説明

放射線画像撮影システム及び放射線画像撮影用カセッテ

【課題】蓄電量の制約や充電時間の確保が不要な放射線画像撮影用カセッテを提供する。
【解決手段】本発明に係る放射線画像撮影用カセッテとしてのカセッテ5は、放射線撮影により放射線画像データを生成するものであって、コンソールと通信可能なカセッテ通信部と、前記放射線画像データを生成する放射線撮像パネルと、前記放射線撮像パネルで生成された前記放射線画像データを前記カセッテ通信部から前記コンソールに送信させるカセッテ制御部と、前記カセッテ通信部と前記放射線撮像パネルと前記カセッテ制御部とに電力を供給する燃料電池510とを、備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の放射線画像を生成する放射線画像撮影システム及び放射線画像撮影用カセッテに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、X線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。特に、増感紙−フィルム系によるX線画像は、長い歴史のなかで高感度化と高画質化が図られた結果、高い信頼性と優れたコストパフォーマンスを併せ持った撮像システムとして、いまなお、世界中の医療現場で用いられている。近年では、輝尽性蛍光体のパネルをX線画像撮影用パネルとして用いた「CR(computed radiography)システム」が実用化され、高感度化及び画質の改善が日夜続けられている。
【0003】
ところで、上記CRシステムでは、X線撮影からそのX線画像が生成されるまで数十秒から数分間という比較的長い時間が必要とされ、X線画像を確認した結果、X線撮影が不良であった場合には、再度X線撮影をおこなわなければならず、X線画像を生成するまでに更に長い時間が必要とされる。そのため、今日では、X線撮影からそのX線画像の生成まで数秒という短時間で足りる、「FPD(Flat Panel Detector)」を用いた「DR(Digital Radiography)システム」が提案されており(例えば特許文献1参照)、特に特許文献1に記載のDRシステムでは、上記FPDとしてワイヤレス薄型FPDを適用しつつ、撮影画像の情報管理までをも向上させている。
【特許文献1】特開2004−180931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のDRシステムでは、FPDの電源として大容量コンデンサや2次電池を使用する(段落番号0072参照)ため、当該電源として大容量コンデンサを使用する場合には、急速な充電は可能であるものの蓄電量が小さく、他方、当該電源として2次電池を使用する場合には、十分な充電時間を確保しなければならないという不都合がある。
そこで本発明は、蓄電量の制約や充電時間の確保が不要な放射線画像撮影システム及び放射線画像撮影用カセッテを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明の放射線画像撮影システムは、
放射線撮影により放射線画像データを生成する放射線画像撮影用カセッテと、
前記放射線画像データを用いて表示部に放射線画像を表示させるコンソールと、
を備え、
前記放射線画像撮影用カセッテが、
前記コンソールと通信可能なカセッテ通信部と、
前記放射線画像データを生成する放射線撮像パネルと、
前記放射線撮像パネルで生成された前記放射線画像データを前記カセッテ通信部から前記コンソールに送信させるカセッテ制御部と、
前記カセッテ通信部と前記放射線撮像パネルと前記カセッテ制御部とに電力を供給する燃料電池と、
を有し、
前記コンソールが、
前記カセッテ通信部から送信された前記放射線画像データを受信するコンソール通信部を有し、
前記コンソール通信部で受信した前記放射線画像データに基づいて、前記放射線画像を前記表示部に表示させることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記燃料電池が、
燃料を貯蔵する燃料ユニットを着脱可能な燃料ユニット装着部と、
前記燃料ユニット装着部に装着された前記燃料ユニットから燃料の供給を受けて発電する発電部と、
を有することを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記燃料電池が、
前記燃料ユニットを互いに別々に着脱可能な複数の前記燃料ユニット装着部を有し、かつ、複数の前記燃料ユニット装着部に装着された前記燃料ユニットのいずれからでも前記発電部に燃料を供給可能であることを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記燃料電池が、前記放射線画像撮影用カセッテの向きとは無関係に、前記燃料ユニットから前記発電部に燃料を供給可能で、かつ、前記発電部で発電可能であることを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記放射線画像撮影用カセッテが、
前記放射線撮像パネルで発生する熱を前記燃料電池に向けて送風する送風部を有することを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記放射線撮像パネルが、
放射線を蛍光に変換するシンチレータと、
前記シンチレータを保護する保護層と、
前記シンチレータを支持する支持体と、
を有し、
前記シンチレータが、前記保護層と前記支持体とで覆われていることを特徴としている。
【0011】
請求項7に記載の発明は、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記カセッテ制御部が、前記燃料電池からの電力の供給状態を示す電力供給状態情報を前記カセッテ通信部から前記コンソールに送信させ、
前記コンソールが、前記コンソール通信部が受信した前記電力供給状態情報を用いて前記表示部に前記燃料電池からの電力の供給状態に関する表示をさせることを特徴としている。
【0012】
請求項8に記載の発明は、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記カセッテ通信部が、前記コンソールと無線で通信可能であることを特徴としている。
【0013】
請求項9に記載の発明は、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記カセッテ通信部と無線通信可能な無線中継器を備え、
前記コンソール通信部が、通信ケーブルを介して前記無線中継器と通信可能であることを特徴としている。
【0014】
請求項10に記載の発明は、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記コンソールが携帯端末であることを特徴としている。
【0015】
請求項11に記載の発明は、
放射線撮影により放射線画像データを生成する放射線画像撮影用カセッテであって、
コンソールと通信可能なカセッテ通信部と、
前記放射線画像データを生成する放射線撮像パネルと、
前記放射線撮像パネルで生成された前記放射線画像データを前記カセッテ通信部から前記コンソールに送信させるカセッテ制御部と、
前記カセッテ通信部と前記放射線撮像パネルと前記カセッテ制御部とに電力を供給する燃料電池と、
を備えることを特徴としている。
【0016】
請求項12に記載の発明は、
請求項11に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記燃料電池が、
燃料を貯蔵する燃料ユニットが着脱可能な燃料ユニット装着部と、
前記燃料ユニット装着部に装着された前記燃料ユニットから燃料の供給を受けて発電する発電部と、
を有することを特徴としている。
【0017】
請求項13に記載の発明は、
請求項12に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記燃料電池が、
前記燃料ユニットが互いに別々に着脱可能な複数の前記燃料ユニット装着部を有し、かつ、複数の前記燃料ユニット装着部に装着された前記燃料ユニットのいずれからでも前記発電部に燃料を供給可能であることを特徴としている。
【0018】
請求項14に記載の発明は、
請求項11〜13のいずれか一項に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記燃料電池が、当該放射線画像撮影用カセッテの向きとは無関係に、前記燃料ユニットから前記発電部に燃料を供給可能で、かつ、前記発電部で発電可能であることを特徴としている。
【0019】
請求項15に記載の発明は、
請求項11〜14のいずれか一項に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記放射線撮像パネルで発生する熱を前記燃料電池に向けて送風する送風部を有することを特徴としている。
【0020】
請求項16に記載の発明は、
請求項11〜15のいずれか一項に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記放射線撮像パネルが、
放射線を蛍光に変換するシンチレータと、
前記シンチレータを保護する保護層と、
前記シンチレータを支持する支持体と、
を有し、
前記シンチレータが、前記保護層と前記支持体とで覆われていることを特徴としている。
【0021】
請求項17に記載の発明は、
請求項11〜16のいずれか一項に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記カセッテ制御部が、前記燃料電池からの電力の供給状態を示す電力供給状態情報を前記カセッテ通信部から前記コンソールに送信させることを特徴としている。
【0022】
請求項18に記載の発明は、
請求項11〜17のいずれか一項に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記カセッテ通信部が、無線で通信可能であることを特徴としている。
【0023】
なお、本明細書中において、「コンソール」とは、操作者がカセッテと交信を行うための装置で、別体の表示装置や操作装置が接続可能であってもよいし、表示装置や操作装置が一体であってもよい。「撮影動作」とは、放射線撮影により放射線画像データを得るのに必要な動作のことで、例えば、実施形態で示すパネルであれば、パネルの初期化、放射線照射によって生成された電気エネルギーの蓄積、電気信号の読み取り、及び、画像データ化の各動作が該当する。そして、「撮影可能状態」とは、直ちにこの撮影動作により放射線画像データを得ることができる状態のことである。
【発明の効果】
【0024】
請求項1,11に記載の発明では、放射線画像撮影用カセッテが燃料電池を有するから、蓄電量の制約や充電時間の確保が必要なく、補給が必要な場合には、その都度燃料を補充すれば電力の供給を迅速かつ十分におこなうことができ、ひいては放射線撮影から放射線画像を確認するサイクルを繰り返す放射線撮影全体のトータルの撮影効率を向上させることができる。
【0025】
請求項2,12に記載の発明では、燃料ユニットが燃料ユニット装着部に対し着脱可能で当該燃料ユニットから発電部に燃料を供給するから、補給が必要な場合には、その燃料ユニットを交換するだけでよく、放射線撮影から放射線画像を確認するサイクルを繰り返す放射線撮影全体のトータルの撮影効率を向上させることができる。
【0026】
請求項3,13に記載の発明では、各燃料ユニットが互いに別々に着脱可能でかつ各燃料ユニットのいずれからでも発電部に燃料を供給可能であるから、一の燃料ユニットの燃料がなくなってその燃料ユニットを交換している間にも、他の燃料ユニットから発電部に燃料を供給することができる。そのため、燃料ユニットの交換中においても放射線撮影から放射線画像データを送信するサイクルを繰り返すことが可能であり、放射線撮影から放射線画像を確認するサイクルを繰り返す放射線撮影全体のトータルの撮影効率を向上させることができる。
【0027】
請求項4,14に記載の発明では、燃料電池が放射線画像撮影用カセッテの向きとは無関係に燃料ユニットから燃料を供給可能でかつ発電可能であるから、放射線撮影用カセッテを傾けたり反転させたりした場合でも、当該燃料電池から電力を供給することができる。そのため、放射線画像撮影用カセッテの向きに注意を払う必要なく、放射線撮影から放射線画像を確認するサイクルを繰り返す放射線撮影全体のトータルの撮影効率を向上させることができる。
【0028】
請求項5,15に記載の発明では、放射線撮像パネルで発生する熱が送風部により燃料電池に送風されるから、当該燃料電池の発電効率を向上させることができ、かつ、当該放射線撮像パネルでは、温度分布にムラが発生するのが抑えられる。そのため、放射線撮像パネルにおける感度ムラの発生を抑えることができ、良好な放射線画像を得ることができる。
【0029】
請求項6,16に記載の発明では、当該シンチレータが保護層と支持体とで覆われているから、燃料電池による発電時に発生する水蒸気が保護層と支持体とで遮断されてシンチレータに到達しにくい。そのため、シンチレータが水分により劣化するのを防止することができる。
【0030】
請求項7,17に記載の発明では、電力供給状態情報をコンソールに送信するので、コンソールが電力供給状態情報を用いて制御できる。また、請求項7に記載の発明では、電力の供給状態に関する表示が表示部に表示されるから、放射線撮影を直ぐにおこなえるのか否かを瞬時に判断することができる。そのため、放射線撮影を直ぐにおこなえる場合には放射線撮影を直ぐに開始することができるし、他方、放射線撮影を直ぐにおこなえない場合には放射線撮影がおこなえるようになるまでの間に他の操作をおこなうことができ、結果的に放射線撮影から放射線画像を確認するサイクルを繰り返す放射線撮影全体のトータルの撮影効率を向上させることができる。
【0031】
請求項8,18に記載の発明では、カセッテ通信部がコンソールと無線で通信可能であるから、通信用のケーブルが不要であり、当該ケーブルが被写体に絡みつかないように注意を払いながらカセッテを取り扱うといった事態を回避することができる。そのため、撮影者を放射線撮影に集中させて当該放射線撮影におけるミスを低減することができ、ひいては放射線撮影から放射線画像を確認するサイクルを繰り返す放射線撮影全体の撮影効率を向上させることができる。
【0032】
ところで、上記放射線画像撮影用カセッテは放射線遮蔽部材で覆われた放射線撮影室内に設置され、他方、コンソールは放射線撮影室外に設置される場合が多いが、請求項9に記載の発明では、無線中継器を備えるとともにコンソール通信部が通信ケーブルを介してその無線中継器と通信可能であるから、当該無線中継器を放射線撮影室内に設置することで、カセッテ通信部と無線中継器との間でおこなわれる無線通信と、放射線撮影室の内部と外部との間でおこなわれる無線中継器とコンソール通信部との有線通信とを、良好におこなうことができ、ひいては放射線撮影から放射線画像を確認するサイクルを繰り返す放射線撮影全体のトータルの撮影効率を向上させることができる。
【0033】
また、上記の通り、放射線画像撮影用カセッテが放射線撮影室内で、コンソールが放射線撮影室外に設置される場合においては、撮影者は、放射線撮影に際して放射線撮影室内で被写体に撮影位置等の指示をおこない、その後放射線撮影室外に移動してその被写体の放射線画像の生成を開始させるようになっている。しかしながら、請求項10に記載の発明では、コンソールが携帯端末であるから、放射線撮影室内で被写体に撮影位置等について指示しながら当該コンソールに放射線画像データの画像処理を開始させることができ、放射線撮影室の内部から外部への移動時間を放射線画像データの画像処理時間に充てることができる。そのため、放射線撮影から放射線画像の生成までの時間を短縮することができ、ひいては放射線撮影から放射線画像を確認するサイクルを繰り返す放射線撮影全体のトータルの撮影効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
発明の実施の形態欄の記載は、発明を実施するために発明者が最良と認識している形態を示すものであり、発明の範囲や、特許請求の範囲に用いられている用語を一見、断定又は定義するような表現もあるが、これらは、あくまで、発明者が最良と認識している形態を特定するための表現であり、発明の範囲や、特許請求の範囲に用いられている用語を特定又は限定するものではない。
【0035】
[第一の実施形態]
図1〜4を参照しながら本発明に係る放射線画像撮影システムの第一の実施形態について説明する。なお、X線は放射線の一種である。
【0036】
図1に示すように、第一の実施形態に係るX線画像撮影システム1000は、病院内で行われるX線画像撮影を想定したシステムであり、例えば、被写体にX線を照射するX線撮影室R1と、X線技師が被写体に照射するX線の制御や、X線を照射して取得したX線画像の画像処理等を行うX線制御室R2とに配置されるものである。
【0037】
X線制御室R2には、コンソール1が設けられている。このコンソール1によってX線画像撮影システム全体が制御され、X線画像撮影の制御や取得したX線画像の画像処理が行われる。
【0038】
コンソール1には、操作者が撮影準備指示や撮影指示、指示内容を入力する操作入力部2が接続されている。操作入力部2としては、例えば、X線照射要求スイッチやタッチパネル、マウス、キーボード、ジョイスティック等を用いることが可能であり、操作入力部2を介して、X線管電圧やX線管電流、X線照射時間等のX線撮影条件、撮影タイミング、撮影部位、撮影方法等のX線撮影制御条件、画像処理条件、画像出力条件、カセッテ選択情報、オーダ選択情報、被写体ID等の指示内容が入力される。
【0039】
さらに、コンソール1には、X線画像などを表示する表示部3が接続されており、コンソール1を構成している表示制御部11により表示が制御される。表示部3としては、例えば、液晶モニタ、CRT(Cathode Ray Tube)モニタ等のモニタ、電子ペーパ、電子フィルム等を用いることができる。表示部3は、X線撮影条件や画像処理条件等の文字及びX線画像を表示する。
【0040】
また、コンソール1は、表示制御部11、入力部12、コンソール制御部13、コンソール通信部14、画像処理部15、画像保存部16、コンソール電源部17、ネットワーク通信部18等を備えている。表示制御部11、入力部12、コンソール制御部13、コンソール通信部14、画像処理部15、画像保存部16、コンソール電源部17、ネットワーク通信部18は、それぞれバスに接続しており、データ交換可能である。
【0041】
入力部12は、操作入力部2からの指示内容を受信する。
【0042】
コンソール制御部13は、入力部12が受信した指示内容やHIS/RIS71のオーダ情報に基づいて撮影条件を決定し、コンソール通信部14を介してX線源4とカセッテ5とに撮影条件に関する撮影条件情報を送信し、X線源4とカセッテ5とを制御してX線画像撮影をする。また、コンソール制御部13は、カセッテ5からコンソール通信部14が受信したX線画像データを画像保存部16に一時保存させる。
【0043】
また、コンソール制御部13は、画像処理部15が画像保存部16に一時保存したX線画像データからサムネイル画像データを作成するようにさせる。表示制御部11は、作成されたサムネイル画像データに基づいて、表示部3がサムネイル画像を表示するように制御する。
【0044】
そして、コンソール制御部13は、入力部12が受信した指示内容やHIS/RIS71のオーダ情報に基づいた画像処理を画像処理部15がX線画像データに行い、この画像処理をされたX線画像データを画像保存部16が保存するように制御する。そして、画像処理部15が画像処理した結果のX線画像データに基づいて、処理結果のサムネイル画像を表示部3が表示するように、表示制御部11を制御する。
【0045】
更に、コンソール制御部13は、その後に入力部12が操作入力部2から受信した指示内容に基づいて、X線画像データの再画像処理やその画像処理結果の表示をしたり、又、X線画像データをネットワーク上の外部装置に転送、保存、表示する。
【0046】
コンソール制御部13としては、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリが搭載されているマザーボードを適用することが可能である。
【0047】
CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムを読み出し、RAM上にプログラムを展開し、展開したプログラムに従ってコンソール1の各部、X線源4、カセッテ5、外部装置を制御する。また、CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているシステムプログラムをはじめとする各種処理プログラムを読み出してRAM上に展開し、後述する各種処理を実行する。
【0048】
RAMは、揮発性のメモリであり、コンソール制御部13のCPUにより実行制御される各種処理において、ROMから読み出されてCPUで実行可能な各種プログラム、入力もしくは出力データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0049】
ROMは、例えば、不揮発性のメモリであり、CPUで実行されるシステムプログラム、システムプログラムに対応する各種プログラムなどを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0050】
また、ROMの代わりにハードディスクを用いてもよい。この場合、ハードディスクは、CPUで実行されるシステムプログラムと各種アプリケーションプログラムを記憶する。また、ハードディスクは、その一部もしくは全部をサーバ等の他の機器からネットワーク回線の伝送媒体を介してコンソール通信部14から、本発明のプログラムなどの各種アプリケーションプログラムを受信して記憶するようにしてもよい。更に、CPUは、ネットワーク上に設けられたサーバのハードディスクなどの記憶装置から本発明のプログラム等の各種アプリケーションプログラムを受信し、RAM上に展開して、本発明の処理などの各種処理をするようにしてもよい。
【0051】
表示制御部11は、コンソール制御部13の制御に基づいて、画像データや文字データなどに基づいて、表示部3が画像や文字などを表示するように制御する。表示制御部11には、グラフィックボード等を用いることができる。
【0052】
コンソール通信部14は、X線源4及び無線中継器6にそれぞれ通信ケーブルを介して接続されており、コンソール通信部14が無線中継器6を介してカセッテ5と通信可能である。コンソール通信部14は、指示内容に基づいた制御信号をアナログ通信又はデジタル通信によりX線源4及びカセッテ5に送信可能である一方、カセッテ5からのX線画像データを受信可能である。
【0053】
コンソール通信部14とX線源4及び無線中継器6を接続している通信ケーブルは、着脱可能である。通信ケーブルが接続されているときは、画像転送が高速に行えるのでX線撮影によるX線画像取得、X線画像処理、X線画像確認等をより短時間で行うことが可能である。
【0054】
画像処理部15は、コンソール通信部14がカセッテ5から受信したX線画像データを画像処理する。画像処理部15では、指示内容に基づいてX線画像データの補正処理、拡大圧縮処理、空間フィルタリング処理、リカーシブ処理、階調処理、散乱線補正処理、グリッド補正処理、周波数強調処理、ダイナミックレンジ(DR)圧縮処理等の画像処理が行われる。
【0055】
画像保存部16は、コンソール通信部14がカセッテ5から受信したX線画像データの一時保存や、画像処理されたX線画像データの保存を行う。画像保存部16としては、大容量かつ高速の記憶装置であるハードディスク、RAID(Redundant Array of Independent Disks)等のハードディスクアレー、シリコンディスク等を用いることが可能である。
【0056】
コンソール電源部17は、AC電源等の外部電源(図示せず)、又は、バッテリー、電池等の内部電源(図示せず)から電力を供給されており、コンソール1を構成する各部に電力を供給している。コンソール電源部17の外部電源は、着脱可能である。コンソール電源部17が外部電源より電力を供給されるときは、充電の必要がないため長時間撮影を行うことが可能である。
【0057】
ネットワーク通信部18は、LAN(Local Area Network)によりコンソール1と外部装置との間で各種情報の通信を行うものである。外部装置としては、例えば、HIS/RIS(Hospital Information System/Radiology Information System:病院内情報システム/放射線科情報システム)端末71、イメージャ72、画像処理装置73、ビューワ74、ファイルサーバ75等を接続することが可能である。ネットワーク通信部18は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)等所定のプロトコルに従ってX線画像データを外部装置に出力する。
【0058】
HIS/RIS端末71は、HIS/RISから、被写体の情報や撮影部位及び撮影方法などを取得し、コンソール1に提供する。イメージャ72は、コンソール1から出力されたX線画像データに基づいてX線画像をフィルムなどの画像記録媒体に記録する。画像処理装置73は、コンソール1から出力されたX線画像データの画像処理やCAD(Computer Aided Diagnosis:コンピュータ診断支援)のための処理をして、ファイルサーバ75に保存する。ビューワ74は、コンソール1から出力されたX線画像データに基づいてX線画像を表示する。ファイルサーバ75は、処理画像処理されたX線画像データを保存するファイルサーバである。ネットワーク通信部18は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)等所定のプロトコルに従ってX線画像データを外部装置に出力する。
【0059】
なお、本実施形態では、表示制御部11とコンソール制御部13とが別体に設けられた例であるが、表示制御部11とコンソール制御部13とが一体であってもよい。例えば、コンソール制御部13としてCPU及びメモリが搭載されているマザーボードを用い、表示制御部11としてこのマザーボードに内蔵されたグラフィックサブシステムを用いることが挙げられる。また、コンソール制御部13が表示制御部11を兼ねても良い。また、本実施形態では、画像処理部15は、コンソール制御部13と別体であるが、コンソール制御部13が画像処理部15を兼ねても良い。
【0060】
X線撮影室R1には、被写体にX線を照射するX線源4と、被写体に照射されたX線を検出してX線画像データを取得するカセッテ5とが設置されている。本実施形態において、X線撮影室R1はX線源4のX線が当該X線撮影室R1の外部に漏出しないようにX線遮蔽部材で覆われた室となっており、またカセッテ5は携帯可能なもので、X線撮影室R1の外部にも持ち出せるようになっている。
【0061】
さらに、X線撮影室R1には、無線中継器6が設置されている。無線中継器6は、カセッテ5との間で無線通信をする。そのため、カセッテ5と無線中継器6との間の通信においては、通信用のケーブルが不要であり、X線撮影時において当該ケーブルが被写体に絡みつかないように注意を払いながらカセッテ5を取り扱うといった事態を回避することができる。
【0062】
また、無線中継器6はコンソール1と通信ケーブルを介して通信する。そして、無線中継器6を介して、カセッテ5が取得したX線画像データがコンソール1に送信され、又、コンソール1とカセッテ5の間で制御信号や各種情報が通信される。
【0063】
このように、本実施形態では、X線撮影室R1の内部にカセッテ5と無線中継器6とが、その外部(X線制御室R2)にコンソール1が設置された構成となっており、カセッテ5と無線中継器6との通信はX線撮影室R1のX線遮蔽部材の影響を受けずにその内部で良好におこなうことができ、他方、無線中継器6とコンソール1との通信はX線撮影室R1の内外で良好におこなうことができるようになっている。
また、無線中継器6は、カセッテ5の未使用時におけるホルダの機能を具備していてもよい。
【0064】
なお、上記では、コンソール1はX線制御室R2に設置されている旨記載したが、コンソール1は無線通信可能な携帯端末であってもよい。この場合、X線制御室R2にも無線中継器を設置し、コンソール通信部14がX線撮影室R1の無線中継器6ともX線制御室R2の当該無線中継器とも無線通信可能とし、その結果、X線撮影室R1内でもX線制御室R2内でもカセッテ5と通信できることが好ましい。
【0065】
これにより、撮影者は、従来のようにX線制御室R2内だけでなく、X線撮影室R1内で撮影者に撮影位置等について指示をしながらコンソール1でX線画像を確認したり、X線画像データの画像処理を開始させたりすることができ、また、X線撮影室R1とX線制御室R2の間の移動時間でX線画像を確認したり、X線画像データの画像処理を開始させたりすることもでき、X線撮影からX線画像を確認するサイクルを繰り返すX線撮影全体のトータルの撮影効率を向上させることができる。
【0066】
X線源4には、高圧電圧を発生する高圧発生源41及び高圧発生源41により高圧電圧が印加されるとX線を発生するX線管42が配設されている。X線管42のX線照射口には、X線照射範囲を調整するX線絞り装置(図示せず)が設けられている。X線絞り装置は、コンソール1からの制御信号に従ってX線照射方向を制御するので、X線照射範囲が撮影領域に応じて調整される。
【0067】
さらに、X線源4には、X線源制御部43が配設されており、高圧発生源41及びX線管42は、X線源制御部43とそれぞれ接続されている。X線源制御部43は、コンソール通信部14から送信された制御信号に基づいて、X線源4の各部を駆動制御する。すなわち、高圧発生源41、X線管42を制御する。
【0068】
放射線画像撮影用カセッテとしてのカセッテ5には、X線源4から被写体を透過したX線が入射する。カセッテ5は、X線撮影前に、被写体の所望の位置にX線が透過するように操作者により位置を調整される。
【0069】
カセッテ5には、内部電源部51、カセッテ通信部52、カセッテ制御部53、パネル54が配設されている。内部電源部51、カセッテ通信部52、カセッテ制御部53、パネル54は、それぞれカセッテ5内のバスに接続されている。
【0070】
内部電源部51は、カセッテ5内に配設された各部に電力を供給するもので、具体的には燃料電池510を有する(図5参照,これについては後述
する。)。また、内部電源部51は、燃料電池510により充電可能で燃料電池510の非稼動状態の際に電力を供給する第二電源を有することが好ましい。当該第二電源としては、コンデンサや二次電池が挙げられ、特に電解二重層コンデンサが好ましい。当該第二電源の容量は、撮影効率の観点から、最大サイズのX線画像を連続して撮影可能な枚数で換算して、4枚以上(特に7枚以上)であることが好ましい。また、内部電源部51の容量は、小型化・軽量化・低コスト化の観点から、最大サイズのX線画像を連続して撮影可能な枚数で換算して、100枚以下(特に50枚以下)であることが好ましい。
【0071】
カセッテ通信部52は、無線中継器6を介してコンソール通信部14と無線通信が可能なように構成されており、カセッテ通信部52とコンソール通信部14との間で信号を送受信したり、カセッテ通信部52からコンソール通信部14にX線画像データを送信したりすることが可能である。
【0072】
カセッテ制御部53は、カセッテ通信部52が受信した制御信号に基づいて、カセッテ5に配設された各部を制御する。
【0073】
パネル54は、被写体を透過したX線に基づいてX線画像データを生成して出力する。また、本実施形態のパネル54は、間接型フラットパネルディテクタ(FPD:Flat Panel Detector)である。
【0074】
図2にカセッテ5の概略構成を示す斜視図を、図3にパネル54を中心としたカセッテ5の断面図を示す。なお、本実施形態では、図2及び図3に示した例を説明するが、これに限定されず、シンチレータの厚さや種類が異なるものや、撮像領域の面積であるパネルの面積が異なるものを用いることも適用可能である。シンチレータの厚さが厚いほど感度が高くなり、シンチレータの厚さが薄いほど空間分解能が高くなる。また、シンチレータの種類によって分光感度が異なる。
【0075】
パネル54には、被写体を透過したX線を検出し、検出したX線を可視領域の蛍光(以下「可視光」と称す)に変換するシンチレータ541が層状に設けられている。
【0076】
シンチレータ541は、蛍光体を主たる成分としている。シンチレータ541は、照射されたX線により蛍光体の母体物質が励起(吸収)し、その再結合エネルギーにより可視光を発光する層である。この蛍光体としては、例えば、CaWO、CdWO等の母体物質により蛍光を発光するものや、CsI:Tl、ZnS:Ag等の母体物質内に付加された発光中心物質により蛍光を発光するものなどが挙げられる。
【0077】
シンチレータ541の上層には保護層540が設けられている。保護層540はシンチレータ541を保護するもので、シンチレータ541の上部及び側縁部を完全に覆っている。保護層540としては、シンチレータ541の防湿保護の効果を有するものであればいずれの材料を用いてもよい。そして、シンチレータ541として、吸湿性を有する蛍光体(特に、アルカリハライド、更に、アルカリハライドからなる柱状結晶蛍光体)が用いられる場合、例えばUSP 6469305号において開示された、CVD法によって形成されたポリパラキシリレン製有機膜や、ポリシラザン、ポリシロキサザンなどのシラザン又はシロキサザンタイプのポリマー化合物を含むポリマーから形成される有機膜や、プラズマ重合法によって形成された有機膜などの防湿性有機膜を用いることが好ましい。
【0078】
シンチレータ541の下層には、アモルファスシリコンにより形成された光検出器542が積層して延在しており、この光検出器542によりシンチレータ541から発光する可視光が電気エネルギーに変換されて出力される。
【0079】
そして、パネル54は、X線画像による診断の診断性の観点から、1000×1000画素以上(特に2000×2000画素以上)の画素で構成されていることが好ましい。また、パネル54は、人の視認限界とX線画像の画像処理速度の観点から、1万×1万画素以下(特に6000×6000画素以下)の画素で構成されていることが好ましい。
【0080】
また、パネル54の撮影領域のサイズは、X線画像による診断の診断性の観点から、10cm×10cm以上(特に、20cm×20cm以上)の面積であることが好ましい。また、パネル54の撮影領域のサイズは、カセッテ5としての取り扱いやすさの観点から、70cm×70cm以下(特に50cm×50cm以下)の面積が好ましい。
【0081】
また、パネル54の一画素のサイズは、X線被爆量低減の観点から40μm×40μm以上(特に70μm×70μm以上)のサイズが好ましい。また、パネル54の一画素のサイズは、X線画像による診断の診断性の観点から200μm×200μm以下(特に160μm×160μm以下)が好ましい。
【0082】
本実施形態では、パネル54が4096×3072の画素から構成されており、撮影領域の面積が430mm×320mmであり、1画素のサイズが105μm×105μmとなっている。
【0083】
ここで、光検出器542を中心とした回路構成について説明する。
【0084】
図4に示すように、光検出器542には、照射されたX線の強度に応じて蓄積された電気エネルギーを読み出すための収集電極5421が二次元配設されている。この収集電極5421には、コンデンサ5424の一方の電極とされて、電気エネルギーがコンデンサ5424に蓄えられるようになっている。ここで、1つの収集電極5421は、X線画像データの1画素に対応するものである。
【0085】
互いに隣接する収集電極5421の間には、走査線5422と信号線5423とが配設されている。走査線5422と信号線5423とは、直交している。
【0086】
コンデンサ5424には、電気エネルギーの蓄電及び読み取りを制御するスイッチング薄膜トランジスタ5425(TFT:Thin Film Transistor、以下単に「トランジスタ」と称す)が接続される。トランジスタ5425は、ドレイン電極あるいはソース電極が収集電極5421に接続されるとともに、ゲート電極は走査線5422に接続される。ドレイン電極が走査線5422に接続されるときには、ソース電極が信号線5423に接続され、ソース電極が収集電極5421に接続されるときには、ドレイン電極が信号線5423に接続される。また、パネル54では、信号線5423に、例えばドレイン電極が接続された初期化用のトランジスタ5427が設けられている。このトランジスタ5427のソース電極は接地されている。また、ゲート電極はリセット線5426と接続される。
なお、トランジスタ5425とトランジスタ5427は、シリコン積層構造あるいは有機半導体で構成されていることが好ましい。
【0087】
また、走査駆動回路543には、走査駆動回路543からリセット信号RTが送信されるリセット線5426が、信号線5423と直交して接続されている。
リセット線5426には、リセット信号RTによりオン状態となる初期化用トランジスタ5427のゲート電極が接続されている。初期化用トランジスタ5427は、ゲート電極がリセット線5426に接続されるとともに、ドレイン電極が信号線5423と接続され、ソース電極が接地されている。ソース電極が信号線5423に接続されるときには、ドレイン電極が接地されている。
【0088】
走査駆動回路543からリセット信号RTを供給して初期化用トランジスタ5427をオン状態とするとともに、走査駆動回路543から読み出し信号RSを供給してトランジスタ5425をオン状態とすると、コンデンサ5424に蓄積された電気エネルギーがトランジスタ5425を介して光検出器542外に放出される。以下、リセット信号RTが供給されてコンデンサ5424に蓄積された電気エネルギーが光検出器542外に放出されることを、光検出器542のリセット(初期化)と称する。
【0089】
また、走査線5422には、走査線5422に読み出し信号RSを供給する走査駆動回路543が接続されている。読み出し信号RSが供給された走査線5422に接続されているトランジスタ5425は、オン状態となり、トランジスタ5425と接続するコンデンサ5424に蓄積された電気エネルギーを読み出して信号線5423に供給する。すなわち、トランジスタ5425を駆動することで、X線画像データの画素毎の信号を生成することができる。
【0090】
信号線5423には、信号読取回路544が接続される。この信号読取回路544には、コンデンサ5424に蓄電されてから信号線5423に読み出された電気エネルギーが供給される。信号読取回路544には、信号読取回路544に供給された電気エネルギー量に比例する電圧信号SVをA/D変換器5442に供給する信号変換器5441と、信号変換器5441からの電圧信号SVをデジタル信号に変換してデータ変換部545に供給するA/D変換器5442とが設けられている。
【0091】
信号読取回路544には、データ変換部545が接続されている。このデータ変換部545は、信号読取回路544から供給されたデジタル信号に基づいてX線画像データを生成する。
【0092】
高分解能のX線画像データが必要でないときやX線画像データを速く取得したいときには、操作者が選択した撮影方法に応じて、コンソール制御部13は、受信した間引き、画素平均、領域抽出などの制御信号がカセッテ制御部53に送信する。カセッテ制御部53は、受信した間引き、画素平均、領域抽出などの制御信号に応じて、以下の間引き、画素平均、領域抽出などを実行するように制御する。
【0093】
間引きは、奇数列又は偶数列のみ読み出すことにより、読み出す画素数を全画素数の1/4に間引いたり、同様にして1/9、1/16などに間引いたりすることにより行われる。なお、間引きの方法は、この方法に限られるものではない。
【0094】
また、画素平均は、同時に複数の走査線5422を駆動し、同じ列方向の2画素のアナログ加算を行うことにより算出することが可能である。画素平均は、2画素の加算により算出することに限らず、列信号配線方向の複数画素のアナログ加算を行うことにより容易に得ることができる。更に、行方向の加算については、A/D変換出力後に隣り合う画素をデジタル加算することにより、上述のアナログ加算と合わせて、2×2等の正方形画素の加算値を得ることができる。これらによって、照射されたX線を無駄にすることなく、高速にデータを読み出すことが可能である。
【0095】
また、領域抽出は、X線画像データの取込領域を制限する手段がある。これは、撮影方法の指示内容などから必要なX線画像データの取得領域を特定し、この特定された取得領域に基づいてカセッテ制御部53が走査駆動回路543のデータ取込範囲を変更し、この変更した取込範囲をパネル54が駆動するものである。
【0096】
データ変換部545には、メモリ546が接続されている。このメモリ546は、データ変換部545により生成されたX線画像データを保存する。また、メモリ546には、予めゲイン補正用データが保存される。
【0097】
メモリ546は、RAM(Random Access Memory)及び不揮発性メモリにより構成される。このメモリ546は、データ変換部545により逐次生成されたX線画像データをRAMに逐次書き込みをした後に不揮発性メモリに一括書き込みすることができる。不揮発性メモリは、EEPROM、フラッシュメモリ等のメモリ部品2つ以上により構成されており、このメモリ部品の一方を消去している間に他方に書き込みをすることができる。
【0098】
メモリ546の容量は、撮影の効率性の観点から、最大データサイズの画像の保存できる画像数で換算して、4以上(特に10以上)が好ましい。また、メモリ546の容量は、低コスト化の観点から、最大データサイズの画像の保存できる画像数で換算して、1000以下(特に100以下)が好ましい。
【0099】
光検出器542の下層には、ガラス基板により形成された平板上の支持体547が設けられ、支持体547により保護層540、シンチレータ541及び光検出器542の積層構造が支持されている。パネル54では、シンチレータ541は上部及び側縁部が保護層540で、下部が支持体547で完全に覆われた構成を有している。そのため、後述する内部電源部51としての燃料電池510で発生する水蒸気が保護層540と支持体547とで遮断され、シンチレータ541が水分で劣化するのを防止することができるようになっている。
【0100】
上述のように、カセッテ5は、内部電源部51からの電力で駆動し、可搬型のケーブルレスであり、カセッテ通信部52とコンソール通信部14とが無線通信を介して通信するので、コンソール1との連動性を維持しつつ、操作性が良く、撮影効率を向上させることができる。
【0101】
支持体547の下面には、X線量センサ548が設けられている。X線量センサ548は、光検出器542を透過したX線量を検出し、X線量が所定量に達すると、所定X線量信号をカセッテ制御部53に送信する。また、本実施形態では、X線量センサ548として、アモルファスシリコン受光素子を用いている。だが、X線量センサは、これに限られず、結晶シリコンによる受光素子等を用いて直接X線を検出するX線センサや、シンチレータにより蛍光を検出するセンサを用いてもよい。
【0102】
本実施形態では、以上の構成を具備するパネル54(シンチレータ541、光検出器542、走査駆動回路543、信号読取回路544、データ変換部545、メモリ546、X線量センサ548等を含むもの)が被写体のX線画像を生成する「放射線撮像パネル」として機能するものとなっている。
【0103】
次に、内部電源部51の具体的な構成とその作用について説明する。
【0104】
図5に示すように、カセッテ5の側部には把手55が設けられており、把手55の中央部に内部電源部51として機能する燃料電池510が設けられている。燃料電池510は燃料ユニット511を着脱可能な2つの燃料ユニット装着部515と発電部512とを有している。
【0105】
燃料ユニット511は、発電源としての燃料(メタノールと水との混合物)が貯留された燃料タンク511aと、発電時に生成される水を貯留する水タンク511bとを有している。各燃料ユニット511は互いに別々に燃料ユニット装着部515に対し交換自在(着脱自在)となっており、2つの燃料ユニット装着部515に装着された燃料ユニット511の燃料タンク511aから各々燃料を発電部512に供給することができるようになっている。
【0106】
発電部512は把手55に内蔵されており、2つの燃料ユニット装着部515の間に配置されている。当該発電部512は、具体的には、アノード(燃料極)、カソード(空気極)及び固体高分子膜を有し、固体高分子膜がアノードとカソードとの間に配置された構成を有している。
【0107】
把手55の発電部512に対応する位置には当該発電部512に連通する排気口513が設けられている。排気口513は、発電部512で発生する熱と発電部512で生成された二酸化炭素及び水蒸気とを大気中に排気するものである。
【0108】
把手55の2つの基端部には送風部としてのマイクロファン514がそれぞれ設けられている。マイクロファン514は、主にはカセッテ5の内部の空気(酸素)を発電部512に供給するものであるが、パネル54と把手55との間の位置に介在しているため、酸素の供給と同時に、パネル54で発生する熱をも発電部512に供給するようになっている。
【0109】
そのため、カセッテ5では、パネル54で発生する熱が上記式(1),(2)の各反応に利用され、発電部512の発電効率を向上させることができる。更には、発電部512で発生する熱と水蒸気が排気口513から排気されるように発電部512に向けて送風されるから、パネル54において温度分布にムラが発生するのが抑えられ、シンチレータ541における感度ムラの発生を抑えることができ、また、水蒸気の悪影響を抑えられ、結果的に良好なX線画像を得ることができ、また、シンチレータ541の劣化や回路などの電気部品の劣化も抑えられる。
【0110】
以上の構成を具備する燃料電池510は、カセッテ5の設置状態とは無関係に、各燃料ユニット511から発電部512に燃料を供給可能でかつ発電部512で発電可能な構成を有している。
【0111】
そして、当該燃料電池510において発電部512で発電が行われる場合には、燃料タンク511aから発電部512のアノードに燃料が供給され、当該アノードで下記式(1)に従う反応が起こる。
CHOH+HO→CO+6H+6e … (1)
上記式(1)の反応で生成された二酸化炭素は副産物として排気口513から大気中に排気され、水素イオンは固体高分子膜を透過してカソードに移動し、電子は取り出されてカセッテ5の各部位に供給される電力源となる。
【0112】
他方、カソードでは、固体高分子膜を透過した水素イオンとマイクロファン514から供給された酸素とが供給され、下記式(2)に従う反応が起こる。
+4H+4e→2HO … (2)
上記式(2)の反応で生成された水は副産物として燃料ユニット511の水タンク511bに貯留される。このような作用により、内部電源部51としての燃料電池510からカセッテ5のカセッテ通信部52、カセッテ制御部53、パネル54等に電力が供給されるようになっている。
【0113】
なお、ここでは、燃料電池510を把手55に設けた例を示したが、図6に示すように、燃料電池510をカセッテ5の側部に直接設けて発電部512の背面側にマイクロファン514を設ける構成としてもよい。また、図5及び図6に示す燃料電池510の構成において、燃料ユニット511の数を適宜変更してもよく、各燃料ユニット511を燃料タンク511aのみから構成して(水タンク511bを無くして)上記式(2)の反応で生成された副産物の水を水蒸気として大気中に排気するような構成としてもよいし、各燃料タンク511aに注入口を設けて当該注入口から燃料を逐次供給することができるような構成としてもよい。
【0114】
次に、本発明の第一の実施形態によるX線画像撮影システム1000による動作について説明する。
【0115】
コンソール制御部13から撮影準備指示信号を受信するまで、走査駆動回路543をオフ状態に保つ。オフ状態に保つために、走査線5422、信号線5423、リセット線5426の電位を同電位にし、収集電極5421にバイアスを印加しない。また、信号読取回路544の電源をオフ状態に保ち、走査線5422、信号線5423、リセット線5426の電位をGND電位にしてもよい。
【0116】
走査駆動回路543及び信号読取回路544にバイアスが印加されていない状態には、撮影待機モードとスリープモードとがある。
なお、撮影待機モードでは、フォトダイオードへバイアス電位を印加しないだけでなく、走査駆動回路543及び信号読取回路544は立ち上がりが早いので、走査駆動回路543及び信号読取回路544にも電力供給をしないことが、電力消費を更に抑えることができ好ましい。更に、撮影待機モードでは、信号が発生しないので、データ変換部545にも電力供給しないことが、電力消費を更に抑えることができ好ましい。
【0117】
また、撮影待機モードよりも更に消費電力の少ないスリープモードを設けることが好ましい。そして、撮影済み画像をコンソール1に完全に送信後、スリープモードに移行することが好ましい。そして、スリープモードでは、コンソール1から指示により撮影待機モードへ立ち上がるのに必要な機能のみ残して、カセッテ通信部52の高速送信機能又は送信機能全体やメモリへの電力供給を停止することが好ましい。すなわち、スリープモードでは、フォトダイオードへのバイアス電位を印加せず、走査駆動回路543、信号読取回路544、データ変換部545、メモリ546、及びカセッテ通信部52の高速送信機能又は送信機能全体に電力供給しないことが好ましい。
【0118】
このように、単位時間当たりの消費電力が撮影可能状態より低い撮影待機モードとスリープモード制御下の状態では、走査線5422、信号線5423、リセット線5426の電位を同電位にし、収集電極5421にバイアスを印加しない状態、すなわち、複数の画素に電圧が実質的に印加されない状態であるので、PDやTFTに電圧が実質的に印可されることにより劣化、すなわち、複数の画素の劣化を抑えることができる。また、無駄な電力の消費も抑えられる。
【0119】
そして、例えば、X線照射スイッチの1stスイッチがONされたり、操作入力部2を介して、被写体情報や撮影情報等、所定の項目が入力されるなどの入力部12が撮影のための指示内容を受信したり、また、HIS/RIS71からオーダ情報を受信したりすると、コンソール制御部13は、操作者の指示内容やHIS/RIS71などからのオーダ情報に基づいて撮影条件を決定し、この撮影条件に基づいた撮影準備指示信号を、X線源制御部43及びカセッテ制御部53にコンソール通信部14を介して送信し、撮影可能状態に移行させる。
【0120】
X線源制御部43は、撮影準備指示信号を受信すると、高圧発生源41を駆動制御して、X線管42に高圧を印加する状態に移行させる。
【0121】
カセッテ制御部53は、撮影準備指示信号を受信すると、撮影可能状態に移行する。すなわち、撮影可能状態において撮影指示が入力されるまで全ての画素のリセットを所定間隔で繰り返し、暗電流によりコンデンサ5424に電気エネルギーが蓄積されることを防止する。撮影可能状態が継続する時間は不明なため、この所定間隔は、撮影時よりも長く、また、トランジスタ5425のオン時間が撮影時よりも短く設定される。これにより撮影可能状態では、トランジスタ5425に負荷のかかる読み出し動作が少なくなる。そして、撮影可能状態に移行した後、カセッテ制御部53は、コンソール1に撮影可能状態移行信号を送信する。コンソール制御部13は、撮影可能状態移行信号を受信すると、表示部3がカセッテ5が撮影可能状態に移行した旨のカセッテ撮影可能状態表示をするように表示制御部11を制御する。
【0122】
撮影指示がコンソール制御部13に入力されると、コンソール制御部13は、操作者の指示内容やHIS/RIS71などからのオーダ情報に基づいて撮影条件を決定し、この撮影条件に関する撮影条件情報を、X線源制御部43及びカセッテ制御部53にコンソール通信部14を介して送信する。
【0123】
コンソール制御部13は、例えばX線照射スイッチの2ndスイッチONなどの操作者からのX線照射指示を受けると、撮影指示信号をカセッテ5のカセッテ制御部53に送信する。そして、コンソール制御部13にX線照射指示が入力された後、コンソール制御部13は、X線源4とカセッテ5とを制御し、同期を取りながら撮影をする。
【0124】
カセッテ制御部53は、撮影指示信号を受信すると、パネル54を初期化し、パネル54が電気エネルギーを蓄積することができる状態に移行する。具体的には、リフレッシュを行い、そして、撮像シーケンスの為の専用の全画素のリセットを所定回数および電気エネルギー蓄積状態専用の全画素のリセットを行って電気エネルギー蓄積状態に遷移する。曝射要求から撮影準備完了までの期間は所定時間が短いことが実使用上要求されるので、そのために撮像シーケンス専用の全画素のリセットを行う。さらに、撮影可能状態の駆動のいかなる状態からも曝射要求が発生した場合は、即時撮像シーケンス駆動に入ることにより曝射要求から撮影準備完了までの期間を短くすることにより、操作性の向上を図る。
【0125】
パネル54が電気エネルギーを蓄積できる状態に移行すると、カセッテ制御部53は、コンソール通信部14にカセッテ5の準備終了信号を送信する。コンソール通信部14は、この準備終了信号を受信すると、コンソール制御部13にカセッテ5の準備終了信号を伝達する。
【0126】
コンソール制御部13は、このカセッテの準備終了信号を受信した状態で、かつ、X線照射指示を受けた状態になると、X線照射信号をX線源4に送信する。X線源制御部43は、X線照射信号を受信すると、高圧発生源41を駆動制御してX線管42に高圧を印加し、X線源4からX線を発生させる。X線源4から発生したX線は、X線照射口に設けられたX線絞り装置によりX線照射範囲を調整され、被写体を照射する。
また、コンソール制御部13は、X線撮影中である旨のX線撮影中表示をするように表示制御部11を制御する。
【0127】
被写体を透過したX線は、カセッテ5に入射する。このカセッテ5に入射したX線は、シンチレータ541によって可視光に変換される。
【0128】
カセッテ5を照射したX線量は、X線量センサ548により検出される。そのX線照射量が所定量に達すると、X線量センサ548が所定X線量信号をカセッテ制御部53に送信する。カセッテ制御部53は所定X線量信号を受信すると、無線中継器6を介してコンソール通信部14にX線終了信号を送信する。コンソール通信部14は、このX線終了信号を受信すると、コンソール制御部13にX線終了信号を伝達するとともに、X線源制御部43にX線照射停止信号を送信する。X線源制御部43は、このX線照射停止信号を受信すると、高圧発生源41を駆動制御し、高圧発生源41がX線管42への高圧の印加を停止する。これによりX線の発生が停止する。
【0129】
カセッテ制御部53は、X線照射終了信号を送信すると、X線照射終了信号に基づいて走査駆動回路543と信号読取回路544とを駆動制御する。走査駆動回路543は、光検出器542が取得した電気エネルギーを読み出し、取得した電気エネルギーを信号読取回路544に入力する。信号読取回路544は、入力された電気エネルギーをデジタル信号に変換する。そして、データ変換部545は、デジタル信号をX線画像データに構成する。メモリ546は、データ変換部545により構成されたX線画像データを一時保存する。
【0130】
続いてカセッテ制御部53は、X線画像データを取得した後に、補正用画像データを取得する。補正用画像データは、X線照射をしない暗画像データであり、高品質のX線画像を取得するためにX線画像の補正に使用するものである。補正用画像データの取得方法は、X線を照射しない点以外は、X線画像データの取得方法と同じである。電気エネルギー蓄積時間は、X線画像データを取得するときと補正用画像データを取得するときとで等しくなるように設定する。ここで、電気エネルギー蓄積時間とは、リセット動作が完了したとき、即ちリセット時のトランジスタ5425をオフにしてから、次に電気エネルギー読み出しを行うためにトランジスタ5425をオンにするまでの時間である。よって、各走査線5422により電気エネルギー蓄積が始まるタイミングや電気エネルギー蓄積時間が異なる。
【0131】
データ変換部545は、構成したX線画像データを、取得した補正用画像データに基づいてオフセット補正し、続いて、予め取得してメモリ546に保存されているゲイン補正用データに基づいてゲイン補正する。そして、不感画素や複数の小パネルで構成されたパネルの場合、小パネルのつなぎ目部などに違和感を生じないように画像を連続的に補間して、パネルに由来する補正処理を完了する。本実施形態では、データ変換部545は、カセッテ制御部53と別体であるが、カセッテ制御部53がデータ変換部545を兼ねても良い。
【0132】
カセッテ制御部53は、メモリ546に一時保存されたX線画像データを、カセッテ通信部52、無線中継器6、コンソール通信部14を介して画像保存部16に送信し、画像保存部16にて一時保存する。無線中継器6とコンソール通信部14とは通信ケーブルで接続されているので、X線画像データは無線中継器6からコンソール通信部14に高速で転送される。
【0133】
このように、カセッテ5は内部電源部51から電力の供給を受けて機能するメモリ546を備え、パネル54により得られ、カセッテ通信部52により送信されるX線画像データを一時的に保存するので、パネル54からのデータ生成と、カセッテ5とコンソール1との通信との間のアキュームレータとして機能し、X線画像データを、カセッテ5とコンソール1との通信状態に応じて、カセッテ5からコンソール1に転送することができる。特に、メモリ546がRAMであるので、パネル54からのデータ生成速度が高くても良好にデータ保存できる。
【0134】
コンソール制御部13は、X線画像データを受信すると、画像保存部16に一時保存する。そして、コンソール制御部13は、画像処理部15が画像保存部16に一時保存したX線画像データからサムネイル画像データを作成するように制御する。表示制御部11は、作成されたサムネイル画像データに基づいて、表示部3がサムネイル画像を表示するように制御する。
【0135】
その後、画像処理部15は、X線画像データを操作者の指示内容やHIS/RIS71などからのオーダ情報に基づいて画像処理する。この画像処理されたX線画像データは、表示部3にX線画像として表示されると同時に画像保存部16に送信され、X線画像データとして保存される。さらに、操作者の指示に基づいて、画像処理部15はX線画像データを再画像処理し、X線画像データの画像処理結果は表示部3にX線画像として表示される。
【0136】
また、ネットワーク通信部18は、X線画像データをネットワーク上の外部装置であるイメージャ72、画像処理端末73、ビューワ74、ファイルサーバ75等に転送する。コンソール1からX線画像データが転送されると転送された外部装置は対応して機能する。すなわち、イメージャ72は、このX線画像データをフィルムなどの画像記録媒体に記録する。画像処理端末73は、このX線画像データの画像処理やCAD(Computer Aided Diagnosis:コンピュータ診断支援)のための処理をし、ファイルサーバ75に保存する。ビューワ74は、このX線画像データに基づいてX線画像を表示する。ファイルサーバ75は、このX線画像データを保存する。
【0137】
このように、コンソール制御部13は、カセッテ5の電力供給の状態を示す電力供給状態情報を用いて制御できるので、良好な撮影を制御でき、かつ、撮影効率を向上させることができる。また、電力供給状態情報に応じて表示部3に表示させることができるので、カセッテ5が直ちにX線撮影を行えるか否かを操作者が判断して、例えば、他のカセッテやモダリティでの撮影を先にする、後にするなどして、撮影効率を向上させることができる。
【0138】
なお、上記で説明したX線画像撮影システム1000の稼働時においては、カセッテ5のカセッテ制御部53が燃料電池510からの電力の供給状態を常に監視・把握しており、その電力供給状態情報をカセッテ通信部52からコンソール1に送信している。そしてコンソール1において、当該電力供給状態情報をコンソール通信部14が受信すると、コンソール制御部13が、当該電力供給状態情報に基づく燃料電池510の電力の供給状態に関する表示(画像、文字、図形、記号等のいずれの形態の表示であってもよい。)を表示部3に適宜表示させるように表示制御部11を制御している。
【0139】
この構成により、X線画像撮影システム1000では、その稼動中において、カセッテ5における燃料電池510の電力の供給状態に関する表示が常に表示部3に表示できるようになっており、操作者が、燃料電池510の電力の供給状態を確認でき、X線撮影が直ぐにおこなえるのか否かを瞬時に判断することができるようになっている。この場合、X線撮影を直ぐにおこなえる場合にはX線撮影を直ぐに開始することができるし、他方、X線撮影を直ぐにおこなえない場合にはX線撮影がおこなえるようになるまでの間に他の操作をおこなうことができ、結果的にX線撮影からX線画像を確認するサイクルを繰り返すX線撮影全体のトータルの撮影効率を向上させることができる。
【0140】
また、上記で説明したX線画像撮影システム1000の稼働時においては、カセッテ5のカセッテ制御部53が第二電源からの電力の供給状態を常に監視・把握して、その第二電源電力供給状態情報をカセッテ通信部52からコンソール1に送信するようにしてもよい。そして、この場合、コンソール1において、当該第二電源電力供給状態情報をコンソール通信部14が受信すると、コンソール制御部13が当該第二電源電力供給状態情報に基づく第二電源の電力の供給状態に関する表示(画像、文字、図形、記号等のいずれの形態の表示であってもよい。)を表示部3に表示させるように表示制御部11を制御することが好ましい。
【0141】
なお、表示部3への表示は、電力の供給状態が不良になった時だけ表示することが好ましい。また、第二電源電力供給状態情報も受信できる場合、燃料電池510の電力供給状態情報と第二電源電力供給状態情報の両者から、いずれかの電源からの電力供給でX線撮影を直ぐにおこなえる状態か否かコンソール制御部13が判断し(又はカセッテ制御部53がその判断をしてその判断結果の情報を電力供給状態情報として送信し、コンソール制御部13がこれを受信し)、いずれかの電源からの電力供給でX線撮影を直ぐにおこなえない状態の場合に、その旨を表示部3が表示するように、コンソール制御部13が制御することが好ましい。
【0142】
この構成により、X線画像撮影システム1000では、その稼動中において、カセッテ5における電力の供給状態に関する表示が常に表示部3に表示できるようになっており、操作者が、カセッテ5における電力の供給状態を確認でき、X線撮影が直ぐにおこなえるのか否かを瞬時に判断することができるようになっている。この場合、X線撮影を直ぐにおこなえる場合にはX線撮影を直ぐに開始することができるし、他方、X線撮影を直ぐにおこなえない場合にはX線撮影がおこなえるようになるまでの間に他の操作をおこなうことができ、結果的にX線撮影からX線画像を確認するサイクルを繰り返すX線撮影全体のトータルの撮影効率を向上させることができる。
【0143】
以上の本実施形態では、カセッテ5がカセッテ通信部52、カセッテ制御部53、パネル54等への電力供給源として燃料電池510を備えるから、蓄電量の制約や充電時間の確保が必要なく、電力の供給が必要な場合には、その都度燃料ユニット511を交換して燃料を補充すれば電力の供給を迅速かつ十分におこなうことができる。
【0144】
特に、各燃料ユニット511が交換自在でかつ各燃料ユニット511の両方から発電部512に燃料を供給可能であるから、一方の燃料ユニット511の燃料がなくなってその燃料ユニット511を交換している間にも、他の燃料ユニット511から発電部512に燃料を供給することができ、燃料ユニット511の交換中においてもX線撮影とX線画像の生成とが可能である。
【0145】
更に、燃料電池510はカセッテ5の向きとは無関係に燃料ユニット511から発電部512に燃料を供給可能でかつ発電部512が発電可能な構成を有しているから、カセッテ5を傾けたり反転させたりした場合でも、当該燃料電池510からカセッテ5のカセッテ通信部52、カセッテ制御部53、パネル54等に電力を供給することができ、カセッテ5の設置状態に注意を払う必要なくX線撮影とX線画像の生成とが可能である。以上から、本実施形態では、X線撮影からX線画像を生成するまでのトータルの撮影効率を飛躍的に向上させることができる。
【0146】
なお、本実施形態では、パネル54が4096×3072画素を持つ1枚のパネルで構成された例を示したが、これに限定されず、例えば、パネル54が2048×1536画素を持つ4枚の小パネルで構成されたものを用いることもできる。このように複数枚の小パネルからパネルを構成した場合、4つの小パネルを組みあわせて1枚のパネルとする手間が発生するが、各パネルの歩留まりが向上するので、全体としても歩留まりが向上し低コスト化するという利点がある。
【0147】
さらに、本実施形態では、シンチレータ541と光検出器542とを用いて照射されたX線の電気エネルギーを読み出す例を示したが、これに限定されず、X線を電気エネルギーに直接変換できる光検出器を適用することが可能である。例えば、アモルファスSeやPbI2等を用いたX線電気エネルギー変換部とアモルファスシリコンTFT等とにより構成されたX線検出器を用いるようにしてもよい。
【0148】
また、本実施形態では、信号読取回路544に1つのA/D変換器5442が設けられた例を示したが、これに限定されず、複数のA/D変換器を適用することが可能である。
そして、A/D変換器の数は、画像読取時間を短くして所望のS/N比を得るために、4以上、特に8以上であることが好ましい。
また、A/D変換器の数は、低コスト化・小型化のために、64以下、特に32以下であることが好ましい。これにより、アナログ信号帯域及びA/D変換レートを不必要に大きくすることがない。
【0149】
また、本実施形態では、ガラスにより形成された支持体547の例を示したが、これに限定されず、樹脂や金属等によって形成された支持体を適用することが可能である。
【0150】
また、本実施形態では、カセッテ5とコンソール1とが1対1で対応させている例を示したが、これに限定されず、カセッテとコンソールとが1対M、N対1、N対M(N,Mは2以上の自然数)で対応させて用いることが可能である。このときには、カセッテ5とコンソール1間のネットワークを設け、カセッテ5とコンソール1との対応関係を対応関係情報保持部に保存し、対応関係情報保持部をネットワーク上またはコンソール1内に設け、コンソール1がカセッテ5を制御することが好ましい。
【0151】
また、本実施形態では、コンソール1及びカセッテ5のいずれにおいても、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記録した記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。また、プログラム等を記憶させる記憶媒体としては、不揮発性メモリ、電源バックアップされた揮発性メモリ、ROMメモリ、光ディスク、ハードディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク等の記憶媒体に記憶させるようにしてもよい。
【0152】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0153】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0154】
更に、このようなプログラムは、ネットワークや回線などを介して外部から提供されたものであってもよい。そして、外部から供給されるプログラムを使用する場合も、不揮発性メモリ、電源バックアップされた揮発性メモリ、光ディスク、ハードディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク等の記憶媒体に記憶されるようにしてもよい。
【0155】
[第二の実施形態]
続いて、図7を参照しながらX線画像撮影システムの第二の実施形態について説明する。
ただし、第二の実施形態では、上記第一の実施形態において操作入力部の構成が異なる(図7参照)。操作入力部は、X線照射スイッチと、X線源指示内容入力部と、コンソール指示内容入力部とにより構成され、X線照射スイッチとX線源指示内容入力部はX線源制御部と接続し、コンソール指示内容入力部はコンソールの入力部と接続している。また、コンソール通信部は、第一の実施形態と異なり、無線中継器と接続しているが、X線源制御部と接続していない。これ以外の構成は、上記第一の実施形態と同様である。
第二の実施形態では、操作入力部とX線源制御部とを中心とした説明を行い、上記第一の実施形態と同一の点は上記と同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0156】
図7に、第二の実施形態に係るX線画像撮影システム1000の概略構成を示す。
図7に示すように、操作入力部2には、操作者により撮影準備指示や撮影指示を入力するX線照射スイッチ21と、操作者により指示内容をX線源制御部43に入力するX線源指示内容入力部22と、操作者により指示内容をコンソール1に入力するコンソール指示内容入力部23とが設けられている。ここで、指示内容には、X線管電圧やX線管電流、X線照射時間等のX線撮影条件、撮影タイミング、撮影部位、撮影方法等のX線撮影制御条件、画像処理条件、画像出力条件、カセッテ選択情報、オーダ選択情報、被写体ID等がある。
【0157】
X線照射スイッチ21には、X線源制御部43及び入力部12がそれぞれ接続している。X線照射スイッチ21には、撮影準備指示を入力する第一スイッチと、撮影指示を入力する第二スイッチがあり、X線照射スイッチ21による指示がX線源制御部43及び入力部12に入力される。第一スイッチから入力後、第二スイッチから入力できる構造になっている。
【0158】
X線源指示内容入力部22には、X線源制御部43が接続している。X線源制御部43は、X線源指示内容入力部22より入力された指示内容に基づき、高圧発生源41及びX線管42を駆動制御する。
【0159】
コンソール指示内容入力部23には、入力部12が接続している。入力部12に入力された指示内容は、コンソール制御部13に送信される。コンソール制御部13は、受信した指示内容に基づき、コンソール1及びカセッテ5を駆動制御する。
【0160】
次に、本発明の第二の実施形態によるX線画像撮影システムによる動作について説明する。
【0161】
操作者は、X線照射スイッチ21の第一スイッチを押下して、撮影準備指示を入力する。X線源制御部43は、第一スイッチによる撮影準備指示に基づき、高圧発生源41を駆動制御してX線管42に高圧を印加する状態に移行させる。入力部12に入力された第一スイッチによる撮影準備指示に基づき、コンソール制御部13は、コンソール通信部14及び無線中継器6を介してカセッテ5に撮影準備指示を送信する。カセッテ制御部53は、受信した撮影準備指示に基づき、撮影指示が入力されるまでリセットを所定間隔で繰り返し、暗電流によりコンデンサ5424に電気エネルギーが蓄積されることを防止する。
【0162】
操作者は、X線照射スイッチ21の第二スイッチを押下して、撮影指示を入力する。X線源制御部43は、第二スイッチによる撮影指示に基づき、高圧発生源41を駆動制御してX線管42に高圧を印加し、放射線を発生させる。入力部12に入力された第一スイッチによる撮影準備指示に基づき、コンソール制御部13は、カセッテ5を駆動制御し、X線源4から照射される放射線による撮影をする。
【0163】
X線源4から照射されるX線は、被写体を透過し、カセッテ5に入射する。このカセッテ5に入射したX線に基づき、X線画像データが取得され、無線中継器6とコンソール通信部14を介してコンソール1に送信される。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本発明によるX線画像撮影システムの第一の実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】本発明によるカセッテの一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明によるパネルを中心としたカセッテの一実施形態の断面図である。
【図4】本発明による光検出器を中心とした回路の一実施形態の構成を示す回路図である。
【図5】カセッテの内部電源の構成を示す斜視図である。
【図6】図5の構成の変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明によるX線画像撮影システムの第二の実施形態の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0165】
1000 X線画像撮影システム(放射線画像撮影システム)
1 コンソール
13 コンソール制御部
14 コンソール通信部
15 画像処理部
3 表示部
5 カセッテ(放射線画像撮影用カセッテ)
51 内部電源部
510 燃料電池
511 燃料ユニット
512 発電部
513 排気口
514 マイクロファン(送風部)
515 燃料ユニット装着部
52 カセッテ通信部
53 カセッテ制御部
54 パネル(放射線撮像パネル)
541 シンチレータ(放射線撮像パネルの一部)
542 光検出器(放射線撮像パネルの一部)
543 走査駆動回路(放射線撮像パネルの一部)
544 信号読取回路(放射線撮像パネルの一部)
545 データ変換部(放射線撮像パネルの一部)
546 メモリ(放射線撮像パネルの一部)
547 支持体(放射線撮像パネルの一部)
548 X線量センサ(放射線撮像パネルの一部)
6 無線中継器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線撮影により放射線画像データを生成する放射線画像撮影用カセッテと、
前記放射線画像データを用いて表示部に放射線画像を表示させるコンソールと、
を備え、
前記放射線画像撮影用カセッテが、
前記コンソールと通信可能なカセッテ通信部と、
前記放射線画像データを生成する放射線撮像パネルと、
前記放射線撮像パネルで生成された前記放射線画像データを前記カセッテ通信部から前記コンソールに送信させるカセッテ制御部と、
前記カセッテ通信部と前記放射線撮像パネルと前記カセッテ制御部とに電力を供給する燃料電池と、
を有し、
前記コンソールが、
前記カセッテ通信部から送信された前記放射線画像データを受信するコンソール通信部を有し、
前記コンソール通信部で受信した前記放射線画像データに基づいて、前記放射線画像を前記表示部に表示させる放射線画像撮影システム。
【請求項2】
請求項1に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記燃料電池が、
燃料を貯蔵する燃料ユニットを着脱可能な燃料ユニット装着部と、
前記燃料ユニット装着部に装着された前記燃料ユニットから燃料の供給を受けて発電する発電部と、
を有する放射線画像撮影システム。
【請求項3】
請求項2に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記燃料電池が、
前記燃料ユニットを互いに別々に着脱可能な複数の前記燃料ユニット装着部を有し、かつ、複数の前記燃料ユニット装着部に装着された前記燃料ユニットのいずれからでも前記発電部に燃料を供給可能であることを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記燃料電池が、前記放射線画像撮影用カセッテの向きとは無関係に、前記燃料ユニットから前記発電部に燃料を供給可能で、かつ、前記発電部で発電可能であることを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記放射線画像撮影用カセッテが、
前記放射線撮像パネルで発生する熱を前記燃料電池に向けて送風する送風部を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記放射線撮像パネルが、
放射線を蛍光に変換するシンチレータと、
前記シンチレータを保護する保護層と、
前記シンチレータを支持する支持体と、
を有し、
前記シンチレータが、前記保護層と前記支持体とで覆われていることを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記カセッテ制御部が、前記燃料電池からの電力の供給状態を示す電力供給状態情報を前記カセッテ通信部から前記コンソールに送信させ、
前記コンソールが、前記コンソール通信部が受信した前記電力供給状態情報を用いて前記表示部に前記燃料電池からの電力の供給状態に関する表示をさせることを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記カセッテ通信部が、前記コンソールと無線で通信可能であることを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記カセッテ通信部と無線通信可能な無線中継器を備え、
前記コンソール通信部が、通信ケーブルを介して前記無線中継器と通信可能であることを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記コンソールが携帯端末であることを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項11】
放射線撮影により放射線画像データを生成する放射線画像撮影用カセッテであって、
コンソールと通信可能なカセッテ通信部と、
前記放射線画像データを生成する放射線撮像パネルと、
前記放射線撮像パネルで生成された前記放射線画像データを前記カセッテ通信部から前記コンソールに送信させるカセッテ制御部と、
前記カセッテ通信部と前記放射線撮像パネルと前記カセッテ制御部とに電力を供給する燃料電池と、
を備える放射線画像撮影用カセッテ。
【請求項12】
請求項11に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記燃料電池が、
燃料を貯蔵する燃料ユニットを着脱可能な燃料ユニット装着部と、
前記燃料ユニット装着部に装着された前記燃料ユニットから燃料の供給を受けて発電する発電部と、
を有する放射線画像撮影用カセッテ。
【請求項13】
請求項12に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記燃料電池が、
前記燃料ユニットを互いに別々に着脱可能な複数の前記燃料ユニット装着部を有し、かつ、複数の前記燃料ユニット装着部に装着された前記燃料ユニットのいずれからでも前記発電部に燃料を供給可能であることを特徴とする放射線画像撮影用カセッテ。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか一項に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記燃料電池が、当該放射線画像撮影用カセッテの向きとは無関係に、前記燃料ユニットから前記発電部に燃料を供給可能で、かつ、前記発電部で発電可能であることを特徴とする放射線画像撮影用カセッテ。
【請求項15】
請求項11〜14のいずれか一項に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記放射線撮像パネルで発生する熱を前記燃料電池に向けて送風する送風部を有することを特徴とする放射線画像撮影用カセッテ。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれか一項に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記放射線撮像パネルが、
放射線を蛍光に変換するシンチレータと、
前記シンチレータを保護する保護層と、
前記シンチレータを支持する支持体と、
を有し、
前記シンチレータが、前記保護層と前記支持体とで覆われていることを特徴とする放射線画像撮影用カセッテ。
【請求項17】
請求項11〜16のいずれか一項に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記カセッテ制御部が、前記燃料電池からの電力の供給状態を示す電力供給状態情報を前記カセッテ通信部から前記コンソールに送信させることを特徴とする放射線画像撮影用カセッテ。
【請求項18】
請求項11〜17のいずれか一項に記載の放射線画像撮影用カセッテにおいて、
前記カセッテ通信部が、無線で通信可能であることを特徴とする放射線画像撮影用カセッテ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−142093(P2008−142093A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−88696(P2005−88696)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】