説明

撮像装置、及び撮像装置におけるデータ伝送方法

【課題】画面遷移が高速化された撮像装置を提供すること。
【解決手段】一又は複数のグループに分けられたデータについて、グループを指定してデータリストの作成処理が要求された場合に、指定されたグループのデータに関するデータリストを作成するリスト作成部と、第1の信号線を通じてPTPに基づくデータリストの送信要求が取得された場合に、第1の信号線を通じてリスト作成部により作成されたデータリストを送信するリスト送信部と、を有する第1の処理部と、第1の信号線とは異なる第2の信号線を通じ、第1の処理部に対してグループを指定してデータリストの作成処理を要求するリスト作成要求部と、データリストの送信要求を第1の処理部に送信するリスト送信要求部と、を有する第2の処理部とを備える、撮像装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、及び撮像装置におけるデータ伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理技術や通信技術の著しい発展に伴い、映像データや音声データがデジタルデータの形で利用されるようになってきている。また、放送機器で受信された放送データや撮像装置で撮影された画像データは、各種の情報処理装置や携帯機器等に移動され、移動先の装置や機器等において管理されたり、視聴されたりする。特に、撮像装置で撮影された静止画像データや動画像データは、大画面のテレビジョン受像機やパーソナルコンピュータ(以下、PC)に移動されて再生されることが多い。このとき、データの移動には、例えば、USB(Universal Serial Bus)と呼ばれる接続インターフェースが用いられる。
【0003】
上記のUSBインターフェースには、マスストレージクラスインターフェースに基づくものと、スチルイメージクラスインターフェースに基づくものがある。また、スチルイメージクラスインターフェースにおけるデータ伝送プロトコルとしては、例えば、PTP(Picture Transfer Protocol)が存在する。PTPは、文字通り、USBインターフェースを用いて画像データを伝送する際に用いられるプロトコルである。例えば、USBインターフェースで接続された撮像装置とPCとの間では、PTPに則って画像データが伝送される。このような画像データの伝送方式に関し、下記の特許文献1には、カテゴリ分けされた画像について、画像とカテゴリとの関連性に係る情報の伝送をPTPの枠組みの中で実現させる技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特許第3622691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、PTPにおいては、撮像装置からPCに画像が伝送される際、事前に、撮像装置に記録されている画像等の一覧(オブジェクトハンドルリスト)が伝送される。また、撮像装置が画像データをディレクトリ構造で管理していても、オブジェクトハンドルリストから当該ディレクトリ構造を把握することは困難である。そのため、PCがディレクトリ構造を把握するには、各画像が格納されたディレクトリを画像毎に撮像装置に対して問い合わせる必要がある。その結果、画像数に比例してディレクトリ構造の把握に要する時間が長くなる。また、画像がカテゴリやグループに分類されている場合、そのカテゴリやグループの情報を取得するためにオブジェクトハンドルリストを取得する必要がある。
【0006】
しかし、オブジェクトハンドルリストのサイズも画像数に比例して大きくなるため、画像数が大きくなるにつれてオブジェクトハンドルリストの取得時間が長くなる。例えば、これらの処理を実行するのに1枚の画像につき20ミリ秒程度の時間を要する場合、4000枚の画像があると80秒もの時間がかかってしまう。通常、ユーザが画像を視聴する際、実際にユーザが表示したいと思う画像や画像リストは一部のものに限られることが多い。また、画像のリストだけを表示したり、画像のカテゴリ等だけを表示するような場合、全画像の情報を含むオブジェクトハンドルリストを取得するのは非効率である。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、カテゴリやグループのような分類情報の表示を高速化することが可能な、新規かつ改良された撮像装置、及び撮像装置におけるデータ伝送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、一又は複数のグループに分けられたデータについて、前記グループを指定してデータリストの作成処理が要求された場合に、前記指定されたグループのデータに関するデータリストを作成するリスト作成部と、第1の信号線を通じてPTP(Picture Transfer Protocol)に基づく前記データリストの送信要求が取得された場合に、前記第1の信号線を通じて前記リスト作成部により作成されたデータリストを送信するリスト送信部と、を有する第1の処理部と、前記第1の信号線とは異なる第2の信号線を通じ、前記第1の処理部に対して前記グループを指定してデータリストの作成処理を要求するリスト作成要求部と、前記データリストの送信要求を前記第1の処理部に送信するリスト送信要求部と、を有する第2の処理部と、を備える、撮像装置が提供される。
【0009】
また、前記リスト作成部は、前記データリストの作成処理が完了した後で、当該データリストの作成処理が完了したことを前記第2の信号線を介して前記第2の処理部に通知するように構成されていてもよい。その場合、前記リスト送信要求部は、前記リスト作成部から前記データリストの作成処理が完了したことを通知された後で前記データリストの送信要求を送信する。
【0010】
また、前記リスト作成部は、前記グループが階層構造を有する場合に、前記指定されたグループの下位グループに関する情報を含むデータリストを生成するように構成されていてもよい。その場合、前記第2の処理部は、前記第1の処理部から取得したデータリストに基づいて前記下位グループの数を検出する下位グループ数検出部と、前記下位グループを選択するためのグループオブジェクトを前記下位グループ数検出部により検出されたグループの数だけ画面に表示させるグループオブジェクト表示部と、をさらに有する。
【0011】
また、前記第2の処理部は、前記第1の処理部から取得したデータリストに基づいて前記指定されたグループに属するデータの数を検出するデータ数検出部と、前記データを選択するためのデータオブジェクトを前記データ数検出部により検出されたデータの数だけ画面に表示させるデータオブジェクト表示部と、をさらに有するものであってもよい。
【0012】
また、前記第1の処理部は、前記第1の信号線を通じて前記データオブジェクトを送信するデータオブジェクト送信部をさらに有していてもよい。この場合、前記第2の処理部は、前記第1の信号線を通じて前記第1の処理部から前記データオブジェクトを取得するデータオブジェクト取得部をさらに有する。そして、前記データオブジェクト取得部は、前記データ数検出部により検出されたデータの数が前記画面に表示可能なデータオブジェクトの数を上回った場合に、当該画面に表示可能なデータオブジェクトの数だけ前記データオブジェクトを取得する。さらに、前記データオブジェクト表示部は、前記データオブジェクト取得部により取得されたデータオブジェクトを前記画面に表示させる。
【0013】
また、前記データオブジェクト取得部は、前記データ数検出部により検出されたデータの数が前記画面に表示可能なデータオブジェクトの数を下回った場合に、前記指定されたグループとは異なるグループのデータに対応するデータオブジェクトを取得するように構成されていてもよい。この場合、前記データオブジェクト表示部は、前記指定されたグループに対応するデータオブジェクトに加え、前記異なるグループに対応するデータオブジェクトを前記画面に表示させる。
【0014】
また、前記グループは、前記データが格納されるフォルダとは無関係にユーザによる任意の設定操作に応じて前記データの対応付けがされた仮想的なフォルダであってもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、一又は複数のグループに分けられたデータについて、第1の処理部により、第1の信号線を通じて、第2の処理部に対して前記グループを指定したデータリストの作成処理が要求されるリスト作成要求ステップと、前記第2の処理部により、前記指定されたグループのデータに関するデータリストが作成されるリスト作成ステップと、前記第1の処理部により、第2の信号線を通じてPTP(Picture Transfer Protocol)に基づく前記データリストの送信要求が前記第2の処理部に送信されるリスト送信要求ステップと、前記第2の処理部により、前記第2の信号線を通じて前記リスト作成ステップで作成されたデータリストが前記第1の処理部に送信されるリスト送信ステップと、を含む、撮像装置におけるデータ伝送方法が提供される。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の撮像装置が有する各構成要素の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供されうる。さらに、当該プログラムが記録された記録媒体が提供されうる。また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記撮像装置が有する各構成要素の機能を搭載した画像処理装置が提供されうる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、カテゴリやグループのような分類情報の表示を高速化することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、同実施形態に係る撮像装置100の外観を図1に示し、同図を参照しながら撮像装置100の装置構成について概略説明を行う。次いで、図2を参照しながら、撮像装置100の機能構成について説明する。また、図3〜図5を参照しながら、撮像装置100において画像データが格納される実フォルダの構成、仮想フォルダの構成、及びデータベース構造について説明する。
【0020】
次いで、図6、図7を参照しながら、撮像装置100による画像選択画面の表示制御方法について説明する。この中で、図7を参照しながら、撮像装置100によるデータの伝送方法について詳細に説明する。また、図8、図9、図10を参照しながら、撮像装置100において管理されるオブジェクトハンドルリストの構成について説明する。次いで、図11を参照しながら、画像データの取得要求を行う際に用いられる送信フレームの構成について説明する。
【0021】
次いで、図12を参照しながら、撮像装置100の電源がオンにされた場合に実行される制御処理の流れについて説明する。次いで、図13を参照しながら、撮像装置100におけるカテゴリ選択画面の表示制御処理の流れについて説明する。次いで、図14を参照しながら、撮像装置100における仮想フォルダ選択画面の表示制御処理の流れについて説明する。次いで、図15を参照しながら、撮像装置100における画像選択画面の表示制御処理の流れについて説明する。次いで、図16を参照しながら、撮像装置100における仮想フォルダ(お気に入り)への画像登録処理の流れについて説明する。
【0022】
次いで、図17を参照しながら、撮像装置100の電源がオンされた場合に実行される初期化処理の流れについて説明する。次いで、図18を参照しながら、撮像装置100におけるカテゴリ選択処理の流れについて説明する。次いで、図19を参照しながら、撮像装置100における仮想フォルダ(お気に入り)の選択処理の流れについて説明する。次いで、図20を参照しながら、撮像装置100における仮想フォルダ(お気に入り)への画像登録処理の流れについて説明する。但し、図17〜図20に示す処理の流れには、ユーザの操作入力ステップが暗に含まれており、ユーザと撮像装置100との間のインタラクティブな対話状況が暗示されている。
【0023】
最後に、同実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から導かれる作用効果について簡単に説明する。
【0024】
(説明項目の表示)
1:撮像装置100の外観
2:撮像装置100の機能構成
3:画像選択画面の表示制御方法
4:撮像装置100による制御処理の流れ
5:制御処理と操作入力
6:まとめ
【0025】
<実施形態>
本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、PTPを用いて画像を伝送するシステムにおいて、カテゴリ分けされた画像に関する情報のうち、当該画像及びカテゴリに関する情報を効率的に取得する方法に関する。特に、当該カテゴリの情報を効率的に取得し、カテゴリに関する情報の表示を高速化する技術に関する。
【0026】
[1:撮像装置100の外観]
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係る撮像装置100の外観、及びその装置構成について概略説明を行う。図1は、本実施形態に係る撮像装置100の外観を示す説明図である。なお、図1に示した撮像装置100の形状は一例であり、本実施形態の技術が適用される範囲は図1の外観を有する装置に限定されない。
【0027】
図1に示すように、撮像装置100は、主に、レンズ部102と、再生キー104と、シャッターキー106と、タッチパネル108と、ファインダー110と、電源キー112と、を有する。
【0028】
レンズ部102は撮像装置100の光学系を成す。レンズ部102を通して入射した光は、撮像装置100の内部に設けられた撮像素子に送られて電気信号に変換される。このようにして撮像素子から出力された電気信号により被写体像の画像データが形成される。被写体像の画像データは、撮像装置100の内部に設けられた記憶手段や記録メディアに記録される。また、記録された画像データは、例えば、再生キー104を操作することでタッチパネル108に表示される。つまり、再生キー104は、画像データの閲覧モードに切り替えるための操作キーである。また、画像データの切り替え操作等は、タッチパネル108やその他の操作キーを用いて行われる。
【0029】
シャッターキー106は、被写体を撮影する際にシャッターを切るために用いる操作キーである。例えば、シャッターキー106が半押しされるとレンズ部102等に設けられたオートフォーカス機構によりフォーカスが調整される。さらに、シャッターキー106が深く押下されると、シャッターが切られ、被写体像が撮影される。上記の通り、被写体像の画像データは記憶手段や記録メディアに記録される。被写体像の画像データは、再生キー104が操作されることによってタッチパネル108に表示される。タッチパネル108には画像データの他にも操作画面等が表示される。また、タッチパネル108は、表面が指やスタイラスで接触されると、その接触位置や移動軌跡等の情報を検知する。
【0030】
ファインダー110は、レンズ部102を介して見える被写体の像を視認するために用いられる窓である。例えば、ユーザは、被写体像を撮影する際、ファインダー110を覗いて撮像範囲やフォーカス等を確認した上でシャッターキー106を押下する。但し、撮像イメージがタッチパネル108に表示される場合、ユーザは、タッチパネル108に表示された撮像イメージを確認してシャッターキー106を操作することもある。電源キー112は、撮像装置100の電源をオン/オフするための操作キーである。従って、ユーザは、撮影を開始する際、電源キー112を最初に操作することになる。
【0031】
以上、撮像装置100の外観等について説明した。上記の通り、撮像装置100は、当然のことながら、被写体を撮影するために必要な撮影機構を搭載している。また、撮像装置100は、撮影された画像データの表示手段としてタッチパネル108を備えている。そして、撮像装置100は、画像データの選択操作や再生操作等に用いられる操作手段として、再生キー104やタッチパネル108を備えている。さらに、撮像装置100には、画像データを処理するための演算処理機構が内蔵されている。以下、撮像装置100の内部に搭載された演算処理機構等について説明する。
【0032】
[2:撮像装置100の機能構成]
まず、図2を参照しながら、本実施形態に係る撮像装置100の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る撮像装置100の機能構成例を示す説明図である。
【0033】
図2に示すように、撮像装置100は、主に、撮像素子130と、撮像制御部132と、画像処理部134と、画像メモリ136と、撮像デバイス制御部138とにより構成される。さらに、撮像装置100は、記録メディア140と、バッファメモリ142、158と、UARTコントローラ144、152と、USBコントローラ146、154と、入出力制御部156と、タッチパネル108とを有する。また、タッチパネル108には、LCD162と、入力部164とが含まれる。但し、ここで言うLCDは、Liquid Crystal Displayの略語である。また、ここで言うUARTは、Universal Asynchronous Receiver Transmitterの略語である。
【0034】
まず、シャッターキー106が押下されると、シャッターが切られ、レンズ部102を通じて光が撮像素子130に入射される。撮像素子130は、入射された光の強度に応じて電気信号を出力する。撮像素子130としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等が用いられる。撮像素子130には、複数の画素領域が設けられており、個々の画素領域で入射光の強度が検知される。そのため、撮像素子130の各画素領域から出力される電気信号の強度に基づいて被写体像が形成される。撮像素子130から出力された電気信号は、撮像制御部132に入力される。
【0035】
撮像制御部132は、レンズ部102や撮像素子130などの動作を制御すると共に、撮像素子130から入力された電気信号をデジタル化して画像データを生成する。撮像制御部132により生成された画像データは、画像処理部134に入力される。画像処理部134は、撮像制御部132から入力された画像データを所定の符号化方式に則って符号化したり、画像データに圧縮処理を施したりする。所定の符号化方式としては、例えば、GIF、JPEG/JPEG2000、PICT、PING等がある。また、動画像の場合、所定の符号化方式としては、例えば、AVI、DV、MPEG、Motion JPEG等がある。もちろん、実際に用いられるのは、これら方式又は他の方式の中から選択された1又は複数の方式である。
【0036】
上記の符号化処理を実行する際、画像処理部134は画像メモリ136を用いる。例えば、JPEG方式による画像データの符号化処理について考えてみる。この場合、画像処理部134は、画像データに対して離散コサイン変換(以下、DCT)を施してDCT係数を算出し、DCT係数に対して量子化処理、及びエントロピー符号化処理を施す。例えば、画像処理部134は、画像メモリ136に元の画像データを保持しておき、各画素値を読み出してDCT係数を算出する。また、画像処理部134により算出されたDCT係数は、画像メモリ136に記録される。次いで、画像処理部134は、画像メモリ136からDCT係数を読み出して量子化し、量子化後のDCT係数を画像メモリ136に記録する。さらに、画像処理部134は、画像メモリ136から量子化後のDCT係数を読み出してエントロピー符号化を施す。このようにして符号化された画像データは、撮像デバイス制御部138に入力される。
【0037】
逆に、撮像デバイス制御部138から画像処理部134に符号化された画像データが入力されると、画像処理部134は、入力された符号化後の画像データを復号する。例えば、撮像デバイス制御部138からJPEG方式で符号化された画像データが入力されると、画像処理部134は、入力された画像データにエントロピー復号処理を施す。さらに、画像処理部134は、復号されたDCT係数に逆量子化処理を施した上で逆離散コサイン変換(以下、IDCT)を実行する。符号化処理の場合と同様に、画像処理部134は、各処理ステップにおいて画像メモリ136を利用する。但し、画像処理部134により復号された画像データは、撮像デバイス制御部138に再び入力される。なお、復号後の画像データは、量子化誤差等の影響により、符号化前の画像データと完全に一致するものとは限らない点に注意されたい。もちろん、他の可逆圧縮方式を用いる場合には元の画像データが完全に復元される。
【0038】
撮像デバイス制御部138は、画像処理部134により符号化された画像データを記録メディア140に記録する。また、画像データをタッチパネル108に表示させる場合、撮像デバイス制御部138は、記録メディア140から符号化後の画像データを読み出して画像処理部134に入力し、画像データを復号させる。そして、撮像デバイス制御部138は、画像処理部134により復号された画像データをUSBコントローラ146、154を通じて後述する入出力制御部156に伝送する。このとき、画像処理部134により復号された画像データはバッファメモリ142に一時的に記録される。
【0039】
また、撮像デバイス制御部138は、画像データを記録メディア140に記録する際、画像データが格納されるディレクトリを生成する。例えば、撮像デバイス制御部138は、所定のディレクトリに画像データを順次格納していく。そして、所定のディレクトリに所定枚数の画像データが蓄積されると、撮像デバイス制御部138は、新たにディレクトリを生成し、新たな画像データを新たなディレクトリに順次格納していく。このようにして順次新たなディレクトリが生成される。そのため、画像データの数が多くなると、記録メディア140には複数のディレクトリが生成されることになる。
【0040】
また、撮像デバイス制御部138は、撮像日時や画像に付された属性に基づいて画像データを管理する。さらに、撮像デバイス制御部138は、実際に画像データが格納されるディレクトリとは別に、仮想的なフォルダを生成して画像データを管理することができる。以下の説明において、上記ディレクトリのことを実フォルダと呼び、仮想的なフォルダのことを仮想フォルダと呼ぶことがある。ここで言う仮想フォルダとは、ユーザが任意に設定することができるカテゴリのことを意味する。なお、仮想フォルダと実フォルダとは、いずれも画像データをグループ化するものであるという点において共通性がある。
【0041】
例えば、ユーザは、「お気に入り」という仮想フォルダを生成し、「画像1」という画像データを「お気に入り1」に登録する。この場合、撮像デバイス制御部138は、実際には所定の実フォルダに格納されている「画像1」の画像データを「お気に入り1」に格納されているものとして扱う。但し、実際には、記録メディア140における「画像1」のアドレスが「お気に入り1」に対応付けられるだけである。このように、撮像デバイス制御部138は、実フォルダの構造に基づいて画像データを管理すると共に、仮想フォルダと画像データとの間の対応関係を用いて画像データを管理している。この対応関係を示す情報は、仮想フォルダに画像データが登録された段階で、撮像デバイス制御部138により記録メディア140に記録される。
【0042】
(画像データの管理方法について)
ここで、図3、図4を参照しながら、撮像デバイス制御部138による画像データの管理方法について、具体例を挙げて詳細に説明する。図3は、実フォルダの構成例を示す説明図である。図4は、仮想フォルダが生成された場合のフォルダ構成例を示す説明図である。但し、図3及び図4の例は、フォルダ構成を模式的に示したものである。
【0043】
まず、図3を参照する。図3には、一例として、2つの実フォルダF11と、9つの実ファイルF12(一部省略)とが示されている。具体的には、実フォルダF11として、「100MSDCF」「101MSDCF」が示されている。また、実ファイルF12として、「DSC01.JPG」〜「DSC09.JPG」が示されている。なお、図3の例では、1つのフォルダに8つの実ファイルF12が格納されるものと仮定している。そのため、9番目の実ファイルF12(「DSC09.JPG」)は、1番目の実フォルダF11(「100MSDCF」)には格納されず、2番目の実フォルダF11(「101MSDCF」)に格納されている。
【0044】
まず、撮像デバイス制御部138は、「100MSDCF」に対して「DCF01.JPG」から順に画像データを格納していき、実フォルダF11の最大格納枚数に達した段階(「DCF08.JPG」)で「101MSDCF」を生成する。そして、撮像デバイス制御部138は、新たに生成した「101MSDCF」に「DCF09.JPG」を格納する。このような処理により、図3の例に示すような実フォルダの構造が形成される。さらに、ユーザにより仮想フォルダF21が生成され、実ファイルF12が登録されると、図4の例に示すようなフォルダ構造が形成される。
【0045】
図4には、図3に例示した実フォルダの構造に加え、仮想フォルダF21、及び仮想ファイルF22により形成される仮想フォルダの構造が記載されている。但し、仮想ファイルF22は、実ファイルF12を特定するためのポインタである。例えば、「DSC01.JPG」と記載された仮想ファイルF22は、実ファイルF12(「DSC01.JPG」)を特定するためのポインタである。仮想ファイルF22は、所定の仮想フォルダF21に対して実ファイルF12が登録されることにより生成される。仮想フォルダF21に対する実ファイルF12の登録処理は次のように実行される。
【0046】
まず、図4に例示した登録画面D41を参照する。図4の例では、登録画面D41に画像データが表示されている。さらに、登録画面D41には、登録ボタンB41が表示されている。例えば、登録画面D41には、「お気に入り1」「お気に入り2」「お気に入り3」と表示された3つの登録ボタンB41が表示される。但し、ユーザにより事前に「お気に入り1」「お気に入り2」「お気に入り3」に対応する仮想フォルダF21が作成されているものとする。仮に、ユーザにより「お気に入り1」の登録ボタンB41が選択されると、「お気に入り1」の仮想フォルダF21に対して登録画面D41に表示されていた画像データ(例えば、「DSC01.JPG」)が登録される。なお、仮想フォルダF21の作成、及び仮想ファイルF22の登録はユーザが自由に行えるものである。
【0047】
以上、撮像デバイス制御部138による画像データの管理方法について説明した。上記の通り、撮像デバイス制御部138は、ユーザにより自由に設定される仮想フォルダF21を用いて画像データを管理している。従って、所定枚数毎に自動生成される実フォルダF11の構造とは独立してユーザが自由に設定したカテゴリに基づいて画像データが管理されることになる。このように、画像データがカテゴリ分けされていることで、画像数が増えた場合でも、ユーザが所望の画像データを素早く見つけられるようになる。具体的には、ユーザにカテゴリが提示され、カテゴリが選択された後で、そのカテゴリに属する画像データが提示されれば、所望の画像データを素早く見つけられる。
【0048】
ところで、図4に例示したフォルダ構造は、例えば、図5に示した構造を有するデータベースの形で管理される。つまり、撮像デバイス制御部138は、図5に例示したようなデータベースで実フォルダ、仮想フォルダ、及びファイルを管理するのである。例えば、撮像デバイス制御部138は、撮像装置100の電源がONされると、記録メディア140に記録されたフォルダ及びファイルに関する情報に基づいて図5に示すようなデータベースを構築する。そして、撮像デバイス制御部138は、構築したデータベースをバッファメモリ142に格納し、バッファメモリ142から適宜読み出して参照する。なお、当該データベースは、検索処理効率や管理効率の観点から、図5に示すようなリレーショナルデータベースの形で構築されることが好ましい。
【0049】
再び図2を参照する。図2に示すように、撮像デバイス制御部138は、UARTコントローラ144、及びUSBコントローラ146に接続されている。また、UARTコントローラ144は、所定の信号線路を介してUARTコントローラ152に接続されている。さらに、USBコントローラ146は、所定の信号線路を介してUSBコントローラ154に接続されている。2つのUARTコントローラ144、152の間は、UART方式(シリアル伝送方式)で信号が伝送される。また、2つのUSBコントローラ146、154の間は、PTPに則って信号が伝送される。
【0050】
ここで、UART、及びPTPについて簡単に説明する。
【0051】
(UARTについて)
UARTは、例えば、PC等のシリアルポートに利用される通信回路である。より具体的に述べると、UARTは、PC等のパラレルバスから伝送されてくるパラレル信号をシリアル信号に変換するものである。また、UARTは、デジタルカメラやイメージスキャナ等の周辺機器から送られてくるシリアル信号をパラレル信号に変換するものである。つまり、UARTコントローラ144は、撮像デバイス制御部138から入力されたパラレル信号をシリアル信号に変換してUARTコントローラ152に伝送する。また、UARTコントローラ152は、UARTコントローラ144から伝送されてくるシリアル信号をパラレル信号に変換して入出力制御部156に入力する。UARTコントローラ152からUARTコントローラ144に信号が伝送される逆の手順についても同様である。
【0052】
(PTPについて)
PTPとは、デジタルカメラやイメージスキャナ等からPC等に画像データを転送させる際に用いるデータ転送方式のプロトコルである。PTPに則って設計された機器を用いると、ユーザが画像データのディレクトリ構造を意識せずとも簡単に画像データをPCに取り込むことが可能になる。また、ユーザは、PC等に転送された画像データから所望の画像データを容易に操作することができるようになる。例えば、PTPには、サムネイル画像の表示に関する機能が規定されている。この機能を用いると、PC等は、PTPに則って設計された機器からサムネイル画像を容易に取得することができる。そのため、標準的にサムネイル画像がユーザに提示されることになる。
【0053】
しかし、PTPは、画像データのディレクトリ構造を転送する機能については規定していない。そのため、PC等がPTPに則って設計された機器から画像データのディレクトリ構造を取得することは困難である。また、PTPを用いる場合、PC等が画像データを特定するための番号を取得するには、デジタルカメラ等に格納された全画像データの一覧情報を示すオブジェクトハンドルリストを取得する必要がある。つまり、画像データを取得する際、PC等は、オブジェクトハンドルリストに記載された画像データの番号を指定して、指定した番号に対応する画像データを取得する必要がある。しかし、デジタルカメラ等が保持している画像数が多いと、オブジェクトハンドルリストのデータサイズが大きくなり、オブジェクトハンドルリストの取得処理に長い時間がかかってしまう。
【0054】
オブジェクトハンドルリストは、例えば、図8に示すような構成を有している。図8に示すように、オブジェクトハンドルリストには、個々のオブジェクトを特定するためのオブジェクトハンドル番号と、オブジェクトの属性と、オブジェクト名とが記載されている。オブジェクトとしては、画像データの他、画像データが格納されるフォルダも含まれる。また、属性の欄には、オブジェクトがファイルであるか、オブジェクトがフォルダであるかを示す情報が記載される。従って、記録メディア140に格納された画像データの数に比例してオブジェクトハンドルリストに記載される画像データの数が増加し、オブジェクトハンドルリストのデータ量が増大するのである。なお、一般的なPTPの枠組みにおいては、仮想フォルダが設定されていても、オブジェクトハンドルリストに仮想フォルダの情報が記載されることはない。
【0055】
以上、簡単に説明した通り、PTPを用いると画像データを伝送する際にユーザの利便性を向上させることが可能な様々なメリットがある。その反面、画像データの数が大きくなると、オブジェクトハンドルリストの取得に時間がかかり、画像データの取得に要する時間が長くなるというデメリットもある。一方、UARTは、信号線路をシリアル化して信号を伝送する方式に関するものである。なお、2つのUARTコントローラ144、152の間で伝送されるデータについてはPTPのような特別な制約が設けられていない。
【0056】
このように、撮像装置100には、2種類の信号線路が設けられている。本実施形態の技術的特徴は、画像データが伝送される信号線路(PTP)と、他の信号線路(UART)とを組み合わせて画像データに関する情報を効率的に伝送するという点にある。つまり、2つのUSBコントローラ146、154の間に形成された信号線路とは別に、2つのUARTコントローラ144、152を設けて他の信号線路を形成している点は、撮像装置100における構成上の1つの技術的特徴を成している。なお、これらの信号線路を通じて伝送されるデータの内容及び伝送タイミング等については後段において詳述する。
【0057】
上記の通り、UARTコントローラ152に伝達されたシリアル信号は、パラレル信号に変換されて入出力制御部156に入力される。また、USBコントローラ154に伝達された画像データ等は、入出力制御部156に入力される。入出力制御部156は、2つのUSBコントローラ146、154を介して撮像デバイス制御部138から取得した画像データをLCD162に表示させる。また、入出力制御部156は、入力部164から入力された操作情報に基づいて画像データ又は画像データの情報を撮像デバイス制御部138から取得する。さらに、入出力制御部156は、撮像デバイス制御部138から取得した画像データ又は画像データの情報をLCD162に表示させる。
【0058】
なお、入出力制御部156は、撮像デバイス制御部138から取得した画像データ又は画像データの情報をバッファメモリ158に一時的に記録する。そして、入出力制御部156は、バッファメモリ158に一時記録された画像データ又は画像データの情報を読み出してLCD162に表示させる。また、入出力制御部156は、撮像装置100の外部にある機器との間で通信する機能を有していてもよい。例えば、入出力制御部156には、無線又は有線で外部機器と通信する機能が搭載されていてもよく、外部機器に対して画像データ又は画像データの情報が配信されるように構成されていてもよい。逆に、入出力制御部156は、通信機能を利用して外部機器から任意のデータを取得し、取得したデータをLCD162に表示させるように構成されていてもよい。
【0059】
既に述べた通り、撮像装置100は、撮像デバイス制御部138、及び入出力制御部156を搭載している。つまり、撮像装置100は、2つの演算処理チップを搭載している。上記の通り、撮像デバイス制御部138は、主に、撮像デバイスの制御に用いられ、画像データの取得に関する演算処理を実行するものである。一方、入出力制御部156は、表示制御や入力情報の管理に関する演算処理を実行するものである。このように、撮影に関する処理と、その他の処理とを分けることにより、撮像装置100に多彩な機能を搭載し易くなるという利点がある。その一例が上記の通信機能である。
【0060】
このような機能が搭載されることにより、ユーザは、撮像装置100に設けられているタッチパネル108を用いてWebブラウジングを行ったり、撮像装置100から直接的にサーバに対して画像データをアップロードしたりできるようになる。その他にも、ネットワーク上に存在する他のサーバやクライアントに対して画像データを公開することができるようになる。このように、撮像装置100が本来持っている撮像機能とは異なる付加的な機能を搭載する場合に、撮像機能を制御するための演算処理チップに対して付加的な機能をインプリメントするのは設計負担や製造コスト等の観点から好ましくない。つまり、撮像装置100には、必然的に2つの演算処理チップが搭載されることになる。
【0061】
そこで問題となるのが2つの演算処理チップを接続するための機構をどのようなものにするかという点である。上記の通り、本実施形態においては、上記機構として、UARTを用いたシリアル信号線路とUSBを用いた信号線路とが採用されている。
【0062】
撮像装置100の内部における2つの演算処理チップ間の接続であるため、上記機構には、少なくとも画像データの伝送が必須とされる。こうした理由から、2つの演算処理チップ間をUSBで接続してPTPに則って画像データ及び画像データの情報を伝送する構成とすることは自然である。しかしながら、PTPを用いる場合、画像データ又は画像データの情報を取得する度にオブジェクトハンドルリストの取得処理が求められ、非常に非効率になってしまう。
【0063】
PTPは、そもそも、PCと周辺機器との間のデータ伝送処理を意識して策定された規格である。PCは高速な演算処理チップを搭載しており、オブジェクトハンドルリストのデータ量が大きくても高速に処理できる。また、画像データの表示等に関する処理は、全てPC上で実行される。そのため、PCと周辺機器とを接続した際に周辺機器が保持している全画像データのリストをPCがオブジェクトハンドルリストとして取得し、そのリストをPCが解析して画像データを取得するような構成にしても、あまり処理時間の問題が生じない。一方、撮像装置100に搭載されている演算処理チップは演算能力が比較的低い。そのため、処理時間に関する問題が生じ易い。
【0064】
とりわけ、オブジェクトハンドルリストの転送時間に起因して生じる画面遷移の遅延は操作性の低下を招き、ユーザに大きな不快感を与えてしまう。そこで、本実施形態においては、撮像デバイス制御部138と入出力制御部156との間のデータ伝送方法に工夫を凝らし、UART方式の信号線路とUSB方式の信号線路とを組み合わせて用いることで画面遷移の遅延を回避する技術が提案される。以下、本実施形態に係るデータ伝送方法、及び表示制御方法について具体的な例を挙げながら詳細に説明する。
【0065】
[3:画像選択画面の表示制御方法]
まず、図6を参照しながら、画像選択画面の表示制御方法について説明する。オブジェクトハンドルリストの転送時間に起因して生じる画面遷移の遅延は、画像データの選択操作に関する選択画面の遷移シーンで発生し易い。そこで、再生する画像の選択に用いる選択画面の遷移シーンを例に挙げて本実施形態に係るデータ伝送方法、及び表示制御方法について具体的に説明する。図6は、画像選択画面の表示制御方法を示す説明図である。
【0066】
但し、記録メディア140には、図4に示したフォルダ及びファイルが記録されているものとする。また、各表示画面は、タッチパネル108(LCD162)に表示される。さらに、各表示画面の表示処理は、入出力制御部156により実行される。
【0067】
まず、撮像装置100の再生キー104が押下されると、カテゴリ選択画面D1が画面に表示される。カテゴリ選択画面D1には、実フォルダ選択ボタンB11と、仮想フォルダ選択ボタンB12とが表示される(S1)。このとき、入出力制御部156は、実フォルダF11の有無、及び仮想フォルダF21の有無に関する情報を保持している。また、仮想フォルダF21が存在しない場合、カテゴリ選択画面D1には、仮想フォルダ選択ボタンB12が表示されないこともある。ユーザは、実フォルダ選択ボタンB11、又は仮想フォルダ選択ボタンB12を押下する。なお、説明の中で、ボタンを「押下」するという表現を用いることがあるが、実際にはタッチパネル108に対する接触操作を意味していることがある点に注意されたい。
【0068】
(「お気に入り」が選択された場合)
例えば、仮想フォルダ選択ボタンB12が押下されると、入出力制御部156は、画面表示を仮想フォルダ選択画面D21に遷移させる(S2)。仮想フォルダ選択画面D21には、仮想フォルダF21として登録されている「お気に入り1」「お気に入り2」「お気に入り3」を選択するための仮想フォルダ選択ボタンB21が表示される。このとき、入出力制御部156は、記録メディア140に記録されている仮想フォルダF21の数を取得し、その数だけ仮想フォルダ選択ボタンB21を表示する。
【0069】
但し、PTPの枠組みにおいては、仮想フォルダF21の数を取得するためにオブジェクトハンドルリストを取得する必要がある。特に、従前のPTPの枠組みにおいては、記録メディア140に格納されている全ての画像データに関するオブジェクトハンドルリストの取得が求められる。そのため、従前のPTPの枠組みの中でカテゴリ選択画面D1から仮想フォルダ選択画面D21への画面遷移を実現しようとすると、その画面遷移が大きく遅延してしまう。そこで、本実施形態においては、このような遅延を回避する方法が提案される。この方法については後段において図7を参照しながら詳述する。
【0070】
さて、仮想フォルダ選択画面D21において1つの仮想フォルダ選択ボタンB21(「お気に入り1」)が押下されると、入出力制御部156は、画面表示を画像選択画面D31に遷移させる(S3)。画像選択画面D31には、「お気に入り1」に登録されている「画像1」「画像2」「画像4」に対応する画像選択ボタンB31が表示される。このとき、入出力制御部156は、仮想フォルダF21の各々に対応付けられている実ファイルF12の数を認識している。例えば、入出力制御部156は、仮想フォルダ選択画面D21において仮想フォルダ選択ボタンB21が押下された時点で、仮想フォルダF21の各々に対応付けられている実ファイルF12の数を把握する。
【0071】
また、入出力制御部156は、PTPのコマンドを用いて画像選択画面D31に表示すべきサムネイル画像を取得する。但し、入出力制御部156は、全ての実ファイルF12のサムネイル画像を一時に取得しなくてもよい。例えば、入出力制御部156は、仮想フォルダ選択画面D21で選択された仮想フォルダF21の実ファイルF12に対応するサムネイル画像を取得し、取得したサムネイル画像を画像選択画面D31の画像選択ボタンB31として表示させる。
【0072】
また、入出力制御部156は、仮想フォルダ選択画面D21で選択された仮想フォルダF21の実ファイルF12の数が所定数を下回った場合に次の仮想フォルダF21の実ファイルF12に対応するサムネイル画像を取得するように構成されていてもよい。所定数は、例えば、画像選択画面D31に表示可能な画像選択ボタンB31の数に設定される。このような構成にすることで、画像選択ボタンB31の表示可能数に応じて仮想フォルダF21毎に実ファイルF12に対応するサムネイル画像が順次取得される。
【0073】
図6に例示するように、複数の仮想フォルダF21に対応する画像選択ボタンB31が表示される場合、個々の仮想フォルダF21が区別できるように画像選択ボタンB31が表示される。このように表示されることで、ユーザは、所望の画像データを容易に発見して選択することが可能になる。なお、画像選択画面D31において画像選択ボタンB31が選択されると、その画像選択ボタンB31に対応する画像データが画面に表示される。
【0074】
(「DCF」が選択された場合)
一方、カテゴリ選択画面D1において実フォルダ選択ボタンB11が押下されると、入出力制御部156は、画面表示を実フォルダ選択画面D22に遷移させる(S4)。実フォルダ選択画面D22には、実フォルダF11として登録されている「100MSDCF」「101MSDCF」に対応する実フォルダ選択ボタンB22が表示される。このとき、入出力制御部156は、記録メディア140に記録されている実フォルダF11の数を取得し、その数だけ実フォルダ選択ボタンB22を表示する。
【0075】
但し、PTPの枠組みにおいては、実フォルダF11の数を取得するためにオブジェクトハンドルリストを取得する必要がある。特に、従前のPTPの枠組みにおいては、記録メディア140に格納されている全ての画像データに関するオブジェクトハンドルリストの取得が求められる。そのため、従前のPTPの枠組みの中でカテゴリ選択画面D1から実フォルダ選択画面D22への画面遷移を実現しようとすると、その画面遷移が大きく遅延してしまう。そこで、本実施形態においては、このような遅延を回避する方法が提案される。この方法については後段において図7を参照しながら詳述する。
【0076】
さて、実フォルダ選択画面D22において1つの実フォルダ選択ボタンB22(「100MSDCF」)が押下されると、入出力制御部156は、画面表示を画像選択画面D32に遷移させる(S5)。画像選択画面D32には、「100MSDCF」に格納されている「画像1」「画像2」「画像3」「画像4」「画像5」「画像6」を選択するための画像選択ボタンB32が表示される。このとき、入出力制御部156は、実フォルダF11の各々に格納されている実ファイルF12の数を認識している。例えば、入出力制御部156は、実フォルダ選択画面D22において実フォルダ選択ボタンB22が押下された段階で、実フォルダF11の各々に格納されている実ファイルF12の数を把握する。
【0077】
但し、図4に示した通り、図6の例においては、「100MSDCF」に格納されている実ファイルF12の数は8個である。また、この例では、画面に表示可能な画像選択ボタンB32の数(以下、表示可能数)は6個に制限されている。そのため、画像選択画面D32には、「100MSDCF」に格納された全ての実ファイルF12に対応する画像選択ボタンB32が表示されない。そこで、画像選択画面D32には、頁切替ボタンB33が表示されている。頁切替ボタンB33は、例えば、実フォルダ選択画面D22で選択された実フォルダF11内の実ファイルF12の数が表示可能数を上回る場合に表示される。そして、頁切替ボタンB33が押下されると、残りの実ファイルF12に対応する画像選択ボタンB32が表示される。また、画像選択ボタンB32が押下されると、その画像選択ボタンB32に対応する画像データが画面に表示される。
【0078】
また、入出力制御部156は、PTPのコマンドを用いて画像選択画面D32に表示すべきサムネイル画像を取得する。但し、入出力制御部156は、全ての実ファイルF12のサムネイル画像を一時に取得しなくてもよい。例えば、入出力制御部156は、実フォルダ選択画面D22で選択された実フォルダF11の実ファイルF12に対応するサムネイル画像を取得し、取得したサムネイル画像を画像選択画面D32の画像選択ボタンB32として表示させる。
【0079】
また、入出力制御部156は、実フォルダ選択画面D22で選択された実フォルダF11の実ファイルF12の数が所定数を下回った場合に次の実フォルダF11の実ファイルF12に対応するサムネイル画像を取得するように構成されていてもよい。所定数は、例えば、画像選択画面D32に表示可能な画像選択ボタンB32の数に設定される。このような構成にすることで、画像選択ボタンB32の表示可能数に応じて実フォルダF11毎に実ファイルF12に対応するサムネイル画像が順次取得される。
【0080】
以上、入出力制御部156による表示制御方法、及び画像選択画面の遷移について説明した。次に、図7を参照しながら、画面遷移のタイミング又は各種ボタンの操作タイミングに応じて実行される撮像デバイス制御部138と入出力制御部156との間のデータ伝送方法について説明する。図7は、各表示時点で実行されるデータ伝送処理の内容を示す説明図である。但し、図7の例には、カテゴリ選択画面D1において仮想フォルダ選択ボタンB12が押下されたケースのみを示したが、実フォルダ選択ボタンB11が選択されたケースについても同様の処理が実行される。
【0081】
(データ伝送処理の詳細)
まず、カテゴリ選択画面D1において仮想フォルダ選択ボタンB12が押下されると、入出力制御部156は、UART方式の信号線路を通じて実フォルダF11の有無及び仮想フォルダF21の有無を取得する。実フォルダF11及び仮想フォルダF21がいずれも存在する場合には、図7のようにカテゴリ選択画面D1に実フォルダ選択ボタンB11及び仮想フォルダ選択ボタンB21が表示される。また、カテゴリ選択画面D1において仮想フォルダ選択ボタンB12が押下されると、入出力制御部156は、撮像デバイス制御部138に対して仮想フォルダF21に関するオブジェクトハンドルリストの作成を要求する(S11)。このとき、オブジェクトハンドルリストの作成要求は、UART方式の信号線路を通じて伝達される。
【0082】
(オブジェクトハンドルリストの構成について)
ここで、図8、図9、図10を参照しながら、撮像デバイス制御部138により作成されるオブジェクトハンドルリストの構成について説明する。図8は、実フォルダF11に関するオブジェクトハンドルリストの構成例を示す説明図である。図9は、実フォルダF11及び仮想フォルダF21の情報を含むオブジェクトハンドルリストの構成例を示す説明図である。図10は、仮想フォルダF21のみに関するオブジェクトハンドルリストの構成例を示す説明図である。
【0083】
図8に示したオブジェクトハンドルリストの構成については、既に簡単な説明を行っている。但し、上記の説明においては、図8のオブジェクトハンドルリストを一般的なオブジェクトハンドルリストの一例として扱っている。通常、仮想フォルダF21が登録されていても、オブジェクトハンドルリストの内容は、図8に示すように実フォルダF11のみに関するものとなる。そのため、仮想フォルダF21に関する情報が含まれない。仮に、PTPの枠組みを拡張してオブジェクトハンドルリストに仮想フォルダF21に関する情報を含めるならば、図9に例示したオブジェクトハンドルリストのようになる。
【0084】
図9のオブジェクトハンドルリストには、実フォルダF11に関する部分と、仮想フォルダF21に関する部分とが含まれている。実フォルダF11に関する部分については、図8に例示したオブジェクトハンドルリストと実質的に同じである。しかし、仮想フォルダF21に関する部分には、オブジェクトとして仮想フォルダF21が記載されている。さらに、図9のオブジェクトハンドルリストには、仮想フォルダF21に登録された実ファイルF12が記載されている。ここで注意したいのが、「仮想フォルダF21に登録された実ファイルF12は、既に実フォルダF11に格納された実ファイルF12としてオブジェクトハンドルリストに記載されている」ということである。つまり、仮想フォルダF21にまでオブジェクトの概念を拡張すると、オブジェクトハンドルリストのサイズが著しく大きくなってしまう可能性を秘めているということである。
【0085】
例えば、「お気に入り1」には、「DSC01.JPG」「DSC02.JPG」「DSC04.JPG」が登録されている。しかし、「DSC01.JPG」「DSC02.JPG」「DSC04.JPG」は、「100MSDCF」に格納されたファイルとして実フォルダF11に関する部分に記載されている。また、実フォルダ部分に記載された「DSC01.JPG」等、及び仮想フォルダ部分に記載された「DSC01.JPG」等には異なるオブジェクトハンドル番号が付されている。このように、仮想フォルダF21に関する情報を含めるとオブジェクトハンドルリストには重複した情報が独立して記載され、その分だけデータ量が増大してしまう。図9の例では、「ROOT」を含めて実フォルダ部分が12行であるのに対し、仮想フォルダ部分が11行であるから2倍程度のデータ量になっている。
【0086】
上記のように、カテゴリ分けされた画像データを扱う際には、ユーザの利便性を考慮して仮想フォルダF21に関する情報が利用されるであろう。また、現行のPTPの枠組みを拡張して仮想フォルダF21に関する情報を利用しようとすれば、図9のようなオブジェクトハンドルリストの構成が必要になる。しかし、図9に示すオブジェクトハンドルリストは、上記の通り、そのデータ量が大きいため、画面遷移の遅延を招いてしまう。一方で、図8に示す従前のオブジェクトハンドルリストを用いると、仮想フォルダF21に関する情報が利用できなくなる。そこで、本実施形態は、図10に示すような仮想フォルダ部分の情報だけを含むオブジェクトハンドルリストを作成して利用する技術を提案する。
【0087】
但し、PTPの枠組みにおいては、オブジェクトハンドルリストの一部分だけを抽出して伝送する方法が規定されていない。また、PTPは、そもそも、記録メディア140に格納された画像データの情報から図8に示すようなオブジェクトハンドルリストを自動生成することを想定して規定されている。そのため、どのようなオブジェクトハンドルリストを生成するか、という情報を受け渡す仕組みがPTPには設けられていない。つまり、2つのUSBコントローラ146、154の間で行われるデータ伝送処理の中で、図10に示すようなオブジェクトハンドルリストを生成するのは困難である。
【0088】
こうした困難を解決するため、撮像装置100は、入出力制御部156がUART方式の信号線路を用いてオブジェクトハンドルリストの構成を指定し、撮像デバイス制御部138が指定されたオブジェクトハンドルリストを作成するように構成されている。なお、撮像デバイス制御部138により作成されたオブジェクトハンドルリストは、PTPの枠組みに則って入出力制御部156に伝送される。従って、PTPの仕組みを最大限利用しつつ、オブジェクトハンドルリストのデータ量を低減させることができるのである。再び図7を参照しながら、オブジェクトハンドルリストの作成タイミング、及びデータ伝送タイミング等について説明する。
【0089】
再び図7を参照する。カテゴリ選択画面D1において、仮想フォルダ選択ボタンB12が押下されると、図9の仮想フォルダ部分に相当するオブジェクトハンドルリスト(図10)の作成要求が撮像デバイス制御部138に伝送される(S11)。オブジェクトハンドルリストの作成要求を受信した撮像デバイス制御部138は、その作成要求で指定された構成のオブジェクトハンドルリストを作成する。さらに、撮像デバイス制御部138は、オブジェクトハンドルリストの作成が完了した旨を入出力制御部156に通知する。この通知を受けた入出力制御部156は、PTPのオブジェクトハンドルリスト取得用のコマンドを利用し、仮想フォルダF21に関するオブジェクトハンドルリストを取得する(S12)。このとき、入出力制御部156は、USB方式の信号線路を通じてオブジェクトハンドルリストを取得する。
【0090】
なお、カテゴリ選択画面D1において実フォルダ選択ボタンB11が押下された場合についても同様である。まず、図9の実フォルダ部分に相当するオブジェクトハンドルリスト(図8)の作成要求が撮像デバイス制御部138に伝送される。オブジェクトハンドルリストの作成要求を受信した撮像デバイス制御部138は、その作成要求で指定された構成のオブジェクトハンドルリストを作成する。さらに、撮像デバイス制御部138は、オブジェクトハンドルリストの作成が完了した旨を入出力制御部156に通知する。そして、入出力制御部156は、PTPのオブジェクトハンドルリスト取得用のコマンドを利用して実フォルダF11に関するオブジェクトハンドルリストを取得する。このように、図8のオブジェクトハンドルリストは要求を受けてから作成されたものであり、一般的なオブジェクトハンドルリストとは生成工程が異なるものである点に注意されたい。
【0091】
さて、仮想フォルダF21に関するオブジェクトハンドルリストが取得されると、入出力制御部156により仮想フォルダ選択画面D21が表示される。まず、入出力制御部156は、撮像デバイス制御部138から取得したオブジェクトハンドルリストを解析し、仮想フォルダF21の数を検出する。そして、入出力制御部156は、検出した仮想フォルダF21の数だけ仮想フォルダF21を選択するための仮想フォルダ選択ボタンB21(アイコン)を表示させる(S21)。上記のように、取得されるオブジェクトハンドルリストのデータ量が低減されているため、オブジェクトハンドルリストの取得時間が短縮されている。さらに、オブジェクトハンドルリストのサイズ(項目数)が少ない分だけ、入出力制御部156の解析処理に要する演算負荷及び処理時間が短縮されている。その結果、カテゴリ選択画面D1から仮想フォルダ選択画面D21への画面遷移に要する時間が大幅に短縮される。
【0092】
また、仮想フォルダ選択画面D21において仮想フォルダ選択ボタンB21が押下されると、入出力制御部156は、オブジェクトハンドルリストを解析し、個々の仮想フォルダF21に登録された実ファイルF12の数を検出する(S22)。個々の仮想フォルダF21に登録された実ファイルF12の数が検出されると、入出力制御部156は、画像選択画面D31における画像選択ボタンB31の表示可能数に基づき、撮像デバイス制御部138から取得すべきサムネイルを決定する(S23)。また、画像選択画面D31の表示前に画像データを取得する場合、入出力制御部156は、撮像デバイス制御部138から取得すべき画像も決定する。
【0093】
例えば、「お気に入り1」の仮想フォルダ選択ボタンB21が押下されたものとしよう。この場合、入出力制御部156は、「お気に入り1」に登録されている実ファイルF12の数(3個)を検出する。画像選択画面D31に表示可能な画像選択ボタンB31の数が6個であるから、「お気に入り1」に対応する画像選択ボタンB31だけでは、画像選択画面D31に空欄の領域が多く含まれてしまう。そこで、入出力制御部156は、「お気に入り2」に登録されている実ファイルF12の数(1個)を検出する。「お気に入り1」に登録されている実ファイルF12の数と「お気に入り2」に登録されている実ファイルF12の数とを加算すれば、おおよそ画像選択画面D31が埋まることになる。もし、画像選択画面D31に空欄の領域が多く含まれるようであれば、「お気に入り3」についても同様の処理が実行される。
【0094】
このように、「お気に入り2」等に対応する画像選択ボタンB31を表示することで、画像選択画面D31に含まれる空欄の領域を低減させることができる。上記の通り、画像選択画面D31に表示させる画像選択ボタンB31の種類と数が決定された。つまり、撮像デバイス制御部138から取得すべき画像データ及びサムネイル画像が決定された。そこで、入出力制御部156は、「お気に入り1」「お気に入り2」に登録されている全ての実ファイルF12、及び各実ファイルF12に対応するサムネイル画像をUSB方式の信号線路を通じて撮像デバイス制御部138から取得する(S24)。仮に、表示可能数よりも多くの実ファイルF12が「お気に入り1」に登録されている場合、入出力制御部156は、表示可能数分だけ実ファイルF12、及びサムネイル画像を取得する。
【0095】
撮像デバイス制御部138から実ファイルF12、及びサムネイル画像を取得すると、入出力制御部156は、「お気に入り1」「お気に入り2」を分けてLCD162に画像選択ボタンB31を表示させる(S31)。このとき、入出力制御部156は、「お気に入り1」「お気に入り2」の各々に登録された実ファイルF12の数に基づいて画像選択ボタンB31を表示する。また、入出力制御部156は、撮像デバイス制御部138から取得したサムネイルを各画像選択ボタンB31として表示させる。上記の通り、画像選択画面D31に空欄の領域が多く含まれないように、表示すべきサムネイル数(画像選択ボタンB31の数)が決定されることから、画像選択画面D31には無駄なくサムネイル画像が表示される。また、仮想フォルダ選択画面D21で選択された「お気に入り1」が優先的に表示される(S32)。例えば、優先度の高い順で上位に表示される。
【0096】
以上、撮像デバイス制御部138と入出力制御部156との間のデータ伝送方法について、画像選択画面の遷移過程に沿って説明した。上記の通り、本実施形態においては、UART方式の信号線路を通じてオブジェクトハンドルリストの構成が伝達され、その構成を有するオブジェクトハンドルリストが作成される。さらに、作成されたオブジェクトハンドルリストがUSB方式の信号線路を通じて伝達され、そのオブジェクトハンドルリストに基づいてカテゴリ数等の情報が把握される。その結果、伝送されるオブジェクトハンドルリストのデータ量が少ない分だけ伝送に係る時間が短縮され、カテゴリ及び画像選択に係る画面遷移を格段に高速化することができる。
【0097】
(画像データ取得用フレームの構成について)
ここで、画像データの取得方法に関連して、図11を参照しながら、画像データ取得用フレームの構成について説明する。図11は、画像データ取得用フレームの構成例を示す説明図である。なお、図11に例示した画像データ取得用フレームは、画像選択画面D31において画像選択ボタンB31が押下された際に、入出力制御部156から撮像デバイス制御部138に対してUSB方式の信号線路を通じて伝送されるものである。
【0098】
図11に示すように、画像データ取得用フレームには、フォルダ番号と、フォルダ内のファイル番号と、フォルダ属性と、ファイル属性とが含まれている。
【0099】
画像データ取得用フレームに含まれるフォルダ番号は、個々のフォルダを特定するために用いる識別番号である。また、フォルダ内のファイル番号は、フォルダ番号が示すフォルダ内のファイルを特定するために用いられる識別番号である。例えば、フォルダ番号が1、かつ、ファイル番号が4の場合、フォルダ番号1のフォルダに登録されたファイルのうち、4番目のファイルが特定される。但し、ファイル番号0はフォルダを示す。このように、フォルダ番号とファイル番号とを共に指定することにより、ファイルの検索範囲が特定のフォルダ内に限定され、ファイルの検索処理が高速化される。なお、仮想フォルダF21をフォルダ番号で指定することもできるため、仮想フォルダF21を実フォルダF11と同等に扱うことができる。
【0100】
画像データ取得用フレームに含まれるフォルダ属性は、フォルダの属性を特定するための識別情報である。例えば、フォルダ属性が0のフォルダは「ROOT」である。また、フォルダ属性が1のフォルダは「DCF」である。さらに、フォルダ属性が2のフォルダは「お気に入り」である。つまり、フォルダ属性に基づき、フォルダ番号で特定されるフォルダがROOTなのか、実フォルダF11なのか、仮想フォルダF21なのかが識別される。このように、フォルダの属性が指定されることで、フォルダ番号で指定されたフォルダを検索する際、指定された属性を持つフォルダに検索対象が絞られる。
【0101】
図9に示すように、実フォルダ部分のオブジェクトには、例えば、先頭の2桁に「01」が付されたオブジェクトハンドル番号が割り当てられる。一方、仮想フォルダ部分のオブジェクトには、例えば、先頭の2桁に「02」が付されたオブジェクトハンドル番号が割り当てられる。従って、フォルダ属性で仮想フォルダF21(「お気に入り」)が指定された場合、オブジェクトハンドル番号の先頭2桁が「02」のオブジェクトの中から指定されたフォルダが検索される。そのため、図9の例では、指定フォルダの検索対象が約半分に絞られる。結果として、フォルダ番号で指定されたフォルダを検索する際にかかる時間が大きく低減されることになる。但し、フォルダ属性は、より細かな単位で指定できるように設定されていてもよい。例えば、「お気に入り1」と「お気に入り2」とが異なるフォルダ属性を有するように設定されていてもよい。
【0102】
画像データ取得用フレームに含まれるファイル属性は、フォルダ番号及びファイル番号で特定されるファイルの属性を識別するための識別情報である。例えば、ファイル属性が0のファイルは「静止画」ファイルである。ファイル属性が1のファイルは「動画」ファイルである。ファイル属性が2のファイルは「その他(テキスト、メモ、音声等)」ファイルである。つまり、ファイル属性を参照することにより、フォルダ番号及びファイル番号で特定されるファイルの属性が識別される。
【0103】
上記の説明においては、画像データを伝送対象物の一例として説明してきたが、本実施形態に係る技術の適用範囲はこれに限定されない。例えば、記録メディア140には、文字情報や音声データ等が記録されている場合もある。そのような場合でも、入出力制御部156は、上記と同様のデータ伝送方法で撮像デバイス制御部138からデータを取得することができる。その際、画像データ取得用フレームに含まれるファイル属性が用いられる。例えば、ファイル属性として「動画」が指定されると、ファイル番号で指定されたファイルの検索範囲が「動画」に制限されることになる。その結果、検索対象物の数が低減され、検索処理が高速化する。なお、ファイル属性は、個々のファイルに付された拡張子等に基づいて区別される。具体的には、画像データ取得用フレームに記載されたファイル属性に対応する拡張子で検索対象のファイルが絞り込まれ、その中からフォルダ番号に適合するファイルが抽出される。
【0104】
以上、撮像装置100の機能構成と絡めて画像選択画面の表示方法について説明した。上記の通り、本実施形態の技術は、撮像装置100に設けられた2つの演算処理チップの間をUSB方式の信号線路とUART方式の信号線路とで接続し、両信号線路を組み合わせて効率的にデータ伝送する方法に関するものである。特に、画像データの選択画面においてカテゴリやグループ等を表示する際に取得されるオブジェクトハンドルリストのデータ量を低減させる構成に特徴がある。
【0105】
このような特徴を有しているため、オブジェクトハンドルリストのデータ量が低減されている分だけ、カテゴリやグループ等を表示する際の表示速度が高速化される。画像データの数が大きくなると、その数に比例してオブジェクトハンドルリストのデータ量が増大する。また、PTPの枠組みを拡張して仮想フォルダF21に関する情報をオブジェクトハンドルリストに含めると、オブジェクトハンドルリストのデータ量が倍増してしまう。このように、画像データの数が大きい場合、本実施形態の技術を適用することで大きな効果が得られる。なお、ユーザが自由にカテゴリ分け又はグループ分けの設定をすることができる仮想フォルダF21の登録機能は撮像装置100にとって必須の機能と言っても過言ではない。そのため、オブジェクトハンドルリストの取得処理に係る上記問題の解決手段を提供することには非常に重要な意味があるのである。
【0106】
[4:撮像装置100による制御処理の流れ]
次に、図12〜図16を参照しながら、撮像装置100による制御処理の流れについて説明する。ここでは主に、撮像装置100に搭載された撮像デバイス制御部138と入出力制御部156との間で行われるデータ伝送のタイミング、及び各部による演算処理のタイミングが詳細に説明される。
【0107】
(電源ON後の制御処理について)
まず、図12を参照しながら、撮像装置100における電源オン後の制御処理について説明する。図12は、撮像装置100の電源キー112が操作され、電源がオンにされた状態から図5のようなデータベースが構築されるまでに実行される処理の流れを示した説明図である。
【0108】
図12に示すように、入出力制御部156により電源ONが検出されると(S102)、入出力制御部156から撮像デバイス制御部138に電源ON通知が伝送される(S104)。ここで言う電源ON通知は、電源キー112が電源ONの位置に操作され、撮像装置100の電源がONの状態に遷移したことを通知するための通知信号である。電源ON通知は、例えば、UART方式の信号線路を通じて伝送される。入出力制御部156から撮像デバイス制御部138に電源ON通知が伝送されると、撮像デバイス制御部138は、システムの初期化処理を実行する(S106)。ここで実行される初期化処理は、例えば、レンズ部102や撮像素子130等の設定を初期化する処理である。
【0109】
撮像デバイス制御部138においてシステムの初期化処理が完了すると、撮像デバイス制御部138は、撮像装置100に接続された記録メディア140の検出を試みる(S108)。記録メディア140が検出されると、撮像デバイス制御部138は、記録メディア140からデータを読み出す(S110)。このとき、撮像デバイス制御部138は、記録メディア140に記録された画像データの他、実フォルダF11の情報、及び仮想フォルダF21の情報を取得する。もちろん、撮像デバイス制御部138は、各画像データと実フォルダF11及び仮想フォルダF21との間の対応関係を示す情報も取得する。次いで、撮像デバイス制御部138は、記録メディア140から取得した情報に基づいて図5に示すようなデータベースを構築し(S112)、バッファメモリ142に記録する。
【0110】
以上、撮像装置100の電源がONにされた状態から図5に示すような画像データに関するデータベースが構築されるまでに実行される処理の流れを説明した。
【0111】
(カテゴリ選択画面の表示制御処理について)
次に、図13を参照しながら、撮像装置100におけるカテゴリ選択画面の表示制御処理について説明する。図13は、撮像装置100の再生キー104が操作され、画像データの再生モードに遷移した状態から図6のカテゴリ選択画面D1が表示されるまでに実行される処理の流れを示した説明図である。
【0112】
図13に示すように、入出力制御部156により再生ボタンON(再生キー104の操作)が検出されると、入出力制御部156から撮像デバイス制御部138にカテゴリ情報取得要求が伝送される(S120)。ここで言うカテゴリ情報取得要求は、実フォルダF11の数、及び仮想フォルダF21の数を通知するように撮像デバイス制御部138に要求するための要求信号である。カテゴリ情報取得要求は、例えば、UART方式の信号線路を通じて伝送される。
【0113】
入出力制御部156から撮像デバイス制御部138にカテゴリ情報取得要求が伝送されると、撮像デバイス制御部138は、事前に構築したデータベースをバッファメモリ142から読み出す(S122)。さらに、撮像デバイス制御部138は、読み出したデータベースを参照し、実フォルダF11(「DCF」)の有無及び仮想フォルダF21(「お気に入り」)の有無(以下、カテゴリ情報)を検出して入出力制御部156に伝送する。このとき、カテゴリ情報は、UART方式の信号線路を通じて入出力制御部156に伝送される。
【0114】
撮像デバイス制御部138から入出力制御部156にカテゴリ情報が伝送されると、入出力制御部156は、カテゴリ情報に基づいてカテゴリ選択画面D1をLCD162に表示させる。このとき、入出力制御部156は、カテゴリ情報に含まれる実フォルダF11の有無に応じ、実フォルダF11が有る場合には実フォルダ選択ボタンB11(「DCF」ボタン)を表示させる(S124)。同様に、入出力制御部156は、カテゴリ情報に含まれる仮想フォルダF21の有無に応じ、仮想フォルダF21が有る場合には仮想フォルダ選択ボタンB12(「お気に入り」ボタン)を表示させる(S126)。
【0115】
以上、撮像装置100の画像データ再生モードがONにされた状態からカテゴリ選択画面D1が表示されるまでに実行される処理の流れを説明した。
【0116】
(仮想フォルダ選択画面の表示制御処理について)
次に、図14を参照しながら、撮像装置100における仮想フォルダ選択画面D21の表示制御処理について説明する。図14は、仮想フォルダ選択ボタンB12(「お気に入り」ボタン)が押下された状態から仮想フォルダ選択画面D21が表示されるまでに実行される処理の流れを示した説明図である。
【0117】
図14に示すように、仮想フォルダ選択ボタンB12(「お気に入り」ボタン)が押下されると、入出力制御部156は、仮想フォルダ選択画面D21の表示制御処理を開始する。まず、入出力制御部156は、撮像デバイス制御部138に対して仮想フォルダF21に関するオブジェクトハンドルリストの作成要求を伝送する(S130)。但し、オブジェクトハンドルリストの作成要求は、UART方式の信号線路により伝送される。
【0118】
入出力制御部156から撮像デバイス制御部138にオブジェクトハンドルリストの作成要求が伝送されると、撮像デバイス制御部138は、バッファメモリ142に記録されたデータベースを読み込む(S132)。そして、撮像デバイス制御部138は、オブジェクトハンドルリストの作成要求で指定された構成のオブジェクトハンドルリストを作成する(S132)。オブジェクトハンドルリストの作成が完了すると、撮像デバイス制御部138は、オブジェクトハンドルリストの作成が完了した旨を通知するためのリスト作成完了通知を入出力制御部156に伝送する(S132)。但し、リスト作成完了通知は、UART方式の信号線路を通じて伝送される。
【0119】
撮像デバイス制御部138から入出力制御部156にリスト作成完了通知が伝送されると、入出力制御部156は、撮像デバイス制御部138に対してオブジェクトハンドルリスト取得要求を伝送する(S134)。ここで言うオブジェクトハンドルリスト取得要求は、オブジェクトハンドルリストを伝送させるための要求信号である。また、オブジェクトハンドルリスト取得要求は、USB方式の信号線路を通じて伝送される。入出力制御部156から撮像デバイス制御部138にオブジェクトハンドルリスト取得要求が伝送されると、撮像デバイス制御部138は、ステップS132で作成したオブジェクトハンドルリストを入出力制御部156に伝送する(S136)。但し、オブジェクトハンドルリストは、USB方式の信号線路を通じて伝送される。
【0120】
撮像デバイス制御部138から入出力制御部156にオブジェクトハンドルリストが伝送されると、入出力制御部156は、取得したオブジェクトハンドルリストを解析し、仮想フォルダF21の数(フォルダ数)を検出する(S138)。また、入出力制御部156は、オブジェクトハンドルリストを解析し、個々の仮想フォルダF21に登録されている実ファイルF12の数(画像数)を検出する。次いで、入出力制御部156は、オブジェクトハンドルリストから検出された仮想フォルダF21の数に基づき、仮想フォルダ選択ボタンB21(「お気に入り1」「お気に入り2」「お気に入り3」)を表示させる(S140、S142、S144)。
【0121】
以上、カテゴリ選択画面D1から仮想フォルダ選択画面D21へと遷移するまでの間に実行される処理の流れについて説明した。上記の通り、本実施形態の技術を適用すると、仮想フォルダ選択画面D21を表示させる際に伝送されるオブジェクトハンドルリストのデータ量を低減させることができる。そのため、入出力制御部156と撮像デバイス制御部138との間で行われるオブジェクトハンドルリストの伝送時間が短縮される。その結果、カテゴリ選択画面D1から仮想フォルダ選択画面D21へと遷移する際の画面切り替え時間が大きく短縮され、仮想フォルダ選択画面D21への画面遷移が高速化される。
【0122】
(画像選択画面の表示制御処理について)
次に、図15を参照しながら、撮像装置100における画像選択画面D31の表示制御処理について説明する。図15は、仮想フォルダ選択ボタンB21(「お気に入り1」ボタン)が押下された状態から画像選択画面D31が表示されるまでに実行される処理の流れを示した説明図である。
【0123】
図15に示すように、仮想フォルダ選択ボタンB21(「お気に入り1」ボタン)が押下されると、入出力制御部156は、サムネイル取得要求を撮像デバイス制御部138に伝送する(S150)。ここで言うサムネイル取得要求は、オブジェクトハンドル番号を指定して、指定した番号に対応するファイルのサムネイル画像を撮像デバイス制御部138に伝送させるための要求信号である。入出力制御部156から撮像デバイス制御部138にサムネイル取得要求が伝送されると、撮像デバイス制御部138は、記録メディア140から指定されたファイルのサムネイル画像を読み出し、入出力制御部156に伝送する(S152)。ステップS150においては、「お気に入り1」に登録されたファイルに対応するサムネイル画像の取得要求が伝送されている。
【0124】
撮像デバイス制御部138から入出力制御部156へとサムネイル画像が伝送されると、入出力制御部156は、撮像デバイス制御部138から取得したサムネイル画像を画像選択ボタンB31としてLCD162に表示させる(S154)。ここで、画像選択画面D31に空欄の領域が多く含まれるようであれば、入出力制御部156は、他の仮想フォルダF21に登録されたファイルのサムネイル画像を取得する。例えば、入出力制御部156は、「お気に入り2」を対象とするサムネイル取得要求を撮像デバイス制御部138に伝送する(S156)。
【0125】
入出力制御部156から撮像デバイス制御部138にサムネイル取得要求が伝送されると、撮像デバイス制御部138は、記録メディア140から指定されたファイルのサムネイル画像を読み出し、入出力制御部156に伝送する(S158)。撮像デバイス制御部138から入出力制御部156へとサムネイル画像が伝送されると、入出力制御部156は、撮像デバイス制御部138から取得したサムネイル画像を画像選択ボタンB31としてLCD162に表示させる(S160)。ここで、画像選択画面D31に空欄の領域があまり含まれないようであれば、入出力制御部156は、他の仮想フォルダF21に登録されたファイルのサムネイル画像を取得せず、画像選択画面D31の表示処理を完了する。
【0126】
以上、仮想フォルダ選択画面D21から画像選択画面D31へと遷移するまでの間に実行される処理の流れについて説明した。本実施形態においては、画像データの取得処理にPTPの枠組みを利用しているため、既に取得したオブジェクトハンドルリストの内容から容易にサムネイル画像を取得することができる。
【0127】
(お気に入り登録処理について)
次に、図16を参照しながら、撮像装置100における仮想フォルダF21(「お気に入り1」等)の登録処理について説明する。図16は、仮想フォルダF21が登録されるまでに実行される処理の流れを示した説明図である。登録画面D41の表示構成例は図4に示されているため、同図を併せて参照されたい。
【0128】
図16に示すように、登録ボタンB41(「お気に入り登録ボタン」)が押下されると、入出力制御部156は、撮像デバイス制御部138に対し、お気に入り登録要求を伝送する(S202)。ここで言う「お気に入り登録要求」は、登録画面D41に表示されているファイル、及び登録ボタンB41の押下により選択された仮想フォルダF21を指定し、指定したファイルを指定した仮想フォルダF21に登録させるための要求信号である。ファイル及び仮想フォルダF21は、オブジェクトハンドル番号を用いて指定される。
【0129】
お気に入り登録要求が入出力制御部156から撮像デバイス制御部138に伝送されると、撮像デバイス制御部138は、お気に入り登録要求により指定されたファイルを指定された仮想フォルダF21に登録するようにデータベースを更新する(S204)。データベースの更新処理が完了すると、撮像デバイス制御部138は、データベースの更新が完了したことを通知するための更新完了通知を入出力制御部156に伝送する。
【0130】
以上、仮想フォルダF21(「お気に入り1」等)の登録処理について説明した。
【0131】
以上、図12〜図16を参照しながら、撮像装置100による制御処理の流れについて、撮像デバイス制御部138と入出力制御部156との間で行われるデータ伝送のタイミング、及び各部による演算処理のタイミングが明確になるように説明した。上記の通り、本実施形態においては、データ量の少ないオブジェクトハンドルリストが伝送されるため、その伝送処理に要する通信負荷及び時間が低減される。さらに、オブジェクトハンドルリストの解析処理に要する演算負荷及び処理時間が低減される。その結果、オブジェクトハンドルリストの取得処理及び解析処理に要する時間が短縮され、画面遷移を高速化することが可能になる。
【0132】
[5:制御処理と操作入力]
次に、図17〜図20を参照しながら、撮像装置100による制御処理の流れについて説明する。但し、ここでは、ユーザの入力操作を含む全体的な処理の流れが説明される。
【0133】
(電源ON時の初期化処理について)
まず、図17を参照しながら、撮像装置100の電源がONされた際に実行される初期化処理の流れについて説明する。図17は、電源ON時に実行される初期化処理の流れを示す説明図である。
【0134】
図17に示すように、まず、撮像装置100は、電源キー112がONにされたか否かを判断する(S302)。電源キー112がONにされた場合、撮像装置100は、ステップS304の処理に進行する。一方、電源キー112がOFFの状態の場合、撮像装置100は、再びステップS302に戻り、電源キー112がONにされるまで待機する。ステップS304では、撮像装置100によりシステムの初期化処理が実行される(S304)。ここで実行される初期化処理は、例えば、レンズ部102等の設定を初期化する処理である。
【0135】
次いで、撮像装置100は、記録メディア140に画像データがあるか否かを判断する(S306)。画像データがある場合、撮像装置100は、ステップS308の処理に進行する。一方、記録メディア140に画像データがない場合、撮像装置100は、電源ON時の初期化処理を終了する。ステップS308では、撮像装置100によりデータベースが構築される(S308)。例えば、記録メディア140から画像データの情報が読み出され、実フォルダF11及び仮想フォルダF21により分類されるカテゴリ毎に画像データの情報がデータベースの形で整理される。データベースの構築が完了すると、撮像装置100は、電源ON時の初期化処理を終了する。
【0136】
以上、撮像装置100の電源がONされた際に実行される初期化処理の流れについて説明した。
【0137】
(カテゴリ選択処理について)
次に、図18を参照しながら、再生キー104が押下された後に実行されるカテゴリ選択処理の流れについて説明する。図18は、カテゴリ選択処理の流れを示す説明図である。
【0138】
図18に示すように、まず、撮像装置100は、再生キー104が押下されたか否かを判断する(S310)。再生キー104が押下された場合、撮像装置100は、ステップS312の処理に進行する。一方、再生キー104が押下されていない場合、撮像装置100は、再びステップS310に戻り、再生キー104が押下されるまで待機する。ステップS312では、撮像装置100によりカテゴリ選択画面D1が表示される(S312)。このとき、撮像装置100は、データベースから表示すべきカテゴリの情報を取得して、実フォルダ選択ボタンB11(「DCF」ボタン)、及び仮想フォルダ選択ボタンB12(「お気に入り」ボタン)を表示する。
【0139】
次いで、撮像装置100は、仮想フォルダ選択ボタンB12(「お気に入り」ボタン)が押下されたか否かを判断する(S314)。仮想フォルダ選択ボタンB12が押下された場合、撮像装置100は、ステップS316の処理に進行する。一方、仮想フォルダ選択ボタンB12が押下されない場合、撮像装置100は、ステップS318の処理に進行する。ステップS316では、撮像装置100により、仮想フォルダ選択画面D21の表示処理が実行される(S316)。具体的には、仮想フォルダF21に関するオブジェクトハンドルリストが取得され、取得されたオブジェクトハンドルリストに基づいてカテゴリ数が検出される。さらに、そのカテゴリ数に基づいて仮想フォルダ選択ボタンB21が表示される。
【0140】
ステップS318では、撮像装置100により、実フォルダ選択ボタンB11(「DCF」ボタン)が押下されたか否かが判断される(S318)。実フォルダ選択ボタンB11が押下された場合、撮像装置100は、ステップS320の処理に進行する。一方、実フォルダ選択ボタンB11が押下されない場合、撮像装置100は、再びステップS314の処理に進行する。ステップS320では、撮像装置100により、実フォルダ選択画面D22の表示処理が実行される(S320)。具体的には、実フォルダF11に関するオブジェクトハンドルリストが取得され、取得されたオブジェクトハンドルリストに基づいてカテゴリ数が検出される。さらに、そのカテゴリ数に基づいて実フォルダ選択ボタンB22が表示される。
【0141】
以上、再生キー104が押下されてからカテゴリが選択されるまでに実行される処理、及びカテゴリが選択された後に実行される処理の一部について説明した。
【0142】
(お気に入りフォルダの選択処理について)
次に、図19を参照しながら、仮想フォルダ選択画面D21において、仮想フォルダ選択ボタンB21(「お気に入り1」「お気に入り2」「お気に入り3」)が選択される際に実行される処理の流れについて説明する。図19は、お気に入りフォルダの選択処理の流れを示す説明図である。なお、図19に示した処理は、図18に示したステップS316の処理が完了した後で実行されるものである。
【0143】
図19に示すように、まず、撮像装置100は、「お気に入り1」の仮想フォルダ選択ボタンB21が押下されたか否かを判断する(S322)。「お気に入り1」の仮想フォルダ選択ボタンB21が押下された場合、撮像装置100は、ステップS328の処理に進行する。一方、「お気に入り1」の仮想フォルダ選択ボタンB21が押下されない場合、撮像装置100は、ステップS324の処理に進行する。
【0144】
ステップS324において、撮像装置100は、「お気に入り2」の仮想フォルダ選択ボタンB21が押下されたか否かを判断する(S324)。「お気に入り2」の仮想フォルダ選択ボタンB21が押下された場合、撮像装置100は、ステップS328の処理に進行する。一方、「お気に入り2」の仮想フォルダ選択ボタンB21が押下されない場合、撮像装置100は、ステップS326の処理に進行する。
【0145】
ステップS326において、撮像装置100は、「お気に入り3」の仮想フォルダ選択ボタンB21が押下されたか否かを判断する(S326)。「お気に入り3」の仮想フォルダ選択ボタンB21が押下された場合、撮像装置100は、ステップS328の処理に進行する。一方、「お気に入り3」の仮想フォルダ選択ボタンB21が押下されない場合、撮像装置100は、ステップS322の処理に進行する。
【0146】
ステップS328においては、撮像装置100により、画像選択画面D31の表示処理が実行される(S328)。このとき、撮像装置100は、表示すべき画像データやサムネイル画像等をデータベースから取得してLCD162に表示させる。画像選択画面D31の表示処理が完了すると、撮像装置100は、お気に入りフォルダの選択処理を終了する。以上、仮想フォルダ選択画面D21において仮想フォルダ選択ボタンB21が押下されてから画像選択画面D31が表示されるまでの間に実行される処理の流れについて説明した。
【0147】
(お気に入り画像の登録処理について)
次に、図20を参照しながら、お気に入り画像の登録処理の流れについて説明する。図20は、お気に入り画像の登録処理の流れを示す説明図である。
【0148】
図20に示すように、まず、撮像装置100は、画像選択画面D31において画像選択ボタンB31が押下されたか否かを判断する(S330)。画像選択ボタンB31が押下された場合、撮像装置100は、ステップS332の処理に進行する。一方、画像選択ボタンB31が押下されない場合、撮像装置100は、再びステップS330に戻り、画像選択ボタンB31が押下されるまで待機する。ステップS332では、撮像装置100により画像データの登録画面D41が表示される(S332)。このとき、撮像装置100は、表示すべき画像を取得して登録画面D41に表示する。
【0149】
次いで、撮像装置100は、登録ボタンB41が押下されたか否かを判断する(S334)。登録ボタンB41が押下された場合、撮像装置100は、ステップS336の処理に進行する。一方、登録ボタンB41が押下されない場合、撮像装置100は、再びステップS330の処理に進行する。ステップS336では、撮像装置100により、データベースが更新される(S336)。データベースの更新処理が完了すると、撮像装置100は、お気に入り画像の登録処理を終了する。
【0150】
以上、お気に入り画像の登録処理の流れについて説明した。
【0151】
以上説明した通り、本実施形態の技術を適用すると、USB方式の信号線路を通じてカテゴリ分けされた画像データの情報を取得する際に利用されるオブジェクトハンドルリストのデータ量を低減させることができる。そのため、カテゴリ等の選択画面を遷移させる際、オブジェクトハンドルリストの伝送時間及び解析時間が短縮される分だけ画面遷移に要する時間が短くなる。その結果、画面遷移が飛躍的に高速化され、ユーザが画像データの選択操作を行う際にストレスを感じずに済むようになる。
【0152】
[6:まとめ]
最後に、本実施形態の撮像装置が有する機能構成と、当該機能構成により得られる作用効果について簡単に纏める。
【0153】
まず、本実施形態に係る撮像装置の機能構成は次のように表現することができる。当該撮像装置は、第1の処理部と、第2の処理部とにより構成される。また、第1の処理部は、次のような機能を有するリスト作成部と、リスト送信部とを有する。さらに、第2の処理部は、次のような機能を有するリスト作成要求部と、リスト送信要求部とを有する。そして、第1及び第2の処理部は、第1及び第2の信号線により接続されている。
【0154】
上記のリスト作成部は、一又は複数のグループに分けられたデータについて、前記グループを指定してデータリストの作成処理が要求された場合に、前記指定されたグループのデータに関するデータリストを作成するものである。つまり、当該リスト作成部は、全てのデータに関するデータリストを作成するのではなく、指定されたグループのデータに関する情報が含まれるデータリストを生成するのである。そのため、リスト作成部により作成されるデータリストは、全てのデータに関するデータリストに比べてデータ量が少ない。その結果、データリストの伝送処理や解析処理に係る負荷及び時間が低減される。
【0155】
また、上記のリスト送信部は、第1の信号線を通じてPTP(Picture Transfer Protocol)に基づく前記データリストの送信要求が取得された場合に、前記第1の信号線を通じて前記リスト作成部により作成されたデータリストを送信するものである。このように、リスト送信部は、上記のリスト作成部により作成されたデータリストを送信するものである。通常、PTPにおいては、全てのデータに関するデータリストが伝送される。しかし、上記のリスト送信部は、上記のリスト作成部により生成されたデータリストを伝送するため、全てのデータに関するデータリストを伝送する場合に比べて伝送に要する時間が短くて済む。
【0156】
また、上記のリスト作成要求部は、前記第1の信号線とは異なる第2の信号線を通じ、前記第1の処理部に対して前記グループを指定してデータリストの作成処理を要求するものである。このように、リスト作成要求部は、全てのデータに関するデータリストを要求するのではなく、所望のグループに関するデータリストを指定して作成要求を行う。しかしながら、PTPの枠組みの中では、データリストに含まれるデータの対象範囲を指定することは難しい。そのため、上記のリスト作成要求部は、PTPのデータ伝送方式に係る第1の信号線とは異なる第2の信号線を通じてデータの対象範囲(グループ)を指定しているのである。
【0157】
また、上記のリスト送信要求部は、前記データリストの送信要求を前記第1の処理部に送信するものである。このリスト送信要求部は、例えば、PTPの枠組みの中でデータリストの送信要求をすればよい。なぜなら、上記のリスト作成要求部により、事前にデータリストの作成要求がされ、上記のリスト作成部により既に所望のデータリストが作成されているからである。つまり、データリストさえ作成されてしまえば、PTPの枠組みに大きな変更を加えずとも、PTPの枠組みの中で作成されたデータリストを取得するだけで済むのである。これまで、データリストの伝送待ちによるデータ表示までに要する時間の長さが深刻であった。しかし、上記のような構成により、データリストの伝送時間が短縮された分だけ表示の更新処理が高速化される。なお、データリストのサイズが小さくなっている分だけ、データリストの解析処理に要する演算負荷及び処理時間も短くなるため、伝送時間の短縮効果に相乗する形で顕著な高速化が実現される。
【0158】
また、前記リスト作成部は、前記データリストの作成処理が完了した後で、当該データリストの作成処理が完了したことを前記第2の信号線を介して前記第2の処理部に通知するように構成されていてもよい。この場合、前記リスト送信要求部は、前記リスト作成部から前記データリストの作成処理が完了したことを通知された後で前記データリストの送信要求を送信する。上記のリスト作成部からデータリストの作成完了が通知されることで、当該通知を受けた直後にデータリストの送信要求が行えるようになる。そのため、データリストの作成から送信要求までの時間が短縮される。もし、このような構成が無い場合、リスト送信要求部は、確実にデータリストが作成完了すると思われる十分に長い時間だけ待機してからリスト送信要求を送ることになる。その結果、データリストの送信要求を送信するまでに余分な待機時間が生じてしまうのである。つまり、上記の構成を有することにより、データリストの作成要求を伝送してから実際にデータリストが送信されるまでの時間をも短縮することができるようになるのである。
【0159】
また、前記リスト作成部は、前記グループが階層構造を有する場合に、前記指定されたグループの下位グループに関する情報を含むデータリストを生成するように構成されていてもよい。この場合、前記第2の処理部は、次のような機能を有する下位グループ数検出部と、グループオブジェクト表示部とをさらに有する。当該下位グループ数検出部は、前記第1の処理部から取得したデータリストに基づいて前記下位グループの数を検出するものである。また、グループオブジェクト表示部は、前記下位グループを選択するためのグループオブジェクトを前記下位グループ数検出部により検出されたグループの数だけ画面に表示させるものである。上記の通り、データリストは、データに関するものであるが、グループが階層化されている場合には、下位グループの情報が含まれていてもよい。その場合であっても、上位グループが指定されることで、データリストのデータ量が低減される。このような構成にすることで、例えば、下位グループの情報を画面に表示したい場合、下位グループの情報の表示画面に遷移する際の遷移速度を向上させることができる。
【0160】
また、前記第2の処理部は、次のような機能を有するデータ数検出部と、データオブジェクト表示部とをさらに有していてもよい。当該データ数検出部は、前記第1の処理部から取得したデータリストに基づいて前記指定されたグループに属するデータの数を検出するものである。また、当該データオブジェクト表示部は、前記データを選択するためのデータオブジェクトを前記データ数検出部により検出されたデータの数だけ画面に表示させるものである。このように、データ自体ではなく、データを選択するためのデータオブジェクトを表示する際には、データの数だけが分かればデータオブジェクトを表示させることができる。このようなケースにおいて、上記のようにデータリストのデータ量が少ないと、データ数の検出処理が高速に行えるため、より画面表示を高速化することができる。
【0161】
また、前記第1の処理部は、前記第1の信号線を通じて前記データオブジェクトを送信するデータオブジェクト送信部をさらに有していてもよい。さらに、前記第2の処理部は、前記第1の信号線を通じて前記第1の処理部から前記データオブジェクトを取得するデータオブジェクト取得部をさらに有していてもよい。この場合、前記データオブジェクト取得部は、前記データ数検出部により検出されたデータの数が前記画面に表示可能なデータオブジェクトの数を上回った場合に、当該画面に表示可能なデータオブジェクトの数だけ前記データオブジェクトを取得する。また、前記データオブジェクト表示部は、前記データオブジェクト取得部により取得されたデータオブジェクトを前記画面に表示させる。このように、データ数が多く、その数だけデータオブジェクトを表示させようとしても画面内に収まらない場合には、余分なデータオブジェクトを取得しないことで、データオブジェクトの取得時間を短縮することができる。その結果、画面表示が高速化される。
【0162】
また、前記データオブジェクト取得部は、前記データ数検出部により検出されたデータの数が前記画面に表示可能なデータオブジェクトの数を下回った場合に、前記指定されたグループとは異なるグループのデータに対応するデータオブジェクトを取得するように構成されていてもよい。この場合、前記データオブジェクト表示部は、前記指定されたグループに対応するデータオブジェクトに加え、前記異なるグループに対応するデータオブジェクトを前記画面に表示させる。指定したグループに対応するデータオブジェクトの数が画面に表示可能なデータオブジェクトの数を下回ると画面に空欄が生じてしまう。特に、グループに登録されているデータ数が少ない場合、画面領域が無駄になってしまう。そこで、上記のような構成にすることで、画面領域を無駄なく利用することが可能になり、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0163】
また、前記グループは、前記データが格納されるフォルダとは無関係にユーザによる任意の設定操作に応じて前記データの対応付けがされた仮想的なフォルダであってもよい。このように、グループがユーザにより自由に設定可能な仮想フォルダを設けようとすると、PTPの枠組みを拡張する必要が出てくる。例えば、PTPのデータリストは、データの数に応じて自動的に生成される実フォルダの情報と、各実フォルダに格納されるデータとにより構成されている。PTPの枠組みを大きく変更せずに仮想フォルダの概念を扱おうとすると、データリストに仮想フォルダの情報を追加する形で記載する必要がある。そのため、実フォルダとデータとの関係、及び仮想フォルダとデータとの関係をデータリストで表現するため、同一のデータに関する情報がデータリストの重複記載されてしまう。仮に、このようなデータリストを伝送すると、以前にも増してデータリストの伝送に要する時間が長くなり、画像遷移の遅延が発生してしまう。しかしながら、上記の構成を採用することにより、仮想フォルダの部分だけが含まれるデータリストを伝送対象とすることが可能になり、画像遷移の遅延が低減される。また、仮想フォルダが定義できることで、ユーザがデータを検索する際の利便性が格段に向上する。
【0164】
(備考)
上記の撮像デバイス制御部138は、第1の処理部の一例である。上記の入出力制御部156は、第2の処理部の一例である。従って、上記の撮像デバイス制御部138は、リスト作成部、リスト送信部、データオブジェクト送信部の一例である。さらに、入出力制御部156は、リスト作成要求部、リスト送信要求部、下位グループ数検出部、グループオブジェクト表示部、データ数検出部、データオブジェクト表示部、データオブジェクト取得部の一例である。カテゴリ、実フォルダF11、仮想フォルダF21は、グループの一例である。オブジェクトハンドルリストは、データリストの一例である。USB方式の信号線路は、第1の信号線の一例である。UART方式の信号線路は、第2の信号線の一例である。実フォルダ選択ボタンB11、B22、仮想フォルダ選択ボタンB12、B21は、グループオブジェクトの一例である。画像選択ボタンB31、B32は、データオブジェクトの一例である。タッチパネル108、LCD162は、画面の一例である。
【0165】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮像装置の外観を示す説明図である。
【図2】同実施形態に係る撮像装置の機能構成例を示す説明図である。
【図3】同実施形態に係るフォルダ構成の一例を示す説明図である。
【図4】同実施形態に係るフォルダ構成の一例を示す説明図である。
【図5】同実施形態に係るデータベース構造の一例を示す説明図である。
【図6】同実施形態に係る画像選択画面の遷移過程を示す説明図である。
【図7】同実施形態に係る画像選択画面の遷移過程を示す説明図である。
【図8】オブジェクトハンドルリストの構成例を示す説明図である。
【図9】オブジェクトハンドルリストの構成例を示す説明図である。
【図10】オブジェクトハンドルリストの構成例を示す説明図である。
【図11】同実施形態に係る画像データ要求用フレームの構成例を示す説明図である。
【図12】同実施形態のデータ伝送方法に係る制御処理の一例を示す説明図である。
【図13】同実施形態のデータ伝送方法に係る制御処理の一例を示す説明図である。
【図14】同実施形態のデータ伝送方法に係る制御処理の一例を示す説明図である。
【図15】同実施形態のデータ伝送方法に係る制御処理の一例を示す説明図である。
【図16】同実施形態のデータ伝送方法に係る制御処理の一例を示す説明図である。
【図17】同実施形態のデータ伝送方法に係る制御処理の一例を示す説明図である。
【図18】同実施形態のデータ伝送方法に係る制御処理の一例を示す説明図である。
【図19】同実施形態のデータ伝送方法に係る制御処理の一例を示す説明図である。
【図20】同実施形態のデータ伝送方法に係る制御処理の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0167】
100 撮像装置
102 レンズ部
104 再生キー
106 シャッターキー
108 タッチパネル
110 ファインダー
112 電源キー
130 撮像素子
132 撮像制御部
134 画像処理部
136 画像メモリ
138 撮像デバイス制御部
140 記録メディア
142、158 バッファメモリ
144、152 UARTコントローラ
146、154 USBコントローラ
156 入出力制御部
162 LCD
164 入力部
F11 実フォルダ
F12 実ファイル
F21 仮想フォルダ
F22 仮想ファイル
D1 カテゴリ選択画面
D21 仮想フォルダ選択画面
D22 実フォルダ選択画面
D31、D32 画像選択画面
D41 登録画面
B11、B22 実フォルダ選択ボタン
B12、B21 仮想フォルダ選択ボタン
B31、B32 画像選択ボタン
B33 頁切替ボタン
B41 登録ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数のグループに分けられたデータについて、前記グループを指定してデータリストの作成処理が要求された場合に、前記指定されたグループのデータに関するデータリストを作成するリスト作成部と、
第1の信号線を通じてPTP(Picture Transfer Protocol)に基づく前記データリストの送信要求が取得された場合に、前記第1の信号線を通じて前記リスト作成部により作成されたデータリストを送信するリスト送信部と、
を有する第1の処理部と;
前記第1の信号線とは異なる第2の信号線を通じ、前記第1の処理部に対して前記グループを指定してデータリストの作成処理を要求するリスト作成要求部と、
前記データリストの送信要求を前記第1の処理部に送信するリスト送信要求部と、
を有する第2の処理部と;
を備える、撮像装置。
【請求項2】
前記リスト作成部は、前記データリストの作成処理が完了した後で、当該データリストの作成処理が完了したことを前記第2の信号線を介して前記第2の処理部に通知し、
前記リスト送信要求部は、前記リスト作成部から前記データリストの作成処理が完了したことを通知された後で前記データリストの送信要求を送信する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記リスト作成部は、前記グループが階層構造を有する場合に、前記指定されたグループの下位グループに関する情報を含むデータリストを生成し、
前記第2の処理部は、
前記第1の処理部から取得したデータリストに基づいて前記下位グループの数を検出する下位グループ数検出部と、
前記下位グループを選択するためのグループオブジェクトを前記下位グループ数検出部により検出されたグループの数だけ画面に表示させるグループオブジェクト表示部と、
をさらに有する、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第2の処理部は、
前記第1の処理部から取得したデータリストに基づいて前記指定されたグループに属するデータの数を検出するデータ数検出部と、
前記データを選択するためのデータオブジェクトを前記データ数検出部により検出されたデータの数だけ画面に表示させるデータオブジェクト表示部と、
をさらに有する、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の処理部は、前記第1の信号線を通じて前記データオブジェクトを送信するデータオブジェクト送信部をさらに有し、
前記第2の処理部は、前記第1の信号線を通じて前記第1の処理部から前記データオブジェクトを取得するデータオブジェクト取得部をさらに有し、
前記データオブジェクト取得部は、前記データ数検出部により検出されたデータの数が前記画面に表示可能なデータオブジェクトの数を上回った場合に、当該画面に表示可能なデータオブジェクトの数だけ前記データオブジェクトを取得し、
前記データオブジェクト表示部は、前記データオブジェクト取得部により取得されたデータオブジェクトを前記画面に表示させる、請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記データオブジェクト取得部は、前記データ数検出部により検出されたデータの数が前記画面に表示可能なデータオブジェクトの数を下回った場合に、前記指定されたグループとは異なるグループのデータに対応するデータオブジェクトを取得し、
前記データオブジェクト表示部は、前記指定されたグループに対応するデータオブジェクトに加え、前記異なるグループに対応するデータオブジェクトを前記画面に表示させる、請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記グループは、前記データが格納されるフォルダとは無関係にユーザによる任意の設定操作に応じて前記データの対応付けがされた仮想的なフォルダである、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
一又は複数のグループに分けられたデータについて、第1の処理部により、第1の信号線を通じて、第2の処理部に対して前記グループを指定したデータリストの作成処理が要求されるリスト作成要求ステップと、
前記第2の処理部により、前記指定されたグループのデータに関するデータリストが作成されるリスト作成ステップと、
前記第1の処理部により、第2の信号線を通じてPTP(Picture Transfer Protocol)に基づく前記データリストの送信要求が前記第2の処理部に送信されるリスト送信要求ステップと、
前記第2の処理部により、前記第2の信号線を通じて前記リスト作成ステップで作成されたデータリストが前記第1の処理部に送信されるリスト送信ステップと、
を含む、撮像装置におけるデータ伝送方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−87797(P2010−87797A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253972(P2008−253972)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】