説明

携帯用使い捨て簡易便器

【課題】 本発明は、簡略な構造でありながら短時間で、簡単、かつ衛生的に排泄物の処理をすることが可能な新規で斬新な携帯用使い捨て簡易便器1を提供する。
【解決手段】 本発明の携帯用使い捨て簡易便器1は、臀部側に差し入れて使用する簡易便器であって、肛門位置を中心とする所定範囲を囲む弾力性のある素材から成る漏れ防止用のガード部分1dに囲まれる穴と収容袋1aとで形成され、使用時には穴の下の収容袋内部に所定の深さと立体空間を即時に作ることができるエアー袋1bを備え、排便の実行後にはエアー袋内の排気を行って図2で示すような平面体に戻し、漏れ防止用ガードの穴を閉じて内部を密閉した後に廃棄処理を可能とすることで携帯用使い捨て簡易便器を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非常時などによる排便尿と衛生的かつ迅速な廃棄処理を可能とする携帯用使い捨て簡易便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯用の便器にはポータブルトイレなどがあるが、大地震や台風などの家屋の倒壊や主要道路の寸断、生活圏のライフラインなどが機能を失う混乱した状況下では、それらを持ち出すことは不可能に近く、仮設の便所の前で多くの住民が生理的な極限状態の中で長い列を作ってその順番を待つことは大いに予想され、切迫した住民たちはやむなく人気のない場所で用を足したり、古新聞や衣服の類などで排便尿を行うことを余儀なくされる場合もあり、衛生面でも甚だ問題が多く、それが原因で膀胱炎や尿道炎に悩まされるという欠点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、老若男女を問わず、だれでもが緊急で切迫した事態に至ったときに適切な場所を選んで下半身の衣服を少し開閉するだけで、衛生的かつ簡単にその労力をあまり必要とはせずに排便尿を行うことが可能で、実行後は介護用おむつと同じ方法で廃棄処理を適切に行うことが容易である携帯用使い捨て簡易便器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、臀部側に差し入れて使用する使い捨て簡易便器であって、肛門位置を中心とする所定範囲を囲む窪みと弾力性のある素材から成る漏れ防止用ガード部分に囲まれる穴と収容袋とで形成され、使用時には穴の下の収容袋内部に所定の深さと立体空間を作ることで携帯用使い捨て簡易便器を構成している。
【0005】
上記目的を達成するための請求項2記載の発明は、臀部側に差し入れて使用する使い捨て簡易便器であって、肛門位置を中心とする所定範囲を囲む窪みと弾力性のある素材から成る漏れ防止用ガード部分に囲まれる穴と収容袋とで形成され、使用時には穴の下の収容袋内部に所定の深さと立体空間を作ることができるエアー袋を備えていることで携帯用使い捨て簡易便器を構成している。
【0006】
上記目的を達成するための請求項3記載の発明は、臀部側に差し入れて使用する使い捨て簡易便器であって、肛門位置を中心とする所定範囲を囲む窪みと弾力性のある素材から成る漏れ防止用ガード部分に囲まれる穴と収容袋とで形成され、使用時には穴の下の収容袋内部に所定の深さと立体空間を作ることができるエアー袋を備えていて、排便の実行後には即時にエアー袋内の排気を行った後に漏れ防止用の穴を閉じ、内部を密閉して廃棄処理を可能とすることで携帯用使い捨て簡易便器を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1記載の携帯用使い捨て簡易便器は、臀部側に差し入れて使用する使い捨て簡易便器であって、肛門位置を中心とする所定範囲を囲む窪みと弾力性のある素材から成る漏れ防止用ガード部分に囲まれる穴と収容袋とで形成され、使用時には穴の下の収容袋内部に所定の深さと立体空間を作ることで構成されているので、携帯しやすく短時間で簡単に排便行為に対応することができるので非常時の混乱した状況に対処できる。
【0008】
(2)請求項2記載の携帯用使い捨て簡易便器は、臀部側に差し入れて使用する使い捨て簡易便器であって、肛門位置を中心とする所定範囲を囲む窪みと弾力性のある素材から成る漏れ防止用ガード部分に囲まれる穴と収容袋とで形成され、使用時には穴の下の収容袋内部に所定の深さと立体空間を作ることができるエアー袋を備え、口から息を吹き込むことで容易に膨らませることができる。
【0009】
(3)請求項3記載の携帯用使い捨て簡易便器は、臀部側に差し入れて使用する使い捨て簡易便器であって、肛門位置を中心とする所定範囲を囲む窪みと弾力性のある素材から成る漏れ防止用ガード部分に囲まれる穴と収容袋とで形成され、使用時には穴の下の収容袋内部に所定の深さと立体空間を作ることができるエアー袋を備え、口から息を吹き込むことで容易に膨らませることが可能で、排便実行後には即時にエアー袋内の排気を行った後、漏れ防止用の穴を閉じ内部を密閉して廃棄処理が容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明をより詳細に記述するために、実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明である携帯用使い捨て簡易便器の使用状態の斜視図、図2は使用前の斜視図、図3は使用状態の正面図、図4は使用状態の平面図、図5は使用状態の側面図を示す。
【0011】
前記便器本体1を構成する1aの収容袋の素材は、吸収性のある素材を使用することを必要とし、使用時の立体形状は人の重量が分散することなどを考えて1の円筒型が望ましく、使用時には本体が体重を支えることから先端部分の1eを含めてその断面はやや楕円形の形状となる。直径とその長さは使用する人によって排便量などで詳細を設定することは困難であるが、折り畳んで携帯しやすい大きさとすることが本発明の目的であって必要な条件である。
【0012】
また、1dに示す漏れ防止用ガードは上記と同程度の吸収性のある素材を使用し、その直径を約1cm程度にしたことは違和感を緩和する上での最低設定値である。肛門を囲む辺りのガードの直径は使用時の肛門の収縮を考えると10cm程度は必要であり、ガード全体の長さは1dに示すように1aとのバランスにもよるが、肛門の回りに余裕をもつことを考えて15cm程度に設定している。
【0013】
本体使用時の所定の深さと立体空間を作ることのできる1bのエアー袋は1aの円筒状の収容袋の内部側面に接触していて、1cの漏れ防止用ガードの後部から突きだしているエアー取り入れ口から息を吹き込むことによって容易に穴の深さと立体空間を作ることを可能とするものであり、穴の深さは成人男子の場合は約8cmとなるように設定しているが、その排泄量が極端に多い場合を例にとると1aの収容袋の円筒状前部に排泄物が自然に移動することを可能とするため、例えばエアー袋の形状をU字のように設定するのが効果的ではあるが、穴の深さと立体空間を形成して排泄物を溜めることが目的のため、エアー袋とその配置方法は様々な形状が考えられる。また、1cのエアー取り入れ口の位置は、エアー袋の構造と配置などから必ずしも漏れ防止用ガードの後部に定める必要はなく、収容袋の範囲内で簡単にエアーを吹き込むことが可能な位置であればよい。
【0014】
次に図1から図5までを参照して前記の携帯使い捨て簡易便器の使用について詳述する。まず、図2は使用前である平面状の携帯用使い捨て簡易便器であるが、エア袋から漏れ防止用ガードの後部から突きだしている1cの エアー吹き込み口から息を吹き込むことによって、図1で示すように収容袋に深さと立体空間のある便器を形成することができ、1cのエアー取り入れ口に付いている簡易な栓によってエアーの漏れを防止する。
【0015】
次に使用可能となった携帯用使い捨て簡易便器を臀部側に差し込むのであるが、肛門位置を中心とする所定範囲を囲む穴の位置に漏れ防止用ガードが当たるように簡単な操作をした後、固定された物体の上で臀部を下げて排便行為を可能とする姿勢を保ち、それと同時に1aの収容袋を上方に折り曲げて男子は1eの収容袋先端より陰部を挿入し、女子は1eの先端を折り曲げて吸湿面を露出させて陰部に密着させることによって排尿も可能となるが、収納袋内部は吸湿性に富んだ素材を使用していることから排尿は完全に素材に吸収される。
【0016】
排便尿が終了した後は、1cのエアー取り入れ口の栓を抜くことによって1bのエアー袋内の排気が即時に行われ、収容袋内に排泄物を溜めたままで2で示す使用前の平面状態に戻すことができ、1dに示す漏れ防止用ガード側面と1eの内面に備えてある粘着テープによりガードの穴口を閉じて密閉した後、収容袋を適当な大きさに折り畳んでからビニール袋などに収容して廃棄処理を完了する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を実施するための最良の形態の使用状態の斜視図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態の使用前状態の斜視図である。
【図3】本発明を実施するための最良の形態の使用状態の正面図である。
【図4】本発明を実施するための最良の形態の使用状態の平面図である。
【図5】本発明を実施するための最良の形態の使用状態の側面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 携帯用使い捨て簡易便器の本体
1a 収容袋
1b エアー袋
1c エアー取り入れ口
1d 漏れ防止用ガード
1e 収容袋先端
2 携帯用使い捨て簡易便器の使用前の本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臀部側に差し入れて使用する簡易便器であって、肛門位置を中心とする所定範囲を囲む窪みと、弾力性のある素材から成る漏れ防止用ガード部分に囲まれる穴と収容袋とで形成され、使用時には穴の下の収容袋内部に所定の深さと立体空間を作ることができることを特徴とする携帯用使い捨て簡易便器。
【請求項2】
臀部側に差し入れて使用する簡易便器であって、肛門位置を中心とする所定範囲を囲む窪みと、弾力性のある素材から成る漏れ防止用ガード部分に囲まれる穴と収容袋とで形成され、使用時には穴の下の収容袋内部に所定の深さと立体空間を作ることが可能なエアー袋を備えていることを特徴とする携帯用使い捨て簡易便器。
【請求項3】
臀部側に差し入れて使用する簡易便器であって、肛門位置を中心とする所定範囲を囲む窪みと、弾力性のある素材から成る漏れ防止用ガード部分に囲まれる穴と収容袋とで形成され、使用時には穴の下の収容袋内部に所定の深さと立体空間を作ることを可能とするエアー袋を備え、排便の実行後は即時にエアー袋内の排気を行った後、漏れ防止用ガードの穴を閉じ内部を密閉して廃棄処理が容易に行えることを特徴とする携帯用使い捨て簡易便器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−101954(P2006−101954A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289480(P2004−289480)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(502455555)
【Fターム(参考)】