引き出し式テーブルシステム
【課題】主テーブルや収納家具とともに補助テーブルを利用する際の利便性を有効に向上させる引き出し式テーブルシステムを提供する。
【解決手段】主テーブル1と、この主テーブル1よりも高さの低い補助テーブル2と、この補助テーブル2よりも更に高さの低い収納家具であるワゴン3とを組み合わせてなるもので、補助テーブル2は、キャスタ21に支持された脚22と、この脚22の上端部に固定された天板24と、左右の脚22の奥行き方向に沿って延設された外向きのガイド部25とを具備し、補助テーブル2の天板24を前記主テーブル1の天板11と前記ワゴン3の上端部との高さ方向の間Δに位置し得る関係に設定するとともに、補助テーブル2の天板24を前記左右の脚22の外側に向かってオーバーハングさせたものである。補助テーブル2の天板24のオーバーハング部24xをワゴン3の上方に一部重畳させて収納可能且つその位置から引き出し可能とした。
【解決手段】主テーブル1と、この主テーブル1よりも高さの低い補助テーブル2と、この補助テーブル2よりも更に高さの低い収納家具であるワゴン3とを組み合わせてなるもので、補助テーブル2は、キャスタ21に支持された脚22と、この脚22の上端部に固定された天板24と、左右の脚22の奥行き方向に沿って延設された外向きのガイド部25とを具備し、補助テーブル2の天板24を前記主テーブル1の天板11と前記ワゴン3の上端部との高さ方向の間Δに位置し得る関係に設定するとともに、補助テーブル2の天板24を前記左右の脚22の外側に向かってオーバーハングさせたものである。補助テーブル2の天板24のオーバーハング部24xをワゴン3の上方に一部重畳させて収納可能且つその位置から引き出し可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主テーブルと補助テーブルと収納家具を組み合わせた引き出し式テーブルシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時におけるオフィスの形態として、大型テーブルを用いて多数人が自由な位置に着座できるフリーアドレス制を採用するケースが増えてきており、椅子以外に収納棚やワゴンを天板下に配置したり、天板下から収納棚やワゴンを傍らに引き出してパーソナルワークを遂行するシーンも見受けられる。
【0003】
また、隣人同士、或いは隣人以外の者との打合せが必要な場合に備え、下端を接地部を介して移動可能とされた特許文献1のような補助テーブルを大型テーブルの近くに待機させ、或いは別の場所にミーティングテーブルとして設置して、グループワークに備えておくことも少なくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−072425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような小テーブルやミーティングテーブル等の補助テーブルを主テーブルとは別に常設すると、床面積を専有するため、オフィスの空間利用効率が低下し、不使用時に邪魔になる上に、使用時と不使用時とで補助テーブルやワーカーの移動を伴うために業務が非効率的となる。そこで、補助テーブルを若干背丈の低いものにして大型テーブルの天板下に配置することが考えられるが、大型テーブルの天板下には上述したように収納棚やワゴン等の収納家具が配置されることが多いため、やはり主テーブルの下肢空間においてもスペースのとりあいが生じるほか、出し入れ時に補助テーブルの脚がこれらの収納家具と衝突して損傷することにも十分な配慮が必要になる。
【0006】
これへの対策として、補助テーブルの脚が収納家具を跨ぐ位置に誘導されるように補助テーブルの一部にガイドを設け、跨いだ状態で収納することで天板同士の専有面積を減らすことも一つの有効な手段として考えられるが、補助テーブルの脚の接地幅が収納家具の幅よりもある程度大きい場合には、補助テーブルの下肢空間の一部に中途半端なデッドスペースが生じることになって、着座位置が制約を受けるなど、新たな不都合を招くことにもなりかねない。
【0007】
本発明は、このような課題に着目し、主テーブルの天板下に補助テーブルと収納家具を適切に配置できるようにした引き出し式テーブルシステムを構築することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明の引き出し式収納システムは、主テーブルと、この主テーブルよりも高さの低い補助テーブルと、この補助テーブルよりも更に高さの低い収納家具とを組み合わせてなるものであって、前記補助テーブルは、下端部を移動可能な接地部に支持された脚と、この脚の上端部に固定された天板と、前記左右の脚が対向する側と反対側の位置において奥行き方向に沿って延設された外向きのガイド部とを具備し、前記補助テーブルの天板を前記主テーブルの天板と前記収納家具の上端部との高さ方向の間に位置し得る関係に設定するとともに、前記補助テーブルの天板を前記左右の脚が対向する側と反対側に向かってオーバーハングさせ、前記主テーブルの天板下に前記補助テーブルおよび前記収納家具を、少なくとも補助テーブルのガイド部を収納家具の一部に当接ないし近接させるとともに当該補助テーブルの天板のオーバーハング部を収納家具の上方に一部重畳させて収納可能且つその位置から引き出し可能としたことを特徴とする。
【0010】
このように構成すると、補助テーブルの不使用時に床面積を専有することがなく、オーバーハング部が収納家具の一部に重畳して主テーブルの下肢空間においてもスペースの取り合いとなることがないため、オフィスの空間利用効率を有効に高めることができ、不使用時に邪魔になることも回避することができる。また、主テーブルの天板下に対して補助テーブルを簡単に出し入れすることができるため、即座に周辺にミーティングのための環境を整えることができ、終了後には片付けることができて、業務効率が向上する。さらに、無造作に操作してもガイド部が収納家具との関係で補助テーブルを適切な収納位置に誘導するように設定することができるため、出し入れ操作に係る操作性も向上する。さらに、補助テーブルの脚の接地幅が収納家具の幅よりも中途半端に大きい場合でも、補助テーブルの脚が収納家具を跨ぐように構成する場合に比して、主テーブルの下肢空間に補助テーブルを挿入した状態で補助テーブルの下肢空間がそのまま解放され、一部にデッドスペースが生じて下肢空間が狭められるといった不都合を生じることもない。さらに、補助テーブルを左右方向のみならず斜め方向、前後方向に沿って移動させてガイド部を収納家具の一部に対して接離させるように利用することもできるため、補助テーブルで収納家具を跨ぐ構成に比べて、補助テーブルの出し入れ方向に高い自由度が得られることとなる。
【0011】
具体的な実施の一態様としては、離間した一対の収納家具の間に補助テーブルを、当該補助テーブルの左右のガイド部を各々対応する収納家具のうち収納方向に平行な縁部にガイドさせつつ、天板の左右両側のオーバーハング部を各々対応する収納家具の上方に対して一部重畳する位置に収納可能且つその位置から引き出し可能としているものが挙げられる。
【0012】
具体的な他の一態様としては、収納家具の左右両側にそれぞれ補助テーブルを位置づけた状態で、両補助テーブルの天板のオーバーハング部同士をガイド部が障害になることなく収納家具の上方において突き当て得る関係に設定されているものが挙げられる。
【0013】
この場合、補助テーブル同士が接近した際に天板同士を突き合せた状態に導く連結機構を、補助テーブルの一部の縁辺および当該縁辺に対向する縁辺に設けていることが好ましい。
【0014】
補助テーブルの接地部が収納家具と干渉することを有効に回避するためには、補助テーブルの接地部が回転自在にされ、前記ガイド部の前記脚に対する偏位量が前記脚の接地部の左右専有範囲よりも大きく設定されていることが望ましい。
【0015】
主テーブルの下に収納家具とともに補助テーブルを収納する際のバリエーションを無理なく増やす態様としては、左右の脚が対向する側に奥行き方向に沿って延設された内向きのガイド部を更に備え、前記補助テーブルの左右の脚を前記収納家具の左右の縁部を跨げる関係に設定して、前記主テーブルの天板下に前記補助テーブルおよび前記収納家具を重畳させて収納した状態から、前記収納家具を静止させたまま当該収納家具の左右の縁部に前記補助テーブルのガイド部をガイドさせつつ当該補助テーブルを奥行き方向に沿って前記主テーブルの天板下から引き出せるようにしているものが挙げられる。
【0016】
主テーブルの天板と補助テーブルの天板との間、および、補助テーブルの天板と収納家具の頂板との間を、指が入る程度のギャップを介して上下に対向させている場合に、補助テーブルを確実に引き出すためには、前記天板の奥行き方向前端となる縁辺側の下面に、指を引っ掛けて天板を手前に引くことのできる手掛け部を設けていることが望ましい。
【0017】
主テーブルの天板や天板に付随する引き出し等との関係を適宜調整可能とするためには、補助テーブルの天板が昇降機構によって昇降可能とされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上のような構成であるから、主テーブルや収納家具とともに補助テーブルを必要に応じて利用できるようにしても、不使用時には床面積を専有することなく、デッドスペースの発生も回避しつつ、主テーブルの天板下に収納家具とともに補助テーブルをこれらと適切な関係下に収納することができ、使用時には即座に引き出してミーティングテーブル等として利用することを可能にして、パーソナルワークやグループワークにおける利便性を有効に高めた、優れた引き出し式テーブルシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る補助テーブルを用いた引き出し式テーブルシステムを示す正面図。
【図2】図1の主テーブル全体および補助テーブルの天板を想像線にして示す平面図。
【図3】図1に対応した右側面図
【図4】同補助テーブルを示す斜視図。
【図5】図4の要部分解図。
【図6】同補助テーブルの底面図。
【図7】同テーブルシステムの利用形態の一つを示す模式的な説明図。
【図8】同テーブルシステムの利用形態の一つを示す模式的な説明図
【図9】同テーブルシステムの利用形態の一つを示す模式的な説明図
【図10】同テーブルシステムの利用形態の一つを示す模式的な説明図
【図11】本発明の変形例を示す斜視図。
【図12】本発明の他の変形例を示す模式図。
【図13】本発明のさらに他の変形例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
図1〜図3は、本実施形態に係るテーブルシステムを示している。
【0022】
このテーブルシステムは、主テーブル1と、この主テーブル1よりも高さの低い補助テーブル2と、この補助テーブル2よりも更に高さの低い収納家具であるワゴン3とを組み合わせて構成される。
【0023】
主テーブル1は、複数人が着座して使用可能な大型のもので、天板11の幅方向(図1における矢印X方向)に沿った一方の端部がエンド脚12に支持され、天板11の幅方向に沿った中間部が中間脚13に支持され、天板11の幅方向に沿った他方の端部(図示省略)も前記一方の端部と同様、エンド脚に支持されている。この実施形態では、エンド脚12に側板タイプのものが用いられ、中間脚13に図1に示すようにステー13aと脚支柱13bとを逆L型につないで下肢空間Sを確保したものが用いられている。中間脚13のステー13aには左右に隣接する天板11、11が同時に載置され、必要な枚数だけ天板11を幅方向に継ぎ足していくことができるものである。このため、天板下の下肢空間Sに挿入されるワゴン3や図示しない椅子等は中間脚13と干渉することなく天板幅方向のどの位置にも挿入することが可能である。主テーブル1の接地部にはアジャスタ14が採用されている。また、図1及び図3等に示されるように、天板11の背面側において下肢空間Sを目隠しする位置には背板15が取り付けられ、背板15の前面には底板16aと立板16bからなるL字状の配線ダクト16が取り付けられている。
【0024】
一方、補助テーブル2は、図1〜図6等に示すように、下端部を移動可能な接地部であるキャスタ21に支持されて脚を構成する前脚22Fおよび後脚22Rと、これらの脚22F、22Rの上端部にブラケット23を介して固定した天板24と、左右の前脚21F、21Fの対向方向と反対側(左右の後脚22R、22Rの対向方向と反対側)の位置において奥行き方向(図2における符号Y方向)に沿って延設された外向きのガイド部25とを具備している。図4においてブラケット23は省略してあり、天板4の4辺には軟質樹脂等によるエッジ部材4aが周回して設けてある。
【0025】
脚22は、上記のように2本の前脚22Fおよび2本の後脚22Rの計4本の脚柱から構成され、各脚柱22F,22F,22R,22Rの下端に支軸回りに首振り旋回可能なキャスタ21が取り付けられている。
【0026】
ガイド部25は、脚柱22F、22Rから左右方向外側に張り出すように偏位して設けられ、前脚22Fと後脚22Rの間に延びている。具体的に説明すると、左右のガイド部25は、互いに背向いの関係にあって、中央部25aが前脚22Fと後脚22Rの間において外側に向かって張り出しているとともに、中央部25aの前後端側に前脚22Fおよび後脚22Rに向かって屈曲して延びる前後部25f、25rが中央部25aに一体に連続している。これに対し、各脚柱22F、22Rの上端部には図5等に示されるようにブラケット23が溶接等により剛接され、外方かつ奥行き方向中央に向かって延びる斜片23aが2辺を脚柱22Fとブラケット23の入隅部(或いは脚柱22Rとブラケット23の入隅部)に配置されて溶接等により剛接してある。この斜片23aの角度は、前後端25f、25rの屈曲した傾斜角度に対応している。そして、この斜片23aにガイド部25の屈曲した前後部25f、25rをボルトVにより取り付けることで、ガイド部25を前脚22Fと後脚22Rの間にそれぞれ架設している。ガイド部25の中央部25aの上縁には取付片25bが折り曲げて形成してあり、この取付片25bもブラケット23の下面にねじ止めされる。
【0027】
そして、前記ガイド部25を覆う位置に図5に示す樹脂カバー26を取り付けるようにしている。この樹脂カバー26は、上端および前後端が開口した断面コ字形のもので、その内空は前記ガイド部25と前記斜片23aを緊密に収容可能な形状を有し、これらガイド部25と斜片23aに下方から被せるように装着して、前記ボルトVによってガイド部25とともに斜片23aに共締めされるようにしている。勿論、カバー26の立面の適宜箇所に突起を設け、対応するガイド部25の張り出し方向とは反対側の面に凹部を設けて、カバー26を弾性変形させつつ突部をガイド部25の凹部に嵌め合わせるように構成することもできる。
【0028】
このような取付状態において、図1に示すように、ガイド部25の脚柱22F,22Rからの偏位量すなわち張り出し量δが前記脚柱22F,22Rの接地部であるキャスタ21の中心軸を基準とした左右方向の専有範囲AEよりも大きくなるように設定されている。首振り式のキャスタ21にあっては、左右専有範囲AEとは首振り範囲のことをいう。また、本明細書に言う「ガイド部25の脚柱22F,22Rからの張り出し量δ」は、樹脂カバー26を取り付けた状態では当該樹脂カバー26の肉厚を含んだ寸法を指す。
【0029】
また、補助テーブル2の天板24は、前記左右の脚22F、22F(22R、22R)が対向する側と反対側に向かってオーバーハングしている。
【0030】
一方、図1〜図3に示す本実施形態のワゴン3は、前方に収納空間を開放する開口を有した筐体31と、この筐体31の開口に装着されて前後方向に出し入れ自在な引き出し32a、32b、32cとを具備するもので、下端が移動自在な接地部、例えば扁平キャスタ33によって支持されている。そして、筐体31の頂板31aは、補助テーブル2の天板24の下面24aよりも低く、かつ補助テーブル2の天板24から垂下した状態にある前記ガイド部25と一部において上下方向に重なる高さ(ラップ量rp)関係に設定され、ガイド部25の中央部25aのガイド面を基準とした場合の補助テーブル2の天板24のオーバーハング量OH(図1参照)は、ワゴン3の左右の外法寸法Lの略1/2となるように設定されている。すなわち、図1及び図2に示すように、左右の脚柱22F、22F(22R、22R)の外側隣接位置にワゴン3が、所定の奥行き方向位置に存した状態で、ガイド部25とワゴン3の筐体31の左右の縁部31pとが前後方向の所定領域p(図2参照)に亘って左右方向に当接ないし極近接した状態にあるように構成されている。また、離間した一対のワゴン3、3の間に補助テーブル2を、当該補助テーブル2の左右のガイド部25、25を各々対応するワゴン3のうち収納方向に平行な縁部31pにガイドさせつつ、天板24の左右両側のオーバーハング部24xを各々対応するワゴン3の上方に対して一部重畳する位置に配置可能としている。さらに、図7に示すように、ワゴン3の左右に補助テーブル2を位置づけた場合には、両補助テーブル2の天板24のオーバーハング部24x、24x同士をワゴン3の上方において突き当て得る関係に設定されている。
【0031】
なお、図1に示すように、中間脚13のステー13aよりも補助テーブル2の天板24が低くなるように主テーブル1と補助テーブル2の関係を設定し、なおかつこの補助テーブル2の天板24の下面にワゴン3等の収納家具が配置可能な関係に設定してある。
【0032】
以上のように構成される本実施形態のテーブルシステムは、図1に示すように補助テーブル2の天板24が前記主テーブル1の天板11と前記ワゴン3の頂板31aとの高さ方向の間Δに位置し得る関係にあり、かつ、補助テーブル2の左右の脚22がワゴン3の筐体31の左右の縁部31p、31pに左右からガイド部25を介して当接ないし近接させた際に、補助テーブル2のオーバーハング部OH同士がワゴン上で突き当たる関係に設定されていて、補助テーブル2は主テーブル1ともワゴン3とも独立して移動可能なものである。このため、図1及び図2に示すように前記主テーブル1の天板11下に前記補助テーブル2を重畳させて収納し、更に補助テーブル2の天板24のオーバーハング部OHの下に重畳するように前記ワゴン3を収納することができるほか、この状態から図7に示すように前記ワゴン3を静止させたまま当該ワゴン3の縁部31p、31pに前記補助テーブル2の左右のガイド部25をガイドさせつつ当該補助テーブル3を奥行き方向に沿って前記主テーブル1の天板11下からほぼ真っ直ぐに引き出し、さらには旋回動作等を行うことも可能である。更に、単体のワゴン3に対して補助テーブル2を接離する際には、補助テーブル2を図8に示すように左右方向に接離させたり、図9に示すように斜め方向に接離させても、ガイド部25に沿って所望の位置に補助テーブル2を誘導することができ、更にその位置から引き出して使用することができるものである。
【0033】
そして、本実施形態では、補助テーブル2,2同士を複数突き合せて天板面を拡張する際の便のために、補助テーブル2.2同士が接近した際に天板24,24同士を突き合せた状態に導く連結機構20(図4参照)を、補助テーブル2の一部の縁辺2pおよび当該縁辺2pに対向する他の縁辺2qに設けている。この連結機構20の一態様としては、天板24の一部の縁辺2pと他の縁辺2qに、天板24を他の天板24と隙間なく面一に突き合せた際に互いに磁力によって吸着し合う磁気的係合部20p、20qを設けるようにしたものが挙げられる。
【0034】
なお、図1に示すように、主テーブル1の天板11と補助テーブル2の天板24との間、および、補助テーブル2の天板24とワゴン3の頂板31aとの間は、指が入る程度のギャップg12、g23を介して上下に対向している。このため、ワゴン3の頂板31aの上面に手を掛けてワゴン3を引くことのできる手掛け部3s(図2参照)を頂板31aの上面に凹設するとともに、補助テーブル2の天板24の奥行き方向前端となる縁辺2r側の下面(図4参照)に、指を引っ掛けて天板を手前に引くことのできる手掛け部2sが凹設してある。
【0035】
以上のように、本実施形態の引き出し式テーブルシステムは、主テーブル1と、この主テーブル1よりも高さの低い補助テーブル2と、この補助テーブル2よりも更に高さの低い収納家具であるワゴン3とを組み合わせてなるものであって、前記補助テーブル2は、下端部を移動可能な接地部であるキャスタ21に支持された脚22(22F,22R)と、この脚22の上端部に固定された天板24と、左右の脚22、22が対向する側と反対側の位置において奥行き方向に沿って延設された外向きのガイド部25とを具備し、前記補助テーブル2の天板24を前記主テーブル1の天板11と前記ワゴン3の上端部との高さ方向の間Δに位置し得る関係に設定するとともに、前記補助テーブル2の天板24を前記左右の脚22、22が対向する側と反対側に向かってオーバーハングさせたものである。そして、前記主テーブル1の天板11の下に前記補助テーブル2およびワゴン3を、少なくとも補助テーブル2のガイド部25をワゴン3の一部(縁部31p)に当接ないし近接させるとともに当該補助テーブル2の天板24のオーバーハング部24xをワゴン3の上方に一部重畳させて収納可能且つその位置から引き出し可能としたものである。
【0036】
このように構成すると、補助テーブル2の不使用時に床面積を専有することがなく、オーバーハング部24xがワゴン3の一部に重畳して主テーブル1の下肢空間Sにおいてもスペースの取り合いとなることがないため、オフィスの空間利用効率を有効に高めることができ、不使用時に邪魔になることも回避することができる。また、主テーブル1の天板11の下肢空間Sに対して補助テーブル2を簡単に出し入れすることができるため、即座に周辺にミーティングのための環境を整えることができ、終了後には片付けることができて、業務効率を向上させることができる。さらに、無造作に操作してもガイド部25がワゴン3等との関係で補助テーブル2を適切な収納位置に誘導するため、出し入れ操作に係る操作性も向上したものになる。この場合、補助テーブル2の脚22がワゴン3を跨ぐように構成することも一つの有効な手段として考えられるが、図1に示すように補助テーブル2の脚22の接地幅Wがワゴンの幅Lよりも中途半端に大きい場合等には、補助テーブル2の下肢空間SSの一部がデッドスペースになる恐れがあるが、本実施形態のように構成すれば、補助テーブル2でワゴン2を跨ぐ構成に比べて、主テーブル1の下肢空間Sに補助テーブル2を挿入した状態で補助テーブル2の下肢空間SSがそのまま解放され、オーバーハング部24xはワゴン3と重畳するためワゴン3と補助テーブル2の脚22との隙間は僅かとなって、一部にデッドスペースが生じて下肢空間Sが狭められるという不都合も有効に回避することができる。さらに、単体のワゴン3に対しては、補助テーブル2を図9に示すように左右方向に移動させるのみならず、図10に示すように斜め方向に移動させてガイド部25をワゴン3の一部に接触させ、或いは離反させることができるため、補助テーブル2でワゴン3を跨ぐ構成に比べて、補助テーブル2の出し入れ方向に高い自由度が得られることとなる。
【0037】
勿論、図8に示したように、補助テーブル2を離間した一対のワゴン3,3の間に前後方向に出し入れすることもできるのは前述した通りであり、この場合、ワゴン3,3の間に補助テーブル2を、当該補助テーブル2の左右のガイド部25、25を各々対応するワゴン3のうち収納方向に平行な縁部31pにガイドさせつつ、天板24の左右両側のオーバーハング部24xを各々対応するワゴン3の上方に一部重畳させて収納可能もしくはその位置から引き出し可能としているので、ワゴン3、3が主テーブル1の下に両袖的に存する場合に、補助テーブル2を収納しているときと引き出した後とで袖の利用状態を確保し、着座位置も変えることなく、補助テーブル2の出し入れも円滑に行うことができる。また、左右にオーバーハング量OHが2倍となる分だけ、より大きな補助テーブルも効率良く主テーブル1の下に効果的に格納することができるようになる。
【0038】
さらに、図7に示すように、ワゴン3の左右両側にそれぞれ補助テーブル2を位置づけた状態で、両補助テーブル2の天板24のオーバーハング部OH同士をガイド部が障害になることなくワゴン3の上方において突き当て得る関係に設定しており、オーバーハング量OHが大きい分だけ、本発明により得られる効果が倍増するものとなっている。
【0039】
さらに、図4に示したように、補助テーブル2,2同士が接近した際に天板24、24同士を突き合せた状態に導く連結機構20を、補助テーブル2の一部の縁辺2pおよび当該縁辺2pに対向する縁辺2qに設けているので、主テーブル1の天板11の下で補助テーブル2,2同士を隣接させて格納する場合や、補助テーブル2を引き出して他の補助テーブル2とミーティングテーブルを構成する場合等に、補助テーブル2、2同士の突き合せを簡単、確実に行なうことができ、ミーティングの準備や片付けに便利の良いものとなる。
【0040】
この場合、図1に示したように、補助テーブル2の接地部が回転自在な首振り式のキャスタ21であり、ガイド部25の脚柱22に対する偏位量δが前記脚柱の接地部の左右専有範囲AEよりも大きく設定されているので、補助テーブル2を図8に示す奥行き方向及び図9に示す天板幅方向に移動させても、或いは図10に示すように斜めに移動させても、補助テーブル2のキャスタ21がワゴン3と干渉することを有効に回避することができる。しかも、上記寸法関係を採用すれば、補助テーブル2とワゴン3との間に図1に示すようにガイド部25の張り出し量に相当する天板幅方向の隙間が確保されるため、補助テーブル2やワゴン3を引き出す際に補助テーブル2の内側やワゴン3の外側からも手を掛け易いものとなる。
【0041】
そして、主テーブル1の天板11と補助テーブル2の天板24との間、および、補助テーブル2の天板24とワゴン3の頂板31aとの間を、指が入る程度のギャップを介して上下に対向させ、前記天板24の奥行き方向前端となる縁辺2r側の下面に、指を引っ掛けて天板を手前に引くことのできる手掛け部2sを設けているので、主テーブル1と補助テーブル2の間、補助テーブル2とワゴン3の間がそれぞれほぼ詰まっている状態であっても、補助テーブル2を適切に引き出すことができるようになる。
【0042】
また、図1に示すように中間脚13のステー13aよりも補助テーブル2の天板24が低くなるように主テーブル1と補助テーブル2の関係を設定し、なおかつこの補助テーブル2の天板24の下面にワゴン3等の収納家具が配置可能な関係に設定しているので、中間脚13の下肢空間Sをワゴン3や補助テーブル2が通過できるようになり、主テーブル1をフリーアドレス的に利用する場合の使い勝手を有効に向上させることができる。
【0043】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0044】
例えば、ガイド部の張り出し量が前記脚柱の接地部の左右専有範囲よりも大きく設定する限りにおいては、接地部はキャスタ以外に、ローラ式のものやボール式のものであってもよい。また、移動自在な接地部を採用する場合にも、奥行き方向一端側のみに移動自在な接地部を採用し、他端側は固定キャスタ等を採用しても構わない。勿論、移動性に支障がなければ、全ての接地部を固定キャスタ等を用いて構成することも可能である。
【0045】
特に、この実施形態のように、補助テーブル2の天板24と主テーブル1の天板11の間にある程度の隙間が存する場合には、補助テーブル2の天板24を、例えば外筒と内筒を嵌め合わせその嵌め合い位置を長手方向に複数個所で選択的に固定/解除できるようにした昇降機構122B(図7参照)を備えて昇降可能としておくことも有効である。このようにすれば、主テーブル1が必要に応じてセンター引出をオプションで取り付けられる構造のものである場合等に、引出の有無に応じて補助テーブル2の天板24の高さが変更可能となり、さらには補助テーブル2の天板24を主テーブル1の天板11と面一となる位置に調節することもできるため、利便性は更に向上したものになる。
【0046】
さらに、補助テーブルの脚は上記のような脚柱4本からなるものに限られず、例えば図11(a)に示す脚222のようにベース222aから支柱222bが立設されているような逆T字状のものや、図11(b)に示す脚322のようにベース322aから支柱322bを介してステー322cが支持されているようなコ字状のものであっても構わない。このような場合には、図11(a)の構造に対しては支柱222bの上端部の外面にガイド部225を一体又は別体に構成し、図11(b)の構造に対してはステー322cの外面にガイド部325を一体又は別体に構成することで、上記実施形態に準じた作用効果を奏することができる。
【0047】
さらにまた、ガイド部は必ずしも脚の上端部に構成することも必須ではなく、基本的な作用効果を奏する範囲でガイド部は下端部もしくは上下方向の中間部に設ける構成を妨げない。
【0048】
さらに言えば、ガイド部は必ずしも脚に設けることも必須ではない。例えば、図12に示すように、補助テーブル2の天板24の下面に前記ブラケット23にねじ孔を形成する等してガイド部25の取付部20を設け、天板24の下面にもインサートナットを埋設する等してガイド部25の取付部20を設け、これらの取付部20にガイド部25を取付片25b等を介して取り付けるようにすれば、左右の脚柱22F,22F(22R,22R)間よりも左右方向内側へ大きく偏位する位置にガイド部25を配置することができる。ブラケット23が天板24の下面から突出している場合には、ブラケット23に当接する取付片25bと天板24の下面に当接する取付部25bとで高さ位置を異ならせておけば足りる。そして、このように構成することで、左右の脚柱22F,22F(22R,22R)間の距離よりもワゴン等の収納家具の外法寸法が遥かに小さい場合等に、収納家具が補助テーブル2の天板24の下で左右に大きく遊動することを有効に規制することができ、また、補助テーブル2が収納家具に適切にガイドされる関係を容易に成立させることができる。この場合、幅寸法の異なる複数の収納家具に対してこのような効果を得るために、同図に示すようにガイド部25の取付部20を左右方向に複数個所設け、ガイド部25の位置を必要に応じてずらして取り付けることでガイド部間の対向距離を変更できるようにしておくことが望ましい。
【0049】
上記のガイド取付構造において、強度的に問題がない場合等には、ガイド部25はブラケット23の取付部20のみを利用して取り付けてもよいし、天板24の取付部20のみを利用して取り付けてもよい。これらの場合には、取付部20は少なくともブラケット23又は天板24の何れか一方にのみ設けておいてもよい。
【0050】
逆に、強度的に補強を要する場合には、前記実施形態と同様に脚柱22に斜片23aを設けておき、ガイド部25を図示の位置からずらしてブラケット23や天板24の取付部20に取り付けると同時に斜片23aにも取り付けるようにすれば、ガイド部25の強度を有効に向上させることが可能となる。
【0051】
さらにまた、脚22、22間がさほど広くない場合等には、図13に示すように、左右の脚22、22が対向する側に奥行き方向に沿って延設された内向きのガイド部425を更に備え、前記補助テーブル2の左右の脚22を前記ワゴン3の左右の縁部31pを跨げる関係に設定して、前記主テーブル1の天板11下に前記補助テーブル2および前記ワゴン3を重畳させて収納した状態から、前記ワゴン3を静止させたまま当該ワゴン3の左右の縁部31pに前記補助テーブル2のガイド部425をガイドさせつつ当該補助テーブル425を奥行き方向に沿って前記主テーブル1の天板11下から引き出せるようにすることも有効である。
【0052】
このようにすることで、主テーブル1の下にワゴン3とともに補助テーブル2を収納する際のバリエーションを無理なく増やすことができる。そして、このような収納の態様によれば、着座したまま補助テーブル2を引き出してサイドテーブル的に利用するといった利用形態も可能になり、より一層使い勝手に優れたものとなり得る。
【0053】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…主テーブル
2…補助テーブル
2p、2q、2r…縁辺
2s…手掛け部
3…収納家具(ワゴン)
11…天板(主テーブル)
20…連結機構
21…接地部(キャスタ)
22、22F、22R…脚
24…天板(補助テーブル)
24x…オーバーハング部
25…ガイド部
31p…縁部
33…接地部(扁平キャスタ)
122B…昇降機構
AE…専有範囲
δ…偏位量
Δ…高さ方向の間
【技術分野】
【0001】
本発明は、主テーブルと補助テーブルと収納家具を組み合わせた引き出し式テーブルシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時におけるオフィスの形態として、大型テーブルを用いて多数人が自由な位置に着座できるフリーアドレス制を採用するケースが増えてきており、椅子以外に収納棚やワゴンを天板下に配置したり、天板下から収納棚やワゴンを傍らに引き出してパーソナルワークを遂行するシーンも見受けられる。
【0003】
また、隣人同士、或いは隣人以外の者との打合せが必要な場合に備え、下端を接地部を介して移動可能とされた特許文献1のような補助テーブルを大型テーブルの近くに待機させ、或いは別の場所にミーティングテーブルとして設置して、グループワークに備えておくことも少なくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−072425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような小テーブルやミーティングテーブル等の補助テーブルを主テーブルとは別に常設すると、床面積を専有するため、オフィスの空間利用効率が低下し、不使用時に邪魔になる上に、使用時と不使用時とで補助テーブルやワーカーの移動を伴うために業務が非効率的となる。そこで、補助テーブルを若干背丈の低いものにして大型テーブルの天板下に配置することが考えられるが、大型テーブルの天板下には上述したように収納棚やワゴン等の収納家具が配置されることが多いため、やはり主テーブルの下肢空間においてもスペースのとりあいが生じるほか、出し入れ時に補助テーブルの脚がこれらの収納家具と衝突して損傷することにも十分な配慮が必要になる。
【0006】
これへの対策として、補助テーブルの脚が収納家具を跨ぐ位置に誘導されるように補助テーブルの一部にガイドを設け、跨いだ状態で収納することで天板同士の専有面積を減らすことも一つの有効な手段として考えられるが、補助テーブルの脚の接地幅が収納家具の幅よりもある程度大きい場合には、補助テーブルの下肢空間の一部に中途半端なデッドスペースが生じることになって、着座位置が制約を受けるなど、新たな不都合を招くことにもなりかねない。
【0007】
本発明は、このような課題に着目し、主テーブルの天板下に補助テーブルと収納家具を適切に配置できるようにした引き出し式テーブルシステムを構築することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明の引き出し式収納システムは、主テーブルと、この主テーブルよりも高さの低い補助テーブルと、この補助テーブルよりも更に高さの低い収納家具とを組み合わせてなるものであって、前記補助テーブルは、下端部を移動可能な接地部に支持された脚と、この脚の上端部に固定された天板と、前記左右の脚が対向する側と反対側の位置において奥行き方向に沿って延設された外向きのガイド部とを具備し、前記補助テーブルの天板を前記主テーブルの天板と前記収納家具の上端部との高さ方向の間に位置し得る関係に設定するとともに、前記補助テーブルの天板を前記左右の脚が対向する側と反対側に向かってオーバーハングさせ、前記主テーブルの天板下に前記補助テーブルおよび前記収納家具を、少なくとも補助テーブルのガイド部を収納家具の一部に当接ないし近接させるとともに当該補助テーブルの天板のオーバーハング部を収納家具の上方に一部重畳させて収納可能且つその位置から引き出し可能としたことを特徴とする。
【0010】
このように構成すると、補助テーブルの不使用時に床面積を専有することがなく、オーバーハング部が収納家具の一部に重畳して主テーブルの下肢空間においてもスペースの取り合いとなることがないため、オフィスの空間利用効率を有効に高めることができ、不使用時に邪魔になることも回避することができる。また、主テーブルの天板下に対して補助テーブルを簡単に出し入れすることができるため、即座に周辺にミーティングのための環境を整えることができ、終了後には片付けることができて、業務効率が向上する。さらに、無造作に操作してもガイド部が収納家具との関係で補助テーブルを適切な収納位置に誘導するように設定することができるため、出し入れ操作に係る操作性も向上する。さらに、補助テーブルの脚の接地幅が収納家具の幅よりも中途半端に大きい場合でも、補助テーブルの脚が収納家具を跨ぐように構成する場合に比して、主テーブルの下肢空間に補助テーブルを挿入した状態で補助テーブルの下肢空間がそのまま解放され、一部にデッドスペースが生じて下肢空間が狭められるといった不都合を生じることもない。さらに、補助テーブルを左右方向のみならず斜め方向、前後方向に沿って移動させてガイド部を収納家具の一部に対して接離させるように利用することもできるため、補助テーブルで収納家具を跨ぐ構成に比べて、補助テーブルの出し入れ方向に高い自由度が得られることとなる。
【0011】
具体的な実施の一態様としては、離間した一対の収納家具の間に補助テーブルを、当該補助テーブルの左右のガイド部を各々対応する収納家具のうち収納方向に平行な縁部にガイドさせつつ、天板の左右両側のオーバーハング部を各々対応する収納家具の上方に対して一部重畳する位置に収納可能且つその位置から引き出し可能としているものが挙げられる。
【0012】
具体的な他の一態様としては、収納家具の左右両側にそれぞれ補助テーブルを位置づけた状態で、両補助テーブルの天板のオーバーハング部同士をガイド部が障害になることなく収納家具の上方において突き当て得る関係に設定されているものが挙げられる。
【0013】
この場合、補助テーブル同士が接近した際に天板同士を突き合せた状態に導く連結機構を、補助テーブルの一部の縁辺および当該縁辺に対向する縁辺に設けていることが好ましい。
【0014】
補助テーブルの接地部が収納家具と干渉することを有効に回避するためには、補助テーブルの接地部が回転自在にされ、前記ガイド部の前記脚に対する偏位量が前記脚の接地部の左右専有範囲よりも大きく設定されていることが望ましい。
【0015】
主テーブルの下に収納家具とともに補助テーブルを収納する際のバリエーションを無理なく増やす態様としては、左右の脚が対向する側に奥行き方向に沿って延設された内向きのガイド部を更に備え、前記補助テーブルの左右の脚を前記収納家具の左右の縁部を跨げる関係に設定して、前記主テーブルの天板下に前記補助テーブルおよび前記収納家具を重畳させて収納した状態から、前記収納家具を静止させたまま当該収納家具の左右の縁部に前記補助テーブルのガイド部をガイドさせつつ当該補助テーブルを奥行き方向に沿って前記主テーブルの天板下から引き出せるようにしているものが挙げられる。
【0016】
主テーブルの天板と補助テーブルの天板との間、および、補助テーブルの天板と収納家具の頂板との間を、指が入る程度のギャップを介して上下に対向させている場合に、補助テーブルを確実に引き出すためには、前記天板の奥行き方向前端となる縁辺側の下面に、指を引っ掛けて天板を手前に引くことのできる手掛け部を設けていることが望ましい。
【0017】
主テーブルの天板や天板に付随する引き出し等との関係を適宜調整可能とするためには、補助テーブルの天板が昇降機構によって昇降可能とされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上のような構成であるから、主テーブルや収納家具とともに補助テーブルを必要に応じて利用できるようにしても、不使用時には床面積を専有することなく、デッドスペースの発生も回避しつつ、主テーブルの天板下に収納家具とともに補助テーブルをこれらと適切な関係下に収納することができ、使用時には即座に引き出してミーティングテーブル等として利用することを可能にして、パーソナルワークやグループワークにおける利便性を有効に高めた、優れた引き出し式テーブルシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る補助テーブルを用いた引き出し式テーブルシステムを示す正面図。
【図2】図1の主テーブル全体および補助テーブルの天板を想像線にして示す平面図。
【図3】図1に対応した右側面図
【図4】同補助テーブルを示す斜視図。
【図5】図4の要部分解図。
【図6】同補助テーブルの底面図。
【図7】同テーブルシステムの利用形態の一つを示す模式的な説明図。
【図8】同テーブルシステムの利用形態の一つを示す模式的な説明図
【図9】同テーブルシステムの利用形態の一つを示す模式的な説明図
【図10】同テーブルシステムの利用形態の一つを示す模式的な説明図
【図11】本発明の変形例を示す斜視図。
【図12】本発明の他の変形例を示す模式図。
【図13】本発明のさらに他の変形例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
図1〜図3は、本実施形態に係るテーブルシステムを示している。
【0022】
このテーブルシステムは、主テーブル1と、この主テーブル1よりも高さの低い補助テーブル2と、この補助テーブル2よりも更に高さの低い収納家具であるワゴン3とを組み合わせて構成される。
【0023】
主テーブル1は、複数人が着座して使用可能な大型のもので、天板11の幅方向(図1における矢印X方向)に沿った一方の端部がエンド脚12に支持され、天板11の幅方向に沿った中間部が中間脚13に支持され、天板11の幅方向に沿った他方の端部(図示省略)も前記一方の端部と同様、エンド脚に支持されている。この実施形態では、エンド脚12に側板タイプのものが用いられ、中間脚13に図1に示すようにステー13aと脚支柱13bとを逆L型につないで下肢空間Sを確保したものが用いられている。中間脚13のステー13aには左右に隣接する天板11、11が同時に載置され、必要な枚数だけ天板11を幅方向に継ぎ足していくことができるものである。このため、天板下の下肢空間Sに挿入されるワゴン3や図示しない椅子等は中間脚13と干渉することなく天板幅方向のどの位置にも挿入することが可能である。主テーブル1の接地部にはアジャスタ14が採用されている。また、図1及び図3等に示されるように、天板11の背面側において下肢空間Sを目隠しする位置には背板15が取り付けられ、背板15の前面には底板16aと立板16bからなるL字状の配線ダクト16が取り付けられている。
【0024】
一方、補助テーブル2は、図1〜図6等に示すように、下端部を移動可能な接地部であるキャスタ21に支持されて脚を構成する前脚22Fおよび後脚22Rと、これらの脚22F、22Rの上端部にブラケット23を介して固定した天板24と、左右の前脚21F、21Fの対向方向と反対側(左右の後脚22R、22Rの対向方向と反対側)の位置において奥行き方向(図2における符号Y方向)に沿って延設された外向きのガイド部25とを具備している。図4においてブラケット23は省略してあり、天板4の4辺には軟質樹脂等によるエッジ部材4aが周回して設けてある。
【0025】
脚22は、上記のように2本の前脚22Fおよび2本の後脚22Rの計4本の脚柱から構成され、各脚柱22F,22F,22R,22Rの下端に支軸回りに首振り旋回可能なキャスタ21が取り付けられている。
【0026】
ガイド部25は、脚柱22F、22Rから左右方向外側に張り出すように偏位して設けられ、前脚22Fと後脚22Rの間に延びている。具体的に説明すると、左右のガイド部25は、互いに背向いの関係にあって、中央部25aが前脚22Fと後脚22Rの間において外側に向かって張り出しているとともに、中央部25aの前後端側に前脚22Fおよび後脚22Rに向かって屈曲して延びる前後部25f、25rが中央部25aに一体に連続している。これに対し、各脚柱22F、22Rの上端部には図5等に示されるようにブラケット23が溶接等により剛接され、外方かつ奥行き方向中央に向かって延びる斜片23aが2辺を脚柱22Fとブラケット23の入隅部(或いは脚柱22Rとブラケット23の入隅部)に配置されて溶接等により剛接してある。この斜片23aの角度は、前後端25f、25rの屈曲した傾斜角度に対応している。そして、この斜片23aにガイド部25の屈曲した前後部25f、25rをボルトVにより取り付けることで、ガイド部25を前脚22Fと後脚22Rの間にそれぞれ架設している。ガイド部25の中央部25aの上縁には取付片25bが折り曲げて形成してあり、この取付片25bもブラケット23の下面にねじ止めされる。
【0027】
そして、前記ガイド部25を覆う位置に図5に示す樹脂カバー26を取り付けるようにしている。この樹脂カバー26は、上端および前後端が開口した断面コ字形のもので、その内空は前記ガイド部25と前記斜片23aを緊密に収容可能な形状を有し、これらガイド部25と斜片23aに下方から被せるように装着して、前記ボルトVによってガイド部25とともに斜片23aに共締めされるようにしている。勿論、カバー26の立面の適宜箇所に突起を設け、対応するガイド部25の張り出し方向とは反対側の面に凹部を設けて、カバー26を弾性変形させつつ突部をガイド部25の凹部に嵌め合わせるように構成することもできる。
【0028】
このような取付状態において、図1に示すように、ガイド部25の脚柱22F,22Rからの偏位量すなわち張り出し量δが前記脚柱22F,22Rの接地部であるキャスタ21の中心軸を基準とした左右方向の専有範囲AEよりも大きくなるように設定されている。首振り式のキャスタ21にあっては、左右専有範囲AEとは首振り範囲のことをいう。また、本明細書に言う「ガイド部25の脚柱22F,22Rからの張り出し量δ」は、樹脂カバー26を取り付けた状態では当該樹脂カバー26の肉厚を含んだ寸法を指す。
【0029】
また、補助テーブル2の天板24は、前記左右の脚22F、22F(22R、22R)が対向する側と反対側に向かってオーバーハングしている。
【0030】
一方、図1〜図3に示す本実施形態のワゴン3は、前方に収納空間を開放する開口を有した筐体31と、この筐体31の開口に装着されて前後方向に出し入れ自在な引き出し32a、32b、32cとを具備するもので、下端が移動自在な接地部、例えば扁平キャスタ33によって支持されている。そして、筐体31の頂板31aは、補助テーブル2の天板24の下面24aよりも低く、かつ補助テーブル2の天板24から垂下した状態にある前記ガイド部25と一部において上下方向に重なる高さ(ラップ量rp)関係に設定され、ガイド部25の中央部25aのガイド面を基準とした場合の補助テーブル2の天板24のオーバーハング量OH(図1参照)は、ワゴン3の左右の外法寸法Lの略1/2となるように設定されている。すなわち、図1及び図2に示すように、左右の脚柱22F、22F(22R、22R)の外側隣接位置にワゴン3が、所定の奥行き方向位置に存した状態で、ガイド部25とワゴン3の筐体31の左右の縁部31pとが前後方向の所定領域p(図2参照)に亘って左右方向に当接ないし極近接した状態にあるように構成されている。また、離間した一対のワゴン3、3の間に補助テーブル2を、当該補助テーブル2の左右のガイド部25、25を各々対応するワゴン3のうち収納方向に平行な縁部31pにガイドさせつつ、天板24の左右両側のオーバーハング部24xを各々対応するワゴン3の上方に対して一部重畳する位置に配置可能としている。さらに、図7に示すように、ワゴン3の左右に補助テーブル2を位置づけた場合には、両補助テーブル2の天板24のオーバーハング部24x、24x同士をワゴン3の上方において突き当て得る関係に設定されている。
【0031】
なお、図1に示すように、中間脚13のステー13aよりも補助テーブル2の天板24が低くなるように主テーブル1と補助テーブル2の関係を設定し、なおかつこの補助テーブル2の天板24の下面にワゴン3等の収納家具が配置可能な関係に設定してある。
【0032】
以上のように構成される本実施形態のテーブルシステムは、図1に示すように補助テーブル2の天板24が前記主テーブル1の天板11と前記ワゴン3の頂板31aとの高さ方向の間Δに位置し得る関係にあり、かつ、補助テーブル2の左右の脚22がワゴン3の筐体31の左右の縁部31p、31pに左右からガイド部25を介して当接ないし近接させた際に、補助テーブル2のオーバーハング部OH同士がワゴン上で突き当たる関係に設定されていて、補助テーブル2は主テーブル1ともワゴン3とも独立して移動可能なものである。このため、図1及び図2に示すように前記主テーブル1の天板11下に前記補助テーブル2を重畳させて収納し、更に補助テーブル2の天板24のオーバーハング部OHの下に重畳するように前記ワゴン3を収納することができるほか、この状態から図7に示すように前記ワゴン3を静止させたまま当該ワゴン3の縁部31p、31pに前記補助テーブル2の左右のガイド部25をガイドさせつつ当該補助テーブル3を奥行き方向に沿って前記主テーブル1の天板11下からほぼ真っ直ぐに引き出し、さらには旋回動作等を行うことも可能である。更に、単体のワゴン3に対して補助テーブル2を接離する際には、補助テーブル2を図8に示すように左右方向に接離させたり、図9に示すように斜め方向に接離させても、ガイド部25に沿って所望の位置に補助テーブル2を誘導することができ、更にその位置から引き出して使用することができるものである。
【0033】
そして、本実施形態では、補助テーブル2,2同士を複数突き合せて天板面を拡張する際の便のために、補助テーブル2.2同士が接近した際に天板24,24同士を突き合せた状態に導く連結機構20(図4参照)を、補助テーブル2の一部の縁辺2pおよび当該縁辺2pに対向する他の縁辺2qに設けている。この連結機構20の一態様としては、天板24の一部の縁辺2pと他の縁辺2qに、天板24を他の天板24と隙間なく面一に突き合せた際に互いに磁力によって吸着し合う磁気的係合部20p、20qを設けるようにしたものが挙げられる。
【0034】
なお、図1に示すように、主テーブル1の天板11と補助テーブル2の天板24との間、および、補助テーブル2の天板24とワゴン3の頂板31aとの間は、指が入る程度のギャップg12、g23を介して上下に対向している。このため、ワゴン3の頂板31aの上面に手を掛けてワゴン3を引くことのできる手掛け部3s(図2参照)を頂板31aの上面に凹設するとともに、補助テーブル2の天板24の奥行き方向前端となる縁辺2r側の下面(図4参照)に、指を引っ掛けて天板を手前に引くことのできる手掛け部2sが凹設してある。
【0035】
以上のように、本実施形態の引き出し式テーブルシステムは、主テーブル1と、この主テーブル1よりも高さの低い補助テーブル2と、この補助テーブル2よりも更に高さの低い収納家具であるワゴン3とを組み合わせてなるものであって、前記補助テーブル2は、下端部を移動可能な接地部であるキャスタ21に支持された脚22(22F,22R)と、この脚22の上端部に固定された天板24と、左右の脚22、22が対向する側と反対側の位置において奥行き方向に沿って延設された外向きのガイド部25とを具備し、前記補助テーブル2の天板24を前記主テーブル1の天板11と前記ワゴン3の上端部との高さ方向の間Δに位置し得る関係に設定するとともに、前記補助テーブル2の天板24を前記左右の脚22、22が対向する側と反対側に向かってオーバーハングさせたものである。そして、前記主テーブル1の天板11の下に前記補助テーブル2およびワゴン3を、少なくとも補助テーブル2のガイド部25をワゴン3の一部(縁部31p)に当接ないし近接させるとともに当該補助テーブル2の天板24のオーバーハング部24xをワゴン3の上方に一部重畳させて収納可能且つその位置から引き出し可能としたものである。
【0036】
このように構成すると、補助テーブル2の不使用時に床面積を専有することがなく、オーバーハング部24xがワゴン3の一部に重畳して主テーブル1の下肢空間Sにおいてもスペースの取り合いとなることがないため、オフィスの空間利用効率を有効に高めることができ、不使用時に邪魔になることも回避することができる。また、主テーブル1の天板11の下肢空間Sに対して補助テーブル2を簡単に出し入れすることができるため、即座に周辺にミーティングのための環境を整えることができ、終了後には片付けることができて、業務効率を向上させることができる。さらに、無造作に操作してもガイド部25がワゴン3等との関係で補助テーブル2を適切な収納位置に誘導するため、出し入れ操作に係る操作性も向上したものになる。この場合、補助テーブル2の脚22がワゴン3を跨ぐように構成することも一つの有効な手段として考えられるが、図1に示すように補助テーブル2の脚22の接地幅Wがワゴンの幅Lよりも中途半端に大きい場合等には、補助テーブル2の下肢空間SSの一部がデッドスペースになる恐れがあるが、本実施形態のように構成すれば、補助テーブル2でワゴン2を跨ぐ構成に比べて、主テーブル1の下肢空間Sに補助テーブル2を挿入した状態で補助テーブル2の下肢空間SSがそのまま解放され、オーバーハング部24xはワゴン3と重畳するためワゴン3と補助テーブル2の脚22との隙間は僅かとなって、一部にデッドスペースが生じて下肢空間Sが狭められるという不都合も有効に回避することができる。さらに、単体のワゴン3に対しては、補助テーブル2を図9に示すように左右方向に移動させるのみならず、図10に示すように斜め方向に移動させてガイド部25をワゴン3の一部に接触させ、或いは離反させることができるため、補助テーブル2でワゴン3を跨ぐ構成に比べて、補助テーブル2の出し入れ方向に高い自由度が得られることとなる。
【0037】
勿論、図8に示したように、補助テーブル2を離間した一対のワゴン3,3の間に前後方向に出し入れすることもできるのは前述した通りであり、この場合、ワゴン3,3の間に補助テーブル2を、当該補助テーブル2の左右のガイド部25、25を各々対応するワゴン3のうち収納方向に平行な縁部31pにガイドさせつつ、天板24の左右両側のオーバーハング部24xを各々対応するワゴン3の上方に一部重畳させて収納可能もしくはその位置から引き出し可能としているので、ワゴン3、3が主テーブル1の下に両袖的に存する場合に、補助テーブル2を収納しているときと引き出した後とで袖の利用状態を確保し、着座位置も変えることなく、補助テーブル2の出し入れも円滑に行うことができる。また、左右にオーバーハング量OHが2倍となる分だけ、より大きな補助テーブルも効率良く主テーブル1の下に効果的に格納することができるようになる。
【0038】
さらに、図7に示すように、ワゴン3の左右両側にそれぞれ補助テーブル2を位置づけた状態で、両補助テーブル2の天板24のオーバーハング部OH同士をガイド部が障害になることなくワゴン3の上方において突き当て得る関係に設定しており、オーバーハング量OHが大きい分だけ、本発明により得られる効果が倍増するものとなっている。
【0039】
さらに、図4に示したように、補助テーブル2,2同士が接近した際に天板24、24同士を突き合せた状態に導く連結機構20を、補助テーブル2の一部の縁辺2pおよび当該縁辺2pに対向する縁辺2qに設けているので、主テーブル1の天板11の下で補助テーブル2,2同士を隣接させて格納する場合や、補助テーブル2を引き出して他の補助テーブル2とミーティングテーブルを構成する場合等に、補助テーブル2、2同士の突き合せを簡単、確実に行なうことができ、ミーティングの準備や片付けに便利の良いものとなる。
【0040】
この場合、図1に示したように、補助テーブル2の接地部が回転自在な首振り式のキャスタ21であり、ガイド部25の脚柱22に対する偏位量δが前記脚柱の接地部の左右専有範囲AEよりも大きく設定されているので、補助テーブル2を図8に示す奥行き方向及び図9に示す天板幅方向に移動させても、或いは図10に示すように斜めに移動させても、補助テーブル2のキャスタ21がワゴン3と干渉することを有効に回避することができる。しかも、上記寸法関係を採用すれば、補助テーブル2とワゴン3との間に図1に示すようにガイド部25の張り出し量に相当する天板幅方向の隙間が確保されるため、補助テーブル2やワゴン3を引き出す際に補助テーブル2の内側やワゴン3の外側からも手を掛け易いものとなる。
【0041】
そして、主テーブル1の天板11と補助テーブル2の天板24との間、および、補助テーブル2の天板24とワゴン3の頂板31aとの間を、指が入る程度のギャップを介して上下に対向させ、前記天板24の奥行き方向前端となる縁辺2r側の下面に、指を引っ掛けて天板を手前に引くことのできる手掛け部2sを設けているので、主テーブル1と補助テーブル2の間、補助テーブル2とワゴン3の間がそれぞれほぼ詰まっている状態であっても、補助テーブル2を適切に引き出すことができるようになる。
【0042】
また、図1に示すように中間脚13のステー13aよりも補助テーブル2の天板24が低くなるように主テーブル1と補助テーブル2の関係を設定し、なおかつこの補助テーブル2の天板24の下面にワゴン3等の収納家具が配置可能な関係に設定しているので、中間脚13の下肢空間Sをワゴン3や補助テーブル2が通過できるようになり、主テーブル1をフリーアドレス的に利用する場合の使い勝手を有効に向上させることができる。
【0043】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0044】
例えば、ガイド部の張り出し量が前記脚柱の接地部の左右専有範囲よりも大きく設定する限りにおいては、接地部はキャスタ以外に、ローラ式のものやボール式のものであってもよい。また、移動自在な接地部を採用する場合にも、奥行き方向一端側のみに移動自在な接地部を採用し、他端側は固定キャスタ等を採用しても構わない。勿論、移動性に支障がなければ、全ての接地部を固定キャスタ等を用いて構成することも可能である。
【0045】
特に、この実施形態のように、補助テーブル2の天板24と主テーブル1の天板11の間にある程度の隙間が存する場合には、補助テーブル2の天板24を、例えば外筒と内筒を嵌め合わせその嵌め合い位置を長手方向に複数個所で選択的に固定/解除できるようにした昇降機構122B(図7参照)を備えて昇降可能としておくことも有効である。このようにすれば、主テーブル1が必要に応じてセンター引出をオプションで取り付けられる構造のものである場合等に、引出の有無に応じて補助テーブル2の天板24の高さが変更可能となり、さらには補助テーブル2の天板24を主テーブル1の天板11と面一となる位置に調節することもできるため、利便性は更に向上したものになる。
【0046】
さらに、補助テーブルの脚は上記のような脚柱4本からなるものに限られず、例えば図11(a)に示す脚222のようにベース222aから支柱222bが立設されているような逆T字状のものや、図11(b)に示す脚322のようにベース322aから支柱322bを介してステー322cが支持されているようなコ字状のものであっても構わない。このような場合には、図11(a)の構造に対しては支柱222bの上端部の外面にガイド部225を一体又は別体に構成し、図11(b)の構造に対してはステー322cの外面にガイド部325を一体又は別体に構成することで、上記実施形態に準じた作用効果を奏することができる。
【0047】
さらにまた、ガイド部は必ずしも脚の上端部に構成することも必須ではなく、基本的な作用効果を奏する範囲でガイド部は下端部もしくは上下方向の中間部に設ける構成を妨げない。
【0048】
さらに言えば、ガイド部は必ずしも脚に設けることも必須ではない。例えば、図12に示すように、補助テーブル2の天板24の下面に前記ブラケット23にねじ孔を形成する等してガイド部25の取付部20を設け、天板24の下面にもインサートナットを埋設する等してガイド部25の取付部20を設け、これらの取付部20にガイド部25を取付片25b等を介して取り付けるようにすれば、左右の脚柱22F,22F(22R,22R)間よりも左右方向内側へ大きく偏位する位置にガイド部25を配置することができる。ブラケット23が天板24の下面から突出している場合には、ブラケット23に当接する取付片25bと天板24の下面に当接する取付部25bとで高さ位置を異ならせておけば足りる。そして、このように構成することで、左右の脚柱22F,22F(22R,22R)間の距離よりもワゴン等の収納家具の外法寸法が遥かに小さい場合等に、収納家具が補助テーブル2の天板24の下で左右に大きく遊動することを有効に規制することができ、また、補助テーブル2が収納家具に適切にガイドされる関係を容易に成立させることができる。この場合、幅寸法の異なる複数の収納家具に対してこのような効果を得るために、同図に示すようにガイド部25の取付部20を左右方向に複数個所設け、ガイド部25の位置を必要に応じてずらして取り付けることでガイド部間の対向距離を変更できるようにしておくことが望ましい。
【0049】
上記のガイド取付構造において、強度的に問題がない場合等には、ガイド部25はブラケット23の取付部20のみを利用して取り付けてもよいし、天板24の取付部20のみを利用して取り付けてもよい。これらの場合には、取付部20は少なくともブラケット23又は天板24の何れか一方にのみ設けておいてもよい。
【0050】
逆に、強度的に補強を要する場合には、前記実施形態と同様に脚柱22に斜片23aを設けておき、ガイド部25を図示の位置からずらしてブラケット23や天板24の取付部20に取り付けると同時に斜片23aにも取り付けるようにすれば、ガイド部25の強度を有効に向上させることが可能となる。
【0051】
さらにまた、脚22、22間がさほど広くない場合等には、図13に示すように、左右の脚22、22が対向する側に奥行き方向に沿って延設された内向きのガイド部425を更に備え、前記補助テーブル2の左右の脚22を前記ワゴン3の左右の縁部31pを跨げる関係に設定して、前記主テーブル1の天板11下に前記補助テーブル2および前記ワゴン3を重畳させて収納した状態から、前記ワゴン3を静止させたまま当該ワゴン3の左右の縁部31pに前記補助テーブル2のガイド部425をガイドさせつつ当該補助テーブル425を奥行き方向に沿って前記主テーブル1の天板11下から引き出せるようにすることも有効である。
【0052】
このようにすることで、主テーブル1の下にワゴン3とともに補助テーブル2を収納する際のバリエーションを無理なく増やすことができる。そして、このような収納の態様によれば、着座したまま補助テーブル2を引き出してサイドテーブル的に利用するといった利用形態も可能になり、より一層使い勝手に優れたものとなり得る。
【0053】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…主テーブル
2…補助テーブル
2p、2q、2r…縁辺
2s…手掛け部
3…収納家具(ワゴン)
11…天板(主テーブル)
20…連結機構
21…接地部(キャスタ)
22、22F、22R…脚
24…天板(補助テーブル)
24x…オーバーハング部
25…ガイド部
31p…縁部
33…接地部(扁平キャスタ)
122B…昇降機構
AE…専有範囲
δ…偏位量
Δ…高さ方向の間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主テーブルと、この主テーブルよりも高さの低い補助テーブルと、この補助テーブルよりも更に高さの低い収納家具とを組み合わせてなるものであって、
前記補助テーブルは、下端部を移動可能な接地部に支持された脚と、この脚の上端部に固定された天板と、前記左右の脚が対向する側と反対側の位置において奥行き方向に沿って延設された外向きのガイド部とを具備し、前記補助テーブルの天板を前記主テーブルの天板と前記収納家具の上端部との高さ方向の間に位置し得る関係に設定するとともに、前記補助テーブルの天板を前記左右の脚が対向する側と反対側に向かってオーバーハングさせ、前記主テーブルの天板下に前記補助テーブルおよび前記収納家具を、少なくとも補助テーブルのガイド部を収納家具の一部に当接ないし近接させるとともに当該補助テーブルの天板のオーバーハング部を収納家具の上方に一部重畳させて収納可能且つその位置から引き出し可能としたことを特徴とする引き出し式テーブルシステム。
【請求項2】
離間した一対の収納家具の間に補助テーブルを、当該補助テーブルの左右のガイド部を各々対応する収納家具のうち収納方向に平行な縁部にガイドさせつつ、天板の左右両側のオーバーハング部を各々対応する収納家具の上方に対して一部重畳する位置に収納可能且つその位置から引き出し可能としている請求項1記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項3】
収納家具の左右両側にそれぞれ補助テーブルを位置づけた状態で、両補助テーブルの天板のオーバーハング部同士をガイド部が障害になることなく収納家具の上方において突き当て得る関係に設定されている請求項1又は2記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項4】
補助テーブル同士が接近した際に天板同士を突き合せた状態に導く連結機構を、補助テーブルの一部の縁辺および当該縁辺に対向する縁辺に設けている請求項3記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項5】
補助テーブルの接地部が回転自在にされ、前記ガイド部の前記脚に対する偏位量が前記脚の接地部の左右専有範囲よりも大きく設定されている請求項1〜4何れかに記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項6】
左右の脚が対向する側に奥行き方向に沿って延設された内向きのガイド部を更に備え、前記補助テーブルの左右の脚を前記収納家具の左右の縁部を跨げる関係に設定して、前記主テーブルの天板下に前記補助テーブルおよび前記収納家具を重畳させて収納した状態から、前記収納家具を静止させたまま当該収納家具の左右の縁部に前記補助テーブルのガイド部をガイドさせつつ当該補助テーブルを奥行き方向に沿って前記主テーブルの天板下から引き出せるようにしている請求項1〜5何れかに記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項7】
主テーブルの天板と補助テーブルの天板との間、および、補助テーブルの天板と収納家具の頂板との間を、指が入る程度のギャップを介して上下に対向させ、前記天板の奥行き方向前端となる縁辺側の下面に、指を引っ掛けて天板を手前に引くことのできる手掛け部を設けている請求項1〜6何れかに記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項8】
補助テーブルの天板が昇降機構によって昇降可能とされている請求項1〜7何れかに記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項1】
主テーブルと、この主テーブルよりも高さの低い補助テーブルと、この補助テーブルよりも更に高さの低い収納家具とを組み合わせてなるものであって、
前記補助テーブルは、下端部を移動可能な接地部に支持された脚と、この脚の上端部に固定された天板と、前記左右の脚が対向する側と反対側の位置において奥行き方向に沿って延設された外向きのガイド部とを具備し、前記補助テーブルの天板を前記主テーブルの天板と前記収納家具の上端部との高さ方向の間に位置し得る関係に設定するとともに、前記補助テーブルの天板を前記左右の脚が対向する側と反対側に向かってオーバーハングさせ、前記主テーブルの天板下に前記補助テーブルおよび前記収納家具を、少なくとも補助テーブルのガイド部を収納家具の一部に当接ないし近接させるとともに当該補助テーブルの天板のオーバーハング部を収納家具の上方に一部重畳させて収納可能且つその位置から引き出し可能としたことを特徴とする引き出し式テーブルシステム。
【請求項2】
離間した一対の収納家具の間に補助テーブルを、当該補助テーブルの左右のガイド部を各々対応する収納家具のうち収納方向に平行な縁部にガイドさせつつ、天板の左右両側のオーバーハング部を各々対応する収納家具の上方に対して一部重畳する位置に収納可能且つその位置から引き出し可能としている請求項1記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項3】
収納家具の左右両側にそれぞれ補助テーブルを位置づけた状態で、両補助テーブルの天板のオーバーハング部同士をガイド部が障害になることなく収納家具の上方において突き当て得る関係に設定されている請求項1又は2記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項4】
補助テーブル同士が接近した際に天板同士を突き合せた状態に導く連結機構を、補助テーブルの一部の縁辺および当該縁辺に対向する縁辺に設けている請求項3記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項5】
補助テーブルの接地部が回転自在にされ、前記ガイド部の前記脚に対する偏位量が前記脚の接地部の左右専有範囲よりも大きく設定されている請求項1〜4何れかに記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項6】
左右の脚が対向する側に奥行き方向に沿って延設された内向きのガイド部を更に備え、前記補助テーブルの左右の脚を前記収納家具の左右の縁部を跨げる関係に設定して、前記主テーブルの天板下に前記補助テーブルおよび前記収納家具を重畳させて収納した状態から、前記収納家具を静止させたまま当該収納家具の左右の縁部に前記補助テーブルのガイド部をガイドさせつつ当該補助テーブルを奥行き方向に沿って前記主テーブルの天板下から引き出せるようにしている請求項1〜5何れかに記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項7】
主テーブルの天板と補助テーブルの天板との間、および、補助テーブルの天板と収納家具の頂板との間を、指が入る程度のギャップを介して上下に対向させ、前記天板の奥行き方向前端となる縁辺側の下面に、指を引っ掛けて天板を手前に引くことのできる手掛け部を設けている請求項1〜6何れかに記載の引き出し式テーブルシステム。
【請求項8】
補助テーブルの天板が昇降機構によって昇降可能とされている請求項1〜7何れかに記載の引き出し式テーブルシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−434(P2013−434A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135961(P2011−135961)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】
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