説明

撹拌方法、装置及び廃液処理装置

【課題】
比較的比重の大きい廃液の処理において、廃液から分離されたスラッジなどを含む液分に凝集剤を混合して撹拌し凝集させる際の撹拌を効率的に行うことができるようにする。
【解決手段】
撹拌装置(7)は、高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部(720)、各個槽部(720)に備えられた撹拌体(73,73a,73b,73c)を備えている。各個槽部(720)の底部は曲面を有しており、各撹拌体(73,73a,73b,73c)は羽根(735)が本質的に曲面に沿って移動するようになっている。上部の個槽部(720)に導入された被撹拌物を各個槽部(720)に備えられた撹拌体(73,73a,73b,73c)で撹拌しながら高い個槽部(720)から低い個槽部(720)へ順次移動させるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被撹拌物の撹拌方法、装置及び廃液処理装置に関するものである。更に詳しくは、例えば建設汚泥など比較的比重の大きい廃液の処理において、廃液から分離されたスラッジなどを含む液分に凝集剤を混合して撹拌し凝集させる際の撹拌を効率的に行うことができ、連続処理も可能なものに関する。
【背景技術】
【0002】
廃液を処理する過程において、廃液の液分に凝集剤を混合して凝集させる際に撹拌装置が使用されている。このような撹拌装置には様々な構造のものがあるが、一般的なものの一例として特許文献1記載の撹拌装置がある。
この撹拌装置は、槽体の内部に回転軸が縦方向に設けられ、回転軸に複数の撹拌羽根が設けられており、撹拌羽根は槽底部近傍まで延長されている構造である。
なお、この撹拌装置の場合は、槽内の側部から底部にかけて邪魔板が設けられ、撹拌効率を高めている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−269559
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の撹拌装置には次のような課題があった。
すなわち、この撹拌装置は、撹拌羽根が水平方向に回転する構造であるので、邪魔板が設けられているとはいえ、例えば槽底に沈んだ比較的重いスラッジなどは液分と混ざりにくく、撹拌を均等に行うことが難しい。このため、比較的比重の小さい廃液(畜産廃液、食品残渣、工場廃水など)の処理については問題ないが、比重の大きい廃液(建設汚泥、金属スラッジ、ダム残渣など)の処理には適さない。
【0005】
また、この撹拌装置は、槽内に所定量の液分をためて供給を一旦停止して処理するバッチ処理を行うものであって、連続処理には適さない。このように、この撹拌装置はバッチ処理しかできないために、廃液処理装置に組み入れるときに、システムや制御に制約を受け、設計の自由度も低い。
【0006】
(本発明の目的)
本発明の目的は、建設汚泥など比較的比重の大きい廃液の処理において、廃液から分離されたスラッジなどを含む液分に凝集剤を混合して撹拌し凝集させる際の撹拌を効率的に行うことができる撹拌方法、装置及びそれを使用した廃液処理装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、連続処理が可能であり、例えばバッチ処理型の従来の撹拌装置と使い分けることによって、システムや制御に制約を受けにくく、設計の自由度を高めることができる撹拌方法、装置及びそれを使用した廃液処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部において上部側の個槽部に被撹拌物を導入し、被撹拌物を各個槽部に設けられた撹拌体で撹拌しながら高い個槽部から低い個槽部へ順次移動させることを特徴とする、
撹拌方法である。
【0009】
第2の発明にあっては、
高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部と、
各個槽部に備えられた撹拌体と、
を備えており、
上部の個槽部に導入された被撹拌物を各個槽部に設けられた撹拌体で撹拌しながら高い個槽部から低い個槽部へ順次移動させるよう構成されていることを特徴とする、
撹拌装置である。
【0010】
第3の発明にあっては、
高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部と、
各個槽部に備えられた撹拌体と、
を備えており、
各個槽部の底部は曲面を有しており、
各撹拌体は羽根が本質的に曲面に沿って移動するよう構成され、
上部の個槽部に導入された被撹拌物を各個槽部に備えられた撹拌体で撹拌しながら高い個槽部から低い個槽部へ順次移動させるよう構成されていることを特徴とする、
撹拌装置である。
【0011】
第4の発明にあっては、
導入される被撹拌物を一旦受けて上部の個槽部に入れることができる受部材を有していることを特徴とする、
第2または第3の発明に係る撹拌装置である。
【0012】
第5の発明にあっては、
廃液の固液分離を行う一次脱水装置と、
一次脱水装置で分離された液分に凝集剤を供給し混合撹拌して凝集させる凝集撹拌機と、
凝集撹拌機により処理された固液混合物の固液分離を行う二次脱水装置と、
を備えており、
凝集撹拌機による液分の撹拌は、第2、第3または第4の発明に係る撹拌装置により行うよう構成されていることを特徴とする、
廃液処理装置である。
【0013】
本発明にいう「被撹拌物」としては、液体だけでなく、固液混合物、粉や顆粒などの流動性固体などがあげられる。
また、個槽部の数、形状、大きさは適宜設定されるものであり、特に限定されるものではない。
【0014】
(作用)
本発明に係る撹拌装置と廃液処理装置の作用を説明する。なお、ここでは本発明の各構成要件のそれぞれに、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与し説明するが、この符号の付与は、あくまで説明の理解を容易にするためであって各構成要件の上記各部への限定を意味するものではない。
【0015】
(撹拌装置の作用)
撹拌装置(7)の各撹拌体(73,73a,73b,73c)を作動させる。
撹拌装置(7)の上部の個槽部(720)に撹拌の対象となる被撹拌物(廃液から分離された液分など)を連続的に導入する。
被撹拌物は個槽部(720)内で撹拌体(73,73a,73b,73c)によって撹拌されながら、被撹拌物が追加される分だけ個槽部(720)で溢れ、隣り合う低い個槽部(720)へ移動する。このように、被撹拌物は各個槽部(720)で撹拌され順次低い個槽部(720)へ移動しながら連続して撹拌処理されるので、撹拌を効率よくかつ均等に行うことができる。。
【0016】
各個槽部(720)の底部は曲面を有しており、各撹拌体(73,73a,73b,73c)は羽根(735)が本質的に曲面に沿って移動するよう構成されているものは、被撹拌物は撹拌体(73,73a,73b,73c)の羽根(735)で掻き上げるようにして撹拌されるので、比較的重いスラッジを含むような被撹拌物を処理する場合でも、撹拌を更に効率よくかつ均等に行うことができる。
【0017】
導入される被撹拌物を一旦受けて上部の個槽部(720)に入れることができる受部材(75)を有しているものは、被撹拌物が個槽部(720)に入る前に勢いを弱めることができるので、個槽部(720)の容量や大きさが制限されている場合でも、槽外に跳ね出したり溢れてしまって処理ができなくなる被撹拌物の量を低減することができる。
【0018】
(廃液処理装置の作用)
廃液の原水を一次脱水装置(1)へ送り、固液分離する。
一次脱水装置(1)で分離された液分を凝集撹拌機(2)の撹拌装置(7)へ送る。
撹拌装置(7)内の液分に凝集剤を所要量供給する。
【0019】
上記凝集剤が混合した撹拌装置(7)内の液分を撹拌装置(7)によって上記のように撹拌し、スラリーまたはスラッジを凝集させる。
凝集物と液分の固液混合物を二次脱水装置(3)へ送り一次脱水装置(1)と同様に固液分離する。
分離した液分は河川放流や廃水処理などによって処理し、固形分は産廃処理、堆肥化処理、炭化処理などによって処理する。
【発明の効果】
【0020】
(a)本発明によれば、建設汚泥など比較的比重の大きい廃液の処理において、分離されたスラッジなどを含む液分に凝集剤を混合して撹拌しスラリー又はスラッジを凝集させる際の撹拌などを効率的かつ均等に行うことができる。
【0021】
(b)本発明によれば、連続処理が可能であり、例えばバッチ処理型の従来の撹拌装置と使い分けることによって、システムや制御に制約を受けにくく、設計の自由度を高めることができる。
【0022】
(c)各個槽部の底部は曲面を有しており、各撹拌体は羽根が本質的に曲面に沿って移動するよう構成されているものは、被撹拌物は撹拌体の羽根で掻き上げるようにして撹拌されるので、比較的重いスラッジを含むような被撹拌物を処理する場合でも、撹拌を更に効率よくかつ均等に行うことができる。
【0023】
(d)導入される被撹拌物を一旦受けて上部の個槽部に入れることができる受部材を有しているものは、被撹拌物が個槽部に入る前に勢いを弱めることができるので、個槽部の容量や大きさが制限されている場合でも、槽外に跳ね出したり溢れてしまって処理ができなくなる被撹拌物の量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を図に示した実施例に基づき詳細に説明する。
【実施例】
【0025】
図1は本発明に係る廃液処理装置の第1実施の形態の概略を示す説明図、
図2は廃液処理装置の工程を示すブロック図である。
【0026】
廃液処理装置Aは、一次脱水装置1、凝集撹拌機2及び二次脱水装置3を備えている。上記凝集撹拌機2は、本発明に係る傾斜撹拌装置7、溶解装置4、粉体定量供給装置5により構成されている。
【0027】
一次脱水装置1の後述する廃液導入口105には、廃液の原水を供給する供給管69が接続されている。一次脱水装置1と凝集撹拌機2の間には、一次脱水装置1で分離された液分を供給する送液管60、中継槽61、送液管62、ポンプ63が設けられている。送液管60の一端は一次脱水装置1の後述する排水管170に接続され、他端は中継槽61に導入されている。また、送液管62の一端は中継槽61に入れられ、他端は傾斜撹拌装置7の導入側に開口されている。
【0028】
また、凝集撹拌機2の傾斜撹拌装置7のシュート76は二次脱水装置3の廃液導入口(符号省略:一次脱水装置1の廃液導入口105に相当)上方に開口されている。
【0029】
なお、一次脱水装置1と二次脱水装置3は何れも後述する脱水装置を採用しているが、一方または双方を異なる構造のものとしてもよい。他の脱水装置としては、例えばベルトプレス、スクリュープレス、多重円盤型脱水機、縦型脱水機、フィルタープレスがあげられ、特に限定はしない。更に、一次側としては、傾斜スクリーン、振動篩、ローラプレスなどの採用も可能である。
次に、一次脱水装置1、凝集撹拌機2及び二次脱水装置3のそれぞれについて構造を詳細に説明する。
【0030】
図3は本発明に係る脱水装置の構造を示す正面視説明図、
図4は脱水装置の構造を示す平面視説明図、
図5は脱水装置の構造を示す側面視説明図、
図6は脱水装置の圧搾ローラ装置の作用を説明する説明図である。
【0031】
(一次脱水装置1及び二次脱水装置3)
主に図3、図4、図5を参照して説明する。なお、一次脱水装置1と二次脱水装置3は同様の構造であるので、ここでは一次脱水装置1の構造についてのみ説明する。
【0032】
一次脱水装置1は、スクリーンベルトによって廃液である固液混合物を脱水し、固液分離を行うものである。
一次脱水装置1はフレーム10を有している。フレーム10は所要間隔をおいて平行に立設された側板101、102を有している。側板101、102は、複数の連結部材103によって間隔が固定されている。また、フレーム10の下部の四隅には、脚部材104が設けてある。
【0033】
側板101、102の間には、正面視(図3参照)で上側二箇所、下側一箇所にローラ11、12、13を設け、各ローラ間にスクリーンベルト14がほぼ逆三角形状となるよう無端状に巻き掛けてある。なお、スクリーンベルト14はポリエチレン製のネットであり、メッシュの大きさは処理対象物によって適宜設定されるものである。
【0034】
上側左の張り調節ローラ11は、両端部が可動軸受110(側板102側の可動軸受は見えない)によって軸支されている。各可動軸受110は、その上下に平行に設けられた案内部材111に沿って左右方向に移動できるように設けられており、その移動量(移動位置)はボルト・ナットで構成される調節具112によって調節可能である。また、これによってスクリーンベルト14のテンションを調節することができる。
【0035】
上側右の駆動ローラ12は、側板101側のギヤボックス120と側板102側の固定軸受121によって軸支されている。駆動ローラ12は、ギヤボックス120内のギヤ(図示省略)を介し駆動モータ122により所要の回転速度で駆動される。
【0036】
下側の蛇行修正ローラ13は、側板101側の端部が可動軸受130によって軸支されている。側板102側の固定軸受133(図5に図示)は定位置で水平方向に回動できるようになっている。可動軸受130は、その上下に平行に設けられた案内部材131に沿って左右方向に移動できるように設けられており、その移動量(移動位置)は蛇行修正ユニット132によって調節可能である。
【0037】
蛇行修正ローラ13は、上記調節によって、スクリーンベルト14の送り方向に対する水平方向の角度を変えることができる。これにより、各ローラ11、12、13に巻き掛けられたスクリーンベルト14が蛇行しないように調節することができる。
【0038】
上側の張り調節ローラ11と駆動ローラ12の間には、駆動ローラ12寄りに圧搾ローラ装置15が設けてある。圧搾ローラ装置15は受けローラ150と加圧ローラ151を有している。受けローラ150はステンレススチール製で、加圧ローラ151はゴム製である。
受けローラ150は、固定軸受152によって側板101、102間に水平に軸支されている。受けローラ150は、スクリーンベルト14の横行部の下側に位置し、その周面上端がスクリーンベルト14の下面側に接するようにしてある。
【0039】
加圧ローラ151は、スクリーンベルト14の横行部の上側に位置している。加圧ローラ151は、可動軸受153によって側板101、102間に水平に軸支されている。各可動軸受153は、その左右に平行に設けられた案内部材155に沿って上下方向に移動できるように設けられており、その移動量はネジ軸を上下方向にして螺合した圧調節ハンドル154を回転させることによって調節可能である。
【0040】
受けローラ150と加圧ローラ151の回転軸の位置は、図6に示すように左右方向にL分だけずらしてある。これにより、受けローラ150と加圧ローラ151においてスクリーンベルト14を挟んで各ローラにより相互に圧力がかかる位置は、受けローラ150側では周面の頂部ではなく、図3で左側へややずれた低い位置となる。また、加圧ローラ151側では周面の最低部ではなく、図3で右側へややずれた高い位置となる。
【0041】
このように加圧ローラ151周面の最低部が受けローラ150周面の頂部より低くなっているので、スクリーンベルト14のうち加圧ローラ151の下側を通る部分は、受けローラ150の上部を通る部分より低くなる。これにより、固液の噛み込み側である加圧ローラ151の下側周面の曲面に沿うようにスクリーンベルト14が比較的広い面で接触することになり、しかもスクリーンベルト14は浮いた状態になる(図6参照)。
【0042】
なお、加圧ローラ151は必ずしも受けローラ150で止められて動けない位置まで下げる必要はなく、やや緩めた位置(受けローラ150と加圧ローラ151の各周面間の隙間がスクリーンベルト14の厚みより大きくなる位置)に設定するなど、廃液の状態(固形分の割合など)に合わせて調節してよい。
【0043】
スクリーンベルト14の横行部の上側には、送り方向(図3、図4で右方向)へ窄まるように傾斜した板状の幅寄せ部材16、16aが設けてある。幅寄せ部材16、16aの下辺部は、スクリーンベルト14の横行部に沿ってほぼ同じ高さに設定されており、スクリーンベルト14で送られる廃液を中央へ寄せる作用を有している。
【0044】
スクリーンベルト14の横行部の下側には、廃液から分離された液分を回収する集液部材17が設けてある。集液部材17の背面側には排水管170が設けてある。集液部材17で回収された液分は、排水管170から次工程へ送られる。
【0045】
駆動ローラ12の下方には、廃液から分離された固形分を掻き取って落とすスクレーパシュート18が傾斜させて設けてある。スクレーパシュート18の上端辺は、スクリーンベルト14に水平に接触させてあり、その上端辺によってスクリーンベルト14表面に付着している固形分を掻き取ることができる。
【0046】
フレーム10の上部左側の連結部材103の前方には、廃液を導入するための廃液導入口105が設けてある。
また、上記幅寄せ部材16、16aで挟まれた部分の中央上方には、給液調整センサ106(接触型センサ)が設けてある。給液調整センサ106は、幅寄せ部材16、16aの間を送られる廃液の固形分の量を感知し、多すぎるときは廃液の導入を一次停止したりスクリーンベルト14の回転を停止するなど、安全で円滑な処理を可能にする制御部を構成する。
【0047】
図7は本発明に係る傾斜撹拌機の構造を示す斜視図、
図8は傾斜撹拌機の構造を示す側面図である。
【0048】
図9は凝集撹拌機を構成する溶解装置の構造を示す正面視説明図、
図10は溶解装置の構造を示す平面視説明図、
図11は溶解装置の構造を示す側面視説明図である。
【0049】
図12は凝集撹拌機を構成する粉体定量供給装置の構造を示す説明図、
図13は粉体定量供給装置の粉体計量部の構造を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【0050】
(凝集撹拌機2)
凝集撹拌機2は、上記のように撹拌装置20、溶解装置4、粉体定量供給装置5により構成されている。溶解装置4、粉体定量供給装置5は、傾斜撹拌装置7とは別体に設けられており、粉体定量供給装置5は溶解装置4の上部に取り付けられている。
【0051】
主に図7、図8を参照する。
傾斜撹拌装置7は、平面視長方形状で上部が開口した箱状の槽体70を有している。槽体70は台フレーム71(図11参照)に傾斜して取り付けてある。傾斜角度は本実施の形態では20°であるが、これに限定するものではなく、廃液の比重、固液混合率の違いなどに合わせて適宜調節可能である。
【0052】
槽体70の内部には、内槽72が設けてある。内槽72は槽体70の傾斜方向の四箇所に個槽部720を有している。各個槽部720は、底部が断面半円形状に形成されており、各境界部の上縁部721でつながっている。これら上縁部721は、槽体70の両側壁700の上縁部701よりやや低くなるようにしてある。また、槽体70の下部には、全幅にわたり内槽72につながるシュート76が傾斜して設けてある。
【0053】
各個槽部720にそれぞれ対応して四箇所に撹拌体73、73a、73b、73cが設けてある。なお、撹拌体73、73a、73b、73cは各個槽部720に作り付けてもよいし、例えば清掃などメンテナンス性をよくするために撹拌体73、73a、73b、73cを離脱可能な構造とし、必要時に各個槽部720に対応させて配置するようにしてもよい。
【0054】
撹拌体73、73a、73b、73cは、回転軸730を有している。各回転軸730は、軸受731によって槽体70の傾斜方向とは直角かつ水平方向に軸支されている。各回転軸730の一端にはタイミングプーリ732が固着してある。タイミングプーリ732にはギヤ部(符号省略)が内外側の二箇所に設けてある。
【0055】
各回転軸730には、アームロッド734が回転軸30の軸線方向の三箇所に設けてある。各アームロッド734は回転軸30の直径方向に平行に設けてある。各アームロッド734の両先端には、それぞれをつなぐように板状の撹拌羽根735が取り付けてある。撹拌羽根735の先端縁は、上記個槽部720の内周面と若干の隙間をおいてそれに沿うように回転移動するよう設定されている。
【0056】
撹拌体73、73a、73b、73cのアームロッド734の角度は、順に45°ずつずらしてある。これによって、固液混合物である廃液を撹拌するときに撹拌体73、73a、73b、73cの駆動部に一度に負荷がかかるのを防止している。なお、撹拌体73、73a、73b、73cのアームロッド734の角度は揃えてもよいし、ずらす角度を上記とは変えてもよい。
【0057】
撹拌体73、73aのタイミングプーリ732の内側のギヤ部間と、撹拌体73b、73cの内側のギヤ部間にはタイミングベルト733が巻き掛けてある。また、撹拌体73a、73bのタイミングプーリ732の外側のギヤ部間にもタイミングベルト733が巻き掛けてある。各タイミングベルト733の中間部にはテンションプーリ具736が装着されている。
【0058】
上部側の撹拌体73の下方には、槽体70の外底部に駆動モータ74が固定してある。駆動モータ74の回転軸に固着してあるタイミングプーリ740と、撹拌体73のタイミングプーリ732の外側のギヤ部の間にはタイミングベルト741が巻き掛けてある。
【0059】
上記構造によれば駆動モータ74の作動により撹拌体73、73a、73b、73cの回転方向は同じになる。撹拌体73、73a、73b、73cの回転方向は図8において左回転、すなわち廃液を上方へ押し戻す方向に回転し、撹拌処理の時間を遅くするようにしている。なお、撹拌体73、73a、73b、73cの回転方向は、本実施の形態のように全部を同じにしてもよいし、任意の一または複数を逆方向に回転させるようにしてもよい。
【0060】
また、槽体70には両側壁700間に渡すように門形の脚部材750、751が槽体70の傾斜方向に所要間隔をおいて取り付けてある。傾斜上部側の脚部材750の高さは、後部側の脚部材751より低く設定してある。脚部材750、751の上部間には、導入された廃液を受ける受板75が傾斜して固定されている。受板75の傾斜方向は槽体70とは逆方向である。受板75の傾斜下方側の辺以外の三辺には、落とされた廃液が跳ね出したりこぼれることを低減するための堰板752が立ち上げて設けてある。
【0061】
主に図9、図10、図11を参照する。
溶解装置4は、外形がほぼ直方体状の槽体40を有している。槽体40の正面側の底部右隅には、排出部41が設けてある。槽体40の上部に設けられている上板42の上面には、水を導入する導入管43が設けられている。なお、符号47は給水用電磁弁である。
【0062】
上板42には、中央からやや偏心した位置(図10参照)に撹拌モータ44が固定されている。撹拌モータ44の回転軸440は上板42を貫通して鉛直方向に設けられ、その先端は槽体40の底部付近まで延長されている。回転軸440の上下二箇所には、撹拌羽根45がそれぞれ設けてある。また、上板42には、槽体40内部の清掃やメンテナンスを行うための補修口(符号省略)が設けられており、補修口には螺合式のキャップ46が装着されている。
【0063】
主に図12、図13を参照する。
粉体定量供給装置5はホッパー型の貯留容器50を有している。貯留容器50は蓋59を有する密閉型であり、廃液から分離された液分と混合してスラリーまたはスラッジを凝集させる高分子凝集剤の粉体51が適量貯留される。
貯留容器50の下端にはほぼ円筒形状の排出管52が縦方向に接続されている。排出管52の下端は閉塞されている。排出管52の上下方向の中間には、横方向に粉体供給管53が貫通して固定してある。
【0064】
粉体供給管53の中央上面側には、円形の入口530が貫通して設けてある。入口530につながる粉体供給管53内の空間部が粉体計量部531となっている。
粉体供給管53の供給先側の端部(図12で右端)には、逆流防止空気供給管を構成する縦供給管54が接続してある。縦供給管54は鉛直方向に設けられ、溶解装置4の槽体40内に導入されている。
【0065】
排出管52の内部には、粉体供給管53の位置(水平な直径部分)に沿わせるように区画底板520が設けてある。区画底板520には所要数(本実施の形態では合計10個)の噴出孔521が設けてある。区画底板520は、各噴出孔521を除いて排出管52内部を実質的に塞ぐよう設けてある。
また、排出管52には、区画底板520下方の空間部522に繋がる解し空気供給管を構成する通気管55が周壁を貫通して設けてある。
【0066】
粉体供給管53の基端には送気管539の一端が繋がれている。送気管539の経路中には流量調節弁538が設けてある。
縦供給管54の基端には送気管549の一端が繋がれている。送気管549の経路中には流量調節弁548が設けてある。
通気管55には送気管559の一端が繋がれている。送気管559の経路中には流量調節弁558が設けてある。
【0067】
送気管559の他端は送気管539の経路中に接続してある。そして、送気管539と送気管549の他端は三方切替弁563の二方の接続口にそれぞれ接続され、残り一方の接続口には送気管560の一端が接続されている。送気管560の他端は、空気供給装置をコンプレッサ(図示省略)と共に構成する乾燥空気ユニット56に接続されている。送気管560の経路中には、出口ボール弁561と流量計562が設けてある。
【0068】
この構造によれば、三方切替弁563を切り替えることにより、(1)空気が粉体供給管53は通らずに縦供給管54を通り下端の排出口から傾斜撹拌装置7の受板75へ向け排出される経路と、(2)粉体供給管53と通気管55を通り、粉体供給管53を通った空気は縦供給管54を通り下端の排出口から受板75へ向け排出され、通気管55を通った空気は空間部522に入り区画底板520の噴出孔521から区画底板520上部側へ噴出する(図11(b)参照)経路の二つの経路に切り替えることができる。
【0069】
(作用)
図1ないし図13を参照して本実施の形態に係る傾斜撹拌装置7及びそれを備えた廃液処理装置Aの作用を説明する。
【0070】
(廃液処理装置Aの作用)
廃液の原水を送液管69から一次脱水装置1へ送る。廃液処理装置Aでの処理に適している廃液は、比重が比較的大きいもの、例えば建設汚泥、金属スラッジまたはダム残渣などであるが、これらに限定するものではない。
【0071】
一次脱水装置1の廃液導入口105から導入された固液混合物である廃液は、回転循環するスクリーンベルト14に載って圧搾ローラ装置15へ送られる。廃液は、まず加圧ローラ151の下側周面とスクリーンベルト14で噛み込まれるときに圧搾され、固液分離される。
なお、このときの圧搾は、加圧ローラ151の下側周面とスクリーンベルト14が比較的広い面で圧搾され、しかもスクリーンベルト14は浮いた状態になるために圧搾力が緩く、いわば予備的な圧搾となる(図6参照)。
【0072】
このように予備的に圧搾された廃液は、次に受けローラ150と加圧ローラ151の間の最も圧力がかかる狭小な隙間を通り強く圧搾される。
この強い圧搾と、上記予備的な圧搾により分離された液分はスクリーンベルト14を通り抜け、下方の集液部材17で回収され、送液管60を通り中継槽61へ送られる。
また、スクレーパシュート18で掻き取られた固形分は処理に回される。
【0073】
このように、受けローラ150と加圧ローラ151の間で行われる強い圧搾の前に、あらかじめ緩い圧搾を行うことにより、廃液の固形分が一度に大量に送られた場合でも、いわば段階的に圧搾できるので、固液混合物がローラ間を通ることができずに残って圧搾処理が停滞するようなこともなく、比較的無理のない効果的な圧搾が可能になる。
【0074】
中継槽61にたまった液分はポンプ63で吸い上げられ送液管62を通り凝集撹拌機2の傾斜撹拌装置7へ送られる。
撹拌体73、73a、73b、73cは駆動モータ74の作動により同じ方向へ回転している。
送られた液分は受板75に当たり、最上部の個槽部720に落ちる。また、粉体定量供給装置5から液分の量に対しあらかじめ決められた量の高分子凝集剤51が溶解装置4へ供給され、高分子凝集剤51が溶かされた溶液が上記個槽部720で液分と混じるように供給される。
【0075】
粉体定量供給装置5による高分子凝集剤51の供給は次のように行われる。
貯留容器50に適当な量の高分子凝集剤51を貯留する。これにより、高分子凝集剤51は、排出管52から粉体供給管53の入口530を通り、粉体計量部531に定量が入れられる。
【0076】
高分子凝集剤51を傾斜撹拌装置7へ供給しないときには、三方切替弁563により切り替えられて送気管549だけに乾燥空気が供給される。粉体供給管53と通気管55への供給はしない。乾燥空気はコンプレッサから供給される空気を乾燥空気ユニット56を通すことによってつくられる。
【0077】
送気管549に供給された乾燥空気は縦供給管54を通り、下端の排出口から溶解装置4の槽体40内へ噴出される。縦供給管54に乾燥空気が供給されているときは、槽体40内の湿気または水分は縦供給管54内部へ入らないので、高分子凝集剤51への吸湿が防止できる。
【0078】
これにより、高分子凝集剤51が貯留容器50内で固まったり、粉体計量部や供給管などの内壁面に付着し固まってしまうことを防止できるので、高分子凝集剤51に無駄が生じたり、管路などの空間部が狭くなって粉体の供給に支障が生じるなどの不都合も生じにくい。また、供給管内壁などに付着した高分子凝集剤51を除去するためのメンテナンスの手間も軽減できる。更には、より一定した量の供給が可能になる。
【0079】
高分子凝集剤51の供給を開始するときには、三方切替弁563が作動し、送気管549への乾燥空気の供給を停止し、粉体供給管53と通気管55につながる送気管539、559に乾燥空気を供給するよう瞬時に切り替わる。
【0080】
粉体供給管53に設けてある粉体計量部531に入っている高分子凝集剤51は、粉体供給管53に供給された乾燥空気の圧力によって縦供給管54を通り、供給先である傾斜撹拌槽7内部へ供給される。
【0081】
同時に通気管55に供給された乾燥空気は、区画底板520の各噴出孔521から貯留容器50下部の排出管52内部へ噴出する。噴出した乾燥空気の圧力によって排出管52内部の高分子凝集剤51は解され、高分子凝集剤51にブリッジが発生していた場合はブリッジが崩される。
【0082】
所要時間が経過すると、再び縦供給管54だけに乾燥空気を供給するように切り替わり、縦供給管54の下端の排出口から溶解装置4の槽体40内へ乾燥空気が噴出する。
【0083】
粉体定量供給装置5によれば上記したように高分子凝集剤51を噴出孔521から噴出した乾燥空気の圧力によって解し、ブリッジが発生していても崩すことができるので、粉体計量部531に定量をほぼ正確に入れることができる。
本実施の形態では、三方切替弁563は粉体供給管側への空気供給を短時間(例えば0.5秒間)、縦供給管54側を比較的長め(例えば3秒間)とした時間間隔で繰り返すように設定されている。
【0084】
各流量調節弁538、548、558は手動弁であり、各送気管539、549、559に供給することができる乾燥空気の量があらかじめ適量に調節されている。
なお、各流量調節弁538、548、558を自動弁として、各送気管539、549、559に乾燥空気を供給しないときには閉じて高分子凝集剤51の吸湿を防止できるようにしてもよい。
そして、タイマーなどの制御手段(図示省略)の制御によって上記工程が必要な回数だけ繰り返され、所要量の高分子凝集剤51が溶解装置4の槽体40内へ供給される。
高分子凝集剤51は溶解装置4で攪拌されて水に溶かされ、その溶液は排出部41からポンプ48を備えた送液管49(図1参照)を通り傾斜撹拌装置7へ供給される。送られた溶液は受板75に当たり、液分と共に最上部の個槽部720に落ちて混合される。
【0085】
このようにして高分子凝集剤51が混合された個槽部720内の液分は順に撹拌体73、73a、73b、73cで撹拌されながら各個槽部720の境界部を乗り超えて下方の個槽部720へ移動し、スラリーまたはスラッジが凝集する。
凝集物が混合した混合液はシュート76から二次脱水装置3に導入され、一次脱水装置1の場合とほぼ同様に脱水(固液分離)が行われる。
分離した液分は河川放流や廃水処理などによって処理し、凝集物である固形分は産廃処理、堆肥化処理、炭化処理などによって処理する。
【0086】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係る廃液処理装置の実施の形態の概略を示す説明図。
【図2】廃液処理装置の工程を示すブロック図。
【図3】脱水装置の構造を示す正面視説明図。
【図4】脱水装置の構造を示す平面視説明図。
【図5】脱水装置の構造を示す側面視説明図。
【図6】脱水装置の圧搾ローラ装置の作用を説明する説明図。
【図7】本発明に係る傾斜撹拌機の構造を示す斜視図。
【図8】傾斜撹拌機の構造を示す側面図。
【図9】凝集撹拌機を構成する溶解装置の構造を示す正面視説明図。
【図10】溶解装置の構造を示す平面視説明図。
【図11】溶解装置の構造を示す側面視説明図。
【図12】凝集撹拌機を構成する粉体定量供給装置の構造を示す説明図。
【図13】粉体定量供給装置の粉体計量部の構造を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図。
【符号の説明】
【0088】
A 廃液処理装置
1 一次脱水装置
10 フレーム
101 側板
102 側板
103 連結部材
104 脚部材
105 廃液導入口
106 給液調整センサ
11 調節ローラ
110 可動軸受
111 案内部材
112 調節具
12 駆動ローラ
120 ギヤボックス
121 固定軸受
122 駆動モータ
13 蛇行修正ローラ
130 可動軸受
131 案内部材
132 蛇行修正ユニット
133 固定軸受
14 スクリーンベルト
15 圧搾ローラ装置
150 受けローラ
151 加圧ローラ
152 固定軸受
153 可動軸受
154 圧調節ハンドル
155 案内部材
16、16a 幅寄せ部材
17 集液部材
170 排水管
18 スクレーパシュート
2 凝集撹拌機
3 二次脱水装置
4 溶解装置
40 槽体
41 排出部
42 上板
43 導入管
44 撹拌モータ
440 回転軸
45 撹拌羽根
46 キャップ
47 給水用電磁弁
5 粉体定量供給装置
50 貯留容器
51 粉体
52 排出管
520 区画底板
521 噴出孔
522 空間部
53 粉体供給管
530 入口
531 粉体計量部
538 流量調節弁
539 送気管
54 縦供給管
548 流量調節弁
549 送気管
55 通気管
558 流量調節弁
559 送気管
56 乾燥空気ユニット
560 送気管
561 出口ボール弁
562 流量計
563 三方切替弁
59 蓋
60 送液管
61 中継槽
62 送液管
63 ポンプ
64 送液管
65 ポンプ
69 送液管
7 傾斜撹拌機
70 槽体
700 側壁
701 上縁部
71 台フレーム
72 内槽
720 個槽部
721 上縁部
73、73a、73b、73c 撹拌体
730 回転軸
731 軸受
732 タイミングプーリ
733 タイミングベルト
734 アームロッド
735 撹拌羽根
736 テンションプーリ具
74 駆動モータ
740 タイミングプーリ
741 タイミングベルト
75 受板
750、751 脚部材
752 堰板
76 シュート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部(720)において上部側の個槽部(720)に被撹拌物を導入し、被撹拌物を各個槽部(720)に設けられた撹拌体(73,73a,73b,73c)で撹拌しながら高い個槽部(720)から低い個槽部(720)へ順次移動させることを特徴とする、
撹拌方法。
【請求項2】
高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部(720)と、
各個槽部(720)に備えられた撹拌体(73,73a,73b,73c)と、
を備えており、
上部の個槽部(720)に導入された被撹拌物を各個槽部(720)に設けられた撹拌体(73,73a,73b,73c)で撹拌しながら高い個槽部(720)から低い個槽部(720)へ順次移動させるよう構成されていることを特徴とする、
撹拌装置。
【請求項3】
高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部(720)と、
各個槽部(720)に備えられた撹拌体(73,73a,73b,73c)と、
を備えており、
各個槽部(720)の底部は曲面を有しており、
各撹拌体(73,73a,73b,73c)は羽根(735)が本質的に曲面に沿って移動するよう構成され、
上部の個槽部(720)に導入された被撹拌物を各個槽部(720)に備えられた撹拌体(73,73a,73b,73c)で撹拌しながら高い個槽部(720)から低い個槽部(720)へ順次移動させるよう構成されていることを特徴とする、
撹拌装置。
【請求項4】
導入される被撹拌物を一旦受けて上部の個槽部(720)に入れることができる受部材(75)を有していることを特徴とする、
請求項2または3記載の撹拌装置。
【請求項5】
廃液の固液分離を行う一次脱水装置(1)と、
一次脱水装置(1)で分離された液分に凝集剤を供給し混合撹拌して凝集させる凝集撹拌機(2)と、
凝集撹拌機(2)により処理された固液混合物の固液分離を行う二次脱水装置(3)と、
を備えており、
凝集撹拌機(2)による液分の撹拌は、請求項2、3または4記載の撹拌装置により行うよう構成されていることを特徴とする、
廃液処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−75689(P2007−75689A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264347(P2005−264347)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000003171)株式会社戸上電機製作所 (29)
【Fターム(参考)】