引込み可能な車両シート用衣服吊り下げ棒
【課題】吊り下げられる衣服が邪魔にならず、且つ車両運転者の視野外に位置づけられるようにする。さらに、衣服が衣服用ハンガの必要なしに吊り下げられることを可能にし、且つ複数の接触点を設けて衣服上の見苦しい跡を最小限に抑える。
【解決手段】支持棒40は、従来の車両天井のフックより大きい支持面積を提供するように構成される。略垂直な支持ポストは、支持棒40へ固定される。エンクロージャのウェル60は、内部に上面48を除いて支持棒40を全て受け入れるように構成される。エンクロージャウェル60の開放側は、車両座席38の上面48と同一平面で設置されるように構成される。ポスト受け70はエンクロージャウェル60の底部分へ固定され、且つ支持ポストを内部に受け入れるように構成される。各ポスト受け70は、好適には、支持棒40と支持ポストとが選択的に垂直に位置合わせ可能であるように摩擦嵌合で支持ポストと接触する。
【解決手段】支持棒40は、従来の車両天井のフックより大きい支持面積を提供するように構成される。略垂直な支持ポストは、支持棒40へ固定される。エンクロージャのウェル60は、内部に上面48を除いて支持棒40を全て受け入れるように構成される。エンクロージャウェル60の開放側は、車両座席38の上面48と同一平面で設置されるように構成される。ポスト受け70はエンクロージャウェル60の底部分へ固定され、且つ支持ポストを内部に受け入れるように構成される。各ポスト受け70は、好適には、支持棒40と支持ポストとが選択的に垂直に位置合わせ可能であるように摩擦嵌合で支持ポストと接触する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2010年12月29日に出願された米国暫定特許出願第61/428,198号の利益を主張するものであり、本参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は支持デバイスに関し、より具体的には、車両のための衣服支持デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
車両内で衣服を支持するための支持フックまたは衣服用ハンガは周知であり、典型的には、衣服が吊り下げられて他の表面に接触しないように車室天井に近接して設置される。しかしながら、このようなフックの使用は、特に車両の外側に立っている場合には煩わしい可能性がある。衣服を車両天井のフックへ直に吊り下げようとすることは、衣服用ハンガの助けがなければ困難である。さらに、衣服が天井のフック上へ直に吊り下げられる場合、衣服の全体重量が天井のフックに押しつけられることから、単一の接点により衣服に望ましくない跡がつく。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、車外に居る間の立ち位置から容易にアクセスできる衣服吊り下げ用支持デバイスが必要とされている。必要とされているこのような発明は、使用されていないときでも見た目が美しい引き込まれたポジションを提供するものであり、且つ助手席または運転席の背後で衣服を吊り下げられるように容易に展開可能となり、よって他の表面に接触することなく衣服を吊り下げられるようにする。必要とされるこのようなデバイスは、このようなデバイスにより吊り下げられる衣服が邪魔にならず、且つ車両運転者の視野外に位置づけられるようにする。必要とされるデバイスは、さらに、衣服が衣服用ハンガの必要なしに吊り下げられることを可能にし、且つ複数の接触点を設けて衣服上の見苦しい跡を最小限に抑える。本発明は、これらの目的を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本デバイスは、少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガのための、且つ車両の座席の上面に一体化するための支持機構である。本支持機構は、スーツの上着、ズボン、コート等の少なくとも1つの衣服の重量を支えるように構成される。略水平且つ硬質の支持棒は少なくとも1つの衣服を支えるように構成され、且つ少なくとも上面と、底面と、周縁とを含む。支持棒は、衣服用ハンガの必要なしに衣服を支えるように構成されるが、所望されれば、衣服用ハンガが使用されてもよい。支持棒の上面は、衣服用ハンガのうちの1つを内部に例えば重力または摩擦によって保持するように構成される複数の横溝を含んでもよい。さらに、もしくは代替として、支持棒の底面は、各々が衣服用ハンガの1つを受け入れるための複数の下向きに突出したフックまたはループを含んでもよい。少なくとも1つの略硬質の垂直な支持ポストは、その上端で支持棒の底面へ固定される。
【0006】
エンクロージャウェルは、内部に上面を除いて支持棒を全て受け入れるように構成され、エンクロージャウェルの開放側は、車両座席の上面と同一平面で設置されるように構成される。エンクロージャウェルの開放側は、例えば開放側の外周が黒メッキまたはクロムメッキされた材質等の、車両座席の上面に対して好ましい外観であるように構成される。
【0007】
少なくとも1つのポスト受けがエンクロージャウェルの底部分へ固定され、且つ少なくとも1つの支持ポストのうちの1つの底端を内部に受け入れるように構成される。各ポスト受けは、支持棒と支持ポストとが選択的に垂直に位置合わせ可能であるように摩擦嵌合で支持ポストと接触する。ポスト受けのうちの少なくとも1つは、支持ポストを解放してその垂直動作を可能にすべくそのアクチュエータが手動で作動されるまで支持ポストをポスト受けに対して所定位置に固定するように構成されるクランプロックを含んでもよい。支持ポストはさらに、クランプロックと協働するための少なくとも1つのロック溝を含んでもよい。
【0008】
本発明の代替実施形態において、1対の水平支持棒は各々、旋回機構において、その近位端が支持ポストの上端へ固定される。このような実施形態では、支持ポストがその収納位置へと下降されると、各支持棒の遠位端は車両座席の上面と同一平面になる。
【0009】
使用に際しては、エンクロージャウェルが車両座席の上面と同一平面に設置された状態で、支持棒は、車両座席の上面と同一平面である収納位置まで下降されてもよく、次いで、少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガを載せるサポートを提供するために展開位置へと配置されてもよい。
【0010】
本発明は、車外に居る間に立ち位置から容易にアクセスできる衣服吊り下げ用支持デバイスである。本デバイスは、使用されていないときでも見た目が美しい引き込まれたポジションを可能にし、且つ助手席または運転席の背後で衣服を吊り下げられるように容易に展開可能であり、よって他の表面に接触することなく衣服を吊り下げられるようにする。本発明は、衣服が邪魔にならず、且つ車両運転者の視野外に吊り下げられるようにし、車両のバックミラーおよびサイドミラーの視野方向からも外れるようにする。本発明はさらに、衣服が衣服用ハンガの必要なしに吊り下げられることを可能にし、且つ単純な天井のフックより多い接触点を提供する。本発明の他の特徴および優位点は、本発明の原理を例として示す添付の図面に関連して行う以下のより詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】車両座席に据え付けられた状態で示されている本発明の斜視図である。
【図2】本発明の支持棒が展開位置にある状態を示す斜視図である。
【図3】図2の左側面図である。
【図4】図2の線4−4に沿った、但し支持棒が引き込まれた位置にある状態を示す本発明の断面図である。
【図5】垂直の支持ポストと支持棒とを示す部分正面図である。
【図6】本発明の代替実施形態を示す斜視図である。
【図7】概して図6の線7−7に沿った拡大斜視図である。
【図8】1対の支持棒が引き込み位置へ折り畳まれた状態を示す、図6の切欠き斜視図である。
【図9】概して図6の線9−9に沿った代替実施形態の断面図である。
【図10】収納位置にある本発明の背面図である。
【図11】収納位置にある本発明の正面図である。
【図12】展開位置にある本発明の背面図である。
【図13】展開位置にある本発明の正面図である。
【図14】収納位置にある本発明の斜視図である。
【図15】展開位置にある本発明の斜視図である。
【図16】車両座席に据え付けられた状態で示されている本発明の斜視図である。
【図17】展開位置にある本発明の左側面図である。
【図18】収納位置にある本発明の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の例示的な実施形態について説明する。以下の説明は、これらの実施形態を完全に理解するための、且つこれらの実施形態の記述を可能にする特有の詳細を提供する。当業者には、本発明がこのような詳細なしに実施されてもよいことが理解されるであろう。他の例では、実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構造および機能に関する詳細な図示および記述は省かれている。
【0013】
文脈により別段の必要性が明らかでない限り、明細書本文および請求の範囲を通じて、「を備える」「を備えている」という記載およびこれに類似するものは、排他的または排他的意味合いとは反対の包含的意味合い、即ち、「を含む、但しこの限りではない」という意味合いで解釈されるべきである。また、単数または複数を用いる用語も、各々複数または単数を含む。さらに、本出願で使用される場合の「本明細書において」、「先の」、「下記の」および類似の趣旨の記載は、全体としての本出願を指すものであって、本出願の任意の具体的な部分を指すものではない。請求の範囲が2つ以上のアイテムのリストを参照して「または」という用語を用いる場合、この用語は、リストに記載されている任意のアイテム、リストに記載されている全てのアイテムおよびリストに記載されているアイテムの任意の組合せ、という用語解釈を全て包含する。
【0014】
図1および図2は、スーツの上着、ズボン、コート等の少なくとも1つの衣服25(図16)または少なくとも1つの衣服用ハンガ20(図6)のための、且つ車両座席30の上面38に一体化するための支持機構10を示す。支持機構10は、少なくとも1つの衣服25の重量を直に、または各衣服用ハンガ20から吊り下げられた少なくとも1つの衣服25の重量を支えるように構成される。このような車両30は、図示されているような自動車であっても、バス、バン、飛行機、列車または他の車両(図示せず)であってもよい。
【0015】
略水平且つ硬質の支持棒40は少なくとも1つの衣服25または衣服用ハンガ20を支えるように構成され、且つ少なくとも上面48と、底面42と、周縁45とを含む。支持棒40は、図16に示されているように衣服用ハンガ20の必要なしに衣服25を支えるように構成されるが、所望されれば、衣服用ハンガ20が使用されてもよい。支持棒40は、従来の車両天井のフック(図示せず)による単一接触点より大きい支持面積を提供する。
【0016】
支持棒40の上面48は、衣服用ハンガ20のうちの1つを内部に例えば重力または摩擦によって保持するように構成される複数の横溝100を含んでもよい。さらに、もしくは代替として、支持棒40の底面42は、各々が衣服用ハンガ20の1つを受け入れるための複数の下向きに突出したフック110(図5)またはループ120を含んでもよい。ある実施形態において、支持棒の上面48は磨かれた木の外観を有し、支持棒40は木製であるか、ベニヤ板の上面48を有する。或いは、支持棒40はクロムまたは他の金属仕上げ、プラスチック仕上げ、革仕上げなどで製造されてもよく、よって支持棒40の上面48は、車両座席30の上面38と同一平面にあるときに好ましい外観を有する。別の実施形態では、支持棒40の上面48は、支持棒40上へ直に置かれる場合に衣服25の固定を促進すべくより大きい摩擦を与える防滑性革仕上げ等の仕上げを含む。
【0017】
支持棒40はさらに、引き込み位置180と延長位置190(図2)との間で延長可能な少なくとも1つの延長セグメント170を含んでもよい。各延長セグメント170は少なくとも1つの衣服25をその上で支えるように構成され、且つ各衣服25を各衣服25のサイズおよび性質に依存してより良く支えるために延長されることが可能である。好適には、支持棒40は、図12および図13に示されているように、対向する両端に2つの延長セグメント170を含む。ある好適な実施形態では、各延長セグメント170が延長された状態での支持棒40の幅は約18インチであり、ほぼ標準的な衣服用ハンガの幅である。また、各延長セグメント170は少なくとも1つの衣服用ハンガ20をその上で支えるように構成され、且つ支持機構10によって複数の衣服用ハンガ20が支えられる場合には延長されることが可能である。このような延長セグメント170は、図13および図15に示されているように引き込み位置180と延長位置190との間で前後に滑動してもよく、または例えば蝶番(図示せず)において引き込み位置180と延長位置190との間を旋回してもよい。
【0018】
図13に示されている実施形態では、各延長セグメント170は滑り板173を含む。滑り板173は、各延長セグメント170が支持棒40に沿って内外へ滑動することを可能にする。各滑り板173はさらに、各延長セグメント170が誤って外されることを防止するために少なくとも1つの停止ねじ175を含んでもよい。好適には、各滑り板173と支持棒40との間にテフロンまたはテフロン材料(図示せず)が置かれ、各延長セグメント170の滑動動作が促進される。滑動行動および張力は、各停止ねじ175を締め付ける、または緩めることによって調整されることが可能である。
【0019】
少なくとも1つの略硬質の垂直な支持ポスト50は、その上端58で支持棒40の底面42へ固定される。支持ポスト50の上端58は、支持棒40の底面42を介して埋め込まれ、例えば少なくとも1つの機械的締結具によって底面42へ保持されてもよく、またはねじ山(図示せず)を包含して支持棒40の底面42を横断するねじ切りされた開口(図示せず)へねじ込まれてもよい。
【0020】
エンクロージャウェル60は、内部に支持棒40の上面48を除く全てを受け入れるように構成され、エンクロージャウェル60の開放側68は、車両座席30の上面38と同一平面で設置されるように構成される。このようなエンクロージャウェル60は、例えばプラスチック射出成形材料から、またはクロムまたは他の金属材料等から製造されてもよい。エンクロージャウェル60の開放側68は、例えば開放側68の外周が黒メッキまたはクロムメッキされた材質等の、車両座席30の上面38に対して好ましい外観であるように構成される。エンクロージャウェル60は、車両座席30内へ、例えば縫製等の任意の適切な機械的締結手段によって、または追加的な機械的締結具等によって固定されてもよい。
【0021】
少なくとも1つのポスト受け70はエンクロージャウェル60の底部分62へ固定され、且つ少なくとも1つの支持ポスト50のうちの1つの底端52を内部に受け入れるように構成される。各ポスト受け70は、支持棒40と支持ポスト50とが選択的に垂直に位置合わせ可能であるように摩擦嵌合で支持ポスト50と接触する。別の実施形態において、各ポスト受け70は各支持ポスト50上に緩衝圧力を与えるOリング72を含み、図17および図18に示されているように、支持棒40が所望される高さまで上下に滑動することを可能にする。ある実施形態では、エンクロージャウェル60は、例えば射出成形されたプラスチック材料等で各ポスト受け70と一体式に形成される。別の実施形態では、エンクロージャウェル60はトレーとトリムプレートとで製造され、これにより、トリムプレートは車両座席30へ取り付けられ、且つトレーはトリムプレート内へ嵌るか、そうでなければトリムプレートにより摩擦式に保持される。
【0022】
各ポスト受け70はさらに、支持棒40を例えば親指と人差し指との間に把持することなどによって把持できるようにするために、車両座席38の上面38と同一平面である支持棒40の上面48に対応する下降位置140と、車両座席30の上面38より上昇されている支持棒40の上面48に対応する上昇位置150との間をトグルする機械的なトグルロック機構130(図4、図8および図9)を含んでもよい。したがって、トグルロック機構130を下降位置140から上昇位置150へ移動させるために、支持棒40は、支持棒40の上面48が車両座席30の上面38の平面より下へ移動されることにより各支持ポスト50および支持棒40が車両座席30の上面38より上の位置まで上昇されるべくトグルロック機構130がトグルされるようにエンクロージャウェル60内へ押し下げられてもよい。次に、トグルロック機構130を上昇位置150から下降位置140へ移動させるために、支持棒40は再度、車両座席30の上面38より下へ押し下げられる。このようなトグルロック機構130は技術上既知であるばねおよびギヤまたはレバー機構を含み、しばしばキャビネットのドアおよび引き出し等に用いられる。或いは、支持棒40の展開位置90から上昇位置150への下降が結果的にトグルロック130の「ソフトクローズ」となり、よってしばらくすると支持棒40の上面48が車両座席30の上面38に対して共面位置をとるように、所謂「ソフトクローズ」型のトグルロック機構130が使用されてもよい。支持棒40はさらに、支持棒40のこのような手動の把持および上昇または下降を容易にするために少なくとも1つのフィンガセクション160を含んでもよい(図2、図10および図11)。
【0023】
ポスト受け70のうちの少なくとも1つは、支持ポスト50を解放してその垂直動作を可能にすべくそのアクチュエータ205が手動で作動されるまで支持ポスト50をポスト受け70に対して所定位置に固定するように構成されるクランプロック200(図2)を含んでもよい。支持ポスト50はさらに、クランプロック200と協働するための少なくとも1つのロック溝207を含んでもよい。
【0024】
使用に際しては、エンクロージャウェル60が車両座席30の上面38と同一平面に設置された状態で、支持棒40は、車両座席30の上面38と同一平面である収納位置80(図1および図14)まで下降されてもよく、次いで、少なくとも1つの衣服25または衣服用ハンガ20を載せるサポートを提供するために展開位置90(図2および図15)へと配置されてもよい。
【0025】
図6から図9に示されている本発明の代替実施形態において、1対の水平支持棒40は各々、旋回機構210において、その近位端41が支持ポスト50の上端58へ固定される。このような実施形態では、支持ポスト50がその収納位置80(図8)へ下降されると、各支持棒40の遠位端49は車両座席30の上面38と同一平面になる。
【0026】
本発明の特定の形式について図示し且つ説明してきたが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な変更が行われ得ることは明白であろう。例えば、支持棒40の形状は、図面に示されている形状から変えられてもよい。したがって、本発明は、添付の請求の範囲に記載されたもの以外に限定されるべきではない。
【0027】
本発明の所定の特徴または態様を説明する際に使用されている特定の用語法は、その用語法が、その用語法に関連する本発明の任意の特有の特徴、機能または態様に限定されるべく本明細書で定義し直されていることを含意するものと解釈されるべきではない。概して、以下の請求の範囲において使用される用語は、先の詳細な説明の部分がこのような用語を明示的に定義していない限り、本発明を本明細書に開示されている特有の実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。したがって、本発明の実際の範囲は、開示されている実施形態だけでなく、本発明を実施または実装する全ての同等方法をも包含する。
【0028】
本発明の実施形態に関する上述の詳細な説明は、網羅的であることを意図するものではなく、また本発明をこれまでに開示した精密な形式または本開示において言及されている具体的な使用分野に限定するためのものでもない。これまでに行った本発明の特定の実施形態およびその例の記述は単に例示を目的とするものであり、当業者には理解されるように、本発明の範囲内で様々な同等の変更が可能である。また、本明細書に提示されている本発明の教示内容は、必ずしもこれまでに述べたシステムではなく他のシステムへも適用されることが可能である。前述の様々な実施形態のエレメントおよび作用は、さらなる実施形態を提供するために組み合わされることが可能である。
【0029】
添付の出願書類に記載され得る任意の引例を含む上述の特許および出願および他の引例は全て、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の態様は、必要であれば、これまでに述べた様々な引例のシステム、機能および概念を使用して本発明のさらに他の実施形態を提供するために変更されることが可能である。
【0030】
本発明に対しては、上述の「詳細な説明」に鑑みて変更が行われてもよい。これまでの説明は本発明の所定の実施形態を詳述し且つ企図される最良の形態を記述しているが、本文においてこれらが如何に詳述されていようとも、本発明は多くの方法で実施されることが可能である。したがって、実装の詳細は著しく変わり得るが、それでも本明細書に記述されている発明によって包含される。先に述べたように、本発明の所定の特徴または態様を記述する際に使用されている特定の用語法は、その用語法が、その用語法に関連する本発明の任意の特有の特徴、機能または態様に限定されるべく本明細書で定義し直されていることを含意するものと解釈されるべきではない。
【0031】
以下、本発明の所定の態様を所定のクレーム形式で提示するが、発明者は、本発明の様々な態様を任意数のクレーム形式で企図する。したがって、発明者は、出願提出後も本発明の他の態様についてこのような追加的クレーム形式を遂行するために追加的クレームを加える権利を保有する。
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2010年12月29日に出願された米国暫定特許出願第61/428,198号の利益を主張するものであり、本参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は支持デバイスに関し、より具体的には、車両のための衣服支持デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
車両内で衣服を支持するための支持フックまたは衣服用ハンガは周知であり、典型的には、衣服が吊り下げられて他の表面に接触しないように車室天井に近接して設置される。しかしながら、このようなフックの使用は、特に車両の外側に立っている場合には煩わしい可能性がある。衣服を車両天井のフックへ直に吊り下げようとすることは、衣服用ハンガの助けがなければ困難である。さらに、衣服が天井のフック上へ直に吊り下げられる場合、衣服の全体重量が天井のフックに押しつけられることから、単一の接点により衣服に望ましくない跡がつく。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、車外に居る間の立ち位置から容易にアクセスできる衣服吊り下げ用支持デバイスが必要とされている。必要とされているこのような発明は、使用されていないときでも見た目が美しい引き込まれたポジションを提供するものであり、且つ助手席または運転席の背後で衣服を吊り下げられるように容易に展開可能となり、よって他の表面に接触することなく衣服を吊り下げられるようにする。必要とされるこのようなデバイスは、このようなデバイスにより吊り下げられる衣服が邪魔にならず、且つ車両運転者の視野外に位置づけられるようにする。必要とされるデバイスは、さらに、衣服が衣服用ハンガの必要なしに吊り下げられることを可能にし、且つ複数の接触点を設けて衣服上の見苦しい跡を最小限に抑える。本発明は、これらの目的を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本デバイスは、少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガのための、且つ車両の座席の上面に一体化するための支持機構である。本支持機構は、スーツの上着、ズボン、コート等の少なくとも1つの衣服の重量を支えるように構成される。略水平且つ硬質の支持棒は少なくとも1つの衣服を支えるように構成され、且つ少なくとも上面と、底面と、周縁とを含む。支持棒は、衣服用ハンガの必要なしに衣服を支えるように構成されるが、所望されれば、衣服用ハンガが使用されてもよい。支持棒の上面は、衣服用ハンガのうちの1つを内部に例えば重力または摩擦によって保持するように構成される複数の横溝を含んでもよい。さらに、もしくは代替として、支持棒の底面は、各々が衣服用ハンガの1つを受け入れるための複数の下向きに突出したフックまたはループを含んでもよい。少なくとも1つの略硬質の垂直な支持ポストは、その上端で支持棒の底面へ固定される。
【0006】
エンクロージャウェルは、内部に上面を除いて支持棒を全て受け入れるように構成され、エンクロージャウェルの開放側は、車両座席の上面と同一平面で設置されるように構成される。エンクロージャウェルの開放側は、例えば開放側の外周が黒メッキまたはクロムメッキされた材質等の、車両座席の上面に対して好ましい外観であるように構成される。
【0007】
少なくとも1つのポスト受けがエンクロージャウェルの底部分へ固定され、且つ少なくとも1つの支持ポストのうちの1つの底端を内部に受け入れるように構成される。各ポスト受けは、支持棒と支持ポストとが選択的に垂直に位置合わせ可能であるように摩擦嵌合で支持ポストと接触する。ポスト受けのうちの少なくとも1つは、支持ポストを解放してその垂直動作を可能にすべくそのアクチュエータが手動で作動されるまで支持ポストをポスト受けに対して所定位置に固定するように構成されるクランプロックを含んでもよい。支持ポストはさらに、クランプロックと協働するための少なくとも1つのロック溝を含んでもよい。
【0008】
本発明の代替実施形態において、1対の水平支持棒は各々、旋回機構において、その近位端が支持ポストの上端へ固定される。このような実施形態では、支持ポストがその収納位置へと下降されると、各支持棒の遠位端は車両座席の上面と同一平面になる。
【0009】
使用に際しては、エンクロージャウェルが車両座席の上面と同一平面に設置された状態で、支持棒は、車両座席の上面と同一平面である収納位置まで下降されてもよく、次いで、少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガを載せるサポートを提供するために展開位置へと配置されてもよい。
【0010】
本発明は、車外に居る間に立ち位置から容易にアクセスできる衣服吊り下げ用支持デバイスである。本デバイスは、使用されていないときでも見た目が美しい引き込まれたポジションを可能にし、且つ助手席または運転席の背後で衣服を吊り下げられるように容易に展開可能であり、よって他の表面に接触することなく衣服を吊り下げられるようにする。本発明は、衣服が邪魔にならず、且つ車両運転者の視野外に吊り下げられるようにし、車両のバックミラーおよびサイドミラーの視野方向からも外れるようにする。本発明はさらに、衣服が衣服用ハンガの必要なしに吊り下げられることを可能にし、且つ単純な天井のフックより多い接触点を提供する。本発明の他の特徴および優位点は、本発明の原理を例として示す添付の図面に関連して行う以下のより詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】車両座席に据え付けられた状態で示されている本発明の斜視図である。
【図2】本発明の支持棒が展開位置にある状態を示す斜視図である。
【図3】図2の左側面図である。
【図4】図2の線4−4に沿った、但し支持棒が引き込まれた位置にある状態を示す本発明の断面図である。
【図5】垂直の支持ポストと支持棒とを示す部分正面図である。
【図6】本発明の代替実施形態を示す斜視図である。
【図7】概して図6の線7−7に沿った拡大斜視図である。
【図8】1対の支持棒が引き込み位置へ折り畳まれた状態を示す、図6の切欠き斜視図である。
【図9】概して図6の線9−9に沿った代替実施形態の断面図である。
【図10】収納位置にある本発明の背面図である。
【図11】収納位置にある本発明の正面図である。
【図12】展開位置にある本発明の背面図である。
【図13】展開位置にある本発明の正面図である。
【図14】収納位置にある本発明の斜視図である。
【図15】展開位置にある本発明の斜視図である。
【図16】車両座席に据え付けられた状態で示されている本発明の斜視図である。
【図17】展開位置にある本発明の左側面図である。
【図18】収納位置にある本発明の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の例示的な実施形態について説明する。以下の説明は、これらの実施形態を完全に理解するための、且つこれらの実施形態の記述を可能にする特有の詳細を提供する。当業者には、本発明がこのような詳細なしに実施されてもよいことが理解されるであろう。他の例では、実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構造および機能に関する詳細な図示および記述は省かれている。
【0013】
文脈により別段の必要性が明らかでない限り、明細書本文および請求の範囲を通じて、「を備える」「を備えている」という記載およびこれに類似するものは、排他的または排他的意味合いとは反対の包含的意味合い、即ち、「を含む、但しこの限りではない」という意味合いで解釈されるべきである。また、単数または複数を用いる用語も、各々複数または単数を含む。さらに、本出願で使用される場合の「本明細書において」、「先の」、「下記の」および類似の趣旨の記載は、全体としての本出願を指すものであって、本出願の任意の具体的な部分を指すものではない。請求の範囲が2つ以上のアイテムのリストを参照して「または」という用語を用いる場合、この用語は、リストに記載されている任意のアイテム、リストに記載されている全てのアイテムおよびリストに記載されているアイテムの任意の組合せ、という用語解釈を全て包含する。
【0014】
図1および図2は、スーツの上着、ズボン、コート等の少なくとも1つの衣服25(図16)または少なくとも1つの衣服用ハンガ20(図6)のための、且つ車両座席30の上面38に一体化するための支持機構10を示す。支持機構10は、少なくとも1つの衣服25の重量を直に、または各衣服用ハンガ20から吊り下げられた少なくとも1つの衣服25の重量を支えるように構成される。このような車両30は、図示されているような自動車であっても、バス、バン、飛行機、列車または他の車両(図示せず)であってもよい。
【0015】
略水平且つ硬質の支持棒40は少なくとも1つの衣服25または衣服用ハンガ20を支えるように構成され、且つ少なくとも上面48と、底面42と、周縁45とを含む。支持棒40は、図16に示されているように衣服用ハンガ20の必要なしに衣服25を支えるように構成されるが、所望されれば、衣服用ハンガ20が使用されてもよい。支持棒40は、従来の車両天井のフック(図示せず)による単一接触点より大きい支持面積を提供する。
【0016】
支持棒40の上面48は、衣服用ハンガ20のうちの1つを内部に例えば重力または摩擦によって保持するように構成される複数の横溝100を含んでもよい。さらに、もしくは代替として、支持棒40の底面42は、各々が衣服用ハンガ20の1つを受け入れるための複数の下向きに突出したフック110(図5)またはループ120を含んでもよい。ある実施形態において、支持棒の上面48は磨かれた木の外観を有し、支持棒40は木製であるか、ベニヤ板の上面48を有する。或いは、支持棒40はクロムまたは他の金属仕上げ、プラスチック仕上げ、革仕上げなどで製造されてもよく、よって支持棒40の上面48は、車両座席30の上面38と同一平面にあるときに好ましい外観を有する。別の実施形態では、支持棒40の上面48は、支持棒40上へ直に置かれる場合に衣服25の固定を促進すべくより大きい摩擦を与える防滑性革仕上げ等の仕上げを含む。
【0017】
支持棒40はさらに、引き込み位置180と延長位置190(図2)との間で延長可能な少なくとも1つの延長セグメント170を含んでもよい。各延長セグメント170は少なくとも1つの衣服25をその上で支えるように構成され、且つ各衣服25を各衣服25のサイズおよび性質に依存してより良く支えるために延長されることが可能である。好適には、支持棒40は、図12および図13に示されているように、対向する両端に2つの延長セグメント170を含む。ある好適な実施形態では、各延長セグメント170が延長された状態での支持棒40の幅は約18インチであり、ほぼ標準的な衣服用ハンガの幅である。また、各延長セグメント170は少なくとも1つの衣服用ハンガ20をその上で支えるように構成され、且つ支持機構10によって複数の衣服用ハンガ20が支えられる場合には延長されることが可能である。このような延長セグメント170は、図13および図15に示されているように引き込み位置180と延長位置190との間で前後に滑動してもよく、または例えば蝶番(図示せず)において引き込み位置180と延長位置190との間を旋回してもよい。
【0018】
図13に示されている実施形態では、各延長セグメント170は滑り板173を含む。滑り板173は、各延長セグメント170が支持棒40に沿って内外へ滑動することを可能にする。各滑り板173はさらに、各延長セグメント170が誤って外されることを防止するために少なくとも1つの停止ねじ175を含んでもよい。好適には、各滑り板173と支持棒40との間にテフロンまたはテフロン材料(図示せず)が置かれ、各延長セグメント170の滑動動作が促進される。滑動行動および張力は、各停止ねじ175を締め付ける、または緩めることによって調整されることが可能である。
【0019】
少なくとも1つの略硬質の垂直な支持ポスト50は、その上端58で支持棒40の底面42へ固定される。支持ポスト50の上端58は、支持棒40の底面42を介して埋め込まれ、例えば少なくとも1つの機械的締結具によって底面42へ保持されてもよく、またはねじ山(図示せず)を包含して支持棒40の底面42を横断するねじ切りされた開口(図示せず)へねじ込まれてもよい。
【0020】
エンクロージャウェル60は、内部に支持棒40の上面48を除く全てを受け入れるように構成され、エンクロージャウェル60の開放側68は、車両座席30の上面38と同一平面で設置されるように構成される。このようなエンクロージャウェル60は、例えばプラスチック射出成形材料から、またはクロムまたは他の金属材料等から製造されてもよい。エンクロージャウェル60の開放側68は、例えば開放側68の外周が黒メッキまたはクロムメッキされた材質等の、車両座席30の上面38に対して好ましい外観であるように構成される。エンクロージャウェル60は、車両座席30内へ、例えば縫製等の任意の適切な機械的締結手段によって、または追加的な機械的締結具等によって固定されてもよい。
【0021】
少なくとも1つのポスト受け70はエンクロージャウェル60の底部分62へ固定され、且つ少なくとも1つの支持ポスト50のうちの1つの底端52を内部に受け入れるように構成される。各ポスト受け70は、支持棒40と支持ポスト50とが選択的に垂直に位置合わせ可能であるように摩擦嵌合で支持ポスト50と接触する。別の実施形態において、各ポスト受け70は各支持ポスト50上に緩衝圧力を与えるOリング72を含み、図17および図18に示されているように、支持棒40が所望される高さまで上下に滑動することを可能にする。ある実施形態では、エンクロージャウェル60は、例えば射出成形されたプラスチック材料等で各ポスト受け70と一体式に形成される。別の実施形態では、エンクロージャウェル60はトレーとトリムプレートとで製造され、これにより、トリムプレートは車両座席30へ取り付けられ、且つトレーはトリムプレート内へ嵌るか、そうでなければトリムプレートにより摩擦式に保持される。
【0022】
各ポスト受け70はさらに、支持棒40を例えば親指と人差し指との間に把持することなどによって把持できるようにするために、車両座席38の上面38と同一平面である支持棒40の上面48に対応する下降位置140と、車両座席30の上面38より上昇されている支持棒40の上面48に対応する上昇位置150との間をトグルする機械的なトグルロック機構130(図4、図8および図9)を含んでもよい。したがって、トグルロック機構130を下降位置140から上昇位置150へ移動させるために、支持棒40は、支持棒40の上面48が車両座席30の上面38の平面より下へ移動されることにより各支持ポスト50および支持棒40が車両座席30の上面38より上の位置まで上昇されるべくトグルロック機構130がトグルされるようにエンクロージャウェル60内へ押し下げられてもよい。次に、トグルロック機構130を上昇位置150から下降位置140へ移動させるために、支持棒40は再度、車両座席30の上面38より下へ押し下げられる。このようなトグルロック機構130は技術上既知であるばねおよびギヤまたはレバー機構を含み、しばしばキャビネットのドアおよび引き出し等に用いられる。或いは、支持棒40の展開位置90から上昇位置150への下降が結果的にトグルロック130の「ソフトクローズ」となり、よってしばらくすると支持棒40の上面48が車両座席30の上面38に対して共面位置をとるように、所謂「ソフトクローズ」型のトグルロック機構130が使用されてもよい。支持棒40はさらに、支持棒40のこのような手動の把持および上昇または下降を容易にするために少なくとも1つのフィンガセクション160を含んでもよい(図2、図10および図11)。
【0023】
ポスト受け70のうちの少なくとも1つは、支持ポスト50を解放してその垂直動作を可能にすべくそのアクチュエータ205が手動で作動されるまで支持ポスト50をポスト受け70に対して所定位置に固定するように構成されるクランプロック200(図2)を含んでもよい。支持ポスト50はさらに、クランプロック200と協働するための少なくとも1つのロック溝207を含んでもよい。
【0024】
使用に際しては、エンクロージャウェル60が車両座席30の上面38と同一平面に設置された状態で、支持棒40は、車両座席30の上面38と同一平面である収納位置80(図1および図14)まで下降されてもよく、次いで、少なくとも1つの衣服25または衣服用ハンガ20を載せるサポートを提供するために展開位置90(図2および図15)へと配置されてもよい。
【0025】
図6から図9に示されている本発明の代替実施形態において、1対の水平支持棒40は各々、旋回機構210において、その近位端41が支持ポスト50の上端58へ固定される。このような実施形態では、支持ポスト50がその収納位置80(図8)へ下降されると、各支持棒40の遠位端49は車両座席30の上面38と同一平面になる。
【0026】
本発明の特定の形式について図示し且つ説明してきたが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な変更が行われ得ることは明白であろう。例えば、支持棒40の形状は、図面に示されている形状から変えられてもよい。したがって、本発明は、添付の請求の範囲に記載されたもの以外に限定されるべきではない。
【0027】
本発明の所定の特徴または態様を説明する際に使用されている特定の用語法は、その用語法が、その用語法に関連する本発明の任意の特有の特徴、機能または態様に限定されるべく本明細書で定義し直されていることを含意するものと解釈されるべきではない。概して、以下の請求の範囲において使用される用語は、先の詳細な説明の部分がこのような用語を明示的に定義していない限り、本発明を本明細書に開示されている特有の実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。したがって、本発明の実際の範囲は、開示されている実施形態だけでなく、本発明を実施または実装する全ての同等方法をも包含する。
【0028】
本発明の実施形態に関する上述の詳細な説明は、網羅的であることを意図するものではなく、また本発明をこれまでに開示した精密な形式または本開示において言及されている具体的な使用分野に限定するためのものでもない。これまでに行った本発明の特定の実施形態およびその例の記述は単に例示を目的とするものであり、当業者には理解されるように、本発明の範囲内で様々な同等の変更が可能である。また、本明細書に提示されている本発明の教示内容は、必ずしもこれまでに述べたシステムではなく他のシステムへも適用されることが可能である。前述の様々な実施形態のエレメントおよび作用は、さらなる実施形態を提供するために組み合わされることが可能である。
【0029】
添付の出願書類に記載され得る任意の引例を含む上述の特許および出願および他の引例は全て、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の態様は、必要であれば、これまでに述べた様々な引例のシステム、機能および概念を使用して本発明のさらに他の実施形態を提供するために変更されることが可能である。
【0030】
本発明に対しては、上述の「詳細な説明」に鑑みて変更が行われてもよい。これまでの説明は本発明の所定の実施形態を詳述し且つ企図される最良の形態を記述しているが、本文においてこれらが如何に詳述されていようとも、本発明は多くの方法で実施されることが可能である。したがって、実装の詳細は著しく変わり得るが、それでも本明細書に記述されている発明によって包含される。先に述べたように、本発明の所定の特徴または態様を記述する際に使用されている特定の用語法は、その用語法が、その用語法に関連する本発明の任意の特有の特徴、機能または態様に限定されるべく本明細書で定義し直されていることを含意するものと解釈されるべきではない。
【0031】
以下、本発明の所定の態様を所定のクレーム形式で提示するが、発明者は、本発明の様々な態様を任意数のクレーム形式で企図する。したがって、発明者は、出願提出後も本発明の他の態様についてこのような追加的クレーム形式を遂行するために追加的クレームを加える権利を保有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガのための、且つ車両の座席の上面に一体化するための支持機構であって、
前記少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガを支えるように構成され、上面と、底面と、周縁とを含む略水平の支持棒と、
各々がその上端で前記支持棒の底面に固定される少なくとも1つの略垂直な支持ポストと、
前記支持棒の前記上面を除く全てを受け入れるように構成されるエンクロージャウェルであって、前記エンクロージャウェルの開放側は前記車両座席の上面と同一平面で取り付けられるように構成される前記エンクロージャウェルと、
各々が前記エンクロージャウェルの底部分へ固定され且つ内部に前記少なくとも1つの支持ポストのうちの1つの底端を受け入れるように構成される少なくとも1つのポスト受けであって、前記各ポスト受けは、前記支持棒および前記支持ポストが選択的に垂直に位置合わせ可能であるように前記支持ポストに摩擦嵌合で接触する少なくとも1つのポスト受けと、を備え、
これにより、前記エンクロージャウェルが前記車両座席の上面と同一平面で取り付けられた状態で、前記支持棒は前記車両座席の上面と同一平面である収納位置へ降下可能であり、また、前記少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガのための支えを提供するために展開位置へ配置可能である、支持機構。
【請求項2】
前記支持棒の上面は、前記衣服用ハンガのうちの1つを重力によって保持するように構成される複数の横溝を含む、請求項1に記載の支持機構。
【請求項3】
前記支持棒の底面は、各々が前記衣服用ハンガのうちの1つを受け入れるための下向きに突出した複数のフックを含む、請求項1に記載の支持機構。
【請求項4】
前記支持棒の底面は、各々が前記衣服用ハンガのうちの1つを受け入れるための下向きに突出した複数のループを含む、請求項1に記載の支持機構。
【請求項5】
各ポスト受けは、前記支持棒の把持を可能にするために、前記車両座席の上面と同一平面である前記支持棒の上面に対応する下降位置と、前記車両座席の上面より上昇されている前記支持棒の上面に対応する上昇位置と、の間をトグルするトグルロック機構を含み、
前記トグルロック機構は前記支持棒を押し込むことによってトグルされる、請求項1に記載の支持機構。
【請求項6】
前記支持棒の周縁はさらに、前記支持棒の手動把持および上昇を可能にする少なくとも1つのフィンガセクションを含む、請求項2に記載の支持機構。
【請求項7】
前記支持棒は、引き込み位置と延長位置との間で延長可能な少なくとも1つの延長セグメントをさらに含み、
前記各延長セグメントは、少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガを載せて支えるように構成される、請求項2に記載の支持機構。
【請求項8】
各延長セグメントは、前記引き込み位置と前記延長位置との間で滑動可能式に拡張可能である、請求項7に記載の支持機構。
【請求項9】
各延長セグメントは、前記引き込み位置と前記延長位置との間で旋回式に拡張可能である、請求項7に記載の支持機構。
【請求項10】
少なくとも1つのポスト受けは、前記支持ポストを解放して垂直動作を可能にすべくそのアクチュエータが手動で作動されるまで、前記支持ポストを前記ポスト受けに対して所定位置に固定するためのクランプロックを含み、
前記支持ポストは、前記クランプロックと協働するための少なくとも1つのロック溝をさらに含む、請求項1に記載の支持機構。
【請求項11】
少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガのための、且つ車両の座席の上面に一体化するための支持機構であって、
各々が少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガを支えるように構成され、且つ上面と、底面と、遠位端と、近位端と、周縁とを含む1対の水平支持棒と、
旋回機構において、その上端で各支持棒の前記近位端に固定される略垂直な支持ポストと、
前記遠位端を除いて前記支持棒を全て受け入れるように構成されるエンクロージャウェルであって、前記車両座席の上面と同一平面で取り付けられるように構成される前記エンクロージャウェルと、
前記エンクロージャウェルの底部分へ固定され且つ内部に前記支持ポストの底端を受け入れるように構成されるポスト受けであって、前記支持棒および前記支持ポストが選択的に垂直に位置合わせ可能であるように前記支持ポストに摩擦嵌合で接触する前記ポスト受けと、を備え、
これにより、前記エンクロージャウェルが前記車両座席の上面と同一平面で取り付けられた状態で、前記支持棒はその遠位端が前記車両座席の上面と同一平面であるように収納位置へ降下可能であり、また、前記少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガのためのT字形の支えを提供するために展開位置へ配置可能である、支持機構。
【請求項12】
各支持棒の上面は、前記支持棒が前記展開位置にあるときに前記衣服用ハンガのうちの1つを重力によって保持するように構成される複数の横溝を含む、請求項11に記載の支持機構。
【請求項13】
各支持棒の底面は、各々が前記衣服用ハンガのうちの1つを受け入れるための下向きに突出した複数のフックを含む、請求項11に記載の支持機構。
【請求項14】
各支持棒の底面は、各々が前記衣服用ハンガのうちの1つを受け入れるための下向きに突出した複数のループを含む、請求項11に記載の支持機構。
【請求項15】
前記ポスト受けは、前記支持棒の把持を可能にするために、前記車両座席の上面と同一平面である各支持棒の遠位端に対応する下降位置と、前記車両座席の上面より上昇されている各支持棒の遠位端に対応する上昇位置との間をトグルするトグルロック機構を含み、
前記トグルロック機構は各支持棒の前記遠位端を押し込むことによってトグルされる、請求項11に記載の支持機構。
【請求項16】
各ポスト受けは、前記支持ポストのうちの1つに摩擦式に接触するように構成されるエラストマリングを含む、請求項1に記載の支持機構。
【請求項17】
前記エンクロージャウェルが通って嵌り且つ摩擦によって内部に保持される開口を有するトリムプレートをさらに含み、前記トリムプレートは前記車両座席の上面へ固定されるように構成される、請求項1に記載の支持機構。
【請求項1】
少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガのための、且つ車両の座席の上面に一体化するための支持機構であって、
前記少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガを支えるように構成され、上面と、底面と、周縁とを含む略水平の支持棒と、
各々がその上端で前記支持棒の底面に固定される少なくとも1つの略垂直な支持ポストと、
前記支持棒の前記上面を除く全てを受け入れるように構成されるエンクロージャウェルであって、前記エンクロージャウェルの開放側は前記車両座席の上面と同一平面で取り付けられるように構成される前記エンクロージャウェルと、
各々が前記エンクロージャウェルの底部分へ固定され且つ内部に前記少なくとも1つの支持ポストのうちの1つの底端を受け入れるように構成される少なくとも1つのポスト受けであって、前記各ポスト受けは、前記支持棒および前記支持ポストが選択的に垂直に位置合わせ可能であるように前記支持ポストに摩擦嵌合で接触する少なくとも1つのポスト受けと、を備え、
これにより、前記エンクロージャウェルが前記車両座席の上面と同一平面で取り付けられた状態で、前記支持棒は前記車両座席の上面と同一平面である収納位置へ降下可能であり、また、前記少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガのための支えを提供するために展開位置へ配置可能である、支持機構。
【請求項2】
前記支持棒の上面は、前記衣服用ハンガのうちの1つを重力によって保持するように構成される複数の横溝を含む、請求項1に記載の支持機構。
【請求項3】
前記支持棒の底面は、各々が前記衣服用ハンガのうちの1つを受け入れるための下向きに突出した複数のフックを含む、請求項1に記載の支持機構。
【請求項4】
前記支持棒の底面は、各々が前記衣服用ハンガのうちの1つを受け入れるための下向きに突出した複数のループを含む、請求項1に記載の支持機構。
【請求項5】
各ポスト受けは、前記支持棒の把持を可能にするために、前記車両座席の上面と同一平面である前記支持棒の上面に対応する下降位置と、前記車両座席の上面より上昇されている前記支持棒の上面に対応する上昇位置と、の間をトグルするトグルロック機構を含み、
前記トグルロック機構は前記支持棒を押し込むことによってトグルされる、請求項1に記載の支持機構。
【請求項6】
前記支持棒の周縁はさらに、前記支持棒の手動把持および上昇を可能にする少なくとも1つのフィンガセクションを含む、請求項2に記載の支持機構。
【請求項7】
前記支持棒は、引き込み位置と延長位置との間で延長可能な少なくとも1つの延長セグメントをさらに含み、
前記各延長セグメントは、少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガを載せて支えるように構成される、請求項2に記載の支持機構。
【請求項8】
各延長セグメントは、前記引き込み位置と前記延長位置との間で滑動可能式に拡張可能である、請求項7に記載の支持機構。
【請求項9】
各延長セグメントは、前記引き込み位置と前記延長位置との間で旋回式に拡張可能である、請求項7に記載の支持機構。
【請求項10】
少なくとも1つのポスト受けは、前記支持ポストを解放して垂直動作を可能にすべくそのアクチュエータが手動で作動されるまで、前記支持ポストを前記ポスト受けに対して所定位置に固定するためのクランプロックを含み、
前記支持ポストは、前記クランプロックと協働するための少なくとも1つのロック溝をさらに含む、請求項1に記載の支持機構。
【請求項11】
少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガのための、且つ車両の座席の上面に一体化するための支持機構であって、
各々が少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガを支えるように構成され、且つ上面と、底面と、遠位端と、近位端と、周縁とを含む1対の水平支持棒と、
旋回機構において、その上端で各支持棒の前記近位端に固定される略垂直な支持ポストと、
前記遠位端を除いて前記支持棒を全て受け入れるように構成されるエンクロージャウェルであって、前記車両座席の上面と同一平面で取り付けられるように構成される前記エンクロージャウェルと、
前記エンクロージャウェルの底部分へ固定され且つ内部に前記支持ポストの底端を受け入れるように構成されるポスト受けであって、前記支持棒および前記支持ポストが選択的に垂直に位置合わせ可能であるように前記支持ポストに摩擦嵌合で接触する前記ポスト受けと、を備え、
これにより、前記エンクロージャウェルが前記車両座席の上面と同一平面で取り付けられた状態で、前記支持棒はその遠位端が前記車両座席の上面と同一平面であるように収納位置へ降下可能であり、また、前記少なくとも1つの衣服または衣服用ハンガのためのT字形の支えを提供するために展開位置へ配置可能である、支持機構。
【請求項12】
各支持棒の上面は、前記支持棒が前記展開位置にあるときに前記衣服用ハンガのうちの1つを重力によって保持するように構成される複数の横溝を含む、請求項11に記載の支持機構。
【請求項13】
各支持棒の底面は、各々が前記衣服用ハンガのうちの1つを受け入れるための下向きに突出した複数のフックを含む、請求項11に記載の支持機構。
【請求項14】
各支持棒の底面は、各々が前記衣服用ハンガのうちの1つを受け入れるための下向きに突出した複数のループを含む、請求項11に記載の支持機構。
【請求項15】
前記ポスト受けは、前記支持棒の把持を可能にするために、前記車両座席の上面と同一平面である各支持棒の遠位端に対応する下降位置と、前記車両座席の上面より上昇されている各支持棒の遠位端に対応する上昇位置との間をトグルするトグルロック機構を含み、
前記トグルロック機構は各支持棒の前記遠位端を押し込むことによってトグルされる、請求項11に記載の支持機構。
【請求項16】
各ポスト受けは、前記支持ポストのうちの1つに摩擦式に接触するように構成されるエラストマリングを含む、請求項1に記載の支持機構。
【請求項17】
前記エンクロージャウェルが通って嵌り且つ摩擦によって内部に保持される開口を有するトリムプレートをさらに含み、前記トリムプレートは前記車両座席の上面へ固定されるように構成される、請求項1に記載の支持機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−140117(P2012−140117A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−168557(P2011−168557)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(511185173)
【氏名又は名称原語表記】Oleks Golo
【住所又は居所原語表記】189 Lake of the Pines, East Stroudsburg, PA 18302, United States of America
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168557(P2011−168557)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(511185173)
【氏名又は名称原語表記】Oleks Golo
【住所又は居所原語表記】189 Lake of the Pines, East Stroudsburg, PA 18302, United States of America
【Fターム(参考)】
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