床構造
【課題】上下免震された床部に生じるロッキング動を防止する又は低減する床構造を提供する。
【解決手段】転倒モーメントが生じて床部32が斜めに傾こうとする場合、隣り合う力伝達部材68A、68B同士が上下方向へ相対移動して一対のアーム部材66A、66Bの間の棒体64にねじり力が作用する。このとき、このねじり力に対して棒体64のねじり剛性が抵抗するので、床部32に生じるロッキング動を防止する又は低減することができる。
【解決手段】転倒モーメントが生じて床部32が斜めに傾こうとする場合、隣り合う力伝達部材68A、68B同士が上下方向へ相対移動して一対のアーム部材66A、66Bの間の棒体64にねじり力が作用する。このとき、このねじり力に対して棒体64のねじり剛性が抵抗するので、床部32に生じるロッキング動を防止する又は低減することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下免震された床部を有する床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、上下免震された床部の上下方向の免震周期を従来よりも長くして(例えば、0.5秒以上1秒未満であった従来の免震周期を1秒以上2秒以下にして)床部の免震性能を向上させるニーズが高まっている。
【0003】
地震により、上下免震された床部に水平慣性力が発生すると、この床部には転倒モーメントが生じてロッキング動が励起される。そして、このロッキング動による床部の鉛直変位は、上下方向の免震周期の二乗に比例して大きくなってしまう。
【0004】
特許文献1には、コイルばねを介して基礎上に支持された振動抑制対象部(平板)を2つのリンク機構によって水平に維持する振動抑制装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−222080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は係る事実を考慮し、上下免震された床部に生じるロッキング動を防止する又は低減する床構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、梁の下部に設けられた床スラブと、前記床スラブの上方に配置された床部と、前記床スラブに対して上下移動可能に前記床部を支持する上下免震装置と、前記床スラブに回転可能に支持された棒体と、前記棒体の軸方向に間隔をあけて配置され前記棒体から横方向へ張り出した一対のアーム部材と、下端部が前記アーム部材の先端部に回転可能に連結され、上端部が前記床部の下面に回転可能に連結された力伝達部材と、を有する床構造である。
【0008】
請求項1に記載の発明では、地震等により、上下免震装置に支持された床部に転倒モーメントが生じて床部が斜めに傾こうとする場合、隣り合う力伝達部材同士が上下方向へ相対移動して一対のアーム部材の間の棒体にねじり力が作用する。このとき、このねじり力に対して棒体のねじり剛性が抵抗するので、隣り合う力伝達部材同士が上下方向へ相対移動するのを防ぐことができる、又は隣り合う力伝達部材同士の上下方向への相対移動量を低減することができる。そして、これにより、上下免震された床部に生じるロッキング動を防止する又は低減することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記力伝達部材の下端部に対する前記アーム部材の先端部の回転に対して摩擦又は粘性により抵抗するエネルギー吸収手段が設けられている。
【0010】
請求項2に記載の発明では、エネルギー吸収手段が、力伝達部材の下端部に対するアーム部材の先端部の回転に対して摩擦又は粘性により抵抗しダンパーとして機能するので、床部の上下振動を減衰することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、隣り合う前記力伝達部材の間に、前記床部から作用する水平力に抵抗する抵抗部材が設けられている。
【0012】
請求項3に記載の発明では、隣り合う力伝達部材の間に抵抗部材が設けられている。そして、地震等により、床部が棒体の軸方向へ水平変形されようとするときに、床部に生じる水平慣性力に抵抗部材が抵抗するので、床部の水平変形を低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記構成としたので、上下免震された床部に生じるロッキング動を防止する又は低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る免震建物を示す立面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る床構造を示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る床構造を示す平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る力伝達機構を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るロッキング防止装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るロッキング防止装置の作用を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るロッキング防止装置の作用を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るロッキング防止装置を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るロッキング防止装置の変形例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るロッキング防止装置の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照しながら、本発明の床構造を説明する。なお、本実施形態では、トラス梁を用いた建物に本発明を適用した例を示すが、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、CFT造(Concrete-Filled Steel Tube:充填形鋼管コンクリート構造)、それらの混合構造など、さまざまな構造や規模の建物に対して適用することができる。
【0016】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0017】
図1の立面図に示すように、第1の実施形態の免震建物10は、地盤12に構築された基礎14と、基礎14の上に建てられた建物16とによって構成されている。建物16は、高減衰積層ゴム支承18によって基礎14の上に水平免震支持されており、多数のコンピュータサーバーと回線を備えたデータセンターとして機能する。
【0018】
建物16に立設された躯体柱20の間には、梁としてのトラス梁22が複数架設され、複数の階層を形成している。トラス梁22の上端部には上弦材としてのH形鋼24が設けられ、下端部には下弦材としてのH形鋼26が設けられている。
【0019】
図2の側面図に示すように、床構造28は、床スラブ30、床部32、水平変形防止装置としての力伝達機構34、上下免震装置としての空気ばね36、減衰装置としてのオイルダンパー38、及びロッキング防止装置40を有している。そして、空気ばね36により床部32が上下免震支持され、ロッキング防止装置40は、床部32を支持せずに、床部32に生じるロッキング動を防止する又は低減する。
【0020】
床スラブ30は、端部がH形鋼26のフランジ上面に載置されている。すなわち、トラス梁22の下部に床スラブ30が設けられている。床スラブ30は、H形鋼26に端部で支持されると共に、H形鋼26に端部が固定された小梁としてのH形鋼42に支持されている。
【0021】
床部32は、床面を構成する床材44と、枕材としてのC形鋼46を介して床材44が載置される複数の床梁としてのH形鋼48とを有している。床材44の上面には、コンピュータサーバーが収納されたラック50が載置されている。
【0022】
床スラブ30の上には支持台52が設置され、この支持台52の上に設置された空気ばね36にH形鋼48が支持されている。すなわち、床部32は、床スラブ30の上方に配置され、空気ばね36により、床スラブ30に対して上下移動可能に支持されている。また、床スラブ30の上面とH形鋼48の下面との間には、オイルダンパー38が設置されている。
【0023】
図3の平面図、及び図4の斜視図に示すように、力伝達機構34は、H形鋼24の側面に固定されたガイド部材54と、H形鋼48の両端面に固定され、ガイド部材54に形成された縦溝56を上下移動可能な水平力伝達部材58とによって構成され、床部32に作用する水平力をトラス梁22に伝達する。
【0024】
H形鋼48は、隣り合うH形鋼48同士が略平行になるように、平面視にて長方形状の床材44の長辺方向(以下、「方向60」とする)に対して等間隔に配置されている。そして、H形鋼48は、床材44の短辺方向(以下、「方向62」とする)における両端部付近で空気ばね36によって支持されている。
【0025】
また、方向60における、左から1つ目、4つ目、6つ目及び9つ目のH形鋼48の両端面に水平力伝達部材58が固定され、これらの水平力伝達部材58に対向するようにしてH形鋼24の側面にガイド部材54が固定されている。
【0026】
図5の斜視図に示すように、ロッキング防止装置40は、鋼製の棒体64、一対のアーム部材66A、66B、及び角柱状の力伝達部材68A、68Bを備えている。棒体64は、床スラブ30に固定された軸受け部材70A、70Bに両端が回転可能に支持されている。すなわち、棒体64は、床スラブ30に回転可能に支持されている。
【0027】
一対のアーム部材66A、66Bは、棒体64の軸方向に間隔をあけて配置され、末端部が棒体64に固定されて棒体64から横方向へ張り出している。
【0028】
力伝達部材68A、68Bは、連結機構72A、72Bにより、上端部がH形鋼48の下面に回転可能にピン連結されており、連結機構74A、74Bにより、下端部がアーム部材66A、66Bの先端部に回転可能にピン連結されている。力伝達部材68A、68Bは、方向60における、左から2つ目、4つ目、6つ目及び8つ目のH形鋼48の下面にピン連結されている。
【0029】
連結機構72A、72B、74A、74Bの回転軸の方向について詳しく説明すると、連結機構72A、72Bでは、棒体64の軸と略直交差する略水平な回転軸に対して、力伝達部材68A、68Bの上端部が床部32(H形鋼48)の下面に回転可能に連結され、連結機構74A、74Bでは、棒体64の軸と略平行な回転軸に対して、力伝達部材68A、68Bの下端部がアーム部材66A、66Bの先端部に回転可能に連結されている。
【0030】
このような構成により、床構造28では、棒体64の軸が床梁としてのH形鋼48の材軸と略平行になるようにして、ロッキング防止装置40が配置されている。
【0031】
次に、本発明の第1の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0032】
地震等により、上下免震された床部に水平慣性力が発生すると、この床部には転倒モーメントが生じてロッキング動が励起される。そして、このロッキング動による床部の鉛直変位は、上下方向の免震周期の二乗に比例して大きくなってしまう。
【0033】
例えば、中心間の水平距離が6mになるように設置した2つの空気ばねで床部を支持し、床部と床部に積載された積載物との合計重量を20ton、空気ばね高さの中心から積載物の重心までの鉛直距離を1m、床部に発生する水平最大加速度を150galとした場合に、周期1秒において2.5cm程度となる床部の鉛直変位は、周期2秒において10cm程度になってしまう。
【0034】
これに対して、第1の実施形態の床構造28では、図6の斜視図に示すように、地震等により、上下免震された床部32に水平慣性力が発生し、これにより床部32に転倒モーメントが生じて床部32が斜めに傾こうとする(棒体64の軸と略直交する略水平な回転軸に対して床部32が回転しようとする)場合、隣り合う力伝達部材68A、68B同士が上下方向へ相対移動するので、各力伝達部材68A、68Bに連結されたアーム部材66A、66Bが張り出している(固定されている)棒体64の部位の構造断面同士が相対的に回転する。
【0035】
このとき、これらの構造断面の間の棒体(以下、「ねじり抵抗部76」とする)に作用するねじり力に対して棒体64のねじり剛性が抵抗するので、隣り合う力伝達部材68A、68B同士が上下方向へ相対移動するのを防ぐことができる、又は隣り合う力伝達部材68A、68B同士の上下方向への相対移動量を低減することができる。
そして、これにより、上下免震された床部32に生じるロッキング動(棒体64の軸と略直交する略水平な回転軸に対する床部32の回転運動)を防止する又は低減することができる。
【0036】
また、図7の斜視図に示すように、地震等により、床部32が上下方向へ略平行移動する場合、棒体64は床スラブ30に回転可能に支持されており、ねじり抵抗部76にはねじり力が作用しないので、床部32は抵抗なく上下方向へ略平行移動することができる。
すなわち、ロッキング防止装置40によって、空気ばね36による床部32の上下免震機能が阻害されない。
【0037】
また、空気ばね等の一般的な上下免震装置は、この上下免震装置に支持された床部に発生する水平慣性力に対してある程度の水平耐力を有し、床部の水平変形にある程度追随することが可能であるが、床部に過度の水平慣性力や水平変形が発生する場合には、破損してしまうことが懸念される。これに対して床構造28では、力伝達機構34により、床部32に作用する水平力をトラス梁22に伝達し、床部32の水平変形を阻止するので、上下免震装置が破損するのを防ぐことができる。
【0038】
また、床構造28では、床部32が棒体64の軸方向へ水平変形されようとするときに、棒体64から張り出したアーム部材66A、66Bが床部32に生じる水平慣性力に抵抗するので、床部32の水平変形を低減することができ、これによっても上下免震装置が破損するのを防ぐことができる。
【0039】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0040】
なお、第1の実施形態では、ロッキング防止装置40を構成する力伝達部材68A、68Bの上端部を、方向60における、左から2つ目、4つ目、6つ目及び8つ目のH形鋼48の下面にピン連結した例を示したが(図3を参照のこと)、ロッキング防止装置40は、棒体64の軸が床梁としてのH形鋼48の材軸と略平行になるように設置するものであれば、どの平面位置に幾つ設置してもよい。また、力伝達部材68A、68Bの上端部は、どのH形鋼48に連結してもよい。
【0041】
また、第1の実施形態では、棒体64の軸がH形鋼48の材軸と略平行になるようにロッキング防止装置40を配置して、棒体64の軸と略直交する略水平な回転軸に対する床部32の回転運動(ロッキング動)を防止する又は低減する例を示したが、棒体64の軸と略平行な軸を回転中心にした床部32の回転運動(ロッキング動)を防止する又は低減する場合には、棒体64の軸がH形鋼48の材軸と略直交して略水平になるようにロッキング防止装置40を設置すればよい。
【0042】
また、棒体64の軸がH形鋼48の材軸と略平行になるように設置するロッキング防止装置40と、棒体64の軸がH形鋼48の材軸と略直交して略水平になるように設置するロッキング防止装置40とを併設してもよい。
【0043】
次に、本発明の第2の実施形態とその作用及び効果について説明する。
【0044】
第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
第2の実施形態では、図8の斜視図に示すように、ロッキング防止装置40において、隣り合う力伝達部材68A、68Bの間、及びアーム部材66A、66Bの間に、抵抗部材としての鋼製の棒部材78、80が略水平に設けられている。
【0045】
よって、地震等により、床部32が棒体64の軸方向へ水平変形されようとするときに、床部32に生じる水平慣性力に、軸力として棒部材78、80が抵抗するので、床部32の水平変形を低減することができる。
【0046】
図9、10の斜視図には、図8の抵抗部材の変形例が示されている。図9では、ロッキング防止装置40において、隣り合う力伝達部材68A、68Bの間、及びアーム部材66A、66Bの間に、抵抗部材としての鋼製のブレース部材82、84が斜めに設けられている。
【0047】
図10では、ロッキング防止装置40において、隣り合う力伝達部材68A、68Bの間、及びアーム部材66A、66Bの間に、抵抗部材としての鋼板86、88が力伝達部材68A、68Bの材軸、及びアーム部材66A、66Bの材軸に沿って設けられている。
【0048】
図9、10においては、ブレース部材82や鋼板86によって、隣り合う力伝達部材68A、68Bの間に剛性が付与され、これらの力伝達部材68A、68B同士の上下方向への相対移動量を低減できるので、棒体64(ねじり抵抗部76)に作用するねじり力を低減することができる。すなわち、棒体64(ねじり抵抗部76)の見かけ上のねじり剛性を向上させることができる。
【0049】
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明した。
【0050】
なお、第1及び第2の実施形態では、力伝達部材68A、68Bの下端部をアーム部材66A、66Bの先端部に回転可能にピン連結した例を示したが、力伝達部材68A、68Bの下端部に対するアーム部材66A、66Bの先端部の回転に対して摩擦又は粘性により抵抗するエネルギー吸収手段(不図示)を設けてもよい。
【0051】
このようにすれば、エネルギー吸収手段によって、力伝達部材68A、68Bの下端部に対してアーム部材66A、66Bの先端部を回転させる回転エネルギーが吸収される。これにより、エネルギー吸収手段がダンパーとして機能し、床部32の上下振動を減衰することができる。なお、エネルギー吸収手段は、H形鋼48の下面に対して力伝達部材68A、68Bの上端部を回転させる回転エネルギーを吸収するように設けてもよいし、軸受け部材70A、70Bに対して棒体64の端部を回転させる回転エネルギーを吸収するように設けてもよい。
【0052】
また、第1及び第2の実施形態では、連結機構72A、72Bにより、力伝達部材68A、68Bの上端部がH形鋼48の下面に回転可能にピン連結され、連結機構74A、74Bにより、力伝達部材68A、68Bの下端部がアーム部材66A、66Bの先端部に回転可能にピン連結された例を示したが、連結機構72A、72Bには、棒体64の軸と略平行な回転軸に対する回転力が作用し、連結機構74A、74Bには、棒体64の軸と略直交する略水平な回転軸に対する回転力が作用することが考えられる。しかし、これらの回転力は微少であり連結機構72A、72B、74A、74Bによって吸収される。これらの回転力が問題になるような場合には、連結機構72A、72B、74A、74Bをユニバーサルジョイントにすればよい。
【0053】
また、第1及び第2の実施形態では、空気ばね36を上下免震装置とした例を示したが、床部32を上下免震支持できるものであればよい。例えば、コイルばねや皿ばね等の鋼製ばねを用いてもよい。
【0054】
また、第1及び第2の実施形態では、水平変形防止装置としての力伝達機構34により床部32の水平変形を阻止し、上下免震装置としての空気ばね36が破損するのを防ぐ例を示したが、他の方法で上下免震装置の破損を防ぐようにしてもよい。ロッキング防止装置40の有する水平耐力によって床部32の水平変形を防止又は低減できる場合には、水平変形防止装置は設けなくてもよい。
【0055】
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、第1及び第2の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0056】
22 トラス梁(梁)
28 床構造
30 床スラブ
32 床部
36 空気ばね(上下免震装置)
64 棒体
66A、66B アーム部材
68A、68B 力伝達部材
78 棒部材(抵抗部材)
82 ブレース部材(抵抗部材)
86 鋼板(抵抗部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下免震された床部を有する床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、上下免震された床部の上下方向の免震周期を従来よりも長くして(例えば、0.5秒以上1秒未満であった従来の免震周期を1秒以上2秒以下にして)床部の免震性能を向上させるニーズが高まっている。
【0003】
地震により、上下免震された床部に水平慣性力が発生すると、この床部には転倒モーメントが生じてロッキング動が励起される。そして、このロッキング動による床部の鉛直変位は、上下方向の免震周期の二乗に比例して大きくなってしまう。
【0004】
特許文献1には、コイルばねを介して基礎上に支持された振動抑制対象部(平板)を2つのリンク機構によって水平に維持する振動抑制装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−222080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は係る事実を考慮し、上下免震された床部に生じるロッキング動を防止する又は低減する床構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、梁の下部に設けられた床スラブと、前記床スラブの上方に配置された床部と、前記床スラブに対して上下移動可能に前記床部を支持する上下免震装置と、前記床スラブに回転可能に支持された棒体と、前記棒体の軸方向に間隔をあけて配置され前記棒体から横方向へ張り出した一対のアーム部材と、下端部が前記アーム部材の先端部に回転可能に連結され、上端部が前記床部の下面に回転可能に連結された力伝達部材と、を有する床構造である。
【0008】
請求項1に記載の発明では、地震等により、上下免震装置に支持された床部に転倒モーメントが生じて床部が斜めに傾こうとする場合、隣り合う力伝達部材同士が上下方向へ相対移動して一対のアーム部材の間の棒体にねじり力が作用する。このとき、このねじり力に対して棒体のねじり剛性が抵抗するので、隣り合う力伝達部材同士が上下方向へ相対移動するのを防ぐことができる、又は隣り合う力伝達部材同士の上下方向への相対移動量を低減することができる。そして、これにより、上下免震された床部に生じるロッキング動を防止する又は低減することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記力伝達部材の下端部に対する前記アーム部材の先端部の回転に対して摩擦又は粘性により抵抗するエネルギー吸収手段が設けられている。
【0010】
請求項2に記載の発明では、エネルギー吸収手段が、力伝達部材の下端部に対するアーム部材の先端部の回転に対して摩擦又は粘性により抵抗しダンパーとして機能するので、床部の上下振動を減衰することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、隣り合う前記力伝達部材の間に、前記床部から作用する水平力に抵抗する抵抗部材が設けられている。
【0012】
請求項3に記載の発明では、隣り合う力伝達部材の間に抵抗部材が設けられている。そして、地震等により、床部が棒体の軸方向へ水平変形されようとするときに、床部に生じる水平慣性力に抵抗部材が抵抗するので、床部の水平変形を低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記構成としたので、上下免震された床部に生じるロッキング動を防止する又は低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る免震建物を示す立面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る床構造を示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る床構造を示す平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る力伝達機構を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るロッキング防止装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るロッキング防止装置の作用を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るロッキング防止装置の作用を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るロッキング防止装置を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るロッキング防止装置の変形例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るロッキング防止装置の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照しながら、本発明の床構造を説明する。なお、本実施形態では、トラス梁を用いた建物に本発明を適用した例を示すが、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、CFT造(Concrete-Filled Steel Tube:充填形鋼管コンクリート構造)、それらの混合構造など、さまざまな構造や規模の建物に対して適用することができる。
【0016】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0017】
図1の立面図に示すように、第1の実施形態の免震建物10は、地盤12に構築された基礎14と、基礎14の上に建てられた建物16とによって構成されている。建物16は、高減衰積層ゴム支承18によって基礎14の上に水平免震支持されており、多数のコンピュータサーバーと回線を備えたデータセンターとして機能する。
【0018】
建物16に立設された躯体柱20の間には、梁としてのトラス梁22が複数架設され、複数の階層を形成している。トラス梁22の上端部には上弦材としてのH形鋼24が設けられ、下端部には下弦材としてのH形鋼26が設けられている。
【0019】
図2の側面図に示すように、床構造28は、床スラブ30、床部32、水平変形防止装置としての力伝達機構34、上下免震装置としての空気ばね36、減衰装置としてのオイルダンパー38、及びロッキング防止装置40を有している。そして、空気ばね36により床部32が上下免震支持され、ロッキング防止装置40は、床部32を支持せずに、床部32に生じるロッキング動を防止する又は低減する。
【0020】
床スラブ30は、端部がH形鋼26のフランジ上面に載置されている。すなわち、トラス梁22の下部に床スラブ30が設けられている。床スラブ30は、H形鋼26に端部で支持されると共に、H形鋼26に端部が固定された小梁としてのH形鋼42に支持されている。
【0021】
床部32は、床面を構成する床材44と、枕材としてのC形鋼46を介して床材44が載置される複数の床梁としてのH形鋼48とを有している。床材44の上面には、コンピュータサーバーが収納されたラック50が載置されている。
【0022】
床スラブ30の上には支持台52が設置され、この支持台52の上に設置された空気ばね36にH形鋼48が支持されている。すなわち、床部32は、床スラブ30の上方に配置され、空気ばね36により、床スラブ30に対して上下移動可能に支持されている。また、床スラブ30の上面とH形鋼48の下面との間には、オイルダンパー38が設置されている。
【0023】
図3の平面図、及び図4の斜視図に示すように、力伝達機構34は、H形鋼24の側面に固定されたガイド部材54と、H形鋼48の両端面に固定され、ガイド部材54に形成された縦溝56を上下移動可能な水平力伝達部材58とによって構成され、床部32に作用する水平力をトラス梁22に伝達する。
【0024】
H形鋼48は、隣り合うH形鋼48同士が略平行になるように、平面視にて長方形状の床材44の長辺方向(以下、「方向60」とする)に対して等間隔に配置されている。そして、H形鋼48は、床材44の短辺方向(以下、「方向62」とする)における両端部付近で空気ばね36によって支持されている。
【0025】
また、方向60における、左から1つ目、4つ目、6つ目及び9つ目のH形鋼48の両端面に水平力伝達部材58が固定され、これらの水平力伝達部材58に対向するようにしてH形鋼24の側面にガイド部材54が固定されている。
【0026】
図5の斜視図に示すように、ロッキング防止装置40は、鋼製の棒体64、一対のアーム部材66A、66B、及び角柱状の力伝達部材68A、68Bを備えている。棒体64は、床スラブ30に固定された軸受け部材70A、70Bに両端が回転可能に支持されている。すなわち、棒体64は、床スラブ30に回転可能に支持されている。
【0027】
一対のアーム部材66A、66Bは、棒体64の軸方向に間隔をあけて配置され、末端部が棒体64に固定されて棒体64から横方向へ張り出している。
【0028】
力伝達部材68A、68Bは、連結機構72A、72Bにより、上端部がH形鋼48の下面に回転可能にピン連結されており、連結機構74A、74Bにより、下端部がアーム部材66A、66Bの先端部に回転可能にピン連結されている。力伝達部材68A、68Bは、方向60における、左から2つ目、4つ目、6つ目及び8つ目のH形鋼48の下面にピン連結されている。
【0029】
連結機構72A、72B、74A、74Bの回転軸の方向について詳しく説明すると、連結機構72A、72Bでは、棒体64の軸と略直交差する略水平な回転軸に対して、力伝達部材68A、68Bの上端部が床部32(H形鋼48)の下面に回転可能に連結され、連結機構74A、74Bでは、棒体64の軸と略平行な回転軸に対して、力伝達部材68A、68Bの下端部がアーム部材66A、66Bの先端部に回転可能に連結されている。
【0030】
このような構成により、床構造28では、棒体64の軸が床梁としてのH形鋼48の材軸と略平行になるようにして、ロッキング防止装置40が配置されている。
【0031】
次に、本発明の第1の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0032】
地震等により、上下免震された床部に水平慣性力が発生すると、この床部には転倒モーメントが生じてロッキング動が励起される。そして、このロッキング動による床部の鉛直変位は、上下方向の免震周期の二乗に比例して大きくなってしまう。
【0033】
例えば、中心間の水平距離が6mになるように設置した2つの空気ばねで床部を支持し、床部と床部に積載された積載物との合計重量を20ton、空気ばね高さの中心から積載物の重心までの鉛直距離を1m、床部に発生する水平最大加速度を150galとした場合に、周期1秒において2.5cm程度となる床部の鉛直変位は、周期2秒において10cm程度になってしまう。
【0034】
これに対して、第1の実施形態の床構造28では、図6の斜視図に示すように、地震等により、上下免震された床部32に水平慣性力が発生し、これにより床部32に転倒モーメントが生じて床部32が斜めに傾こうとする(棒体64の軸と略直交する略水平な回転軸に対して床部32が回転しようとする)場合、隣り合う力伝達部材68A、68B同士が上下方向へ相対移動するので、各力伝達部材68A、68Bに連結されたアーム部材66A、66Bが張り出している(固定されている)棒体64の部位の構造断面同士が相対的に回転する。
【0035】
このとき、これらの構造断面の間の棒体(以下、「ねじり抵抗部76」とする)に作用するねじり力に対して棒体64のねじり剛性が抵抗するので、隣り合う力伝達部材68A、68B同士が上下方向へ相対移動するのを防ぐことができる、又は隣り合う力伝達部材68A、68B同士の上下方向への相対移動量を低減することができる。
そして、これにより、上下免震された床部32に生じるロッキング動(棒体64の軸と略直交する略水平な回転軸に対する床部32の回転運動)を防止する又は低減することができる。
【0036】
また、図7の斜視図に示すように、地震等により、床部32が上下方向へ略平行移動する場合、棒体64は床スラブ30に回転可能に支持されており、ねじり抵抗部76にはねじり力が作用しないので、床部32は抵抗なく上下方向へ略平行移動することができる。
すなわち、ロッキング防止装置40によって、空気ばね36による床部32の上下免震機能が阻害されない。
【0037】
また、空気ばね等の一般的な上下免震装置は、この上下免震装置に支持された床部に発生する水平慣性力に対してある程度の水平耐力を有し、床部の水平変形にある程度追随することが可能であるが、床部に過度の水平慣性力や水平変形が発生する場合には、破損してしまうことが懸念される。これに対して床構造28では、力伝達機構34により、床部32に作用する水平力をトラス梁22に伝達し、床部32の水平変形を阻止するので、上下免震装置が破損するのを防ぐことができる。
【0038】
また、床構造28では、床部32が棒体64の軸方向へ水平変形されようとするときに、棒体64から張り出したアーム部材66A、66Bが床部32に生じる水平慣性力に抵抗するので、床部32の水平変形を低減することができ、これによっても上下免震装置が破損するのを防ぐことができる。
【0039】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0040】
なお、第1の実施形態では、ロッキング防止装置40を構成する力伝達部材68A、68Bの上端部を、方向60における、左から2つ目、4つ目、6つ目及び8つ目のH形鋼48の下面にピン連結した例を示したが(図3を参照のこと)、ロッキング防止装置40は、棒体64の軸が床梁としてのH形鋼48の材軸と略平行になるように設置するものであれば、どの平面位置に幾つ設置してもよい。また、力伝達部材68A、68Bの上端部は、どのH形鋼48に連結してもよい。
【0041】
また、第1の実施形態では、棒体64の軸がH形鋼48の材軸と略平行になるようにロッキング防止装置40を配置して、棒体64の軸と略直交する略水平な回転軸に対する床部32の回転運動(ロッキング動)を防止する又は低減する例を示したが、棒体64の軸と略平行な軸を回転中心にした床部32の回転運動(ロッキング動)を防止する又は低減する場合には、棒体64の軸がH形鋼48の材軸と略直交して略水平になるようにロッキング防止装置40を設置すればよい。
【0042】
また、棒体64の軸がH形鋼48の材軸と略平行になるように設置するロッキング防止装置40と、棒体64の軸がH形鋼48の材軸と略直交して略水平になるように設置するロッキング防止装置40とを併設してもよい。
【0043】
次に、本発明の第2の実施形態とその作用及び効果について説明する。
【0044】
第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
第2の実施形態では、図8の斜視図に示すように、ロッキング防止装置40において、隣り合う力伝達部材68A、68Bの間、及びアーム部材66A、66Bの間に、抵抗部材としての鋼製の棒部材78、80が略水平に設けられている。
【0045】
よって、地震等により、床部32が棒体64の軸方向へ水平変形されようとするときに、床部32に生じる水平慣性力に、軸力として棒部材78、80が抵抗するので、床部32の水平変形を低減することができる。
【0046】
図9、10の斜視図には、図8の抵抗部材の変形例が示されている。図9では、ロッキング防止装置40において、隣り合う力伝達部材68A、68Bの間、及びアーム部材66A、66Bの間に、抵抗部材としての鋼製のブレース部材82、84が斜めに設けられている。
【0047】
図10では、ロッキング防止装置40において、隣り合う力伝達部材68A、68Bの間、及びアーム部材66A、66Bの間に、抵抗部材としての鋼板86、88が力伝達部材68A、68Bの材軸、及びアーム部材66A、66Bの材軸に沿って設けられている。
【0048】
図9、10においては、ブレース部材82や鋼板86によって、隣り合う力伝達部材68A、68Bの間に剛性が付与され、これらの力伝達部材68A、68B同士の上下方向への相対移動量を低減できるので、棒体64(ねじり抵抗部76)に作用するねじり力を低減することができる。すなわち、棒体64(ねじり抵抗部76)の見かけ上のねじり剛性を向上させることができる。
【0049】
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明した。
【0050】
なお、第1及び第2の実施形態では、力伝達部材68A、68Bの下端部をアーム部材66A、66Bの先端部に回転可能にピン連結した例を示したが、力伝達部材68A、68Bの下端部に対するアーム部材66A、66Bの先端部の回転に対して摩擦又は粘性により抵抗するエネルギー吸収手段(不図示)を設けてもよい。
【0051】
このようにすれば、エネルギー吸収手段によって、力伝達部材68A、68Bの下端部に対してアーム部材66A、66Bの先端部を回転させる回転エネルギーが吸収される。これにより、エネルギー吸収手段がダンパーとして機能し、床部32の上下振動を減衰することができる。なお、エネルギー吸収手段は、H形鋼48の下面に対して力伝達部材68A、68Bの上端部を回転させる回転エネルギーを吸収するように設けてもよいし、軸受け部材70A、70Bに対して棒体64の端部を回転させる回転エネルギーを吸収するように設けてもよい。
【0052】
また、第1及び第2の実施形態では、連結機構72A、72Bにより、力伝達部材68A、68Bの上端部がH形鋼48の下面に回転可能にピン連結され、連結機構74A、74Bにより、力伝達部材68A、68Bの下端部がアーム部材66A、66Bの先端部に回転可能にピン連結された例を示したが、連結機構72A、72Bには、棒体64の軸と略平行な回転軸に対する回転力が作用し、連結機構74A、74Bには、棒体64の軸と略直交する略水平な回転軸に対する回転力が作用することが考えられる。しかし、これらの回転力は微少であり連結機構72A、72B、74A、74Bによって吸収される。これらの回転力が問題になるような場合には、連結機構72A、72B、74A、74Bをユニバーサルジョイントにすればよい。
【0053】
また、第1及び第2の実施形態では、空気ばね36を上下免震装置とした例を示したが、床部32を上下免震支持できるものであればよい。例えば、コイルばねや皿ばね等の鋼製ばねを用いてもよい。
【0054】
また、第1及び第2の実施形態では、水平変形防止装置としての力伝達機構34により床部32の水平変形を阻止し、上下免震装置としての空気ばね36が破損するのを防ぐ例を示したが、他の方法で上下免震装置の破損を防ぐようにしてもよい。ロッキング防止装置40の有する水平耐力によって床部32の水平変形を防止又は低減できる場合には、水平変形防止装置は設けなくてもよい。
【0055】
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、第1及び第2の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0056】
22 トラス梁(梁)
28 床構造
30 床スラブ
32 床部
36 空気ばね(上下免震装置)
64 棒体
66A、66B アーム部材
68A、68B 力伝達部材
78 棒部材(抵抗部材)
82 ブレース部材(抵抗部材)
86 鋼板(抵抗部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁の下部に設けられた床スラブと、
前記床スラブの上方に配置された床部と、
前記床スラブに対して上下移動可能に前記床部を支持する上下免震装置と、
前記床スラブに回転可能に支持された棒体と、
前記棒体の軸方向に間隔をあけて配置され前記棒体から横方向へ張り出した一対のアーム部材と、
下端部が前記アーム部材の先端部に回転可能に連結され、上端部が前記床部の下面に回転可能に連結された力伝達部材と、
を有する床構造。
【請求項2】
前記力伝達部材の下端部に対する前記アーム部材の先端部の回転に対して摩擦又は粘性により抵抗するエネルギー吸収手段が設けられている
請求項1に記載の床構造。
【請求項3】
隣り合う前記力伝達部材の間に、前記床部から作用する水平力に抵抗する抵抗部材が設けられている
請求項1又は2に記載の床構造。
【請求項1】
梁の下部に設けられた床スラブと、
前記床スラブの上方に配置された床部と、
前記床スラブに対して上下移動可能に前記床部を支持する上下免震装置と、
前記床スラブに回転可能に支持された棒体と、
前記棒体の軸方向に間隔をあけて配置され前記棒体から横方向へ張り出した一対のアーム部材と、
下端部が前記アーム部材の先端部に回転可能に連結され、上端部が前記床部の下面に回転可能に連結された力伝達部材と、
を有する床構造。
【請求項2】
前記力伝達部材の下端部に対する前記アーム部材の先端部の回転に対して摩擦又は粘性により抵抗するエネルギー吸収手段が設けられている
請求項1に記載の床構造。
【請求項3】
隣り合う前記力伝達部材の間に、前記床部から作用する水平力に抵抗する抵抗部材が設けられている
請求項1又は2に記載の床構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−112188(P2012−112188A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262813(P2010−262813)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【出願人】(509338994)株式会社IHIインフラシステム (104)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【出願人】(509338994)株式会社IHIインフラシステム (104)
【Fターム(参考)】
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