説明

手動式確動ロックと、回転解除及び自動リセット機構とを有する電気作動シャフト・ブレーキ

装置20は、電気的作動ブレーキ37及び手動操作される補助ブレーキ27を有する。この電気的作動ブレーキは、コイル70と、コア68と、接極子69と、ハウジングと接極子の間で圧縮されるように配置される摩擦パッド74とブレーキ・ディスク75の交互する1組とを含む。このシャフト・ブレーキ27は、ハウジングに搭載されるカラー22と、シャフトに搭載される第1のインターロック部分110と、シャフトを取り囲む、かつ第2のインターロック部分85を有する環状部材84と、この部材をシャフトに向かって移動させるように押しやるばね124とを含む。このカラーは、第1及び第2のインターロック部分が互いに物理的に係合する第1の位置(図14)と、第1及び第2のインターロック部分が互いに物理的に分離される第2の位置(図13)との間を、ハウジングに対して選択的に移動するようになされている。このシャフトは第1のシャフト部分と第2のシャフト部分25、26と、2つのシャフト部分が互いに対して相対的に回転させられるときブレーキ機構を自動的に解放し、2つのシャフト部分がそれらの当初のゼロ位置に移動して戻されるとき、自動的にブレーキ機構を再係合させるカム機構とを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に回転シャフトを有する機械装置に関し、より詳しくはそのような機械装置に使用するための、手動操作可能な確動ロックと、回転解除及び自動リセット機構とを有する改良された電気作動シャフト・ブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
時として、シャフトのためのブレーキを設けることが必要である。
【0003】
ある場合には、このブレーキを電気的に作動させることが望ましい。この目的のために、電気的に作動するブレーキが設けられてきている。これらは一般に、ハウジング又は本体、その上に搭載されるコイル、及びこのコイルが通電されるとき選択的に移動可能な接極子を含んできた。ばねなどの弾力性のある部材が接極子をコイルから離れて移動するように付勢する。摩擦パッドとブレーキ・ディスクの交互する1組が、接極子とハウジングの間に動作状に配置され、コイルの通電が切られたとき圧縮されるように配置される。このパッド及びディスクのうちの1つは回転シャフトに連結され、パッド及びディスクの他方はハウジングに連結される。故にコイルの通電が切られるとき、ばねが接極子を押しやり摩擦ブレーキを圧縮し、シャフトにブレーキを掛ける。ある場合には、シャフトを手動で回転させること、又は電力なしでシャフトを駆動することが必要になる。
【0004】
ある場合には、シャフトをハウジングに確動的にロックする補助ブレーキを設けることが極めて望ましいであろう。そのような補助ブレーキは、シャフト及びハウジングがかなりの振動を受ける場合にも有効であるべきである。シャフトが電力がなく最早回転させられていないとき、故障又は機械破損を防止するためにシャフトを自動的にロックするための必要性も存在する。したがって、手動操作される確動ロックを有する、且つ回転解除及び自動リセット機構を有する電気作動シャフト・ブレーキの長年にわたる必要性が存在してきたと考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の一般的な目的は、手動シャフト・ブレーキ・インターロックを有する電磁ブレーキを提供することである。
【0006】
別の目的は、改良されたシャフト・ブレーキを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
単に説明の目的のための且つ限定の目的ではない開示された実施例の対応する部品、部分又は表面に対する挿入句的な参照によって、本発明は、ハウジング(21)内に回転用に搭載されるシャフト(24)の部分を有する装置(20)における改良された装置を概括的に提供する。
【0008】
この改良された装置は、ハウジングに対するシャフトの回転を防止するために選択的に係合するようになされ、且つハウジングに対するシャフトの回転を可能にするように選択的に係脱するようになされたシャフト・ブレーキ(27)であって、このブレーキが、ハウジングに対する組み合わされた軸方向及び回転移動のためにハウジングに搭載されるカラー(22)と、シャフトに搭載される第1のインターロック部分(110)と、シャフトを取り囲み、且つハウジングに対する回転ではなく軸方向移動のためにハウジングに搭載される環状部材(84)であって、第1のインターロック部分に向かって面するように配置される第2のインターロック部分(85)を有する環状部材(84)と、この部材とシャフトの間で作動し、第1のインターロック部分に向かって移動するように第2のインターロック部分を押しやるばね(124)とを含むブレーキを概括的に備え、このカラーは、(図14に示すように)ハウジングに対するシャフトの回転を防止するために第1及び第2のインターロック部分が互いにインターロックされる第1の位置と、(図13に示すように)シャフトがハウジングに対して回転するのを可能にするために第1及び第2のインターロック部分が互いに物理的に分離される第2の位置との間を、ハウジングに対して選択的に移動するようになされている。
【0009】
この第1及び第2のインターロック部分は、フェイス・スプライン部分、又は機械的インターロックの何か他の型式のものであることができる。
【0010】
このカラーは、螺旋連結によってハウジングに搭載することができる。カラーは、掴まれ、補助ブレーキを選択的にロックし且つロック解除するためにハウジングに対して手動で移動させるようになされることができる。
【0011】
この部材(84)は、キー及びスプライン連結のうちの1つによってハウジングに搭載するようになされることができる。
【0012】
このばね(124)は、波形ばね、皿ばね・スタック(Belleville spring stack)等であることができる。
【0013】
この装置は、シャフトとハウジングの間の相対的な回転を可能にし、且つ防止するように選択的に作動するようになされた電気的作動ブレーキ(37)も含むことができる。ハウジングは、第1の当接表面(47)と対向する第2の当接表面(72)を有することができる。この電気的作動ブレーキは、ハウジングに搭載されるコイル(70)と、ハウジングの第1の当接表面に向かって且つ表面から離れて移動するようにハウジングに搭載される接極子(69)と、ハウジングと接極子の間で作動し、ハウジングの第1の当接表面から離れて移動するように接極子を押しやる弾力性のある部材(73)と、第1のシャフトを取り囲み、ハウジングに対する回転ではなく軸方向移動のためにハウジングに搭載される環状ハブ(77)と、接極子とハウジングの第2の当接表面の間に位置決めされる摩擦パッド(74)とブレーキ・ディスク(75)の交互する1組であって、コイルに通電されるときシャフトとハウジングの間の相対的な移動が可能になるように接極子がハウジングの第1の当接表面に向かって移動し、且つコイルの通電が切られるとき、摩擦パッドとブレーキ・ディスクの交互する1組を接極子とハウジングの第2の当接表面の間で圧縮されるようにさせるために弾力性のある部材が拡大するであろうように、パッド及びディスクのうちの1つがハブと一緒に移動するようにハブに連結され、パッド及びディスクのうちの他方がハウジングに連結される、摩擦パッドとブレーキ・ディスクの交互する1組とを含むことができる。
【0014】
このシャフト(24)は、第1の部分(25)と第2の部分(26)を含むことができる。第1のインターロック部分(110)は、シャフト第1の部分に搭載することができ、ハブ(77)はシャフト第2の部分を取り囲むことができる。
【0015】
この装置は、第1と第2のシャフト部分の間のいくらかの相対的な回転を可能にするように、第1と第2のシャフト部分の間で作動する複数のカム(125)とフォロア(126)とをさらに備えることができる。コイルの通電が切られ、且つシャフト部分が互いに対して相対的に移動させられるとき、弾力性のある部材(73)によって摩擦パッドとディスクの交互する1組に加えられる圧縮力を減らすようにこのフォロアがカムに沿って移動する。これによって、2つのシャフト部分がそれらの相対的な角度ゼロの位置に戻るとき、摩擦パッドとディスクは自動的に再係合することができる。好ましい形態では、第1のシャフトの末端端部部分は6角形の外形を有し、コイルの通電が切られるとき、ハウジングに対して手動で回転させるようになされている。
【0016】
これらの及び他の目的及び利点は、前述の且つ進行中の成文の明細書、図面、及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【実施例】
【0017】
最初に同様な参照番号は同じ構造要素、部分又は表面を、そのような要素、部分又は表面が、この詳細な説明がその一体化した部分である成文の明細書全体によってさらに説明され又は明らかにされる可能性があるので、いくつかの図面の図を通して一貫して特定するように意図されていることを明瞭に理解されたい。そうではないと指示されない限り、図面は明細書と一緒に読まれる(例えば、クロスハッチング、部品の配列、割合、角度、等)ことが意図されており、本発明の成文の説明全体の一部分とみなされるべきである。以下の説明で使用されるとき、用語「水平」、「垂直」、「左」、「右」、「上」及び「下」、並びにそれらの形容詞的及び副詞的派生語(例えば、「水平に」、「右向きに」、「上向きに」等)は、特定の図面の図が読者に面するときの図示される構造体の向きを単に指す。同様に、用語「内向きに」及び「外向きに」は一般に、必要に応じて延伸のその軸、又は回転の軸に対する表面の向きを指す。
【0018】
次に図面を参照すると、本発明は、手動操作可能な確動ロック又は補助ブレーキ、及び回転解除及び自動リセット機構を組み込んだ改良された電気的作動シャフト・ブレーキを概括的に提供する。この改良された装置は図1、4、7、13及び14の20のところに全体的に示され、ハウジング21と、カラー22と、保護キャップ23及びツーピース・シャフト24とを概括的に含むとして示されている。組み立てられたシャフトは、左向きの第1の部分25と右向きの第2の部分26とを含むとして示されている。
【0019】
図8に最もよく示されるように、このハウジングは、環状の垂直左端部面28と、環状の垂直右端部面29と、(左から右に):左端部面28の外側末端から右向きに延びる水平の円筒状表面30と、左向きに面する環状垂直表面31と、水平円筒状表面32と、左向きに面する環状垂直表面33と、右端部表面29の外側末端と結びつくようにそこから右向きに続く水平円筒状表面34とを順番に含む外側表面とを有する、水平に細長い特別な形態の筒状部材である。表面33、34、29は、複数の円形に間隔の開いた取り付け穴が設けられる外向きに延びる環状フランジを形成する(図5〜6)。
【0020】
ハウジングは段付きの軸方向貫通穴を含み、それは(図8の左から右に):左端部面28の内側末端から右向きに延びるスプラインの切られた表面35と、右向きに面する環状垂直表面36と、水平円筒状表面38と、右向きに面する環状垂直表面39と、水平円筒状表面40と、内側にネジ切りされた部分41と、右端部面29の内側末端と結びつくようにそこから右向きに続く水平円筒状表面42とを順番に含む。1対の軸方向に間隔の開いた溝が、43に別々に示される1対のベアリングを受け且つ収容するように外側表面30からハウジング内に半径方向に延び、それを使用してカラーが摺動可能に且つ回転的にハウジングに搭載される。これら2つの環状溝の間に、ハウジングには、各々が約90°の円弧距離を占める、44に別々に示される3つの別個の円形に間隔の開いた螺旋溝が設けられる。図5に最もよく示されるように3本のピン45が、それらの内側の末端端部部分が溝44内に受けられるように、カラーに搭載される。各ピンは、円筒状スリーブによって取り巻かれるとして示されている。図1及び2に明瞭に示すように、カラーが掴まれハウジングに対して回転させられるとき、カラーがハウジングに対して複合の回転及び軸方向移動を受けるであろうように、これらの溝は螺旋である。
【0021】
次に図8に注意を向けると、このカラーも、環状の垂直左端部面46と、環状の垂直右端部面48と、(左から右に):左端部面46の内側末端から右向きに延びる水平の円筒状表面49と、右向きに面する環状垂直表面50と、及び右端部面48の内側末端と結びつくようにそこから右向きに続く水平円筒状表面51とを順番に含む内側表面とを有する、水平に細長い特別な形態の筒状部材であるとして示されている。このカラーの外側表面は、(やはり左から右に):左端部面46の外側末端から右向きに延びる外側にネジ切りされる部分52と、左向きに面する環状垂直表面53と、右端部面48の外側末端と結びつくようにそこから右向きに続く水平円筒状表面54とを含む。円筒状部材55は、表面54に適切に固定することができる。この円筒状部材55は、カラー左端部面53の続きであるように見える環状垂直左端部面56と、カラー右端部面48の延長部であるように見える環状垂直右端部面58と、刻み付き外側表面59とを有するとして示されている。前に示したようにこのカラーは、螺旋溝44内に受けられているピン45を使用するハウジングに対する複合の軸方向及び回転移動のために搭載される。カラーとハウジングの間のそのような相対的な動きは、ベアリング43によって許容される。
【0022】
さらに主として図8を参照すると、保護カバー23が、円形の垂直左端部面60と、環状の垂直右端部面61と、左端部面60と右端部面61の外側末端間を延びる外側円筒状表面62と、右向きに面する円形垂直表面63を含む内側表面と、水平円筒状表面64と、右端部面61の内側末端端部と結びつくようにそこから右向きに続く内側にネジ切りされた部分65とを有するキャップ形状部材であるとして示されている。保護カバーのネジ切りされた部分65は、ハウジングのネジ切りされた部分52と対合するようになされている。Oリング66が保護キャップの右端部とカラーの間に配置される。
【0023】
次に図7を参照すると、このブレーキの電気的部分は、ハウジングとの係合になるようにクランプされた環状コア68と、環状のプレートのような接極子69と、コア内に配置されるコイル70とを含む。このコアは左向きに面する第1の当接表面71を有し、ハウジングは水平的に間隔を開けて面する、対向する第2の当接表面72を有する。別々に73に示される複数のばねがコア及び接極子の間で作動し、組み立てられたコア及びハウジングに対して左向きに移動するように連続的に接極子を押しやる。複数の摩擦パッド74及びブレーキ・ディスク75が接極子とハウジングの第2の当接表面72の間に動作的に配置される。摩擦パッド74はスプライン結合を介してラグ77に連結される。これらは、キー又はスプライン結合によってラグに連結することができ、又は多角形の外側直径で留めることができる。ディスクは、ボルト76を介してハウジングに搭載される(図11)。したがってコイルの通電が切られるとき、ばね73が拡大し接極子69をハウジングに対して左向きに移動させるように押しやり、摩擦パッドとブレーキ・ディスクの交互する1組をハウジングの第2の当接表面72と接極子の間で圧縮する。次いでこれが、シャフト24の回転にブレーキ作用を加える。別法として、コイルが通電されるとき、接極子69はハウジングに対して右向きに引っ張らればね73を圧縮する。これが接極子とハウジングの第2の当接表面の間のパッドとブレーキ・アセンブリの摩擦の荷重を除き、シャフトのハウジングに対する回転を可能にする。
【0024】
次に図9を参照するとラグ77が、環状の垂直左端部面78と、環状の垂直右端部面79と、外側表面であって、左端部面78の外側末端から右向きに延びるスプラインの切られた部分80と、右向きに面する環状垂直表面81と、及び右端部面79の外側末端と結びつくようにそこから右向きに続く水平円筒状表面82とを順番に含む外側表面とを有する、水平に細長い特別な形態の部材であるとして示されている。ラグ77は、以下で説明するように、第2のシャフト上の対応するスプラインの切られた部分116と対合するようになされたスプラインの切られた内側表面83を有する。したがって、ラグ77は、シャフトに対する軸方向移動のために搭載されるが、シャフトと一緒に回転移動するように連結される。
【0025】
次に図8を参照すると、部材84がハウジングの左末端端部部分内に摺動可能に搭載される。この部材は、環状の垂直左端部面85と、環状の垂直右端部面86と、それらの間を延びるスプラインの切られた部分87を含む外側表面と、且つ:左端部面85の内側末端から右向きに延びる円筒状表面88と、右向きに面する環状垂直表面89と、右端部面86の内側末端と結びつくようにそこから右向きに続く水平円筒状表面90とを順番に含む段付きの軸方向貫通穴とを有する、水平に細長い特別な形態の部材であるとして示されている。
【0026】
次に図10を参照すると、集合シャフト24が左向き又は第1の部分25及び右向き又は第2の部分26を有するとして示されている。これら2つの部分は、軸x−xに沿って位置合わせされ、第2のシャフト部分26の左末端端部部分が、第1のシャフト部分の右端部面からその中に左向きに延びる凹部内に受けられている。
【0027】
より具体的には、シャフト第1の部分25は、円形の垂直左端部面91と、環状の垂直右端部面92と、(左から右に):左端部面91の外側末端から右向きに延びる水平の円筒状表面93と、左向きに面する環状垂直表面94と、水平の円筒状表面95と、左向きに面する環状垂直表面96と、水平の円筒状表面98と、左向きに面する環状垂直表面99と、右端部面92の外側末端と結びつくようにそこから右向きに続く水平円筒状表面100とを順番に含む段付きの外側表面とを有する、特別な形態の水平に細長い部材であるとして示されている。段付きの軸方向盲穴が、シャフト第1の部分25の右端部面92からシャフト第1の部分内に左向きに延びる。この穴は:右端部面92の内側末端から左向きに延びる水平の円筒状表面101と、環状垂直表面102と、右向きに面する円形底部表面104と結びつくようにそこから左向きに続く水平円筒状表面103とによって順番に結合される。シャフト第1の部分25は中実の部材であるとして示され、環状固定部材106をシャフトに固定するのに使用することができるピン105を受け且つ収容するための直径方向の貫通穴が設けられている。この固定部材は、環状の垂直左端部面108と、外向きに面する水平円筒状表面109と、環状垂直右面110とを有するとして示されている。溝111が、図7に示すように適切なベアリングを受け且つ収容するために、部材の外側表面109から部材内に半径方向に延びる。
【0028】
シャフト第2の部分26は、環状の垂直左端部面112と、(左から右に):左向きに且つ外向きに面する円錐台表面113と、水平の円筒状表面114と、左向き且つ上向きに面する円錐台表面115と、スプラインの切られた部分116と、水平の円筒状表面118と、左向き且つ外向きに面する円錐台表面119と、そこから右向きに続く水平円筒状表面120とを順番に含む外側表面とを有する、水平に細長い中実部材であるとして示されている。シャフト右部分26の左向き末端端部部分は、摺動ベアリング121によって第1のシャフト部分の盲凹部内に摺動可能に受けられる。
【0029】
この装置は、ハウジングとシャフト外側表面95の間で作動するベアリング・アセンブリ122を伴って、図7に示すように組み立てられる。このベアリングの左にワッシャーのような部材123がある。124に集合的に示す波形ばね(又は、別法として、皿ばね・スタック)が、ワッシャーのような部材123と部材84の表面89の間に動作的に配置される。この波形ばねは圧縮され、ハウジングに向かって相対的に左向きに移動するように部材84を絶えず押しやる。
【0030】
図1及び11〜14に最も良く示されるように、部材84の表面85、及び固定部材106の表面110は共に、フェイス・スプラインの部分などの、協働するインターロック部分が設けられている。図10に最も良く示されるように、シャフト第1の部分25の右端部面92は、ラグ77の左端部面78に当接するように配置される。図6の125のところに示すような複数のカム凹部が、シャフトの軸周りに円形に配置される。凹部125は、第1のシャフトとキーの両方に設けられ、126のところに別々に示される複数のボールをその間に受け且つ収容するのが好ましい。これらのカムとボールは、シャフト間のいくらかの相対的な移動を可能にする。しかしながらこの相対的な回転が起きるとき、ボールはそれぞれのカムに乗り上がり、ラグ77を右向きに変位させ、それによって圧縮された摩擦ディスク・スタックの荷重を除く。
【0031】
したがって、本発明はハウジング内に回転のために搭載されるシャフト(24)の部分を有する装置(20)の改良された装置を概括的に提供する。この改良された装置は、ハウジングに対するシャフトの回転を防止するように選択的に係合するようになされ、且つハウジングに対するシャフトの回転を可能にするように選択的に係脱するようになされたシャフト・ブレーキ(27)を概括的に備える。このブレーキは、ハウジングに対する組み合わされた軸方向及び回転可能な移動のためにハウジングに搭載されるカラー(22)と、シャフトに搭載される第1のインターロック部分(110)と、シャフトを取り囲み且つハウジングに対する回転ではなく軸方向移動のためにハウジングに搭載される環状部材(84)であって、第1のインターロック部分に向かって面するように配置される第2のインターロック部分(85)を有する部材と、部材とシャフトの間で作動し、第1のインターロック部分に向かって移動するように第2のインターロック部分を押しやるばね(124)とを概括的に含み、このカラーは、(図14に示すような)ハウジングに対するシャフトの回転を防止するために第1及び第2のインターロック部分が互いにインターロックされる第1の位置と、(図13に示すような)シャフトがハウジングに対して回転するのを可能にするために第1及び第2のインターロック部分が互いに物理的に分離される第2の位置との間を、ハウジングに対して選択的に移動するようになされている。この装置は、任意の電気的作動ブレーキ(37)と別個に、又はそれと共に使用することができる。
【0032】
変更例
本発明は、多くの変更及び改変を加えることができることを明瞭に企図している。例えば、機械的ブレーキを電気的作動ブレーキと共に使用することができ、或いは別個に使用することができる。様々な部品及び表面の形状及び形態は、所望どおり容易に変更することができる。構造体の材料は重要であるとはみなされない。実際、本明細書で開示された好ましい実施例の詳細の多くは、その実施例に独特のものであり、変更することができる。したがって、改良された装置の現在の好ましい形態が示され且つ説明され、いくつかのそれらの改変が論じられてきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義され且つ識別される本発明の趣旨から逸脱することなく様々な追加の変更及び改変を行うことができることを容易に理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による、手動操作可能な補助ブレーキ又は確動ロックを組み込んだ改良された電気的作動シャフト・ブレーキの分解等角投影図である。
【図2】図1に示す分解されたシャフト・ブレーキ・アセンブリの側面図である。
【図3】補助ブレーキの分離されたフェイス・スプライン部分を示す、図2の線3−3に全体的に沿った、シャフト・ブレーキ・アセンブリの部分横断方向垂直断面図である。
【図4】図1に示す組み立てられた装置の部分長手方向垂直断面図である。
【図5】図4の線5−5に全体的に沿った、且つカラーとハウジングの間の螺旋連結を主として示す、組み立てられた装置の部分横断方向垂直断面図である。
【図6】図4の線6−6に全体的に沿った、且つ第1と第2のシャフト部分の間に配置されるカム表面とフォロア・ボールを示す、組み立てられた装置の部分横断方向垂直断面図である。
【図7】図4に示す組み立てられた装置の大きく拡大された長手方向垂直断面図である。
【図8】ハウジング、カラー、保護カバー及び部材の、全体的な組み合わせから離れてこれらの部品の構造を主として示す部分長手方向垂直断面図である。
【図9】ハブの部分長手方向垂直断面図である。
【図10】2つのシャフト部分を示す、シャフトの部分長手方向垂直断面図である。
【図11】ハブと第2のシャフトの間のスプライン連結を示す、且つ部材を付勢するばねが省略された、第2のシャフトとの関連でフェイス・スプラインを担持する部材を示す、組み立てられた装置の部分的に断面の且つ部分的に外形の等角投影切欠き図である。
【図12】部材を取り囲む構造体の、図11の指示される部分内でとらえた、部分的に断面の且つ部分的に外形の拡大等角投影切欠き図である。
【図13】図1に示す装置の、且つ補助ブレーキがロック解除されたときの装置の連結を示す、部分的に断面の且つ部分的に外形の概略図である。
【図14】図12と同様であるが、補助ブレーキがロックされたときの装置の状態を示す、やはり部分的に断面の且つ部分的に外形の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に回転のために搭載されるシャフトの部分を有する装置において、
前記ハウジングに対する前記シャフトの回転を防止するように選択的に係合するようになされ、且つ前記ハウジングに対する前記シャフトの回転を可能にするように選択的に係脱するようになされたシャフト・ブレーキであって、
前記ハウジングに対する組み合わされた軸方向及び回転移動のために前記ハウジングに搭載されるカラーと、
前記シャフトに搭載される第1のインターロック部分と、
前記シャフトを取り囲む、且つ前記ハウジングに対する回転ではなく軸方向移動のために前記ハウジングに搭載される環状部材であって、前記第1のインターロック部分に向かって面するように配置される第2のインターロック部分を有する環状部材と、
前記部材と前記シャフトの間で作動し、前記第1のインターロック部分に向かって移動するように前記第2のインターロック部分を押しやるばねとを含むシャフト・ブレーキを備え、
前記カラーが、前記ハウジングに対する前記シャフトの回転を防止するために前記第1及び第2のインターロック部分が互いにインターロックされる第1の位置と、前記シャフトが前記ハウジングに対して回転するのを可能にするために前記第1及び第2のインターロック部分が互いに物理的に分離される第2の位置との間を、前記ハウジングに対して選択的に移動するようになされた、改良された装置。
【請求項2】
前記第1及び第2のインターロック部分がフェイス・スプライン部分である、請求項1に記載の改良された装置。
【請求項3】
前記カラーが螺旋連結によって前記ハウジングに搭載される、請求項1に記載の改良された装置。
【請求項4】
前記カラーが掴まれ、且つ前記ハウジングに対して手動で移動するようになされた、請求項1に記載の改良された装置。
【請求項5】
前記部材がキー連結とスプライン連結のうちの1つによって前記ハウジングに搭載されるようになされた、請求項1に記載の改良された装置。
【請求項6】
前記ばねが波形ばねと皿ばね・スタックのうちの1つである、請求項1に記載の改良された装置。
【請求項7】
前記装置が、前記シャフトと前記ハウジングとの間の相対的な回転を選択的に防止するようになされた電気的作動ブレーキも含む、請求項1に記載の改良された装置。
【請求項8】
前記ハウジングが第1の当接表面と対向する第2の当接表面を有し、
前記電気的作動ブレーキが、
前記ハウジングに搭載されるコイルと、
前記ハウジングの第1の当接表面に向かって且つ表面から離れて移動するように前記ハウジングに搭載される接極子と、
前記ハウジングと前記接極子の間で作動し、前記ハウジングの第1の当接表面から離れて移動するように前記接極子を押しやる弾力性のある部材と、
前記第1のシャフトを取り囲む、且つ前記ハウジングに対する回転ではなく軸方向移動のために前記ハウジングに搭載される環状ハブと、
前記接極子と前記ハウジングの第2の当接表面の間に位置決めされる摩擦パッドとブレーキ・ディスクの交互する1組であって、前記コイルが通電されるとき、前記シャフトと前記ハウジングの間の相対的な移動が可能になるように前記接極子が前記ハウジングの第1の当接表面に向かって移動させられ、且つ前記コイルの通電が切られるとき、前記摩擦パッドとブレーキ・ディスクの交互する1組が前記接極子と前記ハウジングの第2の当接表面の間で圧縮されるようにするために前記弾力性のある部材が拡大するように、前記パッド及び前記ディスクのうちの1つが前記ハブと一緒に移動するように前記ハブに固定され、前記パッド及び前記ディスクの他方が前記ハウジングに連結される、摩擦パッドとブレーキ・ディスクの交互する1組とを含む、請求項7に記載の改良された装置。
【請求項9】
前記シャフトが第1の部分と第2の部分を含む、請求項8に記載の改良された装置。
【請求項10】
前記第1のインターロック部分が前記シャフト第1の部分に搭載される、請求項9に記載の改良された装置。
【請求項11】
前記ハブが前記シャフト第2の部分を取り囲む、請求項9に記載の改良された装置。
【請求項12】
前記第1と前記第2のシャフト部分の間のいくらかの相対的な回転を可能にするように、前記第1と前記第2のシャフト部分の間で作動するカムとフォロアとをさらに備える、請求項9に記載の改良された装置。
【請求項13】
前記コイルの通電が切られ、且つ前記シャフト部分が互いに対して相対的に移動するとき、前記弾力性のある部材によって前記摩擦パッドとディスクの交互する1組に加えられる圧縮力を減らすように、前記フォロアが前記カムに沿って移動する、請求項12に記載の改良された装置。
【請求項14】
前記コイルの通電が切られるとき、前記第1のシャフトの末端端部部分が前記ハウジングに対して手動で回転するようになされた、請求項13に記載の改良された装置。
【請求項15】
前記2つのシャフト部分がその間の当初のゼロ位置に向かって移動して戻されるとき、弾力性のある部材が前記圧縮力を再度加える、請求項12に記載の改良された装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−530572(P2009−530572A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519440(P2009−519440)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/013722
【国際公開番号】WO2008/153519
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(501188177)ムーグ インコーポレーテッド (24)
【Fターム(参考)】