説明

情報処理装置及びその制御方法

【課題】接続された無線通信機能をもつ記録媒体から受信したデータの保存先を適切に設定する。
【解決手段】接続されている記録媒体が無線通信機能を備える場合、受信したデータを、記録媒体が無線通信で送信するデータの保存先として設定されている保存先へ保存するように、保存先を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機能と有線通信機能を備える記録媒体と接続しデータを受信可能な情報処理装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置で撮像された画像データは、撮像装置に搭載されている内蔵メモリか、メモリカードのような着脱可能な記録媒体に記録される。撮像された画像データを撮像装置からPCなどの情報処理装置に保存する場合、一般的には例えば次のようにして保存処理を行う。撮像装置を情報処理装置にケーブルで接続するか、着脱可能な記録媒体を撮像装置から取り出して情報処理装置のメモリカードスロットや情報処理装置に接続されたメモリカードリーダに挿入し、情報処理装置と記録媒体とを接続する。そして、情報処理装置から記録媒体にアクセスし、記録媒体に記録された画像データを例えば情報処理装置の記録装置に保存する。情報処理装置で稼動するアプリケーションの中には、情報処理装置と記録媒体とが接続された際に、予め設定した保存先に自動で画像データをコピーするものもある。
【0003】
一方、無線通信機能を備え、撮像した画像データを自動的に情報処理装置等の外部機器に転送する撮像装置も知られている(特許文献1)。このような撮像装置を用いると、撮像装置や記録媒体と情報処理装置とを有線接続することなく、撮像された画像データを情報処理装置内の予め設定された場所(フォルダなど)に保存することが可能である。
【0004】
また、無線通信機能をもつ着脱可能な記録媒体も知られている。このような記録媒体を用いると、無線通信機能を持たない撮像装置でも、無線通信機能を有する撮像装置と同様に、無線接続で記録画像データを例えば情報処理装置の予め設定された場所に保存することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−111884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
無線通信機能をもつ着脱可能な記録媒体は、従前の着脱可能な記録媒体と同様、メモリカードリーダ等を用いて、または撮像装置に挿入された状態で撮像装置と情報処理装置とを接続することにより、情報処理装置に有線接続することが可能である。記録媒体の仕様やユーザの設定などによっては、無線通信機能をもつ着脱可能な記録媒体の中に、無線通信で情報処理装置に転送されていないデータが存在する可能性がある。そのようなデータは、別途有線接続で情報処理装置に転送しておかないと、意図せず消去してしまうことがあった。
【0007】
しかし、無線通信機能を持つ着脱可能な記録媒体が無線通信でデータを保存する保存先は、情報処理装置が有線接続された記録媒体のデータの保存先として設定している保存先と独立して設定可能であるため、両者が異なる場合がある。このような場合、例えば同じ日や、同じイベントで撮影された画像データであるにもかかわらず、接続方法によって異なる保存先へ保存されてしまうことがある。このため、同じ画像データが複数箇所に保存されたり、ファイルの種類によって異なる保存先に保存されたりして、画像データの管理が煩雑になる。
【0008】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものである。接続された無線通信機能をもつ記録媒体から受信したデータの保存先を適切に設定することを可能とする情報処理装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、以下の構成を備える。
接続された外部機器から受信したデータを第1の保存先に保存する通信手段、を備える情報処理装置であって、通信手段に接続された外部機器が、無線通信機能を備える記録媒体を有するか否かを判断する判断手段と、通信手段で外部機器から受信したデータの保存先を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、判断手段により、外部機器が無線通信機能を備える記録媒体を有すると判断された場合は、外部機器が有する無線通信機能を備える記録媒体が、無線通信機能によって送信したデータを保存する第2の保存先の情報を取得し、通信手段で外部機器から受信したデータを、第2の保存先に保存するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このような構成により、情報処理装置に接続された無線通信機能をもつ記録媒体から受信したデータの保存先を適切に設定することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の1例としてのデジタルカメラの機能構成例を示すブロック図
【図2】実施形態にかかる情報処理装置の1例としてのPCの機能構成例を示すブロック図
【図3】実施形態1に係るデジタルカメラの画像転送処理を説明するためのフローチャート
【図4】実施形態1に係る情報処理装置の1例としてのPCの画像受信処理を説明するためのフローチャート
【図5】実施形態2の画像転送処理を説明するためのフローチャート
【図6】実施形態2の画像受信処理を説明するためのフローチャート
【図7】実施形態3の画像転送処理を説明するためのフローチャート
【図8】実施形態3の画像受信処理を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適且つ例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、撮像装置の1例としてのデジタルカメラと情報処理装置の1例としてのPCに、本発明を適用した例を説明する。
【0013】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1乃至3に共通のデジタルカメラの機能構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100において、操作部108はユーザからの入力を受け付けるインタフェースであり、例えばシャッターボタン、モード切替ボタン等を備える。操作部108から入力された指示は、制御部105に伝達され、指示を基に制御部105はデジタルカメラ100内の各ブロックの動作を制御する。制御部105は例えばCPUであってよく、不揮発性メモリ106に格納されている各ブロックの動作プログラムをRAM(図示せず)等に展開し実行することにより各ブロックに動作をさせる。不揮発性メモリ106はROM等の記憶装置でよく、例えば前述の動作プログラムの他、各ブロックの動作に必要なパラメータや、記録媒体104の情報(画像情報)、各種設定やGUIデータ等が記憶されている。画像情報には、例えば記録媒体104が有する画像データの総数、ファイル名、記録媒体104が無線通信機能を有するか否かを示す情報、現在のデジタルカメラ100の記録ファイル形式が含まれる。また、例えば画像データのサムネイル画像等の、PCから記録媒体104やデジタルカメラ100の状態を把握できる情報も含まれる。
【0014】
制御部105は操作部108のシャッターボタンからユーザの撮像指示を受信すると、撮像部101に撮像処理を実行させる。撮像部101は、被写体を撮像し、撮像素子(図示せず)から得られた撮像データに対して例えばA/D変換等の処理を適用し、変換して得られた画像データを画像処理部102に転送する。画像処理部102は受信した画像データに対して、例えばホワイトバランス調整処理や色調補正処理、解像度変換処理を適用し、得られた画像データを記録I/F103へ出力する。記録I/F103は受信した画像データを記録媒体104に記録する。また、記録I/F103は、記録媒体104によって異なるインタフェースであり、例えばメモリカードスロットやUSB端子等であってよい。記録媒体104は、本実施形態においては無線通信機能を有する着脱可能なメモリカードである。記録媒体104が無線接続を行うための電源は、記録媒体104が内蔵していても良いし、記録I/F103を通じてデジタルカメラ100から供給してもよい。
【0015】
また、本実施形態において、記録媒体104が無線通信機能を有するか否かは、例えば記録I/F103を通じた制御部105と記録媒体104との間の相互通信により、検出可能である。例えば、制御部105が、記録媒体104が有するデバイス情報を取得したり、もしくは記録媒体104に記憶されているデータに含まれるデバイス情報を参照したりすることにより、記録媒体104が無線通信機能を有しているか否かを判断すればよい。ただし、記録媒体が無線通信機能を有するか否かの検出方法は、記録媒体104の仕様等に依存するため、これらの方法には限定されない。
【0016】
通信部107は、デジタルカメラ100とPCを有線接続する際の接続インタフェースであってよく、例えばUSBケーブルやIEEE1394ケーブルの接続コネクタを想定する。本発明の実施形態では通信部107を通じてデジタルカメラ100がPC等の外部装置と有線接続されると、制御部105は画像転送プログラムを起動する。
【0017】
図2は本発明の実施形態1乃至3に共通のPCの機能構成を示すブロック図である。PC200において、CPU201はPCが備える各ブロックの動作を制御する。CPU201は、例えばROM(図示せず)や後述のHDD203等に記憶された各ブロックの動作プログラムを、RAM202に展開し、実行する。RAM202は、各ブロックの動作プログラムを展開するだけでなく、CPU201が動作プログラムを実行中に生じたエラーを処理する際に、データの退避領域としても用いられる。またRAM202は、例えば外部機器や記録媒体と接続した際のデータの一時保存先としても用いられる。HDD203は、PC200の各ブロックの動作プログラムの記憶に加え、例えば画像データや画像転送プログラム等の各種アプリケーション等が記憶される。
【0018】
通信I/F204は、PC200と外部装置を有線及び無線接続するための接続インタフェースである。通信I/F204の有線接続インタフェースは、例えばUSBケーブルやIEEE1394ケーブルの接続コネクタ等であり、無線接続インタフェースは、例えばIEEE801.11b、g、n等の通信規格に則る送受信器である。
【0019】
VRAM205は、グラフィックカード等の映像信号出力装置であり、PC200に接続された表示装置206に表示する、例えばHDD203に記憶された画像データや各種アプリケーションのGUI等の映像信号を出力する。表示装置206は、例えばLCD等の表示装置であり、VRAM205から出力された映像信号を、輝度調整等の処理を適用して表示部(図示せず)に表示する。
【0020】
ユーザI/F207は、PC200へのユーザからの入力を受け付ける入力インタフェースであり、例えばマウスやキーボード等の装置がある。ユーザI/F207は、例えばHDD203に記憶された各種アプリケーションのGUI操作やPC200へのコマンド入力を行うことができる。
【0021】
前述のような構成をもつ本実施形態1のデジタルカメラ100とPC200との間で行われる画像転送処理について、図3に示すデジタルカメラ100側の処理のフローチャートと、図4に示すPC200側の処理のフローチャートを用いて説明する。
【0022】
(デジタルカメラ側処理)
S301で、制御部105は、通信部107への接続をS301監視する。通信部107にPC200が有線接続されると、制御部105は不揮発性メモリ106から画像転送用のプログラムを読み出し、起動する(S302)。
【0023】
S303で制御部105は例えば記録I/F103を介して記録媒体104にコマンドを送信し、記録媒体104が無線通信機能を備えるか判断する。
【0024】
記録媒体104が無線通信機能を備える場合、制御部105は不揮発性メモリ106内の画像情報に含まれる、記録媒体の情報を無線通信機能付きに設定する(S304)。また、記録媒体104が無線通信機能を備えない場合、制御部105は画像情報に含まれる記録媒体の情報を無線通信機能無しに設定する(S305)。
【0025】
S306で、通信部107を介してPC200から画像情報の要求を受け取ると、制御部105は、画像情報を不揮発性メモリ106から読み出し、通信部107を通じて有線接続でPC200に送信(有線通信)する(S307)。
【0026】
S308でPC200から画像の転送要求を受信すると、制御部105は、転送要求された画像データをPC200に有線接続で送信する(S309)。制御部105は、転送要求された画像データを全てPC200に送信したか確認し(S310)、未送信の画像データが有ればS309を繰り返し実行する。要求された画像データを全て送信し終わったら、制御部105は、PC200に対して転送処理の完了を有線接続で通知する(S311)。また、転送処理の完了を通知した後は、PC200との接続が解除されるまで、再びS308でPC200からの画像の転送要求を待つ。
【0027】
(PC側処理)
S401で、デジタルカメラ100とPC200が有線接続されたことを検出すると、CPU201はデジタルカメラ100の画像を保存するための、本発明の実施形態に係る画像転送アプリケーションをHDD203より読み出し、起動する(S402)。
【0028】
画像転送アプリケーションが起動すると、デジタルカメラ100に装着されている記録媒体104に記録されている画像データの情報等を読み込むため、CPU201はS403で画像情報の要求を有線接続で送信する。S404でCPU201は、S403で要求した画像情報の取得が完了したかを判断し、完了していなければ画像情報の取得が完了するまで処理を繰り返す。CPU201は、例えば取得した画像情報に含まれる、記録媒体104に記録されている画像データのサムネイル画像の情報をアプリケーションのウィンドウに並列して表示することによりユーザに提示する。
【0029】
CPU201は、ユーザが取得した記録媒体104に記録されている画像データの中から転送する画像データを選択し、さらに画像の転送を行う処理の開始を選択したかを判断する(S405)。
【0030】
S406でCPU201は画像情報の記録媒体の情報が「無線通信機能付き」であるか、すなわち、画像情報中の記録媒体の情報が、無線通信機能付き記録媒体を表しているか、を判断する。
画像情報の記録媒体の情報が「無線通信機能付き」であった場合、CPU201はS407で画像転送アプリケーションの画像の保存先を、無線接続で受信したデータの保存先(第2の保存先)に設定されている保存先に変更する。無線接続で受信したデータの保存先の情報は、例えば、無線通信機能付き記録媒体から無線接続で受信したデータの保存を行うPC側アプリケーションの設定を参照するか、記録媒体104に保存先の情報があれば、記録媒体104から取得しても良い。記録媒体から保存先の情報を取得する場合は、例えばデジタルカメラ100の制御部105が記録媒体104に含まれる無線接続での保存先の情報を取得し、画像情報としてPC200に伝えてもよい。なお、保存先の情報は、記録媒体104のデバイス情報やファイル等に保存先の情報が含まれる場合は、制御部105は記録媒体104から前述のデバイス情報やファイル等を取得し、保存先の情報を参照してPC200に伝えればよい。また、制御部105は、記録媒体104に所定のコマンドを送信することにより、保存先の情報を取得しても良い。また例えば、CPU201は画像転送アプリケーション上に、ユーザに画像の保存先を保存先の一覧から指定、もしくは任意の保存先を指定させるダイアログを表示し、保存先を決定して変更してもよい。この場合、例えば既に無線接続で受信したデータを保存した保存先の情報がある場合は、保存先の一覧の先頭に表示させる。
また、画像情報の記録媒体の情報が「無線通信機能無し」であった場合は、CPU201は、画像転送アプリケーションの画像の保存先を変更せず、画像転送アプリケーションに設定されている通常(有線接続)の保存先(第1の保存先)を選択する。
【0031】
保存先の設定が完了すると、S408でCPU201は画像の転送要求をデジタルカメラ100に対して有線接続で送信して受信処理を開始する。受信処理が開始すると、CPU201は随時受信した画像データを設定した保存先に保存する(S409)。また、転送要求を行った全ての画像が転送されるまで、CPU201は画像データの保存処理を繰り返す(S410)。また保存処理において、CPU201は無線接続で受信したデータの保存先に記録されている画像データと取得した記録媒体104の画像情報に含まれる記録媒体104に記録される画像データの情報とを比較する。無線接続で受信したデータの保存先と記録媒体104の両方に同一の画像データがある場合、CPU201は例えばその画像データを既に受信済みと判定し、転送要求を行わない。あるいは、画像情報に含まれるファイル名を保存先のファイル名と比較し、同一の画像データについてはサムネイル画像を表示しなくてもよい。また、画像情報にデータのそれぞれについて、無線通信機能で送信したか否かの情報が含まれる場合は、無線通信機能で既に送信しているデータについては、サムネイル画像を表示しなくてもよい。この場合、同一の画像データ(既に保存されている画像データ)に対する転送要求が発生しないので、不要な受信を抑制することができる。S410でCPU201はデジタルカメラ100から転送処理の完了を受信すると、転送要求を行った全ての画像が転送されたと認識し、画像転送処理を終了する。
【0032】
なお、本実施形態ではデジタルカメラ100に無線通信機能を備えた記録媒体を装着して、PC200に有線接続した場合の画像転送処理について説明したが、PC200への有線接続の接続形態はこれに限られない。例えば、記録媒体104がメモリカードのときは読み取り可能なメモリカードリーダに装着してPC200に有線接続してもよいし、記録媒体104がHDDのときはPC200に直接有線接続してもよい。またその場合、本実施形態のようにデジタルカメラ100側で記録媒体104が無線通信機能を備えるかを判断してPC200で起動している画像転送アプリケーションに伝えず、画像転送アプリケーション側で有線接続されている記録媒体104を判断する。
【0033】
なお、本実施形態ではPC200は、無線通信機能を有する着脱可能な記録媒体104が有線接続された場合について説明したが、本発明の実施はこれに限らない。即ち、PC200は、有線無線を問わず接続された外部機器が、無線通信機能を有する記録媒体104を有していた場合、データの保存先を、通常の保存先から、無線通信機能を有する記録媒体104が無線通信で送信するデータの保存先を変更するものとする。また、本実施形態でPC200は、無線通信機能を有する記録媒体104から受信したデータを、HDD203内の保存先に保存するものとして説明した。しかし、無線通信機能を有する記録媒体104のデータの保存先は接続されたPC200が有する記憶装置でなくてもよく、PC200に有線または無線で接続された任意の記憶装置(例えばネットワーク上のサーバ等)であっても構わない。
【0034】
以上説明したように、本実施形態にかかる情報処理装置は、無線通信機能を有する着脱可能な記録媒体が有線接続された場合、有線接続で受信したデータの保存先を、その記録媒体から無線接続で受信したデータの保存先として設定されている保存先と同じにする。そのため、情報処理装置において、無線通信機能付きの記録媒体から無線接続で受信したデータの保存を行うアプリケーションと、有線接続で受信したデータの保存を行うアプリケーションとが異なる場合でも、接続方法によらず同じ保存先に保存できる。そのため、同じデータが異なる場所に重複して保存されたり、関連するデータが異なる場所に保存されたりすることを防止できる。
【0035】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
本実施形態においては、無線通信機能付きの記録媒体が装着されたデジタルカメラ100がPC200と有線接続された状態において、デジタルカメラ100で撮像が行われた際の画像転送処理に関する。なお、本実施形態において、無線通信機能付きの記録媒体は、PC200と無線通信可能な範囲に位置する場合、記録されている画像データをPC200に無線通信で自動転送するように設定されているものとする。また、無線通信機能付きの記録媒体は、デジタルカメラ100とPC200が有線接続された状態で、PC200と無線通信可能な範囲にあるものとする。
なお、画像転送処理の内容以外は実施形態1と共通であるため、画像転送処理についてのみ説明する。
【0036】
本実施形態2において、デジタルカメラ100とPC200との間で行われる画像転送処理について、図5に示すデジタルカメラ100側の処理のフローチャートと、図6に示すPC200側の処理のフローチャートを用いて説明する。
なお、図5及び図6において実施形態1と同じ処理を行うステップについては、図3及び図4と同じ参照数字を付して重複する説明を省略し、本実施形態において特徴的なステップの説明にとどめる。
【0037】
(デジタルカメラ側処理)
制御部105は、S307で画像情報をPC200に送信した後、S501でPC200からデジタルカメラ100の撮像開始要求を受信すると、撮像処理を開始する(S502)。撮像開始要求は、例えば有線接続しているPC200の画像転送アプリケーションから、ユーザによって指示され、通信部107を介してデジタルカメラ100の制御部105に伝えられる。制御部105は撮像処理で撮像された画像データを、S503で記録媒体104に記録する(記録処理)。
【0038】
S504で、制御部105は記録媒体104が無線通信機能を備えるかを判断する。
記録媒体104が無線通信機能を備える場合、記録媒体104は無線接続でPC200に画像データを自動的に転送する。制御部105は記録媒体104の転送処理を監視して、無線接続で画像データの送信が完了したかを判断する(S505)。例えば、制御部105は記録媒体104に定期的にコマンドを送信することにより通信状態を問い合わせ、コマンドのレスポンスによりデータの送信が完了したか否かを監視すればよい。
また、記録媒体104が無線通信機能を備えない場合、制御部105は、撮像され記録媒体104に記録された画像データは、PC200から画像転送の要求に応じて有線接続で転送する(S308、S309)。
【0039】
デジタルカメラ100で撮像され記録媒体104に記録された画像データの転送が完了(有線接続又は無線接続)すると、制御部105はS311でPC200に対し転送処理の完了を通知する。
【0040】
(PC側処理)
S404でデジタルカメラ100から画像情報を受信した後、S601でユーザが画像転送アプリケーションの機能として画像撮像機能を選択すると、CPU201はS602でデジタルカメラ100に対し撮像開始要求を送信する。撮像開始要求には撮像指示に加えて、例えば記録ファイル形式や記録画像解像度の設定等、画像データを記録する際に必要になるパラメータを含み、デジタルカメラ100の設定を更新し撮像処理を行ってもよい。また、前述の画像データを記録する際に必要になるパラメータはデジタルカメラ100で設定されているパラメータを用いてもよく、その場合は撮像開始要求に画像データを記録する際に必要になるパラメータを含める必要はない。また、CPU201はデジタルカメラ100に対し撮像開始要求を送信したことにより、デジタルカメラ100の撮像処理によって記録媒体104に新たな画像データが書き込まれたと判断し、以下の画像転送処理を行う。
【0041】
なお、本実施形態では、記録媒体104に新たな画像データが書き込まれたか否かを、CPU201は、デジタルカメラ100に対して撮像開始要求を送信することにより判断する場合について説明したが、他の方法で判断することも可能である。例えば、デジタルカメラ100とPC200が有線接続されている間、制御部105は定期的に記録媒体104に対してコマンドを送信することにより、記録媒体104に新たな画像データが書き込まれたかを判断し、その情報をPC200に伝送すればよい。
【0042】
S406で、CPU201は受信した画像情報に含まれる記録媒体の情報が「無線通信機能付き」であるか判断する。CPU201は、記録媒体の情報が「無線通信機能無し」である場合(即ち、通常の記録媒体である場合)だけ、S602で送信した撮像要求によって撮像された画像データを取得するための画像転送要求を有線接続でデジタルカメラ100へ送信する(S408)。そして、デジタルカメラ100から有線接続で転送されてきた画像データを、画像転送アプリケーションに設定されている保存先へ保存する(S409)。
【0043】
S410で有線接続、無線接続での保存処理に関わらず、CPU201はデジタルカメラから転送処理の完了を受信すると画像転送処理を終了する。
【0044】
このように、本実施形態の情報処理装置は、無線通信機能付きの記録媒体がデジタルカメラに装着されて有線接続された場合には、有線接続による画像の取得を行わない。これにより、無線通信機能付きの記録媒体が無線接続で自動転送した画像データを、有線接続で再び取得することを防止できる。
【0045】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
本実施形態は、実施形態2において、無線通信機能付きの記録媒体が自動転送可能なデータ形式が限定されている場合の画像転送処理に関する。
【0046】
実施形態3のデジタルカメラ100とPC200との間で行われる画像転送処理について、図6に示すデジタルカメラ100側の処理のフローチャートと、図7に示すPC200側の処理のフローチャートを用いて説明する。
なお、図7及び図8において実施形態1及び2と同じ処理を行うステップについては、図3〜図6と同じ参照数字を付して重複する説明を省略し、本実施形態において特徴的なステップの説明にとどめる。
【0047】
(デジタルカメラ側処理)
S504で記録媒体104が無線通信機能を備えると判断された場合、制御部105はさらにS701で撮像された画像データの記録ファイル形式が、記録媒体104が無線接続で転送するファイル形式に設定されているファイル形式かを判断する。
撮像された画像データの記録ファイル形式が、無線接続で送信不可能なファイル形式に設定されているファイル形式であった場合、実施形態2と同様に制御部105は有線接続で画像転送処理を行わない。このとき記録媒体104は、無線接続でPC200へ画像データを転送し、転送された画像データは無線接続で設定されているデータの保存先に保存される。また、撮像された画像データの記録ファイル形式が無線接続で転送するファイル形式に設定されているファイル形式ではなかった場合、記録媒体104が無線通信機能を有していても、有線接続で画像データの転送を行う(S308、S309)。
【0048】
(PC側処理)
S406で、CPU201は画像情報に含まれる記録媒体の情報が「無線通信機能付き」であると判断すると、S407で画像転送アプリケーションでの画像データの保存先を無線接続で受信したデータの保存先に設定されている保存先に変更する。
【0049】
S801で、CPU201は画像情報に含まれる、記録ファイル形式の情報が、無線接続機能付きの記録媒体で転送可能なファイル形式を示しているかの形式判断を行う。
記録ファイル形式が、無線接続で自動転送するファイル形式であった場合、CPU201は実施形態2と同様に画像転送処理を行わずにS410で転送処理の完了を受信するまで処理を待機する。また、記録ファイル形式が、無線接続で自動転送しないファイル形式であった場合、CPU201は有線接続で画像データの受信を行う(S308,S309)。
【0050】
実施形態2及び3のPC200側の処理では、PC200の画像転送アプリケーションから撮像開始要求を送信することで、CPU201は新たな画像データが記録媒体104内に書き込まれたと判断して、その後のステップの画像転送処理を行った。しかし、画像転送アプリケーションが記録媒体104に新たな画像データが書き込まれたことを検出する機能を持つことで、有線接続したときにデジタルカメラ100のシャッターボタンを押下して撮像した画像データに関しても、本発明の画像転送処理を適用できる。また、デジタルカメラ100が記録媒体104に新たな画像データが書き込まれたことを検出してPC200に伝達しても、同様に本発明の画像転送処理を適用できる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態よれば、次のような処理を行う。撮像して得られた画像データの記録ファイル形式が無線接続で自動転送可能なファイル形式でないときは、記録媒体が無線通信機能を備えていても有線接続で画像データを取得し、無線接続で受信した画像データと同じ保存先に保存する。一方、記録ファイル形式が無線接続で自動転送可能な形式であるときは、無線接続で受信する。そのため、実施形態1、2の効果と同様の効果を実現できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された外部機器から受信したデータを第1の保存先に保存する通信手段、を備える情報処理装置であって、
前記通信手段に接続された外部機器が、無線通信機能を備える記録媒体を有するか否かを判断する判断手段と、
前記通信手段で前記外部機器から受信したデータの保存先を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記判断手段により、前記外部機器が前記無線通信機能を備える記録媒体を有すると判断された場合は、前記外部機器が有する前記無線通信機能を備える記録媒体が前記無線通信機能によって送信したデータを保存するための第2の保存先の情報を取得し、前記通信手段で前記外部機器から受信したデータを、前記第2の保存先に保存するように制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記通信手段は、前記外部機器に対してデータの転送要求を行うことにより前記データを受信し、
前記判断手段により、前記外部機器が前記無線通信機能を備える記録媒体を有すると判断された場合、前記無線通信機能を備える記録媒体に記録されているデータについて、既に前記無線通信機能により送信されているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記通信手段は、前記判定手段で既に前記無線通信機能により送信されているデータについては前記外部機器に対して転送要求を行わないことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記第2の保存先に保存されたデータの情報と、前記無線通信機能を備える記録媒体に記録されているデータの情報とを比較して、前記無線通信機能を備える記録媒体に記録されているデータについて、既に前記無線通信機能により送信されているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記無線通信機能を備える記録媒体に記録されているデータに含まれる、既に前記無線通信機能により送信されたか否かの情報を参照して、前記無線通信機能を備える記録媒体に記録されているデータについて、既に前記無線通信機能により送信されているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通信手段は、前記外部機器に対してデータの転送要求を行うことにより前記データを受信し、
前記無線通信機能により送信不可能なデータ形式が定められている場合、前記通信手段は、前記無線通信機能を備える記録媒体に記録されているデータのうち、前記送信不可能なデータ形式のデータの転送要求を前記外部機器に対して行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判断手段は、前記外部機器から受信したデータに、当該受信したデータが記録されている記録媒体が無線通信機能を備える記録媒体であるとの情報が含まれる場合、前記外部機器が前記無線通信機能を備える記録媒体を有すると判断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記外部機器は、撮像装置またはメモリカードリーダであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
接続された外部機器から受信したデータを第1の保存先に保存する通信手段、を備える情報処理装置の制御方法であって、
判断手段が、前記通信手段に接続された外部機器が、無線通信機能を備える記録媒体を有するか否かを判断する判断工程と、
制御手段が、前記通信手段で前記外部機器から受信したデータの保存先を制御する制御工程と、を備え、
前記制御工程において前記制御手段は、前記判断工程で、前記外部機器が前記無線通信機能を備える記録媒体を有すると判断された場合は、前記外部機器が有する前記無線通信機能を備える記録媒体が前記無線通信機能によって送信したデータを保存するための第2の保存先の情報を取得し、前記通信手段で前記外部機器から受信したデータを、前記第2の保存先に保存するように制御することを特徴とする情報処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−147034(P2011−147034A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7442(P2010−7442)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】