説明

携帯情報端末及び情報の表示方法

【課題】文字情報及び画像情報の双方を認識しやすく表示することができる携帯情報端末及び情報の表示方法の提供。
【解決手段】表示部4を、表示面側から、少なくとも透過型の液晶パネルと第1のLED光源23及び第1の導光板13と視差バリア12と第2のLED光源22及び第2の導光板11とで構成し、表示制御部3では、操作部5の操作、又は、選択された機能や表示部に表示するデータの種類に基づいて、第1のLED光源23及び第1の導光板13を用いる2D表示、又は、視差バリア12と第2のLED光源22及び第2の導光板11を用いる3D表示の切り替え制御を行う。これにより、電子メールの作成やスケジュール管理などの文字情報を主とする表示では明瞭な表示を可能にし、静止画、動画、TV通話などの画像情報を主とする表示では立体的にリアリティのある表示を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末及び情報の表示方法に関し、特に、通常の2D表示と立体的な3D表示の双方が可能な2D/3Dディスプレイを搭載した携帯情報端末及び2D/3Dディスプレイを用いた情報の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の携帯情報端末が広く普及している。この携帯情報端末では、液晶ディスプレイの解像度を上げ、画面を極力大きくして表示可能な情報量を多くすることにより差別化を図ってきたが、携帯情報端末の外形寸法及び液晶ディスプレイのサイズの制限により、差別化が難しくなってきている。
【0003】
一方、従来の携帯情報端末は、通話や電子メールの送受信が主な機能であったため、液晶ディスプレイでは文字や記号などの情報(以下、文字情報と呼ぶ。)を見やすく表示すればよかったが、近年のマルチメディア化により、静止画や動画などの情報(以下、画像情と呼ぶ。)のウェイトが大きくなってきており、画像情報をいかに見やすく表示するかが重要な技術的要素になってきている。また、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイの登場により、液晶ディスプレイの優位性を維持するためにも新たな機構が必要になってきている。
【0004】
このような背景により、液晶ディスプレイを用いて画像情報を立体的に表示する3Dディスプレイが提案されている。この3Dディスプレイは、右目用の視差画像と左目用の視差画像とをストライプ状の画片に分割して交互に配列し、パララックスバリア(視差バリア)によって右目用の視差画像と左目用の視差画像の進路を規制することにより立体的な映像を得るものである。
【0005】
このような視差バリアを用いる3Dディスプレイとして、例えば、下記特許文献1には、視差のある映像を交互に並べて表示する表示器と、複数の開口を有し、開口以外に部分で光を遮断するバリアを備え、バリアによって表示器からの映像光の進路を規制して左右の眼に異なる映像光を導いて、立体的な映像を提供する立体映像表示装置において、バリアの開口を左右方向、上下方向とも一定のピッチからずらして階段状に配列することにより、干渉縞の発生を抑える技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−264762号公報(第5−6頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、画像情報は使用者に感覚的に訴えるものであるため、立体的に表示することによって情報を認識しやすくすることができるが、文字情報は使用者に正確な情報を伝達するものであるため、立体的に表示することによってかえって認識が困難になってしまう。そのため、携帯情報端末の表示部を3Dディスプレイにすると、電子メール機能やスケジュール管理機能などを用いる場合に文字情報が認識しづらくなってしまうという問題がある。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、文字情報及び画像情報の双方を認識しやすく表示することができる2D/3Dディスプレイを備えた携帯情報端末及び2D/3Dディスプレイを用いた情報の表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備える携帯情報端末において、前記表示部は、表示面側から、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とを少なくとも備え、前記表示制御部では、前記操作部の操作に応じて、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、情報を2次元で表示する第1の表示と、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、情報を3次元で表示する第2の表示との切り替え制御を行うものである。
【0010】
また、本発明は、表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備える携帯情報端末において、前記表示部は、表示面側から、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とを少なくとも備え、前記表示制御部は、選択された機能を判別する手段を備え、前記表示制御部では、前記選択された機能が文字情報を主に表示する機能である場合には、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、前記文字情報を2次元で表示し、前記選択された機能が画像情報を主に表示する機能である場合には、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、前記画像情報を3次元で表示するものである。
【0011】
また、本発明は、表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備える携帯情報端末において、前記表示部は、表示面側から、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とを少なくとも備え、前記表示制御部は、表示するデータの種類を判別する手段を備え、前記表示制御部では、前記表示するデータが文字情報を示すデータである場合には、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、前記文字情報を2次元で表示し、前記表示するデータが画像情報を示すデータである場合には、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、前記画像情報を3次元で表示するものである。
【0012】
また、本発明の方法は、表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備え、前記表示部が、表示面側から、少なくとも、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とで構成される携帯情報端末における情報の表示方法であって、予め定められた手順に従って前記操作部を操作するステップと、前記操作部の操作に応じて、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、情報を2次元で表示する第1の表示と、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、情報を3次元で表示する第2の表示とを切り替えるステップと、を少なくとも有するものである。
【0013】
また、本発明の方法は、表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備え、前記表示部が、表示面側から、少なくとも、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とで構成される携帯情報端末における情報の表示方法であって、選択された機能を判別するステップと、前記選択された機能が文字情報を主に表示する機能である場合には、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、前記文字情報を2次元で表示し、前記選択された機能が画像情報を主に表示する機能である場合には、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、前記画像情報を3次元で表示するステップと、を少なくとも有するものである。
【0014】
また、本発明の方法は、表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備え、前記表示部が、表示面側から、少なくとも、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とで構成される携帯情報端末における情報の表示方法であって、表示するデータの種類を判別するステップと、前記表示するデータが文字情報を示すデータである場合には、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、前記文字情報を2次元で表示し、前記選択されたデータが画像情報を示すデータである場合には、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、前記画像情報を3次元で表示するステップと、を少なくとも有するものである。
【0015】
このように、本発明の携帯情報端末では、文字情報が主となる機能の使用時には、第1の光源及び第1の導光板を用いて明瞭な表示を行うことができ、画像情報が主となる機能の使用時には、視差バリアと第2の光源及び第2の導光板とを用いて立体的な表示を行うことができ、これにより、文字情報及び画像情報の双方を認識しやすく表示することができる。
【0016】
また、表示制御部では、選択された機能や表示部に表示するデータの種類に基づいて、第1の光源及び第1の導光板を使用するか、視差バリアと第2の光源及び第2の導光板とを使用するかを選択するため、使用者が操作部を操作しなくても自動的に適切な表示形態に設定することができ、使用者の利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の2D/3Dディスプレイ搭載携帯情報端末及び2D/3Dディスプレイを用いた情報の表示方法によれば、以下記載の効果を奏する。
【0018】
本発明の第1の効果は、電子メールの作成やスケジュール管理などの文字情報を主とする表示においては、従来同様に解像度を保持した明瞭な表示を行うことができ、静止画、動画、TV通話などの画像情報を主とする表示においては、立体的にリアリティのある表示を行うことができるということである。
【0019】
その理由は、表示部を、表示面側から、少なくとも透過型の液晶パネルと第1の光源及び第1の導光板と視差バリアと第2の光源及び第2の導光板とで構成し、表示制御部では、操作部の操作に従って2D表示/3D表示を切り替える制御を行うため、文字情報及び画像情報の双方を適切な表示形態で表示することができるからである。
【0020】
また、本発明の第2の効果は、2D表示/3D表示の切り替えに際して、使用者の利便性を向上させることができるということである。
【0021】
その理由は、表示制御部は、選択された機能や表示部に表示するデータの種類に基づいて、第1の光源及び第1の導光板を使用するか、視差バリアと第2の光源及び第2の導光板とを使用するかを自動的に選択するため、使用者が操作部を操作する手間を省くことができるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
従来技術で示したように、携帯情報端末の差別化を図るための技術として3Dディスプレイが提案されている。この3Dディスプレイでは、視差バリアを用いて右目用の視差画像と左目用の視差画像の進路を規制することにより立体的な映像を得ることができ、静止画、動画、TV通話での画像情報を効果的に表示することが可能であるが、文字情報の認識においては視差が生じるために明確な表示がされないという問題がある。
【0023】
そこで、本発明では、図8に示す従来の液晶ディスプレイに加えて、視差バリアと、第2のLED光源及び第2の導光板とを設け、操作部を操作することにより、第1のLED光源及び第1の導光板を用いて通常の平面的な表示(2D表示)を行うか、視差バリアと第2のLED光源及び第2の導光板とを用いて立体的な表示(3D表示)を行うかを選択可能にする。また、表示制御部に、選択された機能又は表示するデータの種類に基づいて、2D表示又は3D表示を自動的に切り替える機能を設ける。これにより、文字情報及び画像情報の双方を認識しやすく表示できるようにする。以下、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る2D/3Dディスプレイ搭載携帯情報端末及び2D/3Dディスプレイを用いた情報の表示方法について、図1乃至図5を参照して説明する。図1は、第1の実施例に係る携帯情報端末の構成を示すブロック図であり、図2は、携帯情報端末の外観構成例を示す図である。また、図3は、本実施例の表示部の構造を模式的に示す図であり、図4は、3Dディスプレイの基本原理を説明するための図である。また、図5は、本実施例の携帯情報端末を用いた情報の表示手順を示すフローチャート図である。
【0025】
図1に示すように、本実施例の携帯情報端末は、操作部5の操作と2D表示/3D表示との対応関係を規定するテーブルなどを記憶するメモリ2と、2D表示と3D表示の双方の表示が可能な表示部4及び2D表示/3D表示の切り替え制御を行う表示制御部3と、数字キーや方向キー、特定キーなどで構成される操作部5と、音声通話やTV電話、電子メールの送受信、webの閲覧などを行う無線部6及びアンテナ7と、マイク8やスピーカ9などの入出力手段と、静止画や動画を撮影するためのデジタルカメラ部10と、上記各手段を制御する主制御部1などを備えている。また、操作部5には、図2に示すように、2D表示と3D表示と切り替えるための表示切り替えキー5aなどが設けられている。
【0026】
なお、図1の構成は例示であり、携帯情報端末は、少なくとも、電子メール機能やスケジュール管理機能などの文字情報を主として取り扱う機能と、デジタルカメラ機能やTV電話機能などの画像情報を主として取り扱う機能の双方を備えていればよい。また、2D表示と3D表示との切り替えは必ずしも専用のキーで行う必要はなく、通常のキーを予め定められた手順に従って操作することによって切り替えを行ってもよい。また、携帯情報端末の構造は特に限定されず、表示部4を備える筐体と操作部5を備える筐体とがヒンジによって開閉可能に支持される折り畳み式構造としてもよいし、両筐体がスライド可能に連結されたスライド構造としてもよいし、1つの筐体に表示部4と操作部5とを備える構造としてもよい。
【0027】
また、図3に示すように、表示部4は、TFT(Thin Film Transistor)などのスイッチング素子がマトリクス状に配列された基板(図中のTFT16及び透明層15)と、カラーフィルタやブラックマトリクスなどが形成された基板(図中のカラーフィルタ18と透明層19)と、両基板の間に狭持された液晶分子層17と、透明層15及び19の外側に設けられた偏光フィルタ14及び20などの光学部材とで構成される液晶パネルと、偏光フィルタ20の表示面側に設けられたガラス21と、液晶パネルの裏面側に配置され、2D表示の際のバックライト光を発生させるLEDなどの光源(第1のLED光源23と呼ぶ。)及び第1のLED光源23からのバックライト光を液晶パネルに導く第1の導光板13と、第1の導光板の裏面側に配置される視差バリア12と、視差バリア12の裏面側に配置され、3D表示の際のバックライト光を発生させるLEDなどの光源(第2のLED光源22と呼ぶ。)及び第2のLED光源22からのバックライト光を視差バリア12を通して液晶パネルに導く第2の導光板11とで構成されている。
【0028】
上記第1の導光板13は、第1のLED光源23からの光を液晶パネル側に反射すると共に、視差バリア12を通過する第2のLED光源22からの光を透過することができるように半透過性の部材で形成されている。また、視差バリア12は、左右からの視線入力に対し屈折させるレンズや、所定の開口を形成した遮光部材などで形成され、左右の眼の各々に対して光の進路を規制するように構成されている。
【0029】
なお、図3の構成も例示であり、本実施例の表示部4は、透過型の液晶パネルと、第1のLED光源23及び第1の導光板13と、視差バリア12と、第2のLED光源22及び第2の導光板11とを含んでいればよく、液晶パネルの構成や駆動方式、光源の種類などは特に限定されない。また、図3では、第1のLED光源23や第2のLED光源22を第1の導光板13や第2の導光板11の一方の側面に配置しているが、第1のLED光源23を第1の導光板13の両側に配置したり、第2のLED光源22を面光源として視差バリア12の裏面側に配置するなどの変更も可能である。
【0030】
そして、表示制御部3では、操作部5の操作に応じて、第1のLED光源23及び第1の導光板13、又は、視差バリア12と第2のLED光源22及び第2の導光板11とを用いて情報の表示を行う。すなわち、従来のように文字などを明瞭に表示する場合は、第1のLED光源23及び第1の導光板13を用いて液晶パネルを照明して2D表示を行い、静止画や動画などを立体的に表示する場合は、第2のLED光源22及び第2の導光板11を用いて視差バリア12を介して液晶パネルを照明して3D表示を行う。
【0031】
この3D表示の原理について図4を参照して説明する。図3の構成において、第2のLED光源22から照射される光に対し、液晶パネルの前で視差バリア12によって光をさえぎると、観察者は、視差バリア12で光がさえぎられることにより前段の液晶パネルの映像やカラーフィルタ18の色を視覚できない。これにより、左右相違する方向からの視線入力24はそれぞれその向き、位置により光源がさえぎられ、左右に映像や色の差が生じ、この映像や色の差により表示が立体的に見える錯覚が生じる。
【0032】
次に、上記構成の携帯情報端末を用いて情報を表示する手順について、図5のフローチャート図を参照して説明する。
【0033】
まず、ステップS101で、使用者は表示部4に文字情報を表示するか画像情報を表示するかを選択し、ステップS102で、情報の内容に応じて予め設定されたキー操作を行う。次に、ステップS103で、表示制御部3は、操作部5のキー操作を判別し、キー操作が2D表示に設定する操作の場合は、ステップS104で、表示部4の第1のLED光源23及び第1の導光板13を用いて液晶パネルを照明して2D表示を行い、キー操作が3D表示に設定する操作の場合は、ステップS105で、液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、第2のLED光源22及び第2の導光板11を用いて視差バリア12により左右の眼の各々に対する光の進路を規制して液晶パネルを照明して上記原理に基づいて3D表示を行う。
【0034】
なお、2D表示/3D表示の設定に際して、デフォルトの設定は2D表示又は3D表示のどちらでもよく、例えば、常に一方の表示がデフォルトとして設定されるようにしてもよいし、最後に設定した表示がデフォルトとして設定されるようにしてもよい。また、2D表示や3D表示の表示時間や設定回数などを履歴情報としてメモリ2に記憶しておき、表示制御部3で、履歴情報に基づいて表示時間や設定回数の多い方をデフォルトとして設定するようにしてもよい。
【0035】
このように、本実施例の携帯情報端末では、表示部4を、表示面側から少なくとも透過型の液晶パネルと第1のLED光源23及び第1の導光板13と視差バリア12と第2のLED光源22及び第2の導光板11とで構成し、表示制御部3では、操作部5の操作に基づいて、第1のLED光源23及び第1の導光板13を用いた2D表示、又は、視差バリア12と第2のLED光源22及び第2の導光板11とを用いた3D表示のいずれかで表示部4の表示を制御するため、明瞭に表示することが求められる文字情報でも、立体的に表示することが求められる画像情報でも、効果的に表示することができる。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の第2の実施例に係る2D/3Dディスプレイ搭載携帯情報端末及び2D/3Dディスプレイを用いた情報の表示方法について、図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7は、本実施例の携帯情報端末を用いた情報の表示手順を示すフローチャート図である。
【0037】
前記した第1の実施例では、使用者が予め定められた手順に従って操作部5を操作することによって2D表示/3D表示の切り替えを行ったが、この方法では、情報を表示する前に使用者が表示の切り替えを行わなければならず、操作が煩雑である。そこで、本実施例では、表示制御部3で、表示される情報が文字情報か画像情報かを判断し、情報の内容に応じて自動的に表示を切り替えるようにする。
【0038】
ここで、表示される情報が文字情報か画像情報かを判断する方法として、選択されている機能に基づいて判断する第1の方法と、表示するデータの種類に基づいて判断する第2の方法などがある。
【0039】
第1の方法は、例えば、電子メール機能やスケジュール管理機能が選択されている場合は表示部4に主として文字情報が表示され、デジタルカメラ機能やTV電話機能などが選択されている場合は表示部4に主として画像情報が表示されることから、表示制御部3では、現在選択されている機能を主制御部1から取得し、選択されている機能に基づいて2D表示/3D表示の切り替えを行う。
【0040】
この場合の情報の表示手順は図6のようになり、まず、ステップS201で、使用者が操作部5を操作して使用する機能を選択すると、ステップS202で、表示制御部3は、主制御部1からの情報に基づいて選択された機能を判別する。次に、ステップS203で、予めメモリ2に記憶されたテーブルを参照して、選択された機能が文字情報を主に表示する機能か、画像情報を主に表示する機能かを判断する。
【0041】
そして、選択された機能が電子メール機能やスケジュール管理機能などの場合には、ステップS204で、第1のLED光源23及び第1の導光板13を用いて液晶パネルを照明して2D表示を行い、選択された機能がデジタルカメラ機能やTV電話機能などの場合は、ステップS205で、液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、第2のLED光源22及び第2の導光板11を用いて視差バリア12により左右の眼の各々に対する光の進路を規制して液晶パネルを照明して3D表示を行う。
【0042】
また、第2の方法は、例えば、電子メール機能やスケジュール管理機能が選択されている場合は表示部4に主としてテキストデータが表示され、デジタルカメラ機能やTV電話機能などが選択されている場合は表示部4に主として画像データが表示されることから、表示制御部3では、データの拡張子などを参照して、表示しようとするデータが文字情報を示すデータであるか、画像情報を示すデータであるかを判断する。
【0043】
この場合の情報の表示手順は図7のようになり、まず、ステップS301で、使用者は操作部5を操作して使用する機能を選択し、ステップS302で、選択された機能で表示するデータ(例えば、電子メール機能で受信したメール文やデジタルカメラ機能で撮影した画像など)を選択する。次に、ステップS303で、表示制御部3は、選択されたデータの拡張子などを参照して、そのデータが文字情報を示すデータであるのか、画像情報を示すデータであるのか判別する。
【0044】
そして、ステップS304で、選択されたデータがテキストデータなどの場合には、ステップS305で、第1のLED光源23及び第1の導光板13を用いて液晶パネルを照明して2D表示を行い、選択されたデータが画像データなどの場合は、ステップS306で、液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、第2のLED光源22及び第2の導光板11を用いて視差バリア12により左右の眼の各々に対する光の進路を規制して液晶パネルを照明して3D表示を行う。
【0045】
このように、本実施例では、表示制御部3は、選択されている機能や表示しようとするデータの種類に基づいて2D表示/3D表示の切り替えを自動的に行うため、使用者が表示の都度、表示形態を切り替える必要がなくなり、操作性を向上させることができる。
【0046】
なお、上記第1及び第2の実施例では、視差バリア12として、左右からの視線入力に対し屈折させるレンズや、所定の開口を形成した遮光部材などを用いたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、視差バリア12を液晶膜で構成し、光の透過/遮断による制御によって同様に機能させることも可能である。この場合は、視差バリア12と液晶パネルとの間の第1の導光板13及び第1のLED光源23は不要であり、2D表示を行う場合は視差バリア12の全面を透過状態にし、3D表示を行う場合は視差バリア12の一部を透過状態にして視線を規制すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
2D表示に適した情報と3D表示に適した情報の双方を表示する機能を備えた任意の機器及びその機器を用いた情報の表示方法に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施例に係る携帯情報端末の機能を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る携帯情報端末の外観構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る携帯情報端末の表示部の構成を模式的に示す斜視図である。
【図4】3Dディスプレイの基本原理を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る携帯情報端末を用いた情報の表示手順を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る携帯情報端末を用いた情報の表示手順を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る携帯情報端末を用いた情報の表示手順を示すフローチャート図である。
【図8】従来の携帯情報端末の表示部の構成を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1、51 主制御部
2 メモリ
3、50 表示制御部
4 表示部
5 操作部
5a 表示切り替えキー
6 無線部
7 アンテナ
8 マイク
9 スピーカ
10 デジタルカメラ部
11 第2の導光板
12 視差バリア
13 第1の導光板
14、20、41、47 偏光フィルタ
15、19、42、46 透明層
16、43 TFT
17、44 液晶分子層
18、45 カラーフィルタ
21、48 ガラス
22 第2のLED光源
23 第1のLED光源
24 視線入力
40 導光板
49 LED光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備える携帯情報端末において、
前記表示部は、表示面側から、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とを少なくとも備え、
前記表示制御部では、前記操作部の操作に応じて、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、情報を2次元で表示する第1の表示と、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、情報を3次元で表示する第2の表示との切り替え制御を行うことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備える携帯情報端末において、
前記表示部は、表示面側から、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とを少なくとも備え、
前記表示制御部は、選択された機能を判別する手段を備え、
前記表示制御部では、前記選択された機能が文字情報を主に表示する機能である場合には、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、前記文字情報を2次元で表示し、前記選択された機能が画像情報を主に表示する機能である場合には、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、前記画像情報を3次元で表示することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項3】
表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備える携帯情報端末において、
前記表示部は、表示面側から、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とを少なくとも備え、
前記表示制御部は、表示するデータの種類を判別する手段を備え、
前記表示制御部では、前記表示するデータが文字情報を示すデータである場合には、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、前記文字情報を2次元で表示し、前記表示するデータが画像情報を示すデータである場合には、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、前記画像情報を3次元で表示することを特徴とする携帯情報端末。
【請求項4】
表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備え、前記表示部が、表示面側から、少なくとも、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とで構成される携帯情報端末における情報の表示方法であって、
予め定められた手順に従って前記操作部を操作するステップと、
前記操作部の操作に応じて、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、情報を2次元で表示する第1の表示と、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、情報を3次元で表示する第2の表示とを切り替えるステップと、を少なくとも有することを特徴とする情報の表示方法。
【請求項5】
表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備え、前記表示部が、表示面側から、少なくとも、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とで構成される携帯情報端末における情報の表示方法であって、
選択された機能を判別するステップと、
前記選択された機能が文字情報を主に表示する機能である場合には、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、前記文字情報を2次元で表示し、前記選択された機能が画像情報を主に表示する機能である場合には、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、前記画像情報を3次元で表示するステップと、を少なくとも有することを特徴とする情報の表示方法。
【請求項6】
表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、操作部とを少なくとも備え、前記表示部が、表示面側から、少なくとも、透過型の液晶パネルと、第1の光源及び第1の導光板と、左右の眼の各々に対して光の進路を規制する視差バリアと、第2の光源及び第2の導光板とで構成される携帯情報端末における情報の表示方法であって、
表示するデータの種類を判別するステップと、
前記表示するデータが文字情報を示すデータである場合には、第1の光源及び第1の導光板を用いて前記液晶パネルを照明し、前記文字情報を2次元で表示し、前記選択されたデータが画像情報を示すデータである場合には、前記液晶パネルに視差のある画像を並べて表示し、前記第2の光源及び前記第2の導光板を用いて前記視差バリアを介して前記液晶パネルを照明し、前記画像情報を3次元で表示するステップと、を少なくとも有することを特徴とする情報の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−187823(P2007−187823A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−4972(P2006−4972)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】