携帯無線通信装置のためのアンテナ装置、及びそのようなアンテナ装置を備える携帯無線通信装置
このアンテナ装置は、アンテナ素子(10)の第1接続部(17,25)がほぼ平面状の可撓性アンテナ素子(10)により形成される平面内で第1の方向に延長し、アンテナ素子(10)の第2接続部(18,26)が第1の方向とは反対の第2の方向に延長する。これにより延長の合計が一定となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ装置に関する。より詳細には、本発明は携帯無線通信装置のためのアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの携帯無線通信装置が小型化するにつれ、装置に内蔵される電子部品、例えばアンテナも小型化する必要がある。これらの部品間の電気的接続はコネクタにより実現されるが、これらコネクタは部品間に良好かつ明確な電気的接触を提供するものとすべきであり、かつ製造寸法及び実装プロセスにおける小さなばらつきに影響を受けないものとすべきである。
【0003】
そのため、弾性式又はスプリング式のコネクタが小型部品に関してますます魅力的になりつつある。このようなコネクタは部品間に確実な電気的接続を実現するものとして知られている。コネクタのばね機構により、明確な接触と可撓性が実現され、製造寸法が完全に正確でない場合に、公差の増大が回避される。接点パッドが厳密に平面でない大量製造プロセスでよくあるように平面性からの逸脱に適応するため、コンプライアンスも必要である。
【0004】
小型サイズの電子部品を電気的に接続する従来の方法は、電子部品とプリント配線板との間に例えばポゴピンなどのばね式接点のような電気コネクタを介挿するものである。
米国特許出願2004/0051673号明細書には、アンテナ素子をPCBに接続するために例えばポゴピンを利用するアンテナ装置が開示されている。上記米国特許出願のそのようなアンテナ装置は図1及び2に示されている。このアンテナ装置は、支持構造2に支持されたアンテナ素子1を備えている。支持構造2は、第1及び第2の接続部7及び8が内部に配置された第1及び第2の孔5及び6を備えている。例えばポゴピンなどの第1及び第2の接続装置3及び4が、接続部7及び8を支持構造2に固定するため孔5及び6の内部に配置される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記米国特許出願に開示されたアンテナ装置に関する問題が図3から5に示されている。図3は、簡略化のため相互に近接して配置された2つの孔5及び6を示している。アンテナ素子1を支持構造2上の適正な位置に装着すると、図3に示すように、接続部7及び8はアンテナ素子1の平面内に延びる、望ましい長さを有する。アンテナ素子1を適正な位置から変位した位置に装着すると、図4及び5にそれぞれ示すように、アンテナ素子1の平面内に延びる接続部7及び8の長さが増大するか、又は低減する。このような装着のずれの結果、アンテナ素子に関する共振周波数が望ましい共振周波数から拡散するが、これは望ましいことではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、上記問題を解消するアンテナ装置を提供することにある。
特にこの目的は、本発明によれば、付属する特許請求の範囲において定義されるアンテナ装置及び携帯無線通信装置により達成される。
【0007】
第1の方向に延長するアンテナ素子の第1接続部と第1の方向とは反対の第2の方向に延長するアンテナ素子の第2接続部とにより、支持構造上のアンテナ素子の装着ずれに関
わりなく、上記延長の合計は一定となる。これにより、支持構造上の可撓性アンテナ素子の装着ずれがアンテナ装置の共振周波数に及ぼす影響が除去される。
【0008】
本発明のさらなる特徴及び利点は以下の説明から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、例示的にのみ提示され本発明を限定するものでない以下の実施形態の詳細な説明及び付属の図面からより十全に理解されるであろう。
以下の説明では、限定でなく説明を目的とし、本発明の十分な理解のため、特定の技術及び用途などの具体的詳細を述べる。しかし、本発明をこれら具体的詳細から外れる他の実施形態として実施可能であることは当業者にとって明らかであろう。他の例では、不必要な詳細により本発明の説明を不明瞭としないよう、周知の方法及び装置の詳細な説明は省略する。
【0010】
本発明の第1の実施形態を図6から8を参照して説明する。
例えば携帯電話、PDAやポータブルコンピュータなどの携帯無線通信装置のためのアンテナ装置は、フレックスフィルムアンテナ素子などのほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10とアンテナ素子10を支持するための支持構造9とを備えている。可撓性アンテナ素子10は2つの接続部17及び18を備えており、その一方はアンテナに給電するためのもの、他方はアンテナを接地するためのものである。接続部17、18は好ましくは可撓性アンテナ素子10の2つの部分13及び14を打ち抜くことにより供給され、その結果、アンテナ素子10の残りから隔離した2つの接続部17、18が得られる。
【0011】
支持構造9は、2つの接続部17及び18をそれぞれ受容するための2つの孔15及び16を有している。アンテナ装置は、各々が好ましくは長手軸を有し、アンテナ素子10を携帯無線通信装置のRF回路(すなわち給電及び接地)に接続するポゴピン又は接触シートなどの、2つの接続装置11及び12をさらに備えている。長手軸という表現は、孔を貫通する方向を定義するため用いられる。2つの孔15及び16は、さらに2つの接続装置11及び12を受容するためのものである。
【0012】
次に接続装置11、対応する孔15及び対応する接続部17による1組のみを説明するが、これは2つの組の形態が同じためである。接続装置11は、一方の接続部17を半径方向力によって孔15内に固定するように配置される。接続装置11の上端は、接続部17の下端を孔15内に固定し、それによってアンテナ素子10に対し電気的に接続する。接続装置11の上端は、孔15内まで下方に延びる接続部17の長さに好ましくは対応する長さに沿って均一な厚みを有する。接続装置11の他方の端部は、携帯無線通信装置のプリント配線板に対する接続、携帯無線通信装置のRF回路に対する接続のため、好ましくは軸方向に対し弾性を有する。アンテナ装置を携帯無線通信装置のプリント配線板に装着する際、接続装置11の軸方向における弾性により、接続装置の軸方向変位を阻止するのに必要な半径方向力が大幅に低減される。
【0013】
孔15は正方形状の断面を有しており、これにより少なくとも接続部17を受容する側部が平面状になっている。さらに、接続装置11は好ましくは円形の断面を有しており、これにより少なくとも接続部17と接触する部分が丸みを帯びた表面となる。このようにして接続部17と接続装置11との間に明確な接触が実現される。
【0014】
アンテナ装置は上記構成により、アンテナ装置が例えば携帯電話のハウジング内で占める空間及び携帯電話内のRF回路に対する接続のためのプリント配線板上の接触位置に関する必要条件に容易に適合する。支持構造9は、特定の容積と容易に適合する。孔15、16は、プリント配線板上の望ましい接触位置と接続する支持構造9内の異なる位置に容
易に配設される。可撓性アンテナ素子10は支持構造9に装着される。接続部17、18は孔15、16内に配置される。接続装置11、12はそれぞれの孔15、16内に配置され、対応する接続部17、18がそれぞれの孔15、16内に固定され、電気的に接続される。接続装置11、12が孔15、16内深くまで押し込まれることを防止するため孔15、16内にストッパを配設してもよく、これにより接続装置11、12の装着が容易になる。
【0015】
別の装着プロセスでは、接続部17を孔15内でなく孔15の上方に配置し、接続装置11の孔15内への配置によって孔15内に位置するようにしてもよい。
ここでアンテナ装置は例えば携帯電話のハウジング内に配置される準備ができている。接続装置11、12が軸方向に対し弾性を有する場合、支持構造9と携帯無線通信装置のプリント配線板上の接触位置との間の正確な距離を知る必要はない。この軸方向の弾性により、接続装置11、12をそれぞれの孔15、16内に保持するのに必要な半径方向力がさらに低減される。
【0016】
接続部17及び18は、ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10により形成される平面内で反対方向に延びている。ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10を支持構造9の望ましい位置に装着すると、接続部17,18の延長部が孔15、16から同じ量だけ延びること
になるが、これは図7に示されている。しかし、ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10の支持構造9上への装着が望ましい位置からずれると、接続部17,18は孔15、16か
ら異なる程度で延びることになるが、これは図8に示されている。ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10により形成される平面内における接続部17、18の延長部の合計の電気長は、ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10が望ましい位置に装着される場合と同じになるであろう。この結果、ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10の支持構造9に対する装着ずれによるアンテナ装置の周波数拡散が低減されるであろう。
【0017】
本発明の第2の実施形態を図9から11を参照して説明する。本発明のこの第2実施形態は以下の点を除いて上記第1の実施形態と同じである。
孔23及び24の各々はほぼ円形の断面19を有している。孔23、24の断面は、接続部25及び26を受容する平面部20をさらに有している。このようにして、接続装置の丸みを帯びた表面が、平坦面に支持された接続部25及び26を押圧する。また、接続装置の丸みを帯びた表面が、孔23、24の円形部19の対応する丸みを帯びた表面を押圧する。好ましくは、ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子の打ち抜き21、22もほぼ円形であり、これにより周波数偏移がさらに低減される。
【0018】
上記で使用したフレックスフィルムという用語は、電線又はバンドなどの導電部分を有する可撓性で肉薄の材料として解釈すべきである。本発明を複数の方式で変形可能であることは明らかであろう。そのような変形は、付属する特許請求の範囲により定義される本発明の範囲からの逸脱と見なすべきでない。当業者にとって明白なすべてのそのような変形は、付属する特許請求の範囲により定義される本発明の範囲に含まれるように意図されている。
【0019】
アンテナ素子10はほぼ平面状のものとして説明を行なってきた。アンテナ素子が発明の理念から逸脱することなく凸面状など他の形状を有しうることは了解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来技術によるアンテナ装置を示す図。
【図2】図1のアンテナ装置の装着位置における接触装置を示す図。
【図3】従来技術において適正に装着されたアンテナ素子を示す図。
【図4】不適正に装着された従来技術によるアンテナ素子を示している。
【図5】不適正に装着された従来技術によるアンテナ素子を示している。
【図6】本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置を示す図。
【図7】本発明の第1の実施形態において適正に装着されたアンテナ素子を示す図。
【図8】本発明の第1の実施形態において不適正に装着されたアンテナ素子を示す図。
【図9】本発明の第2の実施形態における孔を示す断面図。
【図10】本発明の第2の実施形態における適正に装着されたアンテナ素子を示す図。
【図11】本発明の第2の実施形態における不適正に装着されたアンテナ素子を示す図。
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ装置に関する。より詳細には、本発明は携帯無線通信装置のためのアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの携帯無線通信装置が小型化するにつれ、装置に内蔵される電子部品、例えばアンテナも小型化する必要がある。これらの部品間の電気的接続はコネクタにより実現されるが、これらコネクタは部品間に良好かつ明確な電気的接触を提供するものとすべきであり、かつ製造寸法及び実装プロセスにおける小さなばらつきに影響を受けないものとすべきである。
【0003】
そのため、弾性式又はスプリング式のコネクタが小型部品に関してますます魅力的になりつつある。このようなコネクタは部品間に確実な電気的接続を実現するものとして知られている。コネクタのばね機構により、明確な接触と可撓性が実現され、製造寸法が完全に正確でない場合に、公差の増大が回避される。接点パッドが厳密に平面でない大量製造プロセスでよくあるように平面性からの逸脱に適応するため、コンプライアンスも必要である。
【0004】
小型サイズの電子部品を電気的に接続する従来の方法は、電子部品とプリント配線板との間に例えばポゴピンなどのばね式接点のような電気コネクタを介挿するものである。
米国特許出願2004/0051673号明細書には、アンテナ素子をPCBに接続するために例えばポゴピンを利用するアンテナ装置が開示されている。上記米国特許出願のそのようなアンテナ装置は図1及び2に示されている。このアンテナ装置は、支持構造2に支持されたアンテナ素子1を備えている。支持構造2は、第1及び第2の接続部7及び8が内部に配置された第1及び第2の孔5及び6を備えている。例えばポゴピンなどの第1及び第2の接続装置3及び4が、接続部7及び8を支持構造2に固定するため孔5及び6の内部に配置される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記米国特許出願に開示されたアンテナ装置に関する問題が図3から5に示されている。図3は、簡略化のため相互に近接して配置された2つの孔5及び6を示している。アンテナ素子1を支持構造2上の適正な位置に装着すると、図3に示すように、接続部7及び8はアンテナ素子1の平面内に延びる、望ましい長さを有する。アンテナ素子1を適正な位置から変位した位置に装着すると、図4及び5にそれぞれ示すように、アンテナ素子1の平面内に延びる接続部7及び8の長さが増大するか、又は低減する。このような装着のずれの結果、アンテナ素子に関する共振周波数が望ましい共振周波数から拡散するが、これは望ましいことではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、上記問題を解消するアンテナ装置を提供することにある。
特にこの目的は、本発明によれば、付属する特許請求の範囲において定義されるアンテナ装置及び携帯無線通信装置により達成される。
【0007】
第1の方向に延長するアンテナ素子の第1接続部と第1の方向とは反対の第2の方向に延長するアンテナ素子の第2接続部とにより、支持構造上のアンテナ素子の装着ずれに関
わりなく、上記延長の合計は一定となる。これにより、支持構造上の可撓性アンテナ素子の装着ずれがアンテナ装置の共振周波数に及ぼす影響が除去される。
【0008】
本発明のさらなる特徴及び利点は以下の説明から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、例示的にのみ提示され本発明を限定するものでない以下の実施形態の詳細な説明及び付属の図面からより十全に理解されるであろう。
以下の説明では、限定でなく説明を目的とし、本発明の十分な理解のため、特定の技術及び用途などの具体的詳細を述べる。しかし、本発明をこれら具体的詳細から外れる他の実施形態として実施可能であることは当業者にとって明らかであろう。他の例では、不必要な詳細により本発明の説明を不明瞭としないよう、周知の方法及び装置の詳細な説明は省略する。
【0010】
本発明の第1の実施形態を図6から8を参照して説明する。
例えば携帯電話、PDAやポータブルコンピュータなどの携帯無線通信装置のためのアンテナ装置は、フレックスフィルムアンテナ素子などのほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10とアンテナ素子10を支持するための支持構造9とを備えている。可撓性アンテナ素子10は2つの接続部17及び18を備えており、その一方はアンテナに給電するためのもの、他方はアンテナを接地するためのものである。接続部17、18は好ましくは可撓性アンテナ素子10の2つの部分13及び14を打ち抜くことにより供給され、その結果、アンテナ素子10の残りから隔離した2つの接続部17、18が得られる。
【0011】
支持構造9は、2つの接続部17及び18をそれぞれ受容するための2つの孔15及び16を有している。アンテナ装置は、各々が好ましくは長手軸を有し、アンテナ素子10を携帯無線通信装置のRF回路(すなわち給電及び接地)に接続するポゴピン又は接触シートなどの、2つの接続装置11及び12をさらに備えている。長手軸という表現は、孔を貫通する方向を定義するため用いられる。2つの孔15及び16は、さらに2つの接続装置11及び12を受容するためのものである。
【0012】
次に接続装置11、対応する孔15及び対応する接続部17による1組のみを説明するが、これは2つの組の形態が同じためである。接続装置11は、一方の接続部17を半径方向力によって孔15内に固定するように配置される。接続装置11の上端は、接続部17の下端を孔15内に固定し、それによってアンテナ素子10に対し電気的に接続する。接続装置11の上端は、孔15内まで下方に延びる接続部17の長さに好ましくは対応する長さに沿って均一な厚みを有する。接続装置11の他方の端部は、携帯無線通信装置のプリント配線板に対する接続、携帯無線通信装置のRF回路に対する接続のため、好ましくは軸方向に対し弾性を有する。アンテナ装置を携帯無線通信装置のプリント配線板に装着する際、接続装置11の軸方向における弾性により、接続装置の軸方向変位を阻止するのに必要な半径方向力が大幅に低減される。
【0013】
孔15は正方形状の断面を有しており、これにより少なくとも接続部17を受容する側部が平面状になっている。さらに、接続装置11は好ましくは円形の断面を有しており、これにより少なくとも接続部17と接触する部分が丸みを帯びた表面となる。このようにして接続部17と接続装置11との間に明確な接触が実現される。
【0014】
アンテナ装置は上記構成により、アンテナ装置が例えば携帯電話のハウジング内で占める空間及び携帯電話内のRF回路に対する接続のためのプリント配線板上の接触位置に関する必要条件に容易に適合する。支持構造9は、特定の容積と容易に適合する。孔15、16は、プリント配線板上の望ましい接触位置と接続する支持構造9内の異なる位置に容
易に配設される。可撓性アンテナ素子10は支持構造9に装着される。接続部17、18は孔15、16内に配置される。接続装置11、12はそれぞれの孔15、16内に配置され、対応する接続部17、18がそれぞれの孔15、16内に固定され、電気的に接続される。接続装置11、12が孔15、16内深くまで押し込まれることを防止するため孔15、16内にストッパを配設してもよく、これにより接続装置11、12の装着が容易になる。
【0015】
別の装着プロセスでは、接続部17を孔15内でなく孔15の上方に配置し、接続装置11の孔15内への配置によって孔15内に位置するようにしてもよい。
ここでアンテナ装置は例えば携帯電話のハウジング内に配置される準備ができている。接続装置11、12が軸方向に対し弾性を有する場合、支持構造9と携帯無線通信装置のプリント配線板上の接触位置との間の正確な距離を知る必要はない。この軸方向の弾性により、接続装置11、12をそれぞれの孔15、16内に保持するのに必要な半径方向力がさらに低減される。
【0016】
接続部17及び18は、ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10により形成される平面内で反対方向に延びている。ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10を支持構造9の望ましい位置に装着すると、接続部17,18の延長部が孔15、16から同じ量だけ延びること
になるが、これは図7に示されている。しかし、ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10の支持構造9上への装着が望ましい位置からずれると、接続部17,18は孔15、16か
ら異なる程度で延びることになるが、これは図8に示されている。ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10により形成される平面内における接続部17、18の延長部の合計の電気長は、ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10が望ましい位置に装着される場合と同じになるであろう。この結果、ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子10の支持構造9に対する装着ずれによるアンテナ装置の周波数拡散が低減されるであろう。
【0017】
本発明の第2の実施形態を図9から11を参照して説明する。本発明のこの第2実施形態は以下の点を除いて上記第1の実施形態と同じである。
孔23及び24の各々はほぼ円形の断面19を有している。孔23、24の断面は、接続部25及び26を受容する平面部20をさらに有している。このようにして、接続装置の丸みを帯びた表面が、平坦面に支持された接続部25及び26を押圧する。また、接続装置の丸みを帯びた表面が、孔23、24の円形部19の対応する丸みを帯びた表面を押圧する。好ましくは、ほぼ平面状の可撓性アンテナ素子の打ち抜き21、22もほぼ円形であり、これにより周波数偏移がさらに低減される。
【0018】
上記で使用したフレックスフィルムという用語は、電線又はバンドなどの導電部分を有する可撓性で肉薄の材料として解釈すべきである。本発明を複数の方式で変形可能であることは明らかであろう。そのような変形は、付属する特許請求の範囲により定義される本発明の範囲からの逸脱と見なすべきでない。当業者にとって明白なすべてのそのような変形は、付属する特許請求の範囲により定義される本発明の範囲に含まれるように意図されている。
【0019】
アンテナ素子10はほぼ平面状のものとして説明を行なってきた。アンテナ素子が発明の理念から逸脱することなく凸面状など他の形状を有しうることは了解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来技術によるアンテナ装置を示す図。
【図2】図1のアンテナ装置の装着位置における接触装置を示す図。
【図3】従来技術において適正に装着されたアンテナ素子を示す図。
【図4】不適正に装着された従来技術によるアンテナ素子を示している。
【図5】不適正に装着された従来技術によるアンテナ素子を示している。
【図6】本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置を示す図。
【図7】本発明の第1の実施形態において適正に装着されたアンテナ素子を示す図。
【図8】本発明の第1の実施形態において不適正に装着されたアンテナ素子を示す図。
【図9】本発明の第2の実施形態における孔を示す断面図。
【図10】本発明の第2の実施形態における適正に装着されたアンテナ素子を示す図。
【図11】本発明の第2の実施形態における不適正に装着されたアンテナ素子を示す図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF回路を備える携帯無線通信装置のためのアンテナ装置であって、前記アンテナ装置が
第1及び第2の接続部(17,18;25,26)を備える可撓性アンテナ素子(10)と、
前記可撓性アンテナ素子(10)を支持し第1及び第2の孔(15,16;23,24)を備える支持構造(9)と、
前記可撓性アンテナ素子(10)を携帯無線通信装置のRF回路に接続するための第1及び第2の接続装置(11,12)とを備え、前記第1の接続装置(11)が前記第1の孔(15;23)内に配置され、前記第2の接続装置(12)が前記第2の孔(16;24)内に配置され、
前記第1及び第2の接続装置(11,12)が前記第1及び第2の接続部(17,18;25,26)を前記支持構造(9)に固定するとともに、前記第1及び第2の接続部(17,18;25,26)を径方向に作用する力により前記第1及び第2の接続装置(11,12)に対して電気的に接続するものであり、
前記第1接続部(17,25)が前記可撓性アンテナ素子(10)により形成される平面内で第1の方向に延長し、前記第2接続部(18,26)が前記第1の方向とは反対の第2の方向に延長し、それにより前記支持構造上のアンテナ素子の装着ずれに関わりなく前記第1の方向への延長及び第2の方への延長の合計が一定となることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の接続装置(11,12)の各々が長手方向に延びる軸を有し、前記RF回路に対する接続のため軸方向に対し弾性を有することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記接続部(17,18;25,26)が伸長型であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記接続部(17,18;25,26)が矩形状であることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記アンテナ素子(10)が、前記接続部(17,18;25,26)を形成する第1及び第2の打ち抜き部(13,14;21,22)を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記打ち抜き部(21,22)の外形がほぼ円形であることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記孔(23,24)が前記接続装置を支持するためほぼ円形の断面を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記孔(23,24)が前記接続部(25,26)を支持するため平坦表面を備えることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記アンテナ素子(10)がほぼ平面状であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のアンテナ素子。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載したアンテナ装置を備えることを特徴とするRF回路を備える携帯無線通信装置。
【請求項1】
RF回路を備える携帯無線通信装置のためのアンテナ装置であって、前記アンテナ装置が
第1及び第2の接続部(17,18;25,26)を備える可撓性アンテナ素子(10)と、
前記可撓性アンテナ素子(10)を支持し第1及び第2の孔(15,16;23,24)を備える支持構造(9)と、
前記可撓性アンテナ素子(10)を携帯無線通信装置のRF回路に接続するための第1及び第2の接続装置(11,12)とを備え、前記第1の接続装置(11)が前記第1の孔(15;23)内に配置され、前記第2の接続装置(12)が前記第2の孔(16;24)内に配置され、
前記第1及び第2の接続装置(11,12)が前記第1及び第2の接続部(17,18;25,26)を前記支持構造(9)に固定するとともに、前記第1及び第2の接続部(17,18;25,26)を径方向に作用する力により前記第1及び第2の接続装置(11,12)に対して電気的に接続するものであり、
前記第1接続部(17,25)が前記可撓性アンテナ素子(10)により形成される平面内で第1の方向に延長し、前記第2接続部(18,26)が前記第1の方向とは反対の第2の方向に延長し、それにより前記支持構造上のアンテナ素子の装着ずれに関わりなく前記第1の方向への延長及び第2の方への延長の合計が一定となることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の接続装置(11,12)の各々が長手方向に延びる軸を有し、前記RF回路に対する接続のため軸方向に対し弾性を有することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記接続部(17,18;25,26)が伸長型であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記接続部(17,18;25,26)が矩形状であることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記アンテナ素子(10)が、前記接続部(17,18;25,26)を形成する第1及び第2の打ち抜き部(13,14;21,22)を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記打ち抜き部(21,22)の外形がほぼ円形であることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記孔(23,24)が前記接続装置を支持するためほぼ円形の断面を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記孔(23,24)が前記接続部(25,26)を支持するため平坦表面を備えることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記アンテナ素子(10)がほぼ平面状であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のアンテナ素子。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載したアンテナ装置を備えることを特徴とするRF回路を備える携帯無線通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−509632(P2008−509632A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525574(P2007−525574)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【国際出願番号】PCT/SE2005/001183
【国際公開番号】WO2006/016843
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(506222041)エイエムシー センチュリオン アクチボラグ (5)
【氏名又は名称原語表記】AMC Centurion AB
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【国際出願番号】PCT/SE2005/001183
【国際公開番号】WO2006/016843
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(506222041)エイエムシー センチュリオン アクチボラグ (5)
【氏名又は名称原語表記】AMC Centurion AB
【Fターム(参考)】
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