平面型表示装置の解体装置及び解体方法、並びに、搬送装置
【課題】解体作業の合理化、簡素化を達成し得る平面型表示装置の解体装置を提供する。
【解決手段】平面型表示装置の解体装置10は、(A)平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着する真空吸着装置40、(B)取付け手段30、及び、(C)取付け手段30を水平方向に移動させる移動手段20を備え、取付け手段30は、(B−1)移動手段20に移動可能に取り付けられた取付け部材31、並びに、(B−2)取付け部材31に対して水平方向に延び、且つ、水平軸AXHを回転軸として回転自在に取付け部材31に取り付けられた支持部材35から成り、真空吸着装置40は、必要に応じて、垂直軸AXVを回転軸として回転自在に支持部材35に取り付けられている。
【解決手段】平面型表示装置の解体装置10は、(A)平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着する真空吸着装置40、(B)取付け手段30、及び、(C)取付け手段30を水平方向に移動させる移動手段20を備え、取付け手段30は、(B−1)移動手段20に移動可能に取り付けられた取付け部材31、並びに、(B−2)取付け部材31に対して水平方向に延び、且つ、水平軸AXHを回転軸として回転自在に取付け部材31に取り付けられた支持部材35から成り、真空吸着装置40は、必要に応じて、垂直軸AXVを回転軸として回転自在に支持部材35に取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面型表示装置の解体装置及び解体方法、並びに、搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平成21年4月から、テレビジョン受信機であって液晶式のもの(『液晶表示装置』と呼ぶ)及びプラズマ式のもの(『プラズマ表示装置』と呼ぶ)が、特定家庭用機器再商品化法(所謂、家電リサイクル法)の対象に追加された。それ故、液晶表示装置やプラズマ表示装置(以下、『平面型表示装置』と総称する)の解体作業の合理化、簡素化等の確立が急務である。
【0003】
ブラウン管式のテレビジョン受信機の解体装置や解体方法は、例えば、特開2000−350980、特開平10−263518、特開平9−115448等、多数の特許公開公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−350980
【特許文献2】特開平10−263518
【特許文献3】特開平9−115448
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在のところ、平面型表示装置を作業台に載置し、人手によって、作業台上で平面型表示装置を水平方向に回転させ、あるいは、上下反転させて、平面型表示装置を解体しており、解体作業、特に、解体作業のための平面型表示装置の移動に多大の労力を要している。
【0006】
従って、本発明の目的は、平面型表示装置の解体作業の合理化、簡素化を達成し得る平面型表示装置の解体装置、及び、係る解体装置を用いた平面型表示装置の解体方法、並びに、平面型表示装置の搬送に最適な搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置の解体装置あるいは本発明の平面型表示装置の搬送装置(以下、『本発明の搬送装置』と略称する)は、
(A)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、
(B)取付け手段、及び、
(C)取付け手段を水平方向に移動させる移動手段、
を備え、
取付け手段は、
(B−1)移動手段に移動可能に取り付けられた取付け部材、並びに、
(B−2)取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた支持部材、
から成り、
真空吸着装置は支持部材に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
ここで、水平軸、垂直軸とは解体装置あるいは搬送装置全体を眺めたときの水平軸、垂直軸を指し、例えば、取付け部材の法線は水平軸と平行であるし、取付け部材の高さ方向は垂直軸と平行である。
【0009】
本発明の平面型表示装置の解体装置あるいは本発明の平面型表示装置の搬送装置において、真空吸着装置は、垂直軸を回転軸として回転自在に支持部材に取り付けられている形態とすることができる。
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る平面型表示装置の解体方法は、上記の本発明の平面型表示装置の解体装置あるいは搬送装置(但し、真空吸着装置は、垂直軸を回転軸として回転自在に支持部材に取り付けられている)を用いた解体方法であって、
(a)平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(b)真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、取付け手段を水平方向に移動させ、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部とは反対側の裏面(背面)を上に向けた状態とし、この状態で平面型表示装置の解体を行い、その後、
(c)取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態とし、取付け手段を水平方向に移動させた後、平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除する、
各工程から成ることを特徴とする。
【0011】
尚、工程(b)においては、取付け手段を水平方向に移動させた後、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の裏面を上に向けた状態としてもよいし、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の裏面を上に向けた状態とした後、取付け手段を水平方向に移動させてもよい。そして、その後、平面型表示装置の裏面を上に向けた状態で平面型表示装置の解体を行う。また、工程(c)においては、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態とした後、取付け手段を水平方向に移動させてもよいし、取付け手段を水平方向に移動させた後、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態としてもよい。
【0012】
本発明の第1の態様に係る平面型表示装置の解体方法にあっては、前記工程(b)において、平面型表示装置の裏面(背面)を上に向けた状態とし、支持部材に対して真空吸着装置を回転させ、平面型表示装置の解体を行う形態とすることができる。支持部材に対する真空吸着装置の回転によって、平面型表示装置は垂直軸を回転軸として、水平面内を回転(あるいは回動)する。そして、これによって、解体を行う作業者の手が届かない平面型表示装置の部位、部分が無くなるし、平面型表示装置の如何なる部位、部分の解体をも、作業者が最も作業を行い易い位置において容易に行うことが可能となる。即ち、平面型表示装置の解体作業を行う部分を常に手前に位置させることができ、解体作業がより一層容易となる。
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る平面型表示装置の解体方法は、上記の本発明の平面型表示装置の解体装置あるいは搬送装置(但し、平面型表示装置移動手段を更に備えている)を用いた解体方法であって、
(a)平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(b)真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、取付け手段を水平方向に移動させ、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部とは反対側の裏面を上に向けた状態とし、平面型表示装置の裏面を上に向けた状態で平面型表示装置移動手段に載置した後、真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除し、
(c)平面型表示装置移動手段に平面型表示装置を載置した状態で、平面型表示装置の解体を行う、
各工程から成ることを特徴とする。
【0014】
尚、工程(b)、あるいは、後述する工程(e)においては、取付け手段を水平方向に移動させた後、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置を上下反転させてもよいし、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置を上下反転させた後、取付け手段を水平方向に移動させてもよい。
【0015】
そして、本発明の第2の態様に係る平面型表示装置の解体方法においては、
(E)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する第2の真空吸着装置、
(F)第2の取付け手段、
(G)第2の取付け手段を水平方向に移動させる第2の移動手段、及び、
(H)第2の平面型表示装置移動手段、
を更に備え、
第2の取付け手段は、
(B−1)第2の移動手段に移動可能に取り付けられた第2の取付け部材、並びに、
(B−2)第2の取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた第2の支持部材、
から成り、
第2の真空吸着装置は第2の支持部材に取り付けられており、
前記工程(c)に引き続き、
(d)平面型表示装置の裏面を上に向けた状態で第2の真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(e)第2の真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、第2の取付け手段を水平方向に移動させ、第2の取付け部材に対して第2の支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態とし、平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で第2の平面型表示装置移動手段に載置した後、第2の真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除し、
(f)第2の平面型表示装置移動手段に平面型表示装置を載置した状態で、平面型表示装置の解体を行う、
各工程から成る形態とすることもできる。
【0016】
尚、平面型表示装置移動手段及び第2の平面型表示装置移動手段は1つに限定されず、複数の平面型表示装置移動手段を並置してもよいし、第2の平面型表示装置移動手段を並置してもよく、これによって、より効率良く平面型表示装置の解体を行うことができる。
【0017】
本発明の平面型表示装置の解体装置、本発明の搬送装置、あるいは又、上記の好ましい形態を含む本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る平面型表示装置の解体方法に用いられる解体装置(以下、これらを総称して、『本発明の解体装置等』と呼ぶ)においては、取付け手段あるいは第2の取付け手段を直線状に移動させる構成とすることができる。尚、便宜上、このような構成の本発明の解体装置等を、『第1の構成の解体装置等』と呼ぶ。そして、この場合、移動手段あるいは第2の移動手段は水平方向に延びるレール部材から成る構成とすることができる。具体的には、例えば、レール部材に係合するローラーを取付け部材に取り付け、レール部材上におけるローラーの回動によって取付け手段を水平方向に直線状に移動させることができる。レール部材は、適切な固定部材によって水平に固定しておけばよい。
【0018】
あるいは又、本発明の解体装置等においては、取付け手段を回転移動させる構成とすることができる。尚、便宜上、このような構成の本発明の解体装置等を、『第2の構成の解体装置等』と呼ぶ。そして、この場合、移動手段は垂直に延びる(即ち、垂直軸と平行に延びる)柱状部材から成り、取付け部材は移動手段に回動可能に取り付けられている構成とすることができる。取付け部材の移動手段への取り付けは、例えば、玉軸受け(ボール軸受け、ボールベアリング)を用いて行うことができる。柱状部材は、適切な固定部材によって垂直に固定しておけばよい。
【0019】
更には、以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の平面型表示装置の解体装置、本発明の搬送装置、あるいは又、本発明の第1の態様に係る平面型表示装置の解体方法に用いられる解体装置において、移動手段は、真空吸着装置によって平面型表示装置の画像表示部を真空吸着するための搬入部;平面型表示装置の解体を行う解体部;及び、真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解除するための搬出部から構成されており、解体部の下方には、平面型表示装置の構成部品を回収する回収箱が備えられている形態とすることができる。尚、平面型表示装置の構成部品として、ビスやボルトを含むネジを挙げることができる。また、搬入部において、平面型表示装置を第1リフターに載置し、次いで、第1リフターを上昇させて、平面型表示装置を上方に移動させた後、真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、搬出部において、第2リフターを上昇させて平面型表示装置を第2リフターに載置して、真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解除した後、第2リフターを下降させる構成とすることができる。搬入部への平面型表示装置の搬入や搬出部からの平面型表示装置の搬出には、例えば、コンベアを用いればよい。
【0020】
以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の平面型表示装置の解体装置、本発明の搬送装置、本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る平面型表示装置の解体方法(以下、これらを総称して、単に『本発明』と呼ぶ場合がある)においては、取付け部材に対して支持部材(更には、支持部材に取り付けられた真空吸着装置)を回転させるが、ここでの「回転」には、一方向への回転だけでなく、回動の概念、即ち、或る方向への回転、及び、この或る方向とは逆の方向への回転といった概念が含まれる。同様に、支持部材に対する真空吸着装置の「回転」、取付け手段の水平方向への「回転」にも、回動の概念が含まれる。
【0021】
取付け手段は、水平方向に移動させられるだけでなく、垂直方向に移動させられる形態とすることもできる。取付け手段を水平方向に移動させるときの水平方向をX方向、取付け手段を垂直方向に移動させるときの垂直方向をZ方向としたとき、更には、取付け手段はY方向に移動させられる形態とすることもできる。
【0022】
本発明において、平面型表示装置として、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置(PDP)だけでなく、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)、冷陰極電界電子放出素子を組み込んだ冷陰極電界電子放出表示装置(FED)、表面伝導型電子放出素子を組み込んだ表示装置(SED)を例示することができる。平面型表示装置の画像表示部とは、実際に画像を表示する部分であり、平面型表示装置の表面(おもてめん)であり、通常、平坦である。平面型表示装置の大きさ(対角公称インチ数)には、特段の制限は無い。
【0023】
本発明における真空吸着装置は、例えば、真空吸着パッド及び真空吸着パッド取付け部材から構成されており、真空吸着パッド取付け部材が回転自在に支持部材に取り付けられている。真空吸着パッドは、継手、配管等を介してバキュームユニットに接続され、バキュームユニットの作動によって真空吸着装置を真空吸着動作させる。本発明の解体装置等において、真空吸着装置やバキュームユニットは、周知の真空吸着装置、バキュームユニットを使用すればよい。真空吸着パッドの数や大きさ、バキュームユニットの真空引き能力は、解体すべき平面型表示装置の大きさ、重量等に基づき、適宜、選択すればよい。
【0024】
本発明の解体装置等において、取付け手段は、例えば、鉄や鋼、ステンレス鋼、アルミニウムやアルミニウム合金といった各種の金属や合金から作製すればよい。取付け部材は、例えば、板状の部材であり、上述した方法によって移動手段に取り付けられている。支持部材は、例えば、取付け部材と対向した支持部、支持部の水平方向両端部から水平方向に延びる腕部、及び、腕部の先端部に固定された真空吸着装置保持部から構成されている形態とすることができる。尚、真空吸着装置保持部が真空吸着パッド取付け部材を兼ねている場合もある。あるいは又、支持部材は、例えば、取付け部材と対向した支持部、支持部の略中央部から水平方向に延びる腕部、及び、腕部の先端部から垂直方向下方に延びる真空吸着装置保持部から構成されている形態、即ち、腕部と真空吸着装置保持部は「L」字状の部材から構成されている形態とすることもできる。支持部、腕部、真空吸着装置保持部は、例えば、一体に作製すればよいし、あるいは又、別々の部材として作製し、適切な方法で接合することで得ることができる。尚、接合方法の具体例として、溶接法、ボルトとナットを用いる方法を上げることができる。腕部は取付け部材から水平方向に延びており、真空吸着装置保持部は腕部から水平方向に延びている形態とすることができるが、この場合の「水平方向」は、厳密に水平方向である必要はないし、あるいは又、真空吸着装置保持部は腕部から垂直方向に延びている形態とすることができるが、この場合の「垂直方向」も、厳密に垂直方向である必要はなく、解体作業に支障が生じない程度に水平方向あるいは垂直方向に延びていればよい。支持部材(より具体的には、支持部)は取付け部材に対して回転自在に取り付けられているが、具体的には、例えば、スラスト軸受けや玉軸受けを介して支持部材を取付け部材に取り付ければよい。真空吸着装置は支持部材(より具体的には、真空吸着装置保持部)に回転自在に取り付けられているが、具体的には、例えば、スラスト軸受けや玉軸受けを介して真空吸着装置を支持部材に取り付ければよい。但し、以上の説明は例示であり、適宜、変更可能であることは云うまでもない。
【0025】
第1リフターや第2リフターといった各種リフターは周知のリフターから構成することができ、例えば、載置面にフリーローラーが配設されたテーブルリフターやサントカー、リフトテーブル、Xリフターを例示することができる。コンベアも周知のコンベアから構成することができ、例えば、フリーローラーコンベア、ローラーコンベア、ベルトコンベアを挙げることができる。平面型表示装置移動手段や第2の平面型表示装置移動手段も、フリーローラーコンベア、ローラーコンベア、ベルトコンベアから構成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明にあっては、平坦面である平面型表示装置の画像表示部を真空吸着装置によって真空吸着するので、取付け手段によって平面型表示装置を容易に、且つ、確実に上下反転させることができる。しかも、移動手段によって平面型表示装置を容易に移動させることができる。従って、簡素な構造を有する解体装置を用いて、解体作業のための平面型表示装置の位置変更、移動に労力を要せず、極めて合理的に、簡単に、しかも、平面型表示装置の大きさ、重量、形状に拘わらず、平面型表示装置の解体作業を行うことができる。更には、解体すべき平面型表示装置の機種、種類が換わっても、作業の切替え等を行うこと必要が無い。また、簡素な構造を有する搬送装置を用いて、解体作業のための平面型表示装置の位置変更、移動に労力を要せず、極めて合理的に、簡単に、しかも、平面型表示装置の大きさ、重量、形状に拘わらず、平面型表示装置の搬送を行うことができる。更には、解体すべき平面型表示装置の機種、種類が換わっても、同じ搬送装置を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置の模式的な部分的正面図、及び、取付け手段と真空吸着装置の模式的な斜視図である。
【図2】図2の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図、及び、図1の(A)の矢印に沿った模式的な断面図である。
【図3】図3の(A)及び(B)は、それぞれ、解体部における実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図である。
【図4】図4は、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための解体装置の概念図である。
【図5】図5は、図4に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための解体装置の概念図である。
【図6】図6は、図5に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための解体装置の概念図である。
【図7】図7は、図6に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための解体装置の概念図である。
【図8】図8は、図7に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための解体装置の概念図である。
【図9】図9の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例2の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置における取付け手段と真空吸着装置と移動手段の模式的な斜視図、及び、実施例2の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図である。
【図10】図10は、実施例2の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置、搬入部、解体部、搬出部の配置を模式的に示す図である。
【図11】図11は、実施例3の平面型表示装置の解体方法の実行に適した解体装置のレイアウト図である。
【図12】図12は、実施例3の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図である。
【図13】図13は、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図14】図14は、図13に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図15】図15は、図14に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図16】図16は、図15に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図17】図17は、図16に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図18】図18は、図17に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図19】図19は、図18に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印c、矢印dから移動手段等を眺めた模式図である。
【図20】図20は、図19に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印c、矢印dから移動手段等を眺めた模式図である。
【図21】図21は、図20に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印c、矢印dから移動手段等を眺めた模式図である。
【図22】図22は、図21に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印c、矢印dから移動手段等を眺めた模式図である。
【図23】図23は、図22に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印c、矢印dから移動手段等を眺めた模式図である。
【図24】図24の(A)及び(B)は、それぞれ、箱状の搬送用コンテナの模式的な斜視図、及び、ブレーキ機構の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。
【実施例1】
【0029】
実施例1は、本発明の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置、並びに、本発明の第1の態様に係る平面型表示装置の解体方法に関し、更には、第1の構成の解体装置及び搬送装置に関する。実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置の模式的な部分的正面図を図1の(A)に示し、取付け手段と真空吸着装置の模式的な斜視図を図1の(B)に示し、実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図を図2の(A)に示し、図1の(A)の矢印に沿った模式的な断面図を図2の(B)に示す。更には、解体部における実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図を図3の(A)及び(B)に示す。尚、実施例1の解体装置及び搬送装置における取付け手段及び真空吸着装置を上から眺めると、図10に示す取付け手段及び真空吸着装置と実質的に同じである。
【0030】
実施例1の解体装置あるいは搬送装置は、
(A)平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着する真空吸着装置40、
(B)取付け手段30、及び、
(C)取付け手段30を水平方向に移動させる移動手段20、
を備えている。そして、取付け手段30は、
(B−1)移動手段20に移動可能に取り付けられた取付け部材31、並びに、
(B−2)取付け部材31に対して水平方向に延び、且つ、水平軸AXHを回転軸として回転自在に取付け部材31に取り付けられた支持部材35、
から成り、
真空吸着装置40は、支持部材35に、具体的には、垂直軸AXVを回転軸として回転自在に支持部材35に取り付けられている。
【0031】
ここで、実施例1にあっては、取付け手段30を直線状に移動させる。具体的には、実施例1にあっては、移動手段20は水平方向に延びるレール部材21から成る。そして、レール部材21に係合するローラー33を取付け部材31(より具体的には、取付け部材31から水平に延びる突出部32)に取り付け、レール部材21上におけるローラー33の回動によって取付け手段30を水平方向に直線状に移動させる。尚、レール部材21は、適切な固定部材(図示せず)によって水平に固定されている。実施例1にあっては、取付け手段30はX方向にのみ移動させられ、Y方向、Z方向には移動させられないが、これに限定するものではなく、場合によっては、取付け手段30をZ方向に移動させてもよいし、Y方向及びZ方向に移動させてもよい。
【0032】
真空吸着装置40は、真空吸着パッド42及び真空吸着パッド取付け部材41から構成されており、真空吸着パッド取付け部材41が回転自在に支持部材35に取り付けられている。真空吸着パッド42は、継手、配管等を介してバキュームユニット(これらは図示せず)に接続され、バキュームユニットの作動によって真空吸着装置40を真空吸着動作させる。
【0033】
取付け手段30は、ステンレス鋼やアルミニウムから作製されている。取付け部材31は、板状の部材であり、上述した方法によって移動手段20に取り付けられている。支持部材35は、取付け部材31と対向した支持部36、支持部36の水平方向両端部から水平方向に延びる腕部37、及び、腕部37の先端部に固定された真空吸着装置保持部38から構成されている。支持部36、腕部37、真空吸着装置保持部38は、別々の部材として作製され、溶接することで作製されている。
【0034】
支持部材35(より具体的には、支持部36)は取付け部材31に対して回転自在に取り付けられているが、具体的には、スラスト軸受け22を介して支持部材35は取付け部材31に取り付けられている。また、真空吸着装置40は支持部材35(より具体的には、真空吸着装置保持部38)に回転自在に取り付けられているが、具体的には、スラスト軸受け34を介して真空吸着装置40は真空吸着装置保持部38に取り付けられている。
【0035】
移動手段20は、真空吸着装置40によって平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着するための搬入部60;平面型表示装置50の解体を行う解体部70;及び、真空吸着装置40による平面型表示装置50の画像表示部51の真空吸着を解除するための搬出部80から構成されている。そして、解体部70の下方には、平面型表示装置50の構成部品、例えば、ビスやボルトを含むネジを回収する回収箱71が備えられている。回収箱71の上部の大きさは、平面型表示装置50よりも大きい。
【0036】
図3の(A)及び(B)に示すように、回収箱71の前側側面72は、下端がヒンジ止めされており、作業者の動きに伴い、下端を中心として前方に傾く構造となっている。即ち、回収箱71の前面は、可倒式のエプロンから構成されている。このような構造とすることで、平面型表示装置50の位置に拘わらず、平面型表示装置50の構成部品、例えばネジを、単に落とすことで、確実に回収箱71にて回収することができるし、ネジの飛散を最小限に止めることができる。また、解体作業の終了時、回収箱71の上方において取付け部材31に対する支持部材35の回転(平面型表示装置50の上下反転)を行えば、平面型表示装置50に残されたネジを散乱させることなく回収箱71に落とすことができる。
【0037】
実施例1の平面型表示装置の解体方法にあっては、先ず、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置(PDP)といった平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態で真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着する。より具体的には、第1コンベア62によって搬入部60に平面型表示装置を搬入し、搬入部60において、平面型表示装置50を第1リフター61に載置する(図4参照)。次いで、第1リフター61を上昇させて平面型表示装置50を上方に移動させた後、真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着する。その後、第1リフター61を下降させる(図5参照)。
【0038】
次いで、真空吸着装置40によって平面型表示装置50を真空吸着した状態で、取付け手段30を水平方向に移動させ、解体部70において、取付け部材31に対して支持部材35を回転させることで平面型表示装置50の画像表示部51とは反対側の裏面(背面)52を上に向けた状態とし、この状態で平面型表示装置50の解体を行う(図6、図3の(A)及び(B)参照)。取付け手段30の水平方向への直線状の移動は、人手にて行うことができるし、モータ等の機械的、電気的な移動手段を用いてもよい。取付け部材31に対する支持部材35の回転(平面型表示装置50の上下反転)も、例えば、人手にて行うことができる。解体作業中、平面型表示装置50が上下反転しないように、適切な手段で平面型表示装置50の上下反転を防止すればよい。
【0039】
ここで、平面型表示装置50の裏面(背面)52を上に向けた状態とし、支持部材35に対して真空吸着装置40を回転させ、平面型表示装置50の解体を行う。即ち、支持部材35に対する真空吸着装置40の回転によって、平面型表示装置50を垂直軸AXVを回転軸として、水平面内を回転(あるいは回動)させる。これによって、解体を行う作業者の手が届かない平面型表示装置50の部位、部分が無くなるし、平面型表示装置50の如何なる部位、部分の解体をも、作業者が最も作業を行い易い位置において容易に行うことが可能となる。回収箱71の前側側面72は、作業者の動きに伴い下端を中心として前方に傾く構造となっているので、平面型表示装置50の位置に拘わらず、平面型表示装置50の構成部品を単に落とすことで確実に回収箱71にて回収することができる。尚、図3の(A)は平面型表示装置50の幅方向が平面型表示装置の移動方向と平行な状態を示し、図3の(B)は平面型表示装置50の幅方向が平面型表示装置の移動方向と直角である状態を示す。
【0040】
解体作業の完了後、取付け部材31に対して支持部材35を回転させることで平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態とし(平面型表示装置50の上下反転)、取付け手段30を水平方向に移動させる(図7参照)。その後、平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態で真空吸着装置40による画像表示部51の真空吸着を解除する。より具体的には、搬出部80において、第2リフター81を上昇させて平面型表示装置50を第2リフター81に載置して、真空吸着装置40による平面型表示装置50の画像表示部51の真空吸着を解除した後、第2リフター81を下降させる(図8参照)。その後、第2コンベア82によって搬出部80から平面型表示装置を搬出する。あるいは又、第2リフター81上で、平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態としたまま、平面型表示装置の別の部分の解体(例えば、画像表示部51の取り外し、液晶ユニット等の解体)を行ってもよい。
【0041】
実施例1にあっては、平坦面である平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着装置40によって真空吸着するので、取付け手段30によって平面型表示装置50を容易に、且つ、確実に上下反転させることができ、しかも、移動手段20によって平面型表示装置50を容易に移動させることができる。従って、簡素な構造を有する解体装置あるいは搬送装置10を用いて、解体作業あるいは搬送作業のための平面型表示装置50の位置変更、移動に労力を要せず、極めて合理的に、簡単に平面型表示装置50の解体作業あるいは搬送作業を行うことができる。尚、平面型表示装置の画像表示部とは反対側の裏面(背面)には、屡々、放熱や保守・点検のための開口部や孔部が設けられており、しかも、開口部や孔部の設けられた位置は、平面型表示装置の機種によって様々である。従って、真空吸着装置によって平面型表示装置の裏面を真空吸着することは極めて困難である。
【実施例2】
【0042】
実施例2は、実施例1の変形であるが、第2の構成の解体装置及び搬送装置に関する。実施例2の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置110における取付け手段130と真空吸着装置40と移動手段120の模式的な斜視図を図9の(A)に示し、実施例2の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置110を右手側から眺めた模式図を図9の(B)に示す。また、解体装置及び搬送装置110、搬入部60、解体部70、搬出部80の配置を模式的に図10に示す。
【0043】
実施例2の解体装置あるいは搬送装置110にあっては、取付け手段130を回転移動させる。実施例2にあっては、移動手段120は垂直に延びる(即ち、垂直軸AXVと平行に延びる)柱状部材121から成る。取付け部材131は移動手段120に回動可能に取り付けられている。具体的には、移動手段120(柱状部材121)への取付け部材131(より具体的には、取付け部材131から水平方向に延びる突出部132)の取り付けは、玉軸受け(図示せず)を用いて行えばよい。柱状部材121は、適切な固定部材によって垂直に固定されている。尚、取付け手段131を水平方向に回転させて移動させるが、例えば、人手にて行ってもよいし、モータ等の機械的、電気的な移動手段を用いてもよい。
【0044】
以上の点を除き、実施例2の解体装置あるいは搬送装置110は、実施例1の解体装置あるいは搬送装置10と同様とすることができるし、実施例2の平面型表示装置の解体方法も実施例1の平面型表示装置の解体方法と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例3】
【0045】
実施例3は、本発明の第2の態様に係る平面型表示装置の解体方法に関する。実施例3の平面型表示装置の解体方法の実行に適した解体装置のレイアウト図を図11に示す。また、実施例3の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図を図12に示す。
【0046】
実施例3の平面型表示装置の解体方法は、実施例1において説明した平面型表示装置の解体装置あるいは搬送装置(但し、ローラーコンベアから成る平面型表示装置移動手段261を更に備えている)を用いた解体方法である。尚、取付け手段30及び後述する第2の取付け手段230は、X方向、Y方向及びZ方向に移動させられる。そのためには、例えば、突出部32と取付け部材31との間に、平板90、及び、取付け部材31を水平方向に移動させるための取付け部材移動手段(Y方向への取付け部材移動手段)を配置する。取付け部材移動手段は、例えば、油圧シリンダー91や空気圧シリンダーから構成することができる。垂直方向(Z方向)に延びる平板90は、突出部32の端部に溶接法等の適切な方法で固定されている。また、油圧シリンダー91を構成するシリンダー台座部92は、適切な方法にてZ方向に滑動自在に平板90に取り付けられている。更には、油圧シリンダー91を構成するロッド部93の先端に取付け部材31を取り付ける。真空吸着装置40は、支持部材35に取り付けられていればよく、垂直軸AXVを回転軸として回転自在に支持部材35に取り付けることは必須ではない。
【0047】
実施例3の解体装置あるいは搬送装置は、更に、
(E)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する第2の真空吸着装置、
(F)第2の取付け手段230、
(G)第2の取付け手段230を水平方向に移動させる第2の移動手段220、及び、
(H)第2の平面型表示装置移動手段262、
を備えている。そして、
第2の取付け手段230は、
(F−1)第2の移動手段220に移動可能に取り付けられた第2の取付け部材、並びに、
(F−2)第2の取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた第2の支持部材、
から成る。
【0048】
ここで、第2の真空吸着装置及び第2の移動手段220の構成、構造は、実施例1にて説明した真空吸着装置40及び移動手段20の構成、構造と同じとすればよいので、詳細な説明は省略する。また、第2の取付け手段230の構成、構造は、平板90及び油圧シリンダー91を備えた上述した取付け手段30の構成、構造と同様とすればよいので、詳細な説明は省略する。第2の真空吸着装置は第2の支持部材に取り付けられている。第2の平面型表示装置移動手段262はローラーコンベアから成る。
【0049】
以下、実施例3の平面型表示装置の解体方法を図13〜図23を参照して説明するが、図13〜図18は、図11における矢印a、矢印bから眺めた模式図であり、図19〜図23は、図11における矢印c、矢印dから眺めた模式図である。
【0050】
実施例3の平面型表示装置の解体方法にあっては、先ず、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置(PDP)といった平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態で真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着する。具体的には、搬入用コンベア260によって搬入部に平面型表示装置を搬入する。そして、平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態で真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着する。より具体的には、取付け手段30を構成する油圧シリンダー91のロッド部93をY方向に伸長させた状態で、取付け部材31等を下降させ、真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着する。尚、図13は、真空吸着装置40の下降中の模式図であり、図14は、真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着した状態を示す模式図であり、図15は、真空吸着装置40を最上段に位置させた状態を示す模式図である。
【0051】
その後、真空吸着装置40によって平面型表示装置50を真空吸着した状態で、取付け手段30を水平方向(X方向、図11においては、矢印Aで示す)に移動させ、取付け部材31に対して支持部材35を回転させることで平面型表示装置50の画像表示部51とは反対側の裏面(背面)52を上に向けた状態とし、取付け部材31等を下降させ、平面型表示装置50の裏面(背面)52を上に向けた状態で平面型表示装置移動手段261に載置した後、真空吸着装置40による画像表示部51の真空吸着を解除する。平面型表示装置移動手段261の上流端領域の上には、搬送用コンテナ263が置かれており、搬送用コンテナ263に、裏面(背面)52を上に向けた状態で平面型表示装置50が載せられる。尚、図16は、平面型表示装置50の画像表示部51とは反対側の裏面(背面)52を上に向けた状態を示す模式図であり、図17は、真空吸着装置40の下降中の模式図である。また、図18は、裏面(背面)52を上に向けた状態で平面型表示装置50を搬送用コンテナ263に載せた後、真空吸着装置40による画像表示部51の真空吸着を解除し、次いで、油圧シリンダー91を作動させてロッド部93を縮めた状態とし、その後、真空吸着装置40を上昇させている状態を示す模式図である。
【0052】
斜視図を図24の(A)に示すように、頂面と2つの側面とが開放状態の箱状の搬送用コンテナ263は、対向する2つの側面265、及び、底面264を有し、側面265の内面は階段状となっており、種々の大きさの平面型表示装置50の外周部が側面265の内面の頂面265A(階段の踏面に相当する)上に載置可能である。尚、2つの側面265は、平面型表示装置移動手段上における平面型表示装置50の移動方向に沿って設けられている。底面264の中央部からは、下方に垂直に軸266が延びており、軸266の下端部は、台座267に回動自在に固定されている。これによって、搬送用コンテナ263に載置された平面型表示装置50は回動自在となり、解体を行う作業者の手が届かない平面型表示装置50の部位、部分が無くなるし、平面型表示装置50の如何なる部位、部分の解体をも、作業者が最も作業を行い易い位置において容易に行うことが可能となる。台座267が平面型表示装置移動手段261の上に載せられ、移動される。図24の(B)に模式図を示すように、平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段262には、足踏み式のブレーキ機構269が配設されており、ブレーキ機構269を軸266の径の大きな下端部266Aに接触させることで、平面型表示装置50の自由な回動、移動を抑制することができる。尚、図24の(B)においては、平面型表示装置移動手段261を一点鎖線で示した。
【0053】
そして、平面型表示装置移動手段261に平面型表示装置50を載置した状態で、平面型表示装置50を適切な位置まで平面型表示装置移動手段261の上を移動させた後、ブレーキ機構269を作動させて平面型表示装置50の自由な回動、移動を抑制した状態で、また、必要に応じて、ブレーキ機構269を解除して平面型表示装置50を回動させた後、再び、ブレーキ機構269を作動させて平面型表示装置50の自由な回動、移動を抑制した状態で、平面型表示装置50の裏面(背面)52の側から解体を行う。搬送用コンテナ263の移動は人手にて容易に行うことができる。
【0054】
解体後、搬送用コンテナ263に載置された平面型表示装置50を平面型表示装置移動手段261の下流端領域に移動させる。そして、平面型表示装置50の裏面52を上に向けた状態で第2の真空吸着装置によって画像表示部51を真空吸着する。具体的には、側面が設けられていない搬送用コンテナ263の部分から第2の真空吸着装置を搬送用コンテナ263の内部に挿入する。係る動作は、第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を下降させ、次いで、第2の取付け手段230を構成する油圧シリンダー(取付け部材移動手段)を作動させて、ロッド部を伸長させて搬送用コンテナ263の内部に挿入する。次いで、第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を若干上昇させて第2の真空吸着装置と平面型表示装置50の画像表示部51とを接触させた後、第2の真空吸着装置を作動させることで達成することができる。尚、図19は、第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を下降させている状態を示す模式図である。
【0055】
次いで、第2の真空吸着装置によって平面型表示装置50を真空吸着した状態で、第2の取付け手段230を水平方向(X方向、図11においては、矢印Bで示す)に移動させ、第2の取付け部材230に対して第2の支持部材を回転させることで平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態とする。具体的には、第2の真空吸着装置によって平面型表示装置50を真空吸着した状態で、第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を上昇させる。そして、第2の取付け手段230を水平方向(X方向)に移動させ、第2の取付け部材230に対して第2の支持部材を回転させることで平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態とする。尚、図20は、第2の真空吸着装置によって平面型表示装置50を真空吸着した状態で第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を上昇させている状態を示す模式図であり、図21は、第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を最上段に位置させた状態を示す模式図である。
【0056】
そして、平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態で、取付け部材等を下降させ、第2の平面型表示装置移動手段262に載置した後、第2の真空吸着装置による画像表示部51の真空吸着を解除する。第2の平面型表示装置移動手段262の上流端領域の上には、第2の搬送用コンテナ268が置かれており、第2の搬送用コンテナ268に、画像表示部51を上に向けた状態で平面型表示装置50が載せられる。第2の搬送用コンテナ268の構成、構造は、搬送用コンテナ263の構成、構造と同様とすればよい。尚、図22は、平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態を示す模式図であり、図23は、画像表示部51を上に向けた状態で平面型表示装置50が載せられ、第2の真空吸着装置による画像表示部51の真空吸着を解除した後、第2の真空吸着装置を上昇させている状態を示す模式図である。
【0057】
その後、第2の平面型表示装置移動手段262に平面型表示装置50を載置した状態で、平面型表示装置の解体(例えば、画像表示部51の取り外し、液晶ユニット等の解体)を画像表示部51の側から行う。尚、ブレーキ機構269を作動させて平面型表示装置50の自由な回動、移動を抑制した状態で、また、必要に応じて、ブレーキ機構269を解除して平面型表示装置50を回動させた後、再び、ブレーキ機構269を作動させて平面型表示装置50の自由な回動、移動を抑制した状態で、平面型表示装置の解体を行えばよい。解体後、第2の搬送用コンテナ268に載置された平面型表示装置50を第2の平面型表示装置移動手段262の下流端領域に移動させ、解体後の平面型表示装置50を別の場所に移動すればよい。第2の搬送用コンテナ268の移動は、人手にて容易に行うことができる。
【0058】
平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段262の上流端領域及び下流端領域にリフターを配置しておき、平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段262の下に、戻り用の移動手段を配しておけば、空の搬送用コンテナ263、第2の搬送用コンテナ268を平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段262の下流端領域から上流端領域に容易に戻すことができる。
【0059】
尚、平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段は1つに限定されず、複数の平面型表示装置移動手段261を並置してもよいし、第2の平面型表示装置移動手段262を並置してもよく、これによって、より効率良く平面型表示装置の解体を行うことができる。また、実施例3の解体装置あるいは搬送装置に対して、実施例2において説明した第2の構成の解体装置及び搬送装置を適用することもできるし、この場合にも、平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段は1つに限定されず、複数の平面型表示装置移動手段261を配置してもよいし、第2の平面型表示装置移動手段262を配置してもよい。
【0060】
以上、本発明の平面型表示装置の解体装置及び解体方法、並びに、搬送装置を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。移動手段、取付け手段、真空吸着装置の構成、構造は例示であり、適宜、変更することができる。真空吸着装置保持部38が真空吸着パッド取付け部材41を兼ねている構造とすることもできる。また、支持部材35を、例えば、取付け部材31と対向した支持部、支持部の略中央部から水平方向に延びる腕部、及び、腕部の先端部から垂直方向下方に延びる真空吸着装置保持部から構成されている形態、即ち、腕部と真空吸着装置保持部は「L」字状の部材から構成されている形態とすることもできる。あるいは又、腕部に対して真空吸着装置保持部を昇降させる昇降手段(例えば、油圧シリンダーや空気圧シリンダー)を配設してもよく、これによって、解体作業において平面型表示装置の裏面の高さを作業者に容易に合わせることが可能とする。
【符号の説明】
【0061】
10,110・・・解体装置あるいは搬送装置、20・・・移動手段、21・・・レール部材、22,34・・・スラスト軸受け、121・・・柱状部材、30・・・取付け手段、31,131・・・取付け部材、32,132・・・突出部、33・・・ローラー、35・・・支持部材、36・・・支持部、37・・・腕部、38・・・真空吸着装置保持部、40・・・真空吸着装置、41・・・真空吸着パッド取付け部材、42・・・真空吸着パッド、50・・・平面型表示装置、51・・・画像表示部、52・・・裏面(背面)、60・・・搬入部、61,81・・・リフター、70・・・解体部、71・・・回収箱、72・・・回収箱の前側側面、80・・・搬出部、90・・・平板、91・・・油圧シリンダー、92・・・シリンダー台座部、93・・・ロッド部、220・・・第2の移動手段、230・・・第2の取付け手段、261・・・平面型表示装置移動手段、262・・・第2の平面型表示装置移動手段、263,268・・・搬送用コンテナ、264・・・搬送用コンテナの底面、265・・・搬送用コンテナの側面、266・・・搬送用コンテナの軸、267・・・台座、269・・・ブレーキ機構、AXH・・・水平軸、AXV・・・垂直軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面型表示装置の解体装置及び解体方法、並びに、搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
平成21年4月から、テレビジョン受信機であって液晶式のもの(『液晶表示装置』と呼ぶ)及びプラズマ式のもの(『プラズマ表示装置』と呼ぶ)が、特定家庭用機器再商品化法(所謂、家電リサイクル法)の対象に追加された。それ故、液晶表示装置やプラズマ表示装置(以下、『平面型表示装置』と総称する)の解体作業の合理化、簡素化等の確立が急務である。
【0003】
ブラウン管式のテレビジョン受信機の解体装置や解体方法は、例えば、特開2000−350980、特開平10−263518、特開平9−115448等、多数の特許公開公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−350980
【特許文献2】特開平10−263518
【特許文献3】特開平9−115448
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在のところ、平面型表示装置を作業台に載置し、人手によって、作業台上で平面型表示装置を水平方向に回転させ、あるいは、上下反転させて、平面型表示装置を解体しており、解体作業、特に、解体作業のための平面型表示装置の移動に多大の労力を要している。
【0006】
従って、本発明の目的は、平面型表示装置の解体作業の合理化、簡素化を達成し得る平面型表示装置の解体装置、及び、係る解体装置を用いた平面型表示装置の解体方法、並びに、平面型表示装置の搬送に最適な搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置の解体装置あるいは本発明の平面型表示装置の搬送装置(以下、『本発明の搬送装置』と略称する)は、
(A)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、
(B)取付け手段、及び、
(C)取付け手段を水平方向に移動させる移動手段、
を備え、
取付け手段は、
(B−1)移動手段に移動可能に取り付けられた取付け部材、並びに、
(B−2)取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた支持部材、
から成り、
真空吸着装置は支持部材に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
ここで、水平軸、垂直軸とは解体装置あるいは搬送装置全体を眺めたときの水平軸、垂直軸を指し、例えば、取付け部材の法線は水平軸と平行であるし、取付け部材の高さ方向は垂直軸と平行である。
【0009】
本発明の平面型表示装置の解体装置あるいは本発明の平面型表示装置の搬送装置において、真空吸着装置は、垂直軸を回転軸として回転自在に支持部材に取り付けられている形態とすることができる。
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る平面型表示装置の解体方法は、上記の本発明の平面型表示装置の解体装置あるいは搬送装置(但し、真空吸着装置は、垂直軸を回転軸として回転自在に支持部材に取り付けられている)を用いた解体方法であって、
(a)平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(b)真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、取付け手段を水平方向に移動させ、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部とは反対側の裏面(背面)を上に向けた状態とし、この状態で平面型表示装置の解体を行い、その後、
(c)取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態とし、取付け手段を水平方向に移動させた後、平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除する、
各工程から成ることを特徴とする。
【0011】
尚、工程(b)においては、取付け手段を水平方向に移動させた後、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の裏面を上に向けた状態としてもよいし、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の裏面を上に向けた状態とした後、取付け手段を水平方向に移動させてもよい。そして、その後、平面型表示装置の裏面を上に向けた状態で平面型表示装置の解体を行う。また、工程(c)においては、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態とした後、取付け手段を水平方向に移動させてもよいし、取付け手段を水平方向に移動させた後、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態としてもよい。
【0012】
本発明の第1の態様に係る平面型表示装置の解体方法にあっては、前記工程(b)において、平面型表示装置の裏面(背面)を上に向けた状態とし、支持部材に対して真空吸着装置を回転させ、平面型表示装置の解体を行う形態とすることができる。支持部材に対する真空吸着装置の回転によって、平面型表示装置は垂直軸を回転軸として、水平面内を回転(あるいは回動)する。そして、これによって、解体を行う作業者の手が届かない平面型表示装置の部位、部分が無くなるし、平面型表示装置の如何なる部位、部分の解体をも、作業者が最も作業を行い易い位置において容易に行うことが可能となる。即ち、平面型表示装置の解体作業を行う部分を常に手前に位置させることができ、解体作業がより一層容易となる。
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る平面型表示装置の解体方法は、上記の本発明の平面型表示装置の解体装置あるいは搬送装置(但し、平面型表示装置移動手段を更に備えている)を用いた解体方法であって、
(a)平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(b)真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、取付け手段を水平方向に移動させ、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部とは反対側の裏面を上に向けた状態とし、平面型表示装置の裏面を上に向けた状態で平面型表示装置移動手段に載置した後、真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除し、
(c)平面型表示装置移動手段に平面型表示装置を載置した状態で、平面型表示装置の解体を行う、
各工程から成ることを特徴とする。
【0014】
尚、工程(b)、あるいは、後述する工程(e)においては、取付け手段を水平方向に移動させた後、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置を上下反転させてもよいし、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置を上下反転させた後、取付け手段を水平方向に移動させてもよい。
【0015】
そして、本発明の第2の態様に係る平面型表示装置の解体方法においては、
(E)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する第2の真空吸着装置、
(F)第2の取付け手段、
(G)第2の取付け手段を水平方向に移動させる第2の移動手段、及び、
(H)第2の平面型表示装置移動手段、
を更に備え、
第2の取付け手段は、
(B−1)第2の移動手段に移動可能に取り付けられた第2の取付け部材、並びに、
(B−2)第2の取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた第2の支持部材、
から成り、
第2の真空吸着装置は第2の支持部材に取り付けられており、
前記工程(c)に引き続き、
(d)平面型表示装置の裏面を上に向けた状態で第2の真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(e)第2の真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、第2の取付け手段を水平方向に移動させ、第2の取付け部材に対して第2の支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態とし、平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で第2の平面型表示装置移動手段に載置した後、第2の真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除し、
(f)第2の平面型表示装置移動手段に平面型表示装置を載置した状態で、平面型表示装置の解体を行う、
各工程から成る形態とすることもできる。
【0016】
尚、平面型表示装置移動手段及び第2の平面型表示装置移動手段は1つに限定されず、複数の平面型表示装置移動手段を並置してもよいし、第2の平面型表示装置移動手段を並置してもよく、これによって、より効率良く平面型表示装置の解体を行うことができる。
【0017】
本発明の平面型表示装置の解体装置、本発明の搬送装置、あるいは又、上記の好ましい形態を含む本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る平面型表示装置の解体方法に用いられる解体装置(以下、これらを総称して、『本発明の解体装置等』と呼ぶ)においては、取付け手段あるいは第2の取付け手段を直線状に移動させる構成とすることができる。尚、便宜上、このような構成の本発明の解体装置等を、『第1の構成の解体装置等』と呼ぶ。そして、この場合、移動手段あるいは第2の移動手段は水平方向に延びるレール部材から成る構成とすることができる。具体的には、例えば、レール部材に係合するローラーを取付け部材に取り付け、レール部材上におけるローラーの回動によって取付け手段を水平方向に直線状に移動させることができる。レール部材は、適切な固定部材によって水平に固定しておけばよい。
【0018】
あるいは又、本発明の解体装置等においては、取付け手段を回転移動させる構成とすることができる。尚、便宜上、このような構成の本発明の解体装置等を、『第2の構成の解体装置等』と呼ぶ。そして、この場合、移動手段は垂直に延びる(即ち、垂直軸と平行に延びる)柱状部材から成り、取付け部材は移動手段に回動可能に取り付けられている構成とすることができる。取付け部材の移動手段への取り付けは、例えば、玉軸受け(ボール軸受け、ボールベアリング)を用いて行うことができる。柱状部材は、適切な固定部材によって垂直に固定しておけばよい。
【0019】
更には、以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の平面型表示装置の解体装置、本発明の搬送装置、あるいは又、本発明の第1の態様に係る平面型表示装置の解体方法に用いられる解体装置において、移動手段は、真空吸着装置によって平面型表示装置の画像表示部を真空吸着するための搬入部;平面型表示装置の解体を行う解体部;及び、真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解除するための搬出部から構成されており、解体部の下方には、平面型表示装置の構成部品を回収する回収箱が備えられている形態とすることができる。尚、平面型表示装置の構成部品として、ビスやボルトを含むネジを挙げることができる。また、搬入部において、平面型表示装置を第1リフターに載置し、次いで、第1リフターを上昇させて、平面型表示装置を上方に移動させた後、真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、搬出部において、第2リフターを上昇させて平面型表示装置を第2リフターに載置して、真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解除した後、第2リフターを下降させる構成とすることができる。搬入部への平面型表示装置の搬入や搬出部からの平面型表示装置の搬出には、例えば、コンベアを用いればよい。
【0020】
以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の平面型表示装置の解体装置、本発明の搬送装置、本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る平面型表示装置の解体方法(以下、これらを総称して、単に『本発明』と呼ぶ場合がある)においては、取付け部材に対して支持部材(更には、支持部材に取り付けられた真空吸着装置)を回転させるが、ここでの「回転」には、一方向への回転だけでなく、回動の概念、即ち、或る方向への回転、及び、この或る方向とは逆の方向への回転といった概念が含まれる。同様に、支持部材に対する真空吸着装置の「回転」、取付け手段の水平方向への「回転」にも、回動の概念が含まれる。
【0021】
取付け手段は、水平方向に移動させられるだけでなく、垂直方向に移動させられる形態とすることもできる。取付け手段を水平方向に移動させるときの水平方向をX方向、取付け手段を垂直方向に移動させるときの垂直方向をZ方向としたとき、更には、取付け手段はY方向に移動させられる形態とすることもできる。
【0022】
本発明において、平面型表示装置として、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置(PDP)だけでなく、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)、冷陰極電界電子放出素子を組み込んだ冷陰極電界電子放出表示装置(FED)、表面伝導型電子放出素子を組み込んだ表示装置(SED)を例示することができる。平面型表示装置の画像表示部とは、実際に画像を表示する部分であり、平面型表示装置の表面(おもてめん)であり、通常、平坦である。平面型表示装置の大きさ(対角公称インチ数)には、特段の制限は無い。
【0023】
本発明における真空吸着装置は、例えば、真空吸着パッド及び真空吸着パッド取付け部材から構成されており、真空吸着パッド取付け部材が回転自在に支持部材に取り付けられている。真空吸着パッドは、継手、配管等を介してバキュームユニットに接続され、バキュームユニットの作動によって真空吸着装置を真空吸着動作させる。本発明の解体装置等において、真空吸着装置やバキュームユニットは、周知の真空吸着装置、バキュームユニットを使用すればよい。真空吸着パッドの数や大きさ、バキュームユニットの真空引き能力は、解体すべき平面型表示装置の大きさ、重量等に基づき、適宜、選択すればよい。
【0024】
本発明の解体装置等において、取付け手段は、例えば、鉄や鋼、ステンレス鋼、アルミニウムやアルミニウム合金といった各種の金属や合金から作製すればよい。取付け部材は、例えば、板状の部材であり、上述した方法によって移動手段に取り付けられている。支持部材は、例えば、取付け部材と対向した支持部、支持部の水平方向両端部から水平方向に延びる腕部、及び、腕部の先端部に固定された真空吸着装置保持部から構成されている形態とすることができる。尚、真空吸着装置保持部が真空吸着パッド取付け部材を兼ねている場合もある。あるいは又、支持部材は、例えば、取付け部材と対向した支持部、支持部の略中央部から水平方向に延びる腕部、及び、腕部の先端部から垂直方向下方に延びる真空吸着装置保持部から構成されている形態、即ち、腕部と真空吸着装置保持部は「L」字状の部材から構成されている形態とすることもできる。支持部、腕部、真空吸着装置保持部は、例えば、一体に作製すればよいし、あるいは又、別々の部材として作製し、適切な方法で接合することで得ることができる。尚、接合方法の具体例として、溶接法、ボルトとナットを用いる方法を上げることができる。腕部は取付け部材から水平方向に延びており、真空吸着装置保持部は腕部から水平方向に延びている形態とすることができるが、この場合の「水平方向」は、厳密に水平方向である必要はないし、あるいは又、真空吸着装置保持部は腕部から垂直方向に延びている形態とすることができるが、この場合の「垂直方向」も、厳密に垂直方向である必要はなく、解体作業に支障が生じない程度に水平方向あるいは垂直方向に延びていればよい。支持部材(より具体的には、支持部)は取付け部材に対して回転自在に取り付けられているが、具体的には、例えば、スラスト軸受けや玉軸受けを介して支持部材を取付け部材に取り付ければよい。真空吸着装置は支持部材(より具体的には、真空吸着装置保持部)に回転自在に取り付けられているが、具体的には、例えば、スラスト軸受けや玉軸受けを介して真空吸着装置を支持部材に取り付ければよい。但し、以上の説明は例示であり、適宜、変更可能であることは云うまでもない。
【0025】
第1リフターや第2リフターといった各種リフターは周知のリフターから構成することができ、例えば、載置面にフリーローラーが配設されたテーブルリフターやサントカー、リフトテーブル、Xリフターを例示することができる。コンベアも周知のコンベアから構成することができ、例えば、フリーローラーコンベア、ローラーコンベア、ベルトコンベアを挙げることができる。平面型表示装置移動手段や第2の平面型表示装置移動手段も、フリーローラーコンベア、ローラーコンベア、ベルトコンベアから構成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明にあっては、平坦面である平面型表示装置の画像表示部を真空吸着装置によって真空吸着するので、取付け手段によって平面型表示装置を容易に、且つ、確実に上下反転させることができる。しかも、移動手段によって平面型表示装置を容易に移動させることができる。従って、簡素な構造を有する解体装置を用いて、解体作業のための平面型表示装置の位置変更、移動に労力を要せず、極めて合理的に、簡単に、しかも、平面型表示装置の大きさ、重量、形状に拘わらず、平面型表示装置の解体作業を行うことができる。更には、解体すべき平面型表示装置の機種、種類が換わっても、作業の切替え等を行うこと必要が無い。また、簡素な構造を有する搬送装置を用いて、解体作業のための平面型表示装置の位置変更、移動に労力を要せず、極めて合理的に、簡単に、しかも、平面型表示装置の大きさ、重量、形状に拘わらず、平面型表示装置の搬送を行うことができる。更には、解体すべき平面型表示装置の機種、種類が換わっても、同じ搬送装置を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置の模式的な部分的正面図、及び、取付け手段と真空吸着装置の模式的な斜視図である。
【図2】図2の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図、及び、図1の(A)の矢印に沿った模式的な断面図である。
【図3】図3の(A)及び(B)は、それぞれ、解体部における実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図である。
【図4】図4は、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための解体装置の概念図である。
【図5】図5は、図4に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための解体装置の概念図である。
【図6】図6は、図5に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための解体装置の概念図である。
【図7】図7は、図6に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための解体装置の概念図である。
【図8】図8は、図7に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための解体装置の概念図である。
【図9】図9の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例2の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置における取付け手段と真空吸着装置と移動手段の模式的な斜視図、及び、実施例2の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図である。
【図10】図10は、実施例2の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置、搬入部、解体部、搬出部の配置を模式的に示す図である。
【図11】図11は、実施例3の平面型表示装置の解体方法の実行に適した解体装置のレイアウト図である。
【図12】図12は、実施例3の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図である。
【図13】図13は、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図14】図14は、図13に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図15】図15は、図14に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図16】図16は、図15に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図17】図17は、図16に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図18】図18は、図17に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印a、矢印bから移動手段等を眺めた模式図である。
【図19】図19は、図18に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印c、矢印dから移動手段等を眺めた模式図である。
【図20】図20は、図19に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印c、矢印dから移動手段等を眺めた模式図である。
【図21】図21は、図20に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印c、矢印dから移動手段等を眺めた模式図である。
【図22】図22は、図21に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印c、矢印dから移動手段等を眺めた模式図である。
【図23】図23は、図22に引き続き、実施例3の平面型表示装置の解体方法を説明するための、図11の矢印c、矢印dから移動手段等を眺めた模式図である。
【図24】図24の(A)及び(B)は、それぞれ、箱状の搬送用コンテナの模式的な斜視図、及び、ブレーキ機構の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。
【実施例1】
【0029】
実施例1は、本発明の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置、並びに、本発明の第1の態様に係る平面型表示装置の解体方法に関し、更には、第1の構成の解体装置及び搬送装置に関する。実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置の模式的な部分的正面図を図1の(A)に示し、取付け手段と真空吸着装置の模式的な斜視図を図1の(B)に示し、実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図を図2の(A)に示し、図1の(A)の矢印に沿った模式的な断面図を図2の(B)に示す。更には、解体部における実施例1の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図を図3の(A)及び(B)に示す。尚、実施例1の解体装置及び搬送装置における取付け手段及び真空吸着装置を上から眺めると、図10に示す取付け手段及び真空吸着装置と実質的に同じである。
【0030】
実施例1の解体装置あるいは搬送装置は、
(A)平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着する真空吸着装置40、
(B)取付け手段30、及び、
(C)取付け手段30を水平方向に移動させる移動手段20、
を備えている。そして、取付け手段30は、
(B−1)移動手段20に移動可能に取り付けられた取付け部材31、並びに、
(B−2)取付け部材31に対して水平方向に延び、且つ、水平軸AXHを回転軸として回転自在に取付け部材31に取り付けられた支持部材35、
から成り、
真空吸着装置40は、支持部材35に、具体的には、垂直軸AXVを回転軸として回転自在に支持部材35に取り付けられている。
【0031】
ここで、実施例1にあっては、取付け手段30を直線状に移動させる。具体的には、実施例1にあっては、移動手段20は水平方向に延びるレール部材21から成る。そして、レール部材21に係合するローラー33を取付け部材31(より具体的には、取付け部材31から水平に延びる突出部32)に取り付け、レール部材21上におけるローラー33の回動によって取付け手段30を水平方向に直線状に移動させる。尚、レール部材21は、適切な固定部材(図示せず)によって水平に固定されている。実施例1にあっては、取付け手段30はX方向にのみ移動させられ、Y方向、Z方向には移動させられないが、これに限定するものではなく、場合によっては、取付け手段30をZ方向に移動させてもよいし、Y方向及びZ方向に移動させてもよい。
【0032】
真空吸着装置40は、真空吸着パッド42及び真空吸着パッド取付け部材41から構成されており、真空吸着パッド取付け部材41が回転自在に支持部材35に取り付けられている。真空吸着パッド42は、継手、配管等を介してバキュームユニット(これらは図示せず)に接続され、バキュームユニットの作動によって真空吸着装置40を真空吸着動作させる。
【0033】
取付け手段30は、ステンレス鋼やアルミニウムから作製されている。取付け部材31は、板状の部材であり、上述した方法によって移動手段20に取り付けられている。支持部材35は、取付け部材31と対向した支持部36、支持部36の水平方向両端部から水平方向に延びる腕部37、及び、腕部37の先端部に固定された真空吸着装置保持部38から構成されている。支持部36、腕部37、真空吸着装置保持部38は、別々の部材として作製され、溶接することで作製されている。
【0034】
支持部材35(より具体的には、支持部36)は取付け部材31に対して回転自在に取り付けられているが、具体的には、スラスト軸受け22を介して支持部材35は取付け部材31に取り付けられている。また、真空吸着装置40は支持部材35(より具体的には、真空吸着装置保持部38)に回転自在に取り付けられているが、具体的には、スラスト軸受け34を介して真空吸着装置40は真空吸着装置保持部38に取り付けられている。
【0035】
移動手段20は、真空吸着装置40によって平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着するための搬入部60;平面型表示装置50の解体を行う解体部70;及び、真空吸着装置40による平面型表示装置50の画像表示部51の真空吸着を解除するための搬出部80から構成されている。そして、解体部70の下方には、平面型表示装置50の構成部品、例えば、ビスやボルトを含むネジを回収する回収箱71が備えられている。回収箱71の上部の大きさは、平面型表示装置50よりも大きい。
【0036】
図3の(A)及び(B)に示すように、回収箱71の前側側面72は、下端がヒンジ止めされており、作業者の動きに伴い、下端を中心として前方に傾く構造となっている。即ち、回収箱71の前面は、可倒式のエプロンから構成されている。このような構造とすることで、平面型表示装置50の位置に拘わらず、平面型表示装置50の構成部品、例えばネジを、単に落とすことで、確実に回収箱71にて回収することができるし、ネジの飛散を最小限に止めることができる。また、解体作業の終了時、回収箱71の上方において取付け部材31に対する支持部材35の回転(平面型表示装置50の上下反転)を行えば、平面型表示装置50に残されたネジを散乱させることなく回収箱71に落とすことができる。
【0037】
実施例1の平面型表示装置の解体方法にあっては、先ず、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置(PDP)といった平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態で真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着する。より具体的には、第1コンベア62によって搬入部60に平面型表示装置を搬入し、搬入部60において、平面型表示装置50を第1リフター61に載置する(図4参照)。次いで、第1リフター61を上昇させて平面型表示装置50を上方に移動させた後、真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着する。その後、第1リフター61を下降させる(図5参照)。
【0038】
次いで、真空吸着装置40によって平面型表示装置50を真空吸着した状態で、取付け手段30を水平方向に移動させ、解体部70において、取付け部材31に対して支持部材35を回転させることで平面型表示装置50の画像表示部51とは反対側の裏面(背面)52を上に向けた状態とし、この状態で平面型表示装置50の解体を行う(図6、図3の(A)及び(B)参照)。取付け手段30の水平方向への直線状の移動は、人手にて行うことができるし、モータ等の機械的、電気的な移動手段を用いてもよい。取付け部材31に対する支持部材35の回転(平面型表示装置50の上下反転)も、例えば、人手にて行うことができる。解体作業中、平面型表示装置50が上下反転しないように、適切な手段で平面型表示装置50の上下反転を防止すればよい。
【0039】
ここで、平面型表示装置50の裏面(背面)52を上に向けた状態とし、支持部材35に対して真空吸着装置40を回転させ、平面型表示装置50の解体を行う。即ち、支持部材35に対する真空吸着装置40の回転によって、平面型表示装置50を垂直軸AXVを回転軸として、水平面内を回転(あるいは回動)させる。これによって、解体を行う作業者の手が届かない平面型表示装置50の部位、部分が無くなるし、平面型表示装置50の如何なる部位、部分の解体をも、作業者が最も作業を行い易い位置において容易に行うことが可能となる。回収箱71の前側側面72は、作業者の動きに伴い下端を中心として前方に傾く構造となっているので、平面型表示装置50の位置に拘わらず、平面型表示装置50の構成部品を単に落とすことで確実に回収箱71にて回収することができる。尚、図3の(A)は平面型表示装置50の幅方向が平面型表示装置の移動方向と平行な状態を示し、図3の(B)は平面型表示装置50の幅方向が平面型表示装置の移動方向と直角である状態を示す。
【0040】
解体作業の完了後、取付け部材31に対して支持部材35を回転させることで平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態とし(平面型表示装置50の上下反転)、取付け手段30を水平方向に移動させる(図7参照)。その後、平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態で真空吸着装置40による画像表示部51の真空吸着を解除する。より具体的には、搬出部80において、第2リフター81を上昇させて平面型表示装置50を第2リフター81に載置して、真空吸着装置40による平面型表示装置50の画像表示部51の真空吸着を解除した後、第2リフター81を下降させる(図8参照)。その後、第2コンベア82によって搬出部80から平面型表示装置を搬出する。あるいは又、第2リフター81上で、平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態としたまま、平面型表示装置の別の部分の解体(例えば、画像表示部51の取り外し、液晶ユニット等の解体)を行ってもよい。
【0041】
実施例1にあっては、平坦面である平面型表示装置50の画像表示部51を真空吸着装置40によって真空吸着するので、取付け手段30によって平面型表示装置50を容易に、且つ、確実に上下反転させることができ、しかも、移動手段20によって平面型表示装置50を容易に移動させることができる。従って、簡素な構造を有する解体装置あるいは搬送装置10を用いて、解体作業あるいは搬送作業のための平面型表示装置50の位置変更、移動に労力を要せず、極めて合理的に、簡単に平面型表示装置50の解体作業あるいは搬送作業を行うことができる。尚、平面型表示装置の画像表示部とは反対側の裏面(背面)には、屡々、放熱や保守・点検のための開口部や孔部が設けられており、しかも、開口部や孔部の設けられた位置は、平面型表示装置の機種によって様々である。従って、真空吸着装置によって平面型表示装置の裏面を真空吸着することは極めて困難である。
【実施例2】
【0042】
実施例2は、実施例1の変形であるが、第2の構成の解体装置及び搬送装置に関する。実施例2の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置110における取付け手段130と真空吸着装置40と移動手段120の模式的な斜視図を図9の(A)に示し、実施例2の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置110を右手側から眺めた模式図を図9の(B)に示す。また、解体装置及び搬送装置110、搬入部60、解体部70、搬出部80の配置を模式的に図10に示す。
【0043】
実施例2の解体装置あるいは搬送装置110にあっては、取付け手段130を回転移動させる。実施例2にあっては、移動手段120は垂直に延びる(即ち、垂直軸AXVと平行に延びる)柱状部材121から成る。取付け部材131は移動手段120に回動可能に取り付けられている。具体的には、移動手段120(柱状部材121)への取付け部材131(より具体的には、取付け部材131から水平方向に延びる突出部132)の取り付けは、玉軸受け(図示せず)を用いて行えばよい。柱状部材121は、適切な固定部材によって垂直に固定されている。尚、取付け手段131を水平方向に回転させて移動させるが、例えば、人手にて行ってもよいし、モータ等の機械的、電気的な移動手段を用いてもよい。
【0044】
以上の点を除き、実施例2の解体装置あるいは搬送装置110は、実施例1の解体装置あるいは搬送装置10と同様とすることができるし、実施例2の平面型表示装置の解体方法も実施例1の平面型表示装置の解体方法と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【実施例3】
【0045】
実施例3は、本発明の第2の態様に係る平面型表示装置の解体方法に関する。実施例3の平面型表示装置の解体方法の実行に適した解体装置のレイアウト図を図11に示す。また、実施例3の平面型表示装置の解体装置及び搬送装置を右手側から眺めた模式図を図12に示す。
【0046】
実施例3の平面型表示装置の解体方法は、実施例1において説明した平面型表示装置の解体装置あるいは搬送装置(但し、ローラーコンベアから成る平面型表示装置移動手段261を更に備えている)を用いた解体方法である。尚、取付け手段30及び後述する第2の取付け手段230は、X方向、Y方向及びZ方向に移動させられる。そのためには、例えば、突出部32と取付け部材31との間に、平板90、及び、取付け部材31を水平方向に移動させるための取付け部材移動手段(Y方向への取付け部材移動手段)を配置する。取付け部材移動手段は、例えば、油圧シリンダー91や空気圧シリンダーから構成することができる。垂直方向(Z方向)に延びる平板90は、突出部32の端部に溶接法等の適切な方法で固定されている。また、油圧シリンダー91を構成するシリンダー台座部92は、適切な方法にてZ方向に滑動自在に平板90に取り付けられている。更には、油圧シリンダー91を構成するロッド部93の先端に取付け部材31を取り付ける。真空吸着装置40は、支持部材35に取り付けられていればよく、垂直軸AXVを回転軸として回転自在に支持部材35に取り付けることは必須ではない。
【0047】
実施例3の解体装置あるいは搬送装置は、更に、
(E)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する第2の真空吸着装置、
(F)第2の取付け手段230、
(G)第2の取付け手段230を水平方向に移動させる第2の移動手段220、及び、
(H)第2の平面型表示装置移動手段262、
を備えている。そして、
第2の取付け手段230は、
(F−1)第2の移動手段220に移動可能に取り付けられた第2の取付け部材、並びに、
(F−2)第2の取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた第2の支持部材、
から成る。
【0048】
ここで、第2の真空吸着装置及び第2の移動手段220の構成、構造は、実施例1にて説明した真空吸着装置40及び移動手段20の構成、構造と同じとすればよいので、詳細な説明は省略する。また、第2の取付け手段230の構成、構造は、平板90及び油圧シリンダー91を備えた上述した取付け手段30の構成、構造と同様とすればよいので、詳細な説明は省略する。第2の真空吸着装置は第2の支持部材に取り付けられている。第2の平面型表示装置移動手段262はローラーコンベアから成る。
【0049】
以下、実施例3の平面型表示装置の解体方法を図13〜図23を参照して説明するが、図13〜図18は、図11における矢印a、矢印bから眺めた模式図であり、図19〜図23は、図11における矢印c、矢印dから眺めた模式図である。
【0050】
実施例3の平面型表示装置の解体方法にあっては、先ず、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置(PDP)といった平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態で真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着する。具体的には、搬入用コンベア260によって搬入部に平面型表示装置を搬入する。そして、平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態で真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着する。より具体的には、取付け手段30を構成する油圧シリンダー91のロッド部93をY方向に伸長させた状態で、取付け部材31等を下降させ、真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着する。尚、図13は、真空吸着装置40の下降中の模式図であり、図14は、真空吸着装置40によって画像表示部51を真空吸着した状態を示す模式図であり、図15は、真空吸着装置40を最上段に位置させた状態を示す模式図である。
【0051】
その後、真空吸着装置40によって平面型表示装置50を真空吸着した状態で、取付け手段30を水平方向(X方向、図11においては、矢印Aで示す)に移動させ、取付け部材31に対して支持部材35を回転させることで平面型表示装置50の画像表示部51とは反対側の裏面(背面)52を上に向けた状態とし、取付け部材31等を下降させ、平面型表示装置50の裏面(背面)52を上に向けた状態で平面型表示装置移動手段261に載置した後、真空吸着装置40による画像表示部51の真空吸着を解除する。平面型表示装置移動手段261の上流端領域の上には、搬送用コンテナ263が置かれており、搬送用コンテナ263に、裏面(背面)52を上に向けた状態で平面型表示装置50が載せられる。尚、図16は、平面型表示装置50の画像表示部51とは反対側の裏面(背面)52を上に向けた状態を示す模式図であり、図17は、真空吸着装置40の下降中の模式図である。また、図18は、裏面(背面)52を上に向けた状態で平面型表示装置50を搬送用コンテナ263に載せた後、真空吸着装置40による画像表示部51の真空吸着を解除し、次いで、油圧シリンダー91を作動させてロッド部93を縮めた状態とし、その後、真空吸着装置40を上昇させている状態を示す模式図である。
【0052】
斜視図を図24の(A)に示すように、頂面と2つの側面とが開放状態の箱状の搬送用コンテナ263は、対向する2つの側面265、及び、底面264を有し、側面265の内面は階段状となっており、種々の大きさの平面型表示装置50の外周部が側面265の内面の頂面265A(階段の踏面に相当する)上に載置可能である。尚、2つの側面265は、平面型表示装置移動手段上における平面型表示装置50の移動方向に沿って設けられている。底面264の中央部からは、下方に垂直に軸266が延びており、軸266の下端部は、台座267に回動自在に固定されている。これによって、搬送用コンテナ263に載置された平面型表示装置50は回動自在となり、解体を行う作業者の手が届かない平面型表示装置50の部位、部分が無くなるし、平面型表示装置50の如何なる部位、部分の解体をも、作業者が最も作業を行い易い位置において容易に行うことが可能となる。台座267が平面型表示装置移動手段261の上に載せられ、移動される。図24の(B)に模式図を示すように、平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段262には、足踏み式のブレーキ機構269が配設されており、ブレーキ機構269を軸266の径の大きな下端部266Aに接触させることで、平面型表示装置50の自由な回動、移動を抑制することができる。尚、図24の(B)においては、平面型表示装置移動手段261を一点鎖線で示した。
【0053】
そして、平面型表示装置移動手段261に平面型表示装置50を載置した状態で、平面型表示装置50を適切な位置まで平面型表示装置移動手段261の上を移動させた後、ブレーキ機構269を作動させて平面型表示装置50の自由な回動、移動を抑制した状態で、また、必要に応じて、ブレーキ機構269を解除して平面型表示装置50を回動させた後、再び、ブレーキ機構269を作動させて平面型表示装置50の自由な回動、移動を抑制した状態で、平面型表示装置50の裏面(背面)52の側から解体を行う。搬送用コンテナ263の移動は人手にて容易に行うことができる。
【0054】
解体後、搬送用コンテナ263に載置された平面型表示装置50を平面型表示装置移動手段261の下流端領域に移動させる。そして、平面型表示装置50の裏面52を上に向けた状態で第2の真空吸着装置によって画像表示部51を真空吸着する。具体的には、側面が設けられていない搬送用コンテナ263の部分から第2の真空吸着装置を搬送用コンテナ263の内部に挿入する。係る動作は、第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を下降させ、次いで、第2の取付け手段230を構成する油圧シリンダー(取付け部材移動手段)を作動させて、ロッド部を伸長させて搬送用コンテナ263の内部に挿入する。次いで、第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を若干上昇させて第2の真空吸着装置と平面型表示装置50の画像表示部51とを接触させた後、第2の真空吸着装置を作動させることで達成することができる。尚、図19は、第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を下降させている状態を示す模式図である。
【0055】
次いで、第2の真空吸着装置によって平面型表示装置50を真空吸着した状態で、第2の取付け手段230を水平方向(X方向、図11においては、矢印Bで示す)に移動させ、第2の取付け部材230に対して第2の支持部材を回転させることで平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態とする。具体的には、第2の真空吸着装置によって平面型表示装置50を真空吸着した状態で、第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を上昇させる。そして、第2の取付け手段230を水平方向(X方向)に移動させ、第2の取付け部材230に対して第2の支持部材を回転させることで平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態とする。尚、図20は、第2の真空吸着装置によって平面型表示装置50を真空吸着した状態で第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を上昇させている状態を示す模式図であり、図21は、第2の取付け手段230を構成する取付け部材31等を最上段に位置させた状態を示す模式図である。
【0056】
そして、平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態で、取付け部材等を下降させ、第2の平面型表示装置移動手段262に載置した後、第2の真空吸着装置による画像表示部51の真空吸着を解除する。第2の平面型表示装置移動手段262の上流端領域の上には、第2の搬送用コンテナ268が置かれており、第2の搬送用コンテナ268に、画像表示部51を上に向けた状態で平面型表示装置50が載せられる。第2の搬送用コンテナ268の構成、構造は、搬送用コンテナ263の構成、構造と同様とすればよい。尚、図22は、平面型表示装置50の画像表示部51を上に向けた状態を示す模式図であり、図23は、画像表示部51を上に向けた状態で平面型表示装置50が載せられ、第2の真空吸着装置による画像表示部51の真空吸着を解除した後、第2の真空吸着装置を上昇させている状態を示す模式図である。
【0057】
その後、第2の平面型表示装置移動手段262に平面型表示装置50を載置した状態で、平面型表示装置の解体(例えば、画像表示部51の取り外し、液晶ユニット等の解体)を画像表示部51の側から行う。尚、ブレーキ機構269を作動させて平面型表示装置50の自由な回動、移動を抑制した状態で、また、必要に応じて、ブレーキ機構269を解除して平面型表示装置50を回動させた後、再び、ブレーキ機構269を作動させて平面型表示装置50の自由な回動、移動を抑制した状態で、平面型表示装置の解体を行えばよい。解体後、第2の搬送用コンテナ268に載置された平面型表示装置50を第2の平面型表示装置移動手段262の下流端領域に移動させ、解体後の平面型表示装置50を別の場所に移動すればよい。第2の搬送用コンテナ268の移動は、人手にて容易に行うことができる。
【0058】
平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段262の上流端領域及び下流端領域にリフターを配置しておき、平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段262の下に、戻り用の移動手段を配しておけば、空の搬送用コンテナ263、第2の搬送用コンテナ268を平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段262の下流端領域から上流端領域に容易に戻すことができる。
【0059】
尚、平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段は1つに限定されず、複数の平面型表示装置移動手段261を並置してもよいし、第2の平面型表示装置移動手段262を並置してもよく、これによって、より効率良く平面型表示装置の解体を行うことができる。また、実施例3の解体装置あるいは搬送装置に対して、実施例2において説明した第2の構成の解体装置及び搬送装置を適用することもできるし、この場合にも、平面型表示装置移動手段261及び第2の平面型表示装置移動手段は1つに限定されず、複数の平面型表示装置移動手段261を配置してもよいし、第2の平面型表示装置移動手段262を配置してもよい。
【0060】
以上、本発明の平面型表示装置の解体装置及び解体方法、並びに、搬送装置を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。移動手段、取付け手段、真空吸着装置の構成、構造は例示であり、適宜、変更することができる。真空吸着装置保持部38が真空吸着パッド取付け部材41を兼ねている構造とすることもできる。また、支持部材35を、例えば、取付け部材31と対向した支持部、支持部の略中央部から水平方向に延びる腕部、及び、腕部の先端部から垂直方向下方に延びる真空吸着装置保持部から構成されている形態、即ち、腕部と真空吸着装置保持部は「L」字状の部材から構成されている形態とすることもできる。あるいは又、腕部に対して真空吸着装置保持部を昇降させる昇降手段(例えば、油圧シリンダーや空気圧シリンダー)を配設してもよく、これによって、解体作業において平面型表示装置の裏面の高さを作業者に容易に合わせることが可能とする。
【符号の説明】
【0061】
10,110・・・解体装置あるいは搬送装置、20・・・移動手段、21・・・レール部材、22,34・・・スラスト軸受け、121・・・柱状部材、30・・・取付け手段、31,131・・・取付け部材、32,132・・・突出部、33・・・ローラー、35・・・支持部材、36・・・支持部、37・・・腕部、38・・・真空吸着装置保持部、40・・・真空吸着装置、41・・・真空吸着パッド取付け部材、42・・・真空吸着パッド、50・・・平面型表示装置、51・・・画像表示部、52・・・裏面(背面)、60・・・搬入部、61,81・・・リフター、70・・・解体部、71・・・回収箱、72・・・回収箱の前側側面、80・・・搬出部、90・・・平板、91・・・油圧シリンダー、92・・・シリンダー台座部、93・・・ロッド部、220・・・第2の移動手段、230・・・第2の取付け手段、261・・・平面型表示装置移動手段、262・・・第2の平面型表示装置移動手段、263,268・・・搬送用コンテナ、264・・・搬送用コンテナの底面、265・・・搬送用コンテナの側面、266・・・搬送用コンテナの軸、267・・・台座、269・・・ブレーキ機構、AXH・・・水平軸、AXV・・・垂直軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、
(B)取付け手段、及び、
(C)取付け手段を水平方向に移動させる移動手段、
を備え、
取付け手段は、
(B−1)移動手段に移動可能に取り付けられた取付け部材、並びに、
(B−2)取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた支持部材、
から成り、
真空吸着装置は、垂直軸を回転軸として回転自在に支持部材に取り付けられている平面型表示装置の解体装置を用いた解体方法であって、
(a)平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(b)真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、取付け手段を水平方向に移動させ、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部とは反対側の裏面を上に向けた状態とし、この状態で平面型表示装置の解体を行い、その後、
(c)取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態とし、取付け手段を水平方向に移動させた後、平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除する、
各工程から成ることを特徴とする平面型表示装置の解体方法。
【請求項2】
前記工程(b)において、平面型表示装置の裏面を上に向けた状態とし、支持部材に対して真空吸着装置を回転させ、平面型表示装置の解体を行うことを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項3】
取付け手段を直線状に移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項4】
移動手段は水平方向に延びるレール部材から成ることを特徴とする請求項3に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項5】
取付け手段を回転移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項6】
移動手段は垂直に延びる柱状部材から成り、
取付け部材は移動手段に回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項7】
移動手段は、
真空吸着装置によって平面型表示装置の画像表示部を真空吸着するための搬入部、
平面型表示装置の解体を行う解体部、及び、
真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解除するための搬出部、
から構成されており、
解体部の下方には、平面型表示装置の構成部品を回収する回収箱が備えられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項8】
平面型表示装置の構成部品はネジを含むことを特徴とする請求項7に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項9】
搬入部において、平面型表示装置を第1リフターに載置し、次いで、第1リフターを上昇させて、平面型表示装置を上方に移動させた後、真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、
搬出部において、第2リフターを上昇させて平面型表示装置を第2リフターに載置して、真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解除した後、第2リフターを下降させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項10】
(A)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、
(B)取付け手段、
(C)取付け手段を水平方向に移動させる移動手段、及び、
(D)平面型表示装置移動手段、
を備え、
取付け手段は、
(B−1)移動手段に移動可能に取り付けられた取付け部材、並びに、
(B−2)取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた支持部材、
から成り、
真空吸着装置は支持部材に取り付けられている平面型表示装置の解体装置を用いた解体方法であって、
(a)平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(b)真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、取付け手段を水平方向に移動させ、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部とは反対側の裏面を上に向けた状態とし、平面型表示装置の裏面を上に向けた状態で平面型表示装置移動手段に載置した後、真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除し、
(c)平面型表示装置移動手段に平面型表示装置を載置した状態で、平面型表示装置の解体を行う、
各工程から成ることを特徴とする平面型表示装置の解体方法。
【請求項11】
取付け手段を直線状に移動させることを特徴とする請求項10に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項12】
移動手段は水平方向に延びるレール部材から成ることを特徴とする請求項11に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項13】
(E)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する第2の真空吸着装置、
(F)第2の取付け手段、
(G)第2の取付け手段を水平方向に移動させる第2の移動手段、及び、
(H)第2の平面型表示装置移動手段、
を更に備え、
第2の取付け手段は、
(F−1)第2の移動手段に移動可能に取り付けられた第2の取付け部材、並びに、
(F−2)第2の取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた第2の支持部材、
から成り、
第2の真空吸着装置は第2の支持部材に取り付けられており、
前記工程(c)に引き続き、
(d)平面型表示装置の裏面を上に向けた状態で第2の真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(e)第2の真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、第2の取付け手段を水平方向に移動させ、第2の取付け部材に対して第2の支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態とし、平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で第2の平面型表示装置移動手段に載置した後、第2の真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除し、
(f)第2の平面型表示装置移動手段に平面型表示装置を載置した状態で、平面型表示装置の解体を行う、
各工程から成ることを特徴とする請求項10に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項14】
第2の取付け手段を直線状に移動させることを特徴とする請求項13に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項15】
第2の移動手段は水平方向に延びるレール部材から成ることを特徴とする請求項14に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項16】
(A)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、
(B)取付け手段、及び、
(C)取付け手段を水平方向に移動させる移動手段、
を備え、
取付け手段は、
(B−1)移動手段に移動可能に取り付けられた取付け部材、並びに、
(B−2)取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた支持部材、
から成り、
真空吸着装置は支持部材に取り付けられていることを特徴とする平面型表示装置の解体装置。
【請求項17】
真空吸着装置は、垂直軸を回転軸として回転自在に支持部材に取り付けられていることを特徴とする請求項16に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項18】
取付け手段を直線状に移動させることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項19】
移動手段は水平方向に延びるレール部材から成ることを特徴とする請求項18に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項20】
取付け手段を回転移動させることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項21】
移動手段は垂直に延びる柱状部材から成り、
取付け部材は移動手段に回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項20に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項22】
移動手段は、
真空吸着装置によって平面型表示装置の画像表示部を真空吸着するための搬入部、
平面型表示装置の解体を行う解体部、及び、
真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解除するための搬出部、
から構成されており、
解体部の下方には、平面型表示装置の構成部品を回収する回収箱が備えられていることを特徴とする請求項16乃至請求項21のいずれか1項に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項23】
平面型表示装置の構成部品はネジを含むことを特徴とする請求項22に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項24】
(A)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、
(B)取付け手段、及び、
(C)取付け手段を水平方向に移動させる移動手段、
を備え、
取付け手段は、
(B−1)移動手段に移動可能に取り付けられた取付け部材、並びに、
(B−2)取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた支持部材、
から成り、
真空吸着装置は支持部材に取り付けられていることを特徴とする平面型表示装置の搬送装置。
【請求項25】
真空吸着装置は、垂直軸を回転軸として回転自在に支持部材に取り付けられていることを特徴とする請求項24に記載の平面型表示装置の搬送装置。
【請求項1】
(A)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、
(B)取付け手段、及び、
(C)取付け手段を水平方向に移動させる移動手段、
を備え、
取付け手段は、
(B−1)移動手段に移動可能に取り付けられた取付け部材、並びに、
(B−2)取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた支持部材、
から成り、
真空吸着装置は、垂直軸を回転軸として回転自在に支持部材に取り付けられている平面型表示装置の解体装置を用いた解体方法であって、
(a)平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(b)真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、取付け手段を水平方向に移動させ、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部とは反対側の裏面を上に向けた状態とし、この状態で平面型表示装置の解体を行い、その後、
(c)取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態とし、取付け手段を水平方向に移動させた後、平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除する、
各工程から成ることを特徴とする平面型表示装置の解体方法。
【請求項2】
前記工程(b)において、平面型表示装置の裏面を上に向けた状態とし、支持部材に対して真空吸着装置を回転させ、平面型表示装置の解体を行うことを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項3】
取付け手段を直線状に移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項4】
移動手段は水平方向に延びるレール部材から成ることを特徴とする請求項3に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項5】
取付け手段を回転移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項6】
移動手段は垂直に延びる柱状部材から成り、
取付け部材は移動手段に回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項7】
移動手段は、
真空吸着装置によって平面型表示装置の画像表示部を真空吸着するための搬入部、
平面型表示装置の解体を行う解体部、及び、
真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解除するための搬出部、
から構成されており、
解体部の下方には、平面型表示装置の構成部品を回収する回収箱が備えられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項8】
平面型表示装置の構成部品はネジを含むことを特徴とする請求項7に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項9】
搬入部において、平面型表示装置を第1リフターに載置し、次いで、第1リフターを上昇させて、平面型表示装置を上方に移動させた後、真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、
搬出部において、第2リフターを上昇させて平面型表示装置を第2リフターに載置して、真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解除した後、第2リフターを下降させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項10】
(A)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、
(B)取付け手段、
(C)取付け手段を水平方向に移動させる移動手段、及び、
(D)平面型表示装置移動手段、
を備え、
取付け手段は、
(B−1)移動手段に移動可能に取り付けられた取付け部材、並びに、
(B−2)取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた支持部材、
から成り、
真空吸着装置は支持部材に取り付けられている平面型表示装置の解体装置を用いた解体方法であって、
(a)平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(b)真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、取付け手段を水平方向に移動させ、取付け部材に対して支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部とは反対側の裏面を上に向けた状態とし、平面型表示装置の裏面を上に向けた状態で平面型表示装置移動手段に載置した後、真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除し、
(c)平面型表示装置移動手段に平面型表示装置を載置した状態で、平面型表示装置の解体を行う、
各工程から成ることを特徴とする平面型表示装置の解体方法。
【請求項11】
取付け手段を直線状に移動させることを特徴とする請求項10に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項12】
移動手段は水平方向に延びるレール部材から成ることを特徴とする請求項11に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項13】
(E)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する第2の真空吸着装置、
(F)第2の取付け手段、
(G)第2の取付け手段を水平方向に移動させる第2の移動手段、及び、
(H)第2の平面型表示装置移動手段、
を更に備え、
第2の取付け手段は、
(F−1)第2の移動手段に移動可能に取り付けられた第2の取付け部材、並びに、
(F−2)第2の取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた第2の支持部材、
から成り、
第2の真空吸着装置は第2の支持部材に取り付けられており、
前記工程(c)に引き続き、
(d)平面型表示装置の裏面を上に向けた状態で第2の真空吸着装置によって画像表示部を真空吸着し、次いで、
(e)第2の真空吸着装置によって平面型表示装置を真空吸着した状態で、第2の取付け手段を水平方向に移動させ、第2の取付け部材に対して第2の支持部材を回転させることで平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態とし、平面型表示装置の画像表示部を上に向けた状態で第2の平面型表示装置移動手段に載置した後、第2の真空吸着装置による画像表示部の真空吸着を解除し、
(f)第2の平面型表示装置移動手段に平面型表示装置を載置した状態で、平面型表示装置の解体を行う、
各工程から成ることを特徴とする請求項10に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項14】
第2の取付け手段を直線状に移動させることを特徴とする請求項13に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項15】
第2の移動手段は水平方向に延びるレール部材から成ることを特徴とする請求項14に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項16】
(A)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、
(B)取付け手段、及び、
(C)取付け手段を水平方向に移動させる移動手段、
を備え、
取付け手段は、
(B−1)移動手段に移動可能に取り付けられた取付け部材、並びに、
(B−2)取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた支持部材、
から成り、
真空吸着装置は支持部材に取り付けられていることを特徴とする平面型表示装置の解体装置。
【請求項17】
真空吸着装置は、垂直軸を回転軸として回転自在に支持部材に取り付けられていることを特徴とする請求項16に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項18】
取付け手段を直線状に移動させることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項19】
移動手段は水平方向に延びるレール部材から成ることを特徴とする請求項18に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項20】
取付け手段を回転移動させることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項21】
移動手段は垂直に延びる柱状部材から成り、
取付け部材は移動手段に回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項20に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項22】
移動手段は、
真空吸着装置によって平面型表示装置の画像表示部を真空吸着するための搬入部、
平面型表示装置の解体を行う解体部、及び、
真空吸着装置による平面型表示装置の画像表示部の真空吸着を解除するための搬出部、
から構成されており、
解体部の下方には、平面型表示装置の構成部品を回収する回収箱が備えられていることを特徴とする請求項16乃至請求項21のいずれか1項に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項23】
平面型表示装置の構成部品はネジを含むことを特徴とする請求項22に記載の平面型表示装置の解体装置。
【請求項24】
(A)平面型表示装置の画像表示部を真空吸着する真空吸着装置、
(B)取付け手段、及び、
(C)取付け手段を水平方向に移動させる移動手段、
を備え、
取付け手段は、
(B−1)移動手段に移動可能に取り付けられた取付け部材、並びに、
(B−2)取付け部材に対して水平方向に延び、且つ、水平軸を回転軸として回転自在に取付け部材に取り付けられた支持部材、
から成り、
真空吸着装置は支持部材に取り付けられていることを特徴とする平面型表示装置の搬送装置。
【請求項25】
真空吸着装置は、垂直軸を回転軸として回転自在に支持部材に取り付けられていることを特徴とする請求項24に記載の平面型表示装置の搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−212664(P2011−212664A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136199(P2010−136199)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(501282659)グリーンサイクル株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(501282659)グリーンサイクル株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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