説明

撮像装置及び撮像素子制御方法

【課題】撮像素子に備えられる複数の撮像画素の一部を焦点検出用の1対の撮像画素として利用する場合において、それら撮像画素からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算して撮像素子から読み出す場合であっても、撮像レンズのデフォーカス量を求めることができなくなることを防止する。
【解決手段】原画像を生成するために必要な画素信号の数が変更される場合、複数の撮影用撮像画素17からそれぞれ出力される画素信号同士を加算することにより得られる画素信号と、焦点検出用撮像画素(21)、(25)、(41)、(45)からそれぞれ出力される画素信号同士を加算するとともに、焦点検出用撮像画素(23)、(27)、(43)、(47)からそれぞれ出力される画素信号同士を加算することにより得られる1対の画素信号とを用いて原画像を生成し、その1対の画素信号によりデフォーカス量を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートフォーカス機能を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オートフォーカス機能を実現するための手法は、大きく2種類に分類される。
【0003】
すなわち、撮像素子の出力の高周波成分の評価値が最も大きくなる撮像レンズの位置を合焦位置とするコントラスト検出手法と、光学系からの光束を2分割し、その2分割した光束を1対の焦点検出用センサで受光し、その1対の焦点検出用センサから出力される信号のそれぞれの瞳の中心を基準とする位相差に基づいてデフォーカス量を求め、そのデフォーカス量がゼロになる光学系の位置を合焦位置とする位相差検出手法とがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
コントラスト検出手法は、位相差検出手法に比べて、光学系の他に焦点検出用センサを備える必要が無いため、コストや体格の増大を抑えることができるが、評価値が最大になるまで少しずつ光学系を動かす必要があるため、合焦位置を求めるまでに時間がかかってしまう。
【0005】
一方、位相差検出手法は、コントラスト検出手法に比べて、焦点検出用センサの出力により直接デフォーカス量を求めることができるため、合焦位置を求めるまでにかかる時間を短縮することができるが、光学系の他に焦点検出用センサを備える必要があるため、コストや体格が増大してしまう。
【0006】
そこで、両方の手法の欠点を補うために、撮像素子に備えられる複数の撮像画素のうちの一部の撮像画素を位相差検出手法における1対の焦点検出用センサとして利用することが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−003122号公報
【特許文献2】特開2000−156823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、撮像素子に備えられる複数の撮像画素のうちの一部の撮像画素を位相差検出手法における1対の焦点検出用センサとして利用する場合では、位相差の検出精度を落とさないために焦点検出用の1対の撮像画素同士ができるだけ近接している必要がある。そのため、静止画撮影可能な撮像素子の出力を用いて動画を得たい場合や連写スピードを上げたい場合などの理由で撮像素子内の複数の撮像画素から出力される画素信号を互いに加算することにより画素信号の数を減らして撮像素子から読み出す際、その焦点検出用の1対の撮像画素からそれぞれ出力される画素信号同士が加算されてしまうおそれがある。そして、焦点検出用の1対の撮像画素からそれぞれ出力される画素信号同士が加算されてしまうと、その加算後の画素信号の位相差はほぼゼロになってしまうため、デフォーカス量を求めることができなくなってしまうという問題がある。
【0009】
そこで、本発明では、撮像素子に備えられる複数の撮像画素の一部を焦点検出用の1対の撮像画素として利用する場合において、それら撮像画素からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算して撮像素子から読み出す場合であっても、撮像レンズのデフォーカス量を求めることができなくなることを防止することが可能な撮像装置及び撮像素子制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の撮像装置は、撮像レンズと、瞳分割光学系と、撮像素子と、焦点検出手段と、焦点制御手段と、画像処理手段と、焦点検出画素検出手段と、撮像制御手段とを備える。
【0011】
前記撮像レンズは、被写体からの光を集光する。
【0012】
前記瞳分割光学系は、前記撮像レンズにより集光される光を複数の異なる瞳にそれぞれ通過させて分割する。
【0013】
前記撮像素子は、いわゆる単板型カラー撮像素子であり、前記撮像レンズにより集光される光を受光する撮影用撮像画素と、前記瞳分割光学系により分割される複数の光をそれぞれ受光する1組の焦点検出用撮像画素とを備え、複数の前記撮影用撮像画素及び複数の前記1組の焦点検出用撮像画素からそれぞれ出力される画素信号を用いて原画像を生成する。
【0014】
前記焦点検出手段は、前記1組の焦点検出用撮像画素のうちの第1の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号と前記1組の焦点検出用撮像画素のうちの第2の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号とに基づいて、前記撮像レンズのデフォーカス量を求める。
【0015】
前記焦点制御手段は、前記焦点検出手段により求められるデフォーカス量がゼロになるように前記撮像レンズの位置を制御する。
【0016】
前記画像処理手段は、前記撮像素子により生成される原画像を画像処理することによりカラー画像を生成する。
【0017】
前記焦点検出画素検出手段は、前記複数の焦点検出用撮像画素のそれぞれの位置を示す焦点検出用撮像画素位置情報を出力する。
【0018】
前記撮像制御手段は、前記原画像を生成するために必要な画素信号の数が変更される場合、前記複数の撮影用撮像画素からそれぞれ出力される画素信号同士を加算することにより得られる画素信号と、前記焦点検出画素検出手段から出力される前記焦点検出用撮像画素位置情報に基づいて、前記第1の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号同士を加算するとともに、前記第2の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号同士を加算することにより得られる1対の画素信号とを用いて前記原画像を生成するように、前記撮像素子の動作を制御する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、オートフォーカス機能を有する撮像装置において、撮像素子に備えられる複数の撮像画素の一部を焦点検出用の1対の撮像画素として利用する場合において、それら撮像画素からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算して撮像素子から読み出す場合であっても、撮像レンズのデフォーカス量を求めることができなくなることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態の撮像装置を示す図である。
【図2】撮像素子の一例を示す図である。
【図3】受光部の一例を示す図である。
【図4A】図3に示す破線枠内の受光部の拡大図である。
【図4B】図4Aに示す破線A−Aで受光部を切ったときの断面図である。
【図5】水平走査部及び画素信号保持部の一例を示す図である。
【図6】撮像装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】画素信号の出力タイミング、画素信号保持部における各スイッチのオン、オフのタイミング、及び水平走査部における各スイッチのオン、オフのタイミングを示す図である。
【図8】水平走査部及び画素信号保持部の他の例を示す図である。
【図9】画素信号の出力タイミング、画素信号保持部における各スイッチのオン、オフのタイミング、及び水平走査部における各スイッチのオン、オフのタイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の実施形態の撮像装置を示す図である。
【0022】
図1に示す撮像装置1は、撮像レンズ2と、瞳分割光学系3と、撮像素子4と、画像処理部5と、記録部6と、表示部7と、焦点検出部8(焦点検出手段)と、焦点制御部9(焦点制御手段)と、撮影モード設定部10(例えば、ボタンやダイヤルなど)と、撮像装置制御部11(例えば、CPUなど)と、焦点検出画素検出部12(例えば、RAMやROMなどのメモリ)と、撮像制御部13(撮像制御手段)とを備える。
【0023】
撮像素子4は、いわゆる単板型カラー撮像素子であり、受光部14と、画素加算部15と、加算制御部16とを備える。
【0024】
受光部14は、複数の撮影用撮像画素17と、複数の1組の焦点検出用撮像画素18とを備える。なお、撮像素子4は、例えば、ライン単位で画素の蓄積制御が行われるX−Yアドレス型撮像素子(例えば、CMOSセンサ)とする。
【0025】
加算制御部16は、撮影用撮像画素加算制御部19と、焦点検出用撮像画素加算制御部20とを備える。
【0026】
画像処理部5は、撮像素子4から読み出される単板カラー原画像を構成するR/G/B画素の空間的な欠落情報を補間したカラー画像を生成する画素補間部21を備える。
【0027】
記録部6は、画像処理部5により生成されるカラー画像を記録する。
【0028】
表示部7は、画像処理部5により生成されるカラー画像を表示する。
【0029】
焦点検出部8は、1対の焦点検出用撮像画素18からそれぞれ出力される画素信号の各位相差に基づいて、撮像レンズ2のデフォーカス量を求める。
【0030】
焦点制御部9は、焦点検出部8により求められるデフォーカス量がゼロになるように、撮像レンズ2の位置を制御する。これにより、位相差検出手法によるオートフォーカス機能を実現することができる。
【0031】
図2は、撮像素子4の一例を示す図である。なお、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付している。
【0032】
図2に示す撮像素子4は、受光部14と、画素加算部15と、加算制御部16と、垂直走査部22と、水平走査部23とを備える。なお、画素加算部15は、画素信号保持部24を備える。また、説明を簡単にするために、受光部14は8×8の撮像画素が備えられているものとする。
【0033】
図3は、受光部14の一例を示す図である。
【0034】
図3に示す受光部14は、8×8の撮像画素(11)〜(88)を備えて構成され、いわゆるベイヤー配列(R(レッド)、Gr(グリーン)、Gb(グリーン)、B(ブルー))のカラーフィルタを介して撮像レンズ2により結像される被写体像を受光する。なお、受光部14の画素配列はベイヤー配列に限らない。
【0035】
本実施形態の撮像装置1では、撮像画素(11)〜(88)のうち、Gbのカラーフィルタに位置する撮像画素(21)、(23)、(25)、(27)、(41)、(43)、(45)、(47)、(61)、(63)、(65)、(67)、(81)、(83)、(85)、(87)を焦点検出用撮像画素18とし、残りの撮像画素を撮影用撮像画素17とする。
【0036】
図4Aは、図3に示す破線枠内の受光部14を拡大した模式図であり、図4Bは、図4Aの模式図に示す破線A−Aで受光部14を切ったときの断面図である。
【0037】
例えば、図4Bに示すように、瞳分割光学系3は、受光部14の撮影用撮像画素17や焦点検出用撮像画素18のそれぞれの上に配置される複数のマイクロレンズ25と、それらマイクロレンズ25と受光部14との間に設けられる遮光マスク26とを備える。
【0038】
撮影用撮像画素17(例えば、撮像画素(22)、(24))は、マイクロレンズ25により集められる光を遮光マスク26に遮られることなく受光する。
【0039】
1組の焦点検出用撮像画素18(例えば、撮像画素(21)、(23)、(41)、(43))は、それぞれ、マイクロレンズ25により集められる光のうち遮光マスク26により遮られない光を受光する。すなわち、1組の焦点検出用撮像画素18の上に配置される遮光マスク26の各開口部をそれぞれマイクロレンズ25の中心に対して偏心させている。例えば、撮像画素(21)の上の遮光マスク26の開口部は撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの右上部分に相当し、撮像画素(23)の上の遮光マスク26の開口部は撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの左上部分に相当し、撮像画素(41)の上の遮光マスク26の開口部は撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの右下部分に相当し、撮像画素(43)の上の遮光マスク26の開口部は撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの左下部分に相当する。この場合、焦点検出部8は、1対の焦点検出用撮像画素(21)、(23)(第1及び第2の焦点検出用撮像画素)からそれぞれ出力される画素信号の各位相差、1対の焦点検出用撮像画素(21)、(41)(第1及び第2の焦点検出用撮像画素)からそれぞれ出力される画素信号の各位相差、又は1対の焦点検出用撮像画素(21)、(43)(第1及び第2の焦点検出用撮像画素)からそれぞれ出力される画素信号の各位相差に基づいて、デフォーカス量を求めることができる。
【0040】
なお、焦点検出用撮像画素18は、R、Gb、Bの何れかのカラーフィルタに位置する撮像画素としてもよい。
【0041】
また、焦点検出用撮像画素18の上に配置される遮光マスク26の開口部の位置は、上述した位置に限定されない。例えば、撮像画素(21)の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの右下部分に相当し、撮像画素(23)の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの左下部分に相当し、撮像画素(41)の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの右上部分に相当し、撮像画素(43)の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの左上部分に相当するようにしてもよい。例えば、撮像画素(21)の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの右上部分に相当し、撮像画素(23)の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの左下部分に相当し、撮像画素(41)の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの左上部分に相当し、撮像画素(43)の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を十字に4等分したうちの右下部分に相当するようにしてもよい。
【0042】
1対の焦点検出用撮像画素18のうちの一方の焦点検出用撮像画素18の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を縦に2等分したうちの右半分に相当し、他方の焦点検出用撮像画素18の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を縦に2等分したうちの左半分に相当する場合、受光部14内において、垂直方向に隣り合う1対の焦点検出用撮像画素18や斜め方向に隣り合う1対の焦点検出用撮像画素18をデフォーカス量を求めるための1対の焦点検出用撮像画素18として使用することができない。また、1対の焦点検出用撮像画素18のうちの一方の焦点検出用撮像画素18の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を横に2等分したうちの上半分に相当し、他方の焦点検出用撮像画素18の上の遮光マスク26の開口部が撮影用撮像画素17の上の遮光マスク26の開口部を横に2等分したうちの下半分に相当する場合、受光部14内において、水平方向に隣り合う1対の焦点検出用撮像画素18や斜め方向に隣り合う1対の焦点検出用撮像画素18をデフォーカス量を求めるための1対の焦点検出用撮像画素18として使用することができない。
【0043】
一方、本実施形態の撮像装置1では、上述したように、受光部14内において、水平方向に隣り合う1対の焦点検出用撮像画素18の上の遮光マスク26のそれぞれの開口部の位置がマイクロレンズ25の中心に対して右斜め上及び左斜め上に偏心し、垂直方向に隣り合う1対の焦点検出用撮像画素18の上の遮光マスク26のそれぞれの開口部の位置がマイクロレンズ25の中心に対して右斜め上及び右斜め下に偏心し、斜め方向に隣り合う1対の焦点検出用撮像画素18の上の遮光マスク26のそれぞれの開口部の位置がマイクロレンズ25の中心に対して右斜め上及び左斜め下に偏心している。そのため、受光部14内において、水平方向に隣り合う1対の焦点検出用撮像画素18、垂直方向に隣り合う1対の焦点検出用撮像画素18、及び斜め方向に隣り合う1対の焦点検出用撮像画素18をデフォーカス量を求めるための1対の焦点検出用撮像画素18として使用することができる。
【0044】
図5は、水平走査部23及び画素信号保持部24の一例を示す図である。
【0045】
図5に示す水平走査部23は、スイッチSh1〜Sh8を備える。
【0046】
また、図5に示す画素信号保持部24は、スイッチSa1〜Sa8と、コンデンサCa1〜Ca8と、スイッチSb1〜Sb8と、コンデンサCb1〜Cb8と、スイッチSc1〜Sc8と、コンデンサCc1〜Cc8と、スイッチSd1〜Sd8と、コンデンサCd1〜Cd8と、スイッチSw1〜Sw7と、垂直読出し線H1〜H8とを備える。なお、垂直読出し線H1は撮像画素(11)、(21)、(31)、(41)、(51)、(61)、(71)、(81)に接続される。垂直読み出し線H2は撮像画素(12)、(22)、(32)、(42)、(52)、(62)、(72)、(82)に接続される。垂直読出し線H3は撮像画素(13)、(23)、(33)、(43)、(53)、(63)、(73)、(83)に接続される。垂直読出し線H4は撮像画素(14)、(24)、(34)、(44)、(54)、(64)、(74)、(84)に接続される。垂直読出し線H5は撮像画素(15)、(25)、(35)、(45)、(55)、(65)、(75)、(85)に接続される。垂直読出し線H6は撮像画素(16)、(26)、(36)、(46)、(56)、(66)、(76)、(86)に接続される。垂直読出し線H7は撮像画素(17)、(27)、(37)、(47)、(57)、(67)、(77)、(87)に接続される。垂直読出し線H8は撮像画素(18)、(28)、(38)、(48)、(58)、(68)、(78)、(88)に接続される。
【0047】
スイッチSh1〜Sh8のそれぞれの一方端は互いに接続されるとともに、撮像素子4の出力として後段の画像処理部5に接続される。
【0048】
スイッチSh1の他方端は垂直読出し線H1に接続され、スイッチSh2の他方端は垂直読出し線H2に接続され、スイッチSh3の他方端は垂直読出し線H3に接続され、スイッチSh4の他方端は垂直読出し線H4に接続され、スイッチSh5の他方端は垂直読出し線H5に接続され、スイッチSh6の他方端は垂直読出し線H6に接続され、スイッチSh7の他方端は垂直読出し線H7に接続され、スイッチSh8の他方端は垂直読出し線H8に接続される。
【0049】
スイッチSa1、Sb1、Sc1、Sd1のそれぞれの一方端は垂直読出し線H1に接続され、スイッチSa1、Sb1、Sc1、Sd1のそれぞれの他方端はコンデンサCa1、Cb1、Cc1、Cd1に接続される。スイッチSa2、Sb2、Sc2、Sd2のそれぞれの一方端は垂直読出し線H2に接続され、スイッチSa2、Sb2、Sc2、Sd2のそれぞれの他方端はコンデンサCa2、Cb2、Cc2、Cd2に接続される。スイッチSa3、Sb3、Sc3、Sd3のそれぞれの一方端は垂直読出し線H3に接続され、スイッチSa3、Sb3、Sc3、Sd3のそれぞれの他方端はコンデンサCa3、Cb3、Cc3、Cd3に接続される。スイッチSa4、Sb4、Sc4、Sd4のそれぞれの一方端は垂直読出し線H4に接続され、スイッチSa4、Sb4、Sc4、Sd4のそれぞれの他方端はコンデンサCa4、Cb4、Cc4、Cd4に接続される。スイッチSa5、Sb5、Sc5、Sd5のそれぞれの一方端は垂直読出し線H5に接続され、スイッチSa5、Sb5、Sc5、Sd5のそれぞれの他方端はコンデンサCa5、Cb5、Cc5、Cd5に接続される。スイッチSa6、Sb6、Sc6、Sd6のそれぞれの一方端は垂直読出し線H6に接続され、スイッチSa6、Sb6、Sc6、Sd6のそれぞれの他方端はコンデンサCa6、Cb6、Cc6、Cd6に接続される。スイッチSa7、Sb7、Sc7、Sd7のそれぞれの一方端は垂直読出し線H7に接続され、スイッチSa7、Sb7、Sc7、Sd7のそれぞれの他方端はコンデンサCa7、Cb7、Cc7、Cd7に接続される。スイッチSa8、Sb8、Sc8、Sd8のそれぞれの一方端は垂直読出し線H8に接続され、スイッチSa8、Sb8、Sc8、Sd8のそれぞれの他方端はコンデンサCa8、Cb8、Cc8、Cd8に接続される。
【0050】
スイッチSw1は垂直読み出し線H1、H2の間に設けられ、スイッチSw2は垂直読み出し線H2、H3の間に設けられ、スイッチSw3は垂直読み出し線H3、H4の間に設けられ、スイッチSw4は垂直読み出し線H4、H5の間に設けられ、スイッチSw5は垂直読み出し線H5、H6の間に設けられ、スイッチSw6は垂直読み出し線H6、H7の間に設けられ、スイッチSw7は垂直読み出し線H7、H8の間に設けられる。
【0051】
図6は、撮像装置1の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【0052】
まず、撮像装置制御部11は、ユーザによる撮影モード設定部10の操作によって設定される「静止画撮影モード」及び「動画撮影モード」のうち、「静止画撮影モード」が設定されているか否かを判断する(S1)。
【0053】
「静止画撮影モード」が設定されていると判断した場合(S1がYes)、撮像装置制御部11は、「静止画撮影モード」における原画像を生成するために必要な受光部14の水平方向の撮像画素数及び垂直方向の撮像画素数を設定する(S2)。
【0054】
次に、撮像装置制御部11は、S2で設定した水平方向の撮像画素数及び垂直方向の撮像画素数に基づいて、「静止画撮影モード」における原画像を生成するために必要な水平方向の撮影用撮像画素加算数及び垂直方向の撮影用撮像画素加算数を設定するとともに、「静止画撮影モード」におけるデフォーカス量を求めるために必要な水平方向の焦点検出用撮像画素加算数及び垂直方向の焦点検出用撮像画素加算数を設定する(S3)。例えば、撮像装置制御部11は、S2で設定した水平方向の撮像画素数が「8」、垂直方向の撮像画素数が「8」である場合、水平方向の撮影用撮像画素加算数を「0」、垂直方向の撮影用撮像画素加算数を「0」、水平方向の焦点検出用撮像画素加算数を「0」、垂直方向の焦点検出用撮像画素加算数を「0」に設定する。
【0055】
次に、撮像制御部13は、ユーザのシャッタボタンの操作などにより静止画撮影開始指示が入力されると、静止画を生成するために撮像素子4や画像処理部5の動作を制御するとともに、撮像装置制御部11により設定される水平方向の撮影用撮像画素加算数及び垂直方向の撮影用撮像画素加算数、水平方向の焦点検出用撮像画素加算数及び垂直方向の焦点検出用撮像画素加算数、並びに、焦点検出画素検出部12から読み出される焦点検出用撮像画素18の位置を示す焦点検出用撮像画素位置情報に基づいて、「静止画撮影モード」における原画像を生成するために必要な画素信号が撮像素子4から画像処理部5に読み出されるとともに、「静止画撮影モード」におけるデフォーカス量を求めるために必要な1対の互いに位相差が異なる画素信号が撮像素子4から焦点検出部8に読み出されるように、撮影用撮像画素加算制御部19及び焦点検出用撮像画素加算制御部20の動作を制御する(S4)。撮影用撮像画素加算制御部19は、水平走査部23及び画素信号保持部24のそれぞれのスイッチのオン、オフを制御することにより、「静止画撮影モード」における原画像を生成するために必要な画素信号(例えば、撮像画素(11)〜(88)からそれぞれ出力される画素信号)を撮像素子4から読み出して画像処理部5に送出する。また、焦点検出用撮像画素加算制御部20は、水平走査部23及び画素信号保持部24のそれぞれのスイッチのオン、オフを制御することにより、「静止画撮影モード」におけるデフォーカス量を求めるために必要な1対の互いに位相差が異なる画素信号(例えば、撮像画素(21)、(23)からそれぞれ出力される画素信号)を撮像素子4から焦点検出部8に読み出させる。
【0056】
一方、「静止画撮影モード」が設定されていない、すなわち、「動画撮影モード」が設定されていると判断した場合(S1がNo)、撮像装置制御部11は、「動画撮影モード」における原画像を生成するために必要な受光部14の水平方向の撮像画素数及び垂直方向の撮像画素数を設定する(S5)。
【0057】
次に、撮像装置制御部11は、S5で設定した水平方向の撮像画素数及び垂直方向の撮像画素数に基づいて、「動画撮影モード」における原画像を生成するために必要な水平方向の撮影用撮像画素加算数及び垂直方向の撮影用撮像画素加算数を設定するとともに、「動画撮影モード」におけるデフォーカス量を求めるために必要な水平方向の焦点検出用撮像画素加算数及び垂直方向の焦点検出用撮像画素加算数を設定する(S6)。例えば、撮像装置制御部11は、S5で設定した水平方向の撮像画素数が「4」、垂直方向の撮像画素数が「4」である場合、水平方向の撮影用撮像画素加算数を「2」、垂直方向の撮影用撮像画素加算数を「2」、水平方向の焦点検出用撮像画素加算数を「2」、垂直方向の焦点検出用撮像画素加算数を「2」に設定する。
【0058】
次に、撮像制御部13は、ユーザの動画撮影開始ボタンの操作などにより動画撮影開始指示が入力されると、動画を生成するために撮像素子4や画像処理部5の動作を制御するとともに、撮像装置制御部11により設定される水平方向の撮影用撮像画素加算数及び垂直方向の撮影用撮像画素加算数、水平方向の焦点検出用撮像画素加算数及び垂直方向の焦点検出用撮像画素加算数、並びに、焦点検出画素検出部12から読み出される焦点検出用撮像画素位置情報に基づいて、「動画撮影モード」における原画像を生成するために必要な画素信号が撮像素子4から画像処理部5に読み出されるとともに、「動画撮影モード」におけるデフォーカス量を求めるために必要な1対の互いに位相差が異なる画素信号が撮像素子4から焦点検出部8に読み出されるように、撮影用撮像画素加算制御部19及び焦点検出用撮像画素加算制御部20の動作を制御する(S7)。撮影用撮像画素加算制御部19は、水平走査部23及び画素信号保持部24のそれぞれのスイッチのオン、オフを制御することにより、「動画撮影モード」における原画像を生成するために必要な画素信号(例えば、Rの撮像画素(11)、(13)、(31)、(33)からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算した結果の画素信号)を撮像素子4から画像処理部5に読み出させる。また、焦点検出用撮像画素加算制御部20は、水平走査部23及び画素信号保持部24のそれぞれのスイッチのオン、オフを制御することにより、「動画撮影モード」におけるデフォーカス量を求めるために必要な1対の互いに位相差が異なる画素信号(例えば、撮像画素(21)、(25)、(41)、(45)からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算した結果の画素信号と撮像画素(23)、(27)、(43)、(47)からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算した結果の画素信号)を撮像素子4から焦点検出部8に読み出させる。
【0059】
例えば、「静止画撮影モード」が設定されている場合において、すなわち、受光部14の全ての撮像画素が使用されて原画像が生成される場合において、静止画撮影開始指示が入力されると、まず、図2において、垂直走査部22からの受光部14への制御信号ΦV1によって、受光部14の撮像素子(11)〜(18)からそれぞれ画素信号が出力される。また、加算制御部16からの画素信号保持部24への制御信号ΦPによって、図5において、画素信号保持部24のスイッチSa1〜Sa8がそれぞれオン、オフされて、コンデンサCa1〜Ca8にそれぞれ画素信号が保持される。なお、制御信号ΦV、ΦPなどの制御信号は常にハイレベル又はローレベルの状態であり、水平走査部23及び画素信号保持部24のそれぞれのスイッチがオン又はオフとなるときの制御信号の状態はロジックの取り扱いによるものとする。
【0060】
次に、図5において、画素信号保持部24のスイッチSa1〜Sa8が順番にオン、オフされるとともに、そのスイッチSa1〜Sa8のオン、オフに同期して水平走査部23のスイッチSh1〜Sh8が順番にオン、オフされることにより、コンデンサCa1〜Ca8にそれぞれ保持されていた画素信号が順番に画像処理部5に読み出される。
【0061】
同様に、図2において、垂直走査部22からの受光部14への制御信号ΦV2によって、受光部14の撮像素子(21)〜(28)からそれぞれ画素信号が出力される。また、加算制御部16からの画素信号保持部24への制御信号ΦPによって、図5において、画素信号保持部24のスイッチSb1〜Sb8がそれぞれオン、オフされて、コンデンサCb1〜Cb8にそれぞれ画素信号が保持される。
【0062】
次に、図5において、画素信号保持部24のスイッチSb1〜Sb8が順番にオン、オフされるとともに、そのスイッチSb1〜Sb8のオン、オフに同期して水平走査部23のスイッチSh1〜Sh8が順番にオン、オフされることにより、コンデンサCb1〜Cb8にそれぞれ保持されていた画素信号が順番に画像処理部5に読み出される。なお、撮像画素(21)、(23)からそれぞれ出力される1対の画素信号や撮像画素(25)、(27)からそれぞれ出力される1対の画素信号は、デフォーカス量を求めるための1対の互いに位相差が異なる画素信号として、焦点検出部8に出力される。
【0063】
同様に、図2において、垂直走査部22からの受光部14への制御信号ΦV3によって、受光部14の撮像素子(31)〜(38)からそれぞれ画素信号が出力される。また、加算制御部16からの画素信号保持部24への制御信号ΦPによって、図5において、画素信号保持部24のスイッチSc1〜Sc8がそれぞれオン、オフされて、コンデンサCc1〜Cc8にそれぞれ画素信号が保持される。
【0064】
次に、図5において、画素信号保持部24のスイッチSc1〜Sc8が順番にオン、オフされるとともに、そのスイッチSc1〜Sc8のオン、オフに同期して水平走査部23のスイッチSh1〜Sh8が順番にオン、オフされることにより、コンデンサCc1〜Cc8にそれぞれ保持されていた画素信号が順番に画像処理部5に読み出される。
【0065】
同様に、図2において、垂直走査部22からの受光部14への制御信号ΦV4によって、受光部14の撮像素子(41)〜(48)からそれぞれ画素信号が出力される。また、加算制御部16からの画素信号保持部24への制御信号ΦPによって、図5において、画素信号保持部24のスイッチSd1〜Sd8がそれぞれオン、オフされて、コンデンサCd1〜Cd8にそれぞれ画素信号が保持される。
【0066】
次に、図5において、画素信号保持部24のスイッチSd1〜Sd8が順番にオン、オフされるとともに、そのスイッチSd1〜Sd8のオン、オフに同期して水平走査部23のスイッチSh1〜Sh8が順番にオン、オフされることにより、コンデンサCd1〜Cd8にそれぞれ保持されていた画素信号が順番に画像処理部5に読み出される。なお、撮像画素(41)、(43)からそれぞれ出力される1対の画素信号や撮像画素(45)、(47)からそれぞれ出力される1対の画素信号は、デフォーカス量を求めるための1対の互いに位相差が異なる画素信号として、焦点検出部8に出力される。
【0067】
以降同様に、撮像素子(51)〜(88)から画素信号保持部24に画素信号が出力され、それら画素信号が順番に画像処理部5に読み出される動作は、上述の動作と同様である。なお、撮像画素(61)、(63)からそれぞれ出力される画素信号、撮像画素(65)、(67)からそれぞれ出力される画素信号、撮像画素(81)、(83)からそれぞれ出力される画素信号、及び撮像画素(85)、(87)からそれぞれ出力される画素信号は、デフォーカス量を求めるための1対の互いに位相差が異なる画素信号として、焦点検出部8に出力される。
【0068】
また、画素補間部21は、焦点検出用撮像画素の補間を近傍の撮影用撮像画素で補間する。
例えば、焦点検出用画素23は同色の(Gr・Gbは同色Gと捉える)撮影用撮像画素12、14、32、34を加算平均することで生成する。その理由は、画素加算読出しを行う場合、撮影用撮像画素における加算画素数分の信号量と、焦点検出用撮像画素における加算画素数分の信号量を同一にする必要性から焦点検出用撮像画素と通常撮像画素との間で明るさが異なってしまうのを避けるためである。なお、焦点検出を行う信号を得るためには焦点検出用撮像画素同士を加算する。画素補間はそのために欠落する(画像処理部に送出されず、焦点検出部に送出される)画素を後段の画像処理部5で生成する。撮像素子4の制御とは直接的に関与せず、撮像素子4から順次送出されてくる画素のうち、欠落画素に関してはその近傍に存在する(非欠落)同色画素から適宜演算して生成する。
また、画素補間部21は、焦点検出用撮像画素18から出力される画素信号を、その焦点検出用撮像画素18の近傍の焦点検出用撮像画素18から出力される画素信号を用いて補間するように構成してもよい。例えば、画素補間部21は、Gbの撮像画素(21)、(23)、(41)、(43)から出力される画素信号を互いに加算することにより、Gbの撮像画素(21)から出力される補間後の画素信号とする。
【0069】
例えば、「動画撮影モード」が設定されている場合において、すなわち、受光部14の全ての撮像画素のうちの1/4の撮像画素が使用されて原画像が生成される場合において、動画撮影開始指示が入力されると、例えば、図7に示すように、垂直走査部22から受光部14への制御信号ΦV1〜ΦV3により、受光部14の撮像素子(11)〜(18)、(21)〜(28)、(31)〜(38)からそれぞれ画素信号が出力される。このとき、加算制御部16から画素信号保持部24に制御信号ΦPが出力されることにより、画素信号保持部24のスイッチSa1〜Sa8、Sb1〜Sb8、Sc1〜Sc8がそれぞれオン、オフされて、コンデンサCa1〜Ca8、Cb1〜Cb8、Cc1〜Cc8にそれぞれ画素信号が保持される。
【0070】
次に、画素信号保持部24のスイッチSa1、Sa3、Sc1、Sc3、Sw1、Sw2が同時にオン、オフされるとともに、水平走査部23のスイッチSh1がオン、オフされることにより、コンデンサCa1、Ca3、Cc1、Cc3にそれぞれ保持される画素信号、すなわち、Rの撮像画素(11)、(13)、(31)、(33)からそれぞれ出力される画素信号が互いに加算されて画像処理部5に読み出される。
【0071】
次に、画素信号保持部24のスイッチSa2、Sa4、Sc2、Sc4、Sw2、Sw3が同時にオン、オフされるとともに、水平走査部23のスイッチSh2がオン、オフされることにより、コンデンサCa2、Ca4、Cc2、Cc4にそれぞれ保持される画素信号、すなわち、Grの撮像画素(12)、(14)、(32)、(34)からそれぞれ出力される画素信号が互いに加算されて画像処理部5に読み出される。
【0072】
次に、画素信号保持部24のスイッチSa5、Sa7、Sc5、Sc7、Sw3〜Sw6が同時にオン、オフされるとともに、水平走査部23のスイッチSh3がオン、オフされることにより、コンデンサCa5、Ca7、Cc5、Cc7にそれぞれ保持される画素信号、すなわち、Rの撮像画素(15)、(17)、(35)、(37)からそれぞれ出力される画素信号が互いに加算されて画像処理部5に読み出される。
【0073】
次に、画素信号保持部24のスイッチSa6、Sa8、Sc6、Sc8、Sw4〜Sw7が同時にオン、オフされるとともに、水平走査部23のスイッチSh4がオン、オフされることにより、コンデンサCa6、Ca8、Cc6、Cc8にそれぞれ保持される画素信号、すなわち、Grの撮像画素(16)、(18)、(36)、(38)からそれぞれ出力される画素信号が互いに加算されて画像処理部5に読み出される。
【0074】
次に、垂直走査部22から受光部14への制御信号ΦV4により、受光部14の撮像素子(41)〜(48)からそれぞれ画素信号が出力される。このとき、加算制御部16からの画素信号保持部24への制御信号ΦPにより、画素信号保持部24のスイッチSd1〜Sd8がそれぞれオン、オフされて、コンデンサCd1〜Cd8にそれぞれ画素信号が保持される。
【0075】
次に、画素信号保持部24のスイッチSb1、Sb5、Sd1、Sd5、Sw1〜Sw4が同時にオン、オフされるとともに、水平走査部23のスイッチSh1がオン、オフされることにより、コンデンサCb1、Cb5、Cd1、Cd5にそれぞれ保持される画素信号、すなわち、Gbの撮像画素(21)、(25)、(41)、(45)からそれぞれ出力される画素信号が互いに加算されて画像処理部5に読み出されるとともに、デフォーカス量を求めるための1対の画素信号のうちの一方の画素信号として焦点検出部8に読み出される。このように、加算後の画素信号の位相差がほぼゼロにならないように、4つの焦点検出用撮像画素18を選択し、それら選択した焦点検出用撮像画素18からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算する。なお、焦点検出用撮像画素18を最終的に記録する撮像画素として活用する場合、たとえば開口の異なる焦点検出用撮像画素18同士を加算する場合は、これを画像処理部5に送出して活用するが、焦点検出用撮像画素18を最終的に記録する撮像画素として活用しない場合は、画像処理部5に送出することを必須とせず、その結果欠落する該当画素を、周囲の撮影用撮像画素17から演算して補間する。
【0076】
次に、画素信号保持部24のスイッチSb2、Sb4、Sd2、Sd4、Sw2、Sw3が同時にオン、オフされるとともに、水平走査部23のスイッチSh2がオン、オフされることにより、コンデンサCb2、Cb4、Cd2、Cd4にそれぞれ保持される画素信号、すなわち、Bの撮像画素(22)、(24)、(42)、(44)からそれぞれ出力される画素信号が互いに加算されて画像処理部5に読み出される。
【0077】
次に、画素信号保持部24のスイッチSb3、Sb7、Sd3、Sd7、Sw3〜Sw6が同時にオン、オフされるとともに、水平走査部23のスイッチSh3がオン、オフされることにより、コンデンサCb3、Cb7、Cd3、Cd7にそれぞれ保持される画素信号、すなわち、Gbの撮像画素(23)、(27)、(43)、(47)からそれぞれ出力される画素信号が互いに加算されて画像処理部5に読み出されるとともに、デフォーカス量を求めるための1対の画素信号のうちの他方の画素信号として焦点検出部8に読み出される。このように、加算後の画素信号の位相差がほぼゼロにならないように、4つの焦点検出用撮像画素18を選択し、それら選択した焦点検出用撮像画素18からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算する。
【0078】
次に、画素信号保持部24のスイッチSb6、Sb8、Sd6、Sd8、Sw4〜Sw7が同時にオン、オフされるとともに、水平走査部23のスイッチSh4がオン、オフされることにより、コンデンサCb6、Cb8、Cd6、Cd8にそれぞれ保持される画素信号、すなわち、Bの撮像画素(26)、(28)、(46)、(48)からそれぞれ出力される画素信号が互いに加算されて画像処理部5に読み出される。
【0079】
以降、撮像素子(51)〜(88)において、4つの画素信号を互いに加算して画像処理部5や焦点検出部8に読み出す動作は、上述の動作と同様である。
【0080】
また、画素補間部21は、デフォーカス量を求めるための1対の画素信号の一方の画素信号を、他方の画素信号と加算して補間後の画素信号とする。例えば、画素補間部21は、Gbの撮像画素(21)、(25)、(41)、(45)からそれぞれ出力される画素信号が互いに加算されて画像処理部5に読み出される画素信号と、Gbの撮像画素(23)、(27)、(43)、(47)からそれぞれ出力される画素信号が互いに加算されて画像処理部5に読み出される画素信号とを互いに加算して補間後の画素信号とする。このとき、焦点検出用撮像画素18同士を加算した補間後の画素信号は、(加算元の)該当画素の開口が撮影用撮像画素17より狭いため、撮影用撮像画素17同士を加算した補間後の画素信号にくらべ、両者の開口差に応じた分信号レベルが小さくなる。これを補正するため、焦点検出用撮像画素18同士を加算した補間後の画素信号には所定のゲイン値を与え、撮影用撮像画素17同士を加算した補間後の画素信号と同等レベルになるように演算処理を行う。
また、画素補間部21は、焦点検出用撮像画素18を撮影用撮像画素17で補間するように構成してもよい。このように構成する場合、撮影用撮像画素17は焦点検出用撮像画素18と比べて遮光マスク26の開口が広く光電変換によって得られる信号量が多いため、画像処理部5において所定のゲイン値を与える必要がなく、ゲイン倍することによって発生するノイズの悪化を抑えることが可能となる。
【0081】
なお、Gbの撮像画素(21)、(23)、(25)、(27)からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算した画素信号を、デフォーカス量を求めるための1対の画素信号のうちの一方の画素信号とするとともに、Gbの焦点検出用撮像画素(41)、(43)、(45)、(47)からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算した画素信号を、デフォーカス量を求めるための1対の画素信号のうちの他方の画素信号としてもよい。このように、加算後の画素信号の位相差がほぼゼロにならないように、4つの焦点検出用撮像画素18を選択し、それら選択した焦点検出用撮像画素18からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算する。
【0082】
このように、本実施形態の撮像装置1では、原画像を生成するために使用する画素信号数が小さくなり、受光部14内の複数の撮像画素からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算する場合、焦点検出用撮像画素位置情報に基づいて、デフォーカス量を求めるために必要な1対の焦点検出用撮像画素のうちの一方の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号同士が加算されるとともに、1対の焦点検出用撮像画素のうちの他方の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号同士が加算されるように、撮像素子4の動作を制御する。
【0083】
なお、上記実施形態では、受光部14の撮像画素数を8×8としているが、例えば、図8に示すように、12×12としてもよく、受光部14の撮像画素数は特に限定されない。図8に示すように、受光部14の撮像画素数を12×12とする場合、図9に示すように、画素信号保持部24は、スイッチSa1〜Sa12、スイッチSb1〜Sb12、スイッチSc1〜Sc12、スイッチSd1〜Sd12、スイッチSe1〜Se12、スイッチSf1〜Sf12、スイッチSw1〜Sw11を備え、水平走査部23は、スイッチSh1〜Sh12を備えるものとする。また、図8に示すように、受光部14の撮像画素数を12×12とし、かつ、原画像を生成するために使用する画素信号数を1/9にする場合、画素信号保持部24及び水平走査部23において、3×3の撮像画素からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算する。例えば、図8に示す撮像画素(11)、(13)、(15)、(31)、(33)、(35)、(51)、(53)、(55)からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算する。この場合、図9において、撮像画素(112)〜(512)からそれぞれ出力される画素信号を画素信号保持部24のコンデンサCa1〜Ca12、Cb1〜Cb12、Cc1〜Cc12、Cd1〜Cd12、Ce1〜Ce12に保持した後、画素信号保持部24のスイッチSa1、Sa3、Sa5、Sc1、Sc3、Sc5、Se1、Se3、Se5、Sw1、Sw2、Sw3、Sw4をそれぞれ同時にオン、オフするとともに、水平走査部23のスイッチSh1をオン、オフすることにより、撮像画素(11)、(13)、(15)、(31)、(33)、(35)、(51)、(53)、(55)からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算することができる。また、画素信号保持部24のスイッチSb1、Sb5、Sb9、Sd1、Sd5、Sd9、Sf1、Sf5、Sf9、Sw1〜Sw8をそれぞれ同時にオン、オフするとともに、水平走査部23のスイッチSh1をオン、オフすることにより、撮像画素(21)、(25)、(29)、(41)、(45)、(49)、(61)、(65)、(69)からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算し、デフォーカス量を求めるための1対の画素信号の一方の画素信号とすることができる。同様に、画素信号保持部24のスイッチSb3、Sb7、Sb11、Sd3、Sd7、Sd11、Sf3、Sf7、Sf11、Sw3〜Sw10をそれぞれ同時にオン、オフするとともに、水平走査部23のスイッチSh3をオン、オフすることにより、撮像画素(23)、(27)、(211)、(43)、(47)、(411)、(63)、(67)、(611)からそれぞれ出力される画素信号を互いに加算し、デフォーカス量を求めるための1対の画素信号の他方の画素信号とすることができる。
【0084】
また、上記実施形態において、原画像を生成するために必要な画素信号の数が変更されるときの撮影モードの種類は、例えば、静止画の連写スピードが高速に設定される場合、静止画が記録される記録部6の容量を節約して使用する場合、又は、「静止画撮影モード」において撮像素子4の撮像画素数よりも少ない画素を有する表示部7において現在撮影中の画像を表示させる場合など、「動画撮影モード」に限定されない。
【符号の説明】
【0085】
1 撮像装置
2 撮像レンズ
3 瞳分割光学系
4 撮像素子
5 画像処理部
6 記録部
7 表示部
8 焦点検出部
9 焦点制御部
10 撮影モード設定部
11 撮像装置制御部
12 焦点検出画素検出部
13 撮像制御部
14 受光部
15 画素加算部
16 加算制御部
17 撮影用撮像画素
18 焦点検出用撮像画素
19 撮影用撮像画素加算制御部
20 焦点検出用撮像画素加算制御部
21 画素補間部
22 垂直走査部
23 水平走査部
24 画素信号保持部
25 マイクロレンズ
26 遮光マスク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体からの光を集光する撮像レンズと、
前記撮像レンズにより集光される光を複数の異なる瞳にそれぞれ通過させて分割する瞳分割光学系と、
前記撮像レンズにより集光される光を受光する撮影用撮像画素と、前記瞳分割光学系により分割される複数の光をそれぞれ受光する1組の焦点検出用撮像画素とを備え、複数の前記撮影用撮像画素及び複数の前記1組の焦点検出用撮像画素からそれぞれ出力される画素信号を用いて原画像を生成する単板型カラー撮像素子と、
前記1組の焦点検出用撮像画素のうちの第1の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号と前記1組の焦点検出用撮像画素のうちの第2の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号とに基づいて、前記撮像レンズのデフォーカス量を求める焦点検出手段と、
前記焦点検出手段により求められるデフォーカス量がゼロになるように前記撮像レンズの位置を制御する焦点制御手段と、
前記撮像素子により生成される原画像を画像処理することによりカラー画像を生成する画像処理手段と、
前記複数の焦点検出用撮像画素のそれぞれの位置を示す焦点検出用撮像画素位置情報を出力する焦点検出画素検出手段と、
前記撮像素子の動作を制御する撮像制御手段と、
を備え、
前記撮像制御手段は、前記原画像を生成するために必要な画素信号の数が変更される場合、前記複数の撮影用撮像画素からそれぞれ出力される画素信号同士を加算することにより得られる画素信号と、前記焦点検出画素検出手段から出力される前記焦点検出用撮像画素位置情報に基づいて、前記第1の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号同士を加算するとともに、前記第2の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号同士を加算することにより得られる1対の画素信号とを用いて前記原画像を生成するように、前記撮像素子の動作を制御する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記焦点検出用撮像画素の上に位置する前記瞳分割光学系の開口部の大きさは、前記撮影用撮像画素の上に位置する前記瞳分割光学系の開口部の大きさの1/4であり、
前記焦点検出用撮像画素の上に位置する前記瞳分割光学系の開口部の位置は、隣り合う他の前記焦点検出用撮像画素の上に位置する前記瞳分割光学系の開口部の位置と異なる
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の撮像装置であって、
前記撮像素子は、ベイヤー配列のカラーフィルタを備え、
前記焦点検出用撮像画素は、グリーンのカラーフィルタを通過した光を受光する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
被写体からの光を集光する撮像レンズと、
前記撮像レンズにより集光される光を複数の異なる瞳にそれぞれ通過させて分割する瞳分割光学系と、
前記撮像レンズにより集光される光を受光する撮影用撮像画素と、前記瞳分割光学系により分割される複数の光をそれぞれ受光する1組の焦点検出用撮像画素とを備え、複数の前記撮影用撮像画素及び複数の前記1組の焦点検出用撮像画素からそれぞれ出力される画素信号を用いて原画像を生成する単板型カラー撮像素子と、
前記1組の焦点検出用撮像画素のうちの第1の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号と前記1組の焦点検出用撮像画素のうちの第2の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号とに基づいて、前記撮像レンズのデフォーカス量を求める焦点検出手段と、
前記焦点検出手段により求められるデフォーカス量に基づいて、前記撮像レンズのフォーカスが合うように前記撮像レンズの位置を制御する焦点制御手段と、
前記撮像素子により生成される原画像を画像処理することによりカラー画像を生成する画像処理手段と、
前記複数の焦点検出用撮像画素のそれぞれの位置を示す焦点検出用撮像画素位置情報を出力する焦点検出画素検出手段と、
を備える撮像装置における前記撮像素子の動作を制御する方法であって、
前記原画像を生成するために必要な画素信号の数が変更される場合、前記複数の撮影用撮像画素からそれぞれ出力される画素信号同士を加算することにより得られる画素信号と、前記焦点検出画素検出手段から出力される前記焦点検出用撮像画素位置情報に基づいて、前記第1の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号同士を加算するとともに、前記第2の焦点検出用撮像画素から出力される画素信号同士を加算することにより得られる画素信号とを用いて原画像を生成するように、前記撮像素子の動作を制御する
ことを特徴とする撮像素子動作制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−159533(P2012−159533A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17125(P2011−17125)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】