説明

建築用材補強具並びに建築構造物の構築方法

【課題】強固な骨組構造体を有する建築構造物を構築することが可能となる建築用材補強具並びにこの建築用材補強具を用いた建築構造物の構築方法を提供すること。
【解決手段】建築用縦材1に沿設させる帯板状の縦材補強板部3と、建築用横材2に沿設させる帯板状の横材補強板部4とを、互いに直交若しくは傾斜状態となるようにして補強具本体Aに設け、この縦材補強板部3に前記建築用縦材1に包持固定する縦材クランプ部5を設け、前記横材補強板部4に前記建築用横材2に包持固定する横材クランプ部6を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築用縦材と建築用横材の強度不足を補って例えば単管などの比較的安価で低強度な建築材を用いた場合でも、強固な骨組構造体を有する建築構造物を構築することが可能となる建築用材補強具並びにこの建築用材補強具を用いた建築構造物の構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農家などでは、個人自らが仮設足場などの構築に用いられる単管とクランプを使用して簡易的なガレージや物置小屋などの建築構造物を構築しているところがある。具体的には、例えば住居用の家屋に並設させて骨組構造体を組み、この骨組構造体の家屋側に存する骨組(単管)を適宜な接合金具を用いて家屋の壁面に固定することで、強度を保持した単管建築構造物を実現している。
【0003】
このような単管を用いて構築するガレージや物置小屋は、比較的簡単に組め、専門の建築業者に依頼して建築してもらう場合に比べて非常に安価に構築できるというメリットがあるため、農家を中心に広く実施されるようになってきている。
【0004】
しかしながら、このような単管建築構造物は、骨組材が単管であることから強度的に限界があり、この強度の問題から設計上の制約を受け、所望した通りに構築物を構築することは困難であった。
【0005】
即ち、例えば長い単管を、建築用縦材(縦設単管)間に架設固定する建築用横材として使用した場合には、この横設単管の途中部が強度不足により下方へ撓むように変形してしまうため、これを防止するためには支柱として機能する他の縦設単管をこの横設単管の途中部の下方に設置する必要があり、横設単管下方の間口を横設単管の長さと同等に形成することは不可能であった。
【0006】
してみると、例えば、自動車を二台横に並べて駐車できるガレージを構築する場合には、自動車の出し入れのし易さなどを考慮してガレージの出入り口(間口)を自動車二台分以上に広く確保したいが、この間口確保のために出入り口上方に長い横設単管を設置すると、この横設単管の強度が足りず、下方に撓んできてしまうために途中に支柱(縦設単管)を設置しなければならなくなり、この支柱によって出入り口が仕切られてどうしても狭い出入り口になってしまうなどの問題があった。
【0007】
また、農家では、収穫した多量の米などを保管しておく広い保管場所が必要であり、前記したような単管建築構造物により、二階建ての物置小屋のような低コストで大容量の保管場所を確保できれば非常に有用であると考えられる。
【0008】
しかし、この単管建築構造物は、二階建ての小屋などを作ること自体は可能であるが、上記した強度的な問題から、二階部分を支える建築用横材上に張設した床上に米などの重量物を多量に保管することは叶わなかった。
【0009】
そこで出願人は、建築用横材に簡単に高い補強作用を付与することができる下記特許文献1を開発した。そして、この特許文献1を用いれば、単管建築構造物であっても設計の自由度が向上して間口を広くしたり床強度を向上して重量物をたくさん保管できるような実用性の増すものとすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−2103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1を利用することにより、建築用横材となる横設単管に高い強度を付与して上記のような優れた実用性を発揮する単管建築構造物を構築できるが、建築用縦材となる縦設単管については特別な補強を行うものではなかったため、家屋の壁面に固定することによる家屋の強度に頼った単管建築構造物とせざるを得なく、従って、このような単管建築構造物は、家屋へぴったりと並設させて構築することが条件となってしまっていた。
【0012】
本発明は、このような現状に鑑みて上記特許文献1を改良したもので、建築用横材にだけでなく、建築用縦材とこの建築用縦材と建築用横材との連結部分にも高い補強作用を付与して、単管のような比較的強度の低い建築用材を用いた場合であっても極めて強度の高い骨組構造体を有する建築構造物を構築でき、家屋へ並設させずとも独立した建築構造物として所望の場所へ構築することも可能となる画期的な建築用材補強具並びにこの建築用材補強具を用いた建築構造物の構築方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0014】
建築構造物Bの骨組を構築するために直交若しくは傾斜状態に連結固定される建築用縦材1と建築用横材2とを補強する建築用材補強具であって、前記建築用縦材1に沿設せしめる帯板状の縦材補強板部3と、前記建築用横材2に沿設せしめる帯板状の横材補強板部4とを補強具本体Aに設けると共に、この縦材補強板部3と横材補強板部4とは、互いに直交若しくは傾斜状態となるようにして補強具本体Aに配設し、この縦材補強板部3に前記建築用縦材1に包持固定する縦材クランプ部5を設けて、この縦材クランプ部5を建築用縦材1に固定することで縦材補強板部3が建築用縦材1に沿設状態に配設すると共に、この縦材補強板部3の板面が立直面となる縦設状態で建築用縦材1に固定し得るように前記縦材クランプ部5を前記縦材補強板部3に配設した構成とし、前記横材補強板部4に前記建築用横材2に包持固定する横材クランプ部6を設けて、この横材クランプ部6を建築用横材2に固定することで横材補強板部4が建築用横材2に沿設状態に配設すると共に、この横材補強板部4の板面が立直面となる縦設状態で建築用横材2に固定し得るように前記横材クランプ部6を前記横材補強板部4に配設した構成としたことを特徴とする建築用材補強具に係るものである。
【0015】
また、帯板状の前記縦材補強板部3と、帯板状の前記横材補強板部4とを直交若しくは傾斜状態に連結固定して、この縦材補強板部3と横材補強板部4とが互いに直交若しくは傾斜状態に配設する前記補強具本体Aを構成したことを特徴とする請求項1記載の建築用材補強具に係るものである。
【0016】
また、帯板状の前記縦材補強板部3と、帯板状の前記横材補強板部4とを、夫々の板面を重合連結することで直交若しくは傾斜状態に連結固定して前記補強具本体Aを構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の建築用材補強具に係るものである。
【0017】
また、前記縦材クランプ部5を前記建築用縦材1に固定した際、帯板状の前記縦材補強板部3がその板面方向の長さ方向が建築用縦材1に略平行な沿設状態となるように、この縦材クランプ部5の建築用縦材1への配設位置を設定し、前記横材クランプ部6を前記建築用横材2に固定した際、帯板状の前記横材補強板部4がその板面方向の長さ方向が建築用横材2に略平行な沿設状態となり、且つ横材補強板部4の板面方向の長さ方向と直交する幅方向が上下方向となり前記建築用横材2の下方に縦設状態で配設し得るように、この横材クランプ部6の横材補強板部4への配設位置を設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の建築用材補強具に係るものである。
【0018】
また、建築用縦材1間に架設状態に建築用横材2を連結固定して形成した略コ字形の骨組を補強する建築用材補強具であって、帯板状の前記横材補強板部4の両側に、帯板状の前記縦材補強板部3を直交若しくは傾斜状態に連結固定して略コ字状の前記補強具本体Aを構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建築用材補強具に係るものである。
【0019】
また、前記縦材クランプ部5は、前記建築用縦材1としてのパイプ1Aに包持固定し得るパイプクランプ5Aを採用し、前記横材クランプ部6は、前記建築用横材2としてのパイプ2Aに包持固定し得るパイプクランプ6Aを採用したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の建築用材補強具に係るものである。
【0020】
また、前記縦材クランプ部5と前記横材クランプ部6とは、クランプ連結手段7により前記縦材補強板部3と前記横材補強板部4とに着脱自在に連結し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の建築用材補強具に係るものである。
【0021】
また、前記クランプ連結手段7は、前記縦材クランプ部5若しくは前記横材クランプ部6を有するか又は縦材クランプ部5若しくは横材クランプ部6を取付可能な連結体8を、前記縦材補強板部3若しくは前記横材補強板部4に重合連結し得るように構成したことを特徴とする請求項7記載の建築用材補強具に係るものである。
【0022】
また、建築用縦材1と建築用横材2とを直交あるいは傾斜状態に連結固定して構築される骨組構造体9を有する建築構造物の構築方法であって、前記建築用縦材1と前記建築用横材2に、前記請求項1〜8のいずれか1項に記載の建築用材補強具を、前記縦材クランプ部5と前記横材クランプ部6とを介して固定することを特徴とする建築構造物の構築方法に係るものである。
【0023】
また、前記建築用縦材1と前記建築用横材2とがパイプ1A・2Aを採用して構成された建築構造物の構築方法であって、前記建築用材補強具の前記縦材クランプ部5は、前記建築用縦材1としてのパイプ1Aに抱持固定し得るパイプクランプ5Aを採用すると共に、前記横材クランプ部6は、前記建築用横材2としてのパイプ2Aに抱持固定し得るパイプクランプ6Aを採用し、この縦材クランプ部5としてのパイプクランプ5Aと横材クランプ部6としてのパイプクランプ6Aを建築用縦材1としてのパイプ1Aと建築用横材2としてのパイプ2Aに抱持固定することで建築用縦材1と建築用横材2とに前記建築用材補強具を固定することを特徴とする請求項9記載の建築構造物の構築方法に係るものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明は上述のように構成したから、前記特許文献1と同様に、建築用横材に高い耐変形強度を付与することができ、従って、例えば、本補強具を固定した長い建築用横材を使用することで、自動車二台分以上の開口幅の出入り口(間口)を有するガレージを構築したり、二階の床を支える一階の天井部分の建築用横材に本補強具を固定して補強することで、非常に強度が高く耐荷重性に秀れた二階の床を有する二階建ての物置小屋などを構築することが可能となり、加えて本発明では、建築用縦材にも建築用材補強具の縦材補強板部を固定でき、これにより建築用縦材と建築用横材とを縦材補強板部と横材補強板部とによって強固に補強できると共に、建築用縦材と建築用横材との連結部分の耐歪み強度も発揮でき、非常に高い耐変形強度を発揮する骨組構造体を具備した建築構造物を構築することができ、この強度の高い建築用構造物は、従来までのように家屋の壁面に沿設固定して家屋の強度に頼るようなことをせずとも、単体で十分な強度を持って設置される建築用構造物となり、家屋の隣地に限らず、自由な位置への構築設置可能となるなど、極めて実用性に優れた画期的な建築用材補強具となる。
【0025】
また、請求項2記載の発明においては、縦材補強板部と横材補強板部とが互いに直交若しくは傾斜状態に配設する補強具本体を簡易に設計実現可能となり、しかも、縦材補強板部も横材補強板部も帯板を採用したから、板材は安価に且つ簡易に入手可能で簡易に設計実現可能であると共に、軽量で取り扱い性に秀れ、建築用横材に固定してもさほど作業性を損なうこともなく、その上、例えば複数の帯板材を用意しておいてこれを連結したり連結解除したりできるような縦材補強板部と横材補強板部を構成することも容易にでき、このような構成とすることで、固定する建築用縦材や建築用横材の長さに応じて全長を容易に変更可能な縦材補強板部と横材補強板部が実現可能となるなど、一層実用性に優れた構成の建築用横材補強具となる。
【0026】
また、請求項3記載の発明においては、帯板状の前記縦材補強板部と、帯板状の前記横材補強板部とを簡易に連結固定できる一層実用性に優れた構成の建築用材補強具となる。
【0027】
また、請求項4記載の発明においては、縦材補強板部と横材補強板部とが建築用縦材と建築用横材とに略平行に並設してさほど大きく突出しないために取り扱い性に秀れると共に、骨組として組み込んだ際に他の建築材や空間を圧迫しにくく、しかも、横材補強板部が建築用横材の下方へ配設するため、この建築用横材上方への床材などの取付に横材補強板部が邪魔となることもないなど、一層実用性に優れた構成の建築用材補強具となる。
【0028】
また、請求項5記載の発明においては、建築用縦材間に架設状態に建築用横材を連結固定して形成した略コ字形の骨組を極めて強固に補強可能となる一層実用性に優れた構成の建築用材補強具となる。
【0029】
また、請求項6記載の発明においては、パイプ(単管など)を建築用縦材と建築用横材として構築するこれまでの建築構造物は、安価に構築可能である反面パイプ自体の強度が不足がちであるために設計上の制約があるという問題があったが、本補強具により建築用縦材と建築用横材として用いるパイプに簡単に強度を持たせることができるので、設計の自由度が向上してただのパイプだけでは実現不可能だった出入り口(間口)の広いガレージや耐荷重性の高い二階床を備えた二階建ての物置小屋などを簡易に構築することが可能となると共に、独立した建築構造物として、家屋の隣地に限らず所望する位置への構築が可能となるなど、一層実用性に優れた構成の建築用材補強具となる。
【0030】
また、請求項7記載の発明においては、例えば、縦材補強板部と横材補強板部にクランプ部を溶接するような構成に比して、縦材補強板部と横材補強板部にクランプ部を設ける構成(クランプ連結手段)を簡易に設計実現可能であると共に、縦材補強板部と横材補強板部に対して最適な位置にクランプ部を連結できるような構成とすることも簡易に設計実現可能であるなど、一層実用性に優れた構成の建築用材補強具となる。
【0031】
また、請求項8記載の発明においては、前記クランプ連結手段を簡易な構造により容易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の建築用材補強具となる。
【0032】
また、請求項9記載の発明においては上述のように構成したから、前記作用・効果を発揮する極めて実用性に優れた画期的な建築構造物の構築方法となる。
【0033】
また、請求項10記載の発明においては、単管などのパイプによる建築構造物の建築用縦材(縦設パイプ)と建築用横材(横設パイプ)に簡単に強度を持たせることができるので、設計の自由度が向上して出入り口(間口)の広いガレージや耐荷重性の高い二階床を備えた二階建ての物置小屋などを簡易に且つ安価に構築可能となると共に、独立した建築構造物として、家屋の隣地に限らず所望する位置への構築が可能となるなど、一層実用性に優れた構成の建築構造物の構築方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施例1の使用状態(骨組構造体)を示す説明斜視図である。
【図2】実施例1のコ字形タイプの補強具本体を示す斜視図である。
【図3】実施例1の縦材補強板部と横材補強板部との連結構造、並びにクランプ連結手段を示す説明分解斜視図である。
【図4】実施例1のコ字形タイプの補強具本体の固定構造を示す説明斜視図である。
【図5】実施例1のL字形タイプの補強具本体を示す斜視図である。
【図6】実施例1のL字形タイプの補強具本体の固定構造を示す説明斜視図である。
【図7】実施例1のコ字形タイプの補強具本体とL字形タイプの補強具本体とを併用した固定構造を示す説明部分拡大斜視図である。
【図8】実施例1を用いて構築したガレージの一例を示す説明斜視図である。
【図9】ガレージの骨組構造体を示す説明正面図である。
【図10】ガレージの接地脚を、地面に接地させた状態を示す説明部分拡大側面図である。
【図11】ガレージの移動用車輪を、地面に接地させた状態を示す説明部分拡大側面図である。
【図12】ガレージの移動用車輪を、地面に接地させた状態における骨組構造体を示す説明正面図である。
【図13】ガレージの移動状態を示す説明斜視図である。
【図14】ガレージの出入口にカーテンを装備した状態を示す説明斜視図である。
【図15】実施例2(L字形タイプの補強具本体)を示す説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0036】
建築構造物Bの骨組(骨組構造体9)を構築するために直交若しくは傾斜状態に連結固定される建築用縦材1と建築用横材2とに、建築用縦材1には縦材クランプ部5を、建築用横材2には横材クランプ部6を夫々包持固定することで本発明の建築用材補強具(補強具本体A)を固定すると、帯板状の縦材補強板部3が建築用縦材1に沿設状態に配設して固定されると共に、帯板状の横材補強板部4が建築用横材2に沿設状態に配設して固定されることになる。
【0037】
そのため、建築用縦材1にこの建築用縦材1が変形しようとする荷重が加わった際には、この荷重が建築用縦材1だけでなく前記縦材補強板部3によっても支持されて建築用縦材1の耐変形強度が向上することになり、また、建築用横材2にこの建築用横材2が変形しようとする荷重が加わった際には、この荷重が建築用横材2だけでなく前記横材補強板部4によっても支持されて建築用横材2の耐変形強度が向上することになる。
【0038】
しかも、縦材補強板部3は、その板面が立直面となる縦設状態で建築用縦材1に固定されるので、この縦材補強板部3は、特にこの縦材補強板部3の板面の長さ方向と直交する板幅方向、即ち建築用縦材1をその長さ方向と直交する横方向に変形させようとする荷重に対して強い耐変形強度を発揮することになる。
【0039】
また、横材補強板部4も、その板面が立直面となる縦設状態で建築用横材2に固定されるので、この横材補強板部4は、特にこの横材補強板部4の板面の長さ方向と直交する板幅方向、即ち建築用横材2をその長さ方向と直交する上下方向に変形させようとする荷重に対して強い耐変形強度を発揮することになる。
【0040】
即ち、板は、その板厚方向への変形荷重に対しては弱いが、板幅方向への変形荷重に対しては強い耐変形強度を発揮する性質を有している。
【0041】
この板の性質を利用し、建築用縦材1が横方向に変形しようとすることに抗して、縦材補強板部3が最も高い耐変形強度を発揮する状態となるようにして建築用縦材1に固定されるため、建築用縦材1の横方向(縦材補強板部3の板面の板幅方向)への変形が極めて強固に防止され、また、建築用横材2が上下方向に変形しようとすることに抗して、横材補強板部4が最も高い耐変形強度を発揮する状態となるようにして建築用横材2に固定されるため、建築用横材2の上下方向(横材補強板部4の板面の板幅方向)への変形が極めて強固に防止されることになる。
【0042】
従って、高い耐変形強度が付与された建築用縦材1が建築構造物Bの骨組構造体9の強固な縦材(支柱)としての役割を担うこととなるので、建築用縦材1として強度不足の懸念のある素材を使用した場合であっても変形を生じるようなことがなく、また、高い耐変形強度が付与された建築用横材2も骨組構造体9の強固な横材としての役割を担うこととなるので、建築用横材2として強度不足の懸念のある長い建築用横材2を使用した場合であっても、その途中に補強用の支柱などを設置せずとも建築用横材2が下方へ撓み変形するようなことがなく、この長い建築用横材2の下方に支柱のない広い間口を確保することが可能となる骨組構造体9を構築できる。
【0043】
更に、縦材補強板部3と横材補強板部4とが別々に分離した構成でなく、補強具本体Aに互いに直交若しくは傾斜状態に配設された構成であるから、建築用縦材1と建築用横材2との連結部分にこの連結部分が歪もうとする荷重が加わった際には、この荷重が縦材補強板部3と横材補強板部4との連設部分によっても支持されることになるので、建築用縦材1と建築用横材2との連結部分の耐歪み強度(骨組構造体9の耐変形強度)も向上することになる。
【0044】
従って、このように本補強具によって建築用縦材1と建築用横材2とこの建築用縦材1と建築用横材2との連結部分の耐変形強度が著しく増すことになるため、たとえ強度不足の懸念がある単管などのパイプを建築用縦材1や建築用横材2として採用し構築する建築構造物Bにあっても、連結した建築用縦材1と建築用横材2とがしっかりとした直交若しくは傾斜状態に保持されて優れた耐変形強度・耐震性を発揮する骨組構造体9を有する建築構造物Bを構築することができ、このようにして構築された建築用構造物Bは、家屋の壁面に沿設固定して家屋の強度に頼るようなことをせずとも、単体で十分な強度を持って設置されるので、家屋の隣地に限らず、構築者が所望する自由な位置への構築が可能となる。
【実施例1】
【0045】
本発明の具体的な実施例1について図1〜図14に基づいて説明する。
【0046】
本実施例は、パイプ(図面は丸形の単管)を採用した建築用縦材1と建築用横材2とを直交あるいは傾斜状態に連結固定して構築される骨組構造体9を有する建築構造物Bを形成するための前記建築用縦材1と前記建築用横材2、即ち縦設パイプ1A(縦設単管)と横設パイプ2A(横設単管)とを補強する建築用横材補強具に係るものである。
【0047】
具体的には、前記建築用縦材1に沿設させる帯板状の縦材補強板部3と、前記建築用横材2に沿設させる帯板状の横材補強板部4とを補強具本体Aに設けると共に、この縦材補強板部3と横材補強板部4とは、互いに直交若しくは傾斜状態となるようにして補強具本体Aに配設している。
【0048】
また、帯板状の前記縦材補強板部3と、帯板状の前記横材補強板部4とは、別々の金属製帯板材で構成し、この縦材補強板部3の端部と横材補強板部4の端部とを直交状態に連結固定して、この縦材補強板部3と横材補強板部4とが互いに直交状態に配設する前記補強具本体Aを構成している。尚、縦材補強板部3と横材補強板部4の材質は、本実施例で採用した金属製に限られるものではなく、樹脂製の板材や木製の板材や各種合板材やその他の板材を採用して構成しても良く、要は建築用縦材1と建築用横材2とに補強作用を付与できる強度を具備した板材であれば良い。
【0049】
また、この縦材補強板部3の端部と横材補強板部4の端部との連結構造は、図3に示すように、縦材補強板部3の端部と横材補強板部4の端部とに夫々、この縦材補強板部3の端部の板面と横材補強板部4の端部の板面とを直交状態にして重合した際に連通する連通孔10を複数(図面では縦材補強板部3の端部と横材補強板部4の端部とに夫々四箇所ずつ)貫通形成し、この連通状態とした各連通孔10にボルト11A・ナット11Bを採用した連結具11のボルト11Aを挿通してナット11B止めすることで、縦材補強板部3の端部と横材補強板部4の端部とを重合状態にして連結した構造としている。
【0050】
また、本実施例では、縦材補強板部3の板面全域と横材補強板部4の板面全域とが略面一(略平行)となるようにして、縦材補強板部3の端部と横材補強板部4の端部とを重合連結した構成とし、これによりこの重合連結部(縦材補強板部3と横材補強板部4との連設部分)が、建築用縦材1と建築用横材2の連結部分が歪もうとする荷重に対して非常に強固な補強作用を発揮することになる構成としている。
【0051】
また、本実施例では、縦材補強板部3に前記建築用縦材1に包持固定する縦材クランプ部5を設けて、この縦材クランプ部5を建築用縦材1に固定することで縦材補強板部3が建築用縦材1に沿設状態に配設すると共に、前記横材補強板部4に前記建築用横材2に包持固定する横材クランプ部6を設けて、この横材クランプ部6を建築用横材2に固定することで横材補強板部4が建築用横材2に沿設状態に配設する構成としている。
【0052】
具体的には、縦材クランプ部5と横材クランプ部6とは、いずれもパイプクランプ5A・6A(図面では公知の単管クランプ5A・6A)を採用して構成している。
【0053】
また、このパイプクランプ5Aとパイプクランプ6Aとは、いずれもクランプ連結手段7により前記縦材補強板部3と前記横材補強板部4とに着脱自在に連結し得るように構成し、このクランプ連結手段7は、パイプクランプ5A若しくはパイプクランプ6Aを有するか又はパイプクランプ5A若しくはパイプクランプ6Aを取付可能な連結体8を、前記縦材補強板部3若しくは前記横材補強板部4に重合連結し得るように構成している。
【0054】
パイプクランプ5Aのクランプ連結手段7について詳しく説明すると、本実施例のパイプクランプ5Aは、ボルト杆13が外方へ突出状態に設けられたパイプクランプ5Aを採用している。
【0055】
また、連結体8は、縦材補強板部3に重合可能な金属製の方形短板8Aで構成し、この方形短板8Aを縦材補強板部3に重合した際に連通する連結孔12をこの方形短板8Aと縦材補強板部3とに貫通形成し、この連通する連結孔12にパイプクランプ5Aの前記ボルト杆13を挿通して止着具14として採用したナット14Bで螺着止めすることで、縦材補強板部3に方形短板8Aを介してパイプクランプ5Aを止着固定し、縦材補強板部3の一側板面よりその板面の直角外側方向にパイプクランプ5Aが突設するように構成している。
【0056】
また、このパイプクランプ5A用の連結体8(方形短板8A)は、縦材補強板部3からのパイプクランプ5Aの突出度を調整するためのスペーサーとして機能するもので、この連結体8の重合枚数を多くすれば、縦材補強板部3からのパイプクランプ5Aの突出度を大きくすることができ、状況に応じて他の建築用具(クランプなど)に縦材補強板部3が干渉しなくなるような適切なパイプクランプ5Aの突出度に容易に調整設定可能な構成としている。
【0057】
また、縦材補強板部3には、その長さ方向に間隔を置いた複数個所(図2では、縦材補強板部3の三箇所)に前記連結孔12を貫通形成し、この各連結孔12に前記方形短板8Aを介してパイプクランプ5Aを固定している。即ち、縦材補強板部3には、その長さ方向に間隔を置いた数箇所(三箇所)にパイプクランプ5Aを突設した構成としている。
【0058】
また、この各パイプクランプ5Aは、縦材補強板部3の長さ方向と平行な一直線上に並設する構成として、パイプクランプ5Aを前記建築用縦材1に固定した際、帯板状の縦材補強板部3がその板面方向の長さ方向が建築用縦材1の長さ方向と略平行な沿設状態となると共に、縦材補強板部3は、その板面が立直面となり、且つ縦材補強板部3の板面方向の長さ方向と直交する幅方向が水平横方向となる縦設状態で建築用縦材1に固定され、更にこの縦材補強板部3の板面が建築用縦材1に重なった位置に存するようにして固定される構成としている。
【0059】
従って、建築用縦材1にこの建築用縦材1が変形しようとする荷重が加わった際には、この荷重が建築用縦材1だけでなく前記縦材補強板部3によっても支持されて建築用縦材1の耐変形強度が向上する構成としている。また、この縦材補強板部3は、特にこの縦材補強板部3の板面の長さ方向と直交する板幅方向、即ち建築用縦材1をその長さ方向と直交する横方向に変形させようとする荷重に対して強い耐変形強度を発揮することになる構成としている。
【0060】
パイプクランプ6Aのクランプ連結手段7について詳しく説明すると、パイプクランプ6Aを有し前記横材補強板部4に重合可能な帯状板8Bを連結体8に構成し、このクランプ付帯状板8Bを前記補強板1に重合した際に連通する連結孔12をこのクランプ付帯状板8Bと横材補強板部4とに設け、この連通する連結孔12にボルト14A・ナット14Bを採用した止着具14のボルト14Aを挿通してナット14B止めすることで、横材補強板部4にクランプ付帯状板8を固定し、横材補強板部4の長さ方向に延びる上側縁からパイプクランプ6Aが突設するように構成している。
【0061】
また、横材補強板部4には、その長さ方向に間隔を置いた複数個所(図2では、横材補強板部4の三箇所)に前記連結孔12を貫通形成し、この各連結孔12に前記クランプ付帯状板8Bを固定している。即ち、横材補強板部4は、その長さ方向に間隔を置いた数箇所(三箇所)にパイプクランプ6Aを突設した構成としている。
【0062】
また、この各パイプクランプ6Aは、縦材補強板部3の長さ方向と平行な一直線上に並設する構成、即ち各パイプクランプ6Aが横材補強板部4の上側縁に対して等しい突出度で突設するように、各パイプクランプ6Aを帯状板8Bを介して横材補強板部4に固定した構成とし、これにより、パイプクランプ6Aを前記建築用横材2に固定した際、帯板状の横材補強板部4がその板面方向の長さ方向が建築用横材2の長さ方向と略平行な沿設状態となると共に、横材補強板部4は、その板面が立直面となり、且つ横材補強板部4の板面方向の長さ方向と直交する幅方向が上下方向となる縦設状態で建築用横材2に固定され、更に前記建築用横材2の下方に縦設状態で配設される構成としている。
【0063】
従って、建築用横材2にこの建築用横材2が変形しようとする荷重が加わった際には、この荷重が建築用横材2だけでなく前記横材補強板部4によっても支持されて建築用横材2の耐変形強度が向上する構成としている。また、この横材補強板部4は、特にこの横材補強板部4の板面の長さ方向と直交する板幅方向、即ち建築用横材2をその長さ方向と直交する上下方向に変形させようとする荷重に対して強い耐変形強度を発揮することになる構成としている。
【0064】
尚、本実施例では、細帯状の金属板を縦材補強板部3,横材補強板部4として採用した場合を示しているが、この金属板の幅が広い太帯状のものを採用することにより、補強強度を向上させることが可能である。
【0065】
また、図2は、帯板状の前記横材補強板部4の両側に、帯板状の前記縦材補強板部3を直交状態に連結固定して略コ字状の前記補強具本体Aを構成した場合を示している。このコ字形タイプは、建築用縦材1間に架設状態に建築用横材2を連結固定して形成した略コ字形の骨組を補強でき、例えば、ガレージの出入口などのように間口を広く取りたい箇所での利用を想定している。
【0066】
また、図5は、短い帯板状の縦材補強板部3と横材補強板部4とを直交状態に連結して略L字状の前記補強具本体Aを構成した場合を示している。このL字形タイプは、建築用縦材1と建築用横材2との連結部分付近の補強が目的であり、間口を広く取る必要がなく、横桟が比較的多く設けられているような箇所での利用を想定している。
【0067】
図1は、コ字形タイプとL字形タイプの双方を用いて車両一台を収納可能なガレージ(建築構造物B)を構築した場合を示している。
【0068】
具体的には、縦設パイプ1Aと横設パイプ2Aとを、例えば直交クランプ19などを用いて連結固定して立方体型の骨組構造体9を組むと共に、この骨組構造体9の前後部分には上端部以外に横設パイプ2Aを設けずに広く間口を確保し、この前後を出入口として利用できるように構成している。
【0069】
そして、この骨組構造体9の前後部分には、コ字形タイプの補強具本体Aを固定し、左右部分の上部前後には、L字形タイプの補強具本体Aを固定して、極めて強固な補強作用が得られるようにしている。この際、前後の各コ字形タイプの補強具本体Aの縦材補強板部3は、前側左右の各縦設パイプ1Aの前側と、後側左右の各縦設パイプ1Aを後側を覆うようにして重なった位置に存するようにして固定され、左右の各L字形タイプの補強具本体Aの縦材補強板部3は、左右いずれか一側前後の各縦設パイプ1Aの内側に重なった位置に存するようにして固定される構成としている。
【0070】
また、ガレージの天井部分には勾配屋根20を形成しているが、この勾配屋根20を支持する傾斜状態の建築用横材2には、前記特許文献1の建築用横材補強具Cを固定して、屋根強度を高めている。
【0071】
また、このガレージには、四隅の建築用縦材1の下端に昇降ジャッキ機構17を具備した接地脚15を設けると共に、このガレージの左右部分の前後寄り位置に移動用車輪16を垂設状態に付設した構成とし、前記昇降ジャッキ機構17により各接地脚15を地面に接地させて、移動用車輪16を地面より浮上状態とすれば、地面上にガレージを安定的に接地でき、昇降ジャッキ機構17により接地脚15を地面より浮上させて各移動用車輪16を地面に接地状態とすれば、この各移動用車輪16を介してガレージを所望の位置へと移動させることができる構成としている。
【0072】
出願人の試作実験によれば、前記補強具本体Aによりガレージの骨組構造体9が極めて高い耐変形強度を有するために、このような車輪16による移動も問題なく行うことができた。
【0073】
また、図14は、ガレージの出入口の上部に固定された横材補強板部4を利用して、開閉式のカーテン18を設置した場合を示している。
【0074】
尚、請求項1中の「建築用縦材」なる記載は、垂直状態に設置される縦材だけを意味するのではなく、多少傾いた状態で設置される縦材をも含む意味合いで用いているものであり、また、「建築用横材」なる記載は、水平状態に設置される横材だけを意味するのではなく、例えば、勾配屋根20や階段を形成するために傾斜状態に設置される横材をも含む意味合いで用いている。
【実施例2】
【0075】
本発明の具体的な実施例2について図15に基づいて説明する。
【0076】
本実施例は、前記実施例1のL字形タイプの補強具本体Aを、二枚の帯板で構成せずに、一枚のL字形の金属製板材で構成し、このL字形板材の角部を境にした一側の板部を前記縦材補強板部3とし、他側の板部を前記横材補強板部4とした場合である。
【0077】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【0078】
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0079】
1 建築用縦材
1A パイプ
2 建築用横材
2A パイプ
3 縦材補強板部
4 横材補強板部
5 縦材クランプ部
5A パイプクランプ
6 横材クランプ部
6A パイプクランプ
7 クランプ連結手段
8 連結体
9 骨組構造体
A 補強具本体
B 建築構造物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物の骨組を構築するために直交若しくは傾斜状態に連結固定される建築用縦材と建築用横材とを補強する建築用材補強具であって、前記建築用縦材に沿設せしめる帯板状の縦材補強板部と、前記建築用横材に沿設せしめる帯板状の横材補強板部とを補強具本体に設けると共に、この縦材補強板部と横材補強板部とは、互いに直交若しくは傾斜状態となるようにして補強具本体に配設し、この縦材補強板部に前記建築用縦材に包持固定する縦材クランプ部を設けて、この縦材クランプ部を建築用縦材に固定することで縦材補強板部が建築用縦材に沿設状態に配設すると共に、この縦材補強板部の板面が立直面となる縦設状態で建築用縦材に固定し得るように前記縦材クランプ部を前記縦材補強板部に配設した構成とし、前記横材補強板部に前記建築用横材に包持固定する横材クランプ部を設けて、この横材クランプ部を建築用横材に固定することで横材補強板部が建築用横材に沿設状態に配設すると共に、この横材補強板部の板面が立直面となる縦設状態で建築用横材に固定し得るように前記横材クランプ部を前記横材補強板部に配設した構成としたことを特徴とする建築用材補強具。
【請求項2】
帯板状の前記縦材補強板部と、帯板状の前記横材補強板部とを直交若しくは傾斜状態に連結固定して、この縦材補強板部と横材補強板部とが互いに直交若しくは傾斜状態に配設する前記補強具本体を構成したことを特徴とする請求項1記載の建築用材補強具。
【請求項3】
帯板状の前記縦材補強板部と、帯板状の前記横材補強板部とを、夫々の板面を重合連結することで直交若しくは傾斜状態に連結固定して前記補強具本体を構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の建築用材補強具。
【請求項4】
前記縦材クランプ部を前記建築用縦材に固定した際、帯板状の前記縦材補強板部がその板面方向の長さ方向が建築用縦材に略平行な沿設状態となるように、この縦材クランプ部の建築用縦材への配設位置を設定し、前記横材クランプ部を前記建築用横材に固定した際、帯板状の前記横材補強板部がその板面方向の長さ方向が建築用横材に略平行な沿設状態となり、且つ横材補強板部の板面方向の長さ方向と直交する幅方向が上下方向となり前記建築用横材の下方に縦設状態で配設し得るように、この横材クランプ部の横材補強板部への配設位置を設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の建築用材補強具。
【請求項5】
建築用縦材間に架設状態に建築用横材を連結固定して形成した略コ字形の骨組を補強する建築用材補強具であって、帯板状の前記横材補強板部の両側に、帯板状の前記縦材補強板部を直交若しくは傾斜状態に連結固定して略コ字状の前記補強具本体を構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建築用材補強具。
【請求項6】
前記縦材クランプ部は、前記建築用縦材としてのパイプに包持固定し得るパイプクランプを採用し、前記横材クランプ部は、前記建築用横材としてのパイプに包持固定し得るパイプクランプを採用したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の建築用材補強具。
【請求項7】
前記縦材クランプ部と前記横材クランプ部とは、クランプ連結手段により前記縦材補強板部と前記横材補強板部とに着脱自在に連結し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の建築用材補強具。
【請求項8】
前記クランプ連結手段は、前記縦材クランプ部若しくは前記横材クランプ部を有するか又は縦材クランプ部若しくは横材クランプ部を取付可能な連結体を、前記縦材補強板部若しくは前記横材補強板部に重合連結し得るように構成したことを特徴とする請求項7記載の建築用材補強具。
【請求項9】
建築用縦材と建築用横材とを直交あるいは傾斜状態に連結固定して構築される骨組構造体を有する建築構造物の構築方法であって、前記建築用縦材と前記建築用横材に、前記請求項1〜8のいずれか1項に記載の建築用材補強具を、前記縦材クランプ部と前記横材クランプ部とを介して固定することを特徴とする建築構造物の構築方法。
【請求項10】
前記建築用縦材と前記建築用横材とがパイプを採用して構成された建築構造物の構築方法であって、前記建築用材補強具の前記縦材クランプ部は、前記建築用縦材としてのパイプに抱持固定し得るパイプクランプを採用すると共に、前記横材クランプ部は、前記建築用横材としてのパイプに抱持固定し得るパイプクランプを採用し、この縦材クランプ部としてのパイプクランプと横材クランプ部としてのパイプクランプを建築用縦材としてのパイプと建築用横材としてのパイプに抱持固定することで建築用縦材と建築用横材とに前記建築用材補強具を固定することを特徴とする請求項9記載の建築構造物の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−12412(P2011−12412A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155749(P2009−155749)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000184997)
【出願人】(500497984)
【Fターム(参考)】