携帯電子機器、制御方法および制御プログラム
【課題】実行されるプログラムを容易に切り替えること。
【解決手段】携帯電話端末(携帯電子機器)1は、第1の操作画面を表示する第1の表示部(表示部2B)と、第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部(タッチセンサ2A)と、第2の操作画面を表示する第2の表示部(表示部3B)と、第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部(タッチセンサ3A)と、制御部10とを備える。制御部10は、第2の表示部の表示を停止させ、第2の操作検出部によって検出される操作を第1の操作画面に対する操作として処理する第1の状態と、第1の表示部の表示を停止させ、第1の操作検出部によって検出される操作を第2の操作画面に対する操作として処理する第2の状態とを切り替える。
【解決手段】携帯電話端末(携帯電子機器)1は、第1の操作画面を表示する第1の表示部(表示部2B)と、第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部(タッチセンサ2A)と、第2の操作画面を表示する第2の表示部(表示部3B)と、第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部(タッチセンサ3A)と、制御部10とを備える。制御部10は、第2の表示部の表示を停止させ、第2の操作検出部によって検出される操作を第1の操作画面に対する操作として処理する第1の状態と、第1の表示部の表示を停止させ、第1の操作検出部によって検出される操作を第2の操作画面に対する操作として処理する第2の状態とを切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が1つの表示部上で複数のプログラムを切り替えながら利用することを可能にするマルチタスク機能が知られている。このようなマルチタスク機能に対応した携帯電子機器は、利用者の操作に応じて、バックグランドで実行されているプログラムの一覧をメニューとして表示し、メニューから選択されたプログラムをフォアグランドで実行させる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−209560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フォアグランドで実行するプログラムを切り替えるための操作として、メニュー操作は直感的な操作でなく、また、操作に手間がかかる。本発明は、実行されるプログラムを容易に切り替えることができる携帯電子機器、制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る携帯電子機器は、第1の操作画面を表示する第1の表示部と、前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、第2の操作画面を表示する第2の表示部と、前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部と、前記第2の表示部の表示を停止させ、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理する第1の状態と、前記第1の表示部の表示を停止させ、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理する第2の状態とを切り替える切り替え制御を行う制御部とを備える。
【0006】
ここで、前記第1の表示部および前記第1の操作検出部を有する第1の筐体と、前記第2の表示部および前記第2の操作検出部を有する第2の筐体と、前記第1の筐体を前記第2の筐体と連結する連結部とを備え、前記連結部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体を、前記第1の表示部および前記第2の表示部が略同一方向を向く第1の形態または前記第1の表示部および前記第2の表示部が略反対方向を向く第2の形態のいずれかへ遷移させることが好ましい。
【0007】
また、前記制御部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第2の形態へ遷移している場合に前記切り替え制御を行い、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第1の形態へ遷移している場合には、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理し、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理することが好ましい。
【0008】
また、前記制御部は、前記第1の状態においては、前記第2の表示部に前記第2の操作画面を表示させる第1のプログラムの実行を中断し、前記第1の状態から前記第2の状態への切り替えを行う場合に前記第1のプログラムの実行を再開することが好ましい。
【0009】
また、前記携帯電子機器は、当該携帯電子機器の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに備え、前記制御部は、前記切り替え制御において、前記第1の表示部が上向きであることが前記姿勢検出部によって検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第2の表示部が上向きであることが前記姿勢検出部によって検出された場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることとしてもよい。
【0010】
また、前記制御部は、前記切り替え制御において、前記第2の操作検出部によって操作が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第1の操作検出部によって操作が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることとしてもよい。
【0011】
また、前記携帯電子機器は、前記第1の表示部の表面に対向する物体を検出する物体検出部をさらに備え、前記制御部は、前記切り替え制御において、前記物体検出部によって前記物体が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第1の操作検出部によって前記物体が検出されない場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることとしてもよい。
【0012】
また、前記連結部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体を、前記第1の表示部および前記第2の表示部が対向する第3の形態へさらに遷移させ、前記制御部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第3の形態へ遷移した場合に、前記第1の表示部および前記第2の表示部の表示を停止させるとともに、前記第1の操作検出部および前記第2の操作検出部による操作の検出を停止させることとしてもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制御方法は、第1の操作画面を表示する第1の表示部と、前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、第2の操作画面を表示する第2の表示部と、前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部とを備える携帯電子機器によって実行される制御方法であって、第1の状態において、前記第2の表示部の表示を停止させるステップと、前記第1の状態において、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理するステップと、第2の状態において、前記第1の表示部の表示を停止させるステップと、前記第2の状態において、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理するステップと、前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替えるステップとを含む。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制御プログラムは、第1の操作画面を表示する第1の表示部と、前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、第2の操作画面を表示する第2の表示部と、前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部とを備える携帯電子機器に、第1の状態において、前記第2の表示部の表示を停止させるステップと、前記第1の状態において、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理するステップと、第2の状態において、前記第1の表示部の表示を停止させるステップと、前記第2の状態において、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理するステップと、前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替えるステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る携帯電子機器、制御方法および制御プログラムは、実行されるプログラムを容易に切り替えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、第1の形態にある携帯電話端末の正面図である。
【図2】図2は、第1の形態にある携帯電話端末の側面図である。
【図3】図3は、第2の形態にある携帯電話端末の側面図である。
【図4】図4は、第3の形態にある携帯電話端末の側面図である。
【図5】図5は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、第2の形態における携帯電話端末の動作について説明するための図である。
【図7】図7は、複数のプログラムを実行する場合の携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、形態変化対応処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、姿勢変化対応処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、他の携帯電子機器の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器の一例として携帯電話端末について説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、タッチパネルを備える各種装置、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0018】
(実施形態)
まず、図1から図4を参照しながら、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話端末1の外観について説明する。図1は、第1の形態にある携帯電話端末1の正面図である。図2は、第1の形態にある携帯電話端末1の側面図である。図3は、第2の形態にある携帯電話端末1の側面図である。図4は、第3の形態にある携帯電話端末1の側面図である。
【0019】
図1等に示すように、携帯電話端末1は、第1の筐体1Aと、第2の筐体1Bと、連結部1Cとを有する。第1の筐体1Aは、タッチパネル2と、近接センサ14とを有する。第2の筐体1Bは、タッチパネル3と、撮像部4とを有する。撮像部4は、撮像センサを用いて画像を電子的に取得する。近接センサ14は、電磁誘導や静電容量等を利用して所定の距離内に物体が存在することを検出する。
【0020】
タッチパネル2は、第1の筐体1Aの面積が最も広い面の1つに設けられ、文字、図形、画像等を表示するとともに、指、スタイラス、ペン等(以下、単に「指」という)を用いてタッチパネル2の表面に対して行われる各種操作を検出する。タッチパネル3は、第2の筐体1Bの面積が最も広い面の1つに設けられ、文字、図形、画像等を表示するとともに、指を用いてタッチパネル3の表面に対して行われる各種操作を検出する。なお、タッチパネル2およびタッチパネル3が各種操作を検出する方式は、静電容量式、抵抗膜式、感圧式等の任意の方式であってよい。
【0021】
連結部1Cは、第1の筐体1Aおよび第2の筐体1Bを連結するとともに、第1の筐体1Aおよび第2の筐体1Bが相対的に回動するための回転軸として機能する。携帯電話端末1は、第2の筐体1Bが連結部1Cを回転軸として、図2に示すR1の方向へ約180度回動することによって、図3に示す第2の形態へ遷移する。また、携帯電話端末1は、第2の筐体1Bが連結部1Cを回転軸として、図2に示すR2の方向へ約180度回動することによって、図4に示す第3の形態へ遷移する。このように、携帯電話端末1は、第1の筐体1Aおよび第2の筐体1Bが相対的に回動することにより、第1の形態、第2の形態または第3の形態のいずれかへ遷移する。
【0022】
携帯電話端末1が図1および図2に示すような第1の形態にある場合、タッチパネル2、タッチパネル3、撮像部4および近接センサ14は、略同一方向を向いた状態で携帯電話端末1の表面に露出する。このような第1の形態において、携帯電話端末1は、タッチパネル2およびタッチパネル3にそれぞれ異なるプログラムの操作画面を表示することができる。例えば、携帯電話端末1は、タッチパネル2にメールプログラムが提供するメール作成画面を表示し、タッチパネル3にブラウザプログラムが提供するWEBページ閲覧画面を表示することができる。
【0023】
第1の形態において、タッチパネル2およびタッチパネル3にそれぞれどのプログラムの操作画面を表示するかは、利用者の操作に基づいて決定される。すなわち、利用者は、第1の形態にある携帯電話端末1を操作することによって、タッチパネル2およびタッチパネル3にそれぞれ任意のプログラムの操作画面を表示させることができる。なお、操作画面とは、何らかの操作を受け付ける画面をいう。
【0024】
携帯電話端末1は、第1の形態において、タッチパネル2およびタッチパネル3を連結された1つの表示部として制御し、1つのプログラムが提供する操作画面をタッチパネル2およびタッチパネル3にまたがって表示することができてもよい。また、携帯電話端末1は、第1の形態において、タッチパネル2およびタッチパネル3の一方を省電力状態とし、他方のみに操作画面を表示することもができてもよい。
【0025】
また、携帯電話端末1が図3に示すような第2の形態にある場合、タッチパネル2およびタッチパネル3は、略反対方向を向いた状態で携帯電話端末1の表面に露出する。このような第2の形態において、携帯電話端末1は、利用者から見えない側のタッチパネルの表示を停止させることにより電力消費を低減させる。
【0026】
また、携帯電話端末1は、第2の形態において、利用者から見えない側のタッチパネルに対する操作を、利用者から見える側のタッチパネルに対する操作として処理する。このように操作を変換することにより、利用者は、操作画面を指で遮ることなく、操作画面を操作することが可能になる。なお、第2の形態における携帯電話端末1の動作の詳細については後述する。
【0027】
また、携帯電話端末1が図4に示すような第3の形態にある場合、タッチパネル2およびタッチパネル3は、対向した状態となり、外部からは見えなくなる。このような第3の形態において、携帯電話端末1は、タッチパネル2およびタッチパネル3の機能を停止させる。すなわち、携帯電話端末1は、タッチパネル2およびタッチパネル3の表示手段としての機能と操作手段としての機能とを停止させて電力消費を低減させる。なお、さらに電力消費を低減させるために、第3の形態への遷移と連動して、タッチパネル2またはタッチパネル3に画面を表示させているプログラムがあれば、そのプログラムの実行を中断させてもよい。
【0028】
第3の形態は、電力消費を抑制することができ、また、タッチパネル2およびタッチパネル3を物理的な損傷から保護することができるため、携帯電話端末1を使用しない場合や持ち運ぶ場合に好適である。なお、図4では、第3の形態においてタッチパネル2およびタッチパネル3が接するように図示されているが、第3の形態においてタッチパネル2およびタッチパネル3が隙間を介して対向するように携帯電話端末1を構成してもよい。
【0029】
次に、図5を参照しながら、携帯電話端末1の機能的な構成について説明する。図5は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。図5に示すように携帯電話端末1は、タッチパネル2と、タッチパネル3と、撮像部4と、電源部5と、通信部6と、スピーカ7と、マイク8と、記憶部9と、制御部10と、RAM(Random Access Memory)11と、姿勢検出部12と、形態検出部13と、近接センサ14とを有する。なお、第1の筐体1Aに設けられるタッチパネル2と第2の筐体1Bに設けられるタッチパネル3とを除いて、各構成要素は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bのいずれに設けられていてもよい。
【0030】
タッチパネル2は、表示部2Bと、表示部2Bに重畳されたタッチセンサ(操作検出部)2Aとを有する。タッチセンサ2Aは、指を用いてタッチパネル2の表面に対して行われる各種操作を、操作が行われた場所のタッチパネル2上での位置とともに検出し、制御部10に通知する。タッチセンサ2Aによって検出される操作には、タップ操作やスワイプ操作が含まれる。表示部2Bは、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、文字や図形等を表示する。
【0031】
タッチパネル3は、表示部3Bと、表示部3Bに重畳されたタッチセンサ(操作検出部)3Aとを有する。タッチセンサ3Aは、指を用いてタッチパネル3の表面に対して行われる各種操作を、操作が行われた場所のタッチパネル3上での位置とともに検出し、制御部10に通知する。タッチセンサ3Aによって検出される操作には、タップ操作やスワイプ操作が含まれる。表示部3Bは、例えば、液晶ディスプレイや、有機ELパネルなどで構成され、文字や図形等を表示する。
【0032】
なお、以下の説明では、タッチセンサ2Aを第1の操作検出部と呼び、タッチセンサ3Aを第2の操作検出部と呼ぶことがある。また、以下の説明では、表示部2Bを第1の表示部と呼び、表示部3Bを第2の表示部と呼ぶことがある。
【0033】
撮像部4は、撮像センサを用いて画像を電子的に取得し、取得した画像を信号に変換して制御部10へ送信する。電源部5は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、制御部10を含む携帯電話端末1の各機能部へ供給する。通信部6は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信および情報通信を行う。スピーカ7は、制御部10から送信される音声信号を音声として出力する。マイク8は、利用者等の音声を音声信号へ変換して制御部10へ送信する。
【0034】
姿勢検出部12は、携帯電話端末1の姿勢(向き)の変化を検出し、検出結果を制御部10へ通知する。姿勢検出部12は、携帯電話端末1の姿勢の変化を検出するために、例えば、加速度センサやジャイロセンサを用いる。形態検出部13は、携帯電話端末1の形態の変化を検出し、検出結果を制御部10へ通知する。形態検出部13は、携帯電話端末1の形態の変化を検出するために、例えば、各種センサや機械式のスイッチを用いる。近接センサ14は、所定の距離内に物体が存在することを検出した場合に所定の信号を制御部10へ送信する。
【0035】
記憶部9は、不揮発性メモリや磁気記憶装置等の記憶装置である。記憶部9は、制御部10での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。記憶部9に記憶されるプログラムには、メールプログラム9Aと、ブラウザプログラム9Bと、制御プログラム9Cとが含まれる。記憶部9は、携帯電話端末1の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラム等の各種プログラムやアドレス帳データ等の各種データも記憶する。なお、記憶部9は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせとして構成されていてもよい。
【0036】
メールプログラム9Aは、メールの編集、送信、受信および閲覧を実現するための機能を提供する。ブラウザプログラム9Bは、WEBページの閲覧を実現するための機能を提供する。制御プログラム9Cは、各種検出部の検出結果に応じて携帯電話端末1の各部の動作を制御する。制御プログラム9Cは、例えば、形態検出部13が検出する形態の変化に応じて、上述したようにタッチパネル2およびタッチパネル3の動作を制御する。
【0037】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置である。制御部10は、携帯電話端末1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。具体的には、制御部10は、記憶部9に記憶されているデータや各種検出部の検出結果を必要に応じて参照しつつ、記憶部9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行して、タッチパネル2や通信部6等を制御する。なお、制御部10が実行するプログラムや参照するデータは、通信部6による無線通信でサーバ装置からダウンロードすることとしてもよい。
【0038】
制御部10は、例えば、メールプログラム9Aを実行することによって、メールの編集機能や閲覧機能等を実現する。また、制御部10は、制御プログラム9Cを実行することによって、携帯電話端末1の形態の変化に応じてタッチパネル2およびタッチパネル3の動作を制御する機能を実現する。なお、制御部10は、オペレーティングシステムプログラムによって提供されるマルチタスク機能によって、複数のプログラムを並行して実行できるものとする。
【0039】
RAM11は、制御部10によって実行されるプログラムの命令、制御部10が参照するデータ、制御部10の演算結果等が一時的に記憶される記憶領域として利用される。
【0040】
次に、図6を参照しながら、第2の形態における携帯電話端末1の動作について説明する。図6は、第2の形態における携帯電話端末1の動作について説明するための図である。図6に示すステップS11において、携帯電話端末1は、第1の形態にある。タッチパネル2は、メールプログラム9Aが提供するメール作成画面を表示しており、タッチパネル3は、ブラウザプログラム9Bが提供するWEBページ閲覧画面を表示している。
【0041】
この状態において、タッチパネル2によって検出される操作は、タッチパネル2に表示されているメール作成画面に対する操作として制御部10により処理される。また、タッチパネル3によって検出される操作は、タッチパネル3に表示されているWEBページ閲覧画面に対する操作として制御部10により処理される。
【0042】
ここで、利用者が、タッチパネル3を有する第2の筐体1Bを反対側へ折り返して、携帯電話端末1を第2の形態へ遷移させたものとする。制御部10は、第1の形態から第2の形態へ遷移が形態検出部13によって検出されると、タッチパネル2およびタッチパネル3のうちどちらが利用者側に位置しているかを判定する。そして、制御部10は、利用者側に位置していると判定したタッチパネルとは反対側、すなわち、利用者からは見えない側のタッチパネルの表示を停止させる。
【0043】
図6に示すステップS12では、タッチパネル2が利用者側に位置し、タッチパネル3が利用者から見えない側に位置しているため、制御部10は、タッチパネル3の表示を停止させる。表示の停止は、例えば、タッチパネル3を構成する表示部3Bへの電力供給を停止することにより実現される。このように、利用者から見えない側のタッチパネルの表示を停止させることにより、利用者の利便性を損なうことなく電力消費を抑制することができる。
【0044】
また、第2の形態への遷移にともなって、制御部10は、表示を停止させたタッチパネルに操作画面を表示させていたプログラムの実行を中断させる。このように、操作画面が表示されなくなったプログラムの実行を中断させることにより、電力消費を抑制する効果をさらに向上させることができる。
【0045】
さらに、第2の形態への遷移にともなって、制御部10は、表示を停止させたタッチパネルに対する操作を、他方のタッチパネルに表示されている操作画面に対する操作として処理する。すなわち、図6に示したステップS12の場合、制御部10は、タッチパネル3の表示部3Bは停止させるが、タッチセンサ3Aは生かしておく。そして、制御部10は、タッチセンサ3Aによって検出された操作を、タッチパネル2に表示されているメール作成画面に対する操作として処理する。
【0046】
例えば、制御部10は、メール作成画面の送信ボタンの直下に対応する位置(送信ボタンの真裏の位置)へのタップ操作がタッチセンサ3Aによって検出された場合、メール作成画面の送信ボタンに対するタップ操作が行われたものとして処理する。表示が停止中のタッチパネルに対する操作を他方のタッチパネルに表示されている操作画面に対する操作として処理するため、制御部10は、表示が停止中のタッチパネルにおいて操作が検出された座標を、操作画面を表示しているタッチパネル上の座標へ変換する。
【0047】
このように表示を停止させたタッチパネルに対する操作を変換することにより、利用者は、指で操作画面を遮ることなく、操作画面を操作することができる。なお、第2の形態において、表示を継続している側のタッチパネルのタッチセンサは、停止させてもよいし、そのまま操作を検出できるようにしておいてもよい。また、利用者は、見えない側のタッチパネルを操作する場合、正面側のタッチパネルを操作する場合と比較して、意図した位置を正確に操作することが困難である。そのため、表示が停止している側のタッチパネルが操作された場合には、ボタン等が操作されたと判定される領域を、操作画面が表示されている側のタッチパネルよりも広く設定してもよい。
【0048】
タッチパネル2およびタッチパネル3のうちどちらが利用者側に位置しているかについては、例えば、姿勢検出部12の検出結果に基づいて判定される。通常、利用者は、携帯電話端末1を自分の目より低い位置に保持して利用する。このため、姿勢検出部12の検出結果に基づいて、上向きにより近いと判定されるタッチパネルを利用者側に位置していると判定することにより、どちらのタッチパネルが利用者側に位置しているかを高い確率で正しく判定することができる。
【0049】
また、通常、携帯電話端末1の近くに存在するのは利用者であると考えられるため、近接センサ14の検出結果に基づいて、タッチパネル2およびタッチパネル3のうちどちらが利用者側に位置しているかを判定してもよい。図1に示したように、近接センサ14がタッチパネル2と同一の筐体に略同一の方向を向いて設けられている場合、近接センサ14が何らかの物体を検出していれば、タッチパネル2が利用者側に位置していると判定される。また、第1の筐体1Aおよび第2の筐体1Bの両方に近接センサ14を設けておき、より近くで物体が検出された側を利用者側と判定してもよい。なお、近接センサ14を利用する場合、第2の形態への遷移が検出された際に一時的に近接センサ14の感度を高めて所定範囲内の物体の有無を判定し、その後は近接センサ14を停止させることにより、消費電力の増大を抑制することができる。
【0050】
また、第2の形態において操作画面が表示されている側のタッチセンサを停止させる場合には、第2の形態への遷移が検出された後に最初に操作が検出された側と反対側のタッチパネルが利用者側であると判定してもよい。第2の形態において操作画面が表示されている側のタッチセンサを停止させることとすれば、利用者は、操作のために、まず、見えない側のタッチパネルに接触すると考えられるからである。
【0051】
その他、タッチパネル2およびタッチパネル3のうちどちらが利用者側に位置しているかについては、例えば、撮像部4に取得させた画像に利用者が写っているか否かに基づいて判定してもよい。また、利用者の携帯電話端末1の持ち方を何らかのセンサで検出した結果に基づいて判定してもよい。
【0052】
続いて、利用者が、第2の形態のままで携帯電話端末1を裏返して、タッチパネル3が利用者側になるように携帯電話端末1を持ち替えたとする。制御部10は、携帯電話端末1の姿勢が反転したことが姿勢検出部12によって検出されると、操作画面を表示させていたタッチパネルの表示を停止させ、そのタッチパネルに操作画面を表示させていたプログラムの実行を中断させる。また、表示を停止させていたタッチパネルの表示を再開させ、そのタッチパネルに対応するプログラムの実行を再開させる。なお、ここでは、携帯電話端末1がタッチパネル2およびタッチパネル3と水平な方向に回転した場合には、携帯電話端末1の姿勢が反転したとは判定されない。
【0053】
図6に示すステップS13では、携帯電話端末1の姿勢が反転したことにより、制御部10は、タッチパネル2の表示を停止させ、タッチパネル2にメール作成画面を表示させていたメールプログラム9Aの実行を中断させている。また、制御部10は、タッチパネル3の表示を再開させ、タッチパネル3にWEBページ閲覧画面を表示させるブラウザプログラム9Bの実行を再開させている。
【0054】
さらに、携帯電話端末1の姿勢の反転にともなって、制御部10は、表示を停止させたタッチパネルに対する操作を、他方のタッチパネルに表示されている操作画面に対する操作として処理する。すなわち、図6に示したステップS13の場合、制御部10は、タッチパネル2の表示部2Bは停止させるが、タッチセンサ2Aは生かしておく。そして、制御部10は、タッチセンサ2Aによって検出された操作を、タッチパネル3に表示されているWEBページ閲覧画面に対する操作として処理する。
【0055】
例えば、制御部10は、タッチセンサ2Aによって上方向へのスワイプ操作が検出された場合、タッチパネル3に表示されているWEBページ閲覧画面を上方向にスクロールさせる。また、制御部10は、タッチセンサ2Aによって下方向へのスワイプ操作が検出された場合、タッチパネル3に表示されているWEBページ閲覧画面を下方向にスクロールさせる。
【0056】
このように、携帯電話端末1の姿勢の変化に合わせてプログラムの実行環境を切り替えることにより、利用者は、複数のプログラムを容易に切り替えながら利用することができる。また、使用されない側のタッチパネルおよびプログラムは停止されるため、電力消費を低減することができる。
【0057】
なお、携帯電話端末1の姿勢が反転したか否かの判定は、携帯電話端末1の姿勢が正確に180度回転したことを検出する必要はなく、所定時間内に携帯電話端末1の姿勢が所定角度以上変化しことが検出されたら携帯電話端末1の姿勢が反転したと判定してよい。また、姿勢検出部12の検出結果に基づいて、上向きにより近いと判定されるタッチパネルを利用者側に位置していると判定する場合には、上向きにより近いと判定されるタッチパネルが切り替わった場合に携帯電話端末1の姿勢が反転したと判定してもよい。
【0058】
また、携帯電話端末1の姿勢の反転させ方によって携帯電話端末1のタッチパネルの上下が逆になることがあるが、姿勢検出部12の検出結果に応じて、操作画面が適切な方向で表示されるように操作画面の上下方向を調整することが好ましい。
【0059】
続いて、利用者が、タッチパネル2を有する第1の筐体1Aを手前側へ折り戻して、携帯電話端末1を第1の形態へ遷移させたものとする。制御部10は、第2の形態から第1の形態へ遷移が形態検出部13によって検出されると、表示を停止させていたタッチパネルの表示を再開させ、そのタッチパネルに操作画面を提供するプログラムの実行を再開させる。図6に示すステップS14では、携帯電話端末1が第1の形態へ遷移したことにより、制御部10は、タッチパネル2の表示を再開させ、タッチパネル2にメール作成画面表示させるメールプログラム9Aの実行を再開させている。
【0060】
さらに、携帯電話端末1の第1の形態への遷移にともなって、制御部10は、それぞれのタッチパネルに対する操作を、それぞれのタッチパネルに表示されている操作画面に対する操作として処理する。図6に示すステップS14の場合、タッチパネル2によって検出される操作は、タッチパネル2に表示されているメール作成画面に対する操作として制御部10により処理される。また、タッチパネル3によって検出される操作は、タッチパネル3に表示されているWEBページ閲覧画面に対する操作として制御部10により処理される。
【0061】
このように、第2の形態から第1の形態への遷移によって、携帯電話端末1は、ステップS11の段階と同様に機能するようになる。
【0062】
続いて、利用者が、タッチパネル3を有する第2の筐体1Bを手前側へ折り返して、携帯電話端末1を第3の形態へ遷移させたものとする。制御部10は、第1の形態から第3の形態へ遷移が形態検出部13によって検出されると、図6のステップS15に示すように、タッチパネル2およびタッチパネル3を停止させる。この場合、タッチセンサ2Aおよびタッチセンサ3Aも停止される。
【0063】
また、第1の形態から第3の形態へ遷移にともなって、制御部10は、それぞれのタッチパネルに操作画面を提供していたプログラムの実行を中断させる。なお、第3の形態から第1の形態へ遷移が形態検出部13によって検出された場合に、中断させたプログラムの実行を再開させることが好ましい。
【0064】
次に、図7から図9を参照しながら、複数のプログラムを実行する場合の携帯電話端末1の動作について説明する。図7は、複数のプログラムを実行する場合の携帯電話端末1の動作を示すフローチャートである。図8は、形態変化対応処理の処理手順を示すフローチャートである。図9は、姿勢変化対応処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図7から図9に示す動作は、制御部10が制御プログラム9Cを実行することによって実現される。
【0065】
図7に示すように、携帯電話端末1の制御部10は、利用者の指示等に従って、ステップS101として、第1の表示部(表示部2B)に対応するプログラムを起動する。また、制御部10は、利用者の指示等に従って、ステップS102として、第2の表示部(表示部3B)に対応するプログラムを起動する。
【0066】
そして、制御部10は、ステップS103として、形態検出部13によって携帯電話端末1の形態の変化が検出されたかを判定する。携帯電話端末1の形態の変化が検出された場合(ステップS103,Yes)、制御部10は、ステップS104として、後述する形態変化対応処理を実行する。続いて、制御部10は、終了指示が行われていれば(ステップS105,Yes)、一連の処理手順を終了し、終了指示が行われていなければ(ステップS105,No)、ステップS103以降を再実行する。
【0067】
携帯電話端末1の形態の変化が検出されていない場合(ステップS103,No)、制御部10は、ステップS106として、姿勢検出部12によって携帯電話端末1の姿勢の反転が検出されたかを判定する。携帯電話端末1の姿勢の反転が検出された場合(ステップS106,Yes)、制御部10は、ステップS107として、後述する姿勢変化対応処理を実行する。続いて、制御部10は、終了指示が行われていれば(ステップS105,Yes)、一連の処理手順を終了し、終了指示が行われていなければ(ステップS105,No)、ステップS103以降を再実行する。
【0068】
携帯電話端末1の姿勢の反転が検出されていない場合(ステップS106,No)、制御部10は、ステップS108として、検出された操作等に基づく通常の処理を実行する。続いて、制御部10は、終了指示が行われていれば(ステップS105,Yes)、一連の処理手順を終了し、終了指示が行われていなければ(ステップS105,No)、ステップS103以降を再実行する。
【0069】
図8に示すように、形態変化対応処理において、制御部10は、まず、ステップS201として、遷移後の形態が第1の形態であるかを判定する。なお、遷移後の形態が第1の形態であるということは、遷移前の形態が、第2の形態、すなわち、一方のタッチパネルの表示が停止した状態、または、第3の形態、すなわち、両方のタッチパネルの表示が停止した状態であることを意味する。
【0070】
遷移後の形態が第1の形態である場合(ステップS201,Yes)、制御部10は、ステップS202として、第1の表示部が停止中であるかを判定する。第1の表示部が停止中である場合(ステップS202,Yes)、制御部10は、ステップS203として、第1の表示部に対応するプログラムの実行を再開させ、ステップS204として、第1の表示部の表示を再開させる。さらに、制御部10は、ステップS205として、第1の操作検出部(タッチセンサ2A)の検出結果を第1の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。第1の表示部が停止中でない場合(ステップS202,No)、ステップS203からS205は実行されない。
【0071】
続いて、制御部10は、ステップS206として、第2の表示部が停止中であるかを判定する。第2の表示部が停止中である場合(ステップS206,Yes)、制御部10は、ステップS207として、第2の表示部に対応するプログラムの実行を再開させ、ステップS208として、第2の表示部の表示を再開させる。さらに、制御部10は、ステップS209として、第2の操作検出部(タッチセンサ3A)の検出結果を第2の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。第2の表示部が停止中でない場合(ステップS206,No)、ステップS207からS209は実行されない。そして、制御部10は、形態変化対応処理を終了させる。
【0072】
遷移後の形態が第1の形態でない場合(ステップS201,No)、制御部10は、ステップS210として、遷移後の形態が第2の形態であるかを判定する。なお、遷移後の形態が第2の形態であるということは、遷移前の形態が、第1の形態、すなわち、両方のタッチパネルで表示が行われている状態であることを意味する。
【0073】
遷移後の形態が第2の形態である場合(ステップS210,Yes)、制御部10は、ステップS211として、第1の表示部が利用者側に位置しているかを判定する。第1の表示部が利用者側に位置している場合(ステップS211,Yes)、制御部10は、ステップS212として、第2の表示部に対応するプログラムの実行を中断させ、ステップS213として、第2の表示部の表示を停止させる。さらに、制御部10は、ステップS214として、第2の操作検出部の検出結果を第1の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。そして、制御部10は、形態変化対応処理を終了させる。
【0074】
一方、第2の表示部が利用者側に位置している場合(ステップS211,No)、制御部10は、ステップS215として、第1の表示部に対応するプログラムの実行を中断させ、ステップS216として、第1の表示部の表示を停止させる。さらに、制御部10は、ステップS217として、第1の操作検出部の検出結果を第2の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。そして、制御部10は、形態変化対応処理を終了させる。
【0075】
遷移後の形態が第1の形態でも第2の形態でもない場合(ステップS210,No)、制御部10は、以下の処理手順を実行する。なお、遷移後の形態が第1の形態でも第2の形態でもないということは、遷移後の形態が第3の形態であり、遷移前の形態が、第1の形態、すなわち、両方のタッチパネルで表示が行われている状態であることを意味する。
【0076】
この場合、制御部10は、ステップS218として、第1の表示部に対応するプログラムの実行を中断させ、ステップS219として、第2の表示部に対応するプログラムの実行を中断させる。そして、制御部10は、ステップS220として、第1の表示部の表示を停止させ、ステップS221として、第2の表示部の表示を停止させる。さらに、制御部10は、ステップS222として、第1の操作検出部による操作の検出を停止させ、ステップS223として、第2の操作検出部による操作の検出を停止させる。そして、制御部10は、形態変化対応処理を終了させる。
【0077】
図9に示すように、姿勢変化対応処理において、制御部10は、まず、ステップS301として、携帯電話端末1の現在の形態が第2の形態であるかを判定する。現在の形態が第2の形態でない場合(ステップS301,No)、制御部10は、特に処理を行うことなく姿勢変化対応処理を終了させる。
【0078】
現在の形態が第2の形態である場合(ステップS301,Yes)、制御部10は、ステップS302として、変化後の姿勢において第1の表示部が利用者側に位置しているかを判定する。第1の表示部が利用者側に位置している場合(ステップS302,Yes)、制御部10は、ステップS303として、第2の表示部に対応するプログラムの実行を中断させ、ステップS304として、第2の表示部の表示を停止させる。また、制御部10は、ステップS305として、第1の表示部に対応するプログラムの実行を再開させ、ステップS306として、第1の表示部の表示を再開させる。
【0079】
さらに、制御部10は、ステップS307として、第1の操作検出部の検出結果を第1の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。また、制御部10は、ステップS308として、第2の操作検出部の検出結果を第1の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。そして、制御部10は、姿勢変化対応処理を終了させる。
【0080】
一方、第2の表示部が利用者側に位置している場合(ステップS302,No)、制御部10は、ステップS309として、第1の表示部に対応するプログラムの実行を中断させ、ステップS310として、第1の表示部の表示を停止させる。また、制御部10は、ステップS311として、第2の表示部に対応するプログラムの実行を再開させ、ステップS312として、第2の表示部の表示を再開させる。
【0081】
さらに、制御部10は、ステップS313として、第1の操作検出部の検出結果を第2の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。また、制御部10は、ステップS314として、第2の操作検出部の検出結果を第2の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。そして、制御部10は、姿勢変化対応処理を終了させる。
【0082】
上述してきたように、本実施形態では、携帯電話端末1の姿勢の変化に応じて実行されるプログラムが切り替わることとしたので、利用者は、実行されるプログラムを容易に切り替えることができる。
【0083】
なお、上記の実施形態で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。例えば、制御プログラム9Cは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと統合されていてもよい。
【0084】
また、上記の実施形態では、第1の形態、第2の形態および第3の形態に遷移する携帯電話端末の例を示したが、本発明の適用対象は、このように変形可能な筐体を有する携帯電子機器に限定されない。例えば、本発明は、図10に示す携帯電子機器20のように、形態が変化しない筐体の面の1つにタッチパネル2が設けられ、その反対側の面にタッチパネル3が設けられた携帯電子機器にも適用することができる。この場合、図9に示した姿勢変化対応処理は実行されるが、図8に示した形態変化対応処理は実行されない。
【0085】
また、上記の実施形態では、携帯電話端末1の姿勢の変化に応じて2つのプログラムを切り替えて実行する例を示したが、携帯電話端末1の姿勢の変化に応じて3つ以上のプログラムを切り替えて実行できるようにしてもよい。例えば、他のプログラムを実行するためにバックグランドで実行が中断されたプログラムを起動順序等に応じて階層化して管理し、携帯電話端末1の姿勢の変化に応じて、実行されるプログラムを切り替えることとしてもよい。
【0086】
この場合、右回りで携帯電話端末1が裏返しにされた場合には、階層の最上位のプログラムを利用者側のタッチパネルで実行し、裏面にまわったタッチパネルで実行されていたプログラムを階層の最下位へ移動させることとしてもよい。また、左回りで携帯電話端末1が裏返しにされた場合には、階層の最下位のプログラムを利用者側のタッチパネルで実行し、裏面にまわったタッチパネルで実行されていたプログラムを階層の最上位へ移動させるというように、回転方向に応じてプログラムの切り替え方を変更してもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 携帯電話端末
1A 第1の筐体
1B 第2の筐体
1C 連結部
2、3 タッチパネル
2A タッチセンサ(第1の操作検出部)
2B 表示部(第1の表示部)
3A タッチセンサ(第2の操作検出部)
3B 表示部(第2の表示部)
4 撮像部
9 記憶部
9A メールプログラム
9B ブラウザプログラム
9C 制御プログラム
10 制御部
11 RAM
12 姿勢検出部
13 形態検出部
14 近接センサ
20 携帯電子機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が1つの表示部上で複数のプログラムを切り替えながら利用することを可能にするマルチタスク機能が知られている。このようなマルチタスク機能に対応した携帯電子機器は、利用者の操作に応じて、バックグランドで実行されているプログラムの一覧をメニューとして表示し、メニューから選択されたプログラムをフォアグランドで実行させる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−209560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フォアグランドで実行するプログラムを切り替えるための操作として、メニュー操作は直感的な操作でなく、また、操作に手間がかかる。本発明は、実行されるプログラムを容易に切り替えることができる携帯電子機器、制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る携帯電子機器は、第1の操作画面を表示する第1の表示部と、前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、第2の操作画面を表示する第2の表示部と、前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部と、前記第2の表示部の表示を停止させ、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理する第1の状態と、前記第1の表示部の表示を停止させ、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理する第2の状態とを切り替える切り替え制御を行う制御部とを備える。
【0006】
ここで、前記第1の表示部および前記第1の操作検出部を有する第1の筐体と、前記第2の表示部および前記第2の操作検出部を有する第2の筐体と、前記第1の筐体を前記第2の筐体と連結する連結部とを備え、前記連結部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体を、前記第1の表示部および前記第2の表示部が略同一方向を向く第1の形態または前記第1の表示部および前記第2の表示部が略反対方向を向く第2の形態のいずれかへ遷移させることが好ましい。
【0007】
また、前記制御部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第2の形態へ遷移している場合に前記切り替え制御を行い、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第1の形態へ遷移している場合には、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理し、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理することが好ましい。
【0008】
また、前記制御部は、前記第1の状態においては、前記第2の表示部に前記第2の操作画面を表示させる第1のプログラムの実行を中断し、前記第1の状態から前記第2の状態への切り替えを行う場合に前記第1のプログラムの実行を再開することが好ましい。
【0009】
また、前記携帯電子機器は、当該携帯電子機器の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに備え、前記制御部は、前記切り替え制御において、前記第1の表示部が上向きであることが前記姿勢検出部によって検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第2の表示部が上向きであることが前記姿勢検出部によって検出された場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることとしてもよい。
【0010】
また、前記制御部は、前記切り替え制御において、前記第2の操作検出部によって操作が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第1の操作検出部によって操作が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることとしてもよい。
【0011】
また、前記携帯電子機器は、前記第1の表示部の表面に対向する物体を検出する物体検出部をさらに備え、前記制御部は、前記切り替え制御において、前記物体検出部によって前記物体が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第1の操作検出部によって前記物体が検出されない場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることとしてもよい。
【0012】
また、前記連結部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体を、前記第1の表示部および前記第2の表示部が対向する第3の形態へさらに遷移させ、前記制御部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第3の形態へ遷移した場合に、前記第1の表示部および前記第2の表示部の表示を停止させるとともに、前記第1の操作検出部および前記第2の操作検出部による操作の検出を停止させることとしてもよい。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制御方法は、第1の操作画面を表示する第1の表示部と、前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、第2の操作画面を表示する第2の表示部と、前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部とを備える携帯電子機器によって実行される制御方法であって、第1の状態において、前記第2の表示部の表示を停止させるステップと、前記第1の状態において、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理するステップと、第2の状態において、前記第1の表示部の表示を停止させるステップと、前記第2の状態において、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理するステップと、前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替えるステップとを含む。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制御プログラムは、第1の操作画面を表示する第1の表示部と、前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、第2の操作画面を表示する第2の表示部と、前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部とを備える携帯電子機器に、第1の状態において、前記第2の表示部の表示を停止させるステップと、前記第1の状態において、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理するステップと、第2の状態において、前記第1の表示部の表示を停止させるステップと、前記第2の状態において、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理するステップと、前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替えるステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る携帯電子機器、制御方法および制御プログラムは、実行されるプログラムを容易に切り替えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、第1の形態にある携帯電話端末の正面図である。
【図2】図2は、第1の形態にある携帯電話端末の側面図である。
【図3】図3は、第2の形態にある携帯電話端末の側面図である。
【図4】図4は、第3の形態にある携帯電話端末の側面図である。
【図5】図5は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、第2の形態における携帯電話端末の動作について説明するための図である。
【図7】図7は、複数のプログラムを実行する場合の携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、形態変化対応処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、姿勢変化対応処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、他の携帯電子機器の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器の一例として携帯電話端末について説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、タッチパネルを備える各種装置、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0018】
(実施形態)
まず、図1から図4を参照しながら、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話端末1の外観について説明する。図1は、第1の形態にある携帯電話端末1の正面図である。図2は、第1の形態にある携帯電話端末1の側面図である。図3は、第2の形態にある携帯電話端末1の側面図である。図4は、第3の形態にある携帯電話端末1の側面図である。
【0019】
図1等に示すように、携帯電話端末1は、第1の筐体1Aと、第2の筐体1Bと、連結部1Cとを有する。第1の筐体1Aは、タッチパネル2と、近接センサ14とを有する。第2の筐体1Bは、タッチパネル3と、撮像部4とを有する。撮像部4は、撮像センサを用いて画像を電子的に取得する。近接センサ14は、電磁誘導や静電容量等を利用して所定の距離内に物体が存在することを検出する。
【0020】
タッチパネル2は、第1の筐体1Aの面積が最も広い面の1つに設けられ、文字、図形、画像等を表示するとともに、指、スタイラス、ペン等(以下、単に「指」という)を用いてタッチパネル2の表面に対して行われる各種操作を検出する。タッチパネル3は、第2の筐体1Bの面積が最も広い面の1つに設けられ、文字、図形、画像等を表示するとともに、指を用いてタッチパネル3の表面に対して行われる各種操作を検出する。なお、タッチパネル2およびタッチパネル3が各種操作を検出する方式は、静電容量式、抵抗膜式、感圧式等の任意の方式であってよい。
【0021】
連結部1Cは、第1の筐体1Aおよび第2の筐体1Bを連結するとともに、第1の筐体1Aおよび第2の筐体1Bが相対的に回動するための回転軸として機能する。携帯電話端末1は、第2の筐体1Bが連結部1Cを回転軸として、図2に示すR1の方向へ約180度回動することによって、図3に示す第2の形態へ遷移する。また、携帯電話端末1は、第2の筐体1Bが連結部1Cを回転軸として、図2に示すR2の方向へ約180度回動することによって、図4に示す第3の形態へ遷移する。このように、携帯電話端末1は、第1の筐体1Aおよび第2の筐体1Bが相対的に回動することにより、第1の形態、第2の形態または第3の形態のいずれかへ遷移する。
【0022】
携帯電話端末1が図1および図2に示すような第1の形態にある場合、タッチパネル2、タッチパネル3、撮像部4および近接センサ14は、略同一方向を向いた状態で携帯電話端末1の表面に露出する。このような第1の形態において、携帯電話端末1は、タッチパネル2およびタッチパネル3にそれぞれ異なるプログラムの操作画面を表示することができる。例えば、携帯電話端末1は、タッチパネル2にメールプログラムが提供するメール作成画面を表示し、タッチパネル3にブラウザプログラムが提供するWEBページ閲覧画面を表示することができる。
【0023】
第1の形態において、タッチパネル2およびタッチパネル3にそれぞれどのプログラムの操作画面を表示するかは、利用者の操作に基づいて決定される。すなわち、利用者は、第1の形態にある携帯電話端末1を操作することによって、タッチパネル2およびタッチパネル3にそれぞれ任意のプログラムの操作画面を表示させることができる。なお、操作画面とは、何らかの操作を受け付ける画面をいう。
【0024】
携帯電話端末1は、第1の形態において、タッチパネル2およびタッチパネル3を連結された1つの表示部として制御し、1つのプログラムが提供する操作画面をタッチパネル2およびタッチパネル3にまたがって表示することができてもよい。また、携帯電話端末1は、第1の形態において、タッチパネル2およびタッチパネル3の一方を省電力状態とし、他方のみに操作画面を表示することもができてもよい。
【0025】
また、携帯電話端末1が図3に示すような第2の形態にある場合、タッチパネル2およびタッチパネル3は、略反対方向を向いた状態で携帯電話端末1の表面に露出する。このような第2の形態において、携帯電話端末1は、利用者から見えない側のタッチパネルの表示を停止させることにより電力消費を低減させる。
【0026】
また、携帯電話端末1は、第2の形態において、利用者から見えない側のタッチパネルに対する操作を、利用者から見える側のタッチパネルに対する操作として処理する。このように操作を変換することにより、利用者は、操作画面を指で遮ることなく、操作画面を操作することが可能になる。なお、第2の形態における携帯電話端末1の動作の詳細については後述する。
【0027】
また、携帯電話端末1が図4に示すような第3の形態にある場合、タッチパネル2およびタッチパネル3は、対向した状態となり、外部からは見えなくなる。このような第3の形態において、携帯電話端末1は、タッチパネル2およびタッチパネル3の機能を停止させる。すなわち、携帯電話端末1は、タッチパネル2およびタッチパネル3の表示手段としての機能と操作手段としての機能とを停止させて電力消費を低減させる。なお、さらに電力消費を低減させるために、第3の形態への遷移と連動して、タッチパネル2またはタッチパネル3に画面を表示させているプログラムがあれば、そのプログラムの実行を中断させてもよい。
【0028】
第3の形態は、電力消費を抑制することができ、また、タッチパネル2およびタッチパネル3を物理的な損傷から保護することができるため、携帯電話端末1を使用しない場合や持ち運ぶ場合に好適である。なお、図4では、第3の形態においてタッチパネル2およびタッチパネル3が接するように図示されているが、第3の形態においてタッチパネル2およびタッチパネル3が隙間を介して対向するように携帯電話端末1を構成してもよい。
【0029】
次に、図5を参照しながら、携帯電話端末1の機能的な構成について説明する。図5は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。図5に示すように携帯電話端末1は、タッチパネル2と、タッチパネル3と、撮像部4と、電源部5と、通信部6と、スピーカ7と、マイク8と、記憶部9と、制御部10と、RAM(Random Access Memory)11と、姿勢検出部12と、形態検出部13と、近接センサ14とを有する。なお、第1の筐体1Aに設けられるタッチパネル2と第2の筐体1Bに設けられるタッチパネル3とを除いて、各構成要素は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bのいずれに設けられていてもよい。
【0030】
タッチパネル2は、表示部2Bと、表示部2Bに重畳されたタッチセンサ(操作検出部)2Aとを有する。タッチセンサ2Aは、指を用いてタッチパネル2の表面に対して行われる各種操作を、操作が行われた場所のタッチパネル2上での位置とともに検出し、制御部10に通知する。タッチセンサ2Aによって検出される操作には、タップ操作やスワイプ操作が含まれる。表示部2Bは、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、文字や図形等を表示する。
【0031】
タッチパネル3は、表示部3Bと、表示部3Bに重畳されたタッチセンサ(操作検出部)3Aとを有する。タッチセンサ3Aは、指を用いてタッチパネル3の表面に対して行われる各種操作を、操作が行われた場所のタッチパネル3上での位置とともに検出し、制御部10に通知する。タッチセンサ3Aによって検出される操作には、タップ操作やスワイプ操作が含まれる。表示部3Bは、例えば、液晶ディスプレイや、有機ELパネルなどで構成され、文字や図形等を表示する。
【0032】
なお、以下の説明では、タッチセンサ2Aを第1の操作検出部と呼び、タッチセンサ3Aを第2の操作検出部と呼ぶことがある。また、以下の説明では、表示部2Bを第1の表示部と呼び、表示部3Bを第2の表示部と呼ぶことがある。
【0033】
撮像部4は、撮像センサを用いて画像を電子的に取得し、取得した画像を信号に変換して制御部10へ送信する。電源部5は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、制御部10を含む携帯電話端末1の各機能部へ供給する。通信部6は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信および情報通信を行う。スピーカ7は、制御部10から送信される音声信号を音声として出力する。マイク8は、利用者等の音声を音声信号へ変換して制御部10へ送信する。
【0034】
姿勢検出部12は、携帯電話端末1の姿勢(向き)の変化を検出し、検出結果を制御部10へ通知する。姿勢検出部12は、携帯電話端末1の姿勢の変化を検出するために、例えば、加速度センサやジャイロセンサを用いる。形態検出部13は、携帯電話端末1の形態の変化を検出し、検出結果を制御部10へ通知する。形態検出部13は、携帯電話端末1の形態の変化を検出するために、例えば、各種センサや機械式のスイッチを用いる。近接センサ14は、所定の距離内に物体が存在することを検出した場合に所定の信号を制御部10へ送信する。
【0035】
記憶部9は、不揮発性メモリや磁気記憶装置等の記憶装置である。記憶部9は、制御部10での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。記憶部9に記憶されるプログラムには、メールプログラム9Aと、ブラウザプログラム9Bと、制御プログラム9Cとが含まれる。記憶部9は、携帯電話端末1の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラム等の各種プログラムやアドレス帳データ等の各種データも記憶する。なお、記憶部9は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせとして構成されていてもよい。
【0036】
メールプログラム9Aは、メールの編集、送信、受信および閲覧を実現するための機能を提供する。ブラウザプログラム9Bは、WEBページの閲覧を実現するための機能を提供する。制御プログラム9Cは、各種検出部の検出結果に応じて携帯電話端末1の各部の動作を制御する。制御プログラム9Cは、例えば、形態検出部13が検出する形態の変化に応じて、上述したようにタッチパネル2およびタッチパネル3の動作を制御する。
【0037】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置である。制御部10は、携帯電話端末1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。具体的には、制御部10は、記憶部9に記憶されているデータや各種検出部の検出結果を必要に応じて参照しつつ、記憶部9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行して、タッチパネル2や通信部6等を制御する。なお、制御部10が実行するプログラムや参照するデータは、通信部6による無線通信でサーバ装置からダウンロードすることとしてもよい。
【0038】
制御部10は、例えば、メールプログラム9Aを実行することによって、メールの編集機能や閲覧機能等を実現する。また、制御部10は、制御プログラム9Cを実行することによって、携帯電話端末1の形態の変化に応じてタッチパネル2およびタッチパネル3の動作を制御する機能を実現する。なお、制御部10は、オペレーティングシステムプログラムによって提供されるマルチタスク機能によって、複数のプログラムを並行して実行できるものとする。
【0039】
RAM11は、制御部10によって実行されるプログラムの命令、制御部10が参照するデータ、制御部10の演算結果等が一時的に記憶される記憶領域として利用される。
【0040】
次に、図6を参照しながら、第2の形態における携帯電話端末1の動作について説明する。図6は、第2の形態における携帯電話端末1の動作について説明するための図である。図6に示すステップS11において、携帯電話端末1は、第1の形態にある。タッチパネル2は、メールプログラム9Aが提供するメール作成画面を表示しており、タッチパネル3は、ブラウザプログラム9Bが提供するWEBページ閲覧画面を表示している。
【0041】
この状態において、タッチパネル2によって検出される操作は、タッチパネル2に表示されているメール作成画面に対する操作として制御部10により処理される。また、タッチパネル3によって検出される操作は、タッチパネル3に表示されているWEBページ閲覧画面に対する操作として制御部10により処理される。
【0042】
ここで、利用者が、タッチパネル3を有する第2の筐体1Bを反対側へ折り返して、携帯電話端末1を第2の形態へ遷移させたものとする。制御部10は、第1の形態から第2の形態へ遷移が形態検出部13によって検出されると、タッチパネル2およびタッチパネル3のうちどちらが利用者側に位置しているかを判定する。そして、制御部10は、利用者側に位置していると判定したタッチパネルとは反対側、すなわち、利用者からは見えない側のタッチパネルの表示を停止させる。
【0043】
図6に示すステップS12では、タッチパネル2が利用者側に位置し、タッチパネル3が利用者から見えない側に位置しているため、制御部10は、タッチパネル3の表示を停止させる。表示の停止は、例えば、タッチパネル3を構成する表示部3Bへの電力供給を停止することにより実現される。このように、利用者から見えない側のタッチパネルの表示を停止させることにより、利用者の利便性を損なうことなく電力消費を抑制することができる。
【0044】
また、第2の形態への遷移にともなって、制御部10は、表示を停止させたタッチパネルに操作画面を表示させていたプログラムの実行を中断させる。このように、操作画面が表示されなくなったプログラムの実行を中断させることにより、電力消費を抑制する効果をさらに向上させることができる。
【0045】
さらに、第2の形態への遷移にともなって、制御部10は、表示を停止させたタッチパネルに対する操作を、他方のタッチパネルに表示されている操作画面に対する操作として処理する。すなわち、図6に示したステップS12の場合、制御部10は、タッチパネル3の表示部3Bは停止させるが、タッチセンサ3Aは生かしておく。そして、制御部10は、タッチセンサ3Aによって検出された操作を、タッチパネル2に表示されているメール作成画面に対する操作として処理する。
【0046】
例えば、制御部10は、メール作成画面の送信ボタンの直下に対応する位置(送信ボタンの真裏の位置)へのタップ操作がタッチセンサ3Aによって検出された場合、メール作成画面の送信ボタンに対するタップ操作が行われたものとして処理する。表示が停止中のタッチパネルに対する操作を他方のタッチパネルに表示されている操作画面に対する操作として処理するため、制御部10は、表示が停止中のタッチパネルにおいて操作が検出された座標を、操作画面を表示しているタッチパネル上の座標へ変換する。
【0047】
このように表示を停止させたタッチパネルに対する操作を変換することにより、利用者は、指で操作画面を遮ることなく、操作画面を操作することができる。なお、第2の形態において、表示を継続している側のタッチパネルのタッチセンサは、停止させてもよいし、そのまま操作を検出できるようにしておいてもよい。また、利用者は、見えない側のタッチパネルを操作する場合、正面側のタッチパネルを操作する場合と比較して、意図した位置を正確に操作することが困難である。そのため、表示が停止している側のタッチパネルが操作された場合には、ボタン等が操作されたと判定される領域を、操作画面が表示されている側のタッチパネルよりも広く設定してもよい。
【0048】
タッチパネル2およびタッチパネル3のうちどちらが利用者側に位置しているかについては、例えば、姿勢検出部12の検出結果に基づいて判定される。通常、利用者は、携帯電話端末1を自分の目より低い位置に保持して利用する。このため、姿勢検出部12の検出結果に基づいて、上向きにより近いと判定されるタッチパネルを利用者側に位置していると判定することにより、どちらのタッチパネルが利用者側に位置しているかを高い確率で正しく判定することができる。
【0049】
また、通常、携帯電話端末1の近くに存在するのは利用者であると考えられるため、近接センサ14の検出結果に基づいて、タッチパネル2およびタッチパネル3のうちどちらが利用者側に位置しているかを判定してもよい。図1に示したように、近接センサ14がタッチパネル2と同一の筐体に略同一の方向を向いて設けられている場合、近接センサ14が何らかの物体を検出していれば、タッチパネル2が利用者側に位置していると判定される。また、第1の筐体1Aおよび第2の筐体1Bの両方に近接センサ14を設けておき、より近くで物体が検出された側を利用者側と判定してもよい。なお、近接センサ14を利用する場合、第2の形態への遷移が検出された際に一時的に近接センサ14の感度を高めて所定範囲内の物体の有無を判定し、その後は近接センサ14を停止させることにより、消費電力の増大を抑制することができる。
【0050】
また、第2の形態において操作画面が表示されている側のタッチセンサを停止させる場合には、第2の形態への遷移が検出された後に最初に操作が検出された側と反対側のタッチパネルが利用者側であると判定してもよい。第2の形態において操作画面が表示されている側のタッチセンサを停止させることとすれば、利用者は、操作のために、まず、見えない側のタッチパネルに接触すると考えられるからである。
【0051】
その他、タッチパネル2およびタッチパネル3のうちどちらが利用者側に位置しているかについては、例えば、撮像部4に取得させた画像に利用者が写っているか否かに基づいて判定してもよい。また、利用者の携帯電話端末1の持ち方を何らかのセンサで検出した結果に基づいて判定してもよい。
【0052】
続いて、利用者が、第2の形態のままで携帯電話端末1を裏返して、タッチパネル3が利用者側になるように携帯電話端末1を持ち替えたとする。制御部10は、携帯電話端末1の姿勢が反転したことが姿勢検出部12によって検出されると、操作画面を表示させていたタッチパネルの表示を停止させ、そのタッチパネルに操作画面を表示させていたプログラムの実行を中断させる。また、表示を停止させていたタッチパネルの表示を再開させ、そのタッチパネルに対応するプログラムの実行を再開させる。なお、ここでは、携帯電話端末1がタッチパネル2およびタッチパネル3と水平な方向に回転した場合には、携帯電話端末1の姿勢が反転したとは判定されない。
【0053】
図6に示すステップS13では、携帯電話端末1の姿勢が反転したことにより、制御部10は、タッチパネル2の表示を停止させ、タッチパネル2にメール作成画面を表示させていたメールプログラム9Aの実行を中断させている。また、制御部10は、タッチパネル3の表示を再開させ、タッチパネル3にWEBページ閲覧画面を表示させるブラウザプログラム9Bの実行を再開させている。
【0054】
さらに、携帯電話端末1の姿勢の反転にともなって、制御部10は、表示を停止させたタッチパネルに対する操作を、他方のタッチパネルに表示されている操作画面に対する操作として処理する。すなわち、図6に示したステップS13の場合、制御部10は、タッチパネル2の表示部2Bは停止させるが、タッチセンサ2Aは生かしておく。そして、制御部10は、タッチセンサ2Aによって検出された操作を、タッチパネル3に表示されているWEBページ閲覧画面に対する操作として処理する。
【0055】
例えば、制御部10は、タッチセンサ2Aによって上方向へのスワイプ操作が検出された場合、タッチパネル3に表示されているWEBページ閲覧画面を上方向にスクロールさせる。また、制御部10は、タッチセンサ2Aによって下方向へのスワイプ操作が検出された場合、タッチパネル3に表示されているWEBページ閲覧画面を下方向にスクロールさせる。
【0056】
このように、携帯電話端末1の姿勢の変化に合わせてプログラムの実行環境を切り替えることにより、利用者は、複数のプログラムを容易に切り替えながら利用することができる。また、使用されない側のタッチパネルおよびプログラムは停止されるため、電力消費を低減することができる。
【0057】
なお、携帯電話端末1の姿勢が反転したか否かの判定は、携帯電話端末1の姿勢が正確に180度回転したことを検出する必要はなく、所定時間内に携帯電話端末1の姿勢が所定角度以上変化しことが検出されたら携帯電話端末1の姿勢が反転したと判定してよい。また、姿勢検出部12の検出結果に基づいて、上向きにより近いと判定されるタッチパネルを利用者側に位置していると判定する場合には、上向きにより近いと判定されるタッチパネルが切り替わった場合に携帯電話端末1の姿勢が反転したと判定してもよい。
【0058】
また、携帯電話端末1の姿勢の反転させ方によって携帯電話端末1のタッチパネルの上下が逆になることがあるが、姿勢検出部12の検出結果に応じて、操作画面が適切な方向で表示されるように操作画面の上下方向を調整することが好ましい。
【0059】
続いて、利用者が、タッチパネル2を有する第1の筐体1Aを手前側へ折り戻して、携帯電話端末1を第1の形態へ遷移させたものとする。制御部10は、第2の形態から第1の形態へ遷移が形態検出部13によって検出されると、表示を停止させていたタッチパネルの表示を再開させ、そのタッチパネルに操作画面を提供するプログラムの実行を再開させる。図6に示すステップS14では、携帯電話端末1が第1の形態へ遷移したことにより、制御部10は、タッチパネル2の表示を再開させ、タッチパネル2にメール作成画面表示させるメールプログラム9Aの実行を再開させている。
【0060】
さらに、携帯電話端末1の第1の形態への遷移にともなって、制御部10は、それぞれのタッチパネルに対する操作を、それぞれのタッチパネルに表示されている操作画面に対する操作として処理する。図6に示すステップS14の場合、タッチパネル2によって検出される操作は、タッチパネル2に表示されているメール作成画面に対する操作として制御部10により処理される。また、タッチパネル3によって検出される操作は、タッチパネル3に表示されているWEBページ閲覧画面に対する操作として制御部10により処理される。
【0061】
このように、第2の形態から第1の形態への遷移によって、携帯電話端末1は、ステップS11の段階と同様に機能するようになる。
【0062】
続いて、利用者が、タッチパネル3を有する第2の筐体1Bを手前側へ折り返して、携帯電話端末1を第3の形態へ遷移させたものとする。制御部10は、第1の形態から第3の形態へ遷移が形態検出部13によって検出されると、図6のステップS15に示すように、タッチパネル2およびタッチパネル3を停止させる。この場合、タッチセンサ2Aおよびタッチセンサ3Aも停止される。
【0063】
また、第1の形態から第3の形態へ遷移にともなって、制御部10は、それぞれのタッチパネルに操作画面を提供していたプログラムの実行を中断させる。なお、第3の形態から第1の形態へ遷移が形態検出部13によって検出された場合に、中断させたプログラムの実行を再開させることが好ましい。
【0064】
次に、図7から図9を参照しながら、複数のプログラムを実行する場合の携帯電話端末1の動作について説明する。図7は、複数のプログラムを実行する場合の携帯電話端末1の動作を示すフローチャートである。図8は、形態変化対応処理の処理手順を示すフローチャートである。図9は、姿勢変化対応処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図7から図9に示す動作は、制御部10が制御プログラム9Cを実行することによって実現される。
【0065】
図7に示すように、携帯電話端末1の制御部10は、利用者の指示等に従って、ステップS101として、第1の表示部(表示部2B)に対応するプログラムを起動する。また、制御部10は、利用者の指示等に従って、ステップS102として、第2の表示部(表示部3B)に対応するプログラムを起動する。
【0066】
そして、制御部10は、ステップS103として、形態検出部13によって携帯電話端末1の形態の変化が検出されたかを判定する。携帯電話端末1の形態の変化が検出された場合(ステップS103,Yes)、制御部10は、ステップS104として、後述する形態変化対応処理を実行する。続いて、制御部10は、終了指示が行われていれば(ステップS105,Yes)、一連の処理手順を終了し、終了指示が行われていなければ(ステップS105,No)、ステップS103以降を再実行する。
【0067】
携帯電話端末1の形態の変化が検出されていない場合(ステップS103,No)、制御部10は、ステップS106として、姿勢検出部12によって携帯電話端末1の姿勢の反転が検出されたかを判定する。携帯電話端末1の姿勢の反転が検出された場合(ステップS106,Yes)、制御部10は、ステップS107として、後述する姿勢変化対応処理を実行する。続いて、制御部10は、終了指示が行われていれば(ステップS105,Yes)、一連の処理手順を終了し、終了指示が行われていなければ(ステップS105,No)、ステップS103以降を再実行する。
【0068】
携帯電話端末1の姿勢の反転が検出されていない場合(ステップS106,No)、制御部10は、ステップS108として、検出された操作等に基づく通常の処理を実行する。続いて、制御部10は、終了指示が行われていれば(ステップS105,Yes)、一連の処理手順を終了し、終了指示が行われていなければ(ステップS105,No)、ステップS103以降を再実行する。
【0069】
図8に示すように、形態変化対応処理において、制御部10は、まず、ステップS201として、遷移後の形態が第1の形態であるかを判定する。なお、遷移後の形態が第1の形態であるということは、遷移前の形態が、第2の形態、すなわち、一方のタッチパネルの表示が停止した状態、または、第3の形態、すなわち、両方のタッチパネルの表示が停止した状態であることを意味する。
【0070】
遷移後の形態が第1の形態である場合(ステップS201,Yes)、制御部10は、ステップS202として、第1の表示部が停止中であるかを判定する。第1の表示部が停止中である場合(ステップS202,Yes)、制御部10は、ステップS203として、第1の表示部に対応するプログラムの実行を再開させ、ステップS204として、第1の表示部の表示を再開させる。さらに、制御部10は、ステップS205として、第1の操作検出部(タッチセンサ2A)の検出結果を第1の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。第1の表示部が停止中でない場合(ステップS202,No)、ステップS203からS205は実行されない。
【0071】
続いて、制御部10は、ステップS206として、第2の表示部が停止中であるかを判定する。第2の表示部が停止中である場合(ステップS206,Yes)、制御部10は、ステップS207として、第2の表示部に対応するプログラムの実行を再開させ、ステップS208として、第2の表示部の表示を再開させる。さらに、制御部10は、ステップS209として、第2の操作検出部(タッチセンサ3A)の検出結果を第2の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。第2の表示部が停止中でない場合(ステップS206,No)、ステップS207からS209は実行されない。そして、制御部10は、形態変化対応処理を終了させる。
【0072】
遷移後の形態が第1の形態でない場合(ステップS201,No)、制御部10は、ステップS210として、遷移後の形態が第2の形態であるかを判定する。なお、遷移後の形態が第2の形態であるということは、遷移前の形態が、第1の形態、すなわち、両方のタッチパネルで表示が行われている状態であることを意味する。
【0073】
遷移後の形態が第2の形態である場合(ステップS210,Yes)、制御部10は、ステップS211として、第1の表示部が利用者側に位置しているかを判定する。第1の表示部が利用者側に位置している場合(ステップS211,Yes)、制御部10は、ステップS212として、第2の表示部に対応するプログラムの実行を中断させ、ステップS213として、第2の表示部の表示を停止させる。さらに、制御部10は、ステップS214として、第2の操作検出部の検出結果を第1の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。そして、制御部10は、形態変化対応処理を終了させる。
【0074】
一方、第2の表示部が利用者側に位置している場合(ステップS211,No)、制御部10は、ステップS215として、第1の表示部に対応するプログラムの実行を中断させ、ステップS216として、第1の表示部の表示を停止させる。さらに、制御部10は、ステップS217として、第1の操作検出部の検出結果を第2の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。そして、制御部10は、形態変化対応処理を終了させる。
【0075】
遷移後の形態が第1の形態でも第2の形態でもない場合(ステップS210,No)、制御部10は、以下の処理手順を実行する。なお、遷移後の形態が第1の形態でも第2の形態でもないということは、遷移後の形態が第3の形態であり、遷移前の形態が、第1の形態、すなわち、両方のタッチパネルで表示が行われている状態であることを意味する。
【0076】
この場合、制御部10は、ステップS218として、第1の表示部に対応するプログラムの実行を中断させ、ステップS219として、第2の表示部に対応するプログラムの実行を中断させる。そして、制御部10は、ステップS220として、第1の表示部の表示を停止させ、ステップS221として、第2の表示部の表示を停止させる。さらに、制御部10は、ステップS222として、第1の操作検出部による操作の検出を停止させ、ステップS223として、第2の操作検出部による操作の検出を停止させる。そして、制御部10は、形態変化対応処理を終了させる。
【0077】
図9に示すように、姿勢変化対応処理において、制御部10は、まず、ステップS301として、携帯電話端末1の現在の形態が第2の形態であるかを判定する。現在の形態が第2の形態でない場合(ステップS301,No)、制御部10は、特に処理を行うことなく姿勢変化対応処理を終了させる。
【0078】
現在の形態が第2の形態である場合(ステップS301,Yes)、制御部10は、ステップS302として、変化後の姿勢において第1の表示部が利用者側に位置しているかを判定する。第1の表示部が利用者側に位置している場合(ステップS302,Yes)、制御部10は、ステップS303として、第2の表示部に対応するプログラムの実行を中断させ、ステップS304として、第2の表示部の表示を停止させる。また、制御部10は、ステップS305として、第1の表示部に対応するプログラムの実行を再開させ、ステップS306として、第1の表示部の表示を再開させる。
【0079】
さらに、制御部10は、ステップS307として、第1の操作検出部の検出結果を第1の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。また、制御部10は、ステップS308として、第2の操作検出部の検出結果を第1の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。そして、制御部10は、姿勢変化対応処理を終了させる。
【0080】
一方、第2の表示部が利用者側に位置している場合(ステップS302,No)、制御部10は、ステップS309として、第1の表示部に対応するプログラムの実行を中断させ、ステップS310として、第1の表示部の表示を停止させる。また、制御部10は、ステップS311として、第2の表示部に対応するプログラムの実行を再開させ、ステップS312として、第2の表示部の表示を再開させる。
【0081】
さらに、制御部10は、ステップS313として、第1の操作検出部の検出結果を第2の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。また、制御部10は、ステップS314として、第2の操作検出部の検出結果を第2の表示部に表示されている画面に対する操作として処理し始める。そして、制御部10は、姿勢変化対応処理を終了させる。
【0082】
上述してきたように、本実施形態では、携帯電話端末1の姿勢の変化に応じて実行されるプログラムが切り替わることとしたので、利用者は、実行されるプログラムを容易に切り替えることができる。
【0083】
なお、上記の実施形態で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。例えば、制御プログラム9Cは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと統合されていてもよい。
【0084】
また、上記の実施形態では、第1の形態、第2の形態および第3の形態に遷移する携帯電話端末の例を示したが、本発明の適用対象は、このように変形可能な筐体を有する携帯電子機器に限定されない。例えば、本発明は、図10に示す携帯電子機器20のように、形態が変化しない筐体の面の1つにタッチパネル2が設けられ、その反対側の面にタッチパネル3が設けられた携帯電子機器にも適用することができる。この場合、図9に示した姿勢変化対応処理は実行されるが、図8に示した形態変化対応処理は実行されない。
【0085】
また、上記の実施形態では、携帯電話端末1の姿勢の変化に応じて2つのプログラムを切り替えて実行する例を示したが、携帯電話端末1の姿勢の変化に応じて3つ以上のプログラムを切り替えて実行できるようにしてもよい。例えば、他のプログラムを実行するためにバックグランドで実行が中断されたプログラムを起動順序等に応じて階層化して管理し、携帯電話端末1の姿勢の変化に応じて、実行されるプログラムを切り替えることとしてもよい。
【0086】
この場合、右回りで携帯電話端末1が裏返しにされた場合には、階層の最上位のプログラムを利用者側のタッチパネルで実行し、裏面にまわったタッチパネルで実行されていたプログラムを階層の最下位へ移動させることとしてもよい。また、左回りで携帯電話端末1が裏返しにされた場合には、階層の最下位のプログラムを利用者側のタッチパネルで実行し、裏面にまわったタッチパネルで実行されていたプログラムを階層の最上位へ移動させるというように、回転方向に応じてプログラムの切り替え方を変更してもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 携帯電話端末
1A 第1の筐体
1B 第2の筐体
1C 連結部
2、3 タッチパネル
2A タッチセンサ(第1の操作検出部)
2B 表示部(第1の表示部)
3A タッチセンサ(第2の操作検出部)
3B 表示部(第2の表示部)
4 撮像部
9 記憶部
9A メールプログラム
9B ブラウザプログラム
9C 制御プログラム
10 制御部
11 RAM
12 姿勢検出部
13 形態検出部
14 近接センサ
20 携帯電子機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の操作画面を表示する第1の表示部と、
前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、
第2の操作画面を表示する第2の表示部と、
前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部と、
前記第2の表示部の表示を停止させ、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理する第1の状態と、前記第1の表示部の表示を停止させ、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理する第2の状態とを切り替える切り替え制御を行う制御部と
を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記第1の表示部および前記第1の操作検出部を有する第1の筐体と、
前記第2の表示部および前記第2の操作検出部を有する第2の筐体と、
前記第1の筐体を前記第2の筐体と連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体を、前記第1の表示部および前記第2の表示部が略同一方向を向く第1の形態または前記第1の表示部および前記第2の表示部が略反対方向を向く第2の形態のいずれかへ遷移させることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第2の形態へ遷移している場合に前記切り替え制御を行い、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第1の形態へ遷移している場合には、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理し、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理することを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の状態においては、前記第2の表示部に前記第2の操作画面を表示させる第1のプログラムの実行を中断し、前記第1の状態から前記第2の状態への切り替えを行う場合に前記第1のプログラムの実行を再開することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
当該携帯電子機器の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記切り替え制御において、前記第1の表示部が上向きであることが前記姿勢検出部によって検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第2の表示部が上向きであることが前記姿勢検出部によって検出された場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記切り替え制御において、前記第2の操作検出部によって操作が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第1の操作検出部によって操作が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記第1の表示部の表面に対向する物体を検出する物体検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記切り替え制御において、前記物体検出部によって前記物体が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第1の操作検出部によって前記物体が検出されない場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記連結部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体を、前記第1の表示部および前記第2の表示部が対向する第3の形態へさらに遷移させ、
前記制御部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第3の形態へ遷移した場合に、前記第1の表示部および前記第2の表示部の表示を停止させるとともに、前記第1の操作検出部および前記第2の操作検出部による操作の検出を停止させることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
第1の操作画面を表示する第1の表示部と、
前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、
第2の操作画面を表示する第2の表示部と、
前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部とを備える携帯電子機器によって実行される制御方法であって、
第1の状態において、前記第2の表示部の表示を停止させるステップと、
前記第1の状態において、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理するステップと、
第2の状態において、前記第1の表示部の表示を停止させるステップと、
前記第2の状態において、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理するステップと、
前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替えるステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
第1の操作画面を表示する第1の表示部と、
前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、
第2の操作画面を表示する第2の表示部と、
前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部とを備える携帯電子機器に、
第1の状態において、前記第2の表示部の表示を停止させるステップと、
前記第1の状態において、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理するステップと、
第2の状態において、前記第1の表示部の表示を停止させるステップと、
前記第2の状態において、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理するステップと、
前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替えるステップと
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項1】
第1の操作画面を表示する第1の表示部と、
前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、
第2の操作画面を表示する第2の表示部と、
前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部と、
前記第2の表示部の表示を停止させ、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理する第1の状態と、前記第1の表示部の表示を停止させ、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理する第2の状態とを切り替える切り替え制御を行う制御部と
を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記第1の表示部および前記第1の操作検出部を有する第1の筐体と、
前記第2の表示部および前記第2の操作検出部を有する第2の筐体と、
前記第1の筐体を前記第2の筐体と連結する連結部とを備え、
前記連結部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体を、前記第1の表示部および前記第2の表示部が略同一方向を向く第1の形態または前記第1の表示部および前記第2の表示部が略反対方向を向く第2の形態のいずれかへ遷移させることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第2の形態へ遷移している場合に前記切り替え制御を行い、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第1の形態へ遷移している場合には、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理し、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理することを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の状態においては、前記第2の表示部に前記第2の操作画面を表示させる第1のプログラムの実行を中断し、前記第1の状態から前記第2の状態への切り替えを行う場合に前記第1のプログラムの実行を再開することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
当該携帯電子機器の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記切り替え制御において、前記第1の表示部が上向きであることが前記姿勢検出部によって検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第2の表示部が上向きであることが前記姿勢検出部によって検出された場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記切り替え制御において、前記第2の操作検出部によって操作が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第1の操作検出部によって操作が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記第1の表示部の表面に対向する物体を検出する物体検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記切り替え制御において、前記物体検出部によって前記物体が検出された場合に当該携帯電子機器を前記第1の状態へ切り替え、前記第1の操作検出部によって前記物体が検出されない場合に当該携帯電子機器を前記第2の状態へ切り替えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記連結部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体を、前記第1の表示部および前記第2の表示部が対向する第3の形態へさらに遷移させ、
前記制御部は、前記第1の筐体および前記第2の筐体が前記第3の形態へ遷移した場合に、前記第1の表示部および前記第2の表示部の表示を停止させるとともに、前記第1の操作検出部および前記第2の操作検出部による操作の検出を停止させることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
第1の操作画面を表示する第1の表示部と、
前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、
第2の操作画面を表示する第2の表示部と、
前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部とを備える携帯電子機器によって実行される制御方法であって、
第1の状態において、前記第2の表示部の表示を停止させるステップと、
前記第1の状態において、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理するステップと、
第2の状態において、前記第1の表示部の表示を停止させるステップと、
前記第2の状態において、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理するステップと、
前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替えるステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
第1の操作画面を表示する第1の表示部と、
前記第1の表示部の表面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、
第2の操作画面を表示する第2の表示部と、
前記第2の表示部の表面に対する操作を検出する第2の操作検出部とを備える携帯電子機器に、
第1の状態において、前記第2の表示部の表示を停止させるステップと、
前記第1の状態において、前記第2の操作検出部によって検出される操作を前記第1の操作画面に対する操作として処理するステップと、
第2の状態において、前記第1の表示部の表示を停止させるステップと、
前記第2の状態において、前記第1の操作検出部によって検出される操作を前記第2の操作画面に対する操作として処理するステップと、
前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替えるステップと
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−231330(P2012−231330A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98653(P2011−98653)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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