説明

撮像装置

【課題】設定された露光時間内で得られる複数回の画像データを合成して1枚の撮影画像データを生成する際に、オーオフォーカスデータ検出の周期を早くすることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】設定された露光時間内に得られる複数回の画像データをもとに1枚の撮影画像データを合成する合成手段103,110,105,104と、前記複数回の画像データのうちの予め定められた2以上の画像データからオートフォーカスデータを検出するオートフォーカスデータ検出手段110,106とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオカメラなどの撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のビデオカメラとして、動画撮影でのスローシャッタモードや、夜景などの暗い静止画撮影を行う際、CCDセンサやCMOSセンサなどに代表される固体撮像素子への電荷蓄積時間を多くすることで、充分な感度が得られるようにした撮像装置がある。また、固体撮像素子から得られる毎回の1フレーム毎の画像信号を順次累積加算して、実効的に長時間露光に匹敵する画像信号を得るようにした画像記録装置も提案(特許文献1)されている。
【特許文献1】特開平5−236422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の上記撮像装置では、電荷蓄積時間が多くなってしまうと、オートフォーカス(AF)を設定していた場合、それらの制御が行われる周期も電荷蓄積時間に従って遅くなってしまい、AFの応答性が悪くなるという問題がある。
【0004】
ここで、上記撮像装置におけるタイミングチャートを図8に示し、その説明を行う。タイミング801,802で示された区間t1は同期信号の周期であり、例えばNTSC標準信号だと1/60秒周期で繰り返し出力される。811は撮像素子において電荷が蓄積される様子を示したものであり、蓄積された電荷は読み出しタイミング821で撮像素子から読み出される。スローシャッタなどの長時間露光を行う場合、電荷の蓄積は垂直同期をまたがって行われるため、読み出しタイミングは垂直同期をまたがった周期T1のタイミングで行われる。読み出された電気信号は記録手段831へ記録され、その後AF評価値抽出タイミング841でAFの評価値の抽出が行われる。このとき、出力タイミング851のタイミングで出力861が行われると同時に、次の電荷蓄積が垂直同期のタイミング803で行われる。しかし、AF評価値を抽出してからその値を反映するためにタイミング871でレンズなどの光学系の制御を開始するが、制御の完了までに処理時間がかかってしまい、タイミング803での電荷蓄積開始に間に合わなくなってしまう。よって、実際にAF評価値が電荷蓄積開始に反映されるのは804のタイミングになってしまい、AF評価値抽出から電荷蓄積開始に反映させるまでの応答性が悪いという問題がある。
【0005】
また、特許文献1の画像記録装置では、AF制御系が含まれていない構成となっており、合成された画像はピントがずれたものになってしまう問題がある。
【0006】
(発明の目的)
本発明の目的は、設定された露光時間内で得られる複数回の画像データを合成して1枚の撮影画像データを生成する際に、オートフォーカスデータ検出の周期を早くすることができる撮像装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、設定された露光時間内に得られる複数回の画像データをもとに1枚の撮影画像データを合成する合成手段と、前記複数回の画像データのうちの予め定められた2以上の画像データからオートフォーカスデータを検出するオートフォーカスデータ検出手段とを有する撮像装置とするものである。
【0008】
同じく上記目的を達成するために、本発明は、設定された露光時間内に得られる複数回の画像データをもとに1枚の撮影画像データを合成する合成手段と、前記露光時間内で画像データを得る回数を数える計数手段と、前記計数手段の計数値により前記複数回の画像データのうちの2以上の画像データを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された画像データからオートフォーカスデータを検出するオートフォーカスデータ検出手段とを有する撮像装置とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、設定された露光時間内で得られる複数回の画像データを合成して1枚の撮影画像データを生成する際に、オートフォーカスデータ検出の周期を早くすることができる撮像装置を提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例1および実施例2に示す通りである。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の実施例1に係る撮像装置の一例であるビデオカメラの回路構成を示すブロック図である。101は光学系の一部を構成する単一のレンズ(ないしはレンズ群)であり、ビデオカメラに着脱可能なものである。レンズ101を通過した光は撮像素子102において電気信号に変換される。撮像素子102はCCDセンサやCMOSセンサなどに代表されるイメージセンサであり、タイミングジェネレータ111から入力される駆動制御信号に基づいて、被写体を所定の時間だけ露光して電気信号へ変換する。タイミングジェネレータ111はタイミング制御回路108および画像累積カウンタ109からなる制御部110によって制御される。詳しくは、タイミングジェネレータ111はタイミング制御回路108から出力される制御信号にしたがって制御され、撮像素子102を駆動する駆動制御信号を出力する。画像累積カウンタ109はタイミング制御回路108から出力される制御信号によって制御され、タイミングジェネレータ111によって駆動される撮像素子102での電気信号の読み出し回数をカウントする。
【0012】
103は撮像素子102で変換された電気信号を逐次累算処理を行う画像合成回路であり、合成された電気信号をセレクタ105を経由して記録手段であるフレームメモリ104に記録する。セレクタ105は画像累積カウンタ109がカウントした所定の読み出し回数にしたがって画像合成回路103の出力先を、カメラ信号処理回路107へ切り換える。カメラ信号処理回路107は撮像素子102で変換された電気信号から画像データに変換する処理回路である。106は撮像素子102で変換された電気信号からAF評価値を検出するAF評価値検出回路であり、タイミング制御回路108から出力されるタイミングでAF評価値の検出を行う。そして、得られたAF評価値に基づいてレンズ101の制御量を決定し、この制御量をレンズ制御回路112に出力する。レンズ制御回路112はAF評価値検出回路106にて決定された制御量に基づいてレンズ101を光軸方向に駆動することで、被写体とのピントを修正する。
【0013】
次に、上記ビデオカメラの主要部分のタイミングチャートを、図2を用いて順に説明していく。
【0014】
タイミング201,202で示された区間t1は同期信号の周期であり、例えばNTSC標準信号だと1/60秒周期で繰り返し出力される。211,212,213,214は撮像素子102において電荷が蓄積される様子を示したものである。蓄積された電荷はタイミングジェネレータ111からの駆動制御信号によって同期信号に同期した読み出しタイミング221,222,223,224で撮像素子102から読み出される。特にこの例では、同期信号の周期t1で読み出される電気信号を4回累算処理することで、設定された露光時間T1で1枚の動画用の撮影画像データを生成するものとして説明していく。
【0015】
読み出しタイミング221で読み出された電気信号は、画像合成回路103へ入力される。ここで、AF評価値検出回路106はタイミング制御回路108から出力される評価値抽出タイミング241に従い、撮像素子102で変換された電気信号からAF評価値を抽出する。そして、レンズ制御タイミング271でAF評価値を基にレンズ101の制御量をレンズ制御回路112に出力する。レンズ制御回路112は入力される制御量を基にタイミング271,272に示された時間、すなわち同期信号の周期t1内に収まる時間でレンズ101の制御を行い、被写体とのピントを調整する。
【0016】
一方、撮像素子102で電気信号に変換され、画像合成回路103に入力された電気信号は、合成する際の1回目の画像データであるために累算処理は行わず、フレームメモリ104に記録される。読み出しタイミング222で読み出された電気信号は、評価値抽出タイミング242に従い、AF評価値検出回路106において撮像素子102で変換された電気信号からAF評価値として抽出され、レンズ101の制御に用いられる。また、画像合成回路103に入力された電気信号は、フレームメモリ104に記録されている画像データと累算処理により合成され、再びフレームメモリ104に記録される。以下同様にして、AF評価値検出回路106にて読み出しタイミング223で読み出された電気信号からAF評価値が抽出され、レンズ制御が開始される。その後、画像合成回路103にて、フレームメモリ104に記録されている画像データと累算処理され、再びフレームメモリ104に記録される。
【0017】
次に、読み出しタイミング224で読み出された電気信号からAF評価値が抽出され、レンズ制御が開始された後、画像合成回路103において、フレームメモリ104に記録されている画像データと累算処理される。ここで、撮像素子102からの読み出し回数をカウントする画像累積カウンタ109は4回目のカウント231を示している。したがって、セレクタ105へ4回目の読み出しであることを合成出力タイミング251にて出力する。セレクタ105は合成出力タイミング251により画像合成回路103の出力先をカメラ信号処理回路107へ切り換える。これにより、累算処理された合成出力261がフレームメモリ104に記録されることなく、カメラ信号処理回路107に出力される。
【0018】
次に、上記撮像素子102からの画像データの読み出しからカメラ信号処理回路107への出力までの一連の動作を、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートは、図2のタイミングチャートと同様に、撮像素子102から読み出される画像データを4回累算処理することで1枚の動画用の撮影画像データを生成するものとして説明していく。
【0019】
ステップ#301より動作を開始し、まずステップ#302では、画像累積カウンタ109の画像データの読み出し回数Nを0に設定する。そして、ステップ#303にて、画像データ読み出し回数Nを1つ増やす。次のステップ#304では、撮像素子102からの画像データの読み出しを行う。続くステップ#305では、フレームメモリ104に記録されている画像データからAF評価値を取得する。
【0020】
ステップ#306では、得られたAF評価値からレンズ制御量を決定し、レンズ制御回路112を介してレンズ101の制御を開始する。そして、次のステップ#307にて、フレームメモリ104に記録されている画像データと撮像素子102から読み出した画像データの累積処理をする。次のステップ#308では、読み出し回数Nが4であるかどうか判定する。ここで、読み出し回数Nが4である場合は、累算処理された合成出力の出力タイミングであると判定して直ちにステップ#310へ進む。一方、読み出し回数Nが4でない場合は、合成出力の出力タイミングでないと判定し、ステップ#309へ進む。ステップ#309へ進むと、累算処理された画像データをフレームメモリ104へ記録する。その後はステップ#303に戻り、以下同様の処理を繰り返す。
【0021】
上記ステップ#308にて読み出し回数Nが4であるかどうか判定すると、上記したようにステップ#310に進み、累算処理された画像データをカメラ信号処理回路107へ出力する。そして、次のステップ#311にて、撮影が終了したかどうかを判定する。ここで撮影が終了であると判定した場合はステップ#312へ進み、一連の処理を終了する。一方、撮影が終了していないと判定した場合はステップ#302へ戻る。
【0022】
上記実施例1におけるビデオカメラは、1枚の動画用の撮影画像を生成するための設定した読み出し回数をカウントしながら、AF評価値の取得タイミングと画像合成出力の出力タイミングを調整している。これにより、従来はAF評価値抽出から電荷蓄積開始に反映させるまでの応答性が遅かったのに対し、AF評価値の反映を早い周期で行える。したがって、AFの制御を短い周期で動作させることが可能となる。
【0023】
これを実現するために、上記実施例1における撮像装置は、設定された露光時間内で得られる、連続する複数回の画像データをもとに1枚の撮影画像データを合成する、画像合成回路103、セレクタ105、制御部110およびフレームメモリ104からなる合成手段を有する。さらには、上記連続する複数回の画像データそれぞれからAF評価値を検出する、制御部110およびAF評価値検出回路106からなるAF評価値検出手段を有する。さらには、上記AF評価値検出手段で得られたAF評価値を基に光学系(レンズ101)の駆動制御を行う駆動制御手段(レンズ制御回路112)を有する。従って、AF制御が行われる周期を早くすることが可能となる。
【実施例2】
【0024】
図4は本発明の実施例2に係るビデオカメラの回路構成を示すブロック図である。図1に示した実施例1のビデオカメラでは、タイミング制御回路108が決められたタイミングでAF評価値検出回路106へタイミングを送っていた。これに対し、図4に示す本発明の実施例2のビデオカメラでは、画像累積カウンタ109が信号線401を経由して検出セレクタ402に評価値抽出タイミングを送ることで、任意に設定した読み出し回数のタイミングで切り換えるようにしている。その他の回路構成は図1と同様であり、その説明は省略する。
【0025】
次に、上記ビデオカメラの主要部分のタイミングチャートを、図5を用いて順に説明していく。
【0026】
タイミング501,502で示された区間t2は同期信号の周期であり、例えばNTSC標準信号だと1/60秒周期で繰り返し出力される。511,512,513は撮像素子102において電荷が蓄積される様子を示したものである。蓄積された電荷はタイミングジェネレータ111から入力される駆動制御信号によって同期信号に同期した読み出しタイミング521,522,523などによって撮像素子102から読み出される。特にこの例では、同期信号の周期t2で読み出される電気信号を10回累算処理することで、設定された露光時間T2で1枚の動画用の撮影画像データを生成するものとして説明していく。
【0027】
例えば、10回の読み出しの中で1回目と6回目のタイミングでAF評価値を抽出するとする。読み出しタイミング521で読み出された電気信号は画像合成回路103へ入力される。撮像素子102からの読み出し回数をカウントする画像累積カウンタ109での読み出し回数1回目をカウント531として示している。1回目の画像データが撮像素子102から読み出された時点で1回目の読み出しであることを評価値抽出タイミング541にて検出セレクタ402へ伝える。AF評価値検出回路106は撮像素子102で変換された電気信号からAF評価値を抽出し、レンズ制御タイミング571でAF評価値を基にレンズ101の制御量をレンズ制御回路112へ出力する。レンズ制御回路112は制御量を基にタイミング571、572に示された時間、すなわち同期信号の周期t2内で収まる時間でレンズ101の制御を行い、被写体とのピントを調整する。
【0028】
一方、撮像素子102で電気信号に変換され、画像合成回路103に入力された電気信号は、合成する際の1回目の画像データであるために累算処理は行わず、フレームメモリ104に記録される。
【0029】
以下、実施例1と同様に、読み出しタイミングに従い、撮像素子102から電気信号を読み出して、画像合成回路103でフレームメモリ104に記録されている画像データと累算処理がフレームメモリ104に記録されていく。
【0030】
読み出しタイミング512のときの、撮像素子102からの読み出し回数をカウントする画像累積カウンタ109での読み出し回数6回目をカウント532で示している。6枚目の画像データが撮像素子102から読み出された時点で6回目の読み出しであることを評価値抽出タイミング542として検出セレクタ402へ伝える。AF評価値検出回路106は撮像素子102で変換された電気信号からAF評価値を抽出し、レンズ制御タイミング573でAF評価値を基にレンズ101の制御量をレンズ制御回路112へ出力する。レンズ制御回路112は制御量を基にタイミング573,574に示された時間、すなわち同期信号の周期t2内に収まる時間でレンズ101の制御を行い、被写体とのピントを調整する。
【0031】
読み出しタイミング513のときの、撮像素子102からの読み出し回数をカウントする画像累積カウンタ109の読み出し回数10回目をカウント533で示している。画像累積カウンタ109がセレクタ105へ10回目の読み出しであることを合成出力タイミング551にて出力する。セレクタ105は合成出力タイミング551により画像合成回路103の出力先をカメラ信号処理回路107へ切り換える。これにより、累算処理した合成出力561がフレームメモリ104に記録されることなく、カメラ信号処理回路107に出力される。
【0032】
次に、上記撮像素子102からの画像データの読み出しからカメラ信号処理回路107への出力までの一連の動作を、図6のフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートは、図5のタイミングチャートと同様に、撮像素子102から読み出される画像データを10回累算処理することで1枚の動画用の撮影画像を生成するものとして説明していく。また、10回の読み出しの中で1回目と6回目のタイミングでAF評価値を抽出するようにユーザーが外部から設定したとする。
【0033】
ステップ#601より動作を開始し、まずステップ#602では、画像累積カウンタ109の画像データの読み出し回数Nを0に設定する。次のステップ#603では、画像データ読み出し回数Nを1つ増やす。そして、次のステップ#604にて、撮像素子102から画像データの読み出しを行う。続くステップ#605では、読み出し回数Nが1または6であるかどうか判定する。ここで、読み出し回数Nが1または6である場合は、AF評価値の取得タイミングであると判定してステップ#606へ進む。一方、読み出し回数Nが1または6でない場合は、AF評価値取得のタイミングではないと判定して直ちにステップ#608へ進む。
【0034】
ステップ#606へ進むと、フレームメモリ104に記録されている画像データからAF評価値を取得する。そして、次のステップ#607にて、得られたAF評価値からレンズ制御量を決定し、レンズ制御回路112を介してレンズ101の制御を開始する。そして、ステップ#608へ進む。
【0035】
ステップ#608では、フレームメモリ104に記録されている画像データと撮像素子102から読み出した画像データの累積処理をする。続くステップ#609では、読み出し回数Nが10であるかどうか判定する。ここで、読み出し回数Nが10である場合は、累算処理された合成出力の出力タイミングであると判定してステップ#611へ進む。一方、読み出し回数Nが10でない場合は、合成出力の出力タイミングでないと判定してステップ#610へ進む。ステップ#610へ進むと、累算処理された画像データをフレームメモリ104へ記録する。その後はステップ#603に戻り、以下同様の処理を繰り返す。
【0036】
上記ステップ#609にて読み出し回数Nが10であることを判定するとステップ#611へ進み、ここでは累算処理された画像データをカメラ信号処理回路107へ出力する。そして、次のステップ#612にて、撮影が終了したかどうかを判定する。ここで撮影が終了であると判定した場合はテップ613へ進み、一連の処理を終了する。一方、撮影が終了していないと判定した場合は、ステップ#602へ戻る。
【0037】
以上のように、本発明の実施例2におけるビデオカメラにおいては、1枚の動画用の撮影画像を生成するために設定した読み出し回数をカウントしながら、AF評価値の取得タイミングと合成出力の出力タイミングを調整するようにしている。これにより、従来はAF評価値抽出から電荷蓄積開始に反映させるまでの応答性が遅かったのに対し、AF評価値の反映を早い周期で行え、かつ、長時間露光時において断続的に任意のタイミングでAFの制御を動作させることが可能となる。
【0038】
図7は、長時間露光時に等間隔で3回AF評価値を抽出した場合の画像である。被写体が遠くからビデオカメラの方向に近づいてきたとき、1回目のAF評価値抽出によってピントの合った画像701が得られる。その次の画像からは被写体が近づいてくるため、ピントがずれた状態になってしまい、被写体ははっきりと撮影されなくなる。一定時間が経過した後、2回目のAF評価値によって再びピントのあった画像702が得られる。同様にして一定時間経過した後、3回目のAF評価値抽出によって画像703が得られ、近づいてくる被写体の動きがわかるように1枚の画像を生成することが可能となる。また、ユーザーはAF評価値抽出の回数を任意に設定できることにより、従来の方法では実現できなかった、動きに臨場感のある撮影画像を得ることができる。
【0039】
上記実施例2では、画像累積カウンタ109に設定するAF評価値の抽出タイミングを、ユーザーが設定可能な構成を想定している。しかしこれに限らず、ビデオカメラ内のマイコンが自動的に設定する構成でも同様の効果が得られる。
【0040】
上記実施例2の撮像装置は、連続する複数回の画像データをもとに1枚の撮影画像データを合成する、画像合成回路103、セレクタ105、制御部110およびフレームメモリ04からなる合成手段を有する。さらには、蓄積画像を読み出した回数を数える読み出し回数計数手段(画像蓄積カウンタ109)を有する。さらには、上記連続する複数回の画像データから2つの画像データを選択する選択手段(ユーザーもしくはマイコンが選択する)を有する。さらには、選択された画像データからAF評価値を検出するAF評価値検出手段(タイミング制御回路108、AF評価値検出回路106)を有する。さらには、上記AF評価値検出手段で得られたAF評価値を基に光学系(レンズ101)の駆動制御を行う駆動制御手段(レンズ制御回路112)を有する。従って、AF制御が行われる周期を早くすることが可能となる。
【0041】
また、AF評価値検出のタイミングをコントロールすることにより、たとえば意図的にピントのずれた画像を撮影できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例1に係るビデオカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係るビデオカメラの動作タイミングチャートである。
【図3】本発明の実施例1に係るビデオカメラの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例2に係るビデオカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例2に係るビデオカメラの動作タイミングチャートである。
【図6】本発明の実施例2に係るビデオカメラの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例1および2に係るビデオカメラの効果を示す模式図である。
【図8】従来のビデオカメラの動作タイミングチャートである。
【符号の説明】
【0043】
101 レンズ
102 撮像素子
103 画像合成回路
104 フレームメモリ
105 セレクタ
106 AF評価値検出回路
107 カメラ信号処理回路
108 タイミング制御回路
109 画像累積カウンタ
110 制御部
111 タイミングジェネレータ
112 レンズ制御回路
402 セレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された露光時間内に得られる複数回の画像データをもとに1枚の撮影画像データを合成する合成手段と、
前記複数回の画像データのうちの予め定められた2以上の画像データからオートフォーカスデータを検出するオートフォーカスデータ検出手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
設定された露光時間内に得られる複数回の画像データをもとに1枚の撮影画像データを合成する合成手段と、
前記露光時間内で画像データを得る回数を数える計数手段と、
前記計数手段の計数値により前記複数回の画像データのうちの2以上の画像データを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された画像データからオートフォーカスデータを検出するオートフォーカスデータ検出手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記オートフォーカスデータ検出手段で検出された値を基にフォーカス光学系の駆動制御を行う駆動制御手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記合成手段で得られた撮影画像データから記録用画像を生成する画像生成手段を有することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記選択手段による選択対象は、ユーザーが任意に設定するものであることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記複数回の画像データは連続した回数の画像データであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−329527(P2007−329527A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156886(P2006−156886)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】