説明

情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラム

【課題】ローカル記憶部を利用することなく仮想ファイルシステムを構築して再生処理を可能とした構成を実現する。
【解決手段】BDMV規格対応データはBDMVディレクトリ、BDMV規格非対応データ、例えば1080/60Pや3D画像データは、BDAVあるいはBUディレクトリに記録した複数ディレクトリを持つメディアからのデータ再生処理に際して、ローカル記憶部に対するデータ移動を行うことなく、BDAVあるいはBUディレクトリの記録データに対する仮想ファイル名を設定した仮想ファイルシステムを構築して再生処理を行う。本構成により、ローカル記憶部に対するデータ移動を行うことなく、BDMV規格対応データと非対応データを記録再生することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細には、ディスクやフラッシュメモリなどの記録メディアを利用したデータ記録処理またはデータ再生処理を実行する情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばPC、ビデオカメラ、プレーヤ、レコーダなどの記録再生装置は、ハードディスク、DVD、Blu−ray Disc(登録商標)などのディスク型メディアや、フラッシュメモリなど、様々なメディアを利用したデータ記録再生を行う。
【0003】
これらのメディアを利用したデータ記録再生を行う場合、データ記録再生装置は、所定の規格に対応する記録再生アプリケーションを適用して、あらかじめ規定されたフォーマットに従ってデータ記録再生処理を行う。例えば高精細ハイビジョン映像の記録再生用のアプリケーション規格として、BDMVやBDAVがある。これらのアプリケーション規格は、主にBD(Blu−ray Disc(登録商標))を利用したデータ記録再生のアプリケーション規格として策定されたものである。
【0004】
なお、BDMVやBDAVは、上述したように、主にBDを利用したデータ記録再生のアプリケーション規格であるが、記録メディア(記録媒体)としてはBDに限らず、フラッシュメモリなど、その他のメディアを利用したデータ記録再生にも適用可能なデータ記録再生アプリケーション規格である。
【0005】
BDMVは、例えば映画コンテンツなどを予め記録したBD−ROM向けに開発されたアプリケーション規格であり、主に、パッケージコンテンツ等の書き換え不能なBD−ROMで広く使われている。BDMVは、ユーザ操作に応じて再生を制御するプログラムとしてのナビコマンドやBD−Jをディスクに格納し、コンテンツ制作者が意図したインタラクティブ機能を提供できるという特徴がある。またグラフィックスとボタンで構成したメニュー画面を利用した記録再生が出来るという特徴がある。
【0006】
なお、BDMVにも、いくつかのバージョンがあり、例えば、BDMVの1つの規格であるBD−RE3.0規格は、記録可能なBDディスクに対しても適用可能なアプリケーション規格である。
【0007】
一方、BDAVは書き換え可能なBD−REや、一回のみ記録可能なBD−Rで利用することを目的に開発されたアプリケーション規格である。
BDAVは、例えば、ビデオカメラなどでユーザが撮影した映像を記録し再生するためなどに多く利用される規格である。
BDAVには、BDMVのようなインタラクティブ機能や多様なデザインのメニュー作成、表示処理を実現するプログラムは無く、ボタン表示処理などの機能も無い。BDAV規格の提供するメニューは、サムネイル画像からなる簡易的な一覧データである。BDMV規格において提供される多様なデザインのメニューやインタラクティブ機能を利用したい場合は、記録再生装置側のプログラムを利用することになる。すなわち、例えばレコーダやプレーヤ側に組み込まれた機能を利用するしかない。
【0008】
BDMV規格は、BDに記録済みの映画などのパッケージコンテンツを、既に広く普及したBD−ROMプレーヤで再生することを妨げないという目的で策定された規格である。再生互換性を保証するため、BDA(Blu−ray Disc Association)と呼ばれる規格団体で仕様を厳密に定めている。
【0009】
BDMV規格では、ディスク等のメディアに記録するコンテンツのデータ態様についても制限している。具体的には、例えば、HD(High Definition)画像として記録できるのは1080/60i、1080/50iなどの予め決められた形式のデータのみとされる。なお、[1080/60i]は、1920×1080画素のHD(High Definition)画像をインタレース方式で、1秒間に60枚のフィールド画像として1080ラインの記録再生を行うことを示している。[i]がインタレース方式を示している。ちなみにプログレッシブ方式は[p]として示される。
【0010】
現在のハイビジョンデータは1920×1080画素の画像として規定されているが、さらに高精細画像として約4000×2000画素(=4K×2K)の画像の記録や再生を可能とする装置が開発されている。また、上述のインタレース方式と異なるプロクレッシブ方式での記録再生を行う[1080/60p]、あるいは、三次元立体画像である3D画像用の右眼用画像と左眼用画像の記録再生を行う装置など、様々な装置の開発がなされている。特に、近年のビデオカメラは、上述した1080/60p画像や、3D画像や、4Kx2K画像を記録可能としたものが開発されており、今後、広く利用されると考えられる。
【0011】
しかし、上述したように、現行のBDMV規格は、これらの4K×2K画像や、1080/60p、3D画像データを記録再生データとして許容していない。従って、記録データとして4K×2Kの超高精細画像を生成しても、既存のBDMV規格を適用したデータ記録を行うことができないという問題がある。
【0012】
一方、BDAV規格は記録機で用いられることを前提に様々な形式のAVデータの記録を許容している。そのため一部のAVデータ形式が再生必須であること以外は、再生互換の制約が無い。よってBDMVと比較して規格拡張に自由度がある。すなわち、4K×2K画像や、1080/60p、3D画像データを記録再生データとして設定することができる。しかし、前述のようにインタラクティブ機能や、グラフィックスとボタンで構成したメニュー画面の利用ができないという問題がある。
【0013】
BDAVアプリケーション規格に従った記録再生処理と、BDMVアプリケーション規格に従った記録再生処理の双方を実行可能な装置を利用することも可能であるが、この場合、例えば、BDMVディレトクリに設定したデータについては、BDMV機能を用いて作成されるタイトルやデザインを持つ利用しやすいメニューの利用が可能となる。しかし、BDAVディレクトリに設定された画像の再生時には、このメニューが利用できず、BDAV機能によって作成されるサムネイル画像からなる簡易的な一覧データを利用するしかない。 すなわち、BDMV、BDAVの双方のデータを処理可能な装置であっても、BDMVディレクトリと、BDAVディレクトリに設定されたデータの再生指示などのデータアクセスを統合したメニューを利用して行うことができないという問題がある。
【0014】
また、特許文献1(特開2007−179671号公報)に記載があるように、仮想ファイルシステム構築用のデータ(例えば字幕)について光ディスクに記録しておき、それをローカルストレージにコピーさせて、仮想ファイルシステムを構築して再生する技術もある。しかしながら、字幕のような容量の小さなデータであれば、ローカルにコピーすることは可能であるが、4K×2K画像や、1080/60p、3D画像データのような容量の大きなデータをローカルストレージにコピーを行うと、コピーに時間がかかるとともに、更に、ローカルストレージの容量も消費してしまうことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2007−179671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、例えば上述の状況に鑑みてなされたものであり、BDMVによつて許容されないデータ、例えば、4K×2K画像や、1080/60p、3D画像データを記録し、かつ、BDMV規格の許容する多様なデザインのメニューやインタラクティブ機能などBDMV固有の機能を効率的に利用可能とする情報処理装置、および情報処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の側面は、
記録メディアからのデータ再生処理を行うデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記記録メディアの記録データの一部に対して仮想ファイル名を設定した仮想ファイルシステムを構築し、
構築した仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行する構成であり、
前記データ処理部は、
前記仮想ファイル名を設定したデータについて、
前記仮想ファイルシステムに設定した仮想ファイル名と、前記記録メディアにおけるデータ記録先を示すファイル名とを対応付けた第1ファイル名変換テーブルを作成し、
前記記録メディアのデータ移動を行なうことなく仮想ファイルシステムを構築する情報処理装置にある。
【0018】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記記録メディアに設定された第1アプリケーション規格に対応するデータを記録する第1ディレクトリの設定データと、前記第1ディレクトリ以外のディレクトリの設定データを1つの仮想ディレクトリに設定した仮想ファイルシステムを構築し、構築した仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行する構成であり、前記データ処理部は、前記第1ディレクトリ以外のディレクトリの設定データについて、前記仮想ファイルシステムに設定したファイル名と、前記記録メディアにおけるデータ記録先を示すファイル名とを対応付けた第1ファイル名変換テーブルを作成し、前記第1ディレクトリ以外のディレクトリの設定データのデータ移動を行なうことなく仮想ファイルシステムを構築する。
【0019】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記第1ディレクトリ以外のディレクトリの設定データをローカル記憶部に格納する処理命令であるデータコピー命令に含まれるコピー対象データのファイル名を取得して、前記第1ファイル名変換テーブルを作成する。
【0020】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データコピー命令は、前記記録メディアに記録されたプログラムの実行によって発行されるデータコピー命令である。
【0021】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記第1ディレクトリ以外のディレクトリの設定データをローカル記憶部に格納して構築する仮想ファイルシステムにおいて利用することを想定して生成される第2のファイル名変換テーブルと、前記データコピー命令に含まれるコピー対象データのファイル名を利用して、前記第1ファイル名変換テーブルを生成する。
【0022】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記仮想ファイルシステムに設定される仮想ディレクトリに、再生データの索引情報として利用する管理情報として、前記第1ディレクトリ、および前記第1ディレクトリ以外のディレクトリに設定された全ての再生対象データの管理情報を設定し、該管理情報を利用したデータ再生処理を行う。
【0023】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記管理情報は、仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイルまたはクリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報である。
【0024】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記第1アプリケーション規格はBDMV規格であり、前記第1ディレクトリはBDMVディレクトリであり、前記データ処理部は、前記第1ディレクトリはBDMVディレクトリに記録された再生対象データと、前記BDMVディレクトリとは異なるBDAVディレクトリに記録された再生対象データと、前記BDMVおよびBDAVディレクトリ以外の第3のディレクトリに記録された管理情報を記録データとして設定した仮想BDMVディレクトリを持つ仮想ファイルシステムを構築する。
【0025】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記第1アプリケーション規格はBDMV規格であり、前記第1ディレクトリはBDMVディレクトリであり、前記データ処理部は、前記第1ディレクトリはBDMVディレクトリに記録された再生対象データと、前記BDMVディレクトリとは異なる第2ディレクトリに記録された再生対象データと管理情報を記録データとして設定した仮想BDMVディレクトリを持つ仮想ファイルシステムを構築する。
【0026】
さらに、本発明の第2の側面は、
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、前記記録メディアの記録データの一部に対して仮想ファイル名を設定した仮想ファイルシステムを構築する仮想ファイルシステム構築ステップと、
前記データ処理部が、前記仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行するデータ再生ステップを有し、
前記仮想ファイルシステム構築ステップは、
前記仮想ファイル名を設定したデータについて、
前記仮想ファイルシステムに設定した仮想ファイル名と、前記記録メディアにおけるデータ記録先を示すファイル名とを対応付けた第1ファイル名変換テーブルを作成し、
前記記録メディアのデータ移動を行なうことなく仮想ファイルシステムを構築するステップである情報処理方法にある。
【0027】
さらに、本発明の第3の側面は、
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行させるプログラムであり、
データ処理部に、前記記録メディアの記録データの一部に対して仮想ファイル名を設定した仮想ファイルシステムを構築させる仮想ファイルシステム構築ステップと、
前記データ処理部に、前記仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行させるデータ再生ステップを有し、
前記仮想ファイルシステム構築ステップは、
前記仮想ファイル名を設定したデータについて、
前記仮想ファイルシステムに設定した仮想ファイル名と、前記記録メディアにおけるデータ記録先を示すファイル名とを対応付けた第1ファイル名変換テーブルを作成させ、前記記録メディアのデータ移動を行なうことなく仮想ファイルシステムを構築させるステップであるプログラムにある。
【0028】
なお、本発明のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して例えば記憶媒体によって提供されるプログラムである。このようなプログラムを情報処理装置やコンピュータ・システム上のプログラム実行部で実行することでプログラムに応じた処理が実現される。
【0029】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施例によれば、BDMV規格対応データはBDMVディレクトリ、BDMV規格非対応データ、例えば1080/60Pや3D画像データは、BDAVあるいはBUディレクトリに記録した複数ディレクトリを持つメディアからのデータ再生処理に際して、ローカル記憶部に対するデータ移動を行うことなく、BDAVあるいはBUディレクトリの記録データに対する仮想ファイル名を設定した仮想ファイルシステムを構築して再生処理を行う。本構成により、ローカル記憶部に対するデータ移動を行うことなく、BDMV規格対応データと非対応データを記録再生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】BDMV規格に従ったメディア(情報記録媒体)のファイル管理構造としてのディレクトリ構成を示す図である。
【図2】BDAV規格に従ったメディア(情報記録媒体)のファイル管理構造としてのディレクトリ構成を示す図である。
【図3】BDMV規格とBDAV規格との差異の例について説明する図である。
【図4】仮想ファイルシステム(VFS)について説明する図である。
【図5】ファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))の一例について説明する図である。
【図6】本発明の第1実施例におけるデータ記録再生処理の概要について説明する図である。
【図7】本発明の情報処理装置において構築し利用する仮想ファイルシステム(VFS)について説明する図である。
【図8】メディアにおけるデータ記録構成を示すディレクトリ構成(ディスクパッケージ)について説明する図である。
【図9】仮想ファイルシステムのデータ構成を示すディレクトリ構成(仮想パッケージ)について説明する図である。
【図10】仮想ファイルシステムを利用した再生処理に適用するファイル名変換テーブルの一例について説明する図である。
【図11】バインディングユニットデータエリア(BUDA)について説明する図である。
【図12】本発明の第1実施例におけるデータ再生処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図13】本発明の第2実施例におけるデータ記録再生処理の概要について説明する図である。
【図14】メディアにおけるデータ記録構成を示すディレクトリ構成(ディスクパッケージ)について説明する図である。
【図15】仮想ファイルシステムのデータ構成を示すディレクトリ構成(仮想パッケージ)について説明する図である。
【図16】本発明の一実施例に係る情報処理装置の構成について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら本発明の情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。説明は、以下の項目に従って行う。
1.BDMV規格とBDAV規格の概要
2.従来型の仮想ファイルシステム(VFS)を利用した再生処理について
3.本発明の一実施例に係る仮想ファイルシステム(VFS)を利用した再生処理について
4.BDAVディレクトリを設定しない処理例(実施例2)
5.情報処理装置の構成例について
【0033】
[1.BDMV規格とBDAV規格の概要]
まず、既存のBDMV規格およびBDAV規格の概要について説明する。前述したように、BDMV規格およびBDAV規格は、主にBD(Blu−ray Disc(登録商標))を利用したデータ記録再生のアプリケーション規格として策定されたものであるが、記録メディア(記録媒体)としてはBDに限らず、フラッシュメモリなど、その他のメディアを利用したデータ記録再生にも適用可能なアプリケーション規格である。
【0034】
BDMVは、例えば映画コンテンツなどを予め記録したBD−ROM向けに開発されたアプリケーション規格である。
BDAVは書き換え可能なBD−REや、一回のみ記録可能なBD−Rで利用することを目的に開発されたアプリケーション規格である。
【0035】
BDMV規格に従ってメディアに記録されるデータ記録構成としてのBDMVディレクトリを図1に示す。なお、以下において説明するBDMV規格は、データ記録処理を行うことを許容するBDMVの1つの規格であるBD−RE3.0規格に対応したものである。
【0036】
図1に示すように、BDMV規格では、メディアにデータを記録する場合、例えば、動画像ストリームをMPEG2−TSストリームに符号化して記録する。BDMVディレクトリは、図1に示すように、ルート[Root]ディレクトリの下に、ディレクトリ[BDMV]が置かれる。
【0037】
ディレクトリ[BDMV]の直下に、
インデックスファイル[index.bdmv]、
ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]
が記録される。
さらにBDMVディレクトリ[BDMV]の下位ディレクトリとして、
プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]、
クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]、
ストリームディレクトリ[STREAM]、
BDJOディレクトリ[BDJO]、
JARディレクトリ[JAR]、
が設定される。
【0038】
プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]にプレイリストファイル[xxxxx.mpls]が設定され、クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]にクリップ情報ファイル[xxxxx.clpi]が設定され、ストリームディレクトリ[STREAM]にクリップAVストリームファイル[xxxxx.m2ts]が設定される。
【0039】
インデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイルはクリップAVストリームファイルに格納されたデータの再生に適用する管理情報ファイルである。これらの管理情報ファイルはデータベースファイル、またはデータベースとも呼ばれる。以下、各ファイルの詳細について説明する。
【0040】
インデックスファイル[index.bdmv]は、メディア全体の記録データについての管理情報ファイルである。例えば記録データの単位として設定されるタイトル毎にインデックス(タイトルとムービーオブジェクトとの対応関係情報など)を記録している。メディア(情報記録媒体)を記録再生装置に装填した際にはまずインデックスファイルが読み込まれ、ユーザはインデックスファイルに記述されたタイトルを見て再生指定を行うことができる。
【0041】
ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]は、プレイリストの管理情報を格納したファイルである。様々なプレイリストを利用した再生処理を行うための複数のプログラムを含む。AVストリーム再生処理に適用するプログラムや、例えばメニュー表示処理に適用するプログラムも含まれる。
【0042】
プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]に記録されるプレイリストファイル[xxxxx.mpls]は、ユーザに見せるタイトルに対応して設けられ、少なくとも1以上のプレイアイテムで構成される再生リストである。各プレイアイテムは、クリップに対する再生開始点(IN点)と再生終了点(OUT点)を持つ再生区間指定情報である。プレイリスト内の複数のプレイアイテムを時間軸上に並べることで、それぞれの再生区間の再生順序を指定することができる。
【0043】
クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]に記録されるクリップ情報ファイル[xxxxx.clpi]は、ストリームディレクトリ[STREAM]に記録されるAVストリームファイル[xxxxx.m2ts]に対応して設定される。クリップ情報ファイルは、実際のストリームを再生する上で必要となるストリームに関する情報が記載されたファイルである。
【0044】
ストリームディレクトリ[STREAM]に記録されるAVストリームファイル[xxxxx.m2ts]は、MPEG2−TS形式で記録されたストリームが格納されているファイルである。画像データはこのファイル内に格納される。
【0045】
BDJOディレクトリ[BDJO]、JARディレクトリ[JAR]には、例えばJava(登録商標)を適用した各種のデータ処理プログラムや関数などが格納される。例えば、データ再生処理において利用される仮想ファイルシステムの設定を行うためのプログラムやメニュー作成やメニュー表示処理に適用するためのプログラム、データの記録再生時のインタラクティプ機能を実現するためのプログラムなどが含まれる。
【0046】
なお、BDMVディレクトリには、図1に示すディレクトリや、ファイル以外にも、例えばバックアップデータや、著作権管理情報などのAACS関連データファイルを記録するディレクトリが設定される。
【0047】
なお、以下では、AVストリームファイルなど、再生対象データを格納したファイルを総称してストリームファイルと簡略化して説明する。また、インデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルこれらのファイルを総称して管理情報、またはデータベースと呼ぶ。
【0048】
次に、図2を参照してBDAV規格に従ってメディアに記録されるデータ記録構成としてのBDAVディレクトリについて説明する。なお、以下において説明するBDAV規格は、BDAVの1つの規格であるBD−RE2.1規格に対応したものである。図2に示すように、ルート[Root]ディレクトリの下に、ディレクトリ[BDAV]が置かれる。
【0049】
ディレクトリ[BDAV]の直下に、
インフォファイル[info.bdav]、
メニューファイル[menu.tidx],[menu.tdt1/tdt2]
マークファイル[mark.tidx],[mark.tdt1/tdt2]
が記録される。
さらにBDAVディレクトリ[BDAV]の下位ディレクトリとして、
プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]、
クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]、
ストリームディレクトリ[STREAM]、
が設定される。
【0050】
プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]にプレイリストファイル[xxxxx.mpls]が設定され、クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]にクリップ情報ファイル[xxxxx.clpi]が設定され、ストリームディレクトリ[STREAM]にAVストリームファイル[xxxxx.m2ts]が設定される。
【0051】
インフォファイル[info.bdav]は、BDAVディレクトリ全体の管理情報を格納したファイルである。
メニューファイル[menu.tidx],[menu.tdt1/tdt2]は、各AVストリームファイルの代表画のサムネイル画像を格納する。[menu.tidx]がサムネイル管理情報を格納し、[menu.tdt1/tdt2]がサムネイル画像を格納している。
BDAV規格では、BDMV規格と違い、様々な情報を持つメニューの作成機能がなく、例えばユーザの撮影した映像の先頭画像をサムネイルとして表示する簡易的なメニュー表示を行う設定としている。メニューファイル[menu.tidx],[menu.tdt1/tdt2]はこのためのサムネイル画像を管理、格納している。
【0052】
マークファイル[mark.tidx],[mark.tdt1/tdt2]は、ユーザの撮影画像(AVストリームファイル)に対する編集処理などにおいて設定したインデックス情報であるマーク位置に対応するサムネイル画像を管理、格納しているファイルである。[mark.tidx]がサムネイル管理情報を格納し、[mark.tdt1/tdt2]がサムネイル画像を格納している。
【0053】
プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]、クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]、ストリームディレクトリ[STREAM]は、先に図1を参照して説明したBDMVディレクトリとほぼ同様の設定である。
プレイリストディレクトリ[PLAYLIST]には、プレイリストファイル[xxxxx.rpls]が記録される。
クリップ情報ディレクトリ[CLIPINF]には、クリップ情報ファイル、ストリームディレクトリ[STREAM]には、例えばMPEG2−TS形式で記録されたAVストリームファイル[xxxxx.m2ts]が記録される。
【0054】
図1、図2を参照して説明したように、BDMVディレクトリ、BDAVディレクトリは類似する構成を有しているが、BDMVアプリケーション規格と、BDAVアプリケーション規格は、記録再生を許容するデータ形式が異なる。また、メニュー作成機能、インタラクティブ機能などに大きな差がある。
BDMVアプリケーション規格と、BDAVアプリケーション規格の差異について、図3に示す表を参照して説明する。
【0055】
(a)記録再生が許容されるデータ
BDMVアプリケーション規格は、記録再生できるデータ形式の制限が厳しい。例えば、プログレッシブ方式の1920×1080画素のHD(High Definition)画像である[1080/60p画像]や、3次元画像としての3D画像,あるいは約4000×2000画素の4K×2K画像については、BDMVアプリケーション規格では記録再生が許容されない。
【0056】
BDMVアプリケーション規格において記録再生データとして許容する画像データ形式には、例えば、[1080/60i]が含まれる。
[1080/60i]は、1920×1080画素のHD(High Definition)画像をインタレース方式で、1秒間に60枚のフィールド画像として1080ラインの記録再生を行うことを示している。
【0057】
一方、BDAVアプリケーション規格は、記録再生できるデータ形式の制限が厳しくない。例えば、1080/60p画像,3D画像,4K×2K画像の記録再生が許容される。
【0058】
(b)メニュー表示機能
BDMVアプリケーション規格は、先に図1を参照して説明したムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]に含まれるプログラムや、BDJO,JARディレクトリに格納されるJava(登録商標)プログラムを利用して、例えば自由なタイトル設定を可能とし様々なデザインを持つ高機能なメニューを作成して利用することができる。
BDAVアプリケーション規格において提供されるメニュー画面は、先に図2を参照して説明した[menu.tidx].[menu.tdt1/tdt2]を利用したサムネイル画像の表示のみである。
【0059】
(c)インタラクティブ機能
BDMVアプリケーション規格は、先に図1を参照して説明したBDJO,JARディレクトリに格納されるJava(登録商標)プログラムを利用して様々な操作用のボタンの表示、利用が可能であり、高度なインタラクティブ機能を提供できる。
BDAVアプリケーション規格では、コンテンツの再生停止を実行できる程度であり、高度なインタラクティブ機能の提供はできない。
【0060】
なお、以下では、BDMVアプリケーション規格に従った記録再生処理を行う装置を、BDMVプレーヤ、あるいはBDMVレコーダ、あるいはBDMV(記録再生)装置と呼ぶ。また、BDAVアプリケーション規格に従った記録再生処理を行う装置を、BDAVプレーヤ、あるいはBDAVレコーダ、あるいはBDAV(記録再生)装置と呼ぶ。
【0061】
BDMV装置は、図1に示すBDMVディレクトリをメディア(記録媒体)に設定してデータ記録再生処理を実行し、BDAV装置は、図2に示すBDAVディレクトリをメディア(記録媒体)に設定してデータ記録再生を実行する。
【0062】
ただし、BDAVアプリケーション規格に従った記録再生処理を行う装置の多くは、BDMVアプリケーション規格に従った再生処理機能も実行可能である。
このような機器は、BD−REやBD−Rなどの記録可能なメディアを利用した記録再生処理に際しては、BDAVアプリケーションを利用し、既に映画などが記録されたBD−ROMを再生する場合はBDMVアプリケーションを利用した処理を行うことができる。
【0063】
従って、BDAVプレーヤ、あるいはBDAVレコーダ、あるいはBDAV(記録再生)装置は、BDAVアプリケーション規格に従った記録再生処理と、BDMVアプリケーション規格に従った記録再生処理の双方が可能な装置であるものとして説明する。
【0064】
なお、BDMV規格、BDAV規格は、前述したようにBDA(Blu−ray Disc Association)において策定された規格である。例えば[http://www.blu−raydisc.com/]に資料が開示されている。
【0065】
図3を参照して説明したように、BDMV規格に従った記録再生処理を実行するBDMV装置を利用した場合、1080/60p画像,3D画像,4K×2K画像などの記録はできない。例えばBDMV規格に従ったビデオカメラで1080/60p画像,3D画像,4K×2K画像などを撮影しても、これらの画像の記録ができないことになってしまう。BDAV規格に従えば、記録することはできるが、高機能なメニューやインタラクティブ機能が利用できなくなるという問題がある。
【0066】
前述したように、BDAVアプリケーション規格に従った記録再生処理と、BDMVアプリケーション規格に従った記録再生処理の双方を実行可能な装置を利用することも可能ではある。しかしこのような装置を利用して場合でも、BDMVディレトクリに設定したデータについては、BDMV機能に従った高機能なメニューの利用が可能となるが、BDAVディレクトリに設定されたデータの再生には、このメニューが利用できず、BDAV機能によって作成されるサムネイルを利用せざる得ない。
【0067】
すなわち、BDMV、BDAVの双方のデータを処理可能な装置であっても、BDMVディレクトリと、BDAVディレクトリに設定されたデータの再生指示などのデータアクセスを統合したメニューを利用して行うことができないという問題がある。
【0068】
以下では、これらの問題を解決する構成について説明する。すなわち、BDMV規格において記録再生が認められない1080/60p画像,3D画像,4K×2K画像などのBDMV規格非対応データを記録、再生することを可能として、かつ、BDMV規格対応データと、BDMV規格非対応データの双方を1つのメニュー上からアクセス可能とする構成である。
【0069】
以下において説明する本発明の構成では、従来型のBDMV装置においても、何ら再生互換問題を引き起こすことなく、1つのメニューから、BDMV規格対応データと、BDMV規格非対応データの双方をアクセスして再生可能となる。
【0070】
[2仮想ファイルシステム(VFS)を利用した再生処理について]
本発明の情報処理装置では、BDMV規格において記録再生が許容されないデータを、BDMVディレクトリ以外のディレクトリに記録し、再生時には仮想ファイルシステム(VFS:Virtual File System)を構築してBDMVの再生機構を利用して再生を行う。
【0071】
本発明の処理の具体例について説明する前に、本発明の再生処理において利用する仮想ファイルシステム(VFS)の一般的な利用形態について説明する。
【0072】
仮想ファイルシステム(VFS)は、本来、2つの異なる記録媒体、例えばBDなどのディスクと、ハードディスクなどのローカル記憶部に格納されたデータを統合して再生処理を行うために考案されたものである。すなわち、2つの記憶媒体にそれぞれ記録されたデータを含む1つの仮想的な仮想ファイルシステム(VFS)を構築し、再生アプリケーションが仮想ファイルシステム(VFS)を利用して再生処理を行うものである。なお、仮想ファイルシステムの構築、利用方法については本出願人の先の特許出願である特開2007−257047号等に開示されている。
【0073】
仮想ファイルシステムの具体的な利用形態には、例えば以下のような利用形態がある。BDやDVD等のディスクに外国映画(メインコンテンツ)が記録され、サーバから日本語字幕データ(サブコンテンツ)をダウンロードしてハードディスク(ローカル記憶部)に格納する。
【0074】
仮想ファイルシステム(VFS)は、これらの2つのコンテンツ、すなわちメインコンテンツであるディスクに記録された映画と、サブコンテンツであるローカル記憶部に記録された字幕データを同時再生するといった処理に利用される。
【0075】
図4、図5を参照して一般的な仮想ファイルシステム(VFS)の構築処理と利用例について説明する。図4は、BDやDVD等のメディア10の格納コンテンツと、ハードディスク等のローカル記憶部20に格納されたデータを統合した仮想ファイルシステム(VFS)30の生成と再生処理について説明する図である。
【0076】
図4に示すアプリケーションプログラム50は、再生アプリケーションである。アプリケーションプログラム50は、仮想ファイルシステム(VFS)30を介して、メディア10に記録されているファイルやローカル記憶部20に記録されているファイルを操作する。
【0077】
仮想ファイルシステム30は、アプリケーションプログラム50に対して、記録媒体(ファイルシステム)の違いを隠蔽する役割を果たす。アプリケーションプログラム50は、ファイルが記録されている記録媒体の違いを意識せずに、同じAPIを利用して、各記録媒体に記録されているファイルを操作することができる。
【0078】
仮想ファイルシステム(VFS)30は、例えば装置にメディア10が装着されたとき、あるいはアプリケーションプログラムの実行時にメディア10のファイルシステムとローカル記憶部20のファイルシステムをマージすることにより生成され、生成された仮想ファイルシステム(VFS)30が、アプリケーションプログラム50を実行する再生装置のメモリに記憶される。なお、ファイルの書き込みなどによりローカル記憶部20に記録されているディレクトリやファイルが変更されるごとに、仮想ファイルシステム(VFS)は更新される。
【0079】
アプリケーションプログラム50は、仮想ファイルシステム(VFS)30の仮想パッケージ40の仮想ディレクトリ41を利用してデータアクセスを行う。アプリケーションプログラム50は、メディア10の記録データと、ローカル記憶部20の記録データが、すべて仮想パッケージ40の仮想ディレクトリ41に設定されているものとしてデータをアクセスして再生処理を行うことになる。
【0080】
アプリケーションプログラム50は、仮想パッケージ40の仮想ディレクトリ41が、メディア10に設定された実際のディレクトリと解釈して仮想ディレクトリ41に設定されたデータファイルのアクセスを実行することができる。
【0081】
仮想ディレクトリ41に設定されるファイル名は、データアクセスのためのパス情報として利用される。この仮想ディレクトリ41に設定されるファイル名は、メディア10の実ディレクトリに記録されたデータについては、そのファイル名である。一方、ローカル記憶部20に記録されたデータの各々に対しては、メディア10の実ディレクトリに記録されたと仮定した仮想的なファイル名が設定される。このような設定とすることでアプリケーションプログラム50は、すべてのデータをメディア10に記録されたものと解釈してアクセスすることが可能となる。
【0082】
この仮想ディレクトリ41に基づくデータアクセスを行う場合、メディア10の実ディレクトリに記録されたデータに対しては、仮想ディレクトリ41に設定されたファイル名をそのまま利用してアクセスすることができる。仮想ディレクトリ41に設定されるファイル名(パス)は、メディア10の実ディレクトリのファイル名と同一であるからである。
【0083】
しかし、ローカル記憶部20に記録されたデータについてはを、仮想ディレクトリに設定された仮想的なファイル名でアクセスしようとしても、ローカル記憶部20に格納されている実体データを取得することはできない。
【0084】
この問題を解決するために、ファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))70が利用される。ファイル名変換テーブル70は、仮想ディレクトリ41における仮想的なファイル名であるデスティネーションファイル名(dst_file_name)と、実際のデータの記録先、すなわちローカル記憶部20における記録先(パス)を示すソースファイル名(src_file_name)との対応データを持つテーブルである。
【0085】
なお、ファイル名変換テーブル70は、マニフェストファイル(BUMF)と呼ばれる。このファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))70は、ローカル記憶部20に記録される。情報処理装置は、字幕等のサブコンテンツをローカル記憶部に記録する際、その記録データに対応するエントリをファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))70に設定する処理を行なう。
【0086】
ファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))の構成例を図5に示す。ファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))は図5に示すように、ローカル記憶部20における記録先(パス)を示すソースファイル名(src_file_name)と、仮想ディレクトリ41における仮想的なファイル名であるデスティネーションファイル名(dst_file_name)を対応付けたデータとして設定される。
【0087】
デスティネーションファイル名(dst_file_name)は仮想ディレクトリ41上のファイル名である。図4に示すアプリケーションプログラム50は、このデスティネーションファイル名(dst_file_name)によってファイルアクセスを行う。このデスティネーションファイル名(dst_file_name)が、図5に示すファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))に登録されている場合、デスティネーションファイル名(dst_file_name)に対応するソースファイル名(src_file_name)を取得し、ソースファイル名(src_file_name)に従ってローカル記憶部20からデータを取得する。
【0088】
このような処理によって、アプリケーションプログラム50は、メディア10とローカル記憶部20の2つの異なるメディアに記録されたデータを1つのメデイアに記録されたデータと同様にアクセスして再生処理を行うことができる。
【0089】
次に、図6以下を参照して、本発明の情報処理装置における仮想ファイルシステム(VFS)を利用した再生処理について説明する。本発明に従った仮想ファイルシステム(VFS)を利用した再生処理では、ローカル記憶部を利用しない。
【0090】
BDMVディレクトリとBDAVディレクトリが併設された記録メディアを利用し、各ディレクトリに設定されたデータを統合した1つの仮想ディレクトリを持つ仮想ファイルシステムを構築して、再生処理に適用する。この仮想ファイルシステムの構築処理にローカル記憶部は利用しない。
【0091】
図6を参照して、本発明の実施例1に係る情報処理装置によるデータ記録再生処理の概要について説明する。図6に示す情報処理装置100は、メディア(情報記録媒体)110を装着し、データ記録および再生処理を実行する。本実施例では、メディア110は例えばデータ記録可能なBD(Blu−ray Disc(登録商標))である。なお、メディア110はBDに限るものではなく、その他のフラッシュメモリなどのメディアであってもよい。
【0092】
まず、情報処理装置100によるメディア110に対するデータ記録処理について説明する。メディア110はデータ記録可能な例えばBD−RE、BD−Rなどのメディアであるとする。なお、再生処理のみを行う場合は、追記のできないメディア、例えばBD−ROMであってもよい。
【0093】
情報処理装置100は、図i示すように、メディア110に以下のディレクトリを設定する。
BDMVディレクトリ111、
BDAVディレクトリ112、
BUディレクトリ113、
サーチフィケート(CERTIFICATE)114、
これらのディレクトリの設定を行う。この処理は情報処理装置が装置内のメモリに保持するプログラムによって実行する。
【0094】
BDMVディレクトリ111は先に図1を参照して説明したと同様の構成を有するディレクトリであり、
BDAVディレクトリ112は先に図2を参照して説明したと同様の構成を有するディレクトリである。
【0095】
BUディレクトリ113は、バインディングユニットディレクトリであり、仮想ファイルシステム(VFS:Virtual File System)を構築する際に必要とする管理情報などを記録するためのディレクトリである。
サーチフィケート(CERTIFICATE)ディレクトリ114は、仮想ファイルシステム(VFS)の構築やファイル名変換テーブルの作成に適用する情報を記録するディレクトリである。
【0096】
情報処理装置100がメディア110に対してデータ記録を実行する場合の処理を、ステップS11に示す。
ステップS11に示すように、記録データがBDMV規格対応データである場合は、BDMVディレクトリ111下に記録する処理が行なわれる。また、BDMV規格対応データ以外の形式を持つデータ、例えば先に説明したような1080/60p画像,3D画像,4K×2K画像などのBDMV規格非対応データを記録する場合は、BDAVディレクトリ112下に記録する処理を実行する。なお、以下において、1080/60p画像,3D画像,4K×2K画像などのBDMV規格非対応データを拡張データと呼ぶ。なお、BDMV規格対応データであっても、BDAVディレクトリ下に記録することは可能である。
【0097】
なお、データ記録処理に際しては、AVストリームファイルのみならず、クリップ情報ファイル、プレイリストファイルの作成または更新および記録処理も行われる。さらに必要に応じてムービーオブジェクトファイルやインデックスファイルなどのデータベースファイルの更新処理も行われる。
【0098】
データ記録処理を実行した場合、BUディレクトリ113の管理情報を更新する。この処理は、後述する仮想ファイルシステム(VFS)を構築する際に必要とする管理情報の更新処理である。具体的には、BDMVディレクトリ111、BDAVディレクトリ112に記録されたAVストリームファイルの全てに対応するインデックスファイル[index.bdmv]や、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]がデータ記録に応じて、更新されてBUディレクトリ113に記録される。すなわち、BUディレクトリ113に記録される管理情報は、メディアに記録される全ての再生対象データの管理情報が含まれる。
【0099】
このように、情報処理装置100は、BDMV規格対応データについては、基本的にBDMVディレクトリ111下に記録する処理を実行し、拡張データ(BDMV規格非対応データ)についてはBDAVディレクトリ112下に記録する処理を実行する。
【0100】
次に、データ再生処理の概要について説明する。本発明の情報処理装置100は、BDMVディレクトリ下に記録されたデータとBDAVディレクトリ下に設定されたデータのいずれも、1つのメニューから指定して再生処理を可能とする。このメニューは、BDMV規格によって生成されるメニューである。
【0101】
また、本発明の情報処理装置100は、BDMVディレクトリ下に記録されたデータとBDAVディレクトリ下に設定されたデータのいずれも、BDMV規格において利用可能なインタラクティブ機能を利用した再生を可能とする。
【0102】
メニュー表示やインタラクティブ機能は、先に図1を参照して説明したBDMVディレクトリ下のムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]や、BDJOディレクトリ[BDJO]、JARディレクトリ[JAR]に記録された、例えばJava(登録商標)によって提供される機能である。
【0103】
従来は、BDAVディレクトリ下に記録されたデータに対して、これらのプログラムは利用できなかったが、本発明の構成において設定する仮想ファイルシステム(VFS)を利用することで、BDAVディレクトリ下に記録したデータに対しても、BDMV規格対応のメニュー機能やインタラクティブ機能の利用が可能となる。
【0104】
再生処理に際しては、図6に示すステップS21に示すように、メディア110に記録されたデータに基づく仮想ファイルシステム(VFS)130を構築する処理を行う。その後、ステップS22において、仮想ファイルシステム(VFS)130を利用した再生処理を実行する。
【0105】
仮想ファイルシステム130は、情報処理装置100において実行する再生アプリケーションプログラムが利用する仮想的なファイルシステムであり、図に示すディレクトリ構成からなる仮想パッケージ140を有する。情報処理装置100は、情報処理装置のメモリ上に図に示すディレクトリ構成からなる仮想パッケージ140を構築してデータアクセスを行う。
【0106】
本発明の構成において、仮想ファイルシステム130はメディア格納データのに併せてローカル記憶部の記憶データを利用するために構築するものではなく、全てメディア110の格納データをアクセスするために構築される。
【0107】
仮想ファイルシステム130に設定されるパッケージ140には、図6に示すように、
仮想BDMVディレクトリ141、
BDAVディレリクトリ142、
BUディレクトリ143、
CERTIFICATEディレトクリ144、
これらのディレクトリが含まれる。
【0108】
仮想BDMVディレクトリ141には、メディア110の実ディレクトリであるBDMVディレクトリ111に設定されたファイルに加えて、その他の実ディレクトリ、すなわち、BDAVディレクトリ112やBUディレクトリ113に設定されたファイルが仮想ファイルとして設定される。具体的なファイル構成については後段で詳細に説明する。
【0109】
仮想ファイルシステムを適用した再生処理を行う情報処理装置の再生アプリケーションは、仮想BDMVディレクトリ141をアクセスして再生対象データであるAVストリームファイルを取得する。
【0110】
仮想BDMVディレクトリ141には、メディア110の実ディレクトリであるBDMVディレクトリ111とBDAVディレクトリ112に設定されたAVストリームファイルの双方が設定されている。さらに、仮想BDMVディレクトリ141には、メディア110の実ディレクトリであるBUディレクトリ114に設定された管理情報ファイルも設定される。
【0111】
BDMVディレクトリ111に設定されたファイルは、そのままのファイル名で、仮想BDMVディレクトリ141に設定される。一方、BDMVディレクトリ111とBUディレクトリ113のデータについては、仮想的なファイル名で、仮想BDMVディレクトリ141に設定される。これらの仮想ファイル名で設定されたデータについては、ファイル名変換テーブルを利用して実際のデータ記憶先(パス情報)を取得する処理が行われる。この処理の詳細については後述する。
【0112】
情報処理装置100の再生アプリケーションは仮想ファイルシステム130のBDAVディレクトリ142に対するアクセスを行うことなく、仮想BDMVディレクトリ141に対するアクセスを行うことで、メディア110に格納された全ての再生対象データ(BDMVとBDAVディレクトリ設定データ)をアクセスして再生することができる。
【0113】
すなわち、BDMVディレクトリ111下に記録されたBDMV規格対応データに限らず、BDAVディレクトリ112下に記録された拡張データ(BDMV規格非対応データ)である1080/60p画像,3D画像,4K×2K画像などのBDMV規格非対応データについても、仮想ファイルシステム130のBDMVディレクトリ141を利用して再生することが可能となる。
【0114】
また、仮想BDMVディレクトリ141には、メディア110の実ディレクトリであるBUディレクトリ113に記録された管理情報ファイル、例えばインデックスファイル[index.bdmv]や、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]が設定される。
【0115】
情報処理装置100の再生アプリケーションは、仮想BDMVディレクトリ141に設定されたインデックスファイル[index.bdmv]や、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]等の管理情報を適用して再生処理を実行する。なお、具体的な再生シーケンスについては後段で詳細に説明する。
【0116】
本発明に従った仮装ファイルシステム(VFS)の構成例について図7を参照して説明する。図7は、BDなどの記録メディア110の格納コンテンツの異なるディレクトリに格納されたデータを統合した仮想ファイルシステム(VFS)130の生成と再生処理について説明する図である。
【0117】
図7に示すアプリケーションプログラム150は、図6に示す情報処理装置100において実行される再生アプリケーションである。アプリケーションプログラム150は、仮想ファイルシステム(VFS)130を介して、メディア110に記録されている異なるディレクトリのファイルを操作する。
【0118】
仮想ファイルシステム130は、アプリケーションプログラム150に対して、ディレクトリの違いを隠蔽する役割を果たす。アプリケーションプログラム150は、ファイルが記録されているディレクトリの違いを意識せずに、メディア110に記録されているファイルを操作することができる。
【0119】
仮想ファイルシステム(VFS)130は、例えば装置にメディア110が装着され、メディア110に記録されたプログラム(例えばJava(登録商標)プログラム)の実行をトリガとして構築される。なお、具体的な構築シーケンスについては、後段でフローチャートを参照して詳細に説明する。構築された仮想ファイルシステム(VFS)130は、図に示すような仮想パッケージを持ち、これがアプリケーションプログラム150を実行する再生装置のメモリに記憶される。
【0120】
アプリケーションプログラム150は、仮想ファイルシステム(VFS)130の仮想パッケージ140の仮想ディレクトリを利用してデータアクセスを行う。前述したように、仮想BDMVディレクトリ141にはメディア110のBDMVディレクトリのみならず、BDAVディレクトリに設定された再生対象データであるAVストリームファイルが設定される。
【0121】
前述したように、メディア110のBDMVディレクトリには、BDMV規格対応データが記録できるが、1080/60p画像,3D画像,4K×2K画像などの拡張データ(BDMV規格非対応データ)については記録できない。これらの拡張データ(BDMV規格非対応データ)はBDAVディレクトリに記録される。
【0122】
しかし、仮想ファイルシステム130において利用する仮想BDMVディレクトリ141には、BDMV規格対応データのみならず、1080/60p画像,3D画像,4K×2K画像などの拡張データ(BDMV規格非対応データ)も設定されることになる。
【0123】
また、これらのBDMV規格対応データと拡張データ(BDMV規格非対応データ)に対応する管理情報も、仮想BDMVディレクトリ141に設定される。従って、アプリケーションプログラム150は、仮想BDMVディレクトリ141に設定された情報を用いて、BDMV規格対応データと拡張データ(BDMV規格非対応データ)の再生処理を行うことが可能となる。
【0124】
本実施例では、ローカル記憶部に対するデータ格納処理が不要であり、ローカル記憶部を持たない装置で、仮想ファイルシステム(VFS)を利用した再生処理が可能となる。またメディア格納データをローカル記憶部にコピーするといった処理が不要であり、短時間で仮想ファイルシステム(VFS)を構築し、仮想ファイルシステム(VFS)を利用したデータ再生を開始することが可能となる。
【0125】
図8〜図9を参照して、メディア110における実際のディレクトリ構成と、仮想ファイルシステム130におけるディレクトリ構成の具体例について説明する。
【0126】
図8〜図9には、
(a)メディアのディレクトリ構成(ディスクパッケージ)[図8]
(b)仮想ファイルシステム(VFS)の仮想パッケージ[図9]
これらのデータ構成例を示している。
【0127】
図8に示す(a)メディアのディレクトリ構成(ディスクパッケージ)は、先に説明したように、
BDMVディレクトリ201、
BDAVディレクトリ202、
BUディレクトリ203、
サーチフィケート(CERTIFICATE)ディレクトリ204、
を持つ。
【0128】
BDMVディレクトリ201にはBDMV規格に従ったデータおよびその管理情報が記録される。
BDAVディレクトリ202にはBDMV規格に非対応の拡張データおよびその管理情報が記録される。
BUディレクトリ203には、仮想ファイルシステム(VFS)構築に際して利用される管理情報ファイルと、先に図5を参照して説明したと同様のファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))が記録される。
サーチフィケート(CERTIFICATE)ディレクトリ204には、仮想ファイルシステム(VFS)の構築やファイル名変換テーブルの作成に適用する情報が格納される。
【0129】
図8に示すように、BDAVディレクトリ202に記録されたストリームファイル205と、BUディレクトリ203の記録データ206が、仮想ファイルシステム(VFS)の仮想BDMVディレクトリ下に設定されるデータである。
【0130】
仮想BDMVに設定されるデータについて、図9を参照して説明する。図9は、仮想ファイルシステム(VFS)の仮想パッケージを示している。情報処理装置の再生アプリケーションは、この仮想ファイルシステム上の仮想ディレクトリを利用した再生処理を行う。
【0131】
仮想ファイルシステムのディレクトリには、図9に示すように仮想BDMVディレクトリ210が設定される。仮想BDMVディレクトリ210の設定データについて説明する。
図9に管理情報ファイル211として示す、
インデックスファイル[index.bdmv(New)]
ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv(New)]
これらのファイルは、元々、図8に示すメディア110のBUディレクトリ203の記録データ206の一部である。
【0132】
インデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]は、(a)メディアのディレクトリ構成(ディスクパッケージ)中のBDMVディレクトリにも設定されているが、仮想ファイルシステムを利用した再生処理を行う場合は、仮想BDMVディレクトリ210の
インデックスファイル[index.bdmv(New)]
ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv(New)]
これらを利用する。
これらは、図8に示す実ディレクトリのBUディレクトリ203の記録データ205である。
【0133】
図8に示す(a)メディアのディレクトリ構成(ディスクパッケージ)中のBDMVディレクトリに設定されたインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]は、メディアのBDMVディレクトリに設定された管理情報のみを含む。
【0134】
しかし、図8に示すBUディレクトリ203に記録されるインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]は、メディアのBDMVディレクトリ201下の記録データのみならず、BDAVディレクトリ202に記録された拡張データに関する管理情報も含むデータである。すなわちメディア110に記録された全ての再生対象データの管理情報を含むデータとして設定される。
【0135】
仮想ファイルシステムを利用した再生処理では、メディアのBDMVディレクトリ201下の記録データのみならず、BDAVディレクトリ202に記録された拡張データに関する再生処理も行われるため、BUディレクトリ203の記録データ206のインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]を、図9に示す仮想BDMVディレクトリ210の管理情報ファイル211として設定する。
【0136】
その他、図9に示す(b)仮想ファイルシステム(VFS)の仮想パッケージに示す、以下のファイル、すなわち、
プレイリストファイル[00001.mpls]212、
クリップ情報ファイル[01010.clpi](60p)213、
クリップ情報ファイル[01011.clpi](60p)213、
これらのファイルは、図8に示すディスクパッケージのBUディレクトリ203の記録データ206に対応する。
また、
AVストリームファイル[01010.m2ts](60p)214、
AVストリームファイル[01011.m2ts](60p)214、
これらのファイルは、図8に示すディスクパッケージのBDAVディレクトリ202のストリームファイル205に対応する。
【0137】
なお(60p)は、例えばプロクレッシブ方式の[1080/60p]画像データであることを示している。すなわち拡張データ(BDMV規格非対応データ)であることを示している。前述したように、3D画像や4K×2K画像などもBDMV規格非対応データであり、これらのデータについても、同様に処理される。
【0138】
図9の(b)仮想ファイルシステム(VFS)の仮想パッケージに示すファイル211〜214は、仮想ファイルシステム(VFS)に設定されるファイル名が仮想的なファイル名となり、実際のファイル記録先を示すファイル名とは異なるものとなる。
【0139】
これらのファイルについては、先に図5を参照して説明したファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))と、再生処理を実行する情報処理装置100が仮想ファイルシステム(VFS)の構築処理に際して生成するテーブルを利用して、メディア110から取得する。なお、ファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))は、図8に示すBUディレクトリ203の記録データ206に含まれる。
【0140】
情報処理装置100が仮想ファイルシステム(VFS)の構築処理に際して生成するファイル名変換テーブルについて、図10を参照して説明する。図10には、
(a)ファイル名変換テーブル(BUMF:Binding Unit Manifest file)
(b)VFS構築時における、BD−Jプログラムから再生装置に対するファイルコピー命令により、BD−Jプログラムから再生装置が収集するファイル名変換テーブル
(c)再生装置の内部メモリに生成するファイル名変換テーブル
これら(a)〜(c)の3つのテーブルを示している。
【0141】
(a)ファイル名変換テーブル(BUMF:Binding Unit Manifest file)は、先に図5を参照して説明したと同様のファイル名変換テーブル(BUMF)である。この(a)ファイル名変換テーブル(BUMF)は、BDAVディレクトリやBUディレクトリに設定され、仮想ファイルシステム(VFS)の仮想BDMVディレクトリに設定すべきファイルについてのファイル名変換情報を記録したテーブルである。この(a)ファイル名変換テーブル(BUMF)は、データのメディアに対する記録時に逐次更新され、BUディレクトリに記録されることになる。
【0142】
(a)ファイル名変換テーブル(BUMF)は、図10(a)に示すように、ローカル記憶部(BUDA)を記録先として想定した場合の記録先(パス)を示す(a1)ソースファイル名(src_file_name)と、仮想ディレクトリにおける仮想的なファイル名である(a2)デスティネーションファイル名(dst_file_name)を対応付けたデータとして設定される。
【0143】
(a2)デスティネーションファイル名(dst_file_name)は仮想ディレクトリ上のファイル名である。(a1)ソースファイル名(src_file_name)は、BUディレクトリ以下の相対的な記憶位置を示すパス情報として設定される。
【0144】
ローカル記憶部(BUDA)を記録先として想定した場合の記録先(パス)を示す(a1)ソースファイル名(src_file_name)は、ローカル記憶部に設定されたデータ格納領域であるバインディングユニットデータエリア(BUDA)のルートからの相対位置情報を示している。
【0145】
ローカル記憶部(BUDA)を記録先として想定した場合のBUDAルートディレクトリの構成例を図11に示す。BUDAディレクトリ250の下位ディレクトリは、コンテンツ作成スタジオ等の組織固有のディレクトリであるオーガニゼーション(Organization)ディレクトリ251である、さらに下位にディスク単位のディレクトリであるディスクディレクトリ252が設定される。
その下位に仮想ファイルシステム(VFS)構築に際して利用される管理情報ファイル等からなるデータ260が設定される。
【0146】
例えばBDなどのディスクを製作した組織を表すOrganization_IDを[a]、ディスクを特定する番号であるDisc_IDを[b]とする。この[a],[b]によつて特定されるディスクにおいて仮想ファイルシステムを利用した再生処理を行う場合、ローカル記憶部に格納すべきデータを示すバインディングユニットデータ(Binding Unit Data)は、BUDAの/a/b/の下に設定されることにらなる。
【0147】
なお、本発明の処理では、前述したようにローカル記憶部に対するデータ記憶を省略して仮想ファイルシステム(VFS)を構築して再生処理を行うが、メディアに格納されるデータは、ローカル記憶部に対するデータ記憶を行って仮想ファイルシステム(VFS)を構築して再生処理を行うことを前提として作成される。従って、データ記録処理に際して、図8に示すBUディレクトリ203に記録されるファイル名変換テーブル(BUMF:Binding Unit Manifest file)もローカル記憶部を利用した処理を前提としたファイル名変換テーブルとなる。
【0148】
従って、データ記録処理に際して行われるファイル名変換テーブル(BUMF:Binding Unit Manifest file)のエントリ追加などの更新処理は、図11に示すようなローカル記憶部におけるデータ配置構成を想定して行われることになる。
【0149】
なお、[Organization_ID]と、[Disc_ID]の情報は、図8に示すサーチフィケート(CERTIFICATE)ディレクトリ204にある[id.bdmv]ファイルに格納されている。図11に示すBUDAディレクトリの例は、Organization_ID=1,Disc_ID=100とした場合の例である。
【0150】
バインディングユニットデータエリア(BUDA)は、先に、図4を参照して説明したローカル記憶部にサブコンテンツを格納して、メディア(ディスク)に記録されたメインコンテンツと統合した仮想ファイルシステム(VFS)を構築して再生処理を行う場合にサブコンテンツの格納領域としてローカル記憶部に設定することを想定した領域である。
【0151】
図11に示す管理情報ファイル等からなる記録データ260はコンテンツ作成スタジオ等の組織やディスク単位に個別に作成されBUDAディレクトリ250に記録される。ファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))は、図10(a)に示すようにこれらのディレクトリ構成を識別可能な構成として設定される。
【0152】
この図10(a)に示すファイル名変換テーブル(BUMF)は、先に図5を参照して説明したと同様の構成を持つ従来から利用されているBUMFであり、メディアに対するデータ記録処理に応じて逐次更新される。この図10(a)に示すファイル名変換テーブル(BUMF)は、ローカル記憶部にサブコンテンツを記録することを想定したファイル名変換テーブルである。
【0153】
本発明の情報処理措置は、ローカル記憶部にデータを記録しない設定であるので、この図10(a)に示すファイル名変換テーブル(BUMF)を直接、利用することはできない。このため、図10(b)、(c)に示すテーブルが利用される。
【0154】
図10(b)の「(b)VFS構築時における、BD−Jプログラムから再生装置に対するファイルコピー命令により、BD−Jプログラムから再生装置が収集するファイル名変換テーブル」について説明する。
【0155】
このテーブルは、ローカル記憶部を利用せずに仮想ファイルシステム(VFS)を構築してデータ再生処理を実行する情報処理装置100が作成する。情報処理装置100は、メディア110に格納されたプログラム、例えばBDJO/JARディレクトリに格納されたJava(登録商標)プログラム(BD−J)から発行されるファイルコピー命令を受領し、このファイルコピー命令に含まれるデータから図10(b)のテーブルを作成する。
【0156】
BD−Jプログラムは、仮想ファイルシステム構築に際して、仮想BDMVディレクトリに設定すべきファイルのコピー命令を発行する。なお、BD−Jプログラムは、先に図4を参照して説明したローカル記憶部の利用を前提とした仮想ファイルシステムを構築するためのコピー命令を発行する。
【0157】
すなわち、BD−Jプログラムは、メディア格納データの一部、例えば図8を参照して説明したBDAVディレクトリ202に設定されたAVストリームファイル205とBUディレクトリ203に設定された管理情報ファイルを含むデータ206をローカル記憶部にコピーさせる命令を発行する。
【0158】
ただし、本発明の情報処理装置はローカル記憶部に対するデータコピー処理を行うことなく、コピー命令に含まれるファイル名の情報を利用して、図10(b)に示すファイル名変換テーブルの作成を行う。
【0159】
BD−Jプログラムが発行するコピー命令には、コピーすべきデータについてのコピー元ファイル名(メディア上のパス情報)と、コピー先ファイル名(コピー先をローカル記憶部に想定した場合のパス情報)が含まれる。このデータが、図10(b)に示すテーブルデータに対応する。すなわち、図10(b)に示す、
(b1)コピー元ファイル名(メディア上のパス情報)
(b2)コピー先ファイル名(コピー先をローカル記憶部に想定した場合のパス情報)
これらのファイル名の対応情報である。
BD−Jは、この対応情報を再生処理を実行する情報処理装置に提供する。
【0160】
図10(b)に示すデータ301は、図8に示すメディアのディレクトリ構成(ディスクパッケージ)のBUディレクトリ203以下のデータ206に対応するエントリである。また、図10(b)に示すデータ302は、図8に示すBDAVディレクトリ202以下のストリームファイル205に対応するエントリである。
【0161】
なお、(b2)コピー先ファイル名(コピー先をローカル記憶部に想定した場合のパス情報)は、図10(a)に示すファイル名変換テーブル(BUMF)の(a1)ソースファイル名(src_file_name)と同一の情報であり、BUディレクトリ以下の相対的な記憶位置を示すパス情報として設定される。
【0162】
情報処理装置は、これらのテーブル(a),(b)に基づいて、図10(c)に示すファイル名変換テーブルを作成して情報処理装置のメモリに格納する。
図10(c)に示す「(c)再生装置の内部メモリに生成するファイル名変換テーブル」は、以下のファイル名の対応データである。
(c1)読み込み要求されるファイル名(VFSの仮想パッケージ(Virtual Package)上のファイル名)
(c2)実際のファイル名(メディア上のパス(記録位置)を示す)
【0163】
(c1)のファイル名は、図10(a)BUMFの(a2)ディスティネーションンファイル名(dst_file_name)に対応する。
(c2)のファイル名は、図10(b)に示すテーブルの(b1)コピー元ファイル名(メディア上のパス情報)に対応する。
【0164】
情報処理装置は、図10(s),(b)に示す各テーブルのファイル名中の(a1)=(b2)の関係から、(a2)と(b2)の対応関係を解析して、図10(c)に示すファイル名変換テーブルを生成してメモリに記録する。
【0165】
情報処理装置100は、ローカル記憶部に対するデータ記録を行うことなく仮想ファイルシステム(VFS)を構築し、図10(c)に示すファイル名変換テーブルを利用して仮想ファイルシステムの仮想BDMVディレクトリに設定されたファイル(図9に示すデータ211〜214)のアクセスを行う。
【0166】
仮想ファイルシステム(VFS)を利用したデータアクセスに際しては、図10(c)に示す(c1)のファイル名、すなわち、VFSの仮想パッケージ(Virtual Package)上のファイル名)から、(c2)実際のファイル名(メディア上のパス(記録位置)を示す)を取得して、(c2)実際のファイル名を利用してメディアからデータを取得する。
【0167】
なお、図9に示すように仮想ファイルシステムの仮想BDMVディレクトリ210には、BDJO,JARディレクトリも含まれる。そのため、仮想ファイルシステムを利用した再生処理に際しては、BDJO,JARディレクトリに格納されるJava(登録商標)プログラムを利用可能となる。このJava(登録商標)プログラムの利用により、様々なデザインを持つメニュー表示を行うことができる。また、このBDJO,JARディレクトリに格納されるJava(登録商標)プログラムを利用することで、例えば様々な制御用ボタンを表示してインタラクティブ機能を利用した再生処理を行うことが可能となる。
【0168】
なお、先に図8を参照して説明したメディアの実ディレクトリ(ディスクパッケージ)に示す例では、BUディレクトリ203のデータ206として、BDAVディレクトリに記録されたAVストリームファイルに対応するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルを含む設定としている。これらのファイルは、BDAVディレクトリ202にも併せて記録される。
【0169】
本実施例では、仮想ファイルシステム(VFS)の構築に際して、メディア110のBDAVディレクトリ202からAVストリームファイルを選択し、その他のデータは、BUディレクトリ203から選択して、図9に示す仮想ファイルシステム(VFS)の仮想BDMVディレクトリ210に設定している。このため、図8に示すメディアの実際のディレクトリ(ディスクパッケージ)構成において、BDAVディレクトリ202に記録されたストリームファイルに対応するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルもBUディレクトリ203に記録する。
【0170】
しかし、例えばBDAVディレクトリ202に記録されたストリームファイルに対応するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルを選択して、図9に示す仮想ファイルシステム(VFS)の仮想BDMVディレクトリ210に設定する構成としてもよい。このような設定とすれば、これらのファイルについては、BUディレクトリ203に記録する必要はない。
【0171】
本実施例におけるデータ再生処理シーケンスについて、図12に示すフローチャートを参照して説明する。データ再生処理は情報処理装置のデータ処理部において実行される。データ処理部は、アプリケーションプログラム実行機能を持つCPUを有する。図12に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。
【0172】
ステップS101において、BD等の記録メディアのBDMVディレクトリからデータ読み出しを行いデータ再生を開始する(ディスクパッケージの再生開始)。
ステップS102において、ディスクパッケージのBDMVディレクトリのBD−Jタイトルの自動選択により、Java(登録商標)プログラムが実行される。この処理は、例えば再生処理開始時の処理として予め設定されたシーケンスに従って自動実行される処理であり、BDMVディレクトリ下に設定された[BDJO],[JAR]に記録されたプログラム(BD−J)を実行する処理である。
【0173】
例えば、図8に示すBDMVディレクトリ201のBDJOディレクトリに記録された[00100.bdjo]で表されるBD−Jタイトルが最初に実行されるよう、プログラムされている。BD−Jタイトルは、初期実行タイトルとして設定されるFirstPlayBackタイトルとしてディスク挿入時に自動選択されるようにしてもよい。図8に示すBDJOディレクトリに記録されたBD−Jオブジェクト[00100.bdjo]は、図8に示すJARディレクトリ下のJava(登録商標)プログラムである01010.jarを呼び出して、再生装置に対して各種の処理命令を発行し、以下の処理を実行させる。
【0174】
ステップS103において、再生装置が従来型のBDMVアプリケーションのみを実行する従来装置か、仮想ファイルシステム(VFS)構築による拡張データ再生可能な拡張装置かを判定する。この判定処理は、プログラム(BD−J)によって装置または装置搭載プログラムを判別する処理を実行してもよいし、ユーザによる入力情報を用いて判定してもよい。
【0175】
再生装置が従来型のBDMVアプリケーションのみを実行する従来装置である場合は、ステップS104に進み、メディアに記録されたBDMVディレクトリ下のデータのみを再生対象とした再生処理を実行する。
【0176】
一方、再生装置が仮想ファイルシステム(VFS)構築による拡張データ再生可能な拡張装置である場合は、ステップS105に進む。
【0177】
ステップS105では、BD−Jプログラムの実行により、BDAVディレクトリ下のAVストリームデータをローカル記憶部にコピーする処理命令が再生処理を実行する再生装置に対して発行される。なお、再生装置のデータ処理部では、ディスクから読み出されたプログラムであるBD−Jと、再生アプリケーションを並行して実行している。
【0178】
このJava(登録商標)プログラムでは、java.ioパッケージのクラス等を用いて、BDディスク上の特定のファイルをローカル記憶部のBUDAにコピーさせる命令を発行する。このコピー命令は、先に説明したようにローカル記憶部に対するコピーデータを利用した仮想ファイルシステムの構築のために行われる。コピー先の位置は、Java(登録商標)のメソッドにおいてBUDA内の相対パスで指定される。BUDAは、先に図11を参照して説明したように、データ移動先として想定するローカル記憶部の仮想的なバインディングユニットデータ領域(BUDA)である。なお、BUDA(Binding Unit Data Area)のルート位置は、システムによって異なるが、BD−Jアプリケーションが関知する必要はない。
【0179】
次に、ステップS106において、再生装置は、コピー指定されたファイルの位置情報(パス)を取得して、コピー完了通知をBD−Jに通知する。なお、再生装置は、実際にはローカル記憶部に対するデータコピー処理は行わない。この処理によって再生装置がBD−Jから取得する位置情報は、先に図10(b)を参照して説明したデータ302に対応する。
【0180】
すなわち、図8に示すメディアのディレクトリ構成(ディスクパッケージ)のBDAVディレクトリ202以下のストリームファイル205に対応する情報であり、図10(b)に示す、
(b1)コピー元ファイル名(メディア上のパス情報)
(b2)コピー先ファイル名(コピー先をローカル記憶部に想定した場合のパス情報)
これらのファイル名の対応情報を取得する。
【0181】
次に、ステップS107において、BD−Jプログラムの実行により、BUディレクトリ下の管理情報ファイル(マニフェストファイルを含む)をローカル記憶部にコピーする処理命令が再生装置に対して発行される。
【0182】
次に、ステップS108において、再生装置は、コピー指定されたファイルの位置情報(パス)を取得して、コピー完了通知をBD−Jに通知する。なお、再生装置は、実際にはローカル記憶部に対するデータコピー処理は行わない。この処理によって再生装置がBD−Jから取得する位置情報は、先に図10(b)を参照して説明したデータ301に対応する。
【0183】
すなわち、図8に示すメディアのディレクトリ構成(ディスクパッケージ)のBUディレクトリ203以下のデータ206に対応する情報であり、図10(b)に示す、
(b1)コピー元ファイル名(メディア上のパス情報)
(b2)コピー先ファイル名(コピー先をローカル記憶部に想定した場合のパス情報)
これらのファイル名の対応情報を取得する。
【0184】
次に、ステップS109において、BD−Jプログラムの実行により、仮想ファイルシステム(VFS)構築リクエストを再生装置に出力する。
【0185】
次に、ステップS110において、再生装置の再生処理プログラム(プレーヤ)は、再生装置の再生処理プログラム(プレーヤ)は、コピー指定されたファイルの位置情報を利用して、仮想ファイルシステムにおいて利用するファイル名変換テーブルを作成し、VFS構築完了をBD−Jに通知する。
【0186】
このステップS110において再生装置が作成するファイル名変換テーブルは、先に図10(c)を参照して説明したファイル名変換テーブルである。すなわち、図10(c)に示す「(c)再生装置の内部メモリに生成するファイル名変換テーブル」であり、以下のファイル名の対応データである。
(c1)読み込み要求されるファイル名(VFSの仮想パッケージ(Virtual Package)上のファイル名)
(c2)実際のファイル名(メディア上のパス(記録位置)を示す)
【0187】
(c1)のファイル名は、図10(a)BUMFの(a2)ディスティネーションンファイル名(dst_file_name)に対応する。
(c2)のファイル名は、図10(b)に示すテーブルの(b1)コピー元ファイル名(メディア上のパス情報)に対応する。
【0188】
情報処理装置は、図10(a)に示すファイル名変換テーブル(BUMF)を図8を参照して説明したメディアのディレクトリのBUディレクトリ203の記録データから取得する。また、図10(b)に示すテーブルは、ステップS105〜S108の処理においてBD−Jから取得する。
【0189】
図10(a)と、図10(b)のファイル名中の(a1)=(b2)の関係から、(a2)と(b2)の対応関係を解析して、図10(c)に示すファイル名変換テーブルを生成してメモリに記録する。この処理の後、ステップS110において、仮想ファイルシステム(VFS)構築完了をBD−Jに通知する。
【0190】
次に、ステップS111において、仮想ファイルシステム(VFS)に設定された仮想パッケージ内のBDMVディレクトリを利用して再生処理を実行する。なお、仮想ファイルシステム(VFS)を利用したデータアクセスに際しては、図10(c)に示す(c1)のファイル名、すなわち、VFSの仮想パッケージ(Virtual Package)上のファイル名)から、(c2)実際のファイル名(メディア上のパス(記録位置)を示す)を取得して、(c2)実際のファイル名を利用してメディアからデータを取得する。
【0191】
この再生処理では、先に図9を参照して説明した仮想BDMVディレクトリ210に設定されたインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]を利用した再生処理が行われる。
【0192】
このインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]は、図10(c)のファイル名変換テーブルによってアクセスされる。すなわち、図8に示す実ディレクトリであるBUディレクトリ203に設定された管理情報としてのインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]である。
【0193】
すなわち、仮想ファイルシステム(VFS)を利用した再生処理に際しては、BUディレクトリ203に設定された管理情報であるインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]を利用した再生処理が行われる。これらの管理情報には、図8に示すBDMVディレクトリ201とBDAVディレクトリ202に記録された全てのデータの管理情報が登録されている。再生処理に際しては、この管理情報を再生データに対する索引情報として利用した再生処理が行われる。
【0194】
例えば、この仮想ファイルシステムにおいて利用されるインデックスファイル[index.bdmv]から指定されるムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]内の1つのプログラムによってメニュー表示がなされる。メニューには、BDMVディレクトリとBDAVディレクトリに記録された全てのデータをアクセスするための情報が登録されている。従って、BDMV規格データと、拡張データ(BDMV規格非対応データ)のすべてを1つのメニューを利用して再生することができる。
【0195】
なお、先に図9を参照して説明したように仮想ファイルシステムには、仮想BDMVディレクトリ210に設定されたBDJO,JARディレクトリも含まれている。従って、BDJO,JARディレクトリに格納されるJava(登録商標)プログラムを利用可能となる。このJava(登録商標)プログラムの利用により、様々なデザインを持つメニュー表示を行うことができる。また、Java(登録商標)プログラムを利用することで、例えば様々な制御用ボタンを表示してインタラクティブ機能を利用した再生処理を行うことが可能となる。
【0196】
[4.BDAVディレクトリを設定しない処理例(実施例2)]
次に、実施例2として、記録メディアにBDAVディレクトリを設定せずにデータ記録再生を行う実施例について説明する。
【0197】
図13を参照して、実施例2の情報処理装置によるデータ記録再生処理の概要について説明する。図13に示す情報処理装置100は、メディア(情報記録媒体)110を装着し、データ記録および再生処理を実行する。本実施例においてもメディア110は例えばデータ記録可能なBD(Blu−ray Disc(登録商標))である。なお、メディア110はBDに限るものではなく、その他のフラッシュメモリなどのメディアであってもよい。
さらに、情報処理装置100は、例えばハードディスクなどによって構成されるローカル記憶部120を持つ。
【0198】
まず、情報処理装置100によるメディア110に対するデータ記録処理について説明する。メディア110はデータ記録可能な例えばBD−RE、BD−Rなどのメディアであるとする。なお、後述する再生処理のみを行う場合は、追記のできないメディア、例えばBD−ROMであってもよい。
【0199】
情報処理装置100は、メディア110に、図13に示すように、
BDMVディレクトリ301、
BUディレクトリ302、
サーチフィケート(CERTIFICATE)303、
これらのディレクトリの設定を行う。この処理は情報処理装置が装置内のメモリに保持するプログラムによって実行される。
先に図6を参照して説明した実施例1と異なり、実施例2では、BDAVディレクトリは利用しない。
【0200】
BDMVディレクトリ301は先に図1を参照して説明したと同様の構成を有するディレクトリである。
BUディレクトリ302は、バインディングユニットディレクトリであり、後述する仮想ファイルシステム(VFS:Virtual File System)を構築する際に必要とする管理情報などを記録するためのディレクトリである。
本実施例2では、このBUディレクトリ302に、拡張データ(BDMV規格非対応データ)であるAVストリームファイルも記録する。これらのAVストリームファイルに対応するクリップ情報ファイルやプレイリストファイルも全て記録する。
サーチフィケート(CERTIFICATE)ディレクトリ303は、仮想ファイルシステム(VFS)の構築やファイル名変換テーブルの作成に適用する情報が格納される。
【0201】
情報処理装置100がメディア110に対してデータ記録を実行する場合の処理を、ステップS201に示す。
ステップS201に示すように、記録データがBDMV規格対応データである場合は、BDMVディレクトリ301下に記録する処理が行なわれる。また、BDMV規格対応データ以外の形式を持つデータ、例えば先に説明したような1080/60p画像,3D画像,4K×2K画像などの拡張データ(BDMV規格非対応データ)を記録する場合は、BUVディレクトリ302下に記録する処理を実行する。
【0202】
なお、これらのデータ記録処理に際しては、AVストリームファイルのみならず、クリップ情報ファイル、プレイリストファイルの作成や更新、記録処理も行われる。さらに必要に応じてムービーオブジェクトファイルやインデックスファイルなどのデータベースファイルの更新処理も行われる。
【0203】
データ記録処理を実行した場合、BUディレクトリ302の管理情報を更新する。この処理は、後述する仮想ファイルシステム(VFS)を構築する際に必要とする管理情報の更新処理が含まれる。
【0204】
このように、本実施例2において、情報処理装置100はBDMV規格対応データについては、基本的にBDMVディレクトリ301下に記録する処理を実行し、拡張データ(BDMV規格非対応データ)についてはBUディレクトリ302下に記録する処理を実行する。
【0205】
次に、データ再生処理の概要について説明する。本実施例2の情報処理装置100は、BDMVディレクトリ301下に記録されたデータとBUディレクトリ302下に設定されたデータのいずれも、1つのメニューから指定して再生処理を可能とする。このメニューは、BDMV規格に従って生成可能なメニューである。
【0206】
また、BDMVディレクトリ301下に記録されたデータとBUディレクトリ302下に設定されたデータのいずれも、BDMV規格において利用可能なインタラクティブ機能を利用した再生を可能とする。
【0207】
再生処理に際しては、まず、図13に示すステップS251に示すように、メディア110に記録されたデータに基づく仮想ファイルシステム(VFS)130を構築する処理を行う。その後、ステップS252において、仮想ファイルシステム(VFS)130を利用した再生処理を実行する。
【0208】
仮想ファイルシステム130は、情報処理装置100において実行する再生アプリケーションプログラムが利用する仮想的なファイルシステムであり、図に示すディレクトリ構成からなる仮想パッケージ140を有する。情報処理装置100は、情報処理装置のメモリ上に図に示すディレクトリ構成からなる仮想パッケージ140を構築してデータアクセスを行う。
【0209】
仮想ファイルシステム130は、ローカル記憶部の記憶データをアクセスするために利用されるものではなく、全てメディア110の格納データをアクセスするために構築される。
【0210】
仮想ファイルシステムのディレクトリは、図に示すように、
仮想BDMVディレクトリ141、
BUディレクトリ143、
CERTIFICATEディレトクリ144、
である。
【0211】
仮想ファイルシステム130の仮想BDMVディレクトリ141には、メディア110のBDMVディレクトリ301に設定されたファイルに加えて、BUディレクトリ303に設定されたファイルが仮想ファイルとして設定される。
【0212】
仮想ファイルシステムを適用した再生処理を行う情報処理装置の再生アプリケーションは、仮想BDMVディレクトリ141をアクセスして再生対象データであるAVストリームファイルを取得する。
【0213】
仮想BDMVディレクトリ141には、メディア110の実ディレクトリであるBDMVディレクトリ111とBDAVディレクトリ112に設定されたAVストリームファイルが設定されているため、アプリケーションは仮想ファイルシステム130のBDAVディレクトリ142に対するアクセスを行うことなく、メディア110に格納された全ての再生対象データをアクセスして再生することができる。なお、具体的な再生シーケンスについては、先の実施例1で説明した図12のフローに従った処理とほぼ同様の処理となる。ただし、図12のフローにおけるステップS105の処理は、BDAVディレクトリではなくBUディレクトリに対する処理に変更されることになる。
【0214】
本実施例におけるメディア110のディレクトリ構成の具体例を図14に示す。
図14に示す(a)メディアのディレクトリ構成(ディスクパッケージ)は、
BDMVディレクトリ301、
BUディレクトリ302、
サーチフィケート(CERTIFICATE)ディレクトリ303、
を持つ構成である。
【0215】
BDMVディレクトリ301にはBDMV規格に従ったデータおよびその管理情報が記録される。
BUディレクトリ302には、仮想ファイルシステム(VFS)構築に際して利用される管理情報ファイルと、前述のファイル名変換テーブル(マニフェストファイル(BUMF))が記録される。
サーチフィケート(CERTIFICATE)ディレクトリ303には、仮想ファイルシステム(VFS)の構築やファイル名変換テーブルの作成に適用する情報が格納される。
【0216】
図14に示すように、BUディレクトリ302に記録されたストリームファイルと管理情報からなるデータ304が、仮想ファイルシステム(VFS)の仮想BDMVディレクトリ下に設定される。
【0217】
仮想ファイルシステム(VFS)の構成について、図15を参照して説明する。
図15に管理情報ファイル311として示す、
インデックスファイル[index.bdmv(New)]
ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv(New)]
これらのファイルは、元々、図14に示すメディア110のBUディレクトリ302の記録データ304である。
【0218】
インデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]は、(a)メディアのディレクトリ構成(ディスクパッケージ)中のBDMVディレクトリにも設定されているが、仮想ファイルシステムの利用時には、BUディレクトリ302の記録データ304のインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]を利用する。
【0219】
(a)メディアのディレクトリ構成(ディスクパッケージ)中のBDMVディレクトリに設定されたインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]は、メディアのBDMVディレクトリに設定された管理情報のみを含む。
【0220】
しかし、図14に示すBUディレクトリ302の記録データ304のインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]は、メディアのBDMVディレクトリ301下の記録データのみならず、BUディレクトリ302に記録された拡張データに関する管理情報も含むデータとして設定される。
【0221】
仮想ファイルシステムを利用した再生処理では、メディアのBDMVディレクトリ301下の記録データのみならず、BUディレクトリ302に記録された拡張データに関する再生処理も行われるため、BUディレクトリ302の記録データ304のインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]を、図14に示す仮想BDMVディレクトリ310の管理情報ファイル311として設定する。
【0222】
その他、図15に示す(b)仮想ファイルシステム(VFS)の仮想パッケージに示す、以下のファイル、すなわち、
プレイリストファイル[00001.mpls]312、
クリップ情報ファイル[01010.clpi](60p)313、
クリップ情報ファイル[01011.clpi](60p)313、
AVストリームファイル[01010.m2ts](60p)314、
AVストリームファイル[01011.m2ts](60p)314、
これらのファイルが、図14に示すディスクパッケージのBUディレクトリ302の記録データ304に対応する。
【0223】
図15の(b)仮想ファイルシステム(VFS)の仮想パッケージに示すファイル211〜214については、先に図10(c)を参照して説明したファイル名変換テーブルを利用して、メディア110から取得される。
【0224】
本実施例では、BDAVデイレクトリをメディアに設定することなく処理が可能となる。データ再生処理では、先に説明した実施例1と同様、BUディレクトリに設定された管理情報であるインデックスファイル[index.bdmv]と、ムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]を利用した再生処理が行われる。これらの管理情報には、BDMVディレクトリとBUディレクトリに記録された全てのデータの管理情報が登録されている。再生処理に際しては、この管理情報を再生データに対する索引情報として利用した再生処理が行われる。
【0225】
例えば、インデックスファイル[index.bdmv]から指定されるムービーオブジェクトファイル[MovieObject.bdmv]内の1つのプログラムによってメニュー表示がなされる。メニューには、BDMVディレクトリとBUディレクトリに記録された全てのデータをアクセスするための情報が登録されている。従って、BDMV規格データと、拡張データ(BDMV規格非対応データ)のすべてを1つのメニューを利用して再生することができる。
【0226】
なお、仮想ファイルシステムには、図15に示すようにBDMVディレクトリに設定されたBDJO,JARディレクトリも含まれている。従って、BDJO,JARディレクトリに格納されるJava(登録商標)プログラムを利用可能となる。このJava(登録商標)プログラムの利用により、様々なデザインを持つメニュー表示を行うことができる。また、Java(登録商標)プログラムを利用することで、例えば様々な制御用ボタンを表示してインタラクティブ機能を利用した再生処理を行うことが可能となる。
【0227】
[5.情報処理装置の構成例について]
次に、上述した記録再生処理を実行する情報処理装置の構成例について図16を参照して説明する。図16は、本発明の一実施例に係る情報処理装置400の構成例を示すブロック図である。情報処理装置400は、メディア410に対するデータ記録、またはデータ再生の少なくともいずれかの処理を行う装置である。具体的には例えば、記録再生装置、プレーヤ装置、レコーダ装置、ビデオカメラ、PCなどの装置である。
【0228】
なお、図16にはメディア410としてディスク型メディアを示しているが、メディアはディスク型メディアに限らず、フラッシュメモリなどのメディアでもよい。
【0229】
情報処理装置400は、図16に示すように、データ処理部(記録再生制御部)401、メモリ402、入力部403、出力部404、メディアインタフェース405を有する。
【0230】
データ処理部401は、様々なデータ処理プログラムを実行するプログラム実行機能を持つCPUを有する。例えばデータ記録再生処理を行うアプリケーションプログラムを実行する。例えば、図12を参照して説明したフローチャートに従った処理を実行する。
【0231】
メモリ402は、RAM,ROM等によって構成され、データ処理部401において実行するアプリケーションプログラムなどの格納領域として利用される。またメモリ402は、アプリケーション用のパラメータ、ワーク領域としても利用され、さらに、メディア記録データのバッファ領域などとしても利用される。
【0232】
入力部403は、例えばユーザの操作部であり、データ記録または再生指示の入力など、様々な入力が行われる。なお、入力部403にはリモコンも含まれ、リモコン操作情報の入力も可能である。出力部404は、ディスプレイ、スピーカ等によって構成される画像や音声の出力部である。
【0233】
メディアインタフェース405は、メディア410を利用したデータ記録、再生処理に適用されるインタフェースである。データ処理部401の要求に従って、データをメディア410に書き込み、またメディア410からのデータ読み取り処理などを行う。
【0234】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0235】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0236】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0237】
以上、説明したように、本発明の一実施例によれば、BDMV規格対応データはBDMVディレクトリ、BDMV規格非対応データ、例えば1080/60Pや3D画像データは、BDAVあるいはBUディレクトリに記録した複数ディレクトリを持つメディアからのデータ再生処理に際して、ローカル記憶部に対するデータ移動を行うことなく、BDAVあるいはBUディレクトリの記録データに対する仮想ファイル名を設定した仮想ファイルシステムを構築して再生処理を行う。本構成により、ローカル記憶部に対するデータ移動を行うことなく、BDMV規格対応データと非対応データを記録再生することが可能となる。
【符号の説明】
【0238】
10 メディア
20 ローカル記憶部
30 仮想ファイルシステム(VFS)
40 仮想パッケージ
41 仮想ディレクトリ
50 アプリケーションプログラム
70 ファイル名変換テーブル(BUMF)
100 情報処理装置
110 メディア(情報記録媒体)
111 BDMVディレクトリ
112 BDAVディレクトリ
113 BUディレクトリ
114 CERTIFICATEディレクトリ
130 仮想ファイルシステム(VFS)
140 仮想パッケージ
141 仮想BDMVディレクトリ
142 BDAVディレクトリ
143 BUディレクトリ
144 CERTIFICATEディレクトリ
201 BDMVディレクトリ
202 BDAVディレクトリ
203 BUディレクトリ
204 CERTIFICATEディレクトリ
210 仮想BDMVディレクトリ
250 BUDAディレクトリ
251 オーガニゼーション(Organization)ディレクトリ
252 ディスクディレクトリ
260 データ
301 BDMVディリクトリ
302 BUディレクトリ
303 CERTIFICATEディレクトリ
400 情報処理装置
401 データ処理部
402 メモリ
403 入力部
404 出力部
405 メディアインタフェース
410 メディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録メディアからのデータ再生処理を行うデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記記録メディアの記録データの一部に対して仮想ファイル名を設定した仮想ファイルシステムを構築し、
構築した仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行する構成であり、
前記データ処理部は、
前記仮想ファイル名を設定したデータについて、
前記仮想ファイルシステムに設定した仮想ファイル名と、前記記録メディアにおけるデータ記録先を示すファイル名とを対応付けた第1ファイル名変換テーブルを作成し、
前記記録メディアのデータ移動を行なうことなく仮想ファイルシステムを構築する情報処理装置。
【請求項2】
前記データ処理部は、
前記記録メディアに設定された第1アプリケーション規格に対応するデータを記録する第1ディレクトリの設定データと、前記第1ディレクトリ以外のディレクトリの設定データを1つの仮想ディレクトリに設定した仮想ファイルシステムを構築し、
構築した仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行する構成であり、
前記データ処理部は、
前記第1ディレクトリ以外のディレクトリの設定データについて、
前記仮想ファイルシステムに設定したファイル名と、前記記録メディアにおけるデータ記録先を示すファイル名とを対応付けた第1ファイル名変換テーブルを作成し、
前記第1ディレクトリ以外のディレクトリの設定データのデータ移動を行なうことなく仮想ファイルシステムを構築する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ処理部は、
前記第1ディレクトリ以外のディレクトリの設定データをローカル記憶部に格納する処理命令であるデータコピー命令に含まれるコピー対象データのファイル名を取得して、前記第1ファイル名変換テーブルを作成する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データコピー命令は、前記記録メディアに記録されたプログラムの実行によって発行されるデータコピー命令である請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記データ処理部は、
前記第1ディレクトリ以外のディレクトリの設定データをローカル記憶部に格納して構築する仮想ファイルシステムにおいて利用することを想定して生成される第2のファイル名変換テーブルと、
前記データコピー命令に含まれるコピー対象データのファイル名を利用して、前記第1ファイル名変換テーブルを生成する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データ処理部は、
前記仮想ファイルシステムに設定される仮想ディレクトリに、再生データの索引情報として利用する管理情報として、前記第1ディレクトリ、および前記第1ディレクトリ以外のディレクトリに設定された全ての再生対象データの管理情報を設定し、該管理情報を利用したデータ再生処理を行う請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記データ処理部は、
前記管理情報は、仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイルまたはクリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報である請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1アプリケーション規格はBDMV規格であり、前記第1ディレクトリはBDMVディレクトリであり、
前記データ処理部は、
前記第1ディレクトリはBDMVディレクトリに記録された再生対象データと、
前記BDMVディレクトリとは異なるBDAVディレクトリに記録された再生対象データと、
前記BDMVおよびBDAVディレクトリ以外の第3のディレクトリに記録された管理情報を記録データとして設定した仮想BDMVディレクトリを持つ仮想ファイルシステムを構築する請求項2〜7いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1アプリケーション規格はBDMV規格であり、前記第1ディレクトリはBDMVディレクトリであり、
前記データ処理部は、
前記第1ディレクトリはBDMVディレクトリに記録された再生対象データと、
前記BDMVディレクトリとは異なる第2ディレクトリに記録された再生対象データと管理情報を記録データとして設定した仮想BDMVディレクトリを持つ仮想ファイルシステムを構築する請求項2〜7いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、前記記録メディアの記録データの一部に対して仮想ファイル名を設定した仮想ファイルシステムを構築する仮想ファイルシステム構築ステップと、
前記データ処理部が、前記仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行するデータ再生ステップを有し、
前記仮想ファイルシステム構築ステップは、
前記仮想ファイル名を設定したデータについて、
前記仮想ファイルシステムに設定した仮想ファイル名と、前記記録メディアにおけるデータ記録先を示すファイル名とを対応付けた第1ファイル名変換テーブルを作成し、
前記記録メディアのデータ移動を行なうことなく仮想ファイルシステムを構築するステップである情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行させるプログラムであり、
データ処理部に、前記記録メディアの記録データの一部に対して仮想ファイル名を設定した仮想ファイルシステムを構築させる仮想ファイルシステム構築ステップと、
前記データ処理部に、前記仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行させるデータ再生ステップを有し、
前記仮想ファイルシステム構築ステップは、
前記仮想ファイル名を設定したデータについて、
前記仮想ファイルシステムに設定した仮想ファイル名と、前記記録メディアにおけるデータ記録先を示すファイル名とを対応付けた第1ファイル名変換テーブルを作成させ、前記記録メディアのデータ移動を行なうことなく仮想ファイルシステムを構築させるステップであるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−23071(P2011−23071A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167301(P2009−167301)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】