説明

撮像装置

【課題】GPS内蔵型撮像装置において、撮影者の手や内部の電気ノイズによるGPS受信感度の低下を低減する。
【解決手段】撮像部を備えた本体部と、本体保持用のハンドル部130と、前記ハンドル部に本体保持用の把持部を備え、撮像装置の上方にハンドル部を設け、ハンドル部の把持部を除いた撮影者の手が触れにくい延出部にGPS受信部を配置することにより、人体による感度低下を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はGPSを内蔵した撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置にGPS(Global Positioning System )
受信部を接続して、受信した測位情報をその撮像装置に送り、その情報から撮影者及び被
写体の位置情報を記録媒体に記録して、利用できる技術がある。
【0003】
上記撮像装置において、GPS受信部は、受信性能を確保する為に、天空に向ける必要
がある.また、電波を遮蔽しやすいものに、受信部を遮られると、著しく受信性能が低下
する。そのため、撮像装置の通常使用時に、周りに遮蔽物がない状態で上側に受信部が向
いていることが望ましい。
【0004】
GPSを撮像装置の上部に配置する提案としては、撮像装置のショルダーベルトの肩当
にGPS受信部を配置したものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−228527
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例では通常使用時に、GPS受信部が天空を向き、人体の影響も受けることは
少ない.しかし、この方法では、ショルダーベルトを外すと使えない.フレキシブルなシ
ョルダーベルトの肩当まで、電気的接続をとるのが非常に困難である.といった問題があ
った。
【0007】
また、撮像装置を使用者が把持した状態では、GPS受信部の周辺を人の手等が近接す
ると、人体からのノイズの影響によって、受信精度が低下する.そのため、撮像装置にお
いて、受信部を人の手に覆われたような状態では、人体からのノイズで、受信精度が低下
し、最も良くない位置情報を取得できないという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本出願に関わる第1の発明は、撮像部を備えた本体部と、本
体保持用のハンドル部と、前記ハンドル部に本体保持用の把持部を備え、測位の為のGP
S部をもち、ハンドル部の長手方向と本体長手方向がほぼ平行となるように本体上部へ配
置され、前記GPS部が、前記把持部以外のハンドル部に配置されたことを特徴としてい
る。
【0009】
本出願に関わる第2の発明は、前記ハンドル部には表示部と、表示部とハンドル部を支
持するヒンジ部と、前記表示部を保護する為の延出部を備え、前記延出部に前記GPS部
を配置することを特徴としている。
【0010】
本出願に関わる第3の発明は、前記表示部は収納状態と使用状態に切り替え可能で、前
記ハンドル部の延出部は、表示部が収納状態において表示部を保護することを特徴として
いる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、撮像部を備えた本体部と、本体保持用のハンド
ル部と、前記ハンドル部に本体保持用の把持部を備え、測位の為のGPS部をもち、ハン
ドル部の長手方向と本体長手方向がほぼ平行となるように本体上部へ配置され、前記GP
S部が、前記把持部以外のハンドル部に配置することにより、撮像装置を使用する際に、
人の手に触れない位置に移動することにより、GPSのの受信感度を保つことが出来る。
【0012】
また、本出願による第2の発明によれば、前記ハンドル部には表示部と、表示部とハン
ドル部を支持するヒンジ部と、前記表示部を保護する為の延出部を備え、前記延出部に前
記GPS部を配置することにより、受信感度を保ちながら、空いたスペースを活用するこ
とにより、省スペース及びコストダウンを達成することができる。
【0013】
また、本出願による第3の発明によれば、前記表示部は収納状態と使用状態に切り替え
可能で、前記ハンドル部の延出部は、表示部が収納状態において表示部を保護することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例の一形態をを示す撮像装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例の一形態を示す撮像装置の撮影者使用時後方左側斜視図。
【図3】本発明の実施例の一形態を示す撮像装置の後方左側斜視図。
【図4】本発明の実施例の一形態を示す撮像装置の後方左側斜視図。
【図5】本発明の実施例の一形態を示す撮像装置の後方左側斜視透視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明
の第1の実施形態における撮像装置の構成を示すブロック図、図2は撮像装置の撮影者使
用時後方左側斜視図、撮像装置の表示部が開いた状態で、後方(撮影者側)右側から見た
外観斜視図である。図4は撮像装置の後方左側斜視図、図5は撮像装置の後方左側斜視透
視図である。
【0016】
撮像装置本体100は、図1に示すように、フォーカス及びズーム等の光学制御系を含
む光学レンズ群及び絞りからなるレンズユニット部101、CCDなどの撮像素子を含む
メイン撮像部102、カメラ信号処理部103、圧縮伸張処理部104、表示部105、
記録再生処理部106、カード制御部107、大容量内部メモリ制御部108、マイクロ
フォン109、音声信号処理部110、メモリ111、メモリ制御部112、CPU11
3、操作部114、デジタルI/F115、入出力部116、GPS部124、GPS受
信部125a、GPS信号処理部125b、電源制御部117を備えている。また、各機
能ブロックはそれぞれデータバス118を介して互いにデータ通信可能に接続されている

【0017】
このような撮像装置本体100において、メモリ111は、プログラム記憶領域とデー
タ作業領域を有し、データバス118を介して各機能ブロックでタイム・シェアリングし
て使用され、メモリ制御部112により制御及び管理されている。CPU113は所定の
プログラムを実行すること等により、撮像装置本体100全体を統括制御する中央演算処
理回路である。
【0018】
操作部114はユーザーからのキー操作などに基づいて、CPU113に対して動作指
示する機能を有する。そのうち、114aはレンズの画角をワイド側又はテレ側に変化さ
せるズーム操作を行うためのズームツマミである。114bは電源スイッチであり、操作
することで電源オフ、撮影モード、再生モードを切り替えることが可能である。114c
は動画撮影ボタンであり、押圧動作することで、動画撮影のスタート/ストップを行うこ
とが可能である。デジタルI/F115は、例えばIEEE1394やUSB等の規格に
従い信号を授受する。
【0019】
メモリーカード119は、SDカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等の脱着式
のフラッシュメモリーであり、撮影データ及び音声データが記録される。電源制御部11
7は、バッテリ検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッ
チ回路等により構成されており、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う
。バッテリ123は、リチウムイオン電池等であり、撮像装置本体100に電源を供給す
る。
【0020】
GPS受信部125aは、GPS衛星から位置と時間のデータを取得する。このデータ
は、GPS信号処理部125bにて処理され、GPS部124の位置やその位置における
時刻を算出する。この撮像装置では、算出した位置情報や時刻情報を画像データとともに
大容量内部メモリ120またはメモリーカード119に書き込む。再生時には、この位置
情報や時刻情報を参照することができ、データや記憶の整理に利用できる。
【0021】
次に、本発明の第1の実施形態における撮像装置の撮影動作及び記録動作、再生動作に
ついて説明する。例えば、操作部114により撮影動作及び記録動作が指示された場合、
被写体からの光は、レンズ101により所定の明るさ、画角、及びフォーカス等が制御さ
れた光学信号となって撮像部102に対して入力される。撮像部102は入力光学信号を
電気信号に変換し、カメラ信号処理部103に出力する。カメラ信号処理部103はこの
電気信号をデジタル画像信号に変換する。そして、この画像信号に対して、色分離、階調
補正、及びホワイトバランス調整などの信号処理を施した後出力する。音声信号処理部1
10は、マイクロフォン109より入力された音声信号を所定レベルにゲインコントロー
ルしてデジタル化することで、音声データとして出力する。
【0022】
圧縮伸張処理部104は、カメラ信号処理部103から出力された画像データ及び音声
信号処理部110から出力された音声データを所定の圧縮符号化方式により圧縮符号化す
る。表示部105は、図3及び図4に示す液晶表示部105aとEVF105bにより構
成され、圧縮伸張処理部104で圧縮符号化対象の撮影データを表示する。また、表示部
105は、必要に応じて撮像装置本体100の動作状況をオンスクリーン・ディスプレイ
情報として表示する。
【0023】
記録再生処理部106は、圧縮伸張処理部104で得られた圧縮符号化後のデータに対
して、エラー訂正符号化処理や変調処理等を施し、更に同期、ID、GPS部124及び
GPS信号処理部125bから算出した位置情報や時刻情報などのデータを付加して記録
に適した形態に変換した後、大容量内部メモリ120あるいはメモリーカード119等の
記録媒体に記録する。この際、大容量内部メモリ制御部108は大容量内部メモリ120
の記録制御を、カード制御部107はメモリーカード119の記録制御をおこなう。
【0024】
一方、操作部114により再生動作が指示された場合、記録再生処理部106は、大容
量内部メモリ120またはメモリーカード119から読み出したデータから元のデジタル
データを検出し、エラー訂正及び復調等の処理を施す。また、PLL回路によりこの再生
データに同期したクロックを生成する。
【0025】
圧縮伸張処理部104は、記録再生処理部106より出力されたデータに対して、所定
の圧縮符号化方式に対応した伸張処理を施し、圧縮符号化前の撮影データ及び音声データ
を取得する。表示部105は、圧縮伸張処理部104で得られた再生データを表示する。
【0026】
また操作部114によりデジタルI/F115からの入力データを記録する指示があっ
た場合、CPU113はデジタルI/F115により、外部装置121からの画像データ
あるいは音声データをデジタル信号の状態で入力し、記録再生処理部106に送る。この
際、外部装置121からの画像データ、音声データは既に符号化されているものとし、記
録再生処理部106は前述のようにこの入力データに対して記録に必要な処理を施して大
容量内部メモリ120やメモリーカード119などの記録媒体に記録する。
【0027】
また操作部114により、入出力部116からの入力信号を記録する指示があった場合
、CPU113は入出力部116を制御し、外部装置122から出力された画像、音声信
号を入力する。入出力部116は外部装置122から出力された画像、音声信号をデジタ
ルデータに変換してメモリ111に出力する。CPU113はこのメモリ111に記憶さ
れた画像、音声データを圧縮伸張処理部104に出力して圧縮符号化し、記録再生処理部
106に送る。記録再生処理部106は前述の様にこの符号化されたデータに対して記録
に必要な処理を施して大容量内部メモリ120やメモリーカード119などの記録媒体に
記録する。
【0028】
通常撮影時、撮影者は図2のように右手でハンドル部130を保持しながら撮影を行う
。GPSは人体や、電波を遮蔽しやすいものに受信部を遮られると、著しく受信性能が低
下する。上記のように、ハンドル部130を保持しながら撮影を行った場合、本撮像装置
では図3の操作部114や、保持用の指置き部132等、領域1001に撮影時人の手が
来る可能性がある。図4に本実施形態のハンドル部130の内部構造の一部を示す。図4
に示すようにGPS部124及びGPSアンテナ部125aを領域1001の外に配置し
内部構造物及び撮影者の手等による妨害を抑え、GPSの受信感度を保つことができる

【0029】
また、GPS部124は、画像表示部105を収納する際、画像表示部を保護する為の
パネル保護部131に配置され、受信感度を保ちながら、空いたスペースを活用すること
により、省スペース及びコストダウンを達成することができる。
【0030】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の
実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発
明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0031】
100‥‥撮像装置本体
101‥‥レンズユニット部
102‥‥メイン撮像部
103‥‥カメラ信号処理部
104‥‥圧縮伸張処理部
105‥‥表示部
105a‥‥ビューファインダー部
106‥‥記録再生処理部
107‥‥カード制御部
108‥‥大容量内部メモリ制御部
109‥‥マイクロフォン
109a‥‥外部マイクロフォン取付部
110‥‥音声信号処理部
111‥‥メモリ
112‥‥メモリ制御部
113‥‥CPU
114‥‥操作部
114a‥‥ズームツマミ
114b‥‥電源スイッチ
114c‥‥動画撮影ボタン
115‥‥デジタルI/F
116‥‥入出力部
117‥‥電源制御部
118‥‥BUS部
119‥‥メモリーカード
120‥‥大容量内部メモリ
123‥‥バッテリ
124‥‥GPS部
125a‥‥GPS受信部
125b‥‥GPS信号処理部
130‥‥ハンドル部
131‥‥パネル保護部
132‥‥指置き部
1001‥‥撮影者指掛かり範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部を備えた本体部と、本体保持用のハンドル部と、前記ハンドル部に本体保持用の
把持部を備え、測位の為のGPS部をもち、ハンドル部の長手方向と本体長手方向がほぼ
平行となるように本体上部へ配置され、前記GPS部が、前記把持部を除いたハンドル部
に配置されたことを特徴とする撮像装置
【請求項2】
前記ハンドル部には表示部と、表示部とハンドル部を支持するヒンジ部と、前記表示部
を保護する為の延出部を備え、前記延出部に前記GPS部を配置することを特徴とする請
求項1に記載の撮像装置
【請求項3】
前記表示部は収納状態と使用状態に切り替え可能で、前記ハンドル部の延出部は、表示
部が収納状態において表示部を保護することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−89981(P2012−89981A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233450(P2010−233450)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】