説明

拡張座金

【課題】 木造軸組みの木材(5)が乾燥により痩せても、ボルト(4)に締め付けられて楕円形に変形した弾力性に富む拡張座金(1)が、木材(5)の痩せに応じた確実なボルト(4)の締め付けを提供する。
【解決手段】 高炭素鋼板、ステンレス鋼板など弾力性に富む素材で作られた、パイプ状の拡張座金(1)を楕円形とした場合に生じる側面2箇所にボルト穴(6)を設けた。ボルト締め後に木材(5)の痩せにより生じるボルト(4)の緩みに応じ、弾力性に富む拡張座金(1)が、緩み特有のガタつきをなくし、締め付けを維持することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造構造物の木材の痩せによる、ボルト締めの緩みを防止するための拡張座金に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来座金には、平座金、バネ座金、波型座金などボルトやナットの座面陥没防止、座面安定、振動などによる微細なボルトの緩みを防止するものは多々ある。また、木造構造物の痩せによるボルトの緩みを防止するとした、ラグスクリュウ螺旋ボルト、ラグスクリュウナットにT型座金、L型座金を併用したものがある。(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2005−146819号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、木造住宅など木造構造物の軸組みのボルト締めは、施工時に十分締めても年月の経過と共に乾燥により木材が痩せ、ボルトが緩み、強度的な問題を生じる。現在ボルトの緩みを防止するための座金は何種類もあるが、何れも僅かな緩みにしか対応できない。また、前述のT型座金、L型座金は使用箇所により座金の型を選択・加工し、更に、木材の厚みに応じてボルトの長さも選択しないとラグスクリュウナットが使えないため、手間が掛かり、コストもかさむ。
本発明は、この欠点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
高炭素鋼板、ステンレス鋼板など弾力性に富む素材で作られた、パイプ状の拡張座金(1)を楕円形とした場合に生じる側面2箇所にボルト穴(6)を設ける。
本発明は、以上の構成よりなる拡張座金である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の拡張座金は、木造住宅など木造構造物のボルト締め部分の木材が痩せるのに反比例して、ボルトに対し90度方向に反発力が伝わり締め付けていくため、大きな痩せに対してもボルトの緩みに応じた締め付けを保ち、木造構造物の強度を維持することができる。また、使用方法も簡単で、構造も単純であり規格化が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の拡張座金の使用状態をあらわした斜視図
【図2】 本発明の拡張座金をセットした断面図
【図3】 本発明の拡張座金を使用したボルト締め完了時の断面図
【図4】 本発明の拡張座金の斜視図
【図5】 本発明の拡張座金の側面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について説明する。
高炭素鋼板、ステンレス鋼板など弾力性に富む素材で作られた、パイプ状の拡張座金(1)を楕円形とした場合に生じる側面2箇所にボルト穴(6)を設ける。
本発明は、以上のような構造でこれを使用するときは、図2のようにボルト(4)に拡張座金(1)、平座金(2)を差し込み、図3のようにナット(3)を締め付ける。
乾燥により木材(5)が痩せると、楕円形に変形した高炭素鋼板、ステンレス鋼板などを素材とする弾力性に富んだ拡張座金(1)が、木材の痩せにより生じるボルトの緩みに応じ、円形に戻ろうとしてボルト(4)を締め付け、ボルト(4)の緩み特有のガタつきをなくし、締め付けを維持する。
【符号の説明】
【0009】
1.拡張座金 2.平座金 3.ナット 4.ボルト
5.木材 6.ボルト穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高炭素鋼板、ステンレス鋼板など弾力性に富む素材で作られた、パイプ状の拡張座金(1)を楕円形とした場合に生じる側面2箇所にボルト穴(6)を設けた、ボルト締め後に木材の痩せにより生じるボルト(4)の緩みに応じ、緩み特有のガタつきをなくし、締め付けを維持する拡張座金。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−112218(P2011−112218A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282156(P2009−282156)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(509341880)
【Fターム(参考)】