説明

撮像装置および制御プログラム

【課題】撮像装置と共に動作するGPS受信機の実効的稼働時間を長くする。
【解決手段】全地球測位システム受信機から受信した測位情報を、撮像した画像情報に関連付けて保存する撮像装置であって、撮像装置が外部から操作を受けることなく経過した時間が、予め設定された設定時間を越えた場合に全地球測位システム受信機への電力の供給を絶つタイマと、有効な測位情報を獲得した後に有効な測位情報を獲得できない状態になった場合は全地球測位システム受信機が衛星情報を受信するに足る第一設定時間をタイマに設定し、有効な測位情報を獲得できない状態の後に有効な測位情報を獲得した場合は第一設定時間よりも短い第二設定時間をタイマに設定する設定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、全地球測位システム受信機(以下、「GPS受信機」と記載する)から獲得した測位情報を、画像情報に関連付けて保存するカメラが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開平04−078506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カメラには、外部から操作を受けることなく経過した時間が長くなると自動的に休止状態になるものがある。カメラが休止状態になった場合、カメラに内蔵あるいは装着されたGPS受信機への電力供給も遮断される。このため、GPS受信機がエフェメリスデータを更新できず、有効なGPSデータの取得に時間がかかる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の第一態様として、全地球測位システム受信機(286)から受信した測位情報を、撮像した画像情報に関連付けて保存する撮像装置(100)であって、撮像装置が外部から操作を受けることなく経過した時間が、予め設定された設定時間を越えた場合に全地球測位システム受信機への電力の供給を絶つタイマ(262)と、有効な測位情報を獲得した後に有効な測位情報を獲得できない状態になった場合は全地球測位システム受信機が衛星情報を受信するに足る第一設定時間をタイマに設定し、有効な測位情報を獲得できない状態の後に有効な測位情報を獲得した場合は第一設定時間よりも短い第二設定時間をタイマに設定する設定部(264)とを備える撮像装置が供給される。
【0005】
また、本発明の第二態様として、全地球測位システム受信機から受信する測位情報を、撮像した画像情報に関連付けて保存する撮像装置を制御する制御プログラムであって、有効な測位情報を獲得した後に有効な測位情報を獲得できない状態になった場合に、全地球測位システム受信機が衛星情報を受信するに足る第一設定時間をタイマに設定するステップと、有効な測位情報を獲得できない状態の後に有効な測位情報を獲得した場合は第一設定時間よりも短い第二設定時間をタイマに設定するステップと、撮像装置が外部から操作を受けることなく、タイマが第一設定時間または第二設定時間を計時した場合に、全地球測位システム受信機への電力の供給を絶つステップとを備える制御プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】カメラ100全体の斜視図である。
【図2】カメラ100の内部機構200を示すブロック図である。
【図3】制御部206による制御手順を示す流れ図である。
【図4】制御部206による制御手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。しかしながら、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、カメラ100の斜視図である。カメラ100は、筐体110、撮像レンズ120、シャッタレリーズボタン130、モードダイアル140、電源スイッチ150およびGPSアンテナ160を備える。
【0009】
カメラ100において、多くの要素は筐体110の内部に収容されているが、筐体110の前面には、撮像レンズ120が現れている。撮像レンズ120は、筐体110の前方に位置する被写体の光像を、筐体110内部に収容されたイメージセンサの受光面に結ばせる。これにより、カメラ100は、被写体の光像を電気信号に変換して処理および保存することができる。
【0010】
筐体110の上面には、シャッタレリーズボタン130、モードダイアル140および電源スイッチ150が配される。電源スイッチ150は、筐体110の内部において、カメラ100の各部と電源との間を接続または遮断する。多くの場合は、ユーザがボタン状の電源スイッチ150を押し下げることにより動作するが、後述するように、カメラ100の制御部が電源を切る場合もある。
【0011】
シャッタレリーズボタン130は、カメラ100の電源が投入された状態で押し下げられた場合に、筐体110内部のシャッタを開いてイメージセンサを露光する。これにより、光像がイメージセンサに投影され、電気信号に変換される。
【0012】
また、シャッタレリーズボタン130は、押し下げの途中で投入される半押し接点を更に備える。この半押し接点により、シャッタレリーズボタン130を僅かに押し下げた段階で、シャッタの開放に先立って、露出、合焦等の予備動作を実行させることができる。また、シャッタレリーズボタン130を半押しすることにより、撮像はしないまでも、カメラ100に対する操作が継続されていることがカメラ100の制御部に通知される。
【0013】
モードダイアル140は、回転させた場合に複数の接点のいずれかが導通する。これにより、カメラ100の複数の動作モードからひとつを選択して設定することができる。設定する動作モードには、自動露出、シャッタ優先、絞り優先、動画撮像等の撮像動作モードの他、撮像画像の再生、撮像画像の加工、内蔵GPS受信機を有効にする等の、撮像以外の動作モードが含まれる場合もある。
【0014】
GPSアンテナ160は、例えばマイクロストリップ線路により形成されたアンテナ素子を含む。GPSアンテナ160は、筐体110に対して上方に感度を有し、中軌道を周回するナヴスター(NAVSTAR)衛星が発信する1.57542GHzの電磁波を受信する。
【0015】
図2は、カメラ100の内部機構200を示すブロック図である。内部機構200は、撮像部202、信号処理部204、制御部206および入出力部208を有する。
【0016】
撮像部202は、光学系221、焦点調節部222、露出調節部224、タイミングジェネレータ226、イメージセンサ227およびA/D変換部229を含む。光学系221は、撮像レンズ120の他、アイリスユニット223、シャッタ225等を含む。
【0017】
焦点調節部222は、光学系221に含まれるレンズの一部を移動させながら光像の空間周波数を監視して、撮像レンズ120の合焦位置を検出する。露出調節部224は、図示していない測光部が算出した露出制御値に応じて、アイリスユニット223の開口径、シャッタ225の開放時間、イメージセンサ227の感度等を変化させる。これにより、イメージセンサ227に入射する光像の光量が適正化される。
【0018】
イメージセンサ227は、受光した光像に応じて画素毎に電荷を蓄積する。A/D変換部229は、タイミングジェネレータ226から供給されるタイミング信号に従ってイメージセンサ227から読み出した電気信号を離散化する。これにより、光学系221により結ばれた光像は、デジタル処理できる電気信号に変換される。
【0019】
信号処理部204は、画像処理部242、圧縮部244、メインメモリ246およびイメージメモリ248を含む。イメージメモリ248は、デジタル信号化された画像情報を一時的に格納すると共に、画像処理部242による画像処理の作業領域となる。画像処理部242は、画像情報に対する画像処理を実行する。画像後処理は、明度、色、歪み等の補正の他、種々のフィルタ効果、階調補正等を含む。
【0020】
圧縮部244は、イメージメモリ248に格納された画像情報を規格に応じて圧縮して静止画ファイルを生成する。メインメモリ246は、画像ファイル化された画像情報を保持する。
【0021】
入出力部208は、入力受付部281、表示駆動部282、表示部283、記録媒体284およびGPS受信機286を含む。入力受付部281は、電源スイッチ150、モードダイアル140またはシャッタレリーズボタン130を通じて、カメラ100に対するユーザの操作を検知する。検知した操作は、制御部206に通知され、制御部206は操作に応じた動作を、内部機構200の各部に実行させる。
【0022】
表示駆動部282は、制御部206から受け取ったユーザに通知すべき情報を映像化して、表示部283に出力する。表示部283に表示される映像は、イメージセンサ227が受光した光像、カメラ100の各種設定項目、電池、記録媒体284等の残量等を含む。なお、表示部283は、例えば、筐体110の背面に配された液晶表示板等により形成される。
【0023】
記録媒体284は、筐体110に内蔵され、筐体110から着脱される場合もある。多くの場合、容量の大きなフラッシュメモリ等を備え、メインメモリ246に格納された画像ファイルを保存する。また、画像処理部242による処理に供する目的で、記録媒体284から画像ファイルを読み出して、メインメモリ246に格納することもできる。
【0024】
GPS受信機286は、GPSアンテナ160を通じて複数のナヴスター衛星からの電波を受信する。受信する電波から測位情報を抽出する。抽出された測位情報は、電波の受信状況等を表す情報と共に、NMEA等の規格化された文字列として制御部206に出力される。
【0025】
制御部206は、上記した内部機構200の一連の動作を包括的に制御する。例えば、制御部206は記録制御部268を含む。記録制御部268は、メインメモリ246および記録媒体284の間のファイル転送を制御する。
【0026】
また、記録制御部268は、GPS受信機286が出力する文字列から抽出した測位情報を、撮像時刻に基づいて画像ファイルに関連付け、画像ファイルの中に埋め込む。これにより、画像ファイルを例えば地図情報と照合して、画像を地図上の撮影位置に表示させることができる。
【0027】
更に、記録制御部268は、半押しタイマ262、設定部264およびフラグ領域266を含む。半押しタイマ262は、設定部264により設定されたカウント値を計時して、カウント値を計時し切ると、カメラ100を休止状態にする。休止状態のカメラ100では、表示部283の照明等が消灯され、電力消費が抑制される。また、GPS受信機286への電力供給も遮断する。
【0028】
なお、シャッタレリーズボタン130が半押しされたことを入力受付部281が検知した場合、半押しタイマ262はリセットされ、設定されているカウント値を改めて計時し始める。これにより、ユーザが長時間にわたってカメラ100を操作しない場合は、電源が遮断され、カメラ100の待機電力の消費を抑制できる。
【0029】
設定部264は、フラグ領域266にフラグがセットされているか否かを参照して、半押しタイマ262に設定する設定時間を選択する。フラグ領域266にセットされるフラグの意味については図4を参照して後述する。
【0030】
図3は、制御部206による内部機構200の制御手順を示す流れ図である。カメラ100の電源スイッチ150が投入されると、制御部206は、起動処理を実行する(S101)。これにより、例えば、半押しタイマ262設定時間および計時がリセットされて初期値に戻される。設定時間の初期は、例えば、カウント値1とする。また、起動処理により、後述するフラグ領域266のフラグもリセットされる。
【0031】
次に、制御部206は、半押しタイマ262に設定時間の計時を開始させる。ここでは、半押しタイマ262は、初期値として設定されたカウント値1に向かって計時を開始する(S102)。なお、カウント値1は、カメラ100における半押しタイマ262のデフォルト値であり、例えば、GPS受信機286を備えていない、あるいは、GPS受信機286が装着されていないカメラ100においても有効な、比較的短い値が選ばれている。
【0032】
次に、制御部206は、GPS受信機286からGPSデータを取得する処理を開始する(S103)。また、制御部206は、カメラ100に、GPS受信機286が接続されているか否かを調べる(S104)。カメラ100にGPS受信機286が接続されていない場合(S104:NO)、即ち、カメラ100がGPS受信機286を内蔵しておらず、また、外部にも装着されていない場合、半押しタイマ262がカウント値1を計時しているか否かを調べる(S106)。
【0033】
半押しタイマ262がカウント値1を計時中ではないことが判った場合(つまりカウント値2が掲示中である場合。S106:NO)、制御部206は、半押しタイマ262にカウント値1を設定して(S107)、計時を開始させる(S108)。続いて、制御部206は、カメラ100に対する外部からの操作の有無を入力受付部281に問い合わせる(S111)。半押しタイマ262が既にカウント値1を計時していることが判った場合(S106:YES)、制御部206は、直ぐに、カメラ100に対する外部からの操作の有無を入力受付部281に問い合わせる(S111)。
【0034】
カメラ100への操作があった場合、制御部206は、当該操作に対応した動作をカメラ100に実行させ(S112)タイマ262の計時をリセットしカウントを開始し、更に、制御手順を、再びGPSデータ取得処理に戻す(S103)。一方、カメラ100への操作がなかった場合(S111:NO)、制御部206は、半押しタイマ262が設定されているカウント値1又はカウント値2までの計時が終了しているか否かを調べる(S113)。
【0035】
半押しタイマ262が設定されているカウント値1またはカウント値2までの計時を終了してた場合(S113:YES)、制御部206は、カメラ100を休止状態に移行させる(S114)。また、半押しタイマ262が設定されているカウント値1またはカウント値2まで達っしていない場合(S113:NO)、制御部206は、制御手順を、再びGPSデータ取得処理に戻す(S103)。
【0036】
ここまでの一連の制御手順は、半押しタイマ262を備え、且つ、GPS受信機286を備えていないカメラ100と共通になる。これに対して、手順S104において、GPS受信機286が接続されていることが判明した場合(S104:YES)、制御部206は、GPS受信機286から取得したGPSデータが有効であるか否かを調べる(S105)。
【0037】
取得したGPSデータが有効な場合(S105:YES)、制御部206は、半押しタイマ262がカウント値1を計時中か否かを調べる(S106)。以降の制御手順は、カメラ100にGPS受信機286が接続されていなかった場合(S104:NO)と同じになる。即ち、制御部206は、半押しタイマ262の計時が終了する(S113:YES)まで、カメラ100に対する操作があったか否かを調べ(S111)、操作があった場合は対応する(S111:YES)。
【0038】
取得したGPSデータが有効ではなかった場合(S105:NO)、制御部206は、半押しタイマ262がカウント値2を計時中か否かを調べる(S109)。ここで、半押しタイマ262が、既にカウント値2を計時中であった場合(S109:YES)、制御部206は、制御部206は、カメラ100に対する外部からの操作の有無を入力受付部281に問い合わせる(S111)。
【0039】
また、ステップS109において半押しタイマ262が、カウント値2を計時中ではなかった場合(つまり、カウント値1を掲示中であった場合。S109:NO)、制御部206は、半押しタイマ262にカウント値2を設定して(S110)、カウント値2の計時を開始させる(S108)。続いて、制御部206は、カメラ100に対する外部からの操作の有無を入力受付部281に問い合わせる(S111)。
【0040】
以降の制御手順は、カメラ100にGPS受信機286が接続されていなかった場合(S104:NO)と同じになる。ただし、この場合、半押しタイマ262はカウント値2を計時しているので、半押しタイマ262が計時を終了するまでには、カウント値1の場合よりも長い時間がかかる。
【0041】
ここで、カウント値2は、GPS受信機286が、例えばコールドスタート時において有効な位置情報の受信を完了することができる程度に長い時間が設定される。これにより、GPS受信機286は、有効な位置情報を算出する前にカメラが休止状態となり位置情報の算出が中断される可能性を低減できる。また、GPS受信機286から取得するGPSデータが有効な場合(S105:YES)、半押しタイマ262に設定するカウント値はカウント値2より短いカウント値1となる。これにより、GPSデータが有効な場合、カメラ100はより早い時期に休止状態になるので、電力の消費を抑制できる。
【0042】
上記のような一連の制御手順により、動作を開始して有効なGPSデータを獲得し続けていた制御部206が有効なGPSデータを受信できなくなった場合に、制御部206は、半押しタイマ262にカウント値2を設定して計時させる。これにより、半押しタイマ262は、より長い時間まで計時を継続してGPS受信機286に電力を供給し続ける。従って、GPS受信機286は、有効な位置情報の算出に時間がかかる場合であっても有効な位置情報の算出前に電源供給が絶たれて算出が不能となる可能性を低減できる。
【0043】
なお、ステップS105においてGPSデータが有効か否かを調べる方法としては、例えば、GPS受信機286が発生するNMEA文字列を解釈する方法が例示できる。即ち、例えば、NMEA文字列の$GPGSAは、測位情報の一部として、GPS受信機286の受信状態を示す「モード」を含んでいる。従って、モードの値に応じて、GPSデータが有効か否かを知ることができる。
【0044】
また、上記のような一連の制御手順は、記録媒体に記録された制御プログラムのファイルとして提供され、当該記録媒体をカメラ100に装着することにより制御部206に実行されてもよい。また、一連の制御手順は、制御プログラムのファイルとして通信回線等を通じて転送されて、制御部206にロードして実行されてもよい。
【0045】
図4は、制御部206による内部機構200の制御手順を示す流れ図である。図4において、図3と共通のステップには同じ参照番号を付して、異なるステップを中心に説明する。
【0046】
GPS受信機286が接続されている(S104:YES)にもかかわらずGPSデータが有効ではないない場合(S105:NO)が生じると、制御部206は、フラグ領域266にフラグがセットされているか否かを調べる(S115)。なお、フラグ領域266は、起動処理(S101)においてリセットされ、後述のステップS116にてセットされる。
【0047】
フラグ領域266にフラグがセットされていない場合(S115:NO)、制御部206は、フラグ領域266にフラグをセットし(S116)、次いで、半押しタイマ262にカウント値2をセットする(S116)。そして半押しタイマ262がカウント値2の計時を開始(S108)してカメラ100の操作の有無に応じた制御部206の制御手順(S111)の制御へ移る。
【0048】
カメラ100への操作があった場合(ステップS111:YES)、制御部206は、当該操作に対応した動作をカメラ100に実行させ(S118)、半押しタイマ262の計時がカウント値1でカウントしている場合は半押しタイマ262のカウントをリセットしカウントを開始し、半押しタイマ262の計時がカウント値2でカウントされている場合は半押しタイマ262のカウントのリセットはせずに、制御手順を、再びGPSデータ取得処理に戻す(S103)。
【0049】
一方、カメラ100への操作がなかった場合(S111:NO)、制御部206は、半押しタイマ262が設定されているカウント値1の計時が終了しているか否かを調べる(S119)。
【0050】
半押しタイマ262がカウント値1に設定されており、且つ、カウント値1までの計時を終了していた場合(S119:YES)、制御部206は、カメラ100を休止状態に移行させる(S114)。また、半押しタイマ262が設定されているカウント値1まで達っしていない場合または半押しタイマ262がカウント値2に設定されている場合は(S119:NO)、制御部206は、制御手順を、再びGPSデータ取得処理に戻す(S103)。
【0051】
フラグ領域266にフラグがセットされていた場合(S115:YES)、制御部206は、計時中の設定値がカウント値1であるか否かを調べる(S106)。もし、計時中の設定値がカウント値1でない場合(つまり、カウント値2が計時中である場合)は、半押しタイマ262がカウント値2までの計時を終了しているか否かを判定し(S117)、計時を終了している場合(S117:YES)は半押しタイマ262にカウント値1を設定し(S107)計時を開始する(S108)。計時を終了していいない場合(S117:NO)は、制御部206は、カメラ100に対する外部からの操作の有無を入力受付部281に問い合わせ(S111)を行なう。
【0052】
上記のような一連の制御手順により、カメラが休止状態又は電源オフ状態から起動した際に、少なくともカウント値2の時間(コールドスタートから有効な位置情報の算出が可能な程度の時間)がたつまではカメラは休止状態とはならないため、有効な位置情報の取得の算出中に電源供給が絶たれて当該位置情報の算出が中断される可能性を低減することができる。
【0053】
また、カウント値2の計時が終了した後は、通常のカウント値1による計時が開始され、以後はカウント値2による計時は行なわない。
【0054】
これにより、例えば、建物の中などGPS情報を取得および位置情報の算出が何時までたっても不能な場所で電源を入れた(休し状態から復帰した)場合に、不必要に長いカウント値2で半押しタイマ262がカウントされ、無駄に電力を消費することを防止できる。
【0055】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0056】
100 カメラ、110 筐体、120 撮像レンズ、130 シャッタレリーズボタン、140 モードダイアル、150 電源スイッチ、160 GPSアンテナ、200 内部機構、202 撮像部、204 信号処理部、206 制御部、208 入出力部、221 光学系、222 焦点調節部、223 アイリスユニット、224 露出調節部、225 シャッタ、226 タイミングジェネレータ、227 イメージセンサ、229 A/D変換部、242 画像処理部、244 圧縮部、246 メインメモリ、248 イメージメモリ、262 半押しタイマ、264 設定部、266 フラグ領域、268 記録制御部、281 入力受付部、282 表示駆動部、283 表示部、284 記録媒体、286 GPS受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全地球測位システム受信機から受信した測位情報を、撮像した画像情報に関連付けて保存する撮像装置であって、
前記撮像装置が外部から操作を受けることなく経過した時間が、予め設定された設定時間を越えた場合に前記全地球測位システム受信機への電力の供給を絶つタイマと、
有効な測位情報を獲得した後に有効な測位情報を獲得できない状態になった場合は前記全地球測位システム受信機が衛星情報を受信するに足る第一設定時間を前記タイマに設定し、有効な測位情報を獲得できない状態の後に有効な測位情報を獲得した場合は前記第一設定時間よりも短い第二設定時間を前記タイマに設定する設定部と
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記測位情報に含まれる文字列を解釈して測位情報を有効と判断する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記文字列に含まれる受信モード情報を解釈して測位情報を有効と判断する請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記第一設定時間が一旦設定された後は、前記測位情報が有効か否かにかかわらず、前記第二設定時間を前記タイマに設定する請求項1から請求項3までのいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記全地球測位システム受信機は、前記タイマおよび前記設定部と共通の筐体に収容される請求項1から請求項4までのいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
全地球測位システム受信機から受信する測位情報を、撮像した画像情報に関連付けて保存する撮像装置を制御する制御プログラムであって、
有効な測位情報を獲得した後に有効な測位情報を獲得できない状態になった場合に、前記全地球測位システム受信機が衛星情報を受信するに足る第一設定時間をタイマに設定するステップと、
有効な測位情報を獲得できない状態の後に有効な測位情報を獲得した場合は前記第一設定時間よりも短い第二設定時間を前記タイマに設定するステップと、
前記撮像装置が外部から操作を受けることなく、前記タイマが前記第一設定時間または第二設定時間を計時した場合に、前記全地球測位システム受信機への電力の供給を絶つステップと
を備える制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−172193(P2011−172193A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36650(P2010−36650)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】