携帯型電子機器及び内装ユニット
【課題】耐衝撃力性能に優れているうえ、量産性の向上化及び低コスト化を図り易い携帯型電子機器を提供すること。
【解決手段】互いに組み合わされた第1の筐体10及び第2の筐体11と、第1の筐体と第2の筐体との間に収納された内装ユニット20と、を備え、内装ユニットが、一方の面30aがフラット面とされた板状に形成され、第1の筐体又は第2の筐体に保持された軽金属合金製のプレート体30と、プレート体の一方の面上に重ねられ、該プレート体と第1の筐体との間に挟着された表示パネル40と、プレート体の他方の面30bに取り付けられ、該プレート体と第2の筐体との間に収納された回路基板50と、を備えている携帯型電子機器を提供する。
【解決手段】互いに組み合わされた第1の筐体10及び第2の筐体11と、第1の筐体と第2の筐体との間に収納された内装ユニット20と、を備え、内装ユニットが、一方の面30aがフラット面とされた板状に形成され、第1の筐体又は第2の筐体に保持された軽金属合金製のプレート体30と、プレート体の一方の面上に重ねられ、該プレート体と第1の筐体との間に挟着された表示パネル40と、プレート体の他方の面30bに取り付けられ、該プレート体と第2の筐体との間に収納された回路基板50と、を備えている携帯型電子機器を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文入力端末や電子辞書等の持ち運び可能な携帯型電子機器、及びそれに組み込まれる内装ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型電子機器は、近年の技術進歩等に伴って年々小型化、薄型化、軽量化等が図られており、携帯性に優れたものが開発されている。そのため、普及率が高く、個人趣味や商売及びビジネスの場において多種多様な使われ方をされている。ところがその反面、誤って落としてしまったり、ぶつけたりしてしまい易かった。そのため、携帯型電子機器には、耐衝撃性も求められているのが現状である。
そこで、落下等に起因する衝撃力によって、液晶パネルの割れや、回路基板上に実装されている各種電子部品の半田剥離破壊等を防ぐため、筐体部品には軽量で且つ剛性が高いマグネシウム合金材料で形成した携帯型電子機器が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この携帯型電子機器では、マグネシウム合金材料で断面H型のフレームを形成しており、該フレームを筐体部品としている。そして、フレームの上側凹部空間内にはアッパーカバーによってカバーされた状態で液晶パネルが取り付けられており、フレームの下側凹部空間内にはロアーカバーによってカバーされた回路基板が取り付けている。
このように構成された携帯型電子機器によれば、筐体部品が剛性の高いフレームとされているので、落下衝撃力等が加わったとしても、フレーム自体の反りや捩じれ等の不正変形を抑制し易い。従って、フレームに取り付けられている液晶パネルの割れや電子部品の半田剥離破壊等が生じ難い構造とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3769480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の携帯型電子機器では、上記フレームが外装品としての役割も果しているので、その形状を単純に断面H型に形成するだけなく、外観性を考慮しながら微細且つ複雑な形状に仕上げることが必要とされている。
ところが、マグネシウム合金材料は、一般的なプラスチック樹脂材料と比べてより精度の高い環境設備での成形が必要とされており、量産時における成形品質の生産管理が困難であると考えられる。
また、上記したようにフレームが外装品としての役割も果しているので、マグネシウム合金材料を成形した成形品に対して意匠性のための塗装を施す必要があるが、マグネシウム合金材料の特性上、複数回の塗装工程を行う必要がある。そのため、量産時における塗装品質の生産管理も困難であると考えられる。
これらのことから、量産品質の安定管理が容易ではなくコスト高を招き易かった。
【0006】
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、耐衝撃力性能に優れているうえ、量産性の向上化及び低コスト化を図り易い携帯型電子機器、及びそれに組み込まれる内装ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係る携帯型電子機器は、互いに組み合わされた第1の筐体及び第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体との間に収納された内装ユニットと、を備え、前記内装ユニットが、一方の面がフラット面とされた板状に形成され、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に保持された軽金属合金製のプレート体と、前記プレート体の前記一方の面上に重ねられ、該プレート体と前記第1の筐体との間に挟着された表示パネルと、前記プレート体の他方の面に取り付けられ、該プレート体と前記第2の筐体との間に収納された回路基板と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る携帯型電子機器によれば、プレート体、表示パネル及び回路基板で内装ユニットが構成され、内装部品として第1の筐体と第2の筐体との間に収納されている。そのため、内装ユニット自体が外部に露出することがないので、内装ユニットを構成するプレート体の設計に外観性や意匠性を何ら考慮する必要がない。よって、少なくとも一方の面がフラット面となるように板状に形成すれば良く、プレート体の形状の簡素化(単純化)を図ることができるうえ、プレート体に意匠性の塗装を施す必要もないので塗装に費やす工程も削減することができる。従って、量産時におけるプレート体の生産管理を容易にすることができ、携帯型電子機器としての量産性の向上化及び低コスト化を図り易い。
【0009】
また、落下等によって衝撃力が第1の筐体及び第2の筐体を介して内装ユニットに伝わってきたとしても、プレート体がマグネシウム合金等の軽金属合金で形成されているので、高い剛性を期待できプレート体に捩じれや反り等の不正変形が生じ難い。そのため、液晶パネル等の表示パネルに割れ等が発生したり、回路基板上に実装されている電子部品の半田剥離破壊等が発生したりし難い。従って、耐衝撃力性能を向上させることができる。
また、第1の筐体及び第2の筐体の内部に上記プレート体が収納されているので、両筐体に歪みや変形等が発生してしまうことをプレート体の剛性によって抑制し易い。そのため、全体の堅牢性を高めることができ上記耐衝撃力性能の向上化に繋げることができる。
【0010】
更に、表示パネルは、プレート体と第1の筐体との間に挟着されることで固定されるので、表示パネルをプレート体に対してねじ等を利用することなく容易に組み付けることができる。そのため、組立作業性を向上することができ、この点においても量産性の向上化に繋げることができる。
しかも、表示パネルは、プレート体のフラット面とされた一方の面上に重ねられているため、安定した姿勢での設置が可能とされ、がたつき等が抑制された状態でプレート体と第1の筐体との間に挟着される。
【0011】
(2)上記本発明に係る携帯型電子機器において、前記プレート体には、前記表示パネルの外周縁に接し、該表示パネルを位置決めさせるガイド壁が前記一方の面側に突設されていても良い。
【0012】
この場合には、表示パネルをプレート体の一方の面に重ね合わせる際、ガイド壁を利用してプレート体の平面方向に位置決めしながら重ね合わせることができる。従って、プレート体と表示パネルとを位置ずれ少なく精度良く組み合わせることができると共に、組立作業をより行い易い。また、表示パネルがガイド壁によって安定的に保持されて動き難くなるので、耐衝撃力性能のさらなる向上化に繋げることができる。
更に、ガイド壁によってプレート体の剛性がさらに高まるので、プレート体がより不正変形し難くなる。この点においても耐衝撃力性能のさらなる向上化に繋げ易い。
【0013】
(3)上記本発明に係る携帯型電子機器において、前記プレート体には、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に形成された被係合部に係脱自在な係合部が複数設けられ、前記内装ユニットが、前記係合部による係合によって、前記第1の筐体及び前記第2の筐体のうちのいずれかの筐体に保持されていても良い。
【0014】
この場合には、係合部を被係合部に係合させることで、第1の筐体又は第2の筐体に対して内装ユニットを簡便に組み付けることができるので、組立作業性をさらに向上させることができる。しかも、内装ユニットは上記係合によって一方の筐体に保持されるので、他方の筐体を気にすることなくスムーズな組立作業を行うことができ、組立作業性の向上化に繋げることができる。
また、ねじ等の締結手段による強固な固定とは異なり、係合部による係合によって内装ユニットが一方の筐体に保持されるので、内装ユニットに衝撃力が伝わってきた際、係合部による係合の多少の動きによって衝撃力を分散或いは低減した状態で内装ユニットに伝えることができる。これにより、表示パネルの割れや電子部品の半田剥離破壊等をより生じ難くさせることができる。
【0015】
(4)上記本発明に係る携帯型電子機器において、前記表示パネルに装着可能な緩衝体を備え、前記緩衝体が、断面コの字状で且つ前記表示パネルの外周縁に沿った枠状に形成され、外周縁に沿って該表示パネルの両面及び側面を被覆するように装着されていても良い。
【0016】
この場合には、表示パネルが緩衝体によって保護されているので、衝撃力が内装ユニットに伝わってきたとしても、該衝撃力は緩衝体によって和らげられ、力が低減した状態で表示パネルに伝わることとなる。しかも、緩衝体は表示パネルの外周縁に沿って、該表示パネルの両面及び側面を同時に被覆するように装着されているので、どの方向から衝撃力が作用したとしても該衝撃力を低減させ易い。これらのことから、液晶パネルに割れ等が発生することを効果的に抑制し易い。
また、第1の筐体と表示パネルとの間に緩衝体を介在させることができるので、第1の筐体と液晶パネルとの間に隙間が生じ難く、外部からの塵埃や水分等の侵入を抑制することができる。従って、防塵性能、防水性能を向上させることが可能である。
【0017】
(5)本発明に係る内装ユニットは、互いに組み合わされた第1の筐体及び第2の筐体の間に収納される、携帯型電子機器用の内装ユニットであって、一方の面がフラット面とされた板状に形成され、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に保持される軽金属合金製のプレート体と、前記プレート体の前記一方の面上に重ねられ、該プレート体と前記第1の筐体との間に挟着される表示パネルと、前記プレート体の他方の面に取り付けられ、該プレート体と前記第2の筐体との間に収納される回路基板と、を備えていることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る内装ユニットによれば、上記した作用効果と同様の作用効果を奏効することができる。即ち、内装ユニット自体が外部に露出することがなく、プレート体の設計に外観性や意匠性を何ら考慮する必要がないので、プレート体の形状の簡素化を図ることができると共に塗装に費やす工程も削減することができる。従って、量産時におけるプレート体の生産管理を容易にすることができ、量産性の向上化及び低コスト化を図り易い。また、衝撃力が内装ユニットに伝わってきたとしてもプレート体に不正変形が生じ難いので、表示パネルの割れや電子部品の半田剥離破壊等が生じ難く、耐衝撃力性能を向上させることができる。また、表示パネルをプレート体と第1の筐体との間に挟着させることができるので、表示パネルをプレート体に対してねじ等を利用することなく容易に組み付けることができ、組立作業性を向上させて量産性の向上化に繋げることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る内装ユニット及び携帯型電子機器によれば、耐衝撃力性能に優れているうえ、量産性の向上化及び低コスト化を図り易い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る実施形態を示す図であって、ハンディターミナルの全体構成図である。
【図2】図1に示すハンディターミナルを構成する本体側端末部の分解斜視図である。
【図3】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図1に示すA−A線に沿った断面図である。
【図4】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図1に示すB−B線に沿った断面図である。
【図5】図2に示す本体側端末部の平面図であって、下ケースを取り外した状態で上ケースを裏側から見た平面図である。
【図6】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図5に示すC−C線に沿った断面図である。
【図7】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図5に示すD−D線に沿った断面図である。
【図8】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図5に示すE−E線に沿った断面図である。
【図9】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図5に示すF−F線に沿った断面図である。
【図10】図2に示す本体側端末部を構成する内装ユニットの平面図であって、回路基板側から見た平面図である。
【図11】図10に示す内装ユニットを液晶パネル側から見た平面図である。
【図12】図10に示す内装ユニットを構成するプレート体と液晶パネルとを組み合わせる直前の状態を示した斜視図である。
【図13】図12に示すプレートを裏側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る携帯型電子機器の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、携帯型電子機器の一例としてハンディターミナルを例に挙げて説明する。
【0022】
(ハンディターミナルの構成)
図1に示すように、ハンディターミナル1は、例えば居酒屋やレストラン等の飲食店舗内に設置される注文データ管理システムを構成する注文入力端末として機能するものである。従業員は、このハンディターミナル1を各自携帯しており、お客様から受けた注文を注文データとしてハンディターミナル1に入力し、この入力した注文データを例えば注文データ管理システムを構成する無線制御部に向けて無線送信等することが可能とされている。
【0023】
このハンディターミナル1は、平面視長方形状で且つ薄型に形成された端末であり、ヒンジ部2を介して連結された本体側端末部3と、複数の入力ボタン4aが全体に亘って設けられた蓋側端末部4と、を備えている。そのため、不使用時には両端末部3、4を閉じて折り畳むことができるので携帯性に優れており、使用時には本体側端末部3に対して蓋側端末部4を例えば180度程度見開くことができるので入力操作性に優れた端末とされている。
なお、このハンディターミナル1は、図示しない着脱可能なバッテリパックを具備しており、このバッテリパックによって電力供給がなされている。
【0024】
本体側端末部3は、図2から図4に示すように、互いに組み合わされた上ケース(第1の筐体)10及び下ケース(第2の筐体)11からなるケーシング12と、このケーシング12の内部に収納された内装ユニット20と、を備えている。
ケーシング12は、例えば樹脂材料を成形した成形品とされている。上ケース10と下ケース11とは、例えば下ケース11に取り付けられた複数の連結爪部11aによる係合と、複数の連結ねじ11bによる固定と、によって互いに組み合わされている。但し、これ以外の方法により上ケース10と下ケース11とを組み合わせても構わない。
【0025】
なお、本実施形態では、図1に示す状態において上下方向を定義する。従って、上方や上部等と表現した場合には紙面に対して上側をいい、下方や下部等と表現した場合には紙面に対して下側をいう。また、上下方向を長手方向といい、この長手方向に直交し且つ本体側端末部3の平面に沿う方向を短手方向という。
【0026】
図2に示すように、上ケース10には後述する液晶パネル40を視認させるための平面視長方形状の液晶開口部10aが、上ケース10の上部側から長手方向中間部に亘って大きく形成されている。一方、上ケース10の下端部側には、タッチパネル16が載置される載置壁部10bが上記液晶開口部10aに隣接して配置されるように形成されている。
【0027】
上ケース10の外側面には、全面に亘ってタッチパネル16が嵌め込まれる段部10cが形成されており、タッチパネル16がこの段部10cに嵌め込まれることで、上記載置壁部10bに安定的に載置されながら液晶開口部10aを覆っている。
【0028】
図5に示すように、上ケース10内には、上記連結ねじ11bを取り付けるための複数の第1ボス21が突設されていると共に、内装ユニット20を組み込んで収納させるための第1収納空間S1が上記液晶開口部10aに連通して形成されている。この第1収納空間S1を画成する囲繞壁部には、図5から図8に示すように第1収納空間S1の内側に向けて5つの凸フック部(被係合部)22が突設されている。
このうち3つの凸フック部22は、図5及び図6に示すように、囲繞壁部のうち載置壁部10b側で短手方向に沿って延びる部分に間隔を開けて形成されており、残り2つの凸フック部22は、図7及び図8に示すように、囲繞壁部のうち短手方向に向かい合い且つ長手方向に沿って延びる部分にそれぞれ形成されている。
【0029】
また、上ケース10内における上部側には、図5及び図9に示すように、2つの第2ボス23が第1ボス21の内側に配置されるように突設されている。これら第2ボス23は、内装ユニット20を上ケース10に対して補助的に固定する補助ねじ24を取り付けるためのボスとされている。
【0030】
図2に示すように、下ケース11の下部側には上記したバッテリパックを装着させるためのバッテリ用凹部11cが形成されている。また、下ケース11内には、上ケース10の第1収納空間S1に連通する第2収納空間S2が形成されていると共に、連結ねじ11bを挿通させるための筒部11dが上記第1ボス21に対向して複数形成されている。
【0031】
内装ユニット20は、図2、図10及び図11に示すように、プレート体30と、プレート体30の一方の面30a上に重ねられたLCD(Liquid Crystal Display)等の液晶パネル(表示パネル)40と、プレート体30の他方の面30bに取り付けられた回路基板50と、でユニット化されており、上ケース10の第1収納空間S1と下ケース11の第2収納空間S2とで画成される収納空間内に収納されている。この際、本実施形態の内装ユニット20は、上述した5つの凸フック部22を利用して上ケース10によって保持されている。
【0032】
プレート体30は、図2、図12及び図13に示すように、軽金属合金であるマグネシウム合金によって、平面視長方形状の板状に形成されている。プレート体30の両面のうち、上ケース10側に向いている面が上記一方の面30aとされ、下ケース11側に向いている面が上記他方の面30bとされている。プレート体30の一方の面30aは、略全面に亘って平坦に形成されたフラット面とされている。
また、プレート体30には、液晶パネル40の外周縁に接し、液晶パネル40をプレート体30に対して平面方向に位置決めさせるガイド壁31が一方の面30a側に突設されている。図示の例では、ガイド壁31は液晶パネル40の四隅付近における外周縁に接するように形成されている。
【0033】
プレート体30の他方の面30b側には、6つの第3ボス32(図13参照)が突設されている。これら第3ボス32は、回路基板50を固定するための6つの基板用ねじ33が取り付けられるボスとされている。
【0034】
ところで、プレート体30には、上ケース10に形成された凸フック部22に係脱自在な2つの係合爪部(係合部)34が形成されている。これら2つの係合爪部34は、プレート体30の外周縁部から上ケース10に向けて突設すると共に、プレート体30の上部側において短手方向にほぼ向かい合うように形成されている。また、プレート体30の他方の面30b側における下端部には、上ケース10に形成された凸フック部22に係脱自在な3つの係合凹部(係合部)35が短手方向に間隔を開けて形成されている。
更に、プレート体30の上端部には、外方に向けて突設され、上記補助ねじ24を貫通させる貫通孔が形成された2つの突起片36が形成されている。これら突起片36は、上ケース10に形成された第2ボス23に当接可能とされている(図9参照)。
【0035】
このように構成されたプレート体30は、図6から図9に示すように、3つの係合凹部35と上ケース10の凸フック部22との係合と、2つの係合爪部34と上ケース10の凸フック部22との係合と、補助ねじ24を第2ボス23に固定することによる2つの突起片36の固定と、によって上ケース10に対して保持されている。
その結果、内装ユニット20の全体が、図3及び図4に示すように、上ケース10に対して保持されている。
【0036】
液晶パネル40は、図2から図4に示すように、プレート体30の上記一方の面30a上に重ねられており、プレート体30と上ケース10との間に挟着された状態で、プレート体30の第1収納空間S1内に収納されている。この際、図11及び図12に示すように、液晶パネル40はプレート体30に対してねじ等の締結手段を何ら用いることなく組み合わされている。また、液晶パネル40の外周縁には、プレート体30のガイド壁31が接しており、これらガイド壁31によって液晶パネル40は平面方向に位置決めされた状態でプレート体30に組み合わされている。
【0037】
また、本実施形態の液晶パネル40には、図2及び図13に示すように緩衝体60が装着されている。
この緩衝体60は、例えば堅牢性、密着性及び防水性に優れ、且つ高いクッション性を有するシリコン素材からなり、断面コの字状で且つ液晶パネル40の外周縁に沿った枠状に形成されている。そして、この緩衝体60は、液晶パネル40の外周縁に沿って該液晶パネル40の両面及び側面を被覆するように装着されている。
そのため、図3及び図4に示すように、液晶パネル40とプレート体30との間、及び液晶パネル40と上ケース10との間には、緩衝体60が介在している状態となっている。
【0038】
回路基板50は、図示しないプリント配線に導通した状態で各種電子部品Sが表面に実装された基板であり、図2及び図10に示すようにプレート体30の他方の面30bに基板用ねじ33を利用して固定されている。これにより、回路基板50は、図3及び図4に示すように下ケース11の第2収納空間S2内に収納されている。
なお、電子部品Sは、回路基板50上に全面に亘って複数実装されているが、各図では図面を見易くするためのその数を省略している。
【0039】
ところで、図2に示すように、回路基板50のうちプレート体30側に向く面には、液晶パネル40から引き出されたフレキシブル基板41の接続端子部41aが嵌め込まれる端子受け部41bが実装されている。これにより、液晶パネル40は回路基板50側から電力供給を受けると共に、回路基板50と液晶パネル40との間での信号通信が可能とされている。
【0040】
(ハンディターミナルの組立方法)
次に、上記のように構成されたハンディターミナル1の組立方法について簡単に説明する。
はじめに、内装ユニット20の組立作業を行う。
まず、図12に示すように、液晶パネル40に対して緩衝体60を装着させる。これにより、液晶パネル40のうち、外周縁に沿った両面部分及び側面部分が緩衝体60に覆われて保護される。次いで、緩衝体60が装着された液晶パネル40をプレート体30の一方の面30a上に重ね合わせて、図11に示すように、液晶パネル40とプレート体30とを組み合わせる。この際、プレート体30のガイド壁31によって液晶パネル40をプレート体30の平面方向に容易且つ確実に位置決めできるので、両者を精度良く組み合わせることができる。
なお、液晶パネル40を単にプレート体30の一方の面30a上に重ね合わせるだけであるので、ねじ等による固定が不要であり作業が簡便である。
【0041】
次いで、液晶パネル40のフレキシブル基板41の接続端子部41aを回路基板50側の端子受け部41bに接続して、液晶パネル40と回路基板50とを電気的接続させた後、回路基板50をプレート体30の他方の面30bに重ね合わせる。この際、液晶パネル40のフレキシブル基板41は、回路基板50の外側から巻き込むように一方の面30a側から他方の面30b側に向けて湾曲した状態となる。そして、図10に示すように、回路基板50を通して6本の基板用ねじ33をプレート体30の第3ボス32に取り付けることで、回路基板50をプレート体30の他方の面30bに固定することができる。
これにより、内装ユニット20の組立作業が終了する。
【0042】
続いて、内装ユニット20と上ケース10とを組み合わせる作業を行う。
具体的には、まず液晶パネル40を上ケース10側に向けた状態で、プレート体30の下端部を上ケース10の3つの凸フック部22の内側に差し込むように組み合わせて、該プレート体30の3つの係合凹部35を上ケース10側の3つの凸フック部22にそれぞれ係合させる(図6参照)。次いで、プレート体30の2つの係合爪部34を上ケース10側の残り2つの凸フック部22にそれぞれ係合させる(図7及び図8参照)。
【0043】
これにより、内装ユニット20全体が上ケース10によって保持された状態となり、緩衝体60が装着された液晶パネル40が上ケース10の第1収納空間S1内に収納されると共に、プレート体30と上ケース10との間に挟着される。
またこのとき、プレート体30の2つの突起片36が、上ケース10側に形成された第2ボス23に重なった状態となる。そして、図5及び図9に示すように、突起片36を通して補助ねじ24を第2ボス23に取り付けることで、内装ユニット20を補助的に固定する。これにより、内装ユニット20の取り付けが終了する。
【0044】
続いて、タッチパネル16を上ケース10の載置壁部10b及び段部10に嵌め込んで固定する。続いて、上ケース10に対して下ケース11を重ね合わせながら、下ケース11の連結爪部11aを利用して両ケース10、11を係合(図8参照)させることで、回路基板50を下ケース11の第2収納空間S2内に収納させる。
【0045】
その後、連結ねじ11bを下ケース11の筒部11dを通して上ケース10側の第1ボス21に取り付けることで、上ケース10と下ケース11とを一体的に固定する。これにより、上ケース10及び下ケース11からなるケーシング12の内部に内装ユニット20が収納された図3及び図4に示す本体側端末部3を得ることができる。
そして最後に、ヒンジ部2を介して本体側端末部3と蓋側端末部4とを連結させることで、図1に示すハンディターミナル1の組み立てが終了する。
【0046】
(ハンディターミナルの使用)
次に、上記のように構成されたハンディターミナル1を使用して注文を取る場合について簡単に説明する。
従業員は、お客様からの注文を受けた後、注文データを蓋側端末部4の入力ボタン4aや、本体側端末部3のタッチパネル16を利用してデータ入力する。具体的には、注文に応じて蓋側端末部4の入力ボタン4aを押下することで注文データを入力したり、本体側端末部3のタッチパネル16のうち、キー印刷文字部及び液晶パネル40に表示された部分に対応する部分をタッチしたりすることで注文データを入力する。そして、注文データの入力完了後、入力した注文データを例えば無線により送信することで注文作業が終了する。
【0047】
特に、本実施形態のハンディターミナル1によれば、プレート体30、液晶パネル40及び回路基板50で内装ユニット20が構成されており、内装部品として上ケース10及び下ケース11からなるケーシング12内に収納されている。そのため、内装ユニット20自体が外部に露出することがないので、内装ユニット20を構成するプレート体30の設計に外観性や意匠性を何ら考慮する必要がない。よって、プレート体30の形状の簡素化(単純化)を図ることができるうえ、プレート体30に意匠性のための仕上げ塗装等を施す必要もないので、塗装に費やす工程も削減することができる。
従って、量産時におけるプレート体30の生産管理を容易にすることができ、ハンディターミナル1としての量産性の向上化及び低コスト化を図り易い。
【0048】
また、ハンディターミナル1を落下させたりぶつけたり等して、衝撃力がケーシング12を介して内装ユニット20に伝わってきたとしても、プレート体30がマグネシウム合金で形成されているので、高い剛性を期待することができプレート体30に捩じれや割れ等の不正変形が生じ難い。特に本実施形態のプレート体30には、ガイド壁31が形成されているので剛性が高く不正変形が生じ難い。そのため、液晶パネル40に割れ等が発生したり、回路基板50上に実装されている各種電子部品Sの半田剥離破壊等が発生したりし難い。従って、ハンディターミナル1の耐衝撃力性能を向上させることができる。
【0049】
また、ケーシング12の内部にプレート体30が収納されているので、樹脂材料からなる上ケース10及び下ケース11に歪みや変形等が発生してしまうことをプレート体30の剛性によって抑制し易い。そのため、本体側端末部3全体の堅牢性を高めることができ、上記耐衝撃力性能の向上化に繋げることができる。
【0050】
また、液晶パネル40は、プレート体30と上ケース10との間に挟着されることで固定されるので、液晶パネル40をプレート体30に対して容易に組み付けることができる。そのため、組立作業性を向上することができ、この点においても量産性の向上化に繋げることができる。
しかも、液晶パネル40は、プレート体30のフラット面とされた一方の面30a上に重ねられているため、安定した姿勢での設置が可能であり、がたつき等が抑制された状態でプレート体30と上ケース10との間に挟着される。
【0051】
更に、液晶パネル40をプレート体30の一方の面30aに重ね合わせる際に、ガイド壁31を利用してプレート体30の平面方向に位置決めしながら重ね合わせることができる。従って、プレート体30と液晶パネル40とを位置ずれ少なく精度良く組み合わせることができると共に、組立作業を行い易い。また、液晶パネル40が、安定的に保持されて動き難くなるので、耐衝撃力性能のさらなる向上化に繋げることができる。
【0052】
また、本実施形態の液晶パネル40は、緩衝体60によって保護されているので、衝撃力が内装ユニット20に伝わってきたとしても、該衝撃力は緩衝体60によって和らげられ、力が低減した状態で液晶パネル40に伝わることとなる。しかも、緩衝体60は液晶パネル40の外周縁に沿って該液晶パネル40の両面及び側面を同時に被覆するように装着されているので、どの方向から衝撃力が作用したとしても該衝撃力を低減させ易い。これらのことから、液晶パネル40に割れ等が発生することを効果的に抑制し易い。
【0053】
また、上ケース10と液晶パネル40との間に緩衝体60を介在させることができるので、上ケース10と液晶パネル40との間に隙間が生じ難く、外部からの塵埃や水分等の侵入を抑制することができる。従って、ハンディターミナル1の防塵性能や防水性能についても向上させることができる。
【0054】
また、内装ユニット20は上ケース10にのみ保持されるので、下ケース11を気にすることなくスムーズな組立作業を行うことができる。また、プレート体30に形成された係合凹部35及び係合爪部34を上ケース10の凸フック部22に係合させ、補助的に2本の補助ねじ24を取り付けるだけで、内装ユニット20を上ケース10に簡便に組み付けることができる。これらのことから、組立作業効率の向上化を図り易い。
【0055】
特に、内装ユニット20を上ケース10に取り付けるにあたって、一般的なねじによる固定方法を採用した場合には、ねじを対角に配置し、各ねじを均等にねじ締めする必要があるが、本実施形態の場合には補助的にねじ締めを行うだけで、基本的にはねじを用いた固定が不要である。
そのため、ねじの緩みに起因するがたつきの懸念もなく、ねじの配置スペースを確保する必要もないので設計の自由度が向上し易い。また、外部から衝撃力が伝わってきた際、ねじ等の締結手段による強固な固定とは異なり、係合部分の多少の動きによって衝撃力を吸収或いは分散することが可能であり、内装ユニット20に伝わる衝撃力を低減させることもできる。
【0056】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0057】
例えば、上記各実施形態においては、携帯型電子機器としてハンディターミナル1を例に挙げて説明したが、使用者が携帯する電子機器であればハンディターミナル1に限定されるものではなく、例えば電子辞書、携帯型ゲーム機や携帯電話等でも構わない。
【0058】
また、上記実施形態では、内装ユニット20を上ケース10に保持させたが、下ケース11に保持させても構わない。また、タッチパネル16は必須な構成ではなく、具備しなくても構わない。また、上記実施形態では、表示パネルとして液晶パネル40を採用したが液晶に限定されるものではなく、例えば有機ELパネルやプラズマパネル等であっても構わない。
更に、マグネシウム合金でプレート体30を形成したが、軽金属合金であれば良く、例えばアルミニウム合金、チタン合金やジュラルミン等であっても良い。但し、その他の軽金属合金よりも軽量且つ振動吸収性が良く剛性の高い特性を有するマグネシウム合金を用いることが好ましい。
【0059】
また、上記実施形態において、連結ねじ11b、基板用ねじ33や補助ねじ24の数は一例であり、任意に変更可能である。また、凸フック部22の数や形成位置も同様に変更自在である。なお、凸フック部22の数や形成位置を変更した場合には、それに応じて係合爪部34及び係合凹部35をそれぞれ設ければ良い。
【符号の説明】
【0060】
1…ハンディターミナル(携帯型電子機器)
10…上ケース(第1の筐体)
11…下ケース(第2の筐体)
20…内装ユニット
22…上ケースの凸フック部(被係合部)
30…プレート体
30a…プレート体の一方の面
30b…プレート体の他方の面
31…プレート体のガイド壁
40…液晶パネル(表示パネル)
50…回路基板
34…プレート体の係合爪部(係合部)
35…プレート体の係合凹部(係合部)
60…緩衝体
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文入力端末や電子辞書等の持ち運び可能な携帯型電子機器、及びそれに組み込まれる内装ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型電子機器は、近年の技術進歩等に伴って年々小型化、薄型化、軽量化等が図られており、携帯性に優れたものが開発されている。そのため、普及率が高く、個人趣味や商売及びビジネスの場において多種多様な使われ方をされている。ところがその反面、誤って落としてしまったり、ぶつけたりしてしまい易かった。そのため、携帯型電子機器には、耐衝撃性も求められているのが現状である。
そこで、落下等に起因する衝撃力によって、液晶パネルの割れや、回路基板上に実装されている各種電子部品の半田剥離破壊等を防ぐため、筐体部品には軽量で且つ剛性が高いマグネシウム合金材料で形成した携帯型電子機器が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この携帯型電子機器では、マグネシウム合金材料で断面H型のフレームを形成しており、該フレームを筐体部品としている。そして、フレームの上側凹部空間内にはアッパーカバーによってカバーされた状態で液晶パネルが取り付けられており、フレームの下側凹部空間内にはロアーカバーによってカバーされた回路基板が取り付けている。
このように構成された携帯型電子機器によれば、筐体部品が剛性の高いフレームとされているので、落下衝撃力等が加わったとしても、フレーム自体の反りや捩じれ等の不正変形を抑制し易い。従って、フレームに取り付けられている液晶パネルの割れや電子部品の半田剥離破壊等が生じ難い構造とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3769480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の携帯型電子機器では、上記フレームが外装品としての役割も果しているので、その形状を単純に断面H型に形成するだけなく、外観性を考慮しながら微細且つ複雑な形状に仕上げることが必要とされている。
ところが、マグネシウム合金材料は、一般的なプラスチック樹脂材料と比べてより精度の高い環境設備での成形が必要とされており、量産時における成形品質の生産管理が困難であると考えられる。
また、上記したようにフレームが外装品としての役割も果しているので、マグネシウム合金材料を成形した成形品に対して意匠性のための塗装を施す必要があるが、マグネシウム合金材料の特性上、複数回の塗装工程を行う必要がある。そのため、量産時における塗装品質の生産管理も困難であると考えられる。
これらのことから、量産品質の安定管理が容易ではなくコスト高を招き易かった。
【0006】
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、耐衝撃力性能に優れているうえ、量産性の向上化及び低コスト化を図り易い携帯型電子機器、及びそれに組み込まれる内装ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係る携帯型電子機器は、互いに組み合わされた第1の筐体及び第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体との間に収納された内装ユニットと、を備え、前記内装ユニットが、一方の面がフラット面とされた板状に形成され、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に保持された軽金属合金製のプレート体と、前記プレート体の前記一方の面上に重ねられ、該プレート体と前記第1の筐体との間に挟着された表示パネルと、前記プレート体の他方の面に取り付けられ、該プレート体と前記第2の筐体との間に収納された回路基板と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る携帯型電子機器によれば、プレート体、表示パネル及び回路基板で内装ユニットが構成され、内装部品として第1の筐体と第2の筐体との間に収納されている。そのため、内装ユニット自体が外部に露出することがないので、内装ユニットを構成するプレート体の設計に外観性や意匠性を何ら考慮する必要がない。よって、少なくとも一方の面がフラット面となるように板状に形成すれば良く、プレート体の形状の簡素化(単純化)を図ることができるうえ、プレート体に意匠性の塗装を施す必要もないので塗装に費やす工程も削減することができる。従って、量産時におけるプレート体の生産管理を容易にすることができ、携帯型電子機器としての量産性の向上化及び低コスト化を図り易い。
【0009】
また、落下等によって衝撃力が第1の筐体及び第2の筐体を介して内装ユニットに伝わってきたとしても、プレート体がマグネシウム合金等の軽金属合金で形成されているので、高い剛性を期待できプレート体に捩じれや反り等の不正変形が生じ難い。そのため、液晶パネル等の表示パネルに割れ等が発生したり、回路基板上に実装されている電子部品の半田剥離破壊等が発生したりし難い。従って、耐衝撃力性能を向上させることができる。
また、第1の筐体及び第2の筐体の内部に上記プレート体が収納されているので、両筐体に歪みや変形等が発生してしまうことをプレート体の剛性によって抑制し易い。そのため、全体の堅牢性を高めることができ上記耐衝撃力性能の向上化に繋げることができる。
【0010】
更に、表示パネルは、プレート体と第1の筐体との間に挟着されることで固定されるので、表示パネルをプレート体に対してねじ等を利用することなく容易に組み付けることができる。そのため、組立作業性を向上することができ、この点においても量産性の向上化に繋げることができる。
しかも、表示パネルは、プレート体のフラット面とされた一方の面上に重ねられているため、安定した姿勢での設置が可能とされ、がたつき等が抑制された状態でプレート体と第1の筐体との間に挟着される。
【0011】
(2)上記本発明に係る携帯型電子機器において、前記プレート体には、前記表示パネルの外周縁に接し、該表示パネルを位置決めさせるガイド壁が前記一方の面側に突設されていても良い。
【0012】
この場合には、表示パネルをプレート体の一方の面に重ね合わせる際、ガイド壁を利用してプレート体の平面方向に位置決めしながら重ね合わせることができる。従って、プレート体と表示パネルとを位置ずれ少なく精度良く組み合わせることができると共に、組立作業をより行い易い。また、表示パネルがガイド壁によって安定的に保持されて動き難くなるので、耐衝撃力性能のさらなる向上化に繋げることができる。
更に、ガイド壁によってプレート体の剛性がさらに高まるので、プレート体がより不正変形し難くなる。この点においても耐衝撃力性能のさらなる向上化に繋げ易い。
【0013】
(3)上記本発明に係る携帯型電子機器において、前記プレート体には、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に形成された被係合部に係脱自在な係合部が複数設けられ、前記内装ユニットが、前記係合部による係合によって、前記第1の筐体及び前記第2の筐体のうちのいずれかの筐体に保持されていても良い。
【0014】
この場合には、係合部を被係合部に係合させることで、第1の筐体又は第2の筐体に対して内装ユニットを簡便に組み付けることができるので、組立作業性をさらに向上させることができる。しかも、内装ユニットは上記係合によって一方の筐体に保持されるので、他方の筐体を気にすることなくスムーズな組立作業を行うことができ、組立作業性の向上化に繋げることができる。
また、ねじ等の締結手段による強固な固定とは異なり、係合部による係合によって内装ユニットが一方の筐体に保持されるので、内装ユニットに衝撃力が伝わってきた際、係合部による係合の多少の動きによって衝撃力を分散或いは低減した状態で内装ユニットに伝えることができる。これにより、表示パネルの割れや電子部品の半田剥離破壊等をより生じ難くさせることができる。
【0015】
(4)上記本発明に係る携帯型電子機器において、前記表示パネルに装着可能な緩衝体を備え、前記緩衝体が、断面コの字状で且つ前記表示パネルの外周縁に沿った枠状に形成され、外周縁に沿って該表示パネルの両面及び側面を被覆するように装着されていても良い。
【0016】
この場合には、表示パネルが緩衝体によって保護されているので、衝撃力が内装ユニットに伝わってきたとしても、該衝撃力は緩衝体によって和らげられ、力が低減した状態で表示パネルに伝わることとなる。しかも、緩衝体は表示パネルの外周縁に沿って、該表示パネルの両面及び側面を同時に被覆するように装着されているので、どの方向から衝撃力が作用したとしても該衝撃力を低減させ易い。これらのことから、液晶パネルに割れ等が発生することを効果的に抑制し易い。
また、第1の筐体と表示パネルとの間に緩衝体を介在させることができるので、第1の筐体と液晶パネルとの間に隙間が生じ難く、外部からの塵埃や水分等の侵入を抑制することができる。従って、防塵性能、防水性能を向上させることが可能である。
【0017】
(5)本発明に係る内装ユニットは、互いに組み合わされた第1の筐体及び第2の筐体の間に収納される、携帯型電子機器用の内装ユニットであって、一方の面がフラット面とされた板状に形成され、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に保持される軽金属合金製のプレート体と、前記プレート体の前記一方の面上に重ねられ、該プレート体と前記第1の筐体との間に挟着される表示パネルと、前記プレート体の他方の面に取り付けられ、該プレート体と前記第2の筐体との間に収納される回路基板と、を備えていることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る内装ユニットによれば、上記した作用効果と同様の作用効果を奏効することができる。即ち、内装ユニット自体が外部に露出することがなく、プレート体の設計に外観性や意匠性を何ら考慮する必要がないので、プレート体の形状の簡素化を図ることができると共に塗装に費やす工程も削減することができる。従って、量産時におけるプレート体の生産管理を容易にすることができ、量産性の向上化及び低コスト化を図り易い。また、衝撃力が内装ユニットに伝わってきたとしてもプレート体に不正変形が生じ難いので、表示パネルの割れや電子部品の半田剥離破壊等が生じ難く、耐衝撃力性能を向上させることができる。また、表示パネルをプレート体と第1の筐体との間に挟着させることができるので、表示パネルをプレート体に対してねじ等を利用することなく容易に組み付けることができ、組立作業性を向上させて量産性の向上化に繋げることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る内装ユニット及び携帯型電子機器によれば、耐衝撃力性能に優れているうえ、量産性の向上化及び低コスト化を図り易い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る実施形態を示す図であって、ハンディターミナルの全体構成図である。
【図2】図1に示すハンディターミナルを構成する本体側端末部の分解斜視図である。
【図3】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図1に示すA−A線に沿った断面図である。
【図4】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図1に示すB−B線に沿った断面図である。
【図5】図2に示す本体側端末部の平面図であって、下ケースを取り外した状態で上ケースを裏側から見た平面図である。
【図6】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図5に示すC−C線に沿った断面図である。
【図7】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図5に示すD−D線に沿った断面図である。
【図8】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図5に示すE−E線に沿った断面図である。
【図9】図2に示す本体側端末部の断面図であって、図5に示すF−F線に沿った断面図である。
【図10】図2に示す本体側端末部を構成する内装ユニットの平面図であって、回路基板側から見た平面図である。
【図11】図10に示す内装ユニットを液晶パネル側から見た平面図である。
【図12】図10に示す内装ユニットを構成するプレート体と液晶パネルとを組み合わせる直前の状態を示した斜視図である。
【図13】図12に示すプレートを裏側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る携帯型電子機器の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、携帯型電子機器の一例としてハンディターミナルを例に挙げて説明する。
【0022】
(ハンディターミナルの構成)
図1に示すように、ハンディターミナル1は、例えば居酒屋やレストラン等の飲食店舗内に設置される注文データ管理システムを構成する注文入力端末として機能するものである。従業員は、このハンディターミナル1を各自携帯しており、お客様から受けた注文を注文データとしてハンディターミナル1に入力し、この入力した注文データを例えば注文データ管理システムを構成する無線制御部に向けて無線送信等することが可能とされている。
【0023】
このハンディターミナル1は、平面視長方形状で且つ薄型に形成された端末であり、ヒンジ部2を介して連結された本体側端末部3と、複数の入力ボタン4aが全体に亘って設けられた蓋側端末部4と、を備えている。そのため、不使用時には両端末部3、4を閉じて折り畳むことができるので携帯性に優れており、使用時には本体側端末部3に対して蓋側端末部4を例えば180度程度見開くことができるので入力操作性に優れた端末とされている。
なお、このハンディターミナル1は、図示しない着脱可能なバッテリパックを具備しており、このバッテリパックによって電力供給がなされている。
【0024】
本体側端末部3は、図2から図4に示すように、互いに組み合わされた上ケース(第1の筐体)10及び下ケース(第2の筐体)11からなるケーシング12と、このケーシング12の内部に収納された内装ユニット20と、を備えている。
ケーシング12は、例えば樹脂材料を成形した成形品とされている。上ケース10と下ケース11とは、例えば下ケース11に取り付けられた複数の連結爪部11aによる係合と、複数の連結ねじ11bによる固定と、によって互いに組み合わされている。但し、これ以外の方法により上ケース10と下ケース11とを組み合わせても構わない。
【0025】
なお、本実施形態では、図1に示す状態において上下方向を定義する。従って、上方や上部等と表現した場合には紙面に対して上側をいい、下方や下部等と表現した場合には紙面に対して下側をいう。また、上下方向を長手方向といい、この長手方向に直交し且つ本体側端末部3の平面に沿う方向を短手方向という。
【0026】
図2に示すように、上ケース10には後述する液晶パネル40を視認させるための平面視長方形状の液晶開口部10aが、上ケース10の上部側から長手方向中間部に亘って大きく形成されている。一方、上ケース10の下端部側には、タッチパネル16が載置される載置壁部10bが上記液晶開口部10aに隣接して配置されるように形成されている。
【0027】
上ケース10の外側面には、全面に亘ってタッチパネル16が嵌め込まれる段部10cが形成されており、タッチパネル16がこの段部10cに嵌め込まれることで、上記載置壁部10bに安定的に載置されながら液晶開口部10aを覆っている。
【0028】
図5に示すように、上ケース10内には、上記連結ねじ11bを取り付けるための複数の第1ボス21が突設されていると共に、内装ユニット20を組み込んで収納させるための第1収納空間S1が上記液晶開口部10aに連通して形成されている。この第1収納空間S1を画成する囲繞壁部には、図5から図8に示すように第1収納空間S1の内側に向けて5つの凸フック部(被係合部)22が突設されている。
このうち3つの凸フック部22は、図5及び図6に示すように、囲繞壁部のうち載置壁部10b側で短手方向に沿って延びる部分に間隔を開けて形成されており、残り2つの凸フック部22は、図7及び図8に示すように、囲繞壁部のうち短手方向に向かい合い且つ長手方向に沿って延びる部分にそれぞれ形成されている。
【0029】
また、上ケース10内における上部側には、図5及び図9に示すように、2つの第2ボス23が第1ボス21の内側に配置されるように突設されている。これら第2ボス23は、内装ユニット20を上ケース10に対して補助的に固定する補助ねじ24を取り付けるためのボスとされている。
【0030】
図2に示すように、下ケース11の下部側には上記したバッテリパックを装着させるためのバッテリ用凹部11cが形成されている。また、下ケース11内には、上ケース10の第1収納空間S1に連通する第2収納空間S2が形成されていると共に、連結ねじ11bを挿通させるための筒部11dが上記第1ボス21に対向して複数形成されている。
【0031】
内装ユニット20は、図2、図10及び図11に示すように、プレート体30と、プレート体30の一方の面30a上に重ねられたLCD(Liquid Crystal Display)等の液晶パネル(表示パネル)40と、プレート体30の他方の面30bに取り付けられた回路基板50と、でユニット化されており、上ケース10の第1収納空間S1と下ケース11の第2収納空間S2とで画成される収納空間内に収納されている。この際、本実施形態の内装ユニット20は、上述した5つの凸フック部22を利用して上ケース10によって保持されている。
【0032】
プレート体30は、図2、図12及び図13に示すように、軽金属合金であるマグネシウム合金によって、平面視長方形状の板状に形成されている。プレート体30の両面のうち、上ケース10側に向いている面が上記一方の面30aとされ、下ケース11側に向いている面が上記他方の面30bとされている。プレート体30の一方の面30aは、略全面に亘って平坦に形成されたフラット面とされている。
また、プレート体30には、液晶パネル40の外周縁に接し、液晶パネル40をプレート体30に対して平面方向に位置決めさせるガイド壁31が一方の面30a側に突設されている。図示の例では、ガイド壁31は液晶パネル40の四隅付近における外周縁に接するように形成されている。
【0033】
プレート体30の他方の面30b側には、6つの第3ボス32(図13参照)が突設されている。これら第3ボス32は、回路基板50を固定するための6つの基板用ねじ33が取り付けられるボスとされている。
【0034】
ところで、プレート体30には、上ケース10に形成された凸フック部22に係脱自在な2つの係合爪部(係合部)34が形成されている。これら2つの係合爪部34は、プレート体30の外周縁部から上ケース10に向けて突設すると共に、プレート体30の上部側において短手方向にほぼ向かい合うように形成されている。また、プレート体30の他方の面30b側における下端部には、上ケース10に形成された凸フック部22に係脱自在な3つの係合凹部(係合部)35が短手方向に間隔を開けて形成されている。
更に、プレート体30の上端部には、外方に向けて突設され、上記補助ねじ24を貫通させる貫通孔が形成された2つの突起片36が形成されている。これら突起片36は、上ケース10に形成された第2ボス23に当接可能とされている(図9参照)。
【0035】
このように構成されたプレート体30は、図6から図9に示すように、3つの係合凹部35と上ケース10の凸フック部22との係合と、2つの係合爪部34と上ケース10の凸フック部22との係合と、補助ねじ24を第2ボス23に固定することによる2つの突起片36の固定と、によって上ケース10に対して保持されている。
その結果、内装ユニット20の全体が、図3及び図4に示すように、上ケース10に対して保持されている。
【0036】
液晶パネル40は、図2から図4に示すように、プレート体30の上記一方の面30a上に重ねられており、プレート体30と上ケース10との間に挟着された状態で、プレート体30の第1収納空間S1内に収納されている。この際、図11及び図12に示すように、液晶パネル40はプレート体30に対してねじ等の締結手段を何ら用いることなく組み合わされている。また、液晶パネル40の外周縁には、プレート体30のガイド壁31が接しており、これらガイド壁31によって液晶パネル40は平面方向に位置決めされた状態でプレート体30に組み合わされている。
【0037】
また、本実施形態の液晶パネル40には、図2及び図13に示すように緩衝体60が装着されている。
この緩衝体60は、例えば堅牢性、密着性及び防水性に優れ、且つ高いクッション性を有するシリコン素材からなり、断面コの字状で且つ液晶パネル40の外周縁に沿った枠状に形成されている。そして、この緩衝体60は、液晶パネル40の外周縁に沿って該液晶パネル40の両面及び側面を被覆するように装着されている。
そのため、図3及び図4に示すように、液晶パネル40とプレート体30との間、及び液晶パネル40と上ケース10との間には、緩衝体60が介在している状態となっている。
【0038】
回路基板50は、図示しないプリント配線に導通した状態で各種電子部品Sが表面に実装された基板であり、図2及び図10に示すようにプレート体30の他方の面30bに基板用ねじ33を利用して固定されている。これにより、回路基板50は、図3及び図4に示すように下ケース11の第2収納空間S2内に収納されている。
なお、電子部品Sは、回路基板50上に全面に亘って複数実装されているが、各図では図面を見易くするためのその数を省略している。
【0039】
ところで、図2に示すように、回路基板50のうちプレート体30側に向く面には、液晶パネル40から引き出されたフレキシブル基板41の接続端子部41aが嵌め込まれる端子受け部41bが実装されている。これにより、液晶パネル40は回路基板50側から電力供給を受けると共に、回路基板50と液晶パネル40との間での信号通信が可能とされている。
【0040】
(ハンディターミナルの組立方法)
次に、上記のように構成されたハンディターミナル1の組立方法について簡単に説明する。
はじめに、内装ユニット20の組立作業を行う。
まず、図12に示すように、液晶パネル40に対して緩衝体60を装着させる。これにより、液晶パネル40のうち、外周縁に沿った両面部分及び側面部分が緩衝体60に覆われて保護される。次いで、緩衝体60が装着された液晶パネル40をプレート体30の一方の面30a上に重ね合わせて、図11に示すように、液晶パネル40とプレート体30とを組み合わせる。この際、プレート体30のガイド壁31によって液晶パネル40をプレート体30の平面方向に容易且つ確実に位置決めできるので、両者を精度良く組み合わせることができる。
なお、液晶パネル40を単にプレート体30の一方の面30a上に重ね合わせるだけであるので、ねじ等による固定が不要であり作業が簡便である。
【0041】
次いで、液晶パネル40のフレキシブル基板41の接続端子部41aを回路基板50側の端子受け部41bに接続して、液晶パネル40と回路基板50とを電気的接続させた後、回路基板50をプレート体30の他方の面30bに重ね合わせる。この際、液晶パネル40のフレキシブル基板41は、回路基板50の外側から巻き込むように一方の面30a側から他方の面30b側に向けて湾曲した状態となる。そして、図10に示すように、回路基板50を通して6本の基板用ねじ33をプレート体30の第3ボス32に取り付けることで、回路基板50をプレート体30の他方の面30bに固定することができる。
これにより、内装ユニット20の組立作業が終了する。
【0042】
続いて、内装ユニット20と上ケース10とを組み合わせる作業を行う。
具体的には、まず液晶パネル40を上ケース10側に向けた状態で、プレート体30の下端部を上ケース10の3つの凸フック部22の内側に差し込むように組み合わせて、該プレート体30の3つの係合凹部35を上ケース10側の3つの凸フック部22にそれぞれ係合させる(図6参照)。次いで、プレート体30の2つの係合爪部34を上ケース10側の残り2つの凸フック部22にそれぞれ係合させる(図7及び図8参照)。
【0043】
これにより、内装ユニット20全体が上ケース10によって保持された状態となり、緩衝体60が装着された液晶パネル40が上ケース10の第1収納空間S1内に収納されると共に、プレート体30と上ケース10との間に挟着される。
またこのとき、プレート体30の2つの突起片36が、上ケース10側に形成された第2ボス23に重なった状態となる。そして、図5及び図9に示すように、突起片36を通して補助ねじ24を第2ボス23に取り付けることで、内装ユニット20を補助的に固定する。これにより、内装ユニット20の取り付けが終了する。
【0044】
続いて、タッチパネル16を上ケース10の載置壁部10b及び段部10に嵌め込んで固定する。続いて、上ケース10に対して下ケース11を重ね合わせながら、下ケース11の連結爪部11aを利用して両ケース10、11を係合(図8参照)させることで、回路基板50を下ケース11の第2収納空間S2内に収納させる。
【0045】
その後、連結ねじ11bを下ケース11の筒部11dを通して上ケース10側の第1ボス21に取り付けることで、上ケース10と下ケース11とを一体的に固定する。これにより、上ケース10及び下ケース11からなるケーシング12の内部に内装ユニット20が収納された図3及び図4に示す本体側端末部3を得ることができる。
そして最後に、ヒンジ部2を介して本体側端末部3と蓋側端末部4とを連結させることで、図1に示すハンディターミナル1の組み立てが終了する。
【0046】
(ハンディターミナルの使用)
次に、上記のように構成されたハンディターミナル1を使用して注文を取る場合について簡単に説明する。
従業員は、お客様からの注文を受けた後、注文データを蓋側端末部4の入力ボタン4aや、本体側端末部3のタッチパネル16を利用してデータ入力する。具体的には、注文に応じて蓋側端末部4の入力ボタン4aを押下することで注文データを入力したり、本体側端末部3のタッチパネル16のうち、キー印刷文字部及び液晶パネル40に表示された部分に対応する部分をタッチしたりすることで注文データを入力する。そして、注文データの入力完了後、入力した注文データを例えば無線により送信することで注文作業が終了する。
【0047】
特に、本実施形態のハンディターミナル1によれば、プレート体30、液晶パネル40及び回路基板50で内装ユニット20が構成されており、内装部品として上ケース10及び下ケース11からなるケーシング12内に収納されている。そのため、内装ユニット20自体が外部に露出することがないので、内装ユニット20を構成するプレート体30の設計に外観性や意匠性を何ら考慮する必要がない。よって、プレート体30の形状の簡素化(単純化)を図ることができるうえ、プレート体30に意匠性のための仕上げ塗装等を施す必要もないので、塗装に費やす工程も削減することができる。
従って、量産時におけるプレート体30の生産管理を容易にすることができ、ハンディターミナル1としての量産性の向上化及び低コスト化を図り易い。
【0048】
また、ハンディターミナル1を落下させたりぶつけたり等して、衝撃力がケーシング12を介して内装ユニット20に伝わってきたとしても、プレート体30がマグネシウム合金で形成されているので、高い剛性を期待することができプレート体30に捩じれや割れ等の不正変形が生じ難い。特に本実施形態のプレート体30には、ガイド壁31が形成されているので剛性が高く不正変形が生じ難い。そのため、液晶パネル40に割れ等が発生したり、回路基板50上に実装されている各種電子部品Sの半田剥離破壊等が発生したりし難い。従って、ハンディターミナル1の耐衝撃力性能を向上させることができる。
【0049】
また、ケーシング12の内部にプレート体30が収納されているので、樹脂材料からなる上ケース10及び下ケース11に歪みや変形等が発生してしまうことをプレート体30の剛性によって抑制し易い。そのため、本体側端末部3全体の堅牢性を高めることができ、上記耐衝撃力性能の向上化に繋げることができる。
【0050】
また、液晶パネル40は、プレート体30と上ケース10との間に挟着されることで固定されるので、液晶パネル40をプレート体30に対して容易に組み付けることができる。そのため、組立作業性を向上することができ、この点においても量産性の向上化に繋げることができる。
しかも、液晶パネル40は、プレート体30のフラット面とされた一方の面30a上に重ねられているため、安定した姿勢での設置が可能であり、がたつき等が抑制された状態でプレート体30と上ケース10との間に挟着される。
【0051】
更に、液晶パネル40をプレート体30の一方の面30aに重ね合わせる際に、ガイド壁31を利用してプレート体30の平面方向に位置決めしながら重ね合わせることができる。従って、プレート体30と液晶パネル40とを位置ずれ少なく精度良く組み合わせることができると共に、組立作業を行い易い。また、液晶パネル40が、安定的に保持されて動き難くなるので、耐衝撃力性能のさらなる向上化に繋げることができる。
【0052】
また、本実施形態の液晶パネル40は、緩衝体60によって保護されているので、衝撃力が内装ユニット20に伝わってきたとしても、該衝撃力は緩衝体60によって和らげられ、力が低減した状態で液晶パネル40に伝わることとなる。しかも、緩衝体60は液晶パネル40の外周縁に沿って該液晶パネル40の両面及び側面を同時に被覆するように装着されているので、どの方向から衝撃力が作用したとしても該衝撃力を低減させ易い。これらのことから、液晶パネル40に割れ等が発生することを効果的に抑制し易い。
【0053】
また、上ケース10と液晶パネル40との間に緩衝体60を介在させることができるので、上ケース10と液晶パネル40との間に隙間が生じ難く、外部からの塵埃や水分等の侵入を抑制することができる。従って、ハンディターミナル1の防塵性能や防水性能についても向上させることができる。
【0054】
また、内装ユニット20は上ケース10にのみ保持されるので、下ケース11を気にすることなくスムーズな組立作業を行うことができる。また、プレート体30に形成された係合凹部35及び係合爪部34を上ケース10の凸フック部22に係合させ、補助的に2本の補助ねじ24を取り付けるだけで、内装ユニット20を上ケース10に簡便に組み付けることができる。これらのことから、組立作業効率の向上化を図り易い。
【0055】
特に、内装ユニット20を上ケース10に取り付けるにあたって、一般的なねじによる固定方法を採用した場合には、ねじを対角に配置し、各ねじを均等にねじ締めする必要があるが、本実施形態の場合には補助的にねじ締めを行うだけで、基本的にはねじを用いた固定が不要である。
そのため、ねじの緩みに起因するがたつきの懸念もなく、ねじの配置スペースを確保する必要もないので設計の自由度が向上し易い。また、外部から衝撃力が伝わってきた際、ねじ等の締結手段による強固な固定とは異なり、係合部分の多少の動きによって衝撃力を吸収或いは分散することが可能であり、内装ユニット20に伝わる衝撃力を低減させることもできる。
【0056】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0057】
例えば、上記各実施形態においては、携帯型電子機器としてハンディターミナル1を例に挙げて説明したが、使用者が携帯する電子機器であればハンディターミナル1に限定されるものではなく、例えば電子辞書、携帯型ゲーム機や携帯電話等でも構わない。
【0058】
また、上記実施形態では、内装ユニット20を上ケース10に保持させたが、下ケース11に保持させても構わない。また、タッチパネル16は必須な構成ではなく、具備しなくても構わない。また、上記実施形態では、表示パネルとして液晶パネル40を採用したが液晶に限定されるものではなく、例えば有機ELパネルやプラズマパネル等であっても構わない。
更に、マグネシウム合金でプレート体30を形成したが、軽金属合金であれば良く、例えばアルミニウム合金、チタン合金やジュラルミン等であっても良い。但し、その他の軽金属合金よりも軽量且つ振動吸収性が良く剛性の高い特性を有するマグネシウム合金を用いることが好ましい。
【0059】
また、上記実施形態において、連結ねじ11b、基板用ねじ33や補助ねじ24の数は一例であり、任意に変更可能である。また、凸フック部22の数や形成位置も同様に変更自在である。なお、凸フック部22の数や形成位置を変更した場合には、それに応じて係合爪部34及び係合凹部35をそれぞれ設ければ良い。
【符号の説明】
【0060】
1…ハンディターミナル(携帯型電子機器)
10…上ケース(第1の筐体)
11…下ケース(第2の筐体)
20…内装ユニット
22…上ケースの凸フック部(被係合部)
30…プレート体
30a…プレート体の一方の面
30b…プレート体の他方の面
31…プレート体のガイド壁
40…液晶パネル(表示パネル)
50…回路基板
34…プレート体の係合爪部(係合部)
35…プレート体の係合凹部(係合部)
60…緩衝体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに組み合わされた第1の筐体及び第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体との間に収納された内装ユニットと、を備え、
前記内装ユニットは、
一方の面がフラット面とされた板状に形成され、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に保持された軽金属合金製のプレート体と、
前記プレート体の前記一方の面上に重ねられ、該プレート体と前記第1の筐体との間に挟着された表示パネルと、
前記プレート体の他方の面に取り付けられ、該プレート体と前記第2の筐体との間に収納された回路基板と、を備えていることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型電子機器において、
前記プレート体には、前記表示パネルの外周縁に接し、該表示パネルを位置決めさせるガイド壁が前記一方の面側に突設されていることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯型電子機器において、
前記プレート体には、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に形成された被係合部に係脱自在な係合部が複数設けられ、
前記内装ユニットは、前記係合部による係合によって、前記第1の筐体及び前記第2の筐体のうちのいずれかの筐体に保持されていることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯型電子機器において、
前記表示パネルに装着可能な緩衝体を備え、
前記緩衝体は、断面コの字状で且つ前記表示パネルの外周縁に沿った枠状に形成され、外周縁に沿って該表示パネルの両面及び側面を被覆するように装着されていることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項5】
互いに組み合わされた第1の筐体及び第2の筐体の間に収納される、携帯型電子機器用の内装ユニットであって、
一方の面がフラット面とされた板状に形成され、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に保持される軽金属合金製のプレート体と、
前記プレート体の前記一方の面上に重ねられ、該プレート体と前記第1の筐体との間に挟着される表示パネルと、
前記プレート体の他方の面に取り付けられ、該プレート体と前記第2の筐体との間に収納される回路基板と、を備えていることを特徴とする内装ユニット。
【請求項1】
互いに組み合わされた第1の筐体及び第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体との間に収納された内装ユニットと、を備え、
前記内装ユニットは、
一方の面がフラット面とされた板状に形成され、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に保持された軽金属合金製のプレート体と、
前記プレート体の前記一方の面上に重ねられ、該プレート体と前記第1の筐体との間に挟着された表示パネルと、
前記プレート体の他方の面に取り付けられ、該プレート体と前記第2の筐体との間に収納された回路基板と、を備えていることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型電子機器において、
前記プレート体には、前記表示パネルの外周縁に接し、該表示パネルを位置決めさせるガイド壁が前記一方の面側に突設されていることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯型電子機器において、
前記プレート体には、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に形成された被係合部に係脱自在な係合部が複数設けられ、
前記内装ユニットは、前記係合部による係合によって、前記第1の筐体及び前記第2の筐体のうちのいずれかの筐体に保持されていることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯型電子機器において、
前記表示パネルに装着可能な緩衝体を備え、
前記緩衝体は、断面コの字状で且つ前記表示パネルの外周縁に沿った枠状に形成され、外周縁に沿って該表示パネルの両面及び側面を被覆するように装着されていることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項5】
互いに組み合わされた第1の筐体及び第2の筐体の間に収納される、携帯型電子機器用の内装ユニットであって、
一方の面がフラット面とされた板状に形成され、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に保持される軽金属合金製のプレート体と、
前記プレート体の前記一方の面上に重ねられ、該プレート体と前記第1の筐体との間に挟着される表示パネルと、
前記プレート体の他方の面に取り付けられ、該プレート体と前記第2の筐体との間に収納される回路基板と、を備えていることを特徴とする内装ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−164824(P2012−164824A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24237(P2011−24237)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(304048735)エスアイアイ・データサービス株式会社 (126)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(304048735)エスアイアイ・データサービス株式会社 (126)
【Fターム(参考)】
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