支持脚伸縮コタツ
【課題】支持脚を伸縮可能に構成した使い勝手の良好なコタツを提供する。
【解決手段】支持脚3を、上側脚部17に下側脚部19をスライド可能に挿入して構成する。上側脚部17の下端部に環状ストッパ73を嵌め込んで固定しておき、下側脚部19の上端部に、外向き係止フランジ101を有する環状抜け止め部材95を取り付ける。外向き係止フランジ101を、上側脚部17内を摺動するが、環状ストッパ73に当接して抜け止め係合するように構成しておく。
【解決手段】支持脚3を、上側脚部17に下側脚部19をスライド可能に挿入して構成する。上側脚部17の下端部に環状ストッパ73を嵌め込んで固定しておき、下側脚部19の上端部に、外向き係止フランジ101を有する環状抜け止め部材95を取り付ける。外向き係止フランジ101を、上側脚部17内を摺動するが、環状ストッパ73に当接して抜け止め係合するように構成しておく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房用の器具であるコタツに関する。
【背景技術】
【0002】
暖房用の器具であるコタツは、中天板の外周部分を支持脚で支えたコタツ櫓にコタツ布団を掛け、天板を載せて構成したり、または、天板の外周部分を支持脚で直接支え、天板の周囲にコタツ布団を配置して構成し、コタツ布団の中に例えば下半身を入れて使用する。そして、中天板又は天板の裏面にはヒーターが設けられていて、このヒーターによりコタツ布団の中が暖房される。
【0003】
こういった構造のコタツでは、使用者の体型や使用態様に応じて中天板や天板を上下させ、中天板や天板の高さを調整できるように構成されているのが効果的である。あるいは、冬季は暖房器具として使用されるが、夏季などにはテーブルとして使用される家具調コタツの場合、テーブルとしての使用時にテーブルの高さを調整できると、利便性が格段に向上する。
【0004】
中天板や天板の高さを調整できるコタツとしては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているように、支持脚を伸縮可能に構成したものが知られている。特許文献1の支持脚伸縮コタツでは、支持脚は、上側の固定筒1内に下側の支脚7をスライド可能に挿入することにより組み立てられていて、支脚7に設けた突子体11を、高さ方向に間隔を設けて固定筒1に複数形成された孔6のいずれかに嵌め込んで支持脚の長さ又は高さを調節できるように構成されている。また、特許文献2の支持脚伸縮コタツでは、支持脚は、上側の基端筒体1内に中間筒体2をスライド可能に挿入するとともに、中間筒体2内に先端筒体3を挿入することにより組み立てられていて、基端筒体1に設けた係止部材16の係止部19を、高さ方向に間隔を設けて中間筒体12に複数形成された凹所12のいずれかに係合させて支持脚の長さ又は高さを調節できるように構成されている。さらに、特許文献2の支持脚伸縮コタツでは、中間筒体2の凹所13と先端筒体3の係止爪部25との係合を解除して先端筒部3を中間筒体2内に収めることができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実願昭61−36452号明細書・図面
【特許文献2】実願昭62−170472号明細書・図面
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の支持脚伸縮コタツでは、支持脚を伸ばす際に、誤って上側の固定筒1から下側の支脚7を抜き出してしまうおそれがあり、使い勝手が良くない。また、特許文献2の支持脚伸縮コタツでも、支持脚を伸ばす際に、誤って上側の基端筒体1から中間筒体2を抜き出してしまうおそれがあるし、支持脚を最も短くした状態から下側の先端筒体3を引き出すと、中間筒体2から先端筒体3を抜き出してしまうおそれもある。さらに、板バネ23を誤って押圧し、中間筒体2から下側の先端筒体3を抜き出してしまうおそれもあるので、やはり使い勝手が良くない。
【0007】
そこで本発明は、支持脚を伸縮可能に構成した使い勝手の良好なコタツの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するための本発明の支持脚伸縮コタツは、天板部(中天板又は天板)の外周部分に支持脚を設けたコタツであって、前記支持脚は、前記天板部の前記外周部分に取り付けられた筒状の上側脚部と、この上側脚部の内側にスライド可能に嵌め込まれた筒状の下側脚部と、前記下側脚部を前記上側脚部に固定する固定手段と、を備え、前記固定手段は、前記上側脚部の周壁又は側壁に設けられた上側固定孔及び前記下側脚部の周壁又は側壁に設けられた下側固定孔に通されて、前記上側脚部に対して前記下側脚部がスライドするのを防止する固定用ボルト(例えば頭部及ぶ軸部から一体的に形成される)であり、前記上側脚部の下端部内側には、内部を前記下側脚部がスライドできるように形成された環状ストッパが嵌め付けられていて、前記下側脚部の上端部内側には、前記上側脚部内をスライドでき、かつ、前記環状ストッパと当接するように形成された係止フランジを有する抜け止め部材が嵌め付けられているものである。
【0009】
ところで、コタツの支持脚(支持脚の本体)には、電気用品安全法の規制により金属パイプを用いることができない。したがって、支持脚(支持脚の本体)には、あるいは上側脚部(上側脚部本体)及び下側脚部(下側脚部本体)には、木、MDF、合成木材、プラスチック又はその他の非金属材料が使用されることとなるが、こういった材料で支持脚を形成すると、上側固定孔や下側固定孔の強度が不足する場合も考えられる。そこで、上側固定孔を、上側脚部の周壁又は側壁下端部に、環状ストッパを貫通して形成しておくのが得策である。このように上側固定孔を形成すれば、上側固定孔は上側脚部の周壁及び環状ストッパ(環状ストッパの周壁又は側壁)を貫通することとなるので、十分な強度を有することとなる。
【0010】
環状ストッパは、上側脚部及び下側脚部の断面形状に対応して、断面円形状、正方形状又は四角形状などに形成されるが、例えば、内周の断面形状(形及び大きさ)が下側脚部の外周の断面形状と等しく又はほぼ等しく設定され、下側脚部が、隙間のない状態又はほとんど隙間のない状態でこの環状ストッパ内にスライド可能に嵌り込むように構成される。すなわち、環状ストッパは、例えば、内周形状が下側脚部の外周形状と同一又はほぼ同一に形成される。また、係止フランジは、例えば、外周の断面形状が上側脚部の内周の断面形状と等しく又はほぼ等しく形成され、隙間のない状態又はほとんど隙間のない状態で上側脚部内にスライド可能に嵌まり込んでいる。
【0011】
下側固定孔は、下側脚部の周壁又は側壁に、上下方向に間隔を設けて複数個形成されているといったように構成できる。
【0012】
下側固定孔は雌ネジ孔であり、固定用ボルトは頭部及び軸部を有し、軸部の頭部側には、雌ネジ孔にネジ込まれる雄ネジ部が形成されているといったように構成できる。このように構成すれば、固定用ボルトを雌ネジ孔にねじ込むだけで、上側脚部と下側脚部を確実に固定することができる。
【0013】
下側脚部の周壁又は側壁には取り付け孔が設けられ、この周壁又は側壁の内面(裏面)には、取り付け孔位置で雌ネジ部材が取り付けられていて、この雌ネジ部材は、雌ネジ孔が形成された環状部と、この環状部の先端部外周に一体的に形成された固定フランジ部と、環状部の先端面に、雌ネジ孔の周囲で環状に突出する嵌め込み部と、を一体的に有し、嵌め込み部が取り付け孔に嵌まり込んだ状態で、固定フランジ部が下側脚部の周壁又は側壁内面(裏面)に固定されることにより、周壁又は側壁に取り付けられているといったように構成できる。嵌め込み部は、取り付け孔と同一又はほぼ同一の大きさ(より具体的には同一又はほぼ同一の形状及び大きさ)を有することが効果的である。このように構成すれば、雌ネジ孔を簡単かつ強固に下側脚部に形成できる。
【0014】
嵌め込み部は、先端面が下側脚部の周壁又は側壁外面(表面)と共面を形成するように、取り付け孔に嵌まり込んでいるといったように構成できる。ここでは、雌ネジ部材が、下側脚部のスムーズなスライド移動を妨げない状態で、下側脚部にしっかりと固定される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明の支持脚伸縮コタツでは、筒状の上側脚部から筒状の下側脚部を誤って抜き出してしまうといったことが効果的に規制される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る家具調支持脚伸縮コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図である。
【図2】本発明に係る家具調支持脚伸縮コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図である。
【図3】図1に示す家具調支持脚伸縮コタツの分解斜視図である。
【図4】図2に示す家具調支持脚伸縮コタツの分解斜視図である。
【図5】天板の分解斜視図である。
【図6】中天板の分解斜視図である。
【図7】上側脚部の分解斜視図である。
【図8】下側脚部の分解斜視図である。
【図9】取り付け孔位置の断面図である。
【図10】図1の支持脚の断面図である。
【図11】下側脚部を上側脚部に固定する場合を説明する図である。
【図12】図2の支持脚の断面図である。
【図13】支持脚の抜け止め構造を説明する図である。
【図14】支持脚の別の取り付け構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明に係る家具調支持脚伸縮コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図、図2は本発明に係る家具調支持脚伸縮コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図、図3は図1に示す家具調支持脚伸縮コタツの分解斜視図、図4は図2に示す家具調支持脚伸縮コタツの分解斜視図である。
【0019】
家具調支持脚伸縮コタツ1は、4隅がそれぞれ支持脚3で支えられた正方形状の中天板5上に、中天板5と同一又はほぼ同一の正方形状の天板7を載せることにより構成されていて、天板7は、家具調支持脚伸縮コタツ1を暖房器具として使用する場合(図1の場合)には、コタツ布団9を介して中天板5上に載せられ、テーブルとして使用する場合(図2の場合)には、中天板5上に直接載せられる。
【0020】
図3に示すように、暖房器具として使用する場合の家具調支持脚伸縮コタツ1は、中天板5の4隅に設けられたボルト孔11に上面側から脚取り付けボルト13を通し、支持脚3の上端面に設けられた雌ネジ孔15にこの脚取り付けボルト13をねじ込むことにより支持脚3を中天板5に取り付け、中天板5上にコタツ布団9を掛けてから天板7を載せて組み立てられている。ボルト孔11は脚取り付けボルト13の頭部が中天板5の表面から突出しないように形成されている。支持脚3は、筒状(断面正方形の筒状)の上側脚部17内に筒状(断面正方形の筒状)の下側脚部19をスライド可能に挿入し、脚固定ボルト21を用いて上側脚部17に下側脚部19を固定(上下方向に固定)したものであり、上側脚部17からの下側脚部19の突出長さを変えることにより高さ調節できるように構成されている。
【0021】
テーブルとして使用する場合の家具調支持脚伸縮コタツ1は、コタツ布団9を用いることなく、中天板5上に天板7を直接載せることにより組み立てられているが、天板7のずれを防止するために、中天板5の一組の対角部に設けられたボルト孔21に下面側から板固定ボルト23を通し、天板7の一対の対角部下面に設けられた雌ネジ孔25(図5参照)にこの板固定ボルト23をねじ込んでいる。また、ここでは、下側脚部19が上側脚部17から長く引き出された状態となっている。
【0022】
図5は天板7の分解斜視図である。
【0023】
天板7は、天板用角材27を組み合わせて形成された正方形状の天板用枠部29と、この天板用枠部29内に配置されたハニカム紙31と、天板用枠部29の上下両面側に固定して設けられた表面プレート33及び裏面プレート35と、から構成されていて、天板用枠部29の一組の対角部内側には、天板用角材27と同一又はほぼ同一の厚みを有する正方形状の補強駒32が固定されている。ハニカム紙31は、補強駒32が設けられた天板用枠部29の内側形状と同一又はほぼ同一に形成され、天板用角材27と同一又はほぼ同一の厚みを有している。補強駒32の裏面には雌ネジ部(図示せず)が形成されていて、裏面プレート35は、一組の対角部に設けられた貫通孔37が補強駒32の裏面の雌ネジ部と一致して雌ネジ孔25を形成するように、天板用枠部29に固定されている。
【0024】
中天板5は、中天板用角材39を組み合わせて形成された正方形状の中天板用枠部41と、この中天板用枠部41の上下両面側に固定して設けられた上面プレート43及び下面プレート45と、から構成されていて、下面プレート45の裏面にはヒーター47が取り付けられている。中天板用枠部41には、枠部41内を長方形状に三等分又はほぼ三等分するように、2本の縦梁角材49が配置されていて、中天板用角材39と縦梁角材49とは同一又はほぼ同一の厚みを有している。また、中天板用枠部41の4隅内側には、中天板用角材39と同一又はほぼ同一の厚みを有する正方形状の補強駒51が固定されている。
【0025】
ボルト孔11は、中天板5の4隅の外端部で、上面プレート43、中天板用角材39及び下面プレート45を貫通して形成され、このボルト孔11の内側ではそれぞれ、中天板5に、下面プレート45を貫通し、補強駒51内まで延びる位置決め孔53が設けられていて、ボルト孔21は、中天板5の一対の対角部の内端部で、上面プレート43、中天板用角材39及び下面プレート45を貫通して形成されている。中天板5の位置決め孔53には、支持脚3の上端面から突出する位置決めピン54が差し込まれている(図3及び図4も参照)。
【0026】
ヒーター47にはL型金具55の一片部57が取り付けネジ(図示せず)を用いて取り付けられていて、このL型金具55の他片部59を取り付けネジ63で下面プレート45に固定することで、ヒーター47は下面プレート45に取り付けられている。下面プレート45の中央側には複数の貫通孔65が設けられ、この貫通孔65は、縦梁角材49の裏面に設けられた雌ネジ部(図示せず)と一致して雌ネジ孔67を形成していて、取り付けネジ63はL型金具55の他片部59の穴66を通って雌ネジ孔67にねじ込まれ、L型金具55の他片部59を下面プレート45に固定している。
【0027】
図7は上側脚部17の分解斜視図である。
【0028】
上側脚部17は、断面正方形状の薄肉筒状体である木製、MDF製、合成木材製、プラスチック製又はその他の材料製の上側脚部本体69と、この上側脚部本体69の上端部に嵌め付けられた断面正方形状のプラスチック製上側キャップ71と、上側脚部本体69の下端部に嵌め付けられた断面正方形状の薄肉のプラスチック製環状ストッパ73と、から構成されている。上側キャップ71は、薄肉の正方形環状の側壁部75と、この側壁部75の上端部に形成された天井部77及び外向き当接フランジ部79と、を有していて、外向き当接フランジ部79が上側脚部本体69の上端縁に当接するまで側壁部75を上側脚部本体69の上端部にきつく嵌め込むことにより、上側脚部本体69に嵌め付けられている。雌ネジ孔15及び位置決めピン54はこの上側キャップ71の天井部77に形成されていて、側壁部75の外面は、上側キャップ71の嵌め付け強度を高めるために凹凸状に形成されている。
【0029】
環状ストッパ73は、薄肉の正方形環状の側壁部83と、この側壁部83の下端部に形成された外向き当接フランジ部85と、を有していて、側壁部83に設けられた貫通孔87が、上側脚部本体69の下端部に設けられた貫通孔89と一致して上側固定孔91を形成するように、かつ、外向き当接フランジ部85が上側脚部本体69の下端縁に当接するまで、側壁部83を上側脚部本体69の下端部にきつく嵌め込み、接着剤で固定して、上側脚部本体69に嵌め付けられている。環状ストッパ73の側壁部83の外面は、環状ストッパ73の嵌め付け強度を高めるために凹凸状に形成されている。
【0030】
図8は下側脚部19の分解斜視図、図9は取り付け孔位置の断面図である。
【0031】
下側脚部19は、断面正方形状の薄肉筒状体である木製、MDF製、合成木材製、プラスチック製又はその他の材料製の下側脚部本体93と、この下側脚部本体93の上端部に嵌め付けられた断面正方形状のプラスチック製環状抜け止め部材95と、下側脚部本体93の下端部に嵌め付けられた断面正方形状のプラスチック製下側キャップ97と、から構成されている。環状抜け止め部材95は、薄肉の正方形環状の側壁部99と、この側壁部99の上端部に形成された外向き係止フランジ101と、を有していて、外向き係止フランジ101が下側脚部本体93の上端縁に当接するまで側壁部99を下側脚部本体93の上端部にきつく嵌め込むことにより、下側脚部本体93に嵌め付けられている。環状抜け止め部材95の側壁部99の外面は、環状抜け止め部材95の嵌め付け強度を高めるために凹凸状に形成されている。下側キャップ97は、薄肉の正方形環状の側壁部103と、この側壁部103の下端部に形成された底部105及び外向き当接フランジ部107と、を有していて、外向き当接フランジ部107が下側脚部本体93の下端縁に当接するまで側壁部103を下側脚部本体93の下端部にきつく嵌め込むことにより、下側脚部本体93に嵌め付けられている。下側キャップ97の側壁部103の外面は、下側キャップ97の嵌め付け強度を高めるために凹凸状に形成されている。
【0032】
下側脚部本体93(より具体的には下側脚部本体93の1つの側面部)には高さ方向に間隔を有して複数(ここでは4つ)の取り付け孔108が形成されている。それぞれの取り付け孔108位置には、下側脚部本体93の内側から雌ネジ部材109が固定されている。雌ネジ部材109は、内周に金属製雌ネジ環111が埋め込まれて雌ネジ孔113が形成された環状部115と、この環状部115の先端部外周に一体的に形成された正方形状の固定フランジ部117と、環状部115の先端面又は前端面に、雌ネジ孔113の周囲で環状に突出する嵌め込み部119と、を一体的に有している。嵌め込み部119の内周面は雌ネジ孔113に連続している。このような構成の雌ネジ部材109は、嵌め込み部119を取り付け孔108に嵌め込み、固定フランジ117を下側脚部本体93の内面(裏面)に接着剤で固定して、取り付け孔108位置に取り付けられている。嵌め込み部119の外径は、取り付け孔108の内径と同一又はほぼ同一に設定され、嵌め込み部119の突出長さは取り付け孔108の厚みと同一又はほぼ同一に設定されている。
【0033】
図10は図1の支持脚3の断面図、図11は下側脚部を上側脚部に固定する場合を説明する図、図12は図2の支持脚3の断面図である。
【0034】
支持脚3は、例えば、環状ストッパ73を固定した上側脚部本体69の上端開口に、雌ネジ部材109を固定し、環状抜け止め部材95が取り付けられた下側脚部本体93を、下端側から挿入し、下側脚部本体93を上側脚部本体69の下端開口から引き出し、下側脚部本体93の下端部に下側キャップ97を固定するとともに、上側脚部本体69の上端部に上側キャップ71を取り付けることにより組み立てられる。上側脚部本体69への下側脚部本体93の挿入は、下側脚部本体93の雌ネジ部材109が取り付けられている側面部又は側壁部と上側脚部本体69の上側固定孔91が設けられている側面部又は側壁部とが一致するようにして行われる。
【0035】
このようにして構成された支持脚3では、下側脚部19を上側脚部17から引き出したり、下側脚部19を上側脚部17に押し込んだりして長さ又は高さを調整又は調節することができる。そして、上側固定孔91と雌ネジ孔113の1つとを一致させ、脚固定ボルト21を、上側固定孔91に差し込み、雌ネジ孔113にねじ込むことにより、下側脚部19を上側脚部17に固定する。脚固定ボルト21は、頭部121及び軸部123を有し、軸部123の頭部121側に雄ネジ部125を有していて、この雄ネジ部125が雌ネジ孔113にねじ込まれるように形成されている。なお、環状ストッパ73の内周の正方形状は、下側脚部本体93の外周の正方形状と同一又はほぼ同一の大きさを有し、また、外向き係止フランジ101の外周の正方形状は、上側脚部本体69の内周の正方形状と同一又はほぼ同一の大きさを有しているので、下側脚部19は、下側脚部本体93が環状ストッパ73の内周を比較的強くこすり、外向き係止フランジ101が上側脚部本体69の内周を比較的強くこすりながら、上側脚部17内をスライドするが、上側脚部17と下側脚部19との間にがたは発生しない。
【0036】
図13は支持脚3の抜け止め構造を説明する図である。
【0037】
下側脚部19を上側脚部17から抜き出そうとしても、外向き係止フランジ101が環状ストッパ73の上端縁127(図11も参照)と当接し、下側脚部19を上側脚部17からそれ以上引き出すことができないように構成されている。
【0038】
図14は支持脚3の別の取り付け構造を示す図である。
【0039】
ここでは、上側キャップ71の天井部77に、位置決めピン54に代えて2つ目の雌ネジ孔129が形成されている。また、中天板5には、位置決め孔53に代えて2つ目のボルト孔131が設けられていて、それぞれのボルト孔11、131に上面側から脚取り付けボルト13を通し、支持脚3の上端面に設けられた雌ネジ孔15、129にそれぞれ、この脚取り付けボルト13をねじ込むことにより支持脚3を中天板5に取り付けている。ボルト孔131も脚取り付けボルト13の頭部が中天板5の表面から突出しないように形成されている。2つ目のボルト孔131は、上面プレート43、補強駒51及び下面プレート45を貫通して形成されているが、1つ目のボルト孔11及び1つ目の雌ネジ孔15の位置は図7に示す場合と若干異なっている。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の支持脚伸縮コタツでは、上側脚部から誤って下側脚部を引き抜いてしまうといったことが効果的に防止される。
【符号の説明】
【0041】
1 家具調支持脚伸縮コタツ
3 支持脚
5 中天板
7 天板
17 上側脚部
19 下側脚部
21 脚固定ボルト(固定手段)
73 環状ストッパ
97 下側キャップ(抜け止め部材)
101 外向き係止フランジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房用の器具であるコタツに関する。
【背景技術】
【0002】
暖房用の器具であるコタツは、中天板の外周部分を支持脚で支えたコタツ櫓にコタツ布団を掛け、天板を載せて構成したり、または、天板の外周部分を支持脚で直接支え、天板の周囲にコタツ布団を配置して構成し、コタツ布団の中に例えば下半身を入れて使用する。そして、中天板又は天板の裏面にはヒーターが設けられていて、このヒーターによりコタツ布団の中が暖房される。
【0003】
こういった構造のコタツでは、使用者の体型や使用態様に応じて中天板や天板を上下させ、中天板や天板の高さを調整できるように構成されているのが効果的である。あるいは、冬季は暖房器具として使用されるが、夏季などにはテーブルとして使用される家具調コタツの場合、テーブルとしての使用時にテーブルの高さを調整できると、利便性が格段に向上する。
【0004】
中天板や天板の高さを調整できるコタツとしては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているように、支持脚を伸縮可能に構成したものが知られている。特許文献1の支持脚伸縮コタツでは、支持脚は、上側の固定筒1内に下側の支脚7をスライド可能に挿入することにより組み立てられていて、支脚7に設けた突子体11を、高さ方向に間隔を設けて固定筒1に複数形成された孔6のいずれかに嵌め込んで支持脚の長さ又は高さを調節できるように構成されている。また、特許文献2の支持脚伸縮コタツでは、支持脚は、上側の基端筒体1内に中間筒体2をスライド可能に挿入するとともに、中間筒体2内に先端筒体3を挿入することにより組み立てられていて、基端筒体1に設けた係止部材16の係止部19を、高さ方向に間隔を設けて中間筒体12に複数形成された凹所12のいずれかに係合させて支持脚の長さ又は高さを調節できるように構成されている。さらに、特許文献2の支持脚伸縮コタツでは、中間筒体2の凹所13と先端筒体3の係止爪部25との係合を解除して先端筒部3を中間筒体2内に収めることができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実願昭61−36452号明細書・図面
【特許文献2】実願昭62−170472号明細書・図面
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の支持脚伸縮コタツでは、支持脚を伸ばす際に、誤って上側の固定筒1から下側の支脚7を抜き出してしまうおそれがあり、使い勝手が良くない。また、特許文献2の支持脚伸縮コタツでも、支持脚を伸ばす際に、誤って上側の基端筒体1から中間筒体2を抜き出してしまうおそれがあるし、支持脚を最も短くした状態から下側の先端筒体3を引き出すと、中間筒体2から先端筒体3を抜き出してしまうおそれもある。さらに、板バネ23を誤って押圧し、中間筒体2から下側の先端筒体3を抜き出してしまうおそれもあるので、やはり使い勝手が良くない。
【0007】
そこで本発明は、支持脚を伸縮可能に構成した使い勝手の良好なコタツの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するための本発明の支持脚伸縮コタツは、天板部(中天板又は天板)の外周部分に支持脚を設けたコタツであって、前記支持脚は、前記天板部の前記外周部分に取り付けられた筒状の上側脚部と、この上側脚部の内側にスライド可能に嵌め込まれた筒状の下側脚部と、前記下側脚部を前記上側脚部に固定する固定手段と、を備え、前記固定手段は、前記上側脚部の周壁又は側壁に設けられた上側固定孔及び前記下側脚部の周壁又は側壁に設けられた下側固定孔に通されて、前記上側脚部に対して前記下側脚部がスライドするのを防止する固定用ボルト(例えば頭部及ぶ軸部から一体的に形成される)であり、前記上側脚部の下端部内側には、内部を前記下側脚部がスライドできるように形成された環状ストッパが嵌め付けられていて、前記下側脚部の上端部内側には、前記上側脚部内をスライドでき、かつ、前記環状ストッパと当接するように形成された係止フランジを有する抜け止め部材が嵌め付けられているものである。
【0009】
ところで、コタツの支持脚(支持脚の本体)には、電気用品安全法の規制により金属パイプを用いることができない。したがって、支持脚(支持脚の本体)には、あるいは上側脚部(上側脚部本体)及び下側脚部(下側脚部本体)には、木、MDF、合成木材、プラスチック又はその他の非金属材料が使用されることとなるが、こういった材料で支持脚を形成すると、上側固定孔や下側固定孔の強度が不足する場合も考えられる。そこで、上側固定孔を、上側脚部の周壁又は側壁下端部に、環状ストッパを貫通して形成しておくのが得策である。このように上側固定孔を形成すれば、上側固定孔は上側脚部の周壁及び環状ストッパ(環状ストッパの周壁又は側壁)を貫通することとなるので、十分な強度を有することとなる。
【0010】
環状ストッパは、上側脚部及び下側脚部の断面形状に対応して、断面円形状、正方形状又は四角形状などに形成されるが、例えば、内周の断面形状(形及び大きさ)が下側脚部の外周の断面形状と等しく又はほぼ等しく設定され、下側脚部が、隙間のない状態又はほとんど隙間のない状態でこの環状ストッパ内にスライド可能に嵌り込むように構成される。すなわち、環状ストッパは、例えば、内周形状が下側脚部の外周形状と同一又はほぼ同一に形成される。また、係止フランジは、例えば、外周の断面形状が上側脚部の内周の断面形状と等しく又はほぼ等しく形成され、隙間のない状態又はほとんど隙間のない状態で上側脚部内にスライド可能に嵌まり込んでいる。
【0011】
下側固定孔は、下側脚部の周壁又は側壁に、上下方向に間隔を設けて複数個形成されているといったように構成できる。
【0012】
下側固定孔は雌ネジ孔であり、固定用ボルトは頭部及び軸部を有し、軸部の頭部側には、雌ネジ孔にネジ込まれる雄ネジ部が形成されているといったように構成できる。このように構成すれば、固定用ボルトを雌ネジ孔にねじ込むだけで、上側脚部と下側脚部を確実に固定することができる。
【0013】
下側脚部の周壁又は側壁には取り付け孔が設けられ、この周壁又は側壁の内面(裏面)には、取り付け孔位置で雌ネジ部材が取り付けられていて、この雌ネジ部材は、雌ネジ孔が形成された環状部と、この環状部の先端部外周に一体的に形成された固定フランジ部と、環状部の先端面に、雌ネジ孔の周囲で環状に突出する嵌め込み部と、を一体的に有し、嵌め込み部が取り付け孔に嵌まり込んだ状態で、固定フランジ部が下側脚部の周壁又は側壁内面(裏面)に固定されることにより、周壁又は側壁に取り付けられているといったように構成できる。嵌め込み部は、取り付け孔と同一又はほぼ同一の大きさ(より具体的には同一又はほぼ同一の形状及び大きさ)を有することが効果的である。このように構成すれば、雌ネジ孔を簡単かつ強固に下側脚部に形成できる。
【0014】
嵌め込み部は、先端面が下側脚部の周壁又は側壁外面(表面)と共面を形成するように、取り付け孔に嵌まり込んでいるといったように構成できる。ここでは、雌ネジ部材が、下側脚部のスムーズなスライド移動を妨げない状態で、下側脚部にしっかりと固定される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明の支持脚伸縮コタツでは、筒状の上側脚部から筒状の下側脚部を誤って抜き出してしまうといったことが効果的に規制される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る家具調支持脚伸縮コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図である。
【図2】本発明に係る家具調支持脚伸縮コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図である。
【図3】図1に示す家具調支持脚伸縮コタツの分解斜視図である。
【図4】図2に示す家具調支持脚伸縮コタツの分解斜視図である。
【図5】天板の分解斜視図である。
【図6】中天板の分解斜視図である。
【図7】上側脚部の分解斜視図である。
【図8】下側脚部の分解斜視図である。
【図9】取り付け孔位置の断面図である。
【図10】図1の支持脚の断面図である。
【図11】下側脚部を上側脚部に固定する場合を説明する図である。
【図12】図2の支持脚の断面図である。
【図13】支持脚の抜け止め構造を説明する図である。
【図14】支持脚の別の取り付け構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明に係る家具調支持脚伸縮コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図、図2は本発明に係る家具調支持脚伸縮コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図、図3は図1に示す家具調支持脚伸縮コタツの分解斜視図、図4は図2に示す家具調支持脚伸縮コタツの分解斜視図である。
【0019】
家具調支持脚伸縮コタツ1は、4隅がそれぞれ支持脚3で支えられた正方形状の中天板5上に、中天板5と同一又はほぼ同一の正方形状の天板7を載せることにより構成されていて、天板7は、家具調支持脚伸縮コタツ1を暖房器具として使用する場合(図1の場合)には、コタツ布団9を介して中天板5上に載せられ、テーブルとして使用する場合(図2の場合)には、中天板5上に直接載せられる。
【0020】
図3に示すように、暖房器具として使用する場合の家具調支持脚伸縮コタツ1は、中天板5の4隅に設けられたボルト孔11に上面側から脚取り付けボルト13を通し、支持脚3の上端面に設けられた雌ネジ孔15にこの脚取り付けボルト13をねじ込むことにより支持脚3を中天板5に取り付け、中天板5上にコタツ布団9を掛けてから天板7を載せて組み立てられている。ボルト孔11は脚取り付けボルト13の頭部が中天板5の表面から突出しないように形成されている。支持脚3は、筒状(断面正方形の筒状)の上側脚部17内に筒状(断面正方形の筒状)の下側脚部19をスライド可能に挿入し、脚固定ボルト21を用いて上側脚部17に下側脚部19を固定(上下方向に固定)したものであり、上側脚部17からの下側脚部19の突出長さを変えることにより高さ調節できるように構成されている。
【0021】
テーブルとして使用する場合の家具調支持脚伸縮コタツ1は、コタツ布団9を用いることなく、中天板5上に天板7を直接載せることにより組み立てられているが、天板7のずれを防止するために、中天板5の一組の対角部に設けられたボルト孔21に下面側から板固定ボルト23を通し、天板7の一対の対角部下面に設けられた雌ネジ孔25(図5参照)にこの板固定ボルト23をねじ込んでいる。また、ここでは、下側脚部19が上側脚部17から長く引き出された状態となっている。
【0022】
図5は天板7の分解斜視図である。
【0023】
天板7は、天板用角材27を組み合わせて形成された正方形状の天板用枠部29と、この天板用枠部29内に配置されたハニカム紙31と、天板用枠部29の上下両面側に固定して設けられた表面プレート33及び裏面プレート35と、から構成されていて、天板用枠部29の一組の対角部内側には、天板用角材27と同一又はほぼ同一の厚みを有する正方形状の補強駒32が固定されている。ハニカム紙31は、補強駒32が設けられた天板用枠部29の内側形状と同一又はほぼ同一に形成され、天板用角材27と同一又はほぼ同一の厚みを有している。補強駒32の裏面には雌ネジ部(図示せず)が形成されていて、裏面プレート35は、一組の対角部に設けられた貫通孔37が補強駒32の裏面の雌ネジ部と一致して雌ネジ孔25を形成するように、天板用枠部29に固定されている。
【0024】
中天板5は、中天板用角材39を組み合わせて形成された正方形状の中天板用枠部41と、この中天板用枠部41の上下両面側に固定して設けられた上面プレート43及び下面プレート45と、から構成されていて、下面プレート45の裏面にはヒーター47が取り付けられている。中天板用枠部41には、枠部41内を長方形状に三等分又はほぼ三等分するように、2本の縦梁角材49が配置されていて、中天板用角材39と縦梁角材49とは同一又はほぼ同一の厚みを有している。また、中天板用枠部41の4隅内側には、中天板用角材39と同一又はほぼ同一の厚みを有する正方形状の補強駒51が固定されている。
【0025】
ボルト孔11は、中天板5の4隅の外端部で、上面プレート43、中天板用角材39及び下面プレート45を貫通して形成され、このボルト孔11の内側ではそれぞれ、中天板5に、下面プレート45を貫通し、補強駒51内まで延びる位置決め孔53が設けられていて、ボルト孔21は、中天板5の一対の対角部の内端部で、上面プレート43、中天板用角材39及び下面プレート45を貫通して形成されている。中天板5の位置決め孔53には、支持脚3の上端面から突出する位置決めピン54が差し込まれている(図3及び図4も参照)。
【0026】
ヒーター47にはL型金具55の一片部57が取り付けネジ(図示せず)を用いて取り付けられていて、このL型金具55の他片部59を取り付けネジ63で下面プレート45に固定することで、ヒーター47は下面プレート45に取り付けられている。下面プレート45の中央側には複数の貫通孔65が設けられ、この貫通孔65は、縦梁角材49の裏面に設けられた雌ネジ部(図示せず)と一致して雌ネジ孔67を形成していて、取り付けネジ63はL型金具55の他片部59の穴66を通って雌ネジ孔67にねじ込まれ、L型金具55の他片部59を下面プレート45に固定している。
【0027】
図7は上側脚部17の分解斜視図である。
【0028】
上側脚部17は、断面正方形状の薄肉筒状体である木製、MDF製、合成木材製、プラスチック製又はその他の材料製の上側脚部本体69と、この上側脚部本体69の上端部に嵌め付けられた断面正方形状のプラスチック製上側キャップ71と、上側脚部本体69の下端部に嵌め付けられた断面正方形状の薄肉のプラスチック製環状ストッパ73と、から構成されている。上側キャップ71は、薄肉の正方形環状の側壁部75と、この側壁部75の上端部に形成された天井部77及び外向き当接フランジ部79と、を有していて、外向き当接フランジ部79が上側脚部本体69の上端縁に当接するまで側壁部75を上側脚部本体69の上端部にきつく嵌め込むことにより、上側脚部本体69に嵌め付けられている。雌ネジ孔15及び位置決めピン54はこの上側キャップ71の天井部77に形成されていて、側壁部75の外面は、上側キャップ71の嵌め付け強度を高めるために凹凸状に形成されている。
【0029】
環状ストッパ73は、薄肉の正方形環状の側壁部83と、この側壁部83の下端部に形成された外向き当接フランジ部85と、を有していて、側壁部83に設けられた貫通孔87が、上側脚部本体69の下端部に設けられた貫通孔89と一致して上側固定孔91を形成するように、かつ、外向き当接フランジ部85が上側脚部本体69の下端縁に当接するまで、側壁部83を上側脚部本体69の下端部にきつく嵌め込み、接着剤で固定して、上側脚部本体69に嵌め付けられている。環状ストッパ73の側壁部83の外面は、環状ストッパ73の嵌め付け強度を高めるために凹凸状に形成されている。
【0030】
図8は下側脚部19の分解斜視図、図9は取り付け孔位置の断面図である。
【0031】
下側脚部19は、断面正方形状の薄肉筒状体である木製、MDF製、合成木材製、プラスチック製又はその他の材料製の下側脚部本体93と、この下側脚部本体93の上端部に嵌め付けられた断面正方形状のプラスチック製環状抜け止め部材95と、下側脚部本体93の下端部に嵌め付けられた断面正方形状のプラスチック製下側キャップ97と、から構成されている。環状抜け止め部材95は、薄肉の正方形環状の側壁部99と、この側壁部99の上端部に形成された外向き係止フランジ101と、を有していて、外向き係止フランジ101が下側脚部本体93の上端縁に当接するまで側壁部99を下側脚部本体93の上端部にきつく嵌め込むことにより、下側脚部本体93に嵌め付けられている。環状抜け止め部材95の側壁部99の外面は、環状抜け止め部材95の嵌め付け強度を高めるために凹凸状に形成されている。下側キャップ97は、薄肉の正方形環状の側壁部103と、この側壁部103の下端部に形成された底部105及び外向き当接フランジ部107と、を有していて、外向き当接フランジ部107が下側脚部本体93の下端縁に当接するまで側壁部103を下側脚部本体93の下端部にきつく嵌め込むことにより、下側脚部本体93に嵌め付けられている。下側キャップ97の側壁部103の外面は、下側キャップ97の嵌め付け強度を高めるために凹凸状に形成されている。
【0032】
下側脚部本体93(より具体的には下側脚部本体93の1つの側面部)には高さ方向に間隔を有して複数(ここでは4つ)の取り付け孔108が形成されている。それぞれの取り付け孔108位置には、下側脚部本体93の内側から雌ネジ部材109が固定されている。雌ネジ部材109は、内周に金属製雌ネジ環111が埋め込まれて雌ネジ孔113が形成された環状部115と、この環状部115の先端部外周に一体的に形成された正方形状の固定フランジ部117と、環状部115の先端面又は前端面に、雌ネジ孔113の周囲で環状に突出する嵌め込み部119と、を一体的に有している。嵌め込み部119の内周面は雌ネジ孔113に連続している。このような構成の雌ネジ部材109は、嵌め込み部119を取り付け孔108に嵌め込み、固定フランジ117を下側脚部本体93の内面(裏面)に接着剤で固定して、取り付け孔108位置に取り付けられている。嵌め込み部119の外径は、取り付け孔108の内径と同一又はほぼ同一に設定され、嵌め込み部119の突出長さは取り付け孔108の厚みと同一又はほぼ同一に設定されている。
【0033】
図10は図1の支持脚3の断面図、図11は下側脚部を上側脚部に固定する場合を説明する図、図12は図2の支持脚3の断面図である。
【0034】
支持脚3は、例えば、環状ストッパ73を固定した上側脚部本体69の上端開口に、雌ネジ部材109を固定し、環状抜け止め部材95が取り付けられた下側脚部本体93を、下端側から挿入し、下側脚部本体93を上側脚部本体69の下端開口から引き出し、下側脚部本体93の下端部に下側キャップ97を固定するとともに、上側脚部本体69の上端部に上側キャップ71を取り付けることにより組み立てられる。上側脚部本体69への下側脚部本体93の挿入は、下側脚部本体93の雌ネジ部材109が取り付けられている側面部又は側壁部と上側脚部本体69の上側固定孔91が設けられている側面部又は側壁部とが一致するようにして行われる。
【0035】
このようにして構成された支持脚3では、下側脚部19を上側脚部17から引き出したり、下側脚部19を上側脚部17に押し込んだりして長さ又は高さを調整又は調節することができる。そして、上側固定孔91と雌ネジ孔113の1つとを一致させ、脚固定ボルト21を、上側固定孔91に差し込み、雌ネジ孔113にねじ込むことにより、下側脚部19を上側脚部17に固定する。脚固定ボルト21は、頭部121及び軸部123を有し、軸部123の頭部121側に雄ネジ部125を有していて、この雄ネジ部125が雌ネジ孔113にねじ込まれるように形成されている。なお、環状ストッパ73の内周の正方形状は、下側脚部本体93の外周の正方形状と同一又はほぼ同一の大きさを有し、また、外向き係止フランジ101の外周の正方形状は、上側脚部本体69の内周の正方形状と同一又はほぼ同一の大きさを有しているので、下側脚部19は、下側脚部本体93が環状ストッパ73の内周を比較的強くこすり、外向き係止フランジ101が上側脚部本体69の内周を比較的強くこすりながら、上側脚部17内をスライドするが、上側脚部17と下側脚部19との間にがたは発生しない。
【0036】
図13は支持脚3の抜け止め構造を説明する図である。
【0037】
下側脚部19を上側脚部17から抜き出そうとしても、外向き係止フランジ101が環状ストッパ73の上端縁127(図11も参照)と当接し、下側脚部19を上側脚部17からそれ以上引き出すことができないように構成されている。
【0038】
図14は支持脚3の別の取り付け構造を示す図である。
【0039】
ここでは、上側キャップ71の天井部77に、位置決めピン54に代えて2つ目の雌ネジ孔129が形成されている。また、中天板5には、位置決め孔53に代えて2つ目のボルト孔131が設けられていて、それぞれのボルト孔11、131に上面側から脚取り付けボルト13を通し、支持脚3の上端面に設けられた雌ネジ孔15、129にそれぞれ、この脚取り付けボルト13をねじ込むことにより支持脚3を中天板5に取り付けている。ボルト孔131も脚取り付けボルト13の頭部が中天板5の表面から突出しないように形成されている。2つ目のボルト孔131は、上面プレート43、補強駒51及び下面プレート45を貫通して形成されているが、1つ目のボルト孔11及び1つ目の雌ネジ孔15の位置は図7に示す場合と若干異なっている。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の支持脚伸縮コタツでは、上側脚部から誤って下側脚部を引き抜いてしまうといったことが効果的に防止される。
【符号の説明】
【0041】
1 家具調支持脚伸縮コタツ
3 支持脚
5 中天板
7 天板
17 上側脚部
19 下側脚部
21 脚固定ボルト(固定手段)
73 環状ストッパ
97 下側キャップ(抜け止め部材)
101 外向き係止フランジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板部の外周部分に支持脚を設けたコタツであって、
前記支持脚は、前記天板部の前記外周部分に取り付けられた筒状の上側脚部と、この上側脚部の内側にスライド可能に嵌め込まれた筒状の下側脚部と、前記下側脚部を前記上側脚部に固定する固定手段と、を備え、
前記固定手段は、前記上側脚部の周壁又は側壁に設けられた上側固定孔及び前記下側脚部の周壁又は側壁に設けられた下側固定孔に通されて、前記上側脚部に対して前記下側脚部がスライドするのを防止する固定用ボルトであり、
前記上側脚部の下端部内側には、内部を前記下側脚部がスライドできるように形成された環状ストッパが嵌め付けられ、
前記下側脚部の上端部内側には、前記上側脚部内をスライドでき、かつ、前記環状ストッパと当接するように形成された係止フランジを有する抜け止め部材が嵌め付けられていて、
前記上側固定孔は、前記上側脚部の周壁又は側壁下端部に、前記環状ストッパを貫通して形成されている、ことを特徴とする支持脚伸縮コタツ。
【請求項2】
前記上側脚部又は上側脚部本体は非金属材料で形成され、前記下側脚部又は下側脚部本体も非金属材料で形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項3】
前記環状ストッパは、内周の断面形状が前記下側脚部の外周の断面形状と等しく又はほぼ等しく形成され、前記下側脚部は、隙間のない状態又はほとんど隙間のない状態でこの環状ストッパ内にスライド可能に嵌り込んでいる、ことを特徴とする請求項1又は2記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項4】
前記係止フランジは、外周の断面形状が前記上側脚部の内周の断面形状と等しく又はほぼ等しく形成され、隙間のない状態又はほとんど隙間のない状態で前記上側脚部内にスライド可能に嵌まり込んでいる、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項5】
前記下側固定孔は、前記下側脚部の周壁又は側壁に、上下方向に間隔を設けて複数形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項6】
前記下側固定孔は雌ネジ孔であり、前記固定用ボルトは頭部及び軸部を有し、前記軸部の前記頭部側には、前記雌ネジ孔にネジ込まれる雄ネジ部が形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項7】
前記下側脚部の周壁又は側壁には取り付け孔が設けられ、この周壁又は側壁の内面には、前記取り付け孔位置で雌ネジ部材が取り付けられていて、この雌ネジ部材は、前記雌ネジ孔が形成された環状部と、この環状部の先端部外周に一体的に形成された固定フランジ部と、前記環状部の先端面に、前記雌ネジ孔の周囲で環状に突出する嵌め込み部と、を一体的に有し、前記嵌め込み部が前記取り付け孔に嵌まり込んだ状態で、前記固定フランジ部が前記下側脚部の周壁又は側壁内面に固定されることにより、前記周壁又は側壁に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項8】
前記嵌め込み部は、先端面が前記下側脚部の周壁又は側壁外面と共面を形成するように、前記取り付け孔に嵌まり込んでいる、ことを特徴とする請求項7記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項1】
天板部の外周部分に支持脚を設けたコタツであって、
前記支持脚は、前記天板部の前記外周部分に取り付けられた筒状の上側脚部と、この上側脚部の内側にスライド可能に嵌め込まれた筒状の下側脚部と、前記下側脚部を前記上側脚部に固定する固定手段と、を備え、
前記固定手段は、前記上側脚部の周壁又は側壁に設けられた上側固定孔及び前記下側脚部の周壁又は側壁に設けられた下側固定孔に通されて、前記上側脚部に対して前記下側脚部がスライドするのを防止する固定用ボルトであり、
前記上側脚部の下端部内側には、内部を前記下側脚部がスライドできるように形成された環状ストッパが嵌め付けられ、
前記下側脚部の上端部内側には、前記上側脚部内をスライドでき、かつ、前記環状ストッパと当接するように形成された係止フランジを有する抜け止め部材が嵌め付けられていて、
前記上側固定孔は、前記上側脚部の周壁又は側壁下端部に、前記環状ストッパを貫通して形成されている、ことを特徴とする支持脚伸縮コタツ。
【請求項2】
前記上側脚部又は上側脚部本体は非金属材料で形成され、前記下側脚部又は下側脚部本体も非金属材料で形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項3】
前記環状ストッパは、内周の断面形状が前記下側脚部の外周の断面形状と等しく又はほぼ等しく形成され、前記下側脚部は、隙間のない状態又はほとんど隙間のない状態でこの環状ストッパ内にスライド可能に嵌り込んでいる、ことを特徴とする請求項1又は2記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項4】
前記係止フランジは、外周の断面形状が前記上側脚部の内周の断面形状と等しく又はほぼ等しく形成され、隙間のない状態又はほとんど隙間のない状態で前記上側脚部内にスライド可能に嵌まり込んでいる、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項5】
前記下側固定孔は、前記下側脚部の周壁又は側壁に、上下方向に間隔を設けて複数形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項6】
前記下側固定孔は雌ネジ孔であり、前記固定用ボルトは頭部及び軸部を有し、前記軸部の前記頭部側には、前記雌ネジ孔にネジ込まれる雄ネジ部が形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項7】
前記下側脚部の周壁又は側壁には取り付け孔が設けられ、この周壁又は側壁の内面には、前記取り付け孔位置で雌ネジ部材が取り付けられていて、この雌ネジ部材は、前記雌ネジ孔が形成された環状部と、この環状部の先端部外周に一体的に形成された固定フランジ部と、前記環状部の先端面に、前記雌ネジ孔の周囲で環状に突出する嵌め込み部と、を一体的に有し、前記嵌め込み部が前記取り付け孔に嵌まり込んだ状態で、前記固定フランジ部が前記下側脚部の周壁又は側壁内面に固定されることにより、前記周壁又は側壁に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の支持脚伸縮コタツ。
【請求項8】
前記嵌め込み部は、先端面が前記下側脚部の周壁又は側壁外面と共面を形成するように、前記取り付け孔に嵌まり込んでいる、ことを特徴とする請求項7記載の支持脚伸縮コタツ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−220632(P2011−220632A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91667(P2010−91667)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(500560129)株式会社 ニトリホールディングス (7)
【出願人】(300078338)静和YBJ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(500560129)株式会社 ニトリホールディングス (7)
【出願人】(300078338)静和YBJ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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