床下支持型耐震避難テーブル
【課題】 テーブルをより強固確実に支承することができ、さらに現場への搬入が左右支柱の分離ユニット化により間口の大きさに関わらずどこへでも可能で組立ても容易になった床下支持型耐震避難テーブルを提供することができる。
【解決手段】 天板と、天板の長手方向である左右両端に一対ずつ配備されるようにして床下地盤側から立設されて床に開けられた孔を通じて床上に立ち上がりその上端に天板が連結される複数本の支柱とを備えた床下支持型耐震避難テーブルであって、前記左右各端部の一対の支柱は、端板によって互いにつながれて1つのユニットとして現場に搬入可能とされるとともに、現場では、左右各一対の支柱同士をつなぎ材で連結して天板下の補強部材としたことを特徴とする。
【解決手段】 天板と、天板の長手方向である左右両端に一対ずつ配備されるようにして床下地盤側から立設されて床に開けられた孔を通じて床上に立ち上がりその上端に天板が連結される複数本の支柱とを備えた床下支持型耐震避難テーブルであって、前記左右各端部の一対の支柱は、端板によって互いにつながれて1つのユニットとして現場に搬入可能とされるとともに、現場では、左右各一対の支柱同士をつなぎ材で連結して天板下の補強部材としたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床下支持型耐震避難テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
地震に伴う家屋の倒壊は圧死を招き、先の地震でも圧死した人の多いことが問題となった。その一方で、一般国民には、緊急地震速報や地震警報器などの手段でP波発生直後に地震来襲の警告を発することができるようになった。しかしながら、警告を発するようになっても住民は確固たる逃げ場所がないのが実状である。その一対策案として、例えば、特許第3779381号などのように食卓テーブルを下支えする地震用つかまり棒のような技術が開示されているが、こうしたつかまり棒は上からの負荷に耐えるだけでテーブルの盲動は防ぐことができず、避難場所としては危険である。テーブルの盲動を確実に抑えることができしかも避難場所を床下空間とした安全な防護装置が下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2009−082685
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の図7(右下欄)には、土台をアンカー金具により床下地盤側に固定し、その土台から4本の支柱を立てて床の孔を突き抜けて床上に立ち上がるようにするとともに、それらの支柱上を介してテーブルを固定し、床の孔には開閉自在な蓋を装備して平時はその蓋が床となって食事時の足床を提供する一方地震時には蓋を開けることで床下からテーブルまでの高く広い避難空間を提供できるようにしてある。
しかしながら、同公報1に開示する床下支持型耐震避難テーブルのテーブルと支柱とはとりわけ強度の向上を図ったものでなく通常の連結の仕方をしたものにすぎないため、そのままでは激しい倒壊を伴うときテーブルが損壊するおそれがあるという懸念が残されていた。また、このテーブルは全支柱とテーブルとが一体ものであるので、現場に搬入する際に間口を通過しにくい不都合もあった。
【0005】
本発明は、このような従来の方法が有していた問題を解決しようとするものであり、テーブルをより強固確実に支承することができ、さらに現場への搬入が左右支柱の分離ユニット化により間口の大きさに関わらずどこへでも可能で組立ても容易になった床下支持型耐震避難テーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、天板と、天板の長手方向である左右両端に一対ずつ配備されるようにして床下地盤側から立設されて床に開けられた孔を通じて床上に立ち上がりその上端に天板が連結される複数本の支柱とを備えた床下支持型耐震避難テーブルであって、前記左右各端部の一対の支柱は、端板によって互いにつながれて1つのユニットとして現場に搬入可能とされるとともに、現場では、左右各一対の支柱同士をつなぎ材で連結して天板下の補強部材としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述したように本発明の床下支持型耐震避難テーブルは、天板と、天板の長手方向である左右両端に一対ずつ配備されるようにして床下地盤側から立設されて床に開けられた孔を通じて床上に立ち上がりその上端に天板が連結される複数本の支柱とを備えた床下支持型耐震避難テーブルであって、前記左右各端部の一対の支柱は、端板によって互いにつながれて1つのユニットとして現場に搬入可能とされるとともに、現場では、左右各一対の支柱同士をつなぎ材で連結して天板下の補強部材としたことを特徴とするので、テーブルをより強固確実に支承することができ、さらに現場への搬入が左右支柱の分離ユニット化により間口の大きさに関わらずどこへでも可能で組立ても容易になった床下支持型耐震避難テーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】床下支持型耐震避難テーブルについての実施形態を示す図2のA−A線断面図。
【図2】図1のB−B線断面図。
【図3】図2のC−C線断面図。
【図4】図2のD−D線断面図。
【図5】図2のE−E線断面図。
【図6】図2の要部拡大分解斜視図。
【図7】他の実施形態を示す斜視図。
【図8】他の実施形態を示す正面図。
【図9】図8の右側面図。
【図10】他の実施形態を示す右側面図。
【図11】他の実施形態を示す正面図。
【図12】図11の右側面図。
【図13】他の実施形態を示す正面図。
【図14】図13の右側面図。
【図15】他の実施形態を示す正面図。
【図16】他の実施形態を示す正面図。
【図17】他の実施形態を示す正面図。
【図18】他の実施形態を示す正面図。
【図19】他の実施形態を示す平面図。
【図20】図19の右側面図。
【図21】図20の正面図。
【図22】他の実施形態を示す右側面図。
【図23】他の実施形態を示す右側面図。
【図24】他の実施形態を示す正面図。
【図25】他の実施形態を示す右側面図。
【図26】他の実施形態を示す右側面図。
【図27】他の実施形態を示す右側断面図。
【図28】他の実施形態を示す右側断面図。
【図29】座卓についての他の実施形態を示す平面図。
【図30】図29の正面図。
【図31】図30の右側面図。
【図32】他の実施形態を示す平面図。
【図33】他の実施形態を示す右側面図。
【図34】付加的な提案例を示す縦断面図。
【図35】耐震避難装置についての他の実施形態を示す平面図。
【図36】図35の正面図。
【図37】図36のG−G線拡大断面図。
【図38】耐震避難装置についての他の実施形態を示す正面図。
【図39】耐震避難装置用の高椅子の他の実施形態を示す側面図。
【図40】図39の椅子の平面図。
【図41】高椅子へのステップ例を示す説明図。
【図42】高机内を耐震避難空間とした例を示す図43の横断面図。
【図43】図42の正面図。
【図44】図43の右側面図。
【図45】側面から収納庫を開閉可能とした例を示す左側面図。
【図46】他の実施形態を示す正面図。
【図47】左右側部をも避難空間とした他の実施形態を示す横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態を図1〜図6に基づいて説明する。尚、各実施形態で説明する個別(細部を含む)の案は他の実施形態にも適用があるものとする。
【0010】
図1ないし図6は、床下支持型耐震避難テーブルについての実施形態を示す。この実施形態は食卓(ダイニングテーブル)についてのものであるが事務机や書斎机、さらに座卓など各種テーブル類を含む。500は床板で、床板とその上の畳であることもある。大引きや根太などの床下構造は一般的な構造であるのでここでは図示省略してある。501は床下地盤でテーブルに対応する面は平坦に整地されている。
【0011】
床板500の特定個所には、矩形の穴が明けられ、同穴を通じてこの実施形態にかかるテーブルが固定設置されている。テーブルは、四角な金属パイプである支柱502を4本備え、同支柱502は、長さが約1130mmで、床面から下に490mmで上に通常高さである640mm(図2のH1)突き出すように設定されている。図2の左右各一対の支柱502は、現場搬入可能で運搬が個別にできるようにそれぞれ一体ものになっている。
【0012】
各側の支柱502は、下端においてアングル型の底つなぎ材503で、また、床下直ぐの高さに対応して中段前後間つなぎ材504でそれぞれ溶接により一体連結されている。さらに、両支柱502の下部間は、図5に逆V字形で示すように両筋交い505で補強一体化されている。支柱502の上端の例えば、右側一対間には、図6に示すように、端板507と補強隅金具508により金属板で一体連結されている。端板507は、矩形の本板部分509とその一側辺に立ち上がり状に設けた前舌片510および他側辺に2段階折れ曲げ状に設けた後舌片511とで強度をもつように折れ曲げ板状に形成されている。前舌片510も後舌片511もいずれも両端を切り欠き状とする。
【0013】
補強隅金具508は、各支柱502の上端内側寄りに溶接固着され、同金具508と支柱502上に両端が対応するようにして端板507が溶接一体化されている。これにより、前後支柱502間は、端板507・補強隅金具508を上端が一体連結され、中段高さは中段前後間つなぎ材504で一体連結されるとともに、下部は両筋交い505・底つなぎ材503で一体連結されたユニット型側フレームになっている。このフレームを単位として設置現場まで搬入される。
【0014】
513はテーブルの長辺側に対応する中段左右間つなぎ材で、四角パイプでなっていて、各支柱502から突設された突片514間に止着具515により結合されて渡架され、その高さは床板直下に水平に位置する前後一対の部材となっている。この中段左右間つなぎ材513のそれぞれは、図2・図4のように、筋交い516を介して止着具515により支柱502に脱着自在に連結されている。517は底緩衝材で、ゴムマットでなり、支柱502から底つなぎ材503に亘る底面と床下地盤501との間に介装されている。図2の518は底部左右間つなぎ材である。
【0015】
左右の支柱502の上端間には、四角パイプでなる上段左右間つなぎ材520が前後一対つながれている。このつなぎ材520は、図6のように、溶接固着された端板507の両端に前記切り欠きを介する面上に両端が載りかかるようにして止着具515により端板507に連結固着されている。端板507の後舌片511側の側辺上には、上段左右間つなぎ材520の半分の高さとした四角パイプでなる上段前後間つなぎ材521が止着具515により止め付けられている。これら左右のつなぎ材521の上面間には、図1のように、同つなぎ材521と同じ高さをした四角パイプ製の幅間つなぎ材522が渡架されて止着具515によりつなぎ材521とともに端板507に連結固定されている。同つなぎ材522は、端板507の前舌片510上に載りかかっている。
【0016】
4本の支柱502の上周りには、ブラケット524がそれぞれ突設され、これらを介して平面矩形で逆受皿形をした金属板製の天板525が脱着自在に取付られている。そして、図2・図3に示すように、4本の支柱502で形成される矩形部分は避難のための開口となっており、この開口には、通常は閉止され地震襲来時には矢印Fのように取っ手526を持ち上げることで開くことのできる3枚合わせの開閉蓋527…がつなぎ材504,513による支持により開閉自在に設けられている。
【0017】
尚、図2の529は緊急筋交いで、平時は下部支点まわりに床下空間内に納まっているが地震時には図示のように引き立てられて連結することにより全体フレームを補強するようになっている。
【0018】
このテーブルは、平時は開閉蓋527が図2・図3・図5のように閉じられているので、食事や事務などをする際に同蓋527に足を載せて食事などをすることができる。地震発生前には、緊急地震速報などによる警報を得ることにより、住民はすぐさまテーブル下にもぐり込んで避難するか、もしくは開閉蓋527を矢印Fのように開けることにより図2のようにより低い姿勢で避難することができる。
【0019】
尚、図7に示すように、上段左右間つなぎ材520と上段前後間つなぎ材521とは斜めカットして互いに合わさるようにしてコーナー板531により接合するようにすればよりフレームが増強される。また、本装置内には、つかみポール530を設けて避難時の安全性をより向上させることができる。
【0020】
図8および図9は耐震避難テーブルの他の実施形態を示す。このテーブルは、4本の支柱533と左右間つなぎ材534および前後間つなぎ材535さらに天板536を組み合わせて構成されたもので、前記のように床面536より破線図示のように床下まで伸びて支持させるタイプにしてもよく、または支柱533が床面537上にあるようにしてかつ移動しないように支持させるタイプにしてもよい。このことは以下のすべての実施形態で同様のことがいえる。
【0021】
この実施形態は、テーブル自体の地震に対する強度に、椅子538による支持抵抗力を加えたものである。左右間つなぎ材534には突片539を突設して背中合わせした椅子538の背もたれ部上端がこの突片539内に嵌まり合うようにしたものである。540は緩衝座である。
尚、図10のように、椅子538から突設した受フック542を左右間つなぎ材534下に受掛けることによりテーブルの抵抗力向上を図るようにしたものである。
【0022】
図11および図12は、支柱544に左右間つなぎ材545および幅間つなぎ材546さらに天板547を組み合わせた耐震避難テーブルについて、中段つなぎ材548を固着してその両者間にハンモック549を吊り掛けるようにしたものである。このテーブルは、H1のように高さ(65ないし70cm)が一般食卓や事務机にみられるものである場合と、H2のように1.1〜1.2m前後に40ないし50cm程度大幅に高いものにすることがある。このように高いテーブルは事務机(会議机や各種作業机などを含む)とし椅子550も座面の高いものにすることで避難しやすいものになる。ここで、支柱544間は避難しやすくまた避難人員も複数人になるようにW1=2m〜2.5m程度に充分な幅空間をもたせることができる。尚、図12のように車椅子551がもぐってあるいはもぐらずに避難できるよう天板547をH3=130cm前後に設定することもある。
【0023】
尚、両左右間つなぎ材545に前後に出入り自在なスライダ553を装備してそれにハンモック549を備えておくことで図14のようにテーブル外でハンモック549を使えるようになる。
【0024】
図15は、4本の支柱555の上端を矩形の枠体(図示省略)で連結してその上に天板556をまた中段つなぎ材557や底つなぎ材558を付し補強したテーブル、特に耐震避難用の事務机(会議机や作業机などを含む)についての実施形態で、天板556の底高さH2は1.1〜1.2と高いものとして図示しない椅子もそれに応じた図12のような高いものにして事務に適した形としたものであり、図15のものは、事務用としての引出560を固定するとともに、避難した際の安全を考慮して、天部緩衝材561や底部緩衝材562、さらに掴み棒(安心棒)563を配備したものである。ここで、支柱555間は避難しやすくまた避難人員も複数人になるようにW1=2m〜2.5m程度に充分な幅空間をもたせることができる。
【0025】
図16の実施形態は、同じく高くした事務用机の一側スペースを利用してPC本体565を防振緩衝手段566で被害を受けないようにやさしく保持して地震に備えたものである。ここで、支柱544間は避難しやすくまた避難人員も複数人になるようにW1=2m〜2.5m程度に充分な幅空間をもたせることができる。
【0026】
図17の実施形態は、中段つなぎ材557を利用して横渡し材568を架設してその上に引出560やPC本体565などを載置支持してPC本体565については防振緩衝手段566で大事に保持したものである。尚、支柱555は補助脚569を付して止着具570の操作で高さ調節可能にしてもよい。また、図15・図16の実施形態でも同様にいえることであるが、テーブルの脚には緩衝座571を付してもよい。ここで、支柱544間は避難しやすくまた避難人員も複数人になるようにW1=2m〜2.5m程度に充分な幅空間をもたせることができる。
【0027】
図18の実施形態は、高くした事務用机の天板556の向こう側4点などにキャップ573付き挿入孔574…を明けておいて上棚575の長めの脚突起576を挿し込むことで上棚575を装備するようにしたものであり、右欄のように棚座577を介して止着具578で天板556に固定するようにしてもよい。上棚575は耐震構造タイプとすることができる。この場合、脚突起567には一度入ると地震による震動で抜けにくいようにする突起576aや溝などを設けておくことができる。また、上棚575は、クラッシャブルタイプとすることもある。この場合、上部のみをクラッシャブルタイプとし下部は通常耐震タイプとすることもある。ここで、支柱544間は避難しやすくまた避難人員も複数人になるようにW1=2m〜2.5m程度に充分な幅空間をもたせることができる。
【0028】
図19から図28の各実施形態は、4本あるいは2本の脚である支柱580と天板581を少なくとも備えてなる食卓や事務机などのテーブル(床上設置型と床下支持型の双方を含む)582の近くに耐震避難フレーム583を付設したものである。そのうち図19および図21に示すものは、既存の椅子584はそのまま使用し、耐震避難フレーム583の方は、その一側の椅子584のまわりを囲むようにして設置してある。
【0029】
耐震避難フレーム583は、左右一対の座板585の上にそれぞれ一対の固定筒586を備えたものを用意し、それらを緩衝座587を介して支持する。各固定筒586には支柱588が立てられ、合計4本とされる。支柱588の上端には矩形をした天フレーム589が現場取付可能に連結固定されている。天フレーム589内には、天面補強枠590や防護網591などの安全確保手段が付されている。支柱588は図21の右欄に示すようにテーブルの支柱580に対して連結具592により脱着自在に一体連結して相互の移動を阻止しかつ耐震防護機能の向上を図るようにしてもよい。
【0030】
尚、前記耐震避難フレーム583はIで示したが、図20に仮想線で示すように、耐震避難フレーム583は、側方からみてテーブル582の幅中間位置程度にまで伸びた形で大きくしてIIで示すように防護範囲を拡げてもよく、さらに、テーブル582の全てを含むようにIIIで示すように防護範囲を拡げてもよい。
【0031】
また、図20の右欄に示すように、テーブル582を床上に設置する場合は、前記実施形態のように地震による移動を阻止しかつ耐震支持する高さ調節可能な耐震支持具594を付加してもよい。耐震避難フレーム583それ自体は床下支持方式にしてもよい。図20および図21は地震時に避難する様子を合わせて示す。テーブル582下にも避難可能である。耐震避難フレーム583の左右間には、図21のように掴まり棒を兼ねた中間柱593を設けてもよい。
【0032】
図22は、前記耐震避難フレーム583をテーブル582の前後双方に設置した実施形態を示す。テーブル582や耐震避難フレーム583は、床下支持方式や床上設置固定方式を採用可能である。
【0033】
図23および図24(仮想線で示す部分)は、耐震避難フレーム596をテーブル582および椅子584…の全ての上周りを囲う大きなフレーム構造としたものである。天フレーム589の前後間と座板585との間には左右一対の中間支柱597を配備してもよく、この場合、中間支柱597にはテーブル受ブラケット598を設けてテーブル582の移動を阻止し耐震強度を向上させるようにしてもよい。図23の右欄および図24の左欄に示すように、テーブル582は支柱580を省略したものにし、フレーム596にのみ支持する方式にすることができる。
【0034】
また、図24の右実線部分として示すように、耐震避難フレーム600を半間四角の設置面積をもつ小型フレームにしてもよい。
【0035】
図25は、テーブル582の側方および上周りを全体的に囲う耐震避難フレーム602としたものである。この場合、テーブル582と耐震避難フレーム602を相互連結してもよい。603はブラケットである。また、テーブル582や耐震避難フレーム602のいずれか一方あるは双方を床下支持方式とすれば地震に有効である。
【0036】
図26は、テーブル582や椅子584の全体を囲う大型の耐震避難フレーム605であって、特に、椅子584をフレーム605に固定式とし、その場合の背もたれ606をフレーム605の横補強材を兼ねるものにしたものである。また、テーブル582は、中間支柱607間にブラケット608を介して支持して脚なしの簡略なものにした。
【0037】
図27は、背もたれなしとし、その側方を通じて避難可能としたものである。図28は、回転退避型の椅子584とし背もたれ610がフレーム605の補強材も兼ねているものを示す。フレーム内の避難通路が広くなるとともに椅子584を水平にすれば避難時座ることもできて安全である。
【0038】
図29は、畳上などに設置される座卓613を耐震フレーム構造にした実施形態であり、脚614と卓板615を備えた座卓613に対し、止着具616により卓板615の左右両端に固定可能なロック座617を介して左右一対の支柱618を立設し、これら支柱618の上端間に1本の上フレーム619を渡架したものである。この実施形態の場合、支柱618の上端を二葉状としてその間にボルトナットによる止着具620で上フレーム619を挟む形とするとともに楔621を嵌め込んで連結を一体化するようにしてある。
これにより、座卓613の寸法がいかなるものであっても、立設された一対の支柱618間に上フレーム619を取り付けることができるし、強度の高い耐震フレーム622を提供することができるし、分解も容易である。地震時には、耐震フレーム622が座卓613とともに上方からの負荷を受け止め、また座卓613と耐震フレーム622との間の空間に避難することもできる。図29、図31、図32に示すように、耐震フレーム622を前後一対配備してもよい。この場合、上フレーム619間を中間補強梁623により連結したりその上に防護網624を張ってもよい。また、図33に示すように、上フレーム619は座卓613の前後方向に対応して設けてもよい。625は緩衝材である。
【0039】
図34は付加的な提案例を示すもので、ピット628を備えた沈澱池629の池底に沈澱してくる汚泥をピット628の方向へ掻き寄せるための汚泥掻寄装置の駆動系についての新たな提案である。
この汚泥掻寄装置は、池幅中央を通るガイドレール630と、その上を進退自在とされた前後の台車631を備え、台車631は、走行輪632によって走行自在でその前後のものはつなぎパイプ633でつながれているとともに前後にスクレーパ634を備えてそれらが全て連結する関係となっている。
池上には駆動スプロケット635がまた池内には3つの従動スプロケット636…が設けられてこれらの間に掛け回されたリンクチェーン・ワイヤロープなどの伝達線条637を実線および破線矢印のように往復駆動することで実線矢印のときは図示のようにスクレーパ634が垂直な掻き寄せ状態になって前進し破線矢印のときはスクレーパ634が持ち上がって掻き戻しなく後退するようになっている。
【0040】
この汚泥掻寄装置は、ボディが前後に長く複数枚のスクレーパ634…を装備することにより例えば、後方で沈澱した汚泥が数回の掻き寄せによりピット628に掻き寄せられる方式で、その進退サイクルが短くて済むようにしたものである。
【0041】
これまでこの汚泥掻寄装置は、減速機付きモーターにより駆動される方式とされ、その場合、実線・破線矢印の切換は、汚泥掻寄装置の進退に合わせて作動するレバーとスイッチとによってなされるように構成されていたため、構造的な煩雑化を招いていた。
【0042】
この提案では、駆動用に油圧モーター638を使用し、その制御用に油圧ユニット639を構成したものであり、ガイドレール630上には、装置の進退限により当たるストッパ640を配備しておき、それに汚泥掻寄装置が当たることにより油圧回路が昇圧し、その昇圧を圧力スイッチ641が検知して切換バルブ(ソレノイド式)642の回路切換が連動することで油圧モーター638を正負に回転切換するようにしたものである。この方式によれば、複数並列配備される沈澱池に対し1つの油圧ユニット639を設置すれば各油圧モーター638の制御が可能になって全体としてコストダウンを図ることができるようになる。
【0043】
図35ないし図37は他の実施形態を示す。事務所内に設置される既設の事務机(以下机と称する)1は、高さ不足が原因でその下部空間を避難スペースとするには大きく身を屈める必要があり、地震時の咄嗟の避難には不向きであった。
【0044】
そのことに着目して机1を嵩上げして固定することにより高くなった下部空間が咄嗟の避難がしやすいものとするとともに地震時の不測の事態に備えて机を支持する耐震フレームを補足して耐震強度をアップさせ、かつ耐震フレーム内の空間がPCやファイル収納のために利用され得るようにしたものである。
【0045】
机1は片袖型のもので、天板2を備えるとともに、天板2の右側下部には、図示しない前後一対ずつで合計4本のコーナー支柱とそれらを取り巻くケース板を備え、これらの本体に出し入れ自在な引出3…を備える。コーナー支柱の底部には通常ゴム受が高さ調節自在に取り付けられているが、ここではそれらは取り外されている。
【0046】
4は正面引出、5は左上フレーム、6は左下フレームであって、これらのフレーム5,6間には、前後間にあるように左支柱7が設けられている。左上フレーム5と縦フレーム7とはT字形をなす。左支柱7の下端には、逆T字状をなすように左下フレーム6が一体化されている。左支柱7は前後2本式のこともある。これらでなる机1は、高さAが700mm前後であり、これを嵩上げするように右下に高さB(400mm前後)の右耐震フレーム10が介装されている。右下耐震フレーム10と机1間およびフレーム10と床面11間には厚みt(20mm前後)の緩衝マット12を介装して震動を緩衝すべく備えるとともに、机1の安定性を図るため、上下間を連結板13で止め付けることで一体化してある。右下耐震フレーム10は、直方体の各辺に沿うべく角パイプやアングル材などの構造材14…を配して互いに一体化したもので、その前面他にはケース板15を配してある。図36の右側と左側の机1,1および右下耐震フレーム10,10は同じ構造のものである。
【0047】
17は高椅子で、この高椅子17は、四方に伸びた座脚18の先端にキャスター19を備えるとともに、座脚18の中央から高さ調節可能なコラム20を伸ばし、このコラム20の上端に座フレーム21を介して座盤22を備え付けたもので、さらに座フレーム21から伸びた背材23を介して背受け24を備えたものである。特に、この高椅子17は、机1の高さに対応するように、座盤22の高さCを700ないし800mm前後に高くするとともに、その座盤22に登りやすくするため、座脚18から立設した受材25の上端に400mm前後の高さDで滑りにくい中間ステップ26…を設置したものである。このステップ26は上下複数段でもよい。
【0048】
この高椅子17は、図39および40のように、キャスターなしで床面に安定に設置される定置式のものにしてもよい。この場合、28は本体、29は座盤、30は背受け、31は中間ステップである。中間ステップ31は、図39の右欄に示すように、低い側面第1ステップ32と高い前面第2ステップ33とで構成して段階的に登降できるようにしてもよい。これらのステップは本体28の補強構造材として兼用することが好ましい。また、本体28の脚部には、バネ34入りの出没キャスター35を設けてもよい。
【0049】
図35ないし37における40は耐震受承フレームである。同耐震受承フレーム40は、直方体枠で、前後のコーナーに支柱41もち、そのうち前後一対の支柱41,41間に中間支柱42を備えるとともに、上下において左右方向の第1横架材43と前後方向の第2横架材44とを一体に備える耐震強度のあるものである。
【0050】
この耐震受承フレーム40は、左右の机1,1間に配置されて底部に緩衝マット45を介装するとともに、向かって右側の前後の支柱41および中間支柱42の側面には、左下フレーム6を受け止め止着具46で固定するための受け具47…を備え付けてある。これら受け具47…は、図37に示すように、左下フレーム6を下から受け止めて止着具46により抜けないようにするものである。左の机1の左下フレーム6は、同じく耐震受承フレーム40で受け止めてもよいが、この実施形態では、緩衝材48付きの補助支柱49により受け止められ止着具46により連結固定されるようになっている。補助支柱49は、前後間に1本設けられているが、前後一対あるいは前後3本で構成してもよい。
【0051】
この耐震受承フレーム40の内部空間を利用して、PC本体51を耐震支持してもよい。52は受枠、54は底板、55は天板、56は緩衝材、57は上下ジョイントである。このPC本体51は、図35のように前後に2体搭載してあるが、図36の仮想線のように下段にも設置することができる。
尚、耐震受承フレーム40の空いた内部空間はファイルやその他の必要品を納める収納空間にしてもよい。
また、図36の実線の耐震受承フレーム40は机1と同じ高さにしてあるが、仮想線のように背高状にしてもよい。その中には、PC本体やファイル、電話などを収容することができる。58は蓋である。耐震受承フレーム40の前面には図35のような扉59を付してもよい。
さらに、前記実施形態では耐震受承フレーム40内にPC本体51を収納したが、図36の仮想線のように、机1の奥側空間に設置してもよい。この場合、耐震受承フレーム40の内部空間は広く避難空間や収納空間として自在に利用することができる。
前記机1は、右耐震フレーム10と耐震受承フレーム40とによって床面11から正面引出4底面までの高さが1100mm弱の高い空間とされているので、それを避難空間として使用でき、この場合、同避難空間は高く咄嗟に避難しやすいものとなる。しかし、耐震受承フレーム40は、右耐震フレーム10のない標準高さの机1相互間に配備することもある。
【0052】
尚、図38のように、耐震受承フレーム40の向かって右側の前後の支柱62を短くしてその上端に左下フレーム6を受け止める受け具63を備えて止着具64で固定するようにしてもよい。
【0053】
また、図41に示すように、右下耐震フレーム10を前方へ張り出した形にして、その張り出し部を高椅子17に登り降りするための補助ステップ10aにしてもよいし、図41の右欄に示すように、耐震受承フレーム40の前側を同じく張り出し状として補助ステップ40aとしてもよい。各ステップ10a、40aは別体でもよく、また出し入れ自在に構成してもよい。
【0054】
図36では耐震受承フレーム40を左右の机1間に配したが、1つの机1の一方に耐震受承フレーム40を付属させることもあるし、机1が3個以上である場合もそれらのそれぞれの間に耐震受承フレーム40を介装することができる。
【0055】
図42ないし図44は他の実施形態を示す。従来標準的な片袖型の事務机は、左右幅100cmで奥行き70cm程度の天板を高さ70cmにして構成されるとともに椅子に座る人の足が入り込む間口は幅55cm、高さ60cm程度にしたものが一般に使用されている。こうしたサイズの机は、間口の幅および高さ寸法が人の大きさに比べて余りに小さいため、地震があって咄嗟に机下に避難しようとしても身体を一杯に屈め身を小さくしなければ速くスムーズに避難できない欠点があった。
【0056】
この実施形態では、机下への避難が身体を差程大きく屈めることなくスムーズに速く確実に行えるように、机の高さを充分に高くして間口も拡げておくようにするとともに机を高くした分椅子の方も高くして対応したものである。それだけでなく、机下の避難空間を耐震フレーム構造で造られた強く広い空間にして地震による負荷に充分耐えて避難も安全確実に行えるようにした。
【0057】
その具体例を示す図42ないし図44の実施形態において、70は耐震仕様の底板で厚目の木質材(金属板や樹脂板などでもよい)からなり、同底板70は、左右幅が1750mmで奥行き寸法Lが925mmで30mm程度の厚板とされるとともに、その手前には高椅子71の脚72と干渉しないように四角あるいは半円形の切欠き73が形成されている。
【0058】
75は耐震仕様の天板で、切欠き73なしの四辺板で前記底板70と同一の形状・寸法とされている。76はコーナー支柱で、スチール製で天板7と底板70の4箇所のコーナーに垂直に配備され、これらの支柱76のうち前後に配置された一対間には、左右側面を閉塞するように外側板77が固定されている。この外側板77は、四辺が2段階に折り返し状とされて舌片部78を備えるもので、これらの舌片部78を、底板70・天板75・前後コーナー支柱76のそれぞれに止着具(止ネジ)a・止着具(ボルトナット)b…をもって連結されている。これにより、机高さHは標準的な机高さ700mmよりも約60%高い1100mmとされるとともに、天板75と底板70間は1050mmとされている。
【0059】
それとともに、背面側の一対のコーナー支柱78,78間には、その全面を閉塞する背板79が設けられ、この背板79は各コーナー支柱78に前記止着具bにより上下数列に亘って締付け固定されている。これら外側板77,77・背板79およびコーナー支柱76により上からみてコの字枠状の外部耐震フレームが形成されている。
【0060】
81は収納庫で内脇部耐震フレームを構成するもので、左右に2個配備されている。この収納庫81は、左右の側枠板82とこれら側枠板82間の棚板83…および引き戸式の扉84などで構成されていて、棚板83…上には、図42の左側に示すように書籍やファイル85を収納したり右側に示すように非常用品86…などが適宜収納されるようになっている。非常用品86…の中には、ヘルメト・保存飲料水・電池・非常食品・携帯非常灯など各種のものを収納することができる。収納庫81は、正面からみた幅W2は450mmで互いの間隔W1が700mmにして対向配置されるとともに、各収納庫81は、図示しないがその天板や底板を前記天板75や底板70に対して止着具によりねじ止めして連結されている。収納庫81の他の面も、耐震性能の向上のため、相手側に対して止め付けることができる。また、特に天板75と収納庫81の天板間ならびに底板70と収納庫81の底板間の双方あるいは一方には、ゴムや樹脂などの緩衝材を介装することがある。
【0061】
こうして天板75と底板70ならびに左右の収納庫81で形成される空間が前方のみが開放された避難空間88となっている。この避難空間88は、高さH1が1050mm、幅W1が700mmの広い間口とされ、さらに、奥行きも925mm弱と長く、間口が充分広く奥行きも長い避難空間88になっている。
【0062】
そして、避難空間88の奥側の上下端には、止着具aおよびbによりアングル型をしたコーナー補強材89が取り付けられているとともに、避難空間88内のやや奥まった個所には、天板75と底板70間に亘るように主補強フレーム90が取り付けられてそれが避難時の把持ポールを兼ねている。即ち、91は座盤、92は丸パイプである支持コラムであり、座盤91は上下一対で長円形の金属板で造られて止着具bにより天板75と底板70にそれぞれ固定されるようにされ、支持コラム92は、左右一対で上下の座盤91にそれぞれ溶接により固着されている。支持コラム92は1本であったり3本以上のこともある。地震時には、この主補強フレーム90が天板75・底板70とともに主に耐震機能し、その他、コーナー支柱76や外側板77および背板79などが補助的な耐震機能をするとともに、内部の収納庫81が緩衝を兼ねた耐震機能を発揮し、全体として大きな耐震機能を発揮する。Mは避難者を示し、これら避難者Mは、避難空間88が広い空間であることから1名に限らず数名であることがある。尚、収納庫81内には、図42の右下部に示すように、パソコン本体PCを緩衝材を介して固定設置しておき地震から防護するようにしてもよい。
【0063】
高椅子71は、ゴム座95で滑りにくくした脚72を備えるとともにその上に高さHBが350mm程度のところに脚載せステップ96を備える。97はポストで、その上には、HAが700ないし800mmの高さとなるように座盤98が旋回自在に設けられている。99は背もたれ、100は高さ調節レバーである。通常は脚載せステップ96を介して座盤98上に座り、同ステップ96に脚を載せつけて安定な作業が行えるようになっている。勿論、天板75は標準のもmのより数段高く設定されているので、高椅子71を使わずに机回りに立ったままで作業をすることもできる。また、高椅子71は、図43のように、避難空間88の間口に入れるようにすれば地震時の防護役となる。
【0064】
図44は机の右側面図を示すもので側方からは収納庫81の収納物を出し入れできないが、図45に示すように、扉84を外方に向くように設けると、避難空間88からではなく外側から出し入れができるようになる。この場合、避難空間88側にも扉84を設けてもよい。
また、図46に示すように、机の手前側に扉102や引出103などを備えた収納庫にしてもよい。この場合も、右あるいは左側面に扉を設けてもよい。
さらに、同図の右欄のように、収納庫81を両サイドでなく片サイドに備えた片袖式に構成することもできる。
また、図47に示すように、収納庫81は、扉84を取り外して避難空間88を拡げるように使用してもよい。この場合、一方のみの収納庫81を避難空間とし、他方の収納庫81は収納用とすることもできる。
【符号の説明】
【0065】
500…床板 501…床下地盤 502…支柱 507…端板 508…補強隅金具 509…本体部分 510…前舌片 511…後舌片 513…中段左右間つなぎ材 520…上段左右間つなぎ材 521…上段前後間つなぎ材 522…幅間つなぎ材 525…天板 527…開閉蓋。
【技術分野】
【0001】
本発明は、床下支持型耐震避難テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
地震に伴う家屋の倒壊は圧死を招き、先の地震でも圧死した人の多いことが問題となった。その一方で、一般国民には、緊急地震速報や地震警報器などの手段でP波発生直後に地震来襲の警告を発することができるようになった。しかしながら、警告を発するようになっても住民は確固たる逃げ場所がないのが実状である。その一対策案として、例えば、特許第3779381号などのように食卓テーブルを下支えする地震用つかまり棒のような技術が開示されているが、こうしたつかまり棒は上からの負荷に耐えるだけでテーブルの盲動は防ぐことができず、避難場所としては危険である。テーブルの盲動を確実に抑えることができしかも避難場所を床下空間とした安全な防護装置が下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2009−082685
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の図7(右下欄)には、土台をアンカー金具により床下地盤側に固定し、その土台から4本の支柱を立てて床の孔を突き抜けて床上に立ち上がるようにするとともに、それらの支柱上を介してテーブルを固定し、床の孔には開閉自在な蓋を装備して平時はその蓋が床となって食事時の足床を提供する一方地震時には蓋を開けることで床下からテーブルまでの高く広い避難空間を提供できるようにしてある。
しかしながら、同公報1に開示する床下支持型耐震避難テーブルのテーブルと支柱とはとりわけ強度の向上を図ったものでなく通常の連結の仕方をしたものにすぎないため、そのままでは激しい倒壊を伴うときテーブルが損壊するおそれがあるという懸念が残されていた。また、このテーブルは全支柱とテーブルとが一体ものであるので、現場に搬入する際に間口を通過しにくい不都合もあった。
【0005】
本発明は、このような従来の方法が有していた問題を解決しようとするものであり、テーブルをより強固確実に支承することができ、さらに現場への搬入が左右支柱の分離ユニット化により間口の大きさに関わらずどこへでも可能で組立ても容易になった床下支持型耐震避難テーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、天板と、天板の長手方向である左右両端に一対ずつ配備されるようにして床下地盤側から立設されて床に開けられた孔を通じて床上に立ち上がりその上端に天板が連結される複数本の支柱とを備えた床下支持型耐震避難テーブルであって、前記左右各端部の一対の支柱は、端板によって互いにつながれて1つのユニットとして現場に搬入可能とされるとともに、現場では、左右各一対の支柱同士をつなぎ材で連結して天板下の補強部材としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述したように本発明の床下支持型耐震避難テーブルは、天板と、天板の長手方向である左右両端に一対ずつ配備されるようにして床下地盤側から立設されて床に開けられた孔を通じて床上に立ち上がりその上端に天板が連結される複数本の支柱とを備えた床下支持型耐震避難テーブルであって、前記左右各端部の一対の支柱は、端板によって互いにつながれて1つのユニットとして現場に搬入可能とされるとともに、現場では、左右各一対の支柱同士をつなぎ材で連結して天板下の補強部材としたことを特徴とするので、テーブルをより強固確実に支承することができ、さらに現場への搬入が左右支柱の分離ユニット化により間口の大きさに関わらずどこへでも可能で組立ても容易になった床下支持型耐震避難テーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】床下支持型耐震避難テーブルについての実施形態を示す図2のA−A線断面図。
【図2】図1のB−B線断面図。
【図3】図2のC−C線断面図。
【図4】図2のD−D線断面図。
【図5】図2のE−E線断面図。
【図6】図2の要部拡大分解斜視図。
【図7】他の実施形態を示す斜視図。
【図8】他の実施形態を示す正面図。
【図9】図8の右側面図。
【図10】他の実施形態を示す右側面図。
【図11】他の実施形態を示す正面図。
【図12】図11の右側面図。
【図13】他の実施形態を示す正面図。
【図14】図13の右側面図。
【図15】他の実施形態を示す正面図。
【図16】他の実施形態を示す正面図。
【図17】他の実施形態を示す正面図。
【図18】他の実施形態を示す正面図。
【図19】他の実施形態を示す平面図。
【図20】図19の右側面図。
【図21】図20の正面図。
【図22】他の実施形態を示す右側面図。
【図23】他の実施形態を示す右側面図。
【図24】他の実施形態を示す正面図。
【図25】他の実施形態を示す右側面図。
【図26】他の実施形態を示す右側面図。
【図27】他の実施形態を示す右側断面図。
【図28】他の実施形態を示す右側断面図。
【図29】座卓についての他の実施形態を示す平面図。
【図30】図29の正面図。
【図31】図30の右側面図。
【図32】他の実施形態を示す平面図。
【図33】他の実施形態を示す右側面図。
【図34】付加的な提案例を示す縦断面図。
【図35】耐震避難装置についての他の実施形態を示す平面図。
【図36】図35の正面図。
【図37】図36のG−G線拡大断面図。
【図38】耐震避難装置についての他の実施形態を示す正面図。
【図39】耐震避難装置用の高椅子の他の実施形態を示す側面図。
【図40】図39の椅子の平面図。
【図41】高椅子へのステップ例を示す説明図。
【図42】高机内を耐震避難空間とした例を示す図43の横断面図。
【図43】図42の正面図。
【図44】図43の右側面図。
【図45】側面から収納庫を開閉可能とした例を示す左側面図。
【図46】他の実施形態を示す正面図。
【図47】左右側部をも避難空間とした他の実施形態を示す横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態を図1〜図6に基づいて説明する。尚、各実施形態で説明する個別(細部を含む)の案は他の実施形態にも適用があるものとする。
【0010】
図1ないし図6は、床下支持型耐震避難テーブルについての実施形態を示す。この実施形態は食卓(ダイニングテーブル)についてのものであるが事務机や書斎机、さらに座卓など各種テーブル類を含む。500は床板で、床板とその上の畳であることもある。大引きや根太などの床下構造は一般的な構造であるのでここでは図示省略してある。501は床下地盤でテーブルに対応する面は平坦に整地されている。
【0011】
床板500の特定個所には、矩形の穴が明けられ、同穴を通じてこの実施形態にかかるテーブルが固定設置されている。テーブルは、四角な金属パイプである支柱502を4本備え、同支柱502は、長さが約1130mmで、床面から下に490mmで上に通常高さである640mm(図2のH1)突き出すように設定されている。図2の左右各一対の支柱502は、現場搬入可能で運搬が個別にできるようにそれぞれ一体ものになっている。
【0012】
各側の支柱502は、下端においてアングル型の底つなぎ材503で、また、床下直ぐの高さに対応して中段前後間つなぎ材504でそれぞれ溶接により一体連結されている。さらに、両支柱502の下部間は、図5に逆V字形で示すように両筋交い505で補強一体化されている。支柱502の上端の例えば、右側一対間には、図6に示すように、端板507と補強隅金具508により金属板で一体連結されている。端板507は、矩形の本板部分509とその一側辺に立ち上がり状に設けた前舌片510および他側辺に2段階折れ曲げ状に設けた後舌片511とで強度をもつように折れ曲げ板状に形成されている。前舌片510も後舌片511もいずれも両端を切り欠き状とする。
【0013】
補強隅金具508は、各支柱502の上端内側寄りに溶接固着され、同金具508と支柱502上に両端が対応するようにして端板507が溶接一体化されている。これにより、前後支柱502間は、端板507・補強隅金具508を上端が一体連結され、中段高さは中段前後間つなぎ材504で一体連結されるとともに、下部は両筋交い505・底つなぎ材503で一体連結されたユニット型側フレームになっている。このフレームを単位として設置現場まで搬入される。
【0014】
513はテーブルの長辺側に対応する中段左右間つなぎ材で、四角パイプでなっていて、各支柱502から突設された突片514間に止着具515により結合されて渡架され、その高さは床板直下に水平に位置する前後一対の部材となっている。この中段左右間つなぎ材513のそれぞれは、図2・図4のように、筋交い516を介して止着具515により支柱502に脱着自在に連結されている。517は底緩衝材で、ゴムマットでなり、支柱502から底つなぎ材503に亘る底面と床下地盤501との間に介装されている。図2の518は底部左右間つなぎ材である。
【0015】
左右の支柱502の上端間には、四角パイプでなる上段左右間つなぎ材520が前後一対つながれている。このつなぎ材520は、図6のように、溶接固着された端板507の両端に前記切り欠きを介する面上に両端が載りかかるようにして止着具515により端板507に連結固着されている。端板507の後舌片511側の側辺上には、上段左右間つなぎ材520の半分の高さとした四角パイプでなる上段前後間つなぎ材521が止着具515により止め付けられている。これら左右のつなぎ材521の上面間には、図1のように、同つなぎ材521と同じ高さをした四角パイプ製の幅間つなぎ材522が渡架されて止着具515によりつなぎ材521とともに端板507に連結固定されている。同つなぎ材522は、端板507の前舌片510上に載りかかっている。
【0016】
4本の支柱502の上周りには、ブラケット524がそれぞれ突設され、これらを介して平面矩形で逆受皿形をした金属板製の天板525が脱着自在に取付られている。そして、図2・図3に示すように、4本の支柱502で形成される矩形部分は避難のための開口となっており、この開口には、通常は閉止され地震襲来時には矢印Fのように取っ手526を持ち上げることで開くことのできる3枚合わせの開閉蓋527…がつなぎ材504,513による支持により開閉自在に設けられている。
【0017】
尚、図2の529は緊急筋交いで、平時は下部支点まわりに床下空間内に納まっているが地震時には図示のように引き立てられて連結することにより全体フレームを補強するようになっている。
【0018】
このテーブルは、平時は開閉蓋527が図2・図3・図5のように閉じられているので、食事や事務などをする際に同蓋527に足を載せて食事などをすることができる。地震発生前には、緊急地震速報などによる警報を得ることにより、住民はすぐさまテーブル下にもぐり込んで避難するか、もしくは開閉蓋527を矢印Fのように開けることにより図2のようにより低い姿勢で避難することができる。
【0019】
尚、図7に示すように、上段左右間つなぎ材520と上段前後間つなぎ材521とは斜めカットして互いに合わさるようにしてコーナー板531により接合するようにすればよりフレームが増強される。また、本装置内には、つかみポール530を設けて避難時の安全性をより向上させることができる。
【0020】
図8および図9は耐震避難テーブルの他の実施形態を示す。このテーブルは、4本の支柱533と左右間つなぎ材534および前後間つなぎ材535さらに天板536を組み合わせて構成されたもので、前記のように床面536より破線図示のように床下まで伸びて支持させるタイプにしてもよく、または支柱533が床面537上にあるようにしてかつ移動しないように支持させるタイプにしてもよい。このことは以下のすべての実施形態で同様のことがいえる。
【0021】
この実施形態は、テーブル自体の地震に対する強度に、椅子538による支持抵抗力を加えたものである。左右間つなぎ材534には突片539を突設して背中合わせした椅子538の背もたれ部上端がこの突片539内に嵌まり合うようにしたものである。540は緩衝座である。
尚、図10のように、椅子538から突設した受フック542を左右間つなぎ材534下に受掛けることによりテーブルの抵抗力向上を図るようにしたものである。
【0022】
図11および図12は、支柱544に左右間つなぎ材545および幅間つなぎ材546さらに天板547を組み合わせた耐震避難テーブルについて、中段つなぎ材548を固着してその両者間にハンモック549を吊り掛けるようにしたものである。このテーブルは、H1のように高さ(65ないし70cm)が一般食卓や事務机にみられるものである場合と、H2のように1.1〜1.2m前後に40ないし50cm程度大幅に高いものにすることがある。このように高いテーブルは事務机(会議机や各種作業机などを含む)とし椅子550も座面の高いものにすることで避難しやすいものになる。ここで、支柱544間は避難しやすくまた避難人員も複数人になるようにW1=2m〜2.5m程度に充分な幅空間をもたせることができる。尚、図12のように車椅子551がもぐってあるいはもぐらずに避難できるよう天板547をH3=130cm前後に設定することもある。
【0023】
尚、両左右間つなぎ材545に前後に出入り自在なスライダ553を装備してそれにハンモック549を備えておくことで図14のようにテーブル外でハンモック549を使えるようになる。
【0024】
図15は、4本の支柱555の上端を矩形の枠体(図示省略)で連結してその上に天板556をまた中段つなぎ材557や底つなぎ材558を付し補強したテーブル、特に耐震避難用の事務机(会議机や作業机などを含む)についての実施形態で、天板556の底高さH2は1.1〜1.2と高いものとして図示しない椅子もそれに応じた図12のような高いものにして事務に適した形としたものであり、図15のものは、事務用としての引出560を固定するとともに、避難した際の安全を考慮して、天部緩衝材561や底部緩衝材562、さらに掴み棒(安心棒)563を配備したものである。ここで、支柱555間は避難しやすくまた避難人員も複数人になるようにW1=2m〜2.5m程度に充分な幅空間をもたせることができる。
【0025】
図16の実施形態は、同じく高くした事務用机の一側スペースを利用してPC本体565を防振緩衝手段566で被害を受けないようにやさしく保持して地震に備えたものである。ここで、支柱544間は避難しやすくまた避難人員も複数人になるようにW1=2m〜2.5m程度に充分な幅空間をもたせることができる。
【0026】
図17の実施形態は、中段つなぎ材557を利用して横渡し材568を架設してその上に引出560やPC本体565などを載置支持してPC本体565については防振緩衝手段566で大事に保持したものである。尚、支柱555は補助脚569を付して止着具570の操作で高さ調節可能にしてもよい。また、図15・図16の実施形態でも同様にいえることであるが、テーブルの脚には緩衝座571を付してもよい。ここで、支柱544間は避難しやすくまた避難人員も複数人になるようにW1=2m〜2.5m程度に充分な幅空間をもたせることができる。
【0027】
図18の実施形態は、高くした事務用机の天板556の向こう側4点などにキャップ573付き挿入孔574…を明けておいて上棚575の長めの脚突起576を挿し込むことで上棚575を装備するようにしたものであり、右欄のように棚座577を介して止着具578で天板556に固定するようにしてもよい。上棚575は耐震構造タイプとすることができる。この場合、脚突起567には一度入ると地震による震動で抜けにくいようにする突起576aや溝などを設けておくことができる。また、上棚575は、クラッシャブルタイプとすることもある。この場合、上部のみをクラッシャブルタイプとし下部は通常耐震タイプとすることもある。ここで、支柱544間は避難しやすくまた避難人員も複数人になるようにW1=2m〜2.5m程度に充分な幅空間をもたせることができる。
【0028】
図19から図28の各実施形態は、4本あるいは2本の脚である支柱580と天板581を少なくとも備えてなる食卓や事務机などのテーブル(床上設置型と床下支持型の双方を含む)582の近くに耐震避難フレーム583を付設したものである。そのうち図19および図21に示すものは、既存の椅子584はそのまま使用し、耐震避難フレーム583の方は、その一側の椅子584のまわりを囲むようにして設置してある。
【0029】
耐震避難フレーム583は、左右一対の座板585の上にそれぞれ一対の固定筒586を備えたものを用意し、それらを緩衝座587を介して支持する。各固定筒586には支柱588が立てられ、合計4本とされる。支柱588の上端には矩形をした天フレーム589が現場取付可能に連結固定されている。天フレーム589内には、天面補強枠590や防護網591などの安全確保手段が付されている。支柱588は図21の右欄に示すようにテーブルの支柱580に対して連結具592により脱着自在に一体連結して相互の移動を阻止しかつ耐震防護機能の向上を図るようにしてもよい。
【0030】
尚、前記耐震避難フレーム583はIで示したが、図20に仮想線で示すように、耐震避難フレーム583は、側方からみてテーブル582の幅中間位置程度にまで伸びた形で大きくしてIIで示すように防護範囲を拡げてもよく、さらに、テーブル582の全てを含むようにIIIで示すように防護範囲を拡げてもよい。
【0031】
また、図20の右欄に示すように、テーブル582を床上に設置する場合は、前記実施形態のように地震による移動を阻止しかつ耐震支持する高さ調節可能な耐震支持具594を付加してもよい。耐震避難フレーム583それ自体は床下支持方式にしてもよい。図20および図21は地震時に避難する様子を合わせて示す。テーブル582下にも避難可能である。耐震避難フレーム583の左右間には、図21のように掴まり棒を兼ねた中間柱593を設けてもよい。
【0032】
図22は、前記耐震避難フレーム583をテーブル582の前後双方に設置した実施形態を示す。テーブル582や耐震避難フレーム583は、床下支持方式や床上設置固定方式を採用可能である。
【0033】
図23および図24(仮想線で示す部分)は、耐震避難フレーム596をテーブル582および椅子584…の全ての上周りを囲う大きなフレーム構造としたものである。天フレーム589の前後間と座板585との間には左右一対の中間支柱597を配備してもよく、この場合、中間支柱597にはテーブル受ブラケット598を設けてテーブル582の移動を阻止し耐震強度を向上させるようにしてもよい。図23の右欄および図24の左欄に示すように、テーブル582は支柱580を省略したものにし、フレーム596にのみ支持する方式にすることができる。
【0034】
また、図24の右実線部分として示すように、耐震避難フレーム600を半間四角の設置面積をもつ小型フレームにしてもよい。
【0035】
図25は、テーブル582の側方および上周りを全体的に囲う耐震避難フレーム602としたものである。この場合、テーブル582と耐震避難フレーム602を相互連結してもよい。603はブラケットである。また、テーブル582や耐震避難フレーム602のいずれか一方あるは双方を床下支持方式とすれば地震に有効である。
【0036】
図26は、テーブル582や椅子584の全体を囲う大型の耐震避難フレーム605であって、特に、椅子584をフレーム605に固定式とし、その場合の背もたれ606をフレーム605の横補強材を兼ねるものにしたものである。また、テーブル582は、中間支柱607間にブラケット608を介して支持して脚なしの簡略なものにした。
【0037】
図27は、背もたれなしとし、その側方を通じて避難可能としたものである。図28は、回転退避型の椅子584とし背もたれ610がフレーム605の補強材も兼ねているものを示す。フレーム内の避難通路が広くなるとともに椅子584を水平にすれば避難時座ることもできて安全である。
【0038】
図29は、畳上などに設置される座卓613を耐震フレーム構造にした実施形態であり、脚614と卓板615を備えた座卓613に対し、止着具616により卓板615の左右両端に固定可能なロック座617を介して左右一対の支柱618を立設し、これら支柱618の上端間に1本の上フレーム619を渡架したものである。この実施形態の場合、支柱618の上端を二葉状としてその間にボルトナットによる止着具620で上フレーム619を挟む形とするとともに楔621を嵌め込んで連結を一体化するようにしてある。
これにより、座卓613の寸法がいかなるものであっても、立設された一対の支柱618間に上フレーム619を取り付けることができるし、強度の高い耐震フレーム622を提供することができるし、分解も容易である。地震時には、耐震フレーム622が座卓613とともに上方からの負荷を受け止め、また座卓613と耐震フレーム622との間の空間に避難することもできる。図29、図31、図32に示すように、耐震フレーム622を前後一対配備してもよい。この場合、上フレーム619間を中間補強梁623により連結したりその上に防護網624を張ってもよい。また、図33に示すように、上フレーム619は座卓613の前後方向に対応して設けてもよい。625は緩衝材である。
【0039】
図34は付加的な提案例を示すもので、ピット628を備えた沈澱池629の池底に沈澱してくる汚泥をピット628の方向へ掻き寄せるための汚泥掻寄装置の駆動系についての新たな提案である。
この汚泥掻寄装置は、池幅中央を通るガイドレール630と、その上を進退自在とされた前後の台車631を備え、台車631は、走行輪632によって走行自在でその前後のものはつなぎパイプ633でつながれているとともに前後にスクレーパ634を備えてそれらが全て連結する関係となっている。
池上には駆動スプロケット635がまた池内には3つの従動スプロケット636…が設けられてこれらの間に掛け回されたリンクチェーン・ワイヤロープなどの伝達線条637を実線および破線矢印のように往復駆動することで実線矢印のときは図示のようにスクレーパ634が垂直な掻き寄せ状態になって前進し破線矢印のときはスクレーパ634が持ち上がって掻き戻しなく後退するようになっている。
【0040】
この汚泥掻寄装置は、ボディが前後に長く複数枚のスクレーパ634…を装備することにより例えば、後方で沈澱した汚泥が数回の掻き寄せによりピット628に掻き寄せられる方式で、その進退サイクルが短くて済むようにしたものである。
【0041】
これまでこの汚泥掻寄装置は、減速機付きモーターにより駆動される方式とされ、その場合、実線・破線矢印の切換は、汚泥掻寄装置の進退に合わせて作動するレバーとスイッチとによってなされるように構成されていたため、構造的な煩雑化を招いていた。
【0042】
この提案では、駆動用に油圧モーター638を使用し、その制御用に油圧ユニット639を構成したものであり、ガイドレール630上には、装置の進退限により当たるストッパ640を配備しておき、それに汚泥掻寄装置が当たることにより油圧回路が昇圧し、その昇圧を圧力スイッチ641が検知して切換バルブ(ソレノイド式)642の回路切換が連動することで油圧モーター638を正負に回転切換するようにしたものである。この方式によれば、複数並列配備される沈澱池に対し1つの油圧ユニット639を設置すれば各油圧モーター638の制御が可能になって全体としてコストダウンを図ることができるようになる。
【0043】
図35ないし図37は他の実施形態を示す。事務所内に設置される既設の事務机(以下机と称する)1は、高さ不足が原因でその下部空間を避難スペースとするには大きく身を屈める必要があり、地震時の咄嗟の避難には不向きであった。
【0044】
そのことに着目して机1を嵩上げして固定することにより高くなった下部空間が咄嗟の避難がしやすいものとするとともに地震時の不測の事態に備えて机を支持する耐震フレームを補足して耐震強度をアップさせ、かつ耐震フレーム内の空間がPCやファイル収納のために利用され得るようにしたものである。
【0045】
机1は片袖型のもので、天板2を備えるとともに、天板2の右側下部には、図示しない前後一対ずつで合計4本のコーナー支柱とそれらを取り巻くケース板を備え、これらの本体に出し入れ自在な引出3…を備える。コーナー支柱の底部には通常ゴム受が高さ調節自在に取り付けられているが、ここではそれらは取り外されている。
【0046】
4は正面引出、5は左上フレーム、6は左下フレームであって、これらのフレーム5,6間には、前後間にあるように左支柱7が設けられている。左上フレーム5と縦フレーム7とはT字形をなす。左支柱7の下端には、逆T字状をなすように左下フレーム6が一体化されている。左支柱7は前後2本式のこともある。これらでなる机1は、高さAが700mm前後であり、これを嵩上げするように右下に高さB(400mm前後)の右耐震フレーム10が介装されている。右下耐震フレーム10と机1間およびフレーム10と床面11間には厚みt(20mm前後)の緩衝マット12を介装して震動を緩衝すべく備えるとともに、机1の安定性を図るため、上下間を連結板13で止め付けることで一体化してある。右下耐震フレーム10は、直方体の各辺に沿うべく角パイプやアングル材などの構造材14…を配して互いに一体化したもので、その前面他にはケース板15を配してある。図36の右側と左側の机1,1および右下耐震フレーム10,10は同じ構造のものである。
【0047】
17は高椅子で、この高椅子17は、四方に伸びた座脚18の先端にキャスター19を備えるとともに、座脚18の中央から高さ調節可能なコラム20を伸ばし、このコラム20の上端に座フレーム21を介して座盤22を備え付けたもので、さらに座フレーム21から伸びた背材23を介して背受け24を備えたものである。特に、この高椅子17は、机1の高さに対応するように、座盤22の高さCを700ないし800mm前後に高くするとともに、その座盤22に登りやすくするため、座脚18から立設した受材25の上端に400mm前後の高さDで滑りにくい中間ステップ26…を設置したものである。このステップ26は上下複数段でもよい。
【0048】
この高椅子17は、図39および40のように、キャスターなしで床面に安定に設置される定置式のものにしてもよい。この場合、28は本体、29は座盤、30は背受け、31は中間ステップである。中間ステップ31は、図39の右欄に示すように、低い側面第1ステップ32と高い前面第2ステップ33とで構成して段階的に登降できるようにしてもよい。これらのステップは本体28の補強構造材として兼用することが好ましい。また、本体28の脚部には、バネ34入りの出没キャスター35を設けてもよい。
【0049】
図35ないし37における40は耐震受承フレームである。同耐震受承フレーム40は、直方体枠で、前後のコーナーに支柱41もち、そのうち前後一対の支柱41,41間に中間支柱42を備えるとともに、上下において左右方向の第1横架材43と前後方向の第2横架材44とを一体に備える耐震強度のあるものである。
【0050】
この耐震受承フレーム40は、左右の机1,1間に配置されて底部に緩衝マット45を介装するとともに、向かって右側の前後の支柱41および中間支柱42の側面には、左下フレーム6を受け止め止着具46で固定するための受け具47…を備え付けてある。これら受け具47…は、図37に示すように、左下フレーム6を下から受け止めて止着具46により抜けないようにするものである。左の机1の左下フレーム6は、同じく耐震受承フレーム40で受け止めてもよいが、この実施形態では、緩衝材48付きの補助支柱49により受け止められ止着具46により連結固定されるようになっている。補助支柱49は、前後間に1本設けられているが、前後一対あるいは前後3本で構成してもよい。
【0051】
この耐震受承フレーム40の内部空間を利用して、PC本体51を耐震支持してもよい。52は受枠、54は底板、55は天板、56は緩衝材、57は上下ジョイントである。このPC本体51は、図35のように前後に2体搭載してあるが、図36の仮想線のように下段にも設置することができる。
尚、耐震受承フレーム40の空いた内部空間はファイルやその他の必要品を納める収納空間にしてもよい。
また、図36の実線の耐震受承フレーム40は机1と同じ高さにしてあるが、仮想線のように背高状にしてもよい。その中には、PC本体やファイル、電話などを収容することができる。58は蓋である。耐震受承フレーム40の前面には図35のような扉59を付してもよい。
さらに、前記実施形態では耐震受承フレーム40内にPC本体51を収納したが、図36の仮想線のように、机1の奥側空間に設置してもよい。この場合、耐震受承フレーム40の内部空間は広く避難空間や収納空間として自在に利用することができる。
前記机1は、右耐震フレーム10と耐震受承フレーム40とによって床面11から正面引出4底面までの高さが1100mm弱の高い空間とされているので、それを避難空間として使用でき、この場合、同避難空間は高く咄嗟に避難しやすいものとなる。しかし、耐震受承フレーム40は、右耐震フレーム10のない標準高さの机1相互間に配備することもある。
【0052】
尚、図38のように、耐震受承フレーム40の向かって右側の前後の支柱62を短くしてその上端に左下フレーム6を受け止める受け具63を備えて止着具64で固定するようにしてもよい。
【0053】
また、図41に示すように、右下耐震フレーム10を前方へ張り出した形にして、その張り出し部を高椅子17に登り降りするための補助ステップ10aにしてもよいし、図41の右欄に示すように、耐震受承フレーム40の前側を同じく張り出し状として補助ステップ40aとしてもよい。各ステップ10a、40aは別体でもよく、また出し入れ自在に構成してもよい。
【0054】
図36では耐震受承フレーム40を左右の机1間に配したが、1つの机1の一方に耐震受承フレーム40を付属させることもあるし、机1が3個以上である場合もそれらのそれぞれの間に耐震受承フレーム40を介装することができる。
【0055】
図42ないし図44は他の実施形態を示す。従来標準的な片袖型の事務机は、左右幅100cmで奥行き70cm程度の天板を高さ70cmにして構成されるとともに椅子に座る人の足が入り込む間口は幅55cm、高さ60cm程度にしたものが一般に使用されている。こうしたサイズの机は、間口の幅および高さ寸法が人の大きさに比べて余りに小さいため、地震があって咄嗟に机下に避難しようとしても身体を一杯に屈め身を小さくしなければ速くスムーズに避難できない欠点があった。
【0056】
この実施形態では、机下への避難が身体を差程大きく屈めることなくスムーズに速く確実に行えるように、机の高さを充分に高くして間口も拡げておくようにするとともに机を高くした分椅子の方も高くして対応したものである。それだけでなく、机下の避難空間を耐震フレーム構造で造られた強く広い空間にして地震による負荷に充分耐えて避難も安全確実に行えるようにした。
【0057】
その具体例を示す図42ないし図44の実施形態において、70は耐震仕様の底板で厚目の木質材(金属板や樹脂板などでもよい)からなり、同底板70は、左右幅が1750mmで奥行き寸法Lが925mmで30mm程度の厚板とされるとともに、その手前には高椅子71の脚72と干渉しないように四角あるいは半円形の切欠き73が形成されている。
【0058】
75は耐震仕様の天板で、切欠き73なしの四辺板で前記底板70と同一の形状・寸法とされている。76はコーナー支柱で、スチール製で天板7と底板70の4箇所のコーナーに垂直に配備され、これらの支柱76のうち前後に配置された一対間には、左右側面を閉塞するように外側板77が固定されている。この外側板77は、四辺が2段階に折り返し状とされて舌片部78を備えるもので、これらの舌片部78を、底板70・天板75・前後コーナー支柱76のそれぞれに止着具(止ネジ)a・止着具(ボルトナット)b…をもって連結されている。これにより、机高さHは標準的な机高さ700mmよりも約60%高い1100mmとされるとともに、天板75と底板70間は1050mmとされている。
【0059】
それとともに、背面側の一対のコーナー支柱78,78間には、その全面を閉塞する背板79が設けられ、この背板79は各コーナー支柱78に前記止着具bにより上下数列に亘って締付け固定されている。これら外側板77,77・背板79およびコーナー支柱76により上からみてコの字枠状の外部耐震フレームが形成されている。
【0060】
81は収納庫で内脇部耐震フレームを構成するもので、左右に2個配備されている。この収納庫81は、左右の側枠板82とこれら側枠板82間の棚板83…および引き戸式の扉84などで構成されていて、棚板83…上には、図42の左側に示すように書籍やファイル85を収納したり右側に示すように非常用品86…などが適宜収納されるようになっている。非常用品86…の中には、ヘルメト・保存飲料水・電池・非常食品・携帯非常灯など各種のものを収納することができる。収納庫81は、正面からみた幅W2は450mmで互いの間隔W1が700mmにして対向配置されるとともに、各収納庫81は、図示しないがその天板や底板を前記天板75や底板70に対して止着具によりねじ止めして連結されている。収納庫81の他の面も、耐震性能の向上のため、相手側に対して止め付けることができる。また、特に天板75と収納庫81の天板間ならびに底板70と収納庫81の底板間の双方あるいは一方には、ゴムや樹脂などの緩衝材を介装することがある。
【0061】
こうして天板75と底板70ならびに左右の収納庫81で形成される空間が前方のみが開放された避難空間88となっている。この避難空間88は、高さH1が1050mm、幅W1が700mmの広い間口とされ、さらに、奥行きも925mm弱と長く、間口が充分広く奥行きも長い避難空間88になっている。
【0062】
そして、避難空間88の奥側の上下端には、止着具aおよびbによりアングル型をしたコーナー補強材89が取り付けられているとともに、避難空間88内のやや奥まった個所には、天板75と底板70間に亘るように主補強フレーム90が取り付けられてそれが避難時の把持ポールを兼ねている。即ち、91は座盤、92は丸パイプである支持コラムであり、座盤91は上下一対で長円形の金属板で造られて止着具bにより天板75と底板70にそれぞれ固定されるようにされ、支持コラム92は、左右一対で上下の座盤91にそれぞれ溶接により固着されている。支持コラム92は1本であったり3本以上のこともある。地震時には、この主補強フレーム90が天板75・底板70とともに主に耐震機能し、その他、コーナー支柱76や外側板77および背板79などが補助的な耐震機能をするとともに、内部の収納庫81が緩衝を兼ねた耐震機能を発揮し、全体として大きな耐震機能を発揮する。Mは避難者を示し、これら避難者Mは、避難空間88が広い空間であることから1名に限らず数名であることがある。尚、収納庫81内には、図42の右下部に示すように、パソコン本体PCを緩衝材を介して固定設置しておき地震から防護するようにしてもよい。
【0063】
高椅子71は、ゴム座95で滑りにくくした脚72を備えるとともにその上に高さHBが350mm程度のところに脚載せステップ96を備える。97はポストで、その上には、HAが700ないし800mmの高さとなるように座盤98が旋回自在に設けられている。99は背もたれ、100は高さ調節レバーである。通常は脚載せステップ96を介して座盤98上に座り、同ステップ96に脚を載せつけて安定な作業が行えるようになっている。勿論、天板75は標準のもmのより数段高く設定されているので、高椅子71を使わずに机回りに立ったままで作業をすることもできる。また、高椅子71は、図43のように、避難空間88の間口に入れるようにすれば地震時の防護役となる。
【0064】
図44は机の右側面図を示すもので側方からは収納庫81の収納物を出し入れできないが、図45に示すように、扉84を外方に向くように設けると、避難空間88からではなく外側から出し入れができるようになる。この場合、避難空間88側にも扉84を設けてもよい。
また、図46に示すように、机の手前側に扉102や引出103などを備えた収納庫にしてもよい。この場合も、右あるいは左側面に扉を設けてもよい。
さらに、同図の右欄のように、収納庫81を両サイドでなく片サイドに備えた片袖式に構成することもできる。
また、図47に示すように、収納庫81は、扉84を取り外して避難空間88を拡げるように使用してもよい。この場合、一方のみの収納庫81を避難空間とし、他方の収納庫81は収納用とすることもできる。
【符号の説明】
【0065】
500…床板 501…床下地盤 502…支柱 507…端板 508…補強隅金具 509…本体部分 510…前舌片 511…後舌片 513…中段左右間つなぎ材 520…上段左右間つなぎ材 521…上段前後間つなぎ材 522…幅間つなぎ材 525…天板 527…開閉蓋。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、天板の長手方向である左右両端に一対ずつ配備されるようにして床下地盤側から立設されて床に開けられた孔を通じて床上に立ち上がりその上端に天板が連結される複数本の支柱とを備えた床下支持型耐震避難テーブルであって、前記左右各端部の一対の支柱は、端板によって互いにつながれて1つのユニットとして現場に搬入可能とされるとともに、現場では、左右各一対の支柱同士をつなぎ材で連結して天板下の補強部材としたことを特徴とする床下支持型耐震避難テーブル。
【請求項1】
天板と、天板の長手方向である左右両端に一対ずつ配備されるようにして床下地盤側から立設されて床に開けられた孔を通じて床上に立ち上がりその上端に天板が連結される複数本の支柱とを備えた床下支持型耐震避難テーブルであって、前記左右各端部の一対の支柱は、端板によって互いにつながれて1つのユニットとして現場に搬入可能とされるとともに、現場では、左右各一対の支柱同士をつなぎ材で連結して天板下の補強部材としたことを特徴とする床下支持型耐震避難テーブル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【公開番号】特開2011−131035(P2011−131035A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21603(P2010−21603)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(594100838)フジワラ産業株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(594100838)フジワラ産業株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
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