後方バランスウォーキングシューズ
本発明は、後方バランスウォーキングシューズに関する。靴底の中心から踵側に二重接地軸が形成され、前記二重接地軸を中心に前足部及び踵部が上側に傾斜するように形成され、前記二重接地軸を作用点にして前足部及び踵部がシーソー運動するように形成されたことを特徴とする後方バランスウォーキングシューズを技術的要旨とする。これにより、人体の重心が後方に傾くようになり、後方バランスによる胴体の筋肉を活性化し、肥満を解消させることができ、歩行時の衝撃を最小化し、長時間の間に履いていても、安定感あり且つ楽であり、運動の効果を最大化するという利点がある
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性ウォーキングシューズに関し、特に、靴底の中心から踵側に二重接地軸が形成され、前記二重接地軸を中心に前足部及び踵部が上側に傾斜するように形成され、前記二重接地軸を作用点にして前足部及び踵部がシーソー運動するように形成されたことを特徴とする後方バランスウォーキングシューズに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会は、食生活の不規則さ、ファストフード摂取の増加、運動不足などにより、100人の35人が肥満体重であると発表されている。このような現状は、全世界的に拡散し、多くの種類の癌及び成人病の発生原因となっている。
【0003】
しかも、英国肥満学会では、「人類にとって肥満がなくなると、糖尿は80%、高血圧は50%、肥満に係る癌は25%がなくなるようだ」と発表し、肥満は深刻な現代社会の問題点として認識されている。
【0004】
このような肥満を解消するためには、食生活を改善すべきのみならず、規則的な運動が必須である。しかし、現代人は、特に規則的な運動をするには時間が足りないだけでなく、肥満を解消する程度に運動するためには、一定量の有酸素運動が必要となるので、多大な時間がかかる。
【0005】
かかる問題点を改善するため、従来、特に時間がかかることなく、履いて歩くだけで運動の効果を発揮できるようにしたものとして、機能性靴が多種市販されている。
【0006】
図1に示すように、従来の機能性靴は、大きく2つに分かれるが、図1(a)に示される母指球支持型と、図1(b)に示される不安定な母指球支持型がある。
【0007】
先ず、母指球支持型は、踵がなく、平らな前足部のみがある形である。前記母指球支持型は、踵がなく、ユーザは倒れないように前足部で支持して立つので、人体の重心が前方に傾く。
【0008】
前記母指球支持型靴を履いた場合、筋肉の弛緩及び緊張の度合いは図2に示される。詳しく考察すれば、ふくらはぎの筋肉が緊張した状態にあり、大腿部の前側が緊張し、肩の筋肉が激しく緊張した状態にあることが分かる。
【0009】
しかし、上述のような母指球支持型靴は、次のような問題点がある。第一に、このような母指球支持型靴を長時間履いていると、ふくらはぎの筋肉及び大腿部の前側の筋肉が常に緊張した状態にあるので、一般的に下体筋肉強化は可能であるが、肥満の最大原因となる腹部肥満の解決策は提示することができない。
【0010】
第二に、胴体部が前方に傾き、肩の筋肉が常に緊張した状態にあるので、胃腸障害のような不作用が発生するという不都合がある。
【0011】
第三に、前記母指球支持型靴を履いて歩けば、常に踵を挙げて爪先に体重を乗せて歩くようになり、心理的に極めて不安を感じ、肥満者や年寄りが使用する時、前方に倒れるおそれがある。
【0012】
第四に、歩き姿勢が自然ではないのみならず、一般の靴と比較して、靴そのものの見掛けが異なり、結局、ユーザがよく履かなく、運動の効果があまり得られないという不都合がある。
【0013】
一方、不安定な母指球支持型靴は、前記母指球支持型に比べて相対的に安定して立つことができるが、依然として歩行時の不安定感があり、前足部側に重心が傾く。よって、不安定な母指球支持型靴も、前記母指球支持型靴と同様に色々な問題点が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前述した問題点を解決するために案出されたものであり、靴底に二重接地軸を形成し、人体の重心が後方に傾くようにする後方バランスウォーキングシューズを提供することを目的とする。
【0015】
また、歩行に関与する人体構造の運動曲率に応じて靴底の曲率設計に適用し、歩行時の衝撃を最小化した後方バランスウォーキングシューズを提供することを更に別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述のような目的を達成するため、本発明は、靴底の中心から踵側に二重接地軸が形成され、前記二重接地軸を中心に前足部及び踵部が上側に傾斜するように形成され、前記二重接地軸を作用点にして前足部及び踵部がシーソー運動するように形成されたことを特徴とする後方バランスウォーキングシューズを技術的要旨とする。
【0017】
また、前記二重接地軸は、前足部側から踵側に靴底の全長の50〜55%地点に位置した第1接地軸と、前足部側から踵側に靴底の全長の65〜75%地点に位置した第2接地軸とからなることが望ましい。
【0018】
また、前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の踵部、中央部、前足部の曲率をそれぞれ足首、膝、大腿部の運動曲率を反映して形成することが望ましい。
【0019】
ここで、前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の踵部の曲面を含む円の半径が80〜100mm、中央部の曲面を含む円の半径が90〜110mm、前足部の曲面を含む円の半径が400〜500mmであることが望ましい。
【0020】
また、前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の上側に剛性補助靴底を更に形成させることが望ましい。
【0021】
さらに、前記剛性補助靴底は、屈曲強度が70〜120kgfであることが望ましい。
【0022】
また、前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の内側部の厚さを外側部よりも相対的に低く形成することが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
上記構成による本発明は、靴底に二重接地軸を形成し、(a)人体の重心が後方に傾くようにし、後方バランスによる胴体の筋肉を活性化し、肥満を解消することができ、(b)これにより腰及びヒップのラインを改善できる。
【0024】
また、靴底に人体構造の運動曲率に応じて傾斜度及び曲率を適用し、歩行時の衝撃を最小化し、長時間の間履いていても、安定感あり且つ楽であり、運動の効果を最大化する。
【0025】
さらに、後方均衡感覚及び後方均衡能力を自然に訓練することができ、姿勢及び足取りを正しくするだけでなく、筋骨格系も向上し、老化防止ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施例を、添付図面を参照しながら詳述する。
【0027】
本発明は、図3に示すように、靴底100に二重接地軸110が形成され、前記二重接地軸110は、靴底100の全長において若干踵側に形成されている。
【0028】
また、前記二重接地軸110を中心に前足部と踵部は、流線型の曲面をなし、上側に傾斜するように形成され、前記二重接地軸110を作用点にして前足部と踵部がシーソーのようにシーソー運動する。
【0029】
これにより、人体が揺れても、前記二重接地軸110により安定して立つことができるだけでなく、前記二重接地軸110は、靴底100において若干踵側に形成され、人体が前後に揺れていた途中、ユーザが体から力を抜いて立てば、自然に人体の重心が後方に傾き、人体は、その反作用により、バランスを維持するために前方側に力を注ぐようになるので、後方均衡感覚及び後方均衡能力が改善される。
【0030】
このとき、人体の筋肉の緊張及び弛緩状態は、図6に示すようである。図6は、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態で、筋電図計で筋肉の緊張及び弛緩状態を測定したものである。
【0031】
図示のように、肩の筋肉及び下体の筋肉は弛緩状態を維持し、胴体の筋肉は緊張状態にある。このような状態で、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いて歩く動作を繰り返せば、胴体の筋肉がやせやすい状態へ活性化する。
【0032】
次に、前記二重接地軸110の位置について述べる。足の構造において、くるぶしから足指側に所定距離の前方の地点が中心軸(平衡となる地点)となるが、一般的な運動靴や靴の設計に際しては、この位置を中心に中心軸をとり、重心が傾かないようにする。しかし、本発明によれば前記二重接地軸110は、前記一般的な靴の中心軸の後方に形成する。よって、前記第2接地軸112は、第1接地軸111のみあるときの不安感を最小化し、靴の安定性を確保し、それにより、着用時間を極大化し、運動時間を増大することで運動量を極大化させる。
【0033】
一方、前記二重接地軸110の第1接地軸111が靴底100の全長の50%地点から少しでも前方に移動すれば、人体の構造上、重心が前方に移動する。また、55%を超えて更に後方に形成すれば、重心が後方となるが、着用者の不安感が大きくなり、ウォーキングシューズとしての役割を果たすことができない。前記二重接地軸の第2接地軸112が75%地点を超えて更に後方に行くほど接地面積が広くなり、前記二重接地軸110を中心に前足部及び踵部がシーソー運動しないようになる。
【0034】
よって、本発明によれば、図3に示すように、前足部側から踵側に靴底100の全長の50〜55%地点に第1接地軸111を形成し、前足部側から踵側に靴底100の全長の65〜75%地点に第2接地軸112を形成することが望ましい。
【0035】
次に、靴底100の前足部及び踵部の曲率について述べる。
【0036】
前述のように、前記二重接地軸110を中心に前足部及び踵部は若干前足部及び踵部側の上側にそれぞれ上げられている。この構造により、前記二重接地軸110を作用点にしてシーソー運動し、常時重心が前後方に動き、そのとき、前記二重接地軸110が後方側に形成されており、重心が後方に更に傾くという構造である。
【0037】
ここで、靴底100の踵部、中央部、前足部の曲率は、それぞれ足首、膝、大腿部の運動曲率を反映して形成することが望ましい。
【0038】
一般的に、人が歩いているときの骨の動きを見れば、足首、膝、骨盤部が若干回転する。適切な曲率を有し、前記各部が回転するように歩けば、足や関節に無理がかからなく、衝撃が緩和され、いい姿勢を維持できる。
【0039】
よって、前記靴底100の各曲率は、人が自然に歩いているときに回転する足首、膝、大腿部のそれぞれの運動曲率を最大限考慮することにより、踏み出して地面に接地し、再度踏み出すという動作を繰り返すことで人体の各部が自然に回転するので、骨を連結する関節に無理がかからなく、姿勢矯正もできる。
【0040】
色々な調査資料及び研究論文によれば、例えば、身長が160〜180cmである韓国の大人男性の場合、足裏から足首の関節まで、足裏から膝の関節まで、足裏から大腿部の関節までの平均長さは、それぞれ6cm、45cm、90cmであるといわれる。
【0041】
本発明の後方バランスウォーキングシューズの靴底100の曲率は、人の歩行に関与する、このような身体の各部の関節の回転半径、及びこれらの各回転半径の組合せにおいて見られる足裏の運動軌跡を主に反映している。
【0042】
また、衝撃吸収に必要となる靴底100の基本的な厚さ、身体の重さによる靴底100の圧縮、歩行時の接地面の移動による靴底100の形状の変化、及び後述する剛性補助靴底200による靴底100の形状維持などの要素も付随的に考慮して案出した。
【0043】
結果として、歩行時の靴底100の踵部、中央部、前足部の曲率をそれぞれ足首、膝、大腿部の運動曲率に最大限一致するように形成した。
【0044】
より詳しくは、本発明の後方バランスウォーキングシューズの靴底100は、踵部の曲面を含む円の半径が80〜100mm、中央部の曲面を含む円の半径が90〜110mm、前足部の曲面を含む円の半径が400〜500mmであることが望ましい。
【0045】
ここで、前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底100の内側部(足裏の凹み部)の厚さを外側部よりも相対的に低く形成することが望ましい。
【0046】
一般的に、人が自然で且つ正確な姿勢で歩けば、踵から接地し、足の外側面に沿って最終的に足の親指が接地し、底を後に押すという動作の繰返しによって前方に進む。
【0047】
本発明によれば、靴底100の内側部を外側部よりも低く形成させ、地面と足裏(踵−足裏の外側面−足の親指)との正確な接地点及び反動点を与える。よって、長時間歩くとしても、地面との衝撃が最小となり、足及び関節に無理がかからなく、楽であり、長時間で着用することができ、正しい足取りで歩くように導き、姿勢矯正ができる。
【0048】
上記構成による後方バランスウォーキングシューズは、靴底100自体の材質により、上側に剛性補助靴底200を更に形成させることが望ましい。また、靴底100の上面に直ちに形成するか、または靴の内部の底敷きの下面に形成させることができる。
【0049】
前記剛性補助靴底200は、前記後方バランスウォーキングシューズの靴底100の構造が、前記二重接地軸110を中心に前足部及び踵部が上側に傾斜するように形成されているので、人体の荷重により前足部及び踵部が下方に崩れるか、または前記二重接地軸110に荷重が集中し過ぎて、早くすり減るか、あるいは下方に崩れるという問題点を解消するためのものである。
【0050】
よって、前記剛性補助靴底200は、直立時の人体の荷重、及び歩く間にかかる荷重でも靴底100の構造が崩れないように、ある程度の剛性を持つ材質(屈曲強度70〜120kgf)で形成する。
【0051】
このような前記剛性補助靴底200は、図4に示すように、前記靴底100の構造に対応して形成され、靴底100の上側に置かれ、剛性を補助するために、プラスチック板210(ラスティングボード)の間にステンレス板220を挿入して形成することが望ましい。また、カーボンやガラス繊維強化プラスチック、ナイロンなど、所定の強度及び耐久性を有する任意の単一素材または素材の組合せでも可能である。
【0052】
これにより、長期間の着用によって靴底100に持続的に衝撃がかかっても、靴底100の構造が崩れることなく、そのままで形態を保持し、安定性及び運動性を最大限維持することができる。
【0053】
以下、本発明の作用について述べる。
【0054】
ユーザが本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いて直立した状態にあれば、前記二重接地軸110を作用点にして人体が前後に揺れる。このように揺れているうち、前記二重接地軸110は、靴底の全体において踵側に形成されているので、人体の重心が後方に傾く。
【0055】
このような力の反作用(後方に傾かないように)でユーザは力を入れるようになるが、このときの筋肉の弛緩及び緊張状態は、図6に示す。筋電図計で測定した筋肉の状態は、肩及び下体の筋肉は弛緩状態にあり、胴体の筋肉(尻、腰、腹部の筋肉)は緊張状態が維持される。これは、前方に重心が傾く靴を履いていた時には現れない現象である。
【0056】
図7〜図14には、筋図計による各筋肉の動き(緊張度)についての結果を詳細に示す。グラフの幅は筋肉が不安定な度合い、すなわち、緊張度を表す。
【0057】
ここで、前脛骨筋(tibialis anterior)は、ふくらはぎの最前側の筋肉であり、爪先を上げるときに使用する筋肉であり、腓腹筋(gastrocnemius)は、一般的に見られるふくらはぎの筋肉であり、長腓骨筋(peroneus longus)は、前脛骨筋の反対側の筋肉であり、脊柱起立筋(erector spinae)は、腰の筋肉であり、腹直筋(rectus abdominis)は、よく言われる腹筋であり、僧帽筋(trapezius)は、肩と首の間の筋肉を言う。
【0058】
図7及び図11は、素足の場合、図8及び図12は、母指球支持型ダイエット靴を履いている場合、図9及び図13は、不安定な母指球支持型ダイエット靴を履いている場合、図10及び図14は、後方バランスウォーキングシューズを履いている場合をそれぞれ示す。
【0059】
図示のように、素足の場合には、身体が最も楽に感じられる姿勢で立っている状態で測定したものであり、腓腹筋を除く他の筋肉では動きが殆どない。
【0060】
母指球支持型靴を履いているときは、踵が上げられている状態であるので、腓腹筋の緊張が相当と大きく、前脛骨筋及び長腓骨筋の動きが比較的に大きいことから、靴の不安定性による足首の動きが大きいことが分かる。
【0061】
不安定な母指球支持型靴を履いているときは、足指部が上げられているが、比較的に安定しているので、筋肉の動きが殆どなく、長腓骨筋が伸展されていることが分かる。
【0062】
しかし、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている場合には、足指部が上げられており、若干不安定な状態にあるので、前脛骨筋の動きが大きく、足の内転(inversion)が多く起こることが分かる。長腓骨筋に若干の動きがあることから見て、外転(foot eversion)が少しずつ起こることが分かる。また、後方へ不安定であるので、脊柱起立筋及び腹直筋の動きが大きい。僧帽筋の動きが殆どないことから見て、肩には力が入れないことが分かる。
【0063】
上記の内容をまとめれば、以下表のとおりである。
【表1】
【0064】
よって、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いて自然に歩く動作を繰返せば、前脛骨筋及び長腓骨筋が動くことにより、これらの筋肉が強化し、足首及び膝によく発生する筋骨格系問題を予防することができ、これらの筋肉と神経が連結されている腰椎にまで肯定的な影響を与える。
【0065】
また、腓腹筋の緊張が殆どないので、靴によるふくらはぎ部の鍛錬が小さいので、ふくらはぎの美容に役立つ。さらに、腹直筋の動きから分かるように、腹部の常時緊張により、肥満の最大原因となる腹部肥満を解消することができるという効果を奏する。
【0066】
また、図5(a)に示すように、一般的に自然で且つ正しい歩行をする場合は、人体の各関節が回転するが、図5(b)には、このような人体の各関節部(足首(i)、膝(ii)、大腿部(iii))の回転曲率を最大限考慮し、前記後方バランスウォーキングシューズの靴底100の曲率を示す。
【0067】
ユーザが本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いたままで踏み出して地面に接地し、再度踏み出すという動作を繰返すことで、人体の各部が自然に回転し、骨を連結する関節に無理がかからない。
【0068】
また、ユーザが正しく且つ自然な姿勢で歩けば、地面と足裏は踵−足裏の外側面−足の親指の順に接地するが、靴底100の内側部が外側部よりも低く形成されているので、正しい姿勢で歩くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明による後方バランスウォーキングシューズは、肥満防止の効果を奏するので、機能性靴として広く適用される可能性が高い。特に、運動靴に適用され、専門化した機能性靴として広く普及され、ユーザの健康増進に寄与できる産業上の利用可能性が極めて高い技術である。
【0070】
また、本発明は、運動靴以外、靴やゴルフ靴などのような靴類にも応用が可能であるので、幅広い利用可能性を有する技術である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】従来のダイエット靴を示す斜視図として、(a)は母指球支持型、(b)不安定な母指球支持型である。
【図2】図1に示した従来のダイエット靴を履いたときの人体の筋肉の緊張度を示す図である。
【図3】本発明による後方バランスウォーキングシューズの側面斜視図である。
【図4】本発明による後方バランスウォーキングシューズにおいて、剛性補助靴底の構造を示す図である。
【図5】歩行時の人体関節の回転、及びそれによる後方バランスウォーキングシューズの靴底の曲率を示す図として、(i)は足首、(ii)は膝、(iii)は大腿部である。
【図6】本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いているときの人体の筋肉の緊張度を示す図である。
【図7】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図8】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図9】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図10】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図11】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図12】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図13】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図14】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性ウォーキングシューズに関し、特に、靴底の中心から踵側に二重接地軸が形成され、前記二重接地軸を中心に前足部及び踵部が上側に傾斜するように形成され、前記二重接地軸を作用点にして前足部及び踵部がシーソー運動するように形成されたことを特徴とする後方バランスウォーキングシューズに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会は、食生活の不規則さ、ファストフード摂取の増加、運動不足などにより、100人の35人が肥満体重であると発表されている。このような現状は、全世界的に拡散し、多くの種類の癌及び成人病の発生原因となっている。
【0003】
しかも、英国肥満学会では、「人類にとって肥満がなくなると、糖尿は80%、高血圧は50%、肥満に係る癌は25%がなくなるようだ」と発表し、肥満は深刻な現代社会の問題点として認識されている。
【0004】
このような肥満を解消するためには、食生活を改善すべきのみならず、規則的な運動が必須である。しかし、現代人は、特に規則的な運動をするには時間が足りないだけでなく、肥満を解消する程度に運動するためには、一定量の有酸素運動が必要となるので、多大な時間がかかる。
【0005】
かかる問題点を改善するため、従来、特に時間がかかることなく、履いて歩くだけで運動の効果を発揮できるようにしたものとして、機能性靴が多種市販されている。
【0006】
図1に示すように、従来の機能性靴は、大きく2つに分かれるが、図1(a)に示される母指球支持型と、図1(b)に示される不安定な母指球支持型がある。
【0007】
先ず、母指球支持型は、踵がなく、平らな前足部のみがある形である。前記母指球支持型は、踵がなく、ユーザは倒れないように前足部で支持して立つので、人体の重心が前方に傾く。
【0008】
前記母指球支持型靴を履いた場合、筋肉の弛緩及び緊張の度合いは図2に示される。詳しく考察すれば、ふくらはぎの筋肉が緊張した状態にあり、大腿部の前側が緊張し、肩の筋肉が激しく緊張した状態にあることが分かる。
【0009】
しかし、上述のような母指球支持型靴は、次のような問題点がある。第一に、このような母指球支持型靴を長時間履いていると、ふくらはぎの筋肉及び大腿部の前側の筋肉が常に緊張した状態にあるので、一般的に下体筋肉強化は可能であるが、肥満の最大原因となる腹部肥満の解決策は提示することができない。
【0010】
第二に、胴体部が前方に傾き、肩の筋肉が常に緊張した状態にあるので、胃腸障害のような不作用が発生するという不都合がある。
【0011】
第三に、前記母指球支持型靴を履いて歩けば、常に踵を挙げて爪先に体重を乗せて歩くようになり、心理的に極めて不安を感じ、肥満者や年寄りが使用する時、前方に倒れるおそれがある。
【0012】
第四に、歩き姿勢が自然ではないのみならず、一般の靴と比較して、靴そのものの見掛けが異なり、結局、ユーザがよく履かなく、運動の効果があまり得られないという不都合がある。
【0013】
一方、不安定な母指球支持型靴は、前記母指球支持型に比べて相対的に安定して立つことができるが、依然として歩行時の不安定感があり、前足部側に重心が傾く。よって、不安定な母指球支持型靴も、前記母指球支持型靴と同様に色々な問題点が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前述した問題点を解決するために案出されたものであり、靴底に二重接地軸を形成し、人体の重心が後方に傾くようにする後方バランスウォーキングシューズを提供することを目的とする。
【0015】
また、歩行に関与する人体構造の運動曲率に応じて靴底の曲率設計に適用し、歩行時の衝撃を最小化した後方バランスウォーキングシューズを提供することを更に別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述のような目的を達成するため、本発明は、靴底の中心から踵側に二重接地軸が形成され、前記二重接地軸を中心に前足部及び踵部が上側に傾斜するように形成され、前記二重接地軸を作用点にして前足部及び踵部がシーソー運動するように形成されたことを特徴とする後方バランスウォーキングシューズを技術的要旨とする。
【0017】
また、前記二重接地軸は、前足部側から踵側に靴底の全長の50〜55%地点に位置した第1接地軸と、前足部側から踵側に靴底の全長の65〜75%地点に位置した第2接地軸とからなることが望ましい。
【0018】
また、前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の踵部、中央部、前足部の曲率をそれぞれ足首、膝、大腿部の運動曲率を反映して形成することが望ましい。
【0019】
ここで、前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の踵部の曲面を含む円の半径が80〜100mm、中央部の曲面を含む円の半径が90〜110mm、前足部の曲面を含む円の半径が400〜500mmであることが望ましい。
【0020】
また、前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の上側に剛性補助靴底を更に形成させることが望ましい。
【0021】
さらに、前記剛性補助靴底は、屈曲強度が70〜120kgfであることが望ましい。
【0022】
また、前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の内側部の厚さを外側部よりも相対的に低く形成することが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
上記構成による本発明は、靴底に二重接地軸を形成し、(a)人体の重心が後方に傾くようにし、後方バランスによる胴体の筋肉を活性化し、肥満を解消することができ、(b)これにより腰及びヒップのラインを改善できる。
【0024】
また、靴底に人体構造の運動曲率に応じて傾斜度及び曲率を適用し、歩行時の衝撃を最小化し、長時間の間履いていても、安定感あり且つ楽であり、運動の効果を最大化する。
【0025】
さらに、後方均衡感覚及び後方均衡能力を自然に訓練することができ、姿勢及び足取りを正しくするだけでなく、筋骨格系も向上し、老化防止ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施例を、添付図面を参照しながら詳述する。
【0027】
本発明は、図3に示すように、靴底100に二重接地軸110が形成され、前記二重接地軸110は、靴底100の全長において若干踵側に形成されている。
【0028】
また、前記二重接地軸110を中心に前足部と踵部は、流線型の曲面をなし、上側に傾斜するように形成され、前記二重接地軸110を作用点にして前足部と踵部がシーソーのようにシーソー運動する。
【0029】
これにより、人体が揺れても、前記二重接地軸110により安定して立つことができるだけでなく、前記二重接地軸110は、靴底100において若干踵側に形成され、人体が前後に揺れていた途中、ユーザが体から力を抜いて立てば、自然に人体の重心が後方に傾き、人体は、その反作用により、バランスを維持するために前方側に力を注ぐようになるので、後方均衡感覚及び後方均衡能力が改善される。
【0030】
このとき、人体の筋肉の緊張及び弛緩状態は、図6に示すようである。図6は、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態で、筋電図計で筋肉の緊張及び弛緩状態を測定したものである。
【0031】
図示のように、肩の筋肉及び下体の筋肉は弛緩状態を維持し、胴体の筋肉は緊張状態にある。このような状態で、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いて歩く動作を繰り返せば、胴体の筋肉がやせやすい状態へ活性化する。
【0032】
次に、前記二重接地軸110の位置について述べる。足の構造において、くるぶしから足指側に所定距離の前方の地点が中心軸(平衡となる地点)となるが、一般的な運動靴や靴の設計に際しては、この位置を中心に中心軸をとり、重心が傾かないようにする。しかし、本発明によれば前記二重接地軸110は、前記一般的な靴の中心軸の後方に形成する。よって、前記第2接地軸112は、第1接地軸111のみあるときの不安感を最小化し、靴の安定性を確保し、それにより、着用時間を極大化し、運動時間を増大することで運動量を極大化させる。
【0033】
一方、前記二重接地軸110の第1接地軸111が靴底100の全長の50%地点から少しでも前方に移動すれば、人体の構造上、重心が前方に移動する。また、55%を超えて更に後方に形成すれば、重心が後方となるが、着用者の不安感が大きくなり、ウォーキングシューズとしての役割を果たすことができない。前記二重接地軸の第2接地軸112が75%地点を超えて更に後方に行くほど接地面積が広くなり、前記二重接地軸110を中心に前足部及び踵部がシーソー運動しないようになる。
【0034】
よって、本発明によれば、図3に示すように、前足部側から踵側に靴底100の全長の50〜55%地点に第1接地軸111を形成し、前足部側から踵側に靴底100の全長の65〜75%地点に第2接地軸112を形成することが望ましい。
【0035】
次に、靴底100の前足部及び踵部の曲率について述べる。
【0036】
前述のように、前記二重接地軸110を中心に前足部及び踵部は若干前足部及び踵部側の上側にそれぞれ上げられている。この構造により、前記二重接地軸110を作用点にしてシーソー運動し、常時重心が前後方に動き、そのとき、前記二重接地軸110が後方側に形成されており、重心が後方に更に傾くという構造である。
【0037】
ここで、靴底100の踵部、中央部、前足部の曲率は、それぞれ足首、膝、大腿部の運動曲率を反映して形成することが望ましい。
【0038】
一般的に、人が歩いているときの骨の動きを見れば、足首、膝、骨盤部が若干回転する。適切な曲率を有し、前記各部が回転するように歩けば、足や関節に無理がかからなく、衝撃が緩和され、いい姿勢を維持できる。
【0039】
よって、前記靴底100の各曲率は、人が自然に歩いているときに回転する足首、膝、大腿部のそれぞれの運動曲率を最大限考慮することにより、踏み出して地面に接地し、再度踏み出すという動作を繰り返すことで人体の各部が自然に回転するので、骨を連結する関節に無理がかからなく、姿勢矯正もできる。
【0040】
色々な調査資料及び研究論文によれば、例えば、身長が160〜180cmである韓国の大人男性の場合、足裏から足首の関節まで、足裏から膝の関節まで、足裏から大腿部の関節までの平均長さは、それぞれ6cm、45cm、90cmであるといわれる。
【0041】
本発明の後方バランスウォーキングシューズの靴底100の曲率は、人の歩行に関与する、このような身体の各部の関節の回転半径、及びこれらの各回転半径の組合せにおいて見られる足裏の運動軌跡を主に反映している。
【0042】
また、衝撃吸収に必要となる靴底100の基本的な厚さ、身体の重さによる靴底100の圧縮、歩行時の接地面の移動による靴底100の形状の変化、及び後述する剛性補助靴底200による靴底100の形状維持などの要素も付随的に考慮して案出した。
【0043】
結果として、歩行時の靴底100の踵部、中央部、前足部の曲率をそれぞれ足首、膝、大腿部の運動曲率に最大限一致するように形成した。
【0044】
より詳しくは、本発明の後方バランスウォーキングシューズの靴底100は、踵部の曲面を含む円の半径が80〜100mm、中央部の曲面を含む円の半径が90〜110mm、前足部の曲面を含む円の半径が400〜500mmであることが望ましい。
【0045】
ここで、前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底100の内側部(足裏の凹み部)の厚さを外側部よりも相対的に低く形成することが望ましい。
【0046】
一般的に、人が自然で且つ正確な姿勢で歩けば、踵から接地し、足の外側面に沿って最終的に足の親指が接地し、底を後に押すという動作の繰返しによって前方に進む。
【0047】
本発明によれば、靴底100の内側部を外側部よりも低く形成させ、地面と足裏(踵−足裏の外側面−足の親指)との正確な接地点及び反動点を与える。よって、長時間歩くとしても、地面との衝撃が最小となり、足及び関節に無理がかからなく、楽であり、長時間で着用することができ、正しい足取りで歩くように導き、姿勢矯正ができる。
【0048】
上記構成による後方バランスウォーキングシューズは、靴底100自体の材質により、上側に剛性補助靴底200を更に形成させることが望ましい。また、靴底100の上面に直ちに形成するか、または靴の内部の底敷きの下面に形成させることができる。
【0049】
前記剛性補助靴底200は、前記後方バランスウォーキングシューズの靴底100の構造が、前記二重接地軸110を中心に前足部及び踵部が上側に傾斜するように形成されているので、人体の荷重により前足部及び踵部が下方に崩れるか、または前記二重接地軸110に荷重が集中し過ぎて、早くすり減るか、あるいは下方に崩れるという問題点を解消するためのものである。
【0050】
よって、前記剛性補助靴底200は、直立時の人体の荷重、及び歩く間にかかる荷重でも靴底100の構造が崩れないように、ある程度の剛性を持つ材質(屈曲強度70〜120kgf)で形成する。
【0051】
このような前記剛性補助靴底200は、図4に示すように、前記靴底100の構造に対応して形成され、靴底100の上側に置かれ、剛性を補助するために、プラスチック板210(ラスティングボード)の間にステンレス板220を挿入して形成することが望ましい。また、カーボンやガラス繊維強化プラスチック、ナイロンなど、所定の強度及び耐久性を有する任意の単一素材または素材の組合せでも可能である。
【0052】
これにより、長期間の着用によって靴底100に持続的に衝撃がかかっても、靴底100の構造が崩れることなく、そのままで形態を保持し、安定性及び運動性を最大限維持することができる。
【0053】
以下、本発明の作用について述べる。
【0054】
ユーザが本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いて直立した状態にあれば、前記二重接地軸110を作用点にして人体が前後に揺れる。このように揺れているうち、前記二重接地軸110は、靴底の全体において踵側に形成されているので、人体の重心が後方に傾く。
【0055】
このような力の反作用(後方に傾かないように)でユーザは力を入れるようになるが、このときの筋肉の弛緩及び緊張状態は、図6に示す。筋電図計で測定した筋肉の状態は、肩及び下体の筋肉は弛緩状態にあり、胴体の筋肉(尻、腰、腹部の筋肉)は緊張状態が維持される。これは、前方に重心が傾く靴を履いていた時には現れない現象である。
【0056】
図7〜図14には、筋図計による各筋肉の動き(緊張度)についての結果を詳細に示す。グラフの幅は筋肉が不安定な度合い、すなわち、緊張度を表す。
【0057】
ここで、前脛骨筋(tibialis anterior)は、ふくらはぎの最前側の筋肉であり、爪先を上げるときに使用する筋肉であり、腓腹筋(gastrocnemius)は、一般的に見られるふくらはぎの筋肉であり、長腓骨筋(peroneus longus)は、前脛骨筋の反対側の筋肉であり、脊柱起立筋(erector spinae)は、腰の筋肉であり、腹直筋(rectus abdominis)は、よく言われる腹筋であり、僧帽筋(trapezius)は、肩と首の間の筋肉を言う。
【0058】
図7及び図11は、素足の場合、図8及び図12は、母指球支持型ダイエット靴を履いている場合、図9及び図13は、不安定な母指球支持型ダイエット靴を履いている場合、図10及び図14は、後方バランスウォーキングシューズを履いている場合をそれぞれ示す。
【0059】
図示のように、素足の場合には、身体が最も楽に感じられる姿勢で立っている状態で測定したものであり、腓腹筋を除く他の筋肉では動きが殆どない。
【0060】
母指球支持型靴を履いているときは、踵が上げられている状態であるので、腓腹筋の緊張が相当と大きく、前脛骨筋及び長腓骨筋の動きが比較的に大きいことから、靴の不安定性による足首の動きが大きいことが分かる。
【0061】
不安定な母指球支持型靴を履いているときは、足指部が上げられているが、比較的に安定しているので、筋肉の動きが殆どなく、長腓骨筋が伸展されていることが分かる。
【0062】
しかし、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている場合には、足指部が上げられており、若干不安定な状態にあるので、前脛骨筋の動きが大きく、足の内転(inversion)が多く起こることが分かる。長腓骨筋に若干の動きがあることから見て、外転(foot eversion)が少しずつ起こることが分かる。また、後方へ不安定であるので、脊柱起立筋及び腹直筋の動きが大きい。僧帽筋の動きが殆どないことから見て、肩には力が入れないことが分かる。
【0063】
上記の内容をまとめれば、以下表のとおりである。
【表1】
【0064】
よって、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いて自然に歩く動作を繰返せば、前脛骨筋及び長腓骨筋が動くことにより、これらの筋肉が強化し、足首及び膝によく発生する筋骨格系問題を予防することができ、これらの筋肉と神経が連結されている腰椎にまで肯定的な影響を与える。
【0065】
また、腓腹筋の緊張が殆どないので、靴によるふくらはぎ部の鍛錬が小さいので、ふくらはぎの美容に役立つ。さらに、腹直筋の動きから分かるように、腹部の常時緊張により、肥満の最大原因となる腹部肥満を解消することができるという効果を奏する。
【0066】
また、図5(a)に示すように、一般的に自然で且つ正しい歩行をする場合は、人体の各関節が回転するが、図5(b)には、このような人体の各関節部(足首(i)、膝(ii)、大腿部(iii))の回転曲率を最大限考慮し、前記後方バランスウォーキングシューズの靴底100の曲率を示す。
【0067】
ユーザが本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いたままで踏み出して地面に接地し、再度踏み出すという動作を繰返すことで、人体の各部が自然に回転し、骨を連結する関節に無理がかからない。
【0068】
また、ユーザが正しく且つ自然な姿勢で歩けば、地面と足裏は踵−足裏の外側面−足の親指の順に接地するが、靴底100の内側部が外側部よりも低く形成されているので、正しい姿勢で歩くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明による後方バランスウォーキングシューズは、肥満防止の効果を奏するので、機能性靴として広く適用される可能性が高い。特に、運動靴に適用され、専門化した機能性靴として広く普及され、ユーザの健康増進に寄与できる産業上の利用可能性が極めて高い技術である。
【0070】
また、本発明は、運動靴以外、靴やゴルフ靴などのような靴類にも応用が可能であるので、幅広い利用可能性を有する技術である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】従来のダイエット靴を示す斜視図として、(a)は母指球支持型、(b)不安定な母指球支持型である。
【図2】図1に示した従来のダイエット靴を履いたときの人体の筋肉の緊張度を示す図である。
【図3】本発明による後方バランスウォーキングシューズの側面斜視図である。
【図4】本発明による後方バランスウォーキングシューズにおいて、剛性補助靴底の構造を示す図である。
【図5】歩行時の人体関節の回転、及びそれによる後方バランスウォーキングシューズの靴底の曲率を示す図として、(i)は足首、(ii)は膝、(iii)は大腿部である。
【図6】本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いているときの人体の筋肉の緊張度を示す図である。
【図7】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図8】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図9】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図10】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図11】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図12】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図13】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【図14】素足、従来のダイエット靴、本発明による後方バランスウォーキングシューズを履いている状態での筋電図検査結果図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴底の中心から踵側に二重接地軸が形成され、前記二重接地軸を中心に前足部及び踵部が上側に傾斜するように形成され、前記二重接地軸を作用点にして前足部及び踵部がシーソー運動するように形成されたことを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項2】
第1項において、
前記二重接地軸は、前足部側から踵側に靴底の全長の50〜55%地点に位置した第1接地軸と、前足部側から踵側に靴底の全長の65〜75%地点に位置した第2接地軸とからなることを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項3】
第1項において、
前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の踵部、中央部、前足部の曲率をそれぞれ足首、膝、大腿部の運動曲率を反映して形成することを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項4】
第3項において、
前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の踵部の曲面を含む円の半径が80〜100mm、中央部の曲面を含む円の半径が90〜110mm、前足部の曲面を含む円の半径が400〜500mmであることを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項5】
第1項〜第4項のいずれか一項において、
前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の上側に剛性補助靴底を更に形成させることを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項6】
第5項において、
前記剛性補助靴底は、屈曲強度が70〜120kgfであることを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項7】
第4項において、
前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の内側部の厚さを外側部よりも相対的に低く形成することを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項1】
靴底の中心から踵側に二重接地軸が形成され、前記二重接地軸を中心に前足部及び踵部が上側に傾斜するように形成され、前記二重接地軸を作用点にして前足部及び踵部がシーソー運動するように形成されたことを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項2】
第1項において、
前記二重接地軸は、前足部側から踵側に靴底の全長の50〜55%地点に位置した第1接地軸と、前足部側から踵側に靴底の全長の65〜75%地点に位置した第2接地軸とからなることを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項3】
第1項において、
前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の踵部、中央部、前足部の曲率をそれぞれ足首、膝、大腿部の運動曲率を反映して形成することを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項4】
第3項において、
前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の踵部の曲面を含む円の半径が80〜100mm、中央部の曲面を含む円の半径が90〜110mm、前足部の曲面を含む円の半径が400〜500mmであることを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項5】
第1項〜第4項のいずれか一項において、
前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の上側に剛性補助靴底を更に形成させることを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項6】
第5項において、
前記剛性補助靴底は、屈曲強度が70〜120kgfであることを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【請求項7】
第4項において、
前記後方バランスウォーキングシューズは、靴底の内側部の厚さを外側部よりも相対的に低く形成することを特徴とする後方バランスウォーキングシューズ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2008−523947(P2008−523947A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548068(P2007−548068)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【国際出願番号】PCT/KR2005/004382
【国際公開番号】WO2006/068392
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(507205335)コジェント モーション インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【国際出願番号】PCT/KR2005/004382
【国際公開番号】WO2006/068392
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(507205335)コジェント モーション インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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