説明

撮像装置

【課題】電子先幕シャッターを有する撮像装置にTSレンズを装着したときにおいて、シフト移動後、電子先幕撮影をすると光量不足になることを改善する。
【解決手段】レボルビング手段によって撮影レンズの少なくとも一部を光軸を中心として回転させ、シフト方向を決定し、前記シフト手段のシフト量の内のシャッター走行方向のシフト量成分Hを演算するシフト量成分演算手段と、撮影レンズ情報と前記シフト量成分Hに基づいて補正射出瞳距離Pを演算する射出瞳距離Pの演算手段と、前記演算した補正射出瞳距離Pに基づいて電子先幕走査の走査パターンを演算する電子先幕走査演算手段を有することを特徴とする撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、特にメカニカルシャッターと電子シャッターを併用して撮像動作を行う撮像装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来一眼レフタイプのデジタルカメラには、メカニカルシャッターと電子シャッターを併用して撮像動作を行うものがある。
【0003】
これはメカニカルシャッターが後幕として構成され、後幕の走行に先行して、撮像素子への電荷蓄積開始操作を行う電子シャッターを駆動することにより撮影が行われていた。
【0004】
また、電子シャッターを用いて撮像動作を行う場合、例えばCMOSセンサを用いた撮像素子では、画素毎、或いは複数画素からなる領域毎(例えば各ライン毎)に、先ず画素の蓄積電荷量をゼロにするリセット走査を行う。
【0005】
その後、リセット走査を行った画素毎、或いは領域毎に、それぞれ所定の時間を経過してから信号を読み出す走査を行うことで、電子シャッターによる撮像動作を実現できる。
【0006】
以下、このような撮像動作を電子先幕走査と称する。
【0007】
特許文献1では、電子シャッターとメカニカルシャッターを併用して、撮像素子の露光を制御する場合、先ずメカニカルシャッターの走行方向に画素毎、或いは撮像素子の複数画素から成る領域毎(例えばライン毎)に画素のリセット(画素の蓄積電荷量をゼロにする走査)を行い、電荷蓄積を開始する。
【0008】
そして、所定時間経過後にメカニカルシャッターの後幕走行によって撮像素子への光を順次遮光した後、各画素に蓄積された電荷を順次読み出す読み出し走査を行う。
【0009】
従って、電子シャッターの電子先幕走査は、メカニカルシャッターの後幕の走行特性に合わせたものであると公開されている。
【0010】
以下、このような電子シャッターの電子先幕走査とメカニカルシャッターの後幕走行の構成を電子先幕シャッターと称する。
【0011】
特許文献2では、一眼レフタイプのデジタルカメラは一般的に撮影レンズの交換が可能であるが、シフト機構を有する撮影レンズ(以下「シフトレンズ」と称する)を用いた場合に、シフト量によってシャッター走行方向のシフト量成分が異なり、メカニカルシャッターによる撮像面上での遮光位置は変化する。
【0012】
特に電子先幕走査されてからメカニカルシャッターにより遮光されるまでの露光時間が短い場合に、装着された撮影レンズの焦点距離、射出瞳位置等に応じてシャッター走行方向に露出ムラが生じてしまう。
【0013】
従って、シャッター走行方向のシフト量成分に応じて電子先幕査の走査パターンを設定することが公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平11−41523号公報
【特許文献2】特開2007−053742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述の特開文献1に開示された電子先幕シャッターは、メカニカルシャッターの後幕走行に先行して撮像素子上でリセット走査、電荷蓄積開始走査をし、後幕走行後に電荷読み出し走査を行う。
【0016】
従って、電子シャッターの電子先幕走査は、メカニカルシャッターの後幕の走行特性に合わせたものであると公開されている。
【0017】
しかし、撮像素子上を走査する電子先幕とメカニカルシャッターの後幕の光軸方向の距離が、先幕と後幕がメカニカルシャッターの構成と比べると長くなっている。
【0018】
このため、シフト機構を有する撮影レンズを用いた場合に、後幕の遮光羽の位置と撮像素子上の遮光位置に誤差が生じてしまい、露出ムラが発生する。
【0019】
また、上述の特開文献2には、電子先幕シャッターの撮像動作を行う一眼レフタイプのカメラにシフト機構を有する撮影レンズを用いた場合に、シフト量に基づいて電子先幕走査の走査パターンを設定することで露出ムラを低減させることが開示されている。
【0020】
しかし、電子先幕走査の走査パターンの設定方法については、走査パターンを複数記憶することが必要となり、カメラの情報格納部の容量が必要となる。
【0021】
さらに、撮像素子に対して撮影レンズの少なくとも一部を光軸に対して回転させるレボルビングについて考えていない。
【0022】
そのため、レボルビングを考慮せずにシフト量に応じて電子先幕走査の走査パターンを設定すると、本来発生しないシャッター走行方向の露出ムラを発生させることになってしまう。
【0023】
そこで、本発明の目的は、レボルビング機構とシフト機構を有する撮影レンズを用いた場合に、シャッター走行方向の露出ムラを低減することを可能にした電子先幕走査の補正方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
複数の画素から成る撮像素子と、補正射出瞳距離Pを演算する係数を複数格納する情報格納部と、前記撮像素子を遮光するためのシャッター手段と、前記シャッター手段による前記撮像素子の遮光の開始に先だって、前記シャッター手段の走行方向に前記撮像素子の画素を順次リセットし、電荷蓄積を開始する電子先幕走査手段と、撮影レンズユニットの少なくとも一部を光軸に対して垂直な方向にシフトするシフト手段と、前記シフト手段を含む前記レンズユニットの少なくとも一部を光軸を中心として回転させるレボルビング手段を有する着脱可能な前記レンズユニットを装着して用いられる撮像装置において、前記レボルビング手段によって撮影レンズの少なくとも一部を光軸を中心として回転させ、シフト方向を決定し、前記シフト手段のシフト量の内のシャッター走行方向のシフト量成分Hを演算するシフト量成分演算手段と、レンズの個体情報に基づいて補正射出瞳距離Pを演算する補正射出瞳距離演算手段と、前記演算した補正射出瞳距離Pに基づいて電子先幕走査を演算する電子先幕走査演算手段を有することを特徴とする撮像装置および制御方法。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば電子先幕シャッターのある一眼レフタイプのカメラに、レボルビング機構とシフト機構を有する撮影レンズを装着した場合に、撮影レンズ情報に基づいて決定する補正射出瞳距離Pの演算係数と、シフト量とレボルビング角度によるシフト量成分Hによって上記レンズの個体情報に最適な補正射出瞳距離Pを演算する。そして、前記補正射出瞳距離Pによって電子先幕走査の走査パターンを演算する。 上記より、シフト量・レボルビング角度毎に補正射出瞳距離Pを多量に記憶することなく、シャッター走行方向の露出ムラを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態における撮像システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施形態における撮像素子及びシャッターを被写体側から見た正面図。
【図3】シフトレンズとシャッターの位置関係に伴う電荷蓄積領域の変化を説明する図。
【図4】異なるシフト量における電子先幕の走査曲線と、メカ後幕の走行曲線の関係を示す図。
【図5】実施形態における撮像装置の撮影動作を示すフローチャート。
【図6】実施形態における電子先幕走査の走査パターンを決定するために補正射出瞳距離Pを、演算するための機能構成を示すブロック図。
【図7】第1実施形態における補正射出瞳距離Pを決定する処理を示すフローチャート。
【図8】第1実施形態におけるシャッター走行方向のシフト量成分を説明するための図。
【図9】第1実施形態における補正射出瞳距離Pの演算係数を決定する処理を示すフローチャート。
【図10】第2実施形態における補正射出瞳距離Pを決定する処理を示すフローチャート。
【図11】第2実施形態における補正射出瞳距離Pの演算係数を決定する処理を示すフローチャート。
【図12】第3実施形態における補正射出瞳距離Pを決定する処理を示すフローチャート。
【図13】第3実施形態における補正射出瞳距離Pの演算係数を決定する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかわる撮像システムの構成を示すブロック図である。
【0029】
第1の実施形態にかかる撮像システムは、撮像装置であるカメラ本体100と、カメラ本体100に装着される、撮影光学係としての着脱可能なレンズユニット101とを有している。
【0030】
まず、レンズユニット101内の構成について説明する。
【0031】
114は撮影レンズであり、図1では、1つのレンズとして表しているが、実際には、フォーカスレンズやズームレンズ等、複数のレンズから構成されている。
【0032】
レンズCPU115は、レンズ駆動回路116を介して撮影レンズ114の駆動を制御すると共に、絞り駆動回路117を介して絞り117aを駆動し、撮影動作時の被写体輝度に応じた絞りの制御を行う。
【0033】
118はレンズシフト機構で、撮影レンズ114の少なくとも1枚のレンズを含む、レンズユニット101の少なくとも一部を、レンズユニット101の光軸に対して直交する予め決められた方向に移動させる。
【0034】
レンズシフト機構118に設けられた操作部(不図示)を操作することによりレンズユニット101の少なくとも一部をシフトさせることができる。
【0035】
シフト量はシフト量検出回路119により検出されて、レンズCPU115に送られる。
【0036】
120はレボルビング機構で、レボルビング機構120に設けられた操作部(不図示)を操作することにより、レンズユニット101の少なくとも一部を回転させることができる。
【0037】
回転角度(以降、「レボルビング角度」と称する。)はレボルビング角度検出回路121により検出されて、レンズCPU115に送られる。
【0038】
このレボルビング機構120による回転と、レンズシフト機構118によるシフトにより、光軸に対して直交する平面上の任意の位置にレンズユニット101の少なくとも一部をシフトさせることが可能となる。
【0039】
レンズCPU115は、レンズユニット101側の通信接点122及びカメラ本体100側の通信接点123を介して、後述するカメラ本体100内のカメラCPU113と通信することができる。
【0040】
レンズCPU115は、通信接点122及び123を介して、レンズ情報をカメラCPU113の要求に応じて通知する。
【0041】
なお、撮影レンズ情報は、例えば、レンズユニット101の個体情報、絞り値、焦点距離、焦点位置(フォーカス位置)、撮影距離、射出瞳距離、レンズシフト機構のシフト方向、シフト量、レボルビング角度等である。
【0042】
次に、カメラ本体100の構成について説明する。
【0043】
撮像装置が非撮影状態(図1に示す状態)にある場合、レンズユニット101の撮影レンズ114及び絞り117を通過した被写体光束のうちの一部の光束は、撮影光路内に位置するミラー102で反射されてファインダ光学係103に導かれる。
【0044】
これにより、撮影者は、ファインダ光学係103を介して被写体像を観察することができる。
【0045】
後述する不図示のレリーズ釦が押されて非撮影状態から撮影状態に移行すると、ミラー102は撮影光路から退避する。
【0046】
これにより、レンズユニット101からの被写体光束は、CMOSセンサやCCDなどにより構成される撮像素子104へ向かう。
【0047】
撮像素子104の各画素は、露光されている間、レンズユニット101により結像された被写体光学像を光量に応じて光電変換し、得られた電荷を蓄積する。
【0048】
撮像素子104には、パルス発生回路107から走査クロック(水平駆動パルス)や所定の制御パルスが供給される。
【0049】
パルス発生回路107で発生した走査クロックのうち、垂直走査用のクロックは垂直駆動変調回路108によって所定のクロック周波数に変調されて、撮像素子104に入力される。
【0050】
この垂直駆動変調回路108によって電子先幕の走査パターンが決定される。
【0051】
また、パルス発生回路107は、後述する信号処理回路109にもクロック信号を出力する。
【0052】
撮像素子104に対して物体側(レンズ側)には、メカニカルシャッター105が配置されている。
【0053】
メカニカルシャッター105は、複数の遮光羽根で構成された後幕(以下、「メカ後幕」と呼ぶ。)を有し、撮像素子104を遮光する。
【0054】
カメラCPU113は、シャッター駆動回路106を介してメカニカルシャッター105の駆動を制御する。
【0055】
信号処理回路109は、撮像素子104から読み出された信号に対して二重相関サンプリング処理(CDS)やゲイン(AG)処理、及び所定の処理(色処理やガンマ補正等)を施すことにより画像データを生成する。
【0056】
生成された画像データは、画像表示回路110を介して表示装置151に出力されて撮影画像として表示されたり、画像記録回路111に記録されたりする。
【0057】
スイッチユニット112は、主電源のON/OFFを制御するスイッチや、撮影条件等を設定するために操作されるスイッチや、撮影準備動作および撮影動作を開始させるために操作されるスイッチ(レリーズ釦)を含む。
【0058】
レリーズ釦の半押し操作(スイッチSW1のON)で撮影準備動作(測光動作や焦点調節動作等)が開始される。
【0059】
更に、全押し操作(スイッチSW2のON)で撮影動作(撮像素子104の露光及び電荷信号の読み出し、及び電荷信号を処理して得られた画像データの記録媒体への記録)が開始される。
【0060】
カメラCPU113は、スイッチユニット112の操作に応じた動作を行う。
【0061】
情報格納部150は、後述するような補正射出瞳距離Pを演算する式の係数を複数種類記憶する。
【0062】
上記構成を有する本実施の形態におけるカメラ本体100は、通常複数の遮光羽根で構成される先幕に代えて、撮像素子104の画素を順次リセットし、電荷蓄積を開始する電子シャッターである電子先幕と前記メカ後幕による電子先幕シャッターを採用している。
【0063】
そして、電子先幕シャッターを用いて撮像素子104の露光制御を行う構成となっている。
【0064】
図2は、撮像素子104およびメカ後幕をレンズ側から光軸方向に沿って観察した様子を示す正面図であり、レリーズ釦の押下により撮影が開始された後の、電子先幕走査およびメカ後幕の走行が途中にあるときの状態を示している。
【0065】
矢印1は、電子先幕走査の走査方向と、メカ後幕の走行方向を示す。
【0066】
なお、撮影レンズ114により撮像素子104の撮像面に結像した被写体像は上下が反転する。
【0067】
そのため、図2のように撮像面の下側から上側に向かって電子先幕走査を行うことで、画像上部から画像下部へ電子先幕走査及びメカ後幕の走行が行われることになる。
【0068】
図2において、2は撮像素子104の撮像面、3はメカニカルシャッター105のメカ後幕であり、メカ後幕3が撮像面2の一部の領域を遮光している状態が示されている。
【0069】
4は、撮像素子104におけるリセット走査を行っているライン(リセットライン)を示す。
【0070】
リセット走査はリセットライン4上の画素の蓄積電荷量をゼロにするものであり、リセットライン4は電子先幕の先端に相当する。
【0071】
リセットライン4とメカ後幕3の先端5との間のスリットによって形成される領域6は、撮像素子104において露光による電荷蓄積が行われている領域(電荷蓄積領域)である。
【0072】
電荷蓄積領域6は電子先幕とメカ後幕3の走行に従って、矢印1の方向へ移動していくことになる。
【0073】
リセットライン4が通過してから、つまり画素がリセットされてから、メカ後幕3によって遮光状態となるまでの時間が、画素の露光による電荷蓄積時間となる。
【0074】
このように、リセットライン4が矢印1の方向へ走査して各ラインの電荷蓄積が開始されるので、電荷蓄積の開始タイミングは撮像素子104のライン毎に異なる。
【0075】
図2に示す例では、撮像面2において最も下に位置するラインで電荷蓄積動作が最も早いタイミングで行われ、最も上に位置するラインで電荷蓄積動作が最も遅いタイミングで行われる。
【0076】
撮像面2の下部から上部へ向かうリセットライン4の移動は、垂直駆動変調回路108により図4の(a)及び(b)を参照して後述するように制御される。
【0077】
このリセットライン4の移動パターンを「走査パターン」と称する。この走査パターンは、撮像素子104のライン毎にリセット走査が行われるタイミングを示したものということができる。
【0078】
情報格納部150には、このような走査パターンを実行するための補正射出瞳距離Pの演算係数が複数記憶されている。
【0079】
カメラCPU113は、これらのうちの一つを選択し、選択した係数による式とレンズCPU115の情報に基づいてリセットライン4が移動するように垂直駆動変調回路108を制御する。
【0080】
なお、射出瞳距離Pの演算式の係数を決定する処理の詳細は後述する。
【0081】
図3は本実施形態における撮影レンズ114とメカニカルシャッター105、撮像素子104の関係を示す断面図である。
【0082】
図3において、(a)と(b)のシャッター走行は上方向であり、実線で示したレンズ114aはシフトをさせずに基準光軸位置にある(シフト量がゼロである)場合の撮影レンズ114を示している。
【0083】
破線で示したレンズ114bはメカニカルシャッター105の走行方向と同じ方向に基準光軸位置からシフト量yだけシフトした位置にある場合の撮影レンズ114を示している。
【0084】
また、105−1はシャッター地板、105−2はシャッター羽根押さえである。
【0085】
図3(a)は撮影動作における電子先幕シャッターの開き始めの状態を示している。
【0086】
スリット幅Cは、シフト量がゼロであるレンズ114aを透過した光束が、105−3によって遮光されるラインとリセットライン4とによって制限され、撮像面2に入射する領域の幅を示している。
【0087】
また、スリット幅Dは、シフト量がyであるレンズ114bを透過した光束が、メカ後幕105−3によって遮光されるラインとリセットライン4とによって制限され、撮像面2に入射する領域の幅を示している。
【0088】
図3(a)のタイミングでは、スリット幅Dの方がスリット幅Cよりも大きい。
【0089】
よって、電子先幕及びメカ後幕を同じ条件で駆動した場合、スリット幅Dに示される領域において、レンズ114bの位置にある場合の露光量はレンズ114aの位置にある場合の露光量より大きくなる。
【0090】
従って、レンズ114aの位置で適正露光が得られるように電子先幕のリセット走査の走査パターンが設定されていた場合、シャッターの開き出しにおいては、レンズ114bの位置で撮影されたとき、露出がオーバーになってしまうことになる。
【0091】
図3(b)は撮影動作後半(撮影終了間近)の状態を示している。
【0092】
スリット幅C’は、シフト量がゼロであるレンズ114aを透過した光束が、メカ後幕105−3によって遮光されるラインとリセットライン4とによって制限され、撮像面104に入射する領域の幅を示している。
【0093】
また、スリット幅D’は、シフト量がyであるレンズ114bを透過した光束が、105−3によって遮光されるラインとリセットライン4とによって形成され、撮像面104に入射する領域の幅を示している。
【0094】
図3(b)に示されるタイミングでは、図3(a)に示したシャッターの開き始めの状態と同様に、スリット幅D’の方がスリット幅C’よりも大きい。
【0095】
よって、電子先幕及びメカ後幕を同じ条件で駆動する場合、スリット幅D’に示される領域において、レンズ114bの位置にある場合の露光量はレンズ114aの位置にある場合の露光量より大きくなる。
【0096】
従って、レンズ114aの位置で適正露光が得られるように電子先幕走査の走査パターンが設定されていた場合、レンズ114bの位置で撮影されたとき、露出がオーバーになってしまうことになる。
【0097】
また、シャッターの開き始めから開き終わりまでの間で、露出オーバーになる量は一定ではなく、変化しているため、その結果、画像の上部と下部とに露光ムラ(所謂、上下方向の露光ムラ)が発生してしまう。
【0098】
図4(a)において、12はメカ後幕の走行パターンを表し、走行開始から徐々に速度が上がる状態を表している。
【0099】
11は電子先幕走査の走査パターンを表す。
【0100】
走査パターン11と走査パターン12の時間方向の距離が撮像素子の各ラインの露光時間を表す。
【0101】
図4(a)では、撮像素子の下から上に渡ってほぼ同じ露光時間となっている。
【0102】
シフトレンズの焦点距離と射出瞳距離が十分長いとき(例えば500mm以上のとき)は、メカ後幕の走行カーブとほぼ同じ形状の走査パターンで適正な露光が得られる。
【0103】
前述したように、メカニカルシャッター105の走行方向と同方向にシフト量yだけシフトした位置にあるレンズ114bの場合には、露出がオーバーになる。
【0104】
具体的には、図4(a)に示すようなシャッター制御では、特に撮像面下部(=画像の上部)において露出がオーバーとなり、撮像面上部(=画像の下部)においても少量の露出オーバーとなる。
【0105】
そのため、撮像面の各部の露光時間を短くし、露光ムラを軽減するように、電子先幕の走査パターン11を図4(b)の走査パターン11bに補正することが必要となる。
【0106】
一方、上述とは逆に、メカニカルシャッター105の走行方向と逆方向にシフトした位置にあるレンズの場合では、シフト量無しの場合での電子先幕走査の走査パターンを設定すると、特に撮像面下部の露出がアンダーとなり、撮像面上部も露出アンダーとなる。
【0107】
従って、図4(c)に示すように、撮像面の各部で露光時間を長くし、露光ムラを軽減するように、電子先幕の走査パターン11を図4(c)に示すように走査パターン11cに補正することが必要となる。
【0108】
以上のような構成を有する撮像システムの本第1の実施形態における撮像動作の概略について、図5のフローチャートを参照して、カメラの動作を追いながら説明する。
【0109】
なお、図5に示す処理はカメラCPU113が主体となって実行される処理である。
【0110】
スイッチユニット112内のレリーズ釦の第1ストローク(所謂、半押し状態)が検出されると(スイッチSW1のON)、処理はS101からS102へ進む。
【0111】
S102において、カメラCPU113は通信接点122、123を介して、装着されたレンズの個体情報、絞り値、焦点距離、射出瞳距離、撮影距離、レンズシフト機構のシフト量、レボルビング機構のレボルビング角度等のレンズ情報をレンズCPU115から取得するように制御する。
【0112】
次にS103において、不図示の測光センサからの出力とISO感度設定等の情報により、レンズの絞り値を決定する。
【0113】
次にS104に進み、不図示の測距係によって被写体距離情報が取得され、レンズユニット101の撮影距離が決定される。
【0114】
そして、S105において、被写体輝度と絞り値、ISO感度設定等によりシャッター速度を決定し、S106に進む。
【0115】
S106では、それまでに取得したレンズ情報に基づき、電子先幕走査の走査パターンを演算するために補正射出瞳距離Pを決定する。
【0116】
なお、S106で行われる補正射出瞳距離Pの決定処理については、図6及び図7を参照して詳細に後述する。
【0117】
そして、S106で補正射出瞳距離Pを決定した後、S107に進み、電子先幕のリセット走査を演算する。
【0118】
そして、レリーズ釦の第2ストローク、即ち全押し状態(スイッチSW2のON)が検出されると、S109において、ミラー102をアップ(撮影光路から退避)する。
【0119】
そして、S110において、S107で補正射出瞳距離Pに基づいて演算された電子先幕走査駆動を開始する。
【0120】
そして、S111においてメカ後幕を駆動制御して、撮像素子104を順次遮光し、撮像素子104から電荷信号を読み出して処理することにより画像を取得する。
【0121】
最後にS112において、ミラー102のダウンとメカニカルシャッター105のシャッターチャージを行い、撮影に伴う一連のシャッター制御シーケンスが終了し、S101に戻る。
【0122】
次に、S106で行われる補正射出瞳距離Pの決定処理を、図6、図7を参照して説明する。
【0123】
図6は本第1の実施形態による電子先幕走査の制御に関するブロック図である。
【0124】
カメラCPU113の情報収集部113aは、上述したように装着されたレンズの個体情報101a、絞り値101b、撮影距離101c、射出瞳距離101d、シャッター秒時106a等を収集する。
【0125】
更に、レンズシフト機構のシフト量101e、及びレボルビング機構のレボルビング角度101fを収集する。
【0126】
この時、シフト量101e及びレボルビング角度101fは、カメラ本体100に設けられた操作部(不図示)を操作することで収集してもよい。
【0127】
そして、収集した情報の内、シフト量101eとレボルビング角度101fをシフト量成分演算部113bに渡し、レンズの個体情報101a、絞り値101b、撮影距離101c、射出瞳距離101dを補正射出瞳距離演算係数設定部113cに渡す。
【0128】
113bでは、レボルビング回転後のシフト量の内、シャッター走行方向もしくは逆方向のシフト量成分Hを算出する。
【0129】
シフト量の内、シャッター走行方向もしくは逆方向のシフト量成分Hを算出する処理については、図8を用いて後述する。
【0130】
そして、演算によって求めたシフト量成分Hを補正射出瞳距離演算部113dに渡す。
【0131】
なお本第1の実施例においてシャッター走行方向のシフト量成分の演算はカメラCPU113が行っているが、レンズCPU115が行っても良い。
【0132】
補正射出瞳距離演算係数設定部113cでは、取得した情報の内、レンズユニットの個体情報に基づいて、情報格納部150に記憶されている複数の演算係数の中から補正射出瞳距離Pを演算する式の係数A、B、C、Dを取得し、補正射出瞳距離演算部113dに渡す。
【0133】
補正射出瞳距離演算部113dは、シフト量成分Hと補正射出瞳距離Pの演算係数を変数とするP=AH3+BH2+CH+Dといった多項式を記憶している。
【0134】
そして、シフト量成分演算部113bから取得したシフト量成分Hと、補正射出瞳距離演算係数設定部113cから取得した補正射出瞳距離Pの演算係数A、B、C、Dを用いて補正射出瞳距離Pを演算し、電子先幕走査演算部113eに渡す。
【0135】
電子先幕走査演算部113eでは、演算によって求めた補正射出瞳距離Pに基づいて電子先幕走査の走査パターンを演算し、垂直駆動変調回路制御部113fに渡す。
【0136】
垂直駆動変調回路制御部113fは、電子先幕走査演算部113eによって演算された補正射出瞳距離Pに基づいて演算された電子先幕走査を実行するべく、垂直駆動変調回路108を制御する。
【0137】
次に、図7は補正射出瞳距離Pの決定処理(S106)を表すフローチャートである。
【0138】
まず、S401では、装着されたレンズユニット101の個体情報、絞り値、焦点距離、撮影距離、射出瞳距離等のレンズ情報及びシャッター秒時を収集する。
【0139】
更に、レンズシフト機構のシフト量、及びレボルビング機構のレボルビング角度を収集し、S402へ進む。
【0140】
S402では、レボルビング回転後のシフト量の内、シャッター走行方向もしくは逆方向のシフト量成分Hを演算する。
【0141】
次にS403では、シフト量成分が0であるか、もしくは、S404において、シャッター秒時が所定値よりも遅い(シャッター秒時が所定値より長い)かのどちらかの条件を満たしている場合はS407へ進み、レンズの個体情報に応じた標準の射出瞳距離を決定しS107へ進む。
【0142】
どちらも満たしていない場合は、S405に進み、レンズの個体情報に応じて補正射出瞳距離Pの演算係数を決定し、S406へ進む。
【0143】
S405のレンズの個体情報に応じた補正射出瞳距離Pの演算係数の決定処理については後述する。
【0144】
S406では、シフト量成分Hと補正射手瞳距離Pの演算係数を用いて、レンズの個体情報、レンズのシフト、レボルビング状態に最適な補正射出瞳距離Pを演算し、S107へ進む。
【0145】
また、上記の標準の射出瞳距離とは、例えば、図4(a)の走査パターン11のようにメカ後幕の走行パターン12とほぼ等しいもの(撮影開始から終了まで撮像素子の各ラインの露光時間がほぼ同じ)である。
【0146】
上述した条件は、以下の理由による。
【0147】
まず、シフト量によって発生する露出ムラは、前述したように高速秒時でシャッターのスリット幅が狭いときに、特に大きく発生する。
【0148】
よって、本第1の実施形態では、シャッター秒時が長く(例えば1/8秒以下)、露出ムラが発生しても十分に無視できるシャッター秒時の範囲では、補正射出瞳距離Pの演算を行わないようにしている。
【0149】
なお、この条件は必須ではなく、シャッター秒時にかかわらず、補正射出瞳距離Pを演算するようにしても構わない。
【0150】
次に、レボルビング回転後のシフト量の内、シャッター走行方向もしくは逆方向のシフト量成分Hを、図8を参照して説明する。
【0151】
図8は本第1の実施形態のレンズユニット101の少なくとも一部のレボルビング角度とシフト量を模式的に表した図である。
【0152】
図8において、X軸とY軸の交点が光軸であり、Y軸とシャッターの走行方向が一致している。
【0153】
θはレボルビング角度、Sがシフト量で、Lは、レボルビング角度θの方向にSシフトした位置にあることを表している。
【0154】
この場合のシャッター走行方向すなわちY軸の方向のシフト量成分Hは
H=Scosθ
により算出することができる。(S402)
次に、S405のレンズの個体情報に応じた補正射出瞳距離Pの演算係数の決定処理について図9を参照して説明する。
【0155】
図9は、第1の実施形態における補正射出瞳距離Pの演算係数決定処理(S405)を表すフローチャートである。
【0156】
まず、S501では、S401で取得したレンズの個体情報を判断する。
【0157】
レンズユニット101は着脱可能のレンズで、例えば図9ではS501でレンズユニット101のレンズの個体情報がTSレンズ1であるかを判断し、その場合はS502へ進む。
【0158】
S502では、S501で判断されたレンズの個体情報に最適な補正射出瞳距離Pの演算係数を決定し、S406へ進む。
【0159】
また、S501のレンズの個体情報がTSレンズ1ではないと判断された場合はS601へ進み、装着されたレンズを判別し、S501、S502と同様のフローを行った後S406へ進む。
【0160】
上記の通り本第1の実施形態によれば、レボルビング角度とシフト量を用いてシャッター走行方向もしくは逆方向のシフト量成分Hを演算する。
【0161】
次に、レンズの個体情報に応じて、補正射出瞳距離Pを演算する係数が決定すると、前記シフト量成分Hと前記補正射出瞳距離Pを演算する係数に基づいて、前記多項式によって補正射出瞳距離Pを演算する。
【0162】
そして、演算した補正射出瞳距離Pに基づいて電子先幕走査の走査パターンを演算することにより、シフト量成分H及び、レンズの個体情報に応じたシャッター走行方向の露出ムラを減少させることができる
【実施例2】
【0163】
次に、本発明の第2の実施形態について図10と図11を参照して説明する。
【0164】
なお、本第2の実施形態における撮像システムの構成は、第1の実施形態で図1を参照して説明したものと同様であり、図5の撮影動作を示すフローチャートと、図6の補正射出瞳距離Pを演算するための機能構成を示すブロック図も同様であるためここでは説明を省略する。
【0165】
図10は、第2の実施形態における補正射出瞳距離Pの決定処理を表すフローチャートである。
【0166】
第1の実施形態で図7を参照して説明した処理とは、レンズの個体情報に応じて補正射出瞳距離Pの演算係数を決定する処理に絞り値情報による決定処理を追加したことが異なる。(S410)
また図11は、第2の実施形態における補正射出瞳距離Pの演算係数決定処理(S410)を表すフローチャートである。
【0167】
第1の実施形態で図9を参照して説明した処理とは、絞り値情報による判断処理を追加したことが異なる。(S503〜S512)
ここで、第2実施形態であるレンズの個体情報と、絞り値情報に基づいて補正射出瞳距離Pの演算係数を決定する処理(S410)を図11を参照して説明する。
【0168】
例えば、S501において、レンズの個体情報がTSレンズ1であるかを判断する。取得したレンズの個体情報がTSレンズ1である場合はS503へ進む。
【0169】
S503ではレンズユニットの絞り値情報を取得し、S504へ進む。
【0170】
S504以降では絞り値をFNo.1、FNo.2、FNo.3、FNo.4といった閾値を用いて判断し、それに応じた補正射出瞳距離Pの演算係数を決定していく。
【0171】
S504では絞り値情報がFNo.1未満であるかを判断する。
条件を満たしている場合はS505へ進み、補正射出瞳距離Pの演算係数をA=A、B=B、C=C、D=Dとなるように情報格納部150より取得し、S406へ進む。
【0172】
条件を満たしていない場合はS506へ進む。
【0173】
S506では絞り値情報がFNo.1以上FNo.2未満であるかを判断する。
【0174】
条件を満たしている場合はS507に進み、補正射出瞳距離Pの演算係数をA=A、B=B、C=C、D=Dとなるように情報格納部150より取得し、S406へ進む。
【0175】
条件を満たしていない場合はS508へ進む。
【0176】
S508では絞り値情報がFNo.2以上FNo.3未満であるかを判断する。
【0177】
条件を満たしている場合はS509へ進み、補正射出瞳距離Pの演算係数をA=A、B=B、C=C、D=Dとなるように情報格納部150より取得し、S406へ進む。
【0178】
条件を満たしていない場合はS510へ進む。
【0179】
S510では絞り値情報がFNo.3以上FNo.4未満であるかを判断する。
【0180】
条件を満たしている場合はS511へ進み、補正射出瞳距離Pの演算係数をA=A、B=B、C=C、D=Dとなるように情報格納部150より取得し、S406へ進む。
【0181】
条件を満たしていない場合はS512へ進む。S512においては、絞り値情報がFNo.4以上と判断され、補正射出瞳距離Pの演算係数をA=A、B=B、C=C、D=Dとなるように情報格納部150より取得し、S406へ進む。
【0182】
なお、絞り値による補正射出瞳距離Pの演算係数の判断を上記のように示したが、これに限らず、全ての絞り値に専用の補正射出瞳距離Pの演算係数を格納し、補正射出瞳距離Pの演算係数を決定しても良い。
【0183】
なお、上記のフローチャートは前述したように、レンズの個体情報がTSレンズ1である場合の補正射出瞳距離Pの演算係数決定処理なので、レンズの個体情報に応じて、S503〜S512の処理を複数有する。
【0184】
上記の通り本第2の実施形態によれば、レボルビング角度とシフト量を用いてシャッター走行方向もしくは逆方向のシフト量成分Hを演算する。
【0185】
その後、レンズの個体情報と絞り値に応じて、補正射出瞳距離Pの演算係数が決定することで、シフト量成分H及び、レンズの個体情報と絞り値に応じた補正射出瞳距離を演算することができ、シャッター走行方向の露出ムラを減少させることができる。
【実施例3】
【0186】
次に、本発明の第3の実施形態について図12と図13を参照して説明する。
【0187】
なお、本第3の実施形態における撮像システムの構成は、第1の実施形態で図1を参照して説明したものと同様であり、図5の撮影動作を示すフローチャートと、図6の補正射出瞳距離Pを演算するための機能構成を示すブロック図も同様であるためここでは説明を省略する。
【0188】
図12は、第3の実施形態における補正射出瞳距離Pの決定処理(S106)を表すフローチャートである。
【0189】
第2の実施形態で図10を参照して説明した処理とは、レンズの個体情報と絞り値情報に応じて補正射出瞳距離Pの演算係数を決定する処理に撮影距離情報による決定処理を追加したことが異なる。(S420)
また、図13は、第3の実施形態における補正射出瞳距離Pの演算係数の決定処理を表すフローチャートである。
【0190】
第2の実施形態で図11を参照して説明した処理とは、レンズの個体情報と絞り値情報に基づいて補正射出瞳距離Pの演算係数を決定する処理に、撮影距離情報による判断処理を追加したことが異なる。
【0191】
それ以外は、図11の処理と同様であるので、適宜説明を省略する。
なお、図13に示す処理はカメラCPU113が主体となって実行される処理である。
【0192】
ここで、レンズの個体情報と、絞り値情報と、撮影距離情報に基づいて補正射出瞳距離Pの演算係数を決定する処理について、補正射出瞳距離Pの演算係数決定処理を図13を用いて説明する。
【0193】
先ず、S501〜S503では第2の実施形態と同様の処理を行い、次にS513へ進む。
【0194】
S513は113aから撮影距離情報Zを取得し、S514へ進む。
【0195】
S514はS513で取得した撮影距離情報Zを、撮影距離M1,M2、M3といった閾値で撮影距離を判断する。
【0196】
Z<M1の場合はS515へ進み、実施例2の図11と同様の補正射出瞳距離Pの演算係数決定処理を行う。また、M1≦Z≦M2の場合はS524へ進み、実施例2の図11と同様の補正射出瞳距離Pの演算係数決定処理を行う。
【0197】
もしくは、M2<Zの場合はS533へ進み、実施例2の図11と同様の補正射出瞳距離Pの演算係数決定処理を行う。
【0198】
上記の通り本第3の実施形態によれば、レボルビング角度とシフト量を用いてシャッター走行方向もしくは逆方向のシフト量成分Hを演算する。
【0199】
その後、レンズの個体情報と絞り値と撮影距離に応じて、補正射出瞳距離Pの演算係数を決定することで、シフト量成分H及び、レンズの個体情報と絞り値と撮影距離に応じてシャッター走行方向の露出ムラを減少させることができる。
【0200】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0201】
2 撮像面
3 メカ後幕
4 リセットライン
5 メカ後幕の先端部
100 カメラ本体
101 交換レンズ
101a レンズの個体情報
101b 絞り値
101c 撮影距離
101d 射出瞳距離
101e シフト量情報
101f レボルビング角度情報
104 撮像素子
105 メカニカルシャッター
106 シャッター駆動回路
106a シャッター秒時
107 パルス発生回路
108 垂直駆動変調回路
109 信号処理回路
110 画像表示回路
111 画像記録回路
112 スイッチユニット
113 カメラCPU
113a 情報収集部
113b シフト量成分演算部
113c 補正射出瞳距離演算係数設定部
113d 補正射出瞳距離演算部
113e 電子先幕演算部
113f 垂直駆動変調回路制御部
114 撮影レンズ
115 レンズCPU
116 レンズ駆動回路
117 絞り駆動回路
118 レンズシフト機構
119 シフト量検出回路
120 レボルビング機構
121 レボルビング角度検出回路
122 レンズ側通信接点
123 カメラ側通信接点
150 情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素から成る撮像素子(104)と、中央演算部(113)と、補正射出瞳距離Pの演算係数の情報を格納する情報格納部(150)と、前記撮像素子を遮光するためのシャッター手段(105)と、前記シャッター手段による前記撮像素子の遮光の開始に先だって、前記シャッター手段の走行方向に前記撮像素子の画素を順次リセットし、電荷蓄積開始を制御する垂直駆動変調回路(108)と、撮影レンズユニットの少なくとも一部を光軸に対して垂直な方向にシフトするシフト手段(118)と、前記シフト手段を含む前記レンズユニットの少なくとも一部を光軸を中心として回転させるレボルビング手段(120)を有する着脱可能な前記レンズユニットを装着して用いられる撮像装置において、前記レンズ情報(115)に基づいて電子先幕走査の走査パターンを演算する電子先幕走査演算手段(113e)を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記レンズ情報(115)には、前記レンズの個体情報とレボルビング角度とシフト量と絞り値と撮影距離情報と射出瞳距離すべて、もしくは複数を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記電子先幕走査演算手段(113e)は、前記レンズユニットのレボルビング情報とシフト情報からシャッターの走行方向のシフト量成分Hを演算し、撮影レンズの個体情報毎に補正射出瞳距離Pの演算係数を情報格納部(150)より取得し、前記演算したシフト量成分Hと前記補正射出瞳距離Pの演算係数に基づいて補正射出瞳距離Pを演算し、前記演算した補正射出瞳距離Pに基づいて電子先幕の走査パターンを演算することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記電子先幕走査演算手段(113e)は、前記レンズユニットのレボルビング情報とシフト情報からシャッターの走行方向のシフト量成分Hを演算し、撮影レンズの個体情報毎の絞り値によって補正射出瞳距離Pの演算係数を情報格納部(150)より取得し、前記演算したシフト量成分Hと前記補正射出瞳距離Pの演算係数に基づいて補正射出瞳距離Pを演算し、前記演算した補正射出瞳距離Pに基づいて電子先幕の走査パターンを演算することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記電子先幕走査演算手段(113e)は、前記レンズユニットのレボルビング情報とシフト情報からシャッターの走行方向のシフト量成分Hを演算し、撮影レンズの個体情報毎の絞り値と撮影距離によって補正射出瞳距離Pの演算係数を情報格納部(150)より取得し、前記演算したシフト量成分Hと前記補正射出瞳距離Pの演算係数に基づいて補正射出瞳距離Pを演算し、前記演算した補正射出瞳距離Pに基づいて電子先幕の走査パターンを演算することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−88642(P2012−88642A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237284(P2010−237284)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】