撮像装置
【課題】フレキ基板により表示部が押圧されるのを回避して、表示部の表示画面にモアレが発生するのを防止することができるデジタルカメラを提供する。
【解決手段】デジタルカメラは、レンズ鏡筒200と、レンズ鏡筒200の背面側に設けられる撮像素子204と、レンズ鏡筒200の径方向の一側にレンズ鏡筒200に隣接して設けられる電池収納部500と、電池収納部500の正面側に設けられるプリント基板100と、撮像素子204及び電池収納部500の背面側に設けられる液晶表示デバイス302と、撮像素子201から延出した後、レンズ鏡筒200と電池収納部500との間を通ってプリント基板100の正面側にコネクタ103,104を介して電気的に接続されるフレキシ基板201と、を備える。そして、フレキ基板201をコネクタ103,104を介してプリント基板100に電気的に接続した際にフレキ基板201が撓み変形する空間800を形成するための切欠き部800aをレンズ鏡筒200に設ける。
【解決手段】デジタルカメラは、レンズ鏡筒200と、レンズ鏡筒200の背面側に設けられる撮像素子204と、レンズ鏡筒200の径方向の一側にレンズ鏡筒200に隣接して設けられる電池収納部500と、電池収納部500の正面側に設けられるプリント基板100と、撮像素子204及び電池収納部500の背面側に設けられる液晶表示デバイス302と、撮像素子201から延出した後、レンズ鏡筒200と電池収納部500との間を通ってプリント基板100の正面側にコネクタ103,104を介して電気的に接続されるフレキシ基板201と、を備える。そして、フレキ基板201をコネクタ103,104を介してプリント基板100に電気的に接続した際にフレキ基板201が撓み変形する空間800を形成するための切欠き部800aをレンズ鏡筒200に設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒にCCDセンサ等の撮像素子が搭載されたデジタルカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置では、電子部品間の接続にフレキシブルプリント基板を用いるものが多い(特許文献1)。図11は、デジタルカメラにおいて、撮像素子とプリント基板とをフレキシブルプリント基板で接続した例を示す要部断面図である。
【0003】
図11に示すデジタルカメラは、レンズ鏡筒2200の背面側にCCDセンサ等の撮像素子204が設けられており、撮像素子204には、レンズ鏡筒2200のレンズ群を通過した被写体光が結像する。レンズ鏡筒2200の径方向の一側には、電池502を出し入れ自在に収納する電池収納部500がレンズ鏡筒2200に隣接して設けられ、電池収納部500及びレンズ鏡筒2200の背面側には、液晶表示デバイス302が設けられている。また、電池収納部500の正面側(被写体側)には、プリント基板100が設けられ、プリント基板100のレンズ鏡筒2200側の端部には、コネクタ104が取り付けられている。
【0004】
そして、撮像素子204から延出したフレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒2200と液晶表示デバイス302との間を通った後、レンズ鏡筒2200と電池収納部500との間を通って、その延出端がプリント基板100の正面側に対向配置される。フレキシブルプリント基板201の延出端にはコネクタ103が設けられており、コネクタ103をプリント基板100側のコネクタ104に挿入することで、撮像素子204とプリント基板100とがフレキシブルプリント基板201を介して電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−146501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、フレキシブルプリント基板201は、コネクタ103をプリント基板100側のコネクタ104へ挿入する際のストローク分、長めにする必要がある。このため、図12に示すように、コネクタ103をコネクタ104に接続した状態では、フレキシブルプリント基板201に対して長さの余剰部分に起因する引張力、あるいは圧縮力が作用し、液晶表示デバイス302に押圧力が負荷されるおそれがある。液晶表示デバイス302に押圧力が負荷されると、表示画面にモアレが発生する不具合が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、フレキシブルプリント基板により表示部が押圧されるのを回避して、表示デバイスの表示画面にモアレが発生するのを防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒の背面側に設けられる撮像素子と、前記レンズ鏡筒の径方向の一方の側に該レンズ鏡筒に隣接して設けられる電池収納部と、前記電池収納部の正面側に設けられる配線基板と、前記素子の背面側に設けられる表示デバイスと、前記撮像素子から延出した後、屈曲して前記レンズ鏡筒と前記電池収納部との間を通って前記配線基板の正面側にコネクタを介して電気的に接続されるフレキシブルプリント基板と、を備え、前記レンズ鏡筒と前記電池収納部との間であって前記フレキシブルプリント基板が屈曲する部分の近傍に前記フレキシブルプリント基板が撓み変形する空間を形成するための切欠き部を、前記レンズ鏡筒及び前記電池収納部のうちの少なくとも一方に形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フレキシブルプリント基板により表示部が押圧されるのを回避することができるので、表示デバイスの表示画面にモアレが発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の撮像装置の第1の実施形態であるデジタルカメラの外装カバーを取り外した状態を示す図であり、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラの要部断面図である。
【図3】図1に示すデジタルカメラの制御ブロック図である。
【図4】図1に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板のBtoBコネクタをプリント基板のBtoBコネクタに接続した状態を示す要部断面図である。
【図5】本発明の撮像装置の第2の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。
【図6】図5に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板のBtoBコネクタをプリント基板のBtoBコネクタに接続した状態を示す要部断面図である。
【図7】本発明の撮像装置の第3の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。
【図8】図7に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板のBtoBコネクタをプリント基板のBtoBコネクタに接続した状態を示す要部断面図である。
【図9】本発明の撮像装置の第4の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。
【図10】図9に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板のBtoBコネクタをプリント基板のBtoBコネクタに接続した状態を示す要部断面図である。
【図11】従来のデジタルカメラを説明するための要部断面図である。
【図12】図11に示す従来のデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板のコネクタをプリント基板のコネクタに接続した状態を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は本発明の撮像装置の第1の実施形態であるデジタルカメラの外装カバーを取り外した状態を示す図であり、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。図2は図1に示すデジタルカメラの要部断面図、図3は図1に示すデジタルカメラの制御ブロック図である。
【0013】
図1〜図3に示すように、本実施形態のデジタルカメラは、正面側にレンズ鏡筒200が設けられ、レンズ鏡筒200の背面部には、CCDセンサ等の撮像素子204が設けられている。レンズ鏡筒200の径方向の一方の側には、電池502を出し入れ自在に収納する電池収納部500がレンズ鏡筒200に隣接して設けられ、電池収納部500は、ビス等によりメインシャーシ600に固定される。
【0014】
電池収納部500及び撮像素子204の背面側には、液晶表示デバイス302が設けられ、また、電池収納部500の正面側(被写体側)には、プリント基板100が設けられている。ここで、電池収納部500は、本発明の内装部材の一例に相当し、また、プリント基板100は、本発明の配線基板の一例に相当する。
【0015】
プリント基板100の正面側には、撮像信号の処理や変換を行う撮像制御部106、レンズ鏡筒200のレンズ群203の駆動を制御するレンズ制御部202、及びカメラ全体の制御を司るCPU105が実装されている。プリント基板100のレンズ鏡筒200側の正面側端部には、BtoBコネクタ104が実装されている。
【0016】
また、プリント基板100には、メモリ110が実装されており、メモリ110には、ユーザによる設定情報や出荷時の調整値等、デジタルカメラの電源がOFFの間も保持すべきデータが格納されている。CPU105は、デジタルカメラに設けられた操作部108でのユーザ操作に応じて、撮影動作開始の指示を撮像制御部106やレンズ制御部202に与えたり、撮影と再生のモードの切り換え処理などの各種制御を行う。
【0017】
プリント基板100の背面側には、デジタルカメラに対して着脱自在に装着されるメモリカード等の記録媒体の信号を読み書きするカードコネクタ102が実装されている。なお、着脱自在な記録媒体に代えて、内蔵メモリであってもよい。
【0018】
そして、CPU105は、レンズ制御部202によりレンズ鏡筒200のレンズ群203を駆動し、レンズ群203を通した被写体光が撮像素子204の撮像面に結像する。撮像素子204の撮像面に結像した被写体光は、画像信号に光電変換され、フレキシブルプリント基板201を介してプリント基板100の撮像制御部106に伝送される。
【0019】
CPU105は、撮像制御部106によりフレキシブルプリント基板201を介して撮像素子204を駆動することで光電変換された画像信号を取得し、A/D変換部107でデジタル信号に変換する。また、CPU105は、A/D変換された画像信号に対して信号処理を施し、画像データとしてメモリカード101に出力する。撮影時あるいは再生時には、CPU105は、液晶表示デバイス302に画像データを出力し、これにより、液晶表示デバイス302の表示画面に画像データが表示される。
【0020】
次に、撮像素子204とプリント基板100とを接続するフレキシブルプリント基板201の配置例について説明する。
【0021】
フレキシブルプリント基板201は、撮像素子204から液晶表示デバイス302とレンズ鏡筒200との間を通ってレンズ鏡筒200の径方向に延出する。その後、フレキシブルプリント基板201は、屈曲してレンズ鏡筒200と電池収納部500との間を通って光軸方向に延出し、再度屈曲して、プリント基板100の正面側に達する。
【0022】
フレキシブルプリント基板201の延出端には、BtoBコネクタ103が取り付けられている。図4に示すように、フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100側のBtoBコネクタ104に挿入することにより、撮像素子204とプリント基板100とがフレキシブルプリント基板201を介して電気的に接続される。
【0023】
ここで、本実施形態では、レンズ鏡筒200の背面側端面と外周面との間に切欠き部800aを設けている。すなわち、切欠き部800aはレンズ鏡筒200と電池収納部500との間あってフレキシブルプリント基板201が屈曲する部分の近傍に形成されている。BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入する前の状態では、フレキシブルプリント基板201は、切欠き部800aに接触している。
【0024】
そして、BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入して接続した状態では、図4に示すように、フレキシブルプリント基板201は、切欠き部800aと電池収納部500との間に形成される空間800に逃げて撓み変形する。
【0025】
また、電池収納部500には、フレキシブルプリント基板201の空間800内での液晶表示デバイス302側への撓み変形を規制して、液晶表示デバイス302にフレキシブルプリント基板201が接触するのを回避する規制部材801が一体に設けられている。
【0026】
これにより、フレキシブルプリント基板201に作用する、BtoBコネクタ103の挿入ストローク分の余剰長さに起因する引張力、あるいは圧縮力を抑制するとともに、液晶表示デバイス302へ押圧力が負荷されるのを防止している。
【0027】
以上説明したように、本実施形態では、BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入して接続した際に、フレキシブルプリント基板201により液晶表示デバイス302が押圧されるのを回避することができる。これにより、液晶表示デバイス302の表示画面にモアレが発生するのを確実に防止することができる。
【0028】
(第2の実施形態)
次に、図5及び図6を参照して、本発明の撮像装置の第2の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。図5は、本発明の撮像装置の第2の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。図6は、図5に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に接続した状態を示す要部断面図である。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0029】
本実施形態のデジタルカメラは、図5に示すように、電池収納部1500のレンズ鏡筒1200の背面側外周面に対向する部位に、切欠き部800bを設けている。すなわち、切欠き部800bは、レンズ鏡筒1200と電池収納部1500との間あってフレキシブルプリント基板201が屈曲する部分の近傍に形成されている。フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に挿入する前の状態では、フレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒1200の外周面に接触している。
【0030】
そして、図6に示すように、BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入して接続した状態では、フレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒1200と電池収納部1500の切欠き部800bとの間に形成される空間800に逃げて撓み変形する。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0031】
(第3の実施形態)
次に、図7及び図8を参照して、本発明の撮像装置の第3の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。図7は、本発明の撮像装置の第3の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。図8は、図7に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に接続した状態を示す要部断面図である。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0032】
本実施形態のデジタルカメラは、図7に示すように、電池収納部1500のレンズ鏡筒1200の背面側外周面に対向する部位に、切欠き部800bを設け、また、レンズ鏡筒1200の外周面のプリント基板100近傍に、切欠き部800cを設けている。
【0033】
フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に挿入する前の状態では、フレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒1200の外周面に沿って光軸方向に配置されている。
【0034】
そして、図8に示すように、BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入して接続した状態では、フレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒1200と電池収納部1500の切欠き部800bとの間に形成される空間800に逃げて撓み変形する。また、これと同時に、フレキシブルプリント基板201は、切欠き部800cの空間802に逃げて撓み変形する。これにより、BtoBコネクタ103がBtoBコネクタ104から抜けようとする力、及び規制部材801に作用する押圧力を減少させることができる。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0035】
(第4の実施形態)
次に、図9及び図10を参照して、本発明の撮像装置の第4の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。図9は、本発明の撮像装置の第4の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。図10は、図9に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に接続した状態を示す要部断面図である。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】
本実施形態のデジタルカメラは、図9に示すように、レンズ鏡筒200の背面側の端面と外周面との間に切欠き部800aを設け、また、電池収納部1500の切欠き部800aに対向する部位に、切欠き部800bを設けている。すなわち、切欠き部800aおよび切欠き部800bはレンズ鏡筒200と電池収納部1500との間あってフレキシブルプリント基板201が屈曲する部分の近傍に形成されている。
【0037】
フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に挿入する前の状態では、フレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒200の切欠き部800aに接触している。
【0038】
そして、図10に示すように、BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入して接続した状態では、フレキシブルプリント基板201は、切欠き部800aと切欠き部800bとの間に形成される空間800に逃げて撓み変形する。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0039】
なお、本発明の構成は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0040】
例えば、上記各実施形態では、撮像装置としてデジタルカメラを例示したが、これに限定されず、撮像素子を搭載したレンズ鏡筒を備える携帯情報端末(PDA)や携帯電話機等であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
100 プリント基板
103,104 BtoBコネクタ
200 レンズ鏡筒
201 フレキシブルプリント基板
204 撮像素子
302 液晶表示デバイス
500 電池収納部
800 空間
800a 切欠き部
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒にCCDセンサ等の撮像素子が搭載されたデジタルカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置では、電子部品間の接続にフレキシブルプリント基板を用いるものが多い(特許文献1)。図11は、デジタルカメラにおいて、撮像素子とプリント基板とをフレキシブルプリント基板で接続した例を示す要部断面図である。
【0003】
図11に示すデジタルカメラは、レンズ鏡筒2200の背面側にCCDセンサ等の撮像素子204が設けられており、撮像素子204には、レンズ鏡筒2200のレンズ群を通過した被写体光が結像する。レンズ鏡筒2200の径方向の一側には、電池502を出し入れ自在に収納する電池収納部500がレンズ鏡筒2200に隣接して設けられ、電池収納部500及びレンズ鏡筒2200の背面側には、液晶表示デバイス302が設けられている。また、電池収納部500の正面側(被写体側)には、プリント基板100が設けられ、プリント基板100のレンズ鏡筒2200側の端部には、コネクタ104が取り付けられている。
【0004】
そして、撮像素子204から延出したフレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒2200と液晶表示デバイス302との間を通った後、レンズ鏡筒2200と電池収納部500との間を通って、その延出端がプリント基板100の正面側に対向配置される。フレキシブルプリント基板201の延出端にはコネクタ103が設けられており、コネクタ103をプリント基板100側のコネクタ104に挿入することで、撮像素子204とプリント基板100とがフレキシブルプリント基板201を介して電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−146501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、フレキシブルプリント基板201は、コネクタ103をプリント基板100側のコネクタ104へ挿入する際のストローク分、長めにする必要がある。このため、図12に示すように、コネクタ103をコネクタ104に接続した状態では、フレキシブルプリント基板201に対して長さの余剰部分に起因する引張力、あるいは圧縮力が作用し、液晶表示デバイス302に押圧力が負荷されるおそれがある。液晶表示デバイス302に押圧力が負荷されると、表示画面にモアレが発生する不具合が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、フレキシブルプリント基板により表示部が押圧されるのを回避して、表示デバイスの表示画面にモアレが発生するのを防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒の背面側に設けられる撮像素子と、前記レンズ鏡筒の径方向の一方の側に該レンズ鏡筒に隣接して設けられる電池収納部と、前記電池収納部の正面側に設けられる配線基板と、前記素子の背面側に設けられる表示デバイスと、前記撮像素子から延出した後、屈曲して前記レンズ鏡筒と前記電池収納部との間を通って前記配線基板の正面側にコネクタを介して電気的に接続されるフレキシブルプリント基板と、を備え、前記レンズ鏡筒と前記電池収納部との間であって前記フレキシブルプリント基板が屈曲する部分の近傍に前記フレキシブルプリント基板が撓み変形する空間を形成するための切欠き部を、前記レンズ鏡筒及び前記電池収納部のうちの少なくとも一方に形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フレキシブルプリント基板により表示部が押圧されるのを回避することができるので、表示デバイスの表示画面にモアレが発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の撮像装置の第1の実施形態であるデジタルカメラの外装カバーを取り外した状態を示す図であり、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラの要部断面図である。
【図3】図1に示すデジタルカメラの制御ブロック図である。
【図4】図1に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板のBtoBコネクタをプリント基板のBtoBコネクタに接続した状態を示す要部断面図である。
【図5】本発明の撮像装置の第2の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。
【図6】図5に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板のBtoBコネクタをプリント基板のBtoBコネクタに接続した状態を示す要部断面図である。
【図7】本発明の撮像装置の第3の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。
【図8】図7に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板のBtoBコネクタをプリント基板のBtoBコネクタに接続した状態を示す要部断面図である。
【図9】本発明の撮像装置の第4の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。
【図10】図9に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板のBtoBコネクタをプリント基板のBtoBコネクタに接続した状態を示す要部断面図である。
【図11】従来のデジタルカメラを説明するための要部断面図である。
【図12】図11に示す従来のデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板のコネクタをプリント基板のコネクタに接続した状態を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は本発明の撮像装置の第1の実施形態であるデジタルカメラの外装カバーを取り外した状態を示す図であり、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。図2は図1に示すデジタルカメラの要部断面図、図3は図1に示すデジタルカメラの制御ブロック図である。
【0013】
図1〜図3に示すように、本実施形態のデジタルカメラは、正面側にレンズ鏡筒200が設けられ、レンズ鏡筒200の背面部には、CCDセンサ等の撮像素子204が設けられている。レンズ鏡筒200の径方向の一方の側には、電池502を出し入れ自在に収納する電池収納部500がレンズ鏡筒200に隣接して設けられ、電池収納部500は、ビス等によりメインシャーシ600に固定される。
【0014】
電池収納部500及び撮像素子204の背面側には、液晶表示デバイス302が設けられ、また、電池収納部500の正面側(被写体側)には、プリント基板100が設けられている。ここで、電池収納部500は、本発明の内装部材の一例に相当し、また、プリント基板100は、本発明の配線基板の一例に相当する。
【0015】
プリント基板100の正面側には、撮像信号の処理や変換を行う撮像制御部106、レンズ鏡筒200のレンズ群203の駆動を制御するレンズ制御部202、及びカメラ全体の制御を司るCPU105が実装されている。プリント基板100のレンズ鏡筒200側の正面側端部には、BtoBコネクタ104が実装されている。
【0016】
また、プリント基板100には、メモリ110が実装されており、メモリ110には、ユーザによる設定情報や出荷時の調整値等、デジタルカメラの電源がOFFの間も保持すべきデータが格納されている。CPU105は、デジタルカメラに設けられた操作部108でのユーザ操作に応じて、撮影動作開始の指示を撮像制御部106やレンズ制御部202に与えたり、撮影と再生のモードの切り換え処理などの各種制御を行う。
【0017】
プリント基板100の背面側には、デジタルカメラに対して着脱自在に装着されるメモリカード等の記録媒体の信号を読み書きするカードコネクタ102が実装されている。なお、着脱自在な記録媒体に代えて、内蔵メモリであってもよい。
【0018】
そして、CPU105は、レンズ制御部202によりレンズ鏡筒200のレンズ群203を駆動し、レンズ群203を通した被写体光が撮像素子204の撮像面に結像する。撮像素子204の撮像面に結像した被写体光は、画像信号に光電変換され、フレキシブルプリント基板201を介してプリント基板100の撮像制御部106に伝送される。
【0019】
CPU105は、撮像制御部106によりフレキシブルプリント基板201を介して撮像素子204を駆動することで光電変換された画像信号を取得し、A/D変換部107でデジタル信号に変換する。また、CPU105は、A/D変換された画像信号に対して信号処理を施し、画像データとしてメモリカード101に出力する。撮影時あるいは再生時には、CPU105は、液晶表示デバイス302に画像データを出力し、これにより、液晶表示デバイス302の表示画面に画像データが表示される。
【0020】
次に、撮像素子204とプリント基板100とを接続するフレキシブルプリント基板201の配置例について説明する。
【0021】
フレキシブルプリント基板201は、撮像素子204から液晶表示デバイス302とレンズ鏡筒200との間を通ってレンズ鏡筒200の径方向に延出する。その後、フレキシブルプリント基板201は、屈曲してレンズ鏡筒200と電池収納部500との間を通って光軸方向に延出し、再度屈曲して、プリント基板100の正面側に達する。
【0022】
フレキシブルプリント基板201の延出端には、BtoBコネクタ103が取り付けられている。図4に示すように、フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100側のBtoBコネクタ104に挿入することにより、撮像素子204とプリント基板100とがフレキシブルプリント基板201を介して電気的に接続される。
【0023】
ここで、本実施形態では、レンズ鏡筒200の背面側端面と外周面との間に切欠き部800aを設けている。すなわち、切欠き部800aはレンズ鏡筒200と電池収納部500との間あってフレキシブルプリント基板201が屈曲する部分の近傍に形成されている。BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入する前の状態では、フレキシブルプリント基板201は、切欠き部800aに接触している。
【0024】
そして、BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入して接続した状態では、図4に示すように、フレキシブルプリント基板201は、切欠き部800aと電池収納部500との間に形成される空間800に逃げて撓み変形する。
【0025】
また、電池収納部500には、フレキシブルプリント基板201の空間800内での液晶表示デバイス302側への撓み変形を規制して、液晶表示デバイス302にフレキシブルプリント基板201が接触するのを回避する規制部材801が一体に設けられている。
【0026】
これにより、フレキシブルプリント基板201に作用する、BtoBコネクタ103の挿入ストローク分の余剰長さに起因する引張力、あるいは圧縮力を抑制するとともに、液晶表示デバイス302へ押圧力が負荷されるのを防止している。
【0027】
以上説明したように、本実施形態では、BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入して接続した際に、フレキシブルプリント基板201により液晶表示デバイス302が押圧されるのを回避することができる。これにより、液晶表示デバイス302の表示画面にモアレが発生するのを確実に防止することができる。
【0028】
(第2の実施形態)
次に、図5及び図6を参照して、本発明の撮像装置の第2の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。図5は、本発明の撮像装置の第2の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。図6は、図5に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に接続した状態を示す要部断面図である。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0029】
本実施形態のデジタルカメラは、図5に示すように、電池収納部1500のレンズ鏡筒1200の背面側外周面に対向する部位に、切欠き部800bを設けている。すなわち、切欠き部800bは、レンズ鏡筒1200と電池収納部1500との間あってフレキシブルプリント基板201が屈曲する部分の近傍に形成されている。フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に挿入する前の状態では、フレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒1200の外周面に接触している。
【0030】
そして、図6に示すように、BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入して接続した状態では、フレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒1200と電池収納部1500の切欠き部800bとの間に形成される空間800に逃げて撓み変形する。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0031】
(第3の実施形態)
次に、図7及び図8を参照して、本発明の撮像装置の第3の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。図7は、本発明の撮像装置の第3の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。図8は、図7に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に接続した状態を示す要部断面図である。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0032】
本実施形態のデジタルカメラは、図7に示すように、電池収納部1500のレンズ鏡筒1200の背面側外周面に対向する部位に、切欠き部800bを設け、また、レンズ鏡筒1200の外周面のプリント基板100近傍に、切欠き部800cを設けている。
【0033】
フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に挿入する前の状態では、フレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒1200の外周面に沿って光軸方向に配置されている。
【0034】
そして、図8に示すように、BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入して接続した状態では、フレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒1200と電池収納部1500の切欠き部800bとの間に形成される空間800に逃げて撓み変形する。また、これと同時に、フレキシブルプリント基板201は、切欠き部800cの空間802に逃げて撓み変形する。これにより、BtoBコネクタ103がBtoBコネクタ104から抜けようとする力、及び規制部材801に作用する押圧力を減少させることができる。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0035】
(第4の実施形態)
次に、図9及び図10を参照して、本発明の撮像装置の第4の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。図9は、本発明の撮像装置の第4の実施形態であるデジタルカメラの要部断面図である。図10は、図9に示すデジタルカメラにおいて、フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に接続した状態を示す要部断面図である。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】
本実施形態のデジタルカメラは、図9に示すように、レンズ鏡筒200の背面側の端面と外周面との間に切欠き部800aを設け、また、電池収納部1500の切欠き部800aに対向する部位に、切欠き部800bを設けている。すなわち、切欠き部800aおよび切欠き部800bはレンズ鏡筒200と電池収納部1500との間あってフレキシブルプリント基板201が屈曲する部分の近傍に形成されている。
【0037】
フレキシブルプリント基板201のBtoBコネクタ103をプリント基板100のBtoBコネクタ104に挿入する前の状態では、フレキシブルプリント基板201は、レンズ鏡筒200の切欠き部800aに接触している。
【0038】
そして、図10に示すように、BtoBコネクタ103をBtoBコネクタ104に挿入して接続した状態では、フレキシブルプリント基板201は、切欠き部800aと切欠き部800bとの間に形成される空間800に逃げて撓み変形する。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0039】
なお、本発明の構成は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0040】
例えば、上記各実施形態では、撮像装置としてデジタルカメラを例示したが、これに限定されず、撮像素子を搭載したレンズ鏡筒を備える携帯情報端末(PDA)や携帯電話機等であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
100 プリント基板
103,104 BtoBコネクタ
200 レンズ鏡筒
201 フレキシブルプリント基板
204 撮像素子
302 液晶表示デバイス
500 電池収納部
800 空間
800a 切欠き部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒の背面側に設けられる撮像素子と、前記レンズ鏡筒の径方向の一方の側に該レンズ鏡筒に隣接して設けられる電池収納部と、前記電池収納部の正面側に設けられる配線基板と、前記素子の背面側に設けられる表示デバイスと、前記撮像素子から延出した後、屈曲して前記レンズ鏡筒と前記電池収納部との間を通って前記配線基板の正面側にコネクタを介して電気的に接続されるフレキシブルプリント基板と、を備え、
前記レンズ鏡筒と前記電池収納部との間であって前記フレキシブルプリント基板が屈曲する部分の近傍に前記フレキシブルプリント基板が撓み変形する空間を形成するための切欠き部を、前記レンズ鏡筒及び前記電池収納部のうちの少なくとも一方に形成することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記空間での前記フレキシブルプリント基板の前記表示デバイスの側への撓み変形を規制する規制部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記規制部材は、前記電池収納部と一体に設けられることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項1】
レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒の背面側に設けられる撮像素子と、前記レンズ鏡筒の径方向の一方の側に該レンズ鏡筒に隣接して設けられる電池収納部と、前記電池収納部の正面側に設けられる配線基板と、前記素子の背面側に設けられる表示デバイスと、前記撮像素子から延出した後、屈曲して前記レンズ鏡筒と前記電池収納部との間を通って前記配線基板の正面側にコネクタを介して電気的に接続されるフレキシブルプリント基板と、を備え、
前記レンズ鏡筒と前記電池収納部との間であって前記フレキシブルプリント基板が屈曲する部分の近傍に前記フレキシブルプリント基板が撓み変形する空間を形成するための切欠き部を、前記レンズ鏡筒及び前記電池収納部のうちの少なくとも一方に形成することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記空間での前記フレキシブルプリント基板の前記表示デバイスの側への撓み変形を規制する規制部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記規制部材は、前記電池収納部と一体に設けられることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−53157(P2012−53157A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194019(P2010−194019)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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