撮影装置及びその制御方法
【課題】適正露出値を選択されているモードに好ましいシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換する。
【解決手段】 デジタルカメラの撮影レンズは、手ブレ補正レンズを内蔵しており、手ブレ補正選択スイッチの操作で手ブレ補正モードをオンとしたときには、手ブレ補正レンズがデジタルカメラの移動によるブレを打ち消すように手ブレを防止する。手ブレ補正モードをオフの場合には、可能な限り撮影感度として低感度を維持することにより、ノイズの少ない高画質な画像の撮影を可能とする画質を優先した第1プログラム線図が選択される。手ブレ補正モードをオンとした場合には、可能な限り高速なシャッタ速度を維持して、手ブレ及び被写体ブレの発生の防止を優先した第2プログラム線図が選択される。適正露出値は、選択したプログラム線図にしたがってシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換される。
【解決手段】 デジタルカメラの撮影レンズは、手ブレ補正レンズを内蔵しており、手ブレ補正選択スイッチの操作で手ブレ補正モードをオンとしたときには、手ブレ補正レンズがデジタルカメラの移動によるブレを打ち消すように手ブレを防止する。手ブレ補正モードをオフの場合には、可能な限り撮影感度として低感度を維持することにより、ノイズの少ない高画質な画像の撮影を可能とする画質を優先した第1プログラム線図が選択される。手ブレ補正モードをオンとした場合には、可能な限り高速なシャッタ速度を維持して、手ブレ及び被写体ブレの発生の防止を優先した第2プログラム線図が選択される。適正露出値は、選択したプログラム線図にしたがってシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCDやCMOS等のイメージセンサによって被写体光を光電変換し、これにより得た画像信号をデジタルの画像データに変換して記録するデジタルカメラが普及している。デジタルカメラで暗い被写体を撮影するときには、例えばシャッタ速度を遅くすることにより適正な露光量(受光量)とすることができるが、低速なシャッタ速度を使用するため手振ブレが生じやすい。また、低速なシャッタ速度を使用している場合には、被写体が動いている場合には、被写体ブレが生じ、手振ブレと同様な結果となってしまう。
【0003】
近時のデジタルカメラには、手振ブレを防止する手ブレ補正機能を備えたものがある。この手ブレ補正機能は、その補正方式により種々のものがあるが、一般的にはデジタルカメラの動きすなわち手ブレを検出し、撮影レンズの一部、あるいはイメージセンサを撮影光軸と垂直な面内で移動させることにより、デジタルカメラが撮影時に動いたとしてもイメージセンサに対する被写体像が移動しないようにしている。
【0004】
他方、暗い被写体を撮影する場合に、ストロボ光を照射したり、デジタルカメラの感度を高くして一定以上の高速のシャッタ速度で撮影できるようにしたデジタルカメラも知られている。例えば、検出した手ブレ量から手ブレを発生させることなく撮影できるシャッタ速度を算出し、設定されるシャッタ速度が算出されたシャッタ速度よりも高速となるように感度を大きくするデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−194701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような手ブレ補正機能では、手ブレによるブレの発生、あるいはその軽減に効果はあるが、被写体ブレの防止についてはなんら効果がない。また、特許文献1のように、ブレを軽減する場合に感度を大きくする場合では、手ブレの軽減には効果があるが、やはり被写体ブレには効果がない。また、イメージセンサから出力される画像信号を増幅するゲインを高くして高感度化を図るが、ゲインを高くすることによって画像信号中のノイズの影響が大きくなり、撮影された画像の画質の劣化が避けられないといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するために、請求項1記載の撮影装置の制御方法では、手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合に、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第2のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定するようにしたものである。
【0007】
請求項2記載の撮影装置の制御方法では、手ブレ補正機能がオンの場合に、イメージセンサの温度を検出し、検出した温度が所定の第1の基準温度よりも高いときには、前記第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定するようにしたものである。
【0008】
請求項3記載の撮影装置の制御方法では、手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合に、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くする第3のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定するようにしたものである。
【0009】
請求項4記載の撮影装置の制御方法では、手ブレ補正機能がオンの場合に、イメージセンサの温度を検出し、検出されたイメージセンサの温度が高いほど、第3のプログラム線図の撮影感度の上限を低くするようにしたものである。
【0010】
請求項5記載の撮影装置の制御方法では、手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合にはイメージセンサの温度を検出し、検出した温度が所定の第1の基準温度以下のときには、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第2のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
検出した温度が第1の基準温度よりも高いときには、第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くする第3のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定するようにしたものである。
【0011】
請求項6記載の撮影装置の制御方法では、第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する際に、撮影感度の上限を装置に設定可能な最大の撮影感度よりも低くするようにしたものである。
【0012】
請求項7記載の撮影装置の制御方法では、各プログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する際に、上限の撮影感度を用いて手ブレ限界のシャッタ速度以上のシャッタ速度が得られない場合には、シャッタ速度を手ブレ限界のシャッタ速度よりも遅くするようにしたものである。
【0013】
請求項8記載の撮影装置では、被写体輝度を測定して適正露出値を決定する適正露出値決定手段と、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第1のプログラムを記憶した第1の記憶手段と、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第2のプログラムとを記憶した第2の記憶手段と、手ブレ補正がオフの場合には第1のプログラムを選択し、オンの場合には第2のプログラムを選択し、選択したプログラムにしたがって決定された適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換する変換手段とを備えたものである。
【0014】
請求項9記載の撮影装置では、被写体輝度を測定して適正露出値を決定する適正露出値決定手段と、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第1のプログラムを記憶した第1の記憶手段と、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第3のプログラムとを記憶した第3の記憶手段と、手ブレ補正がオフの場合には第1のプログラムを選択し、オンの場合には第3のプログラムを選択し、選択したプログラムにしたがって決定された適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換する変換手段とを備えたものである。
【0015】
請求項10記載の撮影装置では、イメージセンサの温度を測定する温度センサを備え、変換手段を、温度センサで検出されたイメージセンサの温度の結果に基づき、イメージセンサの温度が高いほど、第3のプログラムの撮影感度の上限を低くするようにしたものでる。
【0016】
請求項11記載の撮影装置では、変換手段を、第1のプログラムに基づいて、適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度を変換する際の撮影感度の上限を最大感度よりも低くするようにしたものである。
【0017】
請求項12記載の撮影装置では、変換手段を、適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度を変換する際に、上限の撮影感度を用いて手ブレ限界のシャッタ速度以上のシャッタ速度が得られない場合には、シャッタ速度を手ブレ限界のシャッタ速度よりも遅くするようにしたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、手ブレ補正をオフの場合には、撮影感度として低感度を維持し、また手ブレ補正をオンの場合には、高速なシャッタ速度を維持する各プログラム線図を用いて適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換するようにしたから、手ブレ補正をオン・オフに応じた適切なノイズ・ブレの程度の画質を有する画像の撮影をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に本発明を実施した撮影装置であるデジタルカメラ2を示す。カメラボディ3の前面には、撮影レンズ4と、被写体に向けてストロボ光を照射するストロボ発光部5とを設けてある。また、上面には、撮影時に操作されるレリーズボタン6,モードダイアル7,手ブレ補正選択スイッチ8を設けてある。
【0020】
レリーズボタン6は、浅く押し込んだ半押しと、さらに押し込んだ全押しとの2段階の押圧操作を可能としてある。このレリーズボタン6を半押しとした時には、AF処理とAE処理とが行われ、全押しとすると静止画を撮影する撮影処理が行われる。AF処理では、被写体にピントが合致するように撮影レンズ4が駆動される。また、AE処理では被写体輝度の測定を行い、その被写体輝度から適正露出値を算出し、算出した適正露出値をシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換する。撮影処理では、AE処理で決定されたシャッタ速度,絞り,撮影感度を用いて撮影を行う。
【0021】
モードダイアル7は、それに描かれた各モードを表すマークに指標を合せるように回転操作することにより、静止画を撮影する撮影モード,再生モード,設定モード等の各種モードを選択することができる。このモードダイアル7を電源オフの位置から各モードのいずれかの位置に回転すると、デジタルカメラ2の電源がオンされる。
【0022】
手ブレ補正選択スイッチ8は、これを押圧する毎に手ブレ補正モードのオン・オフを切り替えることができる。手ブレ補正モードをオンとすることにより、デジタルカメラ2の動きを検出し、その動きに起因して生じる被写体像のブレ、すなわち手ブレが生じないように補正する手ブレ補正機能が作動する。また、このデジタルカメラ2では、手ブレ補正モードがオフのときには、ノイズを少なくした画像が得られるように画質を優先したプログラムを用いてシャッタ速度,絞り,撮影感度の組み合わせを決定し、手ブレ補正モードがオンのときには、手ブレの他、被写体の動きに起因した被写体ブレを含めたブレ軽減を優先したプログラムを用いてシャッタ速度,絞り,撮影感度の組み合わせを決定する。
【0023】
カメラボディ3の側面には、メモリカード11(図2参照)が挿入されるカードスロットを設けてあり、メモリカード11には撮影によって得られる画像データが記録される。また、カメラボディ3の背面には、LCD12,ズームボタン13(図2参照)等を設けてある。LCD12は、静止画撮影モードでは電子ビューファインダとして機能し、撮影中の画像のスルー画像を表示する。また、再生モードでは、メモリカード11に記録された画像を表示する。ズームボタン13は、これを操作することにより撮影レンズ4のズーミングが行われる。
【0024】
図2に示すように、デジタルカメラ2の各部は、CPU15によって制御される。CPU15には、ROM15a,RAM15bを接続してあり、ROM15aには、制御プログラムや各種設定データが記憶されている。また、ROM15aは、シャッタ速度と絞りと撮影感度を決定するプログラムを記憶した記憶手段となっており、適正露出値からそれらを決定するための各種プログラム線図に相当するプログラム等を記憶している。CPU15は、レリーズボタン6,モードダイアル7,手ブレ補正選択スイッチ8,ズームボタン13等から入力される操作信号に基づき、ROM15aのプログラムにしたがって各部の制御を行い、また被写体輝度から適正露出値を求め、適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換する。ROM15bは、CPU15がプログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶するワークメモリとして使用される。
【0025】
撮影レンズ4は、変倍レンズ4a,フォーカスレンズ4b,手ブレ補正レンズ4cを備えている。変倍レンズ4aを光軸方向に移動することによって、撮影レンズ4のズーミングを行う。また、フォーカスレンズ4bを光軸方向に移動させることで被写体へのピント合わせを行う。これら変倍レンズ4a,フォーカスレンズ4bは、モータを含む駆動機構16,17によって移動されるブレ補正レンズ4cは、手ブレを光学的に補正するためのものであり、アクチュエータ等から構成される駆動機駆18によって光軸と垂直な面内で移動される。
【0026】
また、撮影レンズ4には、後述するイメージセンサ27に入射する光量を調節する絞りを切り換える絞り羽根4dが組み込まれている。絞り羽根4dは、例えば、撮影時の絞りをAV3〜AV6(F2.8〜F8)の範囲で段階的に切り換える。この絞り羽根4dは、駆動機構19によって駆動される。
【0027】
上記の各駆動機構16,18,19のモータは、モータドライバ21〜23を介してCPU15により駆動制御され、駆動機駆18のアクチュエータは、手ブレ補正制御部24によって駆動される。
【0028】
手ブレ補正制御部24は、手ブレ補正モードがオンのときに作動し、手ブレが生じないように手ブレ補正レンズ4cを移動させる。この手ブレ補正制御部24は、手ブレの方向や大きさ,速度等を検出するセンサと、このセンサの検出結果に基づいて手ブレ補正レンズ4cの移動方向,移動量,移動速度等を演算して算出する演算回路と、演算回路の算出結果に基づいて駆動機駆18のアクチュエータを駆動するドライバで構成される。これにより、手ブレが発生しても、イメージセンサ27上に結像される被写体像の移動がないように補正される。なお、手ブレ補正を行う機構は、上記のものに限らず、種々のものを採用することができ、例えば手ブレ補正レンズ4cに代えてイメージセンサ27を光軸に対して垂直な面上で移動させてもよい。
【0029】
撮影レンズ4の背後には、CCDタイプのイメージセンサ27を配置してある。イメージセンサ27は、周知のように多数の受光素子がマトリクス状に配列された受光面を備えており、撮影レンズ4によって結像された被写体像を光電変換して画像信号として出力する。なお、CCDタイプに代えて、CMOSタイプのイメージセンサを用いてもよい。
【0030】
イメージセンサ27は、CCDドライバ28によって駆動される。イメージセンサ27は、電荷蓄積時間を調節するいわゆる電子シャッタ機能を有しており、静止画撮影時には、この電子シャッタ機能を用いて露光時間すなわちシャッタ速度を調節する。シャッタ速度は、CPU15がCCDドライバ28に対して設定するパラメータによって、例えばTV2〜TV11(1/4〜1/2000秒)の範囲で連続的に変化させることができる。なお、電子シャッタ機能に代えてメカニカルシャッタを用いて、あるいはそれらを併用してもかまわない。
【0031】
イメージセンサ27からの画像信号は、アナログフロントエンド回路(AFE)29に入力される。このAFE29は、相関二重サンプリング回路(CDS)31,オートゲインコントロール回路(AGC)32,A/D変換器(A/D)33から構成されている。CDS31は、相関二重サンプリングを行うことによって、電荷を画像信号に生じる際に発生するリセットノイズ成分の除去を行なう。
【0032】
AGC32は、設定される撮影感度に対応するゲインで画像信号を増幅するアンプとなっている。このAGC32には、ISO200基準(SV0=ISO200)で、SV0〜SV4(ISO200〜ISO3200)の撮影感度に対応するゲインが設定可能となっている。すなわち、デジタルカメラ2は、最低感度がSV0(ISO200)であり、最大感度がSV4(ISO3200)となっている。
【0033】
A/D変換器33は、AGC32で増幅された画像信号をデジタル変換して画像データとして出力する。A/D変換器33からの画像データは、画像入力コントローラ35に送られる。
【0034】
画像入力コントローラ35は、バス36への画像データの入力を制御する。バス36には、CPU15,画像信号処理回路37,圧縮・伸長処理回路38,LCDドライバ39,メディアコントローラ40,AF検出回路41,AE/AWB検出回路42,内部メモリ43が接続されており、これら各部はバス36を介してシステム制御部11に制御されるとともに、相互間でデータの授受を可能にしてある。
【0035】
画像信号処理回路37は、入力された画像データに対し、階調変換,ホワイトバランス補正,γ補正処理などの各種画像処理と、YC変換処理とを施す。YC変換処理により、画像データは、RGBの三色の画像データから輝度信号Yと色差信号Cr、Cbの画像データにYC変換される。撮影モード下でスルー画像を表示する場合では、このYC変換された画像データをLCDドライバ39に順次に送ることにより、LCD12にスルー画像が表示される。
【0036】
圧縮・伸長処理回路38は、画像データをメモリカード11に記録する際に、YC変換された画像データを所定の圧縮形式、例えばJPEG形式で圧縮処理する。また、再生モードにおいて、メモリカード11から読み出したJPEG形式で圧縮されている画像データに対して伸長処理する。メディアコントローラ40は、メモリカード11に対する画像データの書き込み及び読み出しを行う。
【0037】
AF検出回路41は、画像入力コントローラ35からの1画面分の画像データの空間周波数の高周波成分を積算しAF評価値を算出する。CPU15は、AF検出回路41からのAF評価値が最大、すなわち被写体像のコントラストが最大となるようにモータドライバ22を制御してフォーカスレンズ4bを光軸方向に移動させてピント合わせを行う。
【0038】
AE/AWB検出回路42は、輝度信号Yからの被写体輝度の検出と、画像データに基づいてホワイトバランス補正を行うためのWB評価値の算出とを行う。CPU15は、WB評価値に基づき被写体像のホワイトバランスが適正となるように画像信号処理回路37を制御する。また、CPU15は、AE/AWB検出回路42で検出した被写体輝度に基づいて適正露出値を算出し、算出した適正露出値をシャッタ速度、絞り、撮影感度に変換して、これらで撮影が行われるように各部を制御する。すなわち、変換で得られるシャッタ速度でイメージセンサ27による撮影が行われるようにCCDドライバ28にパラメータを設定し、また得られる絞りとなるようにモータドライバ23,駆動機構19を介して絞り羽根4dを駆動する。さらに、得られる撮影感度に対して決められたゲインをAGC32に設定する。
【0039】
撮影モード下でスルー画像を表示しているときには、適正露出値の算出やホワイトバランス補正は継続的に行われる。また、レリーズボタン6の半押しに応答したS1信号がCPU15に入力されたときには、レリーズボタン6が全押しとされたときの静止画の撮影のために適正露出値の算出やホワイトバランス補正を高精度で行う。
【0040】
CPU15は、レリーズボタン6の半押しに応答したS1信号が入力された際に、シャッタ速度(TV)と絞り(AV)と撮影感度(SV)との組み合わせで決まる露出値「AV+TV−SV」が適正露出値となるように、シャッタ速度(TV)と絞り(AV)と撮影感度(SV)の組み合わせを決定する。
【0041】
レリーズボタン6を半押し位置とした際に、シャッタ速度、絞り値、撮影感度を決定するためのプログラム線図を図3,図4に示す。図3は、手ブレ補正モードをオフとした場合に用いる第1プログラム線図であり、図4は手ブレ補正モードをオンとした場合に用いる第2プログラム線図であり、いずれもストロボ発光させない場合のものである。なお、図3,図4に示すこのプログラム線図は、横軸がシャッタ速度(TV)、縦軸が絞り(AV)と撮影感度(SV)との組み合わせであり、斜目方向に露出値EVを示してある。露出値EVは、「ISO200=SV0」とした値で表記してあり、以下の説明でもそのようにしてある。
【0042】
第1プログラム線図は、可能な限り撮影感度として低感度を維持することにより、ノイズの少ない高画質な画像の撮影を可能とする画質を優先したプログラム線図である。この第1プログラム線図では、適正露出値となるように、撮影感度としてノイズが少なく高い画質が得られる一定の低感度(以下、標準撮影感度という)の下で、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させるが、標準撮影感度と開放絞りの下で手ブレ限界以上のシャッタ速度を組み合わせて適正露出値が得られない場合には、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するように撮影感度を標準撮影感度より高くするプログラム線図となっている。
【0043】
具体的には、第1プログラム線図は、適正露出値を第1〜第3EV域A1〜A3の3つの領域に分けており、第1EV域A1が標準撮影感度の下で手ブレ限界以上のシャッタ速度と絞りとを組み合わせることによって適正露出値とする領域である。この第1EV領域の下限は、第1の露出値に相当し、標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる露出値EVaであり、露出値EVa以上の適正露出値の範囲が第1EV域A1となる。
【0044】
標準撮影感度としては、ノイズが少なく高画質で撮影することができる撮影感度として決めることができるが、簡単には設定可能な最小感度とすることであり、この例でもそのようにしてあって標準撮影感度はSV0(ISO200)となっている。なお、標準撮影感度を過度に低く設定した場合には、比較的に大きな適正露出値の撮影シーンであっても、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持できなくなるおそれがあるから、標準撮影感度を決定する際には、手ブレ限界のシャッタ速度、開放絞りをも考慮して決定するのがよい。また、撮影感度の所定の範囲で同様な高画質が得られるのであれば、そのうちから適宜に設定してもよく、そのうちの最も高いに感度としてもよい。
【0045】
手ブレ限界のシャッタ速度は、この例ではTV5(1/30秒)としているが、実質的に手ブレによる影響がないといえるシャッタ速度の下限に適宜設定できる。また、一般的に手ブレ限界としては、撮影レンズの焦点距離(fmm)の逆数の速度(1/f秒)とされることがあるが、このようなシャッタ速度を手ブレ限界としてもよく、ズーミングに応じて手ブレ限界のシャッタ速度を変化させてもよい。
【0046】
この例では、前述のように開放絞りがAV3(F2.8)であり、手ブレ限界のシャッタ速度がTV5(1/30秒)、標準撮影感度をSV0(ISO200)としてあるから、第1EV領域A1の下限の露出値EVaは、EV8となっている。
【0047】
第1EV域A1では、絞りをAV3〜AV6(F2.8〜F8)の範囲で1AV分ずつ変化させる。すなわち、AV3(F2.8),AV4(F4),AV5(F5.6),AV6(F8)を用いる。各絞りの下では、シャッタ速度に速度幅を持たせてあり、AV4,AV5,AV6では2TV分の速度幅を、AV3では3TV分の速度幅を持たせてある。すなわち、AV4,AV5,AV6は、それぞれ2EV分の適正露出値の範囲が対応し、AV3には、3EV分の適正露出値の範囲が対応する。
【0048】
具体的には、EV15以上EV17以下の適正露出値に対しては、AV6(F8),TV9〜TV11(1/500〜1/2000秒)の絞りとシャッタ速度を用い、EV13以上EV15未満の適正露出値に対しては、AV5(F5.6),TV8〜TV10(1/250〜1/1000秒)の絞りとシャッタ速度を用いる。また、EV11以上EV13未満の適正露出値には、AV4(F4),TV7〜TV9(1/125〜1/500秒)の絞りとシャッタ速度を用い、EV8以上EV11未満の適正露出値に対しては、AV3(F2.8),TV5〜TV8(1/30〜1/250秒)の絞りとシャッタ速度を用いる。
【0049】
第2EV域A2は、手ブレの発生を抑制した撮影を可能とするために、標準撮影感度と開放絞りの下で手ブレ限界以上のシャッタ速度を組み合わせで対応できない適正露出値に対して、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度より高くする領域である。
【0050】
この第2EV域A2は、露出値EVb以上露出値EVa未満の適正露出値の範囲であり、下限の露出値EVbは、手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りと第1プログラム線図の上限として設定されている撮影感度(以下、第1最高感度という)とで決まる。
【0051】
第1最高感度としては、ノイズによる画質の影響が大きくならない撮影感度として適宜に設定することができる。また、デジタルカメラ2に設定し得る最大感度よりも、例えば1SV分や2SV分低い撮影感度を第1最高感度として決めるのもよい。さらには、デジタルカメラ2に設定し得る最大感度であってもノイズの影響が小さい場合であっては、それを第1最高感度としてもよい。この例では、第1最高感度をSV3(ISO1600)としてある。したがって、第2EV領域A2の下限の露出値EVbはEV5となっている。
【0052】
第2EV域A2では、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するために撮影感度を1SV分ずつ変化させ、シャッタ速度は手ブレ限界のシャッタ速度を下限に1TV分の速度幅を持たせてある。具体的には、EV7以上EV8未満の適正露出値に対してSV1(ISO400),EV6以上EV7未満の適正露出値に対してSV2(ISO800),EV5以上EV6未満の適正露出値に対してSV3(ISO1600)が設定され、シャッタ速度は、いずれの撮影感度の場合にもTV5〜TV6(1/30〜1/60秒)の範囲で設定される。これにより、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高く、すなわち手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持できる最も低い設定可能な撮影感度とされる。
【0053】
第3EV域A3は、第1最高感度を用いても手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持できない適正露出値、すなわち適正露出値が露出値EVbよりも小さい場合に、開放絞りと第1最高感度との下で、手ブレ限界よりも低速なシャッタ速度で対応する領域である。なお、最も低速なシャッタ速度がTV2(1/4秒)であるから第3EV域A3の下限がEV2となっている。
【0054】
第2プログラム線図は、可能な限り高速なシャッタ速度を維持して、手ブレ及び被写体ブレの発生の防止を優先したプログラム線図である。この第2プログラム線図では、適正露出値となるように、標準撮影感度の下で、高速な速度域のシャッタ速度を維持するように絞りを変化させるが、標準撮影感度と開放絞りと高速な速度域のシャッタ速度とを組み合わせて適正露出値が得られない場合には、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くするプログラム線図となっている。
【0055】
具体的には、第2プログラム線図は、適正露出値を第4〜第6EV域A4〜A6の3つの領域に分けており、第4EV域A4が標準撮影感度と高速な速度域のシャッタ速度と各種絞りとを組み合わせることによって適正露出値とする領域である。この第4EV域A4の下限は、第2の露出値に相当し、標準撮影感度と高速な速度域のシャッタ速度の下限と開放絞りとで決まる露出値EVcであり、露出値EVc以上の適正露出値の範囲が第4EV域A4となる。
【0056】
この第4EV域A4では、ブレの軽減ととともに、標準撮影感度を用いることによりノイズの抑制をも図っている。第2プログラム線図における標準撮影感度は、必ずしも第1プログラム線図の標準感度と同じである必要はないが、第1プログラム線図のものと同様にノイズが少ない撮影感度として設定することが好ましい。
【0057】
シャッタ速度の高速な速度域としては、動きの速い被写体、例えば動いている子供等を被写体ブレすることなく撮影できる程度の範囲として設定される。この例では、通常はその下限をTV9(1/500秒)としているが、絞りがAV3(F2.8)の場合には、後述する第5EV域A5のシャッタ速度の高速な速度域の下限であるTV(8+1/3)としてある。
【0058】
この第4EV領域A4の下限の露出値EVcは、上記のように標準撮影感度がSV0(ISO200),シャッタ速度の高速な速度域の下限がTV(8+1/3),開放絞りがAV3(F2.8)であるからEV(11+1/3)となっている。
【0059】
第4EV域A4では、絞りをAV3〜AV6(F2.8〜F8)の範囲で1/3AV分ずつ変化させるとともに、その各絞りについてシャッタ速度を適当な速度幅で変化させる。AV3とAV6の場合を除く各絞りでは、シャッタ速度をTV9〜TV(9+1/3)の範囲で1/3TV分の速度幅で変化させ、AV3(F2.8)の下ではシャッタ速度をTV(8+1/3)〜TV(9+1/3)の範囲の1TV分変化させ、AV6(F8)の下ではシャッタ速度をTV9〜TV11の範囲の2TV分変化させる。
【0060】
第5EV域A5は、適正露出値が露出値EVcよりも小さい場合、すなわち開放絞りと標準撮影感度の下で高速な速度域のシャッタ速度を維持できない場合に、ブレを軽減した撮影を可能とするために、高速な速度域のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くする領域である。すなわち、この第5EV域A5では、シャッタ速度の高速な速度域をを維持できる最も低い設定可能な撮影感度とされる。
【0061】
この第5EV域A5は、露出値EVd以上露出値EVc未満の適正露出値の範囲であり、下限の露出値EVdは、シャッタ速度の高速な速度域の下限と開放絞りと第2プログラム線図の上限として設定されている撮影感度(以下、第2最高感度という)とで決まる。
【0062】
第2最高感度は、手ブレ,被写体ブレの発生の抑制を優先することから、できるだけ高くすることが好ましい。最も簡単にはデジタルカメラ2の最大感度とすればよく、この例でもそのようにしてあり、SV4(ISO3200)となっている。
【0063】
第5EV域A5におけるシャッタ速度の高速な速度域は、第4EV域A4と同様に決定すればよいが、開放絞りの下で撮影感度を1SVずつ変化させるため、シャッタ速度をTV(8+1/3)〜TV(9+1/3)の範囲の1TV分変化させている。もちろん、第4EV域A4と第5EV域A5とでシャッタ速度の高速な速度域を同じとするようにしてもよい。例えば撮影感度を1/3SVずつ変化させるならば、第4EV域A4と第5EV域A5とでシャッタ速度の高速な速度域の下限を一律にTV9(1/500秒)とすることもできる。
【0064】
第6EV域A6は、第2最高感度を用いても、シャッタ速度の高速な速度域を維持できない適正露出値、すなわち適正露出値が露出値EVdよりも小さい場合に、開放絞りと第2最高感度との下で、シャッタ速度の高速な速度域の下限よりも低速なシャッタ速度で対応する領域である。なお、最も低速なシャッタ速度がTV2(1/4秒)であるから第6EV域A6の下限がEV1となっている。
【0065】
図3,図4に示されるシャッタ速度,絞り,撮影感度の組み合わせは一例であり、第1プログラム線図についてはノイズの少ない高画質な画像の撮影を優先し、可能な限り撮影感度が低感度を維持するように制御する態様のものであればよい。また、第2プログラム線図では、手ブレ及び被写体ブレの発生を防止することを優先し、高速なシャッタ速度を維持しながら、一次的にノイズの抑制との両立を図るために一定の低感度の下で絞りを用いて適正露出値となるように制御し、二次的に撮影感度を変化させて適正露出値となるように制御すればよい。
【0066】
さらには、撮影感度,シャッタ速度,絞りを段階的に変化させているが、連続的に変化させてもよい。例えば、第2EV域A2や第5EV領域A5において、シャッタ速度を一定にしたまま撮影感度を連続的に変化させて適正露出値としてもよく、また第1EV領域A1や第4EV域A4において、シャッタ速度を一定にしたまま絞りを連続的に変化させて適正露出値としてもよい。
【0067】
次に、上記実施形態の作用について説明する。デジタルカメラ10が撮影モードにセットされると、スルー画像がLCD12に表示される。このスルー画像の表示では、被写体輝度に基づいて決定される適正露出値となるように、例えばスルー画像用のプログラム線図にしたがって撮影感度,絞り,シャッタ速度が決められる。
【0068】
撮影を行う場合には、手ブレ補正選択スイッチ8を操作して、手ブレ補正モードのオン/オフを選択し、またスルー画像を観察してフレーミングをしてからレリーズボタン6を押圧操作して撮影を行う。
【0069】
手ブレ補正モードのオンとした場合には、手ブレによるデジタルカメラ2のブレの方向や大きさ,速度等を検出が手ブレ補正制御部24によって開始され、その検出結果に基づいて手ブレ補正レンズ4cが駆動機駆18によって移動される。これにより、イメージセンサ27に対する被写体像の手ブレに起因する移動がキャンセルされ、手ブレのない撮影を行うことができる状態になる。一方、手ブレ補正モードがオフの場合には、手ブレ補正レンズ4cが移動されないので、手ブレが生じてもそれは補正されない。
【0070】
上記スルー画像の表示中にレリーズボタン6を押圧操作して半押しとすると、CPU15にS1信号が入力され、レリーズボタン6が半押しとなったことが検知され、AE処理が開始される。
【0071】
図5に示すように、AE処理では、まず測光、すなわち被写体輝度の測定が行われる。測光ではイメージセンサ27で露光を行い、得られる画像データに基づいてAE/AWB検出回路41が被写体輝度検出し、この検出された被写体輝度に基づいてCPU15が適正露出値を決定する。そして、CPU15により、算出された適正露出値が手ブレ補正モードのオン・オフに応じて選択されたプログラム線図にしたがってシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換される。
【0072】
すなわち、手ブレ補正モードのオフのときには、第1プログラム線図によって適正露出値をシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換し、手ブレ補正モードのオンのときには、第2プログラム線図によって適正露出値をシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換する。
【0073】
シャッタ速度,絞り,撮影感度に変換してからAF処理が行われ、被写体にピントが合致するようにフォーカスレンズ4bが光軸方向に移動される。この後にレリーズボタン6の全押しを待つ待機状態となる。そして、レリーズボタン6が全押しとされ、この全押しによって発生するS2信号がCPU15に入力されると、S1信号の入力に応答して得たシャッタ速度を含むパラメータがCCDドライバ28に設定され、またその絞りとなるように絞り羽根4dが駆動され、さらに撮影感度に対して決められたゲインがAGC32に設定されて撮影が行われる。そして、この撮影で得られる画像データがメモリカード11に書き込まれる。
【0074】
上記のようにして撮影を行うが、例えば手ブレ補正モードがオフの場合には、第1プログラム線図を用いて適正露出値がシャッタ速度,絞り値,撮影感度に変換される。ここで算出された適正露出値が、第1EV域A1の範囲であれば、SV0(ISO200)の撮影感度下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度と、絞りとの組み合わせが適正露出値に応じて変えられる。また、適正露出値が、第2EV域A2の範囲であれば、開放絞りと、TV5〜TV6(1/30〜1/60秒)の範囲のシャッタ速度の下で、適正露出値が低いほど、高い撮影感度が用いられるようにして、1SV分ずつ撮影感度が段階的に高くされる。さらに、適正露出値が、第3EV域A3の範囲であったときに、開放絞りと、第1最高感度との下で、適正露出となるようにシャッタ速度が手ブレ限界よりも低く設定される。
【0075】
したがって、適正露出値が第1EV域A1の範囲となる明るい撮影シーンでは、手ブレ限界以上のシャッタ速度が用いられるため手ブレがなく、そして低い撮影感度となっているから、AGC32に設定されるゲインが小さくノイズが少ない(目立つことがない)高画質の画像を得ることができる。また、第1EV域A1とならない多少暗い撮影シーンでは、感度の上昇にともないノイズが多少増加するが、その撮影感度の上昇をできるだけ小さくしてあるから、ノイズが少なく良好な画質の画像を得ることができ、しかも手ブレ限界以上のシャッタ速度が用いられるので手ブレの少ない画像が得られる。さらに、たとえ手ブレ限界以上のシャッタ速度が得られない撮影シーンであっても、第1最高感度としては、ノイズが少ない撮影感度として設定してあるからやはりノイズの少ない画像を得ることができる。
【0076】
他方、手ブレ補正モードがオンの場合には、第2プログラム線図を用いて適正露出値がシャッタ速度,絞り値,撮影感度に変換される。算出された適正露出値が第4EV域A4の範囲であれば、SV0(ISO200)の撮影感度下で、TV9(1/500秒以上)ないしTV(8+1/3)以上の高速なシャッタ速度で撮影が行われる。したがって、手ブレ補正機能と高速なシャッタ速度とにより、手ブレ及び被写体ブレが極めて少ない画像を得ることができ、しかもAGC32に設定されるゲインが小さいのでノイズが少ない高画質の画像を得ることができる。
【0077】
また、算出された適正露出値が第5EV域A5の範囲であれば、撮影感度がSV1〜SV4(ISO400〜ISO3200)の範囲で変化されるため、感度の上昇にともなってノイズが増加するが、手ブレ補正機能とTV8+1/3以上の高速なシャッタ速度で撮影が行われる。したがって、第4EV域A4の場合と同様に極めてブレの少ない画像を得ることができる。さらに、適正露出値が第6EVA6の範囲であっても、デジタルカメラ2の最大感度SV4(ISO3200)を用いて可能の限り高速なシャッタ速度で撮影を行うため、被写体ブレを可能な限り小さくできる。
【0078】
次に手ブレ補正モードがオンの場合に画質を考慮しながらブレ軽減を図ったプログラムを用いる第2実施形態について説明する。なお、以下に説明する他は、最初の実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0079】
この例では、図6に示すように、手ブレ補正モードがオンの場合には、図7に示す第3プログラム線図を選択して、適正露出値をシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換する。この第3プログラム線図では、適正露出値を第4〜第6EV域A4〜A6に分割してあり、第4EV域A4は上述の第2プログラム線図と同じにしてある。
【0080】
第5EV領域A5は、開放絞りの下、高速な速度域内のシャッタ速度を維持に必要な限度で、所定の中間感度を上限に撮影感度を変化させて適正露出値を得るようにするとともに、中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、それでも適正露出値が得られない適正露出値に対しては、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を中間感度よりも高くして適正露出値を得るようにしている。
【0081】
上記の中間感度としては、第4EV域A4で用いる標準撮影感度よりも高く、第3プログラム線図の最高感度よりも低い撮影感度で、ノイズが目立たずに実用上許容できる撮影感度の上限のとして設定してある。この例では、中間感度をSV2(ISO800)としてある。第3プログラム線図の最高感度は、第2プログラム線図の第2最高感度と同じにしてあり、SV4(ISO3200)である。
【0082】
なお、中間感度としては、標準撮影感度よりも高く第3プログラム線図の最高感度よりも低い撮影感度の範囲であれば、簡易には標準撮影感度よりも例えば1SV分や2SV分高い感度、あるいは最高感度よりも1SV分や2SV分低い感度として設定したり、標準撮影感度と最高感度の中間値等と設定することもできる。
【0083】
適正露出値がEV(10+1/3)以上EV(11+1/3)未満の範囲では、開放絞りと、SV1(ISO400)の下で、1TV分の高速な速度域内でシャッタ速度が設定される。適正露出値がEV6以上EV(10+1/3)未満の範囲では、標準撮影感度よりも撮影感度が1SV分高くされ、中間感度であるSV2(ISO800)と、開放絞りとの下で、シャッタ速度を変化させて適正露出値となるようにされる。したがって、適正露出値がEV6〜EV(9+1/3)の範囲であってシャッタ速度が高速な速度域とならない場合であっても、中間感度を維持したまま、手ブレ限界を下限としてシャッタ速度を低速化させることで対応する。これにより、ノイズ量を実用上許容できる範囲にする。
【0084】
さらに適正露出値が小さい場合では、手ブレ限界以上のシャッタ速度が維持するのに必要な限度で撮影感度が中間感度よりも高くされる。この結果、適正露出値がEV5以上EV6未満の場合には、撮影感度がSV3(ISO1600)とされ、EV4以上EV5未満の場合には、撮影感度がSV4(ISO3200)とされる。そして、さらに適正露出値が小さい場合には、第3プログラム線図の最高感度がSV4(ISO3200)とされているため、シャッタ速度を手ブレ限界よりも低速化して対応する。
【0085】
この例によれば、ある程度明るいシーンにおいては撮影感度の上昇が抑制されるので、被写体ブレが多少増える可能性はあるもののノイズを少なくした良好な画質を多くのシーンで得ることができる。
【0086】
手ブレ補正モードがオンの場合に、イメージセンサの温度も考慮してプログラムを選択しシャッタ速度,絞り,撮影感度を決定する第3実施形態について説明する。なお、以下に説明する他は、最初の実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0087】
この例では、図8に示すように、イメージセンサ27には、それの温度を測定する温度センサ51を設けてあり、測定で得られるイメージセンサ27の温度をCPU15に送る。CPU15は、図9に示すように、手ブレ補正モードがオンの場合には、イメージセンサ27の温度を予め設定してある第1基準温度と比較する。
【0088】
第1基準温度は、イメージセンサ27のノイズと温度の相関性、その温度で切り替えるプログラム線図の撮影感度等を考慮して、例えばイメージセンサ27で生じるノイズが増大しこれが高感度において顕著にることで画質に与える影響のデメリットよりも、ブレを発生させないようにするために撮影感度を高くして高速シャッタを維持するメリットが大きいと評価できる温度の上限などとして決定してある。
【0089】
上記比較において、イメージセンサ27の温度が第1基準温度以下である場合には、図4に示される第2プログラム線図を選択する。一方、イメージセンサ27の温度が上昇している場合で、イメージセンサ27の温度が第1基準温度よりも高くなっている場合には、ノイズが画質に与える影響が撮影感度を高くすることによるブレ軽減効果よりも大きくなるため、図3に示される第1プログラム線図を選択する。そして、選択したプログラム線図に基づいて、適正露出値をシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換する。これにより、ノイズが多く極端に画質が劣化した画像となることを防止できる。
【0090】
上記の例では、手ブレ補正モードがオンの場合で、イメージセンサ27の温度が第1基準温度よりも高い場合には、第1プログラム線図を選択するが、図10に示す例のように、イメージセンサ27の温度が第1基準温度よりも高い場合には、第3プログラム線図(図6参照)を選択するようにしてもよい。これによれば、イメージセンサ27が高温となってノイズが多くなる場合でも、良好な画質を維持しつつ、可能な限り高速なシャッタ速度が維持されるため、被写体ブレ等の軽減効果を得ることができる。
【0091】
手ブレ補正モードがオンの場合に設定される撮影感度の上限、すなわち最高感度をイメージセンサの温度で変化させる第4実施形態について説明する。なお、以下に説明する他は、第3プログラム線図を用いた第2実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0092】
図11に示すように、手ブレ補正モードがオンの場合に、感度可変プログラム線図が選択される。この感度可変プログラム線図は、前述の第3プログラム線図と同様であるが、イメージセンサ27の温度によって、撮影感度の上限を変化させるようにしたものであり、イメージセンサ27の温度が高いほど撮影感度の上限を低くする。
【0093】
温度センサ51によって検出されたイメージセンサ27の温度が第1基準温度以下である場合には、撮影感度の上限がSV4(ISO3200)に設定される。この場合のプログラム線図は図12(a)のようになり、第3プログラム線図と同じとなる。
【0094】
イメージセンサ27の温度が第1基準温度よりも高く第2基準温度以下の場合には、撮影感度の上限がSV3(ISO1600)に設定され、プログラム線図は、図12(b)のようになる。この場合には、開放絞りの下、中間感度で手ブレ限界以上のシャッタ速度が維持できないと、撮影感度は上限であるSV3(ISO1600)とされるが、このSV3の下でシャッタ速度が手ブレ限界を維持できなくても、これ以上撮影感度を高くすることはない。したがって、SV3の下でシャッタ速度が手ブレ限界を維持できなければ、SV3の下で手ブレ限界よりも低速なシャッタ速度で対応する。
【0095】
イメージセンサ27の温度が第2基準温度よりも高い場合には、撮影感度の上限がSV2(ISO800)に設定されプログラム線図は、図12(c)のようになる。すなわち、撮影感度の上限が中間感度とされる。したがって、この場合には、開放絞りの下、中間感度で手ブレ限界以上のシャッタ速度が維持できなくてもそれ撮影感度が高くされることなく、シャッタ速度を手ブレ限界よりも低速にして対応する。
【0096】
なお、第2基準温度は、第1基準温度と同様に、イメージセンサ27のノイズと温度の相関性、その温度で切り替えるプログラム線図の撮影感度等を考慮して決定すればよい。また、この例では、イメージセンサ27の温度に応じて撮影感度の上限を段階的に変化させているが、イメージセンサ27の温度が高いほど撮影感度が低くなるようにして、撮影感度をイメージセンサ27の温度に応じて連続的に変化させてもよい。
【0097】
この例の感度可変プログラム線図は、第3プログラム線図の最高感度の上限を変化させる形態であるが、第2プログラム線図の最高感度の上限を変化させる形態とすることもできる。
【0098】
上記各実施形態では、撮影感度が段階的に切り換えられるデジタルカメラを例に説明したが、連続的に切り換えられる場合にも適用することができる。また、上記各実施形態で用いた、各EV域の上限,下限、撮影感度や絞り等の具体的な数値は一例であり、デジタルカメラの特性に応じて適宜変更することができる。さらには、第2〜第3プログラム線図、感度可変プログラム線図は、上述のように手ブレ補正モードと組み合わせることによって効果が得られるから、手ブレ補正モードのオフのない撮影装置、手ブレ補正モードのオフの場合に他のプログラム線図を用いる場合と組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明を実施したデジタルカメラの外観を示す斜視図である。
【図2】デジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】手ブレ補正モードがオフのときに用いられる第1プログラム線図である。
【図4】手ブレ補正モードがオンのときに用いられる第2プログラム線図である。
【図5】第1と第2プログラム線図の一方を選択するAE処理を示すフローチャートである。
【図6】第1と第3プログラム線図の一方を選択するAE処理を示すフローチャートである。
【図7】手ブレ補正モードがオンのときに用いられる第3プログラム線図である。
【図8】イメージセンサに温度センサを設けた例を示す要部のブロック図である
【図9】手ブレ補正モードがオンのきに、イメージセンサの温度によって第1と第2プログラム線図の一方を選択するAE処理を示すフローチャートである。
【図10】手ブレ補正モードがオンのきに、イメージセンサの温度によって第2と第3プログラム線図の一方を選択するAE処理を示すフローチャートである。
【図11】手ブレ補正モードがオンのときに、イメージセンサの温度によって撮影感度の上限を変化させるAE処理を示すフローチャートである。
【図12】イメージセンサの温度によって撮影感度の上限を変化させた各場合を示すプログラム線図である。
【符号の説明】
【0100】
2 デジタルカメラ
8 手ブレ補正選択スイッチ
4c 手ブレ補正レンズ
15 CPU
27 イメージセンサ
32 オートゲインコントロール回路
42 AE/AWB検出回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CCDやCMOS等のイメージセンサによって被写体光を光電変換し、これにより得た画像信号をデジタルの画像データに変換して記録するデジタルカメラが普及している。デジタルカメラで暗い被写体を撮影するときには、例えばシャッタ速度を遅くすることにより適正な露光量(受光量)とすることができるが、低速なシャッタ速度を使用するため手振ブレが生じやすい。また、低速なシャッタ速度を使用している場合には、被写体が動いている場合には、被写体ブレが生じ、手振ブレと同様な結果となってしまう。
【0003】
近時のデジタルカメラには、手振ブレを防止する手ブレ補正機能を備えたものがある。この手ブレ補正機能は、その補正方式により種々のものがあるが、一般的にはデジタルカメラの動きすなわち手ブレを検出し、撮影レンズの一部、あるいはイメージセンサを撮影光軸と垂直な面内で移動させることにより、デジタルカメラが撮影時に動いたとしてもイメージセンサに対する被写体像が移動しないようにしている。
【0004】
他方、暗い被写体を撮影する場合に、ストロボ光を照射したり、デジタルカメラの感度を高くして一定以上の高速のシャッタ速度で撮影できるようにしたデジタルカメラも知られている。例えば、検出した手ブレ量から手ブレを発生させることなく撮影できるシャッタ速度を算出し、設定されるシャッタ速度が算出されたシャッタ速度よりも高速となるように感度を大きくするデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−194701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような手ブレ補正機能では、手ブレによるブレの発生、あるいはその軽減に効果はあるが、被写体ブレの防止についてはなんら効果がない。また、特許文献1のように、ブレを軽減する場合に感度を大きくする場合では、手ブレの軽減には効果があるが、やはり被写体ブレには効果がない。また、イメージセンサから出力される画像信号を増幅するゲインを高くして高感度化を図るが、ゲインを高くすることによって画像信号中のノイズの影響が大きくなり、撮影された画像の画質の劣化が避けられないといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するために、請求項1記載の撮影装置の制御方法では、手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合に、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第2のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定するようにしたものである。
【0007】
請求項2記載の撮影装置の制御方法では、手ブレ補正機能がオンの場合に、イメージセンサの温度を検出し、検出した温度が所定の第1の基準温度よりも高いときには、前記第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定するようにしたものである。
【0008】
請求項3記載の撮影装置の制御方法では、手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合に、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くする第3のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定するようにしたものである。
【0009】
請求項4記載の撮影装置の制御方法では、手ブレ補正機能がオンの場合に、イメージセンサの温度を検出し、検出されたイメージセンサの温度が高いほど、第3のプログラム線図の撮影感度の上限を低くするようにしたものである。
【0010】
請求項5記載の撮影装置の制御方法では、手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合にはイメージセンサの温度を検出し、検出した温度が所定の第1の基準温度以下のときには、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第2のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
検出した温度が第1の基準温度よりも高いときには、第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くする第3のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定するようにしたものである。
【0011】
請求項6記載の撮影装置の制御方法では、第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する際に、撮影感度の上限を装置に設定可能な最大の撮影感度よりも低くするようにしたものである。
【0012】
請求項7記載の撮影装置の制御方法では、各プログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する際に、上限の撮影感度を用いて手ブレ限界のシャッタ速度以上のシャッタ速度が得られない場合には、シャッタ速度を手ブレ限界のシャッタ速度よりも遅くするようにしたものである。
【0013】
請求項8記載の撮影装置では、被写体輝度を測定して適正露出値を決定する適正露出値決定手段と、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第1のプログラムを記憶した第1の記憶手段と、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第2のプログラムとを記憶した第2の記憶手段と、手ブレ補正がオフの場合には第1のプログラムを選択し、オンの場合には第2のプログラムを選択し、選択したプログラムにしたがって決定された適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換する変換手段とを備えたものである。
【0014】
請求項9記載の撮影装置では、被写体輝度を測定して適正露出値を決定する適正露出値決定手段と、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第1のプログラムを記憶した第1の記憶手段と、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第3のプログラムとを記憶した第3の記憶手段と、手ブレ補正がオフの場合には第1のプログラムを選択し、オンの場合には第3のプログラムを選択し、選択したプログラムにしたがって決定された適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換する変換手段とを備えたものである。
【0015】
請求項10記載の撮影装置では、イメージセンサの温度を測定する温度センサを備え、変換手段を、温度センサで検出されたイメージセンサの温度の結果に基づき、イメージセンサの温度が高いほど、第3のプログラムの撮影感度の上限を低くするようにしたものでる。
【0016】
請求項11記載の撮影装置では、変換手段を、第1のプログラムに基づいて、適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度を変換する際の撮影感度の上限を最大感度よりも低くするようにしたものである。
【0017】
請求項12記載の撮影装置では、変換手段を、適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度を変換する際に、上限の撮影感度を用いて手ブレ限界のシャッタ速度以上のシャッタ速度が得られない場合には、シャッタ速度を手ブレ限界のシャッタ速度よりも遅くするようにしたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、手ブレ補正をオフの場合には、撮影感度として低感度を維持し、また手ブレ補正をオンの場合には、高速なシャッタ速度を維持する各プログラム線図を用いて適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換するようにしたから、手ブレ補正をオン・オフに応じた適切なノイズ・ブレの程度の画質を有する画像の撮影をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1に本発明を実施した撮影装置であるデジタルカメラ2を示す。カメラボディ3の前面には、撮影レンズ4と、被写体に向けてストロボ光を照射するストロボ発光部5とを設けてある。また、上面には、撮影時に操作されるレリーズボタン6,モードダイアル7,手ブレ補正選択スイッチ8を設けてある。
【0020】
レリーズボタン6は、浅く押し込んだ半押しと、さらに押し込んだ全押しとの2段階の押圧操作を可能としてある。このレリーズボタン6を半押しとした時には、AF処理とAE処理とが行われ、全押しとすると静止画を撮影する撮影処理が行われる。AF処理では、被写体にピントが合致するように撮影レンズ4が駆動される。また、AE処理では被写体輝度の測定を行い、その被写体輝度から適正露出値を算出し、算出した適正露出値をシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換する。撮影処理では、AE処理で決定されたシャッタ速度,絞り,撮影感度を用いて撮影を行う。
【0021】
モードダイアル7は、それに描かれた各モードを表すマークに指標を合せるように回転操作することにより、静止画を撮影する撮影モード,再生モード,設定モード等の各種モードを選択することができる。このモードダイアル7を電源オフの位置から各モードのいずれかの位置に回転すると、デジタルカメラ2の電源がオンされる。
【0022】
手ブレ補正選択スイッチ8は、これを押圧する毎に手ブレ補正モードのオン・オフを切り替えることができる。手ブレ補正モードをオンとすることにより、デジタルカメラ2の動きを検出し、その動きに起因して生じる被写体像のブレ、すなわち手ブレが生じないように補正する手ブレ補正機能が作動する。また、このデジタルカメラ2では、手ブレ補正モードがオフのときには、ノイズを少なくした画像が得られるように画質を優先したプログラムを用いてシャッタ速度,絞り,撮影感度の組み合わせを決定し、手ブレ補正モードがオンのときには、手ブレの他、被写体の動きに起因した被写体ブレを含めたブレ軽減を優先したプログラムを用いてシャッタ速度,絞り,撮影感度の組み合わせを決定する。
【0023】
カメラボディ3の側面には、メモリカード11(図2参照)が挿入されるカードスロットを設けてあり、メモリカード11には撮影によって得られる画像データが記録される。また、カメラボディ3の背面には、LCD12,ズームボタン13(図2参照)等を設けてある。LCD12は、静止画撮影モードでは電子ビューファインダとして機能し、撮影中の画像のスルー画像を表示する。また、再生モードでは、メモリカード11に記録された画像を表示する。ズームボタン13は、これを操作することにより撮影レンズ4のズーミングが行われる。
【0024】
図2に示すように、デジタルカメラ2の各部は、CPU15によって制御される。CPU15には、ROM15a,RAM15bを接続してあり、ROM15aには、制御プログラムや各種設定データが記憶されている。また、ROM15aは、シャッタ速度と絞りと撮影感度を決定するプログラムを記憶した記憶手段となっており、適正露出値からそれらを決定するための各種プログラム線図に相当するプログラム等を記憶している。CPU15は、レリーズボタン6,モードダイアル7,手ブレ補正選択スイッチ8,ズームボタン13等から入力される操作信号に基づき、ROM15aのプログラムにしたがって各部の制御を行い、また被写体輝度から適正露出値を求め、適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換する。ROM15bは、CPU15がプログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶するワークメモリとして使用される。
【0025】
撮影レンズ4は、変倍レンズ4a,フォーカスレンズ4b,手ブレ補正レンズ4cを備えている。変倍レンズ4aを光軸方向に移動することによって、撮影レンズ4のズーミングを行う。また、フォーカスレンズ4bを光軸方向に移動させることで被写体へのピント合わせを行う。これら変倍レンズ4a,フォーカスレンズ4bは、モータを含む駆動機構16,17によって移動されるブレ補正レンズ4cは、手ブレを光学的に補正するためのものであり、アクチュエータ等から構成される駆動機駆18によって光軸と垂直な面内で移動される。
【0026】
また、撮影レンズ4には、後述するイメージセンサ27に入射する光量を調節する絞りを切り換える絞り羽根4dが組み込まれている。絞り羽根4dは、例えば、撮影時の絞りをAV3〜AV6(F2.8〜F8)の範囲で段階的に切り換える。この絞り羽根4dは、駆動機構19によって駆動される。
【0027】
上記の各駆動機構16,18,19のモータは、モータドライバ21〜23を介してCPU15により駆動制御され、駆動機駆18のアクチュエータは、手ブレ補正制御部24によって駆動される。
【0028】
手ブレ補正制御部24は、手ブレ補正モードがオンのときに作動し、手ブレが生じないように手ブレ補正レンズ4cを移動させる。この手ブレ補正制御部24は、手ブレの方向や大きさ,速度等を検出するセンサと、このセンサの検出結果に基づいて手ブレ補正レンズ4cの移動方向,移動量,移動速度等を演算して算出する演算回路と、演算回路の算出結果に基づいて駆動機駆18のアクチュエータを駆動するドライバで構成される。これにより、手ブレが発生しても、イメージセンサ27上に結像される被写体像の移動がないように補正される。なお、手ブレ補正を行う機構は、上記のものに限らず、種々のものを採用することができ、例えば手ブレ補正レンズ4cに代えてイメージセンサ27を光軸に対して垂直な面上で移動させてもよい。
【0029】
撮影レンズ4の背後には、CCDタイプのイメージセンサ27を配置してある。イメージセンサ27は、周知のように多数の受光素子がマトリクス状に配列された受光面を備えており、撮影レンズ4によって結像された被写体像を光電変換して画像信号として出力する。なお、CCDタイプに代えて、CMOSタイプのイメージセンサを用いてもよい。
【0030】
イメージセンサ27は、CCDドライバ28によって駆動される。イメージセンサ27は、電荷蓄積時間を調節するいわゆる電子シャッタ機能を有しており、静止画撮影時には、この電子シャッタ機能を用いて露光時間すなわちシャッタ速度を調節する。シャッタ速度は、CPU15がCCDドライバ28に対して設定するパラメータによって、例えばTV2〜TV11(1/4〜1/2000秒)の範囲で連続的に変化させることができる。なお、電子シャッタ機能に代えてメカニカルシャッタを用いて、あるいはそれらを併用してもかまわない。
【0031】
イメージセンサ27からの画像信号は、アナログフロントエンド回路(AFE)29に入力される。このAFE29は、相関二重サンプリング回路(CDS)31,オートゲインコントロール回路(AGC)32,A/D変換器(A/D)33から構成されている。CDS31は、相関二重サンプリングを行うことによって、電荷を画像信号に生じる際に発生するリセットノイズ成分の除去を行なう。
【0032】
AGC32は、設定される撮影感度に対応するゲインで画像信号を増幅するアンプとなっている。このAGC32には、ISO200基準(SV0=ISO200)で、SV0〜SV4(ISO200〜ISO3200)の撮影感度に対応するゲインが設定可能となっている。すなわち、デジタルカメラ2は、最低感度がSV0(ISO200)であり、最大感度がSV4(ISO3200)となっている。
【0033】
A/D変換器33は、AGC32で増幅された画像信号をデジタル変換して画像データとして出力する。A/D変換器33からの画像データは、画像入力コントローラ35に送られる。
【0034】
画像入力コントローラ35は、バス36への画像データの入力を制御する。バス36には、CPU15,画像信号処理回路37,圧縮・伸長処理回路38,LCDドライバ39,メディアコントローラ40,AF検出回路41,AE/AWB検出回路42,内部メモリ43が接続されており、これら各部はバス36を介してシステム制御部11に制御されるとともに、相互間でデータの授受を可能にしてある。
【0035】
画像信号処理回路37は、入力された画像データに対し、階調変換,ホワイトバランス補正,γ補正処理などの各種画像処理と、YC変換処理とを施す。YC変換処理により、画像データは、RGBの三色の画像データから輝度信号Yと色差信号Cr、Cbの画像データにYC変換される。撮影モード下でスルー画像を表示する場合では、このYC変換された画像データをLCDドライバ39に順次に送ることにより、LCD12にスルー画像が表示される。
【0036】
圧縮・伸長処理回路38は、画像データをメモリカード11に記録する際に、YC変換された画像データを所定の圧縮形式、例えばJPEG形式で圧縮処理する。また、再生モードにおいて、メモリカード11から読み出したJPEG形式で圧縮されている画像データに対して伸長処理する。メディアコントローラ40は、メモリカード11に対する画像データの書き込み及び読み出しを行う。
【0037】
AF検出回路41は、画像入力コントローラ35からの1画面分の画像データの空間周波数の高周波成分を積算しAF評価値を算出する。CPU15は、AF検出回路41からのAF評価値が最大、すなわち被写体像のコントラストが最大となるようにモータドライバ22を制御してフォーカスレンズ4bを光軸方向に移動させてピント合わせを行う。
【0038】
AE/AWB検出回路42は、輝度信号Yからの被写体輝度の検出と、画像データに基づいてホワイトバランス補正を行うためのWB評価値の算出とを行う。CPU15は、WB評価値に基づき被写体像のホワイトバランスが適正となるように画像信号処理回路37を制御する。また、CPU15は、AE/AWB検出回路42で検出した被写体輝度に基づいて適正露出値を算出し、算出した適正露出値をシャッタ速度、絞り、撮影感度に変換して、これらで撮影が行われるように各部を制御する。すなわち、変換で得られるシャッタ速度でイメージセンサ27による撮影が行われるようにCCDドライバ28にパラメータを設定し、また得られる絞りとなるようにモータドライバ23,駆動機構19を介して絞り羽根4dを駆動する。さらに、得られる撮影感度に対して決められたゲインをAGC32に設定する。
【0039】
撮影モード下でスルー画像を表示しているときには、適正露出値の算出やホワイトバランス補正は継続的に行われる。また、レリーズボタン6の半押しに応答したS1信号がCPU15に入力されたときには、レリーズボタン6が全押しとされたときの静止画の撮影のために適正露出値の算出やホワイトバランス補正を高精度で行う。
【0040】
CPU15は、レリーズボタン6の半押しに応答したS1信号が入力された際に、シャッタ速度(TV)と絞り(AV)と撮影感度(SV)との組み合わせで決まる露出値「AV+TV−SV」が適正露出値となるように、シャッタ速度(TV)と絞り(AV)と撮影感度(SV)の組み合わせを決定する。
【0041】
レリーズボタン6を半押し位置とした際に、シャッタ速度、絞り値、撮影感度を決定するためのプログラム線図を図3,図4に示す。図3は、手ブレ補正モードをオフとした場合に用いる第1プログラム線図であり、図4は手ブレ補正モードをオンとした場合に用いる第2プログラム線図であり、いずれもストロボ発光させない場合のものである。なお、図3,図4に示すこのプログラム線図は、横軸がシャッタ速度(TV)、縦軸が絞り(AV)と撮影感度(SV)との組み合わせであり、斜目方向に露出値EVを示してある。露出値EVは、「ISO200=SV0」とした値で表記してあり、以下の説明でもそのようにしてある。
【0042】
第1プログラム線図は、可能な限り撮影感度として低感度を維持することにより、ノイズの少ない高画質な画像の撮影を可能とする画質を優先したプログラム線図である。この第1プログラム線図では、適正露出値となるように、撮影感度としてノイズが少なく高い画質が得られる一定の低感度(以下、標準撮影感度という)の下で、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させるが、標準撮影感度と開放絞りの下で手ブレ限界以上のシャッタ速度を組み合わせて適正露出値が得られない場合には、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するように撮影感度を標準撮影感度より高くするプログラム線図となっている。
【0043】
具体的には、第1プログラム線図は、適正露出値を第1〜第3EV域A1〜A3の3つの領域に分けており、第1EV域A1が標準撮影感度の下で手ブレ限界以上のシャッタ速度と絞りとを組み合わせることによって適正露出値とする領域である。この第1EV領域の下限は、第1の露出値に相当し、標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる露出値EVaであり、露出値EVa以上の適正露出値の範囲が第1EV域A1となる。
【0044】
標準撮影感度としては、ノイズが少なく高画質で撮影することができる撮影感度として決めることができるが、簡単には設定可能な最小感度とすることであり、この例でもそのようにしてあって標準撮影感度はSV0(ISO200)となっている。なお、標準撮影感度を過度に低く設定した場合には、比較的に大きな適正露出値の撮影シーンであっても、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持できなくなるおそれがあるから、標準撮影感度を決定する際には、手ブレ限界のシャッタ速度、開放絞りをも考慮して決定するのがよい。また、撮影感度の所定の範囲で同様な高画質が得られるのであれば、そのうちから適宜に設定してもよく、そのうちの最も高いに感度としてもよい。
【0045】
手ブレ限界のシャッタ速度は、この例ではTV5(1/30秒)としているが、実質的に手ブレによる影響がないといえるシャッタ速度の下限に適宜設定できる。また、一般的に手ブレ限界としては、撮影レンズの焦点距離(fmm)の逆数の速度(1/f秒)とされることがあるが、このようなシャッタ速度を手ブレ限界としてもよく、ズーミングに応じて手ブレ限界のシャッタ速度を変化させてもよい。
【0046】
この例では、前述のように開放絞りがAV3(F2.8)であり、手ブレ限界のシャッタ速度がTV5(1/30秒)、標準撮影感度をSV0(ISO200)としてあるから、第1EV領域A1の下限の露出値EVaは、EV8となっている。
【0047】
第1EV域A1では、絞りをAV3〜AV6(F2.8〜F8)の範囲で1AV分ずつ変化させる。すなわち、AV3(F2.8),AV4(F4),AV5(F5.6),AV6(F8)を用いる。各絞りの下では、シャッタ速度に速度幅を持たせてあり、AV4,AV5,AV6では2TV分の速度幅を、AV3では3TV分の速度幅を持たせてある。すなわち、AV4,AV5,AV6は、それぞれ2EV分の適正露出値の範囲が対応し、AV3には、3EV分の適正露出値の範囲が対応する。
【0048】
具体的には、EV15以上EV17以下の適正露出値に対しては、AV6(F8),TV9〜TV11(1/500〜1/2000秒)の絞りとシャッタ速度を用い、EV13以上EV15未満の適正露出値に対しては、AV5(F5.6),TV8〜TV10(1/250〜1/1000秒)の絞りとシャッタ速度を用いる。また、EV11以上EV13未満の適正露出値には、AV4(F4),TV7〜TV9(1/125〜1/500秒)の絞りとシャッタ速度を用い、EV8以上EV11未満の適正露出値に対しては、AV3(F2.8),TV5〜TV8(1/30〜1/250秒)の絞りとシャッタ速度を用いる。
【0049】
第2EV域A2は、手ブレの発生を抑制した撮影を可能とするために、標準撮影感度と開放絞りの下で手ブレ限界以上のシャッタ速度を組み合わせで対応できない適正露出値に対して、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度より高くする領域である。
【0050】
この第2EV域A2は、露出値EVb以上露出値EVa未満の適正露出値の範囲であり、下限の露出値EVbは、手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りと第1プログラム線図の上限として設定されている撮影感度(以下、第1最高感度という)とで決まる。
【0051】
第1最高感度としては、ノイズによる画質の影響が大きくならない撮影感度として適宜に設定することができる。また、デジタルカメラ2に設定し得る最大感度よりも、例えば1SV分や2SV分低い撮影感度を第1最高感度として決めるのもよい。さらには、デジタルカメラ2に設定し得る最大感度であってもノイズの影響が小さい場合であっては、それを第1最高感度としてもよい。この例では、第1最高感度をSV3(ISO1600)としてある。したがって、第2EV領域A2の下限の露出値EVbはEV5となっている。
【0052】
第2EV域A2では、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するために撮影感度を1SV分ずつ変化させ、シャッタ速度は手ブレ限界のシャッタ速度を下限に1TV分の速度幅を持たせてある。具体的には、EV7以上EV8未満の適正露出値に対してSV1(ISO400),EV6以上EV7未満の適正露出値に対してSV2(ISO800),EV5以上EV6未満の適正露出値に対してSV3(ISO1600)が設定され、シャッタ速度は、いずれの撮影感度の場合にもTV5〜TV6(1/30〜1/60秒)の範囲で設定される。これにより、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高く、すなわち手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持できる最も低い設定可能な撮影感度とされる。
【0053】
第3EV域A3は、第1最高感度を用いても手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持できない適正露出値、すなわち適正露出値が露出値EVbよりも小さい場合に、開放絞りと第1最高感度との下で、手ブレ限界よりも低速なシャッタ速度で対応する領域である。なお、最も低速なシャッタ速度がTV2(1/4秒)であるから第3EV域A3の下限がEV2となっている。
【0054】
第2プログラム線図は、可能な限り高速なシャッタ速度を維持して、手ブレ及び被写体ブレの発生の防止を優先したプログラム線図である。この第2プログラム線図では、適正露出値となるように、標準撮影感度の下で、高速な速度域のシャッタ速度を維持するように絞りを変化させるが、標準撮影感度と開放絞りと高速な速度域のシャッタ速度とを組み合わせて適正露出値が得られない場合には、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くするプログラム線図となっている。
【0055】
具体的には、第2プログラム線図は、適正露出値を第4〜第6EV域A4〜A6の3つの領域に分けており、第4EV域A4が標準撮影感度と高速な速度域のシャッタ速度と各種絞りとを組み合わせることによって適正露出値とする領域である。この第4EV域A4の下限は、第2の露出値に相当し、標準撮影感度と高速な速度域のシャッタ速度の下限と開放絞りとで決まる露出値EVcであり、露出値EVc以上の適正露出値の範囲が第4EV域A4となる。
【0056】
この第4EV域A4では、ブレの軽減ととともに、標準撮影感度を用いることによりノイズの抑制をも図っている。第2プログラム線図における標準撮影感度は、必ずしも第1プログラム線図の標準感度と同じである必要はないが、第1プログラム線図のものと同様にノイズが少ない撮影感度として設定することが好ましい。
【0057】
シャッタ速度の高速な速度域としては、動きの速い被写体、例えば動いている子供等を被写体ブレすることなく撮影できる程度の範囲として設定される。この例では、通常はその下限をTV9(1/500秒)としているが、絞りがAV3(F2.8)の場合には、後述する第5EV域A5のシャッタ速度の高速な速度域の下限であるTV(8+1/3)としてある。
【0058】
この第4EV領域A4の下限の露出値EVcは、上記のように標準撮影感度がSV0(ISO200),シャッタ速度の高速な速度域の下限がTV(8+1/3),開放絞りがAV3(F2.8)であるからEV(11+1/3)となっている。
【0059】
第4EV域A4では、絞りをAV3〜AV6(F2.8〜F8)の範囲で1/3AV分ずつ変化させるとともに、その各絞りについてシャッタ速度を適当な速度幅で変化させる。AV3とAV6の場合を除く各絞りでは、シャッタ速度をTV9〜TV(9+1/3)の範囲で1/3TV分の速度幅で変化させ、AV3(F2.8)の下ではシャッタ速度をTV(8+1/3)〜TV(9+1/3)の範囲の1TV分変化させ、AV6(F8)の下ではシャッタ速度をTV9〜TV11の範囲の2TV分変化させる。
【0060】
第5EV域A5は、適正露出値が露出値EVcよりも小さい場合、すなわち開放絞りと標準撮影感度の下で高速な速度域のシャッタ速度を維持できない場合に、ブレを軽減した撮影を可能とするために、高速な速度域のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くする領域である。すなわち、この第5EV域A5では、シャッタ速度の高速な速度域をを維持できる最も低い設定可能な撮影感度とされる。
【0061】
この第5EV域A5は、露出値EVd以上露出値EVc未満の適正露出値の範囲であり、下限の露出値EVdは、シャッタ速度の高速な速度域の下限と開放絞りと第2プログラム線図の上限として設定されている撮影感度(以下、第2最高感度という)とで決まる。
【0062】
第2最高感度は、手ブレ,被写体ブレの発生の抑制を優先することから、できるだけ高くすることが好ましい。最も簡単にはデジタルカメラ2の最大感度とすればよく、この例でもそのようにしてあり、SV4(ISO3200)となっている。
【0063】
第5EV域A5におけるシャッタ速度の高速な速度域は、第4EV域A4と同様に決定すればよいが、開放絞りの下で撮影感度を1SVずつ変化させるため、シャッタ速度をTV(8+1/3)〜TV(9+1/3)の範囲の1TV分変化させている。もちろん、第4EV域A4と第5EV域A5とでシャッタ速度の高速な速度域を同じとするようにしてもよい。例えば撮影感度を1/3SVずつ変化させるならば、第4EV域A4と第5EV域A5とでシャッタ速度の高速な速度域の下限を一律にTV9(1/500秒)とすることもできる。
【0064】
第6EV域A6は、第2最高感度を用いても、シャッタ速度の高速な速度域を維持できない適正露出値、すなわち適正露出値が露出値EVdよりも小さい場合に、開放絞りと第2最高感度との下で、シャッタ速度の高速な速度域の下限よりも低速なシャッタ速度で対応する領域である。なお、最も低速なシャッタ速度がTV2(1/4秒)であるから第6EV域A6の下限がEV1となっている。
【0065】
図3,図4に示されるシャッタ速度,絞り,撮影感度の組み合わせは一例であり、第1プログラム線図についてはノイズの少ない高画質な画像の撮影を優先し、可能な限り撮影感度が低感度を維持するように制御する態様のものであればよい。また、第2プログラム線図では、手ブレ及び被写体ブレの発生を防止することを優先し、高速なシャッタ速度を維持しながら、一次的にノイズの抑制との両立を図るために一定の低感度の下で絞りを用いて適正露出値となるように制御し、二次的に撮影感度を変化させて適正露出値となるように制御すればよい。
【0066】
さらには、撮影感度,シャッタ速度,絞りを段階的に変化させているが、連続的に変化させてもよい。例えば、第2EV域A2や第5EV領域A5において、シャッタ速度を一定にしたまま撮影感度を連続的に変化させて適正露出値としてもよく、また第1EV領域A1や第4EV域A4において、シャッタ速度を一定にしたまま絞りを連続的に変化させて適正露出値としてもよい。
【0067】
次に、上記実施形態の作用について説明する。デジタルカメラ10が撮影モードにセットされると、スルー画像がLCD12に表示される。このスルー画像の表示では、被写体輝度に基づいて決定される適正露出値となるように、例えばスルー画像用のプログラム線図にしたがって撮影感度,絞り,シャッタ速度が決められる。
【0068】
撮影を行う場合には、手ブレ補正選択スイッチ8を操作して、手ブレ補正モードのオン/オフを選択し、またスルー画像を観察してフレーミングをしてからレリーズボタン6を押圧操作して撮影を行う。
【0069】
手ブレ補正モードのオンとした場合には、手ブレによるデジタルカメラ2のブレの方向や大きさ,速度等を検出が手ブレ補正制御部24によって開始され、その検出結果に基づいて手ブレ補正レンズ4cが駆動機駆18によって移動される。これにより、イメージセンサ27に対する被写体像の手ブレに起因する移動がキャンセルされ、手ブレのない撮影を行うことができる状態になる。一方、手ブレ補正モードがオフの場合には、手ブレ補正レンズ4cが移動されないので、手ブレが生じてもそれは補正されない。
【0070】
上記スルー画像の表示中にレリーズボタン6を押圧操作して半押しとすると、CPU15にS1信号が入力され、レリーズボタン6が半押しとなったことが検知され、AE処理が開始される。
【0071】
図5に示すように、AE処理では、まず測光、すなわち被写体輝度の測定が行われる。測光ではイメージセンサ27で露光を行い、得られる画像データに基づいてAE/AWB検出回路41が被写体輝度検出し、この検出された被写体輝度に基づいてCPU15が適正露出値を決定する。そして、CPU15により、算出された適正露出値が手ブレ補正モードのオン・オフに応じて選択されたプログラム線図にしたがってシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換される。
【0072】
すなわち、手ブレ補正モードのオフのときには、第1プログラム線図によって適正露出値をシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換し、手ブレ補正モードのオンのときには、第2プログラム線図によって適正露出値をシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換する。
【0073】
シャッタ速度,絞り,撮影感度に変換してからAF処理が行われ、被写体にピントが合致するようにフォーカスレンズ4bが光軸方向に移動される。この後にレリーズボタン6の全押しを待つ待機状態となる。そして、レリーズボタン6が全押しとされ、この全押しによって発生するS2信号がCPU15に入力されると、S1信号の入力に応答して得たシャッタ速度を含むパラメータがCCDドライバ28に設定され、またその絞りとなるように絞り羽根4dが駆動され、さらに撮影感度に対して決められたゲインがAGC32に設定されて撮影が行われる。そして、この撮影で得られる画像データがメモリカード11に書き込まれる。
【0074】
上記のようにして撮影を行うが、例えば手ブレ補正モードがオフの場合には、第1プログラム線図を用いて適正露出値がシャッタ速度,絞り値,撮影感度に変換される。ここで算出された適正露出値が、第1EV域A1の範囲であれば、SV0(ISO200)の撮影感度下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度と、絞りとの組み合わせが適正露出値に応じて変えられる。また、適正露出値が、第2EV域A2の範囲であれば、開放絞りと、TV5〜TV6(1/30〜1/60秒)の範囲のシャッタ速度の下で、適正露出値が低いほど、高い撮影感度が用いられるようにして、1SV分ずつ撮影感度が段階的に高くされる。さらに、適正露出値が、第3EV域A3の範囲であったときに、開放絞りと、第1最高感度との下で、適正露出となるようにシャッタ速度が手ブレ限界よりも低く設定される。
【0075】
したがって、適正露出値が第1EV域A1の範囲となる明るい撮影シーンでは、手ブレ限界以上のシャッタ速度が用いられるため手ブレがなく、そして低い撮影感度となっているから、AGC32に設定されるゲインが小さくノイズが少ない(目立つことがない)高画質の画像を得ることができる。また、第1EV域A1とならない多少暗い撮影シーンでは、感度の上昇にともないノイズが多少増加するが、その撮影感度の上昇をできるだけ小さくしてあるから、ノイズが少なく良好な画質の画像を得ることができ、しかも手ブレ限界以上のシャッタ速度が用いられるので手ブレの少ない画像が得られる。さらに、たとえ手ブレ限界以上のシャッタ速度が得られない撮影シーンであっても、第1最高感度としては、ノイズが少ない撮影感度として設定してあるからやはりノイズの少ない画像を得ることができる。
【0076】
他方、手ブレ補正モードがオンの場合には、第2プログラム線図を用いて適正露出値がシャッタ速度,絞り値,撮影感度に変換される。算出された適正露出値が第4EV域A4の範囲であれば、SV0(ISO200)の撮影感度下で、TV9(1/500秒以上)ないしTV(8+1/3)以上の高速なシャッタ速度で撮影が行われる。したがって、手ブレ補正機能と高速なシャッタ速度とにより、手ブレ及び被写体ブレが極めて少ない画像を得ることができ、しかもAGC32に設定されるゲインが小さいのでノイズが少ない高画質の画像を得ることができる。
【0077】
また、算出された適正露出値が第5EV域A5の範囲であれば、撮影感度がSV1〜SV4(ISO400〜ISO3200)の範囲で変化されるため、感度の上昇にともなってノイズが増加するが、手ブレ補正機能とTV8+1/3以上の高速なシャッタ速度で撮影が行われる。したがって、第4EV域A4の場合と同様に極めてブレの少ない画像を得ることができる。さらに、適正露出値が第6EVA6の範囲であっても、デジタルカメラ2の最大感度SV4(ISO3200)を用いて可能の限り高速なシャッタ速度で撮影を行うため、被写体ブレを可能な限り小さくできる。
【0078】
次に手ブレ補正モードがオンの場合に画質を考慮しながらブレ軽減を図ったプログラムを用いる第2実施形態について説明する。なお、以下に説明する他は、最初の実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0079】
この例では、図6に示すように、手ブレ補正モードがオンの場合には、図7に示す第3プログラム線図を選択して、適正露出値をシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換する。この第3プログラム線図では、適正露出値を第4〜第6EV域A4〜A6に分割してあり、第4EV域A4は上述の第2プログラム線図と同じにしてある。
【0080】
第5EV領域A5は、開放絞りの下、高速な速度域内のシャッタ速度を維持に必要な限度で、所定の中間感度を上限に撮影感度を変化させて適正露出値を得るようにするとともに、中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、それでも適正露出値が得られない適正露出値に対しては、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を中間感度よりも高くして適正露出値を得るようにしている。
【0081】
上記の中間感度としては、第4EV域A4で用いる標準撮影感度よりも高く、第3プログラム線図の最高感度よりも低い撮影感度で、ノイズが目立たずに実用上許容できる撮影感度の上限のとして設定してある。この例では、中間感度をSV2(ISO800)としてある。第3プログラム線図の最高感度は、第2プログラム線図の第2最高感度と同じにしてあり、SV4(ISO3200)である。
【0082】
なお、中間感度としては、標準撮影感度よりも高く第3プログラム線図の最高感度よりも低い撮影感度の範囲であれば、簡易には標準撮影感度よりも例えば1SV分や2SV分高い感度、あるいは最高感度よりも1SV分や2SV分低い感度として設定したり、標準撮影感度と最高感度の中間値等と設定することもできる。
【0083】
適正露出値がEV(10+1/3)以上EV(11+1/3)未満の範囲では、開放絞りと、SV1(ISO400)の下で、1TV分の高速な速度域内でシャッタ速度が設定される。適正露出値がEV6以上EV(10+1/3)未満の範囲では、標準撮影感度よりも撮影感度が1SV分高くされ、中間感度であるSV2(ISO800)と、開放絞りとの下で、シャッタ速度を変化させて適正露出値となるようにされる。したがって、適正露出値がEV6〜EV(9+1/3)の範囲であってシャッタ速度が高速な速度域とならない場合であっても、中間感度を維持したまま、手ブレ限界を下限としてシャッタ速度を低速化させることで対応する。これにより、ノイズ量を実用上許容できる範囲にする。
【0084】
さらに適正露出値が小さい場合では、手ブレ限界以上のシャッタ速度が維持するのに必要な限度で撮影感度が中間感度よりも高くされる。この結果、適正露出値がEV5以上EV6未満の場合には、撮影感度がSV3(ISO1600)とされ、EV4以上EV5未満の場合には、撮影感度がSV4(ISO3200)とされる。そして、さらに適正露出値が小さい場合には、第3プログラム線図の最高感度がSV4(ISO3200)とされているため、シャッタ速度を手ブレ限界よりも低速化して対応する。
【0085】
この例によれば、ある程度明るいシーンにおいては撮影感度の上昇が抑制されるので、被写体ブレが多少増える可能性はあるもののノイズを少なくした良好な画質を多くのシーンで得ることができる。
【0086】
手ブレ補正モードがオンの場合に、イメージセンサの温度も考慮してプログラムを選択しシャッタ速度,絞り,撮影感度を決定する第3実施形態について説明する。なお、以下に説明する他は、最初の実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0087】
この例では、図8に示すように、イメージセンサ27には、それの温度を測定する温度センサ51を設けてあり、測定で得られるイメージセンサ27の温度をCPU15に送る。CPU15は、図9に示すように、手ブレ補正モードがオンの場合には、イメージセンサ27の温度を予め設定してある第1基準温度と比較する。
【0088】
第1基準温度は、イメージセンサ27のノイズと温度の相関性、その温度で切り替えるプログラム線図の撮影感度等を考慮して、例えばイメージセンサ27で生じるノイズが増大しこれが高感度において顕著にることで画質に与える影響のデメリットよりも、ブレを発生させないようにするために撮影感度を高くして高速シャッタを維持するメリットが大きいと評価できる温度の上限などとして決定してある。
【0089】
上記比較において、イメージセンサ27の温度が第1基準温度以下である場合には、図4に示される第2プログラム線図を選択する。一方、イメージセンサ27の温度が上昇している場合で、イメージセンサ27の温度が第1基準温度よりも高くなっている場合には、ノイズが画質に与える影響が撮影感度を高くすることによるブレ軽減効果よりも大きくなるため、図3に示される第1プログラム線図を選択する。そして、選択したプログラム線図に基づいて、適正露出値をシャッタ速度,絞り,撮影感度に変換する。これにより、ノイズが多く極端に画質が劣化した画像となることを防止できる。
【0090】
上記の例では、手ブレ補正モードがオンの場合で、イメージセンサ27の温度が第1基準温度よりも高い場合には、第1プログラム線図を選択するが、図10に示す例のように、イメージセンサ27の温度が第1基準温度よりも高い場合には、第3プログラム線図(図6参照)を選択するようにしてもよい。これによれば、イメージセンサ27が高温となってノイズが多くなる場合でも、良好な画質を維持しつつ、可能な限り高速なシャッタ速度が維持されるため、被写体ブレ等の軽減効果を得ることができる。
【0091】
手ブレ補正モードがオンの場合に設定される撮影感度の上限、すなわち最高感度をイメージセンサの温度で変化させる第4実施形態について説明する。なお、以下に説明する他は、第3プログラム線図を用いた第2実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0092】
図11に示すように、手ブレ補正モードがオンの場合に、感度可変プログラム線図が選択される。この感度可変プログラム線図は、前述の第3プログラム線図と同様であるが、イメージセンサ27の温度によって、撮影感度の上限を変化させるようにしたものであり、イメージセンサ27の温度が高いほど撮影感度の上限を低くする。
【0093】
温度センサ51によって検出されたイメージセンサ27の温度が第1基準温度以下である場合には、撮影感度の上限がSV4(ISO3200)に設定される。この場合のプログラム線図は図12(a)のようになり、第3プログラム線図と同じとなる。
【0094】
イメージセンサ27の温度が第1基準温度よりも高く第2基準温度以下の場合には、撮影感度の上限がSV3(ISO1600)に設定され、プログラム線図は、図12(b)のようになる。この場合には、開放絞りの下、中間感度で手ブレ限界以上のシャッタ速度が維持できないと、撮影感度は上限であるSV3(ISO1600)とされるが、このSV3の下でシャッタ速度が手ブレ限界を維持できなくても、これ以上撮影感度を高くすることはない。したがって、SV3の下でシャッタ速度が手ブレ限界を維持できなければ、SV3の下で手ブレ限界よりも低速なシャッタ速度で対応する。
【0095】
イメージセンサ27の温度が第2基準温度よりも高い場合には、撮影感度の上限がSV2(ISO800)に設定されプログラム線図は、図12(c)のようになる。すなわち、撮影感度の上限が中間感度とされる。したがって、この場合には、開放絞りの下、中間感度で手ブレ限界以上のシャッタ速度が維持できなくてもそれ撮影感度が高くされることなく、シャッタ速度を手ブレ限界よりも低速にして対応する。
【0096】
なお、第2基準温度は、第1基準温度と同様に、イメージセンサ27のノイズと温度の相関性、その温度で切り替えるプログラム線図の撮影感度等を考慮して決定すればよい。また、この例では、イメージセンサ27の温度に応じて撮影感度の上限を段階的に変化させているが、イメージセンサ27の温度が高いほど撮影感度が低くなるようにして、撮影感度をイメージセンサ27の温度に応じて連続的に変化させてもよい。
【0097】
この例の感度可変プログラム線図は、第3プログラム線図の最高感度の上限を変化させる形態であるが、第2プログラム線図の最高感度の上限を変化させる形態とすることもできる。
【0098】
上記各実施形態では、撮影感度が段階的に切り換えられるデジタルカメラを例に説明したが、連続的に切り換えられる場合にも適用することができる。また、上記各実施形態で用いた、各EV域の上限,下限、撮影感度や絞り等の具体的な数値は一例であり、デジタルカメラの特性に応じて適宜変更することができる。さらには、第2〜第3プログラム線図、感度可変プログラム線図は、上述のように手ブレ補正モードと組み合わせることによって効果が得られるから、手ブレ補正モードのオフのない撮影装置、手ブレ補正モードのオフの場合に他のプログラム線図を用いる場合と組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明を実施したデジタルカメラの外観を示す斜視図である。
【図2】デジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】手ブレ補正モードがオフのときに用いられる第1プログラム線図である。
【図4】手ブレ補正モードがオンのときに用いられる第2プログラム線図である。
【図5】第1と第2プログラム線図の一方を選択するAE処理を示すフローチャートである。
【図6】第1と第3プログラム線図の一方を選択するAE処理を示すフローチャートである。
【図7】手ブレ補正モードがオンのときに用いられる第3プログラム線図である。
【図8】イメージセンサに温度センサを設けた例を示す要部のブロック図である
【図9】手ブレ補正モードがオンのきに、イメージセンサの温度によって第1と第2プログラム線図の一方を選択するAE処理を示すフローチャートである。
【図10】手ブレ補正モードがオンのきに、イメージセンサの温度によって第2と第3プログラム線図の一方を選択するAE処理を示すフローチャートである。
【図11】手ブレ補正モードがオンのときに、イメージセンサの温度によって撮影感度の上限を変化させるAE処理を示すフローチャートである。
【図12】イメージセンサの温度によって撮影感度の上限を変化させた各場合を示すプログラム線図である。
【符号の説明】
【0100】
2 デジタルカメラ
8 手ブレ補正選択スイッチ
4c 手ブレ補正レンズ
15 CPU
27 イメージセンサ
32 オートゲインコントロール回路
42 AE/AWB検出回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズによってイメージセンサの受光面に被写体像を結像し、イメージセンサから出力される被写体像の画像信号を撮影感度に対応するゲインで増幅するとともに、装置自体の動きに起因した手ブレを補正する手ブレ補正機能を有する撮影装置の制御方法において、
手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合に、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第2のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【請求項2】
手ブレ補正機能がオンの場合に、イメージセンサの温度を検出し、検出した温度が所定の第1の基準温度よりも高いときには、前記第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定することを特徴とする請求項1記載の撮影装置の制御方法。
【請求項3】
撮影レンズによってイメージセンサの受光面に被写体像を結像し、イメージセンサから出力される被写体像の画像信号を撮影感度に対応するゲインで増幅するとともに、装置自体の動きに起因した手ブレを補正する手ブレ補正機能を有する撮影装置の制御方法において、
手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合に、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くする第3のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【請求項4】
手ブレ補正機能がオンの場合に、イメージセンサの温度を検出し、検出されたイメージセンサの温度が高いほど、第3のプログラム線図の撮影感度の上限を低くすることを特徴とする請求項3記載の撮影装置の制御方法。
【請求項5】
撮影レンズによってイメージセンサの受光面に被写体像を結像し、イメージセンサから出力される被写体像の画像信号を撮影感度に対応するゲインで増幅するとともに、装置自体の動きに起因した手ブレを補正する手ブレ補正機能を有する撮影装置の制御方法において、
手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合にはイメージセンサの温度を検出し、検出した温度が所定の第1の基準温度以下のときには、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第2のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、検出した温度が第1の基準温度よりも高いときには、
第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くする第3のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【請求項6】
前記第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する際に、撮影感度の上限を装置に設定可能な最大の撮影感度よりも低くすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の撮影装置の制御方法。
【請求項7】
前記各プログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する際に、上限の撮影感度を用いて手ブレ限界のシャッタ速度以上のシャッタ速度が得られない場合には、シャッタ速度を手ブレ限界のシャッタ速度よりも遅くすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の撮影装置の制御方法。
【請求項8】
撮影レンズによって受光面に結像される被写体像を画像信号に変換して出力するイメージセンサと、このイメージセンサからの画像信号を撮影感度に対応するゲインで増幅するアンプと、装置自体の動きを検出することにより手ブレを検出し、装置自体の動きに起因した手ブレを補正する手ブレ補正手段と、前記手ブレ補正手段による手ブレ補正のオン・オフを選択する選択部材とを備えた撮影装置において、
被写体輝度を測定して適正露出値を決定する適正露出値決定手段と、
一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第1のプログラムを記憶した第1の記憶手段と、
標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第2のプログラムとを記憶した第2の記憶手段と、
手ブレ補正がオフの場合には第1のプログラムを選択し、オンの場合には第2のプログラムを選択し、選択したプログラムにしたがって決定された適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換する変換手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項9】
撮影レンズによって受光面に結像される被写体像を画像信号に変換して出力するイメージセンサと、このイメージセンサからの画像信号を撮影感度に対応するゲインで増幅するアンプと、装置自体の動きを検出することにより手ブレを検出し、装置自体の動きに起因した手ブレを補正する手ブレ補正手段と、前記手ブレ補正手段による手ブレ補正のオン・オフを選択する選択部材とを備えた撮影装置において、
被写体輝度を測定して適正露出値を決定する適正露出値決定手段と、
一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第1のプログラムを記憶した第1の記憶手段と、
標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第3のプログラムとを記憶した第3の記憶手段と、
手ブレ補正がオフの場合には第1のプログラムを選択し、オンの場合には第3のプログラムを選択し、選択したプログラムにしたがって決定された適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換する変換手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項10】
前記イメージセンサの温度を測定する温度センサを備え、前記変換手段は、温度センサで検出されたイメージセンサの温度の結果に基づき、イメージセンサの温度が高いほど、第3のプログラムの撮影感度の上限を低くすることを特徴とする請求項9記載の撮影装置。
【請求項11】
前記変換手段は、第1のプログラムに基づいて、適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度を変換する際の撮影感度の上限を最大感度よりも低くすることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項12】
前記変換手段は、適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度を変換する際に、上限の撮影感度を用いて手ブレ限界のシャッタ速度以上のシャッタ速度が得られない場合には、シャッタ速度を手ブレ限界のシャッタ速度よりも遅くすることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項1】
撮影レンズによってイメージセンサの受光面に被写体像を結像し、イメージセンサから出力される被写体像の画像信号を撮影感度に対応するゲインで増幅するとともに、装置自体の動きに起因した手ブレを補正する手ブレ補正機能を有する撮影装置の制御方法において、
手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合に、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第2のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【請求項2】
手ブレ補正機能がオンの場合に、イメージセンサの温度を検出し、検出した温度が所定の第1の基準温度よりも高いときには、前記第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定することを特徴とする請求項1記載の撮影装置の制御方法。
【請求項3】
撮影レンズによってイメージセンサの受光面に被写体像を結像し、イメージセンサから出力される被写体像の画像信号を撮影感度に対応するゲインで増幅するとともに、装置自体の動きに起因した手ブレを補正する手ブレ補正機能を有する撮影装置の制御方法において、
手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合に、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くする第3のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【請求項4】
手ブレ補正機能がオンの場合に、イメージセンサの温度を検出し、検出されたイメージセンサの温度が高いほど、第3のプログラム線図の撮影感度の上限を低くすることを特徴とする請求項3記載の撮影装置の制御方法。
【請求項5】
撮影レンズによってイメージセンサの受光面に被写体像を結像し、イメージセンサから出力される被写体像の画像信号を撮影感度に対応するゲインで増幅するとともに、装置自体の動きに起因した手ブレを補正する手ブレ補正機能を有する撮影装置の制御方法において、
手ブレ補正機能がオフの場合に、一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、
手ブレ補正機能がオンの場合にはイメージセンサの温度を検出し、検出した温度が所定の第1の基準温度以下のときには、標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くする第2のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定し、検出した温度が第1の基準温度よりも高いときには、
第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くする第3のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【請求項6】
前記第1のプログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する際に、撮影感度の上限を装置に設定可能な最大の撮影感度よりも低くすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の撮影装置の制御方法。
【請求項7】
前記各プログラム線図に基づいてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する際に、上限の撮影感度を用いて手ブレ限界のシャッタ速度以上のシャッタ速度が得られない場合には、シャッタ速度を手ブレ限界のシャッタ速度よりも遅くすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の撮影装置の制御方法。
【請求項8】
撮影レンズによって受光面に結像される被写体像を画像信号に変換して出力するイメージセンサと、このイメージセンサからの画像信号を撮影感度に対応するゲインで増幅するアンプと、装置自体の動きを検出することにより手ブレを検出し、装置自体の動きに起因した手ブレを補正する手ブレ補正手段と、前記手ブレ補正手段による手ブレ補正のオン・オフを選択する選択部材とを備えた撮影装置において、
被写体輝度を測定して適正露出値を決定する適正露出値決定手段と、
一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第1のプログラムを記憶した第1の記憶手段と、
標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第2のプログラムとを記憶した第2の記憶手段と、
手ブレ補正がオフの場合には第1のプログラムを選択し、オンの場合には第2のプログラムを選択し、選択したプログラムにしたがって決定された適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換する変換手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項9】
撮影レンズによって受光面に結像される被写体像を画像信号に変換して出力するイメージセンサと、このイメージセンサからの画像信号を撮影感度に対応するゲインで増幅するアンプと、装置自体の動きを検出することにより手ブレを検出し、装置自体の動きに起因した手ブレを補正する手ブレ補正手段と、前記手ブレ補正手段による手ブレ補正のオン・オフを選択する選択部材とを備えた撮影装置において、
被写体輝度を測定して適正露出値を決定する適正露出値決定手段と、
一定な低感度の標準撮影感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第1の露出値以上の適正露出値に対しては、シャッタ速度を手ブレ限界以上の速度域で変化させるとともに絞りを変化させて標準撮影感度を維持し、第1の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を標準撮影感度よりも高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第1のプログラムを記憶した第1の記憶手段と、
標準撮影感度と高速な速度域の下限のシャッタ速度と開放絞りとの組み合わせによって決まる第2の露出値以上の適正露出値に対しては、絞りを変化させて標準撮影感度と高速な速度域内のシャッタ速度とを維持し、第2の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、標準撮影感度よりも高く最高感度よりも低く設定された中間感度を上限にして、高速な速度域内のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くするとともに中間感度の下では手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持し、中間感度と手ブレ限界のシャッタ速度と開放絞りとで決まる第3の露出値よりも小さい適正露出値に対しては、開放絞りの下で、手ブレ限界以上のシャッタ速度を維持するのに必要な限度で撮影感度を高くしてシャッタ速度と絞りと撮影感度を決定する第3のプログラムとを記憶した第3の記憶手段と、
手ブレ補正がオフの場合には第1のプログラムを選択し、オンの場合には第3のプログラムを選択し、選択したプログラムにしたがって決定された適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度に変換する変換手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項10】
前記イメージセンサの温度を測定する温度センサを備え、前記変換手段は、温度センサで検出されたイメージセンサの温度の結果に基づき、イメージセンサの温度が高いほど、第3のプログラムの撮影感度の上限を低くすることを特徴とする請求項9記載の撮影装置。
【請求項11】
前記変換手段は、第1のプログラムに基づいて、適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度を変換する際の撮影感度の上限を最大感度よりも低くすることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項12】
前記変換手段は、適正露出値をシャッタ速度と絞りと撮影感度を変換する際に、上限の撮影感度を用いて手ブレ限界のシャッタ速度以上のシャッタ速度が得られない場合には、シャッタ速度を手ブレ限界のシャッタ速度よりも遅くすることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−8961(P2009−8961A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171348(P2007−171348)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]