説明

排藁拡散装置

【課題】切断処理後の排藁を均一に拡散することができる排藁拡散装置を提供することを目的とする。
【解決手段】切断処理された排藁を、螺旋スクリュー40によって拡散処理する排藁拡散装置30において、螺旋スクリュー40は、回転軸41と、第一螺旋羽根42と、第二螺旋羽根43と、掻き出し羽根46と、を具備し、第一螺旋羽根42は、螺旋形状を有し、回転軸41上の軸方向に伸縮可能に構成されて、回転軸41上の軸方向一方側に設けられ、第二螺旋羽根43は、第一螺旋羽根42とは逆方向の螺旋形状を有し、回転軸41上の軸方向他側に軸方向に移動可能、かつ任意位置で固定可能に設けられ、掻き出し羽根46は、平板形状を有し、第一螺旋羽根42と第二螺旋羽根43との間に配置されて、これら双方に連結され、第一螺旋羽根42の長さを変更することによって、第一螺旋羽根42と第二螺旋羽根43との間の軸方向における全長を調整可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排藁切断装置によって切断された排藁を拡散処理する排藁拡散装置に関する。より詳細には、前記切断された排藁を拡散処理する螺旋スクリューに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排藁切断装置で切断刃により切断処理された排藁が切断ケースから排出される際に、切断処理後の排藁を拡散処理する排藁拡散装置は公知となっている。このような排藁拡散装置の一例として、螺旋羽根等を有する螺旋スクリューを具備し、この螺旋スクリューを回転させることによって、切断処理後の排藁を拡散処理するものが公知となっている。
このような排藁拡散装置は、コンバインにおいて、排藁切断装置の下方に配置され、該排藁切断装置によって切断処理された排藁をコンバインの進行方向(前後方向)と水平に直交する方向(左右方向)に拡散処理するようになっている。
【0003】
このような排藁拡散装置において、例えば、螺旋スクリューは右螺旋形状を有する第一螺旋羽根と、左螺旋形状を有する第二螺旋羽根とを、回転軸上に略左右対称となるように一直線状に配置するように構成されている。そして、螺旋スクリューの回転により、切断処理後の排藁を、第一螺旋羽根および第二螺旋羽根でこれらの連結部分を中心として前記コンバインの進行方向と水平に直交する一方向(例えば右方向)と、他方向(例えば左方向)とに拡散し、より広範囲に拡散処理することが可能とされていた。
【0004】
しかし、螺旋スクリューによる拡散時には、前述のように切断処理後の排藁が、第一螺旋羽根および第二螺旋羽根でこれらの連結部分を中心として前記コンバインの進行方向と水平に直交する一方向(例えば右方向)と、他方向(例えば左方向)とに拡散されるため、この連結部分から下方に排出される切断処理後の排藁の量が少なくなり、その結果、切断処理後の排藁を前記コンバインの進行方向と水平に直交する方向(左右方向)に均一に拡散することができないという不具合があった。
【0005】
前記のような不具合を解消する手段として、以下に示す特許文献1に記載の技術が開示されている。
特許文献1に記載の技術は、排藁拡散装置において、回転軸上に一直線状に連結した二つの螺旋羽根の、一方の螺旋羽根と、他方の螺旋羽根との連結部分に掻き出し羽根を設けるものであり、該掻き出し羽根によって、排藁切断装置から当該掻き出し羽根部分に落下した切断処理後の排藁を拡散することなく排出する。これにより、前記螺旋羽根の連結部分からも切断処理後の排藁が下方に排出されるため、切断処理後の排藁が均一に拡散可能とされていた。
【特許文献1】特開2005−130719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1の技術では、穀稈の種類により穀稈の長さに長短があり、その長さにあわせて刈り高さや扱き深さを変更した場合、切断処理後の排藁が排藁拡散装置に送られてきた際、前記螺旋羽根に対する切断処理後の排藁の位置が変動する。すなわち、一方の螺旋羽根と他方の螺旋羽根とに送られる切断処理後の排藁の量が異なることとなる。それに伴い、前記螺旋羽根による切断処理後の排藁の拡散割合が変動し、切断処理後の排藁を均一に拡散することができないという問題があった。
【0007】
本発明は係る課題を鑑みてなされたものであり、切断処理後の排藁を均一に拡散することができる排藁拡散装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、排藁を切断処理する排藁切断装置の下方に配置され、前記排藁切断装置で切断処理された排藁を、螺旋スクリューによって拡散処理する排藁拡散装置において、前記螺旋スクリューは、回転軸と、第一螺旋羽根と、第二螺旋羽根と、掻き出し羽根と、を具備し、前記第一螺旋羽根は、螺旋形状を有し、前記回転軸上の軸方向に伸縮可能に構成されて、前記回転軸上の軸方向一方側に設けられ、前記第二螺旋羽根は、前記第一螺旋羽根とは逆方向の螺旋形状を有し、前記回転軸上の軸方向他側に軸方向に移動可能、かつ任意位置で固定可能に設けられ、前記掻き出し羽根は、平板形状を有し、前記第一螺旋羽根と前記第二螺旋羽根との間に配置されて、これら双方に連結され、前記第一螺旋羽根の長さを変更することによって、前記第一螺旋羽根と前記第二螺旋羽根との間の軸方向における全長を調整可能とするものである。
【0009】
請求項2においては、前記第一螺旋羽根は、主螺旋羽根と副螺旋羽根とに軸方向に二分割し、前記主螺旋羽根の第一端部を前記回転軸の第一端部と固定し、前記副螺旋羽根の第二端部を前記掻き出し羽根と固定し、前記主螺旋羽根の第二端部と前記副螺旋羽根の第一端部とを固定位置を変更可能に固定し、前記主螺旋羽根の第二端部と前記副螺旋羽根の第一端部との固定位置を変更させることによって、前記第一螺旋羽根と前記第二螺旋羽根との前記回転軸の軸方向の全長を調整可能とするものである。
【0010】
請求項3においては、排藁を切断処理する排藁切断装置の下方に配置され、前記排藁切断装置で切断処理された排藁を、螺旋スクリューによって拡散処理する排藁拡散装置において、前記螺旋スクリューは、回転軸と、第一螺旋羽根と、第二螺旋羽根と、掻き出し羽根と、一つまたは複数の交換螺旋羽根と、を具備し、前記第一螺旋羽根は、螺旋形状を有し、前記回転軸上の軸方向一側に設けられ、前記第二螺旋羽根は、前記第一螺旋羽根とは逆方向の螺旋形状を有し、前記回転軸上の軸方向他側に軸方向に移動可能、かつ任意位置に固定可能に設けられ、前記掻き出し羽根は、平板形状を有し、前記第一螺旋羽根と前記第二螺旋羽根との間に配置されて、前記第二螺旋羽根と連結され、前記交換螺旋羽根は、前記第一螺旋羽根の螺旋形状の巻き角度と一致する螺旋形状を有し、前記第一螺旋羽根と前記掻き出し羽根との間に一つ、または複数軸方向に連結して配置されて、これら双方に連結され、前記交換螺旋羽根の数を変更することによって、前記第一螺旋羽根と前記第二螺旋羽根との間の軸方向における全長を調整可能とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1の如く構成したので、穀稈の種類により、刈り高さや扱き深さを変更した場合であっても、切断処理後の排藁を均一に拡散できる。
【0013】
請求項2の如く構成したので、穀稈の種類により、刈り高さや扱き深さを変更した場合であっても、切断処理後の排藁を均一に拡散できる。
【0014】
請求項3の如く構成したので、穀稈の種類により、刈り高さや扱き深さを変更した場合であっても、切断処理後の排藁を均一に拡散できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明に係る排藁拡散装置を具備するコンバインの実施の一形態であるコンバイン1について、図面を参照して説明する。
【0016】
まず、図1を用いてコンバイン1の概略構成について説明する。
コンバイン1は稲や麦等の収穫作業、より詳細には、圃場を走行しつつ圃場から穀稈を刈り取り、穀粒を脱穀する。本実施形態のコンバイン1は、刈り取られた穀稈のうち、穀粒の付いた穂先部のみを脱穀する自脱型のコンバインである。
【0017】
コンバイン1は、主として刈取装置2、脱穀装置3、選別装置4、排藁処理装置5を具備する。
【0018】
刈取装置2は、コンバイン1の前部に配置される。刈取装置2は、引起装置、下部搬送装置、縦搬送装置、穂先搬送装置、刈刃等を具備し、圃場から穀稈を刈り取り、当該穀稈を脱穀装置3へと渡す。
【0019】
脱穀装置3は、刈取装置2の後方に配置される。脱穀装置3は、主としてフィードチェーン3a、扱胴3b等を具備する。脱穀装置3は、フィードチェーン3aにより、刈取装置2の縦搬送装置から受け取った穀稈を右側が穂先、左側が株元となるよう、横に倒した状態で前方から後方へと搬送しながら、扱胴3bの回転により、穀稈から穀粒を脱穀する。
この際、穀稈の刈り高さが標準より高い場合や、穀稈が短い場合、横倒しされた穀桿の穀粒位置(穂先位置)は扱室入口の所定位置に搬送されるため、穀稈の株元がフィードチェーン3aより左側(外側)へ突出する長さは短くなる。
また、穀稈の刈り高さが標準より低い場合や、穀稈が長い場合、横倒しされた穀桿の穀粒位置(穂先位置)は扱室入口の所定位置に搬送されるため、穀稈の株元がフィードチェーン3aより左側(外側)へ突出する長さは長くなる。
【0020】
選別装置4は、脱穀装置3の下方に配置される。選別装置4は、脱穀装置3によって脱穀された穀粒を藁屑や塵挨等から、風選別や揺動選別により選別する。
【0021】
排藁処理装置5は、脱穀装置3の後方に配置される。排藁処理装置5は、フィードチェーン3aから受け取った脱穀後の稈(以下、単に「排藁」と記す)を排藁チェーン5aにより後方へ搬送し、排藁を切断する等の所定の処理を施す。
【0022】
グレンタンク7の前方には、オペレータがコンバイン1を運転するための運転部9が配置される。
【0023】
以上のように構成するコンバイン1において、選別装置4により藁屑等から選別された穀粒は、揚穀筒6を経て脱穀装置3の右方に設けられたグレンタンク7内に搬入され、貯溜される。グレンタンク7には排出オーガ8が連通連結される。排出オーガ8が作動することにより、グレンタンク7に貯溜された精粒が、排出オーガ8を経てグレンタンク7の外部に搬出される。
【0024】
次に、図2を用いて、本発明に係る排藁切断装置の実施の一形態である排藁切断装置20について詳細に説明する。
【0025】
排藁切断装置20は、排藁処理装置5の一部として設けられ、排藁チェーン5aにより搬送されてきた排藁を所定の長さに切断するものである。排藁切断装置20は、切断ケース21、第一回転軸22、第一回転刃22a、第二回転軸23、第二回転刃23a、切替カバー24等を具備する。
【0026】
前記切断ケース21は排藁チェーン5aの下方に配置される。切断ケース21は箱状に構成されており、その内部に第一回転刃22aや第二回転刃23aを収納し、上側側板21aに上方に開口する排藁投入口21bを備え、底板には切断処理された排藁を下方へ排出する排藁排出口21dを備える。
前記切断ケース21内では、第一回転軸22と第二回転軸23とが左右両側側板21c・21cの間に左右水平方向に横架され、第二回転軸23が第一回転軸22の前上方に位置するように配置される。
切替カバー24は排藁投入口21bに配設され、排藁排出口21dの下方には、排藁拡散装置30が配設される。
【0027】
第一回転軸22には、円盤形状の複数の第一回転刃22a・22a・・・が所定の間隔をあけて固設される。第二回転軸23には、円盤形状の複数の第二回転刃23a・23a・・・が所定の間隔をあけて固設される。第二回転軸23上の第二回転刃23a・23a・・・は、第一回転軸22上の第一回転刃22a・22a・・・と側面視で一部重複するように配置される。
【0028】
前記第一回転軸22および第二回転軸23には、コンバイン1のエンジンから動力が伝動機構を介して伝達可能とされる。こうして第一回転軸22および第二回転軸23に動力が伝達されることによって、各々の回転軸22・23上の第一回転刃22a・22a・・・と第二回転刃23a・23a・・・とが回転可能とされる。なお、第二回転軸23の回転速度は第一回転軸22の回転速度よりも低速となるように設定される。
【0029】
以上のように構成する排藁切断装置20においては、切断ケース21の排藁投入口21bが切替カバー24により覆われて閉じられている場合、排藁チェーン5aで搬送されてきた排藁が、排藁投入口21bから切断ケース21内に送給されずに、排藁の切断処理が行われない。
一方、切断ケース21の排藁投入口21bが切替カバー24で覆われずに開かれている場合、排藁が排藁投入口21bから切断ケース21内に送給され、第一回転軸22上の第一回転刃22aと、第二回転軸23上の第二回転刃23aとによって所定の切断長に切断される。そして、切断処理後の排藁は、排藁拡散装置30によって拡散処理され、圃場へ向かって排出される。
【0030】
次に、図3から図5を用いて、本発明に係る排藁拡散装置の実施の一形態である排藁拡散装置30について説明する。
【0031】
前記排藁拡散装置30は、排藁切断装置20の下方に配置され、排藁切断装置20から切断処理後、送られてきた排藁を、螺旋スクリュー40によって左右方向に拡散処理するものである。
前記排藁拡散装置30は、スクリューケース31、螺旋スクリュー40等を具備する。
【0032】
前記本発明に係る螺旋スクリューの第一実施例について説明する。螺旋スクリュー40は、排藁拡散装置30内に送られる切断処理後の排藁を左右方向に拡散するものである。螺旋スクリュー40は、回転軸41、第一螺旋羽根42、第二螺旋羽根43、円筒体44、第一側部掻き出し羽根45、掻き出し羽根46、第二側部掻き出し羽根47等を具備する。
【0033】
前記回転軸41は、スクリューケース31の右側側板31aと左側側板31bとの間に左右水平方向に横架され、第一端部(右端部)41aで右側側板31aに、第二端部(左端部)41bで左側側板31bに回転可能に支持される。回転軸41の第二端部41bは、左側側板31bから外側に突出され、コンバイン1のエンジンからの動力伝動機構と連結され、回転駆動可能とされている。
【0034】
回転軸41上の軸方向一方側、本実施例では右側には、第一螺旋羽根42と第一側部掻き出し羽根45とが設けられ、軸方向他方側、本実施例では左側には、円筒体44が設けられている。
【0035】
前記第一螺旋羽根42は、弾性部材(例えば、ばね鋼等の金属材料)からなり、右螺旋形状を有し、かつ、螺旋形状の螺進方向に伸縮変形可能に形成される。ここで「右螺旋形状」とは、一側からの螺旋形状の螺進方向視で時計回りに、一側から他側へ向かって螺進する螺旋形状である。
本実施例では、回転軸41の第一端部41aに第一側部掻き出し羽根45が固定され、第一側部掻き出し羽根45の左側側方に第一螺旋羽根42が配置されている。第一螺旋羽根42の第一端部(右端部)42aが第一側部掻き出し羽根45の第二端部(左端部)45bに固定されて、第一螺旋羽根42は回転軸41上で、回転軸41の軸方向に伸縮可能となっている。
そして、弾性部材からなる第一螺旋羽根42に対して軸方向(左右方向)に外力を加えることによって、第一螺旋羽根42を弾性変形(伸縮変形)させることができるように構成されている。ここでは、軸方向への外力を加えることによって、第一螺旋羽根42を回転軸41の第二端部41b側へ延伸変形、または第一端部41a側へ圧縮変形させることが可能となっている。
【0036】
前記第二螺旋羽根43は、左螺旋形状に形成される。ここで「左螺旋形状」とは、一側からの螺旋形状の螺進方向視で反時計回りに、一側から他側へ向かって螺進する螺旋形状である。つまり、右螺旋形状と左螺旋形状とでは、螺旋の螺進方向が異なるものであり、言い換えれば、右螺旋形状と左螺旋形状とでは、逆捩りの螺旋形状を有するものである。螺旋羽根42・43は本実施例とは逆の螺旋として、回転軸41を逆方向に回転させることも可能である。
該第二螺旋羽根43は、円筒体44の外周上に固設されている。
【0037】
前記円筒体44は、中空の円筒形状を有し、その内径は回転軸41の外径より大きな径で構成されている。そして、円筒体44は、回転軸41に対してガタ無く、かつ回転軸41の軸方向に移動可能に外嵌される。
このようにして、円筒体44とともに第二螺旋羽根43が、回転軸41上を軸方向に移動可能とされている。
【0038】
前記第一側部掻き出し羽根45は、背面視矩形状の板状部材から構成される。この第一側部掻き出し羽根45は回転軸41の第一端部41aに固設される。ここで、第一側部掻き出し羽根45は一辺を回転軸41の軸方向と平行として、回転軸41から放射状に延出される。
第一側部掻き出し羽根45の第二端部45bと第一螺旋羽根42の第一端部42aとが固定されている。すなわち、第一側部掻き出し羽根45を介して、回転軸41の第一端部41aと第一螺旋羽根42の第一端部42aとが固定されている。
【0039】
前記掻き出し羽根46は、背面視台形状の板状部材から構成される。掻き出し羽根46は円筒体44の第一端部(右端部)44a上に固設される。ここで、掻き出し羽根46は一辺を円筒体44の軸方向と平行として、円筒体44から放射状に延出される。
また、前記掻き出し羽根46の第一端部(右端部)46aと第一螺旋羽根42の第二端部(左端部)42bとが固定され、掻き出し羽根46の第二端部(左端部)46bと第二螺旋羽根43の第一端部(右端部)43aとが固定されている。すなわち、第一螺旋羽根42の第二端部42bと、第二螺旋羽根43の第一端部43aとが掻き出し羽根46を介して連結されている。
【0040】
前記第二側部掻き出し羽根47は、背面視矩形状の板状部材から構成される。第二側部掻き出し羽根47は円筒体44の第二端部(左端部)44b上に固設される。第二側部掻き出し羽根47は一辺を円筒体44の軸線と平行として、円筒体44から放射状に延出される。なお、第一側部掻き出し羽根45および第二側部掻き出し羽根47は省略することも可能である。
【0041】
こうして、第一螺旋羽根42は、回転軸41の一方側であって第一側部掻き出し羽根45と掻き出し羽根46との間に配置され、第一端部42aで第一側部掻き出し羽根45の第二端部45bと固定され、第二端部42bで掻き出し羽根46の第一端部46aと固定されている。
【0042】
また、第二螺旋羽根43は、回転軸41の他方側であって掻き出し羽根46と第二側部掻き出し羽根47に配置され、第一端部43aで掻き出し羽根46の第二端部46bと固定され、第二端部43bで第二側部掻き出し羽根47の第一端部47aと固定されている。
【0043】
つまり、回転軸41上において、右側から順に第一側部掻き出し羽根45、第一螺旋羽根42、掻き出し羽根46、第二螺旋羽根43、第二側部掻き出し羽根47が配置されて、互いに隣接する羽根と連結されている。
また、これらの羽根のうち、掻き出し羽根46と、第二螺旋羽根43と、第二側部掻き出し羽根47とは、円筒体44と固定され一体的に回転軸41上を軸方向に移動可能とされている。
【0044】
このように構成される第二螺旋羽根43の第二端部43b(本実施例では、円筒体44の第二端部44b)に外力を加えることによって、第一螺旋羽根42を弾性変形させることが可能となる。これにより、第一螺旋羽根42の第一端部42aと第二螺旋羽根43の第二端部43bとの間隔が調整可能となる(図3(a)及び図3(b)参照)。
また、円筒体44は、第一螺旋羽根42の弾性力(反発力)により、第一側部掻き出し羽根45と掻き出し羽根46とを離間させる方向に常時付勢力を受けている。
【0045】
また、前記回転軸41上であって、円筒体44の第二端部44bと当接した状態に固定部材としてナット48が設けられている。ナット48は、回転軸41の外周に形成された螺子部と螺合することによって、円筒体44が常時受けている前記付勢力に抗して、円筒体44の位置を保持する機能を有する。
このナット48を回転させることにより、回転軸41と螺合されたナット48が円筒体44の第二端部44bに対して、第一螺旋羽根42の第一端部42aと第二螺旋羽根43の第二端部43bとが離間又は近接する方向に外力を加えて、円筒体44の回転軸41上の位置を変更し、第一螺旋羽根42を弾性変形させることができる。つまり、第一螺旋羽根42を伸縮変形させることによって、第一螺旋羽根42と第二螺旋羽根43との間の軸方向における全長を調整することが可能となっている。但し、固定部材はナット48に限定するものではなく、回転軸41上に所定間隔をあけて係止孔を開口し、係止部材で固定する構成としたり、円筒体44にネジ孔を開口して回転軸41に対してボルト等で固定する構成とすることもできる。
【0046】
また、本実施例において、回転軸41は図3中矢印C方向に回転される。
これにより、第一螺旋羽根42は、切断処理後の排藁を矢印A方向(右方向)に拡散させ、第二螺旋羽根43は、排藁を矢印B方向(左方向)に拡散させる。また、刈り取られた穀桿は、右側が穂先、左側が株元となるよう、横倒しされた状態で脱穀等の処理後、排藁切断装置20へ投入され、切断処理後に排藁拡散装置30内に送られる。ここで、螺旋スクリュー40の右側に備えられる第一螺旋羽根42の螺旋半径R1は、排藁のボリュームが小さい穂先部分を右側へ多く拡散処理するため、左側に備えられる第二螺旋羽根43の螺旋半径R2より大きく設定されている。
【0047】
このような構成において、排藁拡散装置30では、刈取時の穀稈の長さ(排藁長)が長くされる場合、図4に示すように、ナット48を左方向へ螺進させて、円筒体44を左方向に移動させて左寄位置P1とする。このとき、第二螺旋羽根43、掻き出し羽根46、第二側部掻き出し羽根47、は円筒体44に伴い一体的に左方向へ移動し、第一螺旋羽根42は、左方向に延伸変形されるので、排藁を適宜な割合で左右方向に拡散処理することが可能となる。ここで円筒体44の「左寄位置P1」とは、第二側部掻き出し羽根47が、排藁拡散装置30の最も左側の回転刃22a・23aよりも左側で、左側側板31bに、干渉しない範囲で最も近接した位置を意味する。
【0048】
一方、刈取時の穀稈の長さ(排藁長)が短くされる場合、図5に示すように、ナット48を右方向へ螺進させて、円筒体44を右方向に移動させて右寄位置P2とする。このとき、掻き出し羽根46、第二側部掻き出し羽根47、第二螺旋羽根43とは円筒体44に伴い一体的に右方向へ移動し、第一螺旋羽根42は、右方向に圧縮変形されるので、回転軸41上の羽根を全体的に右寄りに配置することができる。これにより、右側寄りに送られてきた排藁に対して、各羽根を適切な羽根位置に調整し、排藁を適宜な割合で左右方向に拡散処理することが可能となる。ここで円筒体44の「右寄位置P2」とは、第二側部掻き出し羽根47が、第一螺旋羽根42が変形可能な範囲内で、左側側板31bから、最も離間した位置を意味する。
【0049】
以上のように、排藁拡散装置30は、排藁を切断処理する排藁切断装置20の下方に配置され、排藁切断装置20で切断処理された排藁を、螺旋スクリュー40によって拡散処理する排藁拡散装置30であって、螺旋スクリュー40は、回転軸41と、第一螺旋羽根42と、第二螺旋羽根43と、掻き出し羽根46と、を具備し、第一螺旋羽根42は、螺旋形状を有し、回転軸41上の軸方向に伸縮可能に構成されて、回転軸41上の軸方向一方側に設けられ、第二螺旋羽根43は、第一螺旋羽根42とは逆方向の螺旋形状を有し、回転軸41上の軸方向他側に軸方向に移動可能、かつ任意位置で固定可能に設けられ、掻き出し羽根46は、平板形状を有し、第一螺旋羽根42と第二螺旋羽根43との間に配置されて、これら双方に連結され、第一螺旋羽根42の長さを変更することによって、第一螺旋羽根42と第二螺旋羽根43との間の軸方向における全長を調整可能とするものである。
これによれば、脱穀後の排藁の搬送位置に応じて、すなわち、刈取時の穀稈の長さ、穀稈の種類、刈り高さ又は脱穀時の扱ぎ深さ等に応じて、螺旋スクリュー40に備えた各羽根の羽根位置を変更して、適宜調整することが可能となる。
したがって、穀稈の種類により、刈り高さや扱き深さを変更した場合であっても、排藁拡散装置30により切断処理後の排藁を均一に拡散することができる。
【0050】
以下では図6を用いて、本発明に係る螺旋スクリューの第二実施例について説明する。なお、以下の実施例において、既に説明した第一実施例と同様の点に関しては同一符号を付してその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
【0051】
第二実施例の螺旋スクリュー60は、第一実施例の第一螺旋羽根42の代わりに第一螺旋羽根62を具備する。該第一螺旋羽根62は、右螺旋形状を有し、かつ、主螺旋羽根63と、副螺旋羽根64とに左右分割されて構成される。
【0052】
主螺旋羽根63の軸心には、回転軸41が配置され、第一側部掻き出し羽根45の第二端部45bと主螺旋羽根63の第一端部63aとが固定される。すなわち、第一側部掻き出し羽根45を介して、回転軸41の第一端部41aと主螺旋羽根63の第一端部63aとが固定されている。
【0053】
副螺旋羽根64の軸心には、回転軸41が配置され、掻き出し羽根46の第一端部46aと副螺旋羽根64の第二端部64bとが固定される。すなわち、掻き出し羽根46を介して、第二螺旋羽根43の第一端部43aと副螺旋羽根64の第二端部64bとが固定されている。よって、副螺旋羽根64は、回転軸41に固定されず、円筒体44と、円筒体44上に固設される第二螺旋羽根43と掻き出し羽根46と、第二側部掻き出し羽根47と一体的に回転軸41上を軸方向に移動可能とされる。
【0054】
主螺旋羽根63の第二端部63bには、螺旋方向と平行に延伸された長孔63cが、第一主螺板羽根63の板厚方向へ貫通するように形成され、副螺旋羽根64の第一端部64aには、係止孔64cが副螺旋羽根64の板厚方向へ貫通するように形成される。主螺旋羽根63の第二端部63bと副螺旋羽根64の第一端部64aとは、重ねるように配置し、長孔63cと係止孔64cを一致させて、固定具65で連結される。但し、主螺旋羽根63に係止孔を、副螺旋羽根64に長孔を設ける構成であってもよい。また、第一螺旋羽根62を分割する構成の代わりに、掻き出し羽根46を左右に分割して、一方に長孔を設け、他方に係止孔を設け、一方をスライド可能とする構成にすることも可能である。
【0055】
前述のように、主螺旋羽根63と、副螺旋羽根64との一部を重複させてボルト等の固定具65により、長孔63c内の任意の位置で連結する、すなわち、固定位置を変更することによって、第一螺旋羽根62を回転軸41の軸方向に伸縮させることが可能となる。したがって、主螺旋羽根63の第一端部63aと第二螺旋羽根43の第二端部43bとの間隔を調整することが可能となる(図6(a)及び図6(b)参照)。
【0056】
このような構成において、排藁拡散装置30では、刈取時の穀稈の長さ(排藁長)が長くされる場合、図6(a)に示すように、円筒体44を左方向に移動させて左寄位置P1とする。このとき、副螺旋羽根64、第二螺旋羽根43、掻き出し羽根46、第二側部掻き出し羽根47は円筒体44に伴い一体的に左方向へ移動し、副螺旋羽根64は係止孔64cを主螺旋羽根63の長孔63cの左端位置にあわせて、主螺旋羽根63に固定具により固定される。
したがって、第一螺旋羽根62が左方向に延伸した状態となり、切断処理後の排藁を適宜な割合で左右方向に拡散処理することが可能となる。
【0057】
一方、刈取時の穀稈の長さ(排藁長)が短くされる場合、図6(b)に示すように、円筒体44を右方向に移動させて右寄位置P2とする。このとき、副螺旋羽根64、第二螺旋羽根43、掻き出し羽根46、第二側部掻き出し羽根47は円筒体44に伴い一体的に右方向へ移動し、副螺旋羽根64が係止孔64cを主螺旋羽根63の長孔63cの右端位置にあわせて、主螺旋羽根63に固定具により固定される。
したがって、第一螺旋羽根62が右方向に収縮した状態となり、切断処理後の排藁を適宜な割合で左右方向に拡散処理することが可能とされる。
【0058】
以上のように、排藁拡散装置30は、螺旋スクリュー60において、第一螺旋羽根62は、主螺旋羽根63と副螺旋羽根64とに軸方向に二分割し、主螺旋羽根63の第一端部63aを回転軸41の第一端部41aと固定し、副螺旋羽根64の第二端部64bを掻き出し羽根46と固定し、主螺旋羽根63の第二端部63bと副螺旋羽根64の第一端部64aとを固定位置を変更可能に固定し、主螺旋羽根63の第二端部63bと副螺旋羽根64の第一端部64aとの固定位置を変更させることによって、第一螺旋羽根62と第二螺旋羽根43との回転軸41の軸方向の全長を調整可能とするものである。
これによれば、脱穀後の排藁の搬送位置に応じて、すなわち、刈取時の穀稈の長さ、穀稈の種類、刈り高さ又は脱穀時の扱ぎ深さ等に応じて、螺旋スクリュー60に備えた各羽根の羽根位置を変更して、適宜調整することが可能となる。
したがって、穀稈の種類により、刈り高さや扱き深さを変更した場合であっても、切断処理された後の排藁を均一に拡散可能な排藁拡散装置30を提供することができる。
【0059】
以下では図7を用いて、本発明に係る螺旋スクリューの第三実施例の螺旋スクリュー80について説明する。なお、以下の実施例において、既に説明した実施例と同様の点に関しては同一符号を付してその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
【0060】
第三実施例の螺旋スクリュー80は、第一実施例の第一螺旋羽根42の代わりに第一螺旋羽根82と一つまたは複数の交換螺旋羽根83を具備する。第一螺旋羽根82は、右螺旋形状を有し、回転軸41上に固定される。交換螺旋羽根83は、右螺旋形状を有しかつ、第一螺旋羽根82の螺旋形状の巻き角度と一致させた螺旋形状に形成され、第一螺旋羽根82と掻き出し羽根46との間に配置される。
【0061】
第一螺旋羽根82の第二端部82bには、係止孔82cが、第一螺板羽根82の板厚方向へ貫通するように形成される。交換螺旋羽根83の第一端部83aには、係止孔83cが交換螺旋羽根83の板厚方向へ貫通するように形成され、交換螺旋羽根83の第二端部83bには係止孔83dが交換螺旋羽根83の板厚方向へ貫通するように形成される。
第一螺旋羽根82の第二端部82bと交換螺旋羽根83の第一端部83aとは、重複させて係止孔82cと係止孔83cとの位置をあわせてボルト等の係止具84により連結される。
また、前記掻き出し羽根46の第一端部(右端部)46aにも係止孔46cが開口され、係止孔46cと係止孔83dの位置をあわせて、交換螺旋羽根83がボルト等の係止具84により連結される。
本実施例では交換螺旋羽根83と第一螺旋羽根82との間に更に交換螺旋羽根83を配置したとき、つまり、交換螺旋羽根83を二枚配置したときに掻き出し羽根46が左右中央部に位置するように構成しているが、交換螺旋羽根83の数は限定するものではない。但し、交換螺旋羽根83を設ける代わりに、左右幅の短い掻き出し羽根46を軸方向に複数連続して着脱可能に設ける構成とすることも可能である。
【0062】
こうして、交換螺旋羽根83が第一螺旋羽根82と前記掻き出し羽根46との間に一つ、または複数軸方向に連結して配置されて、これら双方に着脱可能とし連結する数を変更可能とすることで、右螺旋形状の螺旋羽根を増減させることが可能となり、これにより、第一螺旋羽根82の第一端部82aと第二螺旋羽根43の第二端部43bとの間隔を調整可能となる(図7(a)及び図7(b)参照)。また、長さの異なる交換螺旋羽根83を連設することによっても、第一螺旋羽根82の第一端部82aと第二螺旋羽根43の第二端部43bとの間隔を調整することが可能となる。
【0063】
このような構成において、排藁拡散装置30では、刈取時の穀稈の長さ(排藁長)が長くされる場合、図7(a)に示すように、円筒体44を左方向に移動させて左寄位置P1とする。このとき、第二螺旋羽根43、掻き出し羽根46、第二側部掻き出し羽根47、は円筒体44に伴い一体的に左方向へ移動し、第一螺旋羽根82と掻き出し羽根46とは交換螺旋羽根83を二枚連結したものを介して連結される。
第一螺旋羽根82に、交換螺旋羽根83が連結されたことによって、螺旋スクリュー80の右螺旋形状の螺旋羽根が左方向に寄り、排藁を適宜な割合で左右方向に拡散処理することが可能とされる。
【0064】
一方、刈取時の穀稈の長さ(排藁長)が短くされる場合、図7(b)に示すように、円筒体44を右方向に移動させて右寄位置P2とする。このとき、第二螺旋羽根43、掻き出し羽根46、第二側部掻き出し羽根47、は円筒体44に伴い一体的に右方向へ移動し、第一螺旋羽根82と掻き出し羽根46とは交換螺旋羽根83を一枚介して連結される。
第一螺旋羽根82から、交換螺旋羽根83を一枚脱離したことによって、螺旋スクリュー80の右螺旋形状の螺旋羽根が右方向に寄り、排藁を適宜な割合で左右方向に拡散処理することが可能とされる。
【0065】
以上のように、排藁拡散装置30は、排藁を切断処理する排藁切断装置20の下方に配置され、排藁切断装置20で切断処理された排藁を、螺旋スクリュー80によって拡散処理する排藁拡散装置30であって、排藁を切断処理する排藁切断装置20の下方に配置され、排藁切断装置20で切断処理された排藁を、螺旋スクリュー80によって拡散処理する排藁拡散装置30において、螺旋スクリュー80は、回転軸41と、第一螺旋羽根82と、第二螺旋羽根43と、掻き出し羽根46と、一つまたは複数の交換螺旋羽根83と、を具備し、第一螺旋羽根82は、螺旋形状を有し、回転軸41上の軸方向一側に設けられ、第二螺旋羽根43は、第一螺旋羽根82とは逆方向の螺旋形状を有し、回転軸41上の軸方向他側に軸方向に移動可能、かつ任意位置に固定可能に設けられ、掻き出し羽根46は、平板形状を有し、第一螺旋羽根82と第二螺旋羽根43との間に配置されて、第二螺旋羽根43と連結され、交換螺旋羽根83は、第一螺旋羽根82の螺旋形状の巻き角度と一致する螺旋形状を有し、第一螺旋羽根82と掻き出し羽根46との間に一つ、または複数軸方向に連結して配置されて、これら双方に連結され、交換螺旋羽根83の数を変更することによって、第一螺旋羽根82と第二螺旋羽根43との間の軸方向における全長を調整可能とするものである。
これによれば、脱穀後の排藁の搬送位置に応じて、すなわち、刈取時の穀稈の長さ、穀稈の種類、刈り高さ又は脱穀時の扱ぎ深さ等に応じて、螺旋スクリュー80に備えた各羽根の羽根位置を変更して、適宜調整することが可能となる。
したがって、穀稈の種類により、刈り高さや扱き深さを変更した場合であっても、切断処理された後の排藁を均一に拡散可能な排藁拡散装置30を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係る排藁拡散装置を備えるコンバインの側面図。
【図2】本発明に係る排藁切断装置と排藁拡散装置との配置構成を示す側面図。
【図3】(a)第一実施例螺旋スクリューが左寄位置となる場合での排藁拡散装置の構成を示す背面図。(b)螺旋スクリューが右寄位置となる場合での排藁拡散装置の構成を示す背面図。
【図4】螺旋スクリューが左寄位置となる場合での排藁拡散状態を示す背面図。
【図5】螺旋スクリューが右寄位置となる場合での排藁拡散状態を示す背面図。
【図6】(a)第二実施例螺旋スクリューが左寄位置となる場合での排藁拡散装置の構成を示す背面図。(b)螺旋スクリューが右寄位置となる場合での排藁拡散装置の構成を示す背面図。
【図7】(a)第三実施例螺旋スクリューが左寄位置となる場合での排藁拡散装置の構成を示す背面図。(b)螺旋スクリューが右寄位置となる場合での排藁拡散装置の構成を示す背面図。
【符号の説明】
【0067】
20 排藁切断装置
30 排藁拡散装置
40 螺旋スクリュー
41 回転軸
42 第一螺旋羽根
43 第二螺旋羽根
44 円筒体
46 掻き出し羽根
60 螺旋スクリュー
62 第一螺旋羽根
63 主螺旋羽根
64 副螺旋羽根
80 螺旋スクリュー
82 第一螺旋羽根
83 交換螺旋羽根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排藁を切断処理する排藁切断装置の下方に配置され、前記排藁切断装置で切断処理された排藁を、螺旋スクリューによって拡散処理する排藁拡散装置において、
前記螺旋スクリューは、回転軸と、第一螺旋羽根と、第二螺旋羽根と、掻き出し羽根と、を具備し、
前記第一螺旋羽根は、螺旋形状を有し、前記回転軸上の軸方向に伸縮可能に構成されて、前記回転軸上の軸方向一方側に設けられ、
前記第二螺旋羽根は、前記第一螺旋羽根とは逆方向の螺旋形状を有し、前記回転軸上の軸方向他側に軸方向に移動可能、かつ任意位置で固定可能に設けられ、
前記掻き出し羽根は、平板形状を有し、前記第一螺旋羽根と前記第二螺旋羽根との間に配置されて、これら双方に連結され、
前記第一螺旋羽根の長さを変更することによって、前記第一螺旋羽根と前記第二螺旋羽根との間の軸方向における全長を調整可能とすることを特徴とする排藁拡散装置。
【請求項2】
前記第一螺旋羽根は、主螺旋羽根と副螺旋羽根とに軸方向に二分割し、
前記主螺旋羽根の第一端部を前記回転軸の第一端部と固定し、
前記副螺旋羽根の第二端部を前記掻き出し羽根と固定し、
前記主螺旋羽根の第二端部と前記副螺旋羽根の第一端部とを固定位置を変更可能に固定し、
前記主螺旋羽根の第二端部と前記副螺旋羽根の第一端部との固定位置を変更させることによって、前記第一螺旋羽根と前記第二螺旋羽根との前記回転軸の軸方向の全長を調整可能とすることを特徴とする請求項1に記載の排藁拡散装置。
【請求項3】
排藁を切断処理する排藁切断装置の下方に配置され、前記排藁切断装置で切断処理された排藁を、螺旋スクリューによって拡散処理する排藁拡散装置において、
前記螺旋スクリューは、回転軸と、第一螺旋羽根と、第二螺旋羽根と、掻き出し羽根と、一つまたは複数の交換螺旋羽根と、を具備し、
前記第一螺旋羽根は、螺旋形状を有し、前記回転軸上の軸方向一側に設けられ、
前記第二螺旋羽根は、前記第一螺旋羽根とは逆方向の螺旋形状を有し、前記回転軸上の軸方向他側に軸方向に移動可能、かつ任意位置に固定可能に設けられ、
前記掻き出し羽根は、平板形状を有し、前記第一螺旋羽根と前記第二螺旋羽根との間に配置されて、前記第二螺旋羽根と連結され、
前記交換螺旋羽根は、前記第一螺旋羽根の螺旋形状の巻き角度と一致する螺旋形状を有し、前記第一螺旋羽根と前記掻き出し羽根との間に一つ、または複数軸方向に連結して配置されて、これら双方に連結され、
前記交換螺旋羽根の数を変更することによって、前記第一螺旋羽根と前記第二螺旋羽根との間の軸方向における全長を調整可能とすることを特徴とする排藁拡散装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−207425(P2009−207425A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54088(P2008−54088)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(391025914)八鹿鉄工株式会社 (131)
【Fターム(参考)】