーニング法、クリア・スクリーニング法、モネット・スクリーニング法
等が知られている。これらの方法はいずれもドット発生のアルゴリズムは異なっているが
、ドット密度の変化により濃淡を表現する方法であり、FMスクリーニング法の種々の方
法である。
【0028】
また、AMスクリーニング法は、規則的に配置された網点の大小(網点面積)で階調を
表現する方法であり、網点の形状により、スクエア・ドット・スクリーン、チェーン・ド
ット・スクリーン等がAMスクリーニング法の種々の方法として用いられる。AMスクリ
ーニング法においては、解像度を表現する方法としてスクリーン線数(1インチ当たりに
並んでいる網点の数)が用いられ、65線程度から1500線程度の高精細線印刷の任意
の解像度においてAMスクリーニング法を用いることができるが、一般的な商業印刷のレ
ベルでは175線が使用されることが多い。AMスクリーニングによる網点はその配置に
規則性がある為に複数の網点を重ね合わせたときにモアレが発生しやすく、通常の4色印刷物では、カラー原稿を色分解後、4色(YMCK)に分版する際に、各色ごとの網目スクリーンの角度をずらすことでモアレの発生を防止していた。一般的には網目スクリーンの角度を0〜90度の角度の中で振り分けるものであるが、モアレを認識しにくくすることはできても、規則性網点を使用する限りモアレを完全に防止することはできない。
【0029】
FMスクリーニング法で用いる一定の大きさのドットとしては、1〜50μmのドット
が好ましい。1μm以下では印刷手法にもよるが安定的なドット径の再現が難しく表現す
る濃度階調が不安定となり、50μmを越えると解像度の実用性能が見劣りする。一般的
には、印刷適性を考慮すると、10〜20μmが好ましい。
FMスクリーニング法も面積階調の一種であり、この点では従来の網点と同一であるが、
規則性がない点が最大の特徴であり、規則性に起因するモアレ、更にはロゼッタ模様の発
生も解消できる等の利点がある。
【0030】
一方、FMスクリーニングはドットがランダムに配置される為、平網、特に中間部の平
網においてガサツキ感が発生するのも事実である。これは、隣接するドット同士が「接触
する箇所」と「接触しない箇所」とが同時に存在し、それが「ざらつき」として認識され
るためである。更には、高精細な表現が可能になる反面、より原稿に忠実な表現、例えば
、AMスクリーニング175線では再現しなかった「しわ」などを再現してしまう場合も
ある。
【0031】
上記問題を解決する為に、昨今では、AMスクリーングの持つ扱いやすさと、FMスク
リーニングの持つ品質の高さの両方を兼ね備えたハイブリッドスクリーニングの開発も進
んでいる。ハイブリッドスクリーニングとは、画像の濃淡に応じて網を使い分け、絵柄の
あらゆる部分において最適な表現を行うことであり、ハイライト領域(1〜10%)とシ
ャドウ領域(90〜99%)ではFMスクリーニングの様に一定の大きさの網点密度を変
化させ、10〜90%の中間領域では、AMスクリーニングの様に網点の大きさを変えて
階調を表現する方法などが多く用いられている。近年、CTPの導入でこのような新しい
スクリーニングを使用した高付加価値印刷が多くなっている。
【0032】
本発明では、従来のジャパンカラー準拠のインキより色再現領域の広いインキを用いる
ことで、インキ自身の色再現領域を広げると共に、更にFMスクリーン版との組み合わせ
にて印刷することでより色再現領域の向上に効果を発揮する。これは、AMスクリーンと
比べてライト〜中間部のインキ膜厚が薄膜化されることでインキの透明性が上がり、画像
の鮮やかさが増す。更に、濃度を上げることで、ジャパンカラー準拠インキはより色相に
濁りを生じて行くのに対し、本発明のインキはインキ自体が透明性、高鮮明性を有してい
る為、濃度をあげた場合の濁りを極力抑えることが可能となり、良好な色再現性を誇る。
具体的には、基準濃度値の1.3倍まで上げたときに、ジャパンカラー準拠インキを用い
て同様に濃度を上げたときと比較して1.3倍以上もの表現可能色数を有する。
[実施例]
次に具体例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら記載実施例に
限定されるものではない。なお、以下の記述の部は重量部、%は重量%を表す。
ロジン変性フェノール樹脂の製造例
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにP−オクチルフェノール1000部
、35%ホルマリン850部、93%水酸化ナトリウム60部、トルエン1000部を加
えて、90℃で6時間反応させた。その後6N塩酸125部、水道水1000部の塩酸溶
液を添加し、撹拌、静置し、上層部を取り出し、不揮発分49%のレゾールタイプフェノ
ール樹脂のトルエン溶液2000部を得て、これをレゾール液とした。
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000
部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、上記で製造したレゾール液1
800部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン
110部を仕込み、260℃で10時間反応させ、酸価20以下として、重量平均分子量
50000、新日本石油化学(株)AFソルベント6号での白濁温度90℃のロジン変性
フェノール樹脂を得た。
ワニス製造例
ロジン変性フェノール樹脂42部、桐油17部、大豆油30部、AFソルベント6号(
新日本石油化学(株)製溶剤)10部、ALCH(川研ファインケミカル(株)製ゲル化
剤)1.0部を190℃で1時間加熱撹拌して、ワニスを得た。

インキ実施例1(黄インキ)
表1のような配合にてC.I.ピグメントイエロー12(東洋インキ製造(株)製LI
ONOL YELLOW 1235−P)をニーダー中で温度75℃の条件下、ワニスを
徐々に添加して混練して一次脱水を行った。次にニーダー温度100℃〜120℃、減圧
度76mmHgの条件下で1時間バキュームし、ベースインキ中の水分を0.5%以下に
なるように二次脱水を行った。脱水後、残りのワニス、石油系溶剤を添加して混練して希
釈し、ニーダーより未分散ベースインキを取り出した。取り出したベースインキをロール
温度60℃の3本ロールを用いて、分散粒子系測定機(グラインドメーター)で7.5ミ
クロン以下になるまで練肉し、黄のベースインキ1を得た。次いで、ベースインキ1に対
して、表2の配合でワニス、大豆油、コンパウンド、金属ドライヤー、乾燥抑制剤を添加
し黄インキ1を得た。
インキ実施例2(紅インキ)
黄インキと同様に、表1の配合にてC.I.ピグメントレッド81(不二化成(株)製
ファナルローズRNN−P)を用い、紅のベースインキ2を得た。次いで、ベースインキ
2に対して、表2の配合で大豆油、コンパウンド、金属ドライヤー、乾燥抑制剤を添加し
紅インキ2を得た。
インキ実施例3(藍インキ)
表2の配合にて、C.I.ピグメントブルー15:3(東洋インキ製造(株)製LIO
NOL BLUE GLA−SD)、C.I.ピグメントグリーン7(東洋インキ製造(
株)製LIONOL GREEN YS−2A)をワニスと混合し、分散粒子系測定機(
グラインドメーター)で7.5ミクロン以下になるまで練肉後、更に大豆油、コンパウン
ド、金属ドライヤー、乾燥抑制剤を添加し藍インキ3を得た。
【0033】
尚、比較例となるインキは、ジャパンカラー準拠の酸化重合型平版印刷インキすべてが
対象となりうる。
ここでは、TKハイユニティ各色を使用した。
【0034】
印刷実施例
表3の組み合わせにて印刷テストを実施した。
尚、墨インキは一般的な酸化重合型平版印刷インキを使用した。
印刷に関する詳細な条件を以下に示す。
【0035】
印刷機 :ハイデルベルク゛スピードマスター 菊全4色機(ハイデルベルグジャパン
(株))
用紙 :特菱アート両面 110Kg(三菱製紙(株))
湿し水 :アストロマーク3プラス((株)日研化学研究所)4.0%水道水溶液
印刷速度:9000枚/時
濃度 :D196(GretagMacbeth社)にて印刷物の単色(黄、紅、藍
、墨)ベタ部の濃度値を測定
黄;1.40〜1.44、紅;1.52〜1.56、藍;1.63〜1.67、
墨;1.88〜1.92

測色 :グレタグマクベス社製SpectroEye(D50、2度視野、StatusT)にて印刷物の単色ベタ部(黄、紅、藍)、及び、単色ベタ刷り重ね部(黄×紅、紅×藍、藍×黄)のL*、a*、b*値を測定。
C値はa*及びb*から下記の計算式にて求めた(表4)。
FMスクリーンは大日本スクリーン製造(株)のRandotX、AMスクリーンは17
5線を用い、ECI2002Rチャート(1485色:GretagMacbeth社)
を印刷。
印刷後、SpectroLino(GretagMacbeth社)を用いてチャートを
測定し、測定結果からICCプロファイルを作成した(GretagMacbeth社の
ProfileMakerを使用)。
作成したICCプロファイルを用いて、Adobe社のPhotoshopを用いL*a*b*画像へ変換し、L*a*b*表色系における色空間(カラースペース)を、横軸a*を−120〜+120、縦軸b*を−120〜+120の範囲内の10ステップずつの区切りで表現し、高さL*を0〜100の10ステップずつの区切りでスライスして表現した色再現領域(最大6875の色数)として表現した(表5、表6)。図の色で塗りつぶされている部分は再現可能な色を示し、グレーの部分は再現できない色を示している。

実施例1及び比較例1〜3の結果を表5、表6に表す。また、単色ベタ部及び重ね刷り部のL*a*b*測定値を表4に表す。
更に、同印刷条件の下、印刷物の濃度を基準濃度の1.3倍まで上げて印刷し、同様の印
刷物評価を実施した結果(実施例2及び比較例4)を表7に示す。
【0036】
また、得られた分光反射率曲線を表9に示す。比較例の従来インキに比べ、実施例のインキの方が理想の分光反射率曲線に近くなっており、完全反射しなければならない部分の不必要吸収が少なくなっている。そのため、インキの濁り成分が減少し、色再現領域が広がっている(表4)。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
【表4】

【0041】
【表5】

【表6】

【0042】
【表7】

この表現方法を用いると、ISO規格のジャパンカラー標準用紙、例えば三菱製紙(株
)製「特菱アート両面四六版/110kg」に、AMスクリーン版を使用し黄、紅、藍の各濃度値を、黄が1.40〜1.44、紅が1.52〜1.56、藍が1.63〜1.67の範囲内で印刷した場合に、一般的なISO規格のジャパンカラー準拠インキ(比較例3)では793色しか再現できないのに対して、本発明のインキ(比較例1)では約1.17倍の932色が再現可能であり、更に、FMスクリーン版を組み合わせる(実施例1)ことで、AMスクリーンとジャパンカラー準拠インキとの組み合わせの約1.46倍の1161色が再現可能となる。これは、本発明のインキとAMスクリーンとの組み合わせとの比較でも約1.24倍の色再現領域を示す。
一方、ジャパンカラー準拠インキでは、FMスクリーンとの組み合わせ(比較例2)にしたとしても、約1.02倍の810色までしか再現領域が広がらない。
【0043】
また更に、FMスクリーンを使用し濃度を上記範囲の1.3倍まで上げたときにジャパンカラー準拠インキ(比較例4)が1075色であるのに対して、本発明のインキ(実施例2)では比較例4の約1.33倍の1426色再現可能となる。つまり、標準濃度印刷時の本発明のインキとAMスクリーンの組み合わせ(比較例1)の約1.53倍、また、本発明のインキとFMスクリーンの組み合わせ(実施例1)の約1.23倍の再現領域を示す。

【0044】
【表8】










【0045】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
黄インキ、紅インキ、及び藍インキのうちいずれか2つ又は3つ、ならびに黒インキを
使用する平版印刷において、周波数変調スクリーン(FMスクリーン)の版を用いて印刷
することを特徴とし、且つ、黄、紅、藍の各ベタ濃度値を、黄が1.40〜1.44、紅
が1.52〜1.56、藍が1.63〜1.67の範囲内(基準濃度値とする)で印刷し
た時、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)における色空間を、横軸a*を−120〜+12
0、縦軸b*を−120〜+120の範囲内の10ステップずつ、高さL*を0〜100の10ステップずつの区切りでスライスして表現した色再現領域によって定義される表現可能色数が、ISO規格のジャパンカラー準拠インキの1.4倍以上であって、更に濃度を上記範囲の1.3倍まで上げたときに、ジャパンカラー準拠インキを用いて同様に濃度を上げたときと比較して1.3倍以上の表現可能色数を有するインキを使用することを特徴とする平版インキ印刷方法。
【請求項2】
周波数変調スクリーニングによって得られるドットの直径が1〜50μmであることを特徴とする請求項1記載の平版インキ印刷方法。
【請求項3】
基準濃度値の各L*a*b*値が、
黄インキで、L*:87〜95、a*:−4〜−12、b*:90〜100
紅インキで、L*:50〜55、a*:75〜83、b*:−14〜−20
藍インキで、L*:52〜58、a*:−40〜−45、b*:−45〜−53
の範囲内にあり、上記インキの2色の刷り重ねの各L*a*b*値が、
紅インキ×黄インキの刷り重ねで、L*:51〜56、a*:65〜70、b*:56〜
61
藍インキ×黄インキの刷り重ねで、L*:47〜53、a*:−77〜−83、b*:
25〜32
藍インキ×紅インキの刷り重ねで、L*:23〜29、a*:28〜33、b*:−6
3〜−68
の範囲内になることを特徴とする請求項1または2記載の高彩度の色再現性に優れた平版
インキ印刷方法。
【請求項4】
黄インキ、紅インキ、及び藍インキのうちいずれか2つ又は3つ、ならびに墨インキを使
用する平版印刷において、(a)黄、(b)紅、(c)藍の反射率が、下記である
ことを特徴とする、請求項1の平版印刷方法。
(a)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたとき
に、400nm〜480nmの波長領域が1〜20%、530nm〜700nmの波長領
域での反射率が90〜100%の反射スペクトルを有することを特徴とする黄色相化合物
をインキの全重量に対して5〜15重量%含有する黄インキ。
(b)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたとき
に、400nm〜500nmの波長領域での最大反射率が50%〜100%、500nm
〜560nmの波長領域での反射率が1〜20%、630nm〜700nmの反射率が9
0%〜100%の反射スペクトルを有することを特徴とする紅色相化合物をインキの全重量に対して15〜30重量%含有する紅インキ。
(c)400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたときに
、400nm〜530nmの波長領域の反射率が50〜100%、600nm〜700n
mの反射率が1〜30%の反射スペクトルを有することを特徴とする藍色相化合物をインキの全重量に対して10〜25重量%含有する藍インキ。

【公開番号】特開2007−182545(P2007−182545A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263614(P2006−263614)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】