説明

撮像装置

【課題】 レンズ装着部に非装着の撮影レンズの焦点距離に応じた画角を容易に把握することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 撮影レンズを着脱可能なレンズ装着部を有する撮像装置2であって、前記レンズ装着部に装着されている第1撮影レンズ28を介した被写体からの光を撮像する撮像素子8と、前記第1撮影レンズを第1画角に設定した状態で、前記撮像素子からの撮像信号に基づくスルー画像を表示する表示部14と、前記レンズ装着部に非装着の第2撮影レンズに関する情報に基づいて、前記第2撮影レンズの焦点距離に応じた第2画角に関する情報を、前記表示部に前記第1画角で表示されている前記スルー画像上に重畳表示せしめる表示制御部6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影レンズを交換可能な撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画角選択モードにおいて、ズームレンズをWIDE端まで移動させ、WIDE端画角で 撮影用プレビュー画像に複数の選択可能な画角枠を表示し、画角枠を選択する選択手段を備え、選択された画角枠までレンズ焦点距離を移動させることができる撮影装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−174023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のレンズ交換式のカメラでは、ユーザーにとってカメラのレンズ装着部に非装着の交換レンズの画角を直感的及び視覚的に把握することは難しく、撮影範囲や構図を決定するためには実際に交換レンズをカメラに装着し、背面パネルやファインダーで画角を確認する必要があった。上述の特許文献1記載の撮影装置においては、撮影用プレビュー画像に複数の画角枠を表示することができ、画角枠を参照することにより様々な画角を確認することができるが、撮影装置のレンズ装着部に非装着のレンズの焦点距離に応じた画角に対応する画角枠を表示することはできなかった。
【0005】
本発明の目的は、レンズ装着部に非装着の撮影レンズの焦点距離に応じた画角を容易に把握することができる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下のような解決手段により上記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施の形態に対応する符号を付して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
本発明の撮像装置は、撮影レンズを着脱可能なレンズ装着部を有する撮像装置(2)であって、前記レンズ装着部に装着されている第1撮影レンズ(28)を介した被写体からの光を撮像する撮像素子(8)と、前記第1撮影レンズ(28)を第1画角に設定した状態で、前記撮像素子(8)からの撮像信号に基づくスルー画像を表示する表示部(14)と、前記レンズ装着部に非装着の第2撮影レンズに関する情報に基づいて、前記第2撮影レンズの焦点距離に応じた第2画角に関する情報を、前記表示部(14)に前記第1画角で表示されている前記スルー画像上に重畳表示せしめる表示制御部(6)とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の撮像装置によれば、レンズ装着部に非装着の撮影レンズの焦点距離に応じた画角を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に係る電子カメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】レンズ情報登録部に登録されている内容を説明するための図である。
【図3】第1の実施の形態に係る表示部の表示例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係る表示部の表示例を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る表示部の表示例を示す図である。
【図6】第1の実施の形態に係る表示部の表示例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態に係る表示部の表示例を示す図である。
【図8】第1の実施の形態に係る表示部の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置としての電子カメラについて説明する。図1は、第1の実施の形態に係る電子カメラ2及び電子カメラ2に装着されているレンズユニット4のシステム構成を示すブロック図である。図1に示すように、電子カメラ2は、マイクロプロセッサ等により構成され、電子カメラ2の各部を統括的に制御する制御部6を備えている。制御部6には、撮像素子8、画像処理部10、記録媒体12、表示部14、操作部16、レンズ情報登録部18、及び通信部20が接続されている。
【0011】
撮像素子8は、CCDまたはCMOS等により構成され、レンズユニット4内の撮影レンズ28(後述する)を介した被写体からの光を撮像する。画像処理部10は、撮像素子8からの撮像信号に対して各種の画像処理が施された画像データを生成する。記録媒体12は、電子カメラ2に設けられたカードスロット(図示せず)に着脱可能に装着される可搬性を有する記録媒体であり、例えば、CFカード、SDカード、スマートメディア等が用いられる。記録媒体12には、画像処理部10により生成された画像データや撮影に関する情報等が記録される。表示部14は、LCD等により形成されるモニタにより構成され、撮像素子8からの撮像信号に基づくスルー画像、記録媒体12に記録されている画像データに基づく静止画像や動画像、各種設定を行う際のメニュー画面、及び撮影に関する情報等を表示する。操作部16は、電子カメラ2の電源をオン/オフする電源スイッチ(図示せず)、撮影を指示するためのシャッタボタン(図示せず)、メニュー項目等の選択や様々な設定時に操作される十字キー(図示せず)、メニュー項目等の選択や様々な設定に対する確定操作を行うためのOKボタン(図示せず)等を含んで構成されている。
【0012】
レンズ情報登録部18には、電子カメラ2のレンズ装着部(図示せず)に装着されているレンズユニット4(撮影レンズ28)に関する情報、及びレンズ装着部に非装着のレンズユニット(図示せず)、例えばユーザーが所有するレンズユニット4以外のレンズユニットやユーザーが購入を検討しているレンズユニットに関する情報等が登録され、記憶されている。具体的には、レンズユニット4内の撮影レンズ28の焦点距離に応じた画角に関する情報、電子カメラ2のレンズ装着部に非装着のレンズユニット内の撮影レンズの焦点距離に応じた画角に関する情報等が登録され、記憶されている。例えば、図2に示すように、様々な撮影レンズの登録番号(設定No.)、WIDE側の焦点距離(焦点距離WIDE)、TELE側の焦点距離(焦点距離TELE)、及び表示色等がテーブル化され、記憶されている。この実施の形態では、撮影レンズ28は、設定番号が1、単焦点レンズのため、WIDE側の焦点距離が30mm、TELE側の焦点距離はなし、表示色が黄で登録され、記憶されている。また、この実施の形態では、図2に示すように、5つの撮影レンズ(設定番号1〜5)に関する情報を登録可能に構成されており、撮影レンズ28以外の3つの撮影レンズに関する情報が登録され、記憶されているものとする。これら撮影レンズに関する情報、及びこれら情報を登録する動作については後述する。通信部20は、制御部6からの指示に従い、レンズユニット4に対して制御信号等を送信し、また、レンズユニット4の後述する通信部26から送信される各種データ等を受信し、受信した各種データ等を制御部6に対して出力する。
【0013】
電子カメラ2は、レンズユニットを着脱可能なレンズ装着部(図示せず)を有し、レンズユニット4は、電子カメラ2のレンズ装着部に装着されている。レンズユニット4は、マイクロプロセッサ等により構成され、レンズユニット4の各部を統括的に制御する制御部22を備えており、制御部22には、レンズ駆動部24及び通信部26が接続されている。レンズ駆動部24は、制御部20からの制御に従い、例えばフォーカス位置を調整する際等、撮影レンズ28を光軸方向に駆動させる。通信部28は、制御部22からの指示に従い、電子カメラ2に対して各種データ等を送信し、また、電子カメラ2の通信部20から送信される制御信号等を受信し、受信した制御信号等を制御部22に対して出力する。
【0014】
次に、撮影レンズに関する情報を登録する動作について説明する。ユーザーによりレンズ情報登録メニューの表示指示(例えば、図示しないメニューボタンの押下)がなされると、制御部6は、表示部14にレンズ情報登録メニュー画面を表示する。レンズ情報登録メニュー画面には、ユーザーが十字キーやOKボタンを操作することにより、登録する撮影レンズに関する情報として、撮影レンズの設定番号、最もWIDE(広角)側の焦点距離、最もTELE(望遠)側の焦点距離、及び表示色を入力するための入力画面が表示される。設定番号は、登録される複数の撮影レンズに関する情報を区別するための識別番号であり、表示色は、表示部14に、登録されている撮影レンズの焦点距離に応じた画角の画角枠を、スルー画像に重畳させて表示する際の画角枠の色である。ユーザーにより、レンズ情報登録メニュー画面において、撮影レンズの設定番号、最もWIDE(広角)側の焦点距離、最もTELE(望遠)側の焦点距離、及び表示色が入力されると、制御部6は、入力結果に基づいて、レンズ情報登録部18に撮影レンズに関する情報を登録し、記憶させる。
【0015】
なお、上述したように、撮影レンズに関する情報を手動で入力する構成に加えて、または代わりに、所定のレンズユニットを電子カメラ2に装着したとき、所定のレンズユニットが備える通信部が所定のレンズユニットが備える撮影レンズに関する情報(焦点距離情報等)を電子カメラ2に対して自動で送信する構成にすることもできる。この場合には、電子カメラ2の通信部20がレンズ装着に装着されているレンズユニットが備える撮影レンズに関する情報を受信し、制御部6に対して受信した情報を出力する。制御部6は、通信部20から取得した情報に基づいて、レンズ情報登録部18に撮影レンズに関する情報を登録し、記憶させる。このとき、何れの撮影レンズに関する情報も登録されていない設定番号(例えば図2では設定番号1)及び表示色を自動で設定してもよく、ユーザーに設定番号及び表示色を選択させてもよい。また、撮影レンズが単焦点レンズの場合には、図2に示すように、撮影レンズの焦点距離を、WIDE側の焦点距離に登録する。
【0016】
この実施の形態では、電子カメラ2に装着されている撮影レンズ28を所定の画角(以下、第1画角という。)に設定した状態で、レンズ情報登録部18に登録されている撮影レンズ(撮影レンズ28以外の撮影レンズであって、電子カメラ2のレンズ装着部に非装着の撮影レンズ)の焦点距離に応じた画角(以下、第2画角という。)に関する情報として第2画角の画角枠を、表示部14に第1画角で表示されているスルー画像上に重畳表示せしめることができる。以下、第2画角に関する情報を表示する処理について説明する。
【0017】
まず、制御部6は、撮影レンズ28をその焦点距離(30mm)に応じた第1画角に設定した状態で、撮像素子8からの撮像信号に基づくスルー画像を、表示部14に表示する。なお、撮影レンズ28は単焦点レンズであるため、30mmの焦点距離に応じた第1画角に自動的に設定されるが、電子カメラ2のレンズ装着部に装着されているレンズユニット内の撮影レンズがズームレンズ等である場合には、制御部6は、その撮影レンズを最もWIDE側の焦点距離に応じた第1画角(第1最大画角)に設定する。また、制御部6が設定した第1最大画角を、ユーザー操作により最もWIDE側の焦点距離でない焦点距離に応じた第1画角に変更可能な構成にすることもできる。
【0018】
次に、制御部6は、ユーザーにより画角枠表示設定メニューの表示指示(例えば、図示しないメニューボタンの押下)がなされると、表示部14に、図4に示すような画角枠表示設定メニュー画面32を表示する。画角枠表示設定メニュー画面32には、レンズ情報登録部18に登録されている撮影レンズ(登録レンズ)の一覧が表示され、ユーザーは、操作部16を介して、電子カメラ2のレンズ装着部に非装着の登録レンズ(設定番号2,3,4)のうち、第2画角に関する情報(第2画角枠)を表示させる登録レンズを選択する。即ち、画角枠表示設定メニュー画面32上において、第2画角に関する情報(第2画角枠)を表示させる登録レンズにチェックマークを入れる(図4では、設定番号3と4の登録レンズ)。そして、ユーザーにより第2画角に関する情報(第2画角枠)の表示指示(例えば、図示しないOKボタンの押下)がなされると、制御部6は、図5に示すように、選択された登録レンズの第2画角に関する情報、即ち第2画角枠36a,36b,38a,38bを、表示部14に表示されるスルー画像34上に重畳させて表示する。このように、登録されているすべての登録レンズの画角に関する情報でなく、選択された登録レンズの第2画角に関する情報のみ(すべての登録レンズを選択可能であるが)を表示することができるため、例えば持参している登録レンズのみを選択する等、所望の登録レンズの第2画角に関する情報のみを表示させることができる。
【0019】
なお、第1画角の第1画角枠40に対する第2画角の第2画角枠36a,36b,38a,38bの大きさは、制御部6による演算により算出される。即ち、撮影レンズ28(電子カメラ2に装着されている撮影レンズ)の焦点距離をS1(mm)、選択されている登録レンズ(電子カメラ2に非装着の撮影レンズ)の焦点距離をS2(mm)、電子カメラ2から被写体までの距離をL(mm)、第1画角枠に対する第2画角枠の拡大率をXとしたとき、X={(L−S2)/(L−S1)}×(S2/S1)となる。例えば、S1=30mm、S2=60mm、L=10000mmとしたとき、X=1.9939819…となる。よって、第2画角枠は、第1画角枠の縦及び横の長さを1.994倍拡大した大きさとなる。
【0020】
上述したように、第2画角枠の大きさを算出するためには、電子カメラ2から被写体までの距離を取得する必要がある。したがって、被写体までの距離を取得可能な電子カメラにおいては、上述したように、第2画角枠の大きさを算出するが、被写体までの距離を取得することができない電子カメラにおいては、X=S2/S1として第2画角枠の大きさを算出する。但しこの場合には、被写体までの距離が近いほど、算出された第2画角枠の大きさと、登録レンズを実際装着したときの焦点距離に応じた撮影範囲とが異なる場合がある。被写体までの距離を取得可能な電子カメラにおいても、被写体までの距離が十分に大きい場合には{(L−S2)/(L−S1)}=1となり、X=S2/S1となる。また、被写体までの距離が焦点距離と略同一(L≒S2)の場合にはX=0、被写体までの距離が焦点距離より短い(L<S2)の場合にはXがマイナスとなり、第2画角枠の大きさを算出することができない。よって、{(L−S2)/(L−S1)}<0.9の場合には、X=S2/S1として第2画角枠の大きさを算出し、「被写体までの距離が近すぎます」等の警告メッセージを表示部14に表示する。
【0021】
制御部6は、上述の算出結果に基づいて、選択された登録レンズの第2画角に関する情報、即ち第2画角枠36a,36b,38a,38bを、表示部14に表示されるスルー画像34上に重畳させて表示する。具体的には、図5に示すように、設定番号3の登録レンズの第2画角に関する情報として、設定番号3の登録レンズの最も短い焦点距離(18mm)に応じた第2画角である最大画角のスルー画像34に対する第2画角枠36a(一点鎖線で示す)と、設定番号3の登録レンズの最も長い焦点距離(55mm)に応じた第2画角である最小画角のスルー画像34に対する第2画角枠36b(一点鎖線で示す)を、設定番号3の登録レンズの表示色である赤色で、スルー画像34上に重畳表示せしめる。同様に、設定番号4の登録レンズの第2画角に関する情報として、設定番号4の登録レンズの最も短い焦点距離(70mm)に応じた第2画角である最大画角のスルー画像34に対する第2画角枠38a(破線で示す)と、設定番号4の登録レンズの最も長い焦点距離(300mm)に応じた第2画角である最小画角のスルー画像34に対する第2画角枠38b(一点鎖線で示す)を、設定番号4の登録レンズの表示色である緑色で、スルー画像34上に重畳表示せしめる。
【0022】
即ち、異なる複数の登録レンズ(図5では、設定番号3及び4の登録レンズ、並びに撮影レンズ28)の焦点距離に応じた第1画角及び第2画角に関する情報を表示部14に重畳表示する場合には、各登録レンズの第2画角枠の表示色や線種を異ならせる等、各登録レンズを識別可能に、各登録レンズの第2画角に関する情報を表示部14に重畳表示する。また、図5に示すように、各登録レンズを識別するために、各第2画角枠36a,36b,38a,38b、及び第1画角枠40の左上部に、各第2画角枠36a,36b,38a,38b、及び第1画角枠40に相当する焦点距離を表示することもできる。
【0023】
また、設定番号3の登録レンズの最も短い焦点距離(18mm)に応じた最大画角(第2最大画角という)が、撮影レンズ28の焦点距離(30mm)に応じた最大画角(第1最大画角という)より大きいため、図5に示すように、表示部14の表示画面は第2最大画角(第2画角枠36a)に設定され、第2最大画角に対するスルー画像34は、第1最大画角(実線で示す第1画角枠40)で表示部14の中央部に周知の電子ズーム機能を用いて縮小表示される。なお、焦点距離18mmから30mmまでの間の被写体については、撮影レンズ28において捉えることができないため、表示部14上においては表示されない。したがって、例えば図6に示すように、表示部14の画像が表示されない周辺部エリア42に、「登録レンズ3を装着したときの焦点距離18〜30mmの画角エリアです」等の表示部14の表示画面が第2最大画角(第2画角枠36a)に設定されていることを示すメッセージを表示せしめる。
【0024】
また、図5に示すように、装着されている撮影レンズ28の第1画角、及び選択されている設定番号3及び4の登録レンズの第2画角として設定できない範囲(焦点距離55mm〜70mm)44を、スルー画像34上にグレー等で重畳表示する。また、図5に示すように、表示部14に重畳表示されている複数の第2画角枠36a,36b,38a,38b、及び第1画角枠40についてユーザーの理解を容易にするために、例えば表示部14の表示画面右上部等に、選択されている設定番号3及び4の登録レンズの焦点距離情報等の情報を表示するエリア46を設けることもできる。
【0025】
更に、ユーザー操作により、エリア46内において設定番号3の登録レンズ(18−55)か設定番号4の登録レンズ(70−300)かを選択することができ、設定番号3の登録レンズ、即ち撮影レンズ28の第1画角より大きい最大画角(第2画角)を有する登録レンズが選択されると、例えば図7に示すように、設定番号3の登録レンズの第2画角として設定できない範囲(焦点距離70mm〜)48を、スルー画像34上にグレー等で重畳表示し、エリア46内において設定番号3の登録レンズが選択されていることを示す記号50等を表示する。このとき、図7では、選択されていない設定番号4の登録レンズの第2画角に関する情報(第2画角枠38a,38b)が表示されているが、設定番号3の登録レンズの第2画角に関する情報(第2画角枠36a,36b)を強調したい場合等、これら第2画角枠38a,38bを表示させない構成にすることもできる。
【0026】
一方、設定番号4の登録レンズ、即ち撮影レンズ28の第1画角より小さい最大画角(第2画角)を有する登録レンズが選択されると、例えば図8に示すように、表示部14の表示画面を設定番号4の登録レンズの最大画角(第2画角枠52a)に設定し、スルー画像54を、設定番号4の登録レンズの最大画角で表示部14に周知の電子ズーム機能を用いて拡大表示する。なお、第2画角枠52bは、設定番号4の登録レンズの最小画角を示している。
【0027】
また、図5に示すように、スルー画像34上に複数の第2画角枠36a,36b,38a,38bが重畳表示されている状態で、ユーザー操作により、複数の第2画角枠36a,36b,38a,38bのうちの何れか一つを選択可能な構成にすることもできる。この場合には、表示部14の表示画面を、選択された第2画角枠に対応する第2画角に設定し、スルー画像を、設定された第2画角で表示部14に周知の電子ズーム機能を用いて拡大表示する。
【0028】
第1の実施の形態に係る電子カメラ2によれば、レンズ装着部に非装着の登録レンズの焦点距離に応じた第2画角の第2画角枠をスルー画像上に重畳表示させることができるため、登録レンズをレンズ装着部に装着させなくとも登録レンズの焦点距離に応じた第2画角を容易に把握することができる。例えば、レンズ装着部に装着されている撮影レンズ以外の、ユーザーが所有している撮影レンズや、購入を検討している撮影レンズに関する情報を予め登録することにより、これら撮影レンズを実際にレンズ装着部に装着しなくとも、これら撮影レンズの焦点距離に応じた第2画角を直感的かつ視覚的に把握することができ、レンズ装着部に非装着の撮影レンズの撮影範囲や構図を容易に実感することができる。
【0029】
次に、図面を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置としての電子カメラについて説明する。第2の実施の形態に係る電子カメラにおいては、第1の実施の形態に係る電子カメラ2の構成と同一の構成を有しているため、その説明を省略し、同一の構成には同一の符号を用いて説明を行う。
【0030】
また、第2の実施の形態に係る電子カメラ2は、インターネット等のネットワークに接続可能、かつ電子カメラ2に接続されたネットワーク上に存在するサーバから各種データを受信可能な構成を有している。したがって、サーバ内に格納されている様々な撮影レンズに関する情報を受信することができる。即ち、この第2の実施の形態に係る電子カメラ2においては、サーバ内に格納されている撮影レンズに関する情報を受信し、受信した撮影レンズに関する情報を登録することができる。
【0031】
具体的には、ユーザーによりレンズ情報登録メニューの表示指示(例えば、図示しないメニューボタンの押下)がなされると、制御部6は、表示部14に、レンズ情報登録メニュー画面を表示する。レンズ情報登録メニュー画面には、例えば、ユーザーにより手動で入力する手段、レンズ装着部に装着されている撮影レンズのレンズ情報を自動で取得する手段、ネットワーク上に存在するサーバから撮影レンズのレンズ情報を受信する手段等のうちの一つを選択するための選択画面が表示される。ユーザーにより、ネットワーク上に存在するサーバから撮影レンズのレンズ情報を受信する手段が選択されると、制御部6は、ネットワークに接続し、ネットワーク上に存在するサーバから、ユーザーが所望する撮影レンズに関する情報を受信し、受信した情報に基づいて、レンズ情報登録部18に撮影レンズに関する情報を登録し、記憶させる。
【0032】
なお、この実施の形態では、撮影レンズに関する情報として、撮影レンズの焦点距離情報に加えて、撮影レンズが有する特定の機能に関する情報、例えば、撮影レンズが魚眼レンズ機能を有していることや、アオリ機能を有していること等の情報を受信し、レンズ情報登録部18に登録する。また、撮影レンズに関する情報として、撮影レンズの絞りに関する情報を受信し、レンズ情報登録部18に登録する。なお、サーバから撮影レンズに関する情報を受信し、レンズ情報登録部18に登録させる際、何れの撮影レンズに関する情報も登録されていない設定番号(例えば図2では設定番号1)及び表示色を自動で設定してもよく、ユーザーに設定番号及び表示色を選択させてもよい。
【0033】
この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、撮影レンズ28を第1画角に設定した状態で、撮影レンズ28以外の撮影レンズであって、レンズ情報登録部18に登録されている撮影レンズのうち、ユーザーにより選択された撮影レンズの焦点距離に応じた第2画角の画角枠を、表示部14に第1画角で表示されているスルー画像上に重畳表示せしめることができる。
【0034】
そして、ユーザー操作により、第2画角の第2画角枠とスルー画像とが重畳表示されている画面上において、選択されている撮影レンズのうちの一つを選択することができ、例えばユーザーにより選択された撮影レンズが魚眼レンズによる機能を有している場合には、制御部6は、第2画角枠と、魚眼レンズによる機能を加えたスルー画像とを重畳表示する。即ち、ユーザーにより選択された撮影レンズが電子カメラ2のレンズ装着部に装着された場合において、この撮影レンズが有する魚眼レンズ機能により、表示部14に表示されるスルー画像は、特定のゆがみを有する。よって、制御部6は、現在装着されている撮影レンズ28を介したスルー画像に対してこの特定のゆがみを与えるために、スルー画像に対して画像処理を施すための演算処理を実行し、演算結果に基づいてスルー画像に対して画像処理を施す。なお、この特定のゆがみを与えるための画像処理に関する演算情報は、魚眼レンズ機能を有する撮影レンズに関する情報に含まれており、この撮影レンズに関する情報を登録する際に、サーバから送信される。
【0035】
同様に、ユーザーにより選択された撮影レンズがアオリ機能を有している場合には、制御部6は、第2画角枠と、アオリ機能を加えたスルー画像とを重畳表示する。即ち、ユーザーにより選択された撮影レンズが電子カメラ2のレンズ装着部に装着された場合において、この撮影レンズが有するアオリ機能により、表示部14に表示されるスルー画像は、特定のゆがみを有する。よって、制御部6は、現在装着されている撮影レンズ28を介したスルー画像に対してこの特定のゆがみを与えるために、スルー画像に対して画像処理を施すための演算処理を実行し、演算結果に基づいてスルー画像に対して画像処理を施す。なお、この特定のゆがみを与えるための画像処理に関する演算情報は、アオリ機能を有する撮影レンズに関する情報に含まれており、この撮影レンズに関する情報を登録する際に、サーバから送信される。また、スルー画像に特定のゆがみを与える画像処理としては、処理の容易さ等を考慮したとき、表示部14へ画像表示するためのスルー画像に対して画像処理を施すのがよい。
【0036】
また、制御部6は、ユーザーにより選択された撮影レンズの絞りに関する情報から、開放F値に基づく撮影レンズの明るさに関する情報を取得し、第2画角枠と、撮影レンズの明るさに関する情報に基づき明るさ調整されたスルー画像とを重畳表示する。即ち、ユーザーにより選択された撮影レンズが電子カメラ2のレンズ装着部に装着された場合において、表示部14に表示されるスルー画像は、撮影レンズの開放F値に基づく明るさの影響を受ける。よって、制御部6は、現在装着されている撮影レンズ28を介したスルー画像の明るさが、選択されている撮影レンズの開放F値に基づく明るさとなるように、スルー画像の輝度補正値を算出し、算出結果に基づいてスルー画像の輝度を補正する。なお、スルー画像の輝度を補正する処理としては、処理の容易さやノイズの影響等を考慮したとき、表示部14へ画像表示するためのスルー画像に対して明るさ調整するのがよいが、撮像素子8の感度を調整してもよい。
【0037】
第2の実施の形態に係る電子カメラ2によれば、レンズ装着部に非装着の登録レンズの焦点距離に応じた第2画角の第2画角枠をスルー画像上に重畳表示させることができるため、登録レンズをレンズ装着部に装着させなくとも登録レンズの焦点距離に応じた第2画角を容易に把握することができる。また、レンズ装着に非装着の登録レンズが魚眼レンズによる機能やアオリ機能等の特定の機能を有している場合には、その特定の機能に関する情報、即ち特定の機能を反映させたスルー画像を表示することができるため、登録レンズをレンズ装着に装着させなくとも登録レンズが有する特定の機能を反映させたスルー画像を容易に把握することができる。したがって、撮影レンズを実際にレンズ装着部に装着しなくとも、撮影レンズの第2画角や特定の機能を直感的かつ視覚的に把握することができ、レンズ装着部に非装着の撮影レンズの撮影範囲や構図を容易に実感することができる。
【符号の説明】
【0038】
2…電子カメラ、4…レンズユニット、6…制御部、8…撮像素子、10…画像処理部、12…記録媒体、14…表示部、16…操作部、18…レンズ情報登録部、20…通信部、28…撮影レンズ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズを着脱可能なレンズ装着部を有する撮像装置であって、
前記レンズ装着部に装着されている第1撮影レンズを介した被写体からの光を撮像する撮像素子と、
前記第1撮影レンズを第1画角に設定した状態で、前記撮像素子からの撮像信号に基づくスルー画像を表示する表示部と、
前記レンズ装着部に非装着の第2撮影レンズに関する情報に基づいて、前記第2撮影レンズの焦点距離に応じた第2画角に関する情報を、前記表示部に前記第1画角で表示されている前記スルー画像上に重畳表示せしめる表示制御部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、互いに異なる複数の前記第2撮影レンズの焦点距離にそれぞれ応じた前記第2画角に関する情報を前記表示部に重畳表示する場合には、前記複数の第2撮影レンズのそれぞれを識別可能に、前記それぞれの第2画角に関する情報を前記表示部に重畳表示することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第2撮影レンズの最も短い焦点距離に応じた前記第2画角である第2最大画角が、前記第1撮影レンズの最も短い焦点距離に応じた前記第1画角である第1最大画角より大きい場合には、前記表示部の表示画面を前記第2最大画角に設定し、前記第2最大画角に対する前記スルー画像を前記第1最大画角で前記表示部の中央部に縮小表示せしめることを特徴とする請求項1または請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示部に縮小表示されている前記スルー画像が表示されていない前記表示部の周辺部に、前記表示部の表示画面が前記第2最大画角に設定されていることを示すメッセージを表示せしめることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記第2画角として設定できない範囲に関する情報を、前記表示部に表示されている前記スルー画像上に重畳表示せしめることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記第2画角に関する情報として、前記第2撮影レンズの最も短い焦点距離に応じた前記第2画角である最大画角の前記スルー画像に対する画角枠、及び前記第2撮影レンズの最も長い焦点距離に応じた第2画角である最小画角の前記スルー画像に対する画角枠を、前記表示部に表示されている前記スルー画像上に重畳表示せしめることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記画角枠を選択可能な選択部を備え、
前記表示制御部は、前記選択部により選択された前記画角枠に対応する前記第2画角で前記スルー画像を前記表示部に拡大表示することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第2撮影レンズは、特定の機能を有しており、
前記表示制御部は、前記第2撮影レンズに関する情報に含まれる前記特定の機能に関する情報を、前記第2画角に関する情報と共に前記表示部に表示されている前記スルー画像上に重畳表示することを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記特定の機能は、魚眼レンズによる機能またはアオリ機能であることを特徴とする請求項8記載の撮像装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記第2撮影レンズに関する情報に含まれる前記第2撮影レンズの開放F値に基づく前記第2撮影レンズの明るさに関する情報を、前記第2画角に関する情報と共に前記表示部に表示されている前記スルー画像上に重畳表示することを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第2撮影レンズに関する情報を入力する入力部、前記第2撮影レンズに関する情報を受信する受信部、及び前記レンズ装着部に装着された撮影レンズに関する情報を前記第2撮影レンズに関する情報として取得する取得部の少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−168299(P2012−168299A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28035(P2011−28035)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】