拡張可能なカメラ支持安定化装置
オペレータから離れて位置決めされて安定して支持される機器を方向付けて利用するために使用される支持システムが開示される。支持システムは、マスタ端とスレーブ端とを有するバランスポールを有している。マスタ構成要素質量が、マスタジンバル装置を有するマスタスレッド上でバランスポールのマスタ端に接続されてマスタ端でバランスがとられ、スレーブ構成要素質量が、スレーブジンバル装置を有する支持構造上又はスレーブスレッド上でバランスポールのスレーブ端に接続されてスレーブ端でバランスがとられる。第3ジンバルがバランスポールのバランス中心でバランスポールに取り付けられる。システムは、マスタスレッドの方向がスレーブスレッドによって模倣されるようにマスタジンバルの運動を再現する機構をスレーブジンバルに有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、両出願とも拡張可能なカメラ安定化支持装置の発明の名称である2008年11月14日出願の米国特許仮出願第61/114,709号及び2008年12月4日出願の米国特許仮出願第61/119,921号に基づいており、かつ、それらの優先権を主張するものである。
【0002】
本発明はカメラ及び他の同様の装置のための安定化装置に関する。特に、本発明の実施形態は、典型的には体装着型であり、すべてのタイプの地形に対して滑らかな移動撮影を作り出すように設計される拡張可能なカメラ安定化装置に関する。
【背景技術】
【0003】
体装着型のカメラ安定化装置は、典型的には、その重心に3軸ジンバルを有するカメラ機器支持システムを備えている。支持構造は、関節支持アームに通常は取り付けられており、関節支持アームは同様にオペレータ着用のベストに取り付けられているものの、アームは他方の固定構造又は可動構造に装着されてよい。これらの装置は、カメラや他の装置を支持して、歩く、走る、又は移動するオペレータ、車両、又はオペレータ及び車両の組み合わせの所望されていない動きからカメラや他の装置を分離するように設計されている。こうした装置の一般的な例は、Steadicam(ステディカム:登録商標)の商標で販売されているものである。
【0004】
スレッド(sled)として従来知られている体装着型安定化装置のカメラ支持構造は、慣性安定性を向上させてアクセス可能な位置にバランス中心を位置決めする拡張質量を概して有している。カメラ支持「スレッド」構造は、中心ポストの一端に堅固に装着されたカメラと、ポストの他端に堅固に装着された他の構成部品(ビデオモニタ、バッテリ、焦点機器、マイクロ波伝送機器、カメラ制御ユニット機器、他の電子機器など)とによってほぼ中立的に釣り合いがとられている。従って、ジンバルに隣接するわずかな手の圧力によって任意の方向にカメラの狙いを定めることができる。これらの狙いを定める運動の相互に垂直な方向はパン、チルト及びロールとして明確に参照される。
【0005】
ここで使用されるように、別な方法で特定されない限り、「ロール」は、カメラのレンズにほぼ平行な軸線回りの回転を示しており、「パン」は、カメラ支持中心ポストの中心から下方に延びる軸線回りの回転を示しており、「ロール」の軸線に対して90°の角度をなしている。「チルト」は、レンズの軸線及びパンの軸線の両方に垂直なほぼ水平な軸線回りの回転を示している。
【0006】
カメラ及びモニタは支持構造に堅固に取り付けられているので、水平のカメラ視野を維持している間のカメラの垂直動程は、関節支持アームの最大垂直可動域に制限され、最大垂直可動域は、非連続であるものの「低モード」の32インチ(81.28cm)の重複部分を加えて、標準モードで典型的に32インチ(81.28cm)である。低モードへの変更は、機械的にカメラを取り外して支持構造を逆さにし、カメラごとに異なるいわゆる「低モードブラケット」を介して逆さにした支持構造にカメラを再び取り付けることが必要である。さらに、モニタを逆さにしなければならず、バランスがとられた質量の所望のわずかな底部の重さを回復させるために中心ポストに沿ってジンバルを調節しなければならず、ジンバルとアームとの特別な取付ブラケットを用いなければならず、カメラシステム全体のすべてのケーブルを取り外して再び取り付けなければならない。
【0007】
結局のところ、システムは再びバランスがとらなければならない。この時間集約的な処置を毎回たどらなければならず、低モードから高への変更、又は高モードから低への変更が必要とされる。多くの場合、ディレクターやオペレータにとって非常に残念なことに、時間の制約によって撮影が省略される。
【0008】
低モードの撮影が、支持アームの横方向の適用範囲を制限することに帰する例えば車の幌屋根、フェンス、棒、デスクなどの一種の障害物を乗り越える必要がある場合に、これらの装置のオペレータにとって別の問題が生じる。
【0009】
水平ジャイロの「ロールケージ装着型」カメラ支持体が知られており、「低モード」から「高モード」への連続的な撮影を可能にするこのカメラ支持体は例えば「AR」の商品名で販売されている。しかしながら、低位置から高位置への途中で、「チルト」及び「パン」が、カメラの実際の向きに無関係な安定化装置の中心ポストの非直感的な操作を連続的に必要とするので、これらの装置は極めて操作しにくい。
【0010】
「ポールカム(Pole-Cam)」として販売されているものを含む拡張ポール支持型の遠隔制御カメラマウントが従来知られていて単純に組み立てられるものの、それらは固定三脚支持体に装着されない限り極めて不安定である。
【0011】
従って、オペレータの位置から横方向及び垂直方向の大きな変位に加えて、カメラの制限されない直感的な角度制御を好適に有する例えば撮影などの安定化操作がなされることが可能なように、機器安定化支持体、特に、体装着型のカメラ安定化装置の能力を向上させるとともにそれらの適用範囲及び角度機敏性を拡張する装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
本発明の実施形態は、オペレータから離れて位置決めされて安定化するように支持される機器を方向付けて利用する装置を提供する。本発明の特定の実施形態は、1ポンド(0.4536kg)未満の、又はさらに0.5ポンド(0.2268kg)未満のものを含む軽量のカメラに対して適合性を有する。
【0013】
本発明の例示の実施形態に係る支持システムは、第1(マスタ)端と第2(スレーブ)端とを有するバランスポールを備えている。1以上の第1構成要素質量が、マスタジンバル装置を有する支持構造又はマスタスレッド上でバランスポールのマスタ端に接続されてマスタ端でバランスがとられ、1以上の第2構成要素質量が、スレーブジンバル装置を有する支持構造又はスレーブスレッド上でバランスポールのスレーブ端に接続されてスレーブ端でバランスがとられる。第3ジンバルがバランスポールのバランス中心でバランスポールに取り付けられる。支持システムは、第1ジンバルの運動を再現する機構を第2ジンバルに有する。従って、マスタジンバルの方向はスレーブジンバルによって模倣される。
【0014】
本発明の例示の実施形態では、運動再現機構は、マスタジンバルの1以上の回転軸線回りの回転運動を検出する1以上のセンサと、スレーブジンバルの1以上の回転軸線回りの回転運動を分与するためにスレーブジンバルに機能的に接続される1以上のモータと、を備える。モータは、センサから受信した信号に基づいて回転運動を分与して、第1ジンバルの回転軸線回りの運動を第2ジンバルの回転軸線回りに再現する。本発明の実施形態にはサーボモータを特に適用することができる。
【0015】
第1及び第2ジンバル装置は、各度に関連するモータ及びセンサを有することによって、角度の3つの自由度を提供することができる。本発明の代替の実施形態では、運動再現機構は、1以上の回転軸線回りの回転に関して第2構成要素質量に第1構成要素質量が固定されるようにする1以上の堅固な機械的接続を備えており、その結果、マスタ端での特定の自由度における運動が、センサ/モータシステムを使用せずにスレーブ端で再現される。機械的に同期する自由度は例えば、スレーブ及びマスタ中心ポスト回りの回転、及び/又は、スレーブ及びマスタジンバルによって可能になる回転であり得る。堅固な接続部の具体例はタイロッド、歯付きギア及びプーリ/ベルトを含む。
【0016】
支持システムが、例えば動的バランスポールの形態の堅固な軸線方向接続部を有する場合、バランスポールに接続されるもののバランスポール回りに自由に回転可能であるハンドグリップが用いられ得る。これは、例えば、少なくとも1つの環状ベアリングの使用によって実現され得る。
【0017】
本発明の例示の実施形態では、バランスポールの長手方向軸線回りにそのバランスを集中させるためにバランスポールに関連して、覆い及びステイ構成要素及び/又は調節可能な重りカラーが採用されてよく、その結果、マスタ及びスレーブ(第1及び第2)のバランスのとれた構成要素質量の方向及び/又はバランスが、バランスポールの「撓み」又は円柱の不規則性によって影響されない。
【0018】
本発明の例示の実施形態では、モニタがマスタ端に位置決めされ、カメラがスレーブ端に位置決めされる。本発明のさらに他の例示の実施形態では、カメラはスレーブ端及びマスタ端の両端に位置決めされる。
【0019】
支持システムは、関節アームに取り付けられてよく、さらに関節アームはオペレータのベストに取り付けられてよい。
【0020】
本発明はまた、本発明の実施形態のいずれかに係る支持システムを提供することによって機器のバランスをとって機器を利用する方法を有しており、当該方法は、第1端で相互に第1構成要素質量のバランスをとる工程と、第2端で相互に第2構成要素質量のバランスをとる工程と、バランスポール回りに第2質量に対して第1質量のバランスをとる工程と、バランスポールの長手方向軸線回りにバランスポールのバランスをとる工程と、第1ジンバル装置を運動させて、構成要素質量のおおよそのバランスを維持しつつ第2ジンバル装置でその運動を再現する工程と、を備える。
【0021】
本発明は、詳細な説明が添付の図面に関連して読まれる場合に詳細な説明から最良に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】カメラが吊り下げられた状態の「低モード」で示される従来技術に係るカメラ支持安定化システムを示す図である。
【図2】典型的な従来技術に係る軽量ベストと関節支持アームとを示す正面図である。
【図3】最大レンズ高さに展開される本発明に係る例示の実施形態を示す図である。
【図4】最小レンズ高さに展開される本発明に係る例示の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の例示の実施形態に係るマスタスレッドを示す図である。
【図6】本発明の例示の実施形態に係る3つの回転センサを詳細に説明するマスタスレッドのジンバル部分の拡大図である。
【図7】本発明の例示の実施形態に係る3つのサーボモータ、カメラ及び小型補助モニタ位置を詳細に説明するスレーブスレッドを示す図である。
【図8】オペレータの背後で真っ直ぐ上方に撮影するために展開される本発明の例示の実施形態を示す図である。
【図9】本発明の例示の実施形態に係るマスタスレッド及びスレーブスレッドの間で展開される拡張された特別に長いバランスポールを示す図である。
【図10】マスタスレッド及びスレーブスレッドのジンバルヨークの両方が「動的」バランスポールに堅く接続されて、機械的手段によって軸線方向に同期される、本発明の例示の実施形態を示す図である。
【図11】本発明の例示の実施形態に係る動的バランスポールに機械的に接続されるマスタスレッドジンバルヨークを示す図である。
【図12】本発明の例示の実施形態に係る動的バランスポストに機械的に接続されるスレーブスレッドヨークを示す図である。
【図13】本発明の例示の実施形態に係る動的バランスポールを持ち上げて旋回させるために環状で軸線方向に分離されたハンドグリップを示す図である。
【図14】本発明の例示の実施形態に係る動的バランスポールを持ち上げて旋回させるために環状で軸線方向に分離されたハンドグリップに堅く接続されるオフセットハンドグリップを示す図である。
【図15】本発明の例示の実施形態に係る少数の釣り合い重りと第2回転軸線と連結するタイロッドとを有する他の堅く接続された軽量の実施形態を示す図である。
【図16】複数部分のタイロッドが、本発明の例示の実施形態に係るマスタスレッド及びスレーブスレッドの間でピッチ運動と制限されたパン運動との両方を同期させる、支持システムを示す図である。
【図17】歯付きギア及びベルトがタイロッドと連動してマスタスレッド及びスレーブスレッドの間のピッチ運動及びパン運動を同期させる、本発明の例示の実施形態を示す図である。
【図18】図17に示される実施形態のさらなる詳細を示す図であって、パン運動の同期を有効にするためのギアベルト及びベベルギアによってマスタスレッド及びスレーブスレッドの間の機械的な相互接続を示す図である。
【図19】本発明の例示の実施形態に係るバランスポール内に配置される同期構成要素を有する支持システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
概して、本発明の例示の実施形態は、第2の間隔を空けて配置された「スレーブスレッド」をバランスポールの他端で同期させてパン、チルト及び/又はロールさせる「サーボコントローラ」として(そのバランス中心におおよそジンバルが設けられ、拡張質量によって角度的に不活性にされる)、例えば本質的に安定して制御可能なステディカムタイプのスレッドを採用する。バランスポールは、その自身の重心でその自身のジンバルによって支持される。
【0024】
本発明の例示の実施形態は、取り付けられたバランスポールの時々刻々の方向付けに対してマスタスレッドジンバルが動かされて狙いを定められる際に、マスタスレッドジンバルで3つの相互に垂直な回転を検出するほぼ摩擦のない複数の回転センサを採用する。これらの回転は、その後、バランスポールの反対端に装着される類似のスレーブスレッドジンバルの複数のサーボモータによって再び生成される。これらの「スレーブ」回転の一部は、マスタスレッドのゆっくりとした角度の再びの方向付けによって引き起こされる。マスタスレッドジンバルでの3つのすべての軸線の回転がさらにバランスポール自体の旋回運動及び/又は持ち上げ運動によって引き起こされるのみであるので、他の一部は明白であり、この場合、マスタスレッドの角度位置は変化しないものの、センサのいずれか又はすべては、スレーブジンバルで回転が再び生成される場合に、同様にカメラの角度的な定位を維持するように働く回転を記録していくことができる。本発明の代替の実施形態では、カメラ又は機器の角運動の制御された度合いに対して1:1未満のセンサ比があり得るか、又は、制御された自由度に対して1:1未満のモータ比があり得る。例えば、単一のセンサが1軸線以上回りの運動を検出することが可能であり、及び/又は、単一のモータが1軸以上回りの移動を生成することができる。
【0025】
バランスポールは例えば入れ子式構造又はモジュール式構造によって拡張可能であり得る。マスタスレッド及びスレーブスレッドはバランスポールから取り外し可能であり得る。マスタスレッドへの様々な重りの取り付けによって、例えば16:1の「シーソー」比で小型のスレーブスレッドの釣り合いをとることができる。例えば炭素繊維から形成される軽量のポールを仮定すると、マスタスレッドの重量と小型のスレーブスレッドの重量とは、スレッドとバランスポールジンバルとの間の距離の反比にほぼ等しい。ジンバルから24フィート(7.3152m)の3ポンド(1.3608kg)のスレーブスレッドは従って、1.5フィート(0.4572m)離れた48ポンド(21.7728kg)のマスタスレッドによって釣り合いがとられる。仮定で長いポール及びそのジンバルの9ポンド(4.0824kg)を追加すると、総計は60ポンド(27.2160kg)であり、カメラのオペレータが通常支持する上限の負荷の十分に範囲内である。
【0026】
本発明の他の例示の実施形態は、バランスポールの軸線に対してマスタスレッドとスレーブスレッドとのサーボ制御の接続部を旋回させるバランスポールの直接の機械的な軸線方向接続部を代用してもよい。この機械的な相互接続部は、スレーブジンバルヨーク及びマスタジンバルヨークの回転軸線を、「ピッチ」軸線と称されるものにおいて、軸線回転において1対1でロックするためにバランスポール自体を採用する。
【0027】
本発明の他の機械的な連結の実施形態は、例えば、歯付きギアに摩擦によって接続される、プーリ同士の間の歯付きベルト、歯付きギアに機能的に接続されてマスタスレッドとスレーブスレッドとの間でジンバルヨーク角度とパン角度とを同期させることができる「歯科医のドリル」タイプのプーリ及びベルトの組み合わせ、などの他の公知のタイプの機械的な相互接続部を用いて、1以上の残りの電子サーボ制御の接続部と置換してもよい。
【0028】
さらに、本発明の機械的な連結の実施形態は、スレーブカメラジンバルの下方かつマスタスレッドジンバルの上方の釣り合い重りを排除するために第2の水平回転軸線を相互接続し、残りのマスタスレッドの釣り合い重りがスレーブスレッドカメラと有効にバランスをとり、マスタスレッド及びスレーブスレッドが単一の仮想中心ポストの上方及び下方で相互接続される場合に角度制御を可能にするタイロッド又はプーリの相互接続を採用してよい。この機構は、スレーブスレッド又はマスタスレッドのいずれかを別個に釣り合わせる必要のない重いカメラの使用を可能にし、及び従って、本発明の総重量を潜在的にほぼ半分にまで減少させ得る。さらに、本発明の機械的なロックの実施形態は、(回転の±180°までの)パン運動を同期させるため、そこから横方向に延びる対称的なクランクセット同士の間、すなわち、マスタ中心ポスト及びスレーブ中心ポストの各々の間に接続される対のタイロッドを採用してもよい。そうしたタイロッドの対は、マスタジンバル及びスレーブジンバルのそれぞれのほぼ上方又は下方に配置される場合、マスタポスト及びスレーブポストの間のピッチ角を同期させる働きをすることもできる。
【0029】
図1は、ステディカム(登録商標)として知られている従来技術の安定化カメラ支持システムを示しており、安定化カメラ支持システムは、カメラ28が吊り下げられた状態の「低モード」で展開されている。潜在的なレンズ高さの最大垂直範囲は線29によって示されている。
【0030】
図2は、空間的に分離して支持するために用いられることが可能である、又は、本発明の実施形態の一部であり得る、典型的な従来技術の軽量「ベスト」1及び関節支持アーム2の正面図である。
【0031】
図3は、カメラ6の最大レンズ高さを得るために展開される本発明の例示の実施形態を示している。アーム2は、ベスト1に取り付けられてその動程の限界まで上昇している。アーム2は、マスタスレッド3とスレーブスレッド5との間で装置のバランス中心4bに配置されるポールジンバル4aによってバランスポール4に取り付けられている。
【0032】
マスタスレッド3は、マスタスレッドジンバル3bでバランスポール4に取り付けられている。マスタスレッドジンバル3bは、バランスポール4と中心ポスト3aとの間で3つの度の角度分離を提供する。図3では、バランスポール4は、カメラ6を最大限に持ち上げるために張られている。スレーブスレッド5はスレーブジンバル5bでポール4に取り付けられている。スレーブスレッド5は、マスタジンバル3bでの位置及び角度移動を二重にするために(例えば図6に示される)サーボモータによって方向付けられる。サーボモータは、マスタスレッド3に配置されるセンサからの情報に基づく信号に応答する(例えば図5参照)。マスタスレッドのセンサからの信号は例えばサーボ増幅器及び/又はソフトウェアによって調節されてよい。オペレータは、マスタスレッド5に配置されるモニタ8上でカメラ6からの遠隔画像を見る。
【0033】
ここで示される本発明の例示の実施形態ではサーボモータが例として用いられている。他のセンサ/モータの組み合わせが本発明の範囲内にある。好適には、センサ/モータの組み合わせは閉ループ制御システムである。多くの用途のために低振動及び低ノイズが望ましい。例えば約3000rpm〜5000rpmの高速がまた望ましい。本発明の例示の実施形態では、解決策は、1回転約1000パルス(pulse per revolution)〜1回転約10000パルスの範囲である。代替の実施形態では、ステッピングモータなどが用いられ、マスタスレッドの運動とスレーブスレッドの運動との間の遅延時間を減少させ得るものの、そうしたモータは、閉ループではなく、高いノイズ及び振動を有する傾向がある。
【0034】
図4は、カメラ6の最小レンズ高さのために展開される本発明の例示の実施形態を示している。アーム2はその動程の下限に押し下げられており、バランスポール4は下方の角度に動かされている。スレーブスレッド5上のカメラ6は、マスタスレッド3の方向に基づいた方向に向けられている。本発明の特定の実施形態では、カメラ6はマスタスレッド3と同じ方向に向けられたままである。このことは、マスタジンバル3bとバランスポール4との間の時々刻々の角度、マスタスレッド3が再位置決めされる時に変化する他の空間的関係、を好適に連続的に検出して、スレーブジンバル5bの要素を駆動して、及び従って同期して再位置決めするために配置される例えばサーボモータ(図示せず)などのモータによってその角度(又は他の測定)を再び生成することによって実現される。
【0035】
マスタ及びスレッドの構成要素の間の相互接続部は機械的又は電気的であり得る。モータ及びセンサは、配線で接続されてよく、無線で接続されてよいことに留意されたい。機械的接続部は、タイロッド、プーリ、ギア、又は同様の装置を含み得る。第1地点の運動を第2地点の運動に置き換えるために、パンタグラフに用いられるような平行四辺形に基づいた方法で接続される機械的リンクが、本発明の実施形態での使用に適合し得る。このことは、第1地点から第2地点までの運動の増幅又は縮小、又は、1対1の対応の運動の増幅又は縮小を含み得る。
【0036】
図面は、装置のスレーブ端に配置されるカメラとマスタ端に配置されるモニタとを概して示している。本発明の例示の実施形態では、カメラは、同時撮影のために装置のスレーブ端及びマスタ端の両方に設置されている。
【0037】
図5は、本発明の例示の実施形態に係るマスタスレッド3の拡大図を示す。ジンバル3bは、バランス中心3cのちょうど上方に配置されている。釣り合い重り機器3eは、上側機器7aとモニタ8を有する下側機器7bとから構成されている。釣り合い重り機器には、例えばカメラCCU(カメラ制御ユニット)及び関連したバッテリ、マイクロ波伝送装置、レンズ制御増幅器などの様々な他の構成要素が含まれ得る。非機能性質量が重りとして用いられてもよい。オペレータの手は、位置3d(好適にはバランス中心3cにできる限り近い位置)でマスタスレッド3の姿勢を制御する。センサ10、11及び12は、バランスポスト4に対して中心ポスト3aの(相互に垂直な3つの軸線の)角度位置を検出する。バランスポスト4は、その自身のバランス中心4bでジンバル4aによって支持されている。マスタスレッド3は、例えば、必ずしも(図4/図5に示されるように離れて装着される)カメラを有する必要がないことを除いては、すべての観点でステディカム(登録商標)のスレッドであり得る。マスタスレッド3は、中心ポストから選択可能な距離に質量を位置決めすることによって角度的に不活性の状態にされ、ジンバル3b及びアーム2によってオペレータの望まない運動から分離される。好適には、マスタスレッド3は、例えば補正装置のバランス調整によってほぼ水平に吊り下げるように調節されてわずかに底部を重くするようにバランスがとられ、例えば位置3dのオペレータの手によって任意の角度方向に方向付けられることが可能である。装置は、オペレータの手の最も軽い接触がマスタスレッド3を方向付けることができるように形成され得る。マスタスレッド3は、釣り合い重り機器7a及びモニタ8の上側及び下側セットを中心ポストから様々な距離に選択的に位置決めすることによって、パン、チルト及びロールのすべての3軸において不活性の状態にされる。センサ10、11及び12は、実質的に摩擦なしで好適に動作し、及び従って、角度安定性を低下させない。マスタスレッド3は、従って、オペレータの思いのままに狙いを定め得る安定的で角度的に機敏な基準プラットフォームを提供し、それによって、離れて位置決めされたスレーブスレッド5とスレーブスレッド5に取り付けられたカメラ6とを制御し得る。マスタスレッド3は、バランスポール4が持ち上げられたり旋回されたりした場合でさえもその角度の方向を維持し、及び従って、バランスポール4の旋回及び/又は持ち上げによって生じる角度効果を無効にするか又は減少させるために対応して「バックパン」して「バックチルト」するスレーブスレッド5及びカメラ6の角度の方向を維持する。
【0038】
図6は、本発明の例示の実施形態に係るセンサ10、11及び12を示すマスタスレッド3のジンバル部分3bの拡大図である。この実施形態では、センサ10、11及び12は、互いに相互に垂直に位置決めされており、各々は、相互に垂直な3つの方向のいずれか1つの回転を検出する。方向は、縦方向の中心ポスト軸線回りの例えばパン、パンの軸線に垂直なマスタスレッドジンバル軸線回りのピッチ、並びに、パンの軸線及びピッチの軸線に相互に垂直なバランスポールの長手方向軸線回りのロールである。他のセンサの位置決め及び自由度が本発明の範囲内に含まれる。中心ポスト3a及びポスト4の間の時々刻々の角度は、3つのセンサ10、11及び12によって検出される3つの相互に垂直な構成要素角度に分解される。センサ10は、中心ポスト3aとジンバル3のパンベアリングレースの平面との間の角度を記録する。センサ11は、ヨーク30の平面と中心ポスト3aとの間の角度を記録する。センサ12は、ヨーク30の平面とポスト4との間の角度を記録する。これらの検出された角度はその後、類似のサーボモータに送られて、スレーブスレッド5上のカメラが同期して狙いを定められるように再び生成される。スレーブスレッドジンバル5bと釣り合い重り機器5c(例えば図4に示される)とは、サーボモータ10、11及び12から生じる再位置決めの間、スレーブスレッド5及びカメラ6を安定化させたまま維持するように働く。
【0039】
図7は、本発明の例示の実施形態に係るカメラ6及び補助モニタ9と、3つのサーボモータ14、15及び16の位置を示すスレーブスレッド5との拡大図である。マスタスレッド又はその構成要素の運動に基づいて生成される位置決めデータに応答して、モータ14、15及び16は、マスタスレッドの運動に対応してスレーブ中心ポスト5d及びバランスポール4の間の角度の関係を連続的に制御する。その結果、マスタスレッドと常に同じ方向にカメラ6の狙いを定めることができ、オペレータは、マスタスレッドを直感的にパン、チルト及びロールさせることができ、かつ、マスタモニタ又はスレーブモニタ9のいずれかによって、オペレータの意図したカメラの動きが実現されたことを見ることができる。本発明の代替の実施形態では、スレーブスレッドでの運動は、増幅され、又は減少させられ、又は、マスタスレッドでの運動と1対1の対応を有する。スレーブスレッド及びマスタスレッドでの運動の間の関係は、比例であるか、反比例であってよく、又は、センサ/モータシステムの構成、及び/又は、支持システムの構成によって決定されるような他の関係を有してもよい。
【0040】
図7は、ポスト4とスレーブジンバルヨーク31の平面との間の軸線方向の角度を制御するモータ16を示している。モータ15は、ヨーク31の平面とスレーブジンバル5上のパンベアリングレースとの間の角度を制御する。モータ14は、中心ポスト5dと前述のスレーブベアリングレースとの間の角度を制御する。好適な実施形態では、ジンバル5bは、スレーブスレッドのバランス中心5aに位置決めされてクランプ17によってポスト5dに対して所定の位置にロックされ、その結果、スレーブスレッド5のバランスは、中立的であり、ポスト5dに対してバランスポスト4の角度に何ら影響しない。
【0041】
図8は、オペレータの背後で上方に真っ直ぐ撮影することに関する位置及び方向に展開される本発明の例示の実施形態を示す。マスタスレッド3は後方に狙いを定められる。バランスポール4は上方かつ後方にチルトされる。オペレータは、マスタスレッドモニタ8上でカメラ6からの対応して方向付けられた遠隔画像を見る。こうした極端なチルト角は、釣り合い重り機器3eの一部とポール4との衝突の危険性を増大させることがあるものの、これらの潜在的な干渉は、所望のショットを得るために適切な体の位置及びポストの角度を選択することによって容易に回避される。オペレータは歩行中であるので、潜在的に機器の一部によって遮られるカメラ角度は、わずかに異なる体の位置を用いることによってたいてい避けることが可能である。
【0042】
図9は、マスタスレッド3及びスレーブスレッド5の間で展開される特別に長いバランスポール4を備える特別に拡張した本発明の例示の実施形態を示す。拡張バランスポール4は2つの部分23、24を有する。この構成では、ポール部分23は、バランス中心3cのジンバル3bからスレーブスレッド5まで延びており、ポール部分24よりも長い。より短い部分24はジンバル3bからマスタスレッド3まで延びる。図示されるように、ジンバル3bからスレーブスレッド5までの距離とジンバル3bからマスタスレッド3までの距離との比はおおよそ6:1で示されている。こうして、(無視してもよいバランスポールの重量を引いた)スレッド3及び5の間の重量比は、逆関数であって同じ6:1の比でなければならない。このことは、マスタスレッドジンバル3bの上方及び下方に必要とされるような釣り合い重りを追加したり取り外したりして、アーム2の持ち上げ力を調節することによって実現される。ステイ36と関連した覆い37との1以上の任意選択的なセットが、バランスポール4の撓みを減少させるか又は除去し、それによって、その円柱構造を実質的に維持して、潜在的な跳ね上がりを減少させるとともにその長手方向軸線回りのそのバランスを維持する。バランスポールを支持する又は補強する他の装置が、ステイ及び覆いとは別個に又は関連して用いられてもよい。例えば特定の合成物又は合金などの材料の適切な選択がそうした装置への要求を除去し又は減少させる。しかしながら、本発明の一部の実施形態では、バランスポールは円柱でなくてもよく、いくらか湾曲していてよいことに留意されたい。
【0043】
図10は、本発明の代替の実施形態を示しており、マスタスレッド及びスレーブスレッドのジンバルヨーク30及び31の両方が、回転可能な「動的」バランスポール18への堅い接続部19及び20を有しており、こうして機械的手段によって軸線方向に同期したまま維持される。この実施形態は、ハンドグリップの移動とポール18の移動とを相互に分離するための環状ベアリング21a又は他の機構を有するハンドグリップ21を有する。従って、ポスト18を旋回させ及び/又は持ち上げるためにオペレータによって作用させられる力は、ポスト18並びにヨーク30及び31に角度的に伝達されず、及び従って、マスタスレッド3は、ベアリング21a又は他の分離した機構からのわずかな軸線方向の摩擦のみを除いて、実質的に角度的に分離されたままである。本発明のこの例示の実施形態は、1つは機械的手段によってかつ2つは電気的手段によって3つの軸線すべてにおいて相互接続されるために、マスタスレッドジンバルに2つのみのセンサと、スレーブジンバルに2つの対応するモータと、を必要とする。動的バランスポール18は、図9に示される覆い及びステイの1以上のセットを任意選択的に有してもよい。ステイ及び覆いとは代替的に又はステイ及び覆いに加えて、バランス重量クランプ38は、動的バランスポール18に対して外側に調節可能な重り41を位置決めすることによって、その長手方向軸線回りにバランスポール18のバランスをとるように働き得る。こうして、バランスポール18に接続されるクランプカラー39は、ねじ付きロッド40が、釣り合い重りを必要とする方向に向けられるように回転させられる。クランプカラー39はその後、もはやバランスポール18回りに回転することができないようにバランスポール18に固定される。調節可能な重り41は、その後、バランスポール18が軸線方向にバランスがとられるまでねじ付きロッド上で内側又は外側に回される。覆い及びステイ並びに/又はバランス重りクランプ38のいずれかの使用は、バランスポール18のバランスが、それらの重心回りのマスタスレッド3又はスレーブスレッド5のいずれかの明確な個々のバランスに作用しないことを確保することができる。
【0044】
図11は、堅い軸線接続部19による動的ポスト18へのヨーク30の機械的取付を示すマスタスレッドジンバル3aの拡大図を示す。2つの残りの回転センサ10及び11は、スレーブスレッド上のそれらの他方に対してそれらのそれぞれの軸線のサーボ制御接続部を与える。
【0045】
図12は、堅い軸線方向接続部20によって動的バランスポスト18に取り付けられる図10のスレーブスレッドヨーク31の拡大図を示す。モータ14及び15は、例えばサーボ増幅器から電気的衝撃を受けて、マスタスレッドで導き出されたセンサ入力に応じてそれらの対応の軸線を同期させ、その結果、カメラ6が、マスタスレッドと同様に3つのすべての軸線で同一の角度姿勢を維持する。
【0046】
図13は、図10に示される本発明の例示の実施形態の動的バランスポール18を持ち上げて旋回させるための環状で軸線方向に分離されたハンドグリップ21の拡大図を示しており、機械的接続部が3つのサーボ制御接続部の1つに代替されている。環状ベアリング21aは、ハンドグリップの強い旋回及び/又は持ち上げ運動がポール18上に角度を形成する作用を防止する。
【0047】
図14は、環状で軸線方向に分離されたハンドグリップ21の他の例示の実施形態を示しており、ハンドグリップ22は、ハンドグリップ21の時々刻々の角度を適合させる彼のハンドグリップ位置を歪ませることなく動的バランスポール18を持ち上げて旋回させることが必要な運動及び力をより快適にオペレータが作り出すことができるようにハンドグリップ21からオフセットしており、かつ、ハンドグリップ21に調節可能に堅く接続されている。この実施形態はまた、環状ベアリング21a又は他の適切な機構によってポール18からグリップ21の環状で軸線方向の分離を提供する。
【0048】
図15は、マスタスレッド34及びスレーブスレッド35の他の堅く接続された軽量の実施形態を示しており、第2回転軸線がタイロッド32によって堅く相互接続されるので、マスタスレッド34及びスレーブスレッド35のいずれもそれぞれのジンバル3b及び5bの上方又は下方に釣り合い重りを必要としない。他の接続装置、例えばプーリ及びベルト又は相互接続タイワイヤなどが用いられてもよい。従って、スレーブスレッド35はジンバル5bの上方にカメラ6のみを支えている。マスタスレッド34はジンバル3bの上方に釣り合い重りを有していない。図12に示される実施形態のように、バランスポール4並びにマスタ及びスレーブジンバルヨーク30及び31が、スレーブスレッド35に対してマスタスレッド34の1つの回転軸線に堅い相互接続部を有している。タイロッド32は、ポール18のスレーブスレッド端及びマスタスレッド端のそれぞれで旋回ヨーク33a、33bに取り付けられている。タイロッド32及びヨーク33a、33bによるマスタスレッド端及びスレーブスレッド端の間の堅い接続部は、スレーブスレッド35に対してマスタスレッド34の旋回角を伝達することを容易にする。タイロッド35は、例えば運動の極端なピッチ角で生じるタイロッド32とオペレータの手との間の干渉を緩和するためのタイロッド手起伏屈曲部32aを任意選択的に備えてよい。これは第2回転軸線を連結し、その結果、マスタスレッド釣り合い重り7b及び8は、単一の仮想ジンバルによって吊り下げられる単一の仮想中心ポスト上で互いに上方及び下方に直接的に装着される場合にバランスカメラ6のバランスをとるように働き得る。その結果は、ハンドグリップ部分3dでオペレータによるマスタスレッド34の角度制御が、スレーブスレッド35上でカメラ6の実質的に同一の回転を生成することである。スレッド34及び35のいずれも、ほぼ中立的な角度バランスのために独立して釣り合いがとられないものの、スレッド34、35、バランスポール4及び旋回ヨーク30、31及び33の相互接続された組み合わせが、極めて高いレンズ高さ及び極めて低いレンズ高さを実現するため、図示されるように水平方向に延びるため、さらなる自由度を用いれば、あたかも例えばステディカム(登録商標)などの従来型の単一スレッドの支持装置を作動させる場合に同一の感触を提供する。マスタスレッド及びスレーブスレッド34、35のそれぞれのパン軸線における同期は、センサ/モータ手段のいずれかによって、又は、対のタイロッド及びクランク(図16参照)、及び/又は、例えばセクタギアなどのベルト及びギアによって実現される。
【0049】
図16は、本発明の例示の実施形態に係るマスタスレッド及びスレーブスレッドの間のピッチ運動及び制限されたパン運動の両方を複数部品のタイロッドが同期させる電子サーボモータ接続部を必ずしも必要としない支持システムを示している。タイロッド42は、タイロッド自在継ぎ手43同士の間で延び、及び従って、タイロッドストラット46の先端に取り付けられるものの、タイロッド自在継ぎ手43によって2つの軸線で角度的に切断される。タイロッド42は、従って、マスタ及びスレーブスレッドの間の制限されたパン運動を同期させることができる。タイロッド起伏屈曲部44は、タイロッド42と拡張されたマスタ及びスレーブ中心ポスト45a、45bとの間の早期の干渉を防止することによってパン運動の角度範囲を増大させることができる。
【0050】
図17は、電子サーボモータ接続部を必ずしも必要としない他の支持構造を示しており、歯付きギア及びベルトが、本発明の例示の実施形態に係るマスタ及びスレーブスレッドの間のピッチ運動及びパン運動の両方を同期させるためにタイロッドと連動して作動する。歯付きギア48及びベルト49は、マスタスレッド3及びスレーブスレッド5の間のピッチ運動及びパン運動の両方を同期させるためにタイロッド32と連動して作動する。ベベルギアセット50ab(図18に示される)は、ベルト49及びギアホイール48を介してマスタスレッド3に作動させるパン運動を伝達するために横切る。
【0051】
図18は、本発明の例示の実施形態に係るパン運動の同期を有効にするためにギアベルト及びベベルギアによってマスタスレッド及びスレーブスレッドの間の機械的な相互接続部を示す、図17の例示の実施形態のさらなる詳細を提供する。マスタスレッド3及びスレーブスレッド5の間の機械的な相互接続部のスレーブ端は、マスタスレッド3に分与されるパン運動をスレーブスレッド中心ポスト5dに伝達して同期させるパン制御ギアベルト49及びベベルギアセット50a及び50bを有している。スレーブスレッドのタイロッドヨーク(タイロッド32の端部回りに配置される)は拡張外側レースチューブ47(スレーブ中心ポスト5dの一部回りに配置される)に旋回可能に取り付けられ、タイロッド32によって、スレーブスレッド3及びマスタスレッド5の間のピッチ角も同期させる。
【0052】
図19は、本発明の例示の実施形態に係るバランスポール内に配置される同期構成要素を有する支持システムを概略的に示している。平行四辺形のテンションケーブル51a、bは、相互にほぼ平行にバランスポールを通って長手方向に延びている。これらは、マスタ中心ポール3aの運動がスレーブ中心ポスト5dで再現されるように、スレーブ及びマスタ支持部分の各々にヨーク52によって旋回可能に接続されている。パン軸線無端ベルト53は、パン軸線メイン駆動ギア55同士の間で延びてベルトアイドラギア54によってギア55上に案内される。ベルト53は3Dの歯付きベルトであることが好ましい。ワイヤ51及びベルト53のテンションは、バランスポール4の非圧縮性によって維持されており、バランスポール4は、ヨーク30によってマスタジンバル3bに取り付けられており、ヨーク31によってスレーブジンバル5bに取り付けられている。図表の明確性のために、図19にはこれらのいずれも図示されていないことに留意されたい。
【0053】
本発明はまた、ここで説明される装置を使用する方法及び製造する方法を有している。
【0054】
各々が要素の異なる組み合わせを有する本発明の様々な実施形態が説明されてきた。本発明は、開示される特定の実施形態に限定されず、開示される要素の異なる組み合わせを有してよい。
【0055】
以下の特性の一部又はすべてが本発明の実施形態中にあってよい。
・任意の方向にオペレータから距離を置いて拡張されることが可能な軽量カメラのための簡略化した安価で小型の体支持型装着体又は車両支持型装着体であって、過度の労作を必要とせずに、拡張されたカメラに対して直感的で正確な局所的な3軸の角度制御によって「床から天井まで」レンズ高さを到達させることができる、軽量カメラのための簡略化した安価で小型の体支持型装着体又は車両支持型装着体。
・オペレータの位置からの横方向及び垂直方向の大きな変位に加えて、カメラの自由で直感的な角度制御を好適に有する安定化した撮影がなされ得るような、拡張された適用範囲及び角度機敏性。
・低モードブラケット、低モード変更部を排除した状態の体装着型カメラ安定化装置における連続的な垂直運動範囲。
・動作にあたってほとんど扱いにくくない装置を提供するため、「パン」軸線における不変の角度慣性に対して不釣り合いに大きくなる「チルト」軸線における角度慣性を有しないで、高いレンズ高さと、「低モード」において極めて低いレンズ高さと、を容易にするために伸長されることが可能であって、安定化されたままに加えて角度的に機敏なままである複数部分の入れ子式ポスト。
・カメラの水平姿勢を保持する高価で、水平検出の、ジャイロ振り子の統合コンピュータを必要としない、体装着型「ロールケージ」カメラ安定化装置の機能性及び角度機敏性における構造的に単純で電子的に複雑でない改善。
・長いスレッド中心ポストを持ち上げずに又は旋回させずに、離れて位置決めされたカメラヘッドの3軸の角度制御。
・本質的に「バックパン」しないぎこちなくて非直感的な「ジョイスティック」によって制御されることに代えて、直感的な正確性によって遠隔でパンされてチルトされる(及びロールされる)ことが可能なように、従来型のポール装着型カメラ支持体に比べて改善された角度機敏性。
・強烈な動的運動中でさえ水平の安定的な撮影を提供することができるとともに正確なオペレータの制御をさらに容易にすることができる、従来型のポール装着型カメラ支持体に比べて改善された角度安定性。
・自動的に「バックパン」(ポールが水平に旋回)して、又は垂直方向に「ブーム」して、カメラの角度姿勢が対応して変化せず、及び従って、所定の距離の物体に常に正確に「狙いを定める」ことがはるかに容易であるように、従来型の拡張ポール装着型カメラ支持体に比べて改善された角度制御。
・ショットの範囲内でその自身の局所的な支持構造を見なくても360°以上にわたって選択的にパン及びチルトすることができる「ポール装着型」カメラ。
・例えば1ポンド(0.4536kg)未満の重量のものであって、より大きくてより重い構造の角度慣性によってもなお安定化され得る、極めて軽量なカメラチップ/レンズの組み合わせのための支持システム。
・極めて低い及び高いレンズ位置を提供するものの、それらのショットを実現するために体の伸展労作を必要としないカメラ支持作動システム。
・介在して拡張されるバランスポールの先端にそれぞれ装着される取り付けられた軽量カメラを有しており、(任意選択的にはカメラを有しない)マスタスレッドの時々刻々の角度姿勢と小型のスレーブスレッドの時々刻々の角度姿勢との間の1対1の「マスタ/スレーブ」の関係をサーボ制御することに適合するものの完全に分離された慣性安定性を有する支持システム。
・安定的で反復可能であって、極めて高い/低い持ち上げ又は横方向の延在部でさらなる角度慣性を追加しない手段による軽量のビデオカメラの角度及び空間の遠隔制御の容易化。
・思いのままに「床から天井まで」レンズを持ち上げて、マスタスレッドに何ら角度の乱れを生じさせることなく水平方向にレンズを旋回させることを可能にする連続的な「ブーム」範囲(動的な垂直運動の範囲)。
・バランスポールのより長くて軽い端部に対するその角度関係が、ポールのより短くて重い端部に対するマスタスレッドの角度関係を連続的に模倣するように、スレーブスレッドの中心ポストとそれに関連したカメラとに対してその他端にほぼ1対1で再び生成される、取り付けられたバランスポールに対するマスタスレッド中心ポストの時々刻々の動的な3軸関係。
・マスタスレッド上に従来のように位置決めされたモニタを介して、スレーブスレッド上のカメラによって生成される画像の第1視野を見ること。
・スレーブスレッドのための釣り合い重りとして機能し、かつ、オペレータの注意がスレーブスレッドの近位で任意の障害物に集中しなければならない時に画像を見るための方法として機能する、追加のモニタによって第2視野を見ること。
・小さな開口を貫通することが可能であるものの局所的に独立したパン/チルト/ロール能力を保つことが可能であり、また、車両内で隔離されたマスタスレッドの安定化された質量に吹き付ける任意の風を伝達することなく、移動する車両内からスリップストリーム内に移動することが可能な小さな小型カメラヘッド。
・1つはマスタスレッド上にあり、任意選択的により小さい1つは拡張バランスポールの遠端でスレーブスレッド上にあり、その結果、後者の角度方向は前者の角度方向に対して従属装置として作動させられ、オペレータは例えばシーンのワイド撮影及びクローズアップ撮影を同時に供給することができる2つのカメラの同時制御。
・特別に長いバランスポールを持ち上げて旋回させる時に、カメラが非常に拡張されて、歩行中のオペレータから20フィート(609.6cm)以上離れても安定的で直感的に制御され、一貫して狙いを定めるために自動的に「バックパン」及び「バックチルト」されることが可能なように、軽量のポール部分の追加、又は、「スーパーポスト」入れ子式部分の追加、又は、動的に伸縮する部分の追加のためのモジュール構成。
・スレーブ端のカメラの質量を局所的に釣り合わせることを必要とせずに、より重いカメラの使用を容易にするバランスポール上に拡張されたスレーブカメラの遠隔制御。
【0056】
本発明は、上の好適で単純化された実施形態に関して説明されたものの、様々な変更や修正が、安定して拡張可能で角度的に機敏なカメラ支持体の構成要素に対して本発明の範囲内でなされてもよいことが理解されよう。例えば、本発明はカメラを用いた使用に特に適用可能であるものの、本発明は他のタイプの機器又はツールを支持し、狙いを定め、位置決めし及び/又は安定化させるために用いられることが可能である。
【技術分野】
【0001】
本願は、両出願とも拡張可能なカメラ安定化支持装置の発明の名称である2008年11月14日出願の米国特許仮出願第61/114,709号及び2008年12月4日出願の米国特許仮出願第61/119,921号に基づいており、かつ、それらの優先権を主張するものである。
【0002】
本発明はカメラ及び他の同様の装置のための安定化装置に関する。特に、本発明の実施形態は、典型的には体装着型であり、すべてのタイプの地形に対して滑らかな移動撮影を作り出すように設計される拡張可能なカメラ安定化装置に関する。
【背景技術】
【0003】
体装着型のカメラ安定化装置は、典型的には、その重心に3軸ジンバルを有するカメラ機器支持システムを備えている。支持構造は、関節支持アームに通常は取り付けられており、関節支持アームは同様にオペレータ着用のベストに取り付けられているものの、アームは他方の固定構造又は可動構造に装着されてよい。これらの装置は、カメラや他の装置を支持して、歩く、走る、又は移動するオペレータ、車両、又はオペレータ及び車両の組み合わせの所望されていない動きからカメラや他の装置を分離するように設計されている。こうした装置の一般的な例は、Steadicam(ステディカム:登録商標)の商標で販売されているものである。
【0004】
スレッド(sled)として従来知られている体装着型安定化装置のカメラ支持構造は、慣性安定性を向上させてアクセス可能な位置にバランス中心を位置決めする拡張質量を概して有している。カメラ支持「スレッド」構造は、中心ポストの一端に堅固に装着されたカメラと、ポストの他端に堅固に装着された他の構成部品(ビデオモニタ、バッテリ、焦点機器、マイクロ波伝送機器、カメラ制御ユニット機器、他の電子機器など)とによってほぼ中立的に釣り合いがとられている。従って、ジンバルに隣接するわずかな手の圧力によって任意の方向にカメラの狙いを定めることができる。これらの狙いを定める運動の相互に垂直な方向はパン、チルト及びロールとして明確に参照される。
【0005】
ここで使用されるように、別な方法で特定されない限り、「ロール」は、カメラのレンズにほぼ平行な軸線回りの回転を示しており、「パン」は、カメラ支持中心ポストの中心から下方に延びる軸線回りの回転を示しており、「ロール」の軸線に対して90°の角度をなしている。「チルト」は、レンズの軸線及びパンの軸線の両方に垂直なほぼ水平な軸線回りの回転を示している。
【0006】
カメラ及びモニタは支持構造に堅固に取り付けられているので、水平のカメラ視野を維持している間のカメラの垂直動程は、関節支持アームの最大垂直可動域に制限され、最大垂直可動域は、非連続であるものの「低モード」の32インチ(81.28cm)の重複部分を加えて、標準モードで典型的に32インチ(81.28cm)である。低モードへの変更は、機械的にカメラを取り外して支持構造を逆さにし、カメラごとに異なるいわゆる「低モードブラケット」を介して逆さにした支持構造にカメラを再び取り付けることが必要である。さらに、モニタを逆さにしなければならず、バランスがとられた質量の所望のわずかな底部の重さを回復させるために中心ポストに沿ってジンバルを調節しなければならず、ジンバルとアームとの特別な取付ブラケットを用いなければならず、カメラシステム全体のすべてのケーブルを取り外して再び取り付けなければならない。
【0007】
結局のところ、システムは再びバランスがとらなければならない。この時間集約的な処置を毎回たどらなければならず、低モードから高への変更、又は高モードから低への変更が必要とされる。多くの場合、ディレクターやオペレータにとって非常に残念なことに、時間の制約によって撮影が省略される。
【0008】
低モードの撮影が、支持アームの横方向の適用範囲を制限することに帰する例えば車の幌屋根、フェンス、棒、デスクなどの一種の障害物を乗り越える必要がある場合に、これらの装置のオペレータにとって別の問題が生じる。
【0009】
水平ジャイロの「ロールケージ装着型」カメラ支持体が知られており、「低モード」から「高モード」への連続的な撮影を可能にするこのカメラ支持体は例えば「AR」の商品名で販売されている。しかしながら、低位置から高位置への途中で、「チルト」及び「パン」が、カメラの実際の向きに無関係な安定化装置の中心ポストの非直感的な操作を連続的に必要とするので、これらの装置は極めて操作しにくい。
【0010】
「ポールカム(Pole-Cam)」として販売されているものを含む拡張ポール支持型の遠隔制御カメラマウントが従来知られていて単純に組み立てられるものの、それらは固定三脚支持体に装着されない限り極めて不安定である。
【0011】
従って、オペレータの位置から横方向及び垂直方向の大きな変位に加えて、カメラの制限されない直感的な角度制御を好適に有する例えば撮影などの安定化操作がなされることが可能なように、機器安定化支持体、特に、体装着型のカメラ安定化装置の能力を向上させるとともにそれらの適用範囲及び角度機敏性を拡張する装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
本発明の実施形態は、オペレータから離れて位置決めされて安定化するように支持される機器を方向付けて利用する装置を提供する。本発明の特定の実施形態は、1ポンド(0.4536kg)未満の、又はさらに0.5ポンド(0.2268kg)未満のものを含む軽量のカメラに対して適合性を有する。
【0013】
本発明の例示の実施形態に係る支持システムは、第1(マスタ)端と第2(スレーブ)端とを有するバランスポールを備えている。1以上の第1構成要素質量が、マスタジンバル装置を有する支持構造又はマスタスレッド上でバランスポールのマスタ端に接続されてマスタ端でバランスがとられ、1以上の第2構成要素質量が、スレーブジンバル装置を有する支持構造又はスレーブスレッド上でバランスポールのスレーブ端に接続されてスレーブ端でバランスがとられる。第3ジンバルがバランスポールのバランス中心でバランスポールに取り付けられる。支持システムは、第1ジンバルの運動を再現する機構を第2ジンバルに有する。従って、マスタジンバルの方向はスレーブジンバルによって模倣される。
【0014】
本発明の例示の実施形態では、運動再現機構は、マスタジンバルの1以上の回転軸線回りの回転運動を検出する1以上のセンサと、スレーブジンバルの1以上の回転軸線回りの回転運動を分与するためにスレーブジンバルに機能的に接続される1以上のモータと、を備える。モータは、センサから受信した信号に基づいて回転運動を分与して、第1ジンバルの回転軸線回りの運動を第2ジンバルの回転軸線回りに再現する。本発明の実施形態にはサーボモータを特に適用することができる。
【0015】
第1及び第2ジンバル装置は、各度に関連するモータ及びセンサを有することによって、角度の3つの自由度を提供することができる。本発明の代替の実施形態では、運動再現機構は、1以上の回転軸線回りの回転に関して第2構成要素質量に第1構成要素質量が固定されるようにする1以上の堅固な機械的接続を備えており、その結果、マスタ端での特定の自由度における運動が、センサ/モータシステムを使用せずにスレーブ端で再現される。機械的に同期する自由度は例えば、スレーブ及びマスタ中心ポスト回りの回転、及び/又は、スレーブ及びマスタジンバルによって可能になる回転であり得る。堅固な接続部の具体例はタイロッド、歯付きギア及びプーリ/ベルトを含む。
【0016】
支持システムが、例えば動的バランスポールの形態の堅固な軸線方向接続部を有する場合、バランスポールに接続されるもののバランスポール回りに自由に回転可能であるハンドグリップが用いられ得る。これは、例えば、少なくとも1つの環状ベアリングの使用によって実現され得る。
【0017】
本発明の例示の実施形態では、バランスポールの長手方向軸線回りにそのバランスを集中させるためにバランスポールに関連して、覆い及びステイ構成要素及び/又は調節可能な重りカラーが採用されてよく、その結果、マスタ及びスレーブ(第1及び第2)のバランスのとれた構成要素質量の方向及び/又はバランスが、バランスポールの「撓み」又は円柱の不規則性によって影響されない。
【0018】
本発明の例示の実施形態では、モニタがマスタ端に位置決めされ、カメラがスレーブ端に位置決めされる。本発明のさらに他の例示の実施形態では、カメラはスレーブ端及びマスタ端の両端に位置決めされる。
【0019】
支持システムは、関節アームに取り付けられてよく、さらに関節アームはオペレータのベストに取り付けられてよい。
【0020】
本発明はまた、本発明の実施形態のいずれかに係る支持システムを提供することによって機器のバランスをとって機器を利用する方法を有しており、当該方法は、第1端で相互に第1構成要素質量のバランスをとる工程と、第2端で相互に第2構成要素質量のバランスをとる工程と、バランスポール回りに第2質量に対して第1質量のバランスをとる工程と、バランスポールの長手方向軸線回りにバランスポールのバランスをとる工程と、第1ジンバル装置を運動させて、構成要素質量のおおよそのバランスを維持しつつ第2ジンバル装置でその運動を再現する工程と、を備える。
【0021】
本発明は、詳細な説明が添付の図面に関連して読まれる場合に詳細な説明から最良に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】カメラが吊り下げられた状態の「低モード」で示される従来技術に係るカメラ支持安定化システムを示す図である。
【図2】典型的な従来技術に係る軽量ベストと関節支持アームとを示す正面図である。
【図3】最大レンズ高さに展開される本発明に係る例示の実施形態を示す図である。
【図4】最小レンズ高さに展開される本発明に係る例示の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の例示の実施形態に係るマスタスレッドを示す図である。
【図6】本発明の例示の実施形態に係る3つの回転センサを詳細に説明するマスタスレッドのジンバル部分の拡大図である。
【図7】本発明の例示の実施形態に係る3つのサーボモータ、カメラ及び小型補助モニタ位置を詳細に説明するスレーブスレッドを示す図である。
【図8】オペレータの背後で真っ直ぐ上方に撮影するために展開される本発明の例示の実施形態を示す図である。
【図9】本発明の例示の実施形態に係るマスタスレッド及びスレーブスレッドの間で展開される拡張された特別に長いバランスポールを示す図である。
【図10】マスタスレッド及びスレーブスレッドのジンバルヨークの両方が「動的」バランスポールに堅く接続されて、機械的手段によって軸線方向に同期される、本発明の例示の実施形態を示す図である。
【図11】本発明の例示の実施形態に係る動的バランスポールに機械的に接続されるマスタスレッドジンバルヨークを示す図である。
【図12】本発明の例示の実施形態に係る動的バランスポストに機械的に接続されるスレーブスレッドヨークを示す図である。
【図13】本発明の例示の実施形態に係る動的バランスポールを持ち上げて旋回させるために環状で軸線方向に分離されたハンドグリップを示す図である。
【図14】本発明の例示の実施形態に係る動的バランスポールを持ち上げて旋回させるために環状で軸線方向に分離されたハンドグリップに堅く接続されるオフセットハンドグリップを示す図である。
【図15】本発明の例示の実施形態に係る少数の釣り合い重りと第2回転軸線と連結するタイロッドとを有する他の堅く接続された軽量の実施形態を示す図である。
【図16】複数部分のタイロッドが、本発明の例示の実施形態に係るマスタスレッド及びスレーブスレッドの間でピッチ運動と制限されたパン運動との両方を同期させる、支持システムを示す図である。
【図17】歯付きギア及びベルトがタイロッドと連動してマスタスレッド及びスレーブスレッドの間のピッチ運動及びパン運動を同期させる、本発明の例示の実施形態を示す図である。
【図18】図17に示される実施形態のさらなる詳細を示す図であって、パン運動の同期を有効にするためのギアベルト及びベベルギアによってマスタスレッド及びスレーブスレッドの間の機械的な相互接続を示す図である。
【図19】本発明の例示の実施形態に係るバランスポール内に配置される同期構成要素を有する支持システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
概して、本発明の例示の実施形態は、第2の間隔を空けて配置された「スレーブスレッド」をバランスポールの他端で同期させてパン、チルト及び/又はロールさせる「サーボコントローラ」として(そのバランス中心におおよそジンバルが設けられ、拡張質量によって角度的に不活性にされる)、例えば本質的に安定して制御可能なステディカムタイプのスレッドを採用する。バランスポールは、その自身の重心でその自身のジンバルによって支持される。
【0024】
本発明の例示の実施形態は、取り付けられたバランスポールの時々刻々の方向付けに対してマスタスレッドジンバルが動かされて狙いを定められる際に、マスタスレッドジンバルで3つの相互に垂直な回転を検出するほぼ摩擦のない複数の回転センサを採用する。これらの回転は、その後、バランスポールの反対端に装着される類似のスレーブスレッドジンバルの複数のサーボモータによって再び生成される。これらの「スレーブ」回転の一部は、マスタスレッドのゆっくりとした角度の再びの方向付けによって引き起こされる。マスタスレッドジンバルでの3つのすべての軸線の回転がさらにバランスポール自体の旋回運動及び/又は持ち上げ運動によって引き起こされるのみであるので、他の一部は明白であり、この場合、マスタスレッドの角度位置は変化しないものの、センサのいずれか又はすべては、スレーブジンバルで回転が再び生成される場合に、同様にカメラの角度的な定位を維持するように働く回転を記録していくことができる。本発明の代替の実施形態では、カメラ又は機器の角運動の制御された度合いに対して1:1未満のセンサ比があり得るか、又は、制御された自由度に対して1:1未満のモータ比があり得る。例えば、単一のセンサが1軸線以上回りの運動を検出することが可能であり、及び/又は、単一のモータが1軸以上回りの移動を生成することができる。
【0025】
バランスポールは例えば入れ子式構造又はモジュール式構造によって拡張可能であり得る。マスタスレッド及びスレーブスレッドはバランスポールから取り外し可能であり得る。マスタスレッドへの様々な重りの取り付けによって、例えば16:1の「シーソー」比で小型のスレーブスレッドの釣り合いをとることができる。例えば炭素繊維から形成される軽量のポールを仮定すると、マスタスレッドの重量と小型のスレーブスレッドの重量とは、スレッドとバランスポールジンバルとの間の距離の反比にほぼ等しい。ジンバルから24フィート(7.3152m)の3ポンド(1.3608kg)のスレーブスレッドは従って、1.5フィート(0.4572m)離れた48ポンド(21.7728kg)のマスタスレッドによって釣り合いがとられる。仮定で長いポール及びそのジンバルの9ポンド(4.0824kg)を追加すると、総計は60ポンド(27.2160kg)であり、カメラのオペレータが通常支持する上限の負荷の十分に範囲内である。
【0026】
本発明の他の例示の実施形態は、バランスポールの軸線に対してマスタスレッドとスレーブスレッドとのサーボ制御の接続部を旋回させるバランスポールの直接の機械的な軸線方向接続部を代用してもよい。この機械的な相互接続部は、スレーブジンバルヨーク及びマスタジンバルヨークの回転軸線を、「ピッチ」軸線と称されるものにおいて、軸線回転において1対1でロックするためにバランスポール自体を採用する。
【0027】
本発明の他の機械的な連結の実施形態は、例えば、歯付きギアに摩擦によって接続される、プーリ同士の間の歯付きベルト、歯付きギアに機能的に接続されてマスタスレッドとスレーブスレッドとの間でジンバルヨーク角度とパン角度とを同期させることができる「歯科医のドリル」タイプのプーリ及びベルトの組み合わせ、などの他の公知のタイプの機械的な相互接続部を用いて、1以上の残りの電子サーボ制御の接続部と置換してもよい。
【0028】
さらに、本発明の機械的な連結の実施形態は、スレーブカメラジンバルの下方かつマスタスレッドジンバルの上方の釣り合い重りを排除するために第2の水平回転軸線を相互接続し、残りのマスタスレッドの釣り合い重りがスレーブスレッドカメラと有効にバランスをとり、マスタスレッド及びスレーブスレッドが単一の仮想中心ポストの上方及び下方で相互接続される場合に角度制御を可能にするタイロッド又はプーリの相互接続を採用してよい。この機構は、スレーブスレッド又はマスタスレッドのいずれかを別個に釣り合わせる必要のない重いカメラの使用を可能にし、及び従って、本発明の総重量を潜在的にほぼ半分にまで減少させ得る。さらに、本発明の機械的なロックの実施形態は、(回転の±180°までの)パン運動を同期させるため、そこから横方向に延びる対称的なクランクセット同士の間、すなわち、マスタ中心ポスト及びスレーブ中心ポストの各々の間に接続される対のタイロッドを採用してもよい。そうしたタイロッドの対は、マスタジンバル及びスレーブジンバルのそれぞれのほぼ上方又は下方に配置される場合、マスタポスト及びスレーブポストの間のピッチ角を同期させる働きをすることもできる。
【0029】
図1は、ステディカム(登録商標)として知られている従来技術の安定化カメラ支持システムを示しており、安定化カメラ支持システムは、カメラ28が吊り下げられた状態の「低モード」で展開されている。潜在的なレンズ高さの最大垂直範囲は線29によって示されている。
【0030】
図2は、空間的に分離して支持するために用いられることが可能である、又は、本発明の実施形態の一部であり得る、典型的な従来技術の軽量「ベスト」1及び関節支持アーム2の正面図である。
【0031】
図3は、カメラ6の最大レンズ高さを得るために展開される本発明の例示の実施形態を示している。アーム2は、ベスト1に取り付けられてその動程の限界まで上昇している。アーム2は、マスタスレッド3とスレーブスレッド5との間で装置のバランス中心4bに配置されるポールジンバル4aによってバランスポール4に取り付けられている。
【0032】
マスタスレッド3は、マスタスレッドジンバル3bでバランスポール4に取り付けられている。マスタスレッドジンバル3bは、バランスポール4と中心ポスト3aとの間で3つの度の角度分離を提供する。図3では、バランスポール4は、カメラ6を最大限に持ち上げるために張られている。スレーブスレッド5はスレーブジンバル5bでポール4に取り付けられている。スレーブスレッド5は、マスタジンバル3bでの位置及び角度移動を二重にするために(例えば図6に示される)サーボモータによって方向付けられる。サーボモータは、マスタスレッド3に配置されるセンサからの情報に基づく信号に応答する(例えば図5参照)。マスタスレッドのセンサからの信号は例えばサーボ増幅器及び/又はソフトウェアによって調節されてよい。オペレータは、マスタスレッド5に配置されるモニタ8上でカメラ6からの遠隔画像を見る。
【0033】
ここで示される本発明の例示の実施形態ではサーボモータが例として用いられている。他のセンサ/モータの組み合わせが本発明の範囲内にある。好適には、センサ/モータの組み合わせは閉ループ制御システムである。多くの用途のために低振動及び低ノイズが望ましい。例えば約3000rpm〜5000rpmの高速がまた望ましい。本発明の例示の実施形態では、解決策は、1回転約1000パルス(pulse per revolution)〜1回転約10000パルスの範囲である。代替の実施形態では、ステッピングモータなどが用いられ、マスタスレッドの運動とスレーブスレッドの運動との間の遅延時間を減少させ得るものの、そうしたモータは、閉ループではなく、高いノイズ及び振動を有する傾向がある。
【0034】
図4は、カメラ6の最小レンズ高さのために展開される本発明の例示の実施形態を示している。アーム2はその動程の下限に押し下げられており、バランスポール4は下方の角度に動かされている。スレーブスレッド5上のカメラ6は、マスタスレッド3の方向に基づいた方向に向けられている。本発明の特定の実施形態では、カメラ6はマスタスレッド3と同じ方向に向けられたままである。このことは、マスタジンバル3bとバランスポール4との間の時々刻々の角度、マスタスレッド3が再位置決めされる時に変化する他の空間的関係、を好適に連続的に検出して、スレーブジンバル5bの要素を駆動して、及び従って同期して再位置決めするために配置される例えばサーボモータ(図示せず)などのモータによってその角度(又は他の測定)を再び生成することによって実現される。
【0035】
マスタ及びスレッドの構成要素の間の相互接続部は機械的又は電気的であり得る。モータ及びセンサは、配線で接続されてよく、無線で接続されてよいことに留意されたい。機械的接続部は、タイロッド、プーリ、ギア、又は同様の装置を含み得る。第1地点の運動を第2地点の運動に置き換えるために、パンタグラフに用いられるような平行四辺形に基づいた方法で接続される機械的リンクが、本発明の実施形態での使用に適合し得る。このことは、第1地点から第2地点までの運動の増幅又は縮小、又は、1対1の対応の運動の増幅又は縮小を含み得る。
【0036】
図面は、装置のスレーブ端に配置されるカメラとマスタ端に配置されるモニタとを概して示している。本発明の例示の実施形態では、カメラは、同時撮影のために装置のスレーブ端及びマスタ端の両方に設置されている。
【0037】
図5は、本発明の例示の実施形態に係るマスタスレッド3の拡大図を示す。ジンバル3bは、バランス中心3cのちょうど上方に配置されている。釣り合い重り機器3eは、上側機器7aとモニタ8を有する下側機器7bとから構成されている。釣り合い重り機器には、例えばカメラCCU(カメラ制御ユニット)及び関連したバッテリ、マイクロ波伝送装置、レンズ制御増幅器などの様々な他の構成要素が含まれ得る。非機能性質量が重りとして用いられてもよい。オペレータの手は、位置3d(好適にはバランス中心3cにできる限り近い位置)でマスタスレッド3の姿勢を制御する。センサ10、11及び12は、バランスポスト4に対して中心ポスト3aの(相互に垂直な3つの軸線の)角度位置を検出する。バランスポスト4は、その自身のバランス中心4bでジンバル4aによって支持されている。マスタスレッド3は、例えば、必ずしも(図4/図5に示されるように離れて装着される)カメラを有する必要がないことを除いては、すべての観点でステディカム(登録商標)のスレッドであり得る。マスタスレッド3は、中心ポストから選択可能な距離に質量を位置決めすることによって角度的に不活性の状態にされ、ジンバル3b及びアーム2によってオペレータの望まない運動から分離される。好適には、マスタスレッド3は、例えば補正装置のバランス調整によってほぼ水平に吊り下げるように調節されてわずかに底部を重くするようにバランスがとられ、例えば位置3dのオペレータの手によって任意の角度方向に方向付けられることが可能である。装置は、オペレータの手の最も軽い接触がマスタスレッド3を方向付けることができるように形成され得る。マスタスレッド3は、釣り合い重り機器7a及びモニタ8の上側及び下側セットを中心ポストから様々な距離に選択的に位置決めすることによって、パン、チルト及びロールのすべての3軸において不活性の状態にされる。センサ10、11及び12は、実質的に摩擦なしで好適に動作し、及び従って、角度安定性を低下させない。マスタスレッド3は、従って、オペレータの思いのままに狙いを定め得る安定的で角度的に機敏な基準プラットフォームを提供し、それによって、離れて位置決めされたスレーブスレッド5とスレーブスレッド5に取り付けられたカメラ6とを制御し得る。マスタスレッド3は、バランスポール4が持ち上げられたり旋回されたりした場合でさえもその角度の方向を維持し、及び従って、バランスポール4の旋回及び/又は持ち上げによって生じる角度効果を無効にするか又は減少させるために対応して「バックパン」して「バックチルト」するスレーブスレッド5及びカメラ6の角度の方向を維持する。
【0038】
図6は、本発明の例示の実施形態に係るセンサ10、11及び12を示すマスタスレッド3のジンバル部分3bの拡大図である。この実施形態では、センサ10、11及び12は、互いに相互に垂直に位置決めされており、各々は、相互に垂直な3つの方向のいずれか1つの回転を検出する。方向は、縦方向の中心ポスト軸線回りの例えばパン、パンの軸線に垂直なマスタスレッドジンバル軸線回りのピッチ、並びに、パンの軸線及びピッチの軸線に相互に垂直なバランスポールの長手方向軸線回りのロールである。他のセンサの位置決め及び自由度が本発明の範囲内に含まれる。中心ポスト3a及びポスト4の間の時々刻々の角度は、3つのセンサ10、11及び12によって検出される3つの相互に垂直な構成要素角度に分解される。センサ10は、中心ポスト3aとジンバル3のパンベアリングレースの平面との間の角度を記録する。センサ11は、ヨーク30の平面と中心ポスト3aとの間の角度を記録する。センサ12は、ヨーク30の平面とポスト4との間の角度を記録する。これらの検出された角度はその後、類似のサーボモータに送られて、スレーブスレッド5上のカメラが同期して狙いを定められるように再び生成される。スレーブスレッドジンバル5bと釣り合い重り機器5c(例えば図4に示される)とは、サーボモータ10、11及び12から生じる再位置決めの間、スレーブスレッド5及びカメラ6を安定化させたまま維持するように働く。
【0039】
図7は、本発明の例示の実施形態に係るカメラ6及び補助モニタ9と、3つのサーボモータ14、15及び16の位置を示すスレーブスレッド5との拡大図である。マスタスレッド又はその構成要素の運動に基づいて生成される位置決めデータに応答して、モータ14、15及び16は、マスタスレッドの運動に対応してスレーブ中心ポスト5d及びバランスポール4の間の角度の関係を連続的に制御する。その結果、マスタスレッドと常に同じ方向にカメラ6の狙いを定めることができ、オペレータは、マスタスレッドを直感的にパン、チルト及びロールさせることができ、かつ、マスタモニタ又はスレーブモニタ9のいずれかによって、オペレータの意図したカメラの動きが実現されたことを見ることができる。本発明の代替の実施形態では、スレーブスレッドでの運動は、増幅され、又は減少させられ、又は、マスタスレッドでの運動と1対1の対応を有する。スレーブスレッド及びマスタスレッドでの運動の間の関係は、比例であるか、反比例であってよく、又は、センサ/モータシステムの構成、及び/又は、支持システムの構成によって決定されるような他の関係を有してもよい。
【0040】
図7は、ポスト4とスレーブジンバルヨーク31の平面との間の軸線方向の角度を制御するモータ16を示している。モータ15は、ヨーク31の平面とスレーブジンバル5上のパンベアリングレースとの間の角度を制御する。モータ14は、中心ポスト5dと前述のスレーブベアリングレースとの間の角度を制御する。好適な実施形態では、ジンバル5bは、スレーブスレッドのバランス中心5aに位置決めされてクランプ17によってポスト5dに対して所定の位置にロックされ、その結果、スレーブスレッド5のバランスは、中立的であり、ポスト5dに対してバランスポスト4の角度に何ら影響しない。
【0041】
図8は、オペレータの背後で上方に真っ直ぐ撮影することに関する位置及び方向に展開される本発明の例示の実施形態を示す。マスタスレッド3は後方に狙いを定められる。バランスポール4は上方かつ後方にチルトされる。オペレータは、マスタスレッドモニタ8上でカメラ6からの対応して方向付けられた遠隔画像を見る。こうした極端なチルト角は、釣り合い重り機器3eの一部とポール4との衝突の危険性を増大させることがあるものの、これらの潜在的な干渉は、所望のショットを得るために適切な体の位置及びポストの角度を選択することによって容易に回避される。オペレータは歩行中であるので、潜在的に機器の一部によって遮られるカメラ角度は、わずかに異なる体の位置を用いることによってたいてい避けることが可能である。
【0042】
図9は、マスタスレッド3及びスレーブスレッド5の間で展開される特別に長いバランスポール4を備える特別に拡張した本発明の例示の実施形態を示す。拡張バランスポール4は2つの部分23、24を有する。この構成では、ポール部分23は、バランス中心3cのジンバル3bからスレーブスレッド5まで延びており、ポール部分24よりも長い。より短い部分24はジンバル3bからマスタスレッド3まで延びる。図示されるように、ジンバル3bからスレーブスレッド5までの距離とジンバル3bからマスタスレッド3までの距離との比はおおよそ6:1で示されている。こうして、(無視してもよいバランスポールの重量を引いた)スレッド3及び5の間の重量比は、逆関数であって同じ6:1の比でなければならない。このことは、マスタスレッドジンバル3bの上方及び下方に必要とされるような釣り合い重りを追加したり取り外したりして、アーム2の持ち上げ力を調節することによって実現される。ステイ36と関連した覆い37との1以上の任意選択的なセットが、バランスポール4の撓みを減少させるか又は除去し、それによって、その円柱構造を実質的に維持して、潜在的な跳ね上がりを減少させるとともにその長手方向軸線回りのそのバランスを維持する。バランスポールを支持する又は補強する他の装置が、ステイ及び覆いとは別個に又は関連して用いられてもよい。例えば特定の合成物又は合金などの材料の適切な選択がそうした装置への要求を除去し又は減少させる。しかしながら、本発明の一部の実施形態では、バランスポールは円柱でなくてもよく、いくらか湾曲していてよいことに留意されたい。
【0043】
図10は、本発明の代替の実施形態を示しており、マスタスレッド及びスレーブスレッドのジンバルヨーク30及び31の両方が、回転可能な「動的」バランスポール18への堅い接続部19及び20を有しており、こうして機械的手段によって軸線方向に同期したまま維持される。この実施形態は、ハンドグリップの移動とポール18の移動とを相互に分離するための環状ベアリング21a又は他の機構を有するハンドグリップ21を有する。従って、ポスト18を旋回させ及び/又は持ち上げるためにオペレータによって作用させられる力は、ポスト18並びにヨーク30及び31に角度的に伝達されず、及び従って、マスタスレッド3は、ベアリング21a又は他の分離した機構からのわずかな軸線方向の摩擦のみを除いて、実質的に角度的に分離されたままである。本発明のこの例示の実施形態は、1つは機械的手段によってかつ2つは電気的手段によって3つの軸線すべてにおいて相互接続されるために、マスタスレッドジンバルに2つのみのセンサと、スレーブジンバルに2つの対応するモータと、を必要とする。動的バランスポール18は、図9に示される覆い及びステイの1以上のセットを任意選択的に有してもよい。ステイ及び覆いとは代替的に又はステイ及び覆いに加えて、バランス重量クランプ38は、動的バランスポール18に対して外側に調節可能な重り41を位置決めすることによって、その長手方向軸線回りにバランスポール18のバランスをとるように働き得る。こうして、バランスポール18に接続されるクランプカラー39は、ねじ付きロッド40が、釣り合い重りを必要とする方向に向けられるように回転させられる。クランプカラー39はその後、もはやバランスポール18回りに回転することができないようにバランスポール18に固定される。調節可能な重り41は、その後、バランスポール18が軸線方向にバランスがとられるまでねじ付きロッド上で内側又は外側に回される。覆い及びステイ並びに/又はバランス重りクランプ38のいずれかの使用は、バランスポール18のバランスが、それらの重心回りのマスタスレッド3又はスレーブスレッド5のいずれかの明確な個々のバランスに作用しないことを確保することができる。
【0044】
図11は、堅い軸線接続部19による動的ポスト18へのヨーク30の機械的取付を示すマスタスレッドジンバル3aの拡大図を示す。2つの残りの回転センサ10及び11は、スレーブスレッド上のそれらの他方に対してそれらのそれぞれの軸線のサーボ制御接続部を与える。
【0045】
図12は、堅い軸線方向接続部20によって動的バランスポスト18に取り付けられる図10のスレーブスレッドヨーク31の拡大図を示す。モータ14及び15は、例えばサーボ増幅器から電気的衝撃を受けて、マスタスレッドで導き出されたセンサ入力に応じてそれらの対応の軸線を同期させ、その結果、カメラ6が、マスタスレッドと同様に3つのすべての軸線で同一の角度姿勢を維持する。
【0046】
図13は、図10に示される本発明の例示の実施形態の動的バランスポール18を持ち上げて旋回させるための環状で軸線方向に分離されたハンドグリップ21の拡大図を示しており、機械的接続部が3つのサーボ制御接続部の1つに代替されている。環状ベアリング21aは、ハンドグリップの強い旋回及び/又は持ち上げ運動がポール18上に角度を形成する作用を防止する。
【0047】
図14は、環状で軸線方向に分離されたハンドグリップ21の他の例示の実施形態を示しており、ハンドグリップ22は、ハンドグリップ21の時々刻々の角度を適合させる彼のハンドグリップ位置を歪ませることなく動的バランスポール18を持ち上げて旋回させることが必要な運動及び力をより快適にオペレータが作り出すことができるようにハンドグリップ21からオフセットしており、かつ、ハンドグリップ21に調節可能に堅く接続されている。この実施形態はまた、環状ベアリング21a又は他の適切な機構によってポール18からグリップ21の環状で軸線方向の分離を提供する。
【0048】
図15は、マスタスレッド34及びスレーブスレッド35の他の堅く接続された軽量の実施形態を示しており、第2回転軸線がタイロッド32によって堅く相互接続されるので、マスタスレッド34及びスレーブスレッド35のいずれもそれぞれのジンバル3b及び5bの上方又は下方に釣り合い重りを必要としない。他の接続装置、例えばプーリ及びベルト又は相互接続タイワイヤなどが用いられてもよい。従って、スレーブスレッド35はジンバル5bの上方にカメラ6のみを支えている。マスタスレッド34はジンバル3bの上方に釣り合い重りを有していない。図12に示される実施形態のように、バランスポール4並びにマスタ及びスレーブジンバルヨーク30及び31が、スレーブスレッド35に対してマスタスレッド34の1つの回転軸線に堅い相互接続部を有している。タイロッド32は、ポール18のスレーブスレッド端及びマスタスレッド端のそれぞれで旋回ヨーク33a、33bに取り付けられている。タイロッド32及びヨーク33a、33bによるマスタスレッド端及びスレーブスレッド端の間の堅い接続部は、スレーブスレッド35に対してマスタスレッド34の旋回角を伝達することを容易にする。タイロッド35は、例えば運動の極端なピッチ角で生じるタイロッド32とオペレータの手との間の干渉を緩和するためのタイロッド手起伏屈曲部32aを任意選択的に備えてよい。これは第2回転軸線を連結し、その結果、マスタスレッド釣り合い重り7b及び8は、単一の仮想ジンバルによって吊り下げられる単一の仮想中心ポスト上で互いに上方及び下方に直接的に装着される場合にバランスカメラ6のバランスをとるように働き得る。その結果は、ハンドグリップ部分3dでオペレータによるマスタスレッド34の角度制御が、スレーブスレッド35上でカメラ6の実質的に同一の回転を生成することである。スレッド34及び35のいずれも、ほぼ中立的な角度バランスのために独立して釣り合いがとられないものの、スレッド34、35、バランスポール4及び旋回ヨーク30、31及び33の相互接続された組み合わせが、極めて高いレンズ高さ及び極めて低いレンズ高さを実現するため、図示されるように水平方向に延びるため、さらなる自由度を用いれば、あたかも例えばステディカム(登録商標)などの従来型の単一スレッドの支持装置を作動させる場合に同一の感触を提供する。マスタスレッド及びスレーブスレッド34、35のそれぞれのパン軸線における同期は、センサ/モータ手段のいずれかによって、又は、対のタイロッド及びクランク(図16参照)、及び/又は、例えばセクタギアなどのベルト及びギアによって実現される。
【0049】
図16は、本発明の例示の実施形態に係るマスタスレッド及びスレーブスレッドの間のピッチ運動及び制限されたパン運動の両方を複数部品のタイロッドが同期させる電子サーボモータ接続部を必ずしも必要としない支持システムを示している。タイロッド42は、タイロッド自在継ぎ手43同士の間で延び、及び従って、タイロッドストラット46の先端に取り付けられるものの、タイロッド自在継ぎ手43によって2つの軸線で角度的に切断される。タイロッド42は、従って、マスタ及びスレーブスレッドの間の制限されたパン運動を同期させることができる。タイロッド起伏屈曲部44は、タイロッド42と拡張されたマスタ及びスレーブ中心ポスト45a、45bとの間の早期の干渉を防止することによってパン運動の角度範囲を増大させることができる。
【0050】
図17は、電子サーボモータ接続部を必ずしも必要としない他の支持構造を示しており、歯付きギア及びベルトが、本発明の例示の実施形態に係るマスタ及びスレーブスレッドの間のピッチ運動及びパン運動の両方を同期させるためにタイロッドと連動して作動する。歯付きギア48及びベルト49は、マスタスレッド3及びスレーブスレッド5の間のピッチ運動及びパン運動の両方を同期させるためにタイロッド32と連動して作動する。ベベルギアセット50ab(図18に示される)は、ベルト49及びギアホイール48を介してマスタスレッド3に作動させるパン運動を伝達するために横切る。
【0051】
図18は、本発明の例示の実施形態に係るパン運動の同期を有効にするためにギアベルト及びベベルギアによってマスタスレッド及びスレーブスレッドの間の機械的な相互接続部を示す、図17の例示の実施形態のさらなる詳細を提供する。マスタスレッド3及びスレーブスレッド5の間の機械的な相互接続部のスレーブ端は、マスタスレッド3に分与されるパン運動をスレーブスレッド中心ポスト5dに伝達して同期させるパン制御ギアベルト49及びベベルギアセット50a及び50bを有している。スレーブスレッドのタイロッドヨーク(タイロッド32の端部回りに配置される)は拡張外側レースチューブ47(スレーブ中心ポスト5dの一部回りに配置される)に旋回可能に取り付けられ、タイロッド32によって、スレーブスレッド3及びマスタスレッド5の間のピッチ角も同期させる。
【0052】
図19は、本発明の例示の実施形態に係るバランスポール内に配置される同期構成要素を有する支持システムを概略的に示している。平行四辺形のテンションケーブル51a、bは、相互にほぼ平行にバランスポールを通って長手方向に延びている。これらは、マスタ中心ポール3aの運動がスレーブ中心ポスト5dで再現されるように、スレーブ及びマスタ支持部分の各々にヨーク52によって旋回可能に接続されている。パン軸線無端ベルト53は、パン軸線メイン駆動ギア55同士の間で延びてベルトアイドラギア54によってギア55上に案内される。ベルト53は3Dの歯付きベルトであることが好ましい。ワイヤ51及びベルト53のテンションは、バランスポール4の非圧縮性によって維持されており、バランスポール4は、ヨーク30によってマスタジンバル3bに取り付けられており、ヨーク31によってスレーブジンバル5bに取り付けられている。図表の明確性のために、図19にはこれらのいずれも図示されていないことに留意されたい。
【0053】
本発明はまた、ここで説明される装置を使用する方法及び製造する方法を有している。
【0054】
各々が要素の異なる組み合わせを有する本発明の様々な実施形態が説明されてきた。本発明は、開示される特定の実施形態に限定されず、開示される要素の異なる組み合わせを有してよい。
【0055】
以下の特性の一部又はすべてが本発明の実施形態中にあってよい。
・任意の方向にオペレータから距離を置いて拡張されることが可能な軽量カメラのための簡略化した安価で小型の体支持型装着体又は車両支持型装着体であって、過度の労作を必要とせずに、拡張されたカメラに対して直感的で正確な局所的な3軸の角度制御によって「床から天井まで」レンズ高さを到達させることができる、軽量カメラのための簡略化した安価で小型の体支持型装着体又は車両支持型装着体。
・オペレータの位置からの横方向及び垂直方向の大きな変位に加えて、カメラの自由で直感的な角度制御を好適に有する安定化した撮影がなされ得るような、拡張された適用範囲及び角度機敏性。
・低モードブラケット、低モード変更部を排除した状態の体装着型カメラ安定化装置における連続的な垂直運動範囲。
・動作にあたってほとんど扱いにくくない装置を提供するため、「パン」軸線における不変の角度慣性に対して不釣り合いに大きくなる「チルト」軸線における角度慣性を有しないで、高いレンズ高さと、「低モード」において極めて低いレンズ高さと、を容易にするために伸長されることが可能であって、安定化されたままに加えて角度的に機敏なままである複数部分の入れ子式ポスト。
・カメラの水平姿勢を保持する高価で、水平検出の、ジャイロ振り子の統合コンピュータを必要としない、体装着型「ロールケージ」カメラ安定化装置の機能性及び角度機敏性における構造的に単純で電子的に複雑でない改善。
・長いスレッド中心ポストを持ち上げずに又は旋回させずに、離れて位置決めされたカメラヘッドの3軸の角度制御。
・本質的に「バックパン」しないぎこちなくて非直感的な「ジョイスティック」によって制御されることに代えて、直感的な正確性によって遠隔でパンされてチルトされる(及びロールされる)ことが可能なように、従来型のポール装着型カメラ支持体に比べて改善された角度機敏性。
・強烈な動的運動中でさえ水平の安定的な撮影を提供することができるとともに正確なオペレータの制御をさらに容易にすることができる、従来型のポール装着型カメラ支持体に比べて改善された角度安定性。
・自動的に「バックパン」(ポールが水平に旋回)して、又は垂直方向に「ブーム」して、カメラの角度姿勢が対応して変化せず、及び従って、所定の距離の物体に常に正確に「狙いを定める」ことがはるかに容易であるように、従来型の拡張ポール装着型カメラ支持体に比べて改善された角度制御。
・ショットの範囲内でその自身の局所的な支持構造を見なくても360°以上にわたって選択的にパン及びチルトすることができる「ポール装着型」カメラ。
・例えば1ポンド(0.4536kg)未満の重量のものであって、より大きくてより重い構造の角度慣性によってもなお安定化され得る、極めて軽量なカメラチップ/レンズの組み合わせのための支持システム。
・極めて低い及び高いレンズ位置を提供するものの、それらのショットを実現するために体の伸展労作を必要としないカメラ支持作動システム。
・介在して拡張されるバランスポールの先端にそれぞれ装着される取り付けられた軽量カメラを有しており、(任意選択的にはカメラを有しない)マスタスレッドの時々刻々の角度姿勢と小型のスレーブスレッドの時々刻々の角度姿勢との間の1対1の「マスタ/スレーブ」の関係をサーボ制御することに適合するものの完全に分離された慣性安定性を有する支持システム。
・安定的で反復可能であって、極めて高い/低い持ち上げ又は横方向の延在部でさらなる角度慣性を追加しない手段による軽量のビデオカメラの角度及び空間の遠隔制御の容易化。
・思いのままに「床から天井まで」レンズを持ち上げて、マスタスレッドに何ら角度の乱れを生じさせることなく水平方向にレンズを旋回させることを可能にする連続的な「ブーム」範囲(動的な垂直運動の範囲)。
・バランスポールのより長くて軽い端部に対するその角度関係が、ポールのより短くて重い端部に対するマスタスレッドの角度関係を連続的に模倣するように、スレーブスレッドの中心ポストとそれに関連したカメラとに対してその他端にほぼ1対1で再び生成される、取り付けられたバランスポールに対するマスタスレッド中心ポストの時々刻々の動的な3軸関係。
・マスタスレッド上に従来のように位置決めされたモニタを介して、スレーブスレッド上のカメラによって生成される画像の第1視野を見ること。
・スレーブスレッドのための釣り合い重りとして機能し、かつ、オペレータの注意がスレーブスレッドの近位で任意の障害物に集中しなければならない時に画像を見るための方法として機能する、追加のモニタによって第2視野を見ること。
・小さな開口を貫通することが可能であるものの局所的に独立したパン/チルト/ロール能力を保つことが可能であり、また、車両内で隔離されたマスタスレッドの安定化された質量に吹き付ける任意の風を伝達することなく、移動する車両内からスリップストリーム内に移動することが可能な小さな小型カメラヘッド。
・1つはマスタスレッド上にあり、任意選択的により小さい1つは拡張バランスポールの遠端でスレーブスレッド上にあり、その結果、後者の角度方向は前者の角度方向に対して従属装置として作動させられ、オペレータは例えばシーンのワイド撮影及びクローズアップ撮影を同時に供給することができる2つのカメラの同時制御。
・特別に長いバランスポールを持ち上げて旋回させる時に、カメラが非常に拡張されて、歩行中のオペレータから20フィート(609.6cm)以上離れても安定的で直感的に制御され、一貫して狙いを定めるために自動的に「バックパン」及び「バックチルト」されることが可能なように、軽量のポール部分の追加、又は、「スーパーポスト」入れ子式部分の追加、又は、動的に伸縮する部分の追加のためのモジュール構成。
・スレーブ端のカメラの質量を局所的に釣り合わせることを必要とせずに、より重いカメラの使用を容易にするバランスポール上に拡張されたスレーブカメラの遠隔制御。
【0056】
本発明は、上の好適で単純化された実施形態に関して説明されたものの、様々な変更や修正が、安定して拡張可能で角度的に機敏なカメラ支持体の構成要素に対して本発明の範囲内でなされてもよいことが理解されよう。例えば、本発明はカメラを用いた使用に特に適用可能であるものの、本発明は他のタイプの機器又はツールを支持し、狙いを定め、位置決めし及び/又は安定化させるために用いられることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端及び第2端を有するバランスポールと、
第1ジンバル装置を有する前記バランスポールの前記第1端に接続されて、前記バランスポールの前記第1端周りにバランスがとられる1以上の第1構成要素質量と、
第2ジンバル装置を有する前記バランスポールの前記第2端に接続されて、前記バランスポールの前記第2端周りにバランスがとられる1以上の第2構成要素質量と、
前記バランスポールのバランス中心で前記バランスポールに取り付けられる第3ジンバルと、
前記第2ジンバルで前記第1ジンバルの運動を再現する機構と、を備える支持システム。
【請求項2】
前記運動を再現する機構は、
前記第1ジンバルの1以上の回転軸線回りの回転運動を検出する1以上のセンサと、
前記第2ジンバルに機能的に接続されて、前記第2ジンバルの1以上の回転軸線回りに回転運動を分与する1以上のモータと、を備えており、
1以上の前記モータは、1以上の前記センサから受信した信号に基づいて前記回転運動を分与して、前記第1ジンバルの回転軸線回りの運動を前記第2ジンバルの回転軸線回りに再現する、請求項1に記載の支持システム。
【請求項3】
前記センサの少なくとも1つと前記モータの少なくとも1つとが閉ループを形成する請求項2に記載の支持システム。
【請求項4】
前記モータの少なくとも1つがサーボモータである請求項3に記載の支持システム。
【請求項5】
前記第1ジンバル装置及び前記第2ジンバル装置は3つの角度の自由度を提供する請求項1に記載の支持システム。
【請求項6】
前記運動を再現する機構は、1以上の回転軸線回りの回転に関して前記第2構成要素質量に前記第1構成要素質量を固定する1以上の堅固な接続部を備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項7】
前記第1構成要素質量は、ピッチ軸線回りの回転に関して前記第2構成要素質量に対して固定される請求項6に記載の支持システム。
【請求項8】
前記第1構成要素質量は、ヨー軸線回りの回転に関して前記第2構成要素質量に対して固定される請求項6に記載の支持システム。
【請求項9】
前記第1構成要素質量は、1以上のタイロッドを介して前記第2構成要素質量に対して固定される請求項6に記載の支持システム。
【請求項10】
前記第1構成要素質量は、1以上のプーリ及びベルトを介して前記第2構成要素質量に対して角度的に同期される請求項6に記載の支持システム。
【請求項11】
前記第1及び第2ジンバルは各々2つのみの角度の自由度を提供し、前記角度の自由度は各ジンバルで同一の角度の自由度であり、当該支持システムはさらに、
前記バランスポールに接続されて前記バランスポール回りに自由に回転可能であるハンドグリップを備える請求項6に記載の支持システム。
【請求項12】
前記ハンドグリップが前記バランスポール回りに自由に回転可能であるように位置決めされる少なくとも1つの環状ベアリングを備える請求項11に記載の支持システム。
【請求項13】
前記ハンドグリップに調節可能に接続されるオフセットハンドグリップ構成要素をさらに備える請求項11に記載の支持システム。
【請求項14】
前記第1構成要素質量はモニタを有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項15】
前記第1構成要素質量は、機器の構成要素と、前記機器と釣り合う1以上の重りと、を有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項16】
前記第2構成要素質量は、機器の構成要素と、前記機器と釣り合う1以上の重りと、を有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項17】
前記第1構成要素質量は、機器の構成要素と、前記機器と釣り合う1以上の重りと、を有しており、
前記第2構成要素質量は、機器の構成要素と、前記機器と釣り合う1以上の重りと、を有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項18】
前記第1構成要素質量は、第1機器構成要素と、前記第1機器構成要素と釣り合う1以上の重りと、を有しており、
前記第2構成要素質量は、第2機器構成要素を有しており、釣り合い重りを有していない請求項1に記載の支持システム。
【請求項19】
前記第2構成要素質量はカメラを有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項20】
前記第1構成要素質量及び前記第2構成要素質量の各々がカメラを有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項21】
前記第1構成要素質量はモニタを有しており、前記第2構成要素質量はカメラを有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項22】
前記バランスポールは入れ子式である請求項1に記載の支持システム。
【請求項23】
前記バランスポールの撓みを減少させる1以上の覆い及び1以上のステイをさらに備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項24】
前記バランスポール周りに配置されるバランスクランプであって、前記バランスポールの長手方向軸線周りに前記バランスポールのバランスをとるために当該クランプ上に調節可能位置を有する重り有するバランスクランプをさらに備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項25】
前記バランスクランプは、
ロッドにねじによって取り付けられる重りであって、前記バランスポールの長手方向軸線回りに前記バランスポールのバランスがとられるまで当該重りがねじロッド上で内側又は外側に回されることが可能なように前記ロッドが位置決めされる、重りを備える請求項24に記載の支持システム。
【請求項26】
前記第2ジンバルで前記第1ジンバルの運動を再現する機構は、
第1中心ポストに旋回可能に取り付けられる第1タイストラットであって、第1端に第1自在継ぎ手を有するとともに第2端に第2自在継ぎ手を有する第1タイストラットと、
第2中心ポストに旋回可能に取り付けられる第2タイストラットであって、第1端に第1自在継ぎ手を有するとともに第2端に第2自在継ぎ手を有する第2タイストラットと、
前記第1ストラットの第1自在継ぎ手と前記第2ストラットの第1自在継ぎ手との間に長手方向に配置される第1タイロッドと、
前記第1タイロッドにほぼ平行であって、前記第1ストラットの第2自在継ぎ手と前記第2ストラットの第2自在継ぎ手との間に長手方向に配置される第2タイロッドと、を備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項27】
前記第2ジンバルで前記第1ジンバルの運動を再現する機構は、
第1レースチューブから第2レースチューブまで延びるタイロッドであって、前記第1レースチューブは第1中心ポスト周りに配置され、前記第1中心ポストは前記第1ジンバルを通って配置され、前記第2レースチューブは第2中心ポスト周りに配置され、前記第2中心ポストは前記第2ジンバルを通って配置される、タイロッドを備え、
前記タイロッドは、第1端と、第2端と、各端にジンバルと、を有しており、
前記第1レースチューブは、当該第1レースチューブに取り付けられる第1歯付きギアを有しており、前記第2レースチューブは、当該第2レースチューブに取り付けられる第2歯付きギアを有しており、
前記第2ジンバルで前記第1ジンバルの運動を再現する機構は、
前記歯付きギアに対して機能的に適合するとともに前記歯付きギアに接続されるベルトを備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項28】
前記第2ジンバルで前記第1ジンバルの運動を再現する機構は、
前記バランスポール内に配置されるケーブルを備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項29】
前記ケーブルと機能的な関係性を有するベルトとギアシステムとを備える請求項28に記載の支持システム。
【請求項30】
請求項1〜29のいずれか1項に記載の支持システムに取り付けられる関節アームを備える支持システム。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の支持システムを用意する工程と、
前記第1端で相互に前記第1構成要素質量のバランスをとる工程と、
前記第2端で相互に前記第2構成要素質量のバランスをとる工程と、
前記バランスポールの長手方向軸線回りで前記バランスポールのバランスをとる工程と、
前記バランスポール回りで前記第2質量に対して前記第1質量のバランスをとる工程と、
前記第1ジンバル装置を運動させて、前記構成要素質量のおおよそのバランスを維持しつつ前記第2ジンバル装置で前記運動を再現する工程と、
を備える機器のバランスをとって利用する方法。
【請求項1】
第1端及び第2端を有するバランスポールと、
第1ジンバル装置を有する前記バランスポールの前記第1端に接続されて、前記バランスポールの前記第1端周りにバランスがとられる1以上の第1構成要素質量と、
第2ジンバル装置を有する前記バランスポールの前記第2端に接続されて、前記バランスポールの前記第2端周りにバランスがとられる1以上の第2構成要素質量と、
前記バランスポールのバランス中心で前記バランスポールに取り付けられる第3ジンバルと、
前記第2ジンバルで前記第1ジンバルの運動を再現する機構と、を備える支持システム。
【請求項2】
前記運動を再現する機構は、
前記第1ジンバルの1以上の回転軸線回りの回転運動を検出する1以上のセンサと、
前記第2ジンバルに機能的に接続されて、前記第2ジンバルの1以上の回転軸線回りに回転運動を分与する1以上のモータと、を備えており、
1以上の前記モータは、1以上の前記センサから受信した信号に基づいて前記回転運動を分与して、前記第1ジンバルの回転軸線回りの運動を前記第2ジンバルの回転軸線回りに再現する、請求項1に記載の支持システム。
【請求項3】
前記センサの少なくとも1つと前記モータの少なくとも1つとが閉ループを形成する請求項2に記載の支持システム。
【請求項4】
前記モータの少なくとも1つがサーボモータである請求項3に記載の支持システム。
【請求項5】
前記第1ジンバル装置及び前記第2ジンバル装置は3つの角度の自由度を提供する請求項1に記載の支持システム。
【請求項6】
前記運動を再現する機構は、1以上の回転軸線回りの回転に関して前記第2構成要素質量に前記第1構成要素質量を固定する1以上の堅固な接続部を備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項7】
前記第1構成要素質量は、ピッチ軸線回りの回転に関して前記第2構成要素質量に対して固定される請求項6に記載の支持システム。
【請求項8】
前記第1構成要素質量は、ヨー軸線回りの回転に関して前記第2構成要素質量に対して固定される請求項6に記載の支持システム。
【請求項9】
前記第1構成要素質量は、1以上のタイロッドを介して前記第2構成要素質量に対して固定される請求項6に記載の支持システム。
【請求項10】
前記第1構成要素質量は、1以上のプーリ及びベルトを介して前記第2構成要素質量に対して角度的に同期される請求項6に記載の支持システム。
【請求項11】
前記第1及び第2ジンバルは各々2つのみの角度の自由度を提供し、前記角度の自由度は各ジンバルで同一の角度の自由度であり、当該支持システムはさらに、
前記バランスポールに接続されて前記バランスポール回りに自由に回転可能であるハンドグリップを備える請求項6に記載の支持システム。
【請求項12】
前記ハンドグリップが前記バランスポール回りに自由に回転可能であるように位置決めされる少なくとも1つの環状ベアリングを備える請求項11に記載の支持システム。
【請求項13】
前記ハンドグリップに調節可能に接続されるオフセットハンドグリップ構成要素をさらに備える請求項11に記載の支持システム。
【請求項14】
前記第1構成要素質量はモニタを有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項15】
前記第1構成要素質量は、機器の構成要素と、前記機器と釣り合う1以上の重りと、を有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項16】
前記第2構成要素質量は、機器の構成要素と、前記機器と釣り合う1以上の重りと、を有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項17】
前記第1構成要素質量は、機器の構成要素と、前記機器と釣り合う1以上の重りと、を有しており、
前記第2構成要素質量は、機器の構成要素と、前記機器と釣り合う1以上の重りと、を有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項18】
前記第1構成要素質量は、第1機器構成要素と、前記第1機器構成要素と釣り合う1以上の重りと、を有しており、
前記第2構成要素質量は、第2機器構成要素を有しており、釣り合い重りを有していない請求項1に記載の支持システム。
【請求項19】
前記第2構成要素質量はカメラを有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項20】
前記第1構成要素質量及び前記第2構成要素質量の各々がカメラを有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項21】
前記第1構成要素質量はモニタを有しており、前記第2構成要素質量はカメラを有する請求項1に記載の支持システム。
【請求項22】
前記バランスポールは入れ子式である請求項1に記載の支持システム。
【請求項23】
前記バランスポールの撓みを減少させる1以上の覆い及び1以上のステイをさらに備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項24】
前記バランスポール周りに配置されるバランスクランプであって、前記バランスポールの長手方向軸線周りに前記バランスポールのバランスをとるために当該クランプ上に調節可能位置を有する重り有するバランスクランプをさらに備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項25】
前記バランスクランプは、
ロッドにねじによって取り付けられる重りであって、前記バランスポールの長手方向軸線回りに前記バランスポールのバランスがとられるまで当該重りがねじロッド上で内側又は外側に回されることが可能なように前記ロッドが位置決めされる、重りを備える請求項24に記載の支持システム。
【請求項26】
前記第2ジンバルで前記第1ジンバルの運動を再現する機構は、
第1中心ポストに旋回可能に取り付けられる第1タイストラットであって、第1端に第1自在継ぎ手を有するとともに第2端に第2自在継ぎ手を有する第1タイストラットと、
第2中心ポストに旋回可能に取り付けられる第2タイストラットであって、第1端に第1自在継ぎ手を有するとともに第2端に第2自在継ぎ手を有する第2タイストラットと、
前記第1ストラットの第1自在継ぎ手と前記第2ストラットの第1自在継ぎ手との間に長手方向に配置される第1タイロッドと、
前記第1タイロッドにほぼ平行であって、前記第1ストラットの第2自在継ぎ手と前記第2ストラットの第2自在継ぎ手との間に長手方向に配置される第2タイロッドと、を備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項27】
前記第2ジンバルで前記第1ジンバルの運動を再現する機構は、
第1レースチューブから第2レースチューブまで延びるタイロッドであって、前記第1レースチューブは第1中心ポスト周りに配置され、前記第1中心ポストは前記第1ジンバルを通って配置され、前記第2レースチューブは第2中心ポスト周りに配置され、前記第2中心ポストは前記第2ジンバルを通って配置される、タイロッドを備え、
前記タイロッドは、第1端と、第2端と、各端にジンバルと、を有しており、
前記第1レースチューブは、当該第1レースチューブに取り付けられる第1歯付きギアを有しており、前記第2レースチューブは、当該第2レースチューブに取り付けられる第2歯付きギアを有しており、
前記第2ジンバルで前記第1ジンバルの運動を再現する機構は、
前記歯付きギアに対して機能的に適合するとともに前記歯付きギアに接続されるベルトを備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項28】
前記第2ジンバルで前記第1ジンバルの運動を再現する機構は、
前記バランスポール内に配置されるケーブルを備える請求項1に記載の支持システム。
【請求項29】
前記ケーブルと機能的な関係性を有するベルトとギアシステムとを備える請求項28に記載の支持システム。
【請求項30】
請求項1〜29のいずれか1項に記載の支持システムに取り付けられる関節アームを備える支持システム。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の支持システムを用意する工程と、
前記第1端で相互に前記第1構成要素質量のバランスをとる工程と、
前記第2端で相互に前記第2構成要素質量のバランスをとる工程と、
前記バランスポールの長手方向軸線回りで前記バランスポールのバランスをとる工程と、
前記バランスポール回りで前記第2質量に対して前記第1質量のバランスをとる工程と、
前記第1ジンバル装置を運動させて、前記構成要素質量のおおよそのバランスを維持しつつ前記第2ジンバル装置で前記運動を再現する工程と、
を備える機器のバランスをとって利用する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2012−508904(P2012−508904A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536504(P2011−536504)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/064351
【国際公開番号】WO2010/056968
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(507334680)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/064351
【国際公開番号】WO2010/056968
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(507334680)
【Fターム(参考)】
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